JP2010261857A - 回転情報算出装置、軸受装置、モータ制御装置、ステアリング装置及び電動パワーステアリング装置 - Google Patents

回転情報算出装置、軸受装置、モータ制御装置、ステアリング装置及び電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】位置検出信号の異常検出に係る演算負荷を軽減することが可能な回転情報算出装置を提供する。
【解決手段】3相の磁気検出信号(位置検出信号)のサンプリング値a、b、cからA相の回転角度位置θA4、B相の回転角度位置θB3、C相の回転角度位置θC4を算出し、それらが同等であるときには、それらの回転角度位置を正常な回転角度位置として算出出力する。一方、これらの回転角度位置が同等でない場合には、サンプリング値a、b、cの夫々に対応する理想角度データを算出し、それらを比較することで、異常の発生している磁気検出信号(位置検出信号)を特定する。また、異常の発生している磁気検出信号(位置検出信号)が1つだけである場合には、正常な残りの磁気検出信号(位置検出信号)を用いた回転角度位置を算出出力する。
【選択図】図8

Description

本発明は、回転角度などを算出する回転情報算出装置、その回転情報算出装置を用いた軸受装置、モータ制御装置、ステアリング装置、及び電動パワーステアリング装置に関するものである。
回転子の回転角度を検出する位置検出センサとしては、例えばレゾルバやホールICが挙げられる。このような位置検出センサを備え、位相の異なる3相の位置検出信号から回転角度を算出する回転情報算出装置が考えられている。そして、例えば下記特許文献1に記載される回転情報算出装置では、位相の異なる3相の位置検出信号のサンプリング値から、3つの異なる算出方法に従って、各相毎に3つの回転角度位置を回転情報として算出すると共に、各相毎の回転角度位置が互いに同等であるか否かに基づいて、各相の位置検出信号の異常を検出するようにしている。
特開2008−196937号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載される回転情報算出装置では、各相の位置検出信号の異常を検出するために、3相の位置検出信号のサンプリング値から、3つの異なる算出方法に従って、計9つの回転角度位置を算出する必要があり、その演算負荷を軽減するために、更なる改善の余地がある。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、位置検出信号の異常検出に係る演算負荷を軽減することが可能な回転情報算出装置、軸受装置、モータ制御装置、ステアリング装置、及び電動パワーステアリング装置を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するため、本発明の回転情報算出装置は、3相の位置検出センサから出力され且つ回転子の回転角度に応じて変化する位相の異なる3つの位置検出信号を入力し、入力した位置検出信号に基づいて前記回転子の回転角度位置を算出する回転情報算出装置であって、前記3つの位置検出信号の夫々について、サンプリング値を取得するサンプリング値取得手段と、前記取得したサンプリング値に基づいて、前記回転子の回転角度位置を算出する回転角度位置算出手段と、前記取得したサンプリング値に基づいて、前記位置検出信号の異常を検出する異常検出手段とを備え、前記異常検出手段は、前記位相の異なる3つの位置検出信号のサンプリング値に基づいて、前記位置検出センサの各相に対して、少なくとも1つの算出方法で回転角度位置を算出し、当該算出した回転角度位置に基づいて、前記3つの位置検出信号の異常を検出することを特徴とするものである。
また、前記3相の位置検出センサは、磁石とホールICからなる3相の磁気式位置検出センサであることを特徴とするものである。
また、前記位置検出センサの3つの相をA相、B相、C相とし、A相、B相、C相の各相に対応する位置検出信号のサンプリング値を夫々a、b、cとし、前記異常検出手段は、前記サンプリング値a及びb、前記サンプリング値b及びc、並びに前記サンプリング値c及びaの3つの組合せに基づいて、前記組合せ毎に異なる算出方法を用いて、前記位置検出センサの各相に対して、少なくとも1つの回転角度位置を算出し、当該算出した各相の回転角度位置同士が同等であるか否かの判定に基づき、前記位相の異なる3つの位置検出信号の異常を検出することを特徴とするものである。
また、前記異常検出手段は、前記各相間の前記回転角度位置同士の差分値の絶対値が所定値以下である場合に、それらの回転角度位置が同等であると判定することを特徴とするものである。
また、前記サンプリング値a、b、cの夫々に対応する理想角度データを比較することによって、異常の発生している位置検出信号を特定することを特徴とするものである。
また、前記異常検出手段は、異常が検出されたときに、当該異常の情報を含む異常検出フラグを出力することを特徴とするものである。
また、前記回転角度位置算出手段は、前記異常検出手段によって、前記3つの位置検出信号のうちの何れか1つに異常が検出された場合、当該異常の検出された位置検出信号の相を除く、残り2つの相の位置検出信号に対するサンプリング値に基づいて回転角度位置を算出することを特徴とするものである。
また、本発明の軸受装置は、静止輪と回転輪との間に複数の転動体が配設された軸受装置において、前記各回転情報算出装置で回転輪の回転角度を算出し、算出された回転角度情報を出力することを特徴とするものである。
また、本発明のモータ制御装置は、前記各回転情報算出装置で回転軸の回転角度を算出し、算出された回転角度情報に基づいて回転軸の回転制御を行うことを特徴とするものである。
また、本発明のステアリング装置は、前記各回転情報算出装置でステアリングホイールの回転角度を算出し、算出された回転角度情報を出力することを特徴とするものである。
また、本発明の電動パワーステアリング装置は、前記各回転情報算出装置でトーションバーの入力側及び出力側の回転角度を算出し、それらの回転角度情報に基づいてステアリングホイールからステアリングシャフトに伝達される操舵トルクを算出し、算出された操舵トルクに基づいて電動モータから前記ステアリングシャフトに補助トルクを伝達することを特徴とするものである。
而して、本発明の回転情報算出装置によれば、3相の位置検出センサから出力され且つ回転子の回転角度に応じて変化する位相の異なる3つの位置検出信号を入力し、入力した位置検出信号に基づいて回転子の回転角度位置を算出するにあたり、3つの位置検出信号の夫々について、サンプリング値を取得し、取得したサンプリング値に基づいて、回転子の回転角度位置を算出すると共に、取得した位相の異なる3つのサンプリング値に基づいて、位置検出センサの各相に対して、少なくとも1つの算出方法で回転角度位置を算出し、当該算出した回転角度位置に基づいて、3つの位置検出信号の異常を検出する構成としたため、異常検出に必要な回転角度位置は最小で3つでよく、その分だけ、演算負荷を軽減することができる。
また、3相の位置検出センサを、磁石とホールICからなる3相の磁気式位置検出センサとしたことにより、発明を実施化し易い。
また、位置検出センサの3つの相をA相、B相、C相とし、A相、B相、C相の各相に対応する位置検出信号のサンプリング値を夫々a、b、cとしたとき、サンプリング値a及びb、b及びc、並びにc及びaの3つの組合せ毎に異なる算出方法を用いて、位置検出センサの各相に対して、少なくとも1つの回転角度位置を算出し、当該算出した各相間の回転角度位置同士が同等であるか否かの判定に基づき、位相の異なる3つの位置検出信号の異常を検出することとしたため、位置検出信号の異常を容易且つ正確に検出することができる。
また、各相間の回転角度位置同士の差分値の絶対値が所定値以下である場合に、それらの回転角度位置が同等であると判定することとしたため、位置検出信号の異常を容易且つ正確に検出することが可能となる。
また、サンプリング値a、b、cの夫々に対応する理想角度データを比較することによって、異常の発生している位置検出信号を特定することとしたため、容易且つ確実に異常の発生している位置検出信号を特定することができる。
また、異常が検出されたときには、当該異常の情報を含む異常検出フラグを出力することとしたため、回転角度位置を算出する場合に、算出処理が容易になる。
また、3つの位置検出信号のうちの何れか1つに異常が検出された場合、当該異常の検出された位置検出信号の相を除く、残り2つの相の位置検出信号に対するサンプリング値に基づいて回転角度位置を算出することとしたため、位置検出信号に異常が発生した場合でも、回転角度位置を継続して算出することが可能となる。
また、本発明の軸受装置によれば、静止輪と回転輪との間に複数の転動体が配設された軸受装置において、前記各回転情報算出装置で回転輪の回転角度を算出し、算出された回転角度情報を出力することとしたため、回転輪の回転状態を制御することが可能となる。
また、本発明のモータ制御装置によれば、前記各回転情報算出装置で回転軸の回転角度を算出し、算出された回転角度情報に基づいて回転軸の回転制御を行うこととしたため、より正確な回転軸の回転制御が可能となる。
また、本発明のステアリング装置によれば、前記各回転情報算出装置でステアリングホイールの回転角度を算出し、算出された回転角度情報を出力することとしたため、高精度且つフェールセーフを考慮した回転情報を提供することができる。
また、本発明の電動パワーステアリング装置によれば、前記各回転情報算出装置でトーションバーの入力側及び出力側の回転角度を算出し、それらの回転角度情報に基づいてステアリングホイールからステアリングシャフトに伝達される操舵トルクを算出し、算出された操舵トルクに基づいて電動モータから前記ステアリングシャフトに補助トルクを伝達することとしたため、運転者の操舵力をアシストすることができる。
本発明の回転情報算出装置の第1実施形態を示すブロック図である。 図1の回転情報算出装置付き軸受装置の斜視図である。 図2の回転情報算出装置付き軸受装置の分解斜視図である。 図2の回転情報算出装置付き軸受装置の軸方向の断面図である。 図2の回転情報算出装置から出力される位置検出信号の説明図である。 図2の回転情報算出装置からの位置検出信号の出力原理の説明図である。 図1の回転情報算出装置の詳細なブロック図である。 図7の異常検出部で行われる演算処理のフローチャートである。 図7の回転情報算出部で行われる演算処理のフローチャートである。 図8の演算処理の作用の説明図である。 本発明の回転情報算出装置の第2実施形態を示す電動パワーステアリング装置の全体構成図である。 図11の電動パワーステアリング装置におけるトルク算出部ブロック図である。
次に、本発明の回転情報算出装置の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の回転情報算出装置の第1実施形態を示すブロック図である。
本実施形態の回転情報算出装置1は、モータ等の回転軸に回転自在に取付けられた磁気センサ(位置検出センサ)付き軸受装置100と、磁気センサ付き軸受装置100からの磁気検出信号(位置検出信号)に基づいて回転軸(或いは軸受装置の回転輪)の回転情報を算出する回転情報算出器200とを備えて構成されている。なお、図1に示す磁気センサ付き軸受装置100は、径方向の断面状態を示している。また、回転情報算出器200内で算出された回転軸(或いは軸受装置の回転輪)の回転情報は、モータ制御装置のモータ動作制御部等の外部装置に出力され、特にモータ制御装置のモータ動作制御部では、それらの回転情報に基づいてモータの回転状態を制御する。
更に、図2〜図6を用いて、磁気センサ付き軸受装置100の詳細な構成を説明する。本実施形態の磁気センサ付き軸受装置100は、図2及び図3に示すように、玉軸受を備え、当該玉軸受には回転軸(或いは回転輪)の回転状態を検出するための磁気センサが組込まれている。玉軸受は、内輪24と、外輪22と、内輪及び外輪22の間に介在する転動体としての複数個のボール26とを備えて構成される。また、内輪24及び外輪22のうちの一方が静止輪となり、他方が回転輪となる。回転輪は、モータ等の回転軸の回転に連動して、静止輪との間に介在するボール26を転動させながら回転する。
本実施形態では、内輪24を回転輪とした。回転輪である内輪24には円環状の磁石ホルダ30が支持される。磁石ホルダ30は磁性体として、磁性材料から構成されている。更に磁石ホルダ30には、三日月板状の着磁部材42a、42bを磁化した磁石42が支持される。2つの着磁部材42a、42bは、板厚方向の外周面及び内周面が回転方向に正弦波状に変化している部材であり、軸方向からみて、後述する磁路部材50とほぼ同一の円形状となるように、互いの最も板幅が小さい部分を向かい合わせるようにして配置されている。
ここで、2つの着磁部材42a、42bの具体的な形状は、下記1、2式によって求められる。
着磁部材42a、42bの内周面の形状FIN=r−(Acosθ/2) ……… (1)
着磁部材42a、42bの外周面の形状FOUT=r+(Acosθ/2) ……… (2)
但し、θは絶対回転角度位置、rは磁石42の中心半径、Aは磁石42の最大幅寸法である。
このうち、一方の着磁部材42aの磁石ホルダ30側面はS極に着磁され、その反対側面、即ち後述する磁路部材50側面はN極に着磁されている。また、他方の着磁部材42bの磁石ホルダ30側面はN極に着磁され、その反対側面、即ち後述する磁路部材50側面はS極に着磁されている。
一方、静止輪となる外輪22には、磁路部材50と、円環板状の一部を切り欠くことで軸方向からみて馬蹄形に形成した回路基板70とが支持される。回路基板70の板厚方向の一方の面には、3つの磁気検出器(位置検出センサ)60a〜60cが夫々電気角120°の位相を持つように実装されている。なお、本実施の形態においては、磁気検出器60a〜60cにアナログホールICを用いた。
磁性材料で構成された磁路部材50は、磁石42からの磁束を磁気検出器60a〜60cに導くために3つの磁路を形成する。この3つの磁路は、軸方向からみて回路基板70とほぼ同一の円形状となるように、円弧形状の3つの円弧部51の互いの周方向端部の間に3カ所の空隙52を設けて配置し、各空隙52に、回路基板70に実装した磁気検出器60a〜60cを配置することで、各空隙52に磁束が通り、それらの空隙52が磁路を形成している。
そして、磁石42を構成する2つの着磁部材42a、42bの板厚方向に直交する面と、磁路部材50を構成する3つの円弧部51とがアキシャル方向に対向する。
また、磁路部材50、磁気検出器60a〜60c、磁石42、磁石ホルダ40によって構成される磁気センサ部は、センサカバー80で覆われている。
前記構成の磁気センサ付き軸受装置100は、図3に示すように、磁気センサ部を構成する、磁気検出器60a〜60c、磁路部材50、磁石42、及び磁石ホルダ30が夫々軸方向(アキシャル方向)に積層された構造となる。
また、図4に示すように、磁石42と磁路部材50との間には空間ギャップがある。この空間ギャップは、狭い方が磁気検出器60a〜60cに案内される磁束の量が多くなるが、あまり狭すぎると磁石40と磁路部材50が接触する可能性があるので、0.1mm〜0.2mm程度が望ましい。
また、内輪24が回転すると、それに伴って磁石ホルダ30及び磁石42が回転する。この回転によって、磁石42と磁路部材50の磁路との位置関係(重なり具合)が周期的に変化する。この変化によって、磁気検出器60a〜60cを通る磁束の量及び磁極が夫々変化し、磁気検出信号は、図5に示すように、夫々が120°ずつ位相のずれた3つの正弦波として出力される。つまり、象限判別が可能となるので、磁気検出器60a〜60cから出力される磁気検出信号に基づいて回転角度位置θなどを算出することができる。
図6の下図は(図では、磁石42を三日月型でなく、内周と外周が平行なリング状に描いている)、磁石42と磁路部材50との径方向の断面を軸方向からみたときの両者の位置関係を示す図であり、図6の上図には、下図中の○で囲んだ位置にある磁気検出器60aの出力信号の変化が示されている。磁石42が、図6の下図に示す、102の位置から108の位置へと回転位置104〜106を介して順に右回転することによって、磁気検出器60aと磁石42との位置関係が変化し、磁気検出器60aを通る磁束の量及び磁極が変化する。これにより、磁気検出器60aの出力も、図6の上図に示すように変化し、この出力の変化が正弦波を形成する。
磁気検出器60a〜60cの図示しない信号出力部は、回転情報算出器200の図示しない信号入力部に接続されている。回転情報算出器200は、図7に示すように、磁気センサ付き軸受装置100からの3相のアナログの磁気検出信号cosθ、cos(θ−2π/3)、cos(θ−4π/3)の異常を検出する異常検出部2aと、回転輪(内輪24)の回転情報を算出する回転情報算出部2bとを有して構成されている。以下、磁気検出器60a〜60cの出力信号の各相を夫々A相〜C相とする。
異常検出部2aは、磁気検出器60a〜60cのA相、B相、C相の各相の磁気検出信号のサンプリング値a、b、cに基づき、磁気検出器60a〜60cのA相、B相、C相の各相毎に、少なくとも1つの算出方法で、少なくとも1つの回転角度位置を算出し、当該算出した回転角度位置に基づき、各相の磁気検出信号に異常が発生しているか否かを検出する。具体的に、異常検出部2aは、A相、B相、C相の各相毎に、サンプリング値a、b、cを用いて、後述する第2式〜第4式から各相の回転角度位置を算出する。なお、この第2式〜第4式は、サンプリング値a、b、cを用いて絶対回転角度位置を算出するための後述する第1式を、サンプリング値a、b、cの数学的関係で変形したものである。
ここで、第2式は、サンプリング値a及びbの数学的関係から、サンプリング値cを含まないように第1式を変形した算出式である。同様に、第3式は、サンプリング値c及びaの数学的関係から、サンプリング値bを含まないように第1式を変形した算出式である。また、第4式は、サンプリング値b及びcの数学的関係から、サンプリング値aを含まないように第1式を変形した算出式である。
そして、第2式を用いて算出したA〜C相の回転角度位置のうちの1つ、ここではC相の回転角度位置θC2、第3式を用いて算出したA〜C相の回転角度位置のうちの1つ、ここではB相の回転角度位置θB3、第4式を用いて算出したA〜C相の回転角度位置のうちの1つ、ここではA相の回転角度位置θA4を比較し、それらが同等であるか否かによって各相の磁気検出信号の異常を検出する。
サンプリング値a、b、cの何れか1つに異常が検出された場合は、該当する層に異常が発生していることを示す異常検出フラグを出力すると共に、A相〜C相に対して、正常なサンプリング値のみで算出された回転角度位置を回転情報算出部2bに出力する。
一方、サンプリング値a、b、cのうち2つ以上に異常が発生している場合は、動作停止用の異常検出フラグを外部装置に出力する。
また、サンプリング値a、b、cの何れも正常である場合は、前記第2〜第4式で算出した3つの回転角度位置θC2、θB3、θA4の全てを回転情報算出部2bに出力する。
回転情報算出部2bは、例えば異常検出部2aから入力された回転角度位置を平均して、外部出力用の絶対回転角度位置θとして算出し、更に、回転角速度ω、回転方向を回転情報として算出する。そして、当該算出した回転情報を図示しない出力対象に出力する。
また、回転情報算出器200は、回転角速度ωを算出するために、回転輪(内輪24)の回転に応じたパルス信号を出力する図示しないパルス発生器や、そのパルス信号をカウントする図示しないパルスカウンタなどを備えている。
また、回転情報算出器200は、回転方向を算出するために、算出した絶対回転角度位置θをRAMに記憶保持するようになっている。
また、回転情報算出器200は、前記異常検出部2a、回転情報算出部2bなどにおける前記各機能をソフトウエア上で実現するため、及び前記各機能の実現に必要なハードウエアを制御するソフトウエアを実行するための図示しないコンピュータシステムを備えている。このコンピュータシステムのハードウエア構成は、各種制御や演算処理を担う演算処理装置(Processing Unit)と、主記憶装置(Main Storage)を構成するRAM(Random Access Memory)と、読出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)と、前記各装置間をデータ授受可能に接続する各種内外バスとを有した構成となっている。
そして、電源を投入すると、ROMに予め記憶された各種専用のコンピュータプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムに記述された命令に従って演算処理装置が各種ハードウエアの制御及び各種演算処理を行うことで前述したような各機能を実現するようになっている。
更に、図8のフローチャートに従って、異常検出部2aにおける異常検出のための演算処理を説明する。この演算処理では、まずステップS1で、磁気検出器60a〜60cからの3相の磁気検出信号の各相のサンプリング値a、b、cを同時に取得する。
次にステップS2に移行して、前記ステップS1で取得したサンプリング値a及びbから、後述する第2式に従ってC相の回転角度位置θC2を算出し、サンプリング値c及びaから、後述する第3式に従ってB相の回転角度位置θB3を算出し、サンプリング値b及びcから、後述する第4式に従ってA相の回転角度位置θA4を算出する。後述する第2式〜第4式では、夫々、3相の回転角度位置を算出することが可能であり、極論すると、第2式〜第4式により全部で9個の回転角度位置を算出することもできる。しかしながら、本実施形態の回転状態算出装置の目的は、異常検出のための演算負荷を軽減することであるから、異常検出のために必要な最小限の回転角度位置は3つであり、そのためにはサンプリング値a及びbから第2式に従ってC相の回転角度位置θC2を算出し、サンプリング値c及びaから第3式に従ってB相の回転角度位置θB3を算出し、サンプリング値b及びcから第4式に従ってA相の回転角度位置θA4を算出するのが好ましい。
次にステップS3に移行して、前記ステップS2で算出された3つの回転角度位置θC2、θB3、θA4が3つとも等しい(同等)か否かを判定し、3つの回転角度位置θC2、θB3、θA4が3つとも等しい(同等)場合(TRUE)にはステップS4に移行し、そうでない場合(FALSE)にはステップS5に移行する。なお、これ以後も、本実施形態では、例えば2つの回転角度位置が同等であるか否かの判定は、比較対象となる2つの回転角度位置の差分値の絶対値が、例えば予め設定された誤差(ノイズ)許容値である所定値以下である場合に、それら2つの回転角度位置が同等であるとし、差分値の絶対値が所定値を超える場合に、それらの回転角度位置が同等でないとする。この所定値は、例えば角度成分として、0.1°程度とした。
前記ステップS4では、前記ステップS2で算出された3つの回転角度位置θC2、θB3、θA4が全て正しいとして、それらの3つの回転角度位置θC2、θB3、θA4を回転情報算出部2bに出力し、一連の処理を終了してからメインプログラムに復帰する。
一方、ステップS5では、磁気検出器60a〜60cに異常があると検知し、ステップS6に移行する。
ステップS6では、ステップS1で取得したサンプリング値a、b、cと、予め用意されたサンプリング値に対応する理想角度のデータテーブルとを比較して、サンプリング値a、b、cに対応するA相、B相、C相の夫々の理想角度データθa、θb、θcを算出する。なお、磁気検出器60a〜60cの出力が正弦波であることから、或るサンプリング値に対する理想角度データは各相毎に2つずつ算出されるが、2つとも理想角度データとして保持しておく。また、理想角度データテーブルは、磁気検出器60a〜60cからの磁気検出信号が正常な状態で、予め磁気検出信号値と回転角度位置との関係を求め、磁気検出信号値がサンプリング値であったときに、その回転角度位置を理想角度データとして記憶しておく。
次にステップS7に移行して、各相の2つの理想角度データのうち、A相の理想角度データθaとB相の理想角度データθbの少なくとも1つデータの組合せが同等であり(θa=θb)、且つB相の理想角度データθbとC相の理想角度データθcの全てのデータの組合せが同等でない(θb≠θc)場合(TRUE)にはステップS8に移行し、そうでない場合(FALSE)にステップS9に移行する。
ステップS8では、正常と判断されるサンプリング値a及びbから算出したC相の回転角度位置θC2を回転情報算出部2bに出力すると共に、C相の磁気検出信号(位置検出信号)に異常が発生していることを示すC相信号異常検出フラグを外部装置に出力し、一連の処理を終了してからメインプログラムに復帰する。
また、前記ステップS9では、各相の2つの理想角度データのうち、A相の理想角度データθaとC相の理想角度データθcの少なくとも1つデータの組合せが同等であり(θa=θc)、且つC相の理想角度データθcとB相の理想角度データθbの全てのデータの組合せが同等でない(θb≠θc)場合(TRUE)にはステップS10に移行し、そうでない場合(FALSE)にステップS11に移行する。
ステップS10は、正常と判断されるサンプリング値c及びaから算出したB相の回転角度位置θB3を回転情報算出部2bに出力すると共に、B相の磁気検出信号(位置検出信号)に異常が発生していることを示すB相信号異常検出フラグを外部装置に出力し、一連の処理を終了してからメインプログラムに復帰する。
また、前記ステップS11では、各相の2つの理想角度データのうち、B相の理想角度データθbとC相の理想角度データθcの少なくとも1つデータの組合せが同等であり(θb=θc)、且つC相の理想角度データθcとA相の理想角度データθaの全てのデータの組合せが同等でない(θb≠θa)場合(TRUE)にはステップS12に移行し、そうでない場合(FALSE)にステップS13に移行する。
ステップS12では、正常と判断されるサンプリング値b及びcから算出したA相の回転角度位置θA4を回転情報算出部2bに出力すると共に、A相の磁気検出信号(位置検出信号)に異常が発生していることを示すA相信号異常検出フラグを外部装置に出力し、一連の処理を終了してからメインプログラムに復帰する。
また、ステップS13では、各相の2つの理想角度データのうち、全てのデータの組合せが同等でない(θa≠θb≠θc)としてステップS14に移行する。
ステップS14では、異常検出部において、動作停止用の異常検出フラグを外部装置などに出力し、一連の処理を終了してからメインプログラムに復帰する。
なお、前記ステップS3では、回転角度位置の差分値が所定値以下であるか否かによって回転角度位置が同等であるか否かの判定を行ったが、これに限らず、他の方法で行ってもよい。例えば、3相正弦波の和は0になるので、3相の和が0であるか否かで磁気検出器60a〜60cの異常を検出することも可能である。
次に、図9のフローチャートに従って、回転情報算出部2bにおける回転情報算出のための演算処理を説明する。この演算処理では、まずステップS300で、異常検出部2aからサンプリング値及び回転角度位置を取得したか否かを判定し、サンプリング値及び回転角度位置を取得した場合(Yes)にはステップS302に移行し、そうでない場合(No)には取得するまで待機する。
ステップS302では、取得した回転角度位置の平均値を内輪24(回転軸)の絶対回転角度位置θとして算出する。
次にステップS304に移行して、ステップS302で算出された絶対回転角度位置θと、図示しないパルスカウンタでカウントした内輪24の回転に応じたパルス信号数とに基づき回転角速度ωを算出する。
次にステップS306に移行して、ステップS302で算出された絶対回転角度位置θと、過去に算出した絶対回転角度位置θとに基づき回転方向を算出する。
次にステップS308に移行して、ステップS302〜ステップS306の算出結果の信号を出力し、一連の処理を終了してからメインプログラムに復帰する。
次に、本実施形態の動作を説明する。
まず、異常検出部2aにおいて、磁気検出器60a〜60cのA相、B相、C相の各相に対する回転角度位置の算出に用いられる算出式について説明する。
磁気検出器60a〜60cのA相〜C相の磁気検出信号のサンプリング値a、b、cは、夫々、下記3式で表すことができる。
A相:a=cosθ
B相:b=cos(θ−2π/3)
C相:c=cos(θ−4/3) ……… (3)
この3式で表されるサンプリング値a、b、cの数学的関係を利用して、異常検出用の回転角度位置の算出式(前述の第1式〜第4式に相当)を求めるための異常検出パラメータとして下記4式を求める。
Figure 2010261857
更に、前記4式に示す異常検出パラメータを用いて、A相、B相、C相の各相に対して、サンプリング値a、b、cを全て用いた回転角度位置の算出式である下記5式の第1式を求める。次に、前記4式に示す異常検出パラメータを用いて、A相、B相、C相の各相に対して、第1式を変形し、下記5式に示すように、サンプリング値a及びbのみを変数とした第2式を求める。同様に、前記4式に示す異常検出パラメータを用いて、A相、B相、C相の各相に対して、第1式を変形し、下記5式に示すように、サンプリング値c及びaのみを変数とした第3式、サンプリング値b及びcのみを変数とした第4式を求める。
Figure 2010261857
以下、前記第2式〜第4式を用いて回転情報算出装置の異常検出処理及び回転情報算出処理の動作を説明する。
例えば図示しない駆動装置からの駆動信号に応じてモータが回転すると、モータの回転軸が回転し、この回転に連動して磁気センサ付き軸受装置100の内輪24が回転する。内輪24には磁石42が支持されているので、内輪24と共に磁石42も回転する。そして、磁石42が回転することにより、磁路部材50の各磁路と磁石42との位置関係も周期的に変化する。
磁気検出器60a〜60cには、磁路部材50の各磁路を介して磁石42からの磁束が通過し、夫々、通過磁束に対応する磁気検出信号cosθ、cos(θ−2π/3)、cos(θ−4π/3)が出力される。
回転情報算出器200は、サンプリングタイミングになると、異常検出部2aにおいて、磁気検出器60a〜60cから出力される3相の磁気検出信号のサンプリング値a、b、cを取得する。
異常検出部2aは、サンプリング値a、b、cを取得すると、サンプリング値a及びbと、前記5式中の第2式を用いて、C相の回転角度位置θC2を算出すると共に、サンプリング値c及びaと、前記5式中の第3式を用いて、B相の回転角度位置θB3を算出し、更にサンプリング値b及びcと、前記5式中の第4式を用いて、A相の回転角度位置θA4を算出する。
次に、算出された各回転角度位置θC2、θB3、θA4の夫々の差分値の絶対値と予め設定されている所定値0.1°を比較し、差分値の絶対値が所定値0.1°以下である場合には比較対象となっている回転角度位置同士が同等であるとして、3つの回転角度位置が3つとも同等であるか否かを判定し、3つの回転角度位置が3つとも同等である場合には、それらの3つの回転角度位置を3つとも回転情報算出部2bに出力する。
一方、3つの回転角度位置が3つとも同等でない場合には磁気検出器60a〜60cに異常が発生したと検知し、サンプリング値a、b、cに対する理想角度データθa、θb、θcを理想角度データテーブルから算出する。そして、各相の2つの理想角度データのうち、A相の理想角度データθaとB相の理想角度データθbの少なくとも1つデータの組合せが同等であり、且つB相の理想角度データθbとC相の理想角度データθcの全てのデータの組合せが同等でない場合には、正常と判断されるサンプリング値a及びbから算出したC相の回転角度位置θC2を回転情報算出部2bに出力すると共に、C相信号異常検出フラグを外部装置に出力する。
また、各相の2つの理想角度データのうち、A相の理想角度データθaとC相の理想角度データθcの少なくとも1つデータの組合せが同等であり、且つC相の理想角度データθcとB相の理想角度データθbの全てのデータの組合せが同等でない場合、正常と判断されるサンプリング値c及びaから算出したB相の回転角度位置θB3を回転情報算出部2bに出力すると共に、B相信号異常検出フラグを外部装置に出力する。
また、各相の2つの理想角度データのうち、B相の理想角度データθbとC相の理想角度データθcの少なくとも1つデータの組合せが同等であり、且つC相の理想角度データθcとA相の理想角度データθaの全てのデータの組合せが同等でない場合には、正常と判断されるサンプリング値b及びcから算出したA相の回転角度位置θA4を回転情報算出部2bに出力すると共に、A相信号異常検出フラグを外部装置に出力する。
また、各相の2つの理想角度データのうち、全てのデータの組合せが同等でない場合には、動作停止用の異常検出フラグを内部のモータ動作制御部や外部装置などに出力する。
次に、理想角度データの組合せから磁気検出信号(位置検出信号)の異常発生相を特定する原理について説明する。
図10は磁気検出器60a〜60cの出力(電圧)を位相(回転位置)の変化と共に表したものである。例えば図10に示す一点鎖線の正弦波が正常な場合のA相の磁気検出信号(位置検出信号)、破線の正弦波が正常な場合のB相の磁気検出信号(位置検出信号)、実線の正弦波が正常な場合のC相の磁気検出信号(位置検出信号)であり、何らかの原因で、A相の磁気検出信号(位置検出信号)の振幅が1/3となり、二点鎖線のように変化した場合を考える。
理想角度データのデータテーブルには、例えばサンプリングタイミングt0におけるA相の正常な磁気検出信号のサンプリング値aに対する理想角度データθa1、θa2、B相の正常な磁気検出信号のサンプリング値bに対する理想角度データθb1、θb2、C相の正常な磁気検出信号のサンプリング値cに対する理想角度データθc1、θc2が記憶されている。全ての磁気検出信号が正常であれば、サンプリング値a、b、cに対する理想角度データのうち、理想角度データθa1=θb1=θc1となる。
しかしながら、A相の磁気検出信号が二点鎖線のように異常となり、サンプリング値がaからa’に変化すると、データテーブルから算出される理想角度データはθa’1、θa’2となり、B相の磁気検出信号のサンプリング値bに対する理想角度データθb1、θb2とも、C相の磁気検出信号のサンプリング値cに対する理想角度データθc1、θc2とも異なる。
従って、3つのサンプリング値a、b、cの夫々に対するA相、B相、C相の理想角度データのうち、同等の組合せの存在する2つの理想角度データの相は正常であり、同等の組合せが全く存在しない理想角度データの相は異常であると判断できる。
一方、回転情報算出部2bは、異常検出部2aから、回転角度位置情報を取得すると、絶対回転角度位置θ、回転角速度ω、回転方向を算出し、それらに相当する信号を図示しない出力対象に出力する。また、異常検出部2aから2以上の磁気検出信号(位置検出信号)の異常を示す動作停止用異常検出フラグが出力された場合には、回転情報の算出並びにモータの回転制御を停止する。
このように、本実施形態の回転情報算出装置によれば、3相の磁気検出信号(位置検出信号)のサンプリング値a、b、cからA相の回転角度位置θA4、B相の回転角度位置θB3、C相の回転角度位置θC4を算出し、それらが同等であるときには、それらの回転角度位置を正常な回転角度位置として出力することができる。一方、これらの回転角度位置が同等でない場合には、何れかの磁気検出信号(位置検出信号)に異常が発生していると検出することができる。
そして、予め磁気検出信号(位置検出信号)が正常な状態での磁気検出信号(位置検出信号)値と回転角度位置の関係を理想角度データテーブルとして記憶し、サンプリング値a、b、cに応じた理想角度データをデータテーブルから算出し、それらの理想角度データが同等であるか否かを比較することで、異常の発生している磁気検出信号(位置検出信号)を特定することができる。また、異常の発生している磁気検出信号(位置検出信号)が1つだけである場合には、正常な残りの磁気検出信号(位置検出信号)を用いた回転角度位置を出力することが可能となる。
次に、本発明の第2実施形態について、図11及び図12を用いて説明する。
図11は、本発明の係る回転情報算出装置を電動直結式パワーステアリング装置(以下、電動パワーステアリング装置と称する)に適用した場合の全体構成図である。
図11の符号3は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール3に運転者から作用される操舵力が入力軸4aと出力軸4bとを有するステアリングシャフト4に伝達される。このステアリングシャフト4は、入力軸4aの一端がステアリングホイール3に連結され、入力軸4aの他端は、回転情報算出装置を備えたトルクセンサ5を介して出力軸4bの一端に連結されている。
出力軸4bに伝達された操舵力は、ユニバーサルジョイント6を介してロアシャフト7に伝達され、更にユニバーサルジョイント8を介してピニオンシャフト9に伝達される。このピニオンシャフト9に伝達された操舵力はステアリングギヤ10を介してタイロッド11に伝達され、図示しない転舵輪を転舵させる。ここで、ステアリングギヤ10は、ピニオンシャフト9に連結されたピニオン10aと、このピニオン10aに噛合するラック10bとを有するラックアンドピニオン形式に構成され、ピニオン10aに伝達された回転運動をラック10bで直進運動に変換している。
ステアリングシャフト4の出力軸4bには、操舵補助力を出力軸4bに伝達する操舵補助機構12が連結されている。この操舵補助機構12は、出力軸4bに連結した減速ギヤ13と、この減速ギヤ13に連結されて操舵系に対して操舵補助力を発生する電動モータ14とを備えている。
トルクセンサ5から出力される操舵トルクTはコントローラ16に入力される。また、コントローラ16には、操舵トルクTの他に走行速度センサ17から出力される走行速度検出値Vも入力される。コントローラ16は、操舵トルクT及び走行速度Vに応じた操舵補助力を電動モータ14で発生するための電流指令値を算出し、当該電流指令値に基づいて電動モータ14を駆動制御する。
トルクセンサ5は、図12に示すように、ステアリングシャフト4の入力軸4a及び出力軸4bの間に同軸に連結され、捻れトルクが入力されると自身に捻れが生じる弾性部材からなるトーションバー18と、入力軸4aに連結された第1の回転情報算出装置2Aと、出力4bに連結された第2の回転情報算出装置2Bと、演算部15とで構成されている。
第1の回転情報算出装置2Aは、前述した第1実施形態の回転情報算出装置1と同一構成であり、第1の磁気センサ付き軸受装置100a及び第1の回転情報算出器200aとで構成され、第1の磁気センサ付き軸受装置100aの内輪24が入力軸4aの外周に外嵌されている。また、第2の回転情報算出装置1bも、前述した第1実施形態の回転情報算出装置1と同一構成であり、第2の磁気センサ付き軸受装置100b及び第2の回転情報算出器200bとで構成され、第2の磁気センサ付き軸受装置100bの内輪24が出力軸4bの外周に外嵌されている。
次に、本実施形態における動作及び効果について説明する。
運転者がステアリングホイール3を操作すると、ステアリングホイール3に連結された入力軸4aが回転し、この回転に連動して第1の回転情報算出装置2Aの第1の磁気センサ付き軸受装置100aの磁石ホルダ30が回転する。そして、磁石ホルダ30には磁石42が支持されているので、磁石ホルダ30と共に磁石42も回転する。そして、磁石42が回転することにより、磁路部材50の各磁路と磁石42との位置関係も周期的に変化する。磁気検出器60a〜60cには、磁路部材50の各磁路を介して磁石42からの磁束が通過し、夫々、通過磁束に対応する磁気検出信号cosθ、cos(θ−2π/3)、cos(θ−4π/3)が出力される。そして、第1の回転情報算出器200aは、前記3相の磁気検出信号に基づいて入力軸4aの絶対回転角度位置θ1を算出し、これを演算部15に出力する。
また、入力軸4aが回転すると、この回転トルクがトーションバー18を介して出力軸4bに伝達されて出力軸4bが回転し、この回転に連動して第2の回転情報算出装置2Bの第2の磁気センサ付き軸受装置100bの磁石ホルダ30が回転する。そして、第2の回転情報算出器200bは、第2の磁気センサ付き軸受装置100bから出力される3相の磁気検出信号に基づいて、出力軸4bの絶対回転角度位置θ2を算出し、これを演算部15に出力する。
演算部15は、絶対回転角度位置θ1と絶対回転角度位置θ2との差分値を算出し、当該差分値に基づいて操舵トルクTを算出し、これをコントローラ16に出力する。
コントローラ16は、操舵トルクT及び走行速度Vに応じた電流指令値を算出し、当該電流指令値に基づいて電動モータ14が駆動制御されることで、電動モータ14の発生トルクが減速ギヤ13を介してステアリングシャフト4の回転トルクに変換されて、運転者の操舵力がアシストされる。
本実施形態によれば、トルクセンサ5を構成する2つの回転情報算出装置2A、2Bは3相の磁気検出信号を用いて回転状態を算出しており、3相の磁気検出信号のうち何れか1つに異常が発生した場合であっても、残りの2相の磁気検出信号に基づいて回転状態を検出することができる。従って、操舵トルクTを算出する装置として2重系を構成することができ、信頼性の高いトルクセンサ5を備えたフェールセーフ制御を実行することができる。
また、第1及び第2の回転情報算出器200a、200bに、3相の磁気検出信号の異常を検出する異常検出部2aを設けることで、トルクセンサ5で検出される回転角度位置の信頼性を高めることができ、より信頼性の高いトルクセンサとすることができる。
なお、前記第2実施形態においては、第1の磁気センサ付き軸受装置100aを入力軸4aに同軸に連結する場合について説明したが、第1の磁気センサ付き軸受装置100aをトーションバー18の入力軸4a側の端部に連結してもよい。同様に、第2の磁気センサ付き軸受100bをトーションバー18の出力軸4b側端部に連結してもよい。
また、トーションバー18の捻れ角より小さい差分値(誤差)である2つの絶対回転角度を検出しているため、その誤差が許容範囲ならば、ステアリングホイール3の舵角や回転方向などの回転情報を算出する舵角センサとして2重系を構成することもできる。
また、本実施形態は、電動モータ14の操舵補助力を減速ギヤ13に伝達するパワーステアリング装置に適用したが、オイルポンプを電動モータで駆動して油圧を発生する電動油圧式のパワーステアリング装置に適用してもよい。
また、本実施形態では、第1の回転情報算出装置2Aだけを具備してもよい。それによって、高精度の絶対回転角度位置などの回転情報を算出し、出力することができる。また、第1の回転情報算出装置2Aは3相の磁気検出信号を用いて回転情報を算出しており、3相の磁気検出信号のうち何れか1つの異常が発生した場合であっても、残りの2相の磁気検出信号に基づいて回転情報を検出することができる。従って、全体回転角度位置等の回転情報を算出する装置として2重系を構築することができ、信頼性の高い回転情報を得ることができる。
また、第1の回転情報算出装置2Aだけを具備する場合、電動パワーステアリング装置だけでなく、油圧パワーステアリング装置やアシスト機能がないステアリング装置に適用してもよい。
また、前記各実施形態では、着磁部材は端が尖っている形状の構成を示したが、これに限らず、生産性を考えて、着磁部材の端に丸みを付けた形状でもよい。この場合、端が尖っている形状の場合と同じ位置に着磁部材を配置するため、着磁部材間に空隙を設けて配置する。
また、回路基板は馬蹄形に形成したものとしたが、これに限らず、リング状やその他形状でもよい。
また、前記各実施形態において、磁石の形状が回転方向に正弦波状に変化している構成を説明したが、これに限らず、円環状の磁石を正弦波状に着磁する方法でもよい。
また、前記各実施形態において、磁気式のセンサでの構成を説明したが、これに限らず、レゾルバやその他の120度位相3相正弦波を出力するセンサでもよい。
また、前記各実施形態において、磁気検出器がアナログホールICである構成を説明したが、これに限らず、他のアナログ素子であってもよい。しかしながら、ホール素子等のような一般のアナログ素子の場合、感度が低く、外部に増幅回路が必要になるが、アナログホールICを使用すると、アナログホールIC内部に増幅回路が組み込まれているので、外部に増幅回路を設ける必要がなくなるため、アナログホールICを使うのが望ましい。
また、前記各実施形態において、磁気センサ付き軸受装置が玉軸受を有する構成を説明したが、これに限らず、円錐ころ軸受、ニードル軸受、ころ軸受、複列軸受、その他任意の種類の軸受を有する構成としてもよい。
1は回転情報算出装置、2aは異常検出部、2bは回転情報算出部、2Aは第1の回転情報算出装置、2Bは第2の回転情報算出装置、3はステアリングホイール、4はステアリングシャフト、4aは入力軸、4bは出力軸、5はトルクセンサ、14は電動モータ、16はコントローラ、18はトーションバー、22は外輪、24は内輪、26はボール(転動体)、30は磁石ホルダ、42は磁石、42a、42bは着磁部材、50は磁路部材、51は円弧部、52は空隙、60a〜60cは磁気検出器(位置検出センサ)、70は回路基板、80はセンサカバー、100は磁気センサ付き軸受装置、100aは第1の磁気センサ付き軸受装置、100bは第2の磁気センサ付き軸受装置、200は回転情報算出器、200aは第1の回転情報算出器、200bは第2の回転情報算出器

Claims (11)

  1. 3相の位置検出センサから出力され且つ回転子の回転角度に応じて変化する位相の異なる3つの位置検出信号を入力し、入力した位置検出信号に基づいて前記回転子の回転角度位置を算出する回転情報算出装置であって、
    前記3つの位置検出信号の夫々について、サンプリング値を取得するサンプリング値取得手段と、
    前記取得したサンプリング値に基づいて、前記回転子の回転角度位置を算出する回転角度位置算出手段と、
    前記取得したサンプリング値に基づいて、前記位置検出信号の異常を検出する異常検出手段とを備え、
    前記異常検出手段は、前記位相の異なる3つの位置検出信号のサンプリング値に基づいて、前記位置検出センサの各相に対して、少なくとも1つの算出方法で回転角度位置を算出し、当該算出した回転角度位置に基づいて、前記3つの位置検出信号の異常を検出することを特徴とする回転情報算出装置。
  2. 前記3相の位置検出センサは、磁石とホールICからなる3相の磁気式位置検出センサであることを特徴とする請求項1に記載の回転情報算出装置。
  3. 前記位置検出センサの3つの相をA相、B相、C相とし、A相、B相、C相の各相に対応する位置検出信号のサンプリング値を夫々a、b、cとし、
    前記異常検出手段は、前記サンプリング値a及びb、前記サンプリング値b及びc、並びに前記サンプリング値c及びaの3つの組合せに基づいて、前記組合せ毎に異なる算出方法を用いて、前記位置検出センサの各相に対して、少なくとも1つの回転角度位置を算出し、当該算出した各相間の回転角度位置同士が同等であるか否かの判定に基づき、前記位相の異なる3つの位置検出信号の異常を検出することを特徴とする請求項1に記載の回転情報算出装置。
  4. 前記異常検出手段は、前記各相間の前記回転角度位置同士の差分値の絶対値が所定値以下である場合に、それらの回転角度位置が同等であると判定することを特徴とする請求項3に記載の回転情報算出装置。
  5. 前記サンプリング値a、b、cの夫々に対応する理想角度データを比較することによって、異常の発生している位置検出信号を特定することを特徴とする請求項3又は4に記載の回転情報算出装置。
  6. 前記異常検出手段は、異常が検出されたときに、当該異常の情報を含む異常検出フラグを出力することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の回転情報算出装置。
  7. 前記回転角度位置算出手段は、前記異常検出手段によって、前記3つの位置検出信号のうちの何れか1つに異常が検出された場合、当該異常の検出された位置検出信号の相を除く、残り2つの相の位置検出信号に対するサンプリング値に基づいて回転角度位置を算出することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の回転情報算出装置。
  8. 静止輪と回転輪との間に複数の転動体が配設された軸受装置において、前記請求項1乃至7の何れか一項に記載の回転情報算出装置で回転輪の回転角度を算出し、算出された回転角度情報を出力することを特徴とする軸受装置。
  9. 前記請求項1乃至7の何れか一項に記載の回転情報算出装置で回転軸の回転角度を算出し、算出された回転角度情報に基づいて回転軸の回転制御を行うことを特徴とするモータ制御装置。
  10. 前記請求項1乃至7の何れか一項に記載の回転情報算出装置でステアリングホイールの回転角度を算出し、算出された回転角度情報を出力することを特徴とするステアリング装置。
  11. 前記請求項1乃至7の何れか一項に記載の回転情報算出装置でトーションバーの入力側及び出力側の回転角度を算出し、それらの回転角度情報に基づいてステアリングホイールからステアリングシャフトに伝達される操舵トルクを算出し、算出された操舵トルクに基づいて電動モータから前記ステアリングシャフトに補助トルクを伝達することを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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