JP2019108487A - 組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
そこで本発明は、微細繊維状セルロースを含むシートにおいて透明性を高め、かつ着色を抑制することを目的とする。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
酸成分は、有機酸、無機酸及びこれらの塩(但し、多価金属塩を除く)から選択される少なくとも1種であり、
組成物の固形分含有量が85質量%以上である組成物。
[2] シートである[1]に記載の組成物。
[3] 酸成分は、有機酸及び有機酸塩(但し、多価金属塩を除く)から選択される少なくとも1種を含む[1]又は[2]に記載の組成物。
[4] 酸成分は、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸及びこれらの塩(但し、多価金属塩を除く)から選択される少なくとも1種を含む[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5] 酸成分は、無機酸及び無機酸塩(但し、多価金属塩を除く)から選択される少なくとも1種を含む[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6] 酸成分は、リン酸、塩酸、硫酸及びこれらの塩(但し、多価金属塩を除く)から選択される少なくとも1種を含む[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7] 繊維状セルロースはアニオン性官能基を有する[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8] 樹脂をさらに含む[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[9] 酸成分の含有量が0.3質量%以上8.0質量%以下である[1]〜[8]のいずれかに記載の組成物。
[10] 組成物はシートであり、シートの表面のpHが6.00以上8.00以下である[1]〜[9]のいずれかに記載の組成物。
[11] 組成物はシートであり、ヘーズが4.0%以下である[1]〜[10]のいずれかに記載の組成物。
[12] 組成物はシートであり、下記式により算出されるYI増加率が1500%以下である[1]〜[11]のいずれかに記載の組成物;
YI増加率(%)=(加熱後のシートの黄色度−加熱前のシートの黄色度)/加熱前のシートの黄色度×100
上記式において、加熱後のシートの黄色度は、シートを180℃、0.5MPaで1分間熱プレスした後にJIS K 7373に準拠して測定した黄色度であり、加熱前のシートの黄色度は熱プレス前にJIS K 7373に準拠して測定した黄色度である。
本発明は、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースと、酸成分と、を含む組成物に関する。ここで、酸成分は、有機酸、無機酸及びこれらの塩(但し、多価金属塩を除く)から選択される少なくとも1種である。また、組成物の固形分含有量は85質量%以上である。なお、本明細書において、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースを微細繊維状セルロースと呼ぶこともある。
シートのヘーズは、4.0%以下であることが好ましく、3.0%以下であることがより好ましく、2.0%以下であることがさらに好ましく、1.0%以下であることが特に好ましい。なお、シートのヘーズの下限値は特に限定されるものではなく、0.0%であってもよい。シートのヘーズを上記範囲内とすることにより、より透明性に優れたシートが得られる。なお、シートのヘーズは、JIS K 7136に準拠し、例えば、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、HM−150)を用いて測定される値である。
YI増加率(%)=(加熱後のシートの黄色度−加熱前のシートの黄色度)/加熱前のシートの黄色度×100
上記式において、加熱後のシートの黄色度は、シートを180℃、0.5MPaで1分間熱プレスした後にJIS K 7373に準拠して測定した黄色度であり、加熱前のシートの黄色度は熱プレス前にJIS K 7373に準拠して測定した黄色度である。黄色度の測定には、例えば、Colour Cute i(スガ試験機株式会社製)を用いることができる。
YI増加率を上記範囲内とすることにより、より黄着色が抑制されたシートが得られる。
ΔYI=(加熱後のシートの黄色度)−(加熱前のシートの黄色度)
上記式において、加熱後のシートの黄色度は、シートを180℃、0.5MPaで1分間熱プレスした後にJIS K 7373に準拠して測定した黄色度であり、加熱前のシートの黄色度は熱プレス前にJIS K 7373に準拠して測定した黄色度である。
本発明の組成物から形成されるシートにおいては、180℃といった高温での加熱後においてもシートの黄色度の上昇が抑制されている。
本発明の組成物(シート)は、繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロース(微細繊維状セルロース)を含む。繊維状セルロースの繊維幅は、たとえば電子顕微鏡観察などにより測定することが可能である。
(1)観察画像内の任意箇所に一本の直線Xを引き、該直線Xに対し、20本以上の繊維が交差する。
(2)同じ画像内で該直線と垂直に交差する直線Yを引き、該直線Yに対し、20本以上の繊維が交差する。
上記条件を満足する観察画像に対し、直線X、直線Yと交差する繊維の幅を目視で読み取る。このようにして、少なくとも互いに重なっていない表面部分の観察画像を3組以上得る。次いで、各画像に対して、直線X、直線Yと交差する繊維の幅を読み取る。これにより、少なくとも20本×2×3=120本の繊維幅を読み取る。そして、読み取った繊維幅の平均値を、繊維状セルロースの平均繊維幅とする。
リン酸基又はリン酸基に由来する置換基は、たとえば下記式(1)で表される置換基である。
ここで、単位mmol/gにおける分母は、アニオン性官能基の対イオンが水素イオン(H+)であるときの繊維状セルロースの質量を示す。
すなわち、下記計算式によってカルボキシル基導入量を算出する。
カルボキシル基導入量(C型)=カルボキシル基量(酸型)/[1+(W−1)×(カルボキシル基量(酸型))/1000]
W:陽イオンCの1価あたりの式量(例えば、Naは23、Alは9)
<繊維原料>
微細繊維状セルロースは、セルロースを含む繊維原料から製造される。セルロースを含む繊維原料としては、とくに限定されないが、入手しやすく安価である点からパルプを用いることが好ましい。パルプとしては、たとえば木材パルプ、非木材パルプ、および脱墨パルプが挙げられる。木材パルプとしては、とくに限定されないが、たとえば広葉樹クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹クラフトパルプ(NBKP)、サルファイトパルプ(SP)、溶解パルプ(DP)、ソーダパルプ(AP)、未晒しクラフトパルプ(UKP)および酸素漂白クラフトパルプ(OKP)等の化学パルプ、セミケミカルパルプ(SCP)およびケミグラウンドウッドパルプ(CGP)等の半化学パルプ、砕木パルプ(GP)およびサーモメカニカルパルプ(TMP、BCTMP)等の機械パルプ等が挙げられる。非木材パルプとしては、とくに限定されないが、たとえばコットンリンターおよびコットンリント等の綿系パルプ、麻、麦わらおよびバガス等の非木材系パルプが挙げられる。脱墨パルプとしては、とくに限定されないが、たとえば古紙を原料とする脱墨パルプが挙げられる。本実施態様のパルプは上記の1種を単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
上記パルプの中でも、入手のしやすさという観点からは、たとえば木材パルプおよび脱墨パルプが好ましい。また、木材パルプの中でも、セルロース比率が大きく解繊処理時の微細繊維状セルロースの収率が高い観点や、パルプ中のセルロースの分解が小さく軸比の大きい長繊維の微細繊維状セルロースが得られる観点から、たとえば化学パルプがより好ましく、クラフトパルプ、サルファイトパルプがさらに好ましい。
リン酸基導入工程は、セルロースを含む繊維原料が有する水酸基と反応することで、リン酸基を導入できる化合物から選択される少なくとも1種の化合物(以下、「化合物A」ともいう)を、セルロースを含む繊維原料に作用させる工程である。この工程により、リン酸基導入繊維が得られることとなる。
反応の均一性を向上させる観点から、化合物Bは水溶液として用いることが好ましい。また、反応の均一性をさらに向上させる観点からは、化合物Aと化合物Bの両方が溶解した水溶液を用いることが好ましい。
カルボキシル基導入工程は、セルロースを含む繊維原料に対し、オゾン酸化やフェントン法による酸化、TEMPO酸化処理などの酸化処理やカルボン酸由来の基を有する化合物もしくはその誘導体、またはカルボン酸由来の基を有する化合物の酸無水物もしくはその誘導体によって処理することにより行われる。
本実施形態における微細繊維状セルロースの製造方法においては、必要に応じてリン酸基導入繊維に対して洗浄工程を行うことができる。洗浄工程は、たとえば水や有機溶剤によりリン酸基導入繊維を洗浄することにより行われる。また、洗浄工程は後述する各工程の後に行われてもよく、各洗浄工程において実施される洗浄回数は、とくに限定されない。
微細繊維状セルロースを製造する場合、リン酸基導入工程と、後述する解繊処理工程との間に、繊維原料に対してアルカリ処理を行ってもよい。アルカリ処理の方法としては、特に限定されないが、例えばアルカリ溶液中に、リン酸基導入繊維を浸漬する方法が挙げられる。
微細繊維状セルロースを製造する場合、リン酸基を導入する工程と、後述する解繊処理工程の間に、繊維原料に対して酸処理を行ってもよい。例えば、リン酸基導入工程、酸処理、アルカリ処理及び解繊処理をこの順で行ってもよい。
リン酸基導入繊維を解繊処理工程で解繊処理することにより、微細繊維状セルロースが得られる。解繊処理工程においては、たとえば解繊処理装置を用いることができる。解繊処理装置は、特に限定されないが、たとえば高速解繊機、グラインダー(石臼型粉砕機)、高圧ホモジナイザーや超高圧ホモジナイザー、高圧衝突型粉砕機、ボールミル、ビーズミル、ディスク型リファイナー、コニカルリファイナー、二軸混練機、振動ミル、高速回転下でのホモミキサー、超音波分散機、またはビーターなどを使用することができる。上記解繊処理装置の中でも、粉砕メディアの影響が少なく、コンタミネーションのおそれが少ない高速解繊機、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザーを用いるのがより好ましい。
本発明の組成物(シート)は、有機酸、無機酸及びこれらの塩(但し、多価金属塩を除く)から選択される少なくとも1種の酸成分を含む。酸成分は、1種であってもよく、2種以上を併用したものであってもよい。酸成分として、上記酸を含有することにより、シートのヘーズを低く抑えることができ、かつ黄着色を抑制することができる。
本発明の組成物(シート)は上述した微細繊維状セルロース及び酸成分の他に、樹脂をさらに含むことが好ましい。樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、塩素系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、ポリオール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、セルロース誘導体、ポリエチレン系樹脂等を挙げることができる。中でも、本発明の組成物(シート)は、ポリオール系樹脂、ポリエーテル系樹脂及びセルロース誘導体から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
シートの製造工程は、微細繊維状セルロースと酸成分を含むスラリーを得る工程と、該スラリーを基材上に塗工する塗工工程、又は該スラリーを抄紙する抄紙工程を含む。これにより、微細繊維状セルロースを含むシートが得られることとなる。中でも、シートの製造工程は、微細繊維状セルロースと酸成分を含むスラリーを得る工程と、該スラリーを基材上に塗工する塗工工程を含むことが好ましい。
塗工工程では、たとえば微細繊維状セルロースと酸成分を含むスラリーを基材上に塗工し、これを乾燥して形成されたシートを基材から剥離することによりシートを得ることができる。また、塗工装置と長尺の基材を用いることで、シートを連続的に生産することができる。
抄紙工程は、抄紙機によりスラリーを抄紙することにより行われる。抄紙工程で用いられる抄紙機としては、とくに限定されないが、たとえば長網式、円網式、傾斜式等の連続抄紙機、またはこれらを組み合わせた多層抄き合わせ抄紙機等が挙げられる。抄紙工程では、手抄き等の公知の抄紙方法を採用してもよい。
本発明は、上述したシートにさらに他の層を積層した構造を有する積層体に関するものであってもよい。このような他の層は、シートの両表面上に設けられていてもよいが、シートの一方の面上にのみ設けられていてもよい。シートの少なくとも一方の面上に積層される他の層としては、例えば、樹脂層や無機層を挙げることができる。
樹脂層は、天然樹脂や合成樹脂を主成分とする層である。ここで、主成分とは、樹脂層の全質量に対して、50質量%以上含まれている成分を指す。樹脂の含有量は、樹脂層の全質量に対して、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。なお、樹脂の含有量は、100質量%とすることもでき、95質量%以下であってもよい。
密着助剤としては、例えば、イソシアネート基、カルボジイミド基、エポキシ基、オキサゾリン基、アミノ基及びシラノール基から選択される少なくとも1種を含む化合物や、有機ケイ素化合物が挙げられる。中でも、密着助剤はイソシアネート基を含む化合物(イソシアネート化合物)及び有機ケイ素化合物から選択される少なくとも1種であることが好ましい。有機ケイ素化合物としては、例えば、シランカップリング剤縮合物や、シランカップリング剤を挙げることができる。
表面処理の方法としては、コロナ処理、プラズマ放電処理、UV照射処理、電子線照射処理、火炎処理等を挙げることができる。
無機層を構成する物質としては、特に限定されないが、例えばアルミニウム、ケイ素、マグネシウム、亜鉛、錫、ニッケル、チタン;これらの酸化物、炭化物、窒化物、酸化炭化物、酸化窒化物、もしくは酸化炭化窒化物;またはこれらの混合物が挙げられる。高い防湿性が安定に維持できるとの観点からは、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化炭化ケイ素、酸化窒化ケイ素、酸化炭化窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化炭化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、またはこれらの混合物が好ましい。
本発明は、上述した組成物やシートから形成される成形体に関するものであってもよい。本発明の組成物やシートから形成される成形体は、優れた曲げ弾性率を有し、さらに強度と寸法安定性にも優れている。加えて、本発明の組成物やシートから形成される成形体は透明性にも優れている。
本発明の組成物やシートは、各種のディスプレイ装置、各種の太陽電池、等の光透過性基板の用途に適している。また、電子機器の基板、電気化学素子用セパレータ、家電の部材、各種の乗り物や建物の窓材、内装材、外装材、包装用資材等の用途にも適している。さらに、糸、フィルタ、織物、緩衝材、スポンジ、研磨材などの他、シートそのものを補強材として使う用途にも適している。
[リン酸化パルプの作製]
原料パルプとして、王子製紙製の針葉樹クラフトパルプ(固形分93質量%、坪量208g/m2シート状、離解してJIS P 8121に準じて測定されるカナダ標準濾水度(CSF)が700ml)を使用した。この原料パルプに対してリン酸化処理を次のようにして行った。まず、上記原料パルプ100質量部(絶乾質量)に、リン酸二水素アンモニウムと尿素の混合水溶液を添加して、リン酸二水素アンモニウム45質量部、尿素120質量部、水150質量部となるように調整し、薬液含浸パルプを得た。次いで、得られた薬液含浸パルプを165℃の熱風乾燥機で200秒加熱し、パルプ中のセルロースにリン酸基を導入し、リン酸化パルプを得た。
得られたリン酸化パルプにイオン交換水を添加し、固形分濃度が2質量%のスラリーを調製した。このスラリーを、湿式微粒化装置(スギノマシン社製、スターバースト)で200MPaの圧力にて2回処理し、微細繊維状セルロースを含む微細繊維状セルロース分散液Aを得た。X線回折により、この微細繊維状セルロースがセルロースI型結晶を維持していることが確認された。また、微細繊維状セルロースの繊維幅を透過型電子顕微鏡を用いて測定したところ、3〜5nmであった。なお、後述する測定方法で測定されるリン酸基量(強酸性基量)は、1.45mmol/gだった。
イオン交換水に、ポリエチレンオキサイド(住友精化社製、PEO−18)を1質量%になるように加え、1時間撹拌して溶解した。このようにしてポリエチレンオキサイド水溶液を得た。
イオン交換水に、クエン酸(和光純薬工業株式会社製)を0.5質量%になるように加え、15分撹拌して溶解した。このようにしてクエン酸水溶液を得た。
微細繊維状セルロース分散液A及び上記ポリエチレンオキサイド水溶液をそれぞれ固形分濃度が0.5質量%となるようにイオン交換水で希釈した。次いで、希釈後の微細繊維状セルロース分散液100質量部に対して、希釈後のポリエチレンオキサイド水溶液を20質量部添加し、混合液Aを得た。このときの混合液AのpHは8.74であった。上記手順で得た混合液Aを400g分取し、上記クエン酸水溶液を2.9g添加し、pHを調整した塗工液を得た。このときの塗工液のpHは7.02であった。次いで、シートの仕上がり坪量が50g/m2になるように塗工液を計量して、市販の透明アクリル板上に展開し、50℃の恒温乾燥機にて乾燥した。なお、所定の坪量となるようアクリル板上には堰止用の枠(内寸180mm×180mm、高さ50mm)を配置した。上記アクリル板から乾燥後のシートを剥離し、微細繊維状セルロース含有シートを得た。
[L−酒石酸の溶解]
イオン交換水に、L−酒石酸(和光純薬工業株式会社製)を0.5質量%になるように加え、15分撹拌して溶解した。このようにしてL−酒石酸水溶液を得た。
[DL−リンゴ酸の溶解]
イオン交換水に、DL−リンゴ酸(和光純薬工業株式会社製)を0.5質量%になるように加え、15分撹拌して溶解した。このようにしてDL−リンゴ酸水溶液を得た。
[リン酸の希釈]
イオン交換水に、リン酸水溶液(和光純薬工業株式会社製)をリン酸濃度が0.5質量%になるように加え、15分撹拌して希釈した。このようにして0.5質量%リン酸水溶液を得た。
[塩酸の希釈]
イオン交換水に、塩酸水溶液(和光純薬工業株式会社製)を塩酸濃度が0.5質量%になるように加え、15分撹拌して希釈した。このようにして0.5質量%塩酸水溶液を得た。
混合液AのpHを調整せずシート化した以外は実施例1と同様にしてシートを得た。
[硫酸マグネシウムの溶解]
イオン交換水に、硫酸マグネシウム七水和物(関東化学株式会社製)を0.5質量%になるように加え、15分撹拌して溶解した。このようにして硫酸マグネシウム水溶液を得た。
[硫酸アルミニウムの溶解]
イオン交換水に、硫酸アルミニウム14〜18水和物(関東化学株式会社製)を硫酸アルミニウム純分が0.5質量%となるように加え、15分撹拌して溶解した。このようにして硫酸アルミニウム水溶液を得た。
[シート塗工液のpH測定]
シート塗工液のpHは、校正済みのハンディpHメータ(堀場製作所製、D−51S)にて測定した。
シートの表面pHは、校正済みのpHメータ(堀場製作所製、F−53)にて測定した。
JIS K 7136に準拠し、ヘーズメータ(村上色彩技術研究所社製、HM−150)を用いてヘーズを測定した。
JIS K 7373に準拠し、Colour Cute i(スガ試験機株式会社製)を用いてシートの加熱前後の黄色度(YI)を測定した。なお、加熱後の黄色度は、ミニテストプレス機(アイダエンジニアリング製)にてシートを180℃、0.5MPaで1分間熱プレスした後に測定した。また、黄色度の変化量としてΔYIを下記の式より算出した。
ΔYI=(加熱後のシートの黄色度)−(加熱前のシートの黄色度)
さらに、YI増加率を下記の式より算出した。
YI増加率(%)=ΔYI/(加熱前のシートの黄色度)×100
Claims (12)
- 繊維幅が1000nm以下の繊維状セルロースと、酸成分と、を含む組成物であって、
前記酸成分は、有機酸、無機酸及びこれらの塩(但し、多価金属塩を除く)から選択される少なくとも1種であり、
前記組成物の固形分含有量が85質量%以上である組成物。 - シートである請求項1に記載の組成物。
- 前記酸成分は、有機酸及び有機酸塩(但し、多価金属塩を除く)から選択される少なくとも1種を含む請求項1又は2に記載の組成物。
- 前記酸成分は、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸及びこれらの塩(但し、多価金属塩を除く)から選択される少なくとも1種を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記酸成分は、無機酸及び無機酸塩(但し、多価金属塩を除く)から選択される少なくとも1種を含む請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記酸成分は、リン酸、塩酸、硫酸及びこれらの塩(但し、多価金属塩を除く)から選択される少なくとも1種を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記繊維状セルロースはアニオン性官能基を有する請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- 樹脂をさらに含む請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記酸成分の含有量が0.3質量%以上8.0質量%以下である請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記組成物はシートであり、前記シートの表面のpHが6.00以上8.00以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記組成物はシートであり、前記シートのヘーズが4.0%以下である請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記組成物はシートであり、
下記式により算出されるYI増加率が1500%以下である請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物;
YI増加率(%)=(加熱後のシートの黄色度−加熱前のシートの黄色度)/加熱前のシートの黄色度×100
上記式において、加熱後のシートの黄色度は、シートを180℃、0.5MPaで1分間熱プレスした後にJIS K 7373に準拠して測定した黄色度であり、加熱前のシートの黄色度は熱プレス前にJIS K 7373に準拠して測定した黄色度である。
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