JP5429349B2 - 異常検出装置、電動パワーステアリング装置、車両、回転情報算出方法及び異常検出方法 - Google Patents
異常検出装置、電動パワーステアリング装置、車両、回転情報算出方法及び異常検出方法 Download PDFInfo
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Description
特許文献1には、磁界を発生する磁石と、磁界内に設けられた4つの磁気検出器(ホール素子)と、各磁気検出器間に設けられていて、磁気検出器に固定されて一体に回転するように結合された、強磁性材製の磁束案内部材とを備え、磁石は、磁気検出器および磁束案内部材に関して回転可能に構成された角度センサが開示されている。
また、回転軸の回転状態を示す情報を検出する機能を有するセンサを軸受に付加したセンサ付き軸受装置が提案されている。例えば、多極に着磁された磁石の磁極をデジタル出力のホールICで検出し、ホールICからパルス信号を出力するようにしたものがある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る回転情報算出装置の異常検出装置は、回転子に支持された磁石ホルダと、前記磁石ホルダに支持された磁石と、固定子に支持され、当該固定子の円周方向にそれぞれ所定間隔で配置された、入力磁束に応じた信号を出力する複数の磁気検出器と、前記固定子に支持され且つ前記複数の磁気検出器の円周方向の間に配設された、前記複数の磁気検出器に前記磁石からの磁束を導く複数の磁路を有した磁路部材と、前記回転子の回転時に、前記磁路部材の各磁路と前記磁石との位置関係に応じて位相の変化する、前記複数の磁気検出器からの複数相の出力信号に基づき、前記回転子の回転状態を示す情報を算出する回転状態算出手段と、を備えた回転情報算出装置において、前記磁路部材の複数の磁路は、平板を円弧状に形成した複数の円弧部を、互いの周方向の端部の間に複数の空隙を設けて円環板状に配置することで構成され、前記複数の磁気検出器は、前記複数の円弧部の間に設けた前記空隙にそれぞれ配置されているとともに、前記磁石は、板厚方向の外周面及び内周面が回転方向に正弦波状に変化する三日月板状とした2つの着磁部材を互いの周方向端部を向か合わせることで円環板状をなして構成され、前記磁石を前記円環板状に配置した前記複数の円弧板に回転軸方向に対向して配置し、前記2つの着磁部材の一方のS極に着磁された面が前記円弧板に対向し、前記2つの着磁部材の他方のN極に着磁された面が前記円弧板に対向するように配置し、前記複数の磁気検出器から入力した複数の磁気検出信号に基づいてサンプリング値を取得し、前記サンプリング値に基づき、前記複数の磁気検出信号の異常を検出するようにした。
また、本発明の一態様に係る電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールからステアリングシャフトに伝達される操舵トルクを、発明1の回転情報算出装置の異常検出装置を搭載したトルクセンサで算出し、算出した前記操舵トルクに基づいて電動モータから前記ステアリングシャフトに補助トルクを伝達するようにした。
また、本発明の一態様に係る車両は、回転子に支持された磁石ホルダと、前記磁石ホルダに支持された磁石と、固定子に支持され、当該固定子の円周方向にそれぞれ所定間隔で配置された、入力磁束に応じた信号を出力する複数の磁気検出器と、前記固定子に支持され且つ前記複数の磁気検出器の円周方向の間に配設された、前記複数の磁気検出器に前記磁石からの磁束を導く複数の磁路を有した磁路部材と、を有するセンサ付き軸受装置を備えた車両であって、前記磁路部材の複数の磁路は、平板を円弧状に形成した複数の円弧部を、互いの周方向の端部の間に複数の空隙を設けて円環板状に配置することで構成され、前記複数の磁気検出器は、前記複数の円弧部の間に設けた前記空隙にそれぞれ配置されているとともに、前記磁石は、板厚方向の外周面及び内周面が回転方向に正弦波状に変化する三日月板状とした2つの着磁部材を互いの周方向端部を向か合わせることで円環板状をなして構成され、前記磁石を前記円環板状に配置した前記複数の円弧板に回転軸方向に対向して配置し、前記2つの着磁部材の一方のS極に着磁された面が前記円弧板に対向し、前記2つの着磁部材の他方のN極に着磁された面が前記円弧板に対向するように配置した。
また、本発明の一態様に係る車両は、発明2の電動パワーステアリング装置を備えている。
また、本発明の一態様に係る回転情報算出装置の回転情報算出方法は、静止輪と回転輪との間に複数の転動体が配設された軸受と、前記回転輪に支持された磁石ホルダと、前記磁石ホルダに支持された磁石と、前記静止輪に支持され、当該静止輪の円周方向にそれぞれ所定間隔で配置された、入力磁束に応じた信号を出力する複数の磁気検出器と、前記静止輪に支持され且つ前記複数の磁気検出器の円周方向の間に配設された、前記複数の磁気検出器に前記磁石からの磁束を導く複数の磁路を有した磁路部材と、を備えた回転情報算出装置において、前記回転輪の回転状態を示す情報を算出する回転情報算出方法であって、前記磁路部材の複数の磁路は、平板を円弧状に形成した複数の円弧部を、互いの周方向の端部の間に複数の空隙を設けて円環板状に配置することで構成され、前記複数の磁気検出器は、前記複数の円弧部の間に設けた前記空隙にそれぞれ配置されているとともに、前記磁石は、板厚方向の外周面及び内周面が回転方向に正弦波状に変化する三日月板状とした2つの着磁部材を互いの周方向端部を向か合わせることで円環板状をなして構成され、前記磁石を前記円環板状に配置した前記複数の円弧板に回転軸方向に対向して配置し、前記2つの着磁部材の一方のS極に着磁された面が前記円弧板に対向し、前記2つの着磁部材の他方のN極に着磁された面が前記円弧板に対向するように配置し、前記回転輪の回転時に、前記磁路部材の各磁路と前記磁石との位置関係に応じて位相の変化する、3つの磁気検出器からの3つの相の出力信号に基づき、前記回転輪の回転状態を示す情報を算出する回転状態算出手段と、前記3つの磁気検出器の3つの相をA相、B相、C相とし、A相、B相、C相の各相に対応する磁気検出信号のサンプリング値をそれぞれa、b、cとし、異常検出手段は、サンプリング値a及びb、サンプリング値a及びc、並びに前記サンプリング値b及びcの3つの組み合わせのうち少なくとも2つの組み合わせに基づいて、当該組み合わせ毎に異なる算出方法を用いて、磁気検出器の相毎に、少なくとも2つの回転角度位置を算出し、当該算出した各相の回転角度位置に基づき、位相の異なる3つの磁気検出信号の異常を検出する前記異常検出手段と、を備え、前記回転情報算出手段は、前記3つの磁気検出信号のうち、前記異常検出手段によって異常が検出された磁気検出信号以外の磁気検出信号の各相に対する、当該異常の検出に用いた前記回転角度位置の平均値を、前記回転輪の回転角度位置として算出するとともに、前記回転情報算出手段は、前記異常検出手段によって、前記複数の磁気検出信号のうち何れか1つに異常が検出されたときに、当該異常の検出された磁気検出信号の相を除く、残りの相の磁気検出信号に対するサンプリング値に基づき前記回転状態を示す情報を算出する。
また、本発明の一態様に係る回転情報算出装置の異常検出方法は、静止輪と回転輪との間に複数の転動体が配設された軸受と、前記回転輪に支持された磁石ホルダと、前記磁石ホルダに支持された磁石と、前記静止輪に支持され、当該静止輪の円周方向にそれぞれ所定間隔で配置された、入力磁束に応じた信号を出力する3つの磁気検出器と、前記静止輪に支持され且つ前記3つの磁気検出器の円周方向の間に配設された、前記3つの磁気検出器に前記磁石からの磁束を導く複数の磁路を有した磁路部材と、前記回転輪の回転時に、前記磁路部材の各磁路と前記磁石との位置関係に応じて位相の変化する、前記複数の磁気検出器からの複数相の出力信号に基づき、前記回転輪の回転状態を示す情報を算出する回転状態算出手段と、を備えた回転情報算出装置において、磁気検出信号の異常を検出する異常検出方法であって、前記磁路部材の複数の磁路は、平板を円弧状に形成した複数の円弧部を、互いの周方向の端部の間に複数の空隙を設けて円環板状に配置することで構成され、前記複数の磁気検出器は、前記複数の円弧部の間に設けた前記空隙にそれぞれ配置されているとともに、前記磁石は、板厚方向の外周面及び内周面が回転方向に正弦波状に変化する三日月板状とした2つの着磁部材を互いの周方向端部を向か合わせることで円環板状をなして構成され、前記磁石を前記円環板状に配置した前記複数の円弧板に回転軸方向に対向して配置し、前記2つの着磁部材の一方のS極に着磁された面が前記円弧板に対向し、前記2つの着磁部材の他方のN極に着磁された面が前記円弧板に対向するように配置し、3つの磁気検出器の3つの相をA相、B相、C相とし、A相、B相、C相の各相に対応する磁気検出信号のサンプリング値をそれぞれa、b、cとし、異常検出手段は、サンプリング値a及びb、サンプリング値a及びc、並びに前記サンプリング値b及びcの3つの組み合わせのうち少なくとも2つの組み合わせに基づいて、当該組み合わせ毎に異なる算出方法を用いて、磁気検出器の相毎に、少なくとも2つの回転角度位置を算出し、当該算出した各相の回転角度位置に基づき、位相の異なる3つの磁気検出信号の異常を検出するようにした。
また、発明3によれば、センサ付き軸受装置を備えた車両とすることで、磁気検出信号を高精度に検出して回転情報を得ることができる。
また、発明4によれば、運転者の操舵力をアシストすることができる車両を提供することができる。
また、発明6によれば、複数の磁気検出信号の異常を正確に検出することができる。
さらに、発明5,6によれば、複数相の磁気検出器から出力される複数の磁気検出信号の異常を検出することができるので、回転角度位置の信頼性を高めることができる。
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づき説明する。図1〜図7は、本発明に係る回転情報算出装置の第1の実施の形態を示す図である。
まず、本発明の第1の実施の形態に係る回転情報算出装置の構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る回転情報算出装置1の構成を示すブロック図である。
ここで、図2は、磁気センサ付き軸受装置100の斜視図であり、図3は、磁気センサ付き軸受装置100の分解斜視図であり、図4は、磁気センサ付き軸受装置100の軸方向の断面図である。また、図5は、磁気センサ付き軸受装置100の磁気検出器60a〜60cから出力される磁気検出信号を示す図である。また、図6は、磁気検出信号の出力原理を示す図である。
玉軸受は、内輪24と、外輪22と、内輪24及び外輪22との間に介在する転動体としての複数個のボール26とを備えた構成となっている。また、内輪24及び外輪22のうちの一方が静止輪となり、他方が回転輪となる。回転輪は、モータ等の回転軸の回転に連動して、静止輪との間に介在するボール26を転動させながら回転する。
内輪24を回転輪とすると、内輪24には円環状の磁石ホルダ30が支持される。磁石ホルダ30は磁性体として、磁性材料から構成されている。更に、磁石ホルダ30には、円環板状の磁石40が支持される。磁石40は、その半周の円周面がS極に着磁され、あとの半周の円周面がN極に着磁されている。つまり、磁石40は、2極に着磁されている。
また、磁路部材50、磁気検出器60a〜60c、磁石40、磁石ホルダ30によって構成される磁気センサ部は、センサカバー80で覆われている。
また、図4に示すように、磁石40と磁路部材50との間には空間ギャップがある。この空間ギャップは、狭い方が磁気検出器60a〜60cに案内される磁束の量が多くなるが、あまり狭すぎると磁石40と磁路部材50が接触する可能性があるので、0.1[m
m]〜2.0[mm]くらいが望ましい。
図1に戻って、回転情報算出器200は、磁気センサ付き軸受装置100から出力される3つの磁気検出信号に基づき、絶対回転角度位置θ、回転角速度ω、回転方向などの回転輪(回転軸)の回転状態を示す回転情報を周期的に算出する。そして、算出した回転情報は、不図示の出力対象へと出力される。
また、回転情報算出器200は、回転方向を算出するために、算出した絶対回転角度位置θをRAMに保持するようになっている。
そして、ROMに予め記憶された専用のコンピュータプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムに記述された命令に従って演算処理装置が各種ハードウェアの制御および各種演算処理を行うことで前述した回転情報の算出処理を実現するようになっている。
回転情報算出処理は、回転情報算出器200で実行されると、図7に示すように、まずステップS100に移行し、回転情報算出器200において、磁気検出器60a〜60cから、磁気検出信号のサンプリング値を取得したか否かを判定し、取得したと判定された場合(Yes)は、ステップS102に移行し、そうでない場合(No)は、取得するまで待機する。
ステップS104では、回転情報算出器200において、ステップS102で算出した絶対回転角度位置θと、不図示のパルスカウンタでカウントした、内輪24の回転に応じたパルス信号数とに基づき回転角速度ωを算出して、ステップS106に移行する。
ステップS108では、回転情報算出器200において、ステップS102〜S106の算出結果の信号を出力し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ここでは、磁気センサ付き軸受装置100を、モータの回転軸の軸受に適用した場合の動作を説明する。
不図示のドライバからの駆動信号に応じてモータが駆動すると、モータの回転軸が回転し、この回転に連動して磁気センサ付き軸受装置100の内輪24が回転する。内輪24には磁石40が支持されているので、内輪24と共に磁石40も回転する。そして、磁石40が回転することにより、磁路部材50の各磁路と磁石40との位置関係も周期的に変化する。
磁気検出器60a〜60cから出力される3つの磁気検出信号は、先述したように、磁気検出器60a〜60cが電気角120°の位相を有するように配置されているため、磁気検出信号cosθ、cos(θ-2π/3)、cos(θ-4π/3)となって出力される。ここで、磁気検出器60aの出力をA相、磁気検出器60bの出力をB相、磁気検出器60cの出力をC相とする。
例えば、1周を10ビット(1024)に分割し、パルス発生器から、内輪24の回転に応じてパルス信号を出力する。このパルス信号をパルスカウンタでカウントし、このカウント値から回転に応じた時間tを算出する。そして、この時間tと、絶対回転角度位置θとにより、回転角速度ωを算出する。
回転方向が算出されると、これと、上記算出した、絶対回転角度位置θと、回転角速度ωとの情報を含む信号を、不図示の出力対象に出力する(ステップS108)。
上記第1の実施の形態において、回転情報算出装置1が、本願発明の回転情報算出装置に対応し、外輪22及び内輪24が、本願発明の静止輪及び回転輪に対応し、回転情報算出器200及びステップS100〜S108が、本願発明の回転情報算出手段に対応する。
また、上記第1の実施の形態において、回転角度位置を、3相−2相変換で2相に変換し、その比(アークタンジェント)から求めたが、これに限らず、他の方法を用いて求める構成としても良い。
次に、本発明の第2の実施の形態を図面に基づき説明する。図8〜図11は、本発明に係る回転情報算出装置の第2の実施の形態を示す図である。
まず、本発明の第2の実施の形態に係る回転情報算出装置の構成を図8に基づき説明する。図8は、本発明の第2の実施の形態に係る回転情報算出装置2の構成を示すブロック図である。
ここで、磁気センサ付き軸受装置100は、上記第1の実施の形態と同様の構成であるので詳細な説明を省略する。
ここで、図9は、回転情報算出器200の詳細な構成を示すブロック図である。
回転情報算出器200は、図9に示すように、磁気センサ付き軸受装置100からの、3相のアナログの磁気検出信号cosθ、cos(θ-2π/3)、cos(θ-4π/3)の異常を検出する異常検出部2aと、回転輪(内輪24)の回転情報を算出する回転情報算出部2bとを有して構成されている。以下、上記第1の実施の形態と同様に、磁気検出器60a〜60cの構成する各相をそれぞれA相〜C相とする。
具体的に、異常検出部2aは、A相、B相、C相の各相毎に、サンプリング値a、b、cを用いて絶対回転角度位置を算出する第1式を、サンプリング値a、b、cの数学的関係を用いて変形した第2〜第4式を用いて、前記各相の絶対回転角度位置を算出する。
一方、サンプリング値a、b、cのうち2つ以上に異常が発生している場合は、動作停止用の異常検出フラグを、回転情報算出器200内部の不図示の動作制御部及び外部装置に出力する。
回転情報算出部2bは、異常検出部2aから入力された絶対回転角度位置を平均して、外部出力用の絶対回転角度位置θとして算出し、更に、回転角速度ω、回転方向を回転情報として算出する。そして、当該算出した回転情報を、不図示の出力対象に出力する。
また、回転情報算出器200は、回転方向を算出するために、算出した絶対回転角度位置θをRAMに保持するようになっている。
ここで、図10は、異常検出部2aの異常検出処理を示すフローチャートである。
異常検出処理は、専用のソフトウェアを演算処理装置に実行させることで行われる処理であって、回転情報算出装置2の演算処理装置において実行されると、図10に示すように、まずステップS200に移行する。
ステップS202では、異常検出部2aにおいて、ステップS200で取得したサンプリング値a及びbと、A相、B相、C相の各相に対応する第2式とを用いて絶対回転角度位置θA2、θB2、θC2を算出して、ステップS204に移行する。
具体的に、第2式で算出した3つの絶対回転角度位置θA2、θB2、θC2の各2つの差分値(θA2-θB2)、(θA2-θC2)、(θB2-θC2)が、所定の誤差範囲内に3つとも収まっているときに等しいと判定される。以下、第3式及び第4式においても同様の方法で判定を行う。
ステップS208では、異常検出部2aにおいて、第3式で算出した3つの絶対回転角度位置は、3つとも等しいか否かを判定し、3つとも等しいと判定された場合(Yes)は、
ステップS210に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS214に移行する。
ステップS212では、異常検出部2aにおいて、第2〜第4式で算出した9つの絶対回転角度位置を、回転情報算出部2bに出力し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
また、ステップS204において、第2式で算出した回転角度位置が3つとも等しくなく、ステップS216に移行した場合は、異常検出部2aにおいて、ステップS200で取得したサンプリング値a及びcと、A相、B相、C相の各相に対応する第3式とを用いて絶対回転角度位置θA3、θB3、θC3を算出して、ステップS218に移行する。
ステップS220に移行した場合は、異常検出部2aにおいて、第3式で算出した3つの絶対回転角度位置θA3、θB3、θC3を回転情報算出部2bに出力すると共に、磁気検出器60a〜60cにおけるB相の磁気検出信号に異常が発生していることを示すB相信号異常検出フラグを外部装置に出力し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS224では、異常検出部2aにおいて、第4式で算出した3つの絶対回転角度位置は、3つとも等しいか否かを判定し、3つとも等しいと判定された場合(Yes)は、ステップS226に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS228に移行する。
一方、ステップS228に移行した場合は、異常検出部2aにおいて、動作停止用の異常検出フラグを、内部の動作制御部(演算処理装置)や外部装置などに出力し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ここで、図11は、回転情報算出部2bの回転情報算出処理を示すフローチャートである。
回転情報算出処理は、専用のソフトウェアを演算処理装置に実行させることで行われる処理であって、回転情報算出装置2の演算処理装置において実行されると、図11に示すように、まずステップS300に移行する。
ステップS302に移行した場合は、回転情報算出部2bにおいて、取得した絶対回転角度位置の平均値を、内輪24(回転軸)の絶対回転角度位置θとして算出して、ステップS304に移行する。
ステップS306では、回転情報算出部2bにおいて、ステップS302で算出した絶対回転角度位置θと、過去に算出した絶対回転角度位置θとに基づき回転方向を算出して、ステップS308に移行する。
ステップS308では、回転情報算出部2bにおいて、ステップS302〜S306の算出結果の信号を出力し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
まず、異常検出部2aにおいて、磁気検出器60a〜60cのA相、B相、C相の各相に対する回転角度位置の算出に用いられる算出式について説明する。
磁気検出器60a〜60cのA相〜C相からの磁気検出信号のサンプリング値a、b、cは、下式(1)で表すことができる。
B相:b=cos(θ-2π/3) ・・・(1)
C相:c=cos(θ-4π/3)
上式(1)より、サンプリング値a、b、cの数学的関係を利用して、異常検出用の回転角度位置の算出式(上述した第1式〜第4式)を求めるための異常検出パラメータとして、下式(2)を求める。
ここでは、磁気センサ付き軸受装置100を、モータの回転軸の軸受に適用した場合の動作を説明する。
不図示のドライバからの駆動信号に応じてモータが駆動すると、モータの回転軸が回転し、この回転に連動して磁気センサ付き軸受装置100の内輪24が回転する。内輪24には磁石40が支持されているので、内輪24と共に磁石40も回転する。そして、磁石40が回転することにより、磁路部材50の各磁路と磁石40との位置関係も周期的に変化する。
回転情報算出器200は、サンプリングタイミングになると、異常検出部2aにおいて、磁気検出器60a〜60cから出力される3相の磁気検出信号のサンプリング値a、b、cを取得する(ステップS200)。
異常検出部2aは、サンプリング値a、b、cを取得すると、まず、サンプリング値a及びbと、上式(3)に示す、A相、B相、C相にそれぞれ対応する第2式とを用いて、絶対回転角度位置θA2、θB2、θC2を算出する(ステップS202)。
ここで、閾値Etを−0.1[°]〜+0.1[°]の範囲にしたのは、ノイズによる誤差や、A/D変換による誤差等を考慮するためである。
この場合、異常検出部2aは、サンプリング値a及びcと、上式(3)に示す、A相、B相、C相にそれぞれ対応する第3式とを用いて、絶対回転角度位置θA3、θB3、θC3を算出する(ステップS206)。
従って、異常検出部2aは、第2式で算出した絶対回転角度位置θA2、θB2、θC2を回転情報算出部2bに出力すると共に、C相の信号に異常が発生していることを示すC相信号異常検出フラグを外部装置等に出力する(ステップS214)。
また、異常検出部2aは、C相に異常があるという情報を保持し、以降は、A相及びB相からのサンプリング値a及びbのみを用いて、第2式から3つの絶対回転角度位置θA2、θB2、θC2を算出し、これらを回転情報算出部2bに出力する。つまり、磁気検出器60a〜60cにおけるC相(磁気検出器60c)に異常があっても、残りのA相及びB相(磁気検出器60a及び60b)が正常であれば、回転角度位置の算出処理を継続して行い、算出結果を回転情報算出部2bに出力する。
一方、回転情報算出部2bは、異常検出部2aから、絶対回転角度位置θA2、θB2、θC2を取得すると(ステップS300)、まず、3つの絶対回転角度位置の平均値「(θA2+θB2+θC2)/3」を出力用の絶対回転角度位置θとして算出する(ステップS302)。
更に、回転角速度ωが算出されると、回転情報算出部2bは、次に、回転位置を算出する(ステップS306)。回転位置の算出方法は、上記第1の実施の形態と同様となるので具体的な説明を省略する。
この場合、異常検出部2aは、サンプリング値a、b、cが全て正常であることが解るので、更に、サンプリング値b及びcと、上式(3)に示す、A相、B相、C相にそれぞれ対応する第4式とを用いて、絶対回転角度位置θA4、θB4、θC4を算出する(ステップS210)。そして、上記取得したサンプリング値a、b、c、及び第2式〜第4式で算出した9つの絶対回転角度位置の全てを、回転情報算出部2bに出力する(ステップS212)。
そして、この絶対回転角度位置θを用いて回転角速度ωを算出する(ステップS304)。一方、上記算出した絶対回転角度位置θと、1回前に算出した絶対回転角度位置θとに基づき、回転方向を算出する(ステップS306)。
この場合、異常検出部2aは、サンプリング値a及びcと、上式(3)に示す、A相、B相、C相にそれぞれ対応する第3式とを用いて、絶対回転角度位置θA3、θB3、θC3を算出する(ステップS216)。
判定する(ステップS218の「No」の分岐)。
一方、回転情報算出部2bは、異常検出部2aから、絶対回転角度位置θA3、θB3、θC3を取得すると(ステップS300)、これら3つの絶対回転角度位置の平均値を出力用の絶対回転角度位置θとして算出する(ステップS302)。
そして、上記算出した絶対回転角度位置θ、回転角速度ω及び回転方向を含む信号を、不図示の出力対象に出力する(ステップS308)。
この場合は、サンプリング値a及びbの何れか一方、及びサンプリング値a及びcの何れか一方に異常があることが解る。しかし、これだけでは、サンプリング値aのみに異常があるのか、サンプリング値b及びcに異常があるのかが正確に解らない。従って、異常検出部2aは、更に、サンプリング値b及びcと、上式(3)に示す、A相、B相、C相にそれぞれ対応する第4式とを用いて、絶対回転角度位置θA4、θB4、θC4を算出する(ステップS222)。
一方、回転情報算出部2bは、異常検出部2aから、絶対回転角度位置θA4、θB4、θC4を取得すると(ステップS300)、これら3つの絶対回転角度位置の平均値を出力用の絶対回転角度位置θとして算出する(ステップS302)。
そして、上記算出した絶対回転角度位置θ、回転角速度ω及び回転方向を含む信号を、不図示の出力対象に出力する(ステップS308)。
この場合は、サンプリング値a、b、cのうち2つ以上に異常があることが解るので、異常検出部2aは、回転情報の算出処理を正常に機能させることは不可能であると判断し、動作停止用の異常検出フラグを、内部の動作制御部及び外部装置に出力する(ステップS228)。
回転情報算出器200の内部にある動作制御部は、異常検出部2aから動作停止用の異常検出フラグを取得すると、停止コマンドを発行して、異常検出部2a及び回転情報算出部2bの動作を停止する。
これにより、1相だけに異常が発生した場合でも回転情報の算出処理を継続し、出力対象の正常な動作を維持できるので、誤動作による出力対象の破損や危険の発生等を防ぐことが可能である。
これにより、信頼性の高い高精度な回転角度位置の算出が可能である。
なお、上記第2の実施の形態において、磁気検出器60a〜60cが本願発明3つの磁気検出器に対応し、ステップS200が本願発明のサンプリング値取得手段に対応し、異常検出部2a及びステップS202〜S228が本願発明の異常検出手段に対応し、回転情報算出部2b及びステップS300〜S308が本願発明の回転情報算出手段に対応する。
次に、本発明の第3の実施の形態について、図12から図14に基づき説明する。
本実施の形態は、磁気センサ付き軸受装置100の磁石ホルダ30に支持されている磁石41が、図12に示すように、円環筒状の部材であり、筒部半周の領域がS極に着磁され、残りの筒部半周の領域がN極に着磁されている。
上記構成の磁気センサ付き軸受装置100は、図13に示すように、磁気検出器60a〜60c、磁路部材50及び磁石ホルダ30がそれぞれ軸方向に積層されているとともに、磁路部材50の径方向内方に磁石41が配置された構造となっている。
次に、本発明の第4の実施の形態について、図15に基づき説明する。
本実施の形態の磁気センサ付き軸受装置100は、第1の実施の形態と同形状の磁路部材50に対してアキシャル方向に対向配置されている磁石42が、軸方向から見て2つの三日月板状の着磁部材42a,42bを円環状に配置することで構成されている。すなわち、2つの着磁部材42a,42bは、板厚方向の外周面及び内周面が回転方向に正弦波状に変化している部材であり、軸方向から見て磁路部材50と略同一の円形状となるように、互いの最も板幅が小さい部分が向かい合う状態で配置されている。
着磁部材42a,42bの内周面の形状FIN=r-(Acosθ/2) ・・・(4)
着磁部材42a,42bの外周面の形状Fout=r+(Acosθ/2) ・・・(5)
ただし、θは絶対回転角度位置、rは磁石42の中心半径、Aは磁石42の最大半径である。
そして、磁石42を構成する2つの着磁部材42a,42bの板厚方向に直交する面と、磁路部材50を構成する3つの円弧部51の壁部50aが突設している面に対して反対側の面とが、アキシャル方向に対向して配置されている。
次に、本発明の第5の実施の形態について、図16に基づき説明する。
本実施の形態の磁気センサ付き軸受装置100は、2つの磁気検出器60a,60bを電気角90°の位相をもつように実装した円弧形状の回路基板71と、磁性材料で構成した磁路部材50と、第4の実施の形態と同一形状の磁石42とが軸方向(アキシャル方向)に積層された構造とされている。
そして、回路基板71に実装された磁気検出器60a,60bは電気角90°位相で配置されているので、90°位相の2相正弦波が出力され、その比(アークタンジェント)を取ることにより絶対回転角度位置を算出する。
なお、第5の実施の形態は、2つの磁気検出器60a,60bを実装した回路基板71を使用しているが、電気角90°位相の4つの磁気検出器を実装した回路基板を使用し、磁路部材50の4箇所の空隙52のそれぞれに磁気検出器を配置することにより差動出力を得てシングルエンドに変換すると、ノイズに強い2相正弦波を得ることができる。
次に、本発明の第6の実施の形態について、図17に基づき説明する。
本実施の形態の磁気センサ付き軸受装置100は、3つの磁気検出器60a〜60cを電気角120°の位相をもつように実装した円弧形状の回路基板70(第4の実施の形態と同様の回路基板70)と、3つの円弧部54を備えた円環筒状の磁路部材50(第3の実施の形態の磁路部材50)とを軸方向(アキシャル方向)に積層し、磁路部材50の内径側(ラジアル方向)に磁石43を配置した構造としている。
2つの着磁部材43a,43bは、軸方向を向く一方の端面及び他方の端面が回転方向に正弦波状に変化している部材であり、互いの最も板幅が小さい部分が向かい合わされて円環筒状に配置されている。
FAX=Acosθ ・・・(6)
ただし、θは絶対回転角度位置、Aは磁石43の最大半径であり、着磁部材の厚さは軸方向の中心を基準に対称である。
そして、円環筒状に配置した2つの円弧形状の着磁部材43a,43bと、磁路部材50を構成する3つの円弧部54の内周面とが、ラジアル方向に対向して配置されている。
また、円環筒状とした磁石43を、円環筒状とした磁路部材50の径方向内方に配置しているので、磁気センサ付き軸受装置100の軸方向サイズを小さくすることができる。
さらに、本発明の第7の実施の形態について、図18に基づき説明する。
本実施の形態の磁気センサ付き軸受装置100は、2つの磁気検出器60a,60bを電気角90°の位相をもつように実装した円弧形状の回路基板71(第5の実施の形態と同様の回路基板71)と、4つの円弧部54を備えた円環筒状の磁路部材50とを軸方向(アキシャル方向)に積層し、磁路部材50の内径側(ラジアル方向)に磁石43(第6の実施の形態と同様の磁石43)を配置した構造としている。
本実施の形態によると、内輪24が回転すると、それに伴って磁石ホルダ30及び磁石43が回転する。この回転によって、磁石43と磁路部材50の磁路との位置関係(重なり具合)が周期的に変化する。この際、磁石43を構成する2つの着磁部材43a,43bが、軸方向を向く一方の端面及び他方の端面が回転方向に正弦波状に変化している部材なので、磁気検出器60a〜60cを通る磁束の強さも正弦波状に変化し、その結果、磁気検出信号も正弦波状となる。
したがって、本実施の形態も、信頼性の高い高精度な回転角度位置の算出結果を得ることができる。
なお、第7の実施の形態は、2つの磁気検出器60a,60bを実装した回路基板71を使用しているが、電気角90°位相の4つの磁気検出器を実装した回路基板を使用し、磁路部材50の4箇所の空隙53のそれぞれに磁気検出器を配置することにより差動出力を得てシングルエンドに変換すると、ノイズに強い2相正弦波を得ることができる。
また、上記第1の実施の形態において回路基板70は馬蹄形に形成したものとしたが、これに限らずリング状やその他形状でもよい。
また、上記第2の実施の形態においては、異常検出部2aの異常検出処理及び回転情報算出部2bの回転情報算出処理を、演算処理装置に専用のソフトウェアを実行させることで行う構成としたが、これに限らず、ハードウェア主体で前記各処理を実行する構成としても良い。
また、上記第2の実施の形態においては、磁気センサ付き軸受装置100と、回転情報算出装置2とを別々の構成としたが、これに限らず、回転情報算出装置2に磁気センサ付き軸受装置100を含む構成としても良い。この場合に、回転情報算出装置2を、センサ付き軸受装置100に組み込んで一体とする構成としても良い。
また、上記各実施の形態において、磁気センサ付き軸受装置100に、回転情報算出装置2を適用したが、これに限らず、回転軸の回転に応じた3相の磁気検出信号が得られるのであれば、磁気センサと、軸受とが別体となったものや、磁気センサ付き軸受装置が別の構成であるものなど、他の構成のものに適用しても良い。
また、上記4〜7の実施の形態において、磁石の形状が回転方向に正弦波状に変化している構成を説明したが、これに限らず円環状の磁石を正弦波状に着磁する方法でもよい。
また、上記各実施の形態において磁路部材50に壁部50a,55を有している構成を説明したが、図19から図24に示す磁気センサ付き軸受装置のように、磁路部材50に壁部を設けない構造としてもよい。この場合は、ホールICのホール素子部が磁路部材の厚さ方向の中心部に配置されるようにホールICの位置を決定することが望ましい。
また、上記各実施の形態において、磁気センサ付き軸受装置100が玉軸受を有する構成を説明したが、これに限らず、円錐ころ軸受、ニードル軸受、ころ軸受、複列軸受その他任意の種類の軸受を有する構成としても良い。
さらにまた、本発明の第8の実施の形態について、図25及び図26に基づき説明する。
図25は、本発明に係る回転情報算出装置を電動直結式パワーステアリング装置(以下、電動パワーステアリング装置と称する)に適用した場合を示す全体構成図である。
トルクセンサ5から出力される操舵トルクTはコントローラ16に入力される。また、コントローラ16には、操舵トルクTの他に車速センサ17から出力される車速検出値Vも入力する。コントローラ16は、操舵トルクT及び車速Vに応じた操舵補助力を電動モータ14で発生するための電流指令値を演算し、当該電流指令値に基づいて電動モータ14を駆動制御する。
運転者がステアリングホイール3を操作すると、ステアリングホイール3に連結された入力軸4aが回転し、この回転に連動して第1の回転情報算出装置2Aの第1の磁気センサ付き軸受装置100aの磁石ホルダ30が回転する。磁石ホルダ30には磁石40が支持されているので、磁石ホルダ30と共に磁石40も回転する。そして、磁石40が回転することにより、磁路部材50の各磁路と磁石40との位置関係も周期的に変化する。磁気検出器60a〜60cには、磁路部材50の各磁路を介して磁石40からの磁束が通過し、それぞれ、通過磁束に対応する磁気検出信号cosθ、cos(θ−2π/3)、cos(θ−4π/3)が出力される。そして、第1の回転情報算出器200aは、上記3相の磁気検出信号に基づいて入力軸4aの絶対回転角度位置θ1を算出し、これを演算部15に出力する。
コントローラ16は、操舵トルクT及び車速Vに応じた電流指令値を演算し、当該電流指令値に基づいて電動モータ14が駆動制御されることで、電動モータ14の発生トルクが減速ギヤ13を介してステアリングシャフト4の回転トルクに変換されて、運転者の操舵力がアシストされる。
また、第1及び第2の回転情報算出器200a,200bに、3相の磁気検出信号の異常を検出する異常検出部2aを設けることで、トルクセンサ5で検出される回転角度位置の信頼性を高めることができ、より信頼性の高いトルクセンサとすることができる。
また、本実施の形態のトルクセンサ5の第1の回転情報算出装置2A及び第2の回転情報算出装置2Bは、第2の実施の形態の回転情報算出装置2と同一構成としたが、前述した第1の実施の形態の回転情報算出装置2と同一構成であってもよい。
また、本実施の形態は、電動モータ14の操舵補助力を減速ギヤ13に伝達するパワーステアリング装置に適用したが、オイルポンプを電動モータで駆動して油圧を発生する電動油圧式のパワーステアリング装置に適用してもよい。
また、第1の回転情報算出装置2Aだけを具備する場合、電動パワーステアリング装置だけでなく、油圧パワーステアリング装置やアシスト機能がないステアリング装置に適用してもよい。
Claims (6)
- 回転子に支持された磁石ホルダと、前記磁石ホルダに支持された磁石と、固定子に支持され、当該固定子の円周方向にそれぞれ所定間隔で配置された、入力磁束に応じた信号を出力する複数の磁気検出器と、前記固定子に支持され且つ前記複数の磁気検出器の円周方向の間に配設された、前記複数の磁気検出器に前記磁石からの磁束を導く複数の磁路を有した磁路部材と、
前記回転子の回転時に、前記磁路部材の各磁路と前記磁石との位置関係に応じて位相の変化する、前記複数の磁気検出器からの複数相の出力信号に基づき、前記回転子の回転状態を示す情報を算出する回転状態算出手段と、を備えた回転情報算出装置において、
前記磁路部材の複数の磁路は、平板を円弧状に形成した複数の円弧部を、互いの周方向の端部の間に複数の空隙を設けて円環板状に配置することで構成され、前記複数の磁気検出器は、前記複数の円弧部の間に設けた前記空隙にそれぞれ配置されているとともに、
前記磁石は、板厚方向の外周面及び内周面が回転方向に正弦波状に変化する三日月板状とした2つの着磁部材を互いの周方向端部を向か合わせることで円環板状をなして構成され、
前記磁石を前記円環板状に配置した前記複数の円弧板に回転軸方向に対向して配置し、前記2つの着磁部材の一方のS極に着磁された面が前記円弧板に対向し、前記2つの着磁部材の他方のN極に着磁された面が前記円弧板に対向するように配置し、
前記複数の磁気検出器から入力した複数の磁気検出信号に基づいてサンプリング値を取得し、
前記サンプリング値に基づき、前記複数の磁気検出信号の異常を検出することを特徴とする回転情報算出装置の異常検出装置。 - ステアリングホイールからステアリングシャフトに伝達される操舵トルクを、請求項1記載の回転情報算出装置の異常検出装置を搭載したトルクセンサで算出し、算出した前記操舵トルクに基づいて電動モータから前記ステアリングシャフトに補助トルクを伝達するようにしたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
- 回転子に支持された磁石ホルダと、前記磁石ホルダに支持された磁石と、固定子に支持され、当該固定子の円周方向にそれぞれ所定間隔で配置された、入力磁束に応じた信号を出力する複数の磁気検出器と、前記固定子に支持され且つ前記複数の磁気検出器の円周方向の間に配設された、前記複数の磁気検出器に前記磁石からの磁束を導く複数の磁路を有した磁路部材と、を有するセンサ付き軸受装置を備えた車両であって、
前記磁路部材の複数の磁路は、平板を円弧状に形成した複数の円弧部を、互いの周方向の端部の間に複数の空隙を設けて円環板状に配置することで構成され、前記複数の磁気検出器は、前記複数の円弧部の間に設けた前記空隙にそれぞれ配置されているとともに、
前記磁石は、板厚方向の外周面及び内周面が回転方向に正弦波状に変化する三日月板状とした2つの着磁部材を互いの周方向端部を向か合わせることで円環板状をなして構成され、
前記磁石を前記円環板状に配置した前記複数の円弧板に回転軸方向に対向して配置し、前記2つの着磁部材の一方のS極に着磁された面が前記円弧板に対向し、前記2つの着磁部材の他方のN極に着磁された面が前記円弧板に対向するように配置したことを特徴とする車両。 - 請求項2の電動パワーステアリング装置を備えたことを特徴とする請求項3記載の車両。
- 静止輪と回転輪との間に複数の転動体が配設された軸受と、前記回転輪に支持された磁石ホルダと、前記磁石ホルダに支持された磁石と、前記静止輪に支持され、当該静止輪の円周方向にそれぞれ所定間隔で配置された、入力磁束に応じた信号を出力する複数の磁気検出器と、前記静止輪に支持され且つ前記複数の磁気検出器の円周方向の間に配設された、前記複数の磁気検出器に前記磁石からの磁束を導く複数の磁路を有した磁路部材と、を備えた回転情報算出装置において、前記回転輪の回転状態を示す情報を算出する回転情報算出方法であって、
前記磁路部材の複数の磁路は、平板を円弧状に形成した複数の円弧部を、互いの周方向の端部の間に複数の空隙を設けて円環板状に配置することで構成され、前記複数の磁気検出器は、前記複数の円弧部の間に設けた前記空隙にそれぞれ配置されているとともに、
前記磁石は、板厚方向の外周面及び内周面が回転方向に正弦波状に変化する三日月板状とした2つの着磁部材を互いの周方向端部を向か合わせることで円環板状をなして構成され、
前記磁石を前記円環板状に配置した前記複数の円弧板に回転軸方向に対向して配置し、前記2つの着磁部材の一方のS極に着磁された面が前記円弧板に対向し、前記2つの着磁部材の他方のN極に着磁された面が前記円弧板に対向するように配置し、
前記回転輪の回転時に、前記磁路部材の各磁路と前記磁石との位置関係に応じて位相の変化する、3つの磁気検出器からの3つの相の出力信号に基づき、前記回転輪の回転状態を示す情報を算出する回転状態算出手段と、
前記3つの磁気検出器の3つの相をA相、B相、C相とし、A相、B相、C相の各相に対応する磁気検出信号のサンプリング値をそれぞれa、b、cとし、異常検出手段は、サンプリング値a及びb、サンプリング値a及びc、並びに前記サンプリング値b及びcの3つの組み合わせのうち少なくとも2つの組み合わせに基づいて、当該組み合わせ毎に異なる算出方法を用いて、磁気検出器の相毎に、少なくとも2つの回転角度位置を算出し、当該算出した各相の回転角度位置に基づき、位相の異なる3つの磁気検出信号の異常を検出する前記異常検出手段と、を備え、
前記回転情報算出手段は、前記3つの磁気検出信号のうち、前記異常検出手段によって異常が検出された磁気検出信号以外の磁気検出信号の各相に対する、当該異常の検出に用いた前記回転角度位置の平均値を、前記回転輪の回転角度位置として算出するとともに、
前記回転情報算出手段は、前記異常検出手段によって、前記複数の磁気検出信号のうち何れか1つに異常が検出されたときに、当該異常の検出された磁気検出信号の相を除く、残りの相の磁気検出信号に対するサンプリング値に基づき前記回転状態を示す情報を算出することを特徴とする回転情報算出装置の回転情報算出方法。 - 静止輪と回転輪との間に複数の転動体が配設された軸受と、前記回転輪に支持された磁石ホルダと、前記磁石ホルダに支持された磁石と、前記静止輪に支持され、当該静止輪の円周方向にそれぞれ所定間隔で配置された、入力磁束に応じた信号を出力する3つの磁気検出器と、前記静止輪に支持され且つ前記3つの磁気検出器の円周方向の間に配設された、前記3つの磁気検出器に前記磁石からの磁束を導く複数の磁路を有した磁路部材と、前記回転輪の回転時に、前記磁路部材の各磁路と前記磁石との位置関係に応じて位相の変化する、前記複数の磁気検出器からの複数相の出力信号に基づき、前記回転輪の回転状態を示す情報を算出する回転状態算出手段と、を備えた回転情報算出装置において、磁気検出信号の異常を検出する異常検出方法であって、
前記磁路部材の複数の磁路は、平板を円弧状に形成した複数の円弧部を、互いの周方向の端部の間に複数の空隙を設けて円環板状に配置することで構成され、前記複数の磁気検出器は、前記複数の円弧部の間に設けた前記空隙にそれぞれ配置されているとともに、
前記磁石は、板厚方向の外周面及び内周面が回転方向に正弦波状に変化する三日月板状とした2つの着磁部材を互いの周方向端部を向か合わせることで円環板状をなして構成され、
前記磁石を前記円環板状に配置した前記複数の円弧板に回転軸方向に対向して配置し、前記2つの着磁部材の一方のS極に着磁された面が前記円弧板に対向し、前記2つの着磁部材の他方のN極に着磁された面が前記円弧板に対向するように配置し、
3つの磁気検出器の3つの相をA相、B相、C相とし、A相、B相、C相の各相に対応する磁気検出信号のサンプリング値をそれぞれa、b、cとし、異常検出手段は、サンプリング値a及びb、サンプリング値a及びc、並びに前記サンプリング値b及びcの3つの組み合わせのうち少なくとも2つの組み合わせに基づいて、当該組み合わせ毎に異なる算出方法を用いて、磁気検出器の相毎に、少なくとも2つの回転角度位置を算出し、当該算出した各相の回転角度位置に基づき、位相の異なる3つの磁気検出信号の異常を検出することを特徴とする回転情報算出装置の異常検出方法。
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