JP2010202855A - 膜状成形体とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 酸素ガス、水蒸気等に対する高い透過抑制性を有している膜状成形体の提供。
【解決手段】 セルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を有する膜状成形体であって、前記セルロース繊維が、平均繊維径が200nm以下のセルロース繊維を含み、前記セルロース繊維を構成するセルロースのカルボキシル基含有量が0.1〜2mmol/gのものである、膜状成形体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、酸素、水蒸気等のバリア性の良い膜状成形体とその製造方法に関する。
特許文献1、2には、ポリアクリル酸等のポリカルボン酸重合体と酸化亜鉛等の多価金属塩を含む酸素ガスバリア性と防湿性を有するフィルムが記載されている。これらのフィルムは、ポリカルボン酸重合体と多価金属塩等の混合物溶液又は分散液からフィルムを成形して得られるものである。
これらのガスバリア材料は、主として化石資源から製造されているため、非生分解性であり、焼却処分せざるを得ない。そこで、再生産可能なバイオマスを原料として、生分解性のある酸素バリア材料を製造することが検討されている。
特許文献3は、生分解性のある酸素バリア材料として、ポリウロン酸を含む水溶性多糖類を原料とするガスバリア用材料に関する発明であり、高湿度雰囲気におけるガスバリア性が劣化するおそれがある。
特許文献4は、微結晶セルロースを含有するコーティング剤と、それを基材に塗布した積層材料に関する発明である。原料となる微結晶セルロース粉末は、平均粒径が100μm以下のものが好ましいことが記載され、実施例では、平均粒径が3μmと100μmのものが使用されているだけであり、後述の繊維の微細化処理についての記載は一切なく、塗布したコーティング剤層の緻密性や膜強度、基材との密着性に改善の余地がある。
特許文献5には、微細セルロース繊維に関する発明が開示されており、コーティング材として使用できる可能性が記載されているが、具体的な効果が示された用途については記載されていない。
特開2005−126539号公報 WO2007/125741 A1 特開2001−334600号公報 特開2002−348522号公報 特開2008−1728号公報
本発明は、特定のセルロース繊維と無機金属塩を含み、酸素や水蒸気等に対して高いバリア性を有する膜状成形体とその製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、下記の各発明を提供する。
(1)セルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を有する膜状成形体であって、
前記セルロース繊維が、平均繊維径が200nm以下のセルロース繊維を含み、前記セルロース繊維を構成するセルロースのカルボキシル基含有量が0.1〜2mmol/gのものである、膜状成形体。
(2)前記平均繊維径が200nm以下のセルロース繊維の平均アスペクト比が10〜1,000である、請求項1記載の膜状成形体。
(3)前記無機金属塩が、無機ナトリウム塩、無機マグネシウム塩及び無機アルミニウム塩から選ばれる、請求項1又は2記載の膜状成形体。
(4)前記有機金属塩が、ナトリウム、マグネシウムのカルボン酸塩から選ばれるものである、請求項1又は2記載の膜状成形体。
(5)基材となる成形体表面に、請求項1〜4のいずれか1項記載の膜状成形体からなる層を有している複合成形体。
(6)請求項1〜4のいずれか1項に記載の膜状成形体の製造方法であって、
基板上に、セルロース繊維を含む懸濁液を付着させて膜状物を形成させる工程、
その後、前記膜状物に無機金属塩溶液を付着させる工程、
その後、乾燥する工程、
を有している、膜状成形体の製造方法。
(7)請求項5に記載の複合成形体の製造方法であって、
基材上に、セルロース繊維を含む懸濁液を付着させて膜状物を形成させる工程、
その後、前記膜状物に無機金属塩溶液を付着させる工程、
その後、乾燥する工程、
を有している、複合成形体の製造方法。
(8)前記膜状物に無機金属塩溶液を付着させる工程において、前記膜状物に対して乾燥処理をすることなく無機金属塩溶液を付着させる、請求項6記載の膜状成形体の製造方法。
(9)前記膜状物に無機金属塩溶液を付着させる工程において、前記膜状物に対して乾燥処理をすることなく無機金属塩溶液を付着させる、請求項7記載の複合成形体の製造方法。
本発明の膜状成形体は、酸素ガス、水蒸気等に対する高い透過抑制性を有している。
<膜状成形体>
本発明の膜状成形体は、特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体であり、前記膜状成形体がガスバリア膜となるものである。本発明の複合成形体は、基材となる成形体の表面に、特定のセルロース繊維と無機金属塩を含む膜状成形体からなる層を有するものである。
<製造原料となる特定のセルロース繊維の製造>
本発明で用いるセルロース繊維は、平均繊維径が200nm以下のものを含み、好ましくは1〜200nm、より好ましくは1〜100nm、更に好ましくは1〜50nmのものである。平均繊維径は、実施例に記載の測定方法により、求められるものである。
本発明で用いるセルロース繊維を構成するセルロースのカルボキシル基含有量は、高いガスバリア性を得ることができる観点で、0.1〜2mmol/gであり、好ましくは0.4〜2mmol/g、より好ましくは0.6〜1.8mmol/gであり、更に好ましくは0.6〜1.6mmol/gである。カルボキシル基含有量は、実施例に記載の測定方法により、求められるものである。カルボキシル基含有量が0.1mmol/g未満であると、後述の繊維の微細化処理を行っても、セルロース繊維の平均繊維径が200nm以下とならず、性能の良好なガスバリア性成形体を得ることが困難となる。
なお、本発明で用いるセルロース繊維は、セルロース繊維を構成するセルロースのカルボキシル基含有量が上記範囲のものであるが、実際の製造過程における酸化処理等の制御状態によっては、酸化処理後のセルロース繊維中に前記範囲を超えるものが不純物として含まれることもあり得る。
本発明で用いるセルロース繊維は、平均アスペクト比(平均繊維長/平均繊維径)が10〜1000、より好ましくは10〜500、さらに好ましくは100〜350のものである。平均アスペクト比は実施例に記載の測定方法により、求められるものである。
本発明で用いるセルロース繊維は、例えば、次の方法により製造することができる。まず、原料となる天然繊維(絶対乾燥基準)に対して、約10〜1000倍量(質量基準)の水を加え、ミキサー等で処理して、スラリーにする。
原料となる天然繊維としては、例えば、木材パルプ、非木材パルプ、コットン、バクテリアセルロース、また、それら繊維を加水分解やマーセル化処理した繊維等を用いることができる。
次に、触媒として2,2,6,6,−テトラメチル−1−ピペリジン−N−オキシル(TEMPO)を使用して、前記天然繊維を酸化処理する。触媒としては他に、TEMPOの誘導体である4−アセトアミド−TEMPO、4−カルボキシ−TEMPO、及び4−フォスフォノオキシ−TEMPO等を用いることができる。
TEMPOの使用量は、原料として用いた天然繊維(絶対乾燥基準)に対して、0.1〜10質量%となる範囲である。
酸化処理時には、TEMPOと共に、次亜塩素酸ナトリウム等の酸化剤、臭化ナトリウム等の臭化物を共酸化剤として併用する。
酸化剤は次亜ハロゲン酸又はその塩、亜ハロゲン酸又はその塩、過ハロゲン酸又はその塩、過酸化水素、及び過有機酸などが使用可能であるが、好ましくは次亜塩素酸ナトリウムや次亜臭素酸ナトリウムなどのアルカリ金属次亜ハロゲン酸塩である。酸化剤の使用量は、原料として用いた天然繊維(絶対乾燥基準)に対して、約1〜100質量%となる範囲である。
共酸化剤としては、臭化アルカリ金属、例えば臭化ナトリウムを使用することが好ましい。共酸化剤の使用量は、原料として用いた天然繊維(絶対乾燥基準)に対して、約1〜30質量%となる範囲である。
スラリーのpHは、酸化反応を効率良く進行させる点から9〜12の範囲で維持されることが望ましい。
酸化処理の温度(前記スラリーの温度)は、1〜50℃において任意であるが、室温で反応可能であり、特に温度制御は必要としない。また反応時間は1〜240分間が望ましい。
酸化処理後に、使用した触媒等を水洗等により除去する。この段階では反応物繊維は微細化されていないので、水洗とろ過を繰り返す精製法で行うことができる。必要に応じて乾燥処理した繊維状や粉末状の酸化セルロースを得ることができる。
その後、該酸化セルロースを水等の溶媒中に分散し、微細化処理をする。微細化処理は、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサーで所望の繊維幅や長さに調整することができる。この工程での固形分濃度は50質量%以下が好ましい。それを超えると分散にきわめて高いエネルギーを必要とすることから好ましくない。
このような微細化処理により、平均繊維径が200nm以下のセルロース繊維を得ることができ、更に平均アスペクト比が10〜1,000、より好ましくは10〜500、さらに好ましくは100〜350のものであるセルロース繊維を得ることができる。
その後、必要に応じて固形分濃度を調整した懸濁液状(目視的に無色透明又は不透明な液)又は必要に応じて乾燥処理した粉末状(但し、セルロース繊維が凝集した粉末状物であり、セルロース粒子を意味するものではない)を得ることができる。なお、懸濁液にするときは、水のみを使用したものでもよいし、水と他の有機溶媒(例えば、エタノール等のアルコール)や界面活性剤、酸、塩基等との混合溶媒を使用したものでもよい。
このような酸化処理及び微細化処理により、セルロース構成単位のC6位の水酸基がアルデヒド基を経由してカルボキシル基へと選択的に酸化され、前記カルボキシル基含有量が0.1〜2mmol/gのセルロースからなる、平均繊維径が200nm以下の微細化された高結晶性セルロース繊維を得ることができる。
この高結晶性セルロース繊維はセルロースI型結晶構造を有している。これは、このセルロース繊維は、I型結晶構造を有する天然由来のセルロース固体原料が表面酸化されて、微細化された繊維であることを意味する。すなわち、天然セルロース繊維はその生合成の過程において生産されるミクロフィブリルと呼ばれる微細な繊維が多束化して高次な固体構造が構築されているが、そのミクロフィブリル間の強い凝集力(表面間の水素結合)を、アルデヒド基あるいはカルボキシル基の導入によって弱め、さらに微細化処理を経ることで微細セルロース繊維が得られる。
そして、酸化処理条件を調整することにより、前記のカルボキシル基含有量を所定範囲内にて増減させ、極性を変化させたり、該カルボキシル基の静電反発や前述の微細化処理したりすることにより、セルロース繊維の平均繊維径、平均繊維長、平均アスペクト比等を制御することができる。
上記の酸化処理、微細化処理によって得られたセルロース繊維は、下記の(I)、(II)、(III)の要件を満たすことができる。
(I):固形分0.1質量%に希釈したセルロース繊維懸濁液中のセルロース繊維質量に対して、目開き16μmのガラスフィルターを通過できるセルロース繊維の質量分率が5%以上である、性能の良好な膜状成形体用材料を得ること。
(II):固形分1質量%に希釈したセルロース繊維懸濁液中に、粒子径が1μm以上のセルロースの粒状体を含まないこと。
(III):固形分1質量%に希釈したセルロース繊維懸濁液の光透過率が、0.5%以上になること。
要件(I):上記の酸化処理、微細化処理によって得られた固形分0.1質量%の懸濁液は、目開き16μmのガラスフィルターを通過させたときに、該ガラスフィルター通過前の懸濁液中に含まれる全セルロース繊維量に対して質量分率5%以上が該ガラスフィルターを通過できるものである(該ガラスフィルターを通過できる微細セルロース繊維の質量分率を微細セルロース繊維含有率とする)。ガスバリア性の観点から、微細セルロース繊維含有率は、好ましくは30%以上、より好ましくは90%以上である。
要件(II):上記の酸化処理、微細化処理によって得られた固形分1質量%の懸濁液は、原料として用いた天然繊維が微細化されており、粒子径が1μm以上のセルロースの粒状体は含まないものが好ましい。ここで、粒状体とは、略球状であり、その形状を平面に投影した投影形状を囲む長方形の長軸と短軸の比(長軸/短軸)が最大でも3以下であるものとする。粒状体の粒子径は、長軸と短軸の長さの相加平均値とする。この粒状体の有無の判定は、後述の光学顕微鏡による観察で行った。
要件(III):前記の酸化処理、微細化処理によって得られた固形分1質量%のセルロース繊維懸濁液は、光透過率が0.5%以上であることが好ましく、ガスバリア性の観点から、より好ましくは40%以上、さらに好ましくは60%以上である。
そして、上記の酸化処理、微細化処理により得られるセルロース繊維を含む膜状成形体は、微細セルロース繊維間の水素結合や架橋的な強い相互作用が生まれ、ガスの溶解、拡散を抑制し、高い酸素バリア性等のガスバリア性を発現できるものと考えられる。また、セルロース繊維の巾や長さによって、成形後のセルロース繊維間の細孔サイズや細孔分布を変化させることができるため(即ち、分子篩効果を変化させることができるため)、分子選択的バリア性も期待できる。
本発明のセルロース繊維懸濁液は、目的に応じた成形ができるように固形分濃度を調整すればよく、例えば、固形分濃度は0.05〜30質量%の範囲にすることができる。
セルロース繊維懸濁液に含まれていてもよい他の成分としては、公知の充填剤、顔料等の着色剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、粘土鉱物(モンモリロナイト等)、コロイダルシリカ、アルミナゾル、酸化チタン等を配合することができる。
<基板状又は基材上にセルロース懸濁液の膜状物を形成させる工程>
本工程は、上記方法で得られたセルロース繊維から、それを含む懸濁液を調製し、或いは上記製造方法によりセルロース繊維を含む懸濁液を得た後、目的とする膜状物を形成させる工程である。
本工程では、例えば、
(i)セルロース繊維を含む懸濁液を用いて、ガラス、金属等の硬質表面等の基板上に膜状物を形成させる工程と、
(ii)セルロース繊維を含む懸濁液を用いて、フィルム、シート等の基材上に膜状物を形成させる工程、
のいずれかの方法を適用することができる。また、本工程の後に、セルロース懸濁液を含む膜状物を乾燥させて、セルロース繊維の膜状成形体とすることもできる。
〔(i)の形成方法〕
ガラス、金属等の硬質表面等の基板上に、粘度が10〜5000mPa・s程度のセルロース繊維懸濁液を流延塗布して膜状物を形成する。この方法では、後述の無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液を付着させて乾燥した後に、基板から膜状成形体を剥がすことで、基材を有しない特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体を得ることができる。また、基板上に形成されたセルロース繊維の膜状成形体を、基板から剥がした後に、後述の無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液を付着させて乾燥し、特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体を得ることもできる。
〔(ii)の形成方法〕
基材となる成形体の一面又は両面に対して、塗布法、噴霧法、浸漬法等の公知の方法により、好ましくは塗布法又は噴霧法により、セルロース繊維懸濁液を付着させ膜状物を形成する。この方法では、後述の無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液を付着させた後に乾燥することで、基材となる成形体の表面に、特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体からなる層を有する複合成形体を得ることができる。
基材となる成形体は、所望形状及び大きさのフィルム、シート、織布、不織布等の薄状物、各種形状及び大きさの箱やボトル等の立体容器等を用いることができる。これらの成形体は、紙、板紙、プラスチック、金属(多数の穴の開いたものや金網状のもので、主として補強材として使用されるもの)又これらの複合体等からなるものを用いることができ、それらの中でも、紙、板紙等の植物由来材料、生分解性プラスチック等の生分解性材料又はバイオマス由来材料にすることが好ましい。基材となる成形体は、同一又は異なる材料(例えば接着性やぬれ性向上剤)の組み合わせからなる多層構造にすることもできる。
基材となるプラスチックは、用途に応じて適宜選択することができるが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン6、66、6/10、6/12等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、脂肪族ポリエステル、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート等のポリエステル、セルロース等のセロハン、三酢酸セルロース(TAC)等から選ばれる1又は2以上を用いることができる。
基材となる成形体の厚みは特に制限されるものではなく、用途に応じた強度が得られるように適宜選択すればよく、例えば、1〜1000μmの範囲にすることができる。
<セルロース繊維懸濁液の膜状物又は乾燥後の膜状物(セルロース繊維の膜状成形体)に無機金属塩溶液を付着させる工程>
セルロース繊維懸濁液の膜状物又は乾燥後の膜状物に無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液を付着させる方法(外添法)としては、
(i)膜状物の表面に無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液をスプレーする方法、
(ii)膜状物の表面に無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液を塗布する方法、
(iii)膜状物の表面に無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液を流延する方法、
(iv)セルロース繊維懸濁液と無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液を同時に重層塗布する方法
(v)基板又は基材ごと、膜状物を無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液中に浸漬する方法、
等を適用することができる。
(i)の方法を適用する場合には、例えば膜状物の面積が500cm2であるとき、濃度1〜30質量%の無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液0.1〜10mlの全部を、膜状物の表面にスプレーする方法を適用することができる。
未乾燥状態(湿潤しており流動性のある状態)の膜状物に無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液を付着させた場合には、膜状物内に金属イオンや酸基イオンが浸透しやすくなり、乾燥状態の膜状物に無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液を付着させた場合には、金属イオンや酸基イオンは膜状物の表面ないし表面近傍に留まりやすくなる。本工程では、膜状物に無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液を付着させた後、無機金属塩又は有機金属塩を膜状物内部に浸透させるため、室温にてしばらく放置することができる。また、必要に応じて、加圧雰囲気中にて放置することもできる。
無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液は、無機金属塩又は有機金属塩の水溶液であることが好ましいが、エタノールやイソプロピルアルコール等の水性溶媒が添加されていてもよい。また、無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液は、2種以上の無機金属塩又は有機金属塩が溶解した溶液であってもよい。無機金属塩又は有機金属塩の付着量は、無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液の濃度や、無機金属塩溶液又は有機金属塩溶液の付着量により調整することができる。
本発明で用いる無機金属塩は、無機酸と金属を含む無機塩基の塩で、1価金属を含む無機金属塩及び多価金属を含む無機金属塩から選ばれるものを挙げることができる。
1価金属を含む無機金属塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、銀等のハロゲン酸塩(塩化物等)、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩等が挙げられる。多価金属を含む無機金属塩としては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、銅、金、アルミ等のハロゲン酸塩(塩化物等)、炭酸塩、硫酸塩、リン酸塩等を挙げることができる。その中でも、好ましい無機金属塩としては、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウムを挙げることができる。
無機金属塩は、本発明の膜状成形体中に無機金属塩が析出できる量以上を付着させれば良い。高いガスバリア性を得ることができる観点で、セルロース繊維を構成するセルロースのカルボキシル基1モルに対して、1価の無機金属塩の場合、該無機金属塩が0.5モル〜50モルであり、好ましくは0.5モル〜45モル、より好ましくは1〜45モル、更に好ましくは10モル〜45モルになるように付着させる。また、多価金属塩の場合、セルロース繊維を構成するセルロースのカルボキシル基1モルに対して、該多価金属塩が0.5〜50モルであり、好ましくは1モル〜50モル、より好ましくは10モル〜50モル、更に好ましくは15モル〜40モルになるように付着させる。50モル以上付着させた場合は、該膜状物表面には無機金属塩の粒子が多く析出し、手で触れると該無機金属塩の粒子が脱落する等バリア膜としての品質が悪いものとなってしまう。
本発明で用いる有機金属塩は、水溶性の金属塩であればよく、ナトリウム、カリウム、リチウム、銀、マグネシウム、カルシウム、亜鉛等のカルボン酸塩、スルホン酸塩、有機リン酸塩が挙げることができる。その中でも、カルボン酸塩が好ましく、特に酢酸、クエン酸のナトリウム塩、マグネシウム塩を挙げることができる。
有機金属塩は、本発明の膜状成形体中に有機金属塩が析出できる量以上を付着させれば良い。高いガスバリア性を得ることができる観点で、セルロース繊維を構成するセルロースのカルボキシル基1モルに対して、該有機金属塩が0.5モル〜50モルであり、好ましくは0.5モル〜15モルになるように付着させる。50モル以下付着させることで、該膜状物表面に有機金属塩の粒子が析出することを抑制することができ、手で触れるときでも該有機金属塩の粒子が脱落することがなくなり、バリア膜として高い品質を維持することができる。
本工程の後、乾燥することにより、無機金属塩又は有機金属塩が析出し、特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体、又は基材となる成形体表面に、特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体を有する複合成形体を得ることができる。また、複合成形体を得る別の方法としては、特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体を、基材と貼り合わせて積層する方法を適用することもできる。貼り合わせる方法としては、接着剤を使用する方法、熱融着法等の公知の方法を適用できる。
セルロース繊維のカルボキシル基量やアスペクト比、無機金属塩又は有機金属塩の種類や含有量、及び膜状成形体の厚みを制御することにより、仕様(ハイバリア性、透明性など)に応じた膜状成形体を得ることができる。
特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体の厚みは、用途に応じて適宜設定することができるが、ガスバリア材として用いる場合、20〜2000nmが好ましく、より好ましくは50〜1000nm、更に好ましくは100〜500nmである。
上述の方法以外で、特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体を得る方法としては、あらかじめ無機金属塩又は有機金属塩を添加したセルロース繊維懸濁液を用いて、基材上に塗布する方法が挙げられる。しかしながら、この方法では、無機金属塩又は有機金属塩の種類や添加量によってはセルロース繊維が懸濁液中で凝集してしまうこともあり、目的とする膜状成形体が得られない場合がある。より緻密なセルロース繊維の膜状成形体を得るには、上述のセルロース懸濁液の膜状物を形成する工程の後に、無機金属塩溶液又は有機金属塩を付着させる工程を有することが好ましい。
このようにして得られた膜状成形体において、無機金属塩又は有機金属塩を含んでいるかどうかは赤外線吸収スペクトルやX線回折、蛍光X線を用いて、調べることができる。例えば、赤外線吸収スペクトル測定において、硫酸マグネシウムの単独の無機金属塩を含む膜状物の場合は、カルボキシル基の塩のピーク以外に波数1650〜1600cm-1の間に無機金属塩水和物のOH基変角振動に帰属するピークが現れる。
また、必要に応じて、特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体又は特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体を有する複合成形体の片面又は両面に、防湿層を形成して、より防湿性を高めることもできる。
防湿層を積層する方法としては、接着剤を使用する方法、熱融着法等で貼り合わせる方法や、塗布法、噴霧法、浸漬法等の公知の方法を適用できる。ここで、高い防湿性能を有する基材や防湿層は、ポリオレフィンやポリエステル等のプラスチック、これらに無機酸化物(酸化アルミや酸化ケイ素等)を蒸着したもの、これらを板紙に積層したもの、ワックスやワックスを紙にコートしたもの等を用いることができる。高い防湿性能を有する基材や防湿層は、水蒸気透過度が0.1〜600g/m2・day、好ましくは0.1〜300g/m2・day、より好ましくは0.1〜100g/m2・dayのものを用いることが好ましい。前記の高い防湿性能を有する基材や防湿層を有する成形体にすることで、ガスバリア層への水蒸気の溶解、拡散を抑制することができるため、水蒸気バリア性をより一層高めることができる。
本発明の、特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体、及び基材となる成形体表面に、特定のセルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を含む膜状成形体を有する複合成形体は、ガスバリア材の他にも、水浄化用分離膜やアルコール分離膜、偏光フィルム、偏光板保護フィルム、ディスプレイ用フレキシブル透明基盤、燃料電池用セパレーター、結露防止シート、反射防止シート、紫外線遮蔽シート、赤外線遮蔽シート等として用いることもできる。
各項目の測定方法は以下のとおりである。
(1)セルロース繊維の平均繊維径、平均アスペクト比
セルロース繊維の平均繊維径は、0.0001質量%に希釈した懸濁液をマイカ上に滴下して乾燥したものを観察試料として、原子間力顕微鏡(Nanoscope III Tapping mode AFM、Digital instrument社製,プローブはナノセンサーズ社製Point Probe(NCH)使用)で繊維高さを測定した。セルロース繊維が確認できる画像において、5本以上抽出し、その繊維高さから平均繊維径を求めた。
平均アスペクト比は、セルロース繊維を水で希釈した希薄懸濁液(0.005〜0.04質量%)の粘度から算出した。粘度の測定には、レオメーター(MCR300、DG42(二重円筒)、PHYSICA社製)を用いて、20℃で測定した。セルロース繊維の質量濃度とセルロース繊維懸濁液の水に対する比粘度の関係から、次式でセルロース繊維のアスペクト比を逆算し、セルロース繊維の平均アスペクト比とした。
Figure 2010202855
(The Theory of Polymer Dynamics, M.DOI and D.F.EDWARDS, CLARENDON PRESS・OXFORD,1986,P312に記載の剛直棒状分子の粘度式(8.138)を利用した(ここでは、剛直棒状分子=セルロース繊維とした)。(8.138)式と Lb2×ρ0=M/NAの関係から数式1が導出される。ここで、ηspは比粘度、πは円周率、lnは自然対数、Pはアスペクト比(L/b)、γ=0.8、ρsは分散媒の密度(kg/m3)、ρ0はセルロース結晶の密度(kg/m3)、Cはセルロースの質量濃度(C=ρ/ρs)、Lは繊維長、bは繊維幅(セルロース繊維断面は正方形とする)、ρはセルロース繊維の濃度(kg/m3)、Mは分子量、NAはアボガドロ数を表す)。
(2)セルロース繊維のカルボキシル基含有量(mmol/g)
酸化したパルプの絶乾重量約0.5gを100mlビーカーにとり、イオン交換水を加えて全体で55mlとし、そこに0.01M塩化ナトリウム水溶液5mlを加えてパルプ懸濁液を調製し、パルプが十分に分散するまでスタラーにて攪拌した。そして、0.1M塩酸を加えてpH2.5〜3.0としてから、自動滴定装置(AUT−501、東亜デイーケーケー(株)製)を用い、0.05M水酸化ナトリウム水溶液を待ち時間60秒の条件で注入し、パルプ懸濁液の1分ごとの電導度とpHの値を測定し、pH11程度になるまで測定を続けた。そして、得られた電導度曲線から、水酸化ナトリウム滴定量を求め、カルボキシル基含有量を算出した。
天然セルロース繊維は、セルロース分子約20〜1500本が集まって形成される高結晶性ミクロフィブリルの集合体として存在する。本発明で採用しているTEMPO酸化反応では、この結晶性ミクロフィブリル表面に選択的にカルボキシル基を導入することができる。したがって、現実には結晶表面にのみカルボキシル基が導入されているが、上記測定方法によって定義されるカルボキシル基含有量はセルロース重量あたりの平均値である。
(3)光透過率
分光光度計(UV−2550、株式会社島津製作所製)を用い、濃度1質量%の懸濁液の波長660nm、光路長1cmにおける光透過率(%)を測定した。
(4)セルロース繊維懸濁液中の微細セルロース繊維の質量分率(微細セルロース繊維含有率)(%)
セルロース繊維懸濁液を0.1質量%に調製して、その固形分濃度を測定した。続いて、そのセルロース繊維懸濁液を目開き16μmのガラスフィルター(25G P16,SHIBATA社製)で吸引ろ過した後、ろ液の固形分濃度を測定した。ろ液の固形分濃度(C1)をろ過前の懸濁液の固形分濃度(C2)で除した(C1/C2)値を微細セルロース繊維含有率(%)として算出した。
(5)懸濁液の観察
固形分1質量%に希釈した懸濁液をスライドガラス上に1滴滴下し、カバーガラスをのせて観察試料とした。この観察試料の任意の5箇所を光学顕微鏡(ECLIPSE E600 POL NIKON社製)を用いて倍率400倍で観察し、粒子径が1μm以上のセルロース粒状体の有無を確認した。粒状体とは、略球状であり、その形状を平面に投影した投影形状を囲む長方形の長軸と短軸の比(長軸/短軸)が最大でも3以下であるものとする。粒状体の粒子径は、長軸と短軸の長さの相加平均値とする。このときクロスニコル観察によって、より明瞭に確認することもできる。
(6)酸素透過度(差圧法)(cm3/m2・day・Pa)
ASTM D−1434−75M法に基づいて、ガス透過測定装置(型式M-C3、(株)東洋精機製作所製)を用い、試料を24時間真空引き後、23℃、湿度0%RHの条件で測定した。
(7)酸素透過度(等圧法)(cm3/m2・day・Pa)
JIS K7126−2 付属書Aの測定法に準拠して、酸素透過率測定装置OX−TRAN2/21(型式ML&SL、MODERN CONTROL社製)を用い、23℃、湿度50%RHの条件で測定した。具体的には、23℃、湿度50%RHの酸素ガス、23℃、湿度50%の窒素ガス(キャリアガス)環境下で測定を行った。
(8)水蒸気透過度(g/m2・day)
JIS Z0208に基づき、カップ法を用いて、40℃、90%RHの環境下の条件で測定した。
(9)無機金属塩又は有機金属塩のモル数
付着した無機金属塩又は有機金属塩のモル数はセルロース繊維のカルボキシル基1モルに対する無機金属塩又は有機金属塩のモル数であり、無機金属塩又は有機金属塩付着前後の膜の質量から算出される無機金属塩又は有機金属塩の質量%から求めた。
製造例1
〔セルロース繊維懸濁液の調製〕
(1)原料、触媒、酸化剤、共酸化剤
天然繊維:針葉樹の漂白クラフトパルプ(製造会社:フレッチャー チャレンジ カナダ、商品名 「Machenzie」、CSF650ml)
TEMPO:市販品(製造会社:ALDRICH、Free radical、98%)
次亜塩素酸ナトリウム:市販品(製造会社:和光純薬工業(株) Cl:5%)
臭化ナトリウム:市販品(製造会社:和光純薬工業(株))。
(2)製造手順
まず、上記の針葉樹の漂白クラフトパルプ繊維100gを9900gのイオン交換水で十分攪拌後、パルプ質量100gに対し、TEMPO1.25質量%、臭化ナトリウム12.5質量%、次亜塩素酸ナトリウム28.4質量%をこの順で添加し、pHスタッドを用い、0.5M水酸化ナトリウムの滴下にてpHを10.5に保持し、酸化反応を行った。
次に、120分の酸化時間で滴下を停止し、酸化パルプを得た。該酸化パルプをイオン交換水にて十分洗浄し、脱水処理を行った。その後、酸化パルプ3.9gとイオン交換水296.1gをミキサー(Vita−Mix−Blender ABSOLUTE、大阪化学(株)製)にて120分間攪拌することにより、繊維の微細化処理を行い、懸濁液を得た。得られたセルロース繊維懸濁液中の固形分濃度は、1.3質量%であった。セルロース繊維は、平均繊維径3.1nm、平均アスペクト比240、カルボキシル基量1.2mmol/gであり、粒子径が1μm以上のセルロース粒状体は存在しなかった。またセルロース繊維懸濁液の光透過率は97.1%で、微細セルロース繊維含有率は90.9%であった。
実施例1〜7、比較例1
製造例1で得たセルロース繊維の懸濁液(カルボキシル基量:1.2mmol/g)を固形分0.7質量%に調整し、ポリエチレンテレフタレートシート(商品名:ルミラー、東レ社製、シート厚み7μm)の片側面上にバーコーター(♯50)で塗布した。
塗布後、直ちに湿潤状態の塗布膜表面に対して、セルロース繊維のカルボキシル基1モルに対する各無機金属塩のモル数が表1に示す量になるように各無機金属塩水溶液を噴霧した。その後、23℃で360分乾燥し、特定のセルロース繊維と無機金属塩を含む膜状成形体からなる層を有する複合成形体を得た。比較例1では、無機金属塩水溶液を付着させなかった以外は実施例1と同様にして、基材表面にセルロース繊維の膜状成形体からなる層を形成した。比較例1は、セルロース繊維のカルボキシル基のナトリウム塩型の懸濁液を塗布しただけであるので、該膜状成形体中に無機金属塩を含んでいない。いずれも乾燥後のガスバリア層(基材表面に形成された膜状成形体からなる層)の膜厚は約450nmであった。次いで、表1に示す水蒸気透過度の測定をした。
Figure 2010202855
表1は、無機金属塩の種類と水蒸気バリア性の関係を示している。いずれかの無機金属塩を付着させた実施例1〜7の系は、比較例1の無機金属塩を付着させない膜状成形体と比較すると、水蒸気バリア性の向上が認められる。特に1価の無機金属塩においては塩化ナトリウムが、多価の無機金属塩においては硫酸マグネシウムや硫酸アルミニウムが、より少ないモル数で、優れた水蒸気バリア性が得られた。
実施例8〜12
製造例1で得たセルロース繊維の懸濁液(カルボキシル基量:1.2mmol/g)を固形分0.7質量%に調整し、ポリエチレンテレフタレートシート(商品名:ルミラー、東レ社製、シート厚み7μm)の片側面上にバーコーター(♯50)で塗布した。
塗布後、直ちに湿潤状態の塗布膜表面に対して、セルロース繊維のカルボキシル基1モルに対する塩化ナトリウムのモル数が表2に示す量になるように塩化ナトリウム水溶液を噴霧した。その後、23℃で360分乾燥し、特定のセルロース繊維と無機金属塩を含む膜状成形体からなる層を有する複合成形体を得た。乾燥後のガスバリア層(基材表面に形成された膜状成形体からなる層)の膜厚は約450nmであった。次いで、表2に示す酸素透過度と水蒸気透過度の測定をした。酸素透過度の測定は、差圧法で行った。
Figure 2010202855
表2は、付着させた塩化ナトリウム量と酸素透過度及び水蒸気透過度の関係を示している。付着させた塩化ナトリウムのモル数が0.5〜50の範囲である実施例8〜12は、無機金属塩を含まない比較例1に比べて、水蒸気バリア性が向上した。モル数が0.5〜45の範囲である実施例8〜11では、比較例1に比べて、酸素バリア性及び水蒸気バリア性が向上した。また、水蒸気バリア性はモル数の増加とともに向上した。45モルを超えた場合には(実施例12)、酸素バリア性が比較例1よりも低下した。無機金属塩の添加により緻密な膜構造の一部が壊れ、酸素分子が通過できる細孔が形成されたものと推察できる。
実施例13〜18、比較例2
実施例13は、製造例1で得たセルロース繊維の懸濁液(カルボキシル基量:1.2mmol/g)を固形分0.9質量%に調整し、セルロース繊維のカルボキシル基1モルに対して、硫酸マグネシウムを0.7モル添加しブレンドした後(内添法)、ポリエチレンテレフタレートシート(商品名:ルミラー、東レ社製、シート厚み25μm)の片側面上にバーコーター(♯50)で塗布した。その後、23℃で360分乾燥し、特定のセルロース繊維と無機金属塩を含む膜状成形体からなる層を有する複合成形体を得た。
実施例14〜18は、製造例1で得たセルロース繊維の懸濁液(カルボキシル基量:1.2mmol/g)を固形分0.9質量%に調整し、ポリエチレンテレフタレートシート(商品名:ルミラー、東レ社製、シート厚み25μm)の片側面上にバーコーター(♯50)で塗布した。
塗布後、直ちに湿潤状態の塗布膜表面に対して、セルロース繊維のカルボキシル基1モルに対する硫酸マグネシウムのモル数が表3に示す量になるように硫酸マグネシウム水溶液を噴霧した(噴霧法)。その後、23℃で360分乾燥し、特定のセルロース繊維と無機金属塩を含む膜状成形体からなる層を有する複合成形体を得た。
比較例2では、初めに、製造例1で得た微細化処理前の酸化パルプ(酸化後にイオン交換水で洗浄し脱水した酸化パルプ)3gにイオン交換水597gを加えて固形分0.5質量%の酸化セルロース繊維懸濁液を調製した。次いで、酸化セルロース繊維懸濁液に10質量%塩化マグネシウム水溶液9g加えて、ゆるやかに60分間攪拌した。次に、セルロース繊維をイオン交換水にて十分洗浄して、陽イオン交換セルロース繊維を得た。ここで意味する陽イオン交換セルロース繊維とは、セルロース繊維のカルボキシル基がNa塩型からMg塩型に置換されているものを意味する。陽イオン交換セルロース繊維3gとイオン交換水297gをミキサー(Vita−Mix−Blender ABSOLUTE、大阪化学(株)製)にて10分間攪拌することにより、繊維の微細化処理を行い、セルロース繊維のカルボキシル基のナトリウム塩をマグネシウム塩型に置換した懸濁液を得た。得られたセルロース繊維の懸濁液中の固形分濃度は、1.0質量%であった。懸濁液をポリエチレンテレフタレートシート(商品名:ルミラー、東レ社製、シート厚み25μm)の片側面上にバーコーター(♯50)で塗布した。その後、23℃で360分乾燥し、膜状成形体を有する複合成形体を得た。該膜状成形体について、赤外線吸収スペクトルを測定したところ、該膜状成形体中に無機金属塩の存在は確認されなかった。
実施例13〜18の乾燥後のガスバリア層(基材表面に形成された膜状成形体からなる層)の膜厚は約600nmであった。比較例2の乾燥後のガスバリア層(基材表面に形成された膜状成形体)の膜厚は約700nmであった。次いで、表3に示す酸素透過度と水蒸気透過度の測定をした。酸素バリア性は等圧法で測定した。
Figure 2010202855
表3は、実施例13〜18及び比較例2の評価結果である。実施例13は、セルロースの懸濁液に硫酸マグネシウムを添加する内添法で調整したが、膜状成形体中に特定のセルロース繊維と無機金属塩を含んでいるので、比較例2の膜状成形体中に無機金属塩を含まない複合成形体と比較して、若干凝集物が発生するものの酸素バリア性及び水蒸気バリア性の向上が認められた。特に、実施例14〜18における噴霧法では、硫酸マグネシウム量が増大するにつれ、酸素バリア性及び水蒸気バリア性が大幅に向上し、特に酸素バリア性は約30倍向上していることが分かった。実施例14〜18では、セルロース懸濁液の膜状物を形成する工程の後に、無機金属塩溶液を付着させる工程を有するので、懸濁液中でのセルロース繊維の凝集が抑制され、より緻密なセルロース繊維の膜状成形体が形成されたと推察された。しかしながら、40モルを超えると水蒸気バリア性の低下が認められることから、実施例12と同じ機構によるものと推察できる。
実施例19〜21、比較例3
実施例19は製造例1で得たセルロース繊維の懸濁液(カルボキシル基量:1.2mmol/g)を固形分0.9質量%に調整し、セルロース繊維のカルボキシル基1モルに対して、塩化ナトリウムを13.7モル添加しブレンドした後(内添法)、ポリエチレンテレフタレートシート(商品名:ルミラー、東レ社製、シート厚み25μm)の片側面上にバーコーター(♯50)で塗布した。その後、23℃で360分乾燥し、特定のセルロース繊維と無機金属塩を含む膜状成形体からなる層を有する複合成形体を得た。
実施例20と21は、製造例1で得たセルロース繊維の懸濁液(カルボキシル基量:1.2mmol/g)を固形分0.9質量%に調整し、ポリエチレンテレフタレートシート(商品名:ルミラー、東レ社製、シート厚み25μm)の片側面上にバーコーター(♯50)で塗布した。
塗布後、直ちに湿潤状態の塗布膜表面に対して、セルロース繊維のカルボキシル基1モルに対する塩化ナトリウムのモル数が表4に示す量になるように塩化ナトリウム水溶液を噴霧した(噴霧法)。その後、23℃で360分乾燥し、特定のセルロース繊維と無機金属塩を含む膜状成形体からなる層を有する複合成形体を得た。
比較例3は、塩化ナトリウム水溶液を噴霧しなかった以外は、実施例20と同様にして、基材表面にセルロース繊維の膜状成形体を形成した。比較例3は、セルロース繊維のカルボキシル基のナトリウム塩型の懸濁液を塗布しただけなので、該膜状成形体中に無機金属塩を含んでいない(該膜状成形体の赤外線吸収スペクトルの測定により、該膜状成形体中に無機金属塩の存在は確認されなかった)。
実施例19〜21、及び比較例3の乾燥後のガスバリア層(基材表面に形成された膜状成形体からなる層)の膜厚は約600nmであった。次いで、表4に示す酸素透過度と水蒸気透過度の測定をした。酸素バリア性は等圧法で測定した。
Figure 2010202855
表4は、実施例19〜21、及び比較例3の評価結果である。実施例19は、セルロースの懸濁液に塩化ナトリウムを添加する内添法で調整したが、膜状成形体中に特定のセルロース繊維と無機金属塩を含んでいるので、比較例3の膜状成形体中に無機金属塩を含まない複合成形体と比較して、酸素バリア性及び水蒸気バリア性の向上が認められた。特に、実施例20、21における噴霧法では、塩化ナトリウム量が増大するにつれ、酸素バリア性及び水蒸気バリア性が向上した。また、内添法である実施例19に比べて、セルロース懸濁液の膜状物を形成する工程の後に、無機金属塩溶液を付着させる工程を有する実施例20、21では、酸素バリア性と水蒸気バリア性が高いことが分かる。
実施例22
製造例1で得たセルロース繊維(カルボキシル基量:1.2mmol/g、酸化パルプ量:1.3質量%)の懸濁液(カルボキシル基量:1.2mmol/g)を固形分0.7質量%に調整し、ポリエチレンテレフタレートシート(商品名:ルミラー、東レ社製、シート厚み7μm)の片側面上にバーコーター(♯50)で塗布した。
塗布後、直ちに湿潤状態の塗布膜表面に対して、セルロース繊維のカルボキシル基量1モルに対する塩化ナトリウムのモル数が表5に示す量になるように塩化ナトリウム水溶液を噴霧した。その後、23℃の温度で360分間乾燥し、特定のセルロース繊維と無機金属塩を含む膜状成形体からなる層を有する複合成形体を得た。
実施例23
製造例1で得たセルロース繊維の懸濁液(カルボキシル基量:1.2mmol/g、酸化パルプ量:1.3質量%)を固形分0.7質量%に調整し、ポリエチレンテレフタレートシート(商品名:ルミラー、東レ社製、シート厚み7μm)の片側面上にバーコーター(♯50)で塗布し、23℃で360分間乾燥した。
乾燥後、セルロース繊維の膜状成形体表面に対して、セルロース繊維のカルボキシル基量1モルに対する塩化ナトリウムのモル数が表5に示す量になるように塩化ナトリウム水溶液を噴霧した。その後、23℃の温度で360分間乾燥し、特定のセルロース繊維と無機金属塩を含む膜状成形体からなる層を有する複合成形体を得た。
実施例22、23の乾燥後のガスバリア層(基材表面に形成された膜状成形体からなる層)の膜厚は約450nmであった。次いで、表5に示す酸素透過度と水蒸気透過度の測定をした。酸素バリア性は差圧法で測定した。
Figure 2010202855
表5は、実施例22、23の評価結果である。実施例22と実施例23を比較すると、湿潤状態で塩化ナトリウムを噴霧した方が、優れた水蒸気バリア性を発現していることがわかった。これは、湿潤状態の膜の方が乾燥状態の膜よりも、金属イオンと酸基イオンが容易に浸透することによって、膜中で無機金属塩が均一に形成され、微細セルロース繊維間の隙間を埋めることによるものと推測される。
実施例24〜26、比較例4
実施例24〜26は、製造例1で得たセルロース繊維(カルボキシル基量:1.2mmol/g、酸化パルプ量:1.3質量%)の懸濁液をポリエチレンテレフタレートシート(商品名:ルミラー、東レ社製、シート厚み25μm)の片側面上にバーコーター(♯50)で塗布した。
塗布後、直ちに湿潤状態の塗布膜表面に対して、セルロース繊維のカルボキシル基量1モルに対する有機金属塩水溶液のモル数が表6に示す量になるように、表6記載の有機金属塩水溶液を噴霧した。
その後、23℃の温度で360分間乾燥し、特定のセルロース繊維と有機機金属塩を含む膜状成形体からなる層を有する複合成形体を得た。
実施例24〜26の乾燥後のガスバリア層(基材表面に形成された膜状成形体からなる層)の膜厚は約800nmであった。次いで、表6に示す酸素透過度と水蒸気透過度の測定をした。酸素バリア性は等圧法で測定した。
比較例4は、有機金属塩水溶液を噴霧しなかった以外は、実施例24と同様にして、基材表面にセルロース繊維の膜状成形体を形成した。比較例4は、セルロース繊維のカルボキシル基のナトリウム塩型の懸濁液を塗布しただけなので、該膜状成形体中にセルロース繊維以外の有機金属塩を含んでいない。
Figure 2010202855
表6は、実施例24〜26の評価結果である。実施例24〜26では比較例4と比較すると、高い酸素バリア性、水蒸気バリア性が得られた。従って、膜状成形体中に特定のセルロース繊維と有機金属塩を含んでいる複合成形体は、有機金属塩を含まない複合成形体と比較して、酸素バリア性及び水蒸気バリア性の向上が認められた。

Claims (9)

  1. セルロース繊維と無機金属塩又は有機金属塩を有する膜状成形体であって、
    前記セルロース繊維が、平均繊維径が200nm以下のセルロース繊維を含み、前記セルロース繊維を構成するセルロースのカルボキシル基含有量が0.1〜2mmol/gのものである、膜状成形体。
  2. 前記平均繊維径が200nm以下のセルロース繊維の平均アスペクト比が10〜1,000である、請求項1記載の膜状成形体。
  3. 前記無機金属塩が、無機ナトリウム塩、無機マグネシウム塩及び無機アルミニウム塩から選ばれる、請求項1又は2記載の膜状成形体。
  4. 前記有機金属塩が、ナトリウム、マグネシウムのカルボン酸塩から選ばれるものである、請求項1又は2記載の膜状成形体。
  5. 基材となる成形体表面に、請求項1〜4のいずれか1項記載の膜状成形体からなる層を有している複合成形体。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の膜状成形体の製造方法であって、
    基板上に、セルロース繊維を含む懸濁液を付着させて膜状物を形成させる工程、
    その後、前記膜状物に無機金属塩溶液を付着させる工程、
    その後、乾燥する工程、
    を有している、膜状成形体の製造方法。
  7. 請求項5に記載の複合成形体の製造方法であって、
    基材上に、セルロース繊維を含む懸濁液を付着させて膜状物を形成させる工程、
    その後、前記膜状物に無機金属塩溶液を付着させる工程、
    その後、乾燥する工程、
    を有している、複合成形体の製造方法。
  8. 前記膜状物に無機金属塩溶液を付着させる工程において、前記膜状物に対して乾燥処理をすることなく無機金属塩溶液を付着させる、請求項6記載の膜状成形体の製造方法。
  9. 前記膜状物に無機金属塩溶液を付着させる工程において、前記膜状物に対して乾燥処理をすることなく無機金属塩溶液を付着させる、請求項7記載の複合成形体の製造方法。
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