JP2006142908A - 車載用電子制御ユニットの消費電流低減方法、並びに車載用電子制御ユニット及びこれを用いた制御システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ECU1は、故障が生じていない時にはセンサやスイッチ(外部接続負荷)等の補機に対して通常のサンプリング間隔である10〔ms〕毎のサンプリングを行う。サンプリング実施区間の長さは2〜5〔ms〕、サンプリング不実施区間の長さは5〜8〔ms〕である(図3(a))。ハーネス天絡またはハーネス地絡故障が生じている時にはセンサやスイッチに対して100〔ms〕毎のサンプリングを行う。サンプリング実施区間の長さは2〜5〔ms〕であり、サンプリング不実施区間の長さは95〜98〔ms〕である(図3(b))。ハーネス断線故障が生じている時にはセンサやスイッチに対するサンプリングを停止する(図3(c))。
【選択図】 図3
Description
これらの故障の内、例えば、ハーネスの天絡/地絡は、その後の走行による走行振動等により解消される場合がある。また、バッテリを接続したままで故障したセンサやECUが正常のものと交換されることにより正常状態に復帰することがある。このため、ECUは、故障の検出を行うと共に、故障発声後は、常時、該故障からの復帰可能性や復帰時の制御条件等を判定している。
本発明の他の目的は、スイッチ類やセンサ類の出力データのサンプリング間隔を制御することにより、消費電流を低減することができる車載用電子制御ユニットの消費電流低減システムを提供することにある。
本発明の他の目的は、スイッチ類やセンサ類の出力データのサンプリング間隔を制御することにより、消費電流を低減することができる車載用電子制御ユニットを提供することにある。
同図において、本実施形態の車載用電子制御ユニットを用いた制御システムは、全体を制御するECU1と、ECU1と他の車載機器を接続するためのコネクタ2と、コネクタ2に接続されたハーネス3(配線)と、ハーネス3及びECU1に供給される電源4と、ECU1に設置箇所の状態を通知するセンサ5と、ECU1にON/OFF状態を入力するSW(スイッチ)6とを備える。
電源4は、バッテリ、燃料電池、太陽電池、エンジンを利用した発電器等であってもよい。また、センサ5、SW6などは、補機の一例を示している。
ECU1は、電源4からの電力の供給を受け、また、センサ5の出力データ(請求項記載の状態情報)及びSW6のON/OFF状態データ(請求項記載の状態情報)を入力してメモリ12(後述)に格納すると共に、このデータに基づいてハーネス3を制御する。また、ハーネス3または自己(ECU1)に故障が生じたか否かを判断する(故障検出機能)。
これらの故障の内、ハーネス3の天絡は、移動体の走行時の振動等により、ハーネス同士が擦れ、被覆が剥がれて+Bラインとセンサ5の配線とが短絡(接触)することにより生じる。この場合、ハーネスは束になっているので、その接触部が振動によって離れる可能性はシャーシとの接触の場合よりは低いが、それでも、移動体走行時の振動等により、接触部が離れて正常復帰することもある。
ECU1による故障検出方法、及び該故障からの復帰判定方法としては、例えば、入力信号を判定することによって行う方法がある。より具体的には、一定周期毎にON/OFFを繰り返す入力信号の変化の有無を判定する方法や、センサ5からの出力信号の電圧値が正常範囲内にあるか否かを判定する方法が可能である。さらに、ECU1からの出力(信号や電圧値)に連動してECU1への入力(信号や電圧値)が変化する機能において、前記出力と前記入力との対応関係に不整合が生じていないか否かを検証する方法等が可能である。
センサ5からECU1に入力される電圧の値、及びSW6に入力される電圧の値の、故障の有無や故障の種類に対応した区分は、図2に示すとおりである。
なお、SW6がONまたはOFFの時は正常時(故障無しの時)と見なしている。
図3(a)に示すように、ECU1は、故障が生じていない時にはセンサ5やSW6に対して通常のサンプリング間隔である10〔ms〕毎のサンプリングを行う。この時のサンプリング実施区間の長さは2〜5〔ms〕であり、サンプリング不実施区間の長さは5〜8〔ms〕としている。
さらに、図3(c)に示すように、ECU1は、ハーネス断線故障が生じている時にはセンサ5やSW6に対するサンプリング間隔をハーネス天絡またはハーネス地絡故障時におけるサンプリング間隔より十分大きくする(例えば5倍以上:図3(c)においては1〔s〕以上)か、またはサンプリングを停止する。
図4は、本実施形態に係る車載用電子制御ユニットのECU1の1構成例を示す構成図である。
同図に示すように、ECU1は、全体を制御するCPU11と、プログラムや固定データを格納するROMや一時的なデータや演算結果を格納するRAM等のメモリ12と、電源4(図1)から電力の供給を受けて主要な構成要素に配電する電源供給部13と、センサ5及びSW6(外部接続負荷)に電源を供給する電源制御部14と、センサ5及びSW6の出力データをサンプリングする入力回路15と、ワーニングランプ7を点灯させる出力回路16と、他ECU8と双方向通信する通信回路17と、から構成される。
このような構成により、ECU1は、エンジンを中心とする車載機器の制御を行うことができる。また、前述の故障の検出を行うことができる。
以下、ECU1の動作例についてフローチャートを使用して説明する。
まず、ECU1のCPU11(図4)は、メモリ12に記憶されているセンサ5の状態を検証し、ハーネス断線の場合はステップS10に移り、ハーネス天絡/地絡の場合はステップS11に移り、故障無しの場合はステップS2に進む(ステップS1)。
ステップS3では、CPU11は、電源制御部14を介してセンサ5への電源の供給を開始する。
次に、ステップS4では、CPU11は、入力回路15を介してセンサ5のデータを入力処理する。
次に、ステップS5では、CPU11は、センサ5からの入力データに基づいてセンサ5の状態を確定する。
ステップS7では、CPU11は、電源制御部14を介してセンサ5への電源の供給を停止する。
次に、ステップS9では、CPU11は、センサ5に対する処理以外の処理の開始を行い、処理を終了する。なお、この処理終了後、図5の破線矢印のように、直ちにステップS1から始まるこの処理の開始につながるものであってもよい。
ステップS11では、CPU11は、100〔ms〕が経過している場合はステップS3に進み、100〔ms〕が経過していない場合はステップS9に進む。
なお、ステップS10では、ワーニング出力をONとするかわりに、ステップS11と同様の処理を行ってもよい。この場合の時間は、ステップS11の時間より十分長くなるように(例えば1〔s〕以上となるように)することが望ましい。
また、10/100msの経過判定は、これらの時間より短い時間間隔(例えば5ms)ごとに本処理を実施し、その実施回数で計測することが望ましい。この処理を実行した場合、S2およびS11で前記実施回数が所定の回数に達していない場合にS9に移るようにすることができる。
ステップS13では、CPU11は、出力回路16を介してワーニングランプ7(図4)へのワーニング出力をONにし、その後、ステップS9に移る。
なお、図5では、センサ5に対する処理(センサ5に対する制御)の場合を示したが、SW6に対する処理も、これに準ずるものとする。
(その他の実施の形態)
例えば、サンプリング実施区間やサンプリング不実施区間の電流値は、必ずしも図3に示される値に限定されるものではない。また、ハーネス天絡/地絡故障の場合のサンプリング不実施区間の長さも、必ずしも図3に示される値に限定されるものではない。
2 コネクタ
3 ハーネス
4 電源
5 センサ
6 SW(スイッチ)
7 ワーニングランプ
8 他ECU
11 CPU
12 メモリ
13 電源供給部
14 電源制御部
15 入力回路
16 出力回路
17 通信回路
Claims (9)
- 車両内の補機から得られる状態情報に基づいて車両内の機器を制御する車載用電子制御ユニットの消費電流低減方法であって、
前記車両内の補機から前記状態情報をサンプリングするステップと、
前記サンプリングにより得られる前記状態情報に基づいて故障の発生を判定すると共に、前記故障からの復帰可能性を判定するステップと、
復帰可能な故障からの復帰時点では、前記サンプリングのサンプリング間隔を、前記復帰可能な故障の種類に応じて前記故障発生時点以前でのサンプリング間隔よりも長くさせるステップと、
復帰不可能な故障の発生時点以降は、前記故障からの復帰可能性の判定処理を停止させると共に、前記サンプリングを停止させるステップと、
を有することを特徴とする車載用電子制御ユニットの消費電流低減方法。 - 前記サンプリングの実施期間のみに限定して前記車両内の補機に電源電力を供給することを特徴とする請求項1に記載の車載用電子制御ユニットの消費電流低減方法。
- 前記復帰可能な故障の種類を、天絡故障または地絡故障としたことを特徴とする請求項1または2に記載の車載用電子制御ユニットの消費電流低減方法。
- 前記復帰不可能な故障の種類を、ハーネス断線故障としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車載用電子制御ユニットの消費電流低減方法。
- 車両内の補機から得られる状態情報に基づいて車両内の機器を制御する車載用電子制御ユニットであって、
前記車両内の補機から前記状態情報をサンプリングする手段と、
前記サンプリングにより得られる前記状態情報に基づいて故障の発生を判定すると共に、前記故障からの復帰可能性を判定する手段と、
復帰可能な故障からの復帰時点では、前記サンプリングのサンプリング間隔を、前記復帰可能な故障の種類に応じて前記故障発生時点以前でのサンプリング間隔よりも長くなるように制御する手段と、
復帰不可能な故障の発生時点以降は、前記故障からの復帰可能性の判定処理を停止すると共に、前記サンプリングを停止する手段と、
を備えたことを特徴とする車載用電子制御ユニット。 - 前記サンプリングの実施期間のみに限定して前記車両内の補機に電源電力を供給することを特徴とする請求項5に記載の車載用電子制御ユニット。
- 前記復帰可能な故障の種類を、天絡故障または地絡故障としたことを特徴とする請求項5または6に記載の車載用電子制御ユニット。
- 前記復帰不可能な故障の種類を、ハーネス断線故障としたことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の車載用電子制御ユニット。
- 車両内の補機から得られる状態情報に基づいて車両内の機器を制御する車載用電子制御ユニットを用いた制御システムであって、
前記車両内の補機から前記状態情報をサンプリングする手段と、
前記サンプリングにより得られる前記状態情報に基づいて故障の発生を判定すると共に、前記故障からの復帰可能性を判定する手段と、
復帰可能な故障からの復帰時点では、前記サンプリングのサンプリング間隔を、前記復帰可能な故障の種類に応じて前記故障発生時点以前でのサンプリング間隔よりも長くなるように制御する手段と、
復帰不可能な故障の発生時点以降は、前記故障からの復帰可能性の判定処理を停止すると共に、前記サンプリングを停止する手段と、
を備えたことを特徴とする車載用電子制御ユニットを用いた制御システム。
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