JP2010190616A - 回転数検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レゾルバの誤差の影響を低減可能な回転数検出装置を提供する。
【解決手段】R/Dコンバータ50は、レゾルバ25からの角度信号を、回転角度に比例する個数のパルスを有するパルス信号(SA,SB)に変換して出力するとともに、レゾルバ25の1回転に対応する周期でノースマーカ信号(SC)を出力する。カウンタ52は、パルス信号に含まれるパルスをカウントする。回転数演算部56は、カウンタ52のカウント値をサンプリングすることにより回転数SP1を演算する。回転数演算部58は、ノースマーカ信号の出力の時間間隔に基づいて回転数SP2を演算する。選択部62は、回転数SP1がエリアシング誤差の生じる領域内にある場合には、回転数SP2を回転数SPとして選択する一方、回転数SP1がエリアシング誤差の生じる領域外にある場合には、回転数SP1を回転数SPとして選択する。
【選択図】図3
【解決手段】R/Dコンバータ50は、レゾルバ25からの角度信号を、回転角度に比例する個数のパルスを有するパルス信号(SA,SB)に変換して出力するとともに、レゾルバ25の1回転に対応する周期でノースマーカ信号(SC)を出力する。カウンタ52は、パルス信号に含まれるパルスをカウントする。回転数演算部56は、カウンタ52のカウント値をサンプリングすることにより回転数SP1を演算する。回転数演算部58は、ノースマーカ信号の出力の時間間隔に基づいて回転数SP2を演算する。選択部62は、回転数SP1がエリアシング誤差の生じる領域内にある場合には、回転数SP2を回転数SPとして選択する一方、回転数SP1がエリアシング誤差の生じる領域外にある場合には、回転数SP1を回転数SPとして選択する。
【選択図】図3
Description
本発明は、回転体の回転数を検出する回転数検出装置に関し、特に、レゾルバを用いた回転数検出装置に関する。
たとえば特開2008−195316号公報(特許文献1)は、モータジェネレータの回転数をレゾルバおよびノースマーカにより検出する構成を開示する。この構成によれば、モータジェネレータの低回転時にレゾルバが用いられる一方で、モータジェネレータの高回転時にノースマーカが用いられる。
また、特開平11−308888号公報(特許文献2)には、モータに取り付けられたレゾルバから出力される交流信号に基づいてノースマーカ信号を出力するR/D(レゾルバデジタル)コンバータと、そのノースマーカ信号の時間的ずれの有無を検出する監視回路とを備えたモータ駆動制御装置が開示されている。
レゾルバの検出結果に誤差が含まれる場合には、検出された回転数にも誤差が含まれ得る。しかしながら特開2008−195316号公報(特許文献1)および特開平11−308888号公報(特許文献2)には、検出された回転数が、レゾルバの誤差の影響を受ける可能性について特に説明されていない。
本発明の目的は、レゾルバの誤差の影響を低減可能な回転数検出装置を提供することである。
本発明は要約すれば、回転数検出装置であって、回転体の回転角度に応じた角度信号を出力するレゾルバと、角度信号を、回転角度に比例する個数のパルスを有するパルス信号に変換して出力するとともに、レゾルバの1回転に対応する周期で基準角度信号を出力するレゾルバデジタル変換器と、パルス信号に含まれるパルスをカウントするカウンタと、カウンタのカウント値を所定のサンプリング周期でサンプリングすることにより、回転体の回転数として第1の値を演算する第1の回転数演算部と、基準角度信号の出力の時間間隔に基づいて、回転体の回転数として第2の値を演算する第2の回転数演算部と、第1の値および第2の値のいずれか一方を回転体の回転数として選択的に出力する選択部とを備える。選択部は、第1の値が、第1の回転数演算部の演算結果にエリアシング誤差が生じる範囲として予め定められた範囲の中にある場合には、第2の値を回転体の回転数として選択する一方、第1の値が予め定められた範囲の外にある場合には、第1の値を回転体の回転数として選択する。
本発明によれば、回転体の回転数の検出において、レゾルバの誤差の影響を低減することが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による回転数検出装置の適用例であるモータ制御装置100の構成を説明する概略ブロック図である。
図1を参照して、モータ制御装置100は、直流電源Bと、電圧センサ10,13と、システムリレーSR1,SR2と、コンバータ12と、平滑コンデンサC1,C2と、インバータ14と、電流センサ24と、交流電動機M1と、レゾルバ25と、制御装置30とを備える。
交流電動機M1は、たとえばハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。なお、この交流電動機はエンジン(図示せず)により駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえば、エンジン始動を行ない得るようなものとしてハイブリッド自動車に組み込まれてもよい。
直流電源Bは、たとえばニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池を含んで構成される。電圧センサ10は、直流電源Bから出力される直流電圧(バッテリ電圧)Vbを検出して、その検出した直流電圧Vbを制御装置30へ出力する。
システムリレーSR1,SR2は、制御装置30からの信号SEによりオン/オフされる。
コンバータ12は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子(以下、単にスイッチング素子とも称する)Q1,Q2と、ダイオードD1,D2とを含む。スイッチング素子としては、たとえばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が適用される。
スイッチング素子Q1,Q2は制御装置30からそれぞれ与えられる信号S1,S2に応じて動作する。これによりコンバータ12は昇圧動作あるいは降圧動作を行なう。コンバータ12は、昇圧動作時において、直流電源Bから供給された直流電圧を昇圧してインバータ14へ供給する。一方、コンバータ12は、降圧動作時において、平滑コンデンサC2を介してインバータ14から供給された直流電圧を降圧して直流電源Bを充電する。
インバータ14は、電源ライン7およびアースライン5の間に並列に接続される、U相アーム15、V相アーム16およびW相アーム17から成る。各相アームは、電源ライン7およびアースライン5の間に直列接続されたスイッチング素子から構成される。具体的にはU相アーム15は、スイッチング素子Q3,Q4から成り、V相アーム16は、スイッチング素子Q5,Q6から成り、W相アーム17は、スイッチング素子Q7,Q8から成る。また、スイッチング素子Q3〜Q8のコレクタ/エミッタ間には、ダイオードD3〜D8がそれぞれ逆並列接続されている。
各相アーム15〜17の中間点は、交流電動機M1のU相コイル、V相コイルおよびW相コイルの一端側とそれぞれ電気的に接続される。たとえば、交流電動機M1は、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルが中性点に共通接続されて構成された、3相永久磁石モータである。
スイッチング素子Q3〜Q8のオン・オフは、制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8によって制御される。インバータ14は、平滑コンデンサC2から直流電圧が供給されると、制御装置30からのスイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作により直流電圧を交流電圧に変換して、交流電動機M1を駆動する。
インバータ14は、モータ制御装置100が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、スイッチング制御信号S3〜S8に応答したスイッチング素子Q3〜Q8のスイッチング動作により、交流電動機M1が発電した交流電圧を直流電圧に変換し、その変換した直流電圧を平滑コンデンサC2を介してコンバータ12へ供給する。ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合の回生発電を伴なう制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車速を減速(または加速を中止)させることを含む。
電流センサ24は、交流電動機M1に流れるモータ電流を検出し、その検出したモータ電流を制御装置30へ出力する。なお、三相モータ電流iu,iv,iwの瞬時値の和は零であるので、図1に示すように電流センサ24は2相分のモータ電流(たとえば、V相電流ivおよびW相電流iw)を検出するように配設すれば足りる。
レゾルバ25は、交流電動機M1の回転軸に取り付けられており、交流電動機M1の回転子の回転角度に応じた信号SIN,COSを制御装置30へ出力する。
電圧センサ13は、平滑コンデンサC2の両端の電圧VH、すなわち、コンバータ12の出力電圧(インバータ14の入力電圧に相当する。以下同じ。)を検出し、その検出した電圧VHを制御装置30へ出力する。
制御装置30は、レゾルバ25から信号SIN,COSを受ける。制御装置30は、レゾルバ25からの信号SIN,COSに基づいて、交流電動機M1の回転子の回転角度θおよび回転数SPを演算する。
制御装置30は、外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)からのトルク指令値Trqcomと、電圧センサ10からの直流電圧Vbと、電圧センサ13からの電圧VHと、電流センサ24からのモータ電流iv,iwと、レゾルバ25からの信号SIN,COSを受けて、交流電動機M1がトルク指令値Trqcomに従ったトルクを出力するように、コンバータ12およびインバータ14の動作を制御する。すなわち制御装置30は、コンバータ12およびインバータ14の動作を制御するためのスイッチング制御信号S1〜S8を生成して出力する。
図2は、図1の制御装置30のブロック図である。図2を参照して、制御装置30は、発振回路42と、信号処理回路44と、インバータ制御回路46とを含む。
発振回路42は、所定の周波数の正弦波電圧である基準信号REFを発生して、レゾルバ25の励磁コイル(図示せず)へ出力する。レゾルバ25の2つの2次コイル(ともに図示せず)にはそれぞれ、回転体との間の距離に応じた誘導電圧が発生する。このとき、第1の2次コイルには、正弦波状に振幅変調された信号SINが誘起される。また、第2の2次コイルには、余弦波状に振幅変調された信号COSが誘起される。そして、レゾルバ25は、誘起された信号SINおよびCOSを信号処理回路44へ出力する。なお、以下において、信号SIN,COSを総じて「振幅変調信号」とも称する。
信号処理回路44は、振幅変調信号SIN,COSを受けると、後述する方法に従って、交流電動機M1の回転子の回転角度θ、およびその回転子の回転数SPを演算する。信号処理回路44は、その演算した回転角度θおよび回転数SPをインバータ制御回路46へ出力する。すなわち、少なくともレゾルバ25と信号処理回路44とは、この発明に係る「回転数検出装置」を構成する。
インバータ制御回路46は、信号処理回路44から回転角度θおよび回転数SPを受け、外部ECUからトルク指令値Trqcomを受け、電流センサ24からモータ電流iv,iwを受ける。インバータ制御回路46は、回転角度θ、回転数SP、トルク指令値Trqcom、モータ電流iv,iwに基づいて、インバータ14を制御するためのスイッチング制御信号S3〜S8を生成し、その生成した信号S3〜S8をインバータ14へ出力する。インバータ14の制御方式は特に限定されず、たとえば矩形波電圧制御、あるいはパルス幅変調制御(正弦波PWM制御および過変調PWM制御を含むものとする)が採用される。また、インバータ制御回路46は、パルス幅変調制御および矩形波電圧制御を切替えて実行してもよい。
図3は、図2に示す信号処理回路44の機能ブロック図である。図3を参照して、信号処理回路44は、R/D(レゾルバデジタル)コンバータ50と、カウンタ52と、角度演算部54と、回転数演算部56,58と、タイマ60と、選択部62とを含む。
R/Dコンバータ50は、レゾルバ25から信号SIN,COSを受けるとともに、発振回路42から基準信号REFを受ける。R/Dコンバータ50は、信号SIN,COSおよび基準信号REFに基づいて、交流電動機M1の回転子の回転角度に比例する個数のパルスを含むパルス信号SA(A相パルス信号)、パルス信号SAに対して1/4周期の位相差を有するパルス信号SB(B相パルス信号)、レゾルバ25の回転の基準角度(たとえば0°)を示す信号SC(ノースマーカ信号)を出力する。回転子の1回転に対応する周期の間に、所定数(たとえば4096)のパルスがA相パルス信号として出力されるとともに、その所定数のパルスがB相パルス信号として出力される。
カウンタ52は、R/Dコンバータ50からパルス信号SA,SB(A相パルス信号およびB相パルス信号)を受ける。カウンタ52は、A相パルス信号を常時監視し、A相パルス信号が「L」レベルから「H」レベルに反転した際に、B相パルス信号が「H」レベルであれば、カウント値をインクリメントする。一方、カウンタ52は、A相パルス信号が「L」レベルから「H」レベルに反転した際に、B相パルス信号が「L」レベルであれば、カウント値をデクリメントする。
カウンタ52は、カウント値が上限値(上述の4096)に達するごとに、カウント値をリセットする。ただし、回転角度θを演算する必要がない場合には、必ずしもカウント値をリセットしなくてもよい。その理由は、回転数演算部56による回転数の算出において、カウント値のリセットが必須でないためである。
角度演算部54は、単位時間あたりの角度移動量に基づいて交流電動機M1の回転子の回転角度θを算出し、回転数演算部56および図示しないインバータ制御回路46に出力する。より具体的には、角度演算部54は、タイマ60から時刻T(n)を取得するとともに、カウンタ52から時刻T(n)におけるカウント値C(n)を取得して、メモリ(レジスタ)にそれらの値を格納する。次いで、角度演算部54は、所定の演算周期(例えば、0.25ms)後に、タイマ60から時刻T(n+1)を取得するとともに、カウンタ52から時刻T(n+1)におけるカウント値C(n+1)を取得し、メモリに格納する。その後、角度演算部54は、メモリに格納された時刻およびカウント値に基づいて、単位時間あたりの角度移動量Δθを算出する。つまり、角度演算部54は、Δθ=(C(n+1)−C(n))/(T(n+1)−T(n))との式に従って、単位時間あたりの角度移動量Δθを算出する。角度演算部54は、角度移動量Δθの時間積分値に基づいて、交流電動機M1の回転子の角度θを算出する。
回転数演算部56は、角度演算部54と同様に、所定の演算周期(例えば、0.25ms)における角度移動量Δθを演算するとともに、その角度移動量Δθに基づいて、単位時間(たとえば1分)あたりの交流電動機M1の回転子の回転数SP1を演算する。
回転数演算部58は、信号SC(ノースマーカ信号)を受信するとともに、信号SCの受信に同期してタイマ60から時刻を取得する。すなわち回転数演算部58は、タイマ60から信号SCの受信時刻を取得する。これにより回転数演算部58は、ノースマーカ信号の出力の時間間隔を演算する。ノースマーカ信号はレゾルバの回転角度が基準角度(たとえば0°)となるごとにR/Dコンバータ50から出力される。すなわちノースマーカ信号の出力の周期はレゾルバ25の回転の周期に対応する。回転数演算部58は、ノースマーカ信号の出力の時間間隔に基づいて、交流電動機M1の回転子の回転数SP2を演算する。
選択部62は、回転数演算部56により演算された回転数SP1が、エリアシング誤差が生じる範囲として予め定められた範囲内であるときには、回転数SPとして回転数SP2を選択する。一方、選択部62は、回転数SP1が、上記予め定められた範囲に含まれない場合には、回転子の回転数SPとして回転数SPを選択する。選択された回転数はインバータ制御回路46に出力される。
このように、信号処理回路44は、回転数SP1,SP2のうちのいずれか一方を回転子の回転数SPとして選択的に出力する。この理由は、回転数演算部56により演算された回転数SP1がある特定の範囲内である場合には、その演算された回転数SP1にエリアシング誤差が含まれる可能性があるためである。
以下に、数値を示しながらエリアシング誤差が生じる理由を説明する。ただし、以下の数値は一例であって、本発明を限定するものではない。
一般に、レゾルバの出力は、周期的に変化するN次(Nは1以上の整数)の誤差を含みうる。「N次の誤差」とは、その周期が角度信号の周期の1/N倍となる誤差である。
図4は、レゾルバの出力に誤差が含まれる場合におけるカウンタのカウント値を模式的に示す図である。図4を参照して、ラインLN1は、カウンタ52によるパルス信号のカウント値を示す。ラインLN2は、カウント値の真値を示す。レゾルバの出力に誤差が含まれていなければ、ラインLN2に示されるようにカウント値は時間に比例する。しかしながらレゾルバの出力に誤差が含まれることにより、カウント値はラインLN1に示されるように変化する。すなわちカウント値はラインLN2を基準として振動する。
ここでレゾルバ25が、2Xタイプ(回転子の1回転で2周期分の角度信号を出力するタイプ)とする。さらに、回転数演算部56におけるサンプリング周期Tsが2.5(ms)であるとする。すなわち、Ts=T(n+1)−T(n)=2.5(ms)である。さらに誤差の次数Nを1とする。
回転子の1分間の回転数が6000(rpm)であるとすると、レゾルバ25の角度信号の周期Tに対応する時間は、1/6000×60/2=5(ms)である。レゾルバ25の1次の誤差の周期は、角度信号の周期と一致するので、5(ms)となる。この場合、サンプリングにより取得されたカウント値と真値との差分ΔCerrは、正値と負値とが交互に繰返されるよう変化する。このため、カウント値に基づく回転数が振動する。このように、レゾルバ誤差の周期がサンプリング周期の整数倍になると、カウント値のサンプリングに起因する回転数の誤差、すなわちエリアシング誤差が発生する可能性がある。
したがって、本実施の形態では、回転数演算部56が演算した回転数SP1が、回転数演算部56の演算結果にエリアシング誤差が生じる範囲として予め定められた範囲(エリアシング領域)内にある場合には、回転数演算部58が演算した回転数SP2が回転数SPとして選択される。すなわち、回転数が6000±X(rpm)である場合、回転数SPとして回転数SP2が選択される。
図5は、ノースマーカ信号の出力の時間間隔とタイマの出力値との関係を示す図である。
図5を参照して、タイマ60の値は時間に比例して増加する。回転数演算部58は、ノースマーカ信号の出力と同期してタイマ60から時刻(すなわちタイマ60の値)を取得する。回転数演算部58は、ノースマーカ信号の出力の時間間隔Toに基づいて、交流電動機M1の回転子の回転数SP2を演算する。
図6は、回転数演算部56の演算結果がエリアシング領域内にある場合における、回転数演算部56の演算結果の時間推移を示す図である。上記領域は、具体的には6000±X(rpm)である。また、交流電動機M1の回転数は6000(rpm)で一定であるとする。
図6を参照して、カウンタ52のカウント値に基づく回転数は、時間に対して周期的に変化する。上述のように、サンプリングにより取得されたカウント値と真値との差分ΔCerrの値は正値と負値とを交互に繰返すよう変化する。このため、真の回転数が一定値であるのに対し、回転数演算部56の演算結果である回転数SP1は振動する。
なお、回転数SP1がエリアシング領域外にある場合には、回転数SP1の精度がノースマーカ信号に基づいて求められた回転数SP2の精度よりも高くなる。したがってこの場合には、回転数SPとして回転数SP1が選択される。
図7は、図3に示した選択部62により実行される、回転数の選択処理を説明するフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、たとえば一定の時間ごとに、メインルーチンから呼び出されて実行される。
図7および図3を参照して、ステップST1において、選択部62は、回転数演算部56により演算された交流電動機M1の回転数SPが、エリアシング誤差が発生する回転数として予め定められた範囲内であるか否かを判定する。具体的には、選択部62は、回転数SPがspd1より大きく、かつ、spd2より小さいという条件が成立するか否かを判定する。
エリアシング誤差が発生する回転数は、上記のように、回転数演算部56のサンプリング周期、およびレゾルバ25のタイプ(たとえば2X)、レゾルバ25の誤差の次数等にに基づいて予め算出することが可能である。ただし、エリアシング誤差が実際に発生する回転数は、その演算によって算出された回転数を中心としたある範囲に広がるものと考えられる。したがって、エリアシング誤差が発生する回転数領域(すなわち、spd1<SP<spd2で定められる範囲)は、これらを考慮して、たとえば実験等によって予め定められた範囲が採用される。
回転数SPがspd1より大きく、かつ、spd2より小さいと判定された場合(ステップST1においてYES)、処理はステップST2に進む。一方、回転数SPがspd1以下である場合、または、回転数SPがspd2以上である場合(ステップST2においてNO)、処理はステップST3に進む。
ステップST2において、選択部62は、回転数演算部58の演算結果、すなわちノースマーカ信号から演算された回転数SP2を回転数SPとして選択する。この場合、SP=SP2である。
一方、ステップST3において、選択部62は、回転数演算部56の演算結果、すなわちカウント値から演算された回転数SP1を回転数SPとして選択する。この場合、SP=SP1である。
ステップST2またはST3の処理が終了すると、全体の処理が終了する。
信号処理回路44によって演算された回転数にエリアシング誤差が発生した場合、図1に示したモータ制御装置100において以下のような問題が発生すると考えられる。
信号処理回路44によって演算された回転数にエリアシング誤差が発生した場合、図1に示したモータ制御装置100において以下のような問題が発生すると考えられる。
図1を参照して、たとえば回転数とトルクとの積により算出されたパワーを用いてトルク指令値Trqcomが制限されたとする。回転数にエリアシング誤差が発生した場合、トルク指令値の制限が本来は不要であっても、トルク指令値が実際に制限される可能性がある。本来は不要なトルク制限が実行された場合には、実トルクが振動することが起こりうる。このようにトルク制御が正しく実行されない場合には、車両の挙動への影響が生じ得る。
本実施の形態によれば、カウント値に基づいて演算された回転数(SP1)がエリアシング領域内にある場合には、その回転数に代えて、ノースマーカ信号に基づいて演算された回転数(SP2)が信号処理回路44から出力される。これにより回転数の誤差を小さくできる。すなわちレゾルバの誤差の影響を低減できる。したがって、本来は不要であるトルク指令値の制限を回避できるので、実トルクが振動する可能性を小さくできる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
5 アースライン、7 電源ライン、10,13 電圧センサ、12 コンバータ、14 インバータ、15 U相アーム、16 V相アーム、17 W相アーム、24 電流センサ、25 レゾルバ、30 制御装置、42 発振回路、44 信号処理回路、46 インバータ制御回路、50 R/Dコンバータ、52 カウンタ、54 角度演算部、56,58 回転数演算部、60 タイマ、62 選択部、100 モータ制御装置、B 直流電源、D1〜D8 ダイオード、L1 リアクトル、LN1,LN2 ライン、M1 交流電動機、Q1〜Q8 スイッチング素子、SR1,SR2 システムリレー。
Claims (1)
- 回転体の回転角度に応じた角度信号を出力するレゾルバと、
前記角度信号を、前記回転角度に比例する個数のパルスを有するパルス信号に変換して出力するとともに、前記レゾルバの1回転に対応する周期で基準角度信号を出力するレゾルバデジタル変換器と、
前記パルス信号に含まれる前記パルスをカウントするカウンタと、
前記カウンタのカウント値を所定のサンプリング周期でサンプリングすることにより、前記回転体の回転数として第1の値を演算する第1の回転数演算部と、
前記基準角度信号の出力の時間間隔に基づいて、前記回転体の回転数として第2の値を演算する第2の回転数演算部と、
前記第1の値および第2の値のいずれか一方を前記回転体の回転数として選択的に出力する選択部とを備え、
前記選択部は、前記第1の値が、前記第1の回転数演算部の演算結果にエリアシング誤差が生じる範囲として予め定められた範囲の中にある場合には、前記第2の値を前記回転体の回転数として選択する一方、前記第1の値が前記予め定められた範囲の外にある場合には、前記第1の値を前記回転体の回転数として選択する、回転数検出装置。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120501 |