JP5082481B2 - 回転角度位置算出装置及びモータ - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、3相の位置検出センサの位置検出信号の異常を検出することが可能であり、異常発生後も、3相中の2相の位置検出信号が正常な場合に、継続して回転角度位置の計算を正確に行うことが可能な回転角度位置算出装置及びモータを提供することを目的としている。
このような構成であれば、前記サンプリング値取得手段によって、3相のレゾルバから出力される、位相の異なる3つの位置検出信号について、サンプリング値を取得することが可能である。
このような構成であれば、異常検出手段によって、前記位相の異なる3つの位置検出信号のサンプリング値に基づいて、前記位置検出センサの相毎に、少なくとも2通りの算出方法で回転角度位置を算出し、当該算出した回転角度位置に基づいて、前記3つの位置検出信号の異常を検出することが可能である。
前記異常検出手段は、前記サンプリング値a及びb、前記サンプリング値a及びc、並びに前記サンプリング値b及びcの3つの組み合わせのうち少なくとも2つの組み合わせに基づいて、当該組み合わせ毎に異なる算出方法を用いて、前記位置検出センサの相毎に、少なくとも2つの回転角度位置を算出し、当該算出した各相の回転角度位置に基づき、前記位相の異なる3つの位置検出信号の異常を検出することを特徴とする。
このような構成であれば、前記異常検出手段によって、前記各相に対する前記回転角度位置同士の差分値に基づき、前記位相の異なる3つの位置検出信号の異常を検出することが可能である。
このような構成であれば、回転角度位置算出手段によって、前記3つの位置検出信号のうち、前記異常検出手段によって異常が検出された位置検出信号以外の位置検出信号の各相に対する、当該異常の検出に用いた前記回転角度位置の平均値を、前記回転角度位置として算出することが可能である。
このような構成であれば、回転角度位置算出手段によって、前記異常検出手段によって、前記3つの位置検出信号のうちいずれか1つに異常が検出されたときに、当該異常の検出された位置検出信号の相を除く、残り2つの相の位置検出信号に対するサンプリング値に基づき回転角度位置を算出することが可能である。
このような構成であれば、異常検出手段によって、異常が検出されたときに、当該異常の情報を含む異常検出フラグを出力することが可能である。
更に、発明2の回転角度位置算出装置によれば、位置検出センサが3相のレゾルバである場合の、回転角度位置の信頼性を高めることができるという効果が得られる。
更に、発明4の回転角度位置算出装置によれば、各相の位置検出信号の異常を、容易且つ正確に検出することができるという効果が得られる。
更に、発明6の回転角度位置算出装置によれば、各算出方法で算出した正常な回転角度位置の平均値を、最終的な回転子の回転角度位置として算出するようにしたので、より高精度な回転角度位置を算出することができるという効果が得られる。
更に、発明8の回転角度位置算出装置によれば、位置検出信号に異常があったときに、例えば、異常の発生した相の情報を含む異常検出フラグを出力することができるので、出力先の外部装置等において、異常の発生を知ることができるという効果が得られる。
まず、本発明に係る回転角度位置算出装置の構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明に係る回転角度位置算出装置100の構成を示すブロック図である。
回転角度位置算出装置100は、図1に示すように、モータ等の回転軸に回転自在に取り付けられた3相のレゾルバ10と、レゾルバ10からの位置検出信号であるレゾルバ信号に基づいて回転軸の回転角度位置を算出するRDC20とを有して構成されている。
ここで、図2は、RDC20の詳細な構成を示すブロック図である。
RDC20は、図2に示すように、レゾルバ10に励磁信号sinωtを出力する励磁信号発生器11と、レゾルバ10からの、3相のアナログのレゾルバ信号cosθ、cos(θ-2π/3)、cos(θ-4π/3)を、ディジタルの信号に変換するA/Dコンバータ12とを有して構成されている。
RDC20は、更に、レゾルバ信号の異常を検出する異常検出部13と、回転角度位置θを算出する回転角度位置算出部14とを有して構成されている。
具体的に、異常検出部13は、A相、B相、C相の各相毎に、サンプリング値a、b、cを用いて回転角度位置を算出する第1式を、サンプリング値a、b、cの数学的関係を用いて変形した第2〜第4式を用いて、前記各相の回転角度位置を算出する。
一方、サンプリング値a、b、cのうち2つ以上に異常が発生している場合は、動作停止用の異常検出フラグを、RDC20内部の不図示の動作制御部及び外部装置に出力する。
回転角度位置算出部14は、異常検出部13から入力された回転角度位置の平均値を、外部出力用の回転角度位置として算出し、当該算出した回転角度位置を出力する。
また、RDC20は、前記異常検出部13、前記回転角度位置算出部14などにおける上記各機能をソフトウェア上で実現するため、及び上記各機能の実現に必要なハードウェアを制御するソフトウェアを実行するための不図示のコンピュータシステムを備えている。このコンピュータシステムのハードウェア構成は、各種制御や演算処理を担う演算処理装置(Processing Unit)と、主記憶装置(Main Storage)を構成するRAM(Random Access Memory)と、読み出し専用の記憶装置であるROM(Read Only Memory)と、前記各装置間をデータ授受可能に接続する各種内外バスとを有した構成となっている。
ここで、図3は、異常検出部13の異常検出処理を示すフローチャートである。
異常検出処理は、専用のソフトウェアを演算処理装置に実行させることで行われる処理であって、RDC20の演算処理装置において実行されると、図3に示すように、まずステップS100に移行する。
ステップS102では、異常検出部13において、ステップS100で取得したサンプリング値a及びbと、A相、B相、C相の各相に対応する第2式とを用いて回転角度位置θA2、θB2、θC2を算出して、ステップS104に移行する。
具体的に、第2式で算出した3つの回転角度位置θA2、θB2、θC2の各2つの差分値(θA2-θB2)、(θA2-θC2)、(θB2-θC2)が、所定の誤差範囲内に3つとも収まっているときに等しいと判定される。以下、第3式及び第4式においても同様の方法で判定を行う。
ステップS108では、異常検出部13において、第3式で算出した3つの回転角度位置は、3つとも等しいか否かを判定し、3つとも等しいと判定された場合(Yes)は、ステップS110に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS114に移行する。
ステップS112では、異常検出部13において、第2〜第4式で算出した9つの回転角度位置を、回転角度位置算出部14に出力し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
ステップS118では、異常検出部13において、第3式で算出した3つの回転角度位置は、3つとも等しいか否かを判定し、3つとも等しいと判定された場合(Yes)は、ステップS120に移行し、そうでない場合(No)は、ステップS122に移行する。
また、ステップS118において、第3式で算出した回転角度位置が3つとも等しくなく、ステップS122に移行した場合は、異常検出部13において、ステップS100で取得したサンプリング値b及びcと、A相、B相、C相の各相に対応する第4式とを用いて回転角度位置θA4、θB4、θC4を算出して、ステップS124に移行する。
ステップS126に移行した場合は、異常検出部13において、第4式で算出した3つの回転角度位置θA4、θB4、θC4を回転角度位置算出部14に出力すると共に、レゾルバ10のA相のレゾルバ信号に異常が発生していることを示すA相信号異常検出フラグを外部装置に出力し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
更に、図4に基づき、回転角度位置算出部14の回転角度位置算出処理の流れを説明する。
回転角度位置算出処理は、専用のソフトウェアを演算処理装置に実行させることで行われる処理であって、RDC20の演算処理装置において実行されると、図4に示すように、まずステップS200に移行する。
ステップS202に移行した場合は、回転角度位置算出部14において、取得した回転角度位置の平均値を算出して、ステップS204に移行する。
次に、本実施の形態の動作を説明する。
まず、異常検出部13において、レゾルバ10のA相、B相、C相の各相に対する回転角度位置の算出に用いられる算出式について説明する。
A相:a=cosθ
B相:b=cos(θ-2π/3) ・・・(1)
C相:c=cos(θ-4π/3)
上式(1)より、サンプリング値a、b、cの数学的関係を利用して、異常検出用の回転角度位置の算出式(上述した第1式〜第4式)を求めるための異常検出パラメータとして、下式(2)を求める。
ドライバからの駆動信号に応じてモータが駆動し、且つRDC20の励磁信号発生器11からレゾルバ10に励磁信号sinωtが供給されると、レゾルバ10からは、A相、B相、C相の各相に対応するレゾルバ信号cosθ、cos(θ-2π/3)、cos(θ-4π/3)が出力される。
異常検出部13は、A/Dコンバータ12からサンプリング値a、b、cを取得すると(ステップS100)、まず、サンプリング値a及びbと、上式(3)に示す、A相、B相、C相にそれぞれ対応する第2式とを用いて、回転角度位置θA2、θB2、θC2を算出する(ステップS102)。
以下、第2式で算出した回転角度位置が3つとも等しかった場合の動作を説明する。
この場合、異常検出部13は、サンプリング値a及びcと、上式(3)に示す、A相、B相、C相にそれぞれ対応する第3式とを用いて、回転角度位置θA3、θB3、θC3を算出する(ステップS106)。
従って、異常検出部13は、第2式で算出した回転角度位置θA2、θB2、θC2のみを回転角度位置算出部14に出力すると共に、C相の信号に異常が発生していることを示すC相信号異常検出フラグを外部装置等に出力する(ステップS114)。
また、異常検出部13は、C相に異常があるという情報を保持し、以降は、A相及びB相からのサンプリング値a及びbのみを用いて、第2式から3つの回転角度位置θA2、θB2、θC2を算出し、これらを回転角度位置算出部14に出力する。つまり、レゾルバ10のC相に異常があっても、残りのA相及びB相が正常であれば、回転角度位置の算出処理を継続して行い、算出結果を回転角度位置算出部14に出力する。
一方、回転角度位置算出部14は、異常検出部13から回転角度位置θA2、θB2、θC2を取得すると(ステップS200)、これら3つの回転角度位置の平均値「(θA2+θB2+θC2)/3」を出力用の回転角度位置θとして算出する(ステップS202)。そして、算出した回転角度位置θを、不図示の出力対象に出力する(ステップS204)。
この場合、異常検出部13は、サンプリング値a、b、cが全て正常であることが解るので、更に、サンプリング値b及びcと、上式(3)に示す、A相、B相、C相にそれぞれ対応する第4式とを用いて、回転角度位置θA4、θB4、θC4を算出する(ステップS110)。そして、第2式〜第4式で算出した9つの回転角度位置の全てを、回転角度位置算出部14に出力する(ステップS112)。
次に、上式(3)に示す、第2式で算出した回転角度位置が異常と判定された場合(ステップS104の「No」の分岐)の動作について説明する。
そして、上記第2式のときと同様に、第3式で算出したθA3、θB3、θC3に対して、各2つの差分値「θA3-θB3」、「θA3-θC3」、「θB3-θC3」を算出する。更に、これら差分値と閾値Etとを比較し、差分値が3つとも閾値Etの範囲内にあるときは、3つの回転角度位置は等しいと判定する(ステップS118の「Yes」の分岐)。また、差分値が1つでも閾値Etの範囲外にあるときは、3つの回転角度位置は等しくないと判定する(ステップS118の「No」の分岐)。
次に、第2式及び第3式で算出した回転角度位置が異常と判定された場合(ステップS118の「No」の分岐)の動作について説明する。
次に、第2式〜第4式で算出した回転角度位置が全て異常と判定された場合(ステップS124の「No」の分岐)の動作について説明する。
RDC20の内部にある動作制御部は、異常検出部13から動作停止用の異常検出フラグを取得すると、停止コマンドを発行して、励磁信号発生器11、A/Dコンバータ12、異常検出部13及び回転角度位置算出部14の動作を停止する。
また、本実施の形態の回転角度位置算出装置100は、A相、B相、C相のうち、異常の発生していない相が1つしかない場合に、正常な相のサンプリング値を用いて、継続して回転角度位置の算出処理を行うことが可能である。
また、本実施の形態の回転角度位置算出装置100は、A相、B相、C相のうち、正常な相に対する上記第1〜第4式で算出した回転角度位置の平均値を、出力用の回転角度位置θとして算出することが可能である。
以上、上記実施の形態において、レゾルバ10は、発明1の3相の位置検出センサに対応し、A/Dコンバータ12及びステップS100は、発明1、2及び4のいずれか1つのサンプリング値取得手段に対応し、異常検出部13及びステップS102〜S128は、発明1並びに発明2乃至8のいずれか1つの異常検出手段に対応し、回転角度位置算出部14及びステップS200〜S204は、発明1、6及び7のいずれか1つの回転角度位置算出手段に対応する。
また、上記実施の形態においては、事前に異常検出パラメータから、上式(3)を求めておき、異常検出部13はこの算出式を用いて、異常検出処理を実行する構成としたが、これに限らず、例えば、電源投入毎、又は出荷後の最初の電源投入時などに、異常検出パラメータの算出処理及び上式(3)に示す回転角度位置の算出式の生成処理を行う構成としてもよい。また、一度生成した算出式は、電源が落ちるまで保持するか又は電源が落ちた後も保持し続けるようにすることで、上式(3)に示す算出式の生成処理負荷を軽減することが可能である。
また、上記実施の形態において、励磁信号発生器11を、RDC20の内部に含む構成としたが、これに限らず、励磁信号発生器11をRDC20の外部に設ける構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、3相の位置検出センサとして3相のレゾルバを適用したが、適用するセンサは、これに限らず、例えば、アナログホールICを3つ備えた3相出力のセンサ等でもよい。
20 RDC
11 励磁信号発信器
12 A/Dコンバータ
13 異常検出部
14 回転角度位置算出部
Claims (8)
- 回転子の回転角度に応じて変化する位相の異なる3つの位置検出信号を出力する3相の位置検出センサから前記位置検出信号を入力し、入力した位置検出信号に基づいて前記回転子の回転角度位置を算出する回転角度位置算出装置であって、
前記3つの位置検出信号のそれぞれについて、サンプリング値を取得するサンプリング値取得手段と、
前記取得したサンプリング値に基づいて、前記回転子の回転角度位置を算出する回転角度位置算出手段と、
前記取得したサンプリング値に基づいて、前記3つの位置検出信号の異常を検出する異常検出手段と、を備え、
前記異常検出手段は、前記位相の異なる3つの位置検出信号のサンプリング値に基づいて、前記位置検出センサの相毎に、少なくとも2通りの算出方法で回転角度位置を算出し、当該算出した回転角度位置に基づいて、前記3つの位置検出信号の異常を検出することを特徴とする回転角度位置算出装置。 - 前記3相の位置検出センサは、3相のレゾルバであることを特徴とする請求項1記載の回転角度位置算出装置。
- 前記位置検出センサの3つの相をA相、B相、C相とし、A相、B相、C相の各相に対応する位置検出信号のサンプリング値をそれぞれa、b、cとし、
前記異常検出手段は、前記サンプリング値a及びb、前記サンプリング値a及びc、並びに前記サンプリング値b及びcの3つの組み合わせのうち少なくとも2つの組み合わせに基づいて、当該組み合わせ毎に異なる算出方法を用いて、前記位置検出センサの相毎に、少なくとも2つの回転角度位置を算出し、当該算出した各相の回転角度位置に基づき、前記位相の異なる3つの位置検出信号の異常を検出することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の回転角度位置算出装置。 - 前記異常検出手段は、前記各相に対する前記回転角度位置同士の差分値に基づき、前記位相の異なる3つの位置検出信号の異常を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の回転角度位置算出装置。
- 前記回転角度位置算出手段は、前記3つの位置検出信号のうち、前記異常検出手段によって異常が検出された位置検出信号以外の位置検出信号の各相に対する、当該異常の検出に用いた前記回転角度位置の平均値を、前記回転子の回転角度位置として算出することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の回転角度位置算出装置。
- 前記回転角度位置算出手段は、前記異常検出手段によって、前記3つの位置検出信号のうちいずれか1つに異常が検出されたときに、当該異常の検出された位置検出信号の相を除く、残り2つの相の位置検出信号に対するサンプリング値に基づき回転角度位置を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転角度位置算出装置。
- 前記異常検出手段は、異常が検出されたときに、当該異常の情報を含む異常検出フラグを出力することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の回転角度位置算出装置。
- 請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の回転角度位置算出装置を備え、当該モータの回転角度位置を前記回転角度位置算出装置で算出することを特徴とするモータ。
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