JP2010201534A - 保持具 - Google Patents

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浩幸 毒島
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Abstract

【課題】被研磨物の端部形状を改善し平坦性を向上させることができる保持具を提供する。
【解決手段】保持具10は、ウレタンシート2とテンプレート4とを備えている。ウレタンシート2は湿式成膜法により作製されている。ウレタンシート2は、セル3が形成された連続状の発泡構造を有しており、圧縮率が30%以下に調整されている。テンプレート4は、ウレタンシート2の保持面に貼付されている。テンプレート4の中央部には、被研磨物30を挿入可能な貫通穴が形成されている。テンプレート4には、表面S側における外縁部と、貫通穴の内縁部とに面取り部4aが形成されている。テンプレート4は、被研磨物30が10〜50μmの厚み分でテンプレート4の表面Sより突出するように厚みが設定されている。研磨加工時に、被研磨物30の端部にかかる過度の応力が緩和される。
【選択図】図2

Description

本発明は保持具に係り、特に、被研磨物を保持するための保持面を有する樹脂シートと、樹脂シートの保持面に貼着された枠材とを備えた保持具に関する。
従来、半導体デバイス、フラットパネルディスプレイ(FPD)用ガラス基板等の材料(被研磨物)では、高精度な平坦性が要求されるため、研磨パッドを使用した研磨加工が行われている。通常、これらの被研磨物の研磨加工には、被研磨物を片面ずつ研磨加工する片面研磨機が使用されている。この片面研磨機では、被研磨物が保持用定盤に保持され、研磨用定盤に装着された研磨パッドで研磨加工される。研磨加工時には、研磨粒子を含む研磨液が循環されつつ供給される。
一般に、片面研磨機を使用した研磨加工では、被研磨物が金属製の保持用定盤と直接接触することで生じる被研磨物のスクラッチ(キズ)等を抑制するため、保持用定盤に軟質クロス等の保持パッドが装着される。保持パッドの装着によりスクラッチ等を回避することができる。通常、保持パッドには、湿式成膜法で形成された樹脂シートが使用されている。湿式成膜法では、樹脂を水混和性の有機溶媒に溶解させた樹脂溶液がシート状の成膜基材に塗布され、水系凝固液中で樹脂を凝固再生させることで製造されている。湿式成膜法で形成された樹脂シートは、表面側に微多孔が厚み数μm程度に亘って形成されたスキン層を有している。スキン層の表面が被研磨物との接触性に優れるため、スキン層に水等の液体を含ませておくことで液体の表面張力等により被研磨物の保持が可能となる。
ところが、保持パッドおよび被研磨物間の粘着性や静摩擦が不十分なとき、すなわち、保持パッドの被研磨物保持性が不十分なときは、研磨加工中に被研磨物の横ずれが生じるため、被研磨物を平坦に研磨加工することが難しくなる。この横ずれを抑制するため、被研磨物を挿入可能な貫通穴が形成されたテンプレート(枠材)と保持パッドとを糊剤で貼り合わせた保持具(テンプレートアセンブリ)が用いられている。保持具では、テンプレートの貫通穴に被研磨物を挿入して研磨加工が行われ、研磨加工後に被研磨物が保持具から取り外される。被研磨物の挿入および取り外しを容易にするため、被研磨物とテンプレートとの間には、隙間(ギャップ)が形成されている。また、テンプレートの厚みは、通常、被研磨物の厚みの70〜80%程度に調整されている。例えば、被研磨物の厚みが750μmの場合には、テンプレートの厚みが525〜600μm程度に調整される。このような状態では、テンプレートの表面と被研磨物の表面とが150〜230μm程度の段差を生じている。
従来の保持具では、保持パッドのクッション性のみが注目され、テンプレートが被研磨物の固定用部材として使用されており、保持パッドの沈み込みや保持パッド上での被研磨物の回転性が重視されている。ところが、テンプレートと被研磨物との段差が150μm以上では、被研磨物の端部(外周部)に過度の応力がかかり、端部が過度に研磨加工されて端部形状が損なわれることがある。一方、被研磨物に対する平坦性の要求度が高まるにつれ、例えば、半導体デバイスでは、材料の端部の平坦性が製品の歩留(収率)を大きく左右するため、外周近傍までフラットな仕上がりが望まれている。歩留改善の観点から、端部形状改善のために、種々の改善が試みられている。例えば、シリコンウエハの研磨加工に用いる保持具として、テンプレートの内側の保持パッドにリング状溝を形成させた保持具の技術が開示されている(特許文献1参照)。また、テンプレートの外縁部に面取り加工を施すことで研磨液の循環性を良化する技術が開示されている(特許文献2参照)。
特開平7−58066号公報 特開2003−236743号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、保持パッドに形成されたリング状溝によりテンプレートの影響は抑制されるが、溝加工により保持パッドが弱くなりライフ(寿命)が短くなってしまう、という欠点がある。また、特許文献2の技術では、研磨液の循環性が良化されるものの、被研磨物の端部にかかる過度の応力のために端部形状が損なわれる、という問題がある。上述した歩留を改善する観点では、外周近傍での製品化可能範囲を拡大すべく端部のフラットな仕上がりが重視されており、端部形状に関する要求品質が高度化してきている。
本発明は上記事案に鑑み、被研磨物の端部形状を改善し平坦性を向上させることができる保持具を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、被研磨物を保持するための平坦な保持面を有し、圧縮率が30%以下の樹脂シートと、前記樹脂シートの保持面に貼着され、前記被研磨物を挿入可能な貫通穴が少なくとも1箇所に形成された枠材と、を備え、前記枠材は、前記被研磨物が10μm〜50μmの厚み分で前記枠材の前記保持面と反対側の表面より突出するように厚みが設定されていることを特徴とする保持具である。
本発明では、樹脂シートの圧縮率を30%以下としたことで保持する被研磨物の沈み込みが抑制されると共に、枠材を、被研磨物が10〜50μmの厚み分で枠材の保持面と反対側の表面より突出するように厚みを設定したことで研磨加工時に被研磨物の端部にかかる応力が緩和され研磨圧が均等化されるので、端部形状を改善し平坦性を向上させることができる。
この場合において、枠材の表面側における外縁部および各貫通穴の内縁部に面取り加工が施されていることが好ましい。枠材の厚み方向の断面における面取り加工された部分の形状を三角状とすることができる。このとき、面取り加工された部分が更にR付け加工されていてもよい。枠材を熱硬化性樹脂で形成し、樹脂シートが湿式成膜法で形成された連続発泡構造を有していてもよい。このとき、樹脂シートを、100%モジュラスが20MPa以下のポリウレタン樹脂で形成することができる。樹脂シートが、厚み0.4mm以下、圧縮弾性率90%以上であることが好ましい。また、樹脂シートと枠材とが接着部材を介して貼り合わされていてもよい。
本発明によれば、樹脂シートの圧縮率を30%以下としたことで保持する被研磨物の沈み込みが抑制されると共に、枠材を、被研磨物が10〜50μmの厚み分で枠材の保持面と反対側の表面より突出するように厚みを設定したことで研磨加工時に被研磨物の端部にかかる応力が緩和され研磨圧が均等化されるので、端部形状を改善し平坦性を向上させることができる、という効果を得ることができる。
本発明を適用した実施形態の保持具を模式的に示す断面図である。 保持具のテンプレートとウレタンシートとの貼着部分を拡大しテンプレートと被研磨物との位置関係を模式的に示す断面図であり、(A)は面取り部が三角状のテンプレートを用いた本実施形態の保持具、(B)は面取り部がR付けされた凸面を有するテンプレートを用いた別の態様の保持具、をそれぞれ示す。 実施形態の保持具をテンプレートの一部を破断して模式的に示す斜視図である。 実施形態の保持具を片面研磨機に装着し被研磨物を保持させて研磨加工するときの保持具、被研磨物および研磨パッドの位置関係を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照して、本発明を適用した保持具の実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の保持具10は、樹脂シートとしてのウレタンシート2と、被研磨物が横ずれを起こして飛び出すことを抑制する(横ずれ範囲を制限する)枠材としてのテンプレート4とを備えている。
ウレタンシート2は、湿式成膜法により作製されており、100%モジュラス(2倍長に引っ張る時の張力)が20MPa以下のポリウレタン樹脂で形成されている。ウレタンシート2は、厚みを均一化するために、湿式成膜時に形成されたスキン層側の表面にバフ処理が施されている。このバフ処理によりスキン層が除去されている。バフ処理された面が被研磨物を保持するための保持面Pを構成する。ウレタンシート2の内部には、厚み方向(図1の縦方向)に沿って丸みを帯びた断面三角状のセル3が略均等に分散した状態で形成されている。セル3は、保持面P側の孔径が保持面Pと反対の面(以下、裏面と呼称する。)側の孔径より小さく形成されている。すなわち、セル3は保持面P側で縮径されている。保持面Pでは、バフ処理でスキン層が除去されたため、セル3の開孔が形成されている。セル3の間のポリウレタン樹脂中には、セル3より小さい孔径の図示しない発泡が形成されている。セル3および図示しない発泡は、不図示の連通孔で網目状につながっている。すなわち、ウレタンシート2は連続発泡構造を有している。
ウレタンシート2では、被研磨物を保持したときの沈み込みを抑制するために、厚みが0.4mm以下、圧縮率が30%以下、圧縮弾性率が90%以上にそれぞれ調整されている。厚み、圧縮率、圧縮弾性率は、湿式成膜法でウレタンシート2を作製するときの樹脂の選定や発泡形成を調整するための添加剤等で調整することができる。
テンプレート4には、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を主体とした材質が用いられており、熱硬化性樹脂にガラス繊維等の繊維材を含有させることで強化されている。換言すれば、テンプレート4は繊維強化樹脂製であり、本例では、ガラス繊維強化エポキシ樹脂が用いられている。図3に示すように、テンプレート4は、外径がウレタンシート2と同じで、内径が被研磨物を挿入可能な大きさの円環状となるように型成型により形成されている。すなわち、テンプレート4の中央部には、被研磨物を挿入可能な貫通穴5が形成されている。テンプレート4は、ウレタンシート2側の面(接着面)がウレタンシート2の保持面Pに円環状の接着フィルム6を介して貼着されている。
図1に示すように、テンプレート4には、保持面Pと反対の表面S側における外縁部と貫通穴5の内縁部とに面取り加工が施されており、面取り部4aが形成されている。図2(A)に示すように、面取り部4aは、テンプレート4の厚み方向の断面における形状が三角状に形成されている。テンプレート4は、被研磨物30を保持面Pに接触させたときに、ウレタンシート2の保持面Pからテンプレート4の表面Sまでの距離が、保持面Pから被研磨物30の表面までの距離より段差Lの分で小さくなるように厚みが設定されている。換言すれば、テンプレート4の厚みは、被研磨物30が段差Lの分でテンプレート4の表面Sより突出するように調整されている。段差Lの大きさは、被研磨物30の厚さにより、テンプレート4の形成時に調整することができ、本例では、10〜50μmの範囲に調整されている。
接着フィルム6の接着剤には、熱可塑性接着剤(感熱型接着剤)が用いられている。熱可塑性接着剤としては、アクリル系、ニトリル系、ニトリルゴム系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエステル系等の各種の接着剤を挙げることができる。ウレタンシート2と接着することを考慮すれば、ポリウレタン系の熱可塑性接着剤を用いることが好ましい。テンプレート4の接着面に接着フィルム6の一面側が貼り合わされ、他面側がウレタンシート2の保持面Pと貼り合わされている。このとき、接着フィルム6の接着剤が軟化する程度に加熱し、テンプレート4およびウレタンシート2を略均等に押圧することで、テンプレート4の接着面とウレタンシート2の保持面Pとが接着フィルム6を介してほぼ一定の間隔で接着されている。なお、図1では、説明を判りやすくするために接着フィルム6の厚みを誇張して示している。
また、ウレタンシート2の裏面側には、保持具10を研磨装置の保持用定盤に装着するために、支持材(不図示)を介して両面テープ7が貼り合わされている。両面テープ7は、ポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する。)製フィルム等の基材を有しており、基材の両面にアクリル系粘着剤やゴム系接着剤等の粘着剤層が形成されている。また、支持材にはPET等のフィルムが用いられており、両面テープ7と同様の粘着剤でウレタンシート2と貼り合わされている。両面テープ7は、基材の一面側の粘着剤層で支持材と貼り合わされており、他面側の粘着剤層が剥離紙8で覆われている。
(保持具の製造)
保持具10は、湿式成膜法により作製されたウレタンシート2、テンプレート4および支持材・両面テープ7を貼り合わせることで製造される。湿式成膜法では、ポリウレタン樹脂溶液を調製する準備工程、ポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に連続的に塗布し、水系凝固液中でポリウレタン樹脂をシート状に凝固再生させる凝固再生工程、凝固再生したポリウレタン樹脂を洗浄・乾燥させる洗浄・乾燥工程、厚みを均一化するバフ処理工程を経てウレタンシート2が作製される。以下、工程順に説明する。
準備工程では、ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂を溶解可能な水混和性の有機溶媒のN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記する。)および添加剤を混合してポリウレタン樹脂を溶解させる。ポリウレタン樹脂には、100%モジュラスが20MPa以下のポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカーボネート系等の樹脂から選択して用い、例えば、ポリウレタン樹脂が30%となるようにDMFに溶解させる。添加剤としては、得られるウレタンシート2の圧縮率、圧縮弾性率を上述した範囲に調整するために、セル3の大きさや量(個数)を制御するカーボンブラック等の顔料、セル形成を促進させる親水性活性剤およびポリウレタン樹脂の凝固再生を安定化させる疎水性活性剤等を用いることができる。得られた溶液を減圧下で脱泡しポリウレタン樹脂溶液を調製する。
凝固再生工程では、準備工程で調製したポリウレタン樹脂溶液を成膜基材に連続的に塗布し、水系凝固液中でポリウレタン樹脂をシート状に凝固再生させる。ポリウレタン樹脂溶液を、塗布装置により常温下で帯状の成膜基材に略均一に塗布する。塗布装置として、本例では、ナイフコータを用いる。このとき、ナイフコータと成膜基材との間隙(クリアランス)を調整することで、ポリウレタン樹脂溶液の塗布厚み(塗布量)を0.6mm以下に調整する。成膜基材には、可撓性フィルム、不織布、織布等を用いることができるが、本例では、成膜基材をPET製フィルムとして説明する。
成膜基材に塗布されたポリウレタン樹脂溶液を、ポリウレタン樹脂に対して貧溶媒である水を主成分とする凝固液中に案内する。凝固液中では、まず、塗布されたポリウレタン樹脂溶液の表面側にスキン層を構成する微多孔が厚み数μm程度にわたって形成される。その後、ポリウレタン樹脂溶液中のDMFと凝固液との置換の進行によりポリウレタン樹脂がシート状に凝固再生する。DMFがポリウレタン樹脂溶液から脱溶媒し、DMFと凝固液とが置換することにより、スキン層より内側のポリウレタン樹脂中にセル3および図示しない発泡が形成され、セル3および図示しない発泡を網目状に連通する不図示の連通孔が形成される。このとき、成膜基材のPET製フィルムが水を浸透させないため、ポリウレタン樹脂溶液の表面側(スキン層側)で脱溶媒が生じて成膜基材側が表面側より大きなセル3が形成される。
洗浄・乾燥工程では、凝固再生した帯状(長尺状)のポリウレタン樹脂(以下、成膜樹脂という。)を洗浄した後乾燥させる。すなわち、成膜樹脂を、成膜基材から剥離した後、水等の洗浄液中で洗浄して成膜樹脂中に残留するDMFを除去する。洗浄後、成膜樹脂をシリンダ乾燥機で乾燥させる。シリンダ乾燥機は内部に熱源を有するシリンダを備えている。成膜樹脂がシリンダの周面に沿って通過することで乾燥する。乾燥後の成膜樹脂をロール状に巻き取る。
バフ処理工程では、洗浄・乾燥工程で乾燥させた成膜樹脂のスキン層側の面にバフ処理を施す。成膜基材に形成された成膜樹脂では、湿式成膜時に厚みバラツキが生じている。成膜基材を剥離した後、裏面(スキン層と反対の面)に、表面が平坦な圧接治具を圧接することで、スキン層側に凹凸が出現する。この凹凸をバフ処理で除去する。本例では、連続的に製造された成膜樹脂が帯状のため、裏面に圧接ローラを圧接しながら、スキン層側の面に連続的にバフ処理を施す。得られたウレタンシート2では厚みバラツキが低減し厚みが均一化され、保持面Pに開孔が形成される。
バフ処理されたウレタンシート2の裏面側に支持材を介して両面テープ7の一面側の粘着剤層を貼り合わせる。両面テープ7の他面側には剥離紙8が残されている。円形、角形等の所望の形状に裁断することで、ウレタンシート2の裏面側に支持材・両面テープ7が貼り合わされた保持シートを得る。次いで、保持シートの保持面Pに、面取り部4aを有するテンプレート4を貼着する。テンプレート4の接着面と、テンプレート4より大きな接着フィルム6の一面側とを貼着し、テンプレート4の内外周側でそれぞれ接着フィルム6をカットすることで、円環状の接着フィルム6が形成される。接着フィルム6の他面側とウレタンシート2の保持面Pとを貼着する。このとき、テンプレート4および保持シートを、表面が平坦な治具を用いて押圧する。また、接着フィルム6の接着剤が軟化する程度に加熱することで接着力を高めることができる。これにより、接着フィルム6を介してウレタンシート2とテンプレート4とがほぼ一定の間隔で貼着される。そして、表面にキズや汚れ、異物等の付着がないことを確認する等の検査を行い、保持具10を完成させる。
被研磨物の研磨加工を行うときは、図4に示すように、片面研磨機70の保持用定盤71に装着した保持具10を介して保持用定盤71に被研磨物30を保持させる。保持用定盤71と対向するように配置された研磨用定盤72には被研磨物を研磨加工するための研磨パッド20を装着する。保持用定盤71に保持具10を装着するときは、剥離紙8を取り除いて粘着剤層を露出させた後、露出した粘着剤層を保持用定盤71に接触させ押圧する。保持面Pに適量の水を含ませて、テンプレート4の貫通穴5に被研磨物30を挿入する。被研磨物30をウレタンシート2側に押し付けることで、保持面Pの微多孔や開孔に浸入した水の表面張力およびウレタンシート2のポリウレタン樹脂の弾性により被研磨物30を保持具10を介して保持用定盤71に保持させる。この状態では、被研磨物30下面(加工面)がテンプレート4の下面を含む水平面、すなわち、表面Sより下側に突出している。研磨加工時には、被研磨物30および研磨パッド20間に研磨粒子を含む研磨液(スラリ)を循環供給すると共に、被研磨物30に圧力(研磨圧)をかけながら研磨用定盤72ないし保持用定盤71を回転させることで、被研磨物30を研磨加工する。
(作用)
次に、本実施形態の保持具10の作用等について説明する。
本実施形態の保持具10では、テンプレート4が、被研磨物30が段差Lの分でテンプレート4の表面Sより突出するように厚みが設定されている。また、ウレタンシート2の圧縮率が30%以下に調整されている。ウレタンシート2の圧縮率を小さく制限することで被研磨物30を保持させたときの沈み込みが抑制されるため、被研磨物30がテンプレート4の表面Sより突出する段差Lの大きさを10〜50μmの範囲まで小さくすることができる。従来テンプレートの厚みが被研磨物の厚みの70〜80%程度に設定されたときは、研磨加工時に研磨圧をかけることで研磨パッド20が被研磨物30に追従するように変形するため、被研磨物30の端部に過度の応力がかかることとなる(図4も参照)。これに対して、本実施形態では、テンプレート4の表面Sと被研磨物30の表面との段差Lを小さくすることで、被研磨物30の端部にかかる過度の応力を緩和して研磨圧を均等化することができる。これにより、研磨加工時に端部が過度に研磨加工されることを抑制することができ、端部形状を改善し平坦性を向上させることができる。従って、保持具10を、例えば、シリコンウェハ等の研磨加工に使用することで、シリコンウェハの端部形状が改善されるため、製品の歩留、生産性の向上を図ることができる。
また、本実施形態では、テンプレート4の表面S側における外縁部と貫通穴5の内縁部とに面取り加工が施され面取り部4aが形成されている。このため、テンプレート4の表面Sと被研磨物30の表面との段差Lを小さくしても、保持具10と対向するように配置された研磨パッド20にかかるテンプレート4のエッジでの負荷を低減することができる。また、面取り部4aが形成されているため、研磨加工時に供給される研磨液が被研磨物30および研磨パッド20間に進入しやすくなる。すなわち、内周側の面取り部4aがスラリおよび研磨残渣の排出を補助し、外周側の面取り部4aがスラリの供給を補助するように作用する。これにより、段差Lを小さくしても研磨レート等の研磨特性を確保することができる。
更に、本実施形態では、ウレタンシート2の厚みが0.4mm以下、圧縮率が30%以下、圧縮弾性率が90%以上にそれぞれ調整されている。このため、研磨加工時に被研磨物30の沈み込みが抑制されることから、被研磨物30にかかる研磨圧を均等化することができる。これにより、被研磨物30が略平坦に研磨加工されるので、平坦性向上を図ることができる。ウレタンシート2が連続発泡構造を有するため、厚みが0.4mmを超えると、被研磨物30の研磨加工時の沈み込みが大きくなり、テンプレート4の表面Sと研磨パッドとのあたりが強くなることで、被研磨物30に対する研磨圧が低下し研磨レートを低下させる。更に、テンプレート4のあたりが強くなることで研磨パッドへの負荷が大きくなる。また、圧縮率が30%を超えたときや圧縮弾性率が90%に満たないときは、被研磨物30の沈み込みを抑制することが難しくなる。
また更に、本実施形態では、テンプレート4の厚みを被研磨物30の厚みに対して段差Lの分で小さくなるように調整し、ウレタンシート2の圧縮率を小さく制限することで、被研磨物の端部形状改善が図られる。このため、ウレタンシート2に溝加工を施す等の場合と比べて、負荷をかけることなくウレタンシート2を作製することができる。これにより、研磨加工時にウレタンシート2の特性を長期間保持することができるので、ウレタンシート2、ひいては、保持具10の寿命向上を図ることができる。
更にまた、本実施形態では、ウレタンシート2が100%モジュラスが20MPa以下のポリウレタン樹脂で形成されている。このため、保持面Pが被研磨物の形状に合うように密着して追従性を発揮するので、保持用定盤に装着した保持具10に被研磨物を押し付けることで、被研磨物保持性を向上させることができる。また、本実施形態では、ウレタンシート2の裏面に、支持材としてPET製フィルムが貼り合わされている。このため、柔軟なウレタンシート2が支持材で支持されるので、保持具10の搬送時や研磨機への装着時の取り扱いを容易にすることができる。
また、本実施形態では、湿式成膜時に形成されたスキン層がバフ処理で除去されることでウレタンシート2が形成されており、保持面Pには開孔が形成されている。このため、保持面Pに形成された開孔や微多孔に浸入した水等の液体の表面張力の作用と、ウレタンシート2の樹脂自体の弾性で被研磨物30が保持される。液晶用ガラス基板の保持では、湿式成膜時に形成されたスキン層の表面を介して被研磨物30を保持させている。水等の表面張力の作用による吸着性が大きく、研磨加工時に被研磨物30の移動が制限され好適である。これに対して、本実施形態のウレタンシート2では、保持面Pにセル3の開孔が形成されているため、表面張力の作用が適正化されることから、研磨加工時に被研磨物30がテンプレート4の貫通穴5内で回転しやすくなり、保持具10による加工斑を低減すると共に、研磨加工後に被研磨物30を取り外しやすくなる。
従来保持具では、テンプレートとウレタンシートとが熱可塑性接着剤で貼り合わされている。通常、被研磨物をテンプレートの貫通穴に挿入して研磨加工するときには、被研磨物に研磨圧がかけられる。ところが、テンプレートの厚みは、研磨レートを高くするために被研磨物の厚みの70〜80%程度に調整されていることから、テンプレートの表面と被研磨物の表面との段差が大きくなるため、被研磨物の端部に過度の応力がかかり、被研磨物の端部が過度に研磨加工されて端部形状が損なわれることとなる。端部形状が損なわれると、例えば、シリコンウェハの研磨加工では、端部近傍から製品を得ることが難しくなり、歩留や生産性を低下させる。テンプレートと被研磨物との段差を小さくすると、保持パッドと対向するように配置された研磨パッドにテンプレートがあたるため、研磨パッドの摩耗が大きくなり寿命を低下させるばかりでなく、被研磨物の平坦性を低下させることがある。更には、テンプレートが削られることで生じた異物の混入、いわゆるコンタミにより被研磨物にキズを発生させることもある。被研磨物に対する平坦性の要求度が高まるにつれ、外周近傍までフラットな仕上がり、つまり、端部形状の改善が望まれている。本実施形態は、これらの問題を解決することができる保持具である。
なお、本実施形態では、テンプレート4の厚み方向の断面における面取り部4aの形状を三角状とする例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図2(B)に示すように、R付けされた凸面を有するように面取り部4aを形成してもよい。面取り部4aを三角状としたときのテンプレート4の表面に対する傾斜の度合、R付けしたときの曲率に制限のないことはもちろんである。
また、本実施形態では、テンプレート4の材質として、ガラス繊維強化エポキシ樹脂を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。研磨加工時の物理的耐性や研磨液に対する化学的耐性を考慮すれば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂にガラス繊維等の繊維材が含有されることで強化された繊維強化樹脂を用いることが好ましい。樹脂や繊維材に制限がないことはもちろんである。また、本実施形態では、円環状のテンプレート4を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、被研磨物の形状に合わせて矩形状や楕円形状としてもよく、大型の保持具で複数の被研磨物を同時に保持させる場合には、テンプレートに複数の貫通穴が形成されていてもよい。
更に、本実施形態では、ウレタンシート2の材質として100%モジュラスが20MPa以下のポリウレタン樹脂を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ポリエステル樹脂等を用いてもよく、樹脂の100%モジュラスを20MPa以下とすれば、得られた樹脂シートが被研磨物の形状に合うように密着するので、被研磨物保持性の向上を図ることができる。また、ポリウレタン樹脂を用いれば、湿式成膜法で容易に均一なセル3が形成されたウレタンシート2を作製することができる。更に、本実施形態では、ウレタンシート2の厚みを0.4mm以下とする例を示したが、厚みが小さくなりすぎると湿式成膜法による作製が難しくなることを考慮すれば、厚みを0.2〜0.4mmの範囲とすることが好ましい。また、ウレタンシート2の圧縮率を30%以下とする例を示したが、圧縮率が小さくなりすぎると硬くなりすぎるため、被研磨物を保持させたときにキズ等を発生する可能性がある。このため、ウレタンシート2の圧縮率を10〜30%の範囲とすることが好ましい。
また更に、本実施形態では、テンプレート4の接着面に接着フィルム6を介してウレタンシート2を貼り合わせる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、PET製フィルム等の基材の両面に接着剤が塗工された両面テープを使用することも可能である。更に、本実施形態では、接着フィルム6の接着剤としてポリウレタン系の熱可塑性接着剤を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ウレタンシート2に代えてポリエチレンやポリエステル等の樹脂製シートを用いた場合は、それぞれの樹脂との接着に適した熱可塑性接着剤を用いるようにしてもよい。
更にまた、本実施形態では、ウレタンシート2を湿式成膜法により作製する例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。ウレタンシートの厚み、圧縮率、圧縮弾性率を上述した範囲に調整できればよく、例えば、乾式成形法により作製するようにしてもよい。乾式成形法では、ウレタン系プレポリマと、ポリオール化合物やポリアミン化合物等の硬化剤(鎖伸長剤)とを混合し、硬化させた成形物をシート状にスライスすることでウレタンシートを得ることができる。プレポリマや硬化剤の配合割合、反応条件等を調整することで、得られるウレタンシートの圧縮率や圧縮弾性率を調整することができる。
また、本実施形態では、ウレタンシート2の裏面にPETフィルムの支持材を介して両面テープ7を貼り合わせる例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ウレタンシート2と両面テープ7との間にポリビニルクロライド(PVC)等の別のフィルムや不織布、織布等を貼り合わせるようにしてもよい。もちろん、支持材を介することなくウレタンシ−ト2と両面テープ7とを貼り合わせてもよい。更に、本実施形態では、湿式成膜法により作製された成膜樹脂のスキン層側にバフ処理を施しウレタンシート2を得る例を示したが、本発明はこれに制限されるものではなく、ウレタンシート2の厚みが均一化されていればよい。例えば、バフ処理に代えてスライス処理を施すようにしてもよく、被研磨物の種類によっては、バフ処理やスライス処理を施さなくてもよい。
以下、本実施形態に従い製造した保持具10の実施例について説明する。なお、比較のために製造した比較例の保持具についても併記する。
(実施例1)
実施例1では、ポリウレタン樹脂として、100%モジュラスが10MPaのポリエステルMDI(ジフェニルメタンジイソシアネート)ポリウレタン樹脂を用いた。このポリウレタン樹脂30%のDMF溶液100部に対して、粘度調整用のDMFの35部、顔料のカーボンブラックを30%含むDMF分散液の40部、疎水性活性剤の3部を混合してポリウレタン樹脂溶液を調製した。ポリウレタン樹脂溶液を塗布する際に塗布装置のクリアランスを0.5mmに設定し、湿式成膜後にスキン層側をバフ処理して厚み0.4mmのウレタンシート2を得た。得られたウレタンシート2に厚み188μmのPETフィルムの支持材を貼り合わせた状態では、圧縮率が24.7%、圧縮弾性率が95.8%であった。面取り部4aが形成されたテンプレート4を、接着フィルム6を介してウレタンシート2と貼り合わせ、実施例1の保持具10を製造した。テンプレート4の厚みは、被研磨物の厚み(750μmのシリコンウェハ)より30μm小さくなるように調整した。なお、圧縮率および圧縮弾性率は、ウレタンシート2に支持材を貼り合わせた状態で測定した。測定では、日本工業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用した。具体的には、無荷重状態から初荷重を30秒間かけた後の厚さtを測定し、次に、厚さtの状態から最終圧力を30秒間かけた後の厚さtを測定した。厚さtの状態から全ての荷重を除き、5分間放置(無荷重状態とした)後、再び初荷重を30秒間かけた後の厚さt’を測定した。圧縮率は、圧縮率(%)=100×(t−t)/tの式で算出し、圧縮弾性率は、圧縮弾性率(%)=100×(t’−t)/(t−t)の式で算出した。このとき、初荷重は100g/cm、最終圧力は1120g/cmであった。
(比較例1)
比較例1では、ウレタンシートの作製を次のようにした。すなわち、実施例1と同じポリウレタン樹脂30%のDMF溶液100部に対して、粘度調整用のDMFの45部、カーボンブラックを30%含むDMF分散液の40部、疎水性活性剤の2部を混合してポリウレタン樹脂溶液を調製した。ポリウレタン樹脂溶液を塗布する際のクリアランスを0.6mmに設定し、スキン層側をバフ処理して厚み0.4mmのウレタンシートを得た。得られたウレタンシートに厚み188μmのPETフィルムの支持材を貼り合わせた状態では、圧縮率が42.5%、圧縮弾性率が92.3%であった。面取り部を有しておらず、厚みを600μm(被研磨物の厚みの80%)に調整したテンプレートを、接着フィルム6を介してウレタンシートと貼り合わせ、比較例1の保持具を製造した。すなわち、比較例1は従来の保持具である。
(比較例2)
比較例2では、比較例1と同様に作製したウレタンシートを用いた。面取り部を有しておらず、厚みを720μmに調整したテンプレートを、接着フィルム6を介してウレタンシートと貼り合わせ、比較例2の保持具を製造した。
(比較例3)
比較例3では、実施例1と同様に作製したウレタンシート2を用いた。面取り部を有しておらず、厚みを745μmに調整したテンプレートを、接着フィルム6を介してウレタンシート2と貼り合わせ、比較例3の保持具を製造した。比較例3で用いたテンプレートの厚みは、被研磨物のシリコンウェハの厚み(750μm)より5μm小さい。
(比較例4)
比較例4では、実施例1と同様に作製したウレタンシート2を用いた。面取り部を有しておらず、厚みを680μmに調整したテンプレートを、接着フィルム6を介してウレタンシート2と貼り合わせ、比較例4の保持具を製造した。比較例4で用いたテンプレートの厚みは、被研磨物のシリコンウェハの厚み(750μm)より70μm小さい。
(研磨性能評価)
次に、各実施例および比較例の保持具を用いたシリコンウェハの研磨加工を、以下の条件で行い、研磨レート、ロールオフにより研磨性能を評価した。研磨レートは、研磨効率を示す数値の一つであり、1分間あたりの研磨量を厚さの単位で表したものである。研磨加工前後の被研磨物の重量減少を測定し、被研磨物の研磨面積および比重から計算により算出した。ロールオフは、被研磨物の周縁部が中心部より過度に研磨加工されることで生じ、平坦性を評価するための測定項目の1つである。測定方法としては、例えば、光学式表面粗さ計にて外周端部から中心に向かい0.3mmの位置より半径方向に2mmの範囲で2次元プロファイル像を得る。得られた2次元プロファイル像において、半径方向をX軸、厚み方向をY軸としたときに、外周端部からX=0.5mmおよびX=1.5mmの座標位置のY軸の値がY=0となるようにレベリング補正し、このときの2次元プロファイル像のX=0.5〜1.5mm間におけるPV値をロールオフ値(指数)で表した。ロールオフの測定には、表面粗さ測定機(Zygo社製、型番New View 5022)を使用した。研磨レート、ロールオフの測定結果を下表1に示す。
使用研磨機:不二越株式会社製、MCP−150X
回転数:(定盤)100r/m、(トップリング)75r/m
研磨圧力:330g/cm
揺動幅:10mm(揺動中心値より200mm)
揺動移動:1mm/min
研磨剤:Nalco社製、品番2350(2350原液:水=1:9の混合液を使用)
被研磨物:8インチφシリコンウェハ(厚み750μm)
研磨時間:20分間
Figure 2010201534
表1に示すように、比較例1の従来の保持具を用いたシリコンウェハの研磨加工では、研磨レートが0.351μm/min、ロールオフ値が1.0であった。これに対して、実施例1の保持具10を用いたシリコンウェハの研磨加工では、ロールオフ値が0.3と大きく低減(改善)し、研磨レートは約7%低下し0.327μm/minであった。ロールオフ値は、圧縮率が24.7%、厚みが0.4mmのウレタンシート2を用い、テンプレート4の厚みをシリコンウェハの厚みより30μm小さくなるように調整したことで、研磨加工時にシリコンウェハの端部にかかる応力が緩和され研磨圧が均等化されたためと考えられる。また、比較例2の保持具を用いた場合は、研磨レートが0.203μm/min、ロールオフ値が0.2であった。比較例2の保持具では、被研磨物の厚みとテンプレートの厚みとの段差Lが実施例1と変わらないものの、ウレタンシートの圧縮率が42.5%のためにシリコンウェハ(被研磨物)の沈み込みが大きくなった。このため、テンプレートに面取り加工していないことに加えてテンプレート側で荷重を受けた(テンプレートと研磨パッドとが接触した)ことで、スラリの流入・排出がうまくいかなくなり、研磨加工が有効に作用せずに研磨レートが大幅に低下したものと思われる。また、段差Lが5μmである比較例3の保持具では、ロールオフ値が良好であるものの、研磨レートが大幅に低下し、研磨加工後の研磨パッド表面にキズが発生していた。段差Lが70μmである比較例4の保持具では、研磨レート、ロールオフ値共に、実施例1の保持具10での結果より劣るものであった。従って、ウレタンシート2の圧縮率や厚みを制限し、テンプレート4の厚みを被研磨物との関連で調整した保持具10では、研磨レートの大幅な低下がなく、被研磨物の端部形状を改善する効果のあることが明らかとなった。
本発明は被研磨物の端部形状を改善し平坦性を向上させることができる保持具を提供するものであるため、保持具の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
P 保持面
S 表面
L 段差
2 ウレタンシート(樹脂シート)
4 テンプレート(枠材)
4a 面取り部
5 貫通穴
10 保持具
30 被研磨物

Claims (8)

  1. 被研磨物を保持するための平坦な保持面を有し、圧縮率が30%以下の樹脂シートと、
    前記樹脂シートの保持面に貼着され、前記被研磨物を挿入可能な貫通穴が少なくとも1箇所に形成された枠材と、
    を備え、
    前記枠材は、前記被研磨物が10μm〜50μmの厚み分で前記枠材の前記保持面と反対側の表面より突出するように厚みが設定されていることを特徴とする保持具。
  2. 前記枠材は、表面側における外縁部および前記各貫通穴の内縁部に面取り加工が施されていることを特徴とする請求項1に記載の保持具。
  3. 前記枠材は、厚み方向の断面における前記面取り加工された部分の形状が三角状であることを特徴とする請求項2に記載の保持具。
  4. 前記面取り加工された部分は、更にR付け加工されていることを特徴とする請求項3に記載の保持具。
  5. 前記枠材は熱硬化性樹脂で形成されており、前記樹脂シートは湿式成膜法で形成された連続発泡構造を有することを特徴とする請求項1に記載の保持具。
  6. 前記樹脂シートは、100%モジュラスが20MPa以下のポリウレタン樹脂で形成されたことを特徴とする請求項5に記載の保持具。
  7. 前記樹脂シートは、厚みが0.4mm以下、圧縮弾性率が90%以上であることを特徴とする請求項6に記載の保持具。
  8. 前記樹脂シートと前記枠材とが接着部材を介して貼り合わされたことを特徴とする請求項1に記載の保持具。
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