JP2010201648A - 多層フィルム及び容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】層間の接着性、ガスバリア性及び透明性のいずれも優れると共に、折れ白化の発生が抑制され、かつ、ハンドリング性、シール性及び医療用としての適合性にも優れた多層フィルムと容器の提供。
【解決手段】本発明は、バリア層3とシール層1との間に接着バリア層2を有し、バリア層3は、環状オレフィン系樹脂65〜85質量%と、直鎖状低密度ポリエチレン15〜35質量%とを含む、厚さ10〜60μmの層であり、接着バリア層2は、環状オレフィン系樹脂5〜70質量%と、スチレン系エラストマー30〜95質量%とを含み、かつ、前記スチレン系エラストマーの含有量と、接着バリア層2の厚さの三乗の値との積が4000〜160000(質量%・μm)となる層であり、シール層1は、オレフィン系樹脂を用いてなる、厚さ5〜80μmの層である多層フィルム10と、多層フィルム10が成形された容器である。
【選択図】図1

Description

本発明は、多層フィルム及び多層フィルムが成形された容器に関する。
医療分野における薬剤容器には、ガラス瓶やアンプルが用いられてきた。しかし、近年では、薬剤容器の軽量化、取扱い性の向上を目的として、医薬的に認可されたプラスチックからなる薬剤容器(たとえば、輸液バッグ、輸液ボトル等)が広く用いられている。
このプラスチックとしては、ポリエチレンやポリプロピレンが知られている。しかし、薬剤のなかにはポリエチレンやポリプロピレンと吸着しやすいものがあり、薬剤容器に保存されている薬剤の濃度低下が問題となっている。
前記の問題を解決するため、薬剤の吸着を抑制することを目的として、環状オレフィン系樹脂を用いた薬剤容器が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特表2005−525952号公報
しかしながら、特許文献1に記載の多層フィルムにおいては、バリア層が単層で構成されているため、未だガスバリア性が充分ではない。
また、環状オレフィン系樹脂は、他の樹脂との相溶性や接着性に乏しい。そのため、環状オレフィン系樹脂を用いた多層フィルムを成形した際、隣接し合う層間の接着性が悪く、層間剥離が起こりやすくなり、容器の強度が低いという問題がある。
この層間の接着性を向上するため、環状オレフィン系樹脂と共に、エラストマー成分等を用いる方法も考えられる。
しかしながら、この方法においては、たとえば製膜したフィルムが梱包時又は輸送時に非意図的に折り曲げられた場合、フィルムの折り曲げ部位が白くなる現象(以下この現象を「折れ白化」という。)が発生しやすい問題がある。当該折れ白化が発生すると、たとえば薬剤容器に収容された内容物を使用前に目視で確認する際、内容物の状態が確認しにくい等の不具合を生じる。そのため、従来、環状オレフィン系樹脂とエラストマー成分等とを併用したフィルムが成形された容器を、医療用として利用することは困難であった。
また、環状オレフィン系樹脂と、他の樹脂とを、接着性樹脂によって接着させた場合には、たとえば容器に収容された溶液中に接着性樹脂が溶出するおそれがある。このような容器は、医療用として好適ではない。
また、環状オレフィン系樹脂を用いたフィルムを成形した容器においては、従来、蒸気滅菌によって透明性が低下しやすく、容器に収容された内容物の状態が確認しにくい等の問題がある。
さらに、多層フィルムにおいては、多層フィルムを成形加工する際、いずれかの層の厚さが厚すぎると、フィルム表面でのしわ又はカールの発生頻度が高くなる(ハンドリング性が低下する)おそれがあり、また、貼り合わせる層の少なくとも一方の層の厚さが薄すぎると、同じ多層フィルムにおけるフィルム面同士を溶着したときの接着性(シール性)が低くなるおそれがある。そのため、多層フィルムには、ハンドリング性、シール性などの基本特性を備えていることも求められる。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、層間の接着性、ガスバリア性及び透明性のいずれも優れると共に、折れ白化の発生が抑制され、かつ、ハンドリング性、シール性及び医療用としての適合性にも優れた多層フィルムと、当該多層フィルムを用いた容器を提供することを課題とする。
本発明は、バリア層とシール層との間に接着バリア層を有する多層フィルムにおいて、前記バリア層は、環状オレフィン系樹脂65〜85質量%と、直鎖状低密度ポリエチレン15〜35質量%とを含む混合樹脂を用いてなる、厚さ10〜60μmの層であり、前記接着バリア層は、環状オレフィン系樹脂5〜70質量%と、スチレン系エラストマー30〜95質量%とを含む混合樹脂を用いてなり、かつ、前記スチレン系エラストマーの含有量と、前記接着バリア層の厚さの三乗の値との積が4000〜160000(質量%・μm)となる層であり、前記シール層は、オレフィン系樹脂を用いてなる、厚さ5〜80μmの層であることを特徴とする多層フィルムである。
本発明の多層フィルムにおいては、前記バリア層の前記接着バリア層とは反対側に、オレフィン系熱可塑性エラストマーを用いてなる、厚さ50〜150μmの接着柔軟層をさらに有することが好ましい。
また、本発明の多層フィルムにおいては、前記バリア層の前記接着バリア層とは反対側に、融点が121℃以上の樹脂を用いてなる、厚さ5〜100μmの耐熱層をさらに有することが好ましい。
また、本発明の容器は、前記本発明の多層フィルムが成形された容器であり、前記シール層が内側に配置されていることを特徴とする。
本発明により、層間の接着性、ガスバリア性及び透明性のいずれも優れると共に、折れ白化の発生が抑制され、かつ、ハンドリング性、シール性及び医療用としての適合性にも優れた多層フィルムと、当該多層フィルムを用いた容器を提供できる。
本発明の多層フィルムの一実施形態例を示す断面図である。 本発明の多層フィルムの他の実施形態例を示す断面図である。 本発明の容器の一実施形態例を示す平面図である。 本発明の容器の他の実施形態例を示す一部断面図である。
<多層フィルム>
図1は、多層フィルムの一実施形態例を示す断面図である。
本実施形態の多層フィルム10は、バリア層3とシール層1との間に接着バリア層2を有し、シール層1、接着バリア層2及びバリア層3がこの順に積層したものである。
[バリア層]
バリア層3は、環状オレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンとを含む混合樹脂を用いてなる層である。
環状オレフィン系樹脂は、環状構造を有するポリオレフィン樹脂であり、α−オレフィンと二重結合を有する脂環式化合物(環状オレフィン)との共重合体が挙げられ、1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
脂環式化合物としては、シクロヘキサン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン等が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂の市販品としては、ティコナ社製の「TOPAS(登録商標)」等が挙げられる。
直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン触媒を用いているものが好ましい。メタロセン触媒を用いているものを、環状オレフィン系樹脂と併用すると、フィッシュアイ(FE)等の異物の発生を低減できる。直鎖状低密度ポリエチレンは、1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
なお、エラストマーを、環状オレフィン系樹脂と併用する方法も提案されているが、この方法で製膜したフィルムを折り曲げると、折れ白化が発生しやすく内部視認性が損なわれる。直鎖状低密度ポリエチレンを、環状オレフィン系樹脂と併用する方法では、折れ白化は抑制され、内部視認性が良好である。
バリア層3における環状オレフィン系樹脂の含有割合は65〜85質量%であり、70〜80質量%であることが好ましい。
バリア層3における直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合は15〜35質量%であり、20〜30質量%であることが好ましい。
環状オレフィン系樹脂の含有割合が65質量%を下回る(直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合が35質量%を超える)と、高圧蒸気滅菌によって多層フィルムの透明性が低下し、多層フィルムが成形されてなる容器に収容された内容物の状態が確認しにくくなる(内部視認性が損なわれる)。さらに環状オレフィン系樹脂の含有割合が60質量%を下回ると、薬剤吸着抑制の効果が低下する(前記特許文献1参照)。
一方、環状オレフィン系樹脂の含有割合が85質量%を超える(直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合が15質量%を下回る)と、多層フィルム全体の柔軟性が低下すると共に、バリア層と他の層との接着性も低下する。
バリア層3には、環状オレフィン系樹脂及び直鎖状低密度ポリエチレン以外に、必要に応じて他の樹脂を用いることができる。たとえば、本発明の目的を損なわない範囲で、スチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー等のエラストマー成分などを用いることができる。
バリア層3の厚さは10〜60μmであり、20〜50μmであることが好ましい。
バリア層3の厚さが10μm未満では、製膜時にピンホール等の発生により、ガスバリア性が損なわれる可能性がある。バリア層3の厚さが60μmを上回ると、フィルムの柔軟性が損なわれ、ハンドリング性が低下する傾向にある。
本発明において「ハンドリング性」とは、多層フィルムの成形加工時における、しわ又はカールの発生頻度のことを示す。
[接着バリア層]
接着バリア層2は、環状オレフィン系樹脂とスチレン系エラストマーとを含む混合樹脂を用いてなる層である。
接着バリア層2に用いられる環状オレフィン系樹脂は、前記バリア層3に用いられる環状オレフィン系樹脂と同様のものが挙げられ、層間の接着性が高まることから、同様のものであることが好ましい。環状オレフィン系樹脂は、1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
スチレン系エラストマーは、たとえば水素添加を行ったものでもよく、水素添加を行っていないものでもよく、水素添加を行ったポリスチレン系エラストマーが好ましい。なかでも、耐熱性、柔軟性、層間の接着性、透明性、上記環状オレフィン系樹脂への分散性又は耐薬品性などに優れることから、水素添加スチレン−ブタジエンエラストマー、水素添加スチレン−イソプレンエラストマーが特に好ましい。スチレン系エラストマーは、1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
接着バリア層2における環状オレフィン系樹脂の含有割合は5〜70質量%であり、50〜70質量%であることが好ましく、60〜70質量%であることがより好ましい。
環状オレフィン系樹脂の含有割合が70質量%以下であると、容器の成形の際に行われる高圧蒸気滅菌後に層間剥離を起こしにくくなる。環状オレフィン系樹脂の含有割合が60質量%以上であると、環状オレフィン系樹脂の持つガスバリア性能が発揮されやすい。したがって、安定した層間の接着性と最低限のガスバリア性が確保されることから、環状オレフィン系樹脂の含有割合は60質量%以上であることが特に好ましい。
一方、環状オレフィン系樹脂の含有割合が5質量%以上であると、シール層1及びバリア層3との密着性が良好である。
接着バリア層2におけるスチレン系エラストマーの含有割合は30〜95質量%であり、30〜50質量%であることが好ましく、30〜40質量%であることがより好ましい。
スチレン系エラストマーの含有割合が30質量%以上であると、層間の接着性が良好に得られ、スチレン系エラストマーの含有割合が95質量%以下であれば、バリア層3との親和性を失うことなく、良好な接着が可能である。
接着バリア層2には、環状オレフィン系樹脂及びスチレン系エラストマー以外に、必要に応じて他の樹脂を用いることができる。たとえば、本発明の目的を損なわない範囲で、直鎖状ポリエチレン樹脂(好ましくは直鎖状低密度ポリエチレン)、オレフィン系エラストマー等を用いることができる。
接着バリア層2の厚さは、後述の「スチレン系エラストマーの含有量と、接着バリア層の厚さの三乗の値との積」が4000〜160000(質量%・μm)となる範囲において、5〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。
接着バリア層2の厚さが5μm以上であると、製膜時のピンホールの発生を抑制することができ、安定した層間の接着性が得られやすくなる。接着バリア層2の厚さが40μm以下であると、フィルムの柔軟性がより良好となり、ハンドリング性が向上する。また、高圧蒸気滅菌後、良好な透明性を保ちやすくなる。
(スチレン系エラストマーの含有量と、接着バリア層の厚さの三乗の値との積)
本発明の多層フィルムの接着バリア層においては、スチレン系エラストマーの含有量と、接着バリア層の厚さの三乗の値との積が4000〜160000(質量%・μm)となり、10000〜150000(質量%・μm)となることが好ましい。
スチレン系エラストマーの含有量と、接着バリア層の厚さの三乗の値との積が160000(質量%・μm)を超えると、折り曲げ等の物理的ストレスをフィルムに加えた際、折り曲げ部位が白く変化する折れ白化が発生する。当該積が4000(質量%・μm)を下回ると、高圧蒸気滅菌後に層間剥離を起こしやすくなる。
[シール層]
シール層1は、オレフィン系樹脂を用いてなる層である。
オレフィン系樹脂は、医薬的に認可されていること、薬剤との接触時にできる限り溶出しないこと、高温での滅菌操作に耐え得る耐ブロッキング性を有すること等の観点より、プロピレンとエチレンとの共重合体、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、又はポリプロピレンとポリエチレンとの混合物等が挙げられ、なかでもプロピレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましい。
オレフィン系樹脂は、1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
シール層1において、オレフィン系樹脂は、シール性(ヒートシール温度、蒸気滅菌温度)の観点より、融点の異なるオレフィン系樹脂を併用することが好ましい。融点の異なるオレフィン系樹脂を併用すると、シール強度(剥離強度)を調節することができ、その結果、イージーピール機能を付与することができる。
シール層1にイージーピール機能を付与する場合、融点の異なる2種以上のオレフィン系樹脂を混合して用いること、又は、異なる融点を持つ各オレフィン系樹脂を構成する繰返し単位を提供する複数種の単量体を共重合させたブロック共重合体などを用いることが好ましい。
また、イージーピール機能を付与したフィルムに高圧蒸気滅菌を施す場合、その滅菌温度よりも高い融点を持つオレフィン系樹脂を用いることで、加熱によるイージーピール性能の低下を防ぐことができる。
シール層1に主に医療用としての適合性が求められる場合、特に低分子量成分が高圧蒸気滅菌の処理により容器に収容される薬液に溶出する可能性があり、これは日本薬局方で定める微粒子試験の規格に合わないことから、使用するオレフィン系樹脂は、その分子量分布が狭いことが好ましい。
シール層1におけるオレフィン系樹脂の含有割合は50質量%以上であることが好ましく、100質量%であってもよい。オレフィン系樹脂の含有割合が50質量%以上であると、医療用容器としての適合性に優れる。
シール層1には、オレフィン系樹脂以外に、必要に応じて、エラストマー成分;多層フィルムを成形した容器に収容される薬剤に適した、日本薬局方で定める条件を満たす樹脂等の他の樹脂を用いることができる。エラストマー成分を併用すると、ヒートシール温度を下げることができる。
シール層1の厚さは5〜80μmであり、10〜50μmであることが好ましい。
シール層1の厚さが5μm以上であると、シール層としてフィルム面同士が剥離しにくい安定したシール性が得られる。シール層1の厚さが80μm以下であると、多層フィルム全体として厚くなりすぎず、ハンドリング性が良好となる。
(多層フィルムの製造)
本発明の多層フィルムは、多層フィルムは、共押出しインフレーション法、共押出しTダイ法等の公知の方法により製造することができる。
以上説明した、本実施形態の多層フィルム10は、層間の接着性、ガスバリア性及び透明性のいずれも優れると共に、折れ白化の発生が抑制され、かつ、ハンドリング性、シール性及び医療用としての適合性にも優れる。
本実施形態の多層フィルム10においては、バリア層3と接着バリア層2の両方に同じ環状オレフィン系樹脂を用いることで、両方の層の親和性が高まり、かつ、所定量のスチレン系エラストマーを用いた接着バリア層2の存在により、環状オレフィン系樹脂を主成分とするバリア層3と、オレフィン系樹脂を用いてなるシール層1との層間の接着性が良好となり、蒸気滅菌後であっても層間剥離を防ぐことができる。
また、ガスバリア性を持つ樹脂層であるバリア層3と接着バリア層2とが連続して存在することにより、どちらかの層にFEやピンホール等の欠陥が生じてガスバリア性が低下しても、もう一方の層で最低限のガスバリア性を維持することができる。
また、所定量の直鎖状低密度ポリエチレンを用いたバリア層3の存在により、フィルムとしての透明性、ガスバリア性が向上する。また、FE等の異物の混入も抑制できる。
また、接着バリア層2におけるスチレン系エラストマーの含有量と、接着バリア層2の厚さの三乗の値との積を、所定の数値範囲となるように制御することで、多層フィルム10に適度な柔軟性が付与されることにより、折れ白化を抑制できる。また、バリア層3と接着バリア層2との親和性も保たれ、蒸気滅菌後であっても層間剥離を防ぐことができる。
また、シール層1には、耐熱性に優れ、医薬的に認可され得るオレフィン系樹脂を用いることで、医療用としての適合性に優れる。さらに、所定の厚さとすることにより、シール性にも優れる。
また、各層の厚さを制御することにより、ハンドリング性にも優れる。
また、バリア層3と接着バリア層2の両方に同じ環状オレフィン系樹脂を用いることで、両方の層に薬剤吸着抑制の性能が付与され、医療用としての適合性に優れる。
上記の作用等から、多層フィルム10は、諸特性に優れるものと推測される。
本発明の多層フィルムによれば、海外では一般的である121℃以上の高圧蒸気滅菌によっても層間剥離が起こらず、折れ白化の発生を抑制できる。また、当該多層フィルムを成形した容器においては、変形や液漏れなどが生じにくい。
なお、本発明の多層フィルムは、図1に示す多層フィルム10に限定されず、当該多層フィルムを成形した容器に、柔軟性、耐熱性又は遮光性等の付加価値を付与するため、バリア層の接着バリア層とは反対側に、他の樹脂やアルミを用いた層等を設けたものであってもよい。
また、たとえばバリア層の接着バリア層とは反対側に積層した樹脂層に、紫外線吸収剤や酸素吸収剤などの各種添加剤を添加することも可能である。
図2は、多層フィルムの他の実施形態例を示す断面図である。
図2に示す実施形態の多層フィルム10は、バリア層3とシール層1との間に接着バリア層2を有し、かつ、バリア層3の接着バリア層2とは反対側の面に、接着柔軟層4と耐熱層5とがこの順に積層したものである。
[接着柔軟層]
接着柔軟層4は、オレフィン系熱可塑性エラストマーを用いてなる層である。
接着柔軟層4を有することにより、多層フィルム10に適度な柔軟性が付与されて諸特性がより向上し、特に、折れ白化、層間の接着性がよりいっそう向上する。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、ポリプロピレンの中に、エチレン−プロピレンゴムを微分散させた熱可塑性エラストマー(ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー)が挙げられる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
接着柔軟層4におけるオレフィン系熱可塑性エラストマーの含有割合は50質量%以上であることが好ましく、100質量%であってもよい。オレフィン系熱可塑性エラストマーの含有割合が50質量%以上であると、層間の接着性やフィルム全体の柔軟性等の諸特性がより向上する。
接着柔軟層4には、オレフィン系熱可塑性エラストマー以外に、必要に応じて、オレフィン系樹脂(たとえばポリエチレン、ポリプロピレンなど)、スチレン系熱可塑性エラストマー又はこれらの混合物等の他の樹脂を用いることができる。スチレン系熱可塑性エラストマーを用いると、層間の接着性やフィルム全体の柔軟性等の諸特性が向上する。
接着柔軟層4の厚さは50〜150μmであることが好ましく、60〜120μmであることがより好ましい。
接着柔軟層4の厚さが50μm以上であると、多層フィルム10において充分な柔軟性が得られる。接着柔軟層4の厚さが150μm以下であると、多層フィルム全体として厚くなりすぎず、ハンドリング性が向上する。
[耐熱層]
耐熱層5は、融点が121℃以上の樹脂を用いてなる層である。
耐熱層5を有することにより、多層フィルムに対して高圧蒸気滅菌(一般に105〜121℃)の処理を施しても、多層フィルムの変形又は破損がさらに起こりにくくなる。
本発明における「融点」とは、示差走査熱量測定法(DSC法)による融解ピーク温度(℃)を示す。
融点が121℃以上の樹脂において、融点は125℃以上であることが好ましく、130〜250℃であることがより好ましい。融点が121℃以上であると、多層フィルム10において充分な耐熱性が得られる。
融点が121℃以上の樹脂としては、たとえばオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好適なものとして挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、ポリプロピレンがより好ましい。特に融点の高いポリプロピレンを用いると、多層フィルムの耐熱性が向上するため好ましく、また、廃棄する際の環境負荷が他の樹脂と比較して低いため好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらの樹脂は、耐熱性や水蒸気バリア性に優れる他、多層フィルムの引張強度が向上するため好ましい。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロンが代表的なものとして挙げられる。ナイロンは、ナイロン6、ナイロン66を用いることが好ましく、フィルム全体の柔軟性の観点から、ナイロン6を用いることがより好ましい。また、ナイロンを用いると、突き刺し強度等も向上する傾向が見られるため好ましい。
耐熱層5には、融点が121℃以上の樹脂以外に、必要に応じて、ラミネート用接着性樹脂等の他の樹脂を用いることができる。
ラミネート用接着性樹脂としては、アクリル樹脂系接着剤、α−オレフィン系接着剤又はウレタン系接着剤等に用いられている樹脂が挙げられる。これら樹脂を用いてなる層を最外層に設けた場合、最外層の上に、アルミ箔若しくはエチレン―ビニルアルコール共重合樹脂フィルム等の遮光性若しくは酸素バリア性を有する層をさらに積層することが可能となる。
耐熱層5の厚さは5〜100μmであることが好ましく、30〜80μmであることがより好ましい。
耐熱層5の厚さが5μm以上であると、多層フィルム10において充分な耐熱性が得られ、多層フィルム10が変形又は破損しにくくなる。耐熱層5の厚さが100μm以下であると、多層フィルム全体として厚くなりすぎず、ハンドリング性が向上する。また、多層フィルムの柔軟性が向上する。
<容器>
本発明の容器は、上記本発明の多層フィルムが成形された容器であり、前記シール層が内側に配置されているものである。
かかる容器において、当該容器に収容される薬剤等の内容物と直接に接触するのは、最も内側に配置されているシール層である。
図3は、容器の一実施形態例を示す平面図である。図3に示す容器は、図1に示す3層構成の多層フィルムが成形されたものである。
本実施形態の容器20は、たとえば以下のようにして製造することができる。
多層フィルム10を、公知の方法により所定の形状に裁断し、同一形状の2枚を取り出して、それぞれのシール層1が内側に配置されるように重ね合わせる。
次いで、重ね合わせた多層フィルム10の周縁部21同士をヒートシールにより接着する。その際、周縁部21の一部に、ヒートシール等の手段を用いて口部材22を取り付けることにより、容器20が製造される。
また、容器20は、多層フィルム10としてシール層1を最内面としたチューブ状フィルムを成形した上で、長手方向の両端の開口部をヒートシールにより接着し、その際、口部材22を取り付けることにより製造することもできる。
本発明の容器は、図3に示す容器20に限定されず、たとえば図4に示すようなものでもよい。
図4は、容器の他の実施形態例を示す一部断面図である。図4に示す容器は、図2に示す5層構成の多層フィルムが成形されたものである。
本実施形態の容器30は、多層フィルム10より成形される容器31と蓋32とを備えている。
蓋32には、アルミ箔、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はオレフィン系樹脂フィルムと、アルミ箔とを熱ラミネートした積層フィルム;本発明の多層フィルムを薄肉化したフィルム等のガスバリア性を有するものを用いることが好ましい。
本実施形態の容器30は、たとえば以下のようにして製造することができる。
まず、多層フィルム10を、所定の形状(図4に示す容器31の形)に成形する。この成形には、プレス成型、メンブレンプレス成型、真空成型、圧空成型又は真空・圧空成型等の方法を用いることができる。
次に、容器31内に、シリンジ等の収納物34を収納する。その後、蓋32で容器31の開口部を覆い、容器31のフランジ部33、33と蓋32の周縁部とを熱融着することにより容器30が製造される。
以上説明した、本発明の容器は、ガスバリア性及び透明性のいずれも優れ、医療用としての適合性にも優れている。また、耐熱性も良好である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
各例における諸特性の評価は、以下に示す方法により行った。
[層間の接着性]
121℃、20分間の高圧蒸気滅菌前及び高圧蒸気滅菌後の多層フィルムを、短冊状に裁断して25mm×150mmのサイズの多層フィルムを切り出し、その両面に、それぞれ同じ大きさの二軸延伸PETフィルム(厚さ50μm)を接着した。
次いで、当該PETフィルムを接着した多層フィルム2枚を用いて、その片面同士を、ヒートシール機で溶着(200℃、3.5秒間)したものをサンプルとした。
次に、引張試験機を用い、前記サンプルを、常温にて300mm/分の速さで180°剥離し、引張応力の測定と、一組の多層フィルムにおける剥離面の目視観察を行い、以下の基準で判定した。
○:最大引張応力0.7kgf/25mm以上で、かつ、剥離面が凝集破壊していた。
×:最大引張応力0.7kgf/25mm以下で、かつ、剥離面が界面剥離していた。
―:測定不能であった。
なお、高圧蒸気滅菌はオートクレーブを使用し、121℃で20分間加熱することにより行った。ただし、加熱時間は、オートクレーブ内の温度が121℃に達してからの時間である。
[フィッシュアイ(FE)の発生]
多層フィルムを10cm×10cmの大きさに切り出し、その切り出した多層フィルム中に存在する、魚の目のような異物の有無を目視にて観察し、以下の基準で判定した。
○:魚の目のような異物が認められなかった。
×:魚の目のような異物が認められた。
[ガスバリア性]
多層フィルムを袋状に成形し、その内部に酢酸5mLを入れてヒートシールすることにより酢酸を封入した。さらに、この袋状のものを、アルミバッグに入れて密閉した。
次いで、常温で1ヶ月間放置した後、前記アルミバッグを開封し、その際、刺激的な臭い(酢酸臭)の有無について、官能試験により確認し、以下の基準で判定した。
○:酢酸臭が感じられなかった。
×:酢酸臭が感じられた。
[透明性]
121℃、20分間の蒸気滅菌の処理後の多層フィルムにおける光線(波長450nm)透過率を測定し、以下の基準で判定した。
○:450nmの光線透過率が80%以上であった。
×:450nmの光線透過率が80%未満であった。
―:測定不能であった。
[折れ白化]
多層フィルムを180°(長手方向に半分)に折り曲げ、折り曲げた部位に、折れ白化が発生しているかを観察し、以下の基準で判定した。
○:折り曲げ部位に、折れ白化が認められなかった。
×:折り曲げ部位に、折れ白化が認められた。
[ハンドリング性]
多層フィルムを裁断し、200mm×200mmのサイズの多層フィルム5枚を切り出してサンプルとした。その5枚のサンプルの表面状態について、しわ、カールの有無を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:しわ、カールの発生が、全てのサンプルで認められなかった。
×:しわ、カールの発生が認められた。
[シール性]
多層フィルムを短冊状に裁断し、25mm×150mmのサイズの多層フィルムを切り出した。
次いで、短冊状の多層フィルム2枚を用いて、そのシール層同士を、ヒートシール機で溶着(200℃、3.5秒間)したものをサンプルとした。
次に、引張試験機を用い、前記サンプルを、常温にて300mm/分の速さで180°剥離し、引張応力の測定と、一組の多層フィルムにおける剥離面の目視観察を行い、以下の基準で判定した。
○:最大引張応力1kgf/25mm以上で、かつ、剥離面が凝集剥離していた。
×:最大引張応力1kgf/25mm未満で、かつ、剥離面が界面剥離していた。
[スチレン系エラストマーの含有量と、接着バリア層の厚さの三乗の値との積]
一例として実施例1の多層フィルムの場合、接着バリア層に用いられているスチレン系エラストマーに該当するものは樹脂Bであり、その含有量は「90質量%」である。接着バリア層の厚さは「10μm」である。
したがって、積(質量%・μm)は、以下のようにして求めることができる。
積 = 90質量% × (10μm)
= 90000(質量%・μm
下記の実施例及び比較例において、多層フィルムの製造に用いた樹脂を以下に示す。
なお、メルトフローレートをMFR、ガラス転移温度をTg、融点をMPと表記する。
MFR、Tg、MPは、以下のようにしてそれぞれ測定した。
MFRは、フローテスター(島津製作所製、製品名:CFT−500D)を用い、JIS K7210に準拠して試験を行い、求めた。
Tg、MPは、DSC装置(セイコーインスツル社製、製品名:EXSTAR6000)をそれぞれ用い、JIS K7121に準拠して試験を行い、求めた。
樹脂A:環状オレフィン系樹脂「TOPAS(ティコナ社製)」;Tg80℃、密度1.02g/cm、MFR3.5g/10min(260℃)。
樹脂B:水素添加スチレン−ブタジエンエラストマー;Tg−50℃、密度0.89g/cm、MFR3.5g/10min(230℃)。
樹脂C:メタロセン触媒線状低密度ポリエチレン樹脂;MP103℃、密度0.915g/cm、MFR2.2g/10min(190℃)。
樹脂D:プロピレン−αオレフィン樹脂「ゼラス7023(三菱化学製)」;MP165℃、密度0.89g/cm、MFR2g/10min(230℃)。
樹脂E:チーグラー触媒線状低密度ポリエチレン樹脂「モアテック0248Z(プライムポリマー製)」;MP121℃、密度0.923g/cm、MFR2g/10min(190℃)。
樹脂F:ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー;MP156℃、密度0.89g/cm、MFR2.6g/10min(230℃)。
樹脂G:ポリプロピレン系樹脂「ゼラスMC715(三菱化学製)」;MP160℃、密度0.89g/cm、MFR2.6g/10min(230℃)。
樹脂H:ポリアミド系樹脂「5023FDX21(宇部興産製)」;MP196℃。
樹脂I:ポリエステル系樹脂「Ecdel(イーストマンケミカル製)」(ポリブチレンテレフタレート樹脂);MP205℃。
(実施例1〜2、比較例1〜9)
図1に示す多層フィルムと同じ実施形態の多層フィルムを製造した。
すなわち、表1に示すように、バリア層、接着バリア層、シール層における樹脂の配合割合に従ってそれぞれの樹脂を用い、押出機を用いて溶融し、インフレーション装置を用いることにより、各層が表1に示す厚さを有する多層フィルムをそれぞれ製造した。そして、得られた多層フィルムを用いて上記の各評価を行った。それらの結果を表1に示す。
各層の厚さは、バリア層50μm、接着バリア層10μm、シール層30μmである。
Figure 2010201648
(実施例2、比較例10〜15)
実施例2の多層フィルムにおいて、バリア層、接着バリア層、シール層の各層の厚さを、表2に示す厚さに変更した以外は、実施例2と同様にして多層フィルムをそれぞれ製造し、上記の各評価を行った。それらの結果を表2に示す。
Figure 2010201648
(実施例3〜9、比較例16〜23)
図2に示す多層フィルムと同じ実施形態の多層フィルムを製造した。
すなわち、表3に示すように、耐熱層、接着柔軟層、バリア層、接着バリア層、シール層における樹脂の配合割合に従ってそれぞれの樹脂を用い、押出機を用いて溶融し、インフレーション装置を用いることにより、各層が表3に示す厚さを有する多層フィルムをそれぞれ製造した。そして、得られた多層フィルムを用いて上記の各評価を行った。それらの結果を表3に示す。
各層の厚さは、耐熱層50μm、接着柔軟層80μm、バリア層30μm、接着バリア層10μm、シール層30μmである。
Figure 2010201648
(実施例10〜11、比較例24〜29)
図2に示す多層フィルムと同じ実施形態の多層フィルムを製造した。
すなわち、表4に示すように、耐熱層、接着柔軟層、バリア層、接着バリア層、シール層における樹脂の配合割合に従ってそれぞれの樹脂を用い、押出機を用いて溶融し、インフレーション装置を用いることにより、各層が表4に示す厚さを有する多層フィルムをそれぞれ製造した。そして、得られた多層フィルムを用いて上記の各評価を行った。それらの結果を表4に示す。
各層の厚さは、耐熱層50μm、接着柔軟層80μm、バリア層30μm、接着バリア層15μm、シール層30μmである。
Figure 2010201648
(比較例30〜37)
図2に示す多層フィルムと同じ実施形態の多層フィルムを製造した。
すなわち、表5に示すように、耐熱層、接着柔軟層、バリア層、接着バリア層、シール層における樹脂の配合割合に従ってそれぞれの樹脂を用い、押出機を用いて溶融し、インフレーション装置を用いることにより、各層が表5に示す厚さを有する多層フィルムをそれぞれ製造した。そして、得られた多層フィルムを用いて上記の各評価を行った。それらの結果を表5に示す。
各層の厚さは、耐熱層50μm、接着柔軟層80μm、バリア層30μm、接着バリア層20μm、シール層30μmである。
Figure 2010201648
(実施例4、12〜18、比較例38〜44)
実施例4の多層フィルムにおいて、耐熱層、接着柔軟層、バリア層、接着バリア層、シール層の各層の厚さを、表6に示す厚さに変更した以外は、実施例4と同様にして多層フィルムをそれぞれ製造し、上記の各評価を行った。それらの結果を表6に示す。
Figure 2010201648
表1〜6の評価結果から明らかなように、本発明に係る構成を有する多層フィルムは、層間の接着性、ガスバリア性及び透明性のいずれも優れると共に、折れ白化の発生が抑制され、かつ、ハンドリング性とシール性に優れること、フィッシュアイ(FE)の発生も抑制されることが確認できた。
本発明の多層フィルムは、層間の接着性、ガスバリア性及び透明性のいずれも優れると共に、折れ白化の発生が抑制され、かつ、ハンドリング性、シール性及び医療用としての適合性にも優れたものである。当該多層フィルムが成形された容器は、たとえば輸液バッグ、輸液ボトル等の薬剤用容器、食物を収容する食品用容器として好適なものである。
1 シール層 2 接着バリア層 3 バリア層 4 接着柔軟層 5 耐熱層 10多層フィルム 20 容器 30 容器

Claims (4)

  1. バリア層とシール層との間に接着バリア層を有する多層フィルムにおいて、
    前記バリア層は、環状オレフィン系樹脂65〜85質量%と、直鎖状低密度ポリエチレン15〜35質量%とを含む混合樹脂を用いてなる、厚さ10〜60μmの層であり、
    前記接着バリア層は、環状オレフィン系樹脂5〜70質量%と、スチレン系エラストマー30〜95質量%とを含む混合樹脂を用いてなり、かつ、前記スチレン系エラストマーの含有量と、前記接着バリア層の厚さの三乗の値との積が4000〜160000(質量%・μm)となる層であり、
    前記シール層は、オレフィン系樹脂を用いてなる、厚さ5〜80μmの層であることを特徴とする多層フィルム。
  2. 前記バリア層の前記接着バリア層とは反対側に、
    オレフィン系熱可塑性エラストマーを用いてなる、厚さ50〜150μmの接着柔軟層をさらに有する請求項1記載の多層フィルム。
  3. 前記バリア層の前記接着バリア層とは反対側に、
    融点が121℃以上の樹脂を用いてなる、厚さ5〜100μmの耐熱層をさらに有する請求項1又は請求項2記載の多層フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の多層フィルムが成形された容器であり、前記シール層が内側に配置されていることを特徴とする容器。
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