JP2010129983A - 成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空容器内の回転テーブルに基板を回転方向に並べて載置し、複数の反応ガスの処理領域をこの基板の回転方向に沿って形成し、回転テーブルを回転させてこれらの複数の処理領域に基板を順番に通過させて薄膜を形成するにあたり、メンテナンス性に優れた成膜装置を提供すること。
【解決手段】真空容器の側壁の貫通孔から回転テーブルの回転中心に向かって水平に伸びるように下面に多数のガス吐出孔が形成されたノズルを回転テーブルの回転方向に互いに離れるように複数本設けると共に、この真空容器の天板を開閉自在に構成する。
【選択図】図3
【解決手段】真空容器の側壁の貫通孔から回転テーブルの回転中心に向かって水平に伸びるように下面に多数のガス吐出孔が形成されたノズルを回転テーブルの回転方向に互いに離れるように複数本設けると共に、この真空容器の天板を開閉自在に構成する。
【選択図】図3
Description
本発明は、真空容器内の回転テーブル上に設けられた基板載置領域を当該回転テーブルの回転により公転させ、反応ガスノズルから供給される反応ガスにより基板に薄膜を形成する成膜装置に関する。
半導体製造プロセスにおける成膜手法として、基板である半導体ウェハ(以下「ウェハ」という)等の表面に対して真空雰囲気下で少なくとも2種類の反応ガスを順番に供給することにより薄膜を形成する手法が知られている。具体的には、この手法は例えば基板の表面に第1の反応ガスを吸着させた後、供給するガスを第2の反応ガスに切り替えて、ウェハ表面での両ガスの反応により1層あるいは複数層の原子層や分子層を形成し、このサイクルを例えば多数回行うことによって、これらの層を積層してウェハ上への成膜を行うプロセスである。このプロセスは、例えばALD(Atomic Layer Deposition)やMLD(Molecular Layer Deposition)などと呼ばれており、サイクル数に応じて膜厚を高精度にコントロールできると共に、膜質の面内均一性も良好であり、半導体デバイスの薄膜化に対応できる有効な手法である。
このような成膜方法が好適である例としては、例えばゲート酸化膜に用いられる高誘電体膜の成膜が挙げられる。一例を挙げると、シリコン酸化膜(SiO2膜)を成膜する場合には、第1の反応ガス(原料ガス)として例えばビスターシャルブチルアミノシラン(以下「BTBAS」という)ガス等が用いられ、第2の反応ガス(酸化ガス)としてオゾンガス等が用いられる。
この成膜方法を実施するにあたり、例えば特許文献1〜8に記載の装置が知られている。これらの装置について概略的に説明すると、この装置の真空容器内には、複数枚のウェハを周方向(回転方向)に並べて載置するための載置台と、この載置台に対向するように真空容器の上部に設けられ、処理ガスをウェハに供給する複数のガス供給部と、が設けられている。
この成膜方法を実施するにあたり、例えば特許文献1〜8に記載の装置が知られている。これらの装置について概略的に説明すると、この装置の真空容器内には、複数枚のウェハを周方向(回転方向)に並べて載置するための載置台と、この載置台に対向するように真空容器の上部に設けられ、処理ガスをウェハに供給する複数のガス供給部と、が設けられている。
そして、ウェハを載置台に載置して真空容器内を所定の処理圧力となるように減圧し、ウェハを加熱すると共に載置台と上記のガス供給部とを鉛直軸回りに相対的に回転させる。また、ガス供給部からウェハの表面に複数種類のガス例えば既述の第1の反応ガス及び第2の反応ガスを供給すると共に、反応ガスを供給するガス供給部同士の間に物理的な隔壁を設けたり、あるいは不活性ガスをエアカーテンとして吹き出したりすることによって、真空容器内において第1の反応ガスにより形成される処理領域と第2の反応ガスにより形成される処理領域とを区画する。
このように、共通の真空容器内に複数種類の反応ガスを同時に供給しているが、これらの反応ガスがウェハ上において混合しないように各々の処理領域を区画しているので、回転中のウェハから見ると上記の第1の反応ガス及び第2の反応ガスが上記の隔壁やエアカーテンを介して順番に供給されることになり、従って上記の手法による成膜処理が行われることとなる。
また、真空容器内のメンテナンスを行うためには、通常は真空容器の天板を開いて行われるが、この時天板に接続された反応ガスの配管を取り外す必要があるので、メンテナンスの作業が繁雑になる。また、この配管の内部に反応ガスが付着物として堆積している場合には、配管の着脱によりこの付着物が脱落してパーティクルの原因となるおそれもある。
また、真空容器内のメンテナンスを行うためには、通常は真空容器の天板を開いて行われるが、この時天板に接続された反応ガスの配管を取り外す必要があるので、メンテナンスの作業が繁雑になる。また、この配管の内部に反応ガスが付着物として堆積している場合には、配管の着脱によりこの付着物が脱落してパーティクルの原因となるおそれもある。
更に、真空容器内に反応ガスを供給するにあたり、この反応ガスに対して予め予備処理例えば加熱処理やプラズマ処理を行うためには、真空容器に近接する位置つまり天板の上面にこの予備処理を行うための予備処理ユニットを載せる必要がある。しかし、このような予備処理ユニットは大型で重量物であるため、天板と共にこの予備処理ユニットを昇降させようとすると、昇降機構には大きな駆動力が必要になってしまう。更に、真空容器の上方側には、天板を昇降させるストローク分のスペースに加えて、この予備処理ユニットの高さ分の領域を確保する必要があるため、装置の設置場所の制約が大きくなってしまう。
本発明はこのような事情に基づいて行われたものであり、その目的は、真空容器内において基板を載置した回転テーブルを回転させて基板を公転させ、反応ガスノズルから供給される反応ガスにより基板に対して成膜処理を行う装置において、メンテナンスが容易な成膜装置を提供することにある。
本発明の成膜装置は、
真空容器内の回転テーブル上に基板を載置して、反応ガスにより基板の表面に薄膜を形成する成膜装置において、
前記回転テーブルを収納する容器本体及びこの容器本体の上面を気密に塞ぐための天板からなる真空容器と、
前記天板を開閉する開閉機構と、
前記回転テーブルに設けられ、当該回転テーブルの回転により公転する基板載置領域と、
前記真空容器の外周壁を貫通して前記基板載置領域の通過領域に対向するようにかつ前記回転テーブルの回転方向に互いに離れて位置するように設けられ、基板の表面に反応ガスを供給するために長さ方向に亘って多数のガス吐出孔が形成された複数本の反応ガスノズルと、
これら複数本の反応ガスノズルから夫々反応ガスが供給される複数の処理領域同士の雰囲気を区画するために、前記回転方向においてこれらの処理領域の間に設けられ、分離ガス供給手段から分離ガスを供給するための分離領域と、
前記真空容器内の雰囲気を排気するための真空排気手段と、を備えたことを特徴とする。
真空容器内の回転テーブル上に基板を載置して、反応ガスにより基板の表面に薄膜を形成する成膜装置において、
前記回転テーブルを収納する容器本体及びこの容器本体の上面を気密に塞ぐための天板からなる真空容器と、
前記天板を開閉する開閉機構と、
前記回転テーブルに設けられ、当該回転テーブルの回転により公転する基板載置領域と、
前記真空容器の外周壁を貫通して前記基板載置領域の通過領域に対向するようにかつ前記回転テーブルの回転方向に互いに離れて位置するように設けられ、基板の表面に反応ガスを供給するために長さ方向に亘って多数のガス吐出孔が形成された複数本の反応ガスノズルと、
これら複数本の反応ガスノズルから夫々反応ガスが供給される複数の処理領域同士の雰囲気を区画するために、前記回転方向においてこれらの処理領域の間に設けられ、分離ガス供給手段から分離ガスを供給するための分離領域と、
前記真空容器内の雰囲気を排気するための真空排気手段と、を備えたことを特徴とする。
前記反応ガスノズルの少なくとも1本の上流側には、前記真空容器の外側にて反応ガスに対して予備処理を行うための予備処理ユニットが設けられていることが好ましい。
前記予備処理は、加熱処理及びプラズマ処理の一方であることが好ましい。
前記反応ガスノズルは、前記真空容器の外周壁に形成された貫通孔に着脱自在に挿入されていることが好ましい。
前記真空容器の外周壁には、前記反応ガスノズルの取り付け位置を選択できるようにするために、使用する反応ガスノズルの数よりも多い反応ガスノズルの取り付け孔が周方向に亘って複数箇所に形成されていることが好ましい。
前記複数本の反応ガスノズルは、夫々第1の反応ガスと、この第1の反応ガスと反応する第2の反応ガスと、を供給する第1の反応ガスノズル及び第2の反応ガスノズルからなり、
前記薄膜は、前記第1の反応ガスと前記第2の反応ガスとを順番に基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して形成されたものであることが好ましい。
前記予備処理は、加熱処理及びプラズマ処理の一方であることが好ましい。
前記反応ガスノズルは、前記真空容器の外周壁に形成された貫通孔に着脱自在に挿入されていることが好ましい。
前記真空容器の外周壁には、前記反応ガスノズルの取り付け位置を選択できるようにするために、使用する反応ガスノズルの数よりも多い反応ガスノズルの取り付け孔が周方向に亘って複数箇所に形成されていることが好ましい。
前記複数本の反応ガスノズルは、夫々第1の反応ガスと、この第1の反応ガスと反応する第2の反応ガスと、を供給する第1の反応ガスノズル及び第2の反応ガスノズルからなり、
前記薄膜は、前記第1の反応ガスと前記第2の反応ガスとを順番に基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して形成されたものであることが好ましい。
前記分離ガス供給手段は、前記真空容器の外周壁から前記回転テーブルの回転中心に向かって当該回転テーブル上の基板に対向して伸び出すと共に、基板の表面に分離ガスを供給するために長さ方向に亘って下面に多数のガス吐出孔が形成された分離ガスノズルであっても良い。この場合には前記真空容器の外周壁には、前記分離ガスノズルの取り付け位置を選択できるようにするために、使用する分離ガスノズルの数よりも多い分離ガスノズルの取り付け孔が周方向に亘って複数箇所に形成されていることが好ましい。
前記分離ガス供給手段は、前記真空容器の外周壁から前記回転テーブルの回転中心に向かって当該回転テーブル上の基板に対向して伸び出すと共に、基板の表面に分離ガスを供給するために長さ方向に亘って下面に多数のガス吐出孔が形成された分離ガスノズルであり、
前記真空容器の外周壁には、前記反応ガスノズル及び分離ガスノズルの夫々の取り付け位置を選択できるようにするために、使用する反応ガスノズル及び分離ガスノズルの数よりも多い取り付け孔が周方向に亘って複数箇所に形成され、
前記取り付け孔は、前記反応ガスノズルの取り付け孔と前記分離ガスノズルの取り付け孔とを兼用していることが好ましい。
前記真空容器の外周壁には、前記反応ガスノズル及び分離ガスノズルの夫々の取り付け位置を選択できるようにするために、使用する反応ガスノズル及び分離ガスノズルの数よりも多い取り付け孔が周方向に亘って複数箇所に形成され、
前記取り付け孔は、前記反応ガスノズルの取り付け孔と前記分離ガスノズルの取り付け孔とを兼用していることが好ましい。
前記分離領域は、前記分離ガス供給手段の前記回転方向両側に位置し、当該分離領域から処理領域側に分離ガスが流れるための狭隘な空間を回転テーブルとの間に形成するための天井面を備えていることが好ましい。
前記複数の処理領域の雰囲気を分離するために前記真空容器内の中心部に位置し、前記回転テーブルの基板載置面側に分離ガスを吐出する吐出孔が形成された中心部領域を備え、
前記反応ガスは、前記分離領域の両側に拡散する分離ガス及び前記中心部領域から吐出する分離ガスと共に前記排気口から排気されることが好ましい。
前記基板載置領域は、前記回転テーブルの回転方向に沿って複数設けられていても良い。
前記複数の処理領域の雰囲気を分離するために前記真空容器内の中心部に位置し、前記回転テーブルの基板載置面側に分離ガスを吐出する吐出孔が形成された中心部領域を備え、
前記反応ガスは、前記分離領域の両側に拡散する分離ガス及び前記中心部領域から吐出する分離ガスと共に前記排気口から排気されることが好ましい。
前記基板載置領域は、前記回転テーブルの回転方向に沿って複数設けられていても良い。
本発明は、真空容器内において基板を載置した回転テーブルを回転させて基板を公転させ、反応ガスノズルから供給される反応ガスにより基板に対して成膜処理を行う装置において、反応ガスノズルを真空容器の外周壁の貫通孔内に挿入して取り付けている。従って、真空容器の天板には反応ガスノズルを接続していないので、メンテナンスのためにこの天板を開閉する時に反応ガスの配管の着脱作業が不要になり、このためメンテナンス作業を容易に行うことができ、また配管の着脱によるパーティクルの発生を抑えることができる。更にまた、真空容器の外周壁の貫通孔に反応ガスノズルを取り付けているので、当該反応ガスノズル内を通流する反応ガスに対して予備処理を行う場合には、予備処理ユニットを真空容器の側方側に配置することができ、天板の上部に予備処理ユニットを設けることによる天板の開閉駆動機構が大掛かりになるという問題も起こらない。
本発明の第1の実施の形態である成膜装置は、図1〜図3に示すように平面形状が概ね円形である扁平な真空容器1と、この真空容器1内に設けられ、当該真空容器1の中心に回転中心を有する回転テーブル2と、を備えている。真空容器1は、この回転テーブル2を収納する概略カップ型の容器本体12と、この容器本体12の上面の開口部を気密に塞ぐように円板状に形成された天板11と、を備えている。この真空容器1の外側には、図1に示すように、天板11を昇降させるための開閉機構18が設けられており、天板11の側方位置には、図3にも示すように周方向に亘って等間隔に例えば4箇所にこの開閉機構18から伸びる昇降軸19が接続されている。そして、この開閉機構18により、天板11は昇降軸19を介して真空容器1を気密に構成する下位置と、例えば真空容器1内のメンテナンスを行う上位置と、の間において開閉(昇降)して容器本体12から着脱できるように構成されている。この天板11は、下位置において真空容器1内が減圧されることによって、容器本体12の上面の周縁部にリング状に設けられた封止部材例えばOリング13を介して容器本体12側に気密に押し付けられることになる。尚、この例では天板11の側方位置に昇降軸19を接続したが、天板11の上面側に接続しても良いし、また開閉機構18については各々の昇降軸19毎に個別に設けるようにしても良い。また、これらの図1、図3及び後述の図14以外の図については、開閉機構18及び昇降軸19の記載を省略している。
回転テーブル2は、中心部にて円筒形状のコア部21に固定されており、このコア部21は、鉛直方向に伸びる回転軸22の上端に固定されている。この回転軸22は真空容器1の底面部14を貫通し、その下端が当該回転軸22を鉛直軸回りにこの例では時計回りに回転させる駆動部23に取り付けられている。回転軸22及び駆動部23は、上面が開口した筒状のケース体20内に収納されている。このケース体20はその上面に設けられたフランジ部分が真空容器1の底面部14の下面に気密に取り付けられており、ケース体20の内部雰囲気と外部雰囲気との気密状態が維持されている。
回転テーブル2の表面部には、図2及び図3に示すように回転方向(周方向)に沿って複数枚例えば5枚の基板である半導体ウェハ(以下「ウェハ」という)Wを載置するための円形状の凹部24が設けられており、この凹部24は回転テーブル2の回転により当該回転テーブル2の回転中心を中心として鉛直軸回りに公転するように構成されている。なお図3には便宜上1個の凹部24だけにウェハWを描いてある。ここで図4は、回転テーブル2を同心円に沿って切断しかつ横に展開して示す展開図であり、凹部24は、図4(a)に示すようにその直径がウェハWの直径よりも僅かに例えば4mm大きく、またその深さはウェハWの厚みと同等の大きさに設定されている。従ってウェハWを凹部24に落とし込むと、ウェハWの表面と回転テーブル2の表面(ウェハWが載置されない領域)とが揃うことになる。ウェハWの表面と回転テーブル2の表面との間の高さの差が大きいとその段差部分で圧力変動が生じることから、ウェハWの表面と回転テーブル2の表面との高さを揃えることが、膜厚の面内均一性を揃える観点から好ましい。ウェハWの表面と回転テーブル2の表面との高さを揃えるとは、同じ高さであるかあるいは両面の差が5mm以内であることをいうが、加工精度などに応じてできるだけ両面の高さの差をゼロに近づけることが好ましい。凹部24の底面には、ウェハWの裏面を支えて当該ウェハWを昇降させるための例えば後述する3本の昇降ピン16(図10参照)が貫通する貫通孔(図示せず)が形成されている。
凹部24はウェハWを位置決めして回転テーブル2の回転に伴なう遠心力により飛び出さないようにするためのものであり、本発明の基板載置領域に相当する部位であるが、この基板載置領域(ウェハ載置領域)は、凹部に限らず例えば回転テーブル2の表面にウェハWの周縁をガイドするガイド部材をウェハWの周方向に沿って複数並べた構成であってもよく、あるいは回転テーブル2側に静電チャックなどのチャック機構を持たせてウェハWを吸着する場合には、その吸着によりウェハWが載置される領域が基板載置領域となる。
図2、図3及び図5に示すように、回転テーブル2における凹部24の通過領域と各々対向する上位置には、各々例えば石英からなる第1の反応ガスノズル31及び第2の反応ガスノズル32と2本の分離ガスノズル41、42とが真空容器1の周方向(回転テーブル2の回転方向)に互いに間隔をおいて配置されている。この例では、第2の反応ガスノズル32、分離ガスノズル41、第1の反応ガスノズル31及び分離ガスノズル42がこの順に時計回りに配列されている。これら反応ガスノズル31、32及び分離ガスノズル41、42は、例えば真空容器1の外周壁から回転テーブル2の回転中心に向かってウェハWに対向して水平に伸びるように取り付けられており、その基端部であるガス導入ポート31a、32a、41a、42aは当該外周壁を貫通している。これらのノズル31、32、41、42は、夫々同様の方法により真空容器1の側壁に取り付けられており、そのためノズル31を代表してこの取り付け構造について図6に基づいて説明する。
真空容器1の側壁には、ノズル31を取り付けるための貫通孔100が形成されている。この貫通孔100内には、真空容器1の外側から概略円筒状の外スリーブ101が挿入されており、真空容器1の外側において外スリーブ101の端面に形成されたフランジ部と当該真空容器1の側壁とが図示しないリング状の樹脂シール材であるO−リングなどを介してボルト102により固定されている。この外スリーブ101の内部空間は、先端側(真空容器1の内壁側)がテーパー状に縮径して縮径部101aをなしている。また、この外スリーブ101内には、ガス導入ポート31aから伸びるガス供給管31bに接続された管状の接続部103が真空容器1の外側から挿入されており、この接続部103の先端部と上記の縮径部101aとの間には、両側からO−リング104、104に挟まれるように配置されたリング状の内スリーブ105が設けられている。そして、この内スリーブ105内には、真空容器1の内壁側から既述のノズル31の基端部が挿入されており、当該基端部の開口端は接続部103の先端部よりも奥側(真空容器1の外壁側)に位置している。
このノズル31は、図示しない固定部材により縮径部101aに対して接続部103が押しつけられると、O−リング104、104が押しつぶされて外スリーブ101とノズル31とがO−リング104、104を介して気密に圧着されて当該ノズル31が保持され、接続部103が縮径部101aから離れると、真空容器1の内部領域を介して取り外し可能になる。尚、この接続部103の内側にノズル31を気密に固定し、真空容器1の外側から接続部103と共にノズル31を着脱するようにしても良い。この場合には、ノズル31の着脱時に天板11を開閉しなくても良いので、ノズル31を容易に交換できる。
このノズル31(32、41、42)を取り付けるための取り付け孔である貫通孔100は、既述の図3に示すように、後述の搬送口15を跨いで周方向に亘って複数箇所例えば21ヶ所に等間隔に形成されている。この例では、反応ガスノズル31、32の取り付け孔と、分離ガスノズル41、42の取り付け孔と、を兼用できるように、これらの貫通孔100は開口径などの寸法が同じ値となっている。そして、ノズル31(32、41、42)が取り付けられていない貫通孔100は、図示しない覆い部材により気密に密閉されている。
反応ガスノズル31、32には、夫々図示しないバルブや流量調整部が介設されたガス供給管31b、32bにより第1の反応ガスであるBTBAS(ビスターシャルブチルアミノシラン)ガス及び第2の反応ガスであるO3(オゾン)ガスが供給されるように構成されている。反応ガスノズル32には、図2及び図3に示すように、真空容器1の側方位置(上流側)において当該反応ガスノズル32内を通流するO3ガスを加熱するための予備処理ユニットである加熱処理ユニット120が接続されている。この加熱処理ユニット120は、内部に図示しないヒーターなどの加熱手段が設けられており、O3ガスを例えば300℃に加熱できるように構成されている。また、分離ガスノズル41、41は、図示しないバルブや流量調整部が介設されたガス供給管により、分離ガスであるN2ガス(窒素ガス)が供給されるように構成されている。
反応ガスノズル31、32には、下方側に反応ガスを吐出するための例えば口径が0.5mmのガス吐出孔33が真下を向いてノズルの長さ方向に例えば10mmの間隔を置いて等間隔に配列されている。また分離ガスノズル41、42には、下方側に分離ガスを吐出するための例えば口径が0.5mmのガス吐出孔40が真下を向いて長さ方向に例えば10mm程度の間隔を置いて等間隔に穿設されている。反応ガスノズル31、32のガス吐出孔33とウェハWとの間の距離は例えば1〜4mm好ましくは2mmであり、分離ガスノズル41、42のガス吐出孔40とウェハWとの間の距離は例えば1〜4mm好ましくは3mmである。反応ガスノズル31、32の下方領域は、夫々BTBASガスをウェハWに吸着させるための第1の処理領域91及びO3ガスをウェハWに吸着させるための第2の処理領域92となる。
分離ガスノズル41、42は、前記第1の処理領域91と第2の処理領域92とを分離するための分離領域Dを形成するためのものであり、この分離領域Dにおける真空容器1の天板11には図2〜図4に示すように、回転テーブル2の回転中心を中心としかつ真空容器1の内周壁の近傍に沿って描かれる円を周方向に分割してなる、平面形状が扇型で下方に突出した凸状部4が設けられている。分離ガスノズル41、42は、この凸状部4における前記円の周方向中央にて当該円の半径方向に伸びるように形成された溝部43内に収められている。即ち分離ガスノズル41(42)の中心軸から凸状部4である扇型の両縁(回転テーブル2の回転方向上流側の縁及び下流側の縁)までの距離は同じ長さに設定されている。
なお、溝部43は、本実施形態では凸状部4を二等分するように形成されているが、他の実施形態においては、例えば溝部43から見て凸状部4における回転テーブル2の回転方向上流側が前記回転方向下流側よりも広くなるように溝部43を形成してもよい。
なお、溝部43は、本実施形態では凸状部4を二等分するように形成されているが、他の実施形態においては、例えば溝部43から見て凸状部4における回転テーブル2の回転方向上流側が前記回転方向下流側よりも広くなるように溝部43を形成してもよい。
従って分離ガスノズル41、42における前記回転方向両側には、前記凸状部4の下面である例えば平坦な低い天井面44(第1の天井面)が存在し、この天井面44の前記回転方向両側には、当該天井面44よりも高い天井面45(第2の天井面)が存在することになる。この凸状部4の役割は、回転テーブル2との間に第1の反応ガス及び第2の反応ガスの侵入を阻止してこれら反応ガスの混合を阻止するための狭隘な空間である分離空間を形成することにある。
即ち、分離ガスノズル41を例にとると、回転テーブル2の回転方向上流側からO3ガスが侵入することを阻止し、また回転方向下流側からBTBASガスが侵入することを阻止する。「ガスの侵入を阻止する」とは、分離ガスノズル41から吐出した分離ガスであるN2ガスが第1の天井面44と回転テーブル2の表面との間に拡散して、この例では当該第1の天井面44に隣接する第2の天井面45の下方側空間に吹き出し、これにより当該隣接空間からのガスが侵入できなくなることを意味する。そして「ガスが侵入できなくなる」とは、隣接空間から凸状部4の下方側空間に全く入り込むことができない場合のみを意味するのではなく、多少侵入はするが、両側から夫々侵入したO3ガス及びBTBASガスが凸状部4内で交じり合わない状態が確保される場合も意味し、このような作用が得られる限り、分離領域Dの役割である第1の処理領域91の雰囲気と第2の処理領域92の雰囲気との分離作用が発揮できる。従って狭隘な空間における狭隘の程度は、狭隘な空間(凸状部4の下方空間)と当該空間に隣接した領域(この例では第2の天井面45の下方空間)との圧力差が「ガスが侵入できなくなる」作用を確保できる程度の大きさになるように設定され、その具体的な寸法は凸状部4の面積などにより異なるといえる。またウェハWに吸着したガスについては当然に分離領域D内を通過することができ、ガスの侵入阻止は、気相中のガスを意味している。
即ち、分離ガスノズル41を例にとると、回転テーブル2の回転方向上流側からO3ガスが侵入することを阻止し、また回転方向下流側からBTBASガスが侵入することを阻止する。「ガスの侵入を阻止する」とは、分離ガスノズル41から吐出した分離ガスであるN2ガスが第1の天井面44と回転テーブル2の表面との間に拡散して、この例では当該第1の天井面44に隣接する第2の天井面45の下方側空間に吹き出し、これにより当該隣接空間からのガスが侵入できなくなることを意味する。そして「ガスが侵入できなくなる」とは、隣接空間から凸状部4の下方側空間に全く入り込むことができない場合のみを意味するのではなく、多少侵入はするが、両側から夫々侵入したO3ガス及びBTBASガスが凸状部4内で交じり合わない状態が確保される場合も意味し、このような作用が得られる限り、分離領域Dの役割である第1の処理領域91の雰囲気と第2の処理領域92の雰囲気との分離作用が発揮できる。従って狭隘な空間における狭隘の程度は、狭隘な空間(凸状部4の下方空間)と当該空間に隣接した領域(この例では第2の天井面45の下方空間)との圧力差が「ガスが侵入できなくなる」作用を確保できる程度の大きさになるように設定され、その具体的な寸法は凸状部4の面積などにより異なるといえる。またウェハWに吸着したガスについては当然に分離領域D内を通過することができ、ガスの侵入阻止は、気相中のガスを意味している。
この例では直径300mmのウェハWを被処理基板としており、この場合凸状部4は、回転テーブル2の回転中心から140mm外周側に離れた部位(後述の突出部5との境界部位)においては、周方向の長さ(回転テーブル2と同心円の円弧の長さ)が例えば146mmであり、ウェハWの載置領域(凹部24)の最も外側部位においては、周方向の長さが例えば502mmである。なお図4(a)に示すように、当該外側部位において分離ガスノズル41(42)の両脇から夫々左右に位置する凸状部4の周方向の長さLでみれば、長さLは246mmである。
また図4(a)に示すように凸状部4の下面即ち天井面44における回転テーブル2の表面までの高さhは、例えば0.5mmから10mmであってもよく、約4mmであると好適である。この場合、回転テーブル2の回転数は例えば1rpm〜500rpmに設定されている。そのため分離領域Dの分離機能を確保するためには、回転テーブル2の回転数の使用範囲などに応じて、凸状部4の大きさや凸状部4の下面(第1の天井面44)と回転テーブル2の表面との高さhを例えば実験などに基づいて設定することになる。なお分離ガスとしては、窒素(N2)ガスに限られずアルゴン(Ar)ガスなどの不活性ガスなどを用いることができるが、このようなガスに限らず水素(H2)ガスなどであってもよく、成膜処理に影響を与えないガスであれば、ガスの種類に関しては特に限定されるものではない。
また図4(a)に示すように凸状部4の下面即ち天井面44における回転テーブル2の表面までの高さhは、例えば0.5mmから10mmであってもよく、約4mmであると好適である。この場合、回転テーブル2の回転数は例えば1rpm〜500rpmに設定されている。そのため分離領域Dの分離機能を確保するためには、回転テーブル2の回転数の使用範囲などに応じて、凸状部4の大きさや凸状部4の下面(第1の天井面44)と回転テーブル2の表面との高さhを例えば実験などに基づいて設定することになる。なお分離ガスとしては、窒素(N2)ガスに限られずアルゴン(Ar)ガスなどの不活性ガスなどを用いることができるが、このようなガスに限らず水素(H2)ガスなどであってもよく、成膜処理に影響を与えないガスであれば、ガスの種類に関しては特に限定されるものではない。
一方天板11の下面には、回転テーブル2におけるコア部21よりも外周側の部位と対向するようにかつ当該コア部21の外周に沿って突出部5が設けられている。この突出部5は凸状部4における回転テーブル2の回転中心側の部位と連続して形成されており、その下面が凸状部4の下面(天井面44)と同じ高さに形成されている。図2及び図3は、前記天井面45よりも低くかつ分離ガスノズル41、42よりも高い位置にて天板11を水平に切断して示している。なお突出部5と凸状部4とは、必ずしも一体であることに限られるものではなく、別体であってもよい。
真空容器1の天板11の下面、つまり回転テーブル2のウェハ載置領域(凹部24)から見た天井面は既述のように第1の天井面44とこの天井面44よりも高い第2の天井面45とが周方向に存在するが、図1では、高い天井面45が設けられている領域についての縦断面を示しており、図7では、低い天井面44が設けられている領域についての縦断面を示している。扇型の凸状部4の周縁部(真空容器1の外縁側の部位)は図2及び図7に示されているように回転テーブル2の外端面に対向するようにL字型に屈曲して屈曲部46を形成している。扇型の凸状部4は天板11側に設けられていて、容器本体12から取り外せるようになっていることから、前記屈曲部46の外周面と容器本体12との間には僅かに隙間がある。この屈曲部46も凸状部4と同様に両側から反応ガスが侵入することを防止して、両反応ガスの混合を防止する目的で設けられており、屈曲部46の内周面と回転テーブル2の外端面との隙間、及び屈曲部46の外周面と容器本体12との隙間は、回転テーブル2の表面に対する天井面44の高さhと同様の寸法に設定されている。この例においては、回転テーブル2の表面側領域からは、屈曲部46の内周面が真空容器1の内周壁を構成していると見ることができる。
真空容器1の天板11の下面、つまり回転テーブル2のウェハ載置領域(凹部24)から見た天井面は既述のように第1の天井面44とこの天井面44よりも高い第2の天井面45とが周方向に存在するが、図1では、高い天井面45が設けられている領域についての縦断面を示しており、図7では、低い天井面44が設けられている領域についての縦断面を示している。扇型の凸状部4の周縁部(真空容器1の外縁側の部位)は図2及び図7に示されているように回転テーブル2の外端面に対向するようにL字型に屈曲して屈曲部46を形成している。扇型の凸状部4は天板11側に設けられていて、容器本体12から取り外せるようになっていることから、前記屈曲部46の外周面と容器本体12との間には僅かに隙間がある。この屈曲部46も凸状部4と同様に両側から反応ガスが侵入することを防止して、両反応ガスの混合を防止する目的で設けられており、屈曲部46の内周面と回転テーブル2の外端面との隙間、及び屈曲部46の外周面と容器本体12との隙間は、回転テーブル2の表面に対する天井面44の高さhと同様の寸法に設定されている。この例においては、回転テーブル2の表面側領域からは、屈曲部46の内周面が真空容器1の内周壁を構成していると見ることができる。
容器本体12の内周壁は、分離領域Dにおいては図7に示すように前記屈曲部46の外周面と接近して垂直面に形成されているが、分離領域D以外の部位においては、図1に示すように例えば回転テーブル2の外端面と対向する部位から底面部14に亘って縦断面形状が矩形に切り欠かれて外方側に窪んだ構造になっている。この窪んだ部位における既述の第1の処理領域91及び第2の処理領域92に連通する領域を夫々第1の排気領域E1及び第2の排気領域E2と呼ぶことにすると、これらの第1の排気領域E1及び第2の排気領域E2の底部には、図1及び図3に示すように、夫々第1の排気口61及び第2の排気口62が形成されている。第1の排気口61及び第2の排気口62は、既述の図1に示すように、バルブ65が介設された排気路63を介して真空排気手段である例えば真空ポンプ64に接続されている。
これらの排気口61、62は、分離領域Dの分離作用が確実に働くように、平面で見たときに前記分離領域Dの前記回転方向両側に設けられている。詳しく言えば、回転テーブル2の回転中心から見て第1の処理領域91とこの第1の処理領域91に対して例えば回転方向下流側に隣接する分離領域Dとの間に第1の排気口61が形成され、回転テーブル2の回転中心から見て第2の処理領域92とこの第2の処理領域92に対して例えば回転方向下流側に隣接する分離領域Dとの間に第2の排気口62が形成されており、夫々各反応ガス(BTBASガス及びO3ガス)の排気を専用に行うようにしている。この例では一方の排気口61は、第1の反応ガスノズル31とこの反応ガスノズル31に対して前記回転方向下流側に隣接する分離領域Dの第1の反応ガスノズル31側の縁の延長線との間に設けられ、また他方の排気口61は、第2の反応ガスノズル32とこの反応ガスノズル32に対して前記回転方向下流側に隣接する分離領域Dの第2の反応ガスノズル32側の縁の延長線との間に設けられている。即ち、第1の排気口61は、図3中に一点鎖線で示した回転テーブル2の中心と第1の処理領域91とを通る直線L1と、回転テーブル2の中心と前記第1の処理領域91の下流側に隣接する分離領域Dの上流側の縁を通る直線L2との間に設けられ、第2の排気口62は、この図3に二点鎖線で示した回転テーブル2の中心と第2の処理領域92とを通る直線L3と、回転テーブル2の中心と前記第2の処理領域92の下流側に隣接する分離領域Dの上流側の縁を通る直線L4との間に位置している。
尚、排気口の設置数は2個に限られるものではなく、例えば分離ガスノズル42を含む分離領域Dと当該分離領域Dに対して前記回転方向下流側に隣接する第2の反応ガスノズル32との間に更に排気口を設置して3個としてもよいし、4個以上であってもよい。この例では排気口61、62は回転テーブル2よりも低い位置に設けることで真空容器1の内周壁と回転テーブル2の周縁との間の隙間から排気するようにしているが、真空容器1の底面部に設けることに限られず、真空容器1の側壁に設けてもよい。また排気口61、62は、真空容器1の側壁に設ける場合には、回転テーブル2よりも高い位置に設けるようにしてもよい。このように排気口61、62を設けることにより回転テーブル2上のガスは、回転テーブル2の外側に向けて流れるため、回転テーブル2に対向する天井面から排気する場合に比べてパーティクルの巻上げが抑えられるという観点において有利である。
前記回転テーブル2と真空容器1の底面部14との間の空間には、図1及び図8に示すように加熱手段であるヒータユニット7が設けられており、回転テーブル2を介して回転テーブル2上のウェハWをプロセスレシピで決められた温度に加熱するように構成されている。前記回転テーブル2の周縁付近の下方側には、回転テーブル2の上方空間から排気領域Eに至るまでの雰囲気とヒータユニット7が置かれている雰囲気とを区画するために、ヒータユニット7を全周に亘って囲むようにカバー部材71が設けられている。このカバー部材71は上縁が外側に屈曲されてフランジ形状に形成され、その屈曲面と回転テーブル2の下面との間の隙間を小さくして、カバー部材71内に外方からガスが侵入することを抑えている。
ヒータユニット7が配置されている空間よりも回転中心寄りの部位における底面部14は、回転テーブル2の下面の中心部付近、コア部21に接近してその間は狭い空間になっており、また当該底面部14を貫通する回転軸22の貫通穴についてもその内周面と回転軸22との隙間が狭くなっていて、これら狭い空間は前記ケース体20内に連通している。そして前記ケース体20にはパージガスであるN2ガスを前記狭い空間内に供給してパージするためのパージガス供給管72が設けられている。また真空容器1の底面部14には、ヒータユニット7の下方側位置にて周方向の複数部位に、ヒータユニット7の配置空間をパージするためのパージガス供給管73が設けられている。
このようにパージガス供給管72、73を設けることにより図9にパージガスの流れを矢印で示すように、ケース体20内からヒータユニット7の配置空間に至るまでの空間がN2ガスでパージされ、このパージガスが回転テーブル2とカバー部材71との間の隙間から排気領域Eを介して排気口61、62に排気される。これによって既述の第1の処理領域91と第2の処理領域92との一方から回転テーブル2の下方を介して他方にBTBASガスあるいはO3ガスの回り込みが防止されるため、このパージガスは分離ガスの役割も果たしている。
また真空容器1の天板11の中心部には分離ガス供給管51が接続されていて、天板11とコア部21との間の空間52に分離ガスであるN2ガスを供給するように構成されている。この空間52に供給された分離ガスは、前記突出部5と回転テーブル2との狭い隙間50を介して回転テーブル2のウェハ載置領域側の表面に沿って周縁に向けて吐出されることになる。この突出部5で囲まれる空間には分離ガスが満たされているので、第1の処理領域91と第2の処理領域92との間で回転テーブル2の中心部を介して反応ガス(BTBASガスあるいはO3ガス)が混合することを防止している。即ち、この成膜装置は、第1の処理領域91と第2の処理領域92との雰囲気を分離するために回転テーブル2の回転中心部と真空容器1とにより区画され、分離ガスがパージされると共に当該回転テーブル2の表面に分離ガスを吐出する吐出口が前記回転方向に沿って形成された中心部領域Cを備えているということができる。なおここでいう吐出口は前記突出部5と回転テーブル2との狭い隙間50に相当する。
更に真空容器1の側壁には図2、図3及び図10に示すように外部の搬送アーム10と回転テーブル2との間でウェハWの受け渡しを行うための搬送口15が形成されており、この搬送口15は図示しないゲートバルブにより開閉されるようになっている。また回転テーブル2におけるウェハ載置領域である凹部24はこの搬送口15に臨む位置にて搬送アーム10との間でウェハWの受け渡しが行われることから、回転テーブル2の下方側において当該受け渡し位置に対応する部位に、凹部24を貫通してウェハWを裏面から持ち上げるための受け渡し用の昇降ピン16の昇降機構(図示せず)が設けられる。
また、この成膜装置は、既述の図1に示すように、装置全体の動作のコントロールを行うためのコンピュータからなる制御部80を備えている。この制御部80は、CPU、メモリ及び処理プログラムを備えている。このメモリには、ノズル31、32、41、42から供給されるBTBASガス、O3ガス及びN2ガスの流量、処理圧力などの処理条件が書き込まれる領域がレシピ毎に設けられている。処理プログラムは、上記のメモリに書き込まれたレシピを読み出し、このレシピに合わせて成膜装置の各部に制御信号を送り、後述の各ステップを進行させることでウェハWの処理を行うように命令が組み込まれている。このプログラムは、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、メモリカード、フレキシブルディスクなどの記憶媒体である記憶部85から制御部80内にインストールされる。
次に上述実施の形態の作用について、図11〜図16を参照して説明する。先ず、図示しないゲートバルブを開き、外部から搬送アーム10により搬送口15を介してウェハWを回転テーブル2の凹部24内に受け渡す。この受け渡しは、凹部24が搬送口15に臨む位置に停止したときに図10に示すように凹部24の底面の貫通孔を介して真空容器1の底部側から昇降ピン16が昇降することにより行われる。このようなウェハWの受け渡しを回転テーブル2を間欠的に回転させて行い、回転テーブル2の5つの凹部24内に夫々ウェハWを載置する。続いて、回転テーブル2を所定の回転数例えば240rpmで時計回りに回転させる。そして、バルブ65を全開にして真空容器1内を真空引きすると共に、ヒータユニット7によりウェハWを設定温度例えば350℃に加熱する。詳しくは、回転テーブル2はヒータユニット7により予め例えば350℃に加熱されており、この回転テーブル2に載置されることで、上記のようにウェハWが設定温度に加熱されることになる。
次いで、真空容器1内が所定の真空度となるようにバルブ65の開度を調整して、第1の反応ガスノズル31及び第2の反応ガスノズル32から真空容器1内に例えば夫々200sccm、10000sccmでBTBASガス及びO3ガスを供給する。この時、加熱処理ユニット120はO3ガスの温度が300℃となるように設定されており、従って図11に示すように、この設定温度に加熱されて活性化したO3ガスが真空容器1内に供給される。また、図12に示すように、ウェハWの径方向に亘って(回転テーブル2の周縁側から中央側に向かって)ノズル31、32のガス吐出孔33が形成されているので、またこのガス吐出孔33はウェハWと近接しているので、ウェハWには濃度が高く且つ濃度分布が均一な反応ガスが供給されることとなる。また、分離ガスノズル41、42から例えば夫々10000sccm、10000sccmで真空容器1内にN2ガスを供給すると共に、分離ガス供給管51及びパージガス供給管72からも所定の流量でN2ガスを中心部領域C及び既述の狭い空間内に供給する。
そして、ウェハWは回転テーブル2の回転により、第1の処理領域91と第2の処理領域92とを交互に通過するため、BTBASガスが吸着し、次いでO3ガスが吸着してBTBAS分子が酸化されて酸化シリコンの分子層が1層あるいは複数層形成され、こうして酸化シリコンの分子層が順次積層されて所定の膜厚のシリコン酸化膜からなる薄膜が成膜される。ここで、既述のようにウェハWの加熱温度は低温であるが、真空容器1内にO3ガスを供給する前に予め加熱処理ユニット120において加熱して活性化させているので、ウェハWの表面に吸着したBTBAS分子が速やかに確実に酸化されていくことになる。また、既述のように、ウェハWの近傍には濃度が高くてかつ均一な反応ガスが供給されているので、ウェハWの表面への反応ガスの吸着や酸化反応が速やかに起こり、上記のように回転テーブル2の回転数が速い場合であっても、ウェハWの面内に亘って膜厚及び膜質が均一な薄膜が形成されていく。
この時、第1の処理領域91及び第2の処理領域92の間においてN2ガスを供給し、また中心部領域Cにおいても分離ガスであるN2ガスを供給しているので、図13に示すようにBTBASガスとO3ガスとが混合しないように各ガスが排気されることとなる。また、分離領域Dにおいては、屈曲部46と回転テーブル2の外端面との間の隙間が既述のように狭くなっているので、BTBASガスとO3ガスとは、回転テーブル2の外側を介しても混合しない。従って、第1の処理領域91の雰囲気と第2の処理領域92の雰囲気とが完全に分離され、BTBASガスは排気口61に、またO3ガスは排気口62に夫々排気される。この結果、BTBASガス及びO3ガスが雰囲気中においてもウェハW上においても混じり合うことがない。
また、この例では反応ガスノズル31、32が配置されている第2の天井面45の下方側の空間に沿った容器本体12の内周壁においては、既述のように内周壁が切り欠かれて広くなっており、この広い空間の下方に排気口61、62が位置しているので、第1の天井面44の下方側の狭隘な空間及び前記中心部領域Cの各圧力よりも第2の天井面45の下方側の空間の圧力の方が低くなる。
なお、回転テーブル2の下方側をN2ガスによりパージしているため、排気領域Eに流入したガスが回転テーブル2の下方側を潜り抜けて、例えばBTBASガスがO3ガスの供給領域に流れ込むといったおそれは全くない。こうして成膜処理が終了すると、ガスの供給を停止して真空容器1内を真空排気し、その後回転テーブル2の回転を停止して各ウェハWを搬入時と逆の動作によって順次搬送アーム10により搬出する。
ここで処理パラメータの一例について記載しておくと、回転テーブル2の回転数は、300mm径のウェハWを被処理基板とする場合は例えば1rpm〜500rpm、真空容器1の中心部の分離ガス供給管51からのN2ガスの流量は例えば5000sccmである。また1枚のウェハWに対する反応ガス供給のサイクル数、即ちウェハWが処理領域91、92の各々を通過する回数は目標膜厚に応じて変わるが、多数回例えば600回である。
なお、回転テーブル2の下方側をN2ガスによりパージしているため、排気領域Eに流入したガスが回転テーブル2の下方側を潜り抜けて、例えばBTBASガスがO3ガスの供給領域に流れ込むといったおそれは全くない。こうして成膜処理が終了すると、ガスの供給を停止して真空容器1内を真空排気し、その後回転テーブル2の回転を停止して各ウェハWを搬入時と逆の動作によって順次搬送アーム10により搬出する。
ここで処理パラメータの一例について記載しておくと、回転テーブル2の回転数は、300mm径のウェハWを被処理基板とする場合は例えば1rpm〜500rpm、真空容器1の中心部の分離ガス供給管51からのN2ガスの流量は例えば5000sccmである。また1枚のウェハWに対する反応ガス供給のサイクル数、即ちウェハWが処理領域91、92の各々を通過する回数は目標膜厚に応じて変わるが、多数回例えば600回である。
その後、例えば真空容器1内のメンテナンスを行う場合には、開閉機構18を駆動して天板11を図14(a)の位置から同図(b)の位置まで上昇させる。そして、例えばノズル31、32を交換する場合あるいはノズル31、32の取り付け位置を変更する場合には、接続部103を真空容器1の壁面から外側に離間させ、図15に示すように真空容器1の内側からノズル31、32を取り外すことになる。その後、新たにノズル31、32を設置する場合には、取り外した順番と逆の順序でノズル31、32を取り付ける。一方、ノズル31、32の取り付け位置を変更する場合には、新たにノズル31、32を取り付ける位置における真空容器1の側壁の貫通孔100に設けられた図示しない覆い部材を取り外し、外スリーブ101、内スリーブ105及びO−リング104、104を介してノズル31、32を真空容器1の内側から取り付けると共に、ノズル31、32を取り外した位置における貫通孔100には図示しない覆い部材を気密に固定する。このようにノズル31、32の取り付け位置を変更した例について、図16に示すと、この成膜装置では搬送口15よりも回転テーブル2の回転方向上流側の貫通孔100にノズル32を取り付けている。この成膜装置においても、同様に各々の反応ガスが混じり合わないように排気されながら、ウェハWの表面にBTBASが吸着し、その後O3ガスによりBTBASガスが酸化されるサイクルが多数回繰り返されて薄膜が形成される。
上述の実施の形態によれば、ウェハWの表面に2種類の反応ガス(BTBASガス及びO3ガス)を順番に供給して薄膜を形成するにあたり、長さ方向に亘って多数のガス吐出孔33が形成された反応ガスノズル31、32を、真空容器1の外周壁の貫通孔100に挿入して取り付けている。そのため、天板11の上面には反応ガスを供給するためのガス供給管31b、32bを接続していないので、真空容器1内のメンテナンスを行うために天板11を上方に持ち上げる時に、これらのガス配管(ガス供給管31b、32b)の着脱が不要になる。従って、メンテナンス作業を容易に行うことができるし、またこれらのガス配管の内部に反応ガスの付着物が堆積していても、ガス配管の着脱を行わないことからパーティクルの発生を抑えることができる。また、反応ガスの配管が真空容器1の側壁に接続されていることから、反応ガスに対して予備処理を行う場合には、予備処理ユニット例えば加熱処理ユニット120を真空容器1の側方位置に設けることができる。そのため、メンテナンスを行うために天板11を上昇させる時にこのような加熱処理ユニット120を上昇させる必要がないので、開閉機構18に必要な駆動力が小さくて済む。従って、この加熱処理ユニット120を天板11上に載せた場合よりもこの開閉機構18を簡略化できる。また、真空容器1の上方位置に加熱処理ユニット120の高さ分のスペースを設けなくても良いので、この成膜装置の設置場所の自由度を増やすことができる。
また、ノズル31、32及びノズル41、42の取り付け孔(貫通孔100)を兼用として(共通化して)真空容器1の側壁に周方向に亘って形成しているので、ノズル31、32、41、42の取り付け位置を変更することにより、ウェハWが各々の反応ガスに接触する接触時間を容易に調整できる。そのため、例えば使用する反応ガスの種類や反応ガスの流量に応じてノズル31、32、41、42の適切な位置を選択できるので、装置の調整を容易に行うことができ、適切な薄膜を得ることができる。ここで、ノズル31、32、41、42の取り付け位置を変更する場合には、凸状部4や排気口61、62の位置についても調整するようにしても良い。
更に、貫通孔100から回転テーブル2の回転中心に向かってウェハWに近接するようにノズル31、31を設けているので、ウェハWの近傍位置における反応ガスの濃度を高めることができ、ウェハWの表面への反応ガスの吸着とこの反応ガスの酸化とを速やかに行うことができる。従って、例えば回転テーブル2を高速で回転させることができるので、BTBASガスの吸着とこのBTBASガスの酸化とからなる処理のサイクルを短時間で高速で繰り返すことができ、そのため例えばノズル31、32を用いずに真空容器1の天板11から反応ガスを吹き付ける場合よりも成膜速度を速めることができる。
また、各々の反応ガス毎にガス吐出孔33の配列や間隔を調整したノズル31、32を用いることができるので、ノズル31、32の長さ方向における各々の反応ガスの濃度を調整することができ、そのためウェハWの面内において膜厚や膜質を均一化することができる。
更に、ノズル31(32、41、42)を真空容器1から取り外すにあたり、天板11を上昇させて、当該真空容器1の内部領域を介してノズル31を着脱しており、真空容器1の側方位置にノズル31の長さ分の空間を設ける必要がないので、スペースの有効利用を図ることができる。
更に、ノズル31(32、41、42)を真空容器1から取り外すにあたり、天板11を上昇させて、当該真空容器1の内部領域を介してノズル31を着脱しており、真空容器1の側方位置にノズル31の長さ分の空間を設ける必要がないので、スペースの有効利用を図ることができる。
更にまた、上記のように回転テーブル2の回転方向に複数のウェハWを配置し、回転テーブル2を回転させて第1の処理領域91と第2の処理領域92とを順番に通過させていわゆるALD(あるいはMLD)を行うようにしているため、高いスループットで成膜処理を行うことができる。そして、前記回転方向において第1の処理領域91と第2の処理領域92との間に低い天井面を備えた分離領域Dを設けると共に、回転テーブル2の回転中心部と真空容器1とにより区画した中心部領域Cから回転テーブル2の周縁に向けて分離ガスを吐出し、前記分離領域Dの両側に拡散する分離ガス及び前記中心部領域Cから吐出する分離ガスと共に前記反応ガスが回転テーブル2の周縁と真空容器の内周壁との隙間を介して排気されるようにしているため、両反応ガスの混合を防止することができ、この結果良好な成膜処理を行うことができるし、回転テーブル2上において反応生成物が生じることが全くないか極力抑えられ、パーティクルの発生が抑えられる。尚、本発明は、回転テーブル2に1個のウェハWを載置する場合にも適用できる。
上記の例においては、予備処理ユニットとして加熱処理ユニット120を設けたが、図17に示すように、反応ガスをプラズマ化する図示しない高周波電源を備えたプラズマ処理ユニット121を設けても良い。この場合には、ノズル32に換えて、あるいはノズル32と共に、BTBASガスを供給するノズル31の側方位置にこのプラズマ処理ユニット121を設けても良い。
また、例えば回転テーブル2の回転軸22を昇降させる図示しない昇降手段を設けて、ガス吐出孔33とウェハWとの間の寸法を例えば1mm〜5mmの範囲で調整するようにしても良い。この場合には、例えば上下に伸びる凸状の係合部が外周側に設けられた昇降軸を回転軸22の内部に配置して、当該昇降軸により回転テーブル2を昇降自在に支持すると共に、回転軸22の内周側にこの係合部に嵌合するように上下に伸びる凹部(いずれも図示せず)を形成して、図示しない昇降手段により昇降軸を介して回転テーブル2の高さ位置を調整した後回転軸22により昇降軸と共に回転テーブル2を回転させる構成を採ることができる。
また、例えば回転テーブル2の回転軸22を昇降させる図示しない昇降手段を設けて、ガス吐出孔33とウェハWとの間の寸法を例えば1mm〜5mmの範囲で調整するようにしても良い。この場合には、例えば上下に伸びる凸状の係合部が外周側に設けられた昇降軸を回転軸22の内部に配置して、当該昇降軸により回転テーブル2を昇降自在に支持すると共に、回転軸22の内周側にこの係合部に嵌合するように上下に伸びる凹部(いずれも図示せず)を形成して、図示しない昇降手段により昇降軸を介して回転テーブル2の高さ位置を調整した後回転軸22により昇降軸と共に回転テーブル2を回転させる構成を採ることができる。
本発明で適用される処理ガスとしては、上述の例の他に、DCS[ジクロロシラン]、HCD[ヘキサクロロジシラン]、TMA[トリメチルアルミニウム]、3DMAS[トリスジメチルアミノシラン]、TEMAZ[テトラキスエチルメチルアミノジルコニウム]、TEMHF[テトラキスエチルメチルアミノハフニウム]、Sr(THD)2 [ストロンチウムビステトラメチルヘプタンジオナト]、Ti(MPD)(THD)[チタニウムメチルペンタンジオナトビステトラメチルヘプタンジオナト]、モノアミノシランなどを挙げることができる。
また、本発明は、上記のALDプロセス以外にも、例えば第1の処理領域91でウェハWを所定時間停止して第1の膜を成膜し、次いでこのウェハWを第2の処理領域92でウェハWを所定時間停止して第2の膜を成膜するというCVDプロセスに適用しても良い。この場合には、第1の膜と第2の膜とが2層以上交互に複数層積層された薄膜が形成され、上記の例と同様の効果が得られる。
また、本発明は、上記のALDプロセス以外にも、例えば第1の処理領域91でウェハWを所定時間停止して第1の膜を成膜し、次いでこのウェハWを第2の処理領域92でウェハWを所定時間停止して第2の膜を成膜するというCVDプロセスに適用しても良い。この場合には、第1の膜と第2の膜とが2層以上交互に複数層積層された薄膜が形成され、上記の例と同様の効果が得られる。
更にまた前記分離領域Dの天井面44において、前記分離ガスノズル41、42に対して回転テーブル2の回転方向の上流側部位は、外縁に位置する部位ほど前記回転方向の幅が大きいことが好ましい。その理由は回転テーブル2の回転によって上流側から分離領域Dに向かうガスの流れが外縁に寄るほど速いためである。この観点からすれば、上述のように凸状部4を扇型に構成することは得策である。
そして前記分離ガスノズル41(42)の両側に各々位置する狭隘な空間を形成する前記第1の天井面44は、図18(a)、(b)に前記分離ガスノズル41を代表して示すように例えば300mm径のウェハWを被処理基板とする場合、ウェハWの中心WOが通過する部位において回転テーブル2の回転方向に沿った幅寸法Lが50mm以上であることが好ましい。凸状部4の両側から当該凸状部4の下方(狭隘な空間)に反応ガスが侵入することを有効に阻止するためには、前記幅寸法Lが短い場合にはそれに応じて第1の天井面44と回転テーブル2との間の距離hも小さくする必要がある。更に第1の天井面44と回転テーブル2との間の距離hをある寸法に設定したとすると、回転テーブル2の回転中心から離れる程、回転テーブル2の速度が速くなってくるので、反応ガスの侵入阻止効果を得るために要求される幅寸法Lは回転中心から離れる程長くなってくる。このような観点から考察すると、ウェハWの中心WOが通過する部位における前記幅寸法Lが50mmよりも小さいと、第1の天井面44と回転テーブル2との距離hをかなり小さくする必要があるため、回転テーブル2を回転したときに回転テーブル2あるいはウェハWと天井面44との衝突を防止するために、回転テーブル2の振れを極力抑える工夫が要求される。更にまた回転テーブル2の回転数が高い程、凸状部4の上流側から当該凸状部4の下方側に反応ガスが侵入しやすくなるので、前記幅寸法Lを50mmよりも小さくすると、回転テーブル2の回転数を低くしなければならず、スループットの点で得策ではない。従って幅寸法Lが50mm以上であることが好ましいが、50mm以下であっても本発明の効果が得られないというものではない。即ち、前記幅寸法LがウェハWの直径の1/10〜1/1であることが好ましく、約1/6以上であることがより好ましい。
また本発明では分離ガス供給手段における回転方向両側に低い天井面44が位置することが好ましいが、分離ガスノズル41、42の両側に凸状部4を設けずに、分離ガスノズル41、42から下方に向けてN2ガスを吹き出してエアカーテンを形成し、このエアカーテンにより処理領域91、92を分離するようにしても良い。
ウェハWを加熱するための加熱手段としては抵抗発熱体を用いたヒータに限られずランプ加熱装置であってもよく、回転テーブル2の下方側に設ける代わりに回転テーブル2の上方側に設けてもよいし、上下両方に設けてもよい。また、上記の反応ガスによる反応が低温例えば常温において起こる場合には、このような加熱手段を設けなくとも良い。
ウェハWを加熱するための加熱手段としては抵抗発熱体を用いたヒータに限られずランプ加熱装置であってもよく、回転テーブル2の下方側に設ける代わりに回転テーブル2の上方側に設けてもよいし、上下両方に設けてもよい。また、上記の反応ガスによる反応が低温例えば常温において起こる場合には、このような加熱手段を設けなくとも良い。
ここで処理領域91、92及び分離領域Dの各レイアウトについて上記の実施の形態以外の他の例を挙げておく。分離領域Dは、扇型の凸状部4を周方向に2つに分割し、その間に分離ガスノズル41(42)を設ける構成であってもよいことを既に述べたが、図19は、このような構成の一例を示す平面図である。この場合、扇型の凸状部4と分離ガスノズル41(42)との距離や扇型の凸状部4の大きさなどは、分離ガスの吐出流量や反応ガスの吐出流量などを考慮して分離領域Dが有効な分離作用が発揮できるように設定される。
上述の実施の形態では、前記第1の処理領域91及び第2の処理領域92は、その天井面が前記分離領域Dの天井面よりも高い領域に相当するものであったが、本発明は、第1の処理領域91及び第2の処理領域92の少なくとも一方は、分離領域Dと同様に反応ガス供給手段の前記回転方向両側にて前記回転テーブル2に対向して設けられ、当該回転テーブル2との間にガスの侵入を阻止するための空間を形成するようにかつ前記分離領域Dの前記回転方向両側の天井面(第2の天井面45)よりも低い天井面例えば分離領域Dにおける第1の天井面44と同じ高さの天井面を備えている構成としてもよい。
上述の実施の形態では、前記第1の処理領域91及び第2の処理領域92は、その天井面が前記分離領域Dの天井面よりも高い領域に相当するものであったが、本発明は、第1の処理領域91及び第2の処理領域92の少なくとも一方は、分離領域Dと同様に反応ガス供給手段の前記回転方向両側にて前記回転テーブル2に対向して設けられ、当該回転テーブル2との間にガスの侵入を阻止するための空間を形成するようにかつ前記分離領域Dの前記回転方向両側の天井面(第2の天井面45)よりも低い天井面例えば分離領域Dにおける第1の天井面44と同じ高さの天井面を備えている構成としてもよい。
また、反応ガスノズル31(32)の両側にも低い天井面を設けて、分離ガスノズル41(42)及び反応ガスノズル31(32)が設けられる箇所以外は、回転テーブル2に対向する領域全面に凸状部4を設ける構成としても良い。
本発明は、2種類の反応ガスを用いることに限られず、3種類以上の反応ガスを順番に基板上に供給する場合にも適用することができる。その場合には、例えば第1の反応ガスノズル、分離ガスノズル、第2の反応ガスノズル、分離ガスノズル、第3の反応ガスノズル及び分離ガスノズルの順番で真空容器1の周方向に各ガスノズルを配置し、各分離ガスノズルを含む分離領域を既述の実施の形態のように構成すればよい。
本発明は、2種類の反応ガスを用いることに限られず、3種類以上の反応ガスを順番に基板上に供給する場合にも適用することができる。その場合には、例えば第1の反応ガスノズル、分離ガスノズル、第2の反応ガスノズル、分離ガスノズル、第3の反応ガスノズル及び分離ガスノズルの順番で真空容器1の周方向に各ガスノズルを配置し、各分離ガスノズルを含む分離領域を既述の実施の形態のように構成すればよい。
以上述べた成膜装置を用いた基板処理装置について図20に示しておく。図20中、111は例えば25枚のウェハWを収納するフープと呼ばれる密閉型の搬送容器、112は搬送アーム113が配置された大気搬送室、114、115は大気雰囲気と真空雰囲気との間で雰囲気が切り替え可能なロードロック室(予備真空室)、116は、2基の搬送アーム117が配置された真空搬送室、118、119は本発明の成膜装置である。搬送容器111は図示しない載置台を備えた搬入搬出ポートに外部から搬送され、大気搬送室112に接続された後、、図示しない開閉機構により蓋が開けられて搬送アーム113により当該搬送容器111内からウェハWが取り出される。次いでロードロック室114(115)内に搬入され当該室内を大気雰囲気から真空雰囲気に切り替え、その後搬送アーム117によりウェハWが取り出されて成膜装置118、119の一方に搬入され、既述の成膜処理がされる。このように例えば5枚処理用の本発明の成膜装置を複数個例えば2個備えることにより、いわゆるALD(MLD)を高いスループットで実施することができる。
D 分離領域
E 排気領域
W ウェハ
1 真空容器
2 回転テーブル
11 天板
12 容器本体
18 開閉機構
24 凹部(基板載置領域)
31 第1の反応ガスノズル
32 第2の反応ガスノズル
33 吐出孔
41 分離ガスノズル
42 分離ガスノズル
91 第1の処理領域
92 第2の処理領域
120 加熱処理ユニット
E 排気領域
W ウェハ
1 真空容器
2 回転テーブル
11 天板
12 容器本体
18 開閉機構
24 凹部(基板載置領域)
31 第1の反応ガスノズル
32 第2の反応ガスノズル
33 吐出孔
41 分離ガスノズル
42 分離ガスノズル
91 第1の処理領域
92 第2の処理領域
120 加熱処理ユニット
Claims (12)
- 真空容器内の回転テーブル上に基板を載置して、反応ガスにより基板の表面に薄膜を形成する成膜装置において、
前記回転テーブルを収納する容器本体及びこの容器本体の上面を気密に塞ぐための天板からなる真空容器と、
前記天板を開閉する開閉機構と、
前記回転テーブルに設けられ、当該回転テーブルの回転により公転する基板載置領域と、
前記真空容器の外周壁を貫通して前記基板載置領域の通過領域に対向するようにかつ前記回転テーブルの回転方向に互いに離れて位置するように設けられ、基板の表面に反応ガスを供給するために長さ方向に亘って多数のガス吐出孔が形成された複数本の反応ガスノズルと、
これら複数本の反応ガスノズルから夫々反応ガスが供給される複数の処理領域同士の雰囲気を区画するために、前記回転方向においてこれらの処理領域の間に設けられ、分離ガス供給手段から分離ガスを供給するための分離領域と、
前記真空容器内の雰囲気を排気するための真空排気手段と、を備えたことを特徴とする成膜装置。 - 前記反応ガスノズルの少なくとも1本の上流側には、前記真空容器の外側にて反応ガスに対して予備処理を行うための予備処理ユニットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
- 前記予備処理は、加熱処理及びプラズマ処理の一方であることを特徴とする請求項2に記載の成膜装置。
- 前記反応ガスノズルは、前記真空容器の外周壁に形成された貫通孔に着脱自在に挿入されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の成膜装置。
- 前記真空容器の外周壁には、前記反応ガスノズルの取り付け位置を選択できるようにするために、使用する反応ガスノズルの数よりも多い反応ガスノズルの取り付け孔が周方向に亘って複数箇所に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の成膜装置。
- 前記複数本の反応ガスノズルは、夫々第1の反応ガスと、この第1の反応ガスと反応する第2の反応ガスと、を供給する第1の反応ガスノズル及び第2の反応ガスノズルからなり、
前記薄膜は、前記第1の反応ガスと前記第2の反応ガスとを順番に基板の表面に供給しかつこの供給サイクルを実行することにより反応生成物の層を多数積層して形成されたものであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一つに記載の成膜装置。 - 前記分離ガス供給手段は、前記真空容器の外周壁から前記回転テーブルの回転中心に向かって当該回転テーブル上の基板に対向して伸び出すと共に、基板の表面に分離ガスを供給するために長さ方向に亘って下面に多数のガス吐出孔が形成された分離ガスノズルであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一つに記載の成膜装置。
- 前記真空容器の外周壁には、前記分離ガスノズルの取り付け位置を選択できるようにするために、使用する分離ガスノズルの数よりも多い分離ガスノズルの取り付け孔が周方向に亘って複数箇所に形成されていることを特徴とする請求項7に記載の成膜装置。
- 前記分離ガス供給手段は、前記真空容器の外周壁から前記回転テーブルの回転中心に向かって当該回転テーブル上の基板に対向して伸び出すと共に、基板の表面に分離ガスを供給するために長さ方向に亘って下面に多数のガス吐出孔が形成された分離ガスノズルであり、
前記真空容器の外周壁には、前記反応ガスノズル及び分離ガスノズルの夫々の取り付け位置を選択できるようにするために、使用する反応ガスノズル及び分離ガスノズルの数よりも多い取り付け孔が周方向に亘って複数箇所に形成され、
前記取り付け孔は、前記反応ガスノズルの取り付け孔と前記分離ガスノズルの取り付け孔とを兼用していることを特徴とする請求項1ないし4または6のいずれか一つに記載の成膜装置。 - 前記分離領域は、前記分離ガス供給手段の前記回転方向両側に位置し、当該分離領域から処理領域側に分離ガスが流れるための狭隘な空間を回転テーブルとの間に形成するための天井面を備えたことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一つに記載の成膜装置。
- 前記複数の処理領域の雰囲気を分離するために前記真空容器内の中心部に位置し、前記回転テーブルの基板載置面側に分離ガスを吐出する吐出孔が形成された中心部領域を備え、
前記反応ガスは、前記分離領域の両側に拡散する分離ガス及び前記中心部領域から吐出する分離ガスと共に前記排気口から排気されることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一つに記載の成膜装置。 - 前記基板載置領域は、前記回転テーブルの回転方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか一つに記載の成膜装置。
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JP2009121386A (ja) * | 2007-11-16 | 2009-06-04 | Sanden Corp | 電動圧縮機の端子装置 |
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-
2008
- 2008-12-01 JP JP2008306734A patent/JP2010129983A/ja active Pending
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