JP2017064849A - 被研磨物保持材及び被研磨物保持具 - Google Patents

被研磨物保持材及び被研磨物保持具 Download PDF

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Abstract

【課題】研磨中は被研磨物をしっかりと固定する高い保持力を有しながらも、研磨終了後、被研磨物を取り外す際には、保持具や被研磨物を破壊することなく容易に取り外しができる保持具を提供すること。【解決手段】ガラス転移温度(Tg)が5℃以上40℃以下であるポリウレタンを含む被研磨物保持材。【選択図】なし

Description

本発明は、被研磨物を保持するために使用される被研磨物保持具、及び、これを構成する被研磨物保持材に関する。
磁気ディスク基板、光学レンズ、半導体ウェハ等の精密部品の平坦化処理方法として、対向する一対の上下定盤を有する研磨機の一方の定盤(保持定盤)に被研磨物、他方の定盤(研磨定盤)に研磨パッドを各々取り付け、保持定盤及び/又は研磨定盤を回転させるなどして被研磨面上に研磨パッドを摺動させる研磨方法が知られている。
この研磨方法においては、研磨中の被研磨物の位置ずれや被研磨物が硬い保持定盤と直接接触して傷つくことなどを防ぐために、通常、被研磨物と保持定盤との間に保持具が配置される。このような保持具を構成する保持材としては、一般に、ポリウレタンの発泡体が使用され、その表面を水で濡らして被研磨物を密着により吸着・保持している。
ところで、近年、研磨対象に、SiC基板、GaN基板、サファイア基板、ダイヤモンド基板などの硬質で研磨しにくい材質のもの(難削材)が含まれるようになってきたことや、研磨効率の向上のためなどにより、研磨の摺動速度(定盤の回転速度)が高速化し、研磨時に負荷される圧力も高圧化し、研磨熱もより多く発生し研磨面温度が50℃以上に達するようになってきている。
そのため、保持具には、そのような過酷な研磨条件においても被研磨物を強固に保持定盤に固定することが求められている。
このような要求に対しては、保持材に粘着材料を添加したり、保持具表面に粘着性樹脂層を設けるなどして保持面に粘着性を持たせることが検討されている(特許文献1、2)。
特開2002−355754号公報 特開2008−238348号公報
しかしながら、保持具の保持面に粘着性を付与した場合には、研磨中の保持力は上がる一方、研磨終了後に保持具から被研磨物を取り外す際には剥離しにくく、いわゆる糊残りのように保持具に構造破壊が起こり保持具の貼り替えを余儀なくされることもある。さらに、近年は被研磨物が薄型化しているため、保持具が剥離しにくいものであると、被研磨物を取り外す際に被研磨物に負荷がかかり破損してしまうこともある。
このように、被研磨物を保持する保持具を構成する保持材には、研磨中には被研磨物を強固に保持しながらも、研磨終了後には被研磨物を容易に取り外せるという、相反する2つの課題を両立することが求められるが実現されていない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、研磨中は被研磨物をしっかりと固定する高い保持力を有しながらも、研磨終了後、被研磨物を取り外す際には、保持具や被研磨物を破壊することなく容易に取り外しができる保持具を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく研究を行い、保持具は、研磨中は被研磨物から伝わる研磨熱によって温度が上昇するが、研磨終了後には再び常温に戻るということに気がついた。
そして、この現象を利用すべく鋭意検討した結果、保持具を構成する保持材として、ガラス転移温度(以下、「Tg」という。)が一般に保持材に使用されているポリウレタンのそれよりもかなり高い、具体的には、Tgが5℃以上40℃以下であるポリウレタンを用いれば、前述の研磨中に起こる温度上昇により保持材が適度に軟質化して被研磨物を強固に保持でき、しかも、研磨終了後、保持材の温度は下がるので、保持材は軟質化した状態から復元し、容易に被研磨物を取り外すことができるようになることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]ガラス転移温度(Tg)が5℃以上40℃以下であるポリウレタンを含む被研磨物保持材。
[2]熱伝導率が、0.05W/(m・K)以上である、[1]に記載の被研磨物保持材。
[3]50℃における貯蔵弾性率E50’に対する0℃における貯蔵弾性率E0’の比(E0’/E50’)が、10以上200以下である、[1]又は[2]に記載の被研磨物保持材。
[4]圧縮率(k)が、5%以上30%以下である、[1]〜[3]いずれかに記載の被研磨物保持材。
[5]前記ポリウレタンのガラス転移温度(Tg)(℃)と、前記圧縮率(k)(%)とが、下記の式(1)を満たす、[4]に記載の被研磨物保持材。
11≦Tg+0.6k≦44・・・・(1)
[6]前記ポリウレタンが発泡体である、[1]〜[5]いずれかに記載の被研磨物保持材。
[7]前記発泡体の気孔率が、0.30以上0.90以下である、[6]に記載の被研磨物保持材。
[8]前記発泡体が、独立気泡型発泡体である、[6]又は[7]に記載の被研磨物保持材。
[9][1]〜[8]いずれかに記載の被研磨物保持材からなる保持材層を有する被研磨物保持具。
[10]さらに、前記保持材層の上又は外側に、被研磨物の位置決めのための枠材を有する、[9]に記載の被研磨物保持具。
[11][9]又は[10]に記載の被研磨物保持具を用いて被研磨物の表面を研磨する工程を含む、精密部品の製造方法。
本発明によれば、高速、高圧下における研磨においても、被研磨物を定盤等にしっかりと固定することができ、しかも、研磨終了後には、被研磨物を容易に取り外すことのできる保持具を提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
1.被研磨物保持材
まず、本実施形態の被研磨物保持材(以下、単に「保持材」ということがある。)について説明する。
本実施形態において、保持材は、Tgが5℃以上40℃以下であるポリウレタンを含む。ここで、ポリウレタンとは、繰り返し単位の少なくとも一部にウレタン結合(−NHCOO−)を含む高分子をいう。
本実施形態において、保持材は、Tgが5℃以上40℃以下であるポリウレタンのみからなっていてもよいし、その保持力を妨げない範囲で他の成分を含有していてもよい。他の成分を含有する場合、保持材中に占める他の成分の合計量の割合に限定はないが、30質量%未満であってもよいし、10質量%未満であってもよいし、5質量%未満であってもよい。
(ポリウレタンのガラス転移温度(Tg))
本実施形態において、保持材に含まれるポリウレタンのTgは、5℃以上40℃以下である。
従来は、比較的温和な研磨条件で研磨が行われていたという事情もあり、Tgについてはあまり着目されておらず、一般にTgが本実施形態の範囲(5〜40℃)よりもかなり低い(具体的には−10℃〜−20℃程度)ポリウレタンの発泡体が利用されてきた。このようなTgの低いポリウレタン発泡体からなる保持材を、例えば、難削材の研磨のような高速、高圧下での過酷な研磨に使用した場合には、研磨熱によって保持材が柔らかくなりすぎ、上述のような適度な軟化による粘着力が発揮されないばかりでなく、研磨圧を受けて生じる可塑的な変形(所謂ヘタリ)等が起こり耐久性にも問題が生じる。さらに、保持材が被研磨物に融着し、研磨終了後に剥離が困難になるという問題もある。
これに対し、本実施形態においては、ポリウレタンのTgが上述のような範囲にあるため、研磨中に発生する研磨熱によって保持材が柔らかくなりすぎたり、逆に、保持材の硬さが変化せず硬いままであったりすることもなく、適度に軟化するため、軟化した保持材の粘着力・密着力で被研磨物を強固に保持でき、ヘタリ等も起こらず耐久性に優れ、しかも、研磨終了後の剥離時には被研磨物から容易に剥離することができる。
Tgは、研磨中の保持力と研磨終了後の剥離容易性のバランスの観点から、10℃以上30℃以下であることが好ましく、Tgは10℃以上20℃以下であることがより好ましい。
ポリウレタンのTgは、例えば、融点が高めの硬化剤の配合量を増やしたり、r値(プレポリマー中の末端イソシアネート基に対する硬化剤の活性水素基(アミノ基、水酸基等)の当量比)を高めに設定すること等により高めることができ、これにより、5℃以上40℃以下の範囲とすることができる。
上述のような融点が高めの硬化剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、芳香族系ポリアミン化合物(例えば、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(メチレンビス−o−クロロアニリン)(MOCA))やフタル酸系ポリエステルポリオールが挙げられ、これらにポリオール化合物(例えば、数平均分子量100〜2000のポリエチレングリコール(PEG)やポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG))を配合させた硬化剤組成物も好ましく用いることができる。
r値は、0.8以上であることが好ましく、0.9以上であることがより好ましい。但し、1.3を超えると弾性が損なわれ脆くなったり圧縮回復特性が低下することもあるので、上限は1.3以下とするのが好ましい。
NCO当量(イソシアネート(NCO)基1個当たりのプレポリマー(PP)の分子量を示す数値)が350〜550のウレタンプレポリマーと、融点の高い硬化剤とを反応させると、Tgの制御がしやすく、例えば、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、4,4’−メチレン−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)(水添MDI)等のポリイソシアネート化合物又はこれらの混合物と、ジエチレングリコール(DEG)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG)等のポリエーテルポリオール化合物とを反応させて得られるNCO当量が350〜550のウレタンプレポリマーと、芳香族系ポリアミン化合物(例えば、MOCA)やフタル酸系ポリエステルポリオールにポリオール化合物(例えば、数平均分子量100〜2000のPEGやPTMG)を配合した硬化剤組成物とを反応させると、Tgを容易に任意の値に制御することができ、好ましい。
本実施形態において、ポリウレタンのTgは、動的粘弾性測定(DMA)により、ポリウレタンの貯蔵弾性率(E’)と損失弾性率(E’’)の比であるtanδ=E’’/E’の温度依存性を測定し、tanδ−温度曲線においてピークを与える温度から求めることができる。
具体的な方法については、後述の実施例において詳述する。
(ポリウレタンの種類)
本実施形態において、使用するポリウレタンは、Tgが5℃以上40℃以下であれば、その種類に全く限定はなく、従来公知のポリウレタンを使用することができ、例えば、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、及び、ポリカーボネート系ポリウレタン等の熱可塑性ポリウレタンまたは熱硬化性ポリウレタンを好ましく用いることができる。
(保持材の20℃におけるtanδ)
本実施形態において、保持材の20℃におけるtanδは、保持力の観点から、0.40以上であることが好ましく、0.50以上であることがより好ましい。
保持材の20℃におけるtanδは、実施例に記載したようにして測定することができる。
(保持材のE0’/E50’)
本実施形態において、保持材の50℃における貯蔵弾性率E50’に対する0℃における貯蔵弾性率E0’の比(E0’/E50’)は、保持力の観点から、10以上200以下であることが好ましく、15以上180以下であることがより好ましく、20以上180以下であることがさらに好ましい。
保持材の各温度における貯蔵弾性率E’は、実施例に記載したようにして測定することができる。
(発泡体)
保持材中に発泡体が含まれていると、水等の液体で濡らした保持材と被保持物との間の密着性が向上するため、本実施形態において、Tgが5℃以上40℃以下であるポリウレタンは発泡体を構成していることが好ましい。該発泡体は、Tgが5℃以上40℃以下のポリウレタンのみからなっていてもよいし、他のポリウレタンやポリウレタン以外の樹脂(高分子化合物)(例えば、エポキシ樹脂等)や添加物(例えば、中空球状粒子(中空マイクロカプセル)、カーボンブラック等の顔料、重合反応を促進させる触媒、シリコン系界面活性剤等の整泡剤、ノニオン系界面活性剤等の助剤、水などの発泡剤等)を含有することもできる。
発泡体が、その他のポリウレタン、ポリウレタン以外の樹脂、添加物を含む場合、それらの含有量(質量)の合計は、Tgが5℃以上40℃以下であるポリウレタンの総量(質量)を上回らないことが好ましく、30質量%未満であることがより好ましく、10質量%未満であることがさらに好ましい。
(発泡体の密度)
本実施形態において、前述の発泡体の密度は、0.3g/cm3以上0.9g/cm3以下であることが好ましく、0.4g/cm3以上0.7g/cm3以下であることがより好ましい。
発泡体の密度は、例えば、実施例に記載したようにして測定することができる。
(発泡体の気孔率)
本実施形態において、前述の発泡体の気孔率(発泡体中に占める気孔の体積の割合)は、0.30以上0.80以下であることが好ましい。発泡体の気孔率がこのような範囲にあると、保持材の熱伝導率とクッション性のバランスが良好なものとなる。
このような観点から、発泡体の気孔率は、0.40以上0.70以下であることがより好ましく、0、50以上0.65以下であることがさらに好ましい。
発泡体の気孔率は、例えば、実施例に記載したようにして測定することができる。
(発泡体の気孔の形態)
本実施形態において、前述の発泡体の気孔の形態に限定はない。
しかしながら、保持材として、従来使用されている湿式成膜法で形成されたポリウレタン発泡体のように、気孔どうしが互いに連結した連続気泡型の発泡体を用いると、化学的機械的研磨(CMP)法のように研磨液(研磨粒子と酸化剤等をアルカリ溶液又は酸溶液に分散させたスラリ)を研磨パッドと被研磨物の間に供給する研磨を行う場合、スラリ成分が保持材層の側面や保持面から内部にまで浸入し、保持材が脆化したり、保持材層の内部でスラリが固化して保持材層の平坦度が害されることがある。特に、酸化剤を含むスラリを使用する場合においては、ポリウレタンが酸化されて著しい脆化を招くことがある。
したがって、発泡体中の気孔が互いに独立している独立気泡型の発泡体であることが好ましい。ここで、独立気泡型の発泡体とは、ASTM D2856に準じて測定した独立気泡率が60%以上の発泡体をいうものとする。
(発泡体の製造方法)
本実施形態において、前述の発泡体の製造方法に限定はない。もっとも、上述のような理由から、連続気泡が形成される、いわゆる湿式成膜法ではない方法で製造されることが好ましい。
例えば、ポリウレタンに中空マイクロカプセルを混合したり、特許第4624781号公報に開示されているような各種方法によって製造することもできる。
本実施形態においては、とりわけ、RIM(反応射出成形、Reaction Injection Molding)法で発泡体を製造すると、略球状の独立気泡を均一に形成しやすいことから好ましい。
ここで、RIM法とは、2種以上のモノマー等(モノマー、プレポリマー、硬化剤など)を金型内に混合射出し、或いは、2種以上のモノマー等を予め混合した混合物を金型内に射出し、金型内で重合反応、硬化反応を起こさせると同時に発泡させて、発泡成形体を得る方法である。
(熱伝導率)
本実施形態において、保持材の熱伝導率は、0.05W/(m・K)以上であることが好ましい。
一般に保持材に用いられるポリウレタン発泡体は、クッション性の付与という観点から気孔率が高く設定され、その結果、これを含む保持材の熱伝導率は低いものとなっている(概ね、0.02〜0.045W/(m・K)程度)。しかしながら、熱伝導率が低い発泡体を保持材に用いると、被研磨物から伝わる研磨熱が保持材の表面に留まり保持面のみが過度に軟質化して、保持面にある開放気孔が破壊され、またその結果、スラリが保持材内部に浸侵入する危険も高まる。研磨の高速化が進むと、研磨熱もより多く発生するため、この問題はより顕著になる。そのため、ポリウレタンの発泡体の熱伝導率は従来のものより高くすることが好ましい。
保持材の熱伝導率を0.05W/(m・K)以上とすると、研磨中に発生する研磨熱が保持材表面に留まることなく保持材から構成される層(保持材層)全体に伝わるため、保持材の表面破壊を防止することができると共に、保持材層全体が適度に軟質化し、研磨中の保持力を高めることもできる。
以上の観点から、保持材の熱伝導率は、0.065W/(m・K)以上であることがより好ましく、0.08W/(m・K)以上であることがさらに好ましい。また、保持材の熱伝導率の上限については特に限定はないが、保持具と保持定盤の接着性の低下や保持定盤の熱膨張による変形の防止という観点からは、1.0W/(m・K)以下であることが好ましい。
保持材の熱伝導率は、例えば、保持材を構成する材料中に金属粒子等の高熱伝導性材料を含有させたり、ポリウレタンの発泡体の気孔率を調整することなどによって、容易に上記範囲にすることができる。
(保持力(F))
本実施形態において、保持材の60℃における保持力(F)は、400〜2000gfであることが好ましく、700〜1500gfであることがより好ましい。保持力がこの範囲にあると、高速、高圧下での研磨においても研磨中に被研磨物の位置ずれが起こることがなく、また、研磨終了後に保持具から被研磨物を容易に取り外すことができる。
なお、保持材の保持力は、実施例に記載したようにして測定することができる。
(圧縮率(k))
本実施形態において、保持材の圧縮率(k)は、5%以上30%以下であることが好ましい。保持材の圧縮率がこのような範囲にあると、高い保持力が得られる。保持材の圧縮率(k)は、5%以上25%以下であることがより好ましく、8%以上20%以下であることがさらに好ましい。
保持材の圧縮率が高いと研磨圧によって保持材が適度に沈み込み、これにより摺動に対するズレを抑制することができるため、保持材の圧縮率は保持力の指標とされ、従来50%程度の高い圧縮率のものが使用されているが、圧縮率が高すぎると研磨の高速化、高圧化により、保持材の構造破壊が起きやすく、いわゆるヘタリが徐々に生じて、長時間の使用に耐えられなくなるという問題もある。本実施形態においては、研磨熱による保持材の軟質化により保持力が補われるため、5〜30%という比較的低い圧縮率でも、十分な保持力が得られる。
また、圧縮率をこのような範囲にすることで、被研磨物の薄膜化が進む中において、研磨温度が高くなっても、保持材への被研磨物の過度の沈み込みによる研磨レートの低下を抑制する効果も得られる。
保持材の圧縮率は、例えば、ポリウレタン中に存在するウレタン結合およびウレア結合の比率を高めたり、ポリウレタンが発泡体である場合にはその気孔率を下げたりすることによって容易に上記の範囲に制御することができ、また、例えば、実施例に記載したようにして測定することができる。
(Tgと圧縮率(k)の関係)
本発明者らは、本実施形態の保持材においては、その保持力に上記保持材の圧縮率(k)(%)とポリウレタンのTg(℃)のバランスが影響を及ぼしていることに気がつき、鋭意検討したところ、保持材の60℃における保持力(F)(gf)、ポリウレタンのTg(℃)及び保持材の圧縮率(k)(%)の間には、
F=Tg×49.487+k×30.215−161.77
という関係が成立していることを見出した。
したがって、両者が下記の式(1)を満たす場合、保持材の保持力は上述の好ましい範囲内になり、さらに、保持材の圧縮率(k)(%)とポリウレタンのTg(℃)とは式(2)を満たすものであることが好ましい。
11≦Tg+0.6k≦44・・・・(1)
17≦Tg+0.6k≦34・・・・(2)
(ショアA硬度)
本実施形態において、保持材のショアA硬度は、10°以上50°以下であることが好ましい。ショアA硬度がこのような範囲にあると、研磨を効率より行うことができる。
ショアA硬度は、10°以上40°以下であることがより好ましく、15°以上30°以下であることがさらに好ましい。
ショアA硬度は、A型硬度計(日本工業規格(JIS K 7311))を用いて測定される硬さであり、具体的には実施例に記載したようにして測定することができる。
(圧縮弾性率)
本実施形態において、保持材の圧縮弾性率は、80%以上100%以下であることが好ましい。保持材の圧縮率がこのような範囲にあると研磨を効率よく行うことができる。
このような観点から、保持材の圧縮率弾性率は、85%以上であることがより好ましく、88%以上であることがさらに好ましい。
保持材の圧縮弾性率は、例えば、実施例に記載したようにして測定することができる。
2.被研磨物保持具
次に、上記保持材により構成される被研磨物保持具について説明する。
(保持具の構成)
本実施形態において、保持具は、少なくとも、上述の保持材からなる保持材層を有する。
保持材層は、バルクの保持材から所望の厚みのシートを切り出し、必要に応じてバフ処理やスライス処理等によって厚みを均一化することにより製造することができる。
保持材層の厚みに限定はないが、通常は0.1mm以上5.0mm以下程度であり、好ましくは0.2mm以上1.5mm以下である。
保持具は、該保持材層単独で構成されていてもよいし、保持材層の保持面とは反対側に、基材やクッション層等の中間層が接合されていてもよい。基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が挙げられ、基材や中間層の接合には、例えば、アクリル系接着剤等の感圧型接着剤を使用することができる。
また、保持具の保持面とは反対側の面に、保持具を定盤に貼り付けるための粘着層(粘着テープ等)を設けてもよい。
保持具は、さらに、保持材層の保持面上又は保持材層の外側に、被研磨物の位置決めや被研磨物の飛び出し防止のための枠材を有していてもよい。このような枠材の具体例としては、例えば、被研磨物を挿入可能な、被研磨物よりもわずかに大きいサイズの開口が形成されたテンプレート等が挙げられる。
このような枠材の材質に限定はないが、硬質樹脂や繊維強化樹脂等が挙げられる。
3.研磨方法
次に、本実施形態の保持具を用いた研磨方法(精密部品の製造方法)について説明する。
研磨機としては、一対の定盤(保持定盤と研磨定盤)を有する片面研磨機を使用することができる。
片面研磨機の保持定盤に保持具を、保持定盤と対向するように配置された研磨定盤に研磨パッドを、各々装着する。そして、保持具の保持面に適量の水等の液体を霧吹きで吹き付けるなどして含ませた後、被研磨物(研磨前の磁気ディスク基板、光学レンズ、半導体ウェハ等の精密部品)の被研磨面と反対側の面を押し付けるなどして、保持具に被研磨物を吸着保持させる。本実施形態の保持具を用いた研磨方法においては、被研磨物の材質に制限はなく、例えば、SiC基板、GaN基板、サファイア基板、ダイヤモンド基板などの硬質で研磨しにくい材質のもの(難削材)の研磨にも適用できる。
そして、被研磨物を研磨パッドの方に所定の研磨圧にて押圧しながら研磨定盤ないし保持定盤を回転させることで、被研磨物を研磨する。研磨圧、及び、研磨定盤ないし保持定盤の回転速度に限定はないが、本実施形態の保持具(保持材)は、例えば、研磨圧が400gf/cm2以上(さらには、500gf/cm2以上)、研磨定盤ないし保持定盤の回転速度が70rpm以上(さらには、100rpm以上)といった、高圧、高速下の過酷な研磨条件にも耐え得る研磨耐久性を有している。
化学的機械的研磨法の場合には、さらに、研磨中に、被研磨物と研磨パッドとの間に砥粒(SiO2やCeO2等からなる研磨粒子)や酸化剤などの化学成分を含むスラリ(研磨スラリー)を供給する。
研磨終了後、被研磨物を保持具から取り外す。その際、保持具及び/又は被研磨物を冷却し、保持材を硬化させた後取り外すこともでき、その場合には、より被研磨物からの保持具の剥離性が良好となる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明の内容をより具体的に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(測定方法)
実施例及び比較例において採用した物性の測定方法及び評価方法について下記に示す。
1.保持材のtanδ(20℃)、ポリウレタンのガラス転移温度(Tg)(℃)
実施例、比較例で得られたポリウレタン発泡体から、試験片(10mm×5mm)を切り出し、動的粘弾性測定装置(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン株式会社製、RSA III」)を用いて下記条件で貯蔵弾性率(E’)、損失弾性率(E’’)及びこれらの比であるtanδ=E’’/E’の温度依存性を測定した。得られたtanδ−温度曲線においてピークを与える温度をTgとした。
[測定条件]
・試験方向:引張モード
・歪:1.0%(歪が1.0%になるように荷重を調整)
・周波数:10rad/sec=1.6Hz
・温度:−30〜150℃
2.発泡体の密度ρ(g/cm3
実施例、比較例で得られたポリウレタン発泡体から、試料片(10cm×10cm)を切り出し、電子天秤(型式メトラ−AJ−180)でその質量W0(g)を測定した。また、ダイヤルゲージ(最小目盛り0.01mm)を使用し、荷重300g/cm2をかけて、上記試料片の中央部と4隅の5箇所測定し最小目盛りの10分の1(0.001mm)まで読み取り、その平均値を厚みt(mm)とした。
このようにして測定した厚みt(mm)及び質量W0(g)から、以下の式により算出した。
密度(g/cm3)=W0/(t×10-1)/100
3.発泡体の気孔率
ポリウレタンの比重を1.2(g/cm3)とし、上記で得られた発泡体の密度ρ(g/cm3)から、以下の式により算出した。
気孔率=1−(ρ/1.2)
4.保持材層の厚みD(mm)
実施例、比較例の保持材層の厚みを、ダイヤルゲージ(最小目盛り0.01mm)を使用し、荷重300g/cm2をかけて測定した。縦10cm×横10cmの保持材層の中央部と4隅の5箇所測定し最小目盛りの10分の1(0.001mm)まで読み取り、その平均値を保持材層の厚み(mm)とした。
5.保持材の熱伝導率(W/(m・K))
B型精密迅速熱物性測定装置(カトーテック株式会社製:サーモラボII・KES−F7)を用いて測定した。
温度20℃×相対湿度65%の条件下(アンチルーム付恒温恒湿の部屋の中)で、水冷で20℃に維持されている定温台に、5(cm)×5(cm)に切り出した保持材層を載せ、ヒーターで30℃に保持した熱源台をその上に載せた(荷重6gf/cm2)。この状態で、熱源台の温度を30℃に保持するのに要する消費電力P(W)を測定し、4.において測定した保持材の厚みD(mm)、接触面積A=5×5(cm2)、試料面の温度差ΔT=10(K)から、以下の式により算出した。
熱伝導率(W/(m・K))=P・(D×10-3)/((A×10-4)・ΔT)
6.保持材の圧縮率(k)(%)
日本工業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して測定した。
具体的には、実施例、比較例の保持材層を初荷重300g/cm2で30秒間加圧した後の厚さt0、及び、最終圧力1800g/cm2のもとで5分間放置後の厚さt1を測定し、以下の式により算出した。
圧縮率(%)=(t0−t1)/t0×100
7.保持材の圧縮弾性率(%)
日本工業規格(JIS L 1021)に従い、ショッパー型厚さ測定器(加圧面:直径1cmの円形)を使用して測定した。
具体的には、実施例、比較例の保持材層を初荷重300g/cm2で30秒間加圧した後の厚さt0、最終圧力1800g/cm2のもとで5分間放置後の厚さt1、及び、全ての荷重を除き、5分間放置後、再び初荷重で30秒間加圧した後の厚さt0'を測定し、以下の式により算出した。
圧縮弾性率(%)=(t0'−t1)/(t0−t1)×100
8.保持材の貯蔵弾性率(E50’、E0’)
実施例、比較例の保持材層について、測定温度以外は「1.ポリウレタンのtanδ(20℃)、ガラス転移温度(Tg)(℃)」の測定方法と同様にして、0℃及び50℃における貯蔵弾性率(E’)を測定した。
9.保持材のショアA硬度(°)
実施例、比較例の保持材層から、試験片(10cm×10cm)を切り出し、複数枚の試験片を合計厚さが4.5mm以上となるように重ね(例えば、試験片の厚みが0.51mmの場合は、9枚の試験片を重ねた)、A型硬度計(日本工業規格、JIS K 7311)を用いて測定した。
10.保持材の保持力(gf)
実施例、比較例の保持材層から、90mm×30mmの長方形の試験片を切り出し、保持面に適量の水を吹き付け、適度に水切りをした後、約90mm×約40のガラス板の上に、夫々の長辺が平行となる向きに、試験片の半分の面積(45mm×30mm)が重なるようにずらして載せた。その上から100g/cm2の荷重をかけ、60℃にて30分間押し付けて吸着させた。次に、ガラス板の保持材側とは反対側の面に、ガラス板と同じサイズのクッション層入り両面テープを介して、引張用の治具をしっかり押し付けて貼り付けた。その後、引張用の治具をガラス基板とは反対側に引っ張り、ガラス板が保持材から引き離された際の引張荷重の最大値(gf)を読み取った。引張試験機としてTENSILON(株式会社オリエンテック製)を用いた。
上記操作を3回繰り返し、その3回の引張荷重の最大値を相加平均して保持力(gf)とした。
11.保持具の研磨耐久性
実施例、比較例の保持具から離型紙を剥離し、研磨定盤の所定位置に設置した。次いで、水張り吸着により保持具に被研磨物として2インチ径(厚さ0.42mm)サファイヤウェハを6枚保持した。被研磨物に対して、下記条件にて研磨加工を施す研磨試験を行った。
(研磨条件)
使用研磨機 :不二越機械工業社製 MCP−150X
研磨パッド :含浸不織布研磨パッド(フジボウ愛媛社製 品番:CL705B−203U−HM2)
ドレス条件:
ダイヤモンドドレス:MCX−G5291#100A/旭ダイヤモンド社製)
ドレス時間 :5分
ドレス圧 :22gf/cm2
回転数 :トップリング60rpm/定盤回転数60rpm
研磨条件:
荷重 :400gf/cm2
研磨速度 :トップリング70rpm/定盤回転数70rpm
スラリー :フジミインコーポレーテッド社製
コンポールEX3を水:スラリー=1:1(質量比)に希釈
スラリー流量 :600mL/分(循環)
研磨時間 :1時間/バッチ
(評価)
上記研磨後の保持具の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率100倍で観察し、研磨試験前と比較して下記評価基準により評価した。
(評価基準)
◎:保持材の保持表面に荒れ、構造変形、損傷は認められない。
○:保持材の保持表面に荒れが認められるものの、構造変形(押し跡等)、損傷は認められない。
×:保持材の保持表面に荒れが認められ、更に構造変形(押し跡等)または損傷が認められる。
××:保持材の保持表面に荒れが認められ、更に構造変形(押し跡等)と損傷が認められる。
12.保持具の研磨後剥離性
上記11.保持具の研磨耐久性と同様に、研磨試験を行った後、被研磨物を保持材から速やかに剥離する際の剥離のしやすさを、下記評価基準により評価した。
(評価基準)
◎:被研磨物に損傷を与えることなく容易に剥離できた。
○:やや剥離しにくかったものの、被研磨物に損傷を与えることなく剥離できた。
×:剥離しにくく、被研磨物の一部(6枚中2枚以下)が破損した。
××:剥離しにくく、被研磨物の一部(6枚中3枚以上)または全部が破損したか、保持材が損傷した。
次に、実施例及び比較例の保持材/保持具の製造方法について説明する。
(実施例1)
1.ポリウレタン発泡体の製造
ウレタンプレポリマーとして、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)390質量部、数平均分子量約650のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG650)559質量部、及び、ジエチレングリコール(DEG)51質量部を反応させて、イソシアネート含有量がNCO当量として417の末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを調製した。このウレタンプレポリマーを40℃に加熱し減圧下で脱泡して用いた。
硬化剤の第一成分として、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)(MOCA)を120℃で溶解させ、減圧下で脱泡したものを用いた。
硬化剤の第二成分として、減圧下で脱泡した数平均分子量約200のポリエチレングリコール(PEG200、三洋化成工業株式会社製)37質量部に、水を2.4質量部、触媒(N,N−dimethylpyridin−4−amine(DMAP)、広栄化学工業株式会社製)を1.4質量部、シリコーン系界面活性剤(SZ−1605、東レ・ダウコーニング株式会社製)を2.4質量部ずつ、それぞれ添加し撹拌混合したものを用いた。
硬化剤の第三成分として、数平均分子量1000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール(PTMG1000、三菱化学株式会社製)42.6質量部を50℃に加熱し減圧下で脱泡したものを使用した。
ウレタンプレポリマー:硬化剤第一成分:硬化剤第二成分:硬化剤第三成分を質量比で1000:121:432:426の割合となるように混合し、得られた混合液を80℃に予熱した型枠に注型し硬化させた後、形成されたポリウレタン発泡体を型枠から抜き出した。
2.保持材層の製造
得られた発泡体を厚さ1.2mmにスライスしてシートを作製し、保持材層を得た。
3.保持具の製造
得られた保持材層の片面に両面テープ(PET基材の両面にアクリル系樹脂からなる接着層を有し、更に片面に剥離紙を有する)を、剥離紙とは反対側の接着層で貼り合わせ、保持具を得た。
(実施例2、3、比較例1)
硬化剤の第一、第二、第三成分に用いたMOCA、PEG200、PTMG1000、水、DMAP、及びSZ−1605の量と各成分の質量比を表1のように変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2、3及び比較例1の保持材/保持具を製造した。
(実施例4)
硬化剤の第一成分として、フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業株式会社製マキシモールRDK−133)を50℃に加熱し減圧下で脱泡したものを用いた。
硬化剤の第二成分として、減圧下で脱泡したPTMG1000の39部に、水を1.4部、触媒(DMAP)を1.3部、シリコーン系界面活性剤(SZ−1605)を2.1部ずつ、それぞれ添加し撹拌混合したものを用いた。
ウレタンプレポリマー:硬化剤第一成分:硬化剤第二成を質量比で1000:387:44の割合となるように混合した混合液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4の保持材/保持具を製造した。
(比較例2)
硬化剤の第一成分として、フタル酸系ポリエステルポリオール(川崎化成工業株式会社製マキシモールRDK−133)を50℃に加熱し減圧下で脱泡したものを用いた。
硬化剤の第二成分として、減圧下で脱泡したPEG200の37部に、水を2.4部、触媒(DMAP)を1.3部、シリコーン系界面活性剤(SZ−1605)を2.4部ずつ、それぞれ添加し撹拌混合したものを用いた。
硬化剤の第三成分として、PTMG1000を50℃に加熱し減圧下で脱泡したものを使用した。
ウレタンプレポリマー:硬化剤第一成分:硬化剤第二成分:硬化剤第三成分を質量比で1000:171:43:399の割合となるように混合した混合液を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2の保持材/保持具を製造した。
(比較例3)
ポリウレタン発泡体として、湿式成膜法によって得た従来の保持材であるフジボウ愛媛(株)製の保持材(商品名「POLYPAS」バッキングパッド)を比較例3の保持材とした。
実施例1〜4、比較例1〜3の保持材/保持具についての測定、評価結果を表1に示す。
表1より、Tgが5〜40℃の範囲にあるポリウレタンの発泡体を含む保持材(これを用いた保持具)は、高い保持力と良好な研磨後剥離性を両立し、しかも研磨耐久性にも優れていることが確認できた。
本発明の被研磨物保持材及び保持具は、磁気ディスク基板、光学レンズ、半導体ウェハ等の精密部品を研磨加工するために使用でき、特に、化学的機械的研磨(CMP)法を採用した研磨加工に適している。
とりわけ、SiC基板、GaN基板、サファイア基板、ダイヤモンド基板等の難削材を研磨対象とする高速、高圧下での研磨加工に適している。

Claims (11)

  1. ガラス転移温度(Tg)が5℃以上40℃以下であるポリウレタンを含む被研磨物保持材。
  2. 熱伝導率が、0.05W/(m・K)以上である、請求項1に記載の被研磨物保持材。
  3. 50℃における貯蔵弾性率E50’に対する0℃における貯蔵弾性率E0’の比(E0’/E50’)が、10以上200以下である、請求項1又は2に記載の被研磨物保持材。
  4. 圧縮率(k)が、5%以上30%以下である、請求項1〜3いずれか1項に記載の被研磨物保持材。
  5. 前記ポリウレタンのガラス転移温度(Tg)(℃)と、前記圧縮率(k)(%)とが、下記の式(1)を満たす、請求項4に記載の被研磨物保持材。
    11≦Tg+0.6k≦44・・・・(1)
  6. 前記ポリウレタンが発泡体である、請求項1〜5いずれか1項に記載の被研磨物保持材。
  7. 前記発泡体の気孔率が、0.30以上0.90以下である、請求項6に記載の被研磨物保持材。
  8. 前記発泡体が、独立気泡型発泡体である、請求項6又は請求項7に記載の被研磨物保持材。
  9. 請求項1〜8いずれか1項に記載の被研磨物保持材からなる保持材層を有する被研磨物保持具。
  10. さらに、前記保持材層の上又は外側に、被研磨物の位置決めのための枠材を有する、請求項9に記載の被研磨物保持具。
  11. 請求項9又は10に記載の被研磨物保持具を用いて被研磨物の表面を研磨する工程を含む、精密部品の製造方法。
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