JP2010201648A - 多層フィルム及び容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、バリア層3とシール層1との間に接着バリア層2を有し、バリア層3は、環状オレフィン系樹脂65〜85質量%と、直鎖状低密度ポリエチレン15〜35質量%とを含む、厚さ10〜60μmの層であり、接着バリア層2は、環状オレフィン系樹脂5〜70質量%と、スチレン系エラストマー30〜95質量%とを含み、かつ、前記スチレン系エラストマーの含有量と、接着バリア層2の厚さの三乗の値との積が4000〜160000(質量%・μm3)となる層であり、シール層1は、オレフィン系樹脂を用いてなる、厚さ5〜80μmの層である多層フィルム10と、多層フィルム10が成形された容器である。
【選択図】図1
Description
このプラスチックとしては、ポリエチレンやポリプロピレンが知られている。しかし、薬剤のなかにはポリエチレンやポリプロピレンと吸着しやすいものがあり、薬剤容器に保存されている薬剤の濃度低下が問題となっている。
また、環状オレフィン系樹脂は、他の樹脂との相溶性や接着性に乏しい。そのため、環状オレフィン系樹脂を用いた多層フィルムを成形した際、隣接し合う層間の接着性が悪く、層間剥離が起こりやすくなり、容器の強度が低いという問題がある。
しかしながら、この方法においては、たとえば製膜したフィルムが梱包時又は輸送時に非意図的に折り曲げられた場合、フィルムの折り曲げ部位が白くなる現象(以下この現象を「折れ白化」という。)が発生しやすい問題がある。当該折れ白化が発生すると、たとえば薬剤容器に収容された内容物を使用前に目視で確認する際、内容物の状態が確認しにくい等の不具合を生じる。そのため、従来、環状オレフィン系樹脂とエラストマー成分等とを併用したフィルムが成形された容器を、医療用として利用することは困難であった。
また、環状オレフィン系樹脂を用いたフィルムを成形した容器においては、従来、蒸気滅菌によって透明性が低下しやすく、容器に収容された内容物の状態が確認しにくい等の問題がある。
また、本発明の多層フィルムにおいては、前記バリア層の前記接着バリア層とは反対側に、融点が121℃以上の樹脂を用いてなる、厚さ5〜100μmの耐熱層をさらに有することが好ましい。
図1は、多層フィルムの一実施形態例を示す断面図である。
本実施形態の多層フィルム10は、バリア層3とシール層1との間に接着バリア層2を有し、シール層1、接着バリア層2及びバリア層3がこの順に積層したものである。
バリア層3は、環状オレフィン系樹脂と直鎖状低密度ポリエチレンとを含む混合樹脂を用いてなる層である。
α−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
脂環式化合物としては、シクロヘキサン、ノルボルネン、テトラシクロドデセン等が挙げられる。
環状オレフィン系樹脂の市販品としては、ティコナ社製の「TOPAS(登録商標)」等が挙げられる。
なお、エラストマーを、環状オレフィン系樹脂と併用する方法も提案されているが、この方法で製膜したフィルムを折り曲げると、折れ白化が発生しやすく内部視認性が損なわれる。直鎖状低密度ポリエチレンを、環状オレフィン系樹脂と併用する方法では、折れ白化は抑制され、内部視認性が良好である。
バリア層3における直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合は15〜35質量%であり、20〜30質量%であることが好ましい。
一方、環状オレフィン系樹脂の含有割合が85質量%を超える(直鎖状低密度ポリエチレンの含有割合が15質量%を下回る)と、多層フィルム全体の柔軟性が低下すると共に、バリア層と他の層との接着性も低下する。
バリア層3の厚さが10μm未満では、製膜時にピンホール等の発生により、ガスバリア性が損なわれる可能性がある。バリア層3の厚さが60μmを上回ると、フィルムの柔軟性が損なわれ、ハンドリング性が低下する傾向にある。
本発明において「ハンドリング性」とは、多層フィルムの成形加工時における、しわ又はカールの発生頻度のことを示す。
接着バリア層2は、環状オレフィン系樹脂とスチレン系エラストマーとを含む混合樹脂を用いてなる層である。
スチレン系エラストマーは、たとえば水素添加を行ったものでもよく、水素添加を行っていないものでもよく、水素添加を行ったポリスチレン系エラストマーが好ましい。なかでも、耐熱性、柔軟性、層間の接着性、透明性、上記環状オレフィン系樹脂への分散性又は耐薬品性などに優れることから、水素添加スチレン−ブタジエンエラストマー、水素添加スチレン−イソプレンエラストマーが特に好ましい。スチレン系エラストマーは、1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
環状オレフィン系樹脂の含有割合が70質量%以下であると、容器の成形の際に行われる高圧蒸気滅菌後に層間剥離を起こしにくくなる。環状オレフィン系樹脂の含有割合が60質量%以上であると、環状オレフィン系樹脂の持つガスバリア性能が発揮されやすい。したがって、安定した層間の接着性と最低限のガスバリア性が確保されることから、環状オレフィン系樹脂の含有割合は60質量%以上であることが特に好ましい。
一方、環状オレフィン系樹脂の含有割合が5質量%以上であると、シール層1及びバリア層3との密着性が良好である。
スチレン系エラストマーの含有割合が30質量%以上であると、層間の接着性が良好に得られ、スチレン系エラストマーの含有割合が95質量%以下であれば、バリア層3との親和性を失うことなく、良好な接着が可能である。
接着バリア層2の厚さが5μm以上であると、製膜時のピンホールの発生を抑制することができ、安定した層間の接着性が得られやすくなる。接着バリア層2の厚さが40μm以下であると、フィルムの柔軟性がより良好となり、ハンドリング性が向上する。また、高圧蒸気滅菌後、良好な透明性を保ちやすくなる。
本発明の多層フィルムの接着バリア層においては、スチレン系エラストマーの含有量と、接着バリア層の厚さの三乗の値との積が4000〜160000(質量%・μm3)となり、10000〜150000(質量%・μm3)となることが好ましい。
スチレン系エラストマーの含有量と、接着バリア層の厚さの三乗の値との積が160000(質量%・μm3)を超えると、折り曲げ等の物理的ストレスをフィルムに加えた際、折り曲げ部位が白く変化する折れ白化が発生する。当該積が4000(質量%・μm3)を下回ると、高圧蒸気滅菌後に層間剥離を起こしやすくなる。
シール層1は、オレフィン系樹脂を用いてなる層である。
オレフィン系樹脂は、医薬的に認可されていること、薬剤との接触時にできる限り溶出しないこと、高温での滅菌操作に耐え得る耐ブロッキング性を有すること等の観点より、プロピレンとエチレンとの共重合体、プロピレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、又はポリプロピレンとポリエチレンとの混合物等が挙げられ、なかでもプロピレンとα−オレフィンとの共重合体が好ましい。
オレフィン系樹脂は、1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
シール層1にイージーピール機能を付与する場合、融点の異なる2種以上のオレフィン系樹脂を混合して用いること、又は、異なる融点を持つ各オレフィン系樹脂を構成する繰返し単位を提供する複数種の単量体を共重合させたブロック共重合体などを用いることが好ましい。
また、イージーピール機能を付与したフィルムに高圧蒸気滅菌を施す場合、その滅菌温度よりも高い融点を持つオレフィン系樹脂を用いることで、加熱によるイージーピール性能の低下を防ぐことができる。
シール層1に主に医療用としての適合性が求められる場合、特に低分子量成分が高圧蒸気滅菌の処理により容器に収容される薬液に溶出する可能性があり、これは日本薬局方で定める微粒子試験の規格に合わないことから、使用するオレフィン系樹脂は、その分子量分布が狭いことが好ましい。
シール層1の厚さが5μm以上であると、シール層としてフィルム面同士が剥離しにくい安定したシール性が得られる。シール層1の厚さが80μm以下であると、多層フィルム全体として厚くなりすぎず、ハンドリング性が良好となる。
本発明の多層フィルムは、多層フィルムは、共押出しインフレーション法、共押出しTダイ法等の公知の方法により製造することができる。
また、ガスバリア性を持つ樹脂層であるバリア層3と接着バリア層2とが連続して存在することにより、どちらかの層にFEやピンホール等の欠陥が生じてガスバリア性が低下しても、もう一方の層で最低限のガスバリア性を維持することができる。
また、所定量の直鎖状低密度ポリエチレンを用いたバリア層3の存在により、フィルムとしての透明性、ガスバリア性が向上する。また、FE等の異物の混入も抑制できる。
また、接着バリア層2におけるスチレン系エラストマーの含有量と、接着バリア層2の厚さの三乗の値との積を、所定の数値範囲となるように制御することで、多層フィルム10に適度な柔軟性が付与されることにより、折れ白化を抑制できる。また、バリア層3と接着バリア層2との親和性も保たれ、蒸気滅菌後であっても層間剥離を防ぐことができる。
また、シール層1には、耐熱性に優れ、医薬的に認可され得るオレフィン系樹脂を用いることで、医療用としての適合性に優れる。さらに、所定の厚さとすることにより、シール性にも優れる。
また、各層の厚さを制御することにより、ハンドリング性にも優れる。
また、バリア層3と接着バリア層2の両方に同じ環状オレフィン系樹脂を用いることで、両方の層に薬剤吸着抑制の性能が付与され、医療用としての適合性に優れる。
上記の作用等から、多層フィルム10は、諸特性に優れるものと推測される。
また、たとえばバリア層の接着バリア層とは反対側に積層した樹脂層に、紫外線吸収剤や酸素吸収剤などの各種添加剤を添加することも可能である。
図2に示す実施形態の多層フィルム10は、バリア層3とシール層1との間に接着バリア層2を有し、かつ、バリア層3の接着バリア層2とは反対側の面に、接着柔軟層4と耐熱層5とがこの順に積層したものである。
接着柔軟層4は、オレフィン系熱可塑性エラストマーを用いてなる層である。
接着柔軟層4を有することにより、多層フィルム10に適度な柔軟性が付与されて諸特性がより向上し、特に、折れ白化、層間の接着性がよりいっそう向上する。
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、1種を単独で又は2種以上を用いることができる。
接着柔軟層4の厚さが50μm以上であると、多層フィルム10において充分な柔軟性が得られる。接着柔軟層4の厚さが150μm以下であると、多層フィルム全体として厚くなりすぎず、ハンドリング性が向上する。
耐熱層5は、融点が121℃以上の樹脂を用いてなる層である。
耐熱層5を有することにより、多層フィルムに対して高圧蒸気滅菌(一般に105〜121℃)の処理を施しても、多層フィルムの変形又は破損がさらに起こりにくくなる。
融点が121℃以上の樹脂において、融点は125℃以上であることが好ましく、130〜250℃であることがより好ましい。融点が121℃以上であると、多層フィルム10において充分な耐熱性が得られる。
融点が121℃以上の樹脂としては、たとえばオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好適なものとして挙げられる。
オレフィン系樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、ポリプロピレンがより好ましい。特に融点の高いポリプロピレンを用いると、多層フィルムの耐熱性が向上するため好ましく、また、廃棄する際の環境負荷が他の樹脂と比較して低いため好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらの樹脂は、耐熱性や水蒸気バリア性に優れる他、多層フィルムの引張強度が向上するため好ましい。
ポリアミド系樹脂としては、ナイロンが代表的なものとして挙げられる。ナイロンは、ナイロン6、ナイロン66を用いることが好ましく、フィルム全体の柔軟性の観点から、ナイロン6を用いることがより好ましい。また、ナイロンを用いると、突き刺し強度等も向上する傾向が見られるため好ましい。
ラミネート用接着性樹脂としては、アクリル樹脂系接着剤、α−オレフィン系接着剤又はウレタン系接着剤等に用いられている樹脂が挙げられる。これら樹脂を用いてなる層を最外層に設けた場合、最外層の上に、アルミ箔若しくはエチレン―ビニルアルコール共重合樹脂フィルム等の遮光性若しくは酸素バリア性を有する層をさらに積層することが可能となる。
耐熱層5の厚さが5μm以上であると、多層フィルム10において充分な耐熱性が得られ、多層フィルム10が変形又は破損しにくくなる。耐熱層5の厚さが100μm以下であると、多層フィルム全体として厚くなりすぎず、ハンドリング性が向上する。また、多層フィルムの柔軟性が向上する。
本発明の容器は、上記本発明の多層フィルムが成形された容器であり、前記シール層が内側に配置されているものである。
かかる容器において、当該容器に収容される薬剤等の内容物と直接に接触するのは、最も内側に配置されているシール層である。
本実施形態の容器20は、たとえば以下のようにして製造することができる。
多層フィルム10を、公知の方法により所定の形状に裁断し、同一形状の2枚を取り出して、それぞれのシール層1が内側に配置されるように重ね合わせる。
次いで、重ね合わせた多層フィルム10の周縁部21同士をヒートシールにより接着する。その際、周縁部21の一部に、ヒートシール等の手段を用いて口部材22を取り付けることにより、容器20が製造される。
また、容器20は、多層フィルム10としてシール層1を最内面としたチューブ状フィルムを成形した上で、長手方向の両端の開口部をヒートシールにより接着し、その際、口部材22を取り付けることにより製造することもできる。
図4は、容器の他の実施形態例を示す一部断面図である。図4に示す容器は、図2に示す5層構成の多層フィルムが成形されたものである。
本実施形態の容器30は、多層フィルム10より成形される容器31と蓋32とを備えている。
蓋32には、アルミ箔、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はオレフィン系樹脂フィルムと、アルミ箔とを熱ラミネートした積層フィルム;本発明の多層フィルムを薄肉化したフィルム等のガスバリア性を有するものを用いることが好ましい。
まず、多層フィルム10を、所定の形状(図4に示す容器31の形)に成形する。この成形には、プレス成型、メンブレンプレス成型、真空成型、圧空成型又は真空・圧空成型等の方法を用いることができる。
次に、容器31内に、シリンジ等の収納物34を収納する。その後、蓋32で容器31の開口部を覆い、容器31のフランジ部33、33と蓋32の周縁部とを熱融着することにより容器30が製造される。
各例における諸特性の評価は、以下に示す方法により行った。
121℃、20分間の高圧蒸気滅菌前及び高圧蒸気滅菌後の多層フィルムを、短冊状に裁断して25mm×150mmのサイズの多層フィルムを切り出し、その両面に、それぞれ同じ大きさの二軸延伸PETフィルム(厚さ50μm)を接着した。
次いで、当該PETフィルムを接着した多層フィルム2枚を用いて、その片面同士を、ヒートシール機で溶着(200℃、3.5秒間)したものをサンプルとした。
次に、引張試験機を用い、前記サンプルを、常温にて300mm/分の速さで180°剥離し、引張応力の測定と、一組の多層フィルムにおける剥離面の目視観察を行い、以下の基準で判定した。
○:最大引張応力0.7kgf/25mm以上で、かつ、剥離面が凝集破壊していた。
×:最大引張応力0.7kgf/25mm以下で、かつ、剥離面が界面剥離していた。
―:測定不能であった。
多層フィルムを10cm×10cmの大きさに切り出し、その切り出した多層フィルム中に存在する、魚の目のような異物の有無を目視にて観察し、以下の基準で判定した。
○:魚の目のような異物が認められなかった。
×:魚の目のような異物が認められた。
多層フィルムを袋状に成形し、その内部に酢酸5mLを入れてヒートシールすることにより酢酸を封入した。さらに、この袋状のものを、アルミバッグに入れて密閉した。
次いで、常温で1ヶ月間放置した後、前記アルミバッグを開封し、その際、刺激的な臭い(酢酸臭)の有無について、官能試験により確認し、以下の基準で判定した。
○:酢酸臭が感じられなかった。
×:酢酸臭が感じられた。
121℃、20分間の蒸気滅菌の処理後の多層フィルムにおける光線(波長450nm)透過率を測定し、以下の基準で判定した。
○:450nmの光線透過率が80%以上であった。
×:450nmの光線透過率が80%未満であった。
―:測定不能であった。
多層フィルムを180°(長手方向に半分)に折り曲げ、折り曲げた部位に、折れ白化が発生しているかを観察し、以下の基準で判定した。
○:折り曲げ部位に、折れ白化が認められなかった。
×:折り曲げ部位に、折れ白化が認められた。
多層フィルムを裁断し、200mm×200mmのサイズの多層フィルム5枚を切り出してサンプルとした。その5枚のサンプルの表面状態について、しわ、カールの有無を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:しわ、カールの発生が、全てのサンプルで認められなかった。
×:しわ、カールの発生が認められた。
多層フィルムを短冊状に裁断し、25mm×150mmのサイズの多層フィルムを切り出した。
次いで、短冊状の多層フィルム2枚を用いて、そのシール層同士を、ヒートシール機で溶着(200℃、3.5秒間)したものをサンプルとした。
次に、引張試験機を用い、前記サンプルを、常温にて300mm/分の速さで180°剥離し、引張応力の測定と、一組の多層フィルムにおける剥離面の目視観察を行い、以下の基準で判定した。
○:最大引張応力1kgf/25mm以上で、かつ、剥離面が凝集剥離していた。
×:最大引張応力1kgf/25mm未満で、かつ、剥離面が界面剥離していた。
一例として実施例1の多層フィルムの場合、接着バリア層に用いられているスチレン系エラストマーに該当するものは樹脂Bであり、その含有量は「90質量%」である。接着バリア層の厚さは「10μm」である。
したがって、積(質量%・μm3)は、以下のようにして求めることができる。
積 = 90質量% × (10μm)3
= 90000(質量%・μm3)
なお、メルトフローレートをMFR、ガラス転移温度をTg、融点をMPと表記する。
MFR、Tg、MPは、以下のようにしてそれぞれ測定した。
MFRは、フローテスター(島津製作所製、製品名:CFT−500D)を用い、JIS K7210に準拠して試験を行い、求めた。
Tg、MPは、DSC装置(セイコーインスツル社製、製品名:EXSTAR6000)をそれぞれ用い、JIS K7121に準拠して試験を行い、求めた。
樹脂B:水素添加スチレン−ブタジエンエラストマー;Tg−50℃、密度0.89g/cm3、MFR3.5g/10min(230℃)。
樹脂C:メタロセン触媒線状低密度ポリエチレン樹脂;MP103℃、密度0.915g/cm3、MFR2.2g/10min(190℃)。
樹脂D:プロピレン−αオレフィン樹脂「ゼラス7023(三菱化学製)」;MP165℃、密度0.89g/cm3、MFR2g/10min(230℃)。
樹脂E:チーグラー触媒線状低密度ポリエチレン樹脂「モアテック0248Z(プライムポリマー製)」;MP121℃、密度0.923g/cm3、MFR2g/10min(190℃)。
樹脂F:ポリプロピレン系熱可塑性エラストマー;MP156℃、密度0.89g/cm3、MFR2.6g/10min(230℃)。
樹脂G:ポリプロピレン系樹脂「ゼラスMC715(三菱化学製)」;MP160℃、密度0.89g/cm3、MFR2.6g/10min(230℃)。
樹脂H:ポリアミド系樹脂「5023FDX21(宇部興産製)」;MP196℃。
樹脂I:ポリエステル系樹脂「Ecdel(イーストマンケミカル製)」(ポリブチレンテレフタレート樹脂);MP205℃。
図1に示す多層フィルムと同じ実施形態の多層フィルムを製造した。
すなわち、表1に示すように、バリア層、接着バリア層、シール層における樹脂の配合割合に従ってそれぞれの樹脂を用い、押出機を用いて溶融し、インフレーション装置を用いることにより、各層が表1に示す厚さを有する多層フィルムをそれぞれ製造した。そして、得られた多層フィルムを用いて上記の各評価を行った。それらの結果を表1に示す。
各層の厚さは、バリア層50μm、接着バリア層10μm、シール層30μmである。
実施例2の多層フィルムにおいて、バリア層、接着バリア層、シール層の各層の厚さを、表2に示す厚さに変更した以外は、実施例2と同様にして多層フィルムをそれぞれ製造し、上記の各評価を行った。それらの結果を表2に示す。
図2に示す多層フィルムと同じ実施形態の多層フィルムを製造した。
すなわち、表3に示すように、耐熱層、接着柔軟層、バリア層、接着バリア層、シール層における樹脂の配合割合に従ってそれぞれの樹脂を用い、押出機を用いて溶融し、インフレーション装置を用いることにより、各層が表3に示す厚さを有する多層フィルムをそれぞれ製造した。そして、得られた多層フィルムを用いて上記の各評価を行った。それらの結果を表3に示す。
各層の厚さは、耐熱層50μm、接着柔軟層80μm、バリア層30μm、接着バリア層10μm、シール層30μmである。
図2に示す多層フィルムと同じ実施形態の多層フィルムを製造した。
すなわち、表4に示すように、耐熱層、接着柔軟層、バリア層、接着バリア層、シール層における樹脂の配合割合に従ってそれぞれの樹脂を用い、押出機を用いて溶融し、インフレーション装置を用いることにより、各層が表4に示す厚さを有する多層フィルムをそれぞれ製造した。そして、得られた多層フィルムを用いて上記の各評価を行った。それらの結果を表4に示す。
各層の厚さは、耐熱層50μm、接着柔軟層80μm、バリア層30μm、接着バリア層15μm、シール層30μmである。
図2に示す多層フィルムと同じ実施形態の多層フィルムを製造した。
すなわち、表5に示すように、耐熱層、接着柔軟層、バリア層、接着バリア層、シール層における樹脂の配合割合に従ってそれぞれの樹脂を用い、押出機を用いて溶融し、インフレーション装置を用いることにより、各層が表5に示す厚さを有する多層フィルムをそれぞれ製造した。そして、得られた多層フィルムを用いて上記の各評価を行った。それらの結果を表5に示す。
各層の厚さは、耐熱層50μm、接着柔軟層80μm、バリア層30μm、接着バリア層20μm、シール層30μmである。
実施例4の多層フィルムにおいて、耐熱層、接着柔軟層、バリア層、接着バリア層、シール層の各層の厚さを、表6に示す厚さに変更した以外は、実施例4と同様にして多層フィルムをそれぞれ製造し、上記の各評価を行った。それらの結果を表6に示す。
Claims (4)
- バリア層とシール層との間に接着バリア層を有する多層フィルムにおいて、
前記バリア層は、環状オレフィン系樹脂65〜85質量%と、直鎖状低密度ポリエチレン15〜35質量%とを含む混合樹脂を用いてなる、厚さ10〜60μmの層であり、
前記接着バリア層は、環状オレフィン系樹脂5〜70質量%と、スチレン系エラストマー30〜95質量%とを含む混合樹脂を用いてなり、かつ、前記スチレン系エラストマーの含有量と、前記接着バリア層の厚さの三乗の値との積が4000〜160000(質量%・μm3)となる層であり、
前記シール層は、オレフィン系樹脂を用いてなる、厚さ5〜80μmの層であることを特徴とする多層フィルム。 - 前記バリア層の前記接着バリア層とは反対側に、
オレフィン系熱可塑性エラストマーを用いてなる、厚さ50〜150μmの接着柔軟層をさらに有する請求項1記載の多層フィルム。 - 前記バリア層の前記接着バリア層とは反対側に、
融点が121℃以上の樹脂を用いてなる、厚さ5〜100μmの耐熱層をさらに有する請求項1又は請求項2記載の多層フィルム。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の多層フィルムが成形された容器であり、前記シール層が内側に配置されていることを特徴とする容器。
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