JP2004239737A - 回転角度検出装置及び回転角度検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力消費量の低減を図ることができる回転角度検出装置及び回転角度検出方法を提供する。
【解決手段】磁気抵抗素子11は、ステアリングシャフトが所定角度回転する毎に1周期となるように変化する信号を回転体の回転に伴って繰り返し出力する。マイコン12は、磁気抵抗素子11からの信号の周期及び該信号の値に基づいてステアリングシャフトの回転角度を算出する。また、マイコン12は、エンジン停止状態においては、所定の基本サンプリング周期で磁気抵抗素子11を動作させるとともに、ステアリングシャフトの回転を検出した際には、常に一定の回転角度を検出できるように、ステアリングシャフトの回転速度に応じてサンプリング周期を変化させる。
【選択図】 図3
【解決手段】磁気抵抗素子11は、ステアリングシャフトが所定角度回転する毎に1周期となるように変化する信号を回転体の回転に伴って繰り返し出力する。マイコン12は、磁気抵抗素子11からの信号の周期及び該信号の値に基づいてステアリングシャフトの回転角度を算出する。また、マイコン12は、エンジン停止状態においては、所定の基本サンプリング周期で磁気抵抗素子11を動作させるとともに、ステアリングシャフトの回転を検出した際には、常に一定の回転角度を検出できるように、ステアリングシャフトの回転速度に応じてサンプリング周期を変化させる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両においてステアリングホイールの操舵角を検出する回転角度検出装置及び回転角度検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車において、VSC(Vehicle Stability Control)システム(R)、ESP(Electronic Stability Program)システム(R)といった車両安定性制御システムや、電子制御サスペンションシステムなどを搭載する場合には、そのシステム制御のためにステアリングの操舵角を検出する必要がある。このため、従来、こうした車両においては、操舵角を検出するための回転角度検出装置をステアリングコラム内に組み込むことが行われている。
【0003】
一般に、回転角度検出装置としては、絶対角検出方式の回転角度検出装置と相対角検出方式の回転角度検出装置とが知られている。
従来、例えば特許文献1に示されるように絶対角検出方式の回転角度検出装置では、3つの光センサと1つの磁気抵抗素子が用いられ、各光センサによって回転板の1回転中の角度を検出し、磁気抵抗素子からの出力電圧に基づいて回転板の回転数を検出するようになっている。詳しくは、回転板には周方向にそれぞれパターンの異なる3列のスリット列が設けられ、それらスリット列と対応する位置に各光センサが配置されている。そして、それらスリット列のスリットの有無に基づいて各光センサは、合計3ビットのコードを出力するようになっている。このコードは、回転板の1回転中において重複しないようになっている。このため、回転角度検出装置は、該コードを認識することにより、回転板の回転角を絶対値で検出することができる。
【0004】
こうした絶対角検出方式の回転角度検出装置によれば、回転板の回転角を絶対値で検出することが可能であるため、機能停止中に回転板が回転されても、機能復帰時には該回転板の回転角度を検出することができる。しかし、こうした絶対角検出方式の回転角度検出装置では、角度検出のための素子数が多く必要であるとともに、回転板に設けるスリットのパターン設計が難しいといった不都合がある。
【0005】
一方、例えば特許文献2に示されるように相対角検出方式の回転角度検出装置では、3つの光センサが用いられ、各光センサによって回転板の回転角度を検出するとともに、フェールセーフが行われるようになっている。詳しくは、回転板には周方向に等間隔で複数のスリットが設けられ、回転板が回転されるとそれらスリットの有無に基づいて各光センサは交番2進符号を出力するようになっている。そして、回転角度検出装置は、基準となる角度データに各光センサからの交番2進符号の変移数を加減算することにより、回転板の回転角度を相対的に算出するようになっている。
【0006】
こうした相対角検出方式の回転角度検出装置によれば、最低で2つの光センサを用いれば回転板の回転角度を検出することができるとともに、回転板に設けるスリットのパターンも単純で済むため、該スリットのパターン設計も容易となる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−98522号公報
【特許文献2】
特開2000−46536号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、相対角検出方式の回転角度検出装置においては、機能停止状態で回転板が回転されると、機能停止直前の回転板の回転角度と、機能復帰時における実際の回転板の回転角度とが相違してしまう。このため、たとえ車両がイグニッションOFF状態となっても、回転角度検出装置は回転板の回転角度を検出し続けなければならない。しかし、車両のイグニッションOFF状態において回転角度検出装置を連続的に動作させると、その電力消費によってバッテリ上がりが生じてしまうおそれがある。すなわち、回転角度検出装置に対して多量の暗電流が流れてしまい、これに起因してバッテリ上がりが生じてしまうおそれがある。そこで従来、イグニッションOFF状態においては回転角度検出装置の電力消費量を低減させるべく、回転角度検出装置を間欠的に動作させ、そのサンプリングされた算出角度に基づいて回転板の回転角度の誤検出を防止するようになっている。
【0009】
具体的には、前記特許文献2に示される相対角検出方式の回転角度検出装置の分解能は1.5゜に設定され、光センサからの出力位相差が1.5゜となっている。よって、回転角度検出装置が間欠的に動作される周期(サンプリング周期)は、少なくとも回転板が1.5゜回転されるまでに必要な時間よりも短い時間間隔に設定されている必要がある。すなわち、例えば回転板の許容最高回転速度が秒速2回転(=720゜/秒)の場合、約1ミリ秒以下のサンプリング周期が必要となる。
【0010】
ところが、近年では、車両の電子制御化や搭載電装品の増加等に伴い、暗電流の低減要求がよりシビアになっており、回転角度検出装置においてもイグニッションOFF時における電力消費量のさらなる低減が要求されている。
【0011】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力消費量の低減を図ることができる回転角度検出装置及び回転角度検出方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、回転体が所定角度回転する毎に1周期となるように変化する信号を回転体の回転に伴って繰り返し出力する角度検出手段と、前記角度検出手段からの信号の周期及び該信号の値に基づいて前記回転体の回転角度を算出する角度算出手段と、当該回転角度検出装置の非動作状態にあっては所定の間欠周期で前記角度検出手段を動作させるとともに、前記回転体の回転を検出した際には、該回転体の回転速度に応じて前記間欠周期を変化させる制御手段とを備えることを要旨とする。
【0013】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の回転角度検出装置において、前記制御手段は、当該回転角度検出装置の非動作状態で前記回転体が回転された際に、常に一定の回転角度を算出できるように前記間欠周期を変化させることを要旨とする。
【0014】
請求項3に記載の発明では、回転体が所定角度回転する毎に1周期となるように変化する信号を回転体の回転に伴って繰り返し出力する角度検出手段と、前記角度検出手段からの信号の周期及び該信号の値に基づいて前記回転体の回転角度を算出する角度算出手段とを備えた回転角度検出装置における回転角度検出方法であって、当該回転角度検出装置の非動作状態にあっては、所定の間欠周期で前記角度検出手段を動作させるとともに、前記回転体の回転を検出した際に、該回転体の回転速度に応じて前記間欠周期を変化させることを要旨とする。
【0015】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1〜3に記載の発明によると、角度算出手段は、角度検出手段からの出力信号が何周期分出力されたかを計数することにより、回転体が所定角度の回転を何回行ったかを算出することが可能となる。また、角度算出手段は、角度検出手段からの出力信号の出力値に基づき、所定角度内における絶対角を算出することが可能となる。すなわち、角度検出手段からの出力信号の周期の数に基づいて回転体の大まかな回転角度が算出され、同出力信号の出力値に基づいて回転体の微小な回転角度が算出される。このように、回転体が所定角度回転される間においては絶対角が検出されるため、角度算出手段は、少なくとも回転体が所定角度回転されるまでの間においてはサンプリングのための角度検出を行わなくても、回転角度の誤検出を生じることはない。よって、サンプリングのための角度検出の周期(サンプリング周期)を長くすることが可能となり、回転角度検出装置の電力消費量の低減を図ることが可能となる。
【0016】
しかも、サンプリング周期は回転体の回転速度に応じて変化されるようになっている。よって、回転体の回転速度が速い場合にサンプリング周期を短くすることにより、該回転に対する回転角度のサンプリング数を多くすることができるため、回転体の回転角度の検出信頼性が向上する。また、回転速度が遅い場合にサンプリング周期を長くすることにより、回転角度検出装置の電力消費量の低減を図ることが可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明によると、回転体の回転速度にかかわらず、常に一定の回転角度が算出される。このため、回転体の回転速度の変化に起因する回転角度の検出信頼性の変動が防止され、全体として高い検出信頼性を得ることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回転角度検出装置を車両におけるステアリングの操舵角を検出する操舵角検出装置として具体化した一実施形態を図1〜図6に基づき詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、回転角度検出装置としての操舵角検出装置1は、図示しない車両のステアリングコラム内に配設され、回転体としてのステアリングシャフトSに装着されている。操舵角検出装置1は、ステアリングシャフトSの周囲の構造体に固定されたハウジング2を備え、このハウジング2には回転板3が回転可能に支持されている。この回転板3はステアリングシャフトSに外嵌した状態で固定され、ステアリングシャフトSと共に回動する。つまり、回転板3は、ステアリングシャフトSが回転されると、同ステアリングシャフトSと等しく回転する。また、回転板3の外周面にはギア部3aが形成されている。そして、回転板3の近辺には、ギア部3aと歯合するギア体4が配設されている。このため、ステアリングシャフトSが回転されると、回転板3の回転に伴ってギア体4も回転されることとなる。なお、ギア体4は、回転板3の1回転当たり、3回転する歯数比で形成されている。
【0020】
図2にも併せ示すように、ギア体4の中心部には、永久磁石5が固定されている。この永久磁石5は、ギア体4において所定の径方向に磁束を発生させるように設けられている。このため、ギア体4が1回転すると、永久磁石5が発生する磁束の方向も360゜回転する。
【0021】
図2に示すように、ハウジング2内において永久磁石5と対向する箇所には、角度検出手段としての磁気抵抗素子11が配設されている。この磁気抵抗素子11は永久磁石5が発生する磁束を検出してギア体4の回転角に応じて連続的に変化する角度検出用のアナログ信号を出力する。詳しくは、回転板3が60゜回転する毎にギア体4が半回転(180゜回転)する。このため、図4に示すように、磁気抵抗素子11は、回転板3が60゜回転する毎に1周期となる正弦波からなる第1アナログ信号An1と、その第1アナログ信号An1に対して1/4周期だけ位相がずれた正弦波からなる第2アナログ信号An2とを出力する。
【0022】
次に、こうした操舵角検出装置1の電気的構成について説明する。
図3に示すように、操舵角検出装置1は、前記磁気抵抗素子11、角度算出手段及び制御手段としてのマイクロコンピュータ(マイコン)12、電源回路13及びインターフェイス部14を備えている。
【0023】
マイコン12は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAM、A/D変換器等を備えたCPUユニットであり、図3に示すプリント配線板6に配設されている。このマイコン12の第1入力端子IN1及び第2入力端子IN2には、前記磁気抵抗素子11からの第1及び第2アナログ信号An1,An2が入力されるようになっている。詳しくは、図3に示す信号線7を介して、第1入力端子IN1に前記第1アナログ信号An1が入力され、第2入力端子IN2に前記第2アナログ信号An2が入力されるようになっている。
【0024】
また、マイコン12の電源入力端子Vinには電源回路13が電気的に接続され、マイコン12はこの電源回路13から電力供給されている。電源回路13は、バッテリ電圧を降圧してマイコン12の駆動電圧に変換するDC−DCコンバータによって構成され、2つの入力端子を備えている。そして、一方の入力端子には図示しないイグニッションONリレーを介してバッテリ電圧が入力され、他方の入力端子にはイグニッションONリレーを介さずにバッテリ電圧が入力されている。また、電源回路13には、トランジスタTr1を介して磁気抵抗素子11が電気的に接続されている。詳しくは、トランジスタTr1のコレクタ端子が電源回路13に接続され、エミッタ端子が磁気抵抗素子11に接続されている。そして、トランジスタTr1のベース端子はマイコン12に接続されている。このため、マイコン12からトランジスタTr1に対してベース電流が通電された際にトランジスタTr1が作動し、電源回路13から磁気抵抗素子11に対して電力が供給される。よって、磁気抵抗素子11は、マイコン12によって給電が制御され、給電されているときに前記第1及び第2アナログ信号An1,An2を出力する。
【0025】
マイコン12は、磁気抵抗素子11から第1及び第2アナログ信号An1,An2が入力されると、それらアナログ信号An1,An2の電圧値に基づいて前記回転板3の回転角度を算出する。
【0026】
詳しくは、図4に模式的に示すように、マイコン12は、第1及び第2アナログ信号An1,An2が入力されると、それらアナログ信号An1,An2をディジタル信号に変換する。該ディジタル信号は、各アナログ信号An1,An2の電圧値に基づき、各アナログ信号An1,An2の1周期の変化に対して120分割したそれぞれ異なる値に変換されるようになっている。具体的には、同図にポイントP0で示すように、回転板3が基準位置(車輪が進行方向正面を向く位置=「0゜」)にある場合におけるアナログ信号An1,An2の電圧値に対しては、「0」となる値のディジタル信号に変換される。そして、ポイントP1で示すように、回転板3が時計回り方向に30゜回転された時点でのアナログ信号An1,An2の電圧値に対しては、「30」となる値のディジタル信号に変換される。つまり、回転板3が0゜から59゜まで回転される間においては、同回転板3が時計回り方向に1゜回転される毎にディジタル信号値は「1」ずつ加算され、反時計回り方向に1゜回転される毎にディジタル信号値は「1」ずつ減算されるようになっている。なお、ポイントP2で示すように、回転板3が60゜回転した際には、各アナログ信号An1,An2の電圧値が前記基準位置での電圧値と等しくなるため、ディジタル信号値は再び「0」となる。
【0027】
そして、こうしたディジタル信号値に基づき、マイコン12は回転板3の回転角度を算出する。例えば、図4に示す領域A(アナログ信号An1,An2の変移が基準位置に対して1周期)においてディジタル信号値が「30」の場合(ポイントP1)、マイコン12は、回転板3の回転角度を「30゜」(時計回り方向)と算出する。また、領域B(アナログ信号An1,An2の変移が基準位置に対して2周期)においてディジタル信号値が「30」の場合(ポイントP3)、マイコン12は、回転板3の回転角度を「90゜」(時計回り方向)と算出する。つまり、マイコン12は、アナログ信号An1,An2の変移が基準位置に対して何周期目にあるかに基づいて基準位置からの回転領域(ここでは領域A〜F)を算出し、その回転領域内においてディジタル信号値に基づいて回転板3の回転角度を絶対値で求めるようになっている。換言すれば、マイコン12は、基準位置からのアナログ信号An1,An2の周期を計数し、その計数値に基づいて回転板3の回転領域を相対的に算出する。そして、その算出した領域と、アナログ信号An1,An2からの電圧値とに基づいて、マイコン12は回転板3の回転角度を算出するようになっている。なお、マイコン12は、算出した回転角度をインターフェイス部14を介して種々の車両システム(例えば車両安定性制御システムや、電子制御サスペンションシステムなど)に対して出力する。
【0028】
ところで、マイコン12は、前記電源回路13に対して前記イグニッションONリレーを介してバッテリ電圧が入力されているか否かを認識するようになっている。そして、電源回路13に対してイグニッションONリレーを介してバッテリ電圧が入力されている場合、マイコン12は、トランジスタTr1を連続的に作動させるようになっている。このため、磁気抵抗素子11は連続的に動作して第1及び第2アナログ信号An1,An2をマイコン12に対して出力する。よって、マイコン12は、該アナログ信号An1,An2に基づいて回転板3の回転角度を連続的に算出する。
【0029】
一方、電源回路13に対してイグニッションONリレーを介してバッテリ電圧が入力されていない場合、すなわち車両のエンジンが停止されている状態において、マイコン12は、トランジスタTr1を間欠的に作動させるようになっている。詳しくは、マイコン12は、回転板3が予め設定された最高回転速度(本実施形態では秒速5回転)で回転された際に回転板3の回転角度が30゜変移するまでの間に1回だけ磁気抵抗素子11を動作させるタイミング(サンプリング周期)で、トランジスタTr1を間欠的に作動させるようになっている。すなわち、エンジン停止状態においてマイコン12は、回転板3が前記最高回転速度で回転された際に第1及び第2アナログ信号An1,An2が半周期変移するまでの間に1回となるサンプリング周期で、回転板3の回転角度を算出する。そして、このサンプリング周期は、基本サンプリング周期としてマイコン12に予め設定されている。
【0030】
このため、回転板3が例えば前記ポイントP3に示した位置にある状態(回転角度=90゜)でエンジンが停止され、その後にステアリングシャフトS及び回転板3が回転された場合、たとえ最高回転速度で回転されても、同図に示す領域b1内または領域b2内で角度が算出される。よって、マイコン12は、ディジタル信号値の変化から、回転板3が時計回り方向に回転されたか反時計回り方向に回転されたかを確実に認識可能となる。
【0031】
なお、磁気抵抗素子11を動作させるためのサンプリング周期は、「(サンプリング周期)<(1秒間当たりの許容回転角度)÷(1秒間当たりの最高回転角度)」という式から算出される。すなわち、本実施形態において基本サンプリング周期は「(サンプリング周期)<30÷1800」から「(サンプリング周期)<0.0166・・・秒」となる。このため、基本サンプリング周期は「15ミリ秒程度」に設定されていればよい。ちなみに、前記従来の相対角検出式の回転角度検出装置においては、分解能が1゜、最高回転速度が秒速5回転に設定されている場合、「(サンプリング周期)<1÷1800」から「(サンプリング周期)<0.0005・・・秒」となり、該サンプリング周期は「0.5ミリ秒程度」に設定されていなければならない。よって、本実施形態の操舵角検出装置1によれば、サンプリング周期を従来の相対角検出式の回転角度検出装置よりも30倍程度長くすることが可能となる。
【0032】
また、操舵角検出装置1の非動作状態、すなわちエンジンの停止状態においては、マイコン12は、回転板3の回転速度に応じてサンプリング周期を変化させる制御(サンプリング周期可変制御)を行うようになっている。そして、本実施形態においてマイコン12は、回転板3の回転速度にかかわらず、回転板3が所定角度(本実施形態では約5゜)回転する毎に角度算出を行うようにサンプリング周期を変化させる制御を行うようになっている。
【0033】
そこで、本実施形態のマイコン12によって行われるサンプリング周期可変制御を図5に示すフローチャートに従って説明する。
同図にステップS1で示すように、エンジン停止状態においてマイコン12は、サンプリング時間を経過したか否かを判断する。詳しくは、マイコン12は、エンジン停止直後においてはその停止時から前記基本サンプリング周期である「15ミリ秒」を経過したか否かを判断する。また、マイコン12は、エンジン停止後、新たにサンプリング周期が算出された場合にはその決定された時間を経過したか否かを判断する。そして、マイコン12は、該サンプリング時間を経過したと判断しない場合にはここでの処理を一旦終了し、該サンプリング時間を経過したと判断した場合にはステップS2の処理へ移行する。
【0034】
マイコン12は、ステップS2において回転板3の回転角度を算出し、続くステップS3において回転板3の回転角度に変化があったか否かを判断する。すなわち、マイコン12は、今回算出した回転板3の回転角度と前回算出した回転板3の回転角度との間に差があるか否かを判断する。そして、マイコン12は、それら回転角度の間に差がない場合にはここでの処理を一旦終了し、差がある場合にはステップS4の処理へ移行する。
【0035】
ステップS4においてマイコン12は、算出した回転角度と前回算出した回転角度との差(変移角度)と、サンプリング時間との関係から、回転板3の角速度(回転速度)を算出する。詳しくは、マイコン12は、変移角度をサンプリング時間によって除算して回転板3の角速度を算出する。よって、例えば算出した変移角度が「2.7゜」、サンプリング時間が「15ミリ秒」の場合、回転板3の角速度は「180゜/秒(秒速0.5回転)」となる。
【0036】
続くステップS5においてマイコン12は、ステップS4において算出した角速度に基づき、次回のサンプリング時間(サンプリング周期)を算出する。詳しくは、マイコン12は、ステップS4において算出した回転板3の角速度により、予め設定された所定の基準角度(本実施形態では「5゜」)を除算する。よって、例えば算出した回転板3の角速度が「180゜/秒」の場合、前記サンプリング周期の算出式から、次回のサンプリング時間は「約27ミリ秒」となる。
【0037】
次に、こうしたサンプリング周期可変制御の具体例を、図6を用いて詳細に説明する。
<1>回転板3の回転速度が低速(ここでは秒速0.5回転を例示)の場合
図6(a)にポイントP11で示すように、回転板3が基準位置から時計回り方向に30゜回転した位置でエンジンが停止された状態において、回転板3が時計回り方向に秒速0.5回転で回転された場合、マイコン12は、最初は前記基本サンプリング周期(15ミリ秒程度)で回転角度の算出を行う。このため、マイコン12は、まずポイントP12で示すように、回転板3がポイントP11から時計回り方向に約2.7゜回転された位置で磁気抵抗素子11を動作させて回転角度を算出する。ここで、マイコン12は、このポイントP11からポイントP12までの回転角度に基づいて回転板3の回転速度を算出し、算出した回転速度に基づき、常に約5゜の回転変移で回転角度を算出できるように以降のサンプリング周期を変化させる。すなわち、この場合マイコン12は、「(サンプリング周期)<5÷180」となる算出式から、サンプリング周期を約27ミリ秒に変化させる。これにより、以降は、同図にポイントP13〜P15で示すように約5゜毎の回転変移で回転角度の算出が行われる。よってこの場合、マイコン12は、基本サンプリング周期よりも長いサンプリング周期で回転板3の回転角度を算出する。このため、消費電力量がさらに低減されるとともに、高い検出精度も維持される。
【0038】
なお、サンプリング周期を約27ミリ秒に変化させた後、回転板3の回転速度が変化した場合、マイコン12は、前記同様に常に約5゜の回転変移で回転角度算出できるようにサンプリング周期を変化させる。具体的には、回転板3が、時計回り方向に秒速0.5回転で回転された状態から秒速1回転で回転された状態に変化した場合、マイコン12は、サンプリング周期を約14ミリ秒に変化させる。このため、マイコン12は、回転途中で回転板3の回転速度が変化した場合でも、常に同じ回転変移で回転板3の回転角度の算出を行うようになる。
【0039】
<2>回転板3の回転速度が高速(ここでは秒速5回転を例示)の場合
図6(b)にポイントP21で示すように、回転板3が基準位置から時計回り方向に30゜回転した位置でエンジンが停止された状態において、回転板3が時計回り方向に秒速5回転で回転された場合、マイコン12は、最初は前記基本サンプリング周期(15ミリ秒程度)で回転角度の算出を行う。このため、マイコン12は、まずポイントP22で示すように、回転板3がポイントP21から時計回り方向に約27゜回転された位置で磁気抵抗素子11を動作させて回転角度を算出する。ここで、マイコン12は、このポイントP21からポイントP22までの回転角度に基づいて回転板3の回転速度を算出し、算出した回転速度に基づき、常に約5゜の回転変移で回転角度を算出できるように以降のサンプリング周期を変化させる。すなわち、この場合マイコン12は、「(サンプリング周期)<5÷1800」となる算出式から、サンプリング周期を約2.7ミリ秒に変化させる。これにより、以降は、同図にポイントP23〜P25で示すように約5゜毎の回転変移で回転角度が行われる。よってこの場合、マイコン12は、基本サンプリング周期よりも短いサンプリング周期で回転板3の回転角度を算出する。このため、回転板3の回転速度が高速であっても、高い検出精度が維持される。また、サンプリング周期は短期的に短くなるだけであるため、消費電力量の著しい低下も防止される。
【0040】
なお、この<2>の場合においてもマイコン12は、回転途中で回転板3の回転速度が変化した場合には、サンプリング周期を適宜変化させて、常に5゜の回転変移で回転板3の回転角度を行うようになっている。
【0041】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)マイコン12は、磁気抵抗素子11から出力される第1及び第2アナログ信号An1,An2が基準位置に対して何周期目にあるかを計数することにより、回転板3、すなわちステアリングシャフトSが所定角度(ここでは60゜)の回転を何回行ったかを算出することができる。また、マイコン12は、第1及び第2アナログ信号An1,An2の出力値に基づき、所定角度(60゜)内における絶対角を算出する。すなわち、第1及び第2アナログ信号An1,An2の周期の数に基づいてステアリングシャフトSの大まかな回転角度が算出され、同アナログ信号An1,An2の出力値に基づいてステアリングシャフトSの微小な回転角度が算出される。このように、ステアリングシャフトSが所定角度(60゜)回転される間においては絶対角が検出されるため、マイコン12は、少なくともステアリングシャフトSが「60゜」回転されるまでの間においてはサンプリングのための角度検出を行わなくても、回転角度の誤検出を生じることはない。よって、エンジン停止状態におけるサンプリングのための角度検出の周期(サンプリング周期)を長くすることが可能となり、操舵角検出装置1の電力消費量の低減を図ることができる。
【0042】
(2)エンジンの停止状態でステアリングシャフトSが回転された場合、その回転速度が速い場合にはサンプリング周期が短くされるため、該回転に対する回転角度のサンプリング数を多くすることができ、該回転角度の検出信頼性を向上させることができる。また、ステアリングシャフトSの回転速度が遅い場合にはサンプリング周期が長くされるため、操舵角検出装置1の電力消費量を低減させることができる。
【0043】
(3)エンジンの停止状態でステアリングシャフトSが回転された場合、その回転速度にかかわらず、常に一定の回転角度が算出される。このため、ステアリングシャフトSの回転速度の変化に起因する回転角度の検出信頼性の変動が防止され、全体として高い検出信頼性を得ることができる。
【0044】
(4)操舵角検出装置1の非動作(エンジン停止)状態にあっては、予め設定された最高回転速度(秒速5回転)でステアリングシャフトSが回転された場合であっても、該ステアリングシャフトSが所定角度(60゜)回転されるまでの間に少なくとも2回は該ステアリングシャフトSの回転角度が算出される。このため、マイコン12は、ステアリングシャフトSが時計回り方向に回転されたか反時計回り方向に回転されたかを確実に認識可能となる。よって、ステアリングシャフトSの回転角度の誤検出を確実に防止することができる。
【0045】
(5)角度検出手段として、一つの磁気抵抗素子11のみを用いればよい。このため、従来の相対角検出式の回転角度検出装置に比べて部品点数を減らすことができ、操舵角検出装置1の構成を単純にすることができる。
【0046】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態では、エンジン停止状態においてステアリングシャフトSが回転された場合、マイコン12は、そのステアリングシャフトSの回転速度にかかわらず常に一定の回転角度を算出するようにサンプリング周期を変化させるようになっている。しかし、マイコン12は、常に一定の回転角度を算出するようにサンプリング周期を変化させるようになっていなくてもよい。例えば、ステアリングシャフトSの回転速度が低速であり、前記一定の回転角度を算出するようなサンプリング周期が前記基本サンプリング周期よりも長い場合、マイコン12は、サンプリング周期を変化させないようになっていてもよい。このようにすれば、マイコン12の処理負担が低減されるとともに、回転角度の検出精度を一層高めることができる。
【0047】
・ 前記各実施形態では、角度検出手段として磁気抵抗素子11を用いている。しかし、角度検出手段として、磁気抵抗素子11に限らず、例えば巨大磁気抵抗素子(GMR素子)や、磁気インピーダンス素子、ホール素子などの各種磁気センサや、ポテンションメータ等の接触型の素子に変更してもよい。また、角度検出手段として、回転板3の回転とともに変移し、同回転板3が所定角度(例えば60゜)回転する毎に1周期となるグレーコードを出力する光素子などに変更してもよい。要するに、角度検出手段は、ステアリングシャフトSが所定角度回転する毎に1周期となるように変化する信号を出力する素子によって構成されていればよい。
【0048】
・ 前記各実施形態において、第1及び第2アナログ信号An1,An2が1周期となる回転板3の回転角度は、60゜に限らず、例えば90゜、120゜、180゜、360゜、720゜、1800゜など、任意の角度に変更されてもよい。
【0049】
・ 回転角度検出装置は、ステアリングホイールの回転角度を検出する操舵角検出装置1以外の用途、例えば回転軸を備えた工作機械における回転軸の回転角度を検出する回転角度検出装置として用いられてもよい。そして、一方向(例えば時計回り方向)のみに回転する回転体の回転角度を検出する回転角度検出装置として用いた場合、その回転角度検出装置の非動作状態にあっては、前記マイコン12は、前記各実施形態とは異なる基本サンプリング周期に設定されてもよい。具体的には、マイコン12は、回転体が前記最高回転速度で回転された際に前記第1及び第2アナログ信号An1,An2が1周期変移するまでの間に1回となる基本サンプリング周期に設定されてもよい。このようにすれば、基本サンプリング周期をさらに長くすることができ、回転角度検出装置の電力消費量を一層低減させることができる。
【0050】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項1または請求項2に記載の回転角度検出装置において、前記間欠周期は、予め設定された最高回転速度で前記回転体が回転された際に該回転体が前記所定角度回転されるまでの間に、少なくとも1回は該回転体の回転角度を算出するタイミングとなるように設定され、前記角度算出手段は、当該回転角度検出装置の非動作状態における該回転体の回転当初はこの間欠基本サンプリング周期に基づいて前記角度検出手段を間欠的に動作させ、その後に該回転体の回転速度に応じて前記間欠周期を変化させること。
【0051】
(2) 請求項1,2、技術的思想(1)のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、前記角度検出手段は、前記回転体が所定角度回転する毎に1周期となるように連続して変化する角度検出用アナログ信号を出力する磁気センサを用いて構成されていること。
【0052】
(3) 請求項1,2、技術的思想(1),(2)のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、前記角度検出手段は、前記回転体が120度回転する毎に1周期となるように変化する信号を出力するように設定されていること。この技術的思想(3)に記載の発明によれば、高い角度検出精度が得られ、高い分解能の実現が可能となる。
【0053】
(4) 請求項1,2、技術的思想(1)〜(3)のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、当該回転角度検出装置は車両におけるステアリングホイールの回転角度を検出する操舵角検出装置として用いられること。
【0054】
(5) 請求項3に記載の回転角度検出方法において、当該回転角度検出装置の非動作状態にあっては、前記回転体の非回転状態においては予め設定された基本サンプリング周期で前記角度検出手段を動作させ、該回転体の回転を検出した際には、まず前記基本サンプリング周期で前記角度検出手段を動作させ、これにより算出された回転体の回転角度の変移量から回転体の回転速度を算出し、その回転速度に基づいてその後のサンプリング周期を変化させること。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜3に記載の発明によれば、回転角度検出装置の電力消費量の低減を図ることができるとともに、回転体の回転角度の検出信頼性を向上させることができる。
【0056】
請求項2に記載の発明によれば、回転体の回転速度の変化に起因する回転角度の検出信頼性の変動を防止することができ、検出信頼性を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を車両における操舵角検出装置として具体化した一実施形態の概略構成図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】同実施形態の電気的構成を概略的に示すブロック図。
【図4】同実施形態の作用を説明するために模式的に示すタイムチャート。
【図5】同実施形態の制御手段によって行われる処理を示すフローチャート。
【図6】(a),(b)は、同実施形態の作用を説明するために模式的に示す説明図。
【符号の説明】
1…回転角度検出装置としての操舵角検出装置、11…角度検出手段としての磁気抵抗素子、12…角度算出手段及び制御手段としてのマイクロコンピュータ(マイコン)、S…回転体としてのステアリングシャフト。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両においてステアリングホイールの操舵角を検出する回転角度検出装置及び回転角度検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車において、VSC(Vehicle Stability Control)システム(R)、ESP(Electronic Stability Program)システム(R)といった車両安定性制御システムや、電子制御サスペンションシステムなどを搭載する場合には、そのシステム制御のためにステアリングの操舵角を検出する必要がある。このため、従来、こうした車両においては、操舵角を検出するための回転角度検出装置をステアリングコラム内に組み込むことが行われている。
【0003】
一般に、回転角度検出装置としては、絶対角検出方式の回転角度検出装置と相対角検出方式の回転角度検出装置とが知られている。
従来、例えば特許文献1に示されるように絶対角検出方式の回転角度検出装置では、3つの光センサと1つの磁気抵抗素子が用いられ、各光センサによって回転板の1回転中の角度を検出し、磁気抵抗素子からの出力電圧に基づいて回転板の回転数を検出するようになっている。詳しくは、回転板には周方向にそれぞれパターンの異なる3列のスリット列が設けられ、それらスリット列と対応する位置に各光センサが配置されている。そして、それらスリット列のスリットの有無に基づいて各光センサは、合計3ビットのコードを出力するようになっている。このコードは、回転板の1回転中において重複しないようになっている。このため、回転角度検出装置は、該コードを認識することにより、回転板の回転角を絶対値で検出することができる。
【0004】
こうした絶対角検出方式の回転角度検出装置によれば、回転板の回転角を絶対値で検出することが可能であるため、機能停止中に回転板が回転されても、機能復帰時には該回転板の回転角度を検出することができる。しかし、こうした絶対角検出方式の回転角度検出装置では、角度検出のための素子数が多く必要であるとともに、回転板に設けるスリットのパターン設計が難しいといった不都合がある。
【0005】
一方、例えば特許文献2に示されるように相対角検出方式の回転角度検出装置では、3つの光センサが用いられ、各光センサによって回転板の回転角度を検出するとともに、フェールセーフが行われるようになっている。詳しくは、回転板には周方向に等間隔で複数のスリットが設けられ、回転板が回転されるとそれらスリットの有無に基づいて各光センサは交番2進符号を出力するようになっている。そして、回転角度検出装置は、基準となる角度データに各光センサからの交番2進符号の変移数を加減算することにより、回転板の回転角度を相対的に算出するようになっている。
【0006】
こうした相対角検出方式の回転角度検出装置によれば、最低で2つの光センサを用いれば回転板の回転角度を検出することができるとともに、回転板に設けるスリットのパターンも単純で済むため、該スリットのパターン設計も容易となる。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−98522号公報
【特許文献2】
特開2000−46536号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、相対角検出方式の回転角度検出装置においては、機能停止状態で回転板が回転されると、機能停止直前の回転板の回転角度と、機能復帰時における実際の回転板の回転角度とが相違してしまう。このため、たとえ車両がイグニッションOFF状態となっても、回転角度検出装置は回転板の回転角度を検出し続けなければならない。しかし、車両のイグニッションOFF状態において回転角度検出装置を連続的に動作させると、その電力消費によってバッテリ上がりが生じてしまうおそれがある。すなわち、回転角度検出装置に対して多量の暗電流が流れてしまい、これに起因してバッテリ上がりが生じてしまうおそれがある。そこで従来、イグニッションOFF状態においては回転角度検出装置の電力消費量を低減させるべく、回転角度検出装置を間欠的に動作させ、そのサンプリングされた算出角度に基づいて回転板の回転角度の誤検出を防止するようになっている。
【0009】
具体的には、前記特許文献2に示される相対角検出方式の回転角度検出装置の分解能は1.5゜に設定され、光センサからの出力位相差が1.5゜となっている。よって、回転角度検出装置が間欠的に動作される周期(サンプリング周期)は、少なくとも回転板が1.5゜回転されるまでに必要な時間よりも短い時間間隔に設定されている必要がある。すなわち、例えば回転板の許容最高回転速度が秒速2回転(=720゜/秒)の場合、約1ミリ秒以下のサンプリング周期が必要となる。
【0010】
ところが、近年では、車両の電子制御化や搭載電装品の増加等に伴い、暗電流の低減要求がよりシビアになっており、回転角度検出装置においてもイグニッションOFF時における電力消費量のさらなる低減が要求されている。
【0011】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電力消費量の低減を図ることができる回転角度検出装置及び回転角度検出方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、回転体が所定角度回転する毎に1周期となるように変化する信号を回転体の回転に伴って繰り返し出力する角度検出手段と、前記角度検出手段からの信号の周期及び該信号の値に基づいて前記回転体の回転角度を算出する角度算出手段と、当該回転角度検出装置の非動作状態にあっては所定の間欠周期で前記角度検出手段を動作させるとともに、前記回転体の回転を検出した際には、該回転体の回転速度に応じて前記間欠周期を変化させる制御手段とを備えることを要旨とする。
【0013】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の回転角度検出装置において、前記制御手段は、当該回転角度検出装置の非動作状態で前記回転体が回転された際に、常に一定の回転角度を算出できるように前記間欠周期を変化させることを要旨とする。
【0014】
請求項3に記載の発明では、回転体が所定角度回転する毎に1周期となるように変化する信号を回転体の回転に伴って繰り返し出力する角度検出手段と、前記角度検出手段からの信号の周期及び該信号の値に基づいて前記回転体の回転角度を算出する角度算出手段とを備えた回転角度検出装置における回転角度検出方法であって、当該回転角度検出装置の非動作状態にあっては、所定の間欠周期で前記角度検出手段を動作させるとともに、前記回転体の回転を検出した際に、該回転体の回転速度に応じて前記間欠周期を変化させることを要旨とする。
【0015】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1〜3に記載の発明によると、角度算出手段は、角度検出手段からの出力信号が何周期分出力されたかを計数することにより、回転体が所定角度の回転を何回行ったかを算出することが可能となる。また、角度算出手段は、角度検出手段からの出力信号の出力値に基づき、所定角度内における絶対角を算出することが可能となる。すなわち、角度検出手段からの出力信号の周期の数に基づいて回転体の大まかな回転角度が算出され、同出力信号の出力値に基づいて回転体の微小な回転角度が算出される。このように、回転体が所定角度回転される間においては絶対角が検出されるため、角度算出手段は、少なくとも回転体が所定角度回転されるまでの間においてはサンプリングのための角度検出を行わなくても、回転角度の誤検出を生じることはない。よって、サンプリングのための角度検出の周期(サンプリング周期)を長くすることが可能となり、回転角度検出装置の電力消費量の低減を図ることが可能となる。
【0016】
しかも、サンプリング周期は回転体の回転速度に応じて変化されるようになっている。よって、回転体の回転速度が速い場合にサンプリング周期を短くすることにより、該回転に対する回転角度のサンプリング数を多くすることができるため、回転体の回転角度の検出信頼性が向上する。また、回転速度が遅い場合にサンプリング周期を長くすることにより、回転角度検出装置の電力消費量の低減を図ることが可能となる。
【0017】
請求項2に記載の発明によると、回転体の回転速度にかかわらず、常に一定の回転角度が算出される。このため、回転体の回転速度の変化に起因する回転角度の検出信頼性の変動が防止され、全体として高い検出信頼性を得ることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回転角度検出装置を車両におけるステアリングの操舵角を検出する操舵角検出装置として具体化した一実施形態を図1〜図6に基づき詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、回転角度検出装置としての操舵角検出装置1は、図示しない車両のステアリングコラム内に配設され、回転体としてのステアリングシャフトSに装着されている。操舵角検出装置1は、ステアリングシャフトSの周囲の構造体に固定されたハウジング2を備え、このハウジング2には回転板3が回転可能に支持されている。この回転板3はステアリングシャフトSに外嵌した状態で固定され、ステアリングシャフトSと共に回動する。つまり、回転板3は、ステアリングシャフトSが回転されると、同ステアリングシャフトSと等しく回転する。また、回転板3の外周面にはギア部3aが形成されている。そして、回転板3の近辺には、ギア部3aと歯合するギア体4が配設されている。このため、ステアリングシャフトSが回転されると、回転板3の回転に伴ってギア体4も回転されることとなる。なお、ギア体4は、回転板3の1回転当たり、3回転する歯数比で形成されている。
【0020】
図2にも併せ示すように、ギア体4の中心部には、永久磁石5が固定されている。この永久磁石5は、ギア体4において所定の径方向に磁束を発生させるように設けられている。このため、ギア体4が1回転すると、永久磁石5が発生する磁束の方向も360゜回転する。
【0021】
図2に示すように、ハウジング2内において永久磁石5と対向する箇所には、角度検出手段としての磁気抵抗素子11が配設されている。この磁気抵抗素子11は永久磁石5が発生する磁束を検出してギア体4の回転角に応じて連続的に変化する角度検出用のアナログ信号を出力する。詳しくは、回転板3が60゜回転する毎にギア体4が半回転(180゜回転)する。このため、図4に示すように、磁気抵抗素子11は、回転板3が60゜回転する毎に1周期となる正弦波からなる第1アナログ信号An1と、その第1アナログ信号An1に対して1/4周期だけ位相がずれた正弦波からなる第2アナログ信号An2とを出力する。
【0022】
次に、こうした操舵角検出装置1の電気的構成について説明する。
図3に示すように、操舵角検出装置1は、前記磁気抵抗素子11、角度算出手段及び制御手段としてのマイクロコンピュータ(マイコン)12、電源回路13及びインターフェイス部14を備えている。
【0023】
マイコン12は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAM、A/D変換器等を備えたCPUユニットであり、図3に示すプリント配線板6に配設されている。このマイコン12の第1入力端子IN1及び第2入力端子IN2には、前記磁気抵抗素子11からの第1及び第2アナログ信号An1,An2が入力されるようになっている。詳しくは、図3に示す信号線7を介して、第1入力端子IN1に前記第1アナログ信号An1が入力され、第2入力端子IN2に前記第2アナログ信号An2が入力されるようになっている。
【0024】
また、マイコン12の電源入力端子Vinには電源回路13が電気的に接続され、マイコン12はこの電源回路13から電力供給されている。電源回路13は、バッテリ電圧を降圧してマイコン12の駆動電圧に変換するDC−DCコンバータによって構成され、2つの入力端子を備えている。そして、一方の入力端子には図示しないイグニッションONリレーを介してバッテリ電圧が入力され、他方の入力端子にはイグニッションONリレーを介さずにバッテリ電圧が入力されている。また、電源回路13には、トランジスタTr1を介して磁気抵抗素子11が電気的に接続されている。詳しくは、トランジスタTr1のコレクタ端子が電源回路13に接続され、エミッタ端子が磁気抵抗素子11に接続されている。そして、トランジスタTr1のベース端子はマイコン12に接続されている。このため、マイコン12からトランジスタTr1に対してベース電流が通電された際にトランジスタTr1が作動し、電源回路13から磁気抵抗素子11に対して電力が供給される。よって、磁気抵抗素子11は、マイコン12によって給電が制御され、給電されているときに前記第1及び第2アナログ信号An1,An2を出力する。
【0025】
マイコン12は、磁気抵抗素子11から第1及び第2アナログ信号An1,An2が入力されると、それらアナログ信号An1,An2の電圧値に基づいて前記回転板3の回転角度を算出する。
【0026】
詳しくは、図4に模式的に示すように、マイコン12は、第1及び第2アナログ信号An1,An2が入力されると、それらアナログ信号An1,An2をディジタル信号に変換する。該ディジタル信号は、各アナログ信号An1,An2の電圧値に基づき、各アナログ信号An1,An2の1周期の変化に対して120分割したそれぞれ異なる値に変換されるようになっている。具体的には、同図にポイントP0で示すように、回転板3が基準位置(車輪が進行方向正面を向く位置=「0゜」)にある場合におけるアナログ信号An1,An2の電圧値に対しては、「0」となる値のディジタル信号に変換される。そして、ポイントP1で示すように、回転板3が時計回り方向に30゜回転された時点でのアナログ信号An1,An2の電圧値に対しては、「30」となる値のディジタル信号に変換される。つまり、回転板3が0゜から59゜まで回転される間においては、同回転板3が時計回り方向に1゜回転される毎にディジタル信号値は「1」ずつ加算され、反時計回り方向に1゜回転される毎にディジタル信号値は「1」ずつ減算されるようになっている。なお、ポイントP2で示すように、回転板3が60゜回転した際には、各アナログ信号An1,An2の電圧値が前記基準位置での電圧値と等しくなるため、ディジタル信号値は再び「0」となる。
【0027】
そして、こうしたディジタル信号値に基づき、マイコン12は回転板3の回転角度を算出する。例えば、図4に示す領域A(アナログ信号An1,An2の変移が基準位置に対して1周期)においてディジタル信号値が「30」の場合(ポイントP1)、マイコン12は、回転板3の回転角度を「30゜」(時計回り方向)と算出する。また、領域B(アナログ信号An1,An2の変移が基準位置に対して2周期)においてディジタル信号値が「30」の場合(ポイントP3)、マイコン12は、回転板3の回転角度を「90゜」(時計回り方向)と算出する。つまり、マイコン12は、アナログ信号An1,An2の変移が基準位置に対して何周期目にあるかに基づいて基準位置からの回転領域(ここでは領域A〜F)を算出し、その回転領域内においてディジタル信号値に基づいて回転板3の回転角度を絶対値で求めるようになっている。換言すれば、マイコン12は、基準位置からのアナログ信号An1,An2の周期を計数し、その計数値に基づいて回転板3の回転領域を相対的に算出する。そして、その算出した領域と、アナログ信号An1,An2からの電圧値とに基づいて、マイコン12は回転板3の回転角度を算出するようになっている。なお、マイコン12は、算出した回転角度をインターフェイス部14を介して種々の車両システム(例えば車両安定性制御システムや、電子制御サスペンションシステムなど)に対して出力する。
【0028】
ところで、マイコン12は、前記電源回路13に対して前記イグニッションONリレーを介してバッテリ電圧が入力されているか否かを認識するようになっている。そして、電源回路13に対してイグニッションONリレーを介してバッテリ電圧が入力されている場合、マイコン12は、トランジスタTr1を連続的に作動させるようになっている。このため、磁気抵抗素子11は連続的に動作して第1及び第2アナログ信号An1,An2をマイコン12に対して出力する。よって、マイコン12は、該アナログ信号An1,An2に基づいて回転板3の回転角度を連続的に算出する。
【0029】
一方、電源回路13に対してイグニッションONリレーを介してバッテリ電圧が入力されていない場合、すなわち車両のエンジンが停止されている状態において、マイコン12は、トランジスタTr1を間欠的に作動させるようになっている。詳しくは、マイコン12は、回転板3が予め設定された最高回転速度(本実施形態では秒速5回転)で回転された際に回転板3の回転角度が30゜変移するまでの間に1回だけ磁気抵抗素子11を動作させるタイミング(サンプリング周期)で、トランジスタTr1を間欠的に作動させるようになっている。すなわち、エンジン停止状態においてマイコン12は、回転板3が前記最高回転速度で回転された際に第1及び第2アナログ信号An1,An2が半周期変移するまでの間に1回となるサンプリング周期で、回転板3の回転角度を算出する。そして、このサンプリング周期は、基本サンプリング周期としてマイコン12に予め設定されている。
【0030】
このため、回転板3が例えば前記ポイントP3に示した位置にある状態(回転角度=90゜)でエンジンが停止され、その後にステアリングシャフトS及び回転板3が回転された場合、たとえ最高回転速度で回転されても、同図に示す領域b1内または領域b2内で角度が算出される。よって、マイコン12は、ディジタル信号値の変化から、回転板3が時計回り方向に回転されたか反時計回り方向に回転されたかを確実に認識可能となる。
【0031】
なお、磁気抵抗素子11を動作させるためのサンプリング周期は、「(サンプリング周期)<(1秒間当たりの許容回転角度)÷(1秒間当たりの最高回転角度)」という式から算出される。すなわち、本実施形態において基本サンプリング周期は「(サンプリング周期)<30÷1800」から「(サンプリング周期)<0.0166・・・秒」となる。このため、基本サンプリング周期は「15ミリ秒程度」に設定されていればよい。ちなみに、前記従来の相対角検出式の回転角度検出装置においては、分解能が1゜、最高回転速度が秒速5回転に設定されている場合、「(サンプリング周期)<1÷1800」から「(サンプリング周期)<0.0005・・・秒」となり、該サンプリング周期は「0.5ミリ秒程度」に設定されていなければならない。よって、本実施形態の操舵角検出装置1によれば、サンプリング周期を従来の相対角検出式の回転角度検出装置よりも30倍程度長くすることが可能となる。
【0032】
また、操舵角検出装置1の非動作状態、すなわちエンジンの停止状態においては、マイコン12は、回転板3の回転速度に応じてサンプリング周期を変化させる制御(サンプリング周期可変制御)を行うようになっている。そして、本実施形態においてマイコン12は、回転板3の回転速度にかかわらず、回転板3が所定角度(本実施形態では約5゜)回転する毎に角度算出を行うようにサンプリング周期を変化させる制御を行うようになっている。
【0033】
そこで、本実施形態のマイコン12によって行われるサンプリング周期可変制御を図5に示すフローチャートに従って説明する。
同図にステップS1で示すように、エンジン停止状態においてマイコン12は、サンプリング時間を経過したか否かを判断する。詳しくは、マイコン12は、エンジン停止直後においてはその停止時から前記基本サンプリング周期である「15ミリ秒」を経過したか否かを判断する。また、マイコン12は、エンジン停止後、新たにサンプリング周期が算出された場合にはその決定された時間を経過したか否かを判断する。そして、マイコン12は、該サンプリング時間を経過したと判断しない場合にはここでの処理を一旦終了し、該サンプリング時間を経過したと判断した場合にはステップS2の処理へ移行する。
【0034】
マイコン12は、ステップS2において回転板3の回転角度を算出し、続くステップS3において回転板3の回転角度に変化があったか否かを判断する。すなわち、マイコン12は、今回算出した回転板3の回転角度と前回算出した回転板3の回転角度との間に差があるか否かを判断する。そして、マイコン12は、それら回転角度の間に差がない場合にはここでの処理を一旦終了し、差がある場合にはステップS4の処理へ移行する。
【0035】
ステップS4においてマイコン12は、算出した回転角度と前回算出した回転角度との差(変移角度)と、サンプリング時間との関係から、回転板3の角速度(回転速度)を算出する。詳しくは、マイコン12は、変移角度をサンプリング時間によって除算して回転板3の角速度を算出する。よって、例えば算出した変移角度が「2.7゜」、サンプリング時間が「15ミリ秒」の場合、回転板3の角速度は「180゜/秒(秒速0.5回転)」となる。
【0036】
続くステップS5においてマイコン12は、ステップS4において算出した角速度に基づき、次回のサンプリング時間(サンプリング周期)を算出する。詳しくは、マイコン12は、ステップS4において算出した回転板3の角速度により、予め設定された所定の基準角度(本実施形態では「5゜」)を除算する。よって、例えば算出した回転板3の角速度が「180゜/秒」の場合、前記サンプリング周期の算出式から、次回のサンプリング時間は「約27ミリ秒」となる。
【0037】
次に、こうしたサンプリング周期可変制御の具体例を、図6を用いて詳細に説明する。
<1>回転板3の回転速度が低速(ここでは秒速0.5回転を例示)の場合
図6(a)にポイントP11で示すように、回転板3が基準位置から時計回り方向に30゜回転した位置でエンジンが停止された状態において、回転板3が時計回り方向に秒速0.5回転で回転された場合、マイコン12は、最初は前記基本サンプリング周期(15ミリ秒程度)で回転角度の算出を行う。このため、マイコン12は、まずポイントP12で示すように、回転板3がポイントP11から時計回り方向に約2.7゜回転された位置で磁気抵抗素子11を動作させて回転角度を算出する。ここで、マイコン12は、このポイントP11からポイントP12までの回転角度に基づいて回転板3の回転速度を算出し、算出した回転速度に基づき、常に約5゜の回転変移で回転角度を算出できるように以降のサンプリング周期を変化させる。すなわち、この場合マイコン12は、「(サンプリング周期)<5÷180」となる算出式から、サンプリング周期を約27ミリ秒に変化させる。これにより、以降は、同図にポイントP13〜P15で示すように約5゜毎の回転変移で回転角度の算出が行われる。よってこの場合、マイコン12は、基本サンプリング周期よりも長いサンプリング周期で回転板3の回転角度を算出する。このため、消費電力量がさらに低減されるとともに、高い検出精度も維持される。
【0038】
なお、サンプリング周期を約27ミリ秒に変化させた後、回転板3の回転速度が変化した場合、マイコン12は、前記同様に常に約5゜の回転変移で回転角度算出できるようにサンプリング周期を変化させる。具体的には、回転板3が、時計回り方向に秒速0.5回転で回転された状態から秒速1回転で回転された状態に変化した場合、マイコン12は、サンプリング周期を約14ミリ秒に変化させる。このため、マイコン12は、回転途中で回転板3の回転速度が変化した場合でも、常に同じ回転変移で回転板3の回転角度の算出を行うようになる。
【0039】
<2>回転板3の回転速度が高速(ここでは秒速5回転を例示)の場合
図6(b)にポイントP21で示すように、回転板3が基準位置から時計回り方向に30゜回転した位置でエンジンが停止された状態において、回転板3が時計回り方向に秒速5回転で回転された場合、マイコン12は、最初は前記基本サンプリング周期(15ミリ秒程度)で回転角度の算出を行う。このため、マイコン12は、まずポイントP22で示すように、回転板3がポイントP21から時計回り方向に約27゜回転された位置で磁気抵抗素子11を動作させて回転角度を算出する。ここで、マイコン12は、このポイントP21からポイントP22までの回転角度に基づいて回転板3の回転速度を算出し、算出した回転速度に基づき、常に約5゜の回転変移で回転角度を算出できるように以降のサンプリング周期を変化させる。すなわち、この場合マイコン12は、「(サンプリング周期)<5÷1800」となる算出式から、サンプリング周期を約2.7ミリ秒に変化させる。これにより、以降は、同図にポイントP23〜P25で示すように約5゜毎の回転変移で回転角度が行われる。よってこの場合、マイコン12は、基本サンプリング周期よりも短いサンプリング周期で回転板3の回転角度を算出する。このため、回転板3の回転速度が高速であっても、高い検出精度が維持される。また、サンプリング周期は短期的に短くなるだけであるため、消費電力量の著しい低下も防止される。
【0040】
なお、この<2>の場合においてもマイコン12は、回転途中で回転板3の回転速度が変化した場合には、サンプリング周期を適宜変化させて、常に5゜の回転変移で回転板3の回転角度を行うようになっている。
【0041】
したがって、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)マイコン12は、磁気抵抗素子11から出力される第1及び第2アナログ信号An1,An2が基準位置に対して何周期目にあるかを計数することにより、回転板3、すなわちステアリングシャフトSが所定角度(ここでは60゜)の回転を何回行ったかを算出することができる。また、マイコン12は、第1及び第2アナログ信号An1,An2の出力値に基づき、所定角度(60゜)内における絶対角を算出する。すなわち、第1及び第2アナログ信号An1,An2の周期の数に基づいてステアリングシャフトSの大まかな回転角度が算出され、同アナログ信号An1,An2の出力値に基づいてステアリングシャフトSの微小な回転角度が算出される。このように、ステアリングシャフトSが所定角度(60゜)回転される間においては絶対角が検出されるため、マイコン12は、少なくともステアリングシャフトSが「60゜」回転されるまでの間においてはサンプリングのための角度検出を行わなくても、回転角度の誤検出を生じることはない。よって、エンジン停止状態におけるサンプリングのための角度検出の周期(サンプリング周期)を長くすることが可能となり、操舵角検出装置1の電力消費量の低減を図ることができる。
【0042】
(2)エンジンの停止状態でステアリングシャフトSが回転された場合、その回転速度が速い場合にはサンプリング周期が短くされるため、該回転に対する回転角度のサンプリング数を多くすることができ、該回転角度の検出信頼性を向上させることができる。また、ステアリングシャフトSの回転速度が遅い場合にはサンプリング周期が長くされるため、操舵角検出装置1の電力消費量を低減させることができる。
【0043】
(3)エンジンの停止状態でステアリングシャフトSが回転された場合、その回転速度にかかわらず、常に一定の回転角度が算出される。このため、ステアリングシャフトSの回転速度の変化に起因する回転角度の検出信頼性の変動が防止され、全体として高い検出信頼性を得ることができる。
【0044】
(4)操舵角検出装置1の非動作(エンジン停止)状態にあっては、予め設定された最高回転速度(秒速5回転)でステアリングシャフトSが回転された場合であっても、該ステアリングシャフトSが所定角度(60゜)回転されるまでの間に少なくとも2回は該ステアリングシャフトSの回転角度が算出される。このため、マイコン12は、ステアリングシャフトSが時計回り方向に回転されたか反時計回り方向に回転されたかを確実に認識可能となる。よって、ステアリングシャフトSの回転角度の誤検出を確実に防止することができる。
【0045】
(5)角度検出手段として、一つの磁気抵抗素子11のみを用いればよい。このため、従来の相対角検出式の回転角度検出装置に比べて部品点数を減らすことができ、操舵角検出装置1の構成を単純にすることができる。
【0046】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・ 前記実施形態では、エンジン停止状態においてステアリングシャフトSが回転された場合、マイコン12は、そのステアリングシャフトSの回転速度にかかわらず常に一定の回転角度を算出するようにサンプリング周期を変化させるようになっている。しかし、マイコン12は、常に一定の回転角度を算出するようにサンプリング周期を変化させるようになっていなくてもよい。例えば、ステアリングシャフトSの回転速度が低速であり、前記一定の回転角度を算出するようなサンプリング周期が前記基本サンプリング周期よりも長い場合、マイコン12は、サンプリング周期を変化させないようになっていてもよい。このようにすれば、マイコン12の処理負担が低減されるとともに、回転角度の検出精度を一層高めることができる。
【0047】
・ 前記各実施形態では、角度検出手段として磁気抵抗素子11を用いている。しかし、角度検出手段として、磁気抵抗素子11に限らず、例えば巨大磁気抵抗素子(GMR素子)や、磁気インピーダンス素子、ホール素子などの各種磁気センサや、ポテンションメータ等の接触型の素子に変更してもよい。また、角度検出手段として、回転板3の回転とともに変移し、同回転板3が所定角度(例えば60゜)回転する毎に1周期となるグレーコードを出力する光素子などに変更してもよい。要するに、角度検出手段は、ステアリングシャフトSが所定角度回転する毎に1周期となるように変化する信号を出力する素子によって構成されていればよい。
【0048】
・ 前記各実施形態において、第1及び第2アナログ信号An1,An2が1周期となる回転板3の回転角度は、60゜に限らず、例えば90゜、120゜、180゜、360゜、720゜、1800゜など、任意の角度に変更されてもよい。
【0049】
・ 回転角度検出装置は、ステアリングホイールの回転角度を検出する操舵角検出装置1以外の用途、例えば回転軸を備えた工作機械における回転軸の回転角度を検出する回転角度検出装置として用いられてもよい。そして、一方向(例えば時計回り方向)のみに回転する回転体の回転角度を検出する回転角度検出装置として用いた場合、その回転角度検出装置の非動作状態にあっては、前記マイコン12は、前記各実施形態とは異なる基本サンプリング周期に設定されてもよい。具体的には、マイコン12は、回転体が前記最高回転速度で回転された際に前記第1及び第2アナログ信号An1,An2が1周期変移するまでの間に1回となる基本サンプリング周期に設定されてもよい。このようにすれば、基本サンプリング周期をさらに長くすることができ、回転角度検出装置の電力消費量を一層低減させることができる。
【0050】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1) 請求項1または請求項2に記載の回転角度検出装置において、前記間欠周期は、予め設定された最高回転速度で前記回転体が回転された際に該回転体が前記所定角度回転されるまでの間に、少なくとも1回は該回転体の回転角度を算出するタイミングとなるように設定され、前記角度算出手段は、当該回転角度検出装置の非動作状態における該回転体の回転当初はこの間欠基本サンプリング周期に基づいて前記角度検出手段を間欠的に動作させ、その後に該回転体の回転速度に応じて前記間欠周期を変化させること。
【0051】
(2) 請求項1,2、技術的思想(1)のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、前記角度検出手段は、前記回転体が所定角度回転する毎に1周期となるように連続して変化する角度検出用アナログ信号を出力する磁気センサを用いて構成されていること。
【0052】
(3) 請求項1,2、技術的思想(1),(2)のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、前記角度検出手段は、前記回転体が120度回転する毎に1周期となるように変化する信号を出力するように設定されていること。この技術的思想(3)に記載の発明によれば、高い角度検出精度が得られ、高い分解能の実現が可能となる。
【0053】
(4) 請求項1,2、技術的思想(1)〜(3)のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、当該回転角度検出装置は車両におけるステアリングホイールの回転角度を検出する操舵角検出装置として用いられること。
【0054】
(5) 請求項3に記載の回転角度検出方法において、当該回転角度検出装置の非動作状態にあっては、前記回転体の非回転状態においては予め設定された基本サンプリング周期で前記角度検出手段を動作させ、該回転体の回転を検出した際には、まず前記基本サンプリング周期で前記角度検出手段を動作させ、これにより算出された回転体の回転角度の変移量から回転体の回転速度を算出し、その回転速度に基づいてその後のサンプリング周期を変化させること。
【0055】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜3に記載の発明によれば、回転角度検出装置の電力消費量の低減を図ることができるとともに、回転体の回転角度の検出信頼性を向上させることができる。
【0056】
請求項2に記載の発明によれば、回転体の回転速度の変化に起因する回転角度の検出信頼性の変動を防止することができ、検出信頼性を一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を車両における操舵角検出装置として具体化した一実施形態の概略構成図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】同実施形態の電気的構成を概略的に示すブロック図。
【図4】同実施形態の作用を説明するために模式的に示すタイムチャート。
【図5】同実施形態の制御手段によって行われる処理を示すフローチャート。
【図6】(a),(b)は、同実施形態の作用を説明するために模式的に示す説明図。
【符号の説明】
1…回転角度検出装置としての操舵角検出装置、11…角度検出手段としての磁気抵抗素子、12…角度算出手段及び制御手段としてのマイクロコンピュータ(マイコン)、S…回転体としてのステアリングシャフト。
Claims (3)
- 回転体が所定角度回転する毎に1周期となるように変化する信号を回転体の回転に伴って繰り返し出力する角度検出手段と、
前記角度検出手段からの信号の周期及び該信号の値に基づいて前記回転体の回転角度を算出する角度算出手段と、
当該回転角度検出装置の非動作状態にあっては所定の間欠周期で前記角度検出手段を動作させるとともに、前記回転体の回転を検出した際には、該回転体の回転速度に応じて前記間欠周期を変化させる制御手段とを備えることを特徴とする回転角度検出装置。 - 前記制御手段は、当該回転角度検出装置の非動作状態で前記回転体が回転された際に、常に一定の回転角度を算出できるように前記間欠周期を変化させることを特徴とする請求項1に記載の回転角度検出装置。
- 回転体が所定角度回転する毎に1周期となるように変化する信号を回転体の回転に伴って繰り返し出力する角度検出手段と、前記角度検出手段からの信号の周期及び該信号の値に基づいて前記回転体の回転角度を算出する角度算出手段とを備えた回転角度検出装置における回転角度検出方法であって、当該回転角度検出装置の非動作状態にあっては、所定の間欠周期で前記角度検出手段を動作させるとともに、前記回転体の回転を検出した際に、該回転体の回転速度に応じて前記間欠周期を変化させることを特徴とする回転角度検出方法。
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