JP2018077096A - 回転角度検出器、トルクセンサ、モータ駆動制御装置、電動パワーステアリング装置及び車両 - Google Patents

回転角度検出器、トルクセンサ、モータ駆動制御装置、電動パワーステアリング装置及び車両 Download PDF

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昌樹 桑原
和広 大平
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和広 大平
重之 植松
Shigeyuki Uematsu
重之 植松
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Atsushi Maeda
篤志 前田
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Abstract

【課題】回転角を検出する3系統以上の回転角検出部を備え、これら3系統以上の回転角検出部の出力の比較によって回転角検出部の異常判定を行うことが可能な回転角度検出器及びこれを備えたトルクセンサを提供する。【解決手段】トルクセンサ1は、入力軸32aに配置された3系統の第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aを備えた第1の回転角度検出器10Aと、出力軸32bに配置された3系統の第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bを備えた第2の回転角度検出器10Bと、第1のコントローラ17とを備え、第1のコントローラ17は、第1の回転角度検出器10Aから入力された第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3を相互比較して第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aの異常を判定し、第2の回転角度検出器10Bから入力された第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3を相互比較して第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bの異常を判定する。【選択図】図3

Description

本発明は、回転角度検出器、これを備えたトルクセンサ、モータ駆動制御装置、電動パワーステアリング装置及び車両に関する。
従来、モータ回転角情報を検出する機能の信頼性を向上する技術として例えば特許文献1に記載された技術が開示されている。この技術は、磁気センサとして磁気検出素子と専用磁気検出素子との2系統を備え、制御部は、これら2系統間において、互に得られる角度情報を比較し、角度信号に基づき演算により得られる回転角情報を比較し、あるいは、角度情報に基づき演算により得られるステアリングの位置情報を比較して、それぞれの確度を診断するものである。
特開2015−116964号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術にあっては、2系統化された磁気検出素子からの角度信号やこの角度信号から得られるモータ角度情報及びステアリング位置情報を2系統間で相互比較し一致の場合は正常、不一致の場合は異常といった診断を行っている。そのため、磁気検出素子の一方に異常が発生して不一致となった場合に、どちらの磁気検出素子に異常が生じているのかを特定することができず、他方が正常であっても2系統が共に使用できなくなる恐れがあった。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、回転角を検出する3系統以上の回転角検出部を備え、これら3系統以上の回転角検出部の出力の比較によって回転角検出部の異常判定を行うことが可能な回転角度検出器、これを備えたトルクセンサ、モータ駆動制御装置、電動パワーステアリング装置及び車両を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明の一実施態様に係る回転角度検出器は、回転軸上に該回転軸と同心かつ同期回転可能に設けられた円環状又は円板状の回転体であって、回転位置によって物理的状態が規則的に変化する回転体と、前記回転軸の回転位置に応じて変化する前記回転体の前記物理的状態に応じた物理量を前記回転軸の回転位置情報として検出し、検出した回転位置情報に基づき前記回転軸の回転角度を検出するN(Nは3以上の自然数)系統の回転角検出部と、前記N系統の回転角検出部で検出されたN個の回転角度を相互に比較し、比較結果に基づき前記回転角検出部の異常を判定する異常判定部と、を備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の一実施態様に係るトルクセンサは、トーションバーを介して連結された入力軸と出力軸とのうち前記入力軸に、第1の回転角度検出器として上記の回転角度検出器を配置し、前記出力軸に、第2の回転角度検出器として上記の回転角度検出器を配置し、前記第1の回転角度検出器の前記N系統の回転角検出部である第1〜第Nの回転角検出部のうち異常と判定された回転角検出部以外の回転角検出部で検出された前記入力軸の回転角度と、前記第2の回転角度検出器の前記N系統の回転角検出部である第(N+1)〜第(N+N)の回転角検出部のうち異常と判定された回転角検出部以外の回転角検出部で検出された前記出力軸の回転角度との差分から前記トーションバーの捩れ角を算出し、算出した前記捩れ角に基づきトルクを算出するトルク演算部と、を備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の一実施態様に係るモータ駆動制御装置は、電動モータのモータ回転軸に、上記回転角度検出器を配置し、この回転角度検出器で検出したモータ回転軸の回転角度に基づき電動モータを駆動制御する。
また、上記課題を解決するために、本発明の一実施態様に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフトに生じるトルクを検出するトルクセンサとして、上記のトルクセンサを備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の一実施態様に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータを駆動制御するモータ駆動制御装置として、上記のモータ駆動制御装置を備え、前記ステアリングシャフトに生じるトルクを検出するトルクセンサとして、上記のトルクセンサを備える。
また、上記課題を解決するために、本発明の一実施態様に係る車両は、上記の電動パワーステアリング装置を備える。
本発明の回転角度検出器であれば、N系統の回転角検出部で検出したN個の回転角度を相互比較し、この比較結果に基づき回転角検出部の異常を判定することが可能となる。これにより、例えば、位相を揃えたN個の回転角度の各2つの回転角度の組について一致するか否かの相互比較を行うことで、(N−2)系統の故障の場合にどの回転角検出部に異常が生じているのかを特定することが可能となる。また、(N−2)系統に故障が生じても、残りの2系統によって回転角度検出の機能を継続することが可能になると共に、残り2系統の回転角度の相互比較によって異常検出機能も継続することが可能となる。
そして、トーションバーを介して連結された入力軸及び出力軸の回転角を検出する回転角度検出器として、上記回転角度検出器を備えるトルクセンサでは、信頼性の高いトルク値を検出することが可能となる。また、電動モータのモータ回転角を検出する回転角度検出器として、上記回転角度検出器を備えるモータ駆動制御装置では、信頼性の高いモータ駆動制御を行うことが可能となる。
また、上記モータ駆動制御装置及び上記トルクセンサの少なくとも一方を備える電動パワーステアリング装置では、信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となる。また、上記電動パワーステアリング装置を備える車両では、信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となる。
第1実施形態に係るトルクセンサを搭載した電動パワーステアリング装置を車両に適用した場合の全体構成図である。 第1実施形態に係るトルクセンサの構成を示す図である。 第1実施形態に係る第1〜第3の回転角検出部の配置構成の一例を示す図である。 第1実施形態に係るトルクセンサの第1のコントローラの構成及び回転角検出部との配線構成の一例を示す図である。 (a)は、第1異常判定部の構成を示すブロック図であり、(b)は、第2異常判定部の構成を示すブロック図である。 (a)は、第1異常判定部の異常判定動作を説明するための図であり、(b)は、第2異常判定部の異常判定動作を説明するための図である。 第1実施形態の変形例1に係るトルクセンサの第1のコントローラの構成及び配線構成の一例を示す図である。 第1実施形態の変形例2に係るトルクセンサの第1のコントローラの構成及び配線構成の一例を示す図である。 第2実施形態に係るモータ駆動制御装置の構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係るモータ回転角センサの構成を示す図である。 (a)及び(b)は、モータ回転角センサの第3回転角検出部の配置構成の一例を示す図である。 モータ回転角センサの第2のコントローラの構成及び回転角検出部との配線構成の一例を示す図である。 第3異常判定部の構成を示すブロック図である。 第2実施形態の変形例1に係るモータ回転角センサの第2のコントローラの構成及び回転角検出部との配線構成の一例を示す図である。 第3実施形態に係る第4及び第5の回転角度検出器の各回転角検出部の配置構成の一例を示す図である。 第3実施形態に係るトルクセンサの第3のコントローラの構成及び回転角検出部との配線構成の一例を示す図である。 第4異常判定部の構成を示すブロック図である。 第4実施形態に係る第6及び第7の回転角度検出器の各回転角検出部の配置構成の一例を示す図である。 第4実施形態に係るトルクセンサの第4のコントローラの構成及び回転角検出部との配線構成の一例を示す図である。 第6異常判定部の構成を示すブロック図である。 (a)及び(b)は、回転角度検出器の変形例を示す図である。 他の変形例に係るトルクセンサの第1のコントローラの構成を示す図である。 他の変形例に係るトルクセンサの第1異常判定部の構成を示すブロック図である。 他の変形例に係るモータ回転角センサの第2のコントローラの構成を示すブロック図である。 他の変形例に係るモータ回転角センサの第3異常判定部の構成を示すブロック図である。
次に、図面を参照して、本発明の第1〜第4実施形態及びその変形例を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものも含まれており、部材ないし部分の縦横の寸法や縮尺は実際のものとは異なる場合があることに留意すべきである。従って、具体的な寸法や縮尺は以下の説明を参酌して判断すべき場合がある。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合があることはもちろんである。
また、以下に示す第1〜第4実施形態及びその変形例は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(第1実施形態)
(全体構成)
第1実施形態に係る車両4は、図1に示すように、左右の転舵輪となる前輪4FR及び4FLと後輪4RR及び4RLを備えている。前輪4FR及び4FLは、電動パワーステアリング装置3によって転舵される。
電動パワーステアリング装置3は、ステアリングホイール31と、ステアリングシャフト32と、第1のユニバーサルジョイント33と、ロアシャフト34と、第2のユニバーサルジョイント35とを備える。
電動パワーステアリング装置3は、更に、ピニオンシャフト36と、ステアリングギヤ37と、タイロッド38と、ナックルアーム39と、トルクセンサ1とを備える。
ステアリングホイール31に運転者から作用された操舵力は、ステアリングシャフト32に伝達される。このステアリングシャフト32は、入力軸32aと出力軸32bとを有する。入力軸32aの一端はステアリングホイール31に連結され、他端はトルクセンサ1を介して出力軸32bの一端に連結されている。
そして、出力軸32bに伝達された操舵力は、第1のユニバーサルジョイント33を介してロアシャフト34に伝達され、更に、第2のユニバーサルジョイント35を介してピニオンシャフト36に伝達される。このピニオンシャフト36に伝達された操舵力はステアリングギヤ37を介してタイロッド38に伝達される。更に、このタイロッド38に伝達された操舵力はナックルアーム39に伝達され、前輪4FRおよび4FLを転舵させる。
ここで、ステアリングギヤ37は、ピニオンシャフト36に連結されたピニオン37aとこのピニオン37aに噛合するラック37bとを有するラックアンドピニオン形式に構成されている。従って、ステアリングギヤ37は、ピニオン37aに伝達された回転運動をラック37bで車幅方向の直進運動に変換している。
トルクセンサ1は、ステアリングホイール31に付与されて入力軸32aに伝達された操舵トルクTを検出する。
また、ステアリングシャフト32の出力軸32bには、操舵補助力を出力軸32bに伝達する操舵補助機構40が連結されている。
操舵補助機構40は、出力軸32bに連結したウォームギヤ機構で構成される減速ギヤ41と、この減速ギヤ41に連結された操舵補助力を発生する電動モータ42と、電動モータ42のハウジングに固定支持されたモータ駆動制御装置2とを備えている。
電動モータ42は、3相ブラシレスモータであり、図示しない環状のモータロータと環状のモータステータとを備えている。モータステータは、径方向内側に突出する複数の極歯を円周方向に等間隔に備えて構成され、各極歯には励磁用コイルが巻き回されている。そして、モータステータの内側に、モータロータが同軸に配設されている。モータロータは、モータステータの極歯と僅かの空隙(エアギャップ)をもって対向しかつ外周面に円周方向に等間隔に設けられた複数の磁石を備えて構成されている。
モータロータはモータ回転軸に固定されており、モータステータのコイルにモータ駆動制御装置2を介して3相交流電流を流すことでモータステータの各歯が所定の順序に励磁されてモータロータが回転し、この回転に伴ってモータ回転軸が回転する。
そして、モータ回転軸が回転すると、その回転力(操舵補助力)が減速ギヤ41を介してステアリングシャフト32に伝達されステアリングシャフト32が回転する。一方、ステアリングホイール31が操舵されてステアリングシャフト32が回転すると、その回転力が減速ギヤ41を介してモータ回転軸に伝達されモータロータが回転する。すなわち、電動モータ42の回転位置とステアリングシャフト32の回転位置とは対応関係があり、いずれか一方の回転情報から他方の回転位置を算出することが可能である。
モータ駆動制御装置2は、車載電源であるバッテリ61から電源供給されることによって作動する。ここで、バッテリ61の負極は接地され、その正極はエンジン始動を行うイグニッションスイッチ62(以下、「IGスイッチ62」と記載する場合がある)を介してモータ駆動制御装置2に接続されると共に、IGスイッチ62を介さず直接、モータ駆動制御装置2に接続されている。
また、モータ駆動制御装置2には、図1に示すように、トルクセンサ1で検出された操舵トルクTと、車速センサ60で検出された車速Vとが入力されている。
モータ駆動制御装置2は、車速センサ60からの車速Vと、トルクセンサ1からの操舵トルクTと、不図示のモータ回転角センサからのモータ回転角θmとに基づき、電動モータ42を駆動制御する。
(トルクセンサ1の構成)
第1実施形態に係るトルクセンサ1は、図2に示すように、入力軸32aに設けられた第1の回転角度検出器10Aと、出力軸32bに設けられた第2の回転角度検出器10Bと、第1のコントローラ17とを備える。ここで、入力軸32a及び出力軸32bは、トーションバー(図示省略)を介して連結されている。
第1の回転角度検出器10Aは、第1の多極磁石リング11Aと、第1の回転角検出部12Aと、第2の回転角検出部13Aと、第3の回転角検出部14Aとを備える。
第1の多極磁石リング11Aは、周方向に沿って外周面にS極とN極とが交互に連続するように着磁された円環形状(リング状)の多極磁石であり、入力軸32aに固定支持されている。この第1の多極磁石リング11Aは、中央の貫通穴内に入力軸32aを挿通させた状態で入力軸32aと同心に固定支持されている。第1実施形態では、第1の多極磁石リング11Aを、入力軸32aの出力軸32b側端部(理想的にはトーションバーの連結位置)に入力軸32aと同期回転可能に取付けている。これにより、入力軸32aの回転に同期して第1の多極磁石リング11Aが回転する。
第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aは、図2及び図3に示すように、第1の多極磁石リング11Aの周方向に沿って、第1の多極磁石リング11Aの外周に対向させて配置されている。第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aのうち、第1の回転角検出部12Aは機械角0度の位置、第2の回転角検出部13Aは機械角120度の位置、第3の回転角検出部14Aは機械角240度の位置に配置されている。
更に、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aは、入力軸32aとも出力軸32bとも同期回転しない固定部位に設けられている。
第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aは、第1の多極磁石リング11Aの回転に応じて位相を変動させる正弦波信号の該位相を角度情報として出力する、それぞれが同一規格のセンサから構成されている。
ここで、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aは、電気角及び機械角で120度ずつずれて配置されている。そのため、極対数が8の場合に、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aから出力される角度情報は、電気角で120度ずつ異なる位相差を有することになる。例えば、第1の回転角検出部12Aから出力される角度情報である第1の入力軸回転角θis1が0度である場合、第2の回転角検出部13Aから出力される角度情報である第2の入力軸回転角θis2は120度、第3の回転角検出部14Aから出力される角度情報である第3の入力軸回転角θis3は240度となる。
なお、極対数は8に限らず、例えば、他にも4、10、11、13、14、16、17、19、20、22等を採用することが可能である。
第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aから出力される第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3は、第1のコントローラ17に入力される。
以下、第1の入力軸回転角θis1、第2の入力軸回転角θis2、第3の入力軸回転角θis3を、単に「θis1」、「θis2」、「θis3」と記載する場合がある。
第2の回転角度検出器10Bは、第2の多極磁石リング11Bと、第4の回転角検出部12Bと、第5の回転角検出部13Bと、第6の回転角検出部14Bとを備える。
第2の多極磁石リング11Bは、出力軸32bに固定支持されている。この第2の多極磁石リング11Bは、中央の貫通穴内に出力軸32bを挿通させた状態で出力軸32bと同心に固定支持されている。第1実施形態では、第2の多極磁石リング11Bを、出力軸32bの入力軸32a側端部(理想的にはトーションバーの連結位置)に出力軸32bと同期回転可能に取付けている。これにより、出力軸32bの回転に同期して第2の多極磁石リング11Bが回転する。
第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bは、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aと同様の構成を有している。即ち、図3において、符号の末尾のAをBに置き換えた構成となる。
第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bは、入力軸32aとも出力軸32bとも同期回転しない固定部位に設けられている。
第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bは、第2の多極磁石リング11Bの回転に応じて位相を変動させる正弦波信号の該位相を角度情報として出力する、それぞれが同一規格のセンサから構成されている。
ここで、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bは、電気角及び機械角で120度ずつずれて配置されている。そのため、極対数が8の場合に、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bから出力される角度情報は、電気角で120度ずつ異なる位相差を有することになる。例えば、第4の回転角検出部12Bから出力される角度情報である第1の出力軸回転角θos1が0度である場合、第5の回転角検出部13Bから出力される角度情報である第2の出力軸回転角θos2は120度、第6の回転角検出部14Bから出力される角度情報である第3の出力軸回転角θos3は240度となる。
第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bから出力される第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3は、第1のコントローラ17に入力される。
以下、第1の出力軸回転角θos1、第2の出力軸回転角θos2、第3の出力軸回転角θos3を、単に「θos1」、「θos2」、「θos3」と記載する場合がある。
なお、第1の多極磁石リング11A及び第2の多極磁石リング11Bは、正弦波着磁によって着磁されており、各磁極表面の磁束密度分布が正弦波状となっている。
また、第1の多極磁石リング11A及び第2の多極磁石リング11Bは、必要な磁束密度に応じて、例えば、ネオジム磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石等から構成されている。
また、第1〜第3の回転角検出部12A〜14A及び第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bは、例えば、ホール素子、ホールIC、磁気抵抗効果(MR:Magneto Resistance effect)センサなどから構成されている。
第1のコントローラ17は、図4に示すように、第1オフセット部17aと、第1異常判定部17bと、第2オフセット部17cと、第2異常判定部17dと、トルク演算部17eとを備えている。
第1オフセット部17aは、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aから入力される第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3の位相差をオフセットする処理を行う。そして、オフセット後の第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3を第1異常判定部17bに出力する。
具体的に、第1オフセット部17aは、第1の回転角検出部12Aから入力される第1の入力軸回転角θis1の座標系を基準とする。そして、第2の回転角検出部13Aから入力される第2の入力軸回転角θis2の座標系に120度分の座標を加算し、第3の回転角検出部14Aから入力される第3の入力軸回転角θis3の座標系に240度分の座標を加算して、三つの座標系をあわせる。
第1異常判定部17bは、入力されたオフセット後の第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3に基づき、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aに異常が生じているか否かを判定する異常判定処理を実行する。
更に、第1異常判定部17bは、異常判定処理を終了後に、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aのうち異常が生じていない(正常)と判定された回転角検出部から入力された入力軸回転角θisと、異常判定処理の結果を示す第1異常判定情報Sei1とをトルク演算部17eに出力する。
ここで、第1実施形態において、第1異常判定情報Sei1は、例えば、正常時が「0」で異常時が「1」として3桁の数字で表現される。なお、3桁の数字は左から順に第1の回転角検出部12A、第2の回転角検出部13A、第3の回転角検出部14Aに対応している。即ち、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aの全てが正常な場合に「000」となり、第1の回転角検出部12Aのみが異常時は「100」、第2の回転角検出部13Aのみが異常時は「010」となる。また、第3の回転角検出部14Aのみが異常時は「001」となり、2つ以上の回転角検出部に同時に異常が生じている場合は「111」となる。
第2オフセット部17cは、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bから入力される第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3の位相差をオフセットする処理を行う。
具体的に、第2オフセット部17cは、第4の回転角検出部12Bから入力される第1の出力軸回転角θos1の座標系を基準とする。そして、第5の回転角検出部13Bから入力される第2の出力軸回転角θos2の座標系に120度分の座標を加算し、第6の回転角検出部14Bから入力される第3の出力軸回転角θos3の座標系に240度分の座標を加算して、三つの座標系をあわせる。
第2異常判定部17dは、入力されたオフセット後の第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3に基づき、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bに異常が生じているか否かを判定する異常判定処理を実行する。
更に、第2異常判定部17dは、異常判定処理を終了後に、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bのうち異常が生じていない(正常)と判定された回転角検出部から入力された出力軸回転角θosと、異常判定処理の結果を示す第2異常判定情報Seo1とをトルク演算部17eに出力する。
ここで、第1実施形態において、第2異常判定情報Seo1は、第1異常判定情報Sei1と同様な情報であり、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bの全てが正常な場合に「000」となり、第4の回転角検出部12Bのみが異常時は「100」、第5の回転角検出部13Bのみが異常時は「010」となる。また、第6の回転角検出部14Bのみが異常時は「001」となり、2つ以上の回転角検出部に同時に異常が生じている場合は「111」となる。
トルク演算部17eは、第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1の双方が「111」ではない場合、入力された入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosとの差分値Δθs、即ち二軸の相対角度Δθs(トーションバーの捩れ角Δθsに相当)を算出する。そして、算出した相対角度Δθsに基づき操舵トルクTを算出する。
具体的に、トーションバーで連結される二軸の相対角度Δθsが得られれば、例えば、下式(1)に従って、操舵トルクTを算出することが可能である。
T=(π・D4・G・Δθs)/32・L ・・・(1)
なお、上式(1)において、Lはトーションバーの長さ、Dはトーションバーの直径、Gはトーションバーの横弾性係数である。
トルク演算部17eは、算出した操舵トルクTと、入力された第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1とを、モータ駆動制御装置2に出力する。
また、トルク演算部17eは、第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1の少なくとも一方が、2以上の回転角検出部が異常であることを示す「111」を含む場合は、操舵トルクを算出せずに、第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1のみをモータ駆動制御装置2に出力する。
モータ駆動制御装置2は、第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1の少なくとも一方が「111」を含む場合、トルクセンサ1に故障が発生していると判断する。そして、例えば、電動パワーステアリング装置3のトルクセンサ1に故障が生じていることを示す情報を車載の例えばカーナビゲーションシステムの表示部に表示したり、予め設けられた電動パワーステアリング装置3の故障を示すランプを点灯したりする。
(異常判定部の構成)
第1異常判定部17bは、図5(a)に示すように、第1判定処理部170bと、第1角度情報監視部171bとを備えている。
第1判定処理部170bは、入力されたオフセット後の、θis1とθis2とが一致しているか否かを判定し、θis1とθis3とが一致しているか否かを判定し、θis2とθis3とが一致しているか否かを判定する。
ここで、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aが正常な場合、オフセット後のθis1〜θis3は同じ値となる。
具体的に、第1判定処理部170bは、一致判定を行う各2つの入力軸回転角の差分を算出し、この差分と予め設定した第1差分閾値とを比較し、差分が第1差分閾値以下であるときに一致と判定し、第1差分閾値よりも大きいときに不一致と判定する。そして、各判定結果を、第1角度情報監視部171bに出力する。
この判定結果は、例えば、一致判定の組合せを特定する情報と、一致か不一致かを示す情報との組から構成される。例えば、θis1とθis2との組合せを特定する情報を「00」、θis1とθis3との組合せを特定する情報を「01」、θis2とθis3との組合せを特定する情報を「10」とし、一致を示す値を「0」、不一致を示す値を「1」とする。この場合に、例えば、第1の回転角検出部12Aのみに異常が発生している場合の各判定結果は、θis1が異常値となることから「001」、「011」、「100」となる。
第1角度情報監視部171bは、入力された3つの判定結果に基づき、第1異常判定情報Sei1を生成する。そして、生成した第1異常判定情報Sei1と、正常な回転角検出部から入力された入力軸回転角に基づく角度情報とをトルク演算部17eに出力する。
具体的に、例えば、入力された3つの判定結果が「000」、「010」、「100」であったとする。この場合は、各一致判定の組合せが全て一致を示しているので、第1異常判定情報Sei1として、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aが全て正常であることを示す「000」の3桁の数字を含む情報を生成する。また、第1実施形態では、正常な入力軸回転角の平均値を算出する。この場合は、θis1〜θis3の平均値((θis1+θis2+θis3)/3)を算出する。そして、生成した第1異常判定情報Sei1をトルク演算部17eに出力すると共に、算出した平均値を入力軸回転角θisとしてトルク演算部17eに出力する。
また、例えば、入力される3つの判定結果が「001」、「011」、「101」の場合は、第1異常判定情報Sei1として、2以上の回転角検出部が異常であることを示す「111」の3桁の数字を含む情報を生成する。そして、生成した第1異常判定情報Sei1のみをトルク演算部17eに出力する。
また、例えば、入力された3つの判定結果が「000」、「011」、「101」であったとする。この場合は、θis3の絡む一致判定が全て不一致となっているので、第1異常判定情報Sei1として、第3の回転角検出部14Aのみが異常であることを示す「001」の3桁の数字を含む情報を生成する。また、θis1及びθis2の平均値((θis1+θis2)/2)を算出する。そして、生成した第1異常判定情報Sei1をトルク演算部17eに出力すると共に、算出した平均値を入力軸回転角θisとしてトルク演算部17eに出力する。
一方、第2異常判定部17dは、図5(b)に示すように、第2判定処理部170dと、第2角度情報監視部171dとを備えている。
第2判定処理部170dは、入力されたオフセット後の、θos1とθos2とが一致しているか否かを判定し、θos1とθos3とが一致しているか否かを判定し、θos2とθos3とが一致しているか否かを判定する。
ここで、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bが正常な場合、オフセット後のθos1〜θos3は同じ値となる。
具体的に、第2判定処理部170dは、一致判定を行う各2つの出力軸回転角の差分を算出し、この差分と予め設定した第2差分閾値とを比較し、差分が第2差分閾値以下であるときに一致と判定し、第2差分閾値よりも大きいときに不一致と判定する。そして、各判定結果を、第2角度情報監視部171dに出力する。
この判定結果は、上記第1角度情報監視部171bと同様に、例えば、θos1とθos2との組合せを特定する情報が「00」、θos1とθos3との組合せを特定する情報が「01」、θos2とθos3との組合せを特定する情報が「10」となり、一致を示す値が「0」、不一致を示す値が「1」となる。従って、例えば、第4の回転角検出部12Bのみに異常がある場合の各判定結果は「001」、「011」、「100」となる。
第2角度情報監視部171dは、入力された3つの判定結果に基づき、第2異常判定情報Seo1を生成する。そして、生成した第2異常判定情報Seo1と、正常な出力軸回転角に基づく情報とをトルク演算部17eに出力する。
具体的に、例えば、入力された3つの判定結果が「000」、「010」、「100」であったとする。この場合は、各一致判定の組合せが全て一致しているので、第2異常判定情報Seo1として、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bが全て正常であることを示す「000」の3桁の数字を含む情報を生成する。また、θos1〜θos3の平均値((θos1+θos2+θos3)/3)を算出する。そして、生成した第2異常判定情報Seo1をトルク演算部17eに出力すると共に、算出した平均値を出力軸回転角θosとしてトルク演算部17eに出力する。
また、例えば、入力された3つの判定結果が「001」、「011」、「101」の場合は、第2異常判定情報Seo1として、2以上の回転角検出部が異常であることを示す「111」の3桁の数字を含む情報を生成する。そして、生成した第2異常判定情報Seo1をトルク演算部17eに出力する。
また、例えば、入力された3つの判定結果が「001」、「010」、「101」であったとする。この場合は、θos2の絡む一致判定が全て不一致となっているので、第2異常判定情報Seo1として、第5の回転角検出部13Bのみが異常であることを示す「010」の3桁の数字を含む情報を生成する。また、θos1及びθos3の平均値((θos1+θos3)/2)を算出する。そして、生成した第2異常判定情報Seo1をトルク演算部17eに出力すると共に、算出した平均値を出力軸回転角θosとしてトルク演算部17eに出力する。
(トルクセンサ1の配線構成)
次に、トルクセンサ1の配線構成を説明する。
図4に示すように、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aと、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bとは、センサ基板15上に実装されている。なお、図4では、説明の便宜上、センサ基板15の形状が矩形状となっているが、実際は、例えば円環状や軸方向に垂直な断面が多角形状の筒状の基板から構成されている。そして、センサ基板15は、第1及び第2の多極磁石リング11A及び11Bの外側に同心に配置され、各回転角検出部は基板の内周面に実装されている。
更に、第1のコントローラ17は、例えばMCU(Micro Controller Unit)から構成されており、第1制御基板17s上に実装されたMPU(Micro Processing Unit)を備えている。そして、第1実施形態では、各構成部17a〜17eは、このMPUによってプログラムを実行することでその機能が実現される機能構成部となっている。なお、この構成に限らず、各構成部17a〜17eの少なくとも一部を電気回路から構成してもよい。
なお、図示省略したが、第1制御基板17s上には、MCUを構成する、メモリ、インターフェース回路、バス等が実装されている。
また、センサ基板15と第1制御基板17sとは、第1〜第6の電源用ケーブルVcc1〜Vcc6、第1〜第6の片方向通信ケーブルSig1〜Sig6及び第1〜第6のグランド用ケーブルGND1〜GND6を介して接続されている。なお、これらの各ケーブルは、不図示のコネクタを介して接続されている。
即ち、センサ基板15上には、各ケーブルに対応するコネクタが実装されている。そして、センサ基板15上において、第1〜第3の回転角検出部12A〜14A及び第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bの各電源端子、各信号端子及び各グランド端子と各コネクタとの間は、例えば銅製の電源パターン、信号線パターン及びグランドパターンによって電気的に接続されている。
また、第1制御基板17s上には、各ケーブルに対応するコネクタが実装されている。そして、第1制御基板17s上において、これら各コネクタは、MPUの第1〜第6の電源端子、第1〜第6の信号端子及び第1〜第6のグランド端子と、例えば銅製の電源パターン、信号線パターン及びグランドパターンを介して電気的に接続されている。
かかる配線構成によって、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aから出力されるθis1〜θis3は、例えば、所定のサンプリング周期で、第1〜第3の片方向通信ケーブルSig1〜Sig3を介して、第1のコントローラ17に出力される。また、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bから出力されるθos1〜θos3は、例えば、所定のサンプリング周期で、第4〜第6の片方向通信ケーブルSig4〜Sig6を介して、第1のコントローラ17に出力される。
(動作)
次に、第1実施形態の動作を説明する。
今、車両4の運転者によってステアリングホイール31が操舵され、この操舵力がステアリングシャフト32に伝達されると、まず、入力軸32aが操舵方向と対応する方向に回動する。この回動に伴って、トーションバーの入力軸32a側の端部(以下、「入力端」と記載する)が回動し、トーションバーの入力端に設けられた第1の多極磁石リング11Aが回動する。
この回動による回転変位に応じた磁束は、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aにおいて、第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3として検出される。これら検出された第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3を示す信号は、第1〜第3の片方向通信ケーブルSig1〜Sig3を介して第1のコントローラ17へと入力される。
一方、入力端を経た操舵力は、トーションバーの捩れ(弾性変形)を介して出力軸32b側の端部(以下、「出力端」と記載する)へと伝達され出力端が回動する。即ち、入力端(入力軸32a)及び出力端(出力軸32b)が回転方向に相対変位する。
これにより、トーションバーの出力端に設けられた第2の多極磁石リング11Bが回動する。この回動による回転変位に応じた磁束は、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bにおいて、第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3として検出される。これら検出された第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3を示す信号は、第4〜第6の片方向通信ケーブルSig4〜Sig6を介して第1のコントローラ17へと入力される。
第1のコントローラ17は、第1オフセット部17aにおいて、入力されたθis1〜θis3の位相差をオフセットして、オフセット後のθis1〜θis3を第1異常判定部17bに入力する。加えて、第2オフセット部17cにおいて、入力されたθos1〜θos3の位相差をオフセットして、オフセット後のθos1〜θos3を第2異常判定部17dに入力する。
引き続き、第1のコントローラ17は、第1異常判定部17bの第1判定処理部170bにおいて、θis1〜θis3の一致判定を行い、第2異常判定部17dの第2判定処理部170dにおいて、θos1〜θos3の一致判定を行う。
ここでは、図6(a)に示すように、例えば、第1判定処理部170bにおいて、θis1とθis2とが不一致、θis1とθis3とが不一致、θis2とθis3とが一致と判定されたとする。これにより、第1判定処理部170bは、判定結果「001」、「011」、「100」を第1角度情報監視部171bに出力する。
また、図6(b)に示すように、例えば、第2判定処理部170dにおいて、θos1とθos2とが一致、θos1とθos3とが一致、θos2とθos3とが一致と判定されたとする。これにより、第2判定処理部170dは、判定結果「000」、「010」、「100」を第2角度情報監視部171dに出力する。
第1角度情報監視部171bは、入力された判定結果「001」、「011」、「100」から、θis1の絡む判定においていずれも不一致となり、θis1の絡まない判定において一致となっていることから、第1の回転角検出部12Aに異常が発生していると判定する。そして、第1異常判定情報Sei1として、第1の回転角検出部12Aに異常が発生していることを示す3桁の数字「100」を含む情報を生成する。更に、正常な第2及び第3の回転角検出部13A及び14Aから入力されたθis2及びθis3の平均値を算出する。第1角度情報監視部171bは、生成した第1異常判定情報Sei1と、算出した平均値からなる入力軸回転角θisとを、トルク演算部17eに出力する。
一方、第2角度情報監視部171dは、入力された判定結果「000」、「010」、「100」から、θos1〜θos3の絡む判定において全てが一致と判定されていることから、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bは全て正常であると判定する。そして、第2異常判定情報Seo1として、全て正常であることを示す3桁の数字「000」を含む情報を生成する。更に、正常な第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bから入力されたθos1〜θos3の平均値を算出する。第2角度情報監視部171dは、生成した第2異常判定情報Seo1と、算出した平均値からなる出力軸回転角θosとを、トルク演算部17eに出力する。
トルク演算部17eは、入力された第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1に2以上の回転角検出部の故障を示す「111」が含まれていないことから操舵トルクTの算出処理を実行する。
トルク演算部17eは、入力された入力軸回転角θisと、入力された出力軸回転角θosとの差分値Δθsを算出する。そして、算出したΔθsから、上式(1)に従って、操舵トルクTを算出する。更に、算出した操舵トルクTと、第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1とを、モータ駆動制御装置2に出力する。
モータ駆動制御装置2は、トルクセンサ1からの操舵トルクTと、車速センサ60からの車速Vと、モータ回転角センサからのモータ回転角θmとに基づき、電動モータ42を駆動制御する。
また、モータ駆動制御装置2は、第1異常判定情報Sei1に含まれる3桁の数字「100」から、第1の回転角検出部12Aに故障が発生していると判断し、車載の電動パワーステアリング装置用の故障ランプを点灯する。加えて、例えば、車載の液晶表示部に、トルクセンサ1の第1の回転角検出部12Aに故障が発生していることを示す詳細情報を表示する。
以降、第1のコントローラ17は、第1の回転角検出部12Aに故障が生じているため、第1判定処理部170bにおいて、入力されるθis2とθis3との一致判定のみを行うと共に、θis1の絡む他の判定結果は不一致に固定する。また、第2判定処理部170dにおいて、通常通りθos1〜θos3の一致判定を行う。
その後、θis2とθis3とが不一致と判定されて、判定結果「001」、「011」、「101」が第1角度情報監視部171bに入力されたとする。なお、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bは正常であるとする。
第1角度情報監視部171bは、入力された判定結果から、2以上の回転角検出部に故障が発生していると判定し、その旨を示す3桁の数字「111」を含む第1異常判定情報Sei1を生成する。そして、生成した第1異常判定情報Sei1のみをトルク演算部17eに出力する。
トルク演算部17eは、入力された第1異常判定情報Sei1に「111」が含まれていることから、操舵トルクTの算出処理を停止する。
そして、トルク演算部17eは、第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1のみを、モータ駆動制御装置2に出力する。
モータ駆動制御装置2は、第1異常判定情報Sei1から、トルクセンサ1の第1の回転角度検出器10Aの2以上の回転角検出部が故障していると判断し、電動モータ42の駆動制御を停止する。即ち、操舵アシストを停止する。
また、モータ駆動制御装置2は、第1異常判定情報Sei1に含まれる3桁の数字「111」から、第1の回転角度検出器10Aの2以上の回転角検出部に故障が発生していると判断し、車載の電動パワーステアリング装置用の故障ランプを点灯する。加えて、例えば、車載の液晶表示部に、トルクセンサ1の第1の回転角検出部12A含む2以上の回転角検出部に故障が発生していることを示す詳細情報を表示する。他にも、最寄りの修理点検ステーションへの立ち寄りを促す情報を表示してもよい。また、情報の表示だけに限らず、車載のオーディオ装置から音声メッセージや警告音の出力等を行ってもよい。
ここで、第1の多極磁石リング11A及び第2の多極磁石リング11Bは、周方向に異なる磁極を交互に配した磁石に対応し、第1の回転角度検出器10Aと、第1のコントローラ17の第1オフセット部17a及び第1異常判定部17bとは、第1の回転角度検出器に対応する。また、第2の回転角度検出器10Bと、第1のコントローラ17の第2オフセット部17c及び第2異常判定部17dとは、第2の回転角度検出器に対応する。
(第1実施形態の作用及び効果)
以下、第1の多極磁石リング11Aと第2の多極磁石リング11Bとは、両者を区別する必要が無い場合に「多極磁石リング11」と記載する場合がある。また、第1〜第3の回転角検出部12A〜14A及び第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bとは、これらを区別する必要が無い場合に、単に「回転角検出部」と記載する場合がある。
第1実施形態に係るトルクセンサ1は、トーションバーを介して連結された入力軸32aと出力軸32bとのうち入力軸32aに、第1の回転角度検出器10Aを配置し、出力軸32bに、第2の回転角度検出器10Bを配置した。第1の回転角度検出器10Aは、入力軸32a上に該入力軸32aと同心かつ同期回転可能に設けられた、周方向に異なる磁極を交互に配した円環状の第1の多極磁石リング11Aを備える。加えて、入力軸32aの回転に応じて変化する第1の多極磁石リング11Aの磁束を、入力軸32aの回転位置情報である第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3として検出する3系統の第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aを備える。第1異常判定部17bが、第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3を相互に比較し、この比較結果に基づき第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aの異常を判定する。一方、第2の回転角度検出器10Bは、出力軸32b上に該出力軸32bと同心かつ同期回転可能に設けられた、周方向に異なる磁極を交互に配した円環状の第2の多極磁石リング11Bを備える。加えて、出力軸32bの回転に応じて変化する第2の多極磁石リング11Bの磁束を、出力軸32bの回転位置情報である第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3として検出する3系統の第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bを備える。第2異常判定部17dが、第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3を相互に比較し、この比較結果に基づき第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bの異常を判定する。トルク演算部17eが、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aのうち正常と判定された回転角検出部で検出された入力軸回転角θisを入力する。加えて、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bのうち正常と判定された回転角検出部で検出された出力軸回転角θosを入力する。更に、入力された入力軸回転角θisと出力軸回転角θosとの差分からトーションバーの捩れ角Δθsを算出し、算出した捩れ角Δθsに基づき操舵トルクTを算出する。
この構成であれば、3系統の回転角検出部で検出した3つの回転角度を相互比較し、この比較結果に基づき回転角検出部の異常を判定することが可能となる。これにより、1系統の故障の場合にどの回転角検出部に故障が生じているのかを特定することが可能となる。
また、1系統に故障が生じても、残りの2系統によって回転角度検出の機能を継続することが可能になると共に、残り2系統の回転角度の相互比較によって異常検出機能も継続することが可能となる。例えば、1回目の異常が入力軸32a側の1系統で生じ、2回目の異常が出力軸32b側の1系統で生じても、残りの各2系統によって、そのシステムとしての機能は安全性を持って継続することが可能となり、その機能の延命確率を高くすることが可能となる。
更に、入力軸32a側と出力軸32b側の回転角度が随時検出されるため、入力軸32a(ステアリングホイール31)側の回転角度を常に検出できるとともに、例えば、車両4がESC(横滑り防止機能)などを備える場合にその制御情報として寄与できる。特に、多極磁石リングの極対数の設定によって分解能を高くすることが出来るため、より微細な制御に寄与することが可能である。
更に、出力軸32b(タイヤ)側にも同様の回転角度検出器を持っているため、例えば運転者が意図しない出力軸32b側の回転を検出することが可能になるなど、従来の捩れ角検出のみでは切り分けられなかった出力軸32b側のみの回転挙動が検出可能になる。これによって、操舵安定性などの制御性に寄与することが可能になる。また、車両の衝突回避制御などを車両が自動で行なう技術において、自動でステアリングホイール31を操作する場合には、出力軸32b側の回転角度を直接検出することで応答性の向上に寄与することが可能となる。
また、一般的に直接捩れ角を検出するトルクセンサ構成に舵角センサを付加する場合には、複数組のギヤを用いた構成が提案されている。対して第1実施形態では、入力軸32a側の第1の回転角度検出器10A及び出力軸32b側の第2の回転角度検出器10Bの組合せで構成するため、1組の親子ギヤ構成で舵角センサを構成できる。そのため、安価で高い分解能を持った舵角センサシステムを併せ持ったトルクアングルセンサシステムとして構築できる。
また、舵角センサを付加する構成とした場合に、第1の多極磁石リング11Aと第2の多極磁石リング11Bとの極対数を違えることで、バーニアによるTAS(トルクアングルセンサ)を構成することが可能である(特開2011−027719、特開2012−42352、特開2012−98166等を参照)。これに対して、第1実施形態に係るトルクセンサ1では、このような、高精度な磁極精度を必要としない。そのため、バーニアを成立させるための少ない極対数(4,5など)による1周あたりの分解能が低く抑えられてしまうような設計制限が無い。また、第1実施形態に係るトルクセンサ1では、第1の多極磁石リング11Aと第2の多極磁石リング11Bとの極対数を同じ極数で構成できるため、部品の共通化が図れる。これにより、コストを低減することが可能となる。
また、第1実施形態に係るトルクセンサ1は、3系統の第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aが、第1の多極磁石リング11Aに対してその周方向に沿って電気角で120度ずつ位相をずらして設けられている。より具体的には、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aが、第1の多極磁石リング11Aの周方向に沿って電気角で120度ずつかつ機械角で120度ずつ位相をずらして設けられている。加えて、3系統の第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bが、第2の多極磁石リング11Bに対してその周方向に沿って電気角で120度ずつ位相をずらして設けられている。より具体的には、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bが、第2の多極磁石リング11Bの周方向に沿って電気角で120度ずつかつ機械角で120度ずつ位相をずらして設けられている。即ち、第1〜第3の回転角検出部12A〜14A及び第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bがそれぞれ、等間隔で設けられている。第1オフセット部17aが、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aで検出された第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3の位相差をオフセットする。第2オフセット部17cが、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bで検出された第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3の位相差をオフセットする。第1異常判定部17bが、オフセット後のθis1とθis2とが一致しているか否か、θis1とθis3とが一致しているか否か、θis2とθis3とが一致しているか否かをそれぞれ判定する。そして、一致していると判定した組に対応する回転角検出部を正常と判定し一致していないと判定した組に対応する回転角検出部を異常と判定する。
一般に、多極磁石リング11とホールIC等の磁気センサからなる回転角検出部との組み合わせで検出される角度情報は、原信号が正弦波であれば、角度誤差を小さくすることができる。しかしながら、このような角度情報には、電気角1周期分あたり4次の誤差成分が重畳しやすい。この4次の誤差成分の重畳が、高精度な角度情報を阻む主要因となる。
この4次の誤差が重畳する原因は、回転角検出部が検出する原信号に3次や5次の高調波成分が重畳しやすいためであり、改善には着磁精度や素子配置精度、検出素子特性の調整等の精密な作業が必要とされる。また、回転角検出部を多数配置することで誤差を削減することも考えられるが、回転角検出部の数が増加するためコストアップの要因となる。
また、3次の高調波成分の削減にはいわゆる三相二相変換の技術を用いることができる。しかしながら、この三相二相変換の技術は、5次の高調波成分の削減に寄与しない。それゆえ、3次の高調波に比べ、5次の高調波成分は小さいが、誤差の要因として残る。
これに対し、第1実施形態のトルクセンサ1では、3つの回転角検出部を、多極磁石リング11の回転に応じて電気角で120度ずつ異なる位相差を有する角度情報を出力するように配置した(図3を参照)。それゆえ、各回転角検出部の角度情報に含まれる4次の誤差成分の位相をずらすことができる。そのため、これらの角度情報を基に多極磁石リング11の回転角度を算出することで、回転角検出部の角度情報に含まれる4次の誤差成分を削減することが可能となる。
また、第1実施形態のトルクセンサ1では、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aのうち、正常と判定された回転角検出部からのオフセット後の入力軸回転角の平均値を算出し、この平均値を入力軸回転角θisとして、トルク演算部17eに出力するようにした。加えて、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bのうち、正常と判定された回転角検出部からのオフセット後の出力軸回転角の平均値を算出し、この平均値を出力軸回転角θosとして、トルク演算部17eに出力するようにした。
ここで、オフセット後の角度情報に含まれる4次の誤差成分は、回転角検出部毎に位相のずれた波形となる。そのため、これらの角度情報の平均値を算出することで、4次の誤差成分を互いに打ち消して削減することが可能となる。即ち、4次の誤差成分の削減された入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosから操舵トルクTを算出することが可能となるので、より高精度な操舵トルクTを算出することが可能となる。
また、第1実施形態に係る電動パワーステアリング装置3は、上記トルクセンサ1を備える。これにより、信頼性の高い操舵トルクTに基づき信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となる。
また、第1実施形態に係る車両4は、上記電動パワーステアリング装置3を備える。これにより、信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となり、車両4の操舵安定性を高めることが可能となる。
(第1実施形態の変形例1)
次に、上記第1実施形態の変形例1を説明する。
この第1実施形態の変形例1は、上記第1実施形態のトルクセンサ1において、信号線パターンの構成及び通信ケーブルの構成が異なり、それ以外の構成は上記第1実施形態と同様となる。
以下、上記第1実施形態と同様の構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
(第1実施形態の変形例1に係るトルクセンサ1の配線構成)
図7に示すように、第1実施形態の変形例1に係るトルクセンサ1の各構成部17a〜17hは、MPUによってプログラムを実行することで、その機能が実現される機能構成部となっている。
第1実施形態の変形例1のセンサ基板15と第1制御基板17sとは、第1〜第6の電源用ケーブルVcc1〜Vcc6、第1〜第3の双方向通信ケーブルSigT1〜SigT3及び第1〜第6のグランド用ケーブルGND1〜GND6を介して接続されている。なお、これらの各ケーブルは、不図示のコネクタを介して接続されている。
即ち、センサ基板15上には、各ケーブルに対応するコネクタ(不図示)が実装されている。
そして、センサ基板15上において、第1の回転角検出部12Aの信号端子及び第4の回転角検出部12Bの信号端子からは個別の信号線パターンが伸びている。そして、これら信号線パターンは途中で第1の信号線パターンに合流し、第1の信号線パターンは第1の双方向通信ケーブルSigT1の一端が接続するコネクタに電気的に接続されている。
更に、センサ基板15上において、第2の回転角検出部13Aの信号端子及び第5の回転角検出部13Bの信号端子からは個別の信号線パターンが伸びている。そして、これら信号線パターンは途中で第2の信号線パターンに合流し、第2の信号線パターンは第2の双方向通信ケーブルSigT2の一端が接続するコネクタに電気的に接続されている。
更に、センサ基板15上において、第3の回転角検出部14Aの信号端子及び第6の回転角検出部14Bの信号端子からは個別の信号線パターンが伸びている。そして、これら信号線パターンは途中で第3の信号線パターンに合流し、第3の信号線パターンは第3の双方向通信ケーブルSigT3の一端が接続するコネクタに電気的に接続されている。
また、第1制御基板17s上には、各ケーブルに対応するコネクタ(不図示)が実装されている。そして、第1制御基板17s上において、これら各コネクタは、MPUの第1〜第6の電源端子、第1〜第3の信号端子及び第1〜第6のグランド端子と、例えば銅製の電源パターン、信号線パターン及びグランドパターンを介して電気的に接続されている。
かかる配線構成によって、第1のコントローラ17と第1の回転角検出部12A及び第4の回転角検出部12Bとは、第1の双方向通信ケーブルSigT1を介して双方向通信を行うことが可能である。また、第1のコントローラ17と第2の回転角検出部13A及び第5の回転角検出部13Bとは、第2の双方向通信ケーブルSigT2を介して双方向通信を行うことが可能である。また、第1のコントローラ17と第3の回転角検出部14A及び第6の回転角検出部14Bとは、第3の双方向通信ケーブルSigT3を介して双方向通信を行うことが可能である。
(第1実施形態の変形例1に係る回転角度検出器の構成)
第1実施形態の変形例1に係る第1及び第2の回転角度検出器10A及び10Bは、各回転角検出部がA/D変換器を備え、第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3及び第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3を示すデジタルの角度信号を出力するように構成されている。
また、第1実施形態の変形例1の各回転角検出部は、第1のコントローラ17からの選定信号(後述)に応じて、角度信号を出力するように構成されている。
(第1実施形態の変形例1に係る第1のコントローラ17の構成)
第1実施形態の変形例1に係る第1のコントローラ17は、図7に示すように、上記第1実施形態の第1のコントローラ17に、第1通信制御部17fと、第2通信制御部17gと、第3通信制御部17hとを追加した構成となっている。
第1通信制御部17fは、第1の回転角検出部12A及び第4の回転角検出部12Bのうち、角度信号を受け取る相手に対して選定信号SLを送信する。具体的に、第1の回転角検出部12Aから受け取りたい場合は第1選定信号SL1を送信し、第4の回転角検出部12Bから受け取りたい場合は第4選定信号SL4を送信する。これにより、受け取る相手を選定し、選定した回転角検出部から送られてくる角度信号(θis1又はθos1)を受信する。そして、受信した角度信号を第1オフセット部17a又は第2オフセット部17cに出力する。
第2通信制御部17gは、第2の回転角検出部13A及び第5の回転角検出部13Bのうち、角度信号を受け取る相手に対して選定信号SLを送信する。具体的に、第2の回転角検出部13Aから受け取りたい場合は第2選定信号SL2を送信し、第5の回転角検出部13Bから受け取りたい場合は第5選定信号SL5を送信する。これにより、受け取る相手を選定し、選定した回転角検出部から送られてくる角度信号(θis2又はθos2)を受信する。そして、受信した角度信号を第1オフセット部17a又は第2オフセット部17cに出力する。
第3通信制御部17hは、第3の回転角検出部14A及び第6の回転角検出部14Bのうち、角度信号を受け取る相手に対して選定信号SLを送信する。具体的に、第3の回転角検出部14Aから受け取りたい場合は第3選定信号SL3を送信し、第6の回転角検出部14Bから受け取りたい場合は第6選定信号SL6を送信する。これにより、受け取る相手を選定し、選定した回転角検出部から送られてくる角度信号(θis3又はθos3)を受信する。そして、受信した角度信号を第1オフセット部17a又は第2オフセット部17cに出力する。
第1の回転角検出部12Aは、第1通信制御部17fからの第1選定信号SL1を受信したことに応じて、検出したθis1を第1の双方向通信ケーブルSigT1を介して第1のコントローラ17に送信する。一方、第1通信制御部17fからの第4選定信号SL4を受信したことに応じてθis1の送信を停止する。
第2の回転角検出部13Aは、第2通信制御部17gからの第2選定信号SL2を受信したことに応じて、検出したθis2を第2の双方向通信ケーブルSigT2を介して第1のコントローラ17に送信する。一方、第2通信制御部17gからの第5選定信号SL5を受信したことに応じてθis2の送信を停止する。
第3の回転角検出部14Aは、第3通信制御部17hからの第3選定信号SL3を受信したことに応じて、検出したθis3を第3の双方向通信ケーブルSigT3を介して第1のコントローラ17に送信する。一方、第3通信制御部17hからの第6選定信号SL6を受信したことに応じてθis3の送信を停止する。
第4の回転角検出部12Bは、第1通信制御部17fからの第4選定信号SL4を受信したことに応じて、検出したθos1を第1の双方向通信ケーブルSigT1を介して第1のコントローラ17に送信する。一方、第1通信制御部17fからの第1選定信号SL1を受信したことに応じてθos1の送信を停止する。
第5の回転角検出部13Bは、第2通信制御部17gからの第5選定信号SL5を受信したことに応じて、検出したθos2を第2の双方向通信ケーブルSigT2を介して第1のコントローラ17に送信する。一方、第2通信制御部17gからの第2選定信号SL2を受信したことに応じてθos2の送信を停止する。
第6の回転角検出部14Bは、第3通信制御部17hからの第6選定信号SL6を受信したことに応じて、検出したθos3を第3の双方向通信ケーブルSigT3を介して第1のコントローラ17に送信する。一方、第3通信制御部17hからの第3選定信号SL3を受信したことに応じてθos3の送信を停止する。
(動作)
次に、第1実施形態の変形例1の動作を説明する。
以下、トルクセンサ1の各回転角検出部で検出した回転角を第1のコントローラ17に送信するまでの動作を説明する。
今、車両4の運転者によってステアリングホイール31が操舵され、この操舵力がステアリングシャフト32に伝達されると、まず、入力軸32aが操舵方向と対応する方向に回動する。この回動に伴って、トーションバーの入力端が回動し、入力端に設けられた第1の多極磁石リング11Aが回動する。
この回動による回転変位に応じた磁束は、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aにおいて、第1〜第3の入力軸回転角θis1〜θis3として検出される。
一方、第1のコントローラ17は、第1通信制御部17fにおいて、予め設定されたθis1の受信タイミングに合わせて、第1選定信号SL1を第1の双方向通信ケーブルSigT1を介して、第1の回転角検出部12A及び第4の回転角検出部12Bに送信する。
また、第1のコントローラ17は、第2通信制御部17gにおいて、予め設定されたθis2の受信タイミングに合わせて、第2選定信号SL2を第2の双方向通信ケーブルSigT2を介して、第2の回転角検出部13A及び第5の回転角検出部13Bに送信する。
また、第1のコントローラ17は、第3通信制御部17hにおいて、予め設定されたθis3の受信タイミングに合わせて、第3選定信号SL3を第3の双方向通信ケーブルSigT3を介して、第3の回転角検出部14A及び第6の回転角検出部14Bに送信する。
第1の回転角検出部12Aは、第1のコントローラ17からの第1選定信号SL1を受信したことに応じて、検出したθis1を、第1の双方向通信ケーブルSigT1を介して第1のコントローラ17へと送信する。
また、第2の回転角検出部13Aは、第1のコントローラ17からの第2選定信号SL2を受信したことに応じて、検出したθis2を、第2の双方向通信ケーブルSigT2を介して第1のコントローラ17へと送信する。
また、第3の回転角検出部14Aは、第1のコントローラ17からの第3選定信号SL3を受信したことに応じて、検出したθis3を、第2の双方向通信ケーブルSigT2を介して第1のコントローラ17へと送信する。
このとき、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bは、第1〜第3選定信号SL1〜SL3を受信しているため、θos1〜θos3の送信を停止している。
一方、入力端を経た操舵力は、トーションバーの捩れ(弾性変形)を介して出力端へと伝達され出力端が回動する。即ち、入力端(入力軸32a)及び出力端(出力軸32b)が回転方向に相対変位する。
これにより、トーションバーの出力端に設けられた第2の多極磁石リング11Bが回動する。この回動による回転変位に応じた磁束は、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bにおいて、第1〜第3の出力軸回転角θos1〜θos3として検出される。
第1のコントローラ17は、第1通信制御部17fにおいて、予め設定されたθos1の受信タイミングに合わせて、第4選定信号SL4を第1の双方向通信ケーブルSigT1を介して、第4の回転角検出部12B及び第1の回転角検出部12Aに送信する。
また、第1のコントローラ17は、第2通信制御部17gにおいて、予め設定されたθos2の受信タイミングに合わせて、第5選定信号SL5を第2の双方向通信ケーブルSigT2を介して、第5の回転角検出部13B及び第2の回転角検出部13Aに送信する。
また、第1のコントローラ17は、第3通信制御部17hにおいて、予め設定されたθos3の受信タイミングに合わせて、第6選定信号SL6を第3の双方向通信ケーブルSigT3を介して、第6の回転角検出部14B及び第3の回転角検出部14Aに送信する。
第4の回転角検出部12Bは、第1のコントローラ17からの第4選定信号SL4を受信したことに応じて、検出したθos1を、第1の双方向通信ケーブルSigT1を介して第1のコントローラ17へと送信する。
また、第5の回転角検出部13Bは、第1のコントローラ17からの第5選定信号SL5を受信したことに応じて、検出したθos2を、第2の双方向通信ケーブルSigT2を介して第1のコントローラ17へと送信する。
また、第6の回転角検出部14Bは、第1のコントローラ17からの第6選定信号SL6を受信したことに応じて、検出したθos3を、第3の双方向通信ケーブルSigT3を介して第1のコントローラ17へと送信する。
このとき、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aは、第4〜第6選定信号SL4〜SL6を受信しているため、θis1〜θis3の送信を停止している。
(第1実施形態の変形例1の作用及び効果)
第1実施形態の変形例1に係るトルクセンサ1は、第1〜第3の回転角検出部12A〜14A及び第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bの実装されたセンサ基板15と、MPUが実装された第1制御基板17sとが、第1〜第3の双方向通信ケーブルSigT1〜SigT3を介して双方向通信可能に接続されている。具体的に、センサ基板15上において、第1及び第4の回転角検出部12A及び12Bのそれぞれの信号端子は、個別の信号線パターンを介して1本の第1の信号線パターンに合流するように構成されている。加えて、第1の信号線パターンは第1の双方向通信ケーブルSigT1の一端にコネクタを介して電気的に接続されている。更に、第2及び第5の回転角検出部13A及び13Bのそれぞれの信号端子は、個別の信号線パターンを介して1本の第2の信号線パターンに合流するように構成されている。加えて、第2の信号線パターンは第2の双方向通信ケーブルSigT2の一端にコネクタを介して電気的に接続されている。更に、第3及び第6の回転角検出部14A及び14Bのそれぞれの信号端子は、個別の信号線パターンを介して1本の第3の信号線パターンに合流するように構成されている。加えて、第3の信号線パターンは第3の双方向通信ケーブルSigT3の一端に電気的に接続されている。
そして、MPUの第1の信号端子が、第1制御基板17s上において、第1の双方向通信ケーブルSigT1の他端に信号線パターン及びコネクタを介して電気的に接続されている。第1通信制御部17fが、第1の双方向通信ケーブルSigT1を介して第1及び第4の回転角検出部12A及び12Bに対して第1選定信号SL1又は第4選定信号SL4を送信して第1及び第4の回転角検出部12A及び12Bのうち通信すべき一方を選定する。加えて、選定した回転角検出部から第1の双方向通信ケーブルSigT1を介して送信された角度信号(θis1又はθos1)を受信し、受信した角度信号を第1又は第2オフセット部17a又は17cに出力する。
また、MPUの第2の信号端子が、第1制御基板17s上において、第2の双方向通信ケーブルSigT2の他端に信号線パターン及びコネクタを介して電気的に接続されている。第2通信制御部17gが、第2の双方向通信ケーブルSigT2を介して第2及び第5の回転角検出部13A及び13Bに対して第2選定信号SL2又は第5選定信号SL5を送信して第2及び第5の回転角検出部13A及び13Bのうち通信すべき一方を選定する。加えて、選定した回転角検出部から第2の双方向通信ケーブルSigT2を介して送信された角度信号(θis2又はθos2)を受信し、受信した角度信号を第1又は第2オフセット部17a又は17cに出力する。
また、MPUの第3の信号端子が、第1制御基板17s上において、第3の双方向通信ケーブルSigT3の他端に信号線パターン及びコネクタを介して電気的に接続されている。第3通信制御部17hが、第3の双方向通信ケーブルSigT3を介して第3及び第6の回転角検出部14A及び14Bに対して第3選定信号SL3又は第6選定信号SL6を送信して第3及び第6の回転角検出部14A及び14Bのうち通信すべき一方を選定する。加えて、選定した回転角検出部から第3の双方向通信ケーブルSigT3を介して送信された角度信号(θis3又はθos3)を受信し、受信した角度信号を第1又は第2オフセット部17a又は17cに出力する。
この構成であれば、上記第1実施形態のトルクセンサ1と比較して、通信ケーブルの本数を6本から3本に減らすことが可能となる。これによって、省線化による配線スペースの低減が可能になると共に、ケーブルにかかるコストを低減することが可能となる。
(第1実施形態の変形例2)
次に、上記第1実施形態の変形例2を説明する。
この第1実施形態の変形例2は、上記第1実施形態の変形例1のトルクセンサ1において、電源線パターン及びグランド線パターンの構成が異なると共に、電源用ケーブル及びグランド用ケーブルの構成が異なる。それ以外の構成は上記第1実施形態の変形例1と同様となる。
以下、上記第1実施形態の変形例1と同様の構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
(第1実施形態の変形例2に係るトルクセンサ1の配線構成)
図8に示すように、第1実施形態の変形例2のセンサ基板15と第1制御基板17sとは、第1〜第3の電源用ケーブルVcc1〜Vcc3、第1〜第3の双方向通信ケーブルSigT1〜SigT3及び第1〜第3のグランド用ケーブルGND1〜GND3を介して接続されている。なお、これらの各ケーブルは、不図示のコネクタを介して接続されている。
即ち、センサ基板15上には、各ケーブルに対応するコネクタ(不図示)が実装されている。
そして、センサ基板15上において、第1の回転角検出部12Aの電源端子及び第4の回転角検出部12Bの電源端子からは個別の電源線パターンが伸びている。そして、これら電源線パターンは途中で第1の電源パターンに合流し、第1の電源パターンは第1の電源用ケーブルVcc1の一端が接続するコネクタに電気的に接続されている。
同様に、センサ基板15上において、第2の回転角検出部13Aの電源端子及び第5の回転角検出部13Bの電源号端子からは個別の電源線パターンが伸びている。そして、これら電源線パターンは途中で第2の電源パターンに合流し、第2の電源パターンは第2の電源用ケーブルVcc2の一端が接続するコネクタに電気的に接続されている。
同様に、センサ基板15上において、第3の回転角検出部14Aの電源端子及び第6の回転角検出部14Bの電源端子からは個別の電源線パターンが伸びている。そして、これら電源線パターンは途中で第3の電源パターンに合流し、第3の電源パターンは第3の電源用ケーブルVcc3の一端が接続するコネクタに電気的に接続されている。
更に、センサ基板15上において、第1の回転角検出部12Aのグランド端子及び第4の回転角検出部12Bのグランド端子からは個別のグランド線パターンが伸びている。そして、これらグランド線パターンは途中で第1のグランドパターンに合流し、第1のグランドパターンは第1のグランド用ケーブルGND1の一端が接続するコネクタに電気的に接続されている。
同様に、センサ基板15上において、第2の回転角検出部13Aのグランド端子及び第5の回転角検出部13Bのグランド端子からは個別のグランド線パターンが伸びている。そして、これらグランド線パターンは途中で第2のグランドパターンに合流し、第2のグランドパターンは第2のグランド用ケーブルGND2の一端が接続するコネクタに電気的に接続されている。
同様に、センサ基板15上において、第3の回転角検出部14Aのグランド端子及び第6の回転角検出部14Bのグランド端子からは個別のグランド線パターンが伸びている。そして、これらグランド線パターンは途中で第3のグランドパターンに合流し、第3のグランドパターンは第3のグランド用ケーブルGND3の一端が接続するコネクタに電気的に接続されている。
また、第1制御基板17s上には、各ケーブルに対応するコネクタ(不図示)が実装されている。そして、第1制御基板17s上において、これら各コネクタは、MPUの第1〜第3の電源端子、第1〜第3の信号端子及び第1〜第3のグランド端子と、例えば銅製の電源パターン、信号線パターン及びグランドパターンを介して電気的に接続されている。
かかる配線構成によって、第1のコントローラ17と第1の回転角検出部12A及び第4の回転角検出部12Bとは、第1の電源用ケーブルVcc1及び第1のグランド用ケーブルGND1を介して電源及びグランドが接続される。また、第1のコントローラ17と第2の回転角検出部13A及び第5の回転角検出部13Bとは、第2の電源用ケーブルVcc2及び第2のグランド用ケーブルGND2を介して電源及びグランドが接続される。また、第1のコントローラ17と第3の回転角検出部14A及び第6の回転角検出部14Bとは、第3の電源用ケーブルVcc3及び第3のグランド用ケーブルGND3を介して電源及びグランドが接続される。
(第1実施形態の変形例2の作用及び効果)
第1実施形態の変形例2に係るトルクセンサ1は、第1〜第3の回転角検出部12A〜14A及び第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bの各電源端子及び各グランド端子と第1制御基板17sの電源パターン及びグランドパターンとが、第1〜第3の電源用ケーブルVcc1〜Vcc3及び第1〜第3のグランド用ケーブルGND1〜GND3とを介して接続されている。
センサ基板15上において、第1及び第4の回転角検出部12A及び12Bのそれぞれの電源端子は、第1の電源パターンに接続するように構成されていると共に、第1の電源パターンは第1の電源用ケーブルVcc1の一端にコネクタを介して電気的に接続されている。第2及び第5の回転角検出部13A及び13Bのそれぞれの電源端子は、第2の電源パターンに接続されていると共に、第2の電源パターンは第2の電源用ケーブルVcc2の一端にコネクタを介して電気的に接続されている。第3及び第6の回転角検出部14A及び14Bのそれぞれの電源端子は、第3の電源パターンに接続されていると共に、第3の電源パターンは前記第3の電源用ケーブルVcc3の一端にコネクタを介して電気的に接続されている。
更に、センサ基板15上において、第1及び第4の回転角検出部14A及び14Bのそれぞれのグランド端子は、第1のグランドパターンに接続するように構成されていると共に、第1のグランドパターンは第1のグランド用ケーブルGND1の一端にコネクタを介して電気的に接続されている。第2及び第5の回転角検出部13A及び13Bのそれぞれのグランド端子は、第2のグランドパターンに接続されていると共に、第2のグランドパターンは第2のグランド用ケーブルGND2の一端にコネクタを介して電気的に接続されている。第3及び第6の回転角検出部14A及び14Bのそれぞれのグランド端子は、第3のグランドパターンに接続されていると共に、第3のグランドパターンは第3のグランド用ケーブルGND3の一端にコネクタを介して電気的に接続されている。
この構成であれば、上記第1実施形態及び変形例1のトルクセンサ1と比較して、電源用ケーブル及びグランド用ケーブルの本数をそれぞれ6本から3本に減らすことが可能となる。これによって、省線化による配線スペースの低減が可能になると共に、ケーブルにかかるコストをより低減することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
この第2実施形態は、上記第1実施形態において、モータ駆動制御装置2の構成が異なる。それ以外の構成は上記第1実施形態と同様となる。
以下、上記第1実施形態と同様の構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
(モータ駆動制御装置2の構成)
第2実施形態に係るモータ駆動制御装置2は、図9に示すように、モータ回転角センサ21と、モータコントローラ22と、モータ駆動回路23と、電源制御部24とを備えている。
モータ回転角センサ21は、第3の回転角度検出器10Cを備え、電動モータ42の回転角であるモータ回転角θmを検出する。なお、モータ回転角センサ21の詳細な構成については後述する。
モータコントローラ22は、トルクセンサ1からの操舵トルクTと、車速センサ60からの車速Vと、モータ回転角センサ21からのモータ回転角θmとに基づきモータ駆動回路23を制御して電動モータ42を駆動制御する。
具体的に、モータコントローラ22は、操舵補助制御を行う場合に、操舵トルクT、車速V及びモータ回転角θmに応じた操舵補助トルクを電動モータ42で発生するための操舵補助指令値(操舵補助トルク指令値)を公知の手順で算出する。更に、算出した操舵補助指令値に基づき操舵補助制御のための電流指令値Irefを算出する。そして、算出した電流指令値Irefに基づきモータ駆動回路23を制御して、電動モータ42を駆動制御する。
また、モータコントローラ22は、モータ回転角センサ21からの第3異常判定情報Sem(後述)に基づき、モータ回転角センサ21の異常を判定する。更に、トルクセンサ1からの第1異常判定情報Sei1及び第2異常判定情報Seo1に基づき、トルクセンサ1の異常を判定する。そして、これらの判定結果に基づき、モータ回転角センサ21及びトルクセンサ1の故障を表示部への表示やランプの点灯等によって運転者に報知する。
モータ駆動回路23は、図示省略するが、3相インバータ回路を備え、モータコントローラ22からの駆動信号(例えばPWM信号)に基づき3相インバータ回路を駆動してモータ駆動電流を電動モータ42に供給する。
電源制御部24は、バッテリ61と直接接続されていると共にIGスイッチ62とも接続されており、IGスイッチ62からのIGスイッチ62のON状態及びOFF状態を示す信号(以下、「IG信号」又は「IG」と記載する場合がある)が入力されている。そして、入力されたIG信号に基づき、IGスイッチ62がON状態であると判定すると、ON状態の間は、モータ回転角センサ21、モータコントローラ22及びモータ駆動回路23に対して、バッテリ61からの電力を供給する。一方、IGスイッチ62がOFF状態であると判定すると、OFF状態時に作動不要な構成部への電源供給の停止又はOFF状態時に作動する構成部への電力の間欠供給等を行う。
(モータ回転角センサ21の構成)
モータ回転角センサ21は、図10に示すように、第3の回転角度検出器10Cと、第2のコントローラ18とを備えている。
第3の回転角度検出器10Cは、図11(a)及び(b)に示すように、電動モータ42のモータステータ内に位置するモータ回転軸42aの減速ギヤ41側の端部位置に設けられている。第3の回転角度検出器10Cは、第3の多極磁石リング11Cと、第7の回転角検出部12Cと、第8の回転角検出部13Cと、第9の回転角検出部14Cとを備えている。
第3の多極磁石リング11Cは、第1の多極磁石リング11Aと同様の構成を有しており、モータ回転軸42aに固定支持されている。この第3の多極磁石リング11Cは、中央の貫通穴内にモータ回転軸42aを挿通させた状態でモータ回転軸42aと同心にかつモータステータの内側にモータ回転軸42aと同期回転可能に固定支持されている。これにより、モータ回転軸42aの回転に同期して第3の多極磁石リング11Cも回転する。
第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cは、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aと同様の構成を有している。また、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cは、モータ回転軸42aと同期回転しない固定部位に設けられている。
ここで、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cは、図10に示すように、第3の多極磁石リング11Cに対して、電気角及び機械角で120度ずつずれて配置されている。そのため、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aと同様に、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cから出力される角度情報である第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3は、電気角で120度ずつ異なる位相差を有することになる。
そして、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cから出力される第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3は、第2のコントローラ18に入力される。
以下、第1のモータ回転角θm1、第2のモータ回転角θm2、第3のモータ回転角θm3を、単に「θm1」、「θm2」、「θm3」と記載する場合がある。
第2のコントローラ18は、図12に示すように、第3オフセット部18aと、第3異常判定部18bとを備えている。
第3オフセット部18aは、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cから入力される第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3の位相差をオフセットする処理を行う。そして、オフセット後の第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3を第3異常判定部18bに出力する。
具体的に、第3オフセット部18aは、第1オフセット部17aと同様の処理を行って、第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3の座標系をあわせる。
第3異常判定部18bは、入力されたオフセット後の第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3に基づき、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cに異常が生じているか否かを判定する異常判定処理を実行する。
更に、第3異常判定部18bは、異常判定処理を終了後に、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cのうち異常が生じていない(正常)と判定された回転角検出部から入力されたモータ回転角θmと、異常判定処理の結果を示す第3異常判定情報Semとをモータコントローラ22に出力する。
ここで、第2実施形態において、第3異常判定情報Semは、例えば、正常時が「0」で異常時が「1」として3桁の数字で表現される。なお、3桁の数字は左から順に第7の回転角検出部12C、第8の回転角検出部13C、第9の回転角検出部14Cに対応しており、3桁の数字の組合せの法則は上記第1異常判定情報Sei1と同様となる。
(第3異常判定部18bの構成)
第3異常判定部18bは、図13に示すように、第3判定処理部180bと、第3角度情報監視部181bとを備えている。
第3異常判定部18bは、入力されたオフセット後の、θm1とθm2とが一致しているか否かを判定し、θm1とθm3とが一致しているか否かを判定し、θm2とθm3とが一致しているか否かを判定する。
ここで、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bが正常な場合、オフセット後のθos1〜θos3は同じ値となる。
具体的に、第2判定処理部170dは、一致判定を行う各2つの出力軸回転角の差分を算出し、この差分と予め設定した第2差分閾値とを比較し、差分が第2差分閾値以下であるときに一致と判定し、第2差分閾値よりも大きいときに不一致と判定する。そして、各判定結果を、第3角度情報監視部181bに出力する。
この判定結果は、トルクセンサ1の第1角度情報監視部171bと同様に、例えば、θm1とθm2との組合せを特定する情報が「00」、θm1とθm3との組合せを特定する情報が「01」、θm2とθm3との組合せを特定する情報が「10」となり、一致を示す値が「0」、不一致を示す値が「1」となる。従って、例えば、第7の回転角検出部12Cのみに異常がある場合の各判定結果は「001」、「011」、「100」となる。
第3角度情報監視部181bは、入力された3つの判定結果に基づき、第3異常判定情報Semを生成する。加えて、正常と判定された回転角検出部から入力されたモータ回転角の平均値を算出する。
具体的に、例えば、入力された3つの判定結果が「000」、「010」、「100」であったとする。この場合は、各一致判定の組合せが全て一致しているので、第3異常判定情報Semとして、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cが全て正常であることを示す「000」の3桁の数字を含む情報を生成する。また、θm1〜θm3の平均値((θm1+θm2+θm3)/3)を算出する。そして、生成した第3異常判定情報Semをモータコントローラ22に出力すると共に、算出した平均値をモータ回転角θmとしてモータコントローラ22に出力する。
また、例えば、入力された3つの判定結果が「001」、「011」、「101」の場合は、第3異常判定情報Semとして、2以上の回転角検出部が異常であることを示す「111」の3桁の数字を含む情報を生成する。そして、生成した第3異常判定情報Semをモータコントローラ22に出力する。
また、例えば、入力された3つの判定結果が「001」、「011」、「100」であったとする。この場合は、θm2の絡む一致判定が全て不一致となっているので、第3異常判定情報Semとして、第8の回転角検出部13Cのみが異常であることを示す「010」の3桁の数字を含む情報を生成する。また、θm1及びθm3の平均値((θm1+θm3)/2)を算出する。そして、生成した第3異常判定情報Semをモータコントローラ22に出力すると共に、算出した平均値をモータ回転角θmとしてモータコントローラ22に出力する。
(モータ回転角センサ21の配線構成)
次に、モータ回転角センサ21の配線構成を説明する。
図12に示すように、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cは、センサ基板15上に実装されている。
更に、第2のコントローラ18は、第1のコントローラ17と同様に、例えばMCUから構成されており、第2制御基板18s上に実装されたMPUを備えている。そして、第2実施形態では、各構成部18a〜18bは、このMPUによってプログラムを実行することでその機能が実現される機能構成部となっている。
なお、図示省略したが、第2制御基板18s上には、MCUを構成する、メモリ、インターフェース回路、バス等が実装されている。
また、センサ基板15と第2制御基板18sとは、第7〜第9の電源用ケーブルVcc7〜Vcc9、第7〜第8の片方向通信ケーブルSig7〜Sig9及び第7〜第9のグランド用ケーブルGND7〜GND9を介して接続されている。なお、これらの各ケーブルは、不図示のコネクタを介して接続されている。
即ち、センサ基板15上には、各ケーブルに対応するコネクタ(不図示)が実装されている。そして、センサ基板15上において、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cの各電源端子、各信号端子及び各グランド端子と各コネクタとは、例えば銅製の電源パターン、信号線パターン及びグランドパターンによって電気的に接続されている。
また、第2制御基板18s上には、各ケーブルに対応するコネクタ(不図示)が実装されている。そして、第2制御基板18s上において、これら各コネクタは、MPUの電源端子、信号端子及びグランド端子と、例えば銅製の電源パターン、信号線パターン及びグランドパターンを介して電気的に接続されている。
かかる配線構成によって、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cから出力されるθm1〜θm3は、所定のサンプリング周期で、第7〜第9の片方向通信ケーブルSig7〜Sig9を介して、第2のコントローラ18に出力される。
(動作)
次に、第2実施形態の動作を説明する。
なお、トルクセンサ1の動作については上記第1実施形態と同様となるので説明を省略する。
今、車両4に乗車した運転者が、ステアリングホイール31を操舵し、この操舵によってモータ回転軸42aが回転したとする。この回転に伴って、モータ回転軸42aに固定支持された第3の多極磁石リング11Cが回転する。
この回転変位に応じた磁束は、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cにおいて、第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3として検出される。これら検出された第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3を示す角度信号は、第7〜第9の片方向通信ケーブルSig7〜Sig9を介して第2のコントローラ18へと入力される。
第2のコントローラ18は、第3オフセット部18aにおいて、入力されたθm1〜θm3の位相差をオフセットして、オフセット後のθm1〜θm3を第3異常判定部18bに入力する。
引き続き、第2のコントローラ18は、第3異常判定部18bの第3判定処理部180bにおいて、θm1〜θm3の一致判定を行う。
ここでは、例えば、第3判定処理部180bにおいて、θm1とθm2とが不一致、θm1とθm3とが不一致、θm2とθm3とが一致と判定されたとする。これにより、第3判定処理部180bは、判定結果「001」、「011」、「100」を第3角度情報監視部181bに出力する。
第3角度情報監視部181bは、入力された判定結果「001」、「011」、「100」から、θm1の絡む判定においていずれも不一致となり、θm1の絡まない判定において一致となっていることから、第7の回転角検出部12Cに異常が発生していると判定する。そして、第3異常判定情報Semとして、第7の回転角検出部12Cに異常が発生していることを示す3桁の数字「100」を含む情報を生成する。更に、正常な第8及び第9の回転角検出部13C及び14Cから入力されたθm2及びθm3の平均値を算出する。第3角度情報監視部181bは、生成した第3異常判定情報Semと、算出した平均値からなるモータ回転角θmとを、モータコントローラ22に出力する。
モータコントローラ22は、トルクセンサ1からの操舵トルクTと、車速センサ60からの車速Vと、モータ回転角センサ21からのモータ回転角θmとに基づき、電流指令値Irefを演算する。そして、演算した電流指令値Irefに基づきモータ駆動回路23を駆動制御する。これによって、モータ駆動回路23を介してモータ駆動電流が電動モータ42に供給され、電動モータ42が駆動制御される。
以降、第2のコントローラ18は、第7の回転角検出部12Cに故障が生じているため、第3判定処理部180bにおいて、入力されるθm2とθm3との一致判定のみを行うと共に、θm1の絡む他の判定結果は不一致に固定する。
その後、θm2とθm3とが不一致と判定されて、判定結果「001」、「011」、「101」が第3角度情報監視部181bに入力されたとする。
第3角度情報監視部181bは、入力された判定結果から、2以上の回転角検出部に故障が発生していると判定し、その旨を示す3桁の数字「111」を含む第3異常判定情報Semを生成する。そして、生成した第3異常判定情報Semのみをモータコントローラ22に出力する。
モータコントローラ22は、入力された第3異常判定情報Semに「111」が含まれていることから、電動モータ42の駆動制御処理(操舵アシスト処理)を停止する。
そして、モータコントローラ22は、車載の電動パワーステアリング装置用の故障ランプを点灯する。加えて、例えば、車載の液晶表示部に、モータ回転角センサ21の第7の回転角検出部12C含む2以上の回転角検出部に故障が発生していることを示す詳細情報を表示する。他にも、最寄りの修理点検ステーションへの立ち寄りを促す情報を表示してもよい。また、情報の表示だけに限らず、車載のオーディオ装置から音声メッセージや警告音の出力等を行ってもよい。
ここで、第3の多極磁石リング11Cは、周方向に異なる磁極を交互に配した磁石に対応し、モータ回転角センサ21は、回転角度検出器に対応する。
(第2実施形態の作用及び効果)
以下、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cを、区別する必要が無い場合に、「回転角検出部」と記載する場合がある。
第2実施形態に係るモータ回転角センサ21は、モータ回転軸42a上に該モータ回転軸42aと同心かつ同期回転可能に設けられた、周方向に異なる磁極を交互に配した円環状の第3の多極磁石リング11Cを備える。加えて、モータ回転軸42aの回転に応じて変化する第3の多極磁石リング11Cの磁束を、モータ回転軸42aの回転位置情報である第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3として検出する3系統の第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cを備える。第3異常判定部18bが、第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3を相互に比較し、この比較結果に基づき第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cの異常を判定する。加えて、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cのうち正常と判定された回転角検出部で検出されたモータ回転角θmをモータコントローラ22に出力する。
この構成であれば、3系統の回転角検出部で検出した3つの回転角度を相互比較し、この比較結果に基づき回転角検出部の異常を判定することが可能となる。これにより、1系統の故障の場合にどの回転角検出部に故障が生じているのかを特定することが可能となる。
また、1系統に故障が生じても、残りの2系統によって回転角度検出の機能を継続することが可能になると共に、残り2系統の回転角度の相互比較によって異常検出機能も継続することが可能となる。
また、第2実施形態に係るモータ回転角センサ21は、3系統の第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cが、第3の多極磁石リング11Cに対してその周方向に沿って電気角で120度ずつ位相をずらして設けられている。より具体的には、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cが、第3の多極磁石リング11Cの周方向に沿って電気角で120度ずつかつ機械角で120度ずつ位相をずらして設けられている。即ち、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cがそれぞれ、等間隔で設けられている。第3オフセット部18aが、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cで検出された第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3の位相差をオフセットする。第3異常判定部18bが、オフセット後のθm1とθm2とが一致しているか否か、θm1とθm3とが一致しているか否か、θm2とθm3とが一致しているか否かをそれぞれ判定する。そして、一致していると判定した組に対応する回転角検出部を正常と判定し一致していないと判定した組に対応する回転角検出部を異常と判定する。
この構成であれば、各回転角検出部の角度情報に含まれる4次の誤差成分の位相をずらすことができる。そのため、これらの角度情報を基に第3の多極磁石リング11Cの回転角度を算出することで、回転角検出部の角度情報に含まれる4次の誤差成分を削減することが可能となる。
また、第2実施形態のモータ回転角センサ21では、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cのうち、正常と判定された回転角検出部からのオフセット後のモータ回転角の平均値を算出し、この平均値をモータ回転角θmとして、モータコントローラ22に出力するようにした。これによって、4次の誤差成分を互いに打ち消して削減することが可能となる。そして、4次の誤差成分の削減されたモータ回転角θmに基づき電流指令値Irefを算出することが可能となるので、より適切に電動モータ42を駆動制御することが可能となる。
また、第2実施形態に係るモータ駆動制御装置2は、上記モータ回転角センサ21を備える。これにより、信頼性の高いモータ回転角θmを検出することが可能となり、このモータ回転角θmに基づき信頼性の高いモータ駆動制御を行うことが可能となる。
また、第2実施形態に係る電動パワーステアリング装置3は、上記トルクセンサ1及び上記モータ駆動制御装置2を備える。これにより、信頼性の高い操舵トルクT及びモータ回転角θmに基づき信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となる。
また、第2実施形態に係る車両4は、上記電動パワーステアリング装置3を備える。これにより、信頼性の高い操舵補助制御を行うことが可能となり、車両4の操舵安定性を高めることが可能となる。
(第2実施形態の変形例1)
次に、上記第2実施形態の変形例1を説明する。
この第2実施形態の変形例1は、上記第2実施形態のモータ回転角センサ21において、信号線パターンの構成及び通信ケーブルの構成が異なり、それ以外の構成は上記第2実施形態と同様となる。
以下、上記第2実施形態と同様の構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる点を詳細に説明する。
(第2実施形態の変形例1に係るモータ回転角センサ21の配線構成)
図14に示すように、第2実施形態の変形例1に係る第2のコントローラ18の各構成部18a〜18cは、MPUによってプログラムを実行することで、その機能が実現される機能構成部となっている。
第2実施形態の変形例1のセンサ基板15と第2制御基板18sとは、第7〜第9の電源用ケーブルVcc7〜Vcc9、第4の双方向通信ケーブルSigT4及び第7〜第9のグランド用ケーブルGND7〜GND9を介して接続されている。なお、これらの各ケーブルは、不図示のコネクタを介して接続されている。
即ち、センサ基板15上には、各ケーブルに対応するコネクタ(不図示)が実装されている。
そして、センサ基板15上において、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cの信号端子からは個別の信号線パターンが伸びている。そして、これら信号線パターンは途中で第4の信号線パターンに合流し、第4の信号線パターンは第4の双方向通信ケーブルSigT4の一端が接続するコネクタに電気的に接続されている。
一方、第2制御基板18s上には、各ケーブルに対応するコネクタ(不図示)が実装されている。そして、第2制御基板18s上において、これら各コネクタは、MPUの第7〜第9の電源端子、第7の信号端子及び第7〜第9のグランド端子と、例えば銅製の電源パターン、信号線パターン及びグランドパターンを介して電気的に接続されている。
かかる配線構成によって、第2のコントローラ18と第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cとは、第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して双方向通信を行うことが可能である。
(第2実施形態の変形例1に係る回転角度検出器の構成)
第2実施形態の変形例1に係る第3の回転角度検出器10Cは、各回転角検出部がA/D変換器を備え、第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3を示すデジタルの角度信号を出力するように構成されている。
また、第2実施形態の変形例1の各回転角検出部は、第2のコントローラ18からの選定信号(後述)に応じて、角度信号を出力するように構成されている。
(第2実施形態の変形例1に係る第2のコントローラ18の構成)
第2実施形態の変形例1に係る第2のコントローラ18は、図14に示すように、上記第2実施形態の第2のコントローラ18に、第4通信制御部18cを追加した構成となっている。
第4通信制御部18cは、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cのうち、角度信号を受け取る相手に対して選定信号SLを送信する。具体的に、第7の回転角検出部12Cから受け取りたい場合は第7選定信号SL7を送信し、第8の回転角検出部13Cから受け取りたい場合は第8選定信号SL8を送信し、第9の回転角検出部14Cから受け取りたい場合は第9選定信号SL9を送信する。これにより、受け取る相手を選定し、選定した回転角検出部から送られてくる角度信号(θm1〜θm3のいずれか1つ)を受信する。そして、受信した角度信号を第3オフセット部18aに出力する。
第7の回転角検出部12Cは、第4通信制御部18cからの第7選定信号SL7を受信したことに応じて、検出したθm1を第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して第2のコントローラ18に送信する。一方、第4通信制御部18cからの第8選定信号SL8又は第9選定信号SL9を受信したことに応じてθm1の送信を停止する。
第8の回転角検出部13Cは、第4通信制御部18cからの第8選定信号SL8を受信したことに応じて、検出したθm2を第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して第2のコントローラ18に送信する。一方、第4通信制御部18cからの第7選定信号SL7又は第9選定信号SL9を受信したことに応じてθm2の送信を停止する。
第9の回転角検出部14Cは、第4通信制御部18cからの第9選定信号SL9を受信したことに応じて、検出したθm3を第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して第2のコントローラ18に送信する。一方、第4通信制御部18cからの第7選定信号SL7又は第8選定信号SL8を受信したことに応じてθm2の送信を停止する。
(動作)
次に、第2実施形態の変形例1の動作を説明する。
以下、モータ回転角センサ21の各回転角検出部で検出した回転角を第2のコントローラ18に送信するまでの動作を説明する。
今、車両4に乗車した運転者が、ステアリングホイール31を操舵し、この操舵によってモータ回転軸42aが回転したとする。この回転に伴って、モータ回転軸42aに固定支持された第3の多極磁石リング11Cが回転する。
この回転変位に応じた磁束は、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cにおいて、第1〜第3のモータ回転角θm1〜θm3として検出される。
一方、第2のコントローラ18は、第4通信制御部18cにおいて、予め設定されたθm1の受信タイミングに合わせて、第7選定信号SL7を第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cに送信する。
第7の回転角検出部12Cは、第2のコントローラ18からの第7選定信号SL7を受信したことに応じて、検出したθm1を、第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して第2のコントローラ18へと送信する。このとき、第8〜第9の回転角検出部13C〜14Cは、第7選定信号SL7を受信しているため、θm2〜θm3の送信を停止している。
次に、第2のコントローラ18は、第4通信制御部18cにおいて、予め設定されたθm2の受信タイミングに合わせて、第8選定信号SL8を第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cに送信する。
第8の回転角検出部13Cは、第2のコントローラ18からの第8選定信号SL8を受信したことに応じて、検出したθm2を、第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して第2のコントローラ18へと送信する。このとき、第7及び第9の回転角検出部12C及び14Cは、第8選定信号SL8を受信しているため、θm1及びθm3の送信を停止している。
引き続き、第2のコントローラ18は、第4通信制御部18cにおいて、予め設定されたθm3の受信タイミングに合わせて、第9選定信号SL9を第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cに送信する。
第9の回転角検出部14Cは、第2のコントローラ18からの第9選定信号SL9を受信したことに応じて、検出したθm3を、第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して第2のコントローラ18へと送信する。このとき、第7〜第8の回転角検出部12C〜13Cは、第9選定信号SL9を受信しているため、θm1〜θm2の送信を停止している。
(第2実施形態の変形例1の作用及び効果)
第2実施形態の変形例1に係るモータ回転角センサ21は、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cの実装されたセンサ基板15と、MPUが実装された第2制御基板18sとが、第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して双方向通信可能に接続されている。具体的に、センサ基板15上において、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cのそれぞれの信号端子は、個別の信号線パターンを介して1本の第4の信号線パターンに合流するように構成されている。加えて、第4の信号線パターンは第4の双方向通信ケーブルSigT4の一端にコネクタを介して電気的に接続されている。
そして、MPUの第4の信号端子が、第2制御基板18s上において、第4の双方向通信ケーブルSigT4の他端に信号線パターン及びコネクタを介して電気的に接続されている。第4通信制御部18cが、第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cに対して第7〜第9選定信号SL7〜SL9のうちいずれか1つを送信して第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cのうち通信すべき1つを選定する。加えて、選定した回転角検出部から第4の双方向通信ケーブルSigT4を介して送信された角度信号(θm1〜θm3のいずれか1つ)を受信し、受信した角度信号を第3オフセット部18aに出力する。
この構成であれば、上記第2実施形態のモータ回転角センサ21と比較して、通信ケーブルの本数を3本から1本に減らすことが可能となる。これによって、省線化による配線スペースの低減が可能になると共に、ケーブルにかかるコストを低減することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
この第3実施形態は、トルクセンサ1に代えて、4系統の回転角検出部を備えた第4及び第5の回転角度検出器10D及び10Eを有するトルクセンサ1Aを備える点が上記第1実施形態と異なる。それ以外の構成は上記第1実施形態と同様となる。
以下、上記第1実施形態と同様の構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
(トルクセンサ1Aの構成)
第3実施形態に係るトルクセンサ1Aは、図15及び図16に示すように、入力軸32aに設けられた第4の回転角度検出器10Dと、出力軸32bに設けられた第5の回転角度検出器10Eと、第3のコントローラ17Aとを備える。
第4の回転角度検出器10Dは、第1実施形態の第1の回転角度検出器10Aに、第10の回転角検出部19Aを追加した構成となっている。第5の回転角度検出器10Eは、第1実施形態の第2の回転角度検出器10Bに、第11の回転角検出部19Bを追加した構成となっている。
第10の回転角検出部19A及び第11の回転角検出部19Bは、第1〜第3の回転角検出部12A〜14A並びに第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bと同一規格のセンサから構成されている。
第3実施形態において、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aは、機械角で60度ずつずらして配置されている。そのため、極対数が8の場合に、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aから出力される角度情報は、電気角で120度ずつ異なる位相差を有することになる。なお、第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bについても同様の配置構成となる。
第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aから出力される第1〜第4の入力軸回転角θis1〜θis4と、第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bから出力される第1〜第4の出力軸回転角θos1〜θos4とは、第3のコントローラ17Aに入力される。
以下、第4の入力軸回転角θis4を、単に「θis4」と記載する場合がある。また、第4の出力軸回転角θos4を、単に「θos4」と記載する場合がある。
第3のコントローラ17Aは、図16に示すように、第4オフセット部17Aaと、第4異常判定部17Abと、第5オフセット部17Acと、第5異常判定部17Adと、第2トルク演算部17Aeとを備えている。
第4オフセット部17Aaは、上記第1実施形態の第1オフセット部17aと同様の処理によって、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aから入力されるθis1〜θis4の位相差をオフセットする処理を行う。そして、オフセット後のθis1〜θis4を第4異常判定部17Abに出力する。
第4異常判定部17Abは、入力されたオフセット後のθis1〜θis4に基づき、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aに異常が生じているか否かを判定する異常判定処理を実行する。
更に、第4異常判定部17Abは、異常判定処理を終了後に、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aのうち異常が生じていない(正常)と判定された回転角検出部から入力された入力軸回転角θisと、異常判定処理の結果を示す第4異常判定情報Sei2とを第2トルク演算部17Aeに出力する。
ここで、第3実施形態において、第4異常判定情報Sei2は、上記第1実施形態の第1異常判定情報Sei1に、第10の回転角検出部19Aの分が1桁追加された4桁の数字で表現される。即ち、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aの全てが正常な場合に「0000」となり、第1の回転角検出部12Aのみが異常時は「1000」、第2の回転角検出部13Aのみが異常時は「0100」となる。また、第3の回転角検出部14Aのみが異常時は「0010」となり、第10の回転角検出部19Aのみが異常時は「0001」となり、3つ以上の回転角検出部に同時に異常が生じている場合は「1111」となる。
第5オフセット部17Acは、上記第1実施形態の第2オフセット部17cと同様の処理によって、第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bから入力されるθos1〜θos4の位相差をオフセットする処理を行う。
第5異常判定部17Adは、入力されたオフセット後のθos1〜θos4に基づき、第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bに異常が生じているか否かを判定する異常判定処理を実行する。
更に、第5異常判定部17Adは、異常判定処理を終了後に、第4〜第6及び第12の回転角検出部12B〜14B及び19Bのうち異常が生じていない(正常)と判定された回転角検出部から入力された出力軸回転角θosと、異常判定処理の結果を示す第5異常判定情報Seo2とをトルク演算部17eに出力する。
ここで、第3実施形態において、第5異常判定情報Seo2は、上記第1実施形態の第2異常判定情報Seo1に、第11の回転角検出部19Bの分が1桁追加された4桁の数字で表現される。即ち、第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bの全てが正常な場合に「0000」となり、第4の回転角検出部12Bのみが異常時は「1000」、第5の回転角検出部13Bのみが異常時は「0100」となる。また、第6の回転角検出部14Bのみが異常時は「0010」となり、第11の回転角検出部19Bのみが異常時は「0001」となり、3つ以上の回転角検出部に同時に異常が生じている場合は「1111」となる。
第2トルク演算部17Aeは、第4異常判定情報Sei2及び第5異常判定情報Seo2の双方が「1111」ではない場合、入力された入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosとの差分値Δθs、即ち二軸の相対角度Δθs(トーションバーの捩れ角Δθsに相当)を算出する。そして、算出した相対角度Δθsに基づき操舵トルクTを算出する。
(第3実施形態の異常判定部の構成)
第3実施形態の第4異常判定部17Abは、図17に示すように、第4判定処理部170Abと、第4角度情報監視部171Abとを備えている。
第4判定処理部170Abは、入力されたオフセット後の、θis1とθis2とが一致しているか否かを判定し、θis1とθis3とが一致しているか否かを判定し、θis2とθis3とが一致しているか否かを判定する。加えて、入力されたオフセット後の、θis1とθis4とが一致しているか否かを判定し、θis2とθis4とが一致しているか否かを判定し、θis3とθis4とが一致しているか否かを判定する。第4判定処理部170Abは、各判定結果を、第4角度情報監視部171Abに出力する。
この判定結果は、例えば、一致判定の組合せを特定する情報と、一致か不一致かを示す情報との組から構成される。例えば、θis1とθis2との組合せを特定する情報を「000」、θis1とθis3との組合せを特定する情報を「001」とし、θis2とθis3との組合せを特定する情報を「010」とする。加えて、θis1とθis4との組合せを特定する情報を「011」、θis2とθis4との組合せを特定する情報を「100」とし、θis3とθis4との組合せを特定する情報を「101」とする。更に、一致を示す値を「0」、不一致を示す値を「1」とする。この場合に、判定結果は、組合せを特定する3桁と、一致か不一致かを示す1桁の数字を組み合わせた4桁の数字から構成される。例えば、第1の回転角検出部12Aのみに異常が発生している場合の各判定結果は、θis1が異常値となることから「0001」、「0011」、「0100」、「0111」、「1000」、「1010」となる。
なお、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aが正常な場合、オフセット後のθis1〜θis4は同じ値となる。
第4角度情報監視部171Abは、入力された6つの判定結果に基づき、第4異常判定情報Sei2を生成する。そして、生成した第4異常判定情報Sei2と、正常な回転角検出部から入力された入力軸回転角に基づく角度情報とをトルク演算部17eに出力する。
具体的に、例えば、入力された6つの判定結果が「0000」、「0010」、「0100」、「0110」、「1000」、「1010」であったとする。この場合は、各一致判定の組合せが全て一致を示しているので、第4異常判定情報Sei2として、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aが全て正常であることを示す「0000」の4桁の数字を含む情報を生成する。また、第3実施形態では、正常な入力軸回転角の平均値を算出する。この場合は、θis1〜θis4の平均値を算出する。そして、生成した第4異常判定情報Sei2を第2トルク演算部17Aeに出力すると共に、算出した平均値を入力軸回転角θisとして第2トルク演算部17Aeに出力する。
また、例えば、入力された6つの判定結果が「0001」、「0011」、「0101」、「0111」、「1001」、「1011」の場合は、第4異常判定情報Sei2として、3以上の回転角検出部が異常であることを示す「1111」の4桁の数字を含む情報を生成する。そして、生成した第4異常判定情報Sei2のみを第2トルク演算部17Aeに出力する。
また、例えば、入力された6つの判定結果が「0000」、「0010」、「0100」、「0111」、「1001」、「1011」であったとする。この場合は、θis4の絡む一致判定が全て不一致となっているので、第4異常判定情報Sei2として、第10の回転角検出部19Aのみが異常であることを示す「0001」の4桁の数字を含む情報を生成する。また、θis1〜θis3の平均値を算出する。そして、生成した第4異常判定情報Sei2を第2トルク演算部17Aeに出力すると共に、算出した平均値を入力軸回転角θisとして第2トルク演算部17Aeに出力する。
一方、第5異常判定部17Adは、図示省略するが、第5判定処理部170Adと、第5角度情報監視部171Adとを備えている。
第5判定処理部170Adは、上記第4判定処理部170Abの説明において、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aを対象とし、かつ「θis」を「θos」に置換したものと同様となるので説明を省略する。第5判定処理部170Adは、各判定結果を、第5角度情報監視部171Adに出力する。なお、この判定結果は、上記第4判定処理部170Abの判定結果の説明において、「θis」を「θos」に置換したものと同様となるので説明を省略する。
ここで、第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bが正常な場合、オフセット後のθos1〜θos4は同じ値となる。
第5角度情報監視部171Adは、入力された6つの判定結果に基づき、第5異常判定情報Seo2を生成する。そして、生成した第5異常判定情報Seo2と、正常な出力軸回転角に基づく情報とを第2トルク演算部17Aeに出力する。
具体的に、第5角度情報監視部171Adは、上記第4異常判定情報Sei2と同様に、例えば、各一致判定の組合せが全て一致している場合は、第5異常判定情報Seo2として、第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bが全て正常であることを示す「0000」の4桁の数字を含む情報を生成する。また、θos1〜θos4の平均値を算出する。そして、生成した第5異常判定情報Seo2を第2トルク演算部17Aeに出力すると共に、算出した平均値を出力軸回転角θosとして第2トルク演算部17Aeに出力する。
また、例えば、3以上の一致判定の組合せが不一致であった場合は、「1111」の4桁の数字を含む情報を生成する。そして、生成した第5異常判定情報Seo2のみを第2トルク演算部17Aeに出力する。
また、例えば、θos2の絡む一致判定が全て不一致となった場合は、「0100」の4桁の数字を含む情報を生成する。また、θos1、θos3及びθos4の平均値を算出する。そして、生成した第5異常判定情報Seo2を第2トルク演算部17Aeに出力すると共に、算出した平均値を出力軸回転角θosとして第2トルク演算部17Aeに出力する。
(トルクセンサ1Aの配線構成)
次に、トルクセンサ1Aの配線構成を説明する。
図16に示すように、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aと、第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bとは、第2センサ基板15A上に実装されている。
第2センサ基板15Aと第3制御基板17Asとは、第1〜第6、第10及び第11の電源用ケーブルVcc1〜Vcc6、Vcc10及びVcc11、第1〜第6、第10及び第11の片方向通信ケーブルSig1〜Sig6、Sig10及びSig11並びに第1〜第6、第10及び第11のグランド用ケーブルGND1〜GND6、GND10及びGND11を介して接続されている。なお、これらの各ケーブルは、不図示のコネクタを介して接続されている。
即ち、第2センサ基板15A上には、各ケーブルに対応するコネクタが実装されている。そして、第2センサ基板15A上において、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19A並びに第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bの各電源端子、各信号端子及び各グランド端子と各コネクタとの間は、例えば銅製の電源パターン、信号線パターン及びグランドパターンによって電気的に接続されている。
そして、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aから出力されるθis1〜θis4は、例えば、所定のサンプリング周期で、第1〜第3及び第10の片方向通信ケーブルSig1〜Sig3及びSig10を介して、第3のコントローラ17Aに出力される。また、第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bから出力されるθos1〜θos4は、例えば、所定のサンプリング周期で、第4〜第6及び第11の片方向通信ケーブルSig4〜Sig6及びSig11を介して、第3のコントローラ17Aに出力される。
(第3実施形態の作用及び効果)
第3実施形態は、上記第1実施形態の作用及び効果に加えて以下の作用及び効果を奏する。
以下、第1の多極磁石リング11Aと第2の多極磁石リング11Bとは、両者を区別する必要が無い場合に「多極磁石リング11」と記載する場合がある。また、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19A並びに第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bとは、これらを区別する必要が無い場合に、単に「回転角検出部」と記載する場合がある。
第3実施形態に係るトルクセンサ1Aは、トーションバーを介して連結された入力軸32aと出力軸32bとのうち入力軸32aに、第4の回転角度検出器10Dを配置し、出力軸32bに、第5の回転角度検出器10Eを配置した。第4の回転角度検出器10Dは、入力軸32a上に該入力軸32aと同心かつ同期回転可能に設けられた、周方向に異なる磁極を交互に配した円環状の第1の多極磁石リング11Aを備える。加えて、入力軸32aの回転に応じて変化する第1の多極磁石リング11Aの磁束を、入力軸32aの回転位置情報である第1〜第4の入力軸回転角θis1〜θis4として検出する4系統の第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aを備える。第4異常判定部17Abが、第1〜第4の入力軸回転角θis1〜θis4を相互に比較し、この比較結果に基づき第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aの異常を判定する。
一方、第5の回転角度検出器10Eは、出力軸32b上に該出力軸32bと同心かつ同期回転可能に設けられた、周方向に異なる磁極を交互に配した円環状の第2の多極磁石リング11Bを備える。加えて、出力軸32bの回転に応じて変化する第2の多極磁石リング11Bの磁束を、出力軸32bの回転位置情報である第1〜第4の出力軸回転角θos1〜θos4として検出する4系統の第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bを備える。第5異常判定部17Adが、第1〜第4の出力軸回転角θos1〜θos4を相互に比較し、この比較結果に基づき第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bの異常を判定する。
第2トルク演算部17Aeが、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aのうち正常と判定された回転角検出部で検出された入力軸回転角θisを入力する。加えて、第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bのうち正常と判定された回転角検出部で検出された出力軸回転角θosを入力する。更に、入力された入力軸回転角θisと出力軸回転角θosとの差分からトーションバーの捩れ角Δθsを算出し、算出した捩れ角Δθsに基づき操舵トルクTを算出する。
この構成であれば、4系統の回転角検出部で検出した4つの回転角度を相互比較し、この比較結果に基づき回転角検出部の異常を判定することが可能となる。これにより、2系統の故障の場合にどの回転角検出部に故障が生じているのかを特定することが可能となる。
また、2系統に故障が生じても、残りの2系統によって回転角度検出の機能を継続することが可能になると共に、残り2系統の回転角度の相互比較によって異常検出機能も継続することが可能となる。例えば、1回目の異常が入力軸32a側の2系統で生じ、2回目の異常が出力軸32b側の2系統で生じても、残りの各2系統によって、そのシステムとしての機能は安全性を持って継続することが可能となり、その機能の延命確率を高くすることが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
この第4実施形態は、トルクセンサ1Aに代えて、5系統の回転角検出部を備えた第6及び第7の回転角度検出器10F及び10Gを有するトルクセンサ1Bを備える点が上記第3実施形態と異なる。それ以外の構成は上記第3実施形態と同様となる。
以下、上記第3実施形態と同様の構成部には同じ符号を付して適宜説明を省略し、異なる部分を詳細に説明する。
(トルクセンサ1Bの構成)
第4実施形態に係るトルクセンサ1Bは、図18及び図19に示すように、入力軸32aに設けられた第6の回転角度検出器10Fと、出力軸32bに設けられた第7の回転角度検出器10Gと、第4のコントローラ17Bとを備える。
第6の回転角度検出器10Fは、上記第3実施形態の第4の回転角度検出器10Dに、第12の回転角検出部20Aを追加した構成となる。第7の回転角度検出器10Gは、上記第3実施形態の第5の回転角度検出器10Eに、第13の回転角検出部20Bを追加した構成となる。
第12の回転角検出部20A及び第13の回転角検出部20Bは、第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19A並びに第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bと同一規格のセンサから構成されている。
第4実施形態において、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aは、機械角で60度ずつずらして配置されている。そのため、極対数が8の場合に、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aから出力される角度情報は、電気角で120度ずつ異なる位相差を有することになる。なお、第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bについても同様の配置構成となる。
第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aから出力される第1〜第5の入力軸回転角θis1〜θis5と、第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bから出力される第1〜第5の出力軸回転角θos1〜θos5とは、第4のコントローラ17Bに入力される。
以下、第5の入力軸回転角θis5を、単に「θis5」と記載する場合がある。また、第5の出力軸回転角θos5を、単に「θos5」と記載する場合がある。
第4のコントローラ17Bは、図19に示すように、第6オフセット部17Baと、第6異常判定部17Bbと、第7オフセット部17Bcと、第7異常判定部17Bdと、第3トルク演算部17Beとを備えている。
第6オフセット部17Baは、上記第3実施形態の第4オフセット部17Aaと同様の処理によって、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aから入力されるθis1〜θis5の位相差をオフセットする処理を行う。そして、オフセット後のθis1〜θis5を第6異常判定部17Bbに出力する。
第6異常判定部17Bbは、入力されたオフセット後のθis1〜θis5に基づき、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aに異常が生じているか否かを判定する異常判定処理を実行する。
更に、第6異常判定部17Bbは、異常判定処理を終了後に、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aのうち異常が生じていない(正常)と判定された回転角検出部から入力された入力軸回転角θisと、異常判定処理の結果を示す第6異常判定情報Sei3とを第3トルク演算部17Beに出力する。
ここで、第4実施形態において、第6異常判定情報Sei3は、上記第3実施形態の第4異常判定情報Sei2に対して、第12の回転角検出部20Aの分が1桁追加された5桁の数字で表現される。即ち、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aの全てが正常な場合に「00000」となり、第12の回転角検出部20のみが異常時は「10000」、第2の回転角検出部13Aのみが異常時は「01000」となる。また、第3の回転角検出部14Aのみが異常時は「00100」となり、第10の回転角検出部のみが異常時は「00010」となり、第12の回転角検出部20Aのみが異常時は「00001」となり、4つ以上の回転角検出部に同時に異常が生じている場合は「11111」となる。
第7オフセット部17Bcは、上記第3実施形態の第5オフセット部17Acと同様の処理によって、第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bから入力されるθos1〜θos5の位相差をオフセットする処理を行う。
第7異常判定部17Bdは、入力されたオフセット後のθos1〜θos5に基づき、第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bに異常が生じているか否かを判定する異常判定処理を実行する。
更に、第7異常判定部17Bdは、異常判定処理を終了後に、第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bのうち異常が生じていない(正常)と判定された回転角検出部から入力された出力軸回転角θosと、異常判定処理の結果を示す第7異常判定情報Seo3とをトルク演算部17eに出力する。
ここで、第4実施形態において、第7異常判定情報Seo3は、上記第3実施形態の第5異常判定情報Seo2に対して、第13の回転角検出部20Bの分が1桁追加された5桁の数字で表現される。即ち、第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bの全てが正常な場合に「00000」となり、第4の回転角検出部12Bのみが異常時は「10000」、第5の回転角検出部13Bのみが異常時は「01000」となる。また、第6の回転角検出部14Bのみが異常時は「00100」となり、第11の回転角検出部19Bのみが異常時は「00010」となり、第13の回転角検出部20Bのみが異常時は「00001」となり、4つ以上の回転角検出部に同時に異常が生じている場合は「11111」となる。
第3トルク演算部17Beは、第6異常判定情報Sei3及び第7異常判定情報Seo3の双方が「11111」ではない場合、入力された入力軸回転角θis及び出力軸回転角θosとの差分値Δθs、即ち二軸の相対角度Δθs(トーションバーの捩れ角Δθsに相当)を算出する。そして、算出した相対角度Δθsに基づき操舵トルクTを算出する。
(第4実施形態の異常判定部の構成)
第4実施形態の第6異常判定部17Bbは、図20に示すように、第6判定処理部170Bbと、第6角度情報監視部171Bbとを備えている。
第6判定処理部170Bbは、入力されたオフセット後の、θis1とθis2とが一致しているか否かを判定し、θis1とθis3とが一致しているか否かを判定し、θis2とθis3とが一致しているか否かを判定する。加えて、入力されたオフセット後の、θis1とθis4とが一致しているか否かを判定し、θis2とθis4とが一致しているか否かを判定し、θis3とθis4とが一致しているか否かを判定する。更に、入力されたオフセット後のθis1とθis5とが一致しているか否かを判定し、θis2とθis5とが一致しているか否かを判定し、θis3とθis5とが一致しているか否かを判定し、θis4とθis5とが一致しているか否かを判定する。第6判定処理部170Bbは、各判定結果を、第6角度情報監視部171Bbに出力する。
この判定結果は、例えば、一致判定の組合せを特定する情報と、一致か不一致かを示す情報との組から構成される。例えば、θis1とθis2との組合せを特定する情報を「0000」、θis1とθis3との組合せを特定する情報を「0001」とし、θis2とθis3との組合せを特定する情報を「0010」とする。加えて、θis1とθis4との組合せを特定する情報を「0011」、θis2とθis4との組合せを特定する情報を「0100」とし、θis3とθis4との組合せを特定する情報を「0101」とする。更に、θis1とθis5との組合せを特定する情報を「0110」、θis2とθis5との組合せを特定する情報を「0111」とし、θis3とθis5との組合せを特定する情報を「1000」とし、θis3とθis5との組合せを特定する情報を「1001」とする。なお更に、一致を示す値を「0」、不一致を示す値を「1」とする。この場合に、例えば、第1の回転角検出部12Aのみに異常が発生している場合の各判定結果は、θis1が異常値となることから「00001」、「00011」、「00100」、「00111」、「01000」、「01010」、「01101」、「01110」、「10000」、「10010」となる。
ここで、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aが正常な場合、オフセット後のθis1〜θis5は同じ値となる。
第6角度情報監視部171Bbは、入力された10個の判定結果に基づき、第6異常判定情報Sei3を生成する。そして、生成した第6異常判定情報Sei3と、正常な回転角検出部から入力された入力軸回転角に基づく角度情報とを第3トルク演算部17Beに出力する。
具体的に、例えば、入力された10個の判定結果が「00000」、「00010」、「00100」、「00110」、「01000」、「01010」、「01100」、「01110」、「10000」、「10010」であったとする。この場合は、各一致判定の組合せが全て一致を示しているので、第6異常判定情報Sei3として、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aが全て正常であることを示す「00000」の5桁の数字を含む情報を生成する。また、第4実施形態では、正常な入力軸回転角の平均値を算出する。この場合は、θis1〜θis5の平均値を算出する。そして、生成した第6異常判定情報Sei3を第3トルク演算部17Beに出力すると共に、算出した平均値を入力軸回転角θisとして第3トルク演算部17Beに出力する。
また、例えば、入力される10個の判定結果が「00001」、「00011」、「00101」、「00111」、「01001」、「01011」、「01101」、「01111」、「10001」、「10011」の場合は、第6異常判定情報Sei3として、4以上の回転角検出部が異常であることを示す「11111」の5桁の数字を含む情報を生成する。そして、生成した第6異常判定情報Sei3のみを第3トルク演算部17Beに出力する。
また、例えば、入力された10個の判定結果が「00000」、「00010」、「00100」、「00110」、「01000」、「01010」、「01101」、「01111」、「10001」、「10011」であったとする。この場合は、θis5の絡む一致判定が全て不一致となっているので、第6異常判定情報Sei3として、第12の回転角検出部20Aのみが異常であることを示す「00001」の5桁の数字を含む情報を生成する。また、θis1〜θis4の平均値を算出する。そして、生成した第6異常判定情報Sei3を第3トルク演算部17Beに出力すると共に、算出した平均値を入力軸回転角θisとして第3トルク演算部17Beに出力する。
一方、第7異常判定部17Bdは、図示省略するが、第7判定処理部170Bdと、第7角度情報監視部171Bdとを備えている。
第7判定処理部170Bdは、上記第6判定処理部170Bbの説明において、「θis」を「θos」に置換したものと同様となるので説明を省略する。第7判定処理部170Bdは、各判定結果を、第7角度情報監視部171Bdに出力する。なお、この判定結果は、上記第6角度情報監視部171Bbの判定結果の説明において、「θis」を「θos」に置換し、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aを第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bに置換したものと同様となるので説明を省略する。
ここで、第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bが正常な場合、オフセット後のθos1〜θos5は同じ値となる。
第7角度情報監視部171Bdは、入力された10個の判定結果に基づき、第7異常判定情報Seo3を生成する。そして、生成した第7異常判定情報Seo3と、正常な出力軸回転角に基づく情報とを第3トルク演算部17Beに出力する。
具体的に、第7角度情報監視部171Bdは、上記第5異常判定情報Seo2と同様に、例えば、各一致判定の組合せが全て一致している場合は、第7異常判定情報Seo3として、第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bが全て正常であることを示す「00000」の5桁の数字を含む情報を生成する。また、θos1〜θos5の平均値を算出する。そして、生成した第7異常判定情報Seo3を第3トルク演算部17Beに出力すると共に、算出した平均値を出力軸回転角θosとして第3トルク演算部17Beに出力する。
また、例えば、4以上の一致判定の組合せが不一致であった場合は、第7異常判定情報Seo3として、「11111」の5桁の数字を含む情報を生成する。そして、生成した第7異常判定情報Seo3を第3トルク演算部17Beに出力する。
また、例えば、θos2の絡む一致判定が全て不一致となった場合は、第7異常判定情報Seo3として、「01000」の5桁の数字を含む情報を生成する。また、θos1、θos3、θos4及びθos5の平均値を算出する。そして、生成した第7異常判定情報Seo3を第3トルク演算部17Beに出力すると共に、算出した平均値を出力軸回転角θosとして第3トルク演算部17Beに出力する。
(トルクセンサ1Bの配線構成)
次に、トルクセンサ1Bの配線構成を説明する。
図19に示すように、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aと、第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bとは、第3センサ基板15B上に実装されている。
第3センサ基板15Bと第4制御基板17Bsとは、第1〜第6及び第10〜第13の電源用ケーブルVcc1〜Vcc6及びVcc10〜Vcc13、第1〜第6及び第10〜第13の片方向通信ケーブルSig1〜Sig6及びSig10〜Sig13並びに第1〜第6及び第10〜第13のグランド用ケーブルGND1〜GND6及びGND10〜GND13を介して接続されている。なお、これらの各ケーブルは、不図示のコネクタを介して接続されている。
即ち、第3センサ基板15B上には、各ケーブルに対応するコネクタが実装されている。そして、第3センサ基板15B上において、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20A並びに第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bの各電源端子、各信号端子及び各グランド端子と各コネクタとの間は、例えば銅製の電源パターン、信号線パターン及びグランドパターンによって電気的に接続されている。
そして、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aから出力されるθis1〜θis5は、例えば、所定のサンプリング周期で、第1〜第3、第10及び第12の片方向通信ケーブルSig1〜Sig3、Sig10及びSig12を介して、第4のコントローラ17Bに出力される。また、第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bから出力されるθos1〜θos5は、例えば、所定のサンプリング周期で、第4〜第6、第11及び第13の片方向通信ケーブルSig4〜Sig6、Sig11及びSig13を介して、第4のコントローラ17Bに出力される。
(第4実施形態の作用及び効果)
第4実施形態は、上記第3実施形態の作用及び効果に加えて以下の作用及び効果を奏する。
以下、第1の多極磁石リング11Aと第2の多極磁石リング11Bとは、両者を区別する必要が無い場合に「多極磁石リング11」と記載する場合がある。また、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20A並びに第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bとは、これらを区別する必要が無い場合に、単に「回転角検出部」と記載する場合がある。
第4実施形態に係るトルクセンサ1Bは、トーションバーを介して連結された入力軸32aと出力軸32bとのうち入力軸32aに、第6の回転角度検出器10Fを配置し、出力軸32bに、第7の回転角度検出器10Gを配置した。第4の回転角度検出器10Dは、入力軸32a上に該入力軸32aと同心かつ同期回転可能に設けられた、周方向に異なる磁極を交互に配した円環状の第1の多極磁石リング11Aを備える。加えて、入力軸32aの回転に応じて変化する第1の多極磁石リング11Aの磁束を、入力軸32aの回転位置情報である第1〜第5の入力軸回転角θis1〜θis5として検出する5系統の第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aを備える。第6異常判定部17Bbが、第1〜第4の入力軸回転角θis1〜θis4を相互に比較し、この比較結果に基づき第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aの異常を判定する。
一方、第7の回転角度検出器10Gは、出力軸32b上に該出力軸32bと同心かつ同期回転可能に設けられた、周方向に異なる磁極を交互に配した円環状の第2の多極磁石リング11Bを備える。加えて、出力軸32bの回転に応じて変化する第2の多極磁石リング11Bの磁束を、出力軸32bの回転位置情報である第1〜第5の出力軸回転角θos1〜θos5として検出する5系統の第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bを備える。第7異常判定部17Bdが、第1〜第5の出力軸回転角θos1〜θos5を相互に比較し、この比較結果に基づき第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bの異常を判定する。
第3トルク演算部17Beが、第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aのうち正常と判定された回転角検出部で検出された入力軸回転角θisを入力する。加えて、第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bのうち正常と判定された回転角検出部で検出された出力軸回転角θosを入力する。更に、入力された入力軸回転角θisと出力軸回転角θosとの差分からトーションバーの捩れ角Δθsを算出し、算出した捩れ角Δθsに基づき操舵トルクTを算出する。
この構成であれば、5系統の回転角検出部で検出した5つの回転角度を相互比較し、この比較結果に基づき回転角検出部の異常を判定することが可能となる。これにより、3系統の故障の場合にどの回転角検出部に故障が生じているのかを特定することが可能となる。
また、3系統に故障が生じても、残りの2系統によって回転角度検出の機能を継続することが可能になると共に、残り2系統の回転角度の相互比較によって異常検出機能も継続することが可能となる。例えば、1回目の異常が入力軸32a側の3系統で生じ、2回目の異常が出力軸32b側の3系統で生じても、残りの各2系統によって、そのシステムとしての機能は安全性を持って継続することが可能となり、その機能の延命確率を高くすることが可能となる。
(他の変形例)
(1)上記第1実施形態において、トルクセンサ1の第1の回転角度検出器10Aの第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aと、第2の回転角度検出器10Bの第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bとを、電気角及び機械角で120度ずつの位相差を有するように配置した。同様に、上記第2実施形態において、モータ回転角センサ21の第3の回転角度検出器10Cの第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cを、電気角及び機械角で120度ずつの位相差を有するように配置した。
この構成に限らず、例えば、図21(a)に示すように、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aを、第1の多極磁石リング11Aに対して、機械角で60度ずつ、かつ電気角で120度ずつの位相差を有するように配置してもよい。なお、図21(a)では、第1の回転角度検出器10Aを例に挙げたが、このことは、第4〜第6の回転角検出部12B〜14B及び第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cについても同様である。この構成とした場合も、各オフセット部において位相差をオフセットする。
また、図21(a)に示す角度関係に限らず、例えば、機械角で30度ずつ、かつ電気角で120度ずつの位相差を有するように配置することも可能である。この場合は、時計回りに、機械角0度に対して、120度、240度の順で位相差を有し、電気角0度に対して、240度、120度の順で位相差を有するようになる。
また、他の構成例として、例えば、図21(b)に示すように、第1〜第3の回転角検出部12A〜14Aを、第1の多極磁石リング11Aに対向させて、同位相に配置する構成としてもよい。なお、図21(b)では、第1の回転角度検出器10Aを例に挙げたが、このことは、第4〜第6の回転角検出部12B〜14B及び第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cについても同様である。この構成とした場合は、位相差のオフセットが不要となるため、オフセット部を設ける必要が無くなる。
(2)上記各実施形態において、トルクセンサ1の第2の回転角度検出器10Bは、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bで検出したθos1〜θos3のみを用いて異常判定処理を行う構成としたが、この構成に限らない。ここで、出力軸32bとモータ回転軸42aとは、減速ギヤ41を介して接続されている。そのため、例えば、出力軸回転角θos(θos1〜θos3)に、減速ギヤ41の減速比RGr及び電動モータ42のロータの極対数Pを乗算することでモータ回転角θmを推定することが可能である。換言すると、モータ回転角センサで検出したモータ回転角θmを減速比RGr及び極対数Pで除算することで出力軸回転角θosを推定することが可能である。以下、この推定した出力軸回転角θosを「出力軸推定角θmc」と記載する場合がある。このことに基づき、例えば、図22に示すように、第1のコントローラ17の第2異常判定部17dにおいて、出力軸推定角θmcも用いて、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bの異常を判定する構成としてもよい。
具体的に、上記第2実施形態のモータ回転角センサ21を例に挙げると、モータ回転角センサ21の第2のコントローラ18は、第3異常判定部18bから入力されるモータ回転角θm(即ち、正常なモータ回転角)を減速比RGr及び極対数Pで除算して、出力軸推定角θmcを算出する。そして、算出した出力軸推定角θmcをトルクセンサ1の第1のコントローラ17に送信する。第1のコントローラ17は、例えば、図23に示すように、第4の回転角検出部12Bが故障していてθos1が使用できないときに、このθos1に代えて入力された出力軸推定角θmcを用いて異常判定処理を行うことが可能である。これによって、出力軸推定角θmcは正常値であることから、残り2系統のうちのいずれか1系統が故障した場合に、どちらが故障しているのかを特定することが可能となる。また、残り1系統となった場合でも、出力軸推定角θmcを用いて異常判定処理を継続することが可能となる。従って、この判定で正常と判定された場合に、操舵トルクTの演算を継続することが可能となり、延命確率を高めることが可能となる。
なお、モータコントローラ22で出力軸推定角θmcを算出する構成としたが、この構成に限らず、正常なモータ回転角θmをそのまま出力し、第1のコントローラ17側で出力軸推定角θmcを算出する構成としてもよい。
また、異常判定後のモータ回転角ではなく、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cで検出したθm1〜θm3のうち少なくとも1つを直接、トルクセンサ1の第1のコントローラ17に送信し、第1のコントローラ17側で出力軸推定角θmc(又はθmc1〜θmc3)を算出する構成としてもよい。このとき、θm1〜θm3の平均値を用いて出力軸推定角θmcを算出する構成としてもよい。
以上の構成は、上記第3及び第4実施形態のトルクセンサ1A及び1Bに対しても適用可能である。
(3)上記第2実施形態において、モータ回転角センサ21は、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cで検出したθm1〜θm3のみを用いて異常判定処理を行う構成としたが、この構成に限らない。ここで、上記他の変形例(2)で説明したように、出力軸回転角θosに、減速比RGr及び極対数Pを乗算することでモータ回転角θmを推定することが可能である。以下、この推定したモータ回転角θmを「モータ推定角θosc」と記載する場合がある。このことに基づき、例えば、図24に示すように、第2のコントローラ18の第3異常判定部18bにおいて、モータ推定角θoscも用いて、第7〜第9の回転角検出部12C〜14Cの異常を判定する構成としてもよい。
具体的に、トルクセンサ1の第1のコントローラ17のトルク演算部17eは、第2異常判定部17dから入力される出力軸回転角θos(即ち、正常な出力軸回転角)に対して減速比RGr及び極対数Pを乗算して、モータ推定角θoscを算出する。そして、算出したモータ推定角θoscをモータ回転角センサ21の第2のコントローラ18に送信する。第2のコントローラ18は、例えば、図25に示すように、第7の回転角検出部12Cが故障していてθm1が使用できないときに、このθm1に代えて入力されたモータ推定角θoscを用いて異常判定処理を行うことが可能である。これによって、モータ推定角θoscは正常値であることから、残り2系統のうちのいずれか1系統が故障した場合に、どちらが故障しているのかを特定することが可能となる。また、残り1系統となった場合でも、モータ推定角θoscを用いて異常判定処理を継続することが可能となる。従って、この判定で正常と判定された場合に、モータ駆動制御装置2の機能を継続することが可能となり、延命確率を高めることが可能となる。
なお、第1のコントローラ17でモータ推定角θoscを算出する構成としたが、この構成に限らず、正常な出力軸回転角θosをそのまま出力し、第2のコントローラ18側でモータ推定角θoscを算出する構成としてもよい。
また、異常判定後の出力軸回転角ではなく、第4〜第6の回転角検出部12B〜14Bで検出したθos1〜θos3のうち少なくとも1つを直接、モータ回転角センサ21の第2のコントローラ18に送信し、第2のコントローラ18側でモータ推定角θosc(又はθosc1〜θosc3)を算出する構成としてもよい。このとき、θos1〜θos3の平均値を用いてモータ推定角θoscを算出する構成としてもよい。
また、本変形例(3)の構成は、上記他の変形例(2)と組み合わせることが可能である。また、この組合せの構成において、トルクセンサ1の第2の回転角度検出器10B又はモータ回転角センサ21の第3の回転角度検出器10Cのいずれか一方を、3系統の回転角検出部を有する構成から2系統の回転角検出部を有する構成に変更してもよい。即ち、どちらか一方を2系統としても、相互比較監視によって3系統とした場合と同等の異常検出精度を保持することが可能である。
(4)上記第1及び第2実施形態において、第1異常判定部17bにて、θis1〜θis3のうち正常なものの平均値を算出して、それを入力軸回転角θisとしてトルク演算部17eに出力するようにした。加えて、第2異常判定部17dにて、θos1〜θos3のうち正常なものの平均値を算出して、それを出力軸回転角θosとしてトルク演算部17eに出力するようにした。また、上記第3実施形態において、第4異常判定部17Abにて、θis1〜θis4のうち正常なものの平均値を算出して、それを入力軸回転角θisとして第2トルク演算部17Aeに出力するようにした。また、上記第4実施形態において、第6異常判定部17Bbにて、θis1〜θis5のうち正常なものの平均値を算出して、それを入力軸回転角θisとして第3トルク演算部17Beに出力するようにした。また、上記第3実施形態において、第5異常判定部17Adにて、θos1〜θos4のうち正常なものの平均値を算出して、それを出力軸回転角θosとして第2トルク演算部17Aeに出力するようにした。また、上記第4実施形態において、第7異常判定部17Bdにて、θos1〜θos5のうち正常なものの平均値を算出して、それを出力軸回転角θosとして第3トルク演算部17Beに出力するようにした。これらの構成に限らず、例えば、正常な回転角のうちいずれか1つを出力する構成、正常な全ての回転角を出力してトルク演算部側で平均値をとる構成、又はトルク演算部側でいずれか1つを選択する構成とするなど他の構成としてもよい。
(5)上記第2実施形態において、第3異常判定部18bにおいて、θm1〜θm3のうち正常なものの平均値を算出して、それをモータ回転角θmとしてモータコントローラ22に出力するようにしたが、この構成に限らない。例えば、正常なモータ回転角のうちいずれか1つを出力する構成、正常な全てのモータ回転角を出力してモータコントローラ22側で平均値をとる構成、又はモータコントローラ22側でいずれか1つを選択する構成とするなど他の構成としてもよい。
(6)上記各実施形態において、回転角検出部を、多極磁石リングの外周面に対して対向して配置する構成としたが、この構成に限らない。例えば、多極磁石リングの軸方向の端面に対向して配置する構成としてもよい。
(7)上記各実施形態において、回転角度検出器として多極磁石リングを利用した磁気式のセンサを例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、多極磁石リングに代えて周方向に等間隔に形成された複数のスリットを有する円板状のコードホイールを利用した光学式のセンサなど他の構成としてもよい。
(8)上記各実施形態では、角度信号としてデジタル信号による通信を例に挙げて説明したが、この構成に限らず、角度に応じた電圧値やパルス幅信号など他の信号を用いた通信を行う構成としてもよい。
(9)上記各実施形態では、本発明をコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置に適用した例を説明したが、この構成に限らず、例えば、ラックアシスト式又はピニオンアシスト式の電動パワーステアリング装置に適用する構成としてもよい。
(10)上記各実施形態では、電動パワーステアリング装置の操舵アシスト用のモータに本発明を適用した例を説明したが、この構成に限らず、例えば、パワーウインドウ装置のモータ等の他の車載のモータに適用する構成としてもよい。また、車載のモータに限らず、他の機器に搭載されたモータに適用する構成としてもよい。
(11)上記第3実施形態において、第4の回転角度検出器10Dの第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aと、第5の回転角度検出器10Eの第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19Bとを、電気角で60度ずつ及び機械角で120度ずつの位相差を有するように配置した。同様に、上記第4実施形態において、第6の回転角度検出器10Fの第1〜第3、第10及び第12の回転角検出部12A〜14A、19A及び20Aと、第7の回転角度検出器10Gの第4〜第6、第11及び第13の回転角検出部12B〜14B、19B及び20Bとを、電気角で60度ずつ及び機械角で120度ずつの位相差を有するように配置した。
この構成に限らず、例えば、機械角で30度ずつ、かつ電気角で120度ずつの位相差を有するように配置することも可能である。
また、他の構成例として、例えば、上記第3実施形態の第1〜第3及び第10の回転角検出部12A〜14A及び19Aを、第1の多極磁石リング11Aに対向させて、同位相に配置する構成としてもよい。このことは、第4〜第6及び第11の回転角検出部12B〜14B及び19B、上記第4実施形態の第6の回転角度検出器10F並びに第7の回転角度検出器10Gについても同様である。この構成とした場合は、位相差のオフセットが不要となるため、オフセット部を設ける必要が無くなる。
(12)上記第1及び第2実施形態では、回転角度検出器を3系統の回転角検出部を備える構成としたが、この構成に限らない、例えば、上記第3及び第4実施形態のように4系統及び5系統の構成としてもよいし、6系統以上の構成としてもよい。
1…トルクセンサ、2…モータ駆動制御装置、3…電動パワーステアリング装置、4…車両、10A〜10C…第1〜第3の回転角度検出器、11A〜11C…第1〜第3の多極磁石リング、12A〜14C…第1〜第3の回転角検出部、12B〜14B…第4〜第6の回転角検出部、12C〜14C…第7〜第9の回転角検出部、19A,19B,20A,20B…第10,第11,第12,第13の回転角検出部、17,18,17A,17B…第1,第2,第3,第4のコントローラ、17a,17c,18a,17Aa,17Ac,17Ba,17Bc…第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7オフセット部、17b,17d,18b,17Ab,17Ad,17Bb,17Bb…第1,第2,第3,第4,第5,第6,第7異常判定部、17f〜17h…第1〜第3通信制御部、18c…第4通信制御部、21…モータ回転角センサ、22…モータコントローラ、23…モータ駆動回路、24…電源制御部、42…電動モータ、60…車速センサ、61…バッテリ、62…IGスイッチ、170b,170d,180b…第1,第2,第3判定処理部、171b,171d,181b…第1,第2,第3角度情報監視部

Claims (13)

  1. 回転軸上に該回転軸と同心かつ同期回転可能に設けられた円環状又は円板状の回転体であって、回転位置によって物理的状態が規則的に変化する回転体と、
    前記回転軸の回転位置に応じて変化する前記回転体の前記物理的状態に応じた物理量を前記回転軸の回転位置情報として検出し、検出した回転位置情報に基づき前記回転軸の回転角度を検出するN系統(Nは3以上の自然数)の回転角検出部と、
    前記N系統の回転角検出部で検出されたN個の回転角度を相互に比較し、比較結果に基づき前記回転角検出部の異常を判定する異常判定部と、を備える回転角度検出器。
  2. 前記回転体は、周方向に異なる磁極を交互に配した磁石から構成されており、
    前記N系統の回転角検出部は、前記回転軸の回転に応じて変化する前記磁石の磁束を前記回転位置情報として検出する請求項1に記載の回転角度検出器。
  3. 前記N系統の回転角検出部は、前記回転体に対して同位相に設けられており、
    前記異常判定部は、前記N個の回転角度について、相互に異なる各2つの回転角検出部で検出された回転角度の組が一致しているか否かをそれぞれ判定し、一致していると判定した組に対応する回転角検出部を正常と判定し一致していないと判定した組に対応する回転角検出部を異常と判定する請求項2に記載の回転角度検出器。
  4. 前記N系統の回転角検出部は、前記回転体に対してその周方向に沿って電気角で120度ずつ位相をずらして設けられており、
    前記N系統の回転角検出部で検出されたN個の回転角度の位相差をオフセットするオフセット部を備え、
    前記異常判定部は、オフセット後の前記N個の回転角度について、相互に異なる各2つの回転角検出部で検出された回転角度の組が一致しているか否かをそれぞれ判定し、一致していると判定した組に対応する回転角検出部を正常と判定し一致していないと判定した組に対応する回転角検出部を異常と判定する請求項2に記載の回転角度検出器。
  5. 前記N系統の回転角検出部と前記異常判定部とは、1本の双方向通信ケーブル及び通信制御部を介して双方向通信可能に接続されており、
    前記N系統の回転角検出部が搭載されたセンサ基板上において、前記N系統の回転角検出部のそれぞれの信号端子は、個別の信号線パターンを介して1本の信号線パターンに合流するように構成されていると共に、前記1本の信号線パターンは前記双方向通信ケーブルの一端に電気的に接続されており、
    前記通信制御部は、
    前記異常判定部が搭載された制御基板上に搭載されていると共に、前記制御基板上において、前記双方向通信ケーブルの他端に電気的に接続されており、
    前記双方向通信ケーブルを介して前記N系統の回転角検出部に対して選定信号を送信して前記N系統の回転角検出部のうちから通信すべき一つを選定し、
    選定した回転角検出部から前記双方向通信ケーブルを介して送信された前記回転角度を受信し、受信した前記回転角度を前記異常判定部に出力する請求項1から4のいずれか1項に記載の回転角度検出器。
  6. トーションバーを介して連結された入力軸と出力軸とのうち前記入力軸に、第1の回転角度検出器として請求項1から4のいずれか1項に記載の回転角度検出器を配置し、
    前記出力軸に、第2の回転角度検出器として請求項1から4のいずれか1項に記載の回転角度検出器を配置し、
    前記第1の回転角度検出器の前記N系統の回転角検出部である第1〜第Nの回転角検出部のうち異常と判定された回転角検出部以外の回転角検出部で検出された前記入力軸の回転角度と、前記第2の回転角度検出器の前記N系統の回転角検出部である第(N+1)〜第(N+N)の回転角検出部のうち異常と判定された回転角検出部以外の回転角検出部で検出された前記出力軸の回転角度との差分から前記トーションバーの捩れ角を算出し、算出した前記捩れ角に基づきトルクを算出するトルク演算部と、を備えるトルクセンサ。
  7. 前記第1〜第(N+N)の回転角検出部の実装されたセンサ基板と前記第1の回転角度検出器の第1の異常判定部及び前記第2の回転角度検出器の第2の異常判定部が実装された制御基板とは、第1〜第Nの双方向通信ケーブルを介して双方向通信可能に接続されており、
    前記センサ基板上において、第M(Mは1〜Nの自然数)の回転角検出部及び第(N+M)の回転角検出部のそれぞれの信号端子は、個別の信号線パターンを介して1本の第Mの信号線パターンに合流するように構成されていると共に、第Mの信号線パターンは第Mの双方向通信ケーブルの一端に電気的に接続されており、
    前記制御基板上に実装されていると共に、該制御基板上において、前記第Mの双方向通信ケーブルの他端に電気的に接続されており、前記第Mの双方向通信ケーブルを介して前記第Mの回転角検出部及び前記第(N+M)の回転角検出部に対して選定信号を送信して前記第Mの回転角検出部及び前記第(N+M)の回転角検出部のうち通信すべき一方を選定し、選定した回転角検出部から前記第Mの双方向通信ケーブルを介して送信された前記回転角度を受信する第1〜第Nの通信制御部と、を備える請求項6に記載のトルクセンサ。
  8. 前記第1〜第(N+N)の回転角検出部の各電源端子及び各グランド端子と前記制御基板の電源パターン及びグランドパターンとは、第1〜第Nの電源用ケーブル及び第1〜第Nのグランド用ケーブルを介して接続されており、
    前記センサ基板上において、前記第Mの回転角検出部及び前記第(N+M)の回転角検出部のそれぞれの電源端子は、第Mの電源パターンに接続するように構成されていると共に、前記第Mの電源パターンは第Mの電源用ケーブルの一端に電気的に接続されており、
    前記センサ基板上において、前記第Mの回転角検出部及び前記第(N+M)の回転角検出部のそれぞれのグランド端子は、第Mのグランドパターンに接続するように構成されていると共に、前記第Mのグランドパターンは第Mのグランド用ケーブルの一端に電気的に接続されている請求項7に記載のトルクセンサ。
  9. 電動モータのモータ回転軸に、請求項1から5のいずれか1項に記載の回転角度検出器を配置し、前記回転角度検出器で検出した前記モータ回転軸の回転角度に基づき前記電動モータを駆動制御するモータ駆動制御装置。
  10. ステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータを駆動制御するモータ駆動制御装置として、請求項9に記載のモータ駆動制御装置を備える電動パワーステアリング装置。
  11. ステアリングシャフトに生じるトルクを検出するトルクセンサとして、請求項6から8のいずれか1項に記載のトルクセンサを備える電動パワーステアリング装置。
  12. ステアリングシャフトに操舵補助力を付与する電動モータを駆動制御するモータ駆動制御装置として、請求項9に記載のモータ駆動制御装置を備え、
    前記ステアリングシャフトに生じるトルクを検出するトルクセンサとして、請求項6から8のいずれか1項に記載のトルクセンサを備える電動パワーステアリング装置。
  13. 請求項10から12のいずれか1項に記載の電動パワーステアリング装置を備える車両。
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