JP2010193208A - 水晶発振回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 水晶振動子XL の一端とトランジスタQのベースとの間に伸長コイルL1 が挿入された水晶発振回路であって、水晶振動子XL に並列に付加容量Cx を接続し、水晶振動子XL の他端に接続するコンデンサC1 、ベースに接続するコンデンサC2 を可変コンデンサとし、伸長コイルL1 とベースの間に可変コンデンサC3 を設け、これら可変コンデンサを温度補償電圧発生回路3で制御する水晶発振回路である。
【選択図】 図1
Description
[一般的な水晶発振回路:図13]
一般的な水晶発振回路について図13を参照しながら説明する。図13は、一般的な水晶発振回路の回路図である。
図13に示すように、一般的な水晶発振回路は、特定の周波数を発振する水晶振動子XL と、水晶振動子XL の一端がベースに接続し、発振された周波数を増幅するトランジスタQと、トランジスタQのコレクタには発振回路電源が抵抗R2 を介して接続し、コレクタは抵抗R1 を介してベースに接続し、またコレクタが水晶振動子XL の他端に接続し、当該他端はコンデンサC1 の一端が接続すると共に他端が接地され、トランジスタQのベースはコンデンサC2 の一端が接続すると共の他端が接地され、トランジスタQのエミッタは接地されている。
図13の回路の等価回路を図14に示す。図14は、一般的な水晶発振回路の等価回路の図である。
図14(a)に示すように、左側が水晶振動子(Crystal unit)XL であり、右側が負荷容量CL と負性抵抗−Rの直列接続の発振回路(Oscillator)である。
また、以下の説明では、CL を負荷容量とし、XL を水晶振動子のリアクタンスとし、RL を負荷時共振抵抗として用いる。
共振条件現象(位相=0°)の時、発振回路側は容量性となり、水晶振動子側は誘導性となる。
水晶振動子XL とトランジスタQのベースとの間に、伸長コイルを挿入した場合(発振回路側に伸長コイルを挿入した場合)、発振回路側が誘導性となり、水晶振動子の並列容量C0 と誘導性となった発振回路側とが共振することがある。
図15に示すように、図13との相違点は、水晶振動子XL とトランジスタQのベースとの間に、伸長コイルを挿入したことである。
また、図15の等価回路について図14と同様に表した図を図16に示す。図16は、伸長コイルを挿入した水晶発振回路の等価回路の図である。
図16(a)の左側が水晶振動子であり、右側がインダクタL1 と負性抵抗−Rの直列接続の発振回路である。
尚、図15で用いた容量C1 、抵抗R1 、伸長コイルL1 と、図16(b)の直列容量C1 、直列抵抗R1 、直列インダクタンスL1 とは、便宜上同じ符号を用いたが、容量値、抵抗値、インダクタンスの値は異なっている。
図15の発振回路の特性について図17を参照しながら説明する。図17は、伸長コイル挿入の水晶発振回路の利得、位相特性を示す図である。
図17において、上側の図は周波数に対する利得特性を示すもので、横軸が周波数、縦軸が利得を示している。また、図17の下側の図は周波数に対する位相特性を示すもので、横軸が周波数、縦軸が位相を示している。
従って、位相反転2のポイント(具体的には、1.2GHz付近の高域の周波数)で、発振してしまうことになり、本来想定する水晶発振点となる位相反転1のポイント以外のポイントで発振するという不具合が発生することになる。
尚、関連する先行技術として、特開平04−137805号公報「水晶発振回路」(出願人:フアナツク株式会社)がある(特許文献1)。
特許文献1には、CMOSインバータMを使用して構成されるコルピッツ型水晶発振回路において、水晶振動子XL の両端に第3のキャパシタCx が並列接続されている。
この水晶発振回路は、目的とする周波数以外の周波数において、安定した発振状態となることがないようにしたものである。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る水晶発振回路は、水晶振動子の出力側とトランジスタのベースとの間に伸長コイルが挿入された構成において、水晶振動子に並列に付加容量を接続するようにしたものであり、水晶振動子の直列アームでの発振を確実に行わせ、本来の発振周波数以外における無用な発振を抑えることができる。
本発明の実施の形態に係る水晶発振回路について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る水晶発振回路の回路図である。
本発明の実施の形態に係る水晶発振回路(第1の水晶発振回路)は、図1に示すように、特定の周波数を発振する水晶振動子XL と、水晶振動子XL で発振された周波数を増幅するトランジスタQと、水晶振動子XL の一端が接続し、他端がトランジスタQのベースに接続する伸長コイルL1 と有し、トランジスタQのコレクタには発振回路電源が抵抗R2 を介して接続し、コレクタは抵抗R1 を介してベースに接続し、またコレクタが水晶振動子XL の他端に接続し、当該他端はコンデンサC1 の一端が接続すると共に他端が接地され、トランジスタQのベースはコンデンサC2 の一端が接続すると共の他端が接地され、トランジスタQのエミッタは接地され、水晶振動子XL に並列に付加容量(付加コンデンサ)Cx が接続されている。
次に、図1における水晶振動子の等価回路について図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る水晶振動子の等価回路の図である。
水晶振動子の等価回路は、図2に示すように、直列アームとして、コイルL1 と、コンデンサC1 と、抵抗R1 とが直列に接続されており、並列アームとして、コンデンサC0 が直列アームに並列に接続されている。
次に、第1の水晶発振回路の特性について、図3を参照しながら説明する。図3は、実施の形態に係る発振回路の利得、位相特性を示す図である。
図3に示すように、発振条件は、位相反転のポイントで利得が1以上であるため、発振するのは、位相反転1のポイントのみであり、それ以外で発振しないものとなっている。
これは、付加コンデンサCx を設けたことにより、位相特性をずらして共振しないようにしたためである。
そして、第1の水晶発振回路のように、水晶振動子XL の入出力端子に容量(コンデンサ)Cx を付加した時の特性について、図4を参照しながら説明する。図4は、容量Cx を付加した時の利得特性、位相特性を示す図である。
図4には、容量(付加コンデンサ)Cx の値を0〜1.0pFに変化させた場合の利得特性と位相特性が示されている。
尚、並列アームのコンデンサC0 (C
para)を0.5pFとした場合である。
周波数が640MHz近辺で直列アーム(L1 R1 C1 )による位相反転が発生し、本来の目的とする発振が為される。
また、付加コンデンサが設けられていても、0〜0.3pFの小さい値であれば、まだ、別のポイントで位相反転があり、別の周波数で発振してしまう。
次に、本発明の実施の形態に係る第2〜5の水晶発振回路の構成について、図5〜8を参照しながら説明する。図5は、第2の水晶発振回路の回路図であり、図6は、第3の水晶発振回路の回路図であり、図7は、第4の水晶発振回路の回路図であり、図8は、第5の水晶発振回路の回路図である。
尚、第2〜5の水晶発振回路は、出力段にアンプ1と、出力端子OUT1,OUT2を備える出力ドライバ2が設けられている。
第3の水晶発振回路は、図6に示すように、コンデンサC2 を可変容量(可変コンデンサ)とし、発振回路における発振周波数を調整可能としたものである。
第4の水晶発振回路は、図7に示すように、コンデンサC1 及びC2 を可変容量(可変コンデンサ)とし、発振回路における発振周波数を調整可能としたものである。
ここで、可変コンデンサは、外部からの電圧によって周波数を可変にするバリキャップダイオードを使用する。
また、第5の水晶発振回路における容量C1 又はC2 の一方、若しくは容量C1 及びC2 の双方を可変容量(可変コンデンサ)として、発振回路における発振周波数を調整可能としてもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る第6〜9の水晶発振回路の構成について、図9〜12を参照しながら説明する。図9は、第6の水晶発振回路の回路図であり、図10は、第7の水晶発振回路の回路図であり、図11は、第8の水晶発振回路の回路図であり、図12は、第9の水晶発振回路の回路図である。
尚、第6〜9の水晶発振回路は、出力段にアンプ1と、出力端子OUT1,OUT2を備える出力ドライバ2が設けられている。
温度補償電圧発生回路3は、回路内の温度を検出し、検出した温度に応じて発振周波数が一定となるよう可変コンデンサを制御する。
具体的には、温度補償電圧発生回路3で検出された温度がΔtだけ変動すれば、通常周波数がΔf変動するため、Δfの変動分を抑えるよう可変コンデンサを制御する。
第7の水晶発振回路は、図10に示すように、コンデンサC2 を可変容量(可変コンデンサ)とし、当該可変コンデンサの容量を温度補償電圧発生回路3により制御して、発振回路における発振周波数の安定化を図るものである。
第8の水晶発振回路は、図11に示すように、コンデンサC1 及びC2 を可変容量(可変コンデンサ)とし、当該2つの可変コンデンサの容量を温度補償電圧発生回路3により制御して、発振回路における発振周波数の安定化を図るものである。
ここで、可変コンデンサは、外部からの電圧によって周波数を可変にするバリキャップダイオードを使用する。
また、第9の水晶発振回路における容量C1 又はC2 の一方、若しくは容量C1 及びC2 の双方を可変容量(可変コンデンサ)として、これら可変コンデンサの容量を温度補償電圧発生回路3により制御して、発振回路における発振周波数を調整可能としてもよい。
第1の水晶発振回路によれば、水晶振動子XL の出力側とトランジスタQのベースとの間に伸長コイルL1 が挿入された構成において、水晶振動子XL に並列に付加容量Cx を接続することで、水晶振動子における直列アームでの発振を確実に行わせ、本来の発振周波数以外における無用な発振を抑えることができる効果がある。
特に、負荷容量Cx の値は、0.4pF以上が効果的である。
Claims (6)
- 特定の周波数を発振する水晶振動子と、前記水晶振動子で発振された周波数を増幅するトランジスタとを有する水晶発振回路であって、
前記水晶振動子の一端と前記トランジスタのベースとの間に伸長コイルが接続され、前記トランジスタのコレクタは第1の抵抗を介して前記ベースに接続され、前記コレクタには発振回路電源が第2の抵抗を介して接続され、前記コレクタが前記水晶振動子の他端に接続され、当該他端は第1のコンデンサの一端が接続すると共に他端が接地され、前記トランジスタのベースには第2のコンデンサの一端が接続すると共の他端が接地され、前記トランジスタのエミッタは接地され、前記水晶振動子に並列に付加コンデンサが接続されることを特徴とする水晶発振回路。 - 第1のコンデンサを可変コンデンサとしたことを特徴とする請求項1記載の水晶発振回路。
- 第2のコンデンサを可変コンデンサとしたことを特徴とする請求項1記載の水晶発振回路。
- 第1のコンデンサ及び第2のコンデンサの双方を可変コンデンサとしたことを特徴とする請求項1記載の水晶発振回路。
- 回路内の温度を検出し、検出した温度の変動に応じて発振周波数が一定となるよう可変コンデンサに対する制御電圧を発生させる温度補償電圧発生回路を有することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか記載の水晶発振回路。
- 付加コンデンサの値を0.4pF以上としたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の水晶発振回路。
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