JP2014154868A - 強誘電体膜の成膜方法および製造装置 - Google Patents

強誘電体膜の成膜方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】形成された強誘電体膜にみられる、成膜工程における各装置の不均一性に起因した面内特性の均一性の低下を抑制可能な強誘電体膜の成膜方法を提供する。
【解決手段】シリコンウェハ上に強誘電体前駆体液を塗布して強誘電体前駆体膜を形成する膜形成工程と、前記膜形成工程で形成された前記強誘電体前駆体膜を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で乾燥させた前記強誘電体前駆体膜を熱分解及び結晶化することにより強誘電体膜を形成する加熱工程とを有し、前記膜形成工程、前記乾燥工程及び前記加熱工程を含む一連の工程を所定回数繰り返し、前記強誘電体膜を積層する成膜方法において、前記シリコンウェハを、各工程を行う装置へ投入する際に、前記強誘電体前駆体膜の積層回数に応じて設定された投入角度で投入することを特徴とする強誘電体膜の成膜方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、強誘電体膜の成膜方法および製造装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置や画像形成装置において、インクジェット方式の装置(液滴吐出装置)を構成する液滴吐出ヘッドは、インク滴を吐出するノズルと、このノズルが連通する加圧室(インク流路、加圧液室、圧力室、吐出室、液室等とも称される)と、加圧室内のインクを加圧する圧電素子とを備え、圧電素子に電圧を印加することによって発生したエネルギーを用いて振動板を変位させ、加圧室内のインクを加圧することによってノズルからインク滴を吐出させている。
圧電素子としては、d33方向の変位を利用した縦振動型、d31方向の変位を利用した横振動型(たわみモードと称する場合がある)が知られている。これらの中でも、画像の高精細化を実現するために、半導体プロセスやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を利用することにより、Si基板上に一部が振動板で構成される圧力室と、該振動板の表面に上述の横振動型の圧電体を直接作り込んだ薄膜の圧電素子が知られている。
たわみ力を利用した圧電体としては、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などの強誘電体膜が用いられる。このような強誘電体膜は、例えば、スパッタリング法、ゾル−ゲル法、MOD法(Metal Organic Deposition)等のCSD法(Chemical Solution Deposition)によって、強誘電体層の構成材料を含む液体による塗膜である強誘電体前駆体膜を形成した後に、該前駆体膜を加熱処理(焼成し結晶化)することによって形成される。
CSD法により強誘電体膜を成膜する方法においては、複数枚のシリコンウェハ上に強誘電体膜を同時に形成する場合に、各シリコンウェハ間におけるバラつきを無くすことが歩留まり改善の重要課題となっている。
各シリコンウェハ間におけるバラつきとは、例えば、各シリコンウェハにかかる熱(熱履歴)のバラつきである。これに起因して圧電素子の変位による振動板の変位、さらに該圧電素子を備える液滴吐出ヘッドの吐出特性にもバラつきが生じる場合があるため、加熱工程における熱履歴のバラつきを抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、液体噴射ヘッドの製造方法において、流路形成基板となるシリコンウェハの表面に圧電素子の下電極となる金属層を形成後、金属層上に強誘電体前駆体膜を形成し、これを拡散炉内に複数枚連続挿入して結晶化させる際に、シリコンウェハを介して強誘電体前駆体膜を加熱して焼成する焼成工程を所定回数実行することにより圧電体層を構成する所定厚さの強誘電体膜を形成し、且つ所定回数の焼成工程を終了後に金属層にかかった熱履歴が略均一となるように、各焼成工程毎に拡散炉内に挿入するシリコンウェハの順序を入れ替える方法が開示されている。
一方、個々のシリコンウェハ上に形成される強誘電体膜を均一に形成することも重要な課題である。
従来のCSD法による強誘電体前駆体膜の形成、及び加熱処理による結晶化を行う自動成膜装置では、シリコンウェハは複数枚セットされた後、1枚ずつ搬送ロボットにより成膜の各工程が行われる部位(例えば、スピンコーター、乾燥工程用ホットプレート、熱分解工程用ホットプレート、RTA(Rapid Thermal Annealing)装置等)へ投入される。その際、シリコンウェハは一定の方向で投入される。
特に、CSD法では強誘電体膜の形成を繰り返してシリコンウェハ上に強誘電体膜を積層するため、装置内に僅かな不均一な要素があった場合、一定の方向で投入されたシリコンウェハ上にはその不均一が蓄積して強調されることとなり、強誘電体膜の均一な面内特性を得ることが困難となる。
自動成膜装置において成膜の各工程が行われる装置は、それぞれ設計上、または採用している部品あるいは組付け上の問題により、形成される膜の面内特性に影響を及ぼす何らかの不均一性を有する可能性がある。すなわち、塗布や加熱などの工程において、同一のシリコンウェハ面内で完全に均一な塗布や加熱が行われない可能性がある。これに対し、装置を構成する各装置自体の均一性を向上させることは、膨大なコストを要するという問題がある。
そこで、本発明は上記課題に鑑み、形成された強誘電体膜にみられる、成膜工程における各装置の不均一性に起因した面内特性の均一性の低下を抑制可能な強誘電体膜の成膜方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る強誘電体膜の成膜方法は、シリコンウェハ上に強誘電体前駆体液を塗布して強誘電体前駆体膜を形成する膜形成工程と、前記膜形成工程で形成された前記強誘電体前駆体膜を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で乾燥させた前記強誘電体前駆体膜を熱分解及び結晶化することにより強誘電体膜を形成する加熱工程とを有し、前記膜形成工程、前記乾燥工程及び前記加熱工程を含む一連の工程を所定回数繰り返し、前記強誘電体膜を積層する成膜方法において、前記シリコンウェハを、各工程を行う装置へ投入する際に、前記強誘電体前駆体膜の積層回数に応じて設定された投入角度で投入することを特徴とする強誘電体膜の成膜方法である。
本発明に係る強誘電体膜の成膜方法によれば、形成された強誘電体膜にみられる、成膜工程における各装置の不均一性に起因した面内特性の均一性の低下を抑制可能な強誘電体膜の成膜方法を提供することができる。
本実施形態の強誘電体膜の製造装置の構成の一例を示す模式図である。 本実施形態の強誘電体膜の成膜方法における各工程の流れの一例を示すフローチャートである。 シリコンウェハの投入角度を示す説明図である。 シリコンウェハの投入角度が0°の状態を示す説明図である。 膜形成手段へのシリコンウェハの投入角度を説明する模式図である。 乾燥手段へのシリコンウェハの投入角度を説明する模式図である。 加熱手段へのシリコンウェハの投入角度を説明する模式図である。 シリコンウェハの面内分布を測定するポイントを示す説明図である。 実施例1における強誘電体膜の配向率の面内分布を示したグラフである。 比較例における強誘電体膜の配向率の面内分布を示したグラフである。 実施例2における強誘電体膜の配向率の面内分布を示したグラフである。
以下、本発明に係る強誘電体膜の成膜方法及び製造装置について、図面を参照して説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
図1に、本実施形態の強誘電体膜の製造装置の模式図を示す。
図1に示されるように、強誘電体膜の製造装置(以下、単に「製造装置」ともいう)10は、シリコンウェハ11上に強誘電体前駆体液を塗布して強誘電体前駆体膜を形成する膜形成手段4と、膜形成手段4で形成された前記強誘電体前駆体膜を乾燥する乾燥手段5と、乾燥手段5で乾燥された前記強誘電体前駆体膜を熱分解及び結晶化することにより強誘電体膜を形成する加熱手段6と、シリコンウェハ11の投入角度を調整する投入角度調整手段3と、膜形成手段4、乾燥手段5及び加熱手段6による強誘電体膜の形成の一連の処理を、所定回数繰り返して強誘電体膜を積層するように制御する制御手段32とを有し、さらに供給排出ステージ1、搬送手段2、レール9、収納部材12、排出部材13、洗浄部7、冷却手段8、入力部31を含んで構成されている。
収納部材12はシリコンウェハ11を収納し、排出部材13は製造装置10により強誘電体膜が形成された後のシリコンウェハ11を収納する。供給排出ステージ1は、収納部材12及び排出部材13を支持する。
本実施形態の製造装置10において、制御手段32は、強誘電体前駆体膜の積層回数に応じてシリコンウェハ11の投入角度が設定された角度となるように、投入角度調整手段3を制御する。
ここで、投入角度とは、図3に示されるように、シリコンウェハ11の中心を通りオリエンテーションフラット(以下、「オリフラ」ともいう)11aと直交するウェハ軸21bと、シリコンウェハ11が投入される方向(投入方向)21aとのなす角度θである。
例えば、図4に示されるように、ウェハ軸21bと、シリコンウェハが投入される方向21aとが一致する場合の投入角度θは0°である。
なお、投入角度θは、オリフラ11aの延長線21dと、シリコンウェハ11が投入される方向と直交する方向21cとのなす角度としても表すことができる。
投入角度調整手段3は、シリコンウェハ11の中心位置及びオリフラを所定の位置に配置し、シリコンウェハ11が各装置に対して所定の投入角度θとなるように、シリコンウェハの中心位置を通り水平面と直交する軸を中心に回転させて角度調整する装置である。
投入角度調整手段3により投入角度が調整されたシリコンウェハ11は、搬送手段2により搬送され、他の各装置に投入される。
投入角度調整手段3には、制御手段32に電気的に接続された投入角度調整制御部3aが設けられている。投入角度調整制御部3aは、投入角度調整手段3を駆動する駆動部(図示せず)に電気的に接続されており、該駆動部を制御することにより角度を調整する。
なお、投入角度調整手段3において、同時に角度調整可能なシリコンウェハ11の数は1枚である。
従来の製造装置においては、シリコンウェハ11の投入角度は固定されており、一定の方向(例えば、図4に示すシリコンウェハ11の中心を通り、ウェハのオリフラ11aに対して直交する軸に平行な方向)で各構成要素へ投入されることが一般的である。
一方、本実施形態では、シリコンウェハ11は、投入角度調整手段3により強誘電体前駆体膜の積層回数に応じて設定された所定の投入角度に調整され、各構成要素へ投入される。
洗浄手段7は、シリコンウェハ11を洗浄する装置であり、一度に1枚のシリコンウェハ11を洗浄する。洗浄方法としては、公知のウェット式やドライ式などの洗浄方法が挙げられる。
洗浄手段7には、制御手段32に電気的に接続された洗浄制御部7aが設けられている。洗浄制御部7aは、洗浄手段7におけるシリコンウェハ11の洗浄タイミングや洗浄時間などを制御する。
膜形成手段4は、シリコンウェハ11上に、強誘電体前駆体膜を成膜する装置であり、本実施形態ではスピンコート装置である。
強誘電体前駆体膜は、強誘電体前駆体溶液(ゾル)による塗膜である。
強誘電体前駆体溶液としては、例えば、酢酸鉛、ノルマルプロポキシドジルコニウム、イソプロポキシドチタンを出発材料にし、これらの出発材料を、共通溶媒としてのメトキシエタノールに溶解させたチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系の材料が挙げられる。
膜形成手段4には、成膜条件を調整するための成膜制御部4aが設けられている。成膜制御部4aは制御手段32に接続されており、制御手段32からの制御により強誘電体前駆体膜の成膜条件が調整される。
また、膜形成手段4には、制御手段32に電気的に接続された検知部4bが設けられている。検知部4bは、例えば赤外線センサなどであり、膜形成手段4内にシリコンウェハ11が配置されているか否かを検出する。
膜形成手段4には、洗浄手段7で洗浄されたシリコンウェハ11が搬入されるため、強誘電体前駆体膜の膜間にゴミ等の付着物が混入することを抑制することができ、膜欠陥を防止することができる。なお、膜形成手段4内部に前記洗浄手段7を設けた構成としてもよく、同一のスピンコート装置において洗浄及び塗布を行う形態としてもよい。
乾燥手段5は、膜形成手段4により成膜された強誘電体前駆体膜に熱を加えて乾燥する装置である。乾燥手段5には、制御手段32に電気的に接続された乾燥制御部5aが設けられている。制御手段32が乾燥制御部5aを制御することにより、乾燥手段5の内部を所定の乾燥温度に保持する。
乾燥手段5の構成としては、乾燥手段5に搬送されてきたシリコンウェハ11の強誘電体前駆体膜に熱を加えることができる構成であればよく、特に限定されない。
乾燥手段5としては、例えば、乾燥手段5としては、ホットプレートなどの加熱部材を直接シリコンウェハ11に接触させる接触方式の装置が挙げられる。
加熱手段6は、乾燥手段5よりも高い温度で強誘電体前駆体膜を加熱する装置であり、具体的には、強誘電体前駆体膜を所定温度に加熱し一定時間保持することにより脱脂する脱脂処理、及び脱脂された強誘電体前駆体膜を結晶化させる焼成処理を行う装置である。
なお、脱脂とは、前記強誘電体前駆体膜に含まれる有機成分を、例えば、NO、CO、HO等として離脱させることである。
加熱手段6には、制御手段32に電気的に接続された加熱制御部6aが設けられている。制御手段32が加熱制御部6aを制御することにより、加熱手段6内の温度を上記脱脂処理可能な温度に一定時間保持したり、上記焼成処理可能な温度に一定時間保持したりするなどの温度条件を調整する。
加熱手段6としては、搬送されてきたシリコンウェハ11の強誘電体前駆体膜に、上述の脱脂処理及び焼成処理が可能な温度の熱を加えることが出来る構成であればよく、その構成は限定されない。加熱手段6としては、例えば、ホットプレートや、赤外線ランプの照射により加熱するRTP(Rapid Thermal Processing)装置などが挙げられる。
冷却手段8は、加熱手段6により加熱されたシリコンウェハ11を冷却する装置である。冷却手段8には、制御手段32に電気的に接続された温度制御部8aが設けられている。温度制御部8aは、制御手段32の制御により、冷却手段8内部の温湿度条件を制御する。
なお、冷却手段8は、複数のシリコンウェハ11を保持可能な構成とすることができ、保持したシリコンウェハ11を室温まで冷却する。
レール9は、上述の供給排出ステージ1、投入角度調整手段3、洗浄手段7、膜形成手段4、乾燥手段5、加熱手段6、及び冷却手段8が配列された方向に伸びる長尺状のレール部材である。
図1に示す本実施形態においては、各装置の配列が2列となっており、レール9は2列に配列された各装置の間に配設されている。このため、すべての装置が1列に配列された態様よりも、レール9を矢印9aの方向に移動する搬送手段2の移動距離が短く、短時間にシリコンウェハ11を搬送可能な構成となっている。
搬送手段2の保持部2aは、シリコンウェハ11を1枚ずつ保持した状態、またはシリコンウェハ11の保持を解除した状態のいずれかの状態を維持する。保持部2aは、駆動部2bに電気的に接続されている。
搬送手段2の駆動部2bは、制御手段32に電気的に接続されている。駆動部2bとしては、例えば、モータなどが挙げられる。
制御手段32の制御により駆動部2bが駆動され、搬送手段2がレール9に沿って移動する。また、駆動部2bが駆動することで保持部2aが駆動され、各装置から1枚のシリコンウェハ11が取り出される。このように、制御手段32の制御により駆動部2b及び保持部2aが駆動され、各装置の間をシリコンウェハ11が搬送される。
搬送手段2には、図示しない読取部が設けられ、該読取部はシリコンウェハ11に設けられた管理ID(管理番号)等の情報を読み取る。該読取部は制御手段32に電気的に接続され、読み取った情報は制御手段32に送信される。
入力部31は、各種情報を入出力する手段である。入力部31は、制御手段32に電気的に接続されている。入力部31としては、例えば、キーボードやタッチパネル付きのディスプレイなどが挙げられる。ユーザによる入力部31の操作により、各装置の設定条件や処理条件が入力される。
制御手段32は、制御部33及び記憶部34を備えている。
制御部33は、CPU、成膜工程における製造処理を実行するプログラム等を記憶したROM、データ等を記憶するRAM、及びこれらを接続するバスから構成される。
記憶部34は、ハードディスクドライブ装置(HDD)等の記憶媒体である。
上述のように、図1に示す強誘電体膜の製造装置10は、本実施形態の成膜方法における各工程を全自動で行う装置である。
本実施形態の強誘電体膜の成膜方法は、シリコンウェハ11上に強誘電体前駆体液を塗布して強誘電体前駆体膜を形成する膜形成工程と、前記膜形成工程で形成された強誘電体前駆体膜を乾燥する乾燥工程と、前記乾燥工程で乾燥させた強誘電体前駆体膜を熱分解及び結晶化することにより強誘電体膜を形成する加熱工程とを有し、前記膜形成工程、前記乾燥工程及び前記加熱工程を含む一連の工程を所定回数繰り返し、強誘電体膜を積層する成膜方法において、シリコンウェハ11を、各工程を行う装置へ投入する際に、強誘電体前駆体膜の積層回数に応じて設定された投入角度で投入する方法である。
図2に、本実施形態の成膜方法の流れの一例を示す。
図2(C)に示されるように、成膜回数が3の倍数以外である場合には図2(A)に示すパターンAの一連の処理を実行し、成膜回数が3の倍数である場合には図2(B)に示すパターンBの一連の処理を実行し、これを所定の回数(n回)繰り返して強誘電体膜を成膜する。
図2(A)に示すパターンAのフローに基づき、成膜の各工程を説明する。
まず、1枚のシリコンウェハ11を、初回の成膜の場合は収納部材12から、2回目以降の成膜の場合は冷却手段8から、搬送手段2により投入角度調整手段3へ搬送される。
そして、投入角度調整手段3において、シリコンウェハ11の中心位置及びオリフラを所定の位置に配置し、所定の投入角度θとなるように、シリコンウェハ11の中心位置を通り水平面と直交する軸を中心に回転させて調整する(ウェハ位置・投入角度調整:S001)。
次に、投入角度が調整されたシリコンウェハ11を、搬送手段2により洗浄手段7へ搬送し、洗浄手段7においてシリコンウェハ11の洗浄を行う(洗浄工程:S002)。
そして、洗浄されたシリコンウェハ11を搬送手段2により膜形成手段4へ搬送する。
膜形成手段4において、シリコンウェハ11上に、強誘電体前駆体膜を形成する(膜形成(塗布)工程:S003)。
次に、強誘電体前駆体膜が形成されたシリコンウェハ11を、搬送手段2により投入角度調整手段3へ搬送し、シリコンウェハ11の投入角度が所定の角度となるように、(ステップS001と同様に)ウェハ位置・投入角度の調整を行う(ウェハ位置・投入角度調整:S004)。
投入角度が調整されたシリコンウェハ11を、搬送手段2により乾燥手段5へ搬送し、乾燥手段5において強誘電体前駆体膜を乾燥する(乾燥工程:S005)。
次に、強誘電体前駆体膜が乾燥されたシリコンウェハ11を、搬送手段2により投入角度調整手段3へ搬送し、シリコンウェハ11の投入角度が所定の角度となるように、(ステップS001と同様に)ウェハ位置・投入角度の調整を行う(ウェハ位置・投入角度調整:S006)。
投入角度が調整されたシリコンウェハ11を、搬送手段2により加熱手段6へ搬送し、加熱手段6において脱脂及び熱分解処理を行う(加熱(脱脂・熱分解)工程:S007)。
次に、脱脂及び熱分解処理を行ったシリコンウェハ11を、搬送手段2により冷却手段8へ搬送し、シリコンウェハ11を室温まで冷却する(冷却工程:S008)。
上述のステップS001〜ステップS008の一連の工程が行われることにより、シリコンウェハ11には1層の強誘電体膜が形成される。そして、制御手段32に1回の成膜が行われたことが記録される。
成膜回数が3の倍数である場合には、図2(B)に示すパターンBの一連の処理が実行される。
図2(B)に示すパターンBのフローに基づき、成膜の工程を説明する。
まず、冷却手段8で冷却されたシリコンウェハ11を、搬送手段2により投入角度調整手段3へ搬送する。
そして、投入角度調整手段3において、シリコンウェハ11の中心位置及びオリフラを所定の位置に配置し、所定の投入角度θとなるように、シリコンウェハ11の中心位置を通り水平面と直交する軸を中心に回転させて調整する(ウェハ位置・投入角度調整:S101)。
投入角度が調整されたシリコンウェハ11を、搬送手段2により洗浄手段7へ搬送し、洗浄手段7においてシリコンウェハ11の洗浄を行う(洗浄工程:S102)。
洗浄されたシリコンウェハ11を、搬送手段2により膜形成手段4へ搬送する。膜形成手段4において、シリコンウェハ11上に、強誘電体前駆体膜を形成する(膜形成(塗布)工程:S103)。
次に、強誘電体前駆体膜が形成されたシリコンウェハ11を、搬送手段2により投入角度調整手段3へ搬送し、シリコンウェハ11の投入角度が所定の角度となるように、ステップS101と同様にウェハ位置・投入角度の調整を行う(ウェハ位置・投入角度調整:S104)。
投入角度が調整されたシリコンウェハ11を、搬送手段2により乾燥手段5へ搬送し、乾燥手段5において強誘電体前駆体膜を乾燥する(乾燥工程:S105)。
次に、強誘電体前駆体膜が乾燥されたシリコンウェハ11を、搬送手段2により投入角度調整手段3へ搬送し、シリコンウェハ11の投入角度が所定の角度となるように、ステップS101と同様にウェハ位置・投入角度の調整を行う(ウェハ位置・投入角度調整:S106)。
投入角度が調整されたシリコンウェハ11を、搬送手段2により加熱手段6へ搬送し、加熱手段6において脱脂及び熱分解処理を行う(加熱(脱脂・熱分解)工程:S107)。
そして、加熱(結晶化)処理を行ったシリコンウェハ11に対し、さらに加熱手段6において加熱し、結晶化処理を行う(加熱(結晶化)工程:S108)。
次に、加熱(結晶化)処理を行ったシリコンウェハ11を、搬送手段2により冷却手段8へ搬送し、シリコンウェハ11を室温まで冷却する(冷却工程:S109)。
上述のステップS101〜ステップS109の一連の工程が行われることにより、シリコンウェハ11には1層の強誘電体膜が形成される。そして、制御手段32に1回の成膜が行われたことが記録される。
図2(C)に示すフローに基づき、成膜方法の流れを説明する。
本実施形態の製造装置10において、例えば、成膜回数が3の倍数である場合には、パターンBの一連の処理を実行し、加熱手段6においてステップS108に示す加熱(結晶化)工程を行うという加熱条件を、記憶部34に記憶させる。
まず、複数のシリコンウェハ11を収納した収納部材12から、1枚のシリコンウェハ11を搬送手段2により取り出し、投入角度調整手段3へ搬送する(ウェハ供給:S201)。成膜回数が3の倍数以外である場合には図2(A)に示すパターンAの一連の処理を実行し(パターンA:S202,S203)、成膜回数が3の倍数である場合には図2(B)に示すパターンBの一連の処理を実行する(パターンB:S204)。
そして、1枚のシリコンウェハ11について、パターンAの処理を2回繰り返した後、パターンBの処理を1回行うという処理を、所定の回数(n回)まで繰り返す。n回の処理が行われた後(S205)、強誘電体膜が形成されたシリコンウェハ11を冷却手段8から搬送手段2により取り出し、供給排出ステージ1へ搬送し、排出部材13内に収納する(ウェハ排出:S206)。
各構成要素へのシリコンウェハ11の投入角度について、図5〜図7に基づき説明する。
図5は、膜形成手段4へのシリコンウェハ11の投入角度を示した図である。具体的には、図2(A)に示すパターンAのステップS003の膜形成(塗布)工程、及び図2(B)に示すパターンBのステップS103の膜形成(塗布)工程において、膜形成手段4に投入されたシリコンウェハ11の投入角度の例を示している。
図6は、乾燥手段5へのシリコンウェハ11の投入角度を示した図である。図2(A)に示すパターンAのステップS005の乾燥工程、及び図2(B)に示すパターンBのステップS105の乾燥工程において、乾燥手段5に投入されたシリコンウェハ11の投入角度の例を示している。
図7は加熱手段6へのシリコンウェハ11の投入角度を示した図である。図2(A)に示すパターンAのステップS007の加熱(脱脂・熱分解)工程、及び図2(B)に示すパターンBのステップS107の加熱(脱脂・熱分解)工程において、加熱手段6に投入されたシリコンウェハ11の投入角度の例を示している。
シリコンウェハ11の投入角度は、工程毎にそれぞれ異なる角度とすることができる。
例えば、膜形成(塗布)工程において、シリコンウェハ11の膜形成手段4への投入角度を図5(a)に示す30°とし、前記乾燥工程において、乾燥手段5への投入角度を図6(a)に示す60°とし、前記加熱(脱脂・熱分解)工程において、加熱手段6への投入角度を図7(a)に示す90°とすることができる。
また、シリコンウェハ11の投入角度は、強誘電体前駆体膜の積層回数が1回増えるごとに順次変化させてもよい。
例えば、強誘電体前駆体膜の積層回数が1回増えるごとに、膜形成手段4への投入角度を30°ずつ、乾燥手段5への投入角度を60°ずつ、加熱手段6への投入角度を90°ずつ変化させる設定とすることができる。具体的には、1層目の前記強誘電体前駆体膜を形成する際のシリコンウェハ11の膜形成手段4への投入角度を図5(a)に示す30°とし、前記乾燥工程において、乾燥手段5への投入角度を図6(a)に示す60°とし、前記加熱(脱脂・熱分解)工程において、加熱手段6への投入角度を図7(a)に示す90°とし、2層目の前記強誘電体前駆体膜を形成する際の膜形成手段4への投入角度を図5(b)に示す60°、乾燥手段5への投入角度を図6(c)に示す120°、加熱手段6への投入角度を図7(b)に示す180°とすることができる。
上述のように、シリコンウェハ11の各構成要素への投入角度を、投入角度調整手段3により調整することにより、各装置が有する固有の不均一性による影響を、異なる投入角度で処理されて積層された膜の各層間で相殺して緩和することができ、面内特性の均一性の低下を抑制することができる。
〔実施例1〕
シリコンウェハ11は、下部電極として白金膜(膜厚250nm)、SrRuO膜(膜厚50nm)を成膜したものを準備した。強誘電体前駆体溶液は、Pb:Zr:Ti=110:53:47の組成比で調合した溶液を準備した。このシリコンウェハと強誘電体前駆体溶液とを用いて、図1に示した製造装置(自動成膜装置)を用い、図2に示したフローチャートに従って強誘電体膜の成膜を行った。なお、本実施例では、図1に示す膜形成手段であるスピンコート装置4において、洗浄工程及び膜形成工程を行った。
まず、収納部材12からシリコンウェハ11を1枚取り出す(S201)。投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が90°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S001)。図5(c)に示されるようにシリコンウェハ11をスピンコート装置4に投入し、シリコンウェハ11の表面を洗浄する(S002)。洗浄されたシリコンウェハ11に強誘電体前駆体溶液を塗布して膜形成を行った(S003)。
次いで、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が90°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S004)。図6(b)に示されるように120℃に加熱した乾燥手段であるホットプレート5に投入し、強誘電体前駆体膜の主溶媒の乾燥を1分間行った(S005)。
次に、投入角度調整手段3により投入角度が90°となるようにシリコンウェハ11のウェハ位置・投入角度調整を行い(S006)、図7(a)に示されるように加熱装置であるRTA装置6に投入した。シリコンウェハ11をRTA装置6において500℃で5分間加熱し、脱脂及び熱分解を行った(S007)。その後は冷却手段8において室温まで冷却を行い(S008)、1層目のアモルファス層を形成した。
続いて、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が180°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行い(S001)、図5(d)に示されるようにスピンコート装置4に投入した。スピンコート装置4においてシリコンウェハ11の表面を洗浄し(S002)、強誘電体前駆体溶液を塗布して膜形成を行った(S003)。
次いで、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が180°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S004)。シリコンウェハ11を図6(d)に示されるように120℃に加熱したホットプレート5に投入し、強誘電体前駆体膜の主溶媒の乾燥を1分間行った(S005)。
次に、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が180°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行い(S006)、シリコンウェハ11図7(b)に示すようにRTA装置6に投入した。シリコンウェハ11をRTA装置6において500℃で5分間加熱し、脱脂及び熱分解を行った(S007)。その後は冷却手段8において室温まで冷却を行い(S008)、2層目のアモルファス層を形成した。
続いて、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が270°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行い(S101)、図5(e)に示されるようにスピンコート装置4に投入した。スピンコート装置4においてシリコンウェハ11の表面を洗浄し(S102)、強誘電体前駆体溶液を塗布して膜形成を行った(S103)
次いで、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が270°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S104)。シリコンウェハ11を図6(e)に示されるように120℃に加熱したホットプレート5に投入し、強誘電体前駆体膜の主溶媒の乾燥を1分間行った(S005)。
次に、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が270°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S106)。シリコンウェハ11を図7(c)に示されるようにRTA装置6に投入した。RTA装置6において500℃で5分間加熱し、脱脂及び熱分解を行い(S107)、3層目のアモルファス層を形成した。
さらにRTA装置6において、700℃で6分間結晶化を行った(S108)。
次いで、冷却手段8においてシリコンウェハ11を室温まで冷却し(S109)、3層のアモルファス層からなる強誘電体膜(結晶膜)を成膜した。
得られた強誘電体膜の膜厚は約200nmであった。
上述の工程を、強誘電体前駆体膜(アモルファス層)の積層回数ごとに90°ずつ投入角度を変更しながら、3層積層するごとに1回の結晶化を行うことを10回(n=10)繰り返し、厚さ約2μmの強誘電体膜(結晶膜)を得た。
得られた強誘電体膜について、シリコンウェハ11の面内で図8に示す測定ポイントに対してXRD(X‐ray diffraction)測定を行い、ロットゲーリング法により配向率の面内分布を算出し、面内特性を評価した。結果を図9に示す。
図9中、PZT(001)を「■」、PZT(111)を「▲」、PZT(110)を「●」で示す。
〔比較例1〕
比較のため、投入角度調整手段3による投入角度の調整を行わない以外は、実施例1と同様にして強誘電体膜を成膜した。得られた強誘電体膜について、実施例1と同様にウェハ面内でXRD測定を行い、配向率の面内分布を算出し、面内特性を評価した。結果を図10に示す。
比較例1の強誘電体膜は、図10に示されるように、オリフラ側の測定ポイントではPZT(111)が優先的に配向しているのに対し、反対側の測定ポイントではPZT(001)が優先的に配向していることがわかる。
一方、強誘電体前駆体膜の積層回数ごとに90°ずつ投入角度を変更しながら形成した実施例1の強誘電体膜は、図9に示されるように、常にPZT(111)が優先的に配向していることがわかる。すなわち、図10でみられたようなバラつきが改善されており、面内特性の不均一性が抑制されていることがわかる。
〔実施例2〕
実施例1と同様に、シリコンウェハ11は、下部電極として白金膜(膜厚250nm)、SrRuO膜(膜厚50nm)を成膜したものを準備し、強誘電体前駆体溶液は、Pb:Zr:Ti=110:53:47の組成比で調合した溶液を準備した。このシリコンウェハと強誘電体前駆体溶液を用いて、図1に示した製造装置(自動成膜装置)を用い、図1に示したフローチャートに従って強誘電体膜の成膜を行った。なお、図1に示すスピンコート装置4において、洗浄工程及び膜形成工程を行う。
まず、収納部材12からシリコンウェハ11を供給した(S201)。投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が30°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S001)。シリコンウェハ11を図5(a)に示されるようにスピンコート装置4に投入し、シリコンウェハ11の表面を洗浄し(S002)、強誘電体前駆体溶液を塗布して膜形成を行った(S003)。
次いで、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が60°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S004)。図6(a)に示されるようにシリコンウェハ11を120℃に加熱したホットプレート5に投入し、強誘電体前駆体膜の主溶媒の乾燥を1分間行った(S005)。
次に、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が90°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S006)。図7(a)に示されるようにシリコンウェハ11をRTA装置6に投入し、500℃で5分間脱脂及び熱分解を行った(S007)。次いで、冷却手段8において室温まで冷却を行い(S008)、1層目のアモルファス層を形成した。
続いて、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が60°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S001)。図5(b)に示されるようにスピンコート装置4に投入し、シリコンウェハ11の表面を洗浄し(S002)、強誘電体前駆体溶液を塗布して膜形成を行った(S003)。
次いで、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が120°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S004)。図6(c)に示されるように120℃に加熱したホットプレート5に投入し、強誘電体前駆体膜の主溶媒の乾燥を1分間行った(S005)。
次に、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が180°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S006)。図7(b)に示されるようにシリコンウェハ11をRTA装置6に投入し、500℃で5分間加熱することで脱脂及び熱分解を行った(S007)。次いで冷却手段8において室温まで冷却を行い(S008)、2層目のアモルファス層を形成した。
続いて、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が90°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S101)。図5(e)に示されるようにスピンコート装置4に投入し、シリコンウェハ11の表面を洗浄し(S102)、強誘電体前駆体溶液を塗布して膜形成を行った(S103)。
次いで、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が180°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S104)。シリコンウェハ11を図6(e)に示されるように120℃に加熱したホットプレート5に投入し、強誘電体前駆体膜の主溶媒の乾燥を1分間行った(S005)。
次に、投入角度調整手段3によりシリコンウェハ11の投入角度が270°となるようにウェハ位置・投入角度調整を行う(S106)。図7(c)に示されるようにRTA装置6に投入し、500℃で5分間脱脂及び熱分解を行い(S107)、3層目のアモルファス層を形成した。さらに700℃で6分間結晶化を行い(S108)、冷却して(S109)3層のアモルファス層からなる強誘電体膜(結晶膜)を成膜した。得られた強誘電体膜の膜厚は約200nmであった。
上述の工程を、前記強誘電体前駆体膜(アモルファス層)の積層回数ごとにスピンコート装置4への投入角度を30°ずつ、ホットプレート5への投入角度を60°ずつ、RTA装置6への投入角度を90°ずつ変更しながら、3層積層するごとに1回の結晶化を行うことを10回(n=10)繰り返し、厚さ約2μmの強誘電体膜(結晶膜)を得た。
得られた強誘電体膜について、実施例1と同様にウェハ面内でXRD(X‐ray diffraction)測定を行い、配向率の面内分布を算出した。算出した配向率の面内分布を図11に示す。
実施例2の強誘電体膜は、図11に示されるように、常にPZT(111)が優先的に配向していることがわかる。上述の比較例の図10でみられたようなバラつきが改善されており、また実施例1の図9でみられた配向よりもさらに均一性が向上し、面内特性の均一性の低下が抑制されていることがわかる。
実施例1及び実施例2の結果から、本実施形態に係る製造装置10を構成する各装置へシリコンウェハ11を投入する際に、強誘電体前駆体膜の積層回数に応じて投入角度を変更すること、さらに各装置によって投入角度の変更量を変えることによって、各装置の不均一性に起因した面内特性の均一性の低下を抑制できることがわかる。
本実施形態に係る強誘電体膜の成膜方法により成膜された強誘電体膜を含む電子素子としては、例えば、前記強誘電体膜を圧電体とし、下部電極、前記圧電体及び上部電極をこの順に積層することによって構成される圧電素子が挙げられる。
また、前記電子素子を備える電子機器としては、例えば、液体を吐出するノズル孔に連通する圧力発生室が形成された流路基板と、該流路基板の一方面側の領域に振動板を介して前記電子素子(圧電素子)が配置された液体吐出ヘッド、さらに該液体吐出ヘッドを備える画像形成装置等が挙げられる。
1 供給排出ステージ
2 搬送手段
3 投入角度調整手段
4 膜形成手段(スピンコート装置)
5 乾燥手段(ホットプレート)
6 加熱手段(RTA装置)
7 洗浄手段
8 冷却手段
9 レール
10 成膜装置
11 シリコンウェハ
11a オリフラ
12 収納部材
13 排出部材
21a 投入方向
31 入力部
32 制御手段
33 制御部
34 記憶部
特開2004−268414号公報

Claims (6)

  1. シリコンウェハ上に強誘電体前駆体液を塗布して強誘電体前駆体膜を形成する膜形成工程と、
    前記膜形成工程で形成された前記強誘電体前駆体膜を乾燥する乾燥工程と、
    前記乾燥工程で乾燥させた前記強誘電体前駆体膜を熱分解及び結晶化することにより強誘電体膜を形成する加熱工程とを有し、
    前記膜形成工程、前記乾燥工程及び前記加熱工程を含む一連の工程を所定回数繰り返して前記強誘電体膜を積層する成膜方法において、
    前記シリコンウェハを、各工程を行う装置へ投入する際に、前記強誘電体前駆体膜の積層回数に応じて設定された投入角度で投入することを特徴とする強誘電体膜の成膜方法。
  2. 前記投入角度は、前記シリコンウェハが投入される方向と、前記シリコンウェハの中心を通りオリエンテーションフラットと直交する軸とがなす角度であることを特徴とする請求項1に記載の強誘電体膜の成膜方法。
  3. 前記所定の投入角度が、前記膜形成工程、前記乾燥工程及び前記加熱工程においてそれぞれ異なる角度であることを特徴とする請求項1または2に記載の強誘電体膜の成膜方法。
  4. シリコンウェハ上に強誘電体前駆体液を塗布して強誘電体前駆体膜を形成する膜形成手段と、
    前記膜形成手段で形成された前記強誘電体前駆体膜を乾燥する乾燥手段と、
    前記乾燥手段で乾燥させた前記強誘電体前駆体膜を熱分解及び結晶化することにより強誘電体膜を形成する加熱手段と、
    前記シリコンウェハの投入角度を調整する投入角度調整手段と、
    前記膜形成手段、前記乾燥手段及び前記加熱手段による前記強誘電体膜の形成の一連の処理を所定回数繰り返して前記強誘電体膜を積層するように制御する制御手段とを有し、
    前記強誘電体前駆体膜の積層回数に応じて設定された投入角度となるように、前記投入角度調整手段を制御することを特徴とする製造装置。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の強誘電体膜の成膜方法により成膜された強誘電体膜を含むことを特徴とする電子素子。
  6. 請求項5に記載の電子素子を備えることを特徴とする電子機器。
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