JP2010205992A - プリント基板 - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱部品(例えば、面実装部品)を搭載するプリント基板において、放熱特性の優れた金属片を介して面実装部品の熱を効果的に放熱させる。
【解決手段】発熱部品9を搭載するプリント基板1において、前記プリント基板1に放熱用の金属片2を埋め込む場合に、前記プリント基板1に前記金属片2を2点仮止めすることを第1の融点の半田(高融点半田3)で行った後に、前記第1の融点より低い第2の融点の半田(低融点半田)でリフロー処理を行って、形成された。これにより、金属片2を介して発熱部品9の熱を効果的に放熱させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば、発熱する面実装部品を搭載するプリント基板に関し、特に、放熱特性の優れた金属片を介して面実装部品の熱を効果的に放熱させるプリント基板に関する。
一般的に、面実装部品である発熱部品を実装するプリント基板の構造としては、プリント基板の表面に実装された発熱部品の端子から発せられた熱を発熱部品の下面側のプリント基板内に配置された熱伝導の良い金属体を介してプリント基板の裏面に接合される放熱機能を有する放熱板に熱を逃がす構造が用いられている。
以下で、一般的に用いられている3つの従来技術(従来技術1)〜(従来技術3)を紹介する。
(従来技術1)1つ目は、プリント基板に形成された密集したスルーホールを介してプリント基板の裏面に接合される放熱機能を有する放熱板に熱を逃がす構造である。
(従来技術2)2つ目は、プリント基板に圧入した金属片を介してプリント基板の裏面に接合される放熱機能を有する放熱板に熱を逃がす構造である。
(従来技術3)3つ目は、プリント基板に接着剤で固定した金属片を介して放熱機能を有する放熱板に熱を逃がす構造である。
なお、前述の発熱部品とは、トランジスタ、発光ダイオードなどの発熱部品を指す。
以下で、前述の(従来技術1)〜(従来技術3)について、概要を説明する。
(従来技術1)
図5(a)〜(e)には、従来技術1に係る発熱部品を実装するプリント基板の構造の一例を示してある。
図5において、(a)表面、(b)A−A’部、(c)裏面、(d)B−B’部、(e)それに放熱板115を設けたもの、を示している。
図5において、各符号は、プリント基板101、高融点半田103、発熱部品のランド104、パターン105、パターン107、発熱部品109、発熱部品の端子(トランジスタのソース端子)110、半田111、発熱部品の端子(トランジスタのゲート端子)113、発熱部品の端子(トランジスタのドレイン端子)114、放熱板115、スルーホール122、空間123、端子面125、端子面126を示している。
従来技術1は、図5に示されるように、スルーホール122を密集させる構造である。例えば、厚さ0.8mmのプリント基板にφ0.3mm(スルーホールの内壁銅厚0.025mm)のスルーホールを7ケ密集させた場合、その熱抵抗値は約8.8℃/Wとなる。この値は必要とする熱抵抗値にもよるが良好な熱抵抗値であるとは言い難い。また、このようにスルーホールを密集させる構造では、熱抵抗値を向上させるためには、スルーホールの数を増やす必要がある。しかしながら、図5(a)に示されるように、「発熱部品の放熱を要する端子面125」と「隣接する端子面126」に制約されるため、スルーホール122を配置する面積を大きくすることができない。
この結果、スルーホールの数を増やせず、前述以上の熱抵抗値の向上は図れないこととなる。更に、スルーホールを密集させる構造では、図5(e)に示されるように、発熱部品109から発せられた熱をプリント基板101の裏面に接合される放熱機能を有する放熱板115に逃がす場合には、理想的にはスルーホール122内の空間123を半田で充填させて熱抵抗値を向上させて使用するのが好ましい。しかしながら、密集させた全てのスルーホール122の内部を半田で充填することは難しく、一部充填されない箇所も発生することとなる。
(従来技術2)
図6(a)、(b)及び図7(a)〜(d)には、従来技術2に係る発熱部品を実装するプリント基板の構造の一例を示してある。
図6において、(a)、(b)は側面の断面を示している。
図7において、(a)表面、(b)A−A’部、(c)裏面、(d)B−B’部を示している。
図6(a)、(b)及び図7(a)〜(d)において、各符号は、プリント基板101、金属片102、高融点半田103、発熱部品のランド104、パターン105、パターン107、発熱部品109、発熱部品の端子(トランジスタのソース端子)110、半田111、発熱部品の端子(トランジスタのゲート端子)113、発熱部品の端子(トランジスタのドレイン端子)114、銅の円柱124を示している。
プリント基板に金属片を圧入する従来技術2では、図6(a)に示されるように、プリント基板101に円柱の金属片102を圧入してプリント基板101に埋め込んでいる。ここで、金属片102を立方体にすることも可能ではあるが、プリント基板101との接触面が複数箇所となり、均一に接触面に摩擦力を加えることが難しく、「金属片が傾く、落下・脱落(図6(b)参照。)する、摩擦力が一部に集中してプリント基板が破損する」といった原因となるため、一般的には用いられていない。
従来技術2において、例えば図7に示されるように、φ1.6mmの銅の円柱124を2ケプリント基板101に圧入した場合、熱抵抗値は約0.5℃/Wである。この値は、必要とする熱抵抗値にもよるが、良好な熱抵抗値であると言える。但し、この従来技術2(図6や図7)の構造では、圧入された金属片102は摩擦抵抗によりプリント基板102に留まっている状態である。このため、摩擦抵抗が小さいと、プリント基板101を取り扱う際の衝撃などにより金属片102は落下・脱落(図6(b)参照。)してしまう。また、逆に、摩擦抵抗が大きいと、圧入できない或いは圧入されてもプリント基板101に大きな負荷が掛かりプリント基板101の破損を引き起こすこととなる。
更に、この従来技術2の構造を割基板(部品実装後に2ケ以上の子基板に分割することを前提とした基板)内の各子基板に採用した場合には、前述の金属片の落下・脱落、基板の破損等の不具合が子基板に発生し、割基板自体が不良品として扱われることとなる。
(従来技術3)
図8(a)、(b)には、従来技術3に係る発熱部品を実装するプリント基板の構造の一例を示してある。
図8において、(a)、(b)は側面の断面を示している。
図8において、各符号は、プリント基板101、金属片102、パターン105、パターン107、発熱部品109、発熱部品の端子(トランジスタのソース端子)110、半田111、発熱部品の端子(トランジスタのゲート端子)113、発熱部品の端子(トランジスタのドレイン端子)114、放熱板115、接着剤118、隙間119を示している。
従来技術3では、図8に示されるように、プリント基板101に金属片102が接着剤118により固定されている。この場合、リフロー炉に投入した際に接着剤118が溶けて、金属片102が傾く或いは落下・脱落するなどの不具合が生じることとなる。
図8(b)に示されるように、金属片102が傾くと、放熱板115と金属片102との間に半田未接続の隙間119が生じてしまい、発熱部品109から発せられた熱を放熱板115に効率良く伝達することができない。
特開2004−179309号公報
上述した(従来技術1)〜(従来技術3)について課題を示す。
(従来技術1の課題)
前述した従来技術1に係るスルーホールを密集させる構造では、例えば、厚さ0.8mmのプリント基板にφ0.3mm(スルーホールの内壁銅厚0.025mm)のスルーホールを7ケ密集させた場合には、その熱抵抗値は約8.8℃/Wとなる。この値は、必要とする熱抵抗値にもよるが、良好な熱抵抗値であるとは言えない。また、このようにスルーホールを密集させる構造では、密集させられるスルーホールの数が「発熱部品の放熱を要する端子面」と「隣接する端子面」に制約されるため、スルーホールを配置する面積を大きくすることができない。この結果、スルーホールの数を増やせず、前述以上の熱抵抗値の向上を図れないという問題がある。更に、発熱部品から発せられた熱をプリント基板の裏面に接合される放熱機能を有する放熱板に熱を逃がす場合には、理想的にはスルーホール内の空間を半田で充填させて熱抵抗値を向上させて使用するのが好ましいが、密集させた全てのスルーホールの内部を半田で充填することは難しく、一部充填されない箇所も発生することとなる。これでは、熱抵抗値がバラツキ、所要の熱抵抗値が得られているかを判断することができないという問題がある。
(従来技術2の課題)
前述した従来技術2では、良好な熱抵抗値を得ることはできるが、圧入された金属片は摩擦抵抗によりプリント基板に留まっている状態であるため、摩擦抵抗が小さいとプリント基板を取り扱う際の衝撃などにより金属片は落下・脱落してしまう、また、逆に、摩擦抵抗が大きいと圧入できない或いは圧入されてもプリント基板に大きな負荷が掛かりプリント基板の破損を引き起こすという問題がある。更に、従来技術2の構造を割基板(部品実装後に2ケ以上の子基板に分割することを前提とした基板)内の各子基板に採用した場合には、前述した金属片の落下・脱落、基板の破損等の不具合が子基板に発生し、割基板自体が不良品として扱われることとなるという問題がある。
(従来技術3の課題)
前述した従来技術3に係る金属片を接着剤で固定する方法では、プリント基板をリフロー炉に投入した場合に、接着剤が溶けて、金属片が傾く、或いは、最悪の場合には落下・脱落することとなる。金属片が傾くと、放熱板と金属片との間に半田未接続の隙間が生じてしまい、発熱部品から発せられた熱を放熱板に効率良く伝達することができないという不具合が発生することとなる。
このように、従来の技術では、発熱する面実装部品を搭載するプリント基板において、当該面実装部品の下面側のプリント基板にスルーホール或いは金属片などのように熱伝導する金属を配置する場合に、例えば、金属片の熱抵抗値の向上を図ることができない、熱抵抗値がばらつく、金属片が落下・脱落する、プリント基板が破損する等の課題が発生していた。
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、例えば、発熱する面実装部品を搭載する場合に、放熱特性の優れた金属片を介して面実装部品の熱を効果的に放熱させることができるプリント基板を提供することを目的とする。
具体的には、例えば、従来技術では達成できなかった上記の問題点である「熱抵抗値の向上が図れない、熱抵抗値がばらつく、金属片が落下・脱落する、プリント基板が破損する、等」をプリント基板の構造及びプロセスを改善することにより解決し、これにより、発熱部品とプリント基板及び放熱板とを密着して接続させ、発熱部品から発せられた熱をプリント基板の裏面に接合される放熱板に効率良く伝達させることを実現する。
上記目的を達成するため、本発明では、発熱部品を搭載するプリント基板において、次のような構成とした。
すなわち、前記プリント基板を、前記プリント基板に放熱用の金属片を埋め込む場合に、前記プリント基板に前記金属片を2点仮止めすることを第1の融点の半田(高融点半田)で行った後に、前記第1の融点より低い第2の融点の半田(低融点半田)でリフロー処理を行って、形成されたものとした。
従って、例えば、発熱する面実装部品を搭載する場合に、放熱特性の優れた金属片を介して面実装部品の熱を効果的に放熱させることができる。
ここで、プリント基板としては、種々な基板が用いられてもよく、例えば、本発明が適用可能であれば、その呼び名が他の呼び名であってもよい。
また、発熱部品としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、面実装部品が用いられる場合に適している。
また、第1の融点の半田(比較的高い融点の半田)や、第2の融点の半田(比較的低い融点の半田)としては、実用上で有効なものであれば、種々な融点や、種々な半田が用いられてもよい。
以上説明したように、本発明に係るプリント基板によると、例えば、発熱する面実装部品を搭載する場合に、放熱特性の優れた金属片を介して面実装部品の熱を効果的に放熱させることができる。
(a)〜(c)は本発明の一実施例に係る金属片を埋め込んだプリント基板の構成例を示す図である。 (a)〜(e)は本発明の一実施例に係る金属片を埋め込んだプリント基板を採用して発熱部材を搭載したものの一例を示す図である。 (a)〜(e)は本発明の一実施例に係る金属片を埋め込んだプリント基板の応用例の構成例を示す図である。 金属片を埋め込んだプリント基板の応用例を使用しない場合における不具合を説明するための図である。 (a)〜(e)は従来技術1に係る発熱部品を実装するプリント基板の構造の一例を示す図である。 (a)〜(b)は従来技術2に係る発熱部品を実装するプリント基板の構造の一例を示す図である。 (a)〜(d)は従来技術2に係る発熱部品を実装するプリント基板の構造の一例を示す図である。 (a)〜(b)は従来技術3に係る発熱部品を実装するプリント基板の構造の一例を示す図である。
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
図1(a)〜(c)には、本発明の一実施例に係る金属片を埋め込んだプリント基板の構造の一例を示してある。
図2(a)〜(e)には、本発明の一実施例に係る金属片を埋め込んだプリント基板を採用して発熱部材を搭載したものの一例を示してある。
図1において、(a)表面、(b)A−A’部、(c)裏面、を示している。
図2において、(a)表面、(b)A−A’部、(c)裏面、(d)B−B’部、(e)それに放熱板15を設けたもの、を示している。
図1〜図2において、各符号は、プリント基板1、金属片2、高融点半田3、発熱部品のランド4、パターン5、穴6、パターン7、隙間8、例えば発熱する面実装部品である発熱部品9、発熱部品の端子(トランジスタのソース端子)10、半田11、半田12、発熱部品の端子(トランジスタのゲート端子)13、発熱部品の端子(トランジスタのドレイン端子)14、放熱板15、メッキ部20、端子面25、端子面26を示している。
図1に示されるように、プリント基板1に金属片2を固定する場合には、プリント基板1に端面メッキされた穴6に金属片2を挿入する。次に、高融点半田3により穴6に形成された端面メッキ部20と金属片2とを固定する。このとき、金属片2の傾き或いは凹凸を防止するために、平坦な作業台にプリント基板1と金属片2を載せて半田付けを行うと良い。更に、仮止めする位置は任意であってもよいが、金属片2について対向する2点で仮止めすることが好ましい。また、使用する金属片2の表裏形状・面積としては、最も効率良く熱を伝達させるために、金属片2と接続する面実装部品の端子面25の形状と酷似した矩形或いは楕円形とし、最大の面積を得るようにする。ここで、例えば、金属片2として表裏の形状が矩形の銅片(幅1.6mm、長さ7mm、厚さ0.8mm)を用いた場合には、熱抵抗値は約0.18℃/Wとなり、上述した従来技術1、2と比較しても、最も良好な値を得ており、熱抵抗値の向上が図られている。
図1(a)にはプリント基板1に高融点半田3で接続された金属片2を表したプリント基板1の表面図が示されており、図1(b)にはその断面図が示されており、図1(c)にはプリント基板1の裏面図が示されている。図1(a)に示されるように、金属片2と穴6との間にある程度の隙間8を持たせることが可能であり、多少の穴6の形状のバラツキや金属片2の形状のバラツキについては許容することができる。これにより、例えば、上述した従来技術2で生じていた圧入によるプリント基板の破損を無くすことができる。
図2には、本提案を採用した金属片2を埋め込んだプリント基板1に発熱部品9を実装した状態が示されている。図2(a)、(b)、(c)、(d)に示される状態を得る組立工程を説明する。
まず、プリント基板1に形成されたランド4及び金属片2の上にペースト状のクリーム半田を印刷する。その上に発熱部品9を搭載して、例えば、ピーク温度が約240℃であるリフロー炉に投入する。このとき、クリーム半田は融点約220℃の半田を採用する。例えば、組成Sn−3Ag−0.5Cu(融点約220℃)の半田を用いても良い。
ここで、プリント基板1に埋め込まれた金属片2は前述のクリーム半田と融点の異なる高融点半田3で半田付けされている。例えば、組成Sn−2Ag−6Cu(融点約380℃)の半田を用いても良い。これにより、前述のピーク温度約240℃のリフロー炉に投入した場合においても、高融点半田3は融解することがないため、金属片2はプリント基板1に固定された状態となる。この結果、リフロー炉に投入しても、金属片2の移動やズレは生じず、傾きの発生や落下・脱落を防止することができる。
図2(e)には、前述のリフロー炉に投入して発熱部品9をプリント基板1に搭載した後に放熱板15を接続した状態が示されている。
図2(e)に示されるように、金属片2は高融点半田3で固定されているため、リフロー炉に投入しても半田融解による移動、ズレなどは発生しない。このため、プリント基板1、金属片2、放熱板15との接続面は隙間なく半田7により密着して接続することができ、半田未接続を防止することができる。この結果、発熱部品9から発せられた熱は金属片2を介して効率良く放熱板15に伝達することができる。なお、金属片2の形状のバラツキに起因する熱抵抗値のバラツキの発生については、例えば、金属片2を金型で製作することにより形状のバラツキを抑え、熱抵抗値のバラツキを抑えることで、解決することができる。
図3(a)〜(d)には、本発明の一実施例に係る金属片を埋め込んだプリント基板の応用例の構造の一例を示してある。
図3において、(a)表面、(b)A−A’部、(c)裏面、(d)発熱部品9や放熱板15を設けたもの(A−A’部)、を示している。
図3において、各符号は、プリント基板1、金属片2、高融点半田3、発熱部品のランド4、パターン5、穴6、パターン7、隙間8、発熱部品9、発熱部品の端子(トランジスタのソース端子)10、半田11、放熱板15、メッキ部20、パターンを除去した部分21を示している。
図3(a)にはプリント基板1の表面図が示されており、図3(b)にはその断面図が示されており、図3(c)にはプリント基板1の裏面図が示されており、図3(d)には本提案の応用例である金属片2と隣接するプリント基板1のパターンの一部を除去した状態(パターンを除去した部分21)が示されている。このように、高融点半田3で固定された金属片2と隣接するパターンの一部を除去することにより、プリント基板1に金属片2を半田付けする際に、融解した高融点半田3は熱が集中する穴6の端面メッキ部20を介して隙間8に流れ込むこととなり、余計な半田の濡れ広がりや半田溜まりを防止することができる。この場合、図3(d)に示されるように、金属片2と放熱板15とを密着して接続することができる。
図4(a)〜(d)には、図3に示される本発明の一実施例に係る金属片を埋め込んだプリント基板の応用例の構造の一例に対して、この応用例を使用しない場合における構造の一例を示してある。この応用例を使用しない場合における不具合を説明する。
図4において、(a)表面、(b)A−A’部、(c)裏面、(d)発熱部品9や放熱板15を設けたもの(A−A’部)、を示している。
図4において、各符号は、プリント基板1、金属片2、高融点半田3、発熱部品のランド4、パターン5、穴6、パターン7、隙間8、発熱部品9、発熱部品の端子(トランジスタのソース端子)10、半田11、放熱板15、半田溜まり16、隙間17を示している。
図4には、高融点半田3で固定された金属片2に隣接するパターンを除去していない状態が示されている。図4(b)に示されるように、金属片2と隣接するパターンの一部を除去していないと、余計に塗布された高融点半田3がプリント基板1の裏面に濡れ広がり、半田溜まり16が発生することとなる。この場合、図4(d)に示されるように、半田溜まり16の高さに起因して、金属片2と放熱板15との間に隙間17が発生して、半田未接続となる。これでは、発熱部品9から発せられた熱が金属片2を介して放熱板15に効率良く伝達することができなくなる。このように、本提案の応用例である高融点半田3で固定された金属片2と隣接するパターンの一部を除去する構成を用いることで、前述の半田未接続を防止することができ、発熱部品9から発せられた熱を金属片2を介して効率良く放熱板15に伝達することができる。
以上のように、本例では、発熱する面実装部品を搭載するプリント基板1において、当該面実装部品の下面側のプリント基板1内に金属片2を配し、当該金属片2をプリント基板1に搭載する面実装部品を接続する半田より融点の高い半田(高融点半田)3により固定した。
また、本例では、前記した金属片2と隣接するプリント基板1のパターンの一部を除去した。
また、本例では、好ましい態様として、プリント基板1の基材を、ガラスエポキシ材或いはコンポジット材或いは紙フェノール材とした。
また、本例では、前記した金属片2の表裏形状を、当該金属片2と接続する面実装部品の端子の形状と酷似した矩形或いは楕円形とした。
また、本例では、好ましい態様として、前記した金属片2を、銅或いは半田濡れ性の良い金属とした。
具体例として、本例のプリント基板1では、基板に放熱用の金属片(例えば、銅片)2を埋め込む場合に、まず、金属片2を基板に2点仮止めすることを高融点半田3で行い、その後、低融点半田でリフロー処理を行う。これにより、基板から金属片2が脱落したりすることを防ぎ、基板に金属片2を効果的に埋め込むことができる。
例えば、従来技術では、リフロー処理時に金属片がプリント基板1の表面に対して傾いた状態等で半田付けされたりする可能性があり、放熱効率の低下を招く場合があった。本例では、これを改善するために、予めフラット(つまり、プリント基板1の表面に対して傾いていない状態)になるように金属片2を高融点の半田(高融点半田3)で2点仮止めをしておき、リフロー時に金属片2が傾かずフラットな状態で半田付けされるようにした。このように、プリント基板1の表面と金属片2の面が同一面(又は、実用上で有効な程度であれば、「ほぼ同一面」でもよい)になることにより、放熱効率を向上させることができる。なお、この場合、プリント基板1の表面と金属片2の反対の面も同一面(又は、実用上で有効な程度であれば、「ほぼ同一面」でもよい)となる。
以上のように、本例のプリント基板1を用いることにより、例えば、「熱抵抗値の向上が図られる、熱抵抗値のバラツキを抑えられる、金属片2の落下・脱落を防止することができる、プリント基板の破損を防止することができる」等の効果を得ることができる。更に、発熱部品9とプリント基板1及び放熱板15とを密着して接続することができるため、発熱部品9から発せられた熱をプリント基板1の裏面に接合される放熱板15に効率良く伝達させることができる。
なお、本例では、発熱部品9を搭載するプリント基板1において、プリント基板1に放熱用の金属片2を埋め込む場合に、プリント基板1に金属片2を2点仮止めすることを第1の融点の半田(高融点半田3)で行った後に、第1の融点より低い第2の融点の半田(低融点半田)でリフロー処理を行って、プリント基板1を形成した。
1、101・・プリント基板、 2、102・・金属片、 3、103・・高融点半田、 4、104・・発熱部品のランド、 5、105・・パターン、 6・・穴、 7、107・・パターン、 8・・隙間、 9、109・・発熱部品、 10、110・・発熱部品の端子(トランジスタのソース端子)、 11、111・・半田、 12・・半田、 13、113・・発熱部品の端子(トランジスタのゲート端子)、 14、114・・発熱部品の端子(トランジスタのドレイン端子)、 15、115・・放熱板、 16・・半田溜まり、 17・・隙間、 20・・メッキ部、 21・・パターンを除去した部分、 25、125・・端子面、 26、126・・端子面、 118・・接着剤、 119・・隙間、 122・・スルーホール、 123・・空間、 124・・銅の円柱、

Claims (1)

  1. 発熱部品を搭載するプリント基板において、
    前記プリント基板に放熱用の金属片を埋め込む場合に、前記プリント基板に前記金属片を2点仮止めすることを第1の融点の半田で行った後に、前記第1の融点より低い第2の融点の半田でリフロー処理を行って、形成された、
    ことを特徴とするプリント基板。
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