JP2010206025A - 成膜装置、成膜方法、プログラム、およびコンピュータ可読記憶媒体 - Google Patents

成膜装置、成膜方法、プログラム、およびコンピュータ可読記憶媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】均一性をより向上することが可能な成膜装置、成膜方法、プログラム、およびコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【解決手段】開示する成膜装置において、サセプタ2には、底部に貫通孔2aを有する凹部202と、載置領域24を有し凹部202に離脱可能に収容されるサセプタトレイ201とが設けられている。また、貫通孔2aを通して上下動可能な昇降ロッド204と、昇降ロッド204を駆動して、サセプタトレイ201を押し上げ、回転する昇降回転部が設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、成膜装置、成膜方法、プログラム、およびコンピュータ可読記憶媒体に関し、特に膜厚均一性に優れる成膜装置および成膜方法、並びにこの成膜装置において当該成膜方法を実施するためのプログラムおよびこれを記憶したコンピュータ可読記憶媒体に関する。
半導体集積回路の製造においては、種々の薄膜を基板上に堆積する種々の堆積工程が行われる。高集積化のため回路パターンの微細化や薄膜の薄層化が更に進むにつれて、堆積工程における基板面内の膜厚均一性と膜厚制御性の更なる改善が求められている。このような要求に対応するため、原子層堆積法(分子層堆積法とも言う)が注目されている(例えば、特許文献1)。この堆積法では、真空容器に配置された基板の表面に、一の原料化合物の分子を一分子層に相当する量だけ吸着させ、一の原料化合物の供給を停止するとともに真空容器内をパージし、他の原料化合物の分子を一分子層に相当する量だけ吸着させ、他の原料化合物の供給を停止するとともに真空容器内をパージするといった工程が繰り返される。
原子層堆積法に好適な薄膜堆積装置のなかには、2枚から6枚程度のウエハが平置きされるサセプタを利用するものがある。このような薄膜堆積装置には、一般に、回転可能なサセプタと、サセプタの上方においてサセプタの半径方向に延在する、一の原料化合物ガス用のガス供給ノズル、パージガス用のガス供給ノズル、他の原料ガス用のガス供給ノズル、およびパージガス用のガス供給ノズルと、が設けられている。これらのガス供給部はこの順に配置されており、これらのガス供給部から対応するガスを供給しつつ、サセプタを回転すると、サセプタ上に載置される基板に対して、一の原料化合物ガスの分子の吸着、一の原料化合物ガスのパージ、他の原料化合物ガスの分子の吸着、および他の原料化合物ガスのパージがこの順に行われ、よって、原子層堆積が実現される。これによれば、原料化合物ガスの停止や真空容器内のパージが不要となるため、スループットを向上することができる。
米国特許公報6,646,235号明細書(図2,図3) 特開平5−152238号公報
しかし、真空容器内のガスの流れのパターン、サセプタの回転速度、原料ガスの供給量、サセプタの(僅かな)温度分布などによって、特に大面積基板においては、基板の全面に亘って厳密に一分子層の分子を吸着させることができなくなり、部分的には複数分子層の分子が吸着されてしまう場合がある。このため、その部分においては、膜厚が厚くなり、基板面内の均一性が悪化してしまうという問題がある。
本発明は、上記に照らしてなされ、均一性をより向上することが可能な成膜装置、成膜方法、プログラム、およびコンピュータ可読記憶媒体を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の第1の態様は、容器内にて、互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番に基板に供給するサイクルを実行して反応生成物の層を当該基板上に生成することにより膜を堆積する成膜装置を提供する。この成膜装置は、 前記容器内に回転可能に設けられ、一の面に画定されて前記基板が載置される載置領域を有するサセプタ;前記載置領域に載置される前記基板を回転する基板回転機構;前記一の面に第1の反応ガスを供給するよう構成される第1の反応ガス供給部;前記サセプタの回転方向に沿って前記第1の反応ガス供給部から離れた、前記一の面に第2の反応ガスを供給するよう構成される第2の反応ガス供給部;前記回転方向に沿って、前記第1の反応ガスが供給される第1の処理領域と前記第2の反応ガスが供給される第2の処理領域との間に位置し、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域とを分離する分離領域;前記第1の処理領域と前記第2の処理領域とを分離するために、前記容器の中央部に位置し、前記一の面に沿って第1の分離ガスを吐出する吐出孔を有する中央領域;および前記容器内を排気するために前記容器に設けられた排気口;を備えている。前記分離領域が、第2の分離ガスを供給する分離ガス供給部と、前記第2の分離ガスが前記回転方向に対し前記分離領域から前記処理領域側へ流れることができる狭隘な空間を、前記サセプタの前記一の面に対して形成する天井面と、を含んでいる。
本発明の第2の態様は、第1の態様の成膜装置であって、前記サセプタが、底部に貫通孔を有する凹部と、前記載置領域を有し前記凹部に離脱可能に収容されるサセプタトレイとを含み、前記基板回転機構が、前記貫通孔を通して前記サセプタトレイを押し上げて、当該サセプタトレイを回転する昇降回転部を含む成膜装置を提供する。
本発明の第3の態様は、第1の態様の成膜装置であって、前記サセプタが、上面が前記載置領域の一部を構成し上方へ突出可能な突出部を含み、前記基板回転機構が、前記突出部を押し上げて回転することにより前記基板を回転するように構成される成膜装置を提供する。
本発明の第4の態様は、第1の態様の成膜装置であって、前記基板回転機構が、前記基板の裏面周縁部を支持可能な爪部を先端に有する複数のアームと、当該複数のアームを上下方向に、互いに近づく方向に、および円弧状に移動可能な駆動部と、を備え、前記サセプタが、前記載置領域の周縁部に、前記爪部が進入して前記基板の裏面周縁部に達するのを許容する凹部を更に含む成膜装置を提供する。
本発明の第5の態様は、第2の態様の成膜装置であって、前記サセプタを上下に移動可能な駆動部を更に有し、前記昇降回転部が、前記駆動部による前記サセプタの下降により、前記サセプタトレイを前記サセプタから離脱させ、当該サセプタトレイを回転する成膜装置を提供する。
本発明の第6の態様は、第1の態様の成膜装置であって、前記容器に仕切弁を介して接続される搬送モジュールと、前記搬送モジュールに仕切弁を介して接続され、前記基板を載置可能な回転ステージを内部に有する基板回転ユニットとを更に含む成膜装置を提供する。
本発明の第7の態様は、容器内にて、互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番に基板に供給するサイクルを実行して反応生成物の層を当該基板上に生成することにより膜を堆積する成膜方法を提供する。この成膜方法は、前記容器内に回転可能に設けられサセプタであって、一の面に画定され前記基板が載置される載置領域に前記基板を載置するステップ;前記基板が載置されたサセプタを回転するステップ;第1の反応ガス供給部から前記サセプタへ第1の反応ガスを供給し、前記サセプタの回転方向に沿って前記第1の反応ガス供給部から離れた第2の反応ガス供給部から前記サセプタへ第2の反応ガスを供給し、前記第1の反応ガス供給部から前記第1の反応ガスが供給される第1の処理領域と前記第2の反応ガス供給部から前記第2の反応ガスが供給される第2の処理領域との間に位置する分離領域に設けられた分離ガス供給部から、第1の分離ガスを供給し、前記分離領域の天井面と前記サセプタとの間に形成される狭隘な空間において前記回転方向に対し前記分離領域から前記処理領域側に前記第1の分離ガスを流し、前記容器の中央部に位置する中央部領域に形成される吐出孔から第2の分離ガスを供給することにより、成膜を行うステップ;前記容器を排気するステップ;前記第1の反応ガス、前記第2の反応ガス、前記第1の分離ガス、および前記第2の分離ガスの供給と、前記サセプタの回転とを停止するステップ;回転を停止した前記サセプタ上の基板を回転するステップ;前記サセプタを回転するステップ;および前記成膜を行うステップを含んでいる。
本発明の第8の態様は、第7の態様の成膜方法であって、前記基板を回転するステップにおいて、前記サセプタの底部に貫通孔を有する凹部に離脱可能に収容され前記基板が載置されたサセプタトレイが、押し上げられ、当該サセプタトレイが回転される成膜方法を提供する。
本発明の第9の態様は、第7の態様の成膜方法であって、前記基板を回転するステップにおいて、上面が前記載置領域の一部を構成するように前記サセプタに設けられ上方へ突出可能な突出部が、押し上げられ回転されて前記基板が回転される成膜方法を提供する。
本発明の第10の態様は、第7の態様の成膜方法であって、前記基板を回転するステップにおいて、前記基板の裏面周縁部が支持されて当該基板が持ち上げられ回転される成膜方法を提供する。
本発明の第11の態様は、第8の態様の成膜方法であって、前記基板を回転するステップにおいて、前記サセプタの下降により、前記サセプタトレイが前記サセプタから離脱され、当該サセプタトレイが回転される成膜方法を提供する。
本発明の第12の態様は、第1の態様の成膜方法であって、前記基板を回転するステップが、前記基板を前記容器から搬出し、前記容器に搬送モジュールを介して接続される基板回転ユニットに設けられる、前記基板を載置可能な回転ステージに載置するステップと、当該基板を前記回転ステージにより回転するステップと、前記回転された基板を前記容器に搬入し、前記載置領域に載置するステップとを含む成膜方法を提供する。
本発明の第13の態様は、第7から第12のいずれかの態様の成膜方法であって、前記基板を回転するステップにおける前記基板の回転角度が、0°より大きく360°より小さい成膜方法を提供する。
本発明の第14の態様は、第7から第12のいずれかの態様の成膜方法であって、前記基板を回転するステップにおける前記基板の回転角度が、45°以上90°以下である成膜方法を提供する。
本発明の第15の態様は、第7から第14のいずれかの態様の成膜方法であって、前記停止するステップ、前記基板を回転するステップ、前記サセプタを回転するステップ、および前記成膜を行うステップがこの順に複数回繰り返され、前記膜の膜厚が目標膜厚に達するまでの間に、前記基板を回転するステップにおいて回転された前記基板の合計回転角度が360°以上である成膜方法を提供する。
本発明の第16の態様は、第1から第6のいずれかの態様の成膜装置に第7から第15のいずれかの態様の成膜方法を実行させるプログラムを提供する。
本発明の第17の態様は、第16の態様のプログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
本発明の実施形態によれば、均一性をより向上することが可能な成膜装置、成膜方法、プログラム、およびコンピュータ可読記憶媒体が提供される。
本発明の実施形態による成膜装置を示す模式図 図1の成膜装置の容器本体の内部を示す斜視図 図1の成膜装置の容器本体の内部を示す上面図 (a)は図1の成膜装置で用いられるサセプタの一部と、一のサセプタトレイとを示す斜視図、(b)は(a)のI−I線に沿った断面図 図1の成膜装置のガス供給ノズル、サセプタ、及び凸状部との位置関係を示す図 図1の成膜装置の一部断面図 図1の成膜装置の破断斜視図 図1の成膜装置におけるパージガスの流れを示す一部断面図 図1の成膜装置の容器本体内へアクセスする搬送アームを示す斜視図 図1の成膜装置においてウエハを回転(自転)する動作を説明する図 図1の成膜装置において成膜中にウエハを回転(自転)するタイミングを説明する図 図1の成膜装置の容器本体内を流れるガスのフローパターンを示す上面図 図1の成膜装置におけるウエハ回転(自転)の効果を説明する図 図1の成膜装置内の突出部の形状を説明する図 図1の成膜装置のガス供給ノズルの変形例を示す図 図1の成膜装置内の突出部の変形例を示す図 図1の成膜装置内の突出部とガス供給ノズルの変形例を示す図 図1の成膜装置内の突出部の他の変形例を示す図 図1の成膜装置におけるガス供給ノズルの配置位置の変形例を示す図 図1の成膜装置内の突出部のまた別の変形例を示す図 図1の成膜装置内において、反応ガス供給ノズルに対して突出部を設けた例を示す図 図1の成膜装置内の突出部の更に別の変形例を示す図 本発明の他の実施形態による成膜装置を示す模式図 図1または図22の成膜装置を含む基板処理装置を示す模式図 本発明の実施形態による成膜装置のウエハ回転(自転)機構の他の例を示す図 本発明の実施形態による成膜装置のウエハ回転(自転)機構としてのウエハリフタを示す概略断面図 本発明の別の実施形態による成膜装置を示す模式図 図27のII−II線に沿った断面図
以下、本発明の実施形態による成膜装置について、添付図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態による成膜装置300は、図1(図3のB−B線に沿った断面図)に示すように、平面形状が概ね円形である扁平な真空容器1と、この真空容器1内に設けられ、当該真空容器1の中心に回転中心を有するサセプタ2と、を備えている。真空容器1は天板11が容器本体12から分離できるように構成されている。天板11は、例えばOリングなどの封止部材13を介して容器本体12に取り付けられ、これにより真空容器1が気密に密閉される。一方、天板11を容器本体12から分離する必要があるときは、図示しない駆動機構により上方に持ち上げられる。
サセプタ2は、本実施形態においては約20mmの厚さを有するカーボン板で作製され、約960mmの直径を有する円板形状に形成されている。また、サセプタ2の上面、裏面および側面をSiCでコーティングしても良い。ただし、サセプタ2は、他の実施形態においては、石英などの他の材料で形成しても良い。図1を参照すると、サセプタ2は、中央に円形の開口部を有しており、開口部の周りで円筒形状のコア部21により上下から挟まれて保持されている。コア部21は、鉛直方向に伸びる回転軸22の上端に固定されている。回転軸22は容器本体12の底面部14を貫通し、その下端が当該回転軸22を鉛直軸回りに(例えば図2に示すように回転方向RDに)回転させる駆動部23に取り付けられている。この構成により、サセプタ2はその中心を軸に回転することができる。なお、回転軸22および駆動部23は、上面が開口した筒状のケース体20内に収納されている。このケース体20はその上面に設けられたフランジ部分20aを介して真空容器1の底面部14の下面に気密に取り付けられており、これにより、ケース体20の内部雰囲気が外部雰囲気から隔離されている。
図2および図3を参照すると、サセプタ2の上面には、円形の上面形状を有する複数(図示の例では5つ)のサセプタトレイ201が設けられている。図示の例では、サセプタトレイ201は、サセプタ2において、約72°の角度間隔で配置されている。サセプタトレイ201の外径は、例えば、ウエハWの直径よりも約10mmから約100mm大きくて良い。各サセプタトレイ201には、ウエハWが載置される円形凹部状の載置部24が形成されている。図3では、図示の便宜上、1つのサセプタトレイ201にのみウエハWが描かれている。
図4(a)は、真空容器1の容器本体12の側壁に設けられ、ウエハWの搬入出に利用される搬送口15(図2および図3参照)と、これに整列したサセプタトレイ201とを示している。図4(b)は、図4(a)のI−I線に沿った断面図である。
図4(b)を参照すると、サセプタ2には凹部202が設けられ、サセプタトレイ201がこの凹部202に着脱可能に収容されている。凹部202のほぼ中央部には貫通孔2aが設けられている。また、サセプタトレイ201の下方であって真空容器1の外部に、駆動装置203が配置され、駆動装置203の上部には昇降ロッド204が取り付けられている。昇降ロッド204は、ベローズ204aおよび磁気シール(図示せず)を介して真空容器1の底部に気密に取り付けられている。駆動装置203は、例えば圧空シリンダとステップモータを含み、昇降ロッド204を昇降し、回転することができる。このため、駆動装置203によって昇降ロッド204が上方に移動すると、昇降ロッド204は、サセプタ2の凹部202の貫通孔2aを通してサセプタトレイ201の裏面に接し、サセプタトレイ201を上方へ押し上げる。サセプタトレイ201がサセプタ2から離れているとき、昇降ロッド204はサセプタトレイ201を回転することができる。また、昇降ロッド204が下方へ移動すると、サセプタトレイ201も下方へ移動してサセプタ2の凹部202に収容される。
なお、昇降ロッド204は、サセプタ2の下方に配置されるヒータユニット7に衝突しないように設けられることは勿論である。例えば図4(b)に示すように、ヒータユニット7が複数の環状ヒータエレメントにより構成される場合、昇降ロッド204は、2つの隣接する環状ヒータエレメントの間を通ってサセプタトレイ201の裏面に達することができる。
また、図4(b)に示すように、サセプタトレイ201が凹部202に収まっているとき、サセプタトレイ201の上面201aは、サセプタ2の上面と同一の平面を形成している。サセプタ2とサセプタトレイ201との間に段差が生じると、サセプタ2およびサセプタトレイ201の上方を流れるガスのフローパターンが乱れ、ウエハW上での膜厚均一性が影響を受ける場合がある。この影響を低減するため、サセプタトレイ201の上面201aと、サセプタ2の上面とを同一の高さとし、フローパターンの乱れを防いでいる。
また、図4(b)に示すとおり、サセプタトレイ201の載置部24は、ウエハWの直径よりも僅かに大きい、例えば4mm程度大きい直径と、ウエハWの厚さにほぼ等しい深さとを有している。このため、ウエハWが載置部24に載置されたとき、ウエハWの表面は、サセプタ2の上面およびサセプタトレイ201の上面201aと同じ高さにある。仮に、その領域とウエハWとの間に比較的大きい段差があると、その段差によりガスの流れに乱流が生じ、ウエハW上での膜厚均一性が影響を受ける。このため、2つの表面が同じ高さにある。「同じ高さ」は、ここでは高さの差が約5mm以下であることを意味するが、その差は、加工精度が許す範囲でできるだけゼロに近くすべきである。また、サセプタ2の表面とサセプタトレイ201の上面201aの「同じ高さ」についても同様である。
再び図3を参照すると、搬送口15に臨む搬送アーム10が図示されている。搬送アーム10は、搬送口15を通してウエハWを真空容器1の中へ(図9参照)、又は真空容器1から外へと搬送する。搬送口15にはゲートバルブ(図示せず)が設けられ、これにより搬送口15が開閉される。サセプタトレイ201のウエハ収容領域である凹部24が搬送口15に整列し、ゲートバルブが開くと、ウエハWは搬送アーム10により真空容器1内へ搬送され、搬送アーム10から凹部24に置かれる。ウエハWを搬送アーム10から凹部24へ降ろすため、また、凹部24から持ち上げるために、各サセプタトレイ201とサセプタ2の凹部202の底部とに3つの貫通孔が形成され、この貫通孔を通して上下動可能な昇降ピン16(図8)が設けられている。昇降ピンは昇降機構(図示せず)によって、サセプタトレイの凹部24に形成された貫通孔を通して昇降される。
また、図2および図3に示すように、サセプタ2の上方に第1の反応ガス供給ノズル31、第2の反応ガス供給ノズル32、及び分離ガス供給ノズル41,42が設けられ、これらは、所定の角度間隔で半径方向に延在している。この構成により、載置部24は、ノズル31,32,41,及び42の下を通過することができる。図示の例では、第2の反応ガス供給ノズル32、分離ガス供給ノズル41、第1の反応ガス供給ノズル31、及び分離ガス供給ノズル42がこの順に時計回りに配置されている。これらのガスノズル31,32,41,42は、容器本体12の周壁部を貫通し、ガス導入ポート31a,32a,41a,42aである端部を壁の外周壁に取り付けることにより、支持されている。ガスノズル31,32,41,42は、図示の例では、真空容器1の周壁部から真空容器1内へ導入されているが、環状の突出部5(後述)から導入しても良い。この場合、突出部5の外周面と天板11の外表面とに開口するL字型の導管を設け、真空容器1内でL字型の導管の一方の開口にガスノズル31(32,41,42)を接続し、真空容器1の外部でL字型の導管の他方の開口にガス導入ポート31a(32a、41a、42a)を接続することができる。
図示していないが、反応ガス供給ノズル31は、第1の反応ガスであるビスターシャルブチルアモノシラン(BTBAS)のガス供給源に接続され、反応ガス供給ノズル32は、第2の反応ガスであるオゾン(O)のガス供給源に接続されている。
反応ガス供給ノズル31、32には、下方側に反応ガスを吐出するための吐出孔33がノズルの長さ方向に間隔を置いて配列されている。本実施形態においては、吐出孔33は、約0.5mmの口径を有し、反応ガス供給ノズル31、32の長さ方向に沿って約10mmの間隔で配列されている。また、反応ガス供給ノズル31の下方領域はBTBASガスをウエハに吸着させるための第1の処理領域P1であり、反応ガス供給ノズル32の下方領域はOガスをウエハに吸着させるための第2の処理領域P2である。
一方、分離ガス供給ノズル41,42は、チッ素ガス(N)のガス供給源(図示せず)に接続されている。分離ガス供給ノズル41、42は、下方側に分離ガスを吐出するための吐出孔40を有している。吐出孔40は、長さ方向に所定の間隔で配置されている。本実施形態においては、吐出孔40は、約0.5mmの口径を有し、分離ガス供給ノズル41、42の長さ方向に沿って約10mmの間隔で配列されている。
分離ガス供給ノズル41、42は、第1の処理領域P1と第2の処理領域P2とを分離するよう構成される分離領域Dに設けられている。各分離領域Dにおいては、真空容器1の天板11に、図2、図3、図5(a)および図5(b)に示すように、凸状部4が設けられている。凸状部4は、扇形の上面形状を有しており、その頂部は真空容器1の中心に位置し、円弧は容器本体12の内周壁の近傍に沿って位置している。また、凸状部4は、凸状部4が二分割されるように半径方向に延びる溝部43を有している。溝部43には分離ガス供給ノズル41(42)が収容されている。分離ガス供給ノズル41(42)の中心軸と扇形の凸状部4の一方の辺との間の距離は、分離ガス供給ノズル41(42)の中心軸と扇形の凸状部4の他方の辺との間の距離とほぼ等しい。なお、溝部43は、本実施形態では、凸状部4を二等分するように形成されるが、他の実施形態においては、例えば、凸状部4におけるサセプタ2の回転方向上流側が広くなるように、溝部43を形成しても良い。
上記の構成によれば、図5(a)に示すように、分離ガス供給ノズル41(42)の両側には平坦な低い天井面44(第1の天井面)があり、低い天井面44の両側方には高い天井面45(第2の天井面)がある。凸状部4(天井面44)は、第1及び第2の反応ガスが凸状部4とサセプタ2との間に侵入するのを阻止して混合するのを阻止するための狭隘な空間である分離空間を形成する。
図5(b)を参照すると、サセプタ2の回転方向に沿って反応ガス供給ノズル32から凸状部4に向かって流れるOガスが当該空間へ侵入するのが阻止され、またサセプタ2の回転方向と反対方向に沿って反応ガス供給ノズル31から凸状部4に向かって流れるBTBASガスが当該空間へ侵入するのが阻止される。「ガスが侵入するのが阻止される」とは、分離ガス供給ノズル41から吐出した分離ガスであるNガスが第1の天井面44とサセプタ2の表面との間に拡散して、この例では当該第1の天井面44に隣接する第2の天井面45の下方側の空間に吹き出し、これにより第2の天井面45の下方側空間からのガスが侵入できなくなることを意味する。そして「ガスが侵入できなくなる」とは、第2の天井面45の下方側空間から凸状部4の下方側空間に全く入り込むことができない場合のみを意味するのではなく、反応ガスの一部が侵入しても、その反応ガスが分離ガス供給ノズル41に向かって更に進むことができず、よって、混ざり合うことができないことも意味する。すなわち、このような作用が得られる限り、分離領域Dは、第1の処理領域P1と第2の処理領域P2とを分離することとなる。また、ウエハに吸着したガスについては当然に分離領域D内を通過することができる。したがって、ガスの侵入阻止は、気相中のガスを意味している。
図1、図2、及び図3を参照すると、天板11の下面には、内周縁がコア部21の外周面に面するように配置された環状の突出部5が設けられている。突出部5は、コア部21よりも外側の領域においてサセプタ2と対向している。また、突出部5は、凸状部4と一体に形成され、凸状部4の下面と突出部5の下面とは一の平面を形成している。すなわち、突出部5の下面のサセプタ2からの高さは、凸状部4の下面(天井面44)と高さと等しい。この高さは、後に高さhと言及される。ただし、突出部5と凸状部4は、必ずしも一体でなくても良く、別体であっても良い。なお、図2及び図3は、凸状部4を真空容器1内に残したまま天板11を取り外した真空容器1の内部構成を示している。
本実施形態においては、分離領域Dは、凸状部4となるべき扇形プレートに溝部43を形成して、分離ガス供給ノズル41(42)を溝部43に配置することにより形成される。しかし、2つの扇形プレートが分離ガス供給ノズル41(42)の両側に配置されるように、これら2つの扇形プレートを天板11の下面にネジで取り付けるようにしても良い。
本実施形態において、約300mmの直径を有するウエハWが真空容器1内で処理されることとなる場合、凸状部4は、サセプタの回転中心から140mm離れた内側の円弧li(図3)に沿った例えば140mmの周方向長さと、サセプタ2の載置部24の最外部に対応する外側の円弧lo(図3)に沿った例えば502mmの周方向長さとを有する。また、外側の円弧loに沿った、凸状部4の一側壁から溝部43の直近の側壁までの周方向長さは、約246mmである。
また、凸状部4の下面、即ち、天井面44の、サセプタ2の表面から測った高さh(図5(a))は、例えば約0.5mmから約10mmであって良く、約4mmであると好適である。また、サセプタ2の回転数は例えは1rpm〜500rpmに設定されている。分離領域Dの分離機能を確保するためには、処理真空容器1内の圧力やサセプタ2の回転数などに応じて、凸状部4の大きさや凸状部4の下面(第1の天井面44)とサセプタ2の表面との高さhを例えば実験などを通して設定してよい。なお分離ガスとしては、本実施形態ではNガスだが、分離ガスが酸化シリコンの成膜に影響を与えない限りにおいて、HeやArガスなどの不活性ガスや水素ガスなどであってもよい。
図6は、図3のA−A線に沿った断面図の半分を示し、ここには凸状部4と、凸状部4と一体に形成された突出部5が図示されている。図6を参照すると、凸状部4は、その外縁においてL字状に屈曲する屈曲部46を有している。凸状部4は天板11に取り付けられ天板11とともに容器本体12から分離され得るため、屈曲部46とサセプタ2との間及び屈曲部46と容器本体12との間に僅かな隙間があるが、屈曲部46は、サセプタ2と容器本体12との間の空間を概ね埋めており、反応ガス供給ノズル31aからの第1の反応ガス(BTBAS)と反応ガス供給ノズル32aからの第2の反応ガス(オゾン)とがこの隙間を通して混合するのを防止する。屈曲部46と容器本体12との間の隙間、及び屈曲部46とサセプタ2との間に僅かな隙間は、上述のサセプタから凸状部4の天井面44までの高さhとほぼ同一の寸法とされている。図示の例において、屈曲部46のサセプタ2の外周面に面する側壁が、分離領域Dの内周壁を構成している。
図3に示すB−B線に沿った断面図である図1を再び参照すると、容器本体12は、サセプタ2の外周面に対向する容器本体12の内周部に凹み部を有している。これ以降、この凹み部を排気領域6と称する。排気領域6の下方には、排気口61(他の排気口62については図3参照)が設けられ、これらには他の排気口62についても使用され得る排気管63を介して真空ポンプ64に接続されている。また、排気管63には圧力調整器65が設けられている。複数の圧力調整器65を、対応する排気口61,62に対して設けてもよい。
図3を再び参照すると、排気口61は、上方から見て、第1の反応ガス供給ノズル31と、第1の反応ガス供給ノズル31に対してサセプタ2の時計回転方向の下流に位置する凸状部4との間に配置されている。この構成により、排気口61は、実質的に、第1の反応ガス供給ノズル31からのBTBASガスを専ら排気することができる。一方、排気口62は、上方から見て、第2の反応ガス供給ノズル32と、第2の反応ガス供給ノズル32に対してサセプタ2の時計回転方向の下流に位置する凸状部4との間に配置されている。この構成により、排気口62は、実質的に、第2の反応ガス供給ノズル32からのOガスを専ら排気することができる。したがって、このように構成される排気口61、62は、分離領域DがBTBASガスとOガスとが混合するのを防止するのを補助することができる。
本実施形態では、2つの排気口が容器本体12に設けられているが、他の実施形態では、3つの排気口が設けられてもよい。例えば、第2の反応ガス供給ノズル32と、第2の反応ガス供給ノズル32に対してサセプタ2の時計回転方向の上流に位置する分離領域Dとの間に追加の排気口を設けてもよい。また、更に追加の排気口をどこかに設けてもよい。図示の例では、排気口61、62はサセプタ2よりも低い位置に設けることで真空容器1の内周壁とサセプタ2の周縁との間の隙間から排気するようにしているが、容器本体12の側壁に設けてもよい。また、排気口61,62を容器本体12の側壁に設ける場合、排気口61,62はサセプタ2よりも高く位置して良い。この場合、ガスはサセプタ2の表面に沿って流れ、サセプタ2の表面より高く位置する排気口61,62へ流れ込む。したがって、真空容器1内のパーティクルが吹き上げられないという点で、排気口が例えば天板11に設けられた場合に比べて、有利である。
図1、図2及び図7に示すように、サセプタ2と容器本体12の底部14との間の空間には、加熱部としての環状のヒータエレメントから構成されるヒータユニット7が設けられ、これにより、サセプタ2上のウエハWがサセプタ2を介してプロセスレシピで決められた温度に加熱される。また、カバー部材71が、サセプタ2の下方においてサセプタ2の外周の近くに、ヒータユニット7を取り囲むように設けられ、ヒータユニット7が置かれている空間が、ヒータユニット7の外側の領域から区画されている。カバー部材71は上端にフランジ部71aを有し、フランジ部71aは、カバー部材71内にガスが流入することを防止するため、サセプタ2の下面とフランジ部との間に僅かな間隙が維持されるように配置される。
再び図1を参照すると、底部14は、環状のヒータユニット7の内側に隆起部を有している。隆起部の上面は、サセプタ2と隆起部との間及び隆起部とコア部21とに接近しており、隆起部の上面とサセプタ2との間、及び隆起部の上面とコア部21の裏面との間に僅かな隙間を残している。また、底部14は、回転軸22が通り抜ける中心孔を有している。この中心孔の内径は、回転軸22の直径よりも僅かに大きく、フランジ部20aを通してケース体20と連通する隙間を残している。パージガス供給管72がフランジ部20aの上部に接続されている。また、ヒータユニット7が収容される領域をパージするため、複数のパージガス供給管73が所定の角度間隔でヒータユニット7の下方の領域に接続されている。
このような構成により、回転軸22と底部14の中心孔との間の隙間、コア部21と底部14の隆起部との間の隙間、及び底部14の隆起部とサセプタ2の裏面との間の隙間を通して、パージガス供給管72からヒータユニット空間へNパージガスが流れる。また、パージガス供給管73からヒータユニット7の下の空間へNガスが流れる。そして、これらのNパージガスは、カバー部材71のフランジ部71aとサセプタ2の裏面との間の隙間を通して排気口61へ流れ込む。Nパージガスのこのような流れは、図8に矢印で示してある。Nパージガスは、第1(第2)の反応ガスがサセプタ2の下方の空間を回流して第2(第1)の反応ガスと混合するのを防止する分離ガスとして働く。
図8を参照すると、真空容器1の天板11の中心部には分離ガス供給管51が接続され、これにより、天板11とコア部21との間の空間52に分離ガスであるNガスが供給される。この空間52に供給された分離ガスは、突出部5とサセプタ2との狭い隙間50を通して、サセプタ2の表面に沿って流れ、排気領域6に到達する。この空間53と隙間50は分離ガスが満たされているので、サセプタ2の中心部を介して反応ガス(BTBAS、O)が混合することがない。即ち、本実施形態の成膜装置300は、第1の処理領域P1と第2の処理領域P2とを分離するためにサセプタ2の回転中心部と真空容器1とにより画成され、分離ガスをサセプタ2の上面に向けて吐出する吐出口を有するように構成される中心領域Cが設けられている。なお、図示の例では、吐出口は突出部5とサセプタ2との狭い隙間50に相当する。
また、この実施形態による成膜装置300には、装置全体の動作のコントロールを行うための制御部100が設けられている。この制御部100は、例えばコンピュータで構成されるプロセスコントローラ100aと、ユーザインタフェース部100bと、メモリ装置100cとを有する。ユーザインタフェース部100bは、成膜装置300の動作状況を表示するディスプレイや、成膜装置300の操作者がプロセスレシピを選択したり、プロセス管理者がプロセスレシピのパラメータを変更したりするためのキーボードやタッチパネル(図示せず)などを有する。
メモリ装置100cは、プロセスコントローラ100aに種々のプロセスを実施させる制御プログラム、プロセスレシピ、及び各種プロセスにおけるパラメータなどを記憶している。また、これらのプログラムは、例えば後述する動作を行わせるためのステップ群を有している。これらの制御プログラムやプロセスレシピは、ユーザインタフェース部100bからの指示に従って、プロセスコントローラ100aにより読み出されて実行される。また、これらのプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体100dに格納され、これらに対応した入出力装置(図示せず)を通してメモリ装置100cにインストールしてよい。コンピュータ可読記憶媒体100dは、ハードディスク、CD、CD−R/RW、DVD−R/RW、フレキシブルディスク、半導体メモリなどであってよい。また、プログラムは通信回線を通してメモリ装置100cへダウンロードしてもよい。
次に、本実施形態の成膜装置300の動作(成膜方法)について説明する。
(ウエハ搬入工程)
始めに、ウエハWがサセプタ2上に載置される工程について、主として図10と図11を参照しながら説明する。まず、サセプタ2を回転して載置部24を搬送口15に整列させ、ゲートバルブ(図示せず)を開く。次に、図9に示すように、ウエハWが搬送アーム10によって搬送口15を通して真空容器1内に搬入され、載置部24の上方に保持される(図9参照)。次いで、昇降ピン16が上昇して搬送アーム10からウエハWを受け取り、搬送アーム10が真空容器1から退出し、ゲートバルブ(図示せず)が閉まり、昇降ピン16が下降してウエハWをサセプタトレイ201の載置部24に載置する。
この一連の動作が、一ランで処理されるウエハの枚数に等しい回数繰り返されると、ウエハ搬入が終了する。
(成膜工程)
ウエハ搬入後、真空ポンプ64(図1)により真空容器1内が予め設定した圧力にまで排気される。次に、サセプタ2が上から見て時計回りに回転(公転)を開始する。サセプタ2およびサセプタトレイ201は、ヒータユニット7により前もって所定の温度(例えば300℃)に加熱されており、ウエハWは、載置部24に載置されることにより加熱される。ウエハWが加熱され、所定の温度に維持されたことが温度センサ(図示せず)により確認された後、第1の反応ガス(BTBAS)が第1の反応ガス供給ノズル31を通して第1の処理領域へ供給され、第2の反応ガス(O)が第2の反応ガス供給ノズル32を通して第2の処理領域P2へ供給される。加えて、分離ガス供給ノズル41、42から分離ガス(N)が供給される。
ウエハWが第1の反応ガス供給ノズル31の下方の第1の処理領域P1を通過するときに、ウエハWの表面にBTBAS分子が吸着し、第2の反応ガス供給ノズル32の下方の第2の処理領域P2と通過するときに、ウエハWの表面にO分子が吸着され、OによりBTBAS分子が酸化される。したがって、サセプタ2の回転により、ウエハWが領域P1、P2の両方を一回通過すると、ウエハWの表面に酸化シリコンの一分子層が形成される。
サセプタ2の回転によってウエハWが領域P1、P2を交互に所定の回数通過した後、ウエハWの自転工程が行われる。具体的には、まず、BTBASガスとOガスの供給を停止し、サセプタ2の回転を停止する。このとき、サセプタ2上の5つのサセプタトレイ201のいずれか一つが、真空容器1の搬送口15に整列するようにサセプタ2が停止する。または、サセプタ2を停止した後に、一のサセプタトレイ201が搬送口15に整列するように角度調整が行われても良い。これにより、図4を参照しつつ説明したように、当該サセプタトレイ201が昇降ロッド204および昇降機構203の上方に位置する。すなわち、昇降ロッド204がサセプタ2の凹部202の中央の貫通孔201aを通過することができる位置に、サセプタ2が停止する。
次に、図10(a)に示すように昇降ロッド204が上方に移動し、貫通孔2aを通ってサセプタトレイ201を上方へ押し上げる(図10(b))。次いで、図10(c)に示すように、サセプタトレイ201は、サセプタ2から押し上げられたまま、昇降ロッド204により例えば45°回転される。これにより、このサセプタトレイ201の載置部24に載置されているウエハWも45°自転することとなる。この後、昇降ロッド204が下降し、サセプタトレイ201がサセプタ2の凹部202に収容される(図10(d))。
続けて、サセプタ2が回転し、昇降ロッド204により回転されたサセプタトレイ201の隣のサセプタトレイ201が搬送口15に整列される。この後、図10(a)から図10(d)に示した自転工程が繰り返され、当該サセプタトレイ201の自転が終了する。引き続いて、これらの動作が、サセプタ2上のウエハWの枚数に等しい回数繰り返されて、ウエハWの自転工程が終了する。
この自転工程は、これに限定されないが例えば、ウエハW(サセプタトレイ201)の1回当たりの自転角度をθ°とし、堆積する膜の目標膜厚をTnmとすると、成膜開始から終了までの間に360°/θ°回行うと好ましく、しかも、膜厚がT×(360°/θ°)nm増加する毎に行うと好ましい。具体的には、膜厚80nmのSiO膜を成膜する場合において、ウエハWの自転角度を45°とすると、ウエハW上へのSiO膜の成膜の工程の間に、ウエハWの自転は少なくとも8(=360/45)回行われると好ましい。これによれば、SiO膜の膜厚が約10nm(=80/8)増える毎に、1回の自転工程が行われることとなる。より具体的には、図11に示すように、ステップ1においてSiO膜を成膜し、膜厚が約10nmとなった時点で、成膜を中断し、上述の自転工程を行ってすべてのウエハWを45°回転する(ステップ2)。次いで、成膜を再開し(ステップ3)、SiO膜の膜厚が更に10nm増加した時点で、成膜を中断し、ウエハWを再び(同じ向きに)45°回転する(ステップ4)。以下、これらの動作を繰り返すことにより、80nmのSiO膜が成膜される間に、ウエハWの45°の自転が8回繰り返されて、結局、ウエハWが少なくとも1回転することとなる。これにより、ウエハW面内に生じ得るSiO膜の厚い部分の膜厚と薄い部分の膜厚とが効果的に相殺され、ウエハW面内の膜厚均一性を向上することができる。均一化の具体的な効果については、後に説明する。
また、サセプタトレイ201が自転するときには、裏面がサセプタ2の上面よりも僅かに高くなる程度に押し上げられれば十分である。すなわち、自転時にサセプタトレイ201がサセプタ2に接触しない程度の高さであって良く、具体的には、サセプタトレイ201の裏面とサセプタ2の上面との差は、約1mmから約10mm程度であって良い。
所定の膜厚を有するSiO膜が堆積された後、BTBASガスとオゾンガスを停止し、サセプタ2の回転を停止し、成膜工程が終了する。
(ウエハ搬出工程)
成膜工程終了後、真空容器1内をパージする。次いで、ウエハWが、搬入動作と逆の動作により搬送アーム10により真空容器1から順次搬出される。すなわち、載置部24が搬送口15に整列し、ゲートバルブが開いた後、昇降ピン16が上昇してウエハWをサセプタトレイ201の上方に保持する。次に、搬送アーム10がウエハWの下方にまで進入し、昇降ピン16が下降して、搬送アーム10によりウエハWが受け取られる。この後、搬送アーム10が真空容器1から退出し、ウエハWを真空容器1から搬出する。これにより、一のウエハWの搬出が終了する。続けて、上記の動作が繰り返されて、サセプタ2上のすべてのウエハWが搬出される。
以下、本発明の実施形態による成膜装置を用いた成膜工程の利点について説明する。
図12は、ガスノズル31,32,41,42から真空容器1内へ供給されたガスのフローパターンを模式的に示す図である。図示のとおり、第2の反応ガス供給ノズル32から吐出されたOガスの一部は、サセプタ2の表面(及びウエハWの表面)に当たって、その表面に沿ってサセプタ2の回転方向と逆の方向に流れる。次いで、このOガスは、サセプタ2の回転方向の上流側から流れてきたNガスに押し戻され、サセプタ2の周縁と真空容器1の内周壁の方へ向きを変える。最後に、Oガスは、排気領域6に流れ込み、排気口62を通して真空容器1から排気される。
第2の反応ガス供給ノズル32から吐出されたOガスの他の部分は、サセプタ2の表面(及びウエハWの表面)に当たって、その表面に沿ってサセプタ2の回転方向と同じ方向に流れる。この部分のOガスは、主に、中心領域Cから流れるNガスと排気口62を通した吸引力によって、排気領域6に向かって流れる。一方、この部分のOガスの少量部分が、第2の反応ガス供給ノズル32に対してサセプタ2の回転方向の下流側に位置する分離領域Dに向かって流れ、天井面44とサセプタ2との間の隙間に入る可能性がある。しかし、その隙間の高さhが意図した成膜条件下で当該隙間への流入を阻止する程度の高さに設定されているため、Oガスはその隙間に入るのが阻止される。喩え、少量のOガスがその隙間に流れ込んだとしても、そのOガスは、分離領域Dの奥まで流れることができない。隙間に流れ込んだ少量のOガスは、分離ガス供給ノズル41から吐出された分離ガスによって押し戻される。したがって、図12に示すように、サセプタ2の上面を回転方向に沿って流れる実質的にすべてのOガスが、排気領域6へ流れ排気口62によって排気される。
同様に、第1の反応ガス供給ノズル31から吐出され、サセプタ2の回転方向と反対の方向にサセプタ2の表面に沿って流れる一部のBTBASガスは、第1の反応ガス供給ノズル31に対して回転方向上流側に位置する凸状部4の天井面44とサセプタ2との間の隙間に流れ込むことが防止される。喩え少量のBTBASガスが流れ込んだとしても、分離ガス供給ノズル41から吐出されるNガスによって押し戻される。押し戻されたBTBASガスは、分離ガス供給ノズル41からのNガスと中心領域Cから吐出されているNガスと共に、サセプタ2の外周縁と真空容器1の内周壁とに向かって流れ、排気領域6を介して排気口61を通して排気される。
第1の反応ガス供給ノズル31から下方側に吐出され、サセプタ2の回転方向と同じ方向にサセプタ2の表面(及びウエハWの表面)に沿って流れる他の部分のBTBASガスは、第1の反応ガス供給ノズル31に対して回転方向下流側に位置する凸状部4の天井面44とサセプタ2との間に流れ込むことができない。喩え少量のBTBASガスが流れ込んだとしても、分離ガス供給ノズル42から吐出されるNガスによって押し戻される。押し戻されたBTBASガスは、分離領域Dの分離ガス供給ノズル42からのNガスと中心領域Cから吐出されているNガスと共に、排気領域6に向かって流れ、排気口61により排気される。
上述のように、分離領域Dは、BTBASガスやOガスが分離領域Dへ流れ込むのを防止するか、分離領域Dへ流れ込むBTBASガスやOガスの量を十分に低減するか、または、BTBASガスやOガスを押し戻すことができる。ウエハWに吸着したBTBAS分子とO分子は、分離領域Dを通り抜けるのを許され、膜の堆積に寄与する。
また、図8及び図12に示すように、中心領域Cからは分離ガスがサセプタ2の外周縁に向けて吐出されているので、第1の処理領域P1のBTBASガス(第2の処理領域P2のOガス)は、中心領域Cへ流入することができない。喩え、第1の処理領域P1の少量のBTBAS(第2処理領域P2のOガス)が中心領域Cへ流入したとしても、そのBTBASガス(Oガス)はNガスにより押し戻され、第1の処理領域P1のBTBASガス(第2の処理領域P2のOガス)が、中心領域Cを通って第2の処理領域P2(第1の処理領域P1)に流入することが阻止される。
また、第1の処理領域P1のBTBASガス(第2の処理領域P2のOガス)は、サセプタ2と容器本体12の内周壁との間の空間を通して第2の処理領域P2(第1の処理領域P1)に流入することも阻止される。これは、屈曲部46が凸状部4から下向きに形成され、屈曲部46とサセプタ2との隙間、及び屈曲部46と容器本体12の内周壁との間の隙間が、凸状部4の天井面44のサセプタ2からの高さhと同じくらい小さいため、2つの処理領域の間の連通を実質的に回避しているからである。したがって、BTBASガスは、排気口61から排気され、Oガスは排気口62から排気されて、これら2つの反応ガスが混合することはない。また、サセプタ2の下方の空間は、パージガス供給管72,73から供給されるNガスによりパージされている。したがって、BTBASガスは、サセプタ2の下方を通してプロセス領域P2へと流れ込むことはできない。
なお、上記の成膜工程中、離ガス供給管51からも分離ガスであるNガスが供給され、これにより中心領域Cから、即ち、突出部5とサセプタ2との間の隙間50からサセプタ2の表面に沿ってNガスが吐出される。この実施形態では、第2の天井面45の下の空間であって反応ガス供給ノズル31(32)が配置されている空間は、中心領域C、及び第1の天井面44とサセプタ2との間の狭隘な空間よりも低い圧力を有している。これは、天井面45の下の空間に隣接して排気領域6が設けられ、その空間は排気領域6を通して直接に排気されるからである。また、狭隘な空間が、反応ガス供給ノズル31(32)が配置されている空間、または第1(第2)の処理領域P1(P2)と狭隘な空間との間の圧力差が高さhによって維持され得るように形成されているためでもある。
上述のように、本実施形態による成膜装置300においては、真空容器1内で2つの原料ガス(BTBASガス、オゾンガス)が混合してしまうのを極力抑えることができるため、理想的に近い原子層堆積を実現され、優れた膜厚均一性および膜厚制御性を提供することができる。これに加えて、本実施形態による成膜装置300では、成膜を中断してウエハWを自転することができるため、膜厚の均一性が更に向上される。ウエハWの自転の効果を以下に説明する。
図13は、ウエハW上に成膜した膜の膜厚の面内分布の検討結果を示す。「回転なし」の欄には、ウエハW(8インチ)の自転を行わずにサセプタ2の回転(ウエハWの公転)のみを行って成膜したSiO膜の膜厚をエリプソメトリにより面内49点において測定し、その結果に基づいて計算(補間)して得た膜厚分布が示されている。図13(a)に示す「回転なし」の場合で膜厚分布を説明すると、符号Tnで示す色の濃い領域において膜厚が薄く、この領域から離れる従って膜厚が厚くなり、符号Tkで示す領域に向かって膜厚が更に厚くなることが示されている。また、図13(a)は、成膜工程においてサセプタ2を120回転毎分(rpm)で回転した場合の膜厚分布を示し、図13(b)は、成膜工程においてサセプタ2を240rpmで回転した場合の膜厚分布を示す。目標とした膜厚は、いずれも約155nmである。また、120rpmと240rpmとの場合において、原料ガス(BTBAS、O)の供給量は同一としている。
図13(a)の「回転なし」の欄の膜厚分布を参照すると、ウエハWのほぼ直径に沿った部分において膜厚が薄くなり、ウエハWのエッジの一方で厚くなっていることが分かる。この場合、ウエハ面内の膜厚均一性((49測定点のうちの最大膜厚−最小膜厚)÷(49点の平均膜厚))は3.27%であった。
この膜厚分布は、仮に、成膜中に、サセプタ2の半径方向に沿った直径を軸に中心としてウエハWを軸対称に反転することができたとすれば、例えば、図13(a)の「左右反転」の欄に示すように均一性を改善することができる。また、ウエハWをその中心に対して180°回転した場合は、図13(a)の「180度回転」の欄に示すように均一性を更に改善することができる。しかし、「左右反転」と「180°回転」の場合には、膜厚の厚い部分と薄い部分とが相殺されないため、膜厚均一性の大幅な改善にはならない。特に「180度回転」においては、膜厚の薄い領域がむしろ拡大しているように思われる。
しかし、約155nmの膜厚のSiO膜の成膜中に、ウエハWを90°ずつ4回自転(合計1回転)すると、図13(a)の「90度」の欄に示すように、膜厚均一性は1.44%にまで改善される。さらに、45°ずつ8回自転(合計1回転)すると、図13(a)の「45度」の欄に示すように、膜厚均一性は1.18%にまで改善されることが分かる。このような膜厚均一性の改善は、ウエハWの自転により、「回転なし」では膜厚が厚くなっていた部分が、膜厚が薄くなり易い位置へ移動することができ、膜厚が薄くなっていた部分が、膜厚が厚くなり易い位置へ移動することができるため、膜厚が平均化される結果によると考えることができる。なお、合計の回転角度は、360°(1回転)より大きくても良く、一回当たりの回転角度も45°や90°に限らず、0°より大きく360°以下で良く、45°以上90°以下であると好適である。
ウエハWの公転速度が240rpmの場合にも、図13(b)に示すように、概ね同一の結果が得られる。特に、240rpmの場合、図13(b)の「45度」の欄に示すように、膜厚均一性は0.83%と1%を下回るほど良好な膜厚均一性が得られることが示唆される。これらの結果から、本発明の実施形態による効果が理解される。
また、成膜中にサセプタ2の回転とサセプタトレイ201の回転とを同時に行う、いわゆる自公転の場合には、サセプタトレイ201とサセプタ2とが擦れてパーティクルが発生する可能性がある。しかし、上記の成膜方法によれば、サセプタトレイ201がサセプタ2から離れて回転するため、サセプタトレイ201とサセプタ2との擦れを最小限に抑えることができ、よって、擦れに起因するパーティクルの発生を低減できるという効果が奏される。
なお、ウエハを所定の角度ずつ回転しながらイオン注入を行う例が知られているが(特許文献2参照)、これは、ウエハを傾けてイオン注入することにより電界効果トランジスタのソース領域とドレイン領域とを形成する場合において、ソース領域とドレイン領域を対称に形成するために行われるものであって、成膜に適用できるものではない。
次に、本実施形態による成膜装置300において、BTBASとOとを用いてSiO膜を成膜する場合の好適なプロセスパラメータを以下に掲げる。
・サセプタ2の回転速度: 1−500rpm(ウエハWの直径が300mmの場合)
・真空容器1の圧力: 1067 Pa(8 Torr)
・ウエハ温度: 350℃
・BTBASガスの流量: 100 sccm
・Oガスの流量: 10000 sccm
・分離ガス供給ノズル41,42からのNガスの流量: 20000 sccm
・分離ガス供給管51からのNガスの流量: 5000 sccm
・サセプタ2の回転数: 600回転(必要な膜厚による)
この実施形態による成膜装置300によれば、成膜装置300が、BTBASガスが供給される第1の処理領域と、Oガスが供給される第2の処理領域との間に、低い天井面44を含む分離領域Dを有しているため、BTBASガス(Oガス)が第2の処理領域P2(第1の処理領域P1)へ流れ込むのが防止され、Oガス(BTBASガス)と混合されるのが防止される。したがって、ウエハWが載置されたサセプタ2を回転させて、ウエハWを第1の処理領域P1、分離領域D、第2の処理領域P2、及び分離領域Dを通過させることにより、酸化シリコン膜の分子層成膜が確実に実施される。また、BTBASガス(Oガス)が第2の処理領域P2(第1の処理領域P1)へ流れ込みOガス(BTBASガス)と混合するのを更に確実に防止するため、分離領域Dは、Nガスを吐出する分離ガス供給ノズル41,42を更に含む。さらに、この実施形態による成膜装置300の真空容器1は、Nガスが吐出される吐出孔を有する中心領域Cを有しているため、中心領域Cを通ってBTBASガス(Oガス)が第2の処理領域P2(第1の処理領域P1)へ流れ込みOガス(BTBASガス)と混合されるのを防止することができる。さらにまた、BTBASガスとOガスが混合されないため、サセプタ2への酸化シリコンの堆積が殆ど生じず、よって、パーティクルの問題を低減することができる。
なお、本実施形態による成膜装置300においては、サセプタ2は5つの載置部24を有し、対応する5つの載置部24に載置された5枚のウエハWを一回のランで処理することができるが、5つの載置部24のうちの一つに1枚のウエハWを載置しても良いし、サセプタ2に載置部24を一つのみ形成しても良い。
さらに、酸化シリコン膜の分子層成膜に限定されず、成膜装置300によって窒化シリコン膜の分子層成膜を行うこともできる。窒化シリコン膜の分子層成膜のための窒化ガスとしては、アンモニア(NH)やヒドラジン(N)などを利用することができる。
また、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜の分子層成膜のための原料ガスとしては、BTBASに限らず、ジクロロシラン(DCS)、ヘキサクロロジシラン(HCD)、トリスジメチルアミノシラン(3DMAS)、テトラエトキシシラン(TEOS)などを利用することができる。
さらにまた、本発明の実施形態による成膜装置及び成膜方法においては、酸化シリコン膜や窒化シリコン膜に限らず、窒化シリコン(NH)の分子層成膜、トリメチルアルミニウム(TMA)とO又は酸素プラズマとを用いた酸化アルミニウム(Al)の分子層成膜、テトラキスエチルメチルアミノジルコニウム(TEMAZ)とO又は酸素プラズマとを用いた酸化ジルコニウム(ZrO)の分子層成膜、テトラキスエチルメチルアミノハフニウム(TEMAHf)とO又は酸素プラズマとを用いた酸化ハフニウム(HfO)の分子層成膜、ストロンチウムビステトラメチルヘプタンジオナト(Sr(THD))とO又は酸素プラズマとを用いた酸化ストロンチウム(SrO)の分子層成膜、チタニウムメチルペンタンジオナトビステトラメチルヘプタンジオナト(Ti(MPD)(THD))とO又は酸素プラズマとを用いた酸化チタニウム(TiO)の分子層成膜などを行うことができる。
サセプタ2の外周縁に近いほど大きい遠心力が働くため、例えば、BTBASガスは、サセプタ2の外周縁に近い部分において、大きい速度で分離領域Dへ向かう。したがって、サセプタ2の外周縁に近い部分では天井面44とサセプタ2との間の隙間にBTBASガスが流入する可能性が高い。そこで、凸状部4の幅(回転方向に沿った長さ)を外周縁に向うほど広くすれば、BTBASガスがその隙間に入りにくくすることができる。この観点からは、本実施形態において上述したように、凸状部4が扇形の上面形状を有すると好ましい。
以下に、凸状部4(又は天井面44)のサイズを再び例示する。図14(a)及び図14(b)を参照すると、分離ガス供給ノズル41(42)の両側に狭隘な空間を形成する天井面44は、ウエハ中心WOが通る経路に対応する円弧の長さLとしてウエハWの直径の約1/10〜約1/1の長さであって良く、約1/6以上であると好ましい。具体的には、ウエハWが300mmの直径を有している場合、この長さLは、約50mm以上が好ましい。この長さLが短い場合、天井面44とサセプタ2との間の狭隘な空間の高さhは、反応ガスが狭隘な空間へ流れ込むのを効果的に防止するため、低くしなければならない。しかし、長さLが短くなり過ぎて、高さhが極端に低くなると、サセプタ2が天井面44に衝突し、パーティクルが発生してウエハの汚染が生じたり、ウエハが破損したりする可能性がある。したがって、サセプタ2の天井面44に衝突するのを避けるため、サセプタ2の振動を抑える、又はサセプタ2を安定して回転させるための方策が必要となる。一方、長さLを短くしたまま狭隘な空間の高さhを比較的大きく維持する場合には、天井面44とサセプタ2との間の狭隘な空間に反応ガスが流れ込むのを防止するため、サセプタ2の回転速度を低くしなければならず、製造スループットの点でむしろ不利になる。これらの考察から、ウエハ中心WOの経路に対応する円弧に沿った、天井面44の長さLは、約50mm以上が好ましい。しかし、凸状部4又は天井面44のサイズは、上記のサイズに限定されることなく、使用されるプロセスパラメータやウエハサイズに従って調整して良い。また、狭隘な空間が、分離領域Dから処理領域P1(P2)への分離ガスの流れが形成される程度の高さを有している限りにおいて、上述の説明から明らかなように、狭隘な空間の高さhもまた、使用されるプロセスパラメータやウエハサイズに加えて、たとえば天井面44の面積に応じて調整して良い。
また、上記の実施形態においては、凸状部4に設けられた溝部43に分離ガス供給ノズル41(42)が配置され、分離ガス供給ノズル41(42)の両側に低い天井面44が配置されている。しかし、他の実施形態においては、分離ガス供給ノズル41の代わりに、図15に示すように凸状部4の内部においてサセプタ2の直径方向に伸びる流路47を形成し、この流路47の長さ方向に沿って複数のガス吐出孔40を形成し、これらのガス吐出孔40から分離ガス(Nガス)を吐出するようにしてもよい。
分離領域Dの天井面44は平坦面に限られるものではなく、図16(a)に示すように凹面状に湾曲してよいし、図16(b)に示すように凸面形状にしてもよく、また図16(c)に示すように波型状に構成してもよい。
また、凸状部4は中空であって良く、中空内に分離ガスを導入するように構成しても良い。この場合、複数のガス吐出孔33を、図17(a)から図17(c)に示すように配列してもよい。
図17(a)を参照すると、複数のガス吐出孔33は、それぞれ傾斜したスリットの形状を有している。これらの傾斜スリット(複数のガス吐出孔33)は、サセプタ2の半径方向に沿って隣接するスリットと部分的にオーバーラップしている。図17(b)では、複数のガス吐出孔33は、それぞれ円形である。これらの円形の孔(複数のガス吐出孔33)は、全体としてサセプタ2の半径方向に沿って伸びる曲がりくねった線に沿って配置されている。図17(c)では、複数のガス吐出孔33は、それぞれ円弧状のスリットの形状を有している。これらの円弧状スリット(複数のガス吐出孔33)は、サセプタ2の半径方向に所定の間隔で配置されている。
また、本実施形態では凸状部4はほぼ扇形の上面形状を有するが、他の実施形態では、図18(a)に示す長方形、又は正方形の上面形状を有して良い。また、凸状部4は、図18(b)に示すように、上面は全体として扇形であり、凹状に湾曲した側面4Scを有していても良い。加えて、凸状部4は、図18(c)に示すように、上面は全体として扇形であり、凸状に湾曲した側面4Svを有していても良い。さらにまた、図18(d)に示すとおり、凸状部4における、サセプタ2(図1)の回転方向の上流側の部分が凹状の側面4Scを有し、凸状部4における、サセプタ2(図1)の回転方向の下流側の部分が平面状の側面4Sfを有していても構わない。なお、図18(a)から図18(d)において、点線は凸状部4に形成された溝部43(図5(a)、図5(b))を示している。これらの場合、溝部43に収容される分離ガス供給ノズル41(42)(図2)は真空容器1の中央部、例えば突出部5(図1)から伸びる。
ウエハを加熱するためのヒータユニット7は、抵抗発熱体の代わりに、加熱ランプを有して構成されてもよい。また、ヒータユニット7は、サセプタ2の下方側に設ける代わりにサセプタ2の上方側に設けてもよいし、上下両方に設けてもよい。
処理領域P1,P2及び分離領域Dは、他の実施形態においては図19に示すように配置されても良い。図19を参照すると、第2の反応ガス(例えば、Oガス)を供給する第2の反応ガス供給ノズル32が、搬送口15よりもサセプタ2の回転方向上流側であって、搬送口15と分離ガス供給ノズル42との間に設置されている。このような配置であっても、各ノズル及び中心領域Cから吐出されるガスは、概ね、同図において矢印で示すように流れて、両反応ガスの混合が防止される。したがって、このような配置であっても、適切な分子層成膜を実現することができる。
また、既に述べたように、2枚の扇形プレートが分離ガス供給ノズル41(42)の両側に位置されるように、天板11の下面にネジで取り付けることにより、分離領域Dを構成してよい。図20は、このような構成示す平面図である。この場合、凸状部4と分離ガス供給ノズル41(42)との間の距離や、凸状部4のサイズは、分離領域Dの分離作用を効率よく発揮するため、分離ガスや反応ガスの吐出レートを考慮して決定して良い。
上述の実施の形態では、第1の処理領域P1及び第2の処理領域P2は、分離領域Dの天井面44よりも高い天井面45を有する領域に相当している。しかし、第1の処理領域P1及び第2の処理領域P2の少なくとも一方は、反応ガス供給ノズル31(32)の両側でサセプタ2に対向し、天井面45よりも低い他の天井面を有してもよい。当該天井面とサセプタ2との間の隙間にガスが流れ込むのを防止するためである。この天井面は、天井面45よりも低く、分離領域Dの天井面44と同じくらい低くてもよい。図21は、そのような構成の一例を示している。図示のとおり、扇状の凸状部30は、Oガスが供給される第2の処理領域P2に配置され、反応ガス供給ノズル32が凸状部30に形成された溝部(図示せず)に配置されている。言い換えると、この第2の処理領域P2は、ガスノズルが反応ガスを供給するために使用されるが、分離領域Dと同様に構成されている。なお、凸状部30は、図17(a)から図17(c)に一例を示す中空の凸状部と同様に構成されても良い。
また、分離ガス供給ノズル41(42)の両側に狭隘な空間を形成するために低い天井面(第1の天井面)44が設けられる限りにおいて、他の実施形態では、上述の天井面、つまり、天井面45より低く、分離領域Dの天井面44と同じくらい低い天井面が、反応ガス供給ノズル31,32の両方に設けられ、天井面44に到達するまで延びていても良い。換言すると、凸状部4の代わりに、他の凸状部400が天板11の下面に取り付けられていて良い。図22を参照すると、凸状部400は、ほぼ円盤状の形状を有し、サセプタ2の上面のほぼ全体と対向し、ガスノズル31,32,41,42がそれぞれ収容され半径方向に延びる4つのスロット400aを有し、かつ、凸状部400の下に、サセプタ2にする狭隘な空間を残している。その狭隘な空間の高さは、上述の高さhと同程度であって良い。凸状部400を使用すると、反応ガス供給ノズル31(32)から吐出された反応ガスは、凸状部400の下で(又は狭隘な空間において)反応ガス供給ノズル31(32)の両側に拡散し、分離ガス供給ノズル41(42)から吐出された分離ガスは、凸状部400の下で(又は狭隘な空間において)分離ガス供給ノズル41(42)の両側に拡散する。この反応ガスと分離ガスは狭隘な空間において合流し、排気口61(62)を通して排気される。この場合であっても、反応ガス供給ノズル31から吐出された反応ガスは、反応ガス供給ノズル32から吐出された反応ガスと混合することはなく、適切な分子層成膜を実現できる。なお、この場合、昇降ロッド204と駆動装置203(図4(b))は、サセプタトレイ201を昇降および回転できる限りにおいて、どの位置に設けても良く、また、昇降ロッド204がサセプタトレイ201を押し上げたときの高さは、サセプタトレイ201およびその上のウエハWが凸状部400の下面に接しない範囲であって、サセプタトレイ201がサセプタ2に接することなく回転できる程度に設定される。
なお、凸状部400を、図17(a)から図17(c)のいずれかに示す中空の凸状部4を組み合わせることにより構成し、ガスノズル31,32,33,34及びスリット400aを用いずに、反応ガス及び分離ガスを、対応する中空凸状部4の吐出孔33からそれぞれガスを吐出するようにしても良い。
上記の実施形態では、サセプタ2を回転する回転シャフト22は、真空容器1の中央部に位置している。また、コア部21と天板11との間の空間52は、反応ガスが中央部を通して混合するのを防止するため、分離ガスでパージされている。しかし、真空容器1は、他の実施形態において図23のように構成されても良い。図23を参照すると、容器本体12の底部14は、中央開口を有し、ここには収容ケース80が気密に取り付けられている。また、天板11は、中央凹部80aを有している。支柱81が収容ケース80の底面に載置され、支柱81の状端部は中央凹部80aの底面にまで到達している。支柱81は、第1の反応ガス供給ノズル31から吐出される第1の反応ガス(BTBAS)と第2の反応ガス供給ノズル32から吐出される第2の反応ガス(O)とが真空容器1の中央部を通して互いに混合するのを防止する。
また、図示を省略するが、この成膜装置のサセプタ2には、図4(a)及び図4(b)に示すように、サセプタトレイ201が着脱可能に収容される凹部202が設けられている。凹部202のほぼ中央部には貫通孔2aが設けられ、貫通孔2aを通して昇降し回転する昇降ロッド204によって、サセプタトレイ201は上方へ押し上げられ、回転することができる。また、昇降ロッド204が下方へ移動すると、サセプタトレイ201も下方へ移動してサセプタ2の凹部202に収容される。サセプタトレイ201および凹部202等のサイズは、先に説明したとおりである。このような構成により、図23の成膜装置においても、成膜を中断し、サセプタトレイ201およびこれの上に載置されるウエハWを所定の角度だけ回転することが可能となり、膜厚均一性を向上することができる。
また、回転スリーブ82が、支柱81を同軸状に囲むように設けられている。回転スリーブ82は、支柱81の外面に取り付けられた軸受け86,88と、収容ケース80の内側面に取り付けられた軸受け87とにより支持されている。さらに、回転スリーブ82は、その外面にギヤ部85が取り付けられている。また、環状のサセプタ2の内周面が回転スリーブ82の外面に取り付けられている。駆動部83が収容ケース80に収容されており、駆動部83から延びるシャフトにギヤ84が取り付けられている。ギヤ84はギヤ部85と噛み合う。このような構成により、回転スリーブ82ひいてはサセプタ2が駆動部83により回転される。
パージガス供給管74が収容ケース80の底に接続され、収容ケース80へパージガスが供給される。これにより、反応ガスが収容ケース80内へ流れ込むのを防止するために、収容ケース80の内部空間を真空容器1の内部空間よりも高い圧力に維持することができる。したがって、収容ケース80内での成膜が起こらず、メンテナンスの頻度を低減できる。また、パージガス供給管75が、真空容器1の上外面から凹部80aの内壁まで至る導管75aにそれぞれ接続され、回転スリーブ82の上端部に向けてパージガスが供給される。このパージガスのため、BTBASガスとOガスは、凹部80aの内壁と回転スリーブ82の外面との間の空間を通して混合することができない。図23には、2つのパージガス供給管75と導管75aが図示されているが、供給管75と導管75aの数は、BTBASガスとOガスとの混合が凹部80aの内壁と回転スリーブ82の外面との間の空間近傍において確実に防止されるように決定されて良い。
図23の実施の形態では、凹部80aの側面と回転スリーブ82の上端部との間の空間は、分離ガスを吐出する吐出孔に相当し、そしてこの分離ガス吐出孔、回転スリーブ82及び支柱81により、真空容器1の中心部に位置する中心領域が構成される。
本発明の実施形態による成膜装置300(図23に示す成膜装置を含む。以下同じ。)においては、2種類の反応ガスを用いることに限られず、3種類以上の反応ガスを順番に基板上に供給しても良い。その場合には、例えば第1の反応ガス供給ノズル、分離ガス供給ノズル、第2の反応ガス供給ノズル、分離ガス供給ノズル、第3の反応ガス供給ノズル及び分離ガス供給ノズルの順番で真空容器1の周方向に各ガスノズルを配置し、各分離ガス供給ノズルを含む分離領域を既述の実施の形態のように構成すればよい。
本発明の実施形態による成膜装置300は、基板処理装置に組み込むことができ、その一例が図24に模式的に示されている。基板処理装置は、搬送アーム103が設けられた大気搬送室102と、雰囲気を真空と大気圧との間で切り替え可能なロードロック室(準備室)105と、2つの搬送アーム107a、107bが設けられた搬送室106と、本発明の実施形態にかかる成膜装置108,109とを含む。また、この処理装置は、たとえばFOUPなどのウエハカセット101が載置されるカセットステージ(図示せず)を含んでいる。ウエハカセット101は、カセットステージの一つに運ばれ、カセットステージと大気搬送室102との間の搬入出ポートに接続される。次いで、開閉機構(図示せず)によりウエハカセット(FOUP)101の蓋が開けられて、搬送アーム103からウエハカセット101からウエハが取り出される。次に、ウエハはロードロック室104(105)へ搬送される。ロードロック室104(105)が排気された後、ロードロック室104(105)内のウエハは、搬送アーム107a(107b)により、真空搬送室106を通して成膜装置108,109へ搬送される。成膜装置108,109では、上述の方法でウエハ上に膜が堆積される。基板処理装置は、同時に5枚のウエハを主要可能な2つの成膜装置108,109を有しているため、高いスループットで分子層成膜を行うことができる。
また、上記の実施形態のいずれにおいても、サセプタトレイ201の変形例として下記のサセプタプラグを用いても良い。
図25は、このような構成を示した概略断面図である。これらの断面図は、図4(b)に対応している。図25(a)を参照すると、サセプタ2にウエハが載置される載置部24が形成され、載置部24のほぼ中央部に、載置部24を貫通する段状の開口2aが形成されている。開口2aは載置部24と同心円状に形成され、上部の大径部における直径は、例えば、ウエハWの直径よりも約4mmから約10mm小さくて良い。この開口2aには、開口2aの形状を反映したサセプタプラグ210が隙間無く、離脱可能に嵌め込まれている。すなわち、サセプタプラグ210は、円形の上面形状と略T字状の断面形状とを有している。
また、サセプタプラグ210の下方には、図4(b)に示す駆動装置203と同様の駆動装置(図示せず)が配置され、この駆動装置の上部には昇降ロッド204が取り付けられている。駆動装置によって昇降ロッド204が上方に移動すると、サセプタプラグ210は昇降ロッド204により上方へ押し上げられ、駆動装置によって昇降ロッド204が回転すると、サセプタプラグ210と、サセプタプラグ210に押し上げられたウエハWとが回転し、昇降ロッド204が下方へ移動すると、サセプタプラグ210も下方へ移動してサセプタ2の段状の開口2aに収容される。このような構成により、上述のサセプタプレート201と同じ効果が奏される。
なお、サセプタプラグ210が開口2aに収まっているとき、サセプタプラグ210の上面は、載置部24の上面(サセプタプラグ210の部分を除く)と同一の平面を形成している。このため、ウエハWの裏面の全体が載置部24(サセプタプラグ210を含む)に接することとなり、ウエハWの温度の面内均一性が良好に保たれる。
また、サセプタプラグ210は、図25(b)に示すように変形することも可能である。すなわち、図示のとおり、サセプタ2の載置部24のほぼ中央部に、載置部24とほぼ同心円状の円柱状の開口2aが形成され、開口2aに円柱状のサセプタプラグ210が隙間無く、離脱可能に嵌め込まれている。このようにしても、昇降ロッド204と駆動装置(図示せず)とにより、サセプタプラグ210を介してウエハWをサセプタ2から押し上げ、回転することが可能となる。したがって、上述のサセプタプレート201と同じ効果が奏される。
また、5つの昇降ロッド204と、対応する5つの駆動装置203とを5つのサセプタトレイ201に対応するように等間隔で設けるとともに(図4に示す構成を5つのサセプタトレイ201に対応して設けるとともに)、サセプタ2を回転するための駆動部23を、サセプタ2を昇降可能に構成しても良い。この構成によれば、5つのサセプタトレイ201を対応する昇降ロッド204の位置に合わせ、昇降ロッド204を駆動装置203によりサセプタトレイ201の裏面に接するまで上昇させた後、駆動部23によってサセプタ2を下げることにより、サセプタトレイ201をサセプタ2から相対的に押し上げることができる。サセプタトレイ201がサセプタ2から離れているときに、駆動装置203によりサセプタトレイ201を回転させることにより、一度に全てのウエハWを回転することが可能となり、スループットを向上することができる。また、サセプタ2を下げることにより、図25に示すサセプタプラグ210をサセプタ2から相対的に押し上げても良い。
また、上記の構成において、駆動部23によりサセプタ2を下げる代わりに、凸状部4の下面(第1の天井面44)のサセプタ2の表面からの高さhが許せば、5つの昇降ロッド204を対応する駆動装置203によりサセプタ2から押し上げても良いことは明らかである。
また、サセプタ2の凹部202の中央部に形成された貫通孔2aの代わりに、凹部202の中央部を中心とした円に沿った少なくとも3つの円弧状のスリットを設けても良い。そして、昇降ロッド204の代わりに、所定の駆動機構によって各々のスリットを貫通して上下に移動することができ、スリットに沿って円弧状に移動することができるピンを設ければ、成膜の中断中に、これらのピンがスリットを通して上方に移動してサセプタトレイ201を押し上げ、スリットに沿って移動することにより、サセプタトレイ201を回転することができる。このとき、円弧状のスリットの見込み角(凹部202の中心とスリットの両端とをそれぞれ結ぶ線分のなす角)は、ウエハWの回転角度に等しくて良いし、例えば110°程度で形成しておき、回転角度を0°より大きく110°以下の角度に調整するようにしても良い。
さらに、上記のピンの代わりに、昇降ピン16を利用してウエハWを回転することも可能である。この場合、サセプタ2は凹部202とこれに離脱可能に収容されるサセプタトレイ201とを有することはなく、サセプタ2に基板が載置される載置部24が形成されると好ましい。そして、載置部24の底部に、少なくとも3つの円弧状のスリットを設け、3つの昇降ピン16が対応するスリットを通して上下に移動することができ、スリットに沿って円弧状に移動することができるように構成すると好ましい。これによれば、成膜の中断中に、昇降ピン16がスリットを通して上方に移動してウエハWを押し上げ、スリットに沿って移動することにより、ウエハWを回転することができる。このとき、円弧状のスリットの見込み角については、上記と同様である。
さらに、ウエハWを下から押し上げて回転するのではなく、上から掴み挙げるように持ち上げて回転しても良い。図26に、ウエハWを持ち上げて回転するウエハリフタの概略断面を示す。図示のとおり、ウエハリフタ260は、真空容器1(図1等)内のサセプタ2と天板11との間において、ガイド262から吊り下げられ、先端にエンドエフェクタ101cを有する少なくとも3つのアーム101a、101b(他の一つのアームの図示を省略する)と、ガイド262の下面に取り付けられ、アーム101aに一の端部で結合されたロッド261aを介してアーム101a、101bを互いに近づき又は遠ざかるように駆動するソレノイド261と、天板11に設けられた貫通孔を貫通してガイド262の上面中央部と結合し、磁気シール264により気密に密閉され、かつ上下動と回転が可能に構成されるシャフト263と、シャフト263を上下動し、回転するモータ265とを含む。また、サセプタトレイ201には、ウエハリフタ260のアーム101a、101bの先端のエンドエフェクタ101cが、サセプタトレイ201の載置部24に載置されるウエハWの裏面に接触するのを許容するエンドエフェクタ用凹部(図示せず)が形成されている。
このような構成によれば、以下のようにウエハWの自転工程を行うことができる。まず、成膜の中断中に、モータ265によってガイド262およびアーム101a、101bを下げることにより、エンドエフェクタ101cをサセプタトレイ201に設けられた凹部に収める。次に、ソレノイド261によりアーム101a、101bを互いに近づくように(ウエハWの中心に向かう方向に)移動させると、エンドエフェクタ101cは、ウエハWの裏面周縁部の下に進入することができる。次いで、モータ265によってガイド262およびアーム101a、101bを上昇させると、ウエハWの裏面周縁部に接して、ウエハWを持ち上げることができる(図26参照)。そして、モータ265によって、シャフト263を回転すると、ウエハWを回転することができる。回転角度は、これに限定されないが例えば45°であって良い。その後、搬送アーム101a、101bを下げて、ウエハWをサセプタプレート201上に載置し、搬送アーム101a、101bを互いに遠ざけるように移動させ、モータ265によってガイド262およびアーム101a、101bを上昇させる。このような動作により、ウエハWの自転工程を行うことができる。したがって、上述した効果と同じ効果が奏される。
なお、この場合、サセプタプレート201を用いることなく、載置部24とエンドエフェクタ用とをサセプタ2に形成しても良い。さらに、アーム101a、101bが、2つのサブアームに分岐し、分岐したサブアームの先端のそれぞれにエンドエフェクタ101cを有してもよい。これによれば、4つのエンドエフェクタ101cにより、ウエハWを支持することが可能となり、ガイド262に懸下されるアームは2つで済む。しかも、ソレノイド261の構成を単純化することができる。また、アーム101a、101bのいずれか一方が、2つのサブアームに分岐し、分岐したサブアームの先端のそれぞれにエンドエフェクタ101cを設けても良い。これによれば、3つのエンドエフェクタ101cでウエハWを支持することが可能となる。
また、上述のように、本発明の実施形態による成膜装置においては、原料ガスの真空容器1内での混合が著しく低減されるため、ウエハWおよびサセプタ2等の上にのみ成膜することとなり、ウエハリフタ260には膜が殆ど堆積しない。このため、ウエハリフタ260に膜が堆積し、これが剥離することにより生じるパーティクルの心配はない。
以上の説明では、ウエハWは真空容器1の内部において回転(自転)されているが、成膜を中断し、ウエハWを真空容器1から取り出して回転しても良い。以下、これを可能とする成膜装置の一例を図27および図28を参照しながら説明する。
図27は、本発明の他の実施形態による成膜装置700の概略上面図である。図示のとおり、成膜装置700は、真空容器111と、真空装置111の側壁の搬送口に取り付けられた搬送路270aと、搬送路270aに取り付けられたゲートバルブ270Gと、ゲートバルブ270Gにより連通可能に設けられる搬送モジュール270と、搬送モジュール270にゲートバルブ274Gを介して接続されるウエハ回転ユニット274と、搬送モジュール270にそれぞれゲートバルブ272Gを介して接続されるロードロック室272a、272bとを有している。
この真空容器111は、サセプタトレイ201、サセプタプラグ210、およびウエハリフタ260のいずれも有していない点で、上述した真空容器1と異なり、他の構成の点で同一である。
搬送モジュール270は、内部に2つの搬送アーム10a、10bを有している。これらの搬送アーム10a、10bは、伸縮自在であり、基部を中心に回動可能である。これにより、図27に示す搬送アーム10aのように、ゲートバルブ270Gが開いたときに、ウエハWを真空容器111内へ搬入し、真空容器111から搬出することができる。また、ゲートバルブ274Gが開いたときに、ウエハWをウエハ回転ユニット274へ搬入し、ウエハ回転ユニット274から搬出することができる。同様に、ゲートバルブ272Gが開いたときに、ウエハWをロードロック室272a、272bに対し搬入出することができる。
ウエハ回転ユニット274は、円形の上面形状を有する回転可能なステージ274aと、このステージ274aを回転する回転機構(図示せず)とを有している。また、ステージ274aには、先に説明した昇降ピン16と同様のピン(図示せず)が設けられ、これにより、搬送アーム10a、10bからウエハWを受け取ってステージ274aに載置し、ステージ274a上のウエハWを搬送アーム10a、10bへ受け渡すことができる。このような構成によれば、搬送アーム10a、10bにより搬送されたウエハWをステージ274aによって所定の角度回転することができる。
ロードロック室272b(272a)は、図27のII−II線に沿った断面図である図28に示すように、図示しない駆動部により昇降可能な例えば5段のウエハ載置部272cを有しており、各ウエハ載置部272cにウエハWが載置される。また、ロードロック室272a、272bの一方は、ウエハWを一時的に格納するバッファ室として機能して良く、他方は、外部(成膜工程に先んじた工程)からウエハWを成膜装置700へ搬入するためのインターフェイス室として機能して良い。
なお、搬送モジュール270、ウエハ回転ユニット274、およびロードロック室272a、272bには、それぞれ図示しない真空系が接続されている。これらの真空系は、例えばロータリーポンプと必要に応じてターボ分子ポンプとを含んで良い。
以上の構成によれば、真空容器111内での成膜を中断し、ウエハWを真空容器111へ搬送したときと逆の手順で搬送アーム10aによりウエハWを真空容器111から搬出する。そのウエハWをウエハ回転ユニット274へ搬入し、ステージ274bに載置する。ステージ272bが所定の角度回転した後、搬送アーム10aはステージ274aからウエハWを受け取り、バッファ室としてのロードロック室272bのウエハ載置部272cのいずれかにウエハWを載置する。この間、搬送アーム10bは、真空容器111内の他のウエハWを搬出する。ロードロック室272bから戻る搬送アーム10aと、ウエハ回転ユニット274へ向かう搬送アーム10bとは、搬送モジュール270内ですれ違い、搬送アーム10aは更に別のウエハWを搬出するために再び真空容器111内へ進入し、搬送アーム10bはウエハ回転ユニット274へウエハWを搬入する。このようにして真空容器111内のすべてのウエハW(図示の例では5枚のウエハW)をウエハ回転ユニット274へ搬送し、回転し、バッファ室としてのロードロック室272bへ一時的に格納する。すべてのウエハWがロードロック室272bへ格納された後、搬送アーム10a、10bは、ウエハWをロードロック室272bから真空容器111内の各載置部24へ再搬入する。再搬入されたウエハWは、ウエハ回転ユニット274において所定の角度回転されたため、搬出前に比べて、各載置部24において同じ角度だけ回転されている。再搬入後、成膜が再開され、所定の膜厚だけ増加した後、再び成膜が中断されて、上記の手順が行われる。
以上のような自転工程を含む成膜方法によっても、上記の膜厚均一性の改善効果が発揮され、均一性に一層優れた薄膜を提供することができる。
なお、成膜装置700に2つ以上のウエハ回転ユニット274を設けても良い。また、例えば、一ロットに10枚のウエハWがある場合には、5枚のウエハWがバッファ室としてのロードロック室272bへ一時的に格納された後、インターフェイス室としてのロードロック室272aに格納されていた5枚のウエハWを真空容器111内へ搬送し、これらの5枚のウエハWに成膜しても良い。そして、これらの5枚のウエハWに所定の膜厚まで成膜した後に、成膜を中断し、真空容器111からウエハWを搬出するとともに、ロードロック室272b内に先に格納されていた5枚のウエハWをから真空容器111へ搬入し、成膜を再開しても良い。
300・・・成膜装置、2・・・サセプタ、201・・・サセプタトレイ、210・・・サセプタプラグ、202・・・凹部、203・・・駆動装置、204・・・昇降ロッド、260・・・ウエハリフタ、24・・・載置部、10a,10b・・・搬送アーム、4・・・凸状部、5・・・突出部、31,32・・・反応ガス供給ノズル、41,42・・・分離ガス供給ノズル、201・・・サセプタトレイ、W・・・ウエハ。

Claims (17)

  1. 容器内にて、互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番に基板に供給するサイクルを実行して反応生成物の層を当該基板上に生成することにより膜を堆積する成膜装置であって、
    前記容器内に回転可能に設けられ、一の面に画定されて前記基板が載置される載置領域を有するサセプタ;
    前記載置領域に載置される前記基板を回転する基板回転機構;
    前記一の面に第1の反応ガスを供給するよう構成される第1の反応ガス供給部;
    前記サセプタの回転方向に沿って前記第1の反応ガス供給部から離れた、前記一の面に第2の反応ガスを供給するよう構成される第2の反応ガス供給部;
    前記回転方向に沿って、前記第1の反応ガスが供給される第1の処理領域と前記第2の反応ガスが供給される第2の処理領域との間に位置し、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域とを分離する分離領域;
    前記第1の処理領域と前記第2の処理領域とを分離するために、前記容器の中央部に位置し、前記一の面に沿って第1の分離ガスを吐出する吐出孔を有する中央領域;および
    前記容器内を排気するために前記容器に設けられた排気口;
    を備え、
    前記分離領域が、第2の分離ガスを供給する分離ガス供給部と、前記第2の分離ガスが前記回転方向に対し前記分離領域から前記処理領域側へ流れることができる狭隘な空間を、前記サセプタの前記一の面に対して形成する天井面と、を含む成膜装置。
  2. 前記サセプタが、底部に貫通孔を有する凹部と、前記載置領域を有し前記凹部に離脱可能に収容されるサセプタトレイとを含み、
    前記基板回転機構が、前記貫通孔を通して前記サセプタトレイを押し上げて、当該サセプタトレイを回転する昇降回転部を含む、請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記サセプタが、上面が前記載置領域の一部を構成し上方へ突出可能な突出部を含み、
    前記基板回転機構が、前記突出部を押し上げて回転することにより前記基板を回転するように構成される、請求項1に記載の成膜装置。
  4. 前記基板回転機構が、前記基板の裏面周縁部を支持可能な爪部を先端に有する複数のアームと、当該複数のアームを上下方向に、互いに近づく方向に、および円弧状に移動可能な駆動部と、を備え、
    前記サセプタが、前記載置領域の周縁部に、前記爪部が進入して前記基板の裏面周縁部に達するのを許容する凹部を更に含む、請求項1に記載の成膜装置。
  5. 前記サセプタを上下に移動可能な駆動部を更に有し、
    前記昇降回転部が、前記駆動部による前記サセプタの下降により、前記サセプタトレイを前記サセプタから離脱させ、当該サセプタトレイを回転する、請求項2に記載の成膜装置。
  6. 容器内にて、互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番に基板に供給するサイクルを実行して反応生成物の層を当該基板上に生成することにより膜を堆積する成膜装置であって、
    前記容器内に回転可能に設けられ、一の面に画定されて前記基板が載置される載置領域を有するサセプタ;
    前記一の面に第1の反応ガスを供給するよう構成される第1の反応ガス供給部;
    前記サセプタの回転方向に沿って前記第1の反応ガス供給部から離れた、前記一の面に第2の反応ガスを供給するよう構成される第2の反応ガス供給部;
    前記回転方向に沿って、前記第1の反応ガスが供給される第1の処理領域と前記第2の反応ガスが供給される第2の処理領域との間に位置し、前記第1の処理領域と前記第2の処理領域とを分離する分離領域;
    前記第1の処理領域と前記第2の処理領域とを分離するために、前記容器の中央部に位置し、前記一の面に沿って第1の分離ガスを吐出する吐出孔を有する中央領域;および
    前記容器内を排気するために前記容器に設けられた排気口;
    前記容器に開閉可能な仕切弁を介して接続される搬送モジュール;
    前記搬送モジュールに開閉可能な仕切弁を介して接続され、前記基板を載置可能な回転ステージを内部に有する基板回転ユニット;
    を備え、
    前記分離領域が、第2の分離ガスを供給する分離ガス供給部と、前記第2の分離ガスが前記回転方向に対し前記分離領域から前記処理領域側へ流れることができる狭隘な空間を、前記サセプタの前記一の面に対して形成する天井面と、を含む成膜装置。
  7. 容器内にて、互いに反応する少なくとも2種類の反応ガスを順番に基板に供給するサイクルを実行して反応生成物の層を当該基板上に生成することにより膜を堆積する成膜方法であって、
    前記容器内に回転可能に設けられサセプタであって、一の面に画定され前記基板が載置される載置領域に前記基板を載置するステップ;
    前記基板が載置されたサセプタを回転するステップ;
    第1の反応ガス供給部から前記サセプタへ第1の反応ガスを供給し、
    前記サセプタの回転方向に沿って前記第1の反応ガス供給部から離れた第2の反応ガス供給部から前記サセプタへ第2の反応ガスを供給し、
    前記第1の反応ガス供給部から前記第1の反応ガスが供給される第1の処理領域と前記第2の反応ガス供給部から前記第2の反応ガスが供給される第2の処理領域との間に位置する分離領域に設けられた分離ガス供給部から、第1の分離ガスを供給し、前記分離領域の天井面と前記サセプタとの間に形成される狭隘な空間において前記回転方向に対し前記分離領域から前記処理領域側に前記第1の分離ガスを流し、
    前記容器の中央部に位置する中央部領域に形成される吐出孔から第2の分離ガスを供給することにより、成膜を行うステップ;
    前記容器を排気するステップ;
    前記第1の反応ガス、前記第2の反応ガス、前記第1の分離ガス、および前記第2の分離ガスの供給と、前記サセプタの回転とを停止するステップ;
    回転を停止した前記サセプタ上の基板を回転するステップ;
    前記サセプタを回転するステップ;および
    前記成膜を行うステップ
    を含む、成膜方法。
  8. 前記基板を回転するステップが、
    前記サセプタに設けられ底部に貫通孔を有する凹部に対して離脱可能に収容され前記基板が載置されたサセプタトレイ押し上げるステップと、
    当該サセプタトレイを回転するステップと
    を含む、請求項7に記載の成膜方法。
  9. 前記基板を回転するステップが、
    上面が前記載置領域の一部を構成するように前記サセプタに設けられ上方へ突出可能な突出部を押し上げるステップと、
    前記突出部を回転するステップと
    を含む、請求項7に記載の成膜方法。
  10. 前記基板を回転するステップが、
    前記基板の裏面周縁部を支持して当該基板を持ち上げるステップと、
    前記持ち上げられた基板を回転するステップと
    を含む、請求項7に記載の成膜方法。
  11. 前記基板を回転するステップが、
    前記サセプタトレイを裏から支持するステップと、
    前記サセプタを下降して、前記サセプタトレイを前記サセプタから離脱させるステップと、
    前記サセプタトレイを回転するステップと
    を含む、請求項8に記載の成膜方法。
  12. 前記基板回転するステップが、
    前記基板を前記容器から搬出し、前記容器に搬送モジュールを介して接続される基板回転ユニットに設けられる、前記基板を載置可能な回転ステージに載置するステップと、
    当該基板を前記回転ステージにより回転するステップと、
    前記回転された基板を前記容器に搬入し、前記載置領域に載置するステップと
    を含む、請求項7に記載の成膜方法。
  13. 前記基板を回転するステップにおける前記基板の回転角度が、0°より大きく360°より小さい、請求項7から12のいずれか一項に記載の成膜方法。
  14. 前記基板を回転するステップにおける前記基板の回転角度が、45°以上90°以下である、請求項7から12のいずれか一項に記載の成膜方法。
  15. 前記停止するステップ、前記基板を回転するステップ、前記サセプタを回転するステップ、および前記成膜を行うステップがこの順に複数回繰り返され、
    前記膜の膜厚が目標膜厚に達するまでの間に、前記基板を回転するステップにおいて回転された前記基板の合計回転角度が360°以上である、請求項7から14までのいずれか一項に記載の成膜方法。
  16. 請求項1から6のいずれか一項に記載の成膜装置に請求項7から15のいずれか一項に記載の成膜方法を実行させるプログラム。
  17. 請求項16に記載のプログラムを格納したコンピュータ可読記憶媒体。
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