JP2010190804A - 動脈硬化改善・予防効果の評価方法及び評価用キット、並びに、物質のスクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】動脈硬化を発症している動物又は将来の発症リスクが高い動物に被験物質を摂取させ、該動物の体液中における特定のマーカー物質の濃度を基準値と比較し、被験物質が有する動脈硬化の改善効果又は将来の発症リスクの低減効果を評価する。マーカー物質は2種以上を組み合わせて用いる。マーカー物質に対する親和性を有する物質を固定化した担体にマーカー物質を捕捉して、体液中のマーカー物質の濃度を算出する構成が推奨される。該評価方法を用いる物質のスクリーニング方法、該評価方法を簡便に行うことができるキットも提供される。
【選択図】図1
Description
(MA1)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約5200のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
(MA2)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、質量分析に供すると質量/電荷比が約6830のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
(MA3)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約7000のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
(MA4)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約7090のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
(MA5)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約7560のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、及び
(MA6)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約8720のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
からなる群より選ばれた少なくとも1種のマーカー物質の濃度、並びに、
下記(MB1)〜(MB2):
(MB1)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、質量分析に供すると質量/電荷比が約4240のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、及び
(MB2)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、質量分析に供すると質量/電荷比が約5070のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
からなる群より選ばれた少なくとも1種のマーカー物質の濃度を基準値と比較し、被験物質が有する動脈硬化の改善効果又は将来の発症リスクの低減効果を評価することを特徴とする動脈硬化改善・予防効果の評価方法である。
(a)マーカー物質(MA1)はアポリポタンパク質A2の断片である、
(b)マーカー物質(MA2)はアポリポタンパク質C1の断片である、
(c)マーカー物質(MA3)はアポリポタンパク質C1である、
(d)マーカー物質(MA6)はアポリポタンパク質A2である、
(e)マーカー物質(MB1)はα1−アンチトリプシン1−1の断片である、
(f)マーカー物質(MB2)はアポリポタンパク質A2の断片である。
(NA1):配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、
(NA2):配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、
(NA3):配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、及び
(NA4):配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、
からなる群より選ばれた少なくとも1種のマーカー物質の濃度、並びに、
下記(NB1)〜(NB2):
(NB1):配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、及び
(NB2):配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、
からなる群より選ばれた少なくとも1種のマーカー物質の濃度を基準値と比較し、被験物質が有する動脈硬化の改善効果又は将来の発症リスクの低減効果を評価することを特徴とする動脈硬化改善・予防効果の評価方法である。
(MA1)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約5200のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
(MA2)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、質量分析に供すると質量/電荷比が約6830のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
(MA3)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約7000のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
(MA4)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約7090のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
(MA5)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約7560のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、及び
(MA6)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約8720のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
からなる群より選ばれた少なくとも1種のマーカー物質の濃度、並びに、
下記(MB1)〜(MB2):
(MB1)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、質量分析に供すると質量/電荷比が約4240のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、及び
(MB2)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、質量分析に供すると質量/電荷比が約5070のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
からなる群より選ばれた少なくとも1種のマーカー物質の濃度を基準値と比較し、被験物質が有する動脈硬化の改善効果又は将来の発症リスクの低減効果(以下、「動脈硬化の改善等効果」と称することがある。)を評価する。以下、(MA1)〜(MA6)からなるマーカー物質の群を「MA群」、(MB1)〜(MB2)からなるマーカー物質の群を「MB群」と称することがある。
(a)マーカー物質(MA1)はアポリポタンパク質A2の断片である、
(b)マーカー物質(MA2)はアポリポタンパク質C1の断片である、
(c)マーカー物質(MA3)はアポリポタンパク質C1である、
(d)マーカー物質(MA6)はアポリポタンパク質A2である、
(e)マーカー物質(MB1)はα1−アンチトリプシン1−1の断片である、
(f)マーカー物質(MB2)はアポリポタンパク質A2の断片である。
(NA1):配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、
(NA2):配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、
(NA3):配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、及び
(NA4):配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、
からなる群より選ばれた少なくとも1種のマーカー物質の濃度、並びに、
下記(NB1)〜(NB2):
(NB1):配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、及び
(NB2):配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、
からなる群より選ばれた少なくとも1種のマーカー物質の濃度を基準値と比較し、被験物質が有する動脈硬化の改善効果又は将来の発症リスクの低減効果を評価する。以下、(NA1)〜(NA4)からなるマーカー物質の群を「NA群」、(NB1)〜(NB2)からなるマーカー物質の群を「NB群」と称することがある。
(1)動脈硬化未発症・低リスク動物に、普通食又は被験物質を摂取させる群(正常値を示す群)、
(2)動脈硬化発症・高リスク動物に、「動脈硬化の改善等効果を有さない既知物質」を摂取させる群(異常値を示す群)、及び、
(3)動脈硬化発症・高リスク動物に被験物質を摂取させる群、
の計3群を設定し、動物を飼育する。そして、各動物の体液中の上記マーカー物質を測定し、各測定値を比較する。このとき、(1)と(2)とで有意差があり、(3)と(2)とで有意差があり、かつ(3)が(2)に比べて正常側((1)に近い側)である場合(正常側に維持された場合)に、当該被験物質が「動脈硬化の改善等効果を有する」と評価することができる。
(4)動脈硬化発症・高リスク動物に、「動脈硬化の改善等効果を有する既知物質」を摂取させる群、
の動物における値(陽性対照)を加えることもできる。具体的には、上記(1)〜(3)に加えて、上記(4)の群を設定し、動物を飼育する。このとき、(1)と(2)とで有意差があり、(3)と(2)とで有意差があり、かつ(3)が(2)に比べて正常側((1)及び(4)に近い側)である場合に、当該被験物質が「動脈硬化の改善等効果を有する」と評価することができる。すなわち、このような被験物質は、(4)で採用した上記既知物質と同様の挙動を示し、同様の作用を有する物質といえる。
(1)弱陽イオン交換基板:1枚以上
(2)強陰イオン交換基板:1枚以上
(3)基板洗浄用バッファーA(pH3.0):適量
(4)基板洗浄用バッファーB(pH9.0):適量
(5)各マーカー物質の標準品:各適量
動脈硬化発症モデル動物としてアポE欠損マウス(The Jackson Laboratory社)、正常動物としてC57BL/6J系統マウス(日本チャールス・リバー社。以下、単に「正常マウス」と略記する。)を採用した。また、与える飼料としてCE−2(日本クレア社。以下、単に「通常飼料」と略記する。)と、アゼルニジピンを0.006%(3mg/kg体重に相当)含有するCE−2(以下、単に「アゼルニジピン含有飼料」と略記する。)を採用した。アゼルニジピンとしては、カルブロック(登録商標、三共株式会社製)を採用した。
第1群:正常マウスを通常飼料で飼育
第2群:アポE欠損マウスを通常飼料で飼育
第3群:アポE欠損マウスをアゼルニジピン含有飼料で飼育
第4群:正常マウスをアゼルニジピン含有飼料で飼育
すなわち、第1群は動脈硬化を発症しない群、第2群は動脈硬化を発症する群、第3群は動脈硬化の発症が抑制される群、に相当する。第4群はアゼルニジピンの作用検証用の群である。
採取した各体液試料20μLに、変性バッファー(9M 尿素、2% CHAPS、50mM Tris−HCl(pH9.0))30μLを加えて前処理を行い、タンパク質を変性させた。次に、前処理した各体液試料を強陰イオン交換樹脂カラム(Q−Sepharose、GEヘルスケア社)にアプライした。次いで、pH9.0の緩衝液(50mM Tris−HCl(pH9.0)、0.1%(w/v)1−o−N−オクチル−β−D−グルコピラノシド(以下、「OGP」と称する。))、pH5.0の緩衝液(100mM 酢酸ナトリウム(pH5.0)、0.1%(w/v)OGP)、pH3.0の緩衝液(50mM クエン酸ナトリウム(pH3.0)、0.1%(w/v)OGP)、及び有機溶媒(0.1%トリフルオロ酢酸、50.0%アセトニトリルからなる混合液)各200μLで順に溶出させ、画分1(pH9.0で溶出、素通り)、画分2(pH5.0で溶出)、画分3(pH3.0で溶出)、画分4(有機溶媒で溶出)の4つの粗分画画分を得た。
第1群と第2群との間でイオン強度に有意差がある(p<0.05)。
(2)アゼルニジピン効果検証
第2群と第3群との間でイオン強度に有意差があり(p<0.05)、かつ第3群の値の方が第2群の値よりも第1群の値に近い(第3群の値が第1群側に復帰している)。
(3)増減パターン解析
第2群のみが高値または低値を示し、第1群、第3群および第4群の間ではあまり差がない。なお、第3群と第4群との間に差があっても、第4群の値の方が第3群の値よりも第2群から離れている場合には本条件を満たすものとして取り扱う。
アゼルニジピンの代わりに紅花種子抽出物を用いて第3群と第4群を設定し、同様の動物実験を行った。第3群と第4群に与える飼料(紅花種子抽出物含有飼料)として、紅花種子抽出物を2%(1000mg/kg体重に相当)含有する通常飼料を採用した。血漿の採取は飼育13週目とした。上記(1)〜(3)の条件を指標として9個の候補ピークを1次選抜した。
アゼルニジピンの代わりに発酵乳を用いて第3群と第4群を設定し、同様の動物実験を行った。第3群と第4群に与える飼料(発酵乳含有飼料)として、発酵乳を10%(5g/kg体重に相当)含有する通常飼料を採用した。血漿の採取は飼育13週目とした。上記(1)〜(3)の条件を指標として5個の候補ピークを1次選抜した。
1次選抜された各候補ピークを比較し、アゼルニジピン摂取で増減するピーク6種(MA群;MA1〜MA6)と、アゼルニジピン摂取で増減しないピーク2種(MB群;MB1〜MB2)の計8種を最終選抜した。
第3群と第4群にアゼルニジピン又は紅花種子抽出物を摂取させたときの画分3(pH3.0)を弱陽イオン交換チップCM10に接触させ、pH3.0のプロテインチップ結合バッファーで洗浄してSELDI−TOF−MS(EAM:SPA−L)を行なった場合に、質量/電荷比が5200(平均値)のイオンピークが検出された。増減パターン解析の結果、本ピークは第1群、第3群および第4群で高値を示し、第2群で低値を示した(グループ2)。図1(a),図1(b)に、各群に分けて本ピークのピーク強度をプロットした場合の箱髭図を示す。図1(a)はアゼルニジピン、図1(b)は紅花種子抽出物を、第3群と第4群に摂取させた場合を示す。図中、髭の上端と下端はそれぞれ最大値と最小値、箱の上辺と下辺はそれぞれ第3四分位(75パーセンタイル)と第1四分位(25パーセンタイル)、箱の中の線は中央値である(図2以降も同じ)。その結果、本ピークのp値は0.0002(アゼルニジピン;第1群vs第2群)、0.008(アゼルニジピン;第2群vs第3群)、0.006(紅花種子抽出物;第1群vs第2群)、0.027(紅花種子抽出物;第2群vs第3群)であった。なお、マーカー物質(MA1)は発酵乳摂取で増減しないものであった。
・第3群と第4群への摂取:アゼルニジピン又は発酵乳
・質量/電荷比:6832(平均値)
・画分:画分3(pH3.0)
・プロテインチップ:強陰イオン交換チップQ10
・プロテインチップ結合バッファー:pH9.0
・EAM:SPA−L
・増減パターン:第1,3,4群で低値、第2群で高値(グループ1)
・p値(発酵乳;第1群vs第2群):0.0002
・p値(発酵乳;第2群vs第3群):0.0007
・紅花種子抽出物摂取で増減しない
・箱髭図:図2
図2の各箱髭図において、(a)はアゼルニジピン、(b)は発酵乳を、第3群と第4群に摂取させた場合を示す。
・第3群と第4群への摂取:アゼルニジピン又は発酵乳
・質量/電荷比:7004(平均値)
・画分:画分4(有機溶媒)
・プロテインチップ:弱陽イオン交換チップCM10
・プロテインチップ結合バッファー:pH3.0
・EAM:SPA−L
・増減パターン:第1,3,4群で低値、第2群で高値(グループ1)
・p値(アゼルニジピン;第1群vs第2群):0.0002
・p値(アゼルニジピン;第2群vs第3群):0.004
・p値(発酵乳;第1群vs第2群):0.0002
・p値(発酵乳;第2群vs第3群):0.001
・紅花種子抽出物摂取で増減しない
・箱髭図:図3
図3の各箱髭図において、(a)はアゼルニジピン、(b)は発酵乳を、第3群と第4群に摂取させた場合を示す。
・第3群と第4群への摂取:アゼルニジピン
・質量/電荷比:7093(平均値)
・画分:画分3(pH3.0)
・プロテインチップ:強陰イオン交換チップQ10
・プロテインチップ結合バッファー:pH9.0
・EAM:SPA−L
・増減パターン:第1,3,4群で高値、第2群で低値(グループ2)
・p値(アゼルニジピン;第1群vs第2群):0.0002
・p値(アゼルニジピン;第2群vs第3群):0.0002
・紅花種子抽出物摂取、発酵乳摂取で増減しない
・箱髭図:図4
・第3群と第4群への摂取:アゼルニジピン
・質量/電荷比:7562(平均値)
・画分:画分3(pH3.0)
・プロテインチップ:弱陽イオン交換チップCM10
・プロテインチップ結合バッファー:pH3.0
・EAM:CHCA
・増減パターン:第1,3,4群で高値、第2群で低値(グループ2)
・p値(アゼルニジピン;第1群vs第2群):0.0002
・p値(アゼルニジピン;第2群vs第3群):0.0009
・紅花種子抽出物摂取、発酵乳摂取で増減しない
・箱髭図:図5
・第3群と第4群への摂取:アゼルニジピン又は紅花種子抽出物
・質量/電荷比:8723(平均値)
・画分:画分1(pH9.0)
・プロテインチップ:弱陽イオン交換チップCM10
・プロテインチップ結合バッファー:pH3.0
・EAM:SPA−L
・増減パターン:第1,3,4群で高値、第2群で低値(グループ2)
・p値(アゼルニジピン;第1群vs第2群):0.0007
・p値(アゼルニジピン;第2群vs第3群):0.028
・p値(紅花種子抽出物;第1群vs第2群):0.0001
・p値(紅花種子抽出物;第2群vs第3群):0.006
・発酵乳摂取で増減しない
・箱髭図:図6
図6の各箱髭図において、(a)はアゼルニジピン、(b)は紅花種子抽出物を、第3群と第4群に摂取させた場合を示す。
・第3群と第4群への摂取:紅花種子抽出物
・質量/電荷比:4239(平均値)
・画分:画分3(pH3.0)
・プロテインチップ:強陰イオン交換チップQ10
・プロテインチップ結合バッファー:pH9.0
・EAM:CHCA
・増減パターン:第1,3,4群で低値、第2群で高値(グループ1)
・p値(紅花種子抽出物;第1群vs第2群):0.00004
・p値(紅花種子抽出物;第2群vs第3群):0.015
・アゼルニジピン摂取、発酵乳摂取で増減しない
・箱髭図:図7
・第3群と第4群への摂取:紅花種子抽出物
・質量/電荷比:5065(平均値)
・画分:画分3(pH3.0)
・プロテインチップ:弱陽イオン交換チップCM10
・プロテインチップ結合バッファー:pH3.0
・EAM:CHCA
・増減パターン:第1,3,4群で高値、第2群で低値(グループ2)
・p値(紅花種子抽出物;第1群vs第2群):0.00004
・p値(紅花種子抽出物;第2群vs第3群):0.002
・アゼルニジピン摂取、発酵乳摂取で増減しない
・箱髭図:図8
強陰イオン交換樹脂Q−Sepharose HP(GEヘルスケア社)を充填したカラム(1mL)を平衡化バッファー(50mM Tris−HCl pH9.0,1M 尿素,0.22% CHAPS)にて平衡化した。C57BLマウス血清(清水実験材料社)500μLに対して変性バッファー(50mM Tris−HCl pH9.0,9M 尿素,2% CHAPS)を750μL加えて4℃で20分間変性処理した。変性処理したサンプルを12,000G、4℃で10分間遠心し、0.45μmのフィルターでろ過した後、平衡化した前記カラムに添加した。50mM Tris−HCl(pH9.0)、及び100mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH5.0)で順に洗浄した後、50mM クエン酸ナトリウムバッファー(pH3.0)で溶出し、ピーク画分を分取した。
強陰イオン交換樹脂Q−Sepharose HP(GEヘルスケア社)を充填したカラム(1mL)を平衡化バッファー(50mM Tris−HCl pH9.0,1M 尿素,0.22% CHAPS)にて平衡化した。C57BLマウス血清(清水実験材料社)500μLに対して変性バッファー(50mM Tris−HCl pH9.0,9M 尿素,2% CHAPS)を750μL加えて変性処理し、平衡化した前記カラムに添加した。非吸着画分を回収した。
強陰イオン交換樹脂Q−Sepharose HP(GEヘルスケア社)を充填したカラム(1mL)を平衡化バッファー(50mM Tris−HCl pH9.0,1M 尿素,0.22% CHAPS)にて平衡化した。C57BLマウス血清(Innovative Research社)500μLに対して変性バッファー(50mM Tris−HCl pH9.0,9M 尿素,2% CHAPS)を750μL加えて変性処理し、平衡化した前記カラムに添加した。50mM Tris−HCl(pH9.0)、100mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH5.0)、及び50mM クエン酸ナトリウムバッファー(pH3.0)で順に洗浄した後、50% アセトニトリル,0.1% TFAで溶出し、ピーク画分を分取した。
強陰イオン交換樹脂Q−Sepharose HP(GEヘルスケア社)を充填したカラム(5mL)を平衡化バッファー(50mM 酢酸ナトリウムバッファー pH5.0,1M 尿素,0.22% CHAPS)にて平衡化した。C57BLマウス血清(清水実験材料社)5.5mLを20,000G、4℃で10分間遠心し、上清を回収した。回収した上清5mLに対して変性バッファー(50mM 酢酸ナトリウムバッファー pH5.0,9M 尿素,2% CHAPS)を7.5mL加えて変性処理した。変性処理したサンプルをMillex HV 0.45μmフィルター(ミリポア社)でろ過した後、平衡化した前記カラムに添加した。50mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH5.0)で洗浄後、50mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH4.0)で溶出した(8段階)。各画分に対してSELDI−TOF−MS分析を行い、3〜5番目の画分に、マーカー物質(MB1)の電荷比(平均値:4239)と同等の質量/電荷比を示すピークを確認した。3〜5番目の画分を混合した(計18mL)。
強陰イオン交換樹脂Macro−Prep(バイオラッド社)を充填したスピンカラム(1mL)を平衡化バッファー(50mM 酢酸ナトリウムバッファー pH5.0,1M 尿素,0.22% CHAPS)にて平衡化した。C57BLマウス血清(清水実験材料社)5.5mLを20,000G、4℃で10分間遠心し、上清を回収した。回収した上清1.2mLに対して変性バッファー(50mM 酢酸ナトリウムバッファー pH5.0,9M 尿素,2% CHAPS)を1.8mL加えて変性処理した。変性処理したサンプルをMillex HV 0.45μmフィルター(ミリポア社)でろ過した後、平衡化した前記カラムに添加した。50mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH5.0)、50mM 酢酸ナトリウムバッファー(pH4.0)、100mM クエン酸ナトリウムバッファー(pH3.0)でカラムを順次洗浄した後、33.3%イソプロパノール/16.7%
アセトニトリル/0.1% TFAで溶出・回収した。回収画分2.5mLを遠心エバポレーターにかけて有機溶媒を除去した後、SELDI−TOF−MS分析を行い、マーカー物質(MB2)と同等の質量/電荷比を示すピークを確認した。
Claims (14)
- 動脈硬化を発症している動物又は将来の発症リスクが高い動物に被験物質を摂取させ、該動物の体液中における下記(MA1)〜(MA6):
(MA1)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約5200のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
(MA2)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、質量分析に供すると質量/電荷比が約6830のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
(MA3)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約7000のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
(MA4)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約7090のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
(MA5)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約7560のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、及び
(MA6)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、かつ質量分析に供すると質量/電荷比が約8720のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
からなる群より選ばれた少なくとも1種のマーカー物質の濃度、並びに、
下記(MB1)〜(MB2):
(MB1)pH9.0で強陰イオン交換体に結合し、質量分析に供すると質量/電荷比が約4240のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、及び
(MB2)pH3.0で弱陽イオン交換体に結合し、質量分析に供すると質量/電荷比が約5070のイオンピークを生じるタンパク質又はそのホモログ、
からなる群より選ばれた少なくとも1種のマーカー物質の濃度を基準値と比較し、被験物質が有する動脈硬化の改善効果又は将来の発症リスクの低減効果を評価することを特徴とする動脈硬化改善・予防効果の評価方法。 - 下記(a)〜(f)の少なくとも1つを満たすことを特徴とする請求項1に記載の動脈硬化改善・予防効果の評価方法。
(a)マーカー物質(MA1)はアポリポタンパク質A2の断片である、
(b)マーカー物質(MA2)はアポリポタンパク質C1の断片である、
(c)マーカー物質(MA3)はアポリポタンパク質C1である、
(d)マーカー物質(MA6)はアポリポタンパク質A2である、
(e)マーカー物質(MB1)はα1−アンチトリプシン1−1の断片である、
(f)マーカー物質(MB2)はアポリポタンパク質A2の断片である。 - 動脈硬化を発症している動物又は将来の発症リスクが高い動物に被験物質を摂取させ、該動物の体液中における下記(NA1)〜(NA4):
(NA1):配列番号2で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、
(NA2):配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、
(NA3):配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、及び
(NA4):配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、
からなる群より選ばれた少なくとも1種のマーカー物質の濃度、並びに、
下記(NB1)〜(NB2):
(NB1):配列番号7で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、及び
(NB2):配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質又はそのホモログ、
からなる群より選ばれた少なくとも1種のマーカー物質の濃度を基準値と比較し、被験物質が有する動脈硬化の改善効果又は将来の発症リスクの低減効果を評価することを特徴とする動脈硬化改善・予防効果の評価方法。 - 前記基準値は、動脈硬化を発症している動物又は将来の発症リスクが高い動物に、動脈硬化の改善効果又は将来の発症リスクの低減効果を有さない既知物質を摂取させた際の、該動物の体液中における前記マーカー物質の濃度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の動脈硬化改善・予防効果の評価方法。
- 前記動脈硬化を発症している動物又は将来の発症リスクが高い動物は、自然発症モデル動物又は遺伝子操作モデル動物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の動脈硬化改善・予防効果の評価方法。
- 前記体液は、血液であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の動脈硬化改善・予防効果の評価方法。
- 前記被験物質は、食品素材又は医薬であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の動脈硬化改善・予防効果の評価方法。
- 前記体液又は体液成分を、前記マーカー物質に対する親和性を有する物質を固定化した担体に接触させて、体液中の前記マーカー物質を担体上に捕捉し、捕捉された前記マーカー物質の量に基づいて体液中の前記マーカー物質の濃度を算出することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の動脈硬化改善・予防効果の評価方法。
- 前記担体は平面部分を有し、前記マーカー物質に対する親和性を有する物質は、該平面部分の一部に固定化されていることを特徴とする請求項8に記載の動脈硬化改善・予防効果の評価方法。
- 前記マーカー物質に対する親和性を有する物質は、イオン交換体又は抗体であることを特徴とする請求項8又は9に記載の動脈硬化改善・予防効果の評価方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の動脈硬化改善・予防効果の評価方法によって被験物質を評価し、動脈硬化の改善効果又は将来の発症リスクの低減効果を有する物質をスクリーニングすることを特徴とする物質のスクリーニング方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の動脈硬化改善・予防効果の評価方法に用いるためのキットであって、前記マーカー物質に対する親和性を有する物質を固定化した担体を含むことを特徴とする動脈硬化改善・予防効果の評価用キット。
- 前記マーカー物質に対する親和性を有する物質は、イオン交換体であることを特徴とする請求項12に記載の動脈硬化改善・予防効果の評価用キット。
- 動脈硬化の改善効果又は将来の発症リスクの低減効果を有する物質をスクリーニングするために使用されることを特徴とする請求項12又は13に記載の動脈硬化改善・予防効果の評価用キット。
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