JP2004198285A - 回転検出装置の診断装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】センサ数を増加させることなく、安価にセンサ異常箇所を検出すること。
【解決手段】回転検出手段が出力するパルス信号Pa、Pbを、マイクロコンピュータ105により、互いに異なる複数個の演算アルゴリズムによって演算処理して回転角度または回転速度を算出し、算出された互いに異なる演算アルゴリズムによる回転角度算出値同士、あるいは回転速度算出値同士を比較し、その比較結果より異常診断を行う。
【選択図】 図3
【解決手段】回転検出手段が出力するパルス信号Pa、Pbを、マイクロコンピュータ105により、互いに異なる複数個の演算アルゴリズムによって演算処理して回転角度または回転速度を算出し、算出された互いに異なる演算アルゴリズムによる回転角度算出値同士、あるいは回転速度算出値同士を比較し、その比較結果より異常診断を行う。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機制御等に用いられる回転検出装置の異常診断を行う診断装置に関し、特に、エンコーダ、レゾルバ等の回転検出装置において、回転センサ自体や信号処理部の異常診断を行う診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動機制御等に用いられる回転検出装置(回転センサ)においては、異常診断機能を持ち、信頼性を確保する必要がある。従来、電動機制御等に用いられる回転センサの異常診断を行う診断装置は、主に、回転センサに冗長性を持たせ、検出した複数のセンサ出力を相互に比較監視するものである。
【0003】
この診断装置としては、回転センサを2重系構成とし、2個の回転センサの出力信号の整合性(偏差)チェックより回転センサの異常を診断するもの(例えば、特許文献1)、レゾルバによる回転センサにおいて、一つの検出巻線の検出信号をレゾルバ/ディジタル変換するR/D変換器を2つ以上設け、複数個のR/D変換器の出力信号の整合性チェックより回転センサの異常を診断するもの(例えば、特許文献2)等がある。
【0004】
また、回転体の相対位置をエンコーダで、絶対位置を磁極位置センサで検出し、それぞれの出力信号の合理性を確認することで、回転センサの故障を判定するもの(例えば、特許文献3)、電動機に備えた複数のエンコーダの出力から車速を求め、その車速同士を相互比較し、また車輌の車速センサ出力と比較することで個別にセンサ故障を判定するもの(例えば、特許文献4)がある。
【0005】
その他に、電動機や制御回路の異常を検出する異常検出装置としては、エンコーダパルス周波数を電圧変換し、起動時の電動機異常、制御回路異常による回転異常を検出するものがある(例えば、特許文献5、6)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−205303号公報
【特許文献2】
特開平11−337373号公報
【特許文献3】
特開平11−160101号公報
【特許文献4】
特開平8−336299号公報
【特許文献5】
特開2001−69779号公報
【特許文献6】
特開2001−268975号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の回転検出装置の診断装置では、回転センサに冗長性を持たせているため、センサ数等の構成部品数が増え、装置の複雑化、大型化等により、コスト増を招く。
【0008】
本発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、回転センサに冗長性を持たせることなく回転センサの異常診断を行い、センサ数等の構成部品数を増加させることなく回転センサの異常診断を確実に行う回転検出装置の診断装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明による回転検出装置の診断装置は、回転体の回転に応じた信号を出力する回転検出手段の出力信号より回転角度または回転速度を検出する回転検出装置の診断装置において、前記回転検出手段の出力信号を互いに異なる複数個の演算アルゴリズムによって演算処理して回転角度または回転速度を算出する演算手段と、前記演算手段によって算出された互いに異なる演算アルゴリズムによる回転角度算出値同士、あるいは回転速度算出値同士を比較し、その比較結果より異常診断を行う異常判定手段とを有する。
【0010】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、演算手段が、回転検出手段の出力する一つの出力信号を、異なる複数個の演算アルゴリズムによって演算処理して回転角度または回転速度を算出し、異常判定手段は、演算手段によって算出された互いに異なる演算アルゴリズムによる回転角度算出値同士、あるいは回転速度算出値同士を比較して異常診断を行うから、演算手段が異なる複数個の演算アルゴリズムによる演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0011】
この発明による回転検出装置の診断装置は、一つの詳細構成として、前記回転検出装置が、出力信号として、前記回転体の所定回転角度毎にパルス信号を出力するものであり、前記回転検出装置が出力するパルス信号の周波数を電圧値に変換する周波数/電圧変換手段を有し、前記演算手段は、前記回転検出装置が出力するパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出する第1の角度演算手段と、前記周波数/電圧変換手段により変換された電圧値より回転角度を算出する第2の角度演算手段とを有し、前記異常判定手段は、前記第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と前記第2の角度演算手段により算出された回転角算出値とを比較して異常診断を行う。
【0012】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、演算手段が、異なる演算アルゴリズムによる演算処理として、第1の角度演算手段によって回転検出装置が出力するパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出し、これとは別に、第2の角度演算手段によりパルス信号の周波数/電圧変換による電圧値より回転角度を算出し、異常判定手段が第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と第2の角度演算手段により算出された回転角算出値とを比較して異常診断を行うから、演算手段が異なる複数個の演算アルゴリズムによる回転角度算出の演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0013】
また、この発明による回転検出装置の診断装置は、前記回転検出装置が、A相、B相のように、位相が異なる2個のパルス信号を出力するものであり、前記周波数/電圧変換手段は、前記回転検出装置が出力する前記2個のパルス信号の周波数を各々電圧値に変換し、前記第2の角度演算手段は、前記周波数/電圧変換手段により変換された2個の電圧値より各々回転角度を算出し、前記異常判定手段は、前記第2の角度演算手段により算出された2個の回転角度算出値同士を比較して異常診断を行う。
【0014】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、回転検出装置が出力するA相、B相のような位相が異なる2個のパルス信号について各々周波数/電圧変換が行われ、第2の角度演算手段が周波数/電圧変換された2個の電圧値より各々回転角度を算出し、異常判定手段は、算出された2個の回転角度算出値同士を比較する異常診断も行うから、回転検出装置の各位相系の異常も個別に判定できる。
【0015】
この発明による回転検出装置の診断装置は、他の一つの詳細構成として、前記回転検出装置が、出力信号として、前記回転体の所定回転角度毎にパルス信号を出力するものであり、前記演算手段は、前記パルス信号の入力パルス数より回転角度を算出する第1の角度演算手段と、前記パルス信号の入力パルス数を計数するパルスカウンタと、前記パルスカウンタにより計数された入力パルス数より回転角度を算出する第3の角度演算手段とを有し、前記異常判定手段は、前記第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と前記第3の角度演算手段により算出された回転角度算出値とを比較して異常診断を行う。
【0016】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、演算手段が、異なる演算アルゴリズムによる演算処理として、第1の角度演算手段によって回転検出装置が出力するパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出し、これとは別に、第3の角度演算手段によりパルスカウンタによって計数された入力パルス数より回転角度を算出し、異常判定手段が第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と第3の角度演算手段により算出された回転角算出値とを比較して異常診断を行うから、演算手段が異なる複数個の演算アルゴリズムによる回転角度算出の演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0017】
また、この発明による回転検出装置の診断装置は、前記回転検出装置が、A相、B相のように、位相が異なる2個のパルス信号を出力するものであり、前記パルスカウンタは、前記回転検出装置が出力する前記2個のパルス信号の各々の入力パルス数を計数し、前記第3の角度演算手段は、前記パルスカウンタにより計数された2個の入力パルス数より各々回転角度を算出し、前記異常判定手段は、前記第3の角度演算手段により算出された2個の回転角度算出値同士を比較して異常診断を行う。
【0018】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、回転検出装置が出力するA相、B相のような位相が異なる2個のパルス信号について各々入力パルス数を計数することが行われ、第3の角度演算手段が計数された2個の入力パルス数より各々回転角度を算出し、異常判定手段は、算出された2個の回転角度算出値同士を比較する異常診断を行うから、回転検出装置の各位相系の異常も個別に判定できる。
【0019】
この発明による回転検出装置の診断装置は、他の一つの詳細構成として、前記回転検出装置が、出力信号として、前記回転体の所定回転角度毎にパルス信号を出力するものであり、前記回転検出装置が出力するパルス信号の周波数を電圧値に変換する周波数/電圧変換手段を有し、前記演算手段は、前記パルス信号の入力パルス数より回転角度を算出する角度演算手段と、前記角度演算手段により算出された回転角度より回転速度を算出する角度/速度換算手段と、前記周波数/電圧変換手段により変換された電圧値より回転速度を算出する電圧/速度換算手段と有し、前記異常判定手段は、前記角度/速度換算手段により算出された回転速度算出値と前記電圧/速度換算手段により算出された回転速度算出値とを比較して異常診断を行う。
【0020】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、演算手段が、異なる演算アルゴリズムによる演算処理として、角度演算手段によって回転検出装置が出力するパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出し、角度/速度換算手段が角度演算手段によって算出された回転角度より回転速度を算出し、これとは別に、電圧/速度換算手段が周波数/電圧変換手段によって変換された電圧値より回転速度を算出し、異常判定手段は、角度/速度換算手段により算出された回転速度算出値と電圧/速度換算手段により算出された回転速度算出値とを比較して異常診断を行うから、演算手段が異なる複数個の演算アルゴリズムによる回転速度算出の演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0021】
この発明による回転検出装置の診断装置は、前記回転検出装置が、A相、B相のように、位相が異なる2個のパルス信号を出力するものであり、前記周波数/電圧変換手段は、前記2個のパルス信号の周波数を各々電圧値に変換し、前記電圧/速度換算手段は、前記周波数/電圧変換手段により変換された2個の電圧値より各々回転速度を算出し、前記異常判定手段は、前記電圧/速度換算手段により算出された2個の回転速度算出値同士を比較して異常診断を行う。
【0022】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、回転検出装置が出力するA相、B相のような位相が異なる2個のパルス信号について各々周波数/電圧変換が行われ、電圧/速度換算手段第が周波数/電圧変換された2個の電圧値より各々回転速度を算出し、異常判定手段は、算出された2個の回転速度算出値同士を比較する異常診断を行うから、回転検出装置の各位相系の異常も個別に判定できる。
【0023】
この発明による回転検出装置の診断装置は、他の一つの詳細構成として、前記回転検出装置が、出力信号として、A相、B相のパルス信号のように、前記回転体の第1の回転角度毎に第1のパルス信号を出力する共に、Z相のパルス信号のように、前記回転体の前記第1の回転角度より大きい第2の回転角度毎に第2のパルス信号を出力するものであり、前記演算手段は、前記第1のパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出する第1の角度演算手段と、前記第2のパルス信号の入力パルス数を計数するパルスカウンタと、前記パルスカウンタにより計数された入力パルス数より回転角度を算出する第4の角度演算手段とを有し、前記異常判定手段は、前記第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と前記第4の角度演算手段により算出された回転角度算出値とを比較して異常診断を行う。
【0024】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、演算手段が、異なる演算アルゴリズムによる演算処理として、第1の角度演算手段によって回転検出装置が出力する第1のパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出し、これとは別に、第4の角度演算手段によりパルスカウンタによって計数された第2のパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出し、異常判定手段が第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と第4の角度演算手段により算出された回転角算出値とを比較して異常診断を行うから、演算手段が異なる複数個の演算アルゴリズムによる回転角度算出の演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0025】
この発明による回転検出装置の診断装置は、マイクロコンピュータを含み、前記演算手段および前記異常判定手段は、前記マイクロコンピュータの内部処理により具現される。これにより、マイクロコンピュータのソウトウェアによって各演算アルゴリズムによる演算処理や異常判定が行われ、複雑なハードウェア構成を必要としない。
【0026】
また、この発明による回転検出装置の診断装置は、回転体の回転に応じた信号を出力する回転検出手段の出力信号より回転角度または回転速度を検出する回転検出装置の診断装置において、前記回転検出装置は、A相、B相のように、位相が異なる複数個のパルス信号を出力するものであり、前記回転検出装置が出力する前記複数個のパルス信号の各々の入力パルス数を計数するパルスカウント手段と、前記パルスカウント手段により計数された複数個の入力パルス数同士を比較して異常診断を行う異常診断手段とを有する。
【0027】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、回転検出装置が出力するA相、B相のような位相が異なる複数個のパルス信号の入力パルス数の計数がパルスカウント手段により行われ、異常判定手段が、計数された複数個の入力パルス数同士を比較して異常診断も行うから、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0028】
また、本発明による回転検出装置の診断装置は、詳細構成として、異常診断手段は、前記パルスカウンタにより計数された2個の入力パルス数同士を比較する比較器を含むもの、あるいはマイクロコンピュータを含み、前記異常判定手段は、前記マイクロコンピュータの内部処理により具現されるものにより構成することができる。
【0029】
比較器による場合にはマイクロコンピュータのソウトウェアに依存することなく高速処理によって故障診断を行うことができ、マイクロコンピュータの内部処理による場合には、マイクロコンピュータのソウトウェアによって各演算アルゴリズムによる演算処理や異常判定が行われ、複雑なハードウェア構成を必要としない。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明に係る回転検出装置の診断装置の実施形態を詳細に説明する。
まず、本発明に係る回転検出装置の診断装置が適用される電動機制御装置の構成を図1を参照して説明する。
【0031】
本実施形態で採用した電動機制御装置は、電源であるバッテリ101と、システムを起動するためのキースイッチ102と、システムを制御するマイクロコンピュータ(マイコン)105と、マイクロコンピュータ105に電力を供給する電源回路103と、電動機107と、電動機107の回転速度指令を発生する速度指令発生器104と、マイクロコンピュータ105から発せられる駆動信号に従って電動機107に電力を供給する駆動回路106とを有している。
【0032】
電動機制御装置は、更に、電動機107に流れる電流量を検出してその検出値をマイクロコンピュータ105に入力する電流センサ108と、電動機107の回転を検出するロータリエンコーダ等による回転検出手段109と、回転検出手段109に対して電源を供給し、回転検出手段109が出力する出力信号をマイクロコンピュータ105に入力する入力手段110とを有する。
【0033】
回転検出手段109は電動機107の回転を検出する。回転検出手段109は電動機107の所定回転角度(微小な第1の回転角度)毎に、図2(a)、(b)に示されているように、位相が90度異なるA相、B相の2個のパルス信号(A相パルスとB相パルス)を出力信号として出力する。A相パルスに対するB相パルスの位相差方向により、電動機107の正転、逆転を判別できる。このA相、B相の2個のパルス信号は入力手段110によってマイクロコンピュータ105に入力される。
【0034】
回転検出手段109が出力するパルス信号には、図2(c)に示されているように、A相パルス、B相パルスのように位相のずれた2つのパルス以外に、電動機107が第1の回転角度より大きい第2の回転角度として120度回転するたびに1パルス出力を行うZ相パルスの出力も行う。これらのパルス信号が共通する特徴は、電動機107の回転速度(角速度)によってパルスの周期が変化することである。これらの回転検出のパルス信号は、それぞれ単独で、または複数組み合わせて利用される。
【0035】
次に、本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態1)を含む電動機制御系を図3を参照して説明する。マイクロコンピュータ105は、演算手段であり、角度演算装置(第1の角度演算手段)301、角度/速度換算装置302、トルク指令演算装置303、電圧指令演算装置304、電圧/速度換算装置406A、406B、角度演算装置(第2の角度演算手段)403A、403B、相互比較異常検出装置(異常判定手段)404等を含み、これらは、マイクロコンピュータ105のソフトフェアにより具現化される。
【0036】
入力手段110からA相とB相のパルス信号Pa、Pbが角度演算装置301に入力される。角度演算装置(第1の角度演算手段)301は、A相、B相の2つのパルス信号Pa、Pbの変化順番から回転方向を検出し、入力パルス数より回転角度を検出し、検出した回転方向と回転角度から角度検出値(角度算出値)θを算出する。
角度/速度換算装置302は、角度演算装置301より角度検出値θを入力し、角度検出値θを時間微分して速度検出値(速度算出値)ωを算出する。
【0037】
速度検出値ωと、速度指令発生器104の出力である速度指令ω*は、トルク指令演算装置303に入力される。トルク指令演算装置303は、速度指令ω*と速度検出値ωとの偏差を算出し、PID制御により、トルク指令τ*を算出する。
【0038】
トルク指令τ*と、角度検出値θと、電流センサ108の出力である電流検出値iは、電圧指令演算装置304に入力される。電圧指令演算装置304は、予め設定された電動機107の回転速度と電動機電流と出力トルクと印加電圧の関係に基づいてトルク指令τ*に従ったトルクが出力されるような電圧指令v*を算出する。
駆動信号発信装置305は、電圧指令v*に従った電圧が電動機107に印加されるように、駆動回路106に対して駆動信号を出力する。
【0039】
角度演算装置301に入力されるA相とB相のパルス信号Pa、Pbは、各々個別に、パルス周波数/電圧変換装置401A、401Bにも入力される。パルス周波数/電圧変換装置401A、401Bは、所謂、F/V変換回路であり、パルス信号Pa、Pbのそれぞれの周波数に対応した変換電圧を出力する。すなわち、パルス周波数/電圧変換装置401Aは、A相パルス信号Paの周波数に対応した電圧値の信号vaを、もう一つのパルス周波数/電圧変換装置401Bは、B相パルス信号Pbの周波数に対応した電圧値の信号vbを出力する。
【0040】
これら電圧値信号va、vbは、各々A/D変換装置402A、402Bに入力され、ディジタル信号(数値)としてマイクロコンピュータ105に取り込まれる。
【0041】
ディジタル信号に変換された電圧値信号va、vbは、電圧/速度換算装置406A、406Bに入力される。電圧/速度換算装置406A、406Bは、電圧値信号va、vbを各電圧値に対応した回転速度演算値(回転速度算出値)ωa、ωbに換算する。
【0042】
角度演算装置403A、403Bは、電圧/速度換算装置406A、406Bより回転速度演算値ωa、ωbを各々取り込み、これを時間積分して回転角度演算値(回転角度算出値)θa、θbを算出する。
【0043】
相互比較異常検出装置404は、角度演算装置301より角度検出値θを、角度演算装置403A、403Bより角度演算値θa、θbを取り込み、これら角度算出値を相互に比較することで、回転検出系の異常を診断し、異常検出信号を出力する。
【0044】
図4は、相互比較異常検出装置404の判定ロジックを示している。なお、駆動信号の「伝達」は、後述の駆動信号遮断装置405の閉成を意味し、「遮断」は、駆動信号遮断装置405の開成を意味する。
【0045】
(正常)
角度検出値θと角度演算値θa、θbの3つが全て同じ値である場合は、異常箇所がなく、回転検出系が正常であると判定する。駆動信号は「伝達」とする。
【0046】
(異常1)
角度演算値θaとθbとが同値で、角度演算値θaと角度検出値θ、角度演算値θbと角度検出値θとが各々異なる場合は、角度検出値θを検出、算出する過程(信号検出系)に異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0047】
(異常2)
角度検出値θとB相角度演算値θbとが同値で、角度検出値θとA相角度演算値θaとが異なる場合は、A相角度演算値θaを検出・算出する過程(A相角度演算系)に異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0048】
(異常3)
角度検出値θとA相角度演算値θaとが同値で、角度検出値θとB相角度演算値θbとが異なる場合は、B相角度演算値θbを検出・算出する過程(B相角度演算系)に異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0049】
(異常4)
角度検出値θと角度演算値θa、θbの全てが互いに異なる場合は、異常箇所の特定できないが、異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0050】
(異常5)
角度検出値θとA相角度演算値θa、角度検出値θとB相角度演算値θbとが共に同値で、A相角度演算値θaとB相角度演算値θbとが異なる場合は、異常箇所の特定できないが、異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0051】
駆動信号発信装置305が駆動回路406へ駆動信号を伝達する伝達路の途中に駆動信号遮断装置405が設けられている。駆動信号遮断装置405は、相互比較異常検出装置404が出力する診断結果信号によって駆動され、異常検出信号によって開成する。これにより、回転検出系に異常がある場合には、電動機107への電力供給が遮断され、電動機107を強制停止させることができる。
【0052】
相互比較異常検出装置404が異常を検出した場合の処理としては、上記以外の処理も考えられる。異常箇所が特定できた場合には、駆動信号を遮断せず、異常発生の警告を発するに止め、異常のない回転検出系を使って稼働し続けることもできる。また異常箇所が不定の場合でも、電動機107に機械ブレーキを設け、これを起動するように構成することもできる。
【0053】
上述したように、マイクロコンピュータ105、異なる演算アルゴリズムによる演算処理として、角度演算装置301によって回転検出手段109が出力するパルス信号Pa、Pbの入力パルス数より回転角度θを算出し、これとは別に、角度演算装置403A、403Bによりパルス信号Pa、Pbの周波数/電圧変換による電圧値va、vbより回転角度θa、θbを算出し、異常判定手段である相互比較異常検出装置404が角度演算装置301により算出された回転角度算出値(回転角度θ)と角度演算装置403A、403Bにより算出された回転角算出値(回転角度θa、θb)とを比較して異常診断を行うから、マイクロコンピュータ105が異なる複数個の演算アルゴリズムによる回転角度算出の演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0054】
次に、本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態2)を含む電動機制御系を図5を参照して説明する。なお、図5において、図3に対応する部分は、図3に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0055】
角度演算装置301に入力されるA相とB相のパルス信号Pa、Pbは、各々個別にマイクロコンピュータ105内のパルスカウンタ601a、601bにも入力される。パルスカウンタ601A、601Bは、パルス信号Pa、Pbのパルス数を計数し、パルス数計数信号Ca、Cbを数値出力する。
【0056】
パルス数Ca、Cbは各々角度演算装置(第3の角度演算手段)602A、602Bに入力される。角度演算装置602A、602Bは、パルス数計数信号Ca、Cbが示すパルス数に比例する角度演算値θa’、θb’を変換算出する。
【0057】
相互比較異常検出装置603は、角度演算装置301より角度検出値θを、角度演算装置602A、602Bより角度演算値θa’、θb’を取り込み、これら角度算出値を相互に比較することで、回転検出系の異常を診断し、異常検出信号を出力する。
相互比較異常検出装置603の判定ロジックは、図4に示されている実施形態1と同じである。
【0058】
この実施形態では、周波数/電圧変換器が不要で、マイクロコンピュータ105にパルスカウンタ(ソフト)が組み込まれていればよく、実施形態1よりもソウトウェア実行が簡素化され、高速処理が可能になる。
【0059】
次に、本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態3)を含む電動機制御系を図6を参照して説明する。なお、図6においても、図3に対応する部分は、図3に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0060】
角度演算装置301に入力されるA相とB相のパルス信号Pa、Pbとは別に、Z相のパルス信号Pzをマイクロコンピュータ105内のパルスカウンタ701に入力する。パルスカウンタ701は、パルス信号Pzのパルス数を計数し、パルス数計数信号Czを数値出力する。
【0061】
パルス数計数信号Czは角度演算装置(第4の角度演算手段)702に入力される。角度演算装置702は、パルス数計数信号Czが示すパルス数に比例する角度演算値θzを変換算出する。
【0062】
相互比較異常検出装置703は、角度演算装置301より角度検出値θを、角度演算装置702より角度演算値θzを取り込み、これら角度算出値を相互に比較することで、回転検出系の異常を診断し、異常検出信号を出力する。
【0063】
図7は、相互比較異常検出装置703の判定ロジックを示している。角度検出値θと角度演算値θzとが同じ値である場合は、異常箇所なしで、正常判定を行う。これに対し、角度検出値θと角度演算値θzとが異なる場合は、角度検出値θあるいは角度演算値θzを検出・算出する過程に異常があると判定する。
【0064】
この実施形態3では、実施形態2と同様に、周波数/電圧変換器等の追加回路が不要であり、更にマイクロコンピュータ105使用するソフトカウンタ数が減るので、更に、ソウトウェア実行が簡素化され、より一層の高速処理が可能になる。
【0065】
次に、本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態4)を含む電動機制御系を図8を参照して説明する。なお、図8においても、図3に対応する部分は、図3に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0066】
実施形態1と同様の構成、すなわち、パルス周波数/電圧変換装置401A、401Bと、A/D変換装置402A、402Bと、電圧/速度換算装置406A、406BによってA相とB相の速度演算値ωa、ωbを得る。
【0067】
相互比較異常検出装置901は、角度/速度換算装置302より速度検出値ωを、電圧/速度換算装置406A、406Bより速度演算値ωa、ωbを取り込み、これら速度算出値を相互に比較することで、回転検出系の異常を診断し、異常検出信号を出力する。
【0068】
図9は、相互比較異常検出装置901の判定ロジックを示している。
(正常)
速度検出値ωと速度演算値ωa、ωbの3つが全て同じ値である場合は、異常箇所がなく、回転検出系が正常であると判定する。駆動信号は「伝達」とする。
【0069】
(異常1)
速度演算値ωaとωbとが同値で、速度演算値ωaと速度検出値ω、速度演算値ωbと速度検出値ωとが各々異なる場合は、速度検出値ωを検出、算出する過程(信号検出系)に異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0070】
(異常2)
速度検出値ωとB相速度演算値ωbとが同値で、速度検出値ωとA相速度演算値ωaとが異なる場合は、A相速度演算値ωaを検出・算出する過程(A相速度演算系)に異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0071】
(異常3)
速度検出値ωとA相速度演算値ωaとが同値で、速度検出値ωとB相速度演算値ωbとが異なる場合は、B相速度演算値ωbを検出・算出する過程(B相速度演算系)に異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0072】
(異常4)
速度検出値ωと速度演算値ωa、ωbの全てが互いに異なる場合は、異常箇所の特定できないが、異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0073】
(異常5)
速度検出値ωとA相速度演算値ωa、速度検出値ωとB相速度演算値ωbとが共に同値で、A相速度演算値ωaとB相速度演算値ωbとが異なる場合は、異常箇所の特定できないが、異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0074】
この実施形態でも、マイクロコンピュータ105が異なる複数個の演算アルゴリズムによる回転速度算出の演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
次に、本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態5)を図10を参照して説明する。
【0075】
信号処理装置801は、回転検出手段109が出力するA相パルス信号Paのパルス数を計数するA相パルスカウンタ手段802Aと、回転検出手段109が出力するB相パルス信号Pbのパルス数を計数するB相パルスカウンタ手段802Bと、D/A変換器803A、803Bと、比較器804とを有する。
【0076】
A相パルスカウンタ手段802A、B相パルスカウンタ手段802BはA相パルス信号Pa、B相パルス信号Pbの立ち上がり、立ち下がりエッジ、もしくはA相パルス信号Pa、B相パルス信号Pbのハイレベルまたはローレベルの入力に応じて計数処理を行う。計数処理の結果は、任意のビット長のA相ディジタルデータDa、B相ディジタルデータDbとして生成される。
【0077】
A相ディジタルデータDa、B相ディジタルデータDbは、各々D/A変換器803A、803Bに入力され、A相アナログ電圧信号Va、B相アナログ電圧信号Vbに変換される。
【0078】
比較器804は、オペレーションアンプ等により構成され、A相アナログ電圧信号VaとB相アナログ電圧信号Vbとを入力し、A相アナログ電圧信号VaとB相アナログ電圧信号Vbとを比較する。
【0079】
A相パルス信号PaとB相パルス信号Pbは、図11に示されているように位相差を有するが、電動機1回転当たりのパルス数は同じである。したがって、通常、その両パルス信号のパルス数を計数してディジタル/アナログ変換(D/A変換)したアナログ電圧値は、パルス計数値に近似した鋸波状の電圧信号Va、Vbとして互いに等しいレベルになる。
【0080】
しかし、A相検出系あるいはB相検出系の何れかに異常が生じ、パルス信号の計数が行われなくなると、異常が生じた側のパルス計数値が変化(増大)しない状態になり、正常な側のパルス計数値とで差異が生じる。その結果、D/A変換したアナログ電圧値にも差異が生じることになる。この差異が比較器804の出力に現れることにより、A相検出系あるいはB相検出系の何れかに異常が発生したことを検知できる。
【0081】
例えば、図11の時点PにてB相検出系に異常が生じると、それ以降、B相アナログ電圧信号Vbが変化しなくなる。これにより、時点P以降、A相アナログ電圧信号VaとB相アナログ電圧信号Vbとに差異が生じ、比較器804によるA相アナログ電圧信号VaとB相アナログ電圧信号Vbとの比較判定によって異常検知(異常判定)が行われる。
【0082】
この異常判定時には、比較器804の出力信号によって駆動信号遮断装置405を開成して電動機107への電力供給を遮断し、電動機107を強制停止させ、駆動装置の保護を図ることができる。
【0083】
この実施形態では、A相パルス信号Paより得られるA相アナログ電圧信号VaとB相パルス信号Pbより得られるB相アナログ電圧信号Vbとの単純な比較により、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0084】
次に、本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態6)を図12を参照して説明する。なお、図12において、図10に対応する部分は、図10に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0085】
この実施形態では、一般的なマイクロコンピュータの多くが、アナログ/ディジタル変換(A/D変換)機能であるAD変換機能を有していることを利用して、A相アナログ電圧信号Va、B相アナログ電圧信号Vbをマイクロコンピュータ105’内部で取り扱えるようにしている。
【0086】
マイクロコンピュータ105’は、信号処理装置801よりA相アナログ電圧信号Va、B相アナログ電圧信号Vbを入力するAD変換機能付きの比較演算部811をソウトフェアによって具現化する。
【0087】
比較演算部811は、A相アナログ電圧信号Va、B相アナログ電圧信号Vbの演算データを比較し、不一致の場合には、A相検出系あるいはB相検出系の何れかに異常が生じたと判定し、駆動信号遮断装置405を開成する信号を出力する。
【0088】
これにより、A相検出系あるいはB相検出系の何れかに異常が生じると、駆動信号遮断装置405を開成して電動機107への電力供給を遮断し、電動機107を強制停止させ、駆動装置の保護を図ることができる。
【0089】
上述したように、マイクロコンピュータ内部で、比較用の検出データを演算データとして取り扱えるように構成することにより、比較検知のしきい値の設定の自由度が向上し、比較判定の差異の診断条件を細かく設定できるようになる。また、アナログ電圧の単位時間当たりの変化量を演算し、変化しない側の信号系統を異常と判別することも可能になり、診断装置の性能、信頼性の向上を図ることもできる。
【0090】
以上、本発明の実施形態について記述したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲で設計において種々の変更ができるものである。
【0091】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明によれば、電動機制御等の回転角度、速度検出が必要な場合において、回転センサに冗長性を持たせることなく、少ない追加部品、低コストで、回転センサ及びその周辺回路の異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転検出装置の診断装置が適用される電動機制御装置の構成を示す構成図である。
【図2】(a)は正転時のパルス信号の時間変化を示す波形図、(b)は逆転時のパルス信号の時間変化を示す波形図、(c)はA相パルス信号とBパルス信号とZ相パルス信号の関係を示す波形図である。
【図3】本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態1)を含む電動機制御系を示すブロック図である。
【図4】実施形態1における相互比較異常検出装置の判定ロジックを示す説明図である。
【図5】本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態2)を含む電動機制御系を示すブロック図である。
【図6】本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態3)を含む電動機制御系を示すブロック図である。
【図7】実施形態3における相互比較異常検出装置の判定ロジックを示す説明図である。
【図8】本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態4)を含む電動機制御系を示すブロック図である。
【図9】実施形態4における相互比較異常検出装置の判定ロジックを示す説明図である。
【図10】本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態5)を示すブロック図である。
【図11】実施形態5における各信号波形を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態6)を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 バッテリ
102 キースイッチ
103 電源回路
104 速度指令発生器
105 マイクロコンピュータ
105’ マイクロコンピュータ
106 駆動回路
107 電動機
108 電流センサ
109 回転検出手段
110 回転検出入力手段
301 角度演算装置
302 角度/速度換算装置
303 トルク指令演算装置
304 電圧指令演算装置
305 駆動信号発信装置
401A パルス周波数/電圧変換装置
401B パルス周波数/電圧変換装置
402A A/D変換装置
402B A/D変換装置
403A 角度演算装置
403B 角度演算装置
404 相互比較異常検出装置
405 駆動信号遮断装置
601A パルスカウンタ
601B パルスカウンタ
602A 角度演算装置
602B 角度演算装置
701 パルスカウンタ
702 角度演算装置
703 相互比較異常検出装置
802A A相パルスカウンタ手段
802B B相パルスカウンタ手段
803A D/A変換器
803B D/A変換器
804 比較器
811 比較演算部
901 相互比較異常検出装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機制御等に用いられる回転検出装置の異常診断を行う診断装置に関し、特に、エンコーダ、レゾルバ等の回転検出装置において、回転センサ自体や信号処理部の異常診断を行う診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電動機制御等に用いられる回転検出装置(回転センサ)においては、異常診断機能を持ち、信頼性を確保する必要がある。従来、電動機制御等に用いられる回転センサの異常診断を行う診断装置は、主に、回転センサに冗長性を持たせ、検出した複数のセンサ出力を相互に比較監視するものである。
【0003】
この診断装置としては、回転センサを2重系構成とし、2個の回転センサの出力信号の整合性(偏差)チェックより回転センサの異常を診断するもの(例えば、特許文献1)、レゾルバによる回転センサにおいて、一つの検出巻線の検出信号をレゾルバ/ディジタル変換するR/D変換器を2つ以上設け、複数個のR/D変換器の出力信号の整合性チェックより回転センサの異常を診断するもの(例えば、特許文献2)等がある。
【0004】
また、回転体の相対位置をエンコーダで、絶対位置を磁極位置センサで検出し、それぞれの出力信号の合理性を確認することで、回転センサの故障を判定するもの(例えば、特許文献3)、電動機に備えた複数のエンコーダの出力から車速を求め、その車速同士を相互比較し、また車輌の車速センサ出力と比較することで個別にセンサ故障を判定するもの(例えば、特許文献4)がある。
【0005】
その他に、電動機や制御回路の異常を検出する異常検出装置としては、エンコーダパルス周波数を電圧変換し、起動時の電動機異常、制御回路異常による回転異常を検出するものがある(例えば、特許文献5、6)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−205303号公報
【特許文献2】
特開平11−337373号公報
【特許文献3】
特開平11−160101号公報
【特許文献4】
特開平8−336299号公報
【特許文献5】
特開2001−69779号公報
【特許文献6】
特開2001−268975号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような従来の回転検出装置の診断装置では、回転センサに冗長性を持たせているため、センサ数等の構成部品数が増え、装置の複雑化、大型化等により、コスト増を招く。
【0008】
本発明は、上述の如き問題点を解消するためになされたもので、回転センサに冗長性を持たせることなく回転センサの異常診断を行い、センサ数等の構成部品数を増加させることなく回転センサの異常診断を確実に行う回転検出装置の診断装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明による回転検出装置の診断装置は、回転体の回転に応じた信号を出力する回転検出手段の出力信号より回転角度または回転速度を検出する回転検出装置の診断装置において、前記回転検出手段の出力信号を互いに異なる複数個の演算アルゴリズムによって演算処理して回転角度または回転速度を算出する演算手段と、前記演算手段によって算出された互いに異なる演算アルゴリズムによる回転角度算出値同士、あるいは回転速度算出値同士を比較し、その比較結果より異常診断を行う異常判定手段とを有する。
【0010】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、演算手段が、回転検出手段の出力する一つの出力信号を、異なる複数個の演算アルゴリズムによって演算処理して回転角度または回転速度を算出し、異常判定手段は、演算手段によって算出された互いに異なる演算アルゴリズムによる回転角度算出値同士、あるいは回転速度算出値同士を比較して異常診断を行うから、演算手段が異なる複数個の演算アルゴリズムによる演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0011】
この発明による回転検出装置の診断装置は、一つの詳細構成として、前記回転検出装置が、出力信号として、前記回転体の所定回転角度毎にパルス信号を出力するものであり、前記回転検出装置が出力するパルス信号の周波数を電圧値に変換する周波数/電圧変換手段を有し、前記演算手段は、前記回転検出装置が出力するパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出する第1の角度演算手段と、前記周波数/電圧変換手段により変換された電圧値より回転角度を算出する第2の角度演算手段とを有し、前記異常判定手段は、前記第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と前記第2の角度演算手段により算出された回転角算出値とを比較して異常診断を行う。
【0012】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、演算手段が、異なる演算アルゴリズムによる演算処理として、第1の角度演算手段によって回転検出装置が出力するパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出し、これとは別に、第2の角度演算手段によりパルス信号の周波数/電圧変換による電圧値より回転角度を算出し、異常判定手段が第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と第2の角度演算手段により算出された回転角算出値とを比較して異常診断を行うから、演算手段が異なる複数個の演算アルゴリズムによる回転角度算出の演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0013】
また、この発明による回転検出装置の診断装置は、前記回転検出装置が、A相、B相のように、位相が異なる2個のパルス信号を出力するものであり、前記周波数/電圧変換手段は、前記回転検出装置が出力する前記2個のパルス信号の周波数を各々電圧値に変換し、前記第2の角度演算手段は、前記周波数/電圧変換手段により変換された2個の電圧値より各々回転角度を算出し、前記異常判定手段は、前記第2の角度演算手段により算出された2個の回転角度算出値同士を比較して異常診断を行う。
【0014】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、回転検出装置が出力するA相、B相のような位相が異なる2個のパルス信号について各々周波数/電圧変換が行われ、第2の角度演算手段が周波数/電圧変換された2個の電圧値より各々回転角度を算出し、異常判定手段は、算出された2個の回転角度算出値同士を比較する異常診断も行うから、回転検出装置の各位相系の異常も個別に判定できる。
【0015】
この発明による回転検出装置の診断装置は、他の一つの詳細構成として、前記回転検出装置が、出力信号として、前記回転体の所定回転角度毎にパルス信号を出力するものであり、前記演算手段は、前記パルス信号の入力パルス数より回転角度を算出する第1の角度演算手段と、前記パルス信号の入力パルス数を計数するパルスカウンタと、前記パルスカウンタにより計数された入力パルス数より回転角度を算出する第3の角度演算手段とを有し、前記異常判定手段は、前記第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と前記第3の角度演算手段により算出された回転角度算出値とを比較して異常診断を行う。
【0016】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、演算手段が、異なる演算アルゴリズムによる演算処理として、第1の角度演算手段によって回転検出装置が出力するパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出し、これとは別に、第3の角度演算手段によりパルスカウンタによって計数された入力パルス数より回転角度を算出し、異常判定手段が第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と第3の角度演算手段により算出された回転角算出値とを比較して異常診断を行うから、演算手段が異なる複数個の演算アルゴリズムによる回転角度算出の演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0017】
また、この発明による回転検出装置の診断装置は、前記回転検出装置が、A相、B相のように、位相が異なる2個のパルス信号を出力するものであり、前記パルスカウンタは、前記回転検出装置が出力する前記2個のパルス信号の各々の入力パルス数を計数し、前記第3の角度演算手段は、前記パルスカウンタにより計数された2個の入力パルス数より各々回転角度を算出し、前記異常判定手段は、前記第3の角度演算手段により算出された2個の回転角度算出値同士を比較して異常診断を行う。
【0018】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、回転検出装置が出力するA相、B相のような位相が異なる2個のパルス信号について各々入力パルス数を計数することが行われ、第3の角度演算手段が計数された2個の入力パルス数より各々回転角度を算出し、異常判定手段は、算出された2個の回転角度算出値同士を比較する異常診断を行うから、回転検出装置の各位相系の異常も個別に判定できる。
【0019】
この発明による回転検出装置の診断装置は、他の一つの詳細構成として、前記回転検出装置が、出力信号として、前記回転体の所定回転角度毎にパルス信号を出力するものであり、前記回転検出装置が出力するパルス信号の周波数を電圧値に変換する周波数/電圧変換手段を有し、前記演算手段は、前記パルス信号の入力パルス数より回転角度を算出する角度演算手段と、前記角度演算手段により算出された回転角度より回転速度を算出する角度/速度換算手段と、前記周波数/電圧変換手段により変換された電圧値より回転速度を算出する電圧/速度換算手段と有し、前記異常判定手段は、前記角度/速度換算手段により算出された回転速度算出値と前記電圧/速度換算手段により算出された回転速度算出値とを比較して異常診断を行う。
【0020】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、演算手段が、異なる演算アルゴリズムによる演算処理として、角度演算手段によって回転検出装置が出力するパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出し、角度/速度換算手段が角度演算手段によって算出された回転角度より回転速度を算出し、これとは別に、電圧/速度換算手段が周波数/電圧変換手段によって変換された電圧値より回転速度を算出し、異常判定手段は、角度/速度換算手段により算出された回転速度算出値と電圧/速度換算手段により算出された回転速度算出値とを比較して異常診断を行うから、演算手段が異なる複数個の演算アルゴリズムによる回転速度算出の演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0021】
この発明による回転検出装置の診断装置は、前記回転検出装置が、A相、B相のように、位相が異なる2個のパルス信号を出力するものであり、前記周波数/電圧変換手段は、前記2個のパルス信号の周波数を各々電圧値に変換し、前記電圧/速度換算手段は、前記周波数/電圧変換手段により変換された2個の電圧値より各々回転速度を算出し、前記異常判定手段は、前記電圧/速度換算手段により算出された2個の回転速度算出値同士を比較して異常診断を行う。
【0022】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、回転検出装置が出力するA相、B相のような位相が異なる2個のパルス信号について各々周波数/電圧変換が行われ、電圧/速度換算手段第が周波数/電圧変換された2個の電圧値より各々回転速度を算出し、異常判定手段は、算出された2個の回転速度算出値同士を比較する異常診断を行うから、回転検出装置の各位相系の異常も個別に判定できる。
【0023】
この発明による回転検出装置の診断装置は、他の一つの詳細構成として、前記回転検出装置が、出力信号として、A相、B相のパルス信号のように、前記回転体の第1の回転角度毎に第1のパルス信号を出力する共に、Z相のパルス信号のように、前記回転体の前記第1の回転角度より大きい第2の回転角度毎に第2のパルス信号を出力するものであり、前記演算手段は、前記第1のパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出する第1の角度演算手段と、前記第2のパルス信号の入力パルス数を計数するパルスカウンタと、前記パルスカウンタにより計数された入力パルス数より回転角度を算出する第4の角度演算手段とを有し、前記異常判定手段は、前記第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と前記第4の角度演算手段により算出された回転角度算出値とを比較して異常診断を行う。
【0024】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、演算手段が、異なる演算アルゴリズムによる演算処理として、第1の角度演算手段によって回転検出装置が出力する第1のパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出し、これとは別に、第4の角度演算手段によりパルスカウンタによって計数された第2のパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出し、異常判定手段が第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と第4の角度演算手段により算出された回転角算出値とを比較して異常診断を行うから、演算手段が異なる複数個の演算アルゴリズムによる回転角度算出の演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0025】
この発明による回転検出装置の診断装置は、マイクロコンピュータを含み、前記演算手段および前記異常判定手段は、前記マイクロコンピュータの内部処理により具現される。これにより、マイクロコンピュータのソウトウェアによって各演算アルゴリズムによる演算処理や異常判定が行われ、複雑なハードウェア構成を必要としない。
【0026】
また、この発明による回転検出装置の診断装置は、回転体の回転に応じた信号を出力する回転検出手段の出力信号より回転角度または回転速度を検出する回転検出装置の診断装置において、前記回転検出装置は、A相、B相のように、位相が異なる複数個のパルス信号を出力するものであり、前記回転検出装置が出力する前記複数個のパルス信号の各々の入力パルス数を計数するパルスカウント手段と、前記パルスカウント手段により計数された複数個の入力パルス数同士を比較して異常診断を行う異常診断手段とを有する。
【0027】
この発明による回転検出装置の診断装置によれば、回転検出装置が出力するA相、B相のような位相が異なる複数個のパルス信号の入力パルス数の計数がパルスカウント手段により行われ、異常判定手段が、計数された複数個の入力パルス数同士を比較して異常診断も行うから、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0028】
また、本発明による回転検出装置の診断装置は、詳細構成として、異常診断手段は、前記パルスカウンタにより計数された2個の入力パルス数同士を比較する比較器を含むもの、あるいはマイクロコンピュータを含み、前記異常判定手段は、前記マイクロコンピュータの内部処理により具現されるものにより構成することができる。
【0029】
比較器による場合にはマイクロコンピュータのソウトウェアに依存することなく高速処理によって故障診断を行うことができ、マイクロコンピュータの内部処理による場合には、マイクロコンピュータのソウトウェアによって各演算アルゴリズムによる演算処理や異常判定が行われ、複雑なハードウェア構成を必要としない。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明に係る回転検出装置の診断装置の実施形態を詳細に説明する。
まず、本発明に係る回転検出装置の診断装置が適用される電動機制御装置の構成を図1を参照して説明する。
【0031】
本実施形態で採用した電動機制御装置は、電源であるバッテリ101と、システムを起動するためのキースイッチ102と、システムを制御するマイクロコンピュータ(マイコン)105と、マイクロコンピュータ105に電力を供給する電源回路103と、電動機107と、電動機107の回転速度指令を発生する速度指令発生器104と、マイクロコンピュータ105から発せられる駆動信号に従って電動機107に電力を供給する駆動回路106とを有している。
【0032】
電動機制御装置は、更に、電動機107に流れる電流量を検出してその検出値をマイクロコンピュータ105に入力する電流センサ108と、電動機107の回転を検出するロータリエンコーダ等による回転検出手段109と、回転検出手段109に対して電源を供給し、回転検出手段109が出力する出力信号をマイクロコンピュータ105に入力する入力手段110とを有する。
【0033】
回転検出手段109は電動機107の回転を検出する。回転検出手段109は電動機107の所定回転角度(微小な第1の回転角度)毎に、図2(a)、(b)に示されているように、位相が90度異なるA相、B相の2個のパルス信号(A相パルスとB相パルス)を出力信号として出力する。A相パルスに対するB相パルスの位相差方向により、電動機107の正転、逆転を判別できる。このA相、B相の2個のパルス信号は入力手段110によってマイクロコンピュータ105に入力される。
【0034】
回転検出手段109が出力するパルス信号には、図2(c)に示されているように、A相パルス、B相パルスのように位相のずれた2つのパルス以外に、電動機107が第1の回転角度より大きい第2の回転角度として120度回転するたびに1パルス出力を行うZ相パルスの出力も行う。これらのパルス信号が共通する特徴は、電動機107の回転速度(角速度)によってパルスの周期が変化することである。これらの回転検出のパルス信号は、それぞれ単独で、または複数組み合わせて利用される。
【0035】
次に、本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態1)を含む電動機制御系を図3を参照して説明する。マイクロコンピュータ105は、演算手段であり、角度演算装置(第1の角度演算手段)301、角度/速度換算装置302、トルク指令演算装置303、電圧指令演算装置304、電圧/速度換算装置406A、406B、角度演算装置(第2の角度演算手段)403A、403B、相互比較異常検出装置(異常判定手段)404等を含み、これらは、マイクロコンピュータ105のソフトフェアにより具現化される。
【0036】
入力手段110からA相とB相のパルス信号Pa、Pbが角度演算装置301に入力される。角度演算装置(第1の角度演算手段)301は、A相、B相の2つのパルス信号Pa、Pbの変化順番から回転方向を検出し、入力パルス数より回転角度を検出し、検出した回転方向と回転角度から角度検出値(角度算出値)θを算出する。
角度/速度換算装置302は、角度演算装置301より角度検出値θを入力し、角度検出値θを時間微分して速度検出値(速度算出値)ωを算出する。
【0037】
速度検出値ωと、速度指令発生器104の出力である速度指令ω*は、トルク指令演算装置303に入力される。トルク指令演算装置303は、速度指令ω*と速度検出値ωとの偏差を算出し、PID制御により、トルク指令τ*を算出する。
【0038】
トルク指令τ*と、角度検出値θと、電流センサ108の出力である電流検出値iは、電圧指令演算装置304に入力される。電圧指令演算装置304は、予め設定された電動機107の回転速度と電動機電流と出力トルクと印加電圧の関係に基づいてトルク指令τ*に従ったトルクが出力されるような電圧指令v*を算出する。
駆動信号発信装置305は、電圧指令v*に従った電圧が電動機107に印加されるように、駆動回路106に対して駆動信号を出力する。
【0039】
角度演算装置301に入力されるA相とB相のパルス信号Pa、Pbは、各々個別に、パルス周波数/電圧変換装置401A、401Bにも入力される。パルス周波数/電圧変換装置401A、401Bは、所謂、F/V変換回路であり、パルス信号Pa、Pbのそれぞれの周波数に対応した変換電圧を出力する。すなわち、パルス周波数/電圧変換装置401Aは、A相パルス信号Paの周波数に対応した電圧値の信号vaを、もう一つのパルス周波数/電圧変換装置401Bは、B相パルス信号Pbの周波数に対応した電圧値の信号vbを出力する。
【0040】
これら電圧値信号va、vbは、各々A/D変換装置402A、402Bに入力され、ディジタル信号(数値)としてマイクロコンピュータ105に取り込まれる。
【0041】
ディジタル信号に変換された電圧値信号va、vbは、電圧/速度換算装置406A、406Bに入力される。電圧/速度換算装置406A、406Bは、電圧値信号va、vbを各電圧値に対応した回転速度演算値(回転速度算出値)ωa、ωbに換算する。
【0042】
角度演算装置403A、403Bは、電圧/速度換算装置406A、406Bより回転速度演算値ωa、ωbを各々取り込み、これを時間積分して回転角度演算値(回転角度算出値)θa、θbを算出する。
【0043】
相互比較異常検出装置404は、角度演算装置301より角度検出値θを、角度演算装置403A、403Bより角度演算値θa、θbを取り込み、これら角度算出値を相互に比較することで、回転検出系の異常を診断し、異常検出信号を出力する。
【0044】
図4は、相互比較異常検出装置404の判定ロジックを示している。なお、駆動信号の「伝達」は、後述の駆動信号遮断装置405の閉成を意味し、「遮断」は、駆動信号遮断装置405の開成を意味する。
【0045】
(正常)
角度検出値θと角度演算値θa、θbの3つが全て同じ値である場合は、異常箇所がなく、回転検出系が正常であると判定する。駆動信号は「伝達」とする。
【0046】
(異常1)
角度演算値θaとθbとが同値で、角度演算値θaと角度検出値θ、角度演算値θbと角度検出値θとが各々異なる場合は、角度検出値θを検出、算出する過程(信号検出系)に異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0047】
(異常2)
角度検出値θとB相角度演算値θbとが同値で、角度検出値θとA相角度演算値θaとが異なる場合は、A相角度演算値θaを検出・算出する過程(A相角度演算系)に異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0048】
(異常3)
角度検出値θとA相角度演算値θaとが同値で、角度検出値θとB相角度演算値θbとが異なる場合は、B相角度演算値θbを検出・算出する過程(B相角度演算系)に異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0049】
(異常4)
角度検出値θと角度演算値θa、θbの全てが互いに異なる場合は、異常箇所の特定できないが、異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0050】
(異常5)
角度検出値θとA相角度演算値θa、角度検出値θとB相角度演算値θbとが共に同値で、A相角度演算値θaとB相角度演算値θbとが異なる場合は、異常箇所の特定できないが、異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0051】
駆動信号発信装置305が駆動回路406へ駆動信号を伝達する伝達路の途中に駆動信号遮断装置405が設けられている。駆動信号遮断装置405は、相互比較異常検出装置404が出力する診断結果信号によって駆動され、異常検出信号によって開成する。これにより、回転検出系に異常がある場合には、電動機107への電力供給が遮断され、電動機107を強制停止させることができる。
【0052】
相互比較異常検出装置404が異常を検出した場合の処理としては、上記以外の処理も考えられる。異常箇所が特定できた場合には、駆動信号を遮断せず、異常発生の警告を発するに止め、異常のない回転検出系を使って稼働し続けることもできる。また異常箇所が不定の場合でも、電動機107に機械ブレーキを設け、これを起動するように構成することもできる。
【0053】
上述したように、マイクロコンピュータ105、異なる演算アルゴリズムによる演算処理として、角度演算装置301によって回転検出手段109が出力するパルス信号Pa、Pbの入力パルス数より回転角度θを算出し、これとは別に、角度演算装置403A、403Bによりパルス信号Pa、Pbの周波数/電圧変換による電圧値va、vbより回転角度θa、θbを算出し、異常判定手段である相互比較異常検出装置404が角度演算装置301により算出された回転角度算出値(回転角度θ)と角度演算装置403A、403Bにより算出された回転角算出値(回転角度θa、θb)とを比較して異常診断を行うから、マイクロコンピュータ105が異なる複数個の演算アルゴリズムによる回転角度算出の演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0054】
次に、本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態2)を含む電動機制御系を図5を参照して説明する。なお、図5において、図3に対応する部分は、図3に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0055】
角度演算装置301に入力されるA相とB相のパルス信号Pa、Pbは、各々個別にマイクロコンピュータ105内のパルスカウンタ601a、601bにも入力される。パルスカウンタ601A、601Bは、パルス信号Pa、Pbのパルス数を計数し、パルス数計数信号Ca、Cbを数値出力する。
【0056】
パルス数Ca、Cbは各々角度演算装置(第3の角度演算手段)602A、602Bに入力される。角度演算装置602A、602Bは、パルス数計数信号Ca、Cbが示すパルス数に比例する角度演算値θa’、θb’を変換算出する。
【0057】
相互比較異常検出装置603は、角度演算装置301より角度検出値θを、角度演算装置602A、602Bより角度演算値θa’、θb’を取り込み、これら角度算出値を相互に比較することで、回転検出系の異常を診断し、異常検出信号を出力する。
相互比較異常検出装置603の判定ロジックは、図4に示されている実施形態1と同じである。
【0058】
この実施形態では、周波数/電圧変換器が不要で、マイクロコンピュータ105にパルスカウンタ(ソフト)が組み込まれていればよく、実施形態1よりもソウトウェア実行が簡素化され、高速処理が可能になる。
【0059】
次に、本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態3)を含む電動機制御系を図6を参照して説明する。なお、図6においても、図3に対応する部分は、図3に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0060】
角度演算装置301に入力されるA相とB相のパルス信号Pa、Pbとは別に、Z相のパルス信号Pzをマイクロコンピュータ105内のパルスカウンタ701に入力する。パルスカウンタ701は、パルス信号Pzのパルス数を計数し、パルス数計数信号Czを数値出力する。
【0061】
パルス数計数信号Czは角度演算装置(第4の角度演算手段)702に入力される。角度演算装置702は、パルス数計数信号Czが示すパルス数に比例する角度演算値θzを変換算出する。
【0062】
相互比較異常検出装置703は、角度演算装置301より角度検出値θを、角度演算装置702より角度演算値θzを取り込み、これら角度算出値を相互に比較することで、回転検出系の異常を診断し、異常検出信号を出力する。
【0063】
図7は、相互比較異常検出装置703の判定ロジックを示している。角度検出値θと角度演算値θzとが同じ値である場合は、異常箇所なしで、正常判定を行う。これに対し、角度検出値θと角度演算値θzとが異なる場合は、角度検出値θあるいは角度演算値θzを検出・算出する過程に異常があると判定する。
【0064】
この実施形態3では、実施形態2と同様に、周波数/電圧変換器等の追加回路が不要であり、更にマイクロコンピュータ105使用するソフトカウンタ数が減るので、更に、ソウトウェア実行が簡素化され、より一層の高速処理が可能になる。
【0065】
次に、本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態4)を含む電動機制御系を図8を参照して説明する。なお、図8においても、図3に対応する部分は、図3に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0066】
実施形態1と同様の構成、すなわち、パルス周波数/電圧変換装置401A、401Bと、A/D変換装置402A、402Bと、電圧/速度換算装置406A、406BによってA相とB相の速度演算値ωa、ωbを得る。
【0067】
相互比較異常検出装置901は、角度/速度換算装置302より速度検出値ωを、電圧/速度換算装置406A、406Bより速度演算値ωa、ωbを取り込み、これら速度算出値を相互に比較することで、回転検出系の異常を診断し、異常検出信号を出力する。
【0068】
図9は、相互比較異常検出装置901の判定ロジックを示している。
(正常)
速度検出値ωと速度演算値ωa、ωbの3つが全て同じ値である場合は、異常箇所がなく、回転検出系が正常であると判定する。駆動信号は「伝達」とする。
【0069】
(異常1)
速度演算値ωaとωbとが同値で、速度演算値ωaと速度検出値ω、速度演算値ωbと速度検出値ωとが各々異なる場合は、速度検出値ωを検出、算出する過程(信号検出系)に異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0070】
(異常2)
速度検出値ωとB相速度演算値ωbとが同値で、速度検出値ωとA相速度演算値ωaとが異なる場合は、A相速度演算値ωaを検出・算出する過程(A相速度演算系)に異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0071】
(異常3)
速度検出値ωとA相速度演算値ωaとが同値で、速度検出値ωとB相速度演算値ωbとが異なる場合は、B相速度演算値ωbを検出・算出する過程(B相速度演算系)に異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0072】
(異常4)
速度検出値ωと速度演算値ωa、ωbの全てが互いに異なる場合は、異常箇所の特定できないが、異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0073】
(異常5)
速度検出値ωとA相速度演算値ωa、速度検出値ωとB相速度演算値ωbとが共に同値で、A相速度演算値ωaとB相速度演算値ωbとが異なる場合は、異常箇所の特定できないが、異常があると判定する。駆動信号は「遮断」とする。
【0074】
この実施形態でも、マイクロコンピュータ105が異なる複数個の演算アルゴリズムによる回転速度算出の演算処理を行うだけで、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
次に、本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態5)を図10を参照して説明する。
【0075】
信号処理装置801は、回転検出手段109が出力するA相パルス信号Paのパルス数を計数するA相パルスカウンタ手段802Aと、回転検出手段109が出力するB相パルス信号Pbのパルス数を計数するB相パルスカウンタ手段802Bと、D/A変換器803A、803Bと、比較器804とを有する。
【0076】
A相パルスカウンタ手段802A、B相パルスカウンタ手段802BはA相パルス信号Pa、B相パルス信号Pbの立ち上がり、立ち下がりエッジ、もしくはA相パルス信号Pa、B相パルス信号Pbのハイレベルまたはローレベルの入力に応じて計数処理を行う。計数処理の結果は、任意のビット長のA相ディジタルデータDa、B相ディジタルデータDbとして生成される。
【0077】
A相ディジタルデータDa、B相ディジタルデータDbは、各々D/A変換器803A、803Bに入力され、A相アナログ電圧信号Va、B相アナログ電圧信号Vbに変換される。
【0078】
比較器804は、オペレーションアンプ等により構成され、A相アナログ電圧信号VaとB相アナログ電圧信号Vbとを入力し、A相アナログ電圧信号VaとB相アナログ電圧信号Vbとを比較する。
【0079】
A相パルス信号PaとB相パルス信号Pbは、図11に示されているように位相差を有するが、電動機1回転当たりのパルス数は同じである。したがって、通常、その両パルス信号のパルス数を計数してディジタル/アナログ変換(D/A変換)したアナログ電圧値は、パルス計数値に近似した鋸波状の電圧信号Va、Vbとして互いに等しいレベルになる。
【0080】
しかし、A相検出系あるいはB相検出系の何れかに異常が生じ、パルス信号の計数が行われなくなると、異常が生じた側のパルス計数値が変化(増大)しない状態になり、正常な側のパルス計数値とで差異が生じる。その結果、D/A変換したアナログ電圧値にも差異が生じることになる。この差異が比較器804の出力に現れることにより、A相検出系あるいはB相検出系の何れかに異常が発生したことを検知できる。
【0081】
例えば、図11の時点PにてB相検出系に異常が生じると、それ以降、B相アナログ電圧信号Vbが変化しなくなる。これにより、時点P以降、A相アナログ電圧信号VaとB相アナログ電圧信号Vbとに差異が生じ、比較器804によるA相アナログ電圧信号VaとB相アナログ電圧信号Vbとの比較判定によって異常検知(異常判定)が行われる。
【0082】
この異常判定時には、比較器804の出力信号によって駆動信号遮断装置405を開成して電動機107への電力供給を遮断し、電動機107を強制停止させ、駆動装置の保護を図ることができる。
【0083】
この実施形態では、A相パルス信号Paより得られるA相アナログ電圧信号VaとB相パルス信号Pbより得られるB相アナログ電圧信号Vbとの単純な比較により、回転センサを2重系構成とするような冗長性を持たせることなく、回転検出装置の異常診断を行うことができる。
【0084】
次に、本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態6)を図12を参照して説明する。なお、図12において、図10に対応する部分は、図10に付した符号と同一の符号を付けて、その説明を省略する。
【0085】
この実施形態では、一般的なマイクロコンピュータの多くが、アナログ/ディジタル変換(A/D変換)機能であるAD変換機能を有していることを利用して、A相アナログ電圧信号Va、B相アナログ電圧信号Vbをマイクロコンピュータ105’内部で取り扱えるようにしている。
【0086】
マイクロコンピュータ105’は、信号処理装置801よりA相アナログ電圧信号Va、B相アナログ電圧信号Vbを入力するAD変換機能付きの比較演算部811をソウトフェアによって具現化する。
【0087】
比較演算部811は、A相アナログ電圧信号Va、B相アナログ電圧信号Vbの演算データを比較し、不一致の場合には、A相検出系あるいはB相検出系の何れかに異常が生じたと判定し、駆動信号遮断装置405を開成する信号を出力する。
【0088】
これにより、A相検出系あるいはB相検出系の何れかに異常が生じると、駆動信号遮断装置405を開成して電動機107への電力供給を遮断し、電動機107を強制停止させ、駆動装置の保護を図ることができる。
【0089】
上述したように、マイクロコンピュータ内部で、比較用の検出データを演算データとして取り扱えるように構成することにより、比較検知のしきい値の設定の自由度が向上し、比較判定の差異の診断条件を細かく設定できるようになる。また、アナログ電圧の単位時間当たりの変化量を演算し、変化しない側の信号系統を異常と判別することも可能になり、診断装置の性能、信頼性の向上を図ることもできる。
【0090】
以上、本発明の実施形態について記述したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の精神を逸脱しない範囲で設計において種々の変更ができるものである。
【0091】
【発明の効果】
以上の説明から理解できるように、本発明によれば、電動機制御等の回転角度、速度検出が必要な場合において、回転センサに冗長性を持たせることなく、少ない追加部品、低コストで、回転センサ及びその周辺回路の異常を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回転検出装置の診断装置が適用される電動機制御装置の構成を示す構成図である。
【図2】(a)は正転時のパルス信号の時間変化を示す波形図、(b)は逆転時のパルス信号の時間変化を示す波形図、(c)はA相パルス信号とBパルス信号とZ相パルス信号の関係を示す波形図である。
【図3】本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態1)を含む電動機制御系を示すブロック図である。
【図4】実施形態1における相互比較異常検出装置の判定ロジックを示す説明図である。
【図5】本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態2)を含む電動機制御系を示すブロック図である。
【図6】本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態3)を含む電動機制御系を示すブロック図である。
【図7】実施形態3における相互比較異常検出装置の判定ロジックを示す説明図である。
【図8】本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態4)を含む電動機制御系を示すブロック図である。
【図9】実施形態4における相互比較異常検出装置の判定ロジックを示す説明図である。
【図10】本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態5)を示すブロック図である。
【図11】実施形態5における各信号波形を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明による回転検出装置の診断装置(実施形態6)を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 バッテリ
102 キースイッチ
103 電源回路
104 速度指令発生器
105 マイクロコンピュータ
105’ マイクロコンピュータ
106 駆動回路
107 電動機
108 電流センサ
109 回転検出手段
110 回転検出入力手段
301 角度演算装置
302 角度/速度換算装置
303 トルク指令演算装置
304 電圧指令演算装置
305 駆動信号発信装置
401A パルス周波数/電圧変換装置
401B パルス周波数/電圧変換装置
402A A/D変換装置
402B A/D変換装置
403A 角度演算装置
403B 角度演算装置
404 相互比較異常検出装置
405 駆動信号遮断装置
601A パルスカウンタ
601B パルスカウンタ
602A 角度演算装置
602B 角度演算装置
701 パルスカウンタ
702 角度演算装置
703 相互比較異常検出装置
802A A相パルスカウンタ手段
802B B相パルスカウンタ手段
803A D/A変換器
803B D/A変換器
804 比較器
811 比較演算部
901 相互比較異常検出装置
Claims (12)
- 回転体の回転に応じた信号を出力する回転検出手段の出力信号より回転角度または回転速度を検出する回転検出装置の診断装置において、
前記回転検出手段の出力信号を互いに異なる複数個の演算アルゴリズムによって演算処理して回転角度または回転速度を算出する演算手段と、
前記演算手段によって算出された互いに異なる演算アルゴリズムによる回転角度算出値同士、あるいは回転速度算出値同士を比較し、その比較結果より異常診断を行う異常判定手段と、
を有することを特徴とする回転検出装置の診断装置。 - 前記回転検出装置は、出力信号として、前記回転体の所定回転角度毎にパルス信号を出力するものであり、
前記回転検出装置が出力するパルス信号の周波数を電圧値に変換する周波数/電圧変換手段を有し、
前記演算手段は、前記回転検出装置が出力するパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出する第1の角度演算手段と、前記周波数/電圧変換手段により変換された電圧値より回転角度を算出する第2の角度演算手段とを有し、
前記異常判定手段は、前記第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と前記第2の角度演算手段により算出された回転角算出値とを比較して異常診断を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転検出装置の診断装置。 - 前記回転検出装置は、位相が異なる2個のパルス信号を出力するものであり、
前記周波数/電圧変換手段は、前記回転検出装置が出力する前記2個のパルス信号の周波数を各々電圧値に変換し、
前記第2の角度演算手段は、前記周波数/電圧変換手段により変換された2個の電圧値より各々回転角度を算出し、
前記異常判定手段は、前記第2の角度演算手段により算出された2個の回転角度算出値同士を比較して異常診断を行う、
ことを特徴とする請求項2に記載の回転検出装置の診断装置。 - 前記回転検出装置は、出力信号として、前記回転体の所定回転角度毎にパルス信号を出力するものであり、
前記演算手段は、前記パルス信号の入力パルス数より回転角度を算出する第1の角度演算手段と、前記パルス信号の入力パルス数を計数するパルスカウンタと、前記パルスカウンタにより計数された入力パルス数より回転角度を算出する第3の角度演算手段とを有し、
前記異常判定手段は、前記第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と前記第3の角度演算手段により算出された回転角度算出値とを比較して異常診断を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転検出装置の診断装置。 - 前記回転検出装置は、位相が異なる2個のパルス信号を出力するものであり、
前記パルスカウンタは、前記回転検出装置が出力する前記2個のパルス信号の各々の入力パルス数を計数し、
前記第3の角度演算手段は、前記パルスカウンタにより計数された2個の入力パルス数より各々回転角度を算出し、
前記異常判定手段は、前記第3の角度演算手段により算出された2個の回転角度算出値同士を比較して異常診断を行う、
ことを特徴とする請求項4に記載の回転検出装置の診断装置。 - 前記回転検出装置は、出力信号として、前記回転体の所定回転角度毎にパルス信号を出力するものであり、
前記回転検出装置が出力するパルス信号の周波数を電圧値に変換する周波数/電圧変換手段を有し、
前記演算手段は、前記パルス信号の入力パルス数より回転角度を算出する角度演算手段と、前記角度演算手段により算出された回転角度より回転速度を算出する角度/速度換算手段と、
前記周波数/電圧変換手段により変換された電圧値より回転速度を算出する電圧/速度換算手段と有し、
前記異常判定手段は、前記角度/速度換算手段により算出された回転速度算出値と前記電圧/速度換算手段により算出された回転速度算出値とを比較して異常診断を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転検出装置の診断装置。 - 前記回転検出装置は、位相が異なる2個のパルス信号を出力するものであり、
前記周波数/電圧変換手段は、前記2個のパルス信号の周波数を各々電圧値に変換し、
前記電圧/速度換算手段は、前記周波数/電圧変換手段により変換された2個の電圧値より各々回転速度を算出し、
前記異常判定手段は、前記電圧/速度換算手段により算出された2個の回転速度算出値同士を比較して異常診断を行う、
ことを特徴とする請求項6に記載の回転検出装置の診断装置 - 前記回転検出装置は、出力信号として、前記回転体の第1の回転角度毎に第1のパルス信号を出力する共に、前記回転体の前記第1の回転角度より大きい第2の回転角度毎に第2のパルス信号を出力するものであり、
前記演算手段は、前記第1のパルス信号の入力パルス数より回転角度を算出する第1の角度演算手段と、前記第2のパルス信号の入力パルス数を計数するパルスカウンタと、前記パルスカウンタにより計数された入力パルス数より回転角度を算出する第4の角度演算手段とを有し、
前記異常判定手段は、前記第1の角度演算手段により算出された回転角度算出値と前記第4の角度演算手段により算出された回転角度算出値とを比較して異常診断を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の回転検出装置の診断装置。 - マイクロコンピュータを含み、前記演算手段および前記異常判定手段は、前記マイクロコンピュータの内部処理により具現されることを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の回転検出装置の診断装置。
- 回転体の回転に応じた信号を出力する回転検出手段の出力信号より回転角度または回転速度を検出する回転検出装置の診断装置において、
前記回転検出装置は、位相が異なる複数個のパルス信号を出力するものであり、前記回転検出装置が出力する前記複数個のパルス信号の各々の入力パルス数を計数するパルスカウント手段と、外パルスカウント手段により計数された複数個の入力パルス数同士を比較して異常診断を行う異常診断手段とを有する回転検出装置の診断装置。 - 異常診断手段は、前記パルスカウント手段により計数された複数個の入力パルス数同士を比較する比較器を含むことを特徴とする請求項10に記載の回転検出装置の診断装置。
- マイクロコンピュータを含み、前記異常診断手段は、前記マイクロコンピュータの内部処理により具現されることを特徴とする請求項10に記載の回転検出装置の診断装置。
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JP2002368010A JP2004198285A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 回転検出装置の診断装置 |
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