JP2006343318A - 回転位置検出装置およびそれを備える回転電機駆動装置 - Google Patents

回転位置検出装置およびそれを備える回転電機駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低廉な装置構成で、モータの高回転領域まで精度良く回転位置を検出可能な回転位置検出装置を提供する。
【解決手段】角度演算部54は、レゾルバの出力信号SIN,COSがデジタル変換された信号Asinφs(n),Acosφs(n)から回転角度の瞬時値φs(n)を演算する。サーボロジック部60は、回転角度の瞬時値φs(n)と前回のサンプリングタイミングの回転角度θs(n−1)とに基づいて、サンプリングタイミングts(n)における角速度ωs(n)を演算する。そして、サーボロジック部60は、角速度ωs(n)に基づいて回転角度θs(n)を導出する。補間ロジック部70は、導出された回転角度θs(n)を補間する補間処理と、サーボロジック部60で生じた回転角度の実測値に対する角度遅延を補正するための遅れ補正処理とを施し、所望のタイミングにおける回転角度θとして出力する。
【選択図】図4

Description

この発明は、回転位置検出装置およびそれを備える回転電機駆動装置に関し、特に、廉価な装置構成で、回転電機の高回転領域まで回転位置を検出可能な回転位置検出装置およびそれを備える回転電機駆動装置に関する。
モータを駆動するモータ駆動装置においては、回転磁界によりモータの回転子を連続して回転するために回転子の位置を検出することが行なわれている。そして、この回転子の位置検出は、回転軸に取り付けられたレゾルバにより行なわれる(たとえば特許文献1〜4参照)。
図18は、従来の回転位置検出装置の概略ブロック図である。
図18を参照して、レゾルバ302は、モータMの回転する回転子の位置を検出し、回転子の各位置に対応する信号をアナログ信号SIN,COSとしてR/Dコンバータ306へ出力する。R/Dコンバータ306は、レゾルバ302からのアナログ信号SIN,COSをデジタル信号に変換してマイクロコンピュータのCPU(Central Processing Unit)へ出力する。CPUは、その変換したデジタル信号に基づいて、回転磁界を生成するための交流電流を回転子の外周部に設けられたステータコイルに流す駆動電流を生成してインバータ(図示せず)へ出力する。インバータは、CPUからの駆動信号に基づいて、ステータコイルの各相に所定のタイミングで所定の交流電流を流す。これにより、ステータコイルは、回転磁界を生成し、回転子は、ステータコイルからの回転磁界により回転する。
ここで、R/Dコンバータ306においては、信号SIN,COSに含まれるノイズ成分を除去するためのCRフィルタ回路などを含む複雑な回路構成を有する専用ICで構成される。そのため、R/Dコンバータ306は高価なものとなってしまい、モータ駆動装置全体のコストを増加させる要因となっている。
そこで、最近では、高価なR/Dコンバータを備えずに、マイクロコンピュータ内部に、R/Dコンバータの機能を備えるレゾルバインターフェイスとCPUとを一体化させて構成した回転位置検出装置が検討されている。
たとえば特許文献3は、レゾルバから出力されるレゾルバ信号をデジタル変換するレゾルバインターフェイスと、デジタル変換後の回転角度信号を演算処理する中央演算処理部とを備え、これらを内部バスで直接接続したレゾルバ信号の演算処理装置を開示する。
また、特許文献4は、電動機を制御する電動機制御装置に内包され、レゾルバの出力する信号SIN,COSから振幅比信号TAN,COTを算出し、これらの信号を基に、ロータの回転角度を検出する位置検出装置を開示する。
これらの回転位置検出装置によれば、R/Dコンバータを用いないことから、装置全体のコストダウンを図ることができる。さらに、特許文献3によれば、レゾルバインターフェイスと中央演算処理部とが直接的に接続されるため、演算処理速度や耐ノイズ性に優れたレゾルバ信号の演算処理装置が実現される。
特開2001−86786号公報 特開平7−79589号公報 特開2002−350180号公報 特開2004−12387号公報 特開平11−118520号公報 特開2005−257565号公報 特開平8−233840号公報 特開2004−239737号公報
しかしながら、上記特許文献に記載の回転位置検出装置においては、信号SIN,COSに重畳されるノイズを除去して、検出精度を確保するために、信号SIN,COSをデジタル変換する際に多数のサンプリングデータが取得される。そのため、マイクロコンピュータでは、多数のサンプリングデータの演算処理に要する負荷が増大し、実際の回転角度と検出される回転角度との間の応答性に問題が生じていた。
ここで、マイクロコンピュータにおいては、モータ駆動装置の制御手段としての高い演算能力が求められており、モータの回転数が高くなるにつれて、要求される演算能力も高くなる。そのため、モータ回転数が相対的に高い高回転領域では、マイクロコンピュータの演算能力に余裕ができず、上述した回転角度検出のための演算処理を行なうことが困難となっていた。その結果、回転位置検出装置が実質的に適用される範囲は、マイクロコンピュータの演算能力に比較的余裕がある、モータ回転数が相対的に低い低回転領域に限定されたものとなっていた。
一方、モータ駆動装置においては、モータの小型化へのニーズの高まりから、モータの高回転化が求められている。かかる要求に応じて、回転位置検出装置においても、適用範囲を高回転領域にまで拡大させることが新たな課題とされる。
なお、この課題に対しては、より高い演算能力を有するマイクロコンピュータを制御手段として用いることが有効とされるが、装置全体が高価なものとなり、装置の低廉化を図るという本来の趣旨に反する。
それゆえ、この発明のある目的は、低廉な装置構成で、回転電機の高回転領域まで精度良く回転位置を検出可能な回転位置検出装置を提供することである。
また、この発明の別の目的は、低廉な装置構成で、高回転領域まで信頼度の高い回転電機の制御が可能な回転電機駆動装置を提供することである。
この発明によれば、回転位置検出装置は、回転電機に含まれる回転子の回転位置を検出する。回転位置検出装置は、回転子の回転角度に応じた信号を出力するレゾルバと、レゾルバからの出力信号に基づいて、回転子の回転角度を演算して出力する信号処理回路とを備える。信号処理回路は、レゾルバの出力信号を所定周期でサンプリングしてデジタル信号に変換するサンプリング部と、デジタル信号に基づいて、サンプリングタイミングにおける回転角度の瞬時値を演算する絶対角演算部と、演算された回転角度の瞬時値に基づいて、サンプリングタイミングにおける角速度を演算する角速度演算部と、演算された角速度を回転角度の時間的変化に変換し、回転角度の時間的変化に追従させてサンプリングタイミングにおける回転角度を演算する回転角度演算部とを含む。
上記の回転位置検出装置によれば、デジタル変換されたレゾルバの出力信号から演算された角速度に基づいて、回転角度の時間的変化に追従した回転角度が検出される。したがって、従来のR/Dコンバータを用いない回転位置検出装置に対して、演算処理を簡素化することができ、マイクロコンピュータの演算負荷を低減できる。この結果、低廉な装置構成で、回転電機の高回転領域においても回転位置を検出することができる。
好ましくは、回転角度演算部は、演算されたサンプリングタイミングにおける回転角度を角速度演算部に帰還させる。角速度演算部は、帰還されたサンプリングタイミングにおける回転角度と、回転角度の瞬時値とに基づいて、サンプリングタイミングにおける角速度を演算する。信号処理回路は、サンプリングタイミングにおける角速度を用いて、帰還により生じる角度遅延を補正してサンプリングタイミングにおける回転角度を演算する遅れ補正部をさらに含む。
上記の回転位置検出装置によれば、演算された角速度を用いて簡易に帰還による角度遅延を補正することができることから、マイクロコンピュータの演算負荷の増加を伴なうことなく、回転位置検出装置の応答性を高めることができる。
好ましくは、遅れ補正部は、帰還により生じる遅延時間を遅れ補正定数として予め格納し、遅れ補正定数とサンプリングタイミングにおける角速度とに基づいて算出した補正角度を、サンプリングタイミングにおける回転角度に加算する。
上記の回転位置検出装置によれば、さらに、演算された角速度と遅れ補正定数とを用いて算出した補正角により回転角度を補正することから、応答性を良くする手段としてのフィードバック回路におけるゲインの増加や微分項の導入などが不要となり、帰還回路の安定化を図ることができる。
好ましくは、信号処理回路は、サンプリングタイミングにおける角速度を用いて、隣り合うサンプリングタイミング間の所望のタイミングにおける回転角度を補間して出力する補間部をさらに含む。
上記の回転位置検出装置によれば、サンプリング部におけるサンプリングタイミングを増加させてマイクロコンピュータの演算負荷を増やすことなく、任意のタイミングで回転位置を検出することができる。
好ましくは、補間部は、角速度演算部で演算された角速度をサンプリングタイミングにおける角速度として用いて、所望のタイミングにおける回転角度を補間して出力する。
上記の回転位置検出装置によれば、さらに、角速度演算部で得られた角速度を用いて回転角度を補間することにより、マイクロコンピュータの演算負荷の増加を抑えることができ、装置のコストダウンを図ることができる。
好ましくは、回転角度演算部は、演算されたサンプリングタイミングにおける回転角度を角速度演算部に帰還させる。角速度演算部は、帰還されたサンプリングタイミングにおける回転角度と、回転角度の瞬時値とに基づいて、サンプリングタイミングにおける角速度を演算する。信号処理回路は、演算されたサンプリングタイミングにおける回転角度を角速度演算部に帰還させるときの帰還利得を、サンプリングタイミングにおける角速度に応じて変化させる帰還利得調整部をさらに含む。
上記の回転位置検出装置によれば、帰還利得を角速度に応じた可変値とすることにより、マイクロコンピュータの負荷の増加を伴なうことなく、回転角度のフィードバック制御における制御安定性と応答性との両立を図ることができる。
好ましくは、帰還利得調整部は、サンプリングタイミングにおける角速度が相対的に低いとき、帰還利得を相対的に高い値に設定する。
上記の回転位置検出装置によれば、回転角度の急変が生じ易い低回転域において、フィードバック制御の応答性を確保することができる。
好ましくは、レゾルバは、発振回路から入力された基準信号を回転子の回転角度に応じて振幅変調してその振幅変調信号を出力する。サンプリング部は、所定期間ごとに基準信号の周期を演算する基準周期演算部と、演算された基準信号の周期に基づいて所定周期を設定するサンプリングタイミング設定部とを含む。
上記の回転位置検出装置によれば、サンプリングタイミングを基準信号の周波数変化に追従して変化させることにより、常時、基準信号に同期したタイミングで振幅変調信号のサンプリングを行なうことが可能となる。この結果、マイコンの演算負荷を増加させることなく、回転位置の検出精度をより一層向上することができる。
この発明によれば、回転電機駆動装置は、電源と、電源から電力の供給を受けて回転電機を駆動する駆動回路と、上記の回転位置検出装置のいずれか1つを含み、検出された回転電機の回転子の回転位置に基づいて駆動回路を制御する制御装置とを備える。
この発明によれば、回転位置検出に要する演算負荷を低減できることから、回転電機駆動装置は、低廉な装置構成で、高回転領域に至るまで信頼度の高い回転電機の制御を行なうことができる。
この発明によれば、低廉な装置構成で、高回転領域に至るまで精度良く回転電機の回転子の回転位置を検出することができる。その結果、この発明による回転位置検出装置を搭載した回転電機駆動装置において、従来困難とされていた、装置のコストダウンと高回転領域に至るまでの信頼度の高い回転電機の制御との両立が実現される。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による回転位置検出装置が搭載されたモータ駆動装置の概略ブロック図である。
図1を参照して、モータ駆動装置は、直流電源Bと、電圧センサ10と、インバータ12と、電流センサ20と、レゾルバ30と、制御装置40とを備える。
交流モータM1は、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動輪を駆動するためのトルクを発生するための駆動モータである。また、交流モータM1は、エンジンにて駆動される発電機の機能を持つように、そして、エンジンに対して電動機として動作し、たとえばエンジンを始動し得るようなモータである。
インバータ12は、U相アーム14と、V相アーム16と、W相アーム18とからなる。U相アーム14、V相アーム16およびW相アーム18は、電源ラインとアースラインとの間に並列に設けられる。
U相アーム14は、直列接続されたNPNトランジスタQ1,Q2からなる。V相アーム16は、直列接続されたNPNトランジスタQ3,Q4からなる。W相アーム18は、直列接続されたNPNトランジスタQ5,Q6からなる。また、各NPNトランジスタQ1〜Q6のコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードD1〜D6がそれぞれ接続されている。
各相アームの中間点は、交流モータM1の各相コイルの各相端に接続されている。すなわち、交流モータM1は、3相の永久磁石モータであり、U,V,W相の3つのコイルの一端が中点に共通に接続されて構成される。U相コイルの他端がNPNトランジスタQ1,Q2の中間点に、V相コイルの他端がNPNトランジスタQ3,Q4の中間点に、W相コイルの他端がNPNトランジスタQ5,Q6の中間点にそれぞれ接続されている。
直流電源Bは、ニッケル水素またはリチウムイオンなどの二次電池からなる。電圧センサ10は、直流電源Bから出力される電圧Vbを検出し、検出した電圧Vbを制御装置40へ出力する。
システムリレーSR1,SR2は、制御装置40からの信号SEによりオン/オフされる。
インバータ12は、直流電源Bから直流電圧が供給されると、制御装置40からの信号PWMIに基づいて直流電圧を交流電圧に変換して交流モータM1を駆動する。これにより、交流モータM1は、トルク指令値TRによって指定されたトルクを発生するように駆動される。
また、インバータ12は、モータ駆動装置が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、交流モータM1が発電した交流電圧を制御装置40からの信号PWMCに基づいて直流電圧に変換し、変換した直流電圧を直流電源Bへ供給する。
なお、ここで言う回生制動とは、ハイブリッド自動車または電気自動車を運転するドライバーによるフットブレーキ操作があった場合との回生発電を伴なう制動や、フットブレーキを操作しないものの、走行中にアクセルペダルをオフすることで回生発電をさせながら車速を減速(または加速を中止)させることを含む。
電流センサ20は、交流モータM1に流れるモータ電流MCRTを検出し、その検出したモータ電流MCRTを制御装置40へ出力する。
レゾルバ30は、交流モータM1の回転軸に取り付けられており、交流モータM1の回転子の回転角度θに応じた信号SIN,COSを制御装置40へ出力する。より詳細には、レゾルバ30は、交流モータM1の回転軸に取り付けられた回転体と、この回転体の周囲に配された励磁コイルおよび2つの2次コイルとを含む(図示せず)。そして、励磁コイルに制御装置40からの基準信号REFを受けると、レゾルバ30は、2次コイルにそれぞれ誘起される振幅変調された信号SIN,COSを出力する。
制御装置40は、外部に設けられたECU(Electrical Control Unit)からトルク指令値TRおよびモータ回転数MRNを受け、電圧センサ10から電圧Vmを受け、電流センサ20からモータ電流MCRTを受け、レゾルバ30から信号SIN,COSを受ける。
制御装置40は、レゾルバ30からの信号SIN,COSに基づいて回転子の回転角度θを演算する。そして、制御装置40は、その演算した回転角度θと、トルク指令値TRおよびモータ電流MCRTとを用いてインバータ12のNPNトランジスタQ1〜Q6を駆動するための信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ12へ出力する。
さらに、制御装置40は、モータ駆動装置が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、回転角度θとトルク指令値TRおよびモータ電流MCRTとに基づいて、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成し、その生成した信号PWMCをインバータ12へ出力する。この場合、インバータ12のNPNトランジスタQ1〜Q6は、信号PWMCによってスイッチング制御される。これにより、インバータ12は、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換して直流電源Bへ供給する。
図2は、図1の制御装置40の制御ブロック図である。
図2を参照して、制御装置40は、発振回路42と、信号処理回路44と、インバータ制御回路46とを含む。
発振回路42は、所定の周波数の正弦波電圧である基準信号REFを発生して、レゾルバ30の励磁コイル(図示せず)へ出力する。レゾルバ30の2つの2次コイル(ともに図示せず)にはそれぞれ、回転体との間の距離に応じた誘導電圧が発生する。このとき、第1の2次コイルには、正弦波状に振幅変調された信号SINが誘起される。また、第2の2次コイルには、余弦波状に振幅変調された信号COSが誘起される。そして、レゾルバ30は、誘起された信号SINおよびCOSを制御装置40の信号処理回路44へ出力する。なお、以下において、信号SIN,COSを総じて、振幅変調信号とも称する。
信号処理回路44は、振幅変調信号SIN,COSを受けると、後述する方法に従って、回転子の回転角度θを検出し、その検出した回転角度θをインバータ制御回路46へ出力する。すなわち、図2において、レゾルバ30と、発振回路42と、信号処理回路44とは、この発明に係る「回転位置検出装置」を構成する。
インバータ制御回路46は、信号処理回路44から回転角度θを受け、外部ECUからトルク指令値TRを受け、電圧センサ10から電圧Vbを受け、電流センサ20からモータ電流MCRTを受ける。そして、インバータ制御回路46は、回転角度θ、トルク指令値TRおよびモータ電流MCRTに基づいて、交流モータM1の駆動時、インバータ12のNPNトランジスタQ1〜Q6をオン/オフするための信号PWMIを生成し、その生成した信号PWMIをインバータ12へ出力する。
また、インバータ制御回路46は、モータ駆動装置が搭載されたハイブリッド自動車または電気自動車の回生制動時、回転角度θ、トルク指令値TRおよびモータ電流MCRTに基づいて、交流モータM1が発電した交流電圧を直流電圧に変換するための信号PWMCを生成してインバータ12へ出力する。
図3は、図2の制御装置40に含まれるインバータ制御回路46のブロック図である。
図2を参照して、インバータ制御回路46は、モータ制御用相電圧演算部460と、インバータ用PWM信号生成部462とを含む。
モータ制御用相電圧演算部460は、インバータ12の入力電圧Vbを電圧センサ10から受け、交流モータM1の各相に流れるモータ電流MCRTを電流センサ20から受け、トルク指令値TRを外部ECUから受ける。そして、モータ制御用相電圧演算部は、これらの入力信号に基づいて、交流モータM1の各相のコイルに印加する電圧の操作量Vu*,Vv*,Vw*を出力する。
インバータ用PWM信号生成部462は、入力された電圧の操作量Vu*,Vv*,Vw*に基づいて、実際にインバータ12の各NPNトランジスタQ1〜Q6をオン/オフする信号PWMI,PWMCを生成し、その生成した信号PWMI,PWMCを各NPNトランジスタQ1〜Q6へ出力する。
これにより、各NPNトランジスタQ1〜Q6は、スイッチング制御され、交流モータM1が指令されたトルクを出力するように交流モータM1の各相に流す電流を制御する。このようにして、モータ電流MCRTが制御され、トルク指令値TRに応じたモータトルクが出力される。
図4は、図2の制御装置40に含まれる信号処理回路44の機能ブロック図である。なお、先述のように、信号処理回路44は、図2のレゾルバ30および発振回路42と一体となって、この発明による「回転位置検出装置」を構成する。
図4を参照して、信号処理回路44は、絶対角演算部50と、サーボロジック部60と、補間ロジック部と、タイマ80とを含む。
ここで、レゾルバ30の理想的な基準信号REFと振幅変調信号(信号SIN,COS)とは、それぞれ次式で表わされる。
REF=E・sin(2πf・t) ・・・(1)
SIN=A・sinθ・sin(2πf・t) ・・・(2)
COS=A・cosθ・sin(2πf・t) ・・・(3)
ただし、E/Aは、励磁コイルに対する2次コイルの変圧比、θは交流モータM1の回転子の回転角度、fは基準信号REFの周波数である。
図5は、基準信号REF、レゾルバ30から出力される振幅変調信号、および振幅変調信号から励磁成分を取り除いた検波後の振幅変調信号の出力波形である。詳細には、図5(A)は、信号SINと検波後の信号SINとの出力波形を示し、図5(B)は、信号COSと検波後の信号COSの出力波形を示す。
図5(A)および(B)から明らかなように、検波後の信号SIN,COSはそれぞれ、SIN=A・sinθ,COS=A・cosθとなる。
また、信号SINと信号COSとの振幅比である正接関数(tan)によれば、次式により、交流モータM1の回転子の回転角度θを導出することができる。
θ=tan−1(sinθ/cosθ) ・・・(4)
そこで、この発明による回転位置検出装置は、信号処理回路44がレゾルバ30から出力された振幅変調信号を受けると、この式(4)に基づいて回転子の回転角度θを演算することを基本的な構成とする。これによれば、従来、R/Dコンバータで行なわれていた処理が簡素化されて、制御装置40で一体的に行なうことが可能となる。
詳細には、図4を参照して、絶対角演算部50は、A/D(アナログ/デジタル)コンバータ52と、角度演算部54とからなる。A/Dコンバータ52は、レゾルバ30(図示せず)から振幅変調信号(信号SIN,COS)を受け、タイマ80からタイマ値tsを受けると、信号SIN,COSを、基準信号REFに同期した所定の周波数でサンプリングする。
例えば、図5(A),(B)において、信号SINおよび信号COSは、基準信号REFの1周期ごとにサンプリングされる。これにより、信号SIN,COSは、デジタル信号Asinφs(n),Acosφs(n)にそれぞれ変換される。ただし、Aは信号SIN,COSの振幅、φs(n)はサンプリングタイミングts(n)における交流モータM1の回転子の回転角度の瞬時値を示す。
A/Dコンバータ52は、変換されたデジタル信号Asinφs(n),Acosφs(n)を角度演算部54へ出力する。角度演算部54は、デジタル信号Asinφs(n),Acosφs(n)を上記の式(4)に代入して、回転角度の瞬時値φs(n)を演算する。そして、角度演算部54は、その演算した回転角度の瞬時値φs(n)をサーボロジック部60へ出力する。
再び図4を参照して、サーボロジック部60は、角速度演算部62と、フィルタ部64と、積分器66と、メモリ演算部68とを含む。
角速度演算部62は、サンプリングタイミングごとに、角度演算部54から回転角度の瞬時値φs(n)を受け、後述するメモリ演算部68からサーボ制御された回転角度θs(n)を受ける。そして、角速度演算部62は、回転角度の瞬時値φs(n)と回転角度θs(n)とに基づいて、式(5)に従ってサンプリングタイミングts(n)における角速度ωs(n)を演算する。
ωs(n)={φs(n)−θs(n−1)}/Δts ・・・(5)
ただし、Δtsは、A/Dコンバータ52におけるサンプリング間隔(=ts(n)−ts(n−1))である。
そして、演算された角速度ωs(n)は、フィルタ部64を通じて不要なノイズ成分が除去された後、積分器66へ転送される。積分器66は、角速度ωs(n)が入力されると、これをサンプリング間隔Δtsの上で積分する。この積分によって、前回のサンプリングタイミングts(n−1)における回転角度θs(n−1)からの角度増加分Δθsが求められる。積分器66は、積分値をメモリ演算部68へ出力する。
メモリ演算部68は、積分器66からの積分値に基づいてサンプリングタイミングts(n)における回転角度θs(n)を演算し、その演算した回転角度θs(n)を内部の記憶領域に格納する。具体的には、メモリ演算部68は、積分値である角度増加分Δθsを、格納している前回のサンプリングタイミングts(n−1)における回転角度θs(n−1)に加算し、その加算結果(=θs(n−1)+Δθs)を今回のサンプリングタイミングts(n)における回転角度θs(n)とする。そして、メモリ演算部68は、記憶領域に格納されている回転角度θs(n−1)からθs(n)へ更新する。さらに、メモリ演算部68は、回転角度θs(n)を角速度演算部62および補間ロジック部70の加算器76へ出力する。
以上のように、サーボロジック部60は、検出された回転角度の瞬時値φsからサンプリングタイミングtsごとの角速度ωsを求め、この角速度ωsに基づいて回転角度θsを導出する。これによれば、回転角度θsの時間的変化に精度良く追従した回転角度θsを得ることができる。
これは、従来のR/Dコンバータと比較して、ノイズの発生を抑制できるという効果を奏する。すなわち、R/Dコンバータにおいては、回転角度θsと回転角度の瞬時値φsとの位相差の正弦波関数sin(θs−φs)が零となるようにフィードバック制御される。そのため、回転角度θsが回転角度の瞬時値φsに対して180度の位相差を有して固着することによって、フィードバックゲインが発散してノイズを発生させるという問題が生じていた。これに対して、サーボロジック部60は、両者の位相差に比例したゲインでフィードバック制御が行なわれることから、ノイズの発生を抑えることが可能となる。
さらに、R/Dコンバータの機能を内包する従来の回転位置検出装置と比較して、演算処理が格段に簡素化されることから、マイクロコンピュータの演算負荷を最小限に抑えることができるという効果を奏する。
次に、サーボロジック部60にて導出された回転角度θs(n)は、図4に示すように、補間ロジック部70へと転送される。補間ロジック部70は、以下に述べるように、サンプリングタイミングts(n)ごとに離散的に検出される回転角度θs(n)を補間するための補間手段と、サーボロジック部60で生じた回転角度θの実測値に対する検出値の出力タイミングのずれを補正するための遅れ補正手段とを備える。上記のサーボロジック部60にこれらの手段が付加されることによって、この発明による回転位置検出装置は、高回転領域まで、任意のタイミングで、応答性良く回転角度θを検出することが可能となる。
最初に、この発明による回転角度θs(n)を補間するための補間手段について説明する。
図6は、サーボロジック部60から出力される回転角度θs(n)の出力波形を示す図である。
図6を参照して、サーボロジック部60から出力される回転角度θs(n)は、サンプリングタイミングtsごとに存在する離散データであり、図中の直線LN2で示される階段状の出力波形を示す。そして、これらの離散データは、交流モータM1のモータ回転数に比例した傾きを有する直線LN1上に集約される。すなわち、レゾルバ30で実際に検出される回転角度θは、この直線LN1に従った時間的変化を示すことが想定される。
ここで、隣り合うサンプリングタイミングts(n),ts(n+1)間に位置するタイミングtにおける回転角度θに着目すると、直線LN2から得られるタイミングtの回転角度θと、直線LN1から得られるタイミングtの回転角度θとの間には、矢印Er1で示す角度差が存在することが分かる。これは、レゾルバ30で実測される回転角度θに対して、サーボロジック部60の出力する回転角度θに矢印Er1で示す角度差分の誤差が生じることを意味する。そして、交流モータM1のモータ回転数が高くなるに従って、直線LN1の傾きが増加することから、この誤差がさらに増大すると判断される。
この誤差をなくす手段としては、A/Dコンバータ52のサンプリング周波数を高めることにより、サンプリングタイミングを増やすことが挙げられる。しかしながら、発振回路42が発生し得る基準信号REFの周波数および制御装置40を構成するマイコンの処理負荷には限界があることから、サンプリング周波数を高めることは困難とされる。
そこで、この発明は、以下に示す方法に従って、サンプリングタイミングts(n)ごとの回転角度θs(n)を補間し、任意のタイミングtで誤差のない回転角度θの取得を可能とする。
図7は、図4の補間ロジック部70の有する補間手段を説明するための図である。
図7に示すように、タイミングtにおける回転角度θは、サーボロジック部60から出力される離散データ(直線LN2に相当)から想定される連続データ(直線LN1に相当)に基づいて導出される。
詳細には、サーボロジック部60で演算される角速度ωs(n)は、サンプリングタイミングts(n)における直線LN1の傾きに相当することから、この角速度ωs(n)と、サンプリングタイミングts(n)からタイミングtまでの経過時間t−ts(n)とに基づいて回転角度θs(n)からの角度変化量dθ1を算出する。そして、式(6)に示すように、算出した角度変化量dθ1を回転角度θs(n)に加算して回転角度θを得る。
θ=θs(n)+dθ1
=θs(n)+ωs(n)・(t−ts) ・・・(6)
以上に示す補間手段は、図4の信号処理回路44において、補間ロジック部70における補間値演算部72および加算器76と、タイマ80とにより実現される。詳細には、タイマ80は、常時動作状態にあり、タイミングtにおいて回転角度θの取得が指示されると、直前のサンプリングタイミングts(n)からの経過時間t−ts(n)を算出して補間値演算部72へ出力する。補間値演算部72は、フィルタ部64から角速度ωs(n)を受け、タイマ80から経過時間t−ts(n)を受けると、上記の方法に従って角度変化量dθ1を算出して加算器76へ出力する。加算器76は、角度変化量dθ1とメモリ演算部68から与えられた回転角度θs(n)とを加算して回転角度θを算出し、図示しないインバータ制御回路46へ出力する。
ここで、回転角度θにおいては、補間手段によって任意のタイミングでの角度検出が可能となるものの、サーボロジック部60のフィードバック制御によって、実際の交流モータM1の回転角度に対して遅延が生じ、応答性に問題を有する。そこで、回転角度θs(n)には、補間処理に加えて、出力タイミングの遅延を解消するための補正処理がさらに施される。
次に、この発明によるサーボロジック部60の出力タイミングずれを補正するための遅れ補正手段について説明する。
図8は、サーボロジック部60から出力される回転角度θの出力波形を示す図である。図8において、直線LN4は、回転角度θs(n)の補間手段の実行後における回転角度θの出力波形を示す。一方、直線LN3は、実際の交流モータM1の回転角度θiの出力波形を示す。
図8から明らかなように、直線LN4は、直線LN3に対して、略平行であって、かつ一定の時間Taのずれを有する。すなわち、回転角度θは、実際の交流モータM1の回転角度θiに追従して変化するものの、常に一定の時間Taだけ遅れたタイミングで出力される。この出力タイミングの遅れは、あるタイミングtにおいて回転角度θと回転角度θiとを対比したときに、矢印Er2で示す角度遅延となって現われる。すなわち、回転角度θは、回転角度θiに対してこの角度遅延分の誤差を常に含むことになる。
そこで、この発明による遅れ補正手段は、図9に示すように、直線LN4全体を角度変化量dθ2だけシフトさせて直線LN5とする補正を行なう。これによれば、補正後の直線LN5と直線LN3とは略一致することから、回転角度θiに対する回転角度θの誤差を零とすることができる。
なお、角度変化量dθ2については、サーボロジック部60で演算される角速度ωs(n)が、サンプリングタイミングts(n)における直線LN4の傾きに相当することから、この角速度ωs(n)と一定の時間Taとを積算することによって算出することができる。
以上に述べた遅れ補正手段は、図4の信号処理回路44において、補間ロジック部70における補間値演算部72、遅れ補正部74および加算器76により実現される。
詳細には、一定の時間Taは、サーボロジック部60に固有の値であり、遅れ補正部74に遅れ補正定数Taとして予め格納されている。遅れ補正部74は、タイミングtにおいて回転角度θの取得が指示されると、この遅れ補正定数Taを補間値演算部72へ出力する。補間値演算部72は、フィルタ部64から角速度ωs(n)を受け、遅れ補正部74から遅れ補正定数Taを受けると、上記の方法に従って角度変化量dθ2を算出して加算器76へ出力する。これにより、加算器76は、上述した角度変化量dθ1に加えて、角度変化量dθ2を補間値演算部72から受けることになる。加算器76は、角度変化量dθ1,dθ2とメモリ演算部68から与えられた回転角度θs(n)とを加算して最終的な回転角度θを算出し、その算出した回転角度θを図示しないインバータ制御回路46へ出力する。
このような構成とすることにより、インバータ制御回路46には、実際の交流モータM1の回転角度θiに高精度に追従した回転角度θが与えられる。その結果、この発明によるモータ駆動装置は、高回転領域に至るまで良好な制御性能で交流モータM1を駆動することができる。
ここで、補間手段および遅れ補正手段の他の態様としては、図4のサーボロジック部60に補間ロジック部70を付加せず、図10に示すサーボロジック部60Aに変更する構成が挙げられる。
具体的には、サーボロジック部60Aは、回転角度の瞬時値φs(n)から演算した角速度ωs(n)を、角加速度演算部620でさらに微分して角加速度αs(n)を算出する。そして、算出した角加速度αs(n)を積分器78で2回積分した後に可変利得器780でゲインを高めてメモリ演算部68へ出力する。これによれば、微分項の導入とフィードバックゲインの増加とによって、回転角度θの検出精度および応答性の確保が図られる。
しかしながら、サーボロジック部60Aにおいては、フィードバックゲインを高めたことによって、不要なノイズをも増幅させることとなり、フィードバック制御の安定性が損なわれるといった不具合が起こり得る。また、微分項を導入したことによって、マイコンの演算負荷を増加させることから、より処理能力の高い高価なマイコンが必要となり、コスト増加を招く結果となる。
これに対して、この発明によれば、補間ロジック部70は、サーボロジック部60から出力される角速度ωs(n)を用いて回転角度θs(n)を補間し、かつ遅れ補正を行なうことから、フィードバックゲインの増加が不要となり、サーボロジック部60において安定したフィードバック制御を構築することができる。また、マイコンの演算負荷の増加が抑えられるため、低コスト化を図ることができる。
さらに、補間ロジック部70の導入に関しては、図4に示す態様以外に、図11に示す態様が挙げられる。詳細には、サーボロジック部60Bは、演算した回転角度θs(n)を、再び角速度演算部62Bおよびフィルタ部64Bを用いて角速度に変換し、その変換した角速度を補間ロジック部70へ出力する。
これによれば、補間ロジック部70がサーボロジック部60Bから与えられる角速度に基づいて、回転角度θs(n)の補間および遅れ補正を行なうことから、図4と同様に、良好な検出精度と応答性とが実現される。しかしながら、サーボロジック部60Bには、回転角度θs(n)から角速度を算出するための演算手段が新たに付加されることから、マイコンの演算負荷を極端に増加させてしまう。
これに対して、図4の態様によれば、サーボロジック部60がフィードバック制御において得られた角速度ωs(n)を補間ロジック部70に直接的に与え、補間ロジック部70がこの角速度ωs(n)を用いて補間および遅れ補正を行なうことから、マイコンの演算負荷を増加させることなく、回転位置検出装置のさらなる低コスト化を図ることができる。
図12は、この発明の実施の形態1による回転位置検出装置における回転角度検出動作を説明するためのフローチャートである。
図12を参照して、一連の動作が開始されると、絶対角演算部50のA/Dコンバータ52は、サンプリングタイミングとして、所定の周波数の基準信号REFに同期して常時動作するタイマ80からタイマ値tsを取得する(ステップS01)。
次に、A/Dコンバータ52は、レゾルバ30から振幅変調信号(信号SIN,COS)を受けると、タイマ80からのタイマ値tsに同期したタイミングで、信号SIN,COSをサンプリングする(ステップS02)。これにより、信号SIN,COSは、基準信号REFに同期したタイミングでサンプリングされ、デジタル信号Asinφs(n),Acosφs(n)にそれぞれ変換される。A/Dコンバータ52は、変換されたデジタル信号Asinφs(n),Acosφs(n)を角度演算部54へ出力する。
角度演算部54は、デジタル信号Asinφs(n),Acosφs(n)を受けると、これらの信号に基づいて回転角度の瞬時値φs(n)を演算する(ステップS03)。そして、その演算した回転角度の瞬時値φs(n)をサーボロジック部60へ出力する。
サーボロジック部60は、回転角度の瞬時値φs(n)を受けると、回転角度の瞬時値φs(n)と、前回のサンプリングタイミングts(n−1)における回転角度θs(n−1)および角速度ωs(n−1)とに基づいて、今回のサンプリングタイミングts(n)における回転角度θs(n)および角速度ωs(n)を演算する(ステップS04)。サーボロジック部60は、演算した回転角度θs(n)および角速度ωs(n)を、後段の補間ロジック部70へ出力する。
補間ロジック部70は、サンプリングタイミングts(n)ごとの回転角度θs(n)を受けると、上述した方法に従って、回転角度θs(n)の補間および遅れ補正を行なう。具体的には、タイマ80は、回転角度θの取得が指示されたタイミングtにおける直前のサンプリングタイミングts(n)からの経過時間t−ts(n)を求めて補間値演算部72へ出力する(ステップS05)。
補間値演算部72は、角度変化量dθ1を算出して、加算器76へ出力する。さらに、補間値演算部72は、角度変化量dθ2を算出して加算器76へ出力する。加算器76は、補間値演算部72から角度変化量dθ1,dθ2を受け、メモリ演算部68から回転角度θs(n)を受けると、これらを加算し、その加算結果をタイミングtにおける回転角度θとしてインバータ制御回路46へ出力する(ステップS06)。
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、高回転領域まで、高精度に交流モータの回転子の回転位置を検出することができる。また、回転角度の演算処理が簡素化されることから、マイクロコンピュータの演算負荷を低減でき、装置の低廉化を図ることができる。すなわち、この発明による回転位置検出装置は、低廉な装置構成で、高回転領域に至るまで交流モータの回転子の回転位置を精度良く検出することができる。
[実施の形態2]
先の実施の形態1では、A/Dコンバータ52は、所定の周波数の基準信号REFに同期して動作するタイマ80からのタイマ値tsに従って振幅変調信号SIN,COSのサンプリングを行なう。
このとき、タイマ80では、発振回路42から入力される基準信号REFの周期と同じとなるようにタイマ値tsの周期が予め設定されている。これにより、A/Dコンバータ52は、基準信号REFと同期したタイミングで信号SIN,COSをサンプリングしてデジタル信号Asinφs(n),Acosφs(n)にそれぞれ変換する。
ここで、A/Dコンバータ52のサンプリングタイミングtsの基準となる基準信号REFは、発振回路42にて生成される。そのため、発振回路42自体の個体差や、環境温度の変化、構成部品の経年劣化などの影響を受けて、生成される基準信号REFには、実際の周波数と予め規定された周波数との間に偏差が発生する場合がある。
一方、A/Dコンバータ52は、図5(A),(B)で示した振幅変調信号SIN,COSの出力波形のピーク値をそれぞれサンプリングする必要がある。A/Dコンバータ52の分解能(ダイナミックレンジ)を最大限に発揮させるためである。
したがって、基準信号REFに偏差が生じたことによって、A/Dコンバータ52のサンプリングタイミングtsと、振幅変調信号SIN,COSがピークとなるタイミングとの間に当該偏差に応じたずれが生じると、A/Dコンバータ52の分解能を最大限に発揮させることができないという問題が生じる。これは、後段のサーボロジック部における角速度演算の確度を低下させる要因となる。
また、分解能を補うためには、A/Dコンバータ52のサンプリング周波数を高め、サンプリングタイミングを増やすことが必要となるが、発振回路42が発生し得る基準信号REFの周波数および制御装置40を構成するマイコンの処理負荷には限界があるため、サンプリング周波数を高めることは困難とされる。
そこで、本発明の実施の形態2は、以下に述べるように、基準信号REFの周波数の変化に応じて、A/Dコンバータ52のサンプリングタイミングを調整する構成とする。本構成により、A/Dコンバータ52のサンプリング周期は、基準信号REFの周期に応じた可変値となる。これによれば、振幅変調信号SIN,COSは、常に、基準信号REFに同期したタイミングでサンプリングされることとなる。この結果、低廉な装置構成で、精度良く回転角度θを検出することが可能となる。
図13は、この発明の実施の形態2による回転位置検出装置における信号処理回路のブロック図である。
なお、図13の信号処理回路44Cは、図4の信号処理回路44に、リファレンス周期演算部82およびサンプリングタイミング設定部84を付加したものである。また、図4におけるサーボロジック部60をサーボロジック部60Cに置き換えたものである。よって、共通する部分についての詳細な説明は省略する。
図13を参照して、リファレンス周期演算部82およびサンプリングタイミング設定部84は、タイマ80と絶対角演算部50のA/Dコンバータ52との間に設けられる。
タイマ80は、図示しない発振回路42から基準信号REFを受けると、正弦波状の基準信号REFの出力波形をパルス状に整形する。そして、タイマ80は、そのパルス状の基準信号REFが立下るタイミングを捉え、その捉えた立下りタイミングをタイマ値tとしてリファレンス周期演算部82へ出力する。
リファレンス周期演算部82は、タイマ80からのタイマ値tに基づいて基準信号REFの周期(以下、リファレンス周期とも称する)Tc(n)を演算する。
リファレンス周期Tc(n)の演算においては、最も簡易な手法として、式(7)を用いて連続して入力された2個のタイマ値t(たとえばtn−1,tnとする)の差を求めることが挙げられる。
Tc(n)=tn−tn−1 ・・・(7)
しかしながら、かかる手法では、発振回路42から出力された基準信号REFに重畳したノイズによって演算結果に誤差が生じる可能性がある。かかる誤差を除去するには、たとえば、リファレンス周期の移動平均を求め、これをリファレンス周期Tc(n)に設定することが有効である。
詳細には、移動平均とは、周知のように、予め一定期間の間隔を定め、その間隔内における出力平均を連続して計算することにより、出力の趨勢的な動向を知ろうとするものである。そこで、式(8)に示すように、k個(kは2以上の自然数)の周期を一定期間とし、その一定期間におけるk個のリファレンス周期の平均値を連続的に演算することにより、リファレンス周期Tc(n)を求める構成とする。
Tc(n)={Tc(n−k−1)+Tc(n−k−2)+・・・+Tc(n)}/k ・・・(8)
なお、移動平均としては、式(8)の手法以外に、k個のリファレンス周期の各々に所定の係数を掛け合わせて重み付けしたものの平均値を求める加重移動平均を適用しても良い。この場合、所定の係数は、最近のリファレンス周期に対するものほど大きくなるように設定される。
リファレンス周期演算部82は、上述した手法によってリファレンス周期Tc(n)を演算すると、その演算したリファレンス周期Tc(n)をサンプリングタイミング設定部84および角速度演算部62Cへそれぞれ出力する。
サンプリングタイミング設定部84は、リファレンス周期演算部82からリファレンス周期Tc(n)を受けると、これに基づいてA/Dコンバータ52のサンプリングタイミングts(n)を設定する。
図14は、基準信号REFとA/Dコンバータ52のサンプリングタイミングとの関係を示す図である。
図14を参照して、サンプリングタイミングts(n)は、前回のサンプリングタイミングts(n−1)に演算されたリファレンス周期Tc(n)を加算することにより導出される。このときのリファレンス周期Tc(n)は、上述したリファレンス周期演算部82により、基準信号REFの周波数変化に追従して変化する可変値となる。これにより、A/Dコンバータ52のサンプリングタイミングtsは、常に基準信号REFに同期したタイミングに設定される。
再び図13を参照して、サーボロジック部60Cにおける角速度演算部62Cは、サンプリングタイミングtsごとに、角度演算部54から回転角度の瞬時値φs(n)を受け、メモリ演算部68からサーボ制御された回転角度θs(n)を受け、リファレンス周期演算部82からリファレンス周期Tc(n)を受ける。そして、角速度演算部62は、回転角度の瞬時値φs(n)、回転角度θs(n)およびリファレンス周期Tc(n)に基づいて、式(9)に従ってサンプリングタイミングts(n)における角速度ωs(n)を演算する。
ωs(n)={φs(n)−θs(n−1)}/Tc(n) ・・・(9)
このように、角速度ωs(n)の演算にリファレンス周期Tc(n)を用いることにより、演算された角速度ωs(n)には、基準信号REFの周波数変化に関わらず、常に高い精度が確保されることとなる。この結果、角速度ωs(n)を用いて導出されるサンプリングタイミングts(n)ごとの回転角度θs(n)、および任意のタイミングtにおける回転角度θを正確に求めることが可能となる。
図15は、この発明の実施の形態2による回転位置検出装置における回転角度検出動作を説明するためのフローチャートである。
図15を参照して、一連の動作が開始されると、リファレンス周期演算部82は、発振回路42からタイマ80に与えられる基準信号REFの周期であるリファレンス周期Tc(n)を演算してサンプリングタイミング設定部84へ出力する(ステップS010)。
次に、サンプリングタイミング設定部84は、演算されたリファレンス周期Tc(n)と前回のサンプリングタイミングを示すタイマ値ts(n−1)とに基づいて、A/Dコンバータ52のサンプリングタイミングts(n)を設定する(ステップS011)。
これにより、サンプリングタイミングts(n)は、常に基準信号REFに同期するように設定される。そして、設定されたサンプリングタイミングts(n)は、タイマ値tsとしてA/Dコンバータ52へ出力される(ステップS01)。
A/Dコンバータ52は、レゾルバ30から振幅変調信号(信号SIN,COS)を受けると、サンプリングタイミング設定部84からのタイマ値tsに同期したタイミングで、信号SIN,COSをサンプリングする(ステップS02)。これにより、信号SIN,COSは、基準信号REFに同期したタイミングでサンプリングされ、デジタル信号Asinφs(n),Acosφs(n)にそれぞれ変換される。A/Dコンバータ52は、変換されたデジタル信号Asinφs(n),Acosφs(n)を角度演算部54へ出力する。
角度演算部54は、デジタル信号Asinφs(n),Acosφs(n)を受けると、これらの信号に基づいて回転角度の瞬時値φs(n)を演算する(ステップS03)。そして、その演算した回転角度の瞬時値φs(n)をサーボロジック部60Cへ出力する。
サーボロジック部60Cは、回転角度の瞬時値φs(n)を受けると、回転角度の瞬時値φs(n)と、前回のサンプリングタイミングts(n−1)における回転角度θs(n−1)、角速度ωs(n−1)およびリファレンス周期Tc(n)とに基づいて、今回のサンプリングタイミングts(n)における回転角度θs(n)および角速度ωs(n)を演算する(ステップS041)。そして、サーボロジック部60Cは、演算した回転角度θs(n)および角速度ωs(n)を、後段の補間ロジック部70へ出力する。
補間ロジック部70は、サーボロジック部60Cからサンプリングタイミングts(n)ごとの回転角度θs(n)を受けると、上述した方法に従って、回転角度θs(n)を補間する。このとき、タイマ80は、回転角度θの取得が指示されたタイミングtにおける直前のサンプリングタイミングts(n)からの経過時間t−ts(n)を求めて補間ロジック部70へ出力する(ステップS05)。
補間ロジック部70は、メモリ演算部68からの回転角度θs(n)に補間および遅れ補正を施すことにより得られたタイミングtにおける回転角度θをインバータ制御回路46へ出力する(ステップS06)。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、A/Dコンバータのサンプリングタイミングを基準信号の周波数変化に追従して変化させることにより、常時、基準信号に同期したタイミングで振幅変調信号のサンプリングを行なうことが可能となる。この結果、マイコンの演算負荷を増加させることなく、回転位置の検出精度をより一層向上することができる。
[実施の形態3]
この発明による回転位置検出装置において、サーボロジック部60は、回転角度の瞬時値φsと回転角度θsとの位相差に基づいて回転角度の検出値を回転角度の時間的変化に追従させるフィードバック制御を行なうことにより、ノイズの発生を抑えて制御安定性を確保している。
その一方、この発明による回転位置検出装置を適用したモータ駆動装置において、交流モータM1の回転数が急変したときには、サーボロジック部60には、回転角度θsの急速な時間的変化に追従できるだけの高い応答性が要求される。回転角度の検出値と実際の回転角度との間に生じた偏差は、交流モータM1の出力トルクがトルク指令値TRに合致しないトルク制御ずれを引き起こす可能性があるためである。特に、モータ駆動装置を搭載した車両において、トルク制御ずれは車両の振動となって現われる。
ここで、サーボロジック部60の応答性を高めるには、フィードバック制御のゲインを増加させることが有効である。しかしながら、フィードバック制御のゲインを一律に増加させてしまうと、上述したように、不要なノイズをも増幅することとなり、制御安定性が損なわれるとことになる。
そこで、本実施の形態は、制御安定性と応答性との優先度を適宜比較考量し、その比較考量した結果に応じてフィードバック制御のゲインを可変とする構成とする。
図16は、この発明の実施の形態3による回転位置検出装置におけるサーボロジック部の機能ブロック図である。なお、図16のサーボロジック部60Dは、図4のサーボロジック部60に可変利得器660およびフィードバックゲイン調整部662を追加したものである。よって、重複する部分についての詳細な説明は省略する。
図16を参照して、サーボロジック部60Dは、角速度演算部62と、フィルタ部64と、積分器66と、可変利得器660と、メモリ演算部68と、フィードバックゲイン調整部662とを含む。
可変利得器660は、積分器66とメモリ演算部68との間に配される。可変利得器660は、積分器66から角速度ωs(n)の積分値を受けると、この積分値にフィードバックゲインFGを乗じてメモリ演算部68へ出力する。
フィードバックゲイン調整部662は、フィルタ部64を介してサンプリングタイミングts(n)における角速度ωs(n)を受けると、その角速度ωs(n)に基づいてフィードバックゲインFGを設定する。
詳細には、フィードバックゲイン調整部662は、サーボロジック部60DにおけるフィードバックゲインFGを設定するためのフィードバックゲインマップを図示しない記憶領域から読出し、その読出したフィードバックゲインマップを用いて、角速度ωs(n)に応じたフィードバックゲインFGを設定する。
図17は、フィードバックゲインマップの一例を示す図である。
図17を参照して、角速度ωs(n)が所定のしきい値ω_stdよりも高い領域、すなわち、高回転域では、フィードバックゲインFGは相対的に低い値G2に設定される。一方、角速度ωs(n)が所定のしきい値ω_std以下の領域、すなわち、低回転域では、フィードバックゲインFGは相対的に高い値G1に設定される。
図17から分かるように、フィードバックゲインFGは、交流モータM1の低回転域が高回転域よりも高い値に設定される。これは、モータ回転数の急変が低回転域にときに発生しやすい傾向にあることによる。すなわち、応答性が優先される低回転域では、フィードバックゲインFGが高められ、かつ制御安定性が優先される高回転域では、フィードバックゲインFGが低められることとなる。これにより、制御安定性と応答性との両立を図ることができる。
なお、図17のフィードバックゲインマップでは、フィードバックゲインFGを交流モータM1の角速度ωs(n)に応じて2段階に設定可能な構成としたが、より複数の段階を設け、複数の段階から角速度ωs(n)に応じて最適なゲインを適宜選択するように構成しても良い。また、図17とは異なり、フィードバックゲインFGを角速度ωs(n)の増加に従って連続的に減少するように設定することも可能である。
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、交流モータの角速度に応じてサーボロジック部のフィードバックゲインを可変とすることにより、回転位置検出の追従性と制御安定性との両立を図ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、モータの回転子の回転位置を検出する回転位置検出装置およびそれを備えるモータ駆動装置に適用することができる。
この発明の実施の形態1による回転位置検出装置が搭載されたモータ駆動装置の概略ブロック図である。 図1の制御装置の制御ブロック図である。 図2の制御装置に含まれるインバータ制御回路のブロック図である。 図2の制御装置に含まれる信号処理回路の機能ブロック図である。 基準信号REF、レゾルバから出力される振幅変調信号、および振幅変調信号から励磁成分を取り除いた検波後の振幅変調信号の出力波形である。 サーボロジック部から出力される回転角度θs(n)の出力波形を示す図である。 図4の補間ロジック部の有する補間手段を説明するための図である。 サーボロジック部から出力される回転角度θの出力波形を示す図である。 図8の補間ロジック部の有する遅れ補正手段を説明するための図である。 補間手段および遅れ補正手段の他の態様を示す機能ブロック図である。 補間手段および遅れ補正手段の他の態様を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1による回転位置検出装置における回転角度検出動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2による回転位置検出装置における信号処理回路のブロック図である。 基準信号とA/Dコンバータのサンプリングタイミングとの関係を示す図である。 この発明の実施の形態2による回転位置検出装置における回転角度検出動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態3による回転位置検出装置におけるサーボロジック部の機能ブロック図である。 フィードバックゲインマップの一例を示す図である。 従来の回転位置検出装置の概略ブロック図である。
符号の説明
10 電圧センサ、12 インバータ、14 U相アーム、16 V相アーム、18 W相アーム、20 電流センサ、30,302 レゾルバ、40 制御装置、42,304 発振回路、44,44C 信号処理回路、46 インバータ制御回路、50 絶対角演算部、52 A/Dコンバータ、54 角度演算部、60,60A〜60D サーボロジック部、62,62B,62C 角速度演算部、64,64B フィルタ部、66,78 積分器、68 メモリ演算部、70 補間ロジック部、72 補間値演算部、74 遅れ補正部、76 加算器、80 タイマ、82 リファレンス周期演算部、84 サンプリングタイミング設定部、306 R/Dコンバータ、308 マイクロコンピュータ、460 モータ制御用相電圧演算部、462 インバータ用PWM信号生成部、620 角加速度演算部、660,780 可変利得器、662 フィードバックゲイン調整部、M モータ、M1 交流モータ、SR1,SR2 システムリレー、D1〜D6 ダイオード、Q1〜Q6 NPNトランジスタ。

Claims (9)

  1. 回転電機に含まれる回転子の回転位置を検出する回転位置検出装置であって、
    前記回転子の回転角度に応じた信号を出力するレゾルバと、
    前記レゾルバからの出力信号に基づいて、前記回転子の回転角度を演算して出力する信号処理回路とを備え、
    前記信号処理回路は、
    前記レゾルバの出力信号を所定周期でサンプリングしてデジタル信号に変換するサンプリング部と、
    前記デジタル信号に基づいて、サンプリングタイミングにおける前記回転角度の瞬時値を演算する絶対角演算部と、
    前記演算された回転角度の瞬時値に基づいて、前記サンプリングタイミングにおける角速度を演算する角速度演算部と、
    前記演算された角速度を前記回転角度の時間的変化に変換し、前記回転角度の時間的変化に追従させて前記サンプリングタイミングにおける回転角度を演算する回転角度演算部とを含む、回転位置検出装置。
  2. 前記回転角度演算部は、演算された前記サンプリングタイミングにおける回転角度を前記角速度演算部に帰還させ、
    前記角速度演算部は、帰還された前記サンプリングタイミングにおける回転角度と、前記回転角度の瞬時値とに基づいて、前記サンプリングタイミングにおける角速度を演算し、
    前記信号処理回路は、前記サンプリングタイミングにおける角速度を用いて、前記帰還により生じる角度遅延を補正して前記サンプリングタイミングにおける回転角度を演算する遅れ補正部をさらに含む、請求項1に記載の回転位置検出装置。
  3. 前記遅れ補正部は、前記帰還により生じる遅延時間を遅れ補正定数として予め格納し、前記遅れ補正定数と前記サンプリングタイミングにおける角速度とに基づいて算出した補正角度を、前記サンプリングタイミングにおける回転角度に加算する、請求項2に記載の回転位置検出装置。
  4. 前記信号処理回路は、前記サンプリングタイミングにおける角速度を用いて、隣り合う前記サンプリングタイミング間の所望のタイミングにおける回転角度を補間して出力する補間部をさらに含む、請求項1に記載の回転位置検出装置。
  5. 前記補間部は、前記角速度演算部で演算された角速度を前記サンプリングタイミングにおける角速度として用いて、前記所望のタイミングにおける回転角度を補間して出力する、請求項4に記載の回転位置検出装置。
  6. 前記回転角度演算部は、演算された前記サンプリングタイミングにおける回転角度を前記角速度演算部に帰還させ、
    前記角速度演算部は、帰還された前記サンプリングタイミングにおける回転角度と、前記回転角度の瞬時値とに基づいて、前記サンプリングタイミングにおける角速度を演算し、
    前記信号処理回路は、演算された前記サンプリングタイミングにおける回転角度を前記角速度演算手段に帰還させるときの帰還利得を、前記サンプリングタイミングにおける角速度に応じて変化させる帰還利得調整部をさらに含む、請求項1に記載の回転位置検出装置。
  7. 前記帰還利得調整部は、前記サンプリングタイミングにおける角速度が相対的に低いとき、前記帰還利得を相対的に高い値に設定する、請求項6に記載の回転位置検出装置。
  8. 前記レゾルバは、発振回路から入力された基準信号を前記回転子の回転角度に応じて振幅変調してその振幅変調信号を出力し、
    前記サンプリング部は、
    所定期間ごとに前記基準信号の周期を演算する基準周期演算部と、
    演算された前記基準信号の周期に基づいて前記所定周期を設定するサンプリングタイミング設定部とを含む、請求項1に記載の回転位置検出装置。
  9. 電源と、
    前記電源から電力の供給を受けて回転電機を駆動する駆動回路と、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の回転位置検出装置を含み、検出された前記回転電機の回転子の回転位置に基づいて前記駆動回路を制御する制御装置とを備える、回転電機駆動装置。
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