JP6358625B2 - タンパク質の検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は試料中のタンパク質を検出する方法であって、免疫測定工程と質量分析工程を含む方法に関する。
食物アレルギーは、皮膚炎、喘息、アナフィラキシーショックなどの有害な免疫応答を誘発し、死亡事故につながる危険性もはらんでいる。実際米国では年間約150人もの人が食物アレルギーにより亡くなっていると報告されている。このような状況に鑑み、食物中のアレルゲンを検出するための技術が多数提案されている。
現在、アレルゲンの検出方法としては抗体を用いたイムノアッセイが一般的に使用されている。例えば特許文献1にはELISAやイムノクロマトによってそばアレルゲンを検出する方法が開示されている。
一方、質量分析器を用いて試料中のアレルゲンを検出する方法が提案されている。特許文献2には液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC−MS/MS)によってアレルゲンを検出するための方法が開示されている。
また、特許文献3には、試料に安定同位体標識タンパク質を混合して質量分析を行い、標的タンパク質由来ペプチド断片と、安定同位体標識タンパク質由来ペプチド断片のシグナル面積比やシグナル強度比から、複数のペプチド断片について定量し、各ペプチド断片の定量値の平均値を算出することで、試料に含まれる特定のタンパク質を定量する方法が開示されている。
特開2009−271092号公報 特表2014−525588号公報 WO 2012111249 A1号パンフレット
アレルゲンの検出に一般的に用いられているイムノアッセイ検査試薬は簡便な手法での検査が可能である反面、例えば「卵」アレルゲン検査試薬では、試薬により測定対象が卵白アルブミン、オボムコイド、卵白リゾチーム等異なるタンパク質を測定することによる測定値の不一致、さらに同一の卵白アルブミンタンパク質を検出対象とする検査試薬でもそれぞれの検査試薬の抗体が認識する卵白アルブミンの抗原部位(エピトープ)が異なることで、測定試薬による測定値の差が生じる。このことはイムノアッセイにおいて標準品による標準化の難しさを示している。さらに、交差反応やゾーン現象などに起因する偽陽性が発生する点や、低濃度域の定量性が不十分な点など、信頼性の面で問題がある。
一方、質量分析法は、測定対象が明らかであるため標準化が容易で、高い特異性と感度を有することから定量性に優れ、かつ多項目の同時測定が可能であるという利点がある。しかし、ペプチド断片のイオン化されやすさは各ペプチド断片によって異なり、質量分析法によってタンパク質を定量するためには、どの配列のペプチド断片を標的とするかが非常で重要であるとともに、様々な選択のためのクライテリアが研究されつつあるものの、定量対象のペプチド断片の選択は困難が伴う工程であることが現状である。
また、試料中の標的タンパク質を断片化する過程における誤差、すなわち断片化の未処理効率や標的タンパク質のチューブへの吸着等による試料損失が補正されない、などの問題があった。
上記問題を解決する手段として、特許文献3に記載の方法が提案されているが、内部標準として使用する安定同位体で標識したタンパク質を調製しなければならないという問題がある。
また、質量分析計は非常に高価であるため初期投資に費用がかかり、機器の操作、維持、管理に高度の専門的知識が要求されること、ペプチド断片を取得するための酵素消化に手間が掛かること、目的物のイオン化抑制に常に注意を払う必要があること、など検査技術として不利な点もある。また、イムノアッセイのように特定の検出対象に最適化された状態で測定系が市場に提供されるわけではないので、現時点では項目ごとに至適な条件を組み合わせてインハウスで測定系を作り上げる技術が求められる。
このような状況に鑑み、本発明の解決しようとする課題は、信頼性に優れた特定タンパク質の検出方法を提供することにある。また、本発明の好ましい形態では、経済性に優れた特定タンパク質の検出方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、試料中の特定タンパク質を検出する方法であって、前記特定タンパク質の部分ペプチドを抗原ペプチドとして生産された抗ペプチド抗体を用いた免疫測定法により、前記特定タンパク質を検出する免疫測定工程と、前記特定タンパク質のペプチド断片であって、前記抗原ペプチドを構成するアミノ酸配列の少なくとも4アミノ酸残基と同一であるアミノ酸配列を有するペプチド断片を質量分析法により検出することで、前記特定タンパク質を検出する質量分析工程と、を含むことを特徴とする方法である。
本発明の方法においては、免疫測定工程と質量分析工程において同一のアミノ酸配列を含むペプチドを検出するため、両分析工程で得られる結果の間の相関性が高い。つまり、本発明の方法によれば信頼性の高い測定結果を得ることができる。
本発明の好ましい形態では、前記ペプチド断片が、前記抗ペプチド抗体が特異的に認識するアミノ酸配列の少なくとも一部と同一のアミノ酸配列を有する。
このような形態とすることで、免疫測定工程と質量分析工程で得られる結果の間の相関性を向上させることができ、より信頼性の高い測定結果を得ることができる。
本発明の好ましい形態では、免疫測定工程により得られた検出結果と、質量分析工程により得られた検出結果を照合し、試料中の特定タンパク質の含有量の定量値を算出する定量工程を含む。
免疫測定工程により得られた検出結果と、質量分析工程により得られた検出結果を照合することによって、より信頼性の高い定量値を算出することができる。
本発明の好ましい形態では、試料をイオン性界面活性剤で処理しタンパク質溶液を得る抽出工程を含み、免疫測定工程において前記タンパク質溶液中に含まれる特定タンパク質を検出し、質量分析工程において、タンパク質溶液又はその処理物を、タンパク質分解酵素で処理したペプチド溶液を試料として、前記特定のアミノ酸配列を含むペプチド断片を検出する。
このような形態においては、免疫測定工程と質量分析工程において同一の抽出工程により得られたタンパク質溶液を分析するため、より信頼性の高い測定結果を得ることができる。
本発明の好ましい形態では、前記特定タンパク質の部分ペプチドであり、前記質量分析工程において検出する前記ペプチド断片を構成するアミノ酸配列の少なくとも一部を含み、前記抗ペプチド抗体が結合可能である、標準ペプチドを含有する溶液を、標準液として用いる。
このような標準ペプチドを含む溶液を標準液とすることによって、本発明の方法によって得られる定量値の信頼性を向上させることができる。
本発明のより好ましい形態では、前記免疫測定工程において使用する前記標準液と、前記質量分析工程において使用する前記標準液が、同一の前記標準ペプチドを含む。
このように、免疫測定工程と質量分析工程において共通の標準ペプチドを測定することで、免疫測定と質量分析という異なる測定法間での標準化が可能となる。
本発明においては、前記免疫測定工程の結果、陽性であった場合に前記質量分析工程を行う形態としてもよい。
免疫測定工程の結果に含まれる偽陽性を排除する目的や、陽性の試料に含まれる対象のタンパク質の量を正確に定量する目的においては、このような形態とすることが好ましい。
また、本発明においては、前記免疫測定工程の結果、陽性と陰性の判定が困難であった場合に前記質量分析工程を行う形態としてもよい。
免疫測定工程において明らかな陽性判定がなされた試料について特定タンパク質の正確な定量の必要性が無い場合や、陽性と陰性の正確な判断が必要な場合には、このような形態とすることが好ましい。
また、本発明においては、前記免疫測定工程の結果、陰性であった場合に前記質量分析工程を行う形態としてもよい。
免疫測定工程で用いる抗体の検出限界以下であるが、検出対象のタンパク質が含まれる試料を発見する目的や、偽陰性を排除したい目的においては、このような形態とすることが好ましい。
また、本発明の好ましい形態では、前記質量分析工程において前記ペプチド断片に由来するイオンを選択的に検出する。
このように質量分析工程をイオン選択的な検出形態とすることによって、ノイズを排除することができ、より正確な定量結果を得ることができる。
本発明の好ましい形態では、前記ペプチド断片が、前記タンパク質をタンパク質分解酵素で処理したペプチド溶液を試料として質量分析を行った場合に、最も高い強度で検出されるシグナルの50%以上の強度で検出されるシグナルに対応するペプチド断片である。
このような形態の発明においては、質量分析において良好な感度で検出することができるペプチド断片に含まれるアミノ酸配列を認識する抗ペプチド抗体により免疫測定工程を行うこととなる。そのため、免疫測定工程の結果をより優れた精度で確かめることが可能となる。
本発明の方法は食品試料を検査する場合に適している。
また、本発明はアレルゲンを検出する方法に応用することが好ましい。
また、本発明は上述した特定タンパク質を検出する方法に用いるための抗原ペプチドを製造するための抗原ペプチドの設計方法にも関する。すなわち、本発明は、前記特定タンパク質をタンパク質分解酵素で処理したペプチド溶液を試料として質量分析を行った場合に、最も高い強度で検出されるシグナルの50%以上の強度で検出されるシグナルに対応する1種又は2種以上のペプチド断片を構成するアミノ酸配列と少なくとも4アミノ酸残基が同一である、前記特定タンパク質の部分ペプチドを抗原候補とすることを特徴とする、抗ペプチド抗体の製造のための抗原ペプチドの設計方法にも関する。
本発明の設計方法によれば、質量分析工程において感度良く検出することができるペプチド断片を構成するアミノ酸配列の一部を認識することができる抗ペプチド抗体の抗原ペプチドを容易に設計することができる。
また、本発明は、タンパク質に含まれる特定のアミノ酸配列を特異的に認識する抗ペプチド抗体を用いた免疫測定法により、試料中に含まれる前記タンパク質を検出する免疫測定工程を含むことを特徴とする、前記タンパク質の検出のための質量分析を行うべき試料をスクリーニングする方法にも関する。
本発明のスクリーニング方法によれば、質量分析工程にかかるコストを低減することができ、経済性を向上させることができる。
本発明によれば、信頼性が高い特定タンパク質の検出技術を提供することができる。また、本発明の好ましい形態によれば、経済性に優れた特定タンパク質の検出方法を提供することができる。
全長の特定タンパク質(上段)と、免疫測定工程で使用する抗ペプチド抗体を製造するために免疫動物に免疫した用いた抗原ペプチド(中段)、そして、質量分析工程で検出する、特定タンパク質をタンパク質分解酵素で消化したときに生じるペプチド断片(下段)を模式的に表した図である。 免疫測定工程において使用する抗ペプチド抗体のエピトープ配列が、共通アミノ酸配列から外れる場合を模式的に表した図である。 質量分析対象ペプチド断片を構成するアミノ酸配列の一部が、抗ペプチド抗体のエピトープ配列と重複している場合を模式的に表した図である。 質量分析対象ペプチド断片を構成するアミノ酸配列の全部が、抗ペプチド抗体のエピトープ配列と重複している場合を模式的に表した図である。 試料をイオン性界面活性剤で処理することで得た特定タンパク質を含むタンパク質溶液を免疫測定工程に試料として供し、また、タンパク質溶液又はその処理物をタンパク質分解酵素で処理することで得られるペプチド溶液を質量分析工程に試料として供する形態を模式的に表した図である。 免疫測定工程の結果、陽性であった場合に質量分析工程を行う形態を模式的に表した図である。 免疫測定工程の結果、陽性と陰性の判定が困難であった場合に質量分析工程を行う形態を模式的に表した図である。 免疫測定工程の結果、陰性であった場合に質量分析工程を行う形態を模式的に表した図である。 免疫測定工程により得られた検出結果と、質量分析工程により得られた検出結果を照合し、試料中の特定タンパク質の含有量の定量値を算出する定量工程を含む形態を模式的に表した図である。 トリプシンによる切断部位を示したブタ血清アルブミンのC末端側のアミノ酸配列(配列番号1)(上段)と、抗原ペプチドのアミノ酸配列(配列番号2)(中段)と、ブタ血清アルブミン標準溶液をトリプシンによって酵素消化することによって生じた質量分析対象ペプチド断片のアミノ酸配列(下段)を表す図である。 試験例1のELISAにより作成したブタ血清アルブミンの検量線である。 試験例2のLC−MS/MSによる質量分析の結果得られたGILA(配列番号3)ペプチドイオンの面積値に基づき作成したブタ血清アルブミンの検量線である。 試験例2のLC−MS/MSによる質量分析の結果得られたFVIEIR(配列番号4)ペプチドイオンの面積値に基づき作成したブタ血清アルブミンの検量線である。
<1>試料中の特定タンパク質を検出する方法
(1)検出対象
免疫測定工程と質量分析工程における検出対象について図1〜4を参照しながら説明する。図1は全長の特定タンパク質(上段)と、免疫測定工程で使用する抗ペプチド抗体を生産するために用いた抗原ペプチド(中段)、そして、特定タンパク質をタンパク質分解酵素で消化したときに生じるペプチド断片であり質量分析工程での検出対象であるペプチド断片(以下、質量分析対象ペプチド断片ともいう)(下段)を模式的に表した図である。
本発明の特徴は、免疫測定工程で用いる抗ペプチド抗体の抗原ペプチドを構成するアミノ酸配列の一部と同一のアミノ酸配列を、質量分析対象ペプチド断片が有することを特徴とする(図1)。
この特徴により、免疫測定工程における測定結果と、質量分析工程における測定結果は相関性を有することとなる。よって、本発明の方法によれば、高い信頼性を有する試料中の特定タンパク質の検出結果を得ることができる。
本発明においては、抗原ペプチドと質量分析対象ペプチド断片の共通するアミノ酸配列部分の長さ、すなわち、図1においてXで示すアミノ酸配列(以下、共通アミノ酸配列ともいう)の長さは4アミノ酸残基以上であり、好ましくは6アミノ酸残基以上であり、さらに好ましく10アミノ酸残基以上である。
また、共通アミノ酸配列の長さは、抗原ペプチドの長さの、好ましくは10%以上であり、より好ましくは20%以上であり、さらに好ましくは30%以上である。
共通アミノ酸配列のペプチド長を上記範囲とすることによって、信頼性の高い特定タンパク質の検出結果を得ることができる。
本発明においては、共通アミノ酸配列の長さが少なくとも4アミノ酸残基であればよい。すなわち、免疫測定工程において使用する抗ペプチド抗体が特異的に認識するアミノ酸配列、すなわち、エピトープ配列が、共通アミノ酸配列から外れる形態も技術的範囲に含む(図2)。
本発明においては、質量分析対象ペプチド断片を構成するアミノ酸配列の一部(図3)又は全部(図4)が抗ペプチド抗体のエピトープ配列と重複している形態とすることが好ましい。
(2)免疫測定工程
免疫測定工程においては、抗ペプチド抗体を用いた免疫測定法によって特定タンパク質を検出する。
免疫測定法の種類は特に制限されず、例えば、標識物質により標識した抗ペプチド抗体を用いた、イムノクロマト法、ELISA等の免疫学的測定法を挙げることができる。
具体的には、不溶性担体に結合した抗ペプチド抗体に特定タンパク質を捕捉させた後に、該特定タンパク質を認識する標識抗体(二次抗体)を用いるサンドイッチELISAや、不溶性担体に結合した抗ペプチド抗体に試料中の特定タンパク質を標識化抗原の存在下で反応させる競合法などの公知の免疫測定法を利用することができる。これらのうち、高感度であるという点でサンドイッチELISAが好ましい。
また、上記標識物質としては、アルカリフォスファターゼ、HRP等の酵素、抗体のFc領域、GFP等の蛍光物質などを具体的に例示することができる。
本発明に用いる抗体としては、特定タンパク質の部分ペプチドを抗原ペプチドとして生産された抗ペプチド抗体を用いる。抗ペプチド抗体としては抗原ペプチドを特異的に認識する抗体であれば特に制限されるものではなく、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体の何れであっても用いることができる。
ここで、抗ペプチド抗体の生産方法としては、(A)抗原ペプチドをアルブミンやキーホールリンペットヘモシアニン等の担体タンパク質と結合させて免疫動物に免疫する方法や、(B)変性した特定タンパク質を免疫動物に免疫し、抗原ペプチドが担持されたカラムを用いて、免疫動物から取得した抗血清から抗原ペプチドに特異的に結合する抗体を精製する方法などが挙げられる。
上記(A)の方法による抗ペプチド抗体の生産は常法に従い行うことができる。
ポリクローナルである抗ペプチド抗体を生産する場合には、まず、キャリアと結合した抗原ペプチドをアジュバントとよく混合して、ウサギ、ヤギ、ラット、マウス、トリ、ウマ等の動物に投与し免疫する。免疫してから所定の期間の経過後に全採血を行い、抗血清を得る。この抗血清を塩析、カラム等により精製し、ポリクローナルである抗ペプチド抗体を得ることができる。
また、モノクローナルである抗ペプチド抗体を生産する場合には、まず、キャリアと結合した抗原ペプチドを免疫動物に免疫し、抗体を産生しているリンパ球として例えばマウス脾臓細胞と、ミエローマ細胞とをポリエチレングリコール存在下にて細胞融合させ、ハイブリドーマを得る。この中より、抗原ペプチドに対する抗体を産生する細胞をスクリーニングし、その細胞を培養することによって、抗ペプチド抗体を得ることができる。
上記(B)の方法による抗ペプチド抗体の生産は、例えば以下のように行うことができる。
精製した特定タンパク質に対して、加熱処理、SDS等のイオン性界面活性剤による処理、また、イオン性界面活性剤と2−メルカプトエタノール、ジチオスレイトールや亜硫酸ナトリウム等の還元剤を併用した処理を加えることによって、免疫原とする変性した特定タンパク質を得る。
このようにして得られた変性した特定タンパク質をマウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ウサギ等の免疫動物に免疫する。
免疫動物から得られた抗血清を、抗原ペプチドが担持された精製カラムを用いて精製する。
具体的には、抗原ペプチドをクロマトグラフィー用の樹脂、例えば、CNBr活性化セファロースやHiTrap NHS−activated(Amersham Pharmacia社製)に共有結合で固相化し、該固相化樹脂に抗血清を供する。そして、該抗血清中に含まれる抗原ペプチドを構成するアミノ酸配列に特異的に結合するポリクローナル抗体を樹脂上に吸着させ、ついで、該樹脂上に吸着した前記ポリクローナル抗体を適切な緩衝液やカオトロピックイオン等を用いて溶出させる。これにより、抗原ペプチドに特異的に結合する抗ペプチド抗体を得ることができる。
また、上記精製の前に、変性した特定タンパク質が担持されたカラムを用いた中間精製を行ってもよい。
上記(A)及び(B)の方法で用いる抗原ペプチドとしては、合成したもの、特定タンパク質をタンパク質分解酵素で切断して精製したもの、あるいは抗原ペプチド構成するアミノ酸配列をコードするcDNAの全部あるいは一部を常法によりベクターに組み込み、このベクターを用いて大腸菌等の宿主微生物もしくは培養細胞を形質転換し、形質転換した大腸菌等の宿主微生物・培養細胞を培養して産生させて得られるリコンビナントタンパク質やポリペプチドをアフィニティーカラムやニッケルカラム等で精製したもの等が挙げられる。
免疫測定工程においては、試料から特定タンパク質を抽出するための抽出工程を含むことが好ましい。抽出工程で用いる抽出溶媒としては特に限定されないが、イオン性界面活性剤を含む水性溶媒であることが好ましい。
抽出溶媒としてイオン性界面活性剤を含む水性溶媒を用いることによって、立体構造を維持している特定タンパク質において抗ペプチド抗体のエピトープ配列が分子内部に埋もれている場合であっても、該アミノ酸配列を露出させ、特定タンパク質と抗ペプチド抗体との抗原−抗体反応を可能にする。
水性溶媒としては、純水;塩化ナトリウム、塩化カリウムおよび重炭酸ナトリウム等の塩溶液;生化学分野で通常用いられる各種緩衝液、例えばリン酸緩衝液、Tris−塩酸緩衝液およびクエン酸緩衝液;水酸化ナトリウム或いは塩酸等でpHを調節したアルカリ性溶液或いは酸性溶液等を基本とした溶媒が好ましく例示できる。
水性溶媒は、タンパク質の溶解度や抽出効率を追加的に向上させる補助成分として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)のようなキレート化合物、ホスホリパーゼのような酵素類およびHLB価調節のために非イオン性界面活性剤を含んでいてもよい。
また、水性溶媒は、抽出中或いは保存中の溶液内でのタンパク質の分解を制御するためのプロテアーゼ阻害剤や、微生物の繁殖を防止するアジ化ナトリウムなどの抗菌性物質、アスコルビン酸等の酸化防止剤を含んでいてもよい。
さらに水性溶媒は、特定タンパク質と抗ペプチド抗体との間の抗原−抗体反応を実行不能にしない範囲でグリセロールやエタノール等の極性有機溶媒を含んでいてもよい。
また、水性溶媒は、2−メルカプトエタノールやジチオスレイトール(DTT)、シアノ水ホウ素化ナトリウム(SCBH)、ジメチルアミンボラン(DMAB)、水ホウ素化ナトリウム(SBH)、亜硫酸ナトリウムやシステインに代表される還元剤を含んでいてもよい。
水性溶媒に含まれるイオン性界面活性剤は、タンパク質の溶解度や抽出効率を実質的に向上させ得るものであれば公知のいずれのものを用いてもかまわない。
好適には、イオン性界面活性剤は、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸リチウム、ラウリルサルコシンナトリウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ヘキサデシルピリジニウムおよびそれらの混合物から成る群より選択される。
特に、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が好適なイオン性界面活性剤として挙げられる。
水性溶媒におけるイオン性界面活性剤の濃度は、特定タンパク質の実質的な可溶化や抽出を達成できる濃度であれば、いかなる濃度でもかまわないが、通常は、0.1%(W/V)以上であり、0.3%(W/V)以上、また0.5%(W/V)以上、さらには10%(W/V)程度であってもよい。
また、水性溶媒におけるイオン性界面活性剤の濃度は、好ましくは0.1〜10%(W/V)であり、より好ましくは0.3〜5%(W/V)であり、さらに好ましくは0.5〜1%(W/V)である。
イオン性界面活性剤の濃度を前記範囲とすることによって、効率的に試料から特定タンパク質を抽出することができ、また、抗原−抗体反応の効率を向上させることができる。
抽出工程においては、公知の方法により試料中の特定タンパク質を抽出及び/又は可溶化することでタンパク質溶液を取得することができる。
具体的には、試料を含む水性溶媒をホモゲナイザーや超音波破砕機、すり鉢などで処理し、得られた縣濁液を遠心分離し、上清を回収することで、タンパク質溶液を得ることができる。
本発明においては、試料を含む水性溶媒をホモゲナイザーや超音波破砕機、すり鉢などで処理した後に、加熱することも好ましい。加熱によって特定タンパク質の抽出効率及び溶解効率を向上させることができる。
また、試料が固形物又は半固形物である場合には、あらかじめミキサー等で試料を破砕し、ミンチ状やペースト状にすることが、特定タンパク質の抽出効率及び溶解効率の観点から好ましい。
免疫測定工程においては、抽出工程で得られたタンパク質溶液を実質的に希釈することなく抗ペプチド抗体と接触させることが好ましい。
または、イオン性界面活性剤濃度が0.03%(W/V)以下にならない範囲で希釈したタンパク質溶液と抗ペプチド抗体を接触させることが好ましい。
ここで、「接触させる」とは、タンパク質溶液中の特定タンパク質と抗ペプチド抗体の抗原−抗体反応を可能にすることができればその形態は限定されない。
免疫測定工程をサンドイッチ法又は競合法の形態とする場合には、タンパク質溶液を固相化された抗ペプチド抗体に接触させることで抗原−抗体複合体を形成することができる。
すなわち、プレートのウェルの底辺に前記抗体を固相化し、該ウェルにタンパク質溶液を分注することによって、本明細書の段落0034以降に記載された工程(2)を実施することができる。
このような実施の形態の本発明によれば、試料中のブタ血清アルブミンを定量的に検出することができる。
免疫測定工程を免疫沈降法の形態とする場合には、タンパク質溶液に抗ペプチド抗体を含む水溶液を添加することで、ブタ血清アルブミンと抗体の抗原−抗体複合体を形成する。
すなわち、タンパク質溶液に抗ペプチド抗体溶液を添加することで抗原−抗体複合体を形成した後に、ビーズに担持された、抗原ペプチドを認識する二次抗体をさらに添加することによって、該抗原−抗体複合体を回収し、ウエスタンブロットなどで検出することができる。
(3)質量分析工程
質量分析工程においては、特定タンパク質の部分ペプチドであって、抗原ペプチドを構成するアミノ酸配列の少なくとも4アミノ酸残基が同一であるアミノ酸配列を有するペプチド断片(質量分析対象ペプチド断片)を検出する。
質量分析工程で用いる質量分析計は、質量分析対象ペプチド断片を検出可能であれば特に制限されない。
具体的には、質量分析計の試料導入部が、高速液体クロマトグラフ(HPLC)、ガスクロマトグラフ(GC)、キャピラリー電気泳動(CE)に直結している、LC−MC、GC−MS、CE−MSを用いることができる。特に分析対象である試料が食品試料である場合には、LC−MSを用いることが好ましい。
また、イオン源として、EI(Electron Ionization、電子イオン化)法、CI(Chemical Ionization、化学イオン化)法、FD(Field Desorption、電界脱離)法、FAB(Fast Atom Bombardment、高速原子衝撃)法、MALDI(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization、マトリックス支援レーザー脱離イオン化)法、ESI(ElectroSpray Ionization、エレクトロスプレーイオン化)法、APCI(Atomospheric Pressure Cheimcal Ionization、大気圧化学イオン化)法、ICP(Inductively Coupled Plasma、誘導結合プラズマ)、ペニングイオン化を利用したDART法、気相試料にリチウムイオンを付着させるイオン付着法(IA)などのいずれのイオン化法を採用する質量分析計をも用いることができる。
また、イオン化された試料を分離する部位である分析部として、磁場偏向型(Magnetic Sector)、四重極型(Quadrupole,Q)、イオントラップ型(Ion Trap,IT)、飛行時間型(Time−of−Flight,TOF)、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型(Fourier−Transform Ion Cyclotron Resonance,FT−ICR)、加速器質量分析(Accelerator Mass Spectrometry,AMS)、そして、上記の分析法を複数組み合わせるタンデム型などの何れの分析部を採用する質量分析計であっても用いることができる。
本発明の質量分析工程においては、質量分析対象ペプチド断片を選択的に検出する形態としてもよい。
具体的には、四重極型の分析部を備える質量分析計において選択イオンモニタリング(Selected Ion Monitoring,SIM)により、質量分析対象ペプチド断片に由来する1つの荷電粒子(1つの質量荷電比)のみを検出器へ透過させるよう調整してもよい。
また、質量分析計として、四重極型の分析部を2つ組み合わせたMS/MSを用いて、多重反応モニタリング(Multiple Reaction Monitoring,MRM)により、質量分析対象ペプチド断片に由来するイオンのみを選択的に検出することができる。
このように質量分析対象ペプチド断片のみを選択的に検出する形態とすることにより、試料中の他のペプチド断片は全く検出せず、特定のm/zを有する質量分析対象ペプチド断片に由来するイオンすべてを検出することができるため、ノイズを低減し、感度を大きく向上させることができる。
本発明においては、特定タンパク質をタンパク質分解酵素で処理したペプチド溶液を試料として質量分析を行った場合に、最も高い強度で検出されるシグナルの好ましくは50%以上の強度、より好ましくは70%以上の強度、さらに好ましくは90%以上の強度、さらに好ましくは100%の強度で検出されるシグナルに対応するペプチド断片を質量分析対象ペプチド断片とすることが好ましい。
このような実施の形態においては、質量分析工程において良好な感度で検出できるペプチド断片と同一であるアミノ酸配列を有する抗原ペプチドを特異的に認識する抗ペプチド抗体により免疫測定工程が行われることとなる。
したがって、このような実施の形態の本発明によれば、より高い精度で試料中の特定タンパク質を検出することができる。
(4)本発明の方法の実施形態
以下、本発明の実施の形態について説明を加える。
上述したように、試料をイオン性界面活性剤で処理することで特定タンパク質を含むタンパク質溶液を得て、該タンパク質溶液中に含まれる特定タンパク質を免疫測定工程において検出することが好ましい。
本発明のより好ましい実施の形態では、このようにして調製したタンパク質溶液又はその処理物をタンパク質分解酵素で処理することで得られるペプチド溶液を試料として質量分析工程を行う(図5)。
このような形態とすれば、免疫測定工程と質量分析工程において試料を別々に調製する必要が無い。また、同一の処理により得られた溶液を免疫測定工程と質量分析工程において分析するため、これら2つの工程で得られる検出結果の相関性が向上し、より精度の高い検出結果を得ることができる。
上述のように試料をイオン性界面活性剤で処理することにより得られたタンパク質溶液をそのまま質量分析工程に供しても良いが、該タンパク質溶液を凍結乾燥、限外ろ過、沈殿/再懸濁することによりイオン性界面活性剤を除去した状態としてから質量分析工程に供しても良い。沈殿/再懸濁の方法としては、TCA沈殿、アセトン沈殿、TCA/アセトン沈殿など何れの手法を採用しても良い。
タンパク質分解酵素としては通常、タンパク質を質量分析計により分析する際に用いられる酵素を制限なく用いることができる。具体的には、トリプシン、キモトリプシン、Asp−N、Glu−C、Lys−Cなどを用いることができる。
本発明の好ましい形態では、質量分析工程を行うか否かの判別工程として免疫測定工程を行う形態とすることができる。このような形態とすることによって、質量分析工程にかかるコストを低減することができ、経済性を向上させることができる。図6〜8を参照しながら説明する。
(i)免疫測定工程の結果、陽性であった場合に質量分析工程を行う形態(図6)。
このような形態とすることによって、免疫測定工程の結果に含まれる偽陽性を排除することができ、また、陽性の試料に含まれる特定タンパク質の含有量を正確に定量するという目的において有用である。このような実施の形態によれば、陰性の試料について質量分析を行わずともよいので、経済性に優れる。
(ii)免疫測定工程の結果、陽性と陰性の判定が困難であった場合に質量分析工程を行う形態(図7)。
明らかに陽性である試料について特定タンパク質の正確な定量が無い場合に有用である。明らかに陽性である試料について質量分析を行わずともよいので、経済性に優れる。
また、陽性と陰性の正確な判断が必要な場合にも本実施形態とすることが好ましい。
(iii)免疫測定工程の結果、陰性であった場合に質量分析工程を行う形態(図8)。
このような形態とすることによって、免疫測定工程の結果に含まれる偽陽性を排除することができる。また、免疫測定工程で用いる抗体の検出限界以下であるが、検出対象のタンパク質が含まれる試料を発見する目的において有用である。
本発明の実施の形態では、免疫測定工程により得られた検出結果と、質量分析工程により得られた検出結果を照合し、試料中の特定タンパク質の含有量の定量値を算出する定量工程を含むことが好ましい(図9)。
定量値の算出方法は特に限定されず、それぞれの分析工程で得られた定量値を照らし合わせ、各種計算を行うことで定量値を算出するいずれの方法も採用することができる。
本発明においては、特定タンパク質の検出結果の定量性を向上させるため、免疫測定工程と質量分析工程において、濃度が既知の特定タンパク質又はその部分ペプチドが含まれる標準液を用いることが好ましい。
本発明の好ましい実施の形態では、特定タンパク質の部分ペプチドであり、抗ペプチド抗体が結合可能であり、質量分析対象ペプチド断片を構成するアミノ酸配列の少なくとも一部を含む、標準ペプチドの溶液を標準液とする。
標準ペプチドとしては、全長の特定タンパク質や、抗原ペプチド、質量分析対象ペプチド断片などを好ましく例示することができる。
さらに好ましくは、免疫測定工程と質量分析工程において同一の標準ペプチドを含有する標準液を用いる。このような実施の形態とすることによって、免疫測定と質量分析という異なる測定法間の標準化が可能になる。
免疫測定工程と質量分析工程は、別々の事業者により行われる実施の形態としても良い。
例えば、上記(i)〜(iii)で述べたように、試料を質量分析工程に供するか否かの判別工程として一の事業者が免疫測定工程を行い、その結果に基づき選出された試料について、他の事業者が質量分析工程を行うような実施の形態としてもよい。
このような実施形態とすることにより、質量分析計を保有していない事業者が質量分析計を購入する必要が無いなど、経済性に優れる。
免疫測定工程と質量分析工程が、別々の事業者により行われる場合には、免疫測定工程と質量分析工程において分析に供する試料は、イオン性界面活性剤を含む水性溶媒により試料を処理することで調製された同一のタンパク質溶液又はその処理物をタンパク質分解酵素で処理することで得られるペプチド溶液を試料とすることが好ましい。
このような形態とすることにより、事業者間の試料の調製法の差異に起因する測定誤差が生じることを防止することができる。
特定タンパク質の種類は特に制限されない。特に本発明は、アレルゲンタンパク質の検出に有用である。アレルゲンタンパク質としては例えば、花粉、植物性食物等の植物由来のアレルゲン、動物性食物、昆虫、ダニ、動物体内寄生虫、動物体毛もしくは動物上皮組織等の動物由来のアレルゲン等のアレルゲンに含まれるアレルゲンタンパク質を挙げることができる。より具体的には、例えば、花粉であるアレルゲンとしては、コムギ属、コヌカグサ属、スズメノヒエ属等の属に属するイネ科植物や、ハルガヤ、ギョウギシバ、カモガヤ、ヒロハウシノケグサ、ホソムギ、オオアワガエリ、アシ、ナガハグサ、セイバンモロコシ、コスズメノチャヒキ、ライムギ、シラゲガヤ、オートムギ、オオスズメノテッポウ等のイネ科植物、タンポポ属、オカヒジキ属、オナモミ属、ハマアカザ属、ヒカゲミズ属、イラクサ属等の属に属するイネ科以外の雑草や、ブタクサ、ブタクサモドキ、オオブタクサ、ニセブタクサ、ニガヨモギ、ヨモギ、フランスギク、ヘラオオバコ、シロザ、アキノキリンソウ、アオゲイトウ、イソホウキ、ヒメスイバ、カナムグラ等のイネ科以外の雑草、カエデ属、ハンノキ属、シラカンバ属、ハシバミ属、ブナ属、ビャクシン属、コナラ属、ニレ属、クルミ属、ヤナギ属、ハコヤナギ属、トネリコ属、マツ属、ユーカリ属、アカシア属、クワ属等の属に属する樹木や、カエデバスズカケノキ、スギ、ヒノキ、ペカン、オリーブ等の樹木などが例示できる。食物アレルゲンとしては、国際食品規格(CODEX)委員会のグルテンを含む穀類・甲殻類・卵・魚・ピーナッツ・大豆・乳・木の実、日本の厚生労働省の卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに・あわび・いか・いくら・オレンジ・キウイフルーツ・牛肉・くるみ・さけ・さば・大豆・鶏肉・豚肉・まつたけ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン・バナナ・ごま・カシューナッツ、米国の牛乳・卵 ・魚・甲殻類・ナッツ類・小麦・ピーナッツ・大豆がある。より詳細には植物性食物であるアレルゲンとしては、小麦、ライ麦、大麦、オート麦、トウモロコシ、米、ソバ、キビ、アワ、ヒエなどの穀類、アーモンド、ココナッツ、ピーナッツ、大豆、エンドウ、インゲン、ハシバミ、ブラジルナッツなどの豆あるいはナッツ類、イチゴ、オレンジ、キウイ、ジャガイモ、セロリ、タマネギ、トマト、パセリ、ニンジン、ニンニク、マンゴ、メロン、リンゴ、カボチャ、グレープフルーツ、サクランボ、ナシ、サツマイモ、タケノコ、ホウレンソウなどの果物・野菜類、その他ゴマ、マスタードなどが例示できる。また、その他の植物由来のアレルゲンとして、ゴムラテックスなどを例示できる。動物性食物であるアレルゲンとしては、豚肉、鶏肉、羊肉などの肉類、タラ、カニ、エビ、マグロ、サケ、ムラサキガイ、ロブスター、サバ、アジ、イワシ、イカ、タコなどの魚介類、その他、卵白、卵黄、牛乳、チーズ等が例示できる。昆虫であるアレルゲンとしては、ヤブカ属、ユスリカ属等の属に属する昆虫や、ミツバチ、スズメバチ、アシナガバチ、ゴキブリ、ガ等が例示できる。ダニであるアレルゲンとしては、ヤケヒョウヒダニ、コナヒョウヒダニ、アシブトコナダニ、サヤアシニクダニ、ケナガコナダニ、イエニクダニなどが例示できる。動物体内寄生虫であるアレルゲンとしては、アニサキス、カイチュウ、ホウチュウ、ジュウケツキュウチュウなどが例示できる。動物体毛もしくは動物上皮組織であるアレルゲンとしては、ネコ上皮組織、イヌ上皮組織、ウマ皮屑、ウシ皮屑、イヌ皮屑、モルモット上皮組織、ヤギ上皮組織、ヒツジ上皮組織、ウサギ上皮組織、ブタ上皮組織、ハムスター上皮組織、ラット上皮組織、マウス上皮組織、ガチョウ羽毛、ニワトリ羽毛、アヒル羽毛、セキセイインコ羽毛などが挙げられる。また、その他の動物由来のアレルゲンとして、セキセイインコ血清、セキセイインコのふん、ハトのふん、マウス尿などを例示できる。
本発明の試料は特に限定されず、食品、化粧品、医薬品、衣料品、生体試料などを例示することができる。本発明の方法は食品試料中の特定タンパク質の検出に応用することが特に好ましい。
<2>抗ペプチド抗体の製造のための抗原ペプチドの設計方法
本発明は、上述の特定タンパク質の検出方法に用いる抗ペプチド抗体の製造のための抗原ペプチドの設計方法にも関する。
本発明においては、まず、特定タンパク質をタンパク質分解酵素で処理したペプチド溶液を試料として質量分析を行い、クロマトグラフまたはマススペクトルを得る。
次いで、最も高い強度で検出されたシグナルの好ましくは50%以上の強度、より好ましくは70%以上の強度、さらに好ましくは90%以上の強度、さらに好ましくは100%の強度で検出されるシグナルに対応するペプチド断片を選出する。
そして、選出したペプチド断片を構成するアミノ酸配列と4アミノ酸残基以上、より好ましくは6アミノ酸残基以上、さらに好ましくは10アミノ酸残基以上と同一のアミノ酸配列を含む、特定タンパク質の部分ペプチドを抗原候補とする。
本発明の設計方法によれば、質量分析工程において良好な感度で検出できるペプチド断片と重複するアミノ酸配列を有するペプチド断片を抗原ペプチドとして設計することができる。つまり、この設計方法により設計された抗原ペプチドにより生産された抗ペプチド抗体によれば、上述した本発明の検出方法における免疫測定工程と質量分析工程の結果の相関性を向上させることができる。
本発明の抗原ペプチドの設計方法においては、さらに、特定タンパク質において種間で相同性の低いアミノ酸配列を含む部分ペプチドを抗原候補として選出する工程を含んでいても良い。
具体的には、他種における特定タンパク質のオーソログタンパク質との相同性が、好ましくは70%以下、より好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下であるアミノ酸配列を有する、特定タンパク質の部分ペプチドを抗原候補として選出する。
このような工程を加えることで、交差反応が生じにくい抗ペプチド抗体を選出することができる。
ここで、「他種」とは、免疫動物の種のほか、任意に設定した種を含む。
上述の特定タンパク質の検出方法において、試料をイオン性界面活性剤で処理して得たタンパク質溶液を免疫測定工程に供する形態とする場合には、特定タンパク質の立体構造において、分子表面に露出しているアミノ酸配列及び分子内部に埋没しているアミノ酸配列のいずれを有するペプチドであっても、抗原候補とすることができる。イオン性界面活性剤による処理によって、特定タンパク質が変性し、分子内部に埋没しているアミノ酸配列が露出するからである。
本発明の設計方法においては、設計する抗原ペプチドのペプチド長は、好ましくは5〜50アミノ酸残基、より好ましくは8〜20アミノ酸残基、さらに好ましくは10〜15アミノ酸残基である。
本発明の設計方法により設計された抗原ペプチドによる抗ペプチド抗体の生産方法については、本明細書の段落0029以降の<1>に記載した事項を適用することができる。
<3>質量分析を行うべき試料をスクリーニングする方法
また、本発明は特定タンパク質に含まれる特定のアミノ酸配列を特異的に認識する抗ペプチド抗体を用いた免疫測定法により、試料中に含まれる前記特定タンパク質を検出する免疫測定工程を含むことを特徴とする、前記特定タンパク質の検出のための質量分析を行うべき試料をスクリーニングする方法にも関する。
本発明の実施の形態については、本明細書の段落0066〜0068の(i)〜(iii)に記載した事項を始め、本明細書の段落0029以降の<1>に記載した事項を適用することができる。
<試験例1>ELISAの検量線の作成
(1)抗ペプチド抗体の作製
(1−1)中間精製カラムと精製カラムの作製
以下の方法で中間精製カラムと精製カラムを作製した。
150mM NaCl、0.6% SDS、0.1M NaSO3を含む20mM リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に精製ブタ血清アルブミンを10mg/mLの濃度で溶解し、沸騰水中に10分間浸漬した後、流水で冷却した。
このようにして得た変性したブタ血清アルブミン25mgを5mg/mL樹脂の濃度で5mLのクロマトグラフィー用の樹脂に結合して、中間精製カラムを作製した。
また、ブタ血清アルブミンC末端ペプチド(配列:PKFVIEIRGILA(配列番号2)、図10中段)のN末端にシステイン残基を結合したペプチドを合成し、このペプチドをシステイン残基のチオール基を介して100μg/mL樹脂の濃度でクロマトグラフィー用の樹脂に結合して、精製カラムを作製した。
(1−2)中間精製工程
135℃で処理したブタ血清アルブミンを免疫したウサギから得た抗血清を40,000×gで20分間遠心分離して上清を得た。
この上清150mLを中間精製カラムに1mL/minの流速で通じた後、60mLのPBSで洗浄した。
その後、中間精製カラムに0.1M Glycine−HCl緩衝液(pH2.3)を通じることにより、カラムに吸着したポリクローナル抗体を溶出した。
溶出液は0.2mLの1M Tris−HCl緩衝液(pH8.6)を含む試験管に2mLずつ分取した。溶出液の各フラクションについて280nmの吸光度(A280)を測定し、A280が0.5以上であったフラクションをプールした。
こうして得られた抗体量は約70mgであった(A280=1.4=1mg/mLとして計算)。
上記操作を4回繰り返し、約280mgのポリクローナルな抗ペプチド抗体を得た。
(1−3)精製工程
中間精製工程で得られたポリクローナルな抗ペプチド抗体を、精製カラムに通じた後、15mLのPBSで洗浄した。
その後、精製カラムに0.1M Glycine−HCl緩衝液(pH2.3)を通じることにより、カラムに吸着したポリクローナルな抗ペプチド抗体を溶出した。
なお、精製カラムにより吸着されなかったポリクローナル抗体は、抗変性ブタ血清アルブミンポリクローナル抗体として回収した。
溶出液は0.05mLの1M Tris−HCl緩衝液(pH8.6)を含む試験管に0.5mLずつ分取した。溶出液の各フラクションについて吸光度を測定し、A280が0.5以上のフラクションをプールした。
このようにして、ブタ血清アルブミンのC末端の前記アミノ酸配列に特異的に結合するポリクローナルな抗ペプチド抗体を約2mg得た。
(2)ELISAによる検量線の作成
(2−1)固相化プレートの作製
精製工程で得られた抗ペプチド抗体を50mM 炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)によって1μg/mLに調製し、0.1mLずつ96穴マイクロプレートに分注して室温で2時間静置した。
その後、ウェルから当該抗体溶液を捨て、150mM NaClと0.02% Tween20を含む20mM Tris−HCl緩衝液(pH7.4)で洗浄した後、1mg/mLの卵白アルブミンを含む同緩衝液を200μLずつ分注して室温で2時間静置した。このようにして、精製工程で得たポリクローナル抗体が固相化された固相化プレートを作製した。固相化プレートは使用時まで4℃で保存した。
(2−2)ELISA
精製カラムにより吸着されなかった前記抗変性ブタ血清アルブミンポリクローナル抗体を西洋ワサビペルオキシダーゼで標識し標識抗体を調製した。
0.6% SDS、0.1M 亜硫酸ナトリウム、0.05% Tween 20、1mg/mL BSAを含む20mM Tris−HCl(pH7.4)に、精製ブタ血清アルブミンを10mg/mLの濃度で溶解し、沸騰水中で10分間加熱して流水中で冷却し、変性したブタ血清アルブミン含む溶液を得た。
この溶液を150mM NaCl、0.05% Tween 20、1mg/mL BSAを含む20mM Tris−HCl(pH7.4)で希釈することで、表1に示す濃度の変性ブタ血清アルブミン標準溶液を調製した。
そして、前記標準溶液を用いて、前記標識抗体と前記固相化プレートによるELISA測定を常法により行い、検量線を作成した。すなわち、固相化プレートのウェルに前記標準溶液を分注し静置した。静置後、緩衝液によってウェルを洗浄し、基質溶液をウェルに加え、比色定量を行った。
表1に前記標準溶液における変性ブタ血清アルブミンの濃度と、比色定量の結果を示し、図11に検量線を示す。
<試験例2>LC−MS/MSの検量線の作成
試験例1と同じ変性ブタ血清アルブミン標準溶液のうち、0μg/mL、10μg/mL、20μg/mL、40μg/mLの変性ブタ血清アルブミンを含むものをトリプシンによって酵素消化した。そして、このトリプシン酵素消化液を試料として、四重極型分析部を2つ備えたタンデム型であるLC−MS/MSによる質量分析を行った。具体的には、変性ブタ血清アルブミン標準溶液をトリプシンによって酵素消化することによって生じたGILA(配列番号3)ペプチドとFVIEIR(配列番号4)ペプチド(図10下段)に対応するイオンをMRMトランジションとして、面積値に基づく定量分析を行った。結果を表2に示し、図12及び13に検量線を示す。
<試験例3>食品試料の分析(ELISA)
水及び牛乳にそれぞれ10μg/mL、20μg/mL、40μg/mLの濃度となるように、精製ブタ血清アルブミンを添加したブタ血清アルブミン添加食品を調製した。また、陰性対照として精製ブタ血清アルブミンを添加していない水及び牛乳も用意した。
これらブタ血清アルブミン添加/非添加食品を試料として、試験例1で作製した固相化プレートを用いてELISAを行った。ELISAは試料を希釈した状態で行った。その結果得られた比色定量の結果を図11の検量線に当てはめることで、各試料におけるブタ血清アルブミンの定量値を算出した。結果を表3に示す。
<試験例4>食品試料の分析(LC−MS/MS)
試験例3で調製したブタ血清アルブミン添加/非添加食品を試料として、試験例2と同様の方法でLC−MS/MSによりブタ血清アルブミンの質量分析を行った。その結果得られた各試料におけるGILA(配列番号3)ペプチドイオンとFVIEIR(配列番号4)ペプチドイオンの面積値を図12又は13の検量線に当てはめることで、各試料におけるブタ血清アルブミンの定量値を算出した。結果を表4及び5に示す。
<まとめ>
試験例3のELISAの結果と試験例4のLC−MS/MSの結果について相関性の検定を行った。具体的には、同一の試料をELISA及びLC−MS/MSにより測定して得られた結果についてP値を求めた。LC−MS/MSについては、GILA(配列番号3)ペプチドイオンとFVIEIR(配列番号4)ペプチドイオンを検出した結果について、それぞれELISAの結果との相関性を求めた。結果を表6に示す。
表6に示すように、試験例3のELISAの結果と、試験例4のLC−MS/MSの結果には有意な相関性がある。
この結果は、共通するアミノ酸配列を有するペプチドを測定対象とする、免疫測定と質量分析の二つの測定手法を組み合わせることにより、より信頼性の高い測定結果が得られることを示している。
免疫測定は低コスト、簡便な手法での検査が可能である。しかし、免疫測定による定量測定は、一般的に精度に欠ける面がある。
一方、質量分析は免疫測定よりも精度に優れていると評価されている。しかし、初期費用が高額であること、機器の操作等に高度の専門的知識が要求されることなど検査技術として不利な点もある
このように、免疫測定と質量分析にはそれぞれデメリットがあるが、本発明によれば、それぞれのメリットを活かすことで、より正確性が高く、また経済性に優れた特定タンパク質の検出方法を提供することができる。
本発明は食品のアレルギー検査技術に応用することができる。

Claims (15)

  1. 試料中の特定タンパク質を検出する方法であって、
    前記特定タンパク質の部分ペプチドを抗原ペプチドとして生産された抗ペプチド抗体を用いた免疫測定法により、前記特定タンパク質を検出する免疫測定工程と、
    前記特定タンパク質のペプチド断片であって、前記抗原ペプチドを構成するアミノ酸配列の少なくとも4アミノ酸残基と同一であるアミノ酸配列を有するペプチド断片を質量分析法により検出することで、前記特定タンパク質を検出する質量分析工程と、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記ペプチド断片が、前記抗ペプチド抗体が特異的に認識するアミノ酸配列の少なくとも一部と同一のアミノ酸配列を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記免疫測定工程により得られた検出結果と、前記質量分析工程により得られた検出結果を照合し、前記試料中の前記特定タンパク質の含有量の定量値を算出する定量工程を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 試料をイオン性界面活性剤で処理しタンパク質溶液を得る抽出工程を含み、
    前記免疫測定工程において、前記タンパク質溶液中に含まれる前記特定タンパク質を検出し、
    質量分析工程において、前記タンパク質溶液又はその処理物を、タンパク質分解酵素で処理したペプチド溶液を試料として、前記ペプチド断片を検出することを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の方法。
  5. 前記特定タンパク質の部分ペプチドであり、前記質量分析工程において検出する前記ペプチド断片を構成するアミノ酸配列の少なくとも一部を含み、前記抗ペプチド抗体が結合可能である、標準ペプチドを含有する溶液を、標準液として用いることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載の方法。
  6. 前記免疫測定工程において使用する前記標準液と、前記質量分析工程において使用する前記標準液が、同一の前記標準ペプチドを含むことを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. 前記免疫測定工程の結果、陽性であった場合に前記質量分析工程を行うことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
  8. 前記免疫測定工程の結果、陽性と陰性の判定が困難であった場合に前記質量分析工程を行うことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
  9. 前記免疫測定工程の結果、陰性であった場合に前記質量分析工程を行うことを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の方法。
  10. 前記質量分析工程において前記ペプチド断片に由来するイオンを選択的に検出することを特徴とする、請求項1〜9の何れか一項に記載の方法。
  11. 前記ペプチド断片が、前記特定タンパク質をタンパク質分解酵素で処理したペプチド溶液を試料として質量分析を行った場合に、最も高い強度で検出されるシグナルの50%以上の強度で検出されるシグナルに対応するペプチド断片であることを特徴とする、請求項1〜10の何れか一項に記載の方法。
  12. 前記試料が食品試料であることを特徴とする、請求項1〜11の何れか一項に記載の方法。
  13. 前記特定タンパク質がアレルゲンタンパク質であることを特徴とする、請求項1〜12の何れか一項に記載の方法。
  14. 請求項1〜13の何れか一項に記載の方法において使用する抗ペプチド抗体の製造のための抗原ペプチドの設計方法であって、
    前記特定タンパク質をタンパク質分解酵素で処理したペプチド溶液を試料として質量分析を行った場合に、最も高い強度で検出されるシグナルの50%以上の強度で検出されるシグナルに対応する1種又は2種以上のペプチド断片を構成するアミノ酸配列と少なくとも4アミノ酸残基が同一である、前記特定タンパク質の部分ペプチドを抗原候補とすることを特徴とする、抗ペプチド抗体の製造のための抗原ペプチドの設計方法。
  15. 特定タンパク質の部分ペプチドを抗原ペプチドとして生産された抗ペプチド抗体を用いた免疫測定法により、試料中に含まれる前記特定タンパク質を検出する免疫測定工程を含むことを特徴とする、
    前記特定タンパク質のペプチド断片であって、前記抗原ペプチドを構成するアミノ酸配列の少なくとも4アミノ酸残基と同一であるアミノ酸配列を有するペプチド断片を質量分析法により検出することで、前記特定タンパク質を検出する質量分析を行うべき試料をスクリーニングする方法。
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