JP2018179644A - 電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器、トルクアングルセンサ、トルクセンサ及びモータ駆動制御装置、電動パワーステアリング装置並びに車両 - Google Patents

電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器、トルクアングルセンサ、トルクセンサ及びモータ駆動制御装置、電動パワーステアリング装置並びに車両 Download PDF

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重之 植松
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【課題】回転角度検出のロバスト性を向上するのに好適な電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器、トルクアングルセンサ、トルクセンサ及びモータ駆動制御装置、電動パワーステアリング装置並びに車両を提供する。【解決手段】トルクアングルセンサ1は、出力軸32bの回転角度を検出する第1の回転角検出部14を備え、第1の回転角検出部14の回転角検出回路16は、半導体基板160S上に円形に配置された、垂直ホール素子から構成される第1〜第8の感磁素子160a〜160hと、これらの感磁素子を予め設定した回転周波数で周方向に1つずつ順に駆動する駆動回路161と、駆動された各感磁素子から出力される信号を二値化した二値化信号と、感磁素子を順次駆動時の回転周波数と同じ周波数の二値基準信号との位相差を出力軸32bの回転位置情報として検出する角度検出回路162とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置用の角度検出装置、トルクアングルセンサ、トルクセンサ及びモータ駆動制御装置、電動パワーステアリング装置並びに車両に関する。
従来、電動パワーステアリング装置で用いられる回転角センサ及びトルクセンサとして、例えば、特許文献1に記載の回転角・トルクセンサがある。この回転角・トルクセンサは、トーションバーを介して連結された第1及び第2のシャフトのそれぞれに固定された第1及び第2の磁気センサと、第1及び第2の磁気センサの位置に第1周期数及び第2周期数の周期的な第1及び第2の磁界を生成する第1及び第2の磁石ロータとを備えている。加えて、第1及び第2の磁気センサの出力に基づいて第1及び第2のシャフトの機械角を算出するとともに、算出した機械角に基づいて第1のシャフトにかかるトルクを算出する演算回路を備えている。かかる回転角・トルクセンサは、第1及び第2の磁気センサが、各2つの磁気抵抗素子を有し、これら各2つの磁気抵抗素子は、磁石ロータに対して電気角で90度の位相差を有するように配置され、磁気信号としてsin信号及びcos信号を検出するように構成されている。
特開2012−42352号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術にあっては、各2つの磁気抵抗素子によって、sin信号及びcos信号を検出するデュアルチャネルの構成となっている。そのため、sin信号及びcos信号間の感度ミスマッチや、2つの磁気抵抗素子間のエアギャップのばらつき等が発生し、軸心ずれ等に対する信号波形のオフセットや振幅の変動についてロバスト性が低くなるという問題があった。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、回転角度検出のロバスト性を向上するのに好適な電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器、トルクアングルセンサ、トルクセンサ及びモータ駆動制御装置、電動パワーステアリング装置並びに車両を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器は、電動パワーステアリング装置に用いられる回転軸上に該回転軸と同心かつ同期回転可能に設けられた円環状又は円板状の磁力発生機構であって、周方向に沿って周期数N(Nは2以上の自然数)の周期的な磁界を発生する磁力発生機構と、前記回転軸の回転に応じて変化する磁界に基づき前記回転軸の回転角を検出する回転角検出部と、を備え、前記回転角検出部は、半導体基板と、該半導体基板上に円形に配置された、前記半導体基板の基板面と平行な平面内に方向成分を有する磁界に感応する複数の感磁素子と、前記複数の感磁素子を予め設定した回転周波数で周方向に1つずつ順に駆動する駆動回路と、駆動された各感磁素子から出力される信号と前記回転周波数と同じ周波数の基準信号との位相差を前記回転軸の回転位置情報として検出し、検出した回転位置情報に基づき前記回転軸の回転角度を検出する角度検出回路とを有し、前記回転角検出部は、前記磁力発生機構の外周面と所定空隙を空けて対向して前記回転軸を回転可能に支持する部材側に固定して配置されていると共に、感応対象となる磁界の方向成分と前記基板面とが平行となる姿勢で配置されている。
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様に係る電動パワーステアリング装置用のトルクアングルセンサは、ステアリングシャフトに生じるトルクを検出するトルク検出部と、前記ステアリングシャフトの回転角度を検出する回転角度検出部と、を備え、前記回転角度検出部として、上記第1の態様に係る電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器を備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の第3の態様に係る電動パワーステアリング装置用のトルクセンサは、ステアリングシャフトを構成するトーションバーを介して連結された入力軸と出力軸とのうち前記入力軸の回転角度を検出する第1の回転角度検出器と、前記出力軸の回転角度を検出する第2の回転角度検出器と、前記第1の回転角度検出器で検出された前記入力軸の回転角度と、前記第2の回転角度検出器で検出された前記出力軸の回転角度との差分から前記トーションバーの捩れ角を算出し、算出した前記捩れ角に基づき操舵トルクを算出するトルク演算部と、を備え、前記第1の回転角度検出器及び前記第2の回転角度検出器として、上記第1の態様に係る電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器を備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の第4の態様に係る電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器は、電動パワーステアリング装置に用いられる同心かつ同軸線上に分割して設けられた第1の回転軸及び第2の回転軸のうち前記第1の回転軸の回転角度を検出する第1の回転角度検出器と、前記第2の回転軸の回転角度を検出する第2の回転角度検出器と、前記第1の回転角度検出器で検出された前記入力軸の回転角度と、前記第2の回転角度検出器で検出された前記出力軸の回転角度との差分を算出する角度差演算部と、を備え、前記第1の回転角度検出器及び前記第2の回転角度検出器として、上記第1の態様に係る電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器を備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の第5の態様に係る電動パワーステアリング装置用のモータ駆動制御装置は、ステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータのモータ回転軸の回転角度を検出するモータ回転角検出部として、上記第1の態様に係る電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器を備え、前記モータ回転角検出部で検出した前記モータ回転軸の回転角度に基づき前記電動モータを駆動制御する。
また、上記課題を解決するために、本発明の第6の態様に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータを駆動制御するモータ駆動制御装置として、上記第5の態様に係る電動パワーステアリング装置用のモータ駆動制御装置を備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の第7の態様に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフトに生じるトルクを検出するセンサとして、上記第2の態様に係る電動パワーステアリング装置用のトルクアングルセンサ又は上記第3の態様に係る電動パワーステアリング装置用のトルクセンサを備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の第8の態様に係る車両は、上記第6又は第7の態様に係る電動パワーステアリング装置を備える。
本発明の回転角度検出器であれば、従来と比較して、2つの磁気検出素子にて回転位置情報としてsin信号及びcos信号をそれぞれ個別に検出する必要が無くなる。そのため、これらの信号間における、軸心ずれ等に対する信号波形のオフセット及び振幅変動の影響を原理的に受けることがなくなる。加えて、磁気検出素子間のエアギャップのばらつき、温度ドリフト等の影響を原理的に受けることがなくなる。その結果、従来と比較してロバスト性の高い角度検出が可能となる。
そして、上記電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器にてステアリングシャフトの回転角度を検出する機能を有する電動パワーステアリング装置用のトルクアングルセンサでは、従来と比較してロバスト性の高い角度検出を行うことが可能となり、信頼性の高いステアリングシャフトの回転角度を検出することが可能となる。
また、トーションバーを介して連結された入力軸及び出力軸の回転角を検出する回転角度検出器として、上記電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器を備える電動パワーステアリング装置用のトルクセンサでは、信頼性の高いトルク値を検出することが可能となる。
また、同心かつ同軸線上に分割して設けられた第1の回転軸及び第2の回転軸の回転角度を検出する回転角度検出器として上記電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器を備え、これらの回転角度の差分(差角度)を算出する電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器では、高精度な差角度を検出することが可能となる。
また、電動モータのモータ回転角を検出する回転角度検出器として、上記電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器を備える電動パワーステアリング装置用のモータ駆動制御装置では、信頼性の高いモータ駆動制御を行うことが可能となる。
また、上記電動パワーステアリング装置用のモータ駆動制御装置及びトルクセンサの少なくとも一方を備える電動パワーステアリング装置では、信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となる。また、上記電動パワーステアリング装置を備える車両では、信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となる。
第1実施形態に係るトルクアングルセンサを搭載した電動パワーステアリング装置を車両に適用した場合の全体構成図である。 第1実施形態に係るトルクアングルセンサの構成を示す図である。 (a)は、第1実施形態に係る回転角検出回路の構成を示す図であり、(b)は、第1〜第8の感磁素子の円形配置構成を示す図である。 第2実施形態に係る第1のトルクセンサの構成を示す図である。 第3実施形態に係る第2のトルクセンサの構成を示す図である。 入力軸機械角と、第2の多極磁石リング13Aの電気角及び2極磁石の電気角との関係を示す図である。 (a)〜(g)は、第1〜第3実施形態の変形例に係る回転角検出回路の多重化の構成例を示す図である。 第1〜第3実施形態の変形例に係る第2の回転角検出回路の構成を示す図である。 第4実施形態に係る第3のトルクセンサの構成を示す図である。 第4実施形態に係る第3のトルクセンサの三重化された回転角検出回路の配置構成例を示す図である。 第4実施形態に係る第3のトルクセンサの第3のコントローラの具体的な構成を示すブロック図である。 (a)は、第1異常判定部の構成を示すブロック図であり、(b)は、第2異常判定部の構成を示すブロック図である。 第5実施形態に係るモータ駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 第5実施形態に係るモータ回転角センサの構成及び三重化された回転角検出回路の配置構成の一例を示す図である。 モータ回転角センサの第4のコントローラの構成を示すブロック図である。 第3異常判定部の構成を示すブロック図である。 他の変形例に係る第3のトルクセンサの第3のコントローラの構成を示す図である。 他の変形例に係る第3のコントローラの第1異常判定部の構成を示すブロック図である。 他の変形例に係るモータ回転角センサの第4のコントローラの構成を示すブロック図である。 他の変形例に係る第4のコントローラの第3異常判定部の構成を示すブロック図である。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第5実施形態及び第1〜第3実施形態の変形例を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものも含まれており、部材ないし部分の縦横の寸法や縮尺は実際のものとは異なる場合があることに留意すべきである。従って、具体的な寸法や縮尺は以下の説明を参酌して判断すべき場合がある。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合があることはもちろんである。
また、以下に示す第1〜第5実施形態及び第1〜第3実施形態の変形例は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1実施形態)
(全体構成)
第1実施形態に係る車両4は、図1に示すように、左右の転舵輪となる前輪4FR及び4FLと後輪4RR及び4RLを備えている。前輪4FR及び4FLは、電動パワーステアリング装置3によって転舵される。
電動パワーステアリング装置3は、ステアリングホイール31と、ステアリングシャフト32と、第1のユニバーサルジョイント33と、ロアシャフト34と、第2のユニバーサルジョイント35とを備える。
電動パワーステアリング装置3は、更に、ピニオンシャフト36と、ステアリングギヤ37と、タイロッド38と、ナックルアーム39と、トルクアングルセンサ1とを備える。
ステアリングホイール31に運転者から作用された操舵力は、ステアリングシャフト32に伝達される。このステアリングシャフト32は、入力軸32aと出力軸32bとを有する。入力軸32aの一端はステアリングホイール31に連結され、他端はトルクアングルセンサ1を介して出力軸32bの一端に連結されている。
そして、出力軸32bに伝達された操舵力は、第1のユニバーサルジョイント33を介してロアシャフト34に伝達され、更に、第2のユニバーサルジョイント35を介してピニオンシャフト36に伝達される。このピニオンシャフト36に伝達された操舵力はステアリングギヤ37を介してタイロッド38に伝達される。更に、このタイロッド38に伝達された操舵力はナックルアーム39に伝達され、前輪4FRおよび4FLを転舵させる。
ここで、ステアリングギヤ37は、ピニオンシャフト36に連結されたピニオン37aとこのピニオン37aに噛合するラック37bとを有するラックアンドピニオン形式に構成されている。従って、ステアリングギヤ37は、ピニオン37aに伝達された回転運動をラック37bで車幅方向の直進運動に変換している。
トルクアングルセンサ1は、ステアリングホイール31に付与されて入力軸32aに伝達された操舵トルクTを検出する。
また、ステアリングシャフト32の出力軸32bには、操舵補助力を出力軸32bに伝達する操舵補助機構40が連結されている。
操舵補助機構40は、出力軸32bに連結したウォームギヤ機構で構成される減速ギヤ41と、この減速ギヤ41に連結された操舵補助力を発生する電動モータ42と、電動モータ42のハウジングに固定支持されたモータ駆動制御装置2とを備えている。
電動モータ42は、3相ブラシレスモータであり、図示しない環状のモータロータと環状のモータステータとを備えている。モータステータは、径方向内側に突出する複数の極歯を円周方向に等間隔に備えて構成され、各極歯には励磁用コイルが巻き回されている。そして、モータステータの内側に、モータロータが同軸に配設されている。モータロータは、モータステータの極歯と僅かの空隙(エアギャップ)をもって対向しかつ外周面に円周方向に等間隔に設けられた複数の磁石を備えて構成されている。
モータロータはモータ回転軸に固定されており、モータステータのコイルにモータ駆動制御装置2を介して3相交流電流を流すことでモータステータの各歯が所定の順序に励磁されてモータロータが回転し、この回転に伴ってモータ回転軸が回転する。
そして、モータ回転軸が回転すると、その回転力(操舵補助力)が減速ギヤ41を介してステアリングシャフト32に伝達されステアリングシャフト32が回転する。一方、ステアリングホイール31が操舵されてステアリングシャフト32が回転すると、その回転力が減速ギヤ41を介してモータ回転軸に伝達されモータロータが回転する。すなわち、電動モータ42の回転位置とステアリングシャフト32の回転位置とは対応関係があり、いずれか一方の回転情報から他方の回転位置を算出することが可能である。
モータ駆動制御装置2は、車載電源であるバッテリ61から電源供給されることによって作動する。ここで、バッテリ61の負極は接地され、その正極はエンジン始動を行うイグニッションスイッチ62(以下、「IGスイッチ62」と記載する場合がある)を介してモータ駆動制御装置2に接続されると共に、IGスイッチ62を介さず直接、モータ駆動制御装置2に接続されている。
また、モータ駆動制御装置2には、図1に示すように、トルクアングルセンサ1で検出された操舵トルクTと、車速センサ60で検出された車速Vとが入力されている。
モータ駆動制御装置2は、車速センサ60からの車速Vと、トルクアングルセンサ1からの操舵トルクTと、不図示のモータ回転角センサからのモータ回転角θmとに基づき、電動モータ42を駆動制御する。
(トルクアングルセンサ1の構成)
第1実施形態に係るトルクアングルセンサ1は、図2に示すように、出力軸32b側に設けられた第1の回転角度検出器10と、入力軸32aと出力軸32bとの連結部に設けられたトルク検出部11と、これらを覆う第1のハウジング部12とを含んで構成される。
トルク検出部11は、入力軸32a及び出力軸32bを連結するトーションバー(図示略)を内部に有している。
第1実施形態のトルク検出部11は、図示省略するが、入力軸32aに形成されたセンサシャフト部と、センサシャフト部の外側に同軸に配置されたリール状の1対の検出コイルと、両者の間に同軸に配置された円筒部材と、回路基板とを備える。
センサシャフト部の表面には、軸方向に延びた複数の凸条が円周方向に沿って等間隔に形成されている。また、凸条の間には溝部が形成されている。円筒部材には、センサシャフト部の表面の凸条に対向する位置に、円周方向に等間隔に配置された複数個の長方形の窓からなる第1の窓列と、当該第1の窓列から軸方向にずれた位置に、第1の窓列と同一形状で円周方向の位相が異なる第2の窓列とが設けられている。
回路基板にはトルク検出部を構成する図示しないトルク演算回路が搭載されており、このトルク演算回路は、入力軸32aと出力軸32bとの相対変位(トーションバーの捩れ)に応じた2つのコイルの出力電圧とトーションバーのバネ定数との関係から、ステアリングホイール31に付与されて入力軸32aに伝達された操舵トルクTを算出する。このように、第1実施形態のトルク検出部11は、入力軸32aと出力軸32bとの相対的な変位(回転変位)を、コイル対のインピーダンスの変化に対応させて算出する。
トルク検出部11は、算出した操舵トルクTを、モータ駆動制御装置2に出力する。
第1の回転角度検出器10は、多極磁石リング13と、この多極磁石リング13の外周面に対して所定空隙を空けて対向する位置でかつ出力軸32bを回転可能に支持する部材側に固定配置された第1の回転角検出部14とを備える。
多極磁石リング13は、周方向に沿って外周面にS極とN極とが交互に連続するように着磁された円環形状(リング状)の多極磁石であり、中央の貫通穴内に出力軸32bを挿通させた状態で出力軸32bと同心に固定支持されている。これにより、出力軸32bの回転に同期して第1の多極磁石リング13が回転する。
この多極磁石リング13は、その半径方向の磁束密度が、それぞれ回転角度に対して周期数N(Nは2以上の自然数)の周期波形状(例えば、正弦波形状)に変化するように着磁されている。
また、多極磁石リング13は、必要な磁束密度に応じて、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石等から構成されている。
第1の回転角検出部14は、多極磁石リング13の外周面に沿った扇状の回路基板15と、この回路基板15上に実装された回転角検出回路16とを備えている。
回転角検出回路16は、図3(a)に示すように、感磁素子群160と、駆動回路161と、角度検出回路162と、これらを覆うパッケージ163とを含んで構成される。
感磁素子群160は、図3(b)に示すように、半導体基板160S上に円形に周方向に等間隔に配置された、第1〜第8の感磁素子160a〜160hを備える。各感磁素子は例えば5つの接点を有する垂直ホール素子等から構成されている。各感磁素子の5つの接点はそれぞれ、後述する、駆動回路161の備える2つの電流源と、定電位部(例えば接地部)と、角度検出回路162の備える作動差分増幅器の2つの入力部とに接続されている。
ここで、垂直ホール素子は、その感度の軸が、感磁素子群160の形成される半導体基板160Sと平行なxy平面に対して平行方向となる傾向を有している。従って、第1実施形態では、図2に示すように、多極磁石リング13の半径方向が半導体基板160Sの基板面と平行となる姿勢に第1の回転角検出部14を固定配置している。従って、第1実施形態の感磁素子群160は、多極磁石リング13の半径方向の磁界成分に対して良好な感度を有することになる。
駆動回路161は、図示省略するが、2つの電流源と、各感磁素子の各接点をON/OFFするスイッチ回路と、スイッチ回路を制御する論理回路と、発振器及び分周器を含み、クロック信号及び後述する二値信号の基準となる二値基準信号を生成するタイミング回路とを含んで構成される。なお、スイッチ回路は、例えばトランスミッションゲート等から構成される。
この駆動回路161は、タイミング回路によって論理回路及びスイッチ回路を制御し、予め設定された回転周波数で第1〜第8の感磁素子160a〜160hをチョッパ制御する。具体的に、第1〜第8の感磁素子160a〜160hを時計回り又は反時計回りに1つずつ順番に駆動状態(ON状態)にすると共に他の全ての感磁素子をOFF状態にする。これにより、ON状態の感磁素子が、予め設定された回転周波数で時計回り又は反時計回りに回転する状態を形成する。なお、タイミング回路から出力される二値基準信号は、回転周波数と等しい周波数の信号であり、第1〜第8の感磁素子160a〜160hのうち所定の感磁素子の位置に関する位相を有する。また、タイミング回路から出力されたクロック信号及び二値基準信号は、角度検出回路162に入力される。
角度検出回路162は、図示省略するが、作動差分増幅器と、バンドパスフィルタと、コンパレータと、カウンタ回路と、出力バッファとを含んで構成される。この角度検出回路162は、作動差分増幅器によって、ON状態の感磁素子について、その電流源に接続する接点と定電位部に接続する接点との間に出現するホール電圧に比例する出力信号を生成し、この出力信号を、バンドパスフィルタにてフィルタリングする。その後、バンドパスフィルタから出力された信号をコンパレータにて閾値と比較して二値信号に変換する。そして、カウンタ回路及び出力バッファにおいて、二値信号と二値基準信号とに基づきこれらの信号の位相差に相当するデジタルの信号を生成する。このデジタル信号は、多極磁石リング13の回転角度に関する信号であり、第1の回転角度検出器10は、このようにして検出した回転角度を、出力軸32bの回転角度である出力軸回転角θosとして、モータ駆動制御装置2に出力する。
(動作)
次に、第1実施形態の動作を説明する。
今、車両4の運転者によってステアリングホイール31が操舵され、この操舵力がステアリングシャフト32に伝達されると、まず、入力軸32aが操舵方向と対応する方向に回動する。この回動に伴って、トーションバーの入力軸32a側の端部(以下、「入力端」と記載する)が回動する。入力端を経た操舵力は、トーションバーの捩れ(弾性変形)を介して出力軸32b側の端部(以下、「出力端」と記載する)へと伝達され出力端(出力軸32b)が回動する。即ち、入力端(入力軸32a)及び出力端(出力軸32b)が回転方向に相対変位する。
これにより、トルクアングルセンサ1では、トルク検出部11のトルク演算回路にて、入力軸32aと出力軸32bとの相対変位(トーションバーの捩れ)に応じたコイルの出力電圧とトーションバーのバネ定数との関係から、ステアリングホイール31に付与されて入力軸32aに伝達された操舵トルクTが算出され、この操舵トルクTが、モータ駆動制御装置2に出力される。
一方、出力軸32bが回動することで、出力軸32bに設けられた多極磁石リング13が回動する。この回動による回転変位に応じた磁束は、第1の回転角度検出器10の感磁素子群160における、時計回り又は反時計回りに順次ON状態となる各感磁素子によって検知される。この検知された磁界は、角度検出回路162の作動差分増幅器にて磁束に応じたホール電圧に比例した信号となり、この信号は、角度検出回路162のバンドパスフィルタ、カウンタ回路及び出力バッファを介して、多極磁石リング13の回転角度に関する信号として出力される。この回転角度は、出力軸回転角θosとして、モータ駆動制御装置2に出力される。
モータ駆動制御装置2は、トルクアングルセンサ1からの操舵トルクTと、第1の回転角度検出器10からの出力軸回転角θosと、車速センサ60からの車速Vと、モータ回転角センサからのモータ回転角θmとに基づき、電動モータ42を駆動制御する。
ここで、多極磁石リング13は、磁力発生機構に対応し、回転角検出回路16は、回転角検出部に対応し、第1の回転角度検出器10は、電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器に対応する。
(第1実施形態の作用及び効果)
第1実施形態に係る第1の回転角度検出器10は、電動パワーステアリング装置3に用いられる出力軸32b上に該出力軸32bと同心かつ同期回転可能に設けられた円環状の多極磁石リング13が、周方向に沿って周期数N(第1実施形態では8)の周期的な磁界を発生する。第1の回転角検出部14が、出力軸32bの回転に応じて変化する磁界に基づき出力軸回転角θosを検出する。
ここで、第1の回転角検出部14は、回転角検出回路16を備える。この回転角検出回路16は、半導体基板160Sと、該半導体基板160S上に円形に配置された、半導体基板160Sの基板面と平行な平面内に方向成分を有する磁界に感応する第1〜第8の感磁素子160a〜160hとを備える。加えて、第1〜第8の感磁素子160a〜160hを予め設定した回転周波数で周方向(時計回り又は反時計回り)に1つずつ順に駆動する駆動回路161を備える。更に、駆動回路161によって駆動された各感磁素子から出力される信号を二値化した信号と、感磁素子を駆動時の回転周波数と同じ周波数の二値基準信号との位相差を出力軸32bの回転位置情報として検出し、検出した回転位置情報に基づき出力軸回転角θosを検出する角度検出回路162とを有する。
また、第1の回転角検出部14は、多極リング磁石13の外周面と所定空隙を空けて対向して出力軸32bを回転可能に支持する部材側に固定して配置されていると共に、感応対象となる磁界の方向成分と半導体基板160Sの基板面とが平行となる姿勢で配置されている。第1実施形態では、多極磁石リング13に対してその径方向と基板面とが平行となる姿勢で固定配置されている。
この構成であれば、従来と比較して、2つの磁気検出素子にて回転位置情報としてsin信号及びcos信号をそれぞれ個別に検出する必要が無くなる。そのため、これらの信号間における、軸心ずれ等に対する信号波形のオフセット及び振幅変動の影響を原理的に受けることがなくなる。加えて、磁気検出素子間のエアギャップのばらつき、温度ドリフト等の影響を原理的に受けることがなくなる。更に、多極磁石リング13が出力軸32b上に直結されているため、原理上、バックラッシが存在しない。更にまた、多極磁石リング13がN(Nは2以上の自然数)周期の繰り返し波形となる磁界を出力する構成となっているため、高分解能な角度検出が可能となる。その結果、従来と比較してロバスト性が高くかつ高精度な角度検出が可能となる。
なお、センサ要因のsin信号及びcos信号間の振幅差影響が原理上存在しないため、芯ずれの大きなアプリケーションにおいて芯ずれ変動に対しロバストな角度検出が可能となる。
また、第1実施形態に係るトルクアングルセンサ1は、トルク検出部11が、ステアリングシャフト32を構成する出力軸32bに生じる操舵トルクTを算出する。上記第1の回転角度検出器10が、出力軸32bの回転角度である出力軸回転角θosを検出する。
この構成であれば、出力軸回転角θosの検出において、上記第1の回転角度検出器10と同様の作用及び効果が得られる。
また、第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置3は、上記トルクアングルセンサ1を備える。これにより、信頼性の高い操舵トルクTに基づき信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となる。
また、第1実施形態に係る車両4は、上記電動パワーステアリング装置3を備える。これにより、信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となり、車両4の操舵安定性を高めることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
この第2実施形態は、上記第1実施形態の第1の回転角度検出器10と同様の構成の第2の回転角度検出器10Aを入力軸32aに、同じく同様の構成の第3の回転角度検出器10Bを出力軸32bに備える。そして、第2の回転角度検出器10A及び第3の回転角度検出器10Bで検出した入力軸32aの回転角度である入力軸回転角θis及び出力軸32bの回転角度である出力軸回転角θosに基づき操舵トルクTを算出する。
以下、上記第1実施形態と同様の構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
(第1のトルクセンサ1Aの構成)
第2実施形態は、図4に示すように、上記第1実施形態のトルクアングルセンサ1に代えて、第1のトルクセンサ1Aを備える。この第1のトルクセンサ1Aは、上記第1実施形態の第1の回転角度検出器10と同様の構成の第2の回転角度検出器10A及び第3の回転角度検出器10Bと、第1のコントローラ17Aと、これらを覆う第2のハウジング部12Aとを備える。なお、第1のコントローラ17Aは、図4中では、第2のハウジング部12Aの外側となっているが、実際は内側に収納される。
第2の回転角度検出器10Aは、第2の多極磁石リング13Aと、第2の回転角検出部14Aとを備える。
第2の多極磁石リング13Aは、中央の貫通穴内に入力軸32aを挿通させた状態で入力軸32aと同心に固定支持されている。第2実施形態では、第2の多極磁石リング13Aを、入力軸32aの出力軸32b側端部(理想的にはトーションバーの連結位置)に入力軸32aと同期回転可能に取付けている。これにより、入力軸32aの回転に同期して第2の多極磁石リング13Aが回転する。
第2の回転角検出部14Aは、上記第1実施形態の第1の回転角検出部14と同様の構成を有し同様の動作原理で、入力軸32aの回転角度である入力軸回転角θisを検出する。そして、検出した入力軸回転角θisを、第1のコントローラ17Aに出力する。
第3の回転角度検出器10Bは、第3の多極磁石リング13Bと、第3の回転角検出部14Bとを備える。
第3の多極磁石リング13Bは、中央の貫通穴内に出力軸32bを挿通させた状態で出力軸32bと同心に固定支持されている。第2実施形態では、第3の多極磁石リング13Bを、出力軸32bの入力軸32a側端部(理想的にはトーションバーの連結位置)に出力軸32bと同期回転可能に取付けている。これにより、出力軸32bの回転に同期して第3の多極磁石リング13Bが回転する。
第3の回転角検出部14Bは、上記第1実施形態の第1の回転角検出部14と同様の構成を有し同様の動作原理で、出力軸32bの回転角度である出力軸回転角θosを検出する。そして、検出した出力軸回転角θosを、第1のコントローラ17Aに出力する。
第1のコントローラ17Aは、図示省略するがトルク演算部を備え、このトルク演算部は、入力された入力軸回転角θisと、入力された出力軸回転角θosとの差分値Δθs、即ち二軸の相対角度Δθs(トーションバーの捩れ角Δθsに相当)を算出する。そして、算出した相対角度Δθsに基づき操舵トルクTを算出する。
具体的に、トーションバーで連結される二軸の相対角度Δθsが得られれば、例えば、下式(1)に従って、操舵トルクTを算出することが可能である。
T=(π・D4・G・Δθs)/32・L ・・・(1)
なお、上式(1)において、Lはトーションバーの長さ、Dはトーションバーの直径、Gはトーションバーの横弾性係数である。
トルク演算部17eは、算出した操舵トルクTを、モータ駆動制御装置2に出力する。
(動作)
次に、第2実施形態の動作を説明する。
今、車両4の運転者によってステアリングホイール31が操舵され、この操舵力がステアリングシャフト32に伝達されると、まず、入力軸32aが操舵方向と対応する方向に回動する。この回動に伴って、トーションバーの入力軸32a側の端部(入力端)が回動し、トーションバーの入力端に設けられた第2の多極磁石リング13Aが回動する。
この回動による回転変位に応じた磁束は、第2の回転角度検出器10Aの感磁素子群160における、時計回り又は反時計回りに順次ON状態となる各感磁素子によって検知される。この検知された磁界は、角度検出回路162を介して、第2の多極磁石リング13Aの回転角度に関する信号として出力される。この回転角度は、入力軸回転角θisとして、第1のコントローラ17Aに入力される。
一方、入力端を経た操舵力は、トーションバーの捩れ(弾性変形)を介して出力軸32b側の端部(出力端)へと伝達され出力端が回動する。即ち、入力端(入力軸32a)及び出力端(出力軸32b)が回転方向に相対変位する。
これにより、トーションバーの出力端に設けられた第3の多極磁石リング13Bが回動する。この回動による回転変位に応じた磁束は、第3の回転角度検出器10Bの感磁素子群160における、時計回り又は反時計回りに順次ON状態となる各感磁素子によって検知される。この検知された磁界は、角度検出回路162を介して、第3の多極磁石リング13Bの回転角度に関する信号として出力される。この回転角度は、出力軸回転角θosとして、第1のコントローラ17Aに入力される。
第1のコントローラ17Aは、トルク演算部にて、入力された入力軸回転角θisと、入力された出力軸回転角θosとの差分値Δθsを算出する。そして、算出したΔθsから、上式(1)に従って、操舵トルクTを算出する。更に、算出した操舵トルクTを、モータ駆動制御装置2に出力する。
モータ駆動制御装置2は、トルクセンサ1からの操舵トルクTと、車速センサ60からの車速Vと、モータ回転角センサからのモータ回転角θmとに基づき、電動モータ42を駆動制御する。
ここで、第2の多極磁石リング13A及び第3の多極磁石リング13Bは、磁力発生機構に対応し、回転角検出回路16は、回転角検出部に対応し、第2の回転角度検出器10Aは、第1の回転角度検出器に対応する。また、第3の回転角度検出器10Bは、第2の回転角度検出器に対応する。
(第2実施形態の作用及び効果)
第2実施形態に係る第1のトルクセンサ1Aは、第2の回転角度検出器10Aが、ステアリングシャフト32を構成するトーションバーを介して連結された入力軸32aと出力軸32bとのうち入力軸32aの回転角度である入力軸回転角θisを検出する。第3の回転角度検出器10Bが、出力軸32bの回転角度である出力軸回転角θosを検出する。 第1のコントローラ17Aの備えるトルク演算部が、第2の回転角度検出器10Aで検出された入力軸回転角θisと、第3の回転角度検出器10Bで検出された出力軸回転角θosとの差分からトーションバーの捩れ角Δθsを算出し、算出した捩れ角Δθsに基づき操舵トルクTを算出する。
この構成であれば、入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosの検出において、上記第1実施形態の第1の回転角度検出器10と同様の作用及び効果が得られる。
更に、入力軸32a側と出力軸32b側の回転角度が随時検出されるため、入力軸32a(ステアリングホイール31)側の回転角度を常に検出できるとともに、例えば、車両4がESC(横滑り防止機能)などを備える場合にその制御情報として寄与できる。特に、多極磁石リングの極対数の設定によって分解能を高くすることが出来るため、より微細な制御に寄与することが可能である。
更に、出力軸32b(タイヤ)側にも同様の回転角度検出器を持っているため、例えば運転者が意図しない出力軸32b側の回転を検出することが可能になるなど、従来の捩れ角検出のみでは切り分けられなかった出力軸32b側のみの回転挙動が検出可能になる。これによって、操舵安定性などの制御性に寄与することが可能になる。また、車両の衝突回避制御などを車両が自動で行なう技術において、自動でステアリングホイール31を操作する場合には、出力軸32b側の回転角度を直接検出することで応答性の向上に寄与することが可能となる。
また、一般的に直接捩れ角を検出するトルクセンサ構成に舵角センサを付加する場合には、複数組のギヤを用いた構成が提案されている。対して第2実施形態では、入力軸32a側の第2の回転角度検出器10A及び出力軸32b側の第3の回転角度検出器10Bの組合せで構成するため、1組の親子ギヤ構成で舵角センサを構成できる。そのため、安価で高い分解能を持った舵角センサシステムを併せ持ったトルクアングルセンサシステムとして構築できる。
また、舵角センサを付加する構成とした場合に、第2の多極磁石リング13Aと第3の多極磁石リング13Bとの極対数を違えることで、バーニアによるTAS(トルクアングルセンサ)を構成することが可能である(特開2011−027719、特開2012−42352、特開2012−98166等を参照)。これに対して、第2実施形態に係る第1のトルクセンサ1Aでは、このような、高精度な磁極精度を必要としない。そのため、バーニアを成立させるための少ない極対数(4,5など)による1周あたりの分解能が低く抑えられてしまうような設計制限が無い。また、第2実施形態に係る第1のトルクセンサ1Aでは、第2の多極磁石リング13Aと第3の多極磁石リング13Bとの極対数を同じ極数で構成できるため、部品の共通化が図れる。これにより、コストを低減することが可能となる。
また、第2実施形態に係る電動パワーステアリング装置3は、上記第1のトルクセンサ1Aを備える。これにより、信頼性の高い操舵トルクTに基づき信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となる。
また、第2実施形態に係る車両4は、上記電動パワーステアリング装置3を備える。これにより、信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となり、車両4の操舵安定性を高めることが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
第3実施形態に係る第2のトルクセンサ1Bは、図5に示すように、上記第2実施形態の第1のトルクセンサ1Aに多回転検出器18を追加し、この多回転検出器18で検出した角度情報に基づき第2の回転角度検出器10Aで検出した入力軸回転角θisと第3の回転角度検出器10Bで検出した出力軸回転角θosとを補正する構成となる。
以下、上記第2実施形態と同様の構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
(第2のトルクセンサ1Bの構成)
第3実施形態に係る第2のトルクセンサ1Bは、図5に示すように、第2の回転角度検出器10Aと、第3の回転角度検出器10Bと、多回転検出器18と、第2のコントローラ17Bと、これらを覆う第3のハウジング部12Bとを備える。
多回転検出器18は、第1の歯車18aと、第2の歯車18bと、回転角度検出部18cとを含んで構成される。
第1の歯車18aは、中央部に円形の貫通孔を有するリング状に形成されており、第1の歯車18aの外周面には複数の歯部が設けられている。貫通孔には入力軸32aが挿通されており、この入力軸32aに設けられたハブ等に第1の歯車18aを取り付けることにより、第1の歯車18aは入力軸32aと同期回転する。
第2の歯車18bは、角度検出用歯車として構成されている。また、角度検出用歯車の内周面には、同軸にリング状の2極磁石が固定配置されている。なお、この2極磁石はリング状のものに限らず、例えば円板状のものなど他の形状のもので構成してもよい。
かかる構成によって、入力軸32aの回転に伴って第1の歯車18aが回転する。これにより、第1の歯車18aの回転は、第2の歯車18bにて減速される。即ち、第1の歯車18a及び第2の歯車18bは、減速機としての機能を果たすように構成されている。
回転角度検出部18cは、MRセンサ、ホールIC等の磁気検出素子と、マイクロプロセッサとを含んで構成される。回転角度検出部18cは、磁気検出素子にて角度検出用歯車の内周面に設けられた2極磁石の磁気信号を検出し、マイクロプロセッサにて検出した磁気信号に基づき、第1の歯車18aの絶対回転角度を検出する。
絶対回転角度(多回転角度)の求め方としては、例えば、第2の多極磁石リング13Aの磁極数を8とし、第2の歯車18bに対する第1の歯車18aのギヤ比を3とした場合、電気角と入力軸機械角の関係は、図6(上が第2の多極磁石リング13Aの電気角、下が2極磁石の電気角)のようになる。この関係に基づき、バーニア演算により、周期が異なる2つのセンサ情報から多回転の絶対回転角度を算出する。
回転角度検出部18cは、検出した第1の歯車18aの絶対回転角度を、入力軸32aの絶対回転角度θisaとして、第2のコントローラ17Bに出力する。
第2の回転角度検出器10Aは、上記第2実施形態と同様に、入力軸回転角θisを検出し、検出した入力軸回転角θisを、第2のコントローラ17Bに出力する。
第3の回転角度検出器10Bは、上記第2実施形態と同様に、出力軸回転角θosを検出し、検出した出力軸回転角θosを、第2のコントローラ17Bに出力する。
第2コントローラ17Bは、図示省略するがトルク演算部を備え、このトルク演算部は、入力された回転角度θisa、入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosに基づき、操舵トルクTを算出する。そして、算出した操舵トルクTを、モータ駆動制御装置2に出力する。
具体的に、第3実施形態に係るトルク演算部は、多回転検出器18で検出した絶対回転角度θisaに基づき、入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosを補正する。例えば、絶対回転角度θisaから磁石の磁極位置を特定し、予め用意しておいた各磁極位置に対応する補正値を用いて入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosを補正する。そして、補正後の入力軸回転角θisと補正後の出力軸回転角θosとに基づき、上式(1)から、操舵トルクTを算出する。更に、算出した操舵トルクTを、モータ駆動制御装置2に出力する。
モータ駆動制御装置2は、第2のトルクセンサ1Bからの操舵トルクTと、車速センサ60からの車速Vと、モータ回転角センサからのモータ回転角θmとに基づき、電動モータ42を駆動制御する。
ここで、第2の多極磁石リング13A及び第3の多極磁石リング13Bは、磁力発生機構に対応し、回転角検出回路16は、回転角検出部に対応し、第2の回転角度検出器10Aは、第1の回転角度検出器に対応する。また、第3の回転角度検出器10Bは、第2の回転角度検出器に対応し、多回転検出器18が、多回転検出部に対応する。
(第3実施形態の作用及び効果)
第3実施形態は、上記第2実施形態の効果に加えて以下の作用及び効果を奏する。
第3実施形態に係る第2のトルクセンサ1Bは、第2の回転角度検出器10Aが、ステアリングシャフト32を構成するトーションバーを介して連結された入力軸32aと出力軸32bとのうち入力軸32aの回転角度である入力軸回転角θisを検出する。第3の回転角度検出器10Bが、出力軸32bの回転角度である出力軸回転角θosを検出する。
多回転検出器18が、入力軸32aの絶対回転角度θisaを検出する。第2のコントローラ17Bのトルク演算部は、入力軸回転角θisを多回転検出器18で検出した絶対回転角度θisaに基づき補正し、補正後の入力軸回転角θisに基づき操舵トルクTを算出する。
この構成であれば、入力軸32aの回転角度を、高精度かつバックラッシレスに検出することが可能になると共に、芯ずれによる影響に対してロバストな構成とすることが可能となる。
(第1〜第3実施形態の変形例)
次に、上記第1〜第3実施形態の変形例を説明する。
この変形例は、上記第1〜第3実施形態において、各回転角度検出器において、回転角検出回路を多重化する点が異なる。
以下、第1、第2及び第3の回転角度検出器10、10A及び10Bを、区別しない場合に「回転角度検出器10」と略称する。また、第1、第2及び第3の多極磁石リング13、13A及び13Bを、区別しない場合に「多極磁石リング13」と略称する。また、第1、第2及び第3のトルクセンサ1、1A及び1Bを、区別しない場合に「トルクセンサ1」と略称する。
また、上記第1〜第3実施形態と同様の構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
(回転角検出回路の多重化(冗長化)構成)
(二重化の例)
トルクセンサ1の各回転角度検出器10に対して、回転角検出回路16を二重化する場合、例えば、図7(a)の第4の回転角検出部14Cに示すように、回路基板15上に回転角検出回路16を周方向に2つ並べて配置した構成とする。または、図7(b)の第5の回転角検出部14Dに示すように、回路基板15上にデュアルダイの1パッケージから構成される第2の回転角検出回路19を1つ配置した構成とする。
この第2の回転角検出回路19は、図8に示すように、第2の感磁素子群190と、第3の感磁素子群191と、第2の駆動回路192と、第3の駆動回路193と、第2の角度検出回路194と、第3の角度検出回路195と、これらを覆う第2のパッケージ196とを含んで構成される。
ここで、第2及び第3の感磁素子群190及び191は、上記第1〜第3実施形態の感磁素子群160と同様の構成を有し、第2及び第3の駆動回路192及び193は、上記第1〜第3実施形態の駆動回路161と同様の構成を有する。また、第2及び第3の角度検出回路194及び195は、上記第1〜第3実施形態の角度検出回路162と同様の構成を有する。即ち、上記第1〜第3実施形態の感磁素子群160、駆動回路161及び角度検出回路162の組を第2のパッケージ196内に2組内蔵した構成(デュアルダイの構成)となっている。
第4実施形態において、第2の駆動回路192は第2の感磁素子群190を駆動し、第3の駆動回路193は第3の感磁素子群191を駆動する。また、第2の角度検出回路194は、第2の感磁素子群190の各感磁素子の出力信号に基づき、対応する多極磁石リング13の回転角度に関する信号を出力する。また、第3の角度検出回路195は、第3の感磁素子群191の各感磁素子の出力信号に基づき、対応する多極磁石リング13の回転角度に関する信号を出力する。
第4及び第5の回転角検出部14C及び14Dのように、回転角検出回路16を二重化することで、互いの出力を比較して異常検出を行うことが可能になると共に、一方が故障した場合に他方の正常な回転角検出回路をバックアップとして利用することが可能となる。
(三重化の例)
トルクセンサ1の各回転角度検出器10に対して、回転角検出回路16を三重化する場合、例えば、図7(c)の第6の回転角検出部14Eに示すように、回路基板15上に回転角検出回路16を周方向に3つ並べて配置した構成とする。または、図7(d)の第7の回転角検出部14Fに示すように、回路基板15上に回転角検出回路16を1つと、第2の回転角検出回路19を1つとを周方向に並べて配置した構成とする。
第6及び第7の回転角検出部14E及び14Fのように、回転角検出回路16を三重化することで、各出力を相互比較して異常検出を行うことが可能になると共に1系統の故障であれば異常個所の特定も可能となる。加えて、いずれかが故障した場合に残りの正常な回転角検出回路をバックアップとして利用することが可能となる。
(四重化の例)
トルクセンサ1の各回転角度検出器10に対して、回転角検出回路16を四重化する場合、例えば、図7(e)の第8の回転角検出部14Gに示すように、回路基板15上に回転角検出回路16を周方向に4つ並べて配置した構成とする。または、図7(f)の第9の回転角検出部14Hに示すように、回路基板15上に回転角検出回路16を2つと、第2の回転角検出回路19を1つとを周方向に並べて配置した構成とする。または、図7(g)の第10の回転角検出部14Jに示すように、回路基板15上に第2の回転角検出回路19を周方向に2つ並べて配置した構成とする。
第8、第9及び第10の回転角検出部14G、14H及び14Jのように、回転角検出回路16を四重化することで、各出力を相互比較して異常検出を行うことが可能になると共に、2系統までの故障であれば異常個所の特定も可能となる。加えて、いずれかが故障した場合に残りの回転角検出回路をバックアップとして利用することが可能となる。
(第1〜第3実施形態の変形例の作用及び効果)
本変形例に係るトルクセンサ1は、各回転角度検出器10の回転角検出回路16が多重化(第4実施形態では、二重化〜四重化)された構成となっている。
この構成であれば、多重化された各回転角検出回路16の出力を相互比較することで、異常検出や異常個所の特定を行うことが可能となる。また、多重化することで冗長構成となり、多重化した回転角検出回路16のいずれかに故障が生じた場合でも残りの正常な回転角検出回路16によってバックアップすることが可能となる。その結果、トルク検出機能、操舵補助機能等の各機能の安全性及び継続性を向上することが可能となる。
また、第4実施形態に係るトルクセンサ1は、シングルダイの回転角検出回路16と、デュアルダイの第2の回転角検出回路19とを組み合わせることで、回転角検出回路16を多重化する構成とすることも可能である。
この構成であれば、回路基板15の実装スペースに応じて、回転角検出回路16と、第2の回転角検出回路19とを組み合わせて実装することで、系統数を比較的容易に増やすことが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
この第4実施形態は、上記第2実施形態の第1のトルクセンサ1Aにおいて、第2及び第3の回転角度検出器10A及び10Bの回転角検出回路16を三重化した点が上記第2実施形態と異なる。加えて、三重化した回転角検出回路16の出力を相互比較して、各回転角検出回路16の異常検出及び異常個所の特定を行う点が上記第2実施形態と異なる。
(第3のトルクセンサ1Cの構成)
第4実施形態に係る第3のトルクセンサ1Cは、図9に示すように、第4の回転角度検出器10Cと、第5の回転角度検出器10Dと、第3のコントローラ17Cと、これらを覆う第2のハウジング部12Aとを備える。
第4の回転角度検出器10Cは、第2の多極磁石リング13Aと、上記第1〜第3実施形態の変形例の第6の回転角検出部14Eとを備える。即ち、上記第2実施形態の第2の回転角度検出器10Aにおいて、回転角検出回路16が三重化された構成となっている。以下、三重化された回転角検出回路16を区別するために、図9の奥手側から手前側に向かって順に第1〜第3回転角検出回路16a〜16cと称する。
第1〜第3回転角検出回路16a〜16cは、図10に示すように、第2の多極磁石リング13Aの周方向に沿って、第2の多極磁石リング13Aの外周に対向させて配置されている。第1〜第3回転角検出回路16a〜16cのうち、第1回転角検出回路16aは機械角0度の位置、第2回転角検出回路16bは機械角30度の位置、第3回転角検出回路16cは機械角60度の位置に配置されている。これにより、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cは、電気角で120度ずつずれて配置される。従って、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cから出力される角度情報は、電気角で120度ずつ異なる位相差を有することになる。
第1〜第3回転角検出回路16a〜16cから出力される第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3は、第3のコントローラ17Cに入力される。
以下、第1の入力軸回転角θis1、第2の入力軸回転角θis2、第3の入力軸回転角θis3を、単に「θis1」、「θis2」、「θis3」と記載する場合がある。
第5の回転角度検出器10Dは、第3の多極磁石リング13Bと、上記第1〜第3実施形態の変形例の第6の回転角検出部14Eとを備える。即ち、上記第2実施形態の第3の回転角度検出器10Bにおいて、回転角検出回路16が三重化された構成となっている。以下、三重化された回転角検出回路16を区別するために、図9の奥手側から手前側に向かって順に第4〜第6回転角検出回路16d〜16fと称する。
第4〜第6回転角検出回路16d〜16fは、図10に示すように、第3の多極磁石リング13Bの周方向に沿って、第3の多極磁石リング13Bの外周に対向させて配置されている。第4〜第6回転角検出回路16d〜16fのうち、第4回転角検出回路16dは機械角0度の位置、第5回転角検出回路16eは機械角30度の位置、第6回転角検出回路16fは機械角60度の位置に配置されている。これにより、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fは、電気角で120度ずつずれて配置される。従って、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fから出力される角度情報は、電気角で120度ずつ異なる位相差を有することになる。
第4〜第6回転角検出回路16d〜16fから出力される第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3は、第3のコントローラ17Cに入力される。
以下、第1の出力軸回転角θos1、第2の出力軸回転角θos2、第3の出力軸回転角θos3を、単に「θos1」、「θos2」、「θos3」と記載する場合がある。
なお、図10に示す例では、第2の多極磁石リング13A及び第3の多極磁石リング13Bの極対数を8としたが、これに限らず、例えば、4、10、11、13、14、16、17、19、20、22等の他の極対数を採用することが可能である。
第3のコントローラ17Cは、図11に示すように、第1位相差補正部17aと、第1異常判定部17bと、第2位相差補正部17cと、第2異常判定部17dと、トルク演算部17eとを備えている。
第1位相差補正部17aは、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cから入力される第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3の位相差をオフセットする処理を行う。そして、オフセット後の第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3を第1異常判定部17bに出力する。
具体的に、第1位相差補正部17aは、第1回転角検出回路16aから入力される第1の入力軸回転角θis1の座標系を基準とする。そして、第2回転角検出回路16bから入力される第2の入力軸回転角θis2の座標系に240度分の座標を加算し、第3回転角検出回路16cから入力される第3の入力軸回転角θis3の座標系に120度分の座標を加算して、三つの座標系をあわせる。
第1異常判定部17bは、入力されたオフセット後の第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3に基づき、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cに異常が生じているか否かを判定する異常判定処理を実行する。
更に、第1異常判定部17bは、異常判定処理を終了後に、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cのうち異常が生じていない(正常)と判定された回転角検出回路から入力された入力軸回転角θisと、異常判定処理の結果を示す第1異常判定情報Sei1とをトルク演算部17eに出力する。
ここで、第4実施形態において、第1異常判定情報Sei1は、例えば、正常時が「0」で異常時が「1」として3桁の数字で表現される。なお、3桁の数字は左から順に第1回転角検出回路16a、第2回転角検出回路16b、第3回転角検出回路16cに対応している。即ち、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cの全てが正常な場合に「000」となり、第1回転角検出回路16aのみが異常時は「100」、第2回転角検出回路16bのみが異常時は「010」となる。また、第3回転角検出回路16cのみが異常時は「001」となり、2つ以上の回転角検出回路に同時に異常が生じている場合は「111」となる。
第2位相差補正部17cは、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fから入力される第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3の位相差をオフセットする処理を行う。
具体的に、第2位相差補正部17cは、第4回転角検出回路16dから入力される第1の出力軸回転角θos1の座標系を基準とする。そして、第5回転角検出回路16eから入力される第2の出力軸回転角θos2の座標系に240度分の座標を加算し、第6回転角検出回路16fから入力される第3の出力軸回転角θos3の座標系に120度分の座標を加算して、三つの座標系をあわせる。
第2異常判定部17dは、入力されたオフセット後の第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3に基づき、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fに異常が生じているか否かを判定する異常判定処理を実行する。
更に、第2異常判定部17dは、異常判定処理を終了後に、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fのうち異常が生じていない(正常)と判定された回転角検出回路から入力された出力軸回転角θosと、異常判定処理の結果を示す第2異常判定情報Seo1とをトルク演算部17eに出力する。
ここで、第4実施形態において、第2異常判定情報Seo1は、第1異常判定情報Sei1と同様な情報であり、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fの全てが正常な場合に「000」となり、第4回転角検出回路16dのみが異常時は「100」、第5回転角検出回路16eのみが異常時は「010」となる。また、第6回転角検出回路16fのみが異常時は「001」となり、2つ以上の回転角検出回路に同時に異常が生じている場合は「111」となる。
トルク演算部17eは、第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1の双方が「111」ではない場合、入力された入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosとの差分値Δθs、即ち二軸の相対角度Δθs(トーションバーの捩れ角Δθsに相当)を算出する。そして、算出した相対角度Δθsに基づき上式(1)から操舵トルクTを算出する。
トルク演算部17eは、算出した操舵トルクTと、入力された第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1とを、モータ駆動制御装置2に出力する。
また、トルク演算部17eは、第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1の少なくとも一方が、2以上の回転角検出回路が異常であることを示す「111」を含む場合は、操舵トルクTを算出せずに、第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1のみをモータ駆動制御装置2に出力する。
モータ駆動制御装置2は、第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1の少なくとも一方が「111」を含む場合、第3のトルクセンサ1Cに故障が発生していると判断する。そして、例えば、電動パワーステアリング装置3の第3のトルクセンサ1Cに故障が生じていることを示す情報を車載の例えばカーナビゲーションシステムの表示部に表示したり、予め設けられた電動パワーステアリング装置3の故障を示すランプを点灯したりする。
(異常判定部の構成)
第1異常判定部17bは、図12(a)に示すように、第1判定処理部170bと、第1角度情報監視部171bとを備えている。
第1判定処理部170bは、入力されたオフセット後の、θis1とθis2とが一致しているか否かを判定し、θis1とθis3とが一致しているか否かを判定し、θis2とθis3とが一致しているか否かを判定する。
ここで、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cが正常な場合、オフセット後のθis1〜θis3は同じ値となる。
具体的に、第1判定処理部170bは、一致判定を行う各2つの入力軸回転角の差分を算出し、この差分と予め設定した第1差分閾値とを比較し、差分が第1差分閾値以下であるときに一致と判定し、第1差分閾値よりも大きいときに不一致と判定する。そして、各判定結果を、第1角度情報監視部171bに出力する。
この判定結果は、例えば、一致判定の組合せを特定する情報と、一致か不一致かを示す情報との組から構成される。例えば、θis1とθis2との組合せを特定する情報を「00」、θis1とθis3との組合せを特定する情報を「01」、θis2とθis3との組合せを特定する情報を「10」とし、一致を示す値を「0」、不一致を示す値を「1」とする。この場合に、例えば、第1回転角検出回路16aのみに異常が発生している場合の各判定結果は、θis1が異常値となることから「001」、「011」、「100」となる。
第1角度情報監視部171bは、入力された3つの判定結果に基づき、第1異常判定情報Sei1を生成する。そして、生成した第1異常判定情報Sei1と、正常な回転角検出回路から入力された入力軸回転角に基づく角度情報とをトルク演算部17eに出力する。
具体的に、例えば、入力された3つの判定結果が「000」、「010」、「100」であった場合は、第1異常判定情報Sei1として、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cが全て正常であることを示す「000」の3桁の数字を含む情報を生成する。また、第1実施形態では、正常な入力軸回転角の平均値を算出する。この場合は、θis1〜θis3の平均値を算出する。そして、生成した第1異常判定情報Sei1をトルク演算部17eに出力すると共に、算出した平均値を入力軸回転角θisとしてトルク演算部17eに出力する。
また、例えば、入力される3つの判定結果が「001」、「011」、「101」の場合は、第1異常判定情報Sei1として、2以上の回転角検出回路が異常であることを示す「111」の3桁の数字を含む情報を生成する。そして、生成した第1異常判定情報Sei1のみをトルク演算部17eに出力する。
また、例えば、入力された3つの判定結果が「000」、「011」、「101」であったとする。この場合は、θis3の絡む一致判定が全て不一致となっているので、第1異常判定情報Sei1として、第3回転角検出回路16cのみが異常であることを示す「001」の3桁の数字を含む情報を生成する。また、θis1及びθis2の平均値を算出する。そして、生成した第1異常判定情報Sei1をトルク演算部17eに出力すると共に、算出した平均値を入力軸回転角θisとしてトルク演算部17eに出力する。
一方、第2異常判定部17dは、図12(b)に示すように、第2判定処理部170dと、第2角度情報監視部171dとを備えている。
第2判定処理部170dは、入力されたオフセット後の、θos1とθos2とが一致しているか否かを判定し、θos1とθos3とが一致しているか否かを判定し、θos2とθos3とが一致しているか否かを判定する。
ここで、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fが正常な場合、オフセット後のθos1〜θos3は同じ値となる。
具体的に、第2判定処理部170dは、一致判定を行う各2つの出力軸回転角の差分を算出し、この差分と予め設定した第2差分閾値とを比較し、差分が第2差分閾値以下であるときに一致と判定し、第2差分閾値よりも大きいときに不一致と判定する。そして、各判定結果を、第2角度情報監視部171dに出力する。
この判定結果は、上記第1角度情報監視部171bと同様に、例えば、θos1とθos2との組合せを特定する情報が「00」、θos1とθos3との組合せを特定する情報が「01」、θos2とθos3との組合せを特定する情報が「10」となり、一致を示す値が「0」、不一致を示す値が「1」となる。従って、例えば、第4回転角検出回路16dのみに異常がある場合の各判定結果は「001」、「011」、「100」となる。
第2角度情報監視部171dは、入力された3つの判定結果に基づき、第2異常判定情報Seo1を生成する。そして、生成した第2異常判定情報Seo1と、正常な出力軸回転角に基づく情報とをトルク演算部17eに出力する。
具体的に、例えば、入力された3つの判定結果が「000」、「010」、「100」であった場合は、第2異常判定情報Seo1として、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fが全て正常であることを示す「000」の3桁の数字を含む情報を生成する。また、θos1〜θos3の平均値を算出する。そして、生成した第2異常判定情報Seo1をトルク演算部17eに出力すると共に、算出した平均値を出力軸回転角θosとしてトルク演算部17eに出力する。
また、例えば、入力された3つの判定結果が「001」、「011」、「101」の場合は、第2異常判定情報Seo1として、2以上の回転角検出回路が異常であることを示す「111」の3桁の数字を含む情報を生成する。そして、生成した第2異常判定情報Seo1をトルク演算部17eに出力する。
また、例えば、入力された3つの判定結果が「001」、「010」、「101」であったとする。この場合は、θos2の絡む一致判定が全て不一致となっているので、第2異常判定情報Seo1として、第5回転角検出回路16eのみが異常であることを示す「010」の3桁の数字を含む情報を生成する。また、θos1及びθos3の平均値を算出する。そして、生成した第2異常判定情報Seo1をトルク演算部17eに出力すると共に、算出した平均値を出力軸回転角θosとしてトルク演算部17eに出力する。
(動作)
次に、第4実施形態の動作を説明する。
今、車両4の運転者によってステアリングホイール31が操舵され、この操舵力がステアリングシャフト32に伝達されると、まず、入力軸32aが操舵方向と対応する方向に回動する。この回動に伴って、トーションバーの入力軸32a側の端部(入力端)が回動し、トーションバーの入力端に設けられた第2の多極磁石リング13Aが回動する。
この回動による回転変位に応じた磁束は、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cにおいて、第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3として検出される。これら検出された第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3を示す信号は、第3のコントローラ17Cへと入力される。
一方、入力端を経た操舵力は、トーションバーの捩れ(弾性変形)を介して出力軸32b側の端部(出力端)へと伝達され出力端が回動する。即ち、入力端(入力軸32a)及び出力端(出力軸32b)が回転方向に相対変位する。
これにより、トーションバーの出力端に設けられた第3の多極磁石リング13Bが回動する。この回動による回転変位に応じた磁束は、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fにおいて、第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3として検出される。これら検出された第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3を示す信号は、第3のコントローラ17Cへと入力される。
第3のコントローラ17Cは、第1位相差補正部17aにおいて、入力されたθis1〜θis3の位相差をオフセットして、オフセット後のθis1〜θis3を第1異常判定部17bに入力する。加えて、第2オフセット部17cにおいて、入力されたθos1〜θos3の位相差をオフセットして、オフセット後のθos1〜θos3を第2異常判定部17dに入力する。
引き続き、第3のコントローラ17Cは、第1異常判定部17bの第1判定処理部170bにおいて、θis1〜θis3の一致判定を行い、第2異常判定部17dの第2判定処理部170dにおいて、θos1〜θos3の一致判定を行う。
ここでは、第1判定処理部170bにおいて、θis1とθis2とが不一致、θis1とθis3とが不一致、θis2とθis3とが一致と判定されたとする。これにより、第1判定処理部170bは、判定結果「001」、「011」、「100」を第1角度情報監視部171bに出力する。
また、例えば、第2判定処理部170dにおいて、θos1とθos2とが一致、θos1とθos3とが一致、θos2とθos3とが一致と判定されたとする。これにより、第2判定処理部170dは、判定結果「000」、「010」、「100」を第2角度情報監視部171dに出力する。
第1角度情報監視部171bは、入力された判定結果「001」、「011」、「100」から、θis1の絡む判定においていずれも不一致となり、θis1の絡まない判定において一致となっていることから、第1回転角検出回路16aに異常が発生していると判定する。そして、第1異常判定情報Sei1として、第1回転角検出回路16aに異常が発生していることを示す3桁の数字「100」を含む情報を生成する。更に、正常な第2及び第3回転角検出回路16b及び16cから入力されたθis2及びθis3の平均値を算出する。第1角度情報監視部171bは、生成した第1異常判定情報Sei1と、算出した平均値からなる入力軸回転角θisとを、トルク演算部17eに出力する。
一方、第2角度情報監視部171dは、入力された判定結果「000」、「010」、「100」から、θos1〜θos3の絡む判定において全てが一致と判定されていることから、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fは全て正常であると判定する。そして、第2異常判定情報Seo1として、全て正常であることを示す3桁の数字「000」を含む情報を生成する。更に、正常な第4〜第6回転角検出回路16d〜16fから入力されたθos1〜θos3の平均値を算出する。第2角度情報監視部171dは、生成した第2異常判定情報Seo1と、算出した平均値からなる出力軸回転角θosとを、トルク演算部17eに出力する。
トルク演算部17eは、入力された第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1に2以上の回転角検出回路の故障を示す「111」が含まれていないことから操舵トルクTの算出処理を実行する。そして、算出した操舵トルクTと、第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1とを、モータ駆動制御装置2に出力する。
モータ駆動制御装置2は、第3のトルクセンサ1Cからの操舵トルクTと、車速センサ60からの車速Vと、モータ回転角センサからのモータ回転角θmとに基づき、電動モータ42を駆動制御する。
また、モータ駆動制御装置2は、第1異常判定情報Sei1に含まれる3桁の数字「100」から、第1回転角検出回路16aに故障が発生していると判断し、車載の電動パワーステアリング装置用の故障ランプを点灯する。加えて、例えば、車載の液晶表示部に、第3のトルクセンサ1Cの第1回転角検出回路16aに故障が発生していることを示す詳細情報を表示する。
以降、第3のコントローラ17Cは、第1回転角検出回路16aに故障が生じているため、第1判定処理部170bにおいて、入力されるθis2とθis3との一致判定のみを行うと共に、θis1の絡む他の判定結果は不一致に固定する。また、第2判定処理部170dにおいて、通常通りθos1〜θos3の一致判定を行う。
その後、θis2とθis3とが不一致と判定されて、判定結果「001」、「011」、「101」が第1角度情報監視部171bに入力されたとする。なお、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fは正常であるとする。
第1角度情報監視部171bは、入力された判定結果から、2以上の回転角検出回路に故障が発生していると判定し、その旨を示す3桁の数字「111」を含む第1異常判定情報Sei1を生成する。そして、生成した第1異常判定情報Sei1のみをトルク演算部17eに出力する。
トルク演算部17eは、入力された第1異常判定情報Sei1に「111」が含まれていることから、操舵トルクTの算出処理を停止する。
そして、トルク演算部17eは、第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1のみを、モータ駆動制御装置2に出力する。
モータ駆動制御装置2は、第1異常判定情報Sei1から、トルクセンサ1の第2の回転角度検出器10Aの2以上の回転角検出回路が故障していると判断し、電動モータ42の駆動制御を停止する。即ち、操舵アシストを停止する。
また、モータ駆動制御装置2は、第1異常判定情報Sei1に含まれる3桁の数字「111」から、第2の回転角度検出器10Aの2以上の回転角検出回路に故障が発生していると判断し、車載の電動パワーステアリング装置用の故障ランプを点灯する。加えて、例えば、車載の液晶表示部に、第3のトルクセンサ1Cの第1回転角検出回路16a含む2以上の回転角検出回路に故障が発生していることを示す詳細情報を表示する。他にも、最寄りの修理点検ステーションへの立ち寄りを促す情報を表示してもよい。また、情報の表示だけに限らず、車載のオーディオ装置から音声メッセージや警告音の出力等を行ってもよい。
ここで、第2の多極磁石リング13A及び第3の多極磁石リング13Bは、磁力発生機構に対応し、第1〜第3回転角検出回路16a〜16c及び第4〜第6回転角検出回路16d〜16fは、M系統の回転角検出回路に対応する。また、第1異常判定部17b及び第2異常判定部17dは、異常判定部に対応する。
(第4実施形態の作用及び効果)
第4実施形態は、上記第2実施形態の効果に加えて以下の作用及び効果を奏する。
以下、第2の多極磁石リング13Aと第3の多極磁石リング13Bとは、両者を区別する必要が無い場合に「多極磁石リング13」と記載する場合がある。また、第1〜第3回転角検出回路16a〜16c及び第4〜第6回転角検出回路16d〜16fとは、これらを区別する必要が無い場合に、単に「回転角検出回路」と記載する場合がある。
第4実施形態に係る第3のトルクセンサ1Cは、トーションバーを介して連結された入力軸32aと出力軸32bとのうち入力軸32aに配置された第2の回転角度検出器10Aと、出力軸32bに配置された、第3の回転角度検出器10Bとを備える。
第2の回転角度検出器10Aは、第2の多極磁石リング13Aを備え、入力軸32aの回転に応じて変化する第2の多極磁石リング13Aの磁束を、入力軸32aの回転位置情報である第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3として検出する3系統の第1〜第3回転角検出回路16a〜16cを備える。第1異常判定部17bが、第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3を相互に比較し、この比較結果に基づき第1〜第3回転角検出回路16a〜16cの異常を判定する。
一方、第3の回転角度検出器10Bは、第3の多極磁石リング13Bを備え、出力軸32bの回転に応じて変化する第3の多極磁石リング13Bの磁束を、出力軸32bの回転位置情報である第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3として検出する3系統の第4〜第6回転角検出回路16d〜16fを備える。第2異常判定部17dが、第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3を相互に比較し、この比較結果に基づき第4〜第6回転角検出回路16d〜16fの異常を判定する。
トルク演算部17eが、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cのうち正常と判定された回転角検出回路で検出された入力軸回転角θisを入力する。加えて、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fのうち正常と判定された回転角検出回路で検出された出力軸回転角θosを入力する。更に、入力された入力軸回転角θisと出力軸回転角θosとの差分からトーションバーの捩れ角Δθsを算出し、算出した捩れ角Δθsに基づき操舵トルクTを算出する。
この構成であれば、3系統の回転角検出回路で検出した3つの回転角度を相互比較し、この比較結果に基づき回転角検出回路の異常を判定することが可能となる。これにより、1系統の故障の場合にどの回転角検出回路に故障が生じているのかを特定することが可能となる。
また、1系統に故障が生じても、残りの2系統によって回転角度検出の機能を継続することが可能になると共に、残り2系統の回転角度の相互比較によって異常検出機能も継続することが可能となる。例えば、1回目の異常が入力軸32a側の1系統で生じ、2回目の異常が出力軸32b側の1系統で生じても、残りの各2系統によって、そのシステムとしての機能は安全性を持って継続することが可能となり、その機能の延命確率を高くすることが可能となる。
また、第4実施形態に係る第3のトルクセンサ1Cは、3系統の第1〜第3回転角検出回路16a〜16cが、第2の多極磁石リング13Aに対してその周方向に沿って電気角で120度ずつ位相をずらして設けられている。より具体的には、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cが、第2の多極磁石リング13Aの周方向に沿って電気角で120度ずつかつ機械角で30度ずつ位相をずらして設けられている。加えて、3系統の第4〜第6回転角検出回路16d〜16fが、第3の多極磁石リング13Bに対してその周方向に沿って電気角で120度ずつ位相をずらして設けられている。より具体的には、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fが、第3の多極磁石リング13Bの周方向に沿って電気角で120度ずつかつ機械角で30度ずつ位相をずらして設けられている。即ち、第1〜第3回転角検出回路16a〜16c及び第4〜第6回転角検出回路16d〜16fがそれぞれ、等間隔で設けられている。
第1位相差補正部17aが、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cで検出された第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3の位相差をオフセットする。第2位相差補正部17cが、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fで検出された第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3の位相差をオフセットする。第1異常判定部17bが、オフセット後のθis1とθis2とが一致しているか否か、θis1とθis3とが一致しているか否か、θis2とθis3とが一致しているか否かをそれぞれ判定する。そして、一致していると判定した組に対応する回転角検出回路を正常と判定し一致していないと判定した組に対応する回転角検出回路を異常と判定する。第2異常判定部17dが、オフセット後のθos1とθos2とが一致しているか否か、θos1とθos3とが一致しているか否か、θos2とθos3とが一致しているか否かをそれぞれ判定する。そして、一致していると判定した組に対応する回転角検出回路を正常と判定し一致していないと判定した組に対応する回転角検出回路を異常と判定する。
一般に、多極磁石リング13と垂直ホール素子等の磁気センサからなる回転角検出回路との組み合わせで検出される角度情報は、原信号が正弦波であれば、角度誤差を小さくすることができる。しかしながら、このような角度情報には、電気角1周期分あたり4次の誤差成分が重畳しやすい。この4次の誤差成分の重畳が、高精度な角度情報を阻む主要因となる。
この4次の誤差が重畳する原因は、回転角検出回路が検出する原信号に3次や5次の高調波成分が重畳しやすいためであり、改善には着磁精度や素子配置精度、検出素子特性の調整等の精密な作業が必要とされる。また、回転角検出回路を多数配置することで誤差を削減することも考えられるが、回転角検出回路の数が増加するためコストアップの要因となる。
また、3次の高調波成分の削減にはいわゆる三相二相変換の技術を用いることができる。しかしながら、この三相二相変換の技術は、5次の高調波成分の削減に寄与しない。それゆえ、3次の高調波に比べ、5次の高調波成分は小さいが、誤差の要因として残る。
これに対し、第4実施形態の第3のトルクセンサ1Cでは、3つの回転角検出回路を、多極磁石リング13の回転に応じて電気角で120度ずつ異なる位相差を有する角度情報を出力するように配置した(図10を参照)。それゆえ、各回転角検出回路の角度情報に含まれる4次の誤差成分の位相をずらすことができる。そのため、これらの角度情報を基に多極磁石リング13の回転角度を算出することで、回転角検出回路の角度情報に含まれる4次の誤差成分を削減することが可能となる。
また、第4実施形態の第3のトルクセンサ1Cでは、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cのうち、正常と判定された回転角検出回路からのオフセット後の入力軸回転角の平均値を算出し、この平均値を入力軸回転角θisとして、トルク演算部17eに出力するようにした。加えて、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fのうち、正常と判定された回転角検出回路からのオフセット後の出力軸回転角の平均値を算出し、この平均値を出力軸回転角θosとして、トルク演算部17eに出力するようにした。
ここで、オフセット後の角度情報に含まれる4次の誤差成分は、回転角検出回路毎に位相のずれた波形となる。そのため、これらの角度情報の平均値を算出することで、4次の誤差成分を互いに打ち消して削減することが可能となる。即ち、4次の誤差成分の削減された入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosから操舵トルクTを算出することが可能となるので、より高精度な操舵トルクTを算出することが可能となる。
また、第4実施形態に係る電動パワーステアリング装置3は、上記第3のトルクセンサ1Cを備える。これにより、より信頼性の高い操舵トルクTに基づきより信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となる。
また、第4実施形態に係る車両4は、上記電動パワーステアリング装置3を備える。これにより、より信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となり、車両4の操舵安定性をより高めることが可能となる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態を説明する。
この第5実施形態は、上記第4実施形態において、モータ駆動制御装置2の構成が異なる。それ以外の構成は上記第4実施形態と同様となる。
以下、上記第4実施形態と同様の構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
(モータ駆動制御装置2の構成)
第4実施形態に係るモータ駆動制御装置2は、図13に示すように、モータ回転角センサ21と、モータコントローラ22と、モータ駆動回路23と、電源制御部24とを備えている。
モータ回転角センサ21は、第6の回転角度検出器10Eを備え、電動モータ42の回転角であるモータ回転角θmを検出する。なお、モータ回転角センサ21の詳細な構成については後述する。
モータコントローラ22は、第3のトルクセンサ1Cからの操舵トルクTと、車速センサ60からの車速Vと、モータ回転角センサ21からのモータ回転角θmとに基づきモータ駆動回路23を制御して電動モータ42を駆動制御する。
具体的に、モータコントローラ22は、操舵補助制御を行う場合に、操舵トルクT、車速V及びモータ回転角θmに応じた操舵補助トルクを電動モータ42で発生するための操舵補助指令値(操舵補助トルク指令値)を公知の手順で算出する。更に、算出した操舵補助指令値に基づき操舵補助制御のための電流指令値Irefを算出する。そして、算出した電流指令値Irefに基づきモータ駆動回路23を制御して、電動モータ42を駆動制御する。
また、モータコントローラ22は、モータ回転角センサ21からの第3異常判定情報Sem(後述)に基づき、モータ回転角センサ21の異常を判定する。更に、トルクセンサ1からの第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1に基づき、第3のトルクセンサ1Cの異常を判定する。そして、これらの判定結果に基づき、モータ回転角センサ21及び第3のトルクセンサ1Cの故障を、表示部への表示やランプの点灯等によって運転者に報知する。
モータ駆動回路23は、図示省略するが、3相インバータ回路を備え、モータコントローラ22からの駆動信号(例えばPWM信号)に基づき3相インバータ回路を駆動してモータ駆動電流を電動モータ42に供給する。
電源制御部24は、バッテリ61と直接接続されていると共にIGスイッチ62とも接続されており、IGスイッチ62からのIGスイッチ62のON状態及びOFF状態を示す信号(以下、「IG信号」又は「IG」と記載する場合がある)が入力されている。そして、入力されたIG信号に基づき、IGスイッチ62がON状態であると判定すると、ON状態の間は、モータ回転角センサ21、モータコントローラ22及びモータ駆動回路23に対して、バッテリ61からの電力を供給する。一方、IGスイッチ62がOFF状態であると判定すると、OFF状態時に作動不要な構成部への電源供給の停止又はOFF状態時に作動する構成部への電力の間欠供給等を行う。
(モータ回転角センサ21の構成)
モータ回転角センサ21は、図14に示すように、第6の回転角度検出器10Eと、第4のコントローラ25とを備えている。
第6の回転角度検出器10Eは、図14に示すように、電動モータ42のモータステータ内に位置するモータ回転軸42aの減速ギヤ41側の端部位置に設けられている。第6の回転角度検出器10Eは、第4の多極磁石リング13Cと、第6の回転角検出部14Eとを備えている。以下、三重化された回転角検出回路16を区別するために、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iと称する。
第4の多極磁石リング13Cは、第2の多極磁石リング13Aと同様の構成を有しており、モータ回転軸42aに固定支持されている。この第4の多極磁石リング13Cは、中央の貫通穴内にモータ回転軸42aを挿通させた状態でモータ回転軸42aと同心にかつモータステータの内側にモータ回転軸42aと同期回転可能に固定支持されている。これにより、モータ回転軸42aの回転に同期して第4の多極磁石リング13Cも回転する。
第7〜第9回転角検出回路16g〜16iは、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cと同様の構成を有している。また、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iは、モータ回転軸42aと同期回転しない固定部位に設けられている。
ここで、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iは、第4の多極磁石リング13Cに対して、電気角で120度ずつ及び機械角で30度ずつずらして配置されている。そのため、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cと同様に、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iから出力される角度情報である第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3は、電気角で120度ずつ異なる位相差を有することになる。
そして、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iから出力される第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3は、第4のコントローラ25に入力される。
以下、第1のモータ回転角θm1、第2のモータ回転角θm2、第3のモータ回転角θm3を、単に「θm1」、「θm2」、「θm3」と記載する場合がある。
第4のコントローラ25は、図15に示すように、第3位相差補正部25aと、第3異常判定部25bとを備えている。
第3位相差補正部25aは、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iから入力される第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3の位相差をオフセットする処理を行う。そして、オフセット後の第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3を第3異常判定部25bに出力する。
具体的に、第3位相差補正部25aは、第1位相差補正部17aと同様の処理を行って、第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3の座標系をあわせる。
第3異常判定部25bは、入力されたオフセット後の第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3に基づき、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iに異常が生じているか否かを判定する異常判定処理を実行する。
更に、第3異常判定部25bは、異常判定処理を終了後に、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iのうち異常が生じていない(正常)と判定された回転角検出回路から入力されたモータ回転角θmと、異常判定処理の結果を示す第3異常判定情報Semとをモータコントローラ22に出力する。
ここで、第5実施形態において、第3異常判定情報Semは、例えば、正常時が「0」で異常時が「1」として3桁の数字で表現される。なお、3桁の数字は左から順に第7回転角検出回路16g、第8回転角検出回路16h、第9回転角検出回路16iに対応しており、3桁の数字の組合せの法則は上記第1異常判定情報Sei1と同様となる。
(第3異常判定部25bの構成)
第3異常判定部25bは、図16に示すように、第3判定処理部250bと、第3角度情報監視部251bとを備えている。
第3異常判定部25bは、入力されたオフセット後の、θm1とθm2とが一致しているか否かを判定し、θm1とθm3とが一致しているか否かを判定し、θm2とθm3とが一致しているか否かを判定する。
ここで、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iが正常な場合、オフセット後のθm1〜θm3は同じ値となる。
具体的に、第3判定処理部250bは、一致判定を行う各2つの出力軸回転角の差分を算出し、この差分と予め設定した第2差分閾値とを比較し、差分が第2差分閾値以下であるときに一致と判定し、第2差分閾値よりも大きいときに不一致と判定する。そして、各判定結果を、第3角度情報監視部251bに出力する。
この判定結果は、第3のトルクセンサ1Cの第1角度情報監視部171bと同様に、例えば、θm1とθm2との組合せを特定する情報が「00」、θm1とθm3との組合せを特定する情報が「01」、θm2とθm3との組合せを特定する情報が「10」となり、一致を示す値が「0」、不一致を示す値が「1」となる。従って、例えば、第7回転角検出回路16gのみに異常がある場合の各判定結果は「001」、「011」、「100」となる。
第3角度情報監視部251bは、入力された3つの判定結果に基づき、第3異常判定情報Semを生成する。加えて、正常と判定された回転角検出回路から入力されたモータ回転角の平均値を算出する。
具体的に、例えば、入力された3つの判定結果が「000」、「010」、「100」であった場合は、第3異常判定情報Semとして、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iが全て正常であることを示す「000」の3桁の数字を含む情報を生成する。また、θm1〜θm3の平均値を算出する。そして、生成した第3異常判定情報Semをモータコントローラ22に出力すると共に、算出した平均値をモータ回転角θmとしてモータコントローラ22に出力する。
また、例えば、入力された3つの判定結果が「001」、「011」、「101」の場合は、第3異常判定情報Semとして、2以上の回転角検出回路が異常であることを示す「111」の3桁の数字を含む情報を生成する。そして、生成した第3異常判定情報Semをモータコントローラ22に出力する。
また、例えば、入力された3つの判定結果が「001」、「011」、「100」であったとする。この場合は、θm2の絡む一致判定が全て不一致となっているので、第3異常判定情報Semとして、第8回転角検出回路16hのみが異常であることを示す「010」の3桁の数字を含む情報を生成する。また、θm1及びθm3の平均値を算出する。そして、生成した第3異常判定情報Semをモータコントローラ22に出力すると共に、算出した平均値をモータ回転角θmとしてモータコントローラ22に出力する。
(動作)
次に、第5実施形態の動作を説明する。
なお、第3のトルクセンサ1Cの動作については上記第4実施形態と同様となるので説明を省略する。
今、車両4に乗車した運転者が、ステアリングホイール31を操舵し、この操舵によってモータ回転軸42aが回転したとする。この回転に伴って、モータ回転軸42aに固定支持された第4の多極磁石リング13Cが回転する。
この回転変位に応じた磁束は、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iにおいて、第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3として検出される。これら検出された第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3を示す角度信号は、第7〜第9の片方向通信ケーブルSig7〜Sig9を介して第4のコントローラ25へと入力される。
第4のコントローラ25は、第3位相差補正部25aにおいて、入力されたθm1〜θm3の位相差をオフセットして、オフセット後のθm1〜θm3を第3異常判定部25bに入力する。
引き続き、第4のコントローラ25は、第3異常判定部25bの第3判定処理部250bにおいて、θm1〜θm3の一致判定を行う。
ここでは、例えば、第3判定処理部250bにおいて、θm1とθm2とが不一致、θm1とθm3とが不一致、θm2とθm3とが一致と判定されたとする。これにより、第3判定処理部250bは、判定結果「001」、「011」、「100」を第3角度情報監視部251bに出力する。
第3角度情報監視部251bは、入力された判定結果「001」、「011」、「100」から、θm1の絡む判定においていずれも不一致となり、θm1の絡まない判定において一致となっていることから、第7回転角検出回路16gに異常が発生していると判定する。そして、第3異常判定情報Semとして、第7回転角検出回路16gに異常が発生していることを示す3桁の数字「100」を含む情報を生成する。更に、正常な第8及び第9回転角検出回路16h及び16iから入力されたθm2及びθm3の平均値を算出する。第3角度情報監視部251bは、生成した第3異常判定情報Semと、算出した平均値からなるモータ回転角θmとを、モータコントローラ22に出力する。
モータコントローラ22は、第3のトルクセンサ1Cからの操舵トルクTと、車速センサ60からの車速Vと、モータ回転角センサ21からのモータ回転角θmとに基づき、電流指令値Irefを演算する。そして、演算した電流指令値Irefに基づきモータ駆動回路23を駆動制御する。これによって、モータ駆動回路23を介してモータ駆動電流が電動モータ42に供給され、電動モータ42が駆動制御される。
以降、第4のコントローラ25は、第7回転角検出回路16gに故障が生じているため、第3判定処理部250bにおいて、入力されるθm2とθm3との一致判定のみを行うと共に、θm1の絡む他の判定結果は不一致に固定する。
その後、θm2とθm3とが不一致と判定されて、判定結果「001」、「011」、「101」が第3角度情報監視部251bに入力されたとする。
第3角度情報監視部251bは、入力された判定結果から、2以上の回転角検出回路に故障が発生していると判定し、その旨を示す3桁の数字「111」を含む第3異常判定情報Semを生成する。そして、生成した第3異常判定情報Semのみをモータコントローラ22に出力する。
モータコントローラ22は、入力された第3異常判定情報Semに「111」が含まれていることから、電動モータ42の駆動制御処理(操舵アシスト処理)を停止する。
そして、モータコントローラ22は、車載の電動パワーステアリング装置用の故障ランプを点灯する。加えて、例えば、車載の液晶表示部に、モータ回転角センサ21の第7回転角検出回路16g含む2以上の回転角検出回路に故障が発生していることを示す詳細情報を表示する。他にも、最寄りの修理点検ステーションへの立ち寄りを促す情報を表示してもよい。また、情報の表示だけに限らず、車載のオーディオ装置から音声メッセージや警告音の出力等を行ってもよい。
ここで、第4の多極磁石リング13Cは、磁力発生機構に対応し、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iは、M系統の回転角検出部に対応し、モータ回転角センサ21は、回転角度検出器に対応する。
(第5実施形態の作用及び効果)
以下、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iを、区別する必要が無い場合に、「回転角検出回路」と記載する場合がある。
第5実施形態に係るモータ回転角センサ21は、モータ回転軸42a上に該モータ回転軸42aと同心かつ同期回転可能に設けられた、第4の多極磁石リング13Cを備える。加えて、モータ回転軸42aの回転に応じて変化する第4の多極磁石リング13Cの磁束を、モータ回転軸42aの回転位置情報である第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3として検出する3系統の第7〜第9回転角検出回路16g〜16iを備える。
そして、第3異常判定部25bが、第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3を相互に比較し、この比較結果に基づき第7〜第9回転角検出回路16g〜16iの異常を判定する。加えて、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iのうち正常と判定された回転角検出回路で検出されたモータ回転角θmをモータコントローラ22に出力する。
この構成であれば、3系統の回転角検出回路で検出した3つの回転角度を相互比較し、この比較結果に基づき回転角検出回路の異常を判定することが可能となる。これにより、1系統の故障の場合にどの回転角検出回路に故障が生じているのかを特定することが可能となる。
また、1系統に故障が生じても、残りの2系統によって回転角度検出の機能を継続することが可能になると共に、残り2系統の回転角度の相互比較によって異常検出機能も継続することが可能となる。
また、第5実施形態に係るモータ回転角センサ21は、3系統の第7〜第9回転角検出回路16g〜16iが、第4の多極磁石リング13Cに対してその周方向に沿って電気角で120度ずつ位相をずらして設けられている。より具体的には、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iが、第4の多極磁石リング13Cの周方向に沿って電気角で120度ずつかつ機械角で30度ずつ位相をずらして設けられている。即ち、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iがそれぞれ、等間隔で設けられている。第3位相差補正部25aが、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iで検出された第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3の位相差をオフセットする。第3異常判定部25bが、オフセット後のθm1とθm2とが一致しているか否か、θm1とθm3とが一致しているか否か、θm2とθm3とが一致しているか否かをそれぞれ判定する。そして、一致していると判定した組に対応する回転角検出回路を正常と判定し一致していないと判定した組に対応する回転角検出回路を異常と判定する。
この構成であれば、各回転角検出回路の角度情報に含まれる4次の誤差成分の位相をずらすことができる。そのため、これらの角度情報を基に第4の多極磁石リング13Cの回転角度を算出することで、回転角検出回路の角度情報に含まれる4次の誤差成分を削減することが可能となる。
また、第5実施形態のモータ回転角センサ21では、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iのうち、正常と判定された回転角検出回路からのオフセット後のモータ回転角の平均値を算出し、この平均値をモータ回転角θmとして、モータコントローラ22に出力するようにした。これによって、4次の誤差成分を互いに打ち消して削減することが可能となる。そして、4次の誤差成分の削減されたモータ回転角θmに基づき電流指令値Irefを算出することが可能となるので、より適切に電動モータ42を駆動制御することが可能となる。
また、第5実施形態に係るモータ駆動制御装置2は、上記モータ回転角センサ21を備える。これにより、信頼性の高いモータ回転角θmを検出することが可能となり、このモータ回転角θmに基づき信頼性の高いモータ駆動制御を行うことが可能となる。
また、第5実施形態に係る電動パワーステアリング装置3は、上記第3のトルクセンサ1C及び上記モータ駆動制御装置2を備える。これにより、より信頼性の高い操舵トルクT及びモータ回転角θmに基づきより信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となる。
また、第5実施形態に係る車両4は、上記電動パワーステアリング装置3を備える。これにより、より信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となり、車両4の操舵安定性をより高めることが可能となる。
(他の変形例)
(1)上記各実施形態において、トルクアングルセンサ又はトルクセンサに本発明を適用する構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、電動パワーステアリング装置3の構成要素であれば、同心かつ同軸線上に分割して設けられた第1の回転軸及び第2の回転軸の回転角度を検出する構成にも本発明を適用することが可能である。この場合、第1の回転軸の回転角度を検出する回転角度検出器として、例えば、上記第2実施形態の第2の回転角度検出器10Aを採用し、第2の回転軸の回転角度を検出する第2の回転角度検出器として、上記第2実施形態の第3の回転角度検出器10Bを採用する。また、上記第2実施形態の第1のコントローラ17Aにて、第1の回転軸の回転角度と第2の回転軸の回転角度との差分を算出する構成としてもよい。また、この構成に対して、上記第3実施形態の多回転検出器18を、第1の回転軸又は第2の回転軸の少なくとも一方に付加する構成としてもよい。この場合、多回転検出器18で検出した絶対回転角度を用いて、第1の回転軸又は第2の回転軸の少なくとも一方の回転角度を補正することが可能となる。
(2)上記各実施形態において、回転角検出回路の感磁素子群を、8つの感磁素子を円形に配置する構成としたが、感磁素子の数は8つに限らない。例えば、2のm乗(mは3以上の自然数)個であればより多数の感磁素子を備える構成としてもよい。また、各感磁素子の接点数も5つに限らず、3つ以上であれば他の接点数としてもよい。
(3)上記各実施形態において、各感磁素子は独立して構成したが、この構成に限らず、隣接する感磁素子で接点を共有する構成としてもよい。例えば、各感磁素子を5つの接点から構成する場合、隣接する感磁素子と4つの接点を共有する構成とすることが可能である。例えば、4つの接点を共有する構成であれば、32個の接点で32個の感磁素子を構成することが可能となる。かかる構成とすることで、各感磁素子間のオフセットを低減することが可能となる。
(4)上記第3〜第4実施形態において、第2の回転角度検出器10Aの第1〜第3回転角検出回路16a〜16cと、第3の回転角度検出器10Bの第4〜第6回転角検出回路16d〜16fとを、電気角で120度ずつ及び機械角で30度ずつの位相差を有するように配置した。同様に、上記第5実施形態において、モータ回転角センサ21の第6の回転角度検出器10Eの第7〜第9回転角検出回路16g〜16iを、電気角で120度ずつ及び機械角で30度ずつの位相差を有するように配置した。
この構成に限らず、例えば、電気角で120度ずつ位相差が生じる構成であれば、機械角で60度ずつ又は120度ずつ位相差を有するように配置してもよい。また、3相2相変換を行わない場合は、電気角120度以外の位相差が生じる構成としてもよい。
また、他の構成例として、例えば、第1〜第3回転角検出回路16a〜16cを、第2の多極磁石リング13Aに対向させて、同位相に配置する構成としてもよい。このことは、第4〜第6回転角検出回路16d〜16f及び第7〜第9回転角検出回路16g〜16iについても同様である。この構成とした場合は、位相差のオフセットが不要となるため、位相差補正部を設ける必要が無くなる。
(5)上記各実施形態において、第3の回転角度検出器10Bは、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fで検出したθos1〜θos3のみを用いて異常判定処理を行う構成としたが、この構成に限らない。ここで、出力軸32bとモータ回転軸42aとは、減速ギヤ41を介して接続されている。そのため、例えば、出力軸回転角θos(θos1〜θos3)に、減速ギヤ41の減速比RGr及び電動モータ42のロータの極対数Pを乗算することでモータ回転角θmを推定することが可能である。換言すると、モータ回転角センサ21で検出したモータ回転角θmを減速比RGr及び極対数Pで除算することで出力軸回転角θosを推定することが可能である。以下、この推定した出力軸回転角θosを「出力軸推定角θmc」と記載する場合がある。このことに基づき、例えば、図17に示すように、第3のコントローラ17Cの第2異常判定部17dにおいて、出力軸推定角θmcも用いて、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fの異常を判定する構成としてもよい。
具体的に、上記第5実施形態のモータ回転角センサ21を例に挙げると、モータ回転角センサ21の第4のコントローラ25は、第3異常判定部25bから入力されるモータ回転角θm(即ち、正常なモータ回転角)を減速比RGr及び極対数Pで除算して、出力軸推定角θmcを算出する。そして、算出した出力軸推定角θmcを第3のトルクセンサ1Cの第3のコントローラ17Cに送信する。第3のコントローラ17Cは、例えば、図18に示すように、第4回転角検出回路16dが故障していてθos1が使用できないときに、このθos1に代えて入力された出力軸推定角θmcを用いて異常判定処理を行うことが可能である。これによって、出力軸推定角θmcは正常値であることから、残り2系統のうちのいずれか1系統が故障した場合に、どちらが故障しているのかを特定することが可能となる。また、残り1系統となった場合でも、出力軸推定角θmcを用いて異常判定処理を継続することが可能となる。従って、この判定で正常と判定された場合に、操舵トルクTの演算を継続することが可能となり、延命確率を高めることが可能となる。
なお、モータコントローラ22で出力軸推定角θmcを算出する構成としたが、この構成に限らず、正常なモータ回転角θmをそのまま出力し、第3のコントローラ17C側で出力軸推定角θmcを算出する構成としてもよい。
また、異常判定後のモータ回転角ではなく、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iで検出したθm1〜θm3のうち少なくとも1つを直接、トルクセンサ1の第1のコントローラ17に送信し、第3のコントローラ17C側で出力軸推定角θmc(又はθmc1〜θmc3)を算出する構成としてもよい。このとき、θm1〜θm3の平均値を用いて出力軸推定角θmcを算出する構成としてもよい。
(6)上記第5実施形態において、モータ回転角センサ21は、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iで検出したθm1〜θm3のみを用いて異常判定処理を行う構成としたが、この構成に限らない。ここで、上記説明したように、出力軸回転角θosに、減速比RGr及び極対数Pを乗算することでモータ回転角θmを推定することが可能である。以下、この推定したモータ回転角θmを「モータ推定角θosc」と記載する場合がある。このことに基づき、例えば、図19に示すように、第4のコントローラ25の第3異常判定部25bにおいて、モータ推定角θoscも用いて、第7〜第9回転角検出回路16g〜16iの異常を判定する構成としてもよい。
具体的に、第3のトルクセンサ1Cの第3のコントローラ17Cのトルク演算部17eは、第2異常判定部17dから入力される出力軸回転角θos(即ち、正常な出力軸回転角)に対して減速比RGr及び極対数Pを乗算して、モータ推定角θoscを算出する。そして、算出したモータ推定角θoscをモータ回転角センサ21の第4のコントローラ25に送信する。第4のコントローラ25は、例えば、図20に示すように、第7回転角検出回路16gが故障していてθm1が使用できないときに、このθm1に代えて入力されたモータ推定角θoscを用いて異常判定処理を行うことが可能である。これによって、モータ推定角θoscは正常値であることから、残り2系統のうちのいずれか1系統が故障した場合に、どちらが故障しているのかを特定することが可能となる。また、残り1系統となった場合でも、モータ推定角θoscを用いて異常判定処理を継続することが可能となる。従って、この判定で正常と判定された場合に、モータ駆動制御装置2の機能を継続することが可能となり、延命確率を高めることが可能となる。
なお、第3のコントローラ17Cでモータ推定角θoscを算出する構成としたが、この構成に限らず、正常な出力軸回転角θosをそのまま出力し、第4のコントローラ25側でモータ推定角θoscを算出する構成としてもよい。
また、異常判定後の出力軸回転角ではなく、第4〜第6回転角検出回路16d〜16fで検出したθos1〜θos3のうち少なくとも1つを直接、モータ回転角センサ21の第4のコントローラ25に送信し、第4のコントローラ25側でモータ推定角θosc(又はθosc1〜θosc3)を算出する構成としてもよい。このとき、θos1〜θos3の平均値を用いてモータ推定角θoscを算出する構成としてもよい。
また、本変形例(5)の構成は、上記他の変形例(4)と組み合わせることが可能である。また、この組合せの構成において、第3のトルクセンサ1Cの第3の回転角度検出器10B又はモータ回転角センサ21の第6の回転角度検出器10Eのいずれか一方を、3系統の回転角検出回路を有する構成から2系統の回転角検出回路を有する構成に変更してもよい。即ち、どちらか一方を2系統としても、相互比較監視によって3系統とした場合と同等の異常検出精度を保持することが可能である。
(7)上記第4及び第5実施形態において、第1異常判定部17bにて、θis1〜θis3のうち正常なものの平均値を算出して、それを入力軸回転角θisとしてトルク演算部17eに出力するようにした。加えて、第2異常判定部17dにて、θos1〜θos3のうち正常なものの平均値を算出して、それを出力軸回転角θosとしてトルク演算部17eに出力するようにした。これらの構成に限らず、例えば、正常な回転角のうちいずれか1つを出力する構成、正常な全ての回転角を出力してトルク演算部側で平均値をとる構成、又はトルク演算部側でいずれか1つを選択する構成とするなど他の構成としてもよい。
(8)上記第5実施形態において、第3異常判定部25bにおいて、θm1〜θm3のうち正常なものの平均値を算出して、それをモータ回転角θmとしてモータコントローラ22に出力するようにしたが、この構成に限らない。例えば、正常なモータ回転角のうちいずれか1つを出力する構成、正常な全てのモータ回転角を出力してモータコントローラ22側で平均値をとる構成、又はモータコントローラ22側でいずれか1つを選択する構成とするなど他の構成としてもよい。
(9)上記各実施形態では、角度信号としてデジタル信号による通信を例に挙げて説明したが、この構成に限らず、角度に応じた電圧値やパルス幅信号など他の信号を用いた通信を行う構成としてもよい。
(10)上記各実施形態では、本発明をコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置に適用した例を説明したが、この構成に限らず、例えば、ラックアシスト式又はピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置に適用する構成としてもよい。
(11)上記第4及び第5実施形態では、回転角度検出器を3系統の回転角検出回路を備える構成としたが、この構成に限らない、例えば、4系統以上の構成としてもよい。
1…トルクアングルセンサ、1A〜1C…第1〜第3のトルクセンサ、2…モータ駆動制御装置、3…電動パワーステアリング装置、4…車両、10,10A〜10E…第1,第2〜第6の回転角度検出器、13,13A〜13C…第1,第2〜第4の多極磁石リング、16a〜16i…第1〜第9の回転角検出回路、17A〜17C,25…第1〜第3,第4のコントローラ、17a,17c,25a…第1,第2,第3位相差補正部、17b,17d,25b…第1,第2,第3異常判定部、21…モータ回転角センサ、22…モータコントローラ、23…モータ駆動回路、24…電源制御部、42…電動モータ、60…車速センサ、61…バッテリ、62…IGスイッチ、160…感磁素子群、160a〜160h…第1〜第8の感磁素子、160S…半導体基板、161…駆動回路、162…角度検出回路、170b,170d,250b…第1,第2,第3判定処理部、171b,171d,251b…第1,第2,第3角度情報監視部、190,191…第2,第3の感磁素子群、192,193…第2,第3の駆動回路、194,195…第2,第3の角度検出回路

Claims (14)

  1. 電動パワーステアリング装置に用いられる回転軸上に該回転軸と同心かつ同期回転可能に設けられた円環状又は円板状の磁力発生機構であって、周方向に沿って周期数N(Nは2以上の自然数)の周期的な磁界を発生する磁力発生機構と、
    前記回転軸の回転に応じて変化する磁界に基づき前記回転軸の回転角を検出する回転角検出部と、を備え、
    前記回転角検出部は、半導体基板と、該半導体基板上に円形に配置された、前記半導体基板の基板面と平行な平面内に方向成分を有する磁界に感応する複数の感磁素子と、前記複数の感磁素子を予め設定した回転周波数で周方向に1つずつ順に駆動する駆動回路と、駆動された各感磁素子から出力される信号と前記回転周波数と同じ周波数の基準信号との位相差を前記回転軸の回転位置情報として検出し、検出した回転位置情報に基づき前記回転軸の回転角度を検出する角度検出回路とを有し、
    前記回転角検出部は、前記磁力発生機構の外周面と所定空隙を空けて対向して前記回転軸を回転可能に支持する部材側に固定して配置されていると共に、感応対象となる磁界の方向成分と前記基板面とが平行となる姿勢で配置されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器。
  2. M系統(Mは2以上の自然数)の前記回転角検出部と、
    前記M系統の回転角検出部で検出されたM個の回転角度を相互に比較し、比較結果に基づき前記回転角検出部の異常を判定する異常判定部と、を備える請求項1に記載の電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器。
  3. 前記M系統の回転角検出部は、前記磁力発生機構に対してその周方向に沿って位相をずらして設けられており、
    前記M系統の回転角検出部で検出されたM個の回転角度の位相差をオフセットする位相差補正部を備え、
    前記異常判定部は、オフセット後の前記M個の回転角度について、相互に異なる各2つの回転角検出部で検出された回転角度の組が一致しているか否かをそれぞれ判定し、一致していると判定した組に対応する回転角検出部を正常と判定し一致していないと判定した組に対応する回転角検出部を異常と判定する請求項2に記載の電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器。
  4. 前記M系統の回転角検出部は、前記磁力発生機構に対してその周方向に沿って電気角で120度ずつ位相をずらして設けられている請求項3に記載の電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器。
  5. ステアリングシャフトに生じるトルクを検出するトルク検出部と、
    前記ステアリングシャフトの回転角度を検出する回転角度検出部と、を備え、
    前記回転角度検出部として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器を備える電動パワーステアリング装置用のトルクアングルセンサ。
  6. ステアリングシャフトを構成するトーションバーを介して連結された入力軸と出力軸とのうち前記入力軸の回転角度を検出する第1の回転角度検出器と、
    前記出力軸の回転角度を検出する第2の回転角度検出器と、
    前記第1の回転角度検出器で検出された前記入力軸の回転角度と、前記第2の回転角度検出器で検出された前記出力軸の回転角度との差分から前記トーションバーの捩れ角を算出し、算出した前記捩れ角に基づき操舵トルクを算出するトルク演算部と、を備え、
    前記第1の回転角度検出器及び前記第2の回転角度検出器として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器を備える電動パワーステアリング装置用のトルクセンサ。
  7. 前記入力軸及び前記出力軸のうち少なくとも一方の絶対回転角情報を検出する多回転検出部を備え、
    前記トルク演算部は、前記入力軸及び前記出力軸のうち少なくとも一方の軸の回転角度を前記多回転検出部で検出した前記絶対回転角情報に基づき補正し、補正後の回転角度に基づき前記操舵トルクを算出する請求項6に記載の電動パワーステアリング装置用のトルクセンサ。
  8. 電動パワーステアリング装置に用いられる同心かつ同軸線上に分割して設けられた第1の回転軸及び第2の回転軸のうち前記第1の回転軸の回転角度を検出する第1の回転角度検出器と、
    前記第2の回転軸の回転角度を検出する第2の回転角度検出器と、
    前記第1の回転角度検出器で検出された前記第1の回転軸の回転角度と、前記第2の回転角度検出器で検出された前記第2の回転軸の回転角度との差分を算出する角度差演算部と、を備え、
    前記第1の回転角度検出器及び前記第2の回転角度検出器として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器を備える電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器。
  9. 前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸の少なくとも一方の絶対回転角情報を検出する多回転検出部を備え、
    前記角度差演算部は、前記第1の回転軸及び前記第2の回転軸のうち少なくとも一方の軸の回転角度を前記多回転検出部で検出した絶対回転角情報に基づき補正し、補正後の回転角度に基づき前記差分を算出する請求項8に記載の電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器。
  10. ステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータのモータ回転軸の回転角度を検出するモータ回転角検出部として、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置用の回転角度検出器を備え、前記モータ回転角検出部で検出した前記モータ回転軸の回転角度に基づき前記電動モータを駆動制御する電動パワーステアリング装置用のモータ駆動制御装置。
  11. ステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータを駆動制御するモータ駆動制御装置として、請求項10に記載の電動パワーステアリング装置用のモータ駆動制御装置を備える電動パワーステアリング装置。
  12. ステアリングシャフトに生じるトルクを検出するセンサとして、請求項5に記載の電動パワーステアリング装置用のトルクアングルセンサと、請求項6に記載の電動パワーステアリング装置用のトルクセンサと、請求項7に記載の電動パワーステアリング装置用のトルクセンサとのうちいずれか1つを備える電動パワーステアリング装置。
  13. ステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータを駆動制御するモータ駆動制御装置として、請求項10に記載の電動パワーステアリング装置用のモータ駆動制御装置を備え、
    前記ステアリングシャフトに生じるトルクを検出するセンサとして、請求項5に記載の電動パワーステアリング装置用のトルクアングルセンサと、請求項6に記載の電動パワーステアリング装置用のトルクセンサと、請求項7に記載の電動パワーステアリング装置用のトルクセンサとのうちいずれか1つを備える電動パワーステアリング装置。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置を備える車両。
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