JP2004309222A - 回転角度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転体の回転角度検出の信頼性を向上できる回転角度検出装置を提供する。
【解決手段】第1アナログ信号An1、第2アナログ信号An2、第3アナログ信号、第4アナログ信号をそれぞれ順に1/4周期ずつ位相がずれるように構成する。上記各アナログ信号はノイズが含まれるとその電圧値が変化する。マイコンは、第1アナログ信号An1及び第2アナログ信号An2に基づいて求められる第1正接角θf1と、第3アナログ信号及び第4アナログ信号に基づいて求められる第2正接角とが一致しているか否かを判断し、一致していると判断した際に正常であると判断し、一致していない際には上記アナログ信号にノイズが含まれたと判断する。
【選択図】 図5
【解決手段】第1アナログ信号An1、第2アナログ信号An2、第3アナログ信号、第4アナログ信号をそれぞれ順に1/4周期ずつ位相がずれるように構成する。上記各アナログ信号はノイズが含まれるとその電圧値が変化する。マイコンは、第1アナログ信号An1及び第2アナログ信号An2に基づいて求められる第1正接角θf1と、第3アナログ信号及び第4アナログ信号に基づいて求められる第2正接角とが一致しているか否かを判断し、一致していると判断した際に正常であると判断し、一致していない際には上記アナログ信号にノイズが含まれたと判断する。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両においてステアリングホイールの操舵角を検出する回転角度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車において、VSC(Vehicle Stability Control )システム(R)、ESP(Electronic Stability Program)システム(R)といった車両安定性制御システムや、電子制御サスペンションシステムなどを搭載する場合には、そのシステム制御のためにステアリングの操舵角を検出する必要がある。このため、従来、こうした車両においては、操舵角を検出するための回転角度検出装置をステアリングコラム内に組み込むことが行われている。一般に、回転角度検出装置としては、回転体の回転角を絶対値で検出する絶対角検出方式の回転角度検出装置と、回転体の回転角を相対値で検出する相対角検出方式の回転角度検出装置とが知られている。
【0003】
絶対角検出方式の回転角度検出装置としては、例えば特許文献1に示すような構成が知られている。この絶対角検出方式の回転角度検出装置では、回転体の駆動歯車に噛合した検出歯車の回転に伴う移動体の移動を、磁石と磁気検出素子によって、漸次増加または減少する検出信号として検出して、回転体の回転角度を検出するようにしている。
【0004】
また、相対角検出方式の回転角度検出装置としては、例えば図8に示すような構成が知られている。即ち、図8に示す相対角検出方式の回転角度検出装置101は、ギア部102aを有する回転板102と、前記ギア部102aに噛合するギア体103と、このギア体103の中心部に固定された永久磁石104と、前記永久磁石104に対して対向配置された磁気抵抗素子105とを備えている。前記回転板102はステアリングシャフト106に一体的に固定されている。前記磁気抵抗素子105は図示しない固定部材に対して固定されている。従って、ステアリングシャフト106が回転すると、ステアリングシャフト106の回転に応じて回転板102、及び永久磁石104が固定されたギア体103も回転する。前記磁気抵抗素子105はステアリングシャフト106が回転してもその位置が変化しない。このため、ステアリングシャフト106が回転することにより永久磁石104と磁気抵抗素子105との相対位置が変化する。
【0005】
図9に示すように、前記磁気抵抗素子105は、ステアリングシャフト106が60°回転する毎に1周期となるように連続して変化する第1及び第2アナログ信号107,108を出力する。前記第1アナログ信号107と前記第2アナログ信号108が互いに1/4周期の位相差を生じるように磁気抵抗素子105は設けられている。そして回転角度検出装置101に備えられた図示しないマイコンは、第1及び第2アナログ信号107,108の周期と、第1及び第2アナログ信号107,108の電圧値とに基づいてステアリングシャフト106の回転角度を算出するように構成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−206910号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的にアナログ信号はノイズにより電圧値が変化しやすいという特性を持っている。そのため、前記第1及び第2アナログ信号107,108にノイズが含まれると、前記第1及び第2アナログ信号107,108の電圧値が変化する。すると、ステアリングシャフト106が回転していないにもかかわらず、同ステアリングシャフト106が回転したと誤認識し、前記マイコンは正確な回転角度検出ができないおそれがあった。また、ステアリングシャフト106を回転している際に第1及び第2アナログ信号107,108にノイズが含まれると、前記マイコンは正確な回転角度検出ができないおそれがあった。
【0008】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は回転体の回転角度検出の信頼性を向上できる回転角度検出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、回転体が所定角度回転する毎に1周期となるように連続して変化する第1角度検出用アナログ信号及び第2角度検出用アナログ信号をそれぞれ出力する第1角度検出手段と、前記回転体が前記所定角度回転する毎に1周期となるように連続して変化する第3角度検出用アナログ信号及び第4角度検出用アナログ信号をそれぞれ出力する第2角度検出手段と、各角度検出用アナログ信号の周期及び各角度検出用アナログ信号の出力値に基づいて前記回転体の回転角度を算出する角度算出手段と、各角度検出用アナログ信号の出力値に基づいて各角度検出用アナログ信号のうち少なくとも一つにノイズが含まれているか否かを判断するノイズ判断手段とを備え、各角度検出用アナログ信号をそれぞれ互いに位相が異なるように設け、前記第1角度検出用アナログ信号と前記第2角度検出用アナログ信号とを互いに1/4周期の位相差を生じるように設け、前記第3角度検出用アナログ信号と前記第4角度検出用アナログ信号とを互いに1/4の位相差を生じるように設けたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転角度検出装置において、前記第1角度検出用アナログ信号と前記第3角度検出用アナログ信号とを互いに1/2周期の位相差を生じるように設けたことを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の回転角度検出装置において、前記ノイズ判断手段は、前記第1角度検出用アナログ信号の出力値及び前記第2角度検出用アナログ信号の出力値に基づいて求めた第1正接角と、前記第3角度検出用アナログ信号及び前記第4角度検出用アナログ信号に基づいて求めた第2正接角とを比較し、その比較結果が予め設定された対応関係と一致するか否かに基づいて各角度検出用アナログ信号にノイズが含まれているか否かを判断することを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の回転角度検出装置において、前記ノイズ判断手段は、前記第1角度検出用アナログ信号の出力値と前記第3角度検出用アナログ信号の出力値との和が0か否かにより前記第1角度検出用アナログ信号及び前記第3角度検出用アナログ信号の少なくとも一方にノイズが含まれているか否かを判断する、或いは前記第2角度検出用アナログ信号の出力値と前記第4角度検出用アナログ信号の出力値との和が0か否かにより前記第2角度検出用アナログ信号及び前記第4角度検出用アナログ信号の少なくとも一方にノイズが含まれているか否かを判断することを要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回転角度検出装置を車両におけるステアリングの操舵角を検出する操舵角検出装置として具体化した実施形態を図1〜図7に基づき詳細に説明する。
【0014】
図1に示すように、回転角度検出装置としての操舵角検出装置1は、図示しない車両のステアリングコラム内に配設され、回転体としてのステアリングシャフトSに装着されている。操舵角検出装置1は、ステアリングシャフトSの周囲の構造体に固定されたハウジング2を備え、このハウジング2には回転板3が回転可能に支持されている。この回転板3はステアリングシャフトSに外嵌した状態で固定され、ステアリングシャフトSと共に回動する。つまり、回転板3は、ステアリングシャフトSが回転されると、同ステアリングシャフトSと等しく回転する。また、回転板3の外周面にはギア部3aが形成されている。そして、回転板3の近辺には、ギア部3aと歯合する2つのギア体4,21がそれぞれ配設されている。このため、ステアリングシャフトSが回転されると、回転板3の回転に伴って両ギア体4,21も回転する。なお、回転板3が1回転すると両ギア体4,21が6回転するように、回転板3と両ギア体4,21との間の歯車比がそれぞれ設定されている。
【0015】
図1及び図2に示すように、ギア体4,21の中心部には、永久磁石5,22がそれぞれ固定されている。両永久磁石5,22は、それぞれギア体4,21において所定の径方向に磁束を発生させるように設けられている。このため、ギア体4,21が1回転(即ち、360°回転)すると、永久磁石5,22が発生する磁束の方向も360゜回転する。
【0016】
図1及び図2に示すように、ハウジング2内において永久磁石5と対向する箇所には、第1角度検出手段としての磁気抵抗素子11が配設されている。この磁気抵抗素子11は永久磁石5が発生する磁束を検出してギア体4の回転角に応じて連続的に変化する角度検出用のアナログ信号を出力する。詳しくは、回転板3が60゜回転する毎にギア体4が1回転(360゜回転)する。このため、図4に示すように、磁気抵抗素子11は、回転板3が60゜回転する毎に1周期となる正弦波からなる第1アナログ信号An1と、その第1アナログ信号An1に対して1/4周期だけ位相がずれた正弦波からなる第2アナログ信号An2とを出力する。前記第1アナログ信号An1は第1角度検出用アナログ信号に相当し、前記第2アナログ信号An2は第2角度検出用アナログ信号に相当する。
【0017】
また同様に、図1に示すように、永久磁石22と対向する箇所には、第2角度検出手段としての磁気抵抗素子23が配設されている。この磁気抵抗素子23は、前記磁気抵抗素子11と同等の素子によって構成され、永久磁石22が発生する磁束を検出してギア体21の回転角に応じて連続的に変化する角度検出用のアナログ信号を出力する。詳しくは、図4に示すように、磁気抵抗素子23は、回転板3が60゜回転する毎に1周期となる正弦波からなる第3アナログ信号An3と、その第3アナログ信号An3に対して1/4周期だけ位相がずれた正弦波からなる第4アナログ信号An4とを出力する。前記第3アナログ信号An3は第3角度検出用アナログ信号に相当し、前記第4アナログ信号An4は第4角度検出用アナログ信号に相当する。
【0018】
第1アナログ信号An1及び第3アナログ信号An3が互いに1/2周期だけ位相がずれるように磁気抵抗素子11は設定されている。第2アナログ信号An2及び第4アナログ信号An4が互いに1/2周期だけ位相がずれるように磁気抵抗素子23は設定されている。すなわち、第1アナログ信号An1、第2アナログ信号An2、第3アナログ信号An3、第4アナログ信号An4は、それぞれ互いに位相が異なるように設定されている。詳しくは、図4に示すように、第1アナログ信号An1はcosθの出力波形とされ、第2アナログ信号An2はsinθの出力波形とされ、第3アナログ信号An3はcos(θ+180°)の出力波形とされ、第4アナログ信号An4はsin(θ+180°)の出力波形とされている。なお、θはギア体4,21の回転角度を示している。
【0019】
次に、こうした操舵角検出装置1の電気的構成について説明する。
図3に示すように、操舵角検出装置1は、前記磁気抵抗素子11,23、角度算出手段及びノイズ判断手段としてのマイコン(マイクロコンピュータ)12、電源回路13及びインターフェイス部14を備えている。
【0020】
マイコン12は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAM、A/D変換器等を備えたCPUユニットであり、図2に示すプリント配線板6に配設されている。このマイコン12の第1及び第2入力端子IN1,IN2には、前記磁気抵抗素子11からの第1及び第2アナログ信号An1,An2がそれぞれ入力されるようになっている。また、マイコン12の第3及び第4入力端子IN3,IN4には、前記磁気抵抗素子23からの第3及び第4アナログ信号An3,An4がそれぞれ入力されるようになっている。
【0021】
また、マイコン12の電源入力端子Vinには電源回路13が電気的に接続され、マイコン12はこの電源回路13から電力供給されている。電源回路13は、バッテリ電圧を降圧してマイコン12の駆動電圧に変換するDC−DCコンバータによって構成され、2つの入力端子を備えている。そして、一方の入力端子には図示しないイグニッションONリレーを介してバッテリ電圧が入力され、他方の入力端子にはイグニッションONリレーを介さずにバッテリ電圧が入力されている。また、電源回路13には、トランジスタTr1を介して磁気抵抗素子11,23がそれぞれ電気的に接続されている。詳しくは、トランジスタTr1のコレクタ端子が電源回路13に電気的に接続され、エミッタ端子が磁気抵抗素子11,23にそれぞれ電気的に接続されている。そして、トランジスタTr1のベース端子はマイコン12の出力端子OUTに電気的に接続されている。
【0022】
マイコン12からトランジスタTr1に対してベース電流が通電された際にトランジスタTr1が作動し、電源回路13から磁気抵抗素子11,23に対して電力が供給される。即ち、磁気抵抗素子11は、マイコン12によって給電が制御され、給電されているときに前記第1及び第2アナログ信号An1,An2を出力する。また、磁気抵抗素子23は、マイコン12によって給電が制御され、給電されているときに前記第3及び第4アナログ信号An3,An4を出力する。
【0023】
マイコン12は、磁気抵抗素子11から第1及び第2アナログ信号An1,An2が入力されると、第1及び第2アナログ信号An1,An2の出力値としての第1及び第2アナログ信号An1,An2の電圧値に基づいて前記回転板3の回転角度を算出する。
【0024】
詳しくは、図4に模式的に示すように、マイコン12は、第1及び第2アナログ信号An1,An2が入力されると、第1及び第2アナログ信号An1,An2をディジタル信号(以下、第1ディジタル信号という)に変換する。該第1ディジタル信号は、第1及び第2アナログ信号An1,An2の電圧値に基づき、第1及び第2アナログ信号An1,An2の1周期の変化に対して60分割したそれぞれ異なる値に変換されるようになっている。具体的には、同図にポイントP0で示すように、回転板3が基準位置(車輪が進行方向正面を向く位置=「0゜」)にある場合における第1及び第2アナログ信号An1,An2の電圧値に対しては、「0」となる値の第1ディジタル信号に変換される。そして、ポイントP1で示すように、回転板3が時計回り方向に30゜回転された時点での第1及び第2アナログ信号An1,An2の電圧値に対しては、「30」となる値の第1ディジタル信号に変換される。つまり、回転板3が0゜から59゜まで回転される間においては、同回転板3が時計回り方向に1゜回転される毎に第1ディジタル信号値は「1」ずつ加算され、反時計回り方向に1゜回転される毎に第1ディジタル信号値は「1」ずつ減算されるようになっている。なお、ポイントP2で示すように、回転板3が60゜回転した際には、第1及び第2アナログ信号An1,An2の電圧値が前記基準位置での電圧値と等しくなるため、第1ディジタル信号値は再び「0」となる。
【0025】
そして、こうした第1ディジタル信号値に基づき、マイコン12は回転板3の回転角度を算出する。例えば、図4に示す領域A(第1及び第2アナログ信号An1,An2の変移が基準位置に対して1周期)において第1ディジタル信号値が「30」の場合(ポイントP1)、マイコン12は、回転板3の回転角度を「30゜」(時計回り方向)と算出する。また、領域B(第1及び第2アナログ信号An1,An2の変移が基準位置に対して2周期)において第1ディジタル信号値が「30」の場合(ポイントP3)、マイコン12は、回転板3の回転角度を「90゜」(時計回り方向)と算出する。つまり、マイコン12は、第1及び第2アナログ信号An1,An2の変移が基準位置に対して何周期目にあるかに基づいて基準位置からの回転領域(ここでは領域A〜F)を算出し、その回転領域内における第1ディジタル信号値に基づいて回転板3の回転角度を絶対値で求めるようになっている。換言すれば、マイコン12は、基準位置からの第1及び第2アナログ信号An1,An2の周期を計数し、その計数値に基づいて回転板3の回転領域を相対的に算出する。そして、その算出した領域と、第1及び第2アナログ信号An1,An2からの電圧値とに基づいて、マイコン12は回転板3の回転角度を算出するようになっている。
【0026】
また、マイコン12は、磁気抵抗素子23から第3及び第4アナログ信号An3,An4が入力されると、第3及び第4アナログ信号An3,An4の出力値としての電圧値に基づいて前記回転板3の回転角度を算出する。
【0027】
詳しくは、図4に模式的に示すように、マイコン12は、第3及び第4アナログ信号An3,An4が入力されると、第3及び第4アナログ信号An3,An4をディジタル信号(以下、第2ディジタル信号という)に変換する。該第2ディジタル信号は、第3及び第4アナログ信号An3,An4の電圧値に基づき、第3及び第4アナログ信号An3,An4の1周期の変化に対して60分割したそれぞれ異なる値に変換されるようになっている。
【0028】
ところで、第1アナログ信号An1と第3アナログ信号An3とでは互いに1/2周期の位相ずれがあり、第2アナログ信号An2と第4アナログ信号An4とでは互いに1/2周期の位相ずれがある。しかしながら、回転板3が所定角度回転した際において、第2ディジタル信号値が第1ディジタル信号値と同じになるように、マイコン12は第3及び第4アナログ信号An3,An4を第2ディジタル信号に変換するように設定されている。
【0029】
マイコン12は、第1ディジタル信号と第2ディジタル信号とが一致しているか否かを判断し、一致していると判断した際に第1及び第2ディジタル信号値同士の対応関係が正常であると判断する。具体的には、磁気抵抗素子11及び磁気抵抗素子23が共に正常に動作している場合、図4にポイントP1で示すように、回転板3が基準位置から時計回り方向に30゜回転された時点での第1及び第2ディジタル信号値は、共に「30」となる。よって、マイコン12は、第1及び第2ディジタル信号値が一致することを条件としてこのディジタル信号値「30」に基づいて、回転板3の回転角度を算出する。なお、本明細書では、「一致」とは「近似」をも含むものと定義する。つまり、マイコン12は、磁気抵抗素子11及び磁気抵抗素子23の公差などに起因する第1及び第2ディジタル信号値の微少誤差を許容するようになっている。そして、こうした微少誤差が生じた場合、マイコン12は、第1ディジタル信号値に基づいて角度算出を行う。なお、マイコン12は、算出した回転角度をインターフェイス部14を介して種々の車両システム(例えば車両安定性制御システムや、電子制御サスペンションシステムなど)に対して出力する。
【0030】
一方、第1及び第2ディジタル信号値同士の対応関係が異常の場合、すなわち第1及び第2ディジタル信号値同士が一致していない場合、マイコン12は、磁気抵抗素子11または磁気抵抗素子23のどちらか一方が故障等の異常を生じていると判断する。そして、マイコン12は、磁気抵抗素子11または磁気抵抗素子23に異常が生じたと判断した場合、図示しないインストルメントパネルに設けられたインジケータやブザーなどに作動信号を出力して該異常が生じた旨を搭乗者に報知する。また、マイコン12は、磁気抵抗素子11または磁気抵抗素子23に異常が生じたと判断した場合、ステアリングシャフトSの回転角度を利用して制御を行う車両システムに対して禁止信号を出力して該車両システムによる制御を禁止させる。
【0031】
次に、操舵角検出装置1の特徴的な部分について説明する。
マイコン12は、第1〜第4アナログ信号An1〜An4が入力されると、その各第1〜第4アナログ信号An1〜An4の電圧値に基づいて各第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれているか否かを判断する。詳しく述べると、マイコン12は、各第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれているか否かを以下に示す第1処理および第2処理により判断する。
【0032】
なお、本明細書において、ノイズとはアナログ信号の電圧値を変化させるのものと定義する。
まず、第1処理を図5(a),(b)及び図6(a),(b)に基づいて説明する。なお、図5(a)に示す点(A)は、第1アナログ信号An1の電圧値が「1」でかつ第2アナログ信号An2の電圧値が「0」の時の座標を示したものであり、この時の点(A)は図5(b)における周期Tが0の時と対応している。第1アナログ信号An1及び第2アナログ信号An2にノイズが含まれずに周期Tがプラスへ増加すると、図5(a)における前記点(A)は原点を中心として反時計回りの円を描くように移動する。図5(a)における原点とは、第1アナログ信号An1の電圧値が「0」でかつ第2アナログ信号An2の電圧値が「0」の時の座標をいう。同様に、図6(a)に示す点(B)は、第3アナログ信号An3の電圧値が「−1」でかつ第4アナログ信号An4の電圧値が「0」の時の座標を示したものであり、この時の点(B)は図6(b)における周期Tが0の時と対応している。第3アナログ信号An3及び第4アナログ信号An4にノイズが含まれずに周期Tがプラスへ増加すると、図6(a)における前記点(B)は原点を中心として反時計回りの円を描くように移動する。
【0033】
第1処理においては、マイコン12は、第1アナログ信号An1の電圧値及び第2アナログ信号An2の電圧値に基づいて正接角を求め、第3アナログ信号An3の電圧値及び第4アナログ信号An4の電圧値に基づいて正接角を求める。そしてマイコン12は、その両正接角を比較することにより第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれているか否かを判断する。
【0034】
詳しくは、第1アナログ信号An1の電圧値と第2アナログ信号An2の電圧値とに基づく正接角(以下、第1正接角θf という)は、次の式(1),(2)により求まる。
【0035】
tanθf =(sinθ/cosθ) ・・・(1)
θf =tan−1(sinθ/cosθ)・・・(2)
また、第3アナログ信号An3の電圧値と第4アナログ信号An4の電圧値とに基づく正接角(以下、第2正接角θs という)は、次の式(3),(4)により求まる。
【0036】
tanθs =(sin(θ+180°)/cos(θ+180°) ・・・(3)
θs =tan−1(sin(θ+180°)/cos(θ+180°))・・・(4)
そして、マイコン12は第1正接角θf と第2正接角θs とが一致しているか否かを判断し、一致していると判断した際に第1正接角θf と第2正接角θs との対応関係が正常であると判断する。マイコン12は、磁気抵抗素子11及び磁気抵抗素子23の公差などに起因する第1正接角θf 及び第2正接角θs の微少誤差を許容するようになっている。
【0037】
一方、第1正接角θf と第2正接角θs との対応関係が異常の場合、すなわち第1正接角θf と第2正接角θs とが一致していない場合、マイコン12は、第1〜第4アナログ信号An1〜An4少なくとも一つにノイズが含まれていると判断する。
【0038】
詳しくは、例えば、周期Tが0.38(図5(b)及び図6(b)のポイントM1)の際において、各第1〜第4アナログ信号An1〜An4にプラスのノイズN1がそれぞれ含まれると次に示すようになる。図5(a)に示すように、プラスのノイズN1が第1及び第2アナログ信号An1,An2にそれぞれ含まれた状態で、マイコン12が第1正接角θf を演算すると
tan−1((sinθ+N1)/(cosθ+N1))=(θf −θn1)・・・(5)
となる。(θf −θn1)は、ポイントM1においてプラスのノイズN1が第1及び第2アナログ信号An1,An2にそれぞれ含まれた状態で算出した第1正接角を示している。即ち、図5(a),(b)に示すように、周期Tが本来0.38(図中のポイントM1参照)であるにもかかわらず算出された周期Tは0.31(図中のポイントM2参照)に相当してしまう。
【0039】
また、図6(a)に示すように、プラスのノイズN1が第3及び第4アナログ信号An3,An4にそれぞれ含まれた状態で、マイコン12が第2正接角θs を演算すると
θs =tan−1((sin(θ+180°)+N1)/(cos(θ+180°)+N1))=(θs +θn1)・・・(6)
となる。(θs +θn1)は、ポイントM1においてプラスのノイズN1が第3及び第4アナログ信号An3,An4にそれぞれ含まれた状態で算出した第2正接角θs を示している。即ち、図6(a),(b)に示すように、周期Tが本来0.38(図中のポイントM1参照)であるにもかかわらず算出された周期Tは0.43(図中のポイントM3参照)に相当してしまう。このように、各第1〜第4アナログ信号An1〜An4にプラスのノイズN1がそれぞれ含まれると、第1正接角θf は実際より角度が小さくなり、第2正接角θs は実際より角度が大きくなる。マイコン12は、第1正接角θf と第2正接角θs とが一致していた状態から一致しなくなることによりノイズが入ったものと判断する。
【0040】
加えて、図示はしないが、ポイントM1において、各第1〜第4アナログ信号An1〜An4にそれぞれ同じ大きさのマイナスのノイズが含まれた際に、マイコン12が第1正接角θf を演算すると(θf +θn1)の正接角となり、第2正接角θs を演算すると(θs −θn1)の正接角となる。この場合においても、マイコン12は、第1正接角θf と第2正接角θs とが一致していた状態から一致しなくなることでノイズが入ったものと判断する。
【0041】
また、図示はしないが第1及び第3アナログ信号An1,An3にマイナスのノイズがそれぞれ含まれ、第2及び第4アナログ信号An2,An4にプラスのノイズがそれぞれ含まれた際に、マイコン12は第1正接角θf と第2正接角θs とが一致状態から一致しなくなることでノイズが入ったものと判断する。
【0042】
さらに図示はしないが第1及び第3アナログ信号An1,An3にプラスのノイズがそれぞれ含まれ、第2及び第4アナログ信号An2,An4にマイナスのノイズがそれぞれ含まれた際に、マイコン12は第1正接角θf と第2正接角θs とが一致状態から一致しなくなることでノイズが入ったものと判断する。
【0043】
また、例えば周期Tが0.11(図5(b)及び図6(b)のポイントM4)の際に、各第1〜第4アナログ信号An1〜An4に対して上記のノイズがそれぞれ含まれた場合においても、マイコン12は各第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが入ったことを判断する。一例を挙げると、第1及び第3アナログ信号An1,An3にマイナスのノイズがそれぞれ含まれ、第2及び第4アナログ信号An2,An4にプラスのノイズがそれぞれ含まれた際には次に示すようになる。第1アナログ信号An1にマイナスのノイズN2が含まれると共に第2アナログ信号An2にプラスのノイズN2が含まれた状態で、マイコン12が第1正接角θf を演算すると図5(a)のポイントM5に対応した(θf +θn2)の正接角となる。また、第3アナログ信号An3にマイナスのノイズN2が含まれると共に第4アナログ信号An4にプラスのノイズN2が含まれた状態で、マイコン12が第2正接角θs を演算すると図6(a)のポイントM6に対応した(θs −θn2)の正接角となる。マイコン12は、第1正接角θf と第2正接角θs とが一致していた状態から一致しなくなることによりノイズが入ったものと判断する。
【0044】
このように第1処理では、第1〜第4アナログ信号An1〜An4に同じ大きさのノイズがそれぞれ含まれた際、または第1〜第4アナログ信号An1〜An4のうち少なくとも一つにノイズが含まれた際に、マイコン12によりそのノイズが含まれたことが判断される。また、第1処理では、第1及び第3アナログ信号An1,An3と第2及び第4アナログ信号An2,An4とでプラスマイナスが互いに逆のノイズが含まれた際に、マイコン12によりそのノイズが含まれたことが判断される。
【0045】
次に、第2処理について説明する。
第2処理においては、マイコン12は、磁気抵抗素子11の第1アナログ信号An1の電圧値と磁気抵抗素子23の第3アナログ信号An3の電圧値とを用いた演算により第1及び第3アナログ信号An1,An3にノイズが含まれているか否かを判断する。また、マイコン12は、磁気抵抗素子11の第2アナログ信号An2の電圧値と磁気抵抗素子23の第4アナログ信号An4の電圧値とを用いた演算により第2及び第4アナログ信号An2,An4にノイズが含まれているか否かを判断する。
【0046】
第1及び第3アナログ信号An1,An3にプラスのノイズG1がそれぞれ含まれた際(例えば図7のポイントQ1参照)には、マイコン12は以下に示す演算により第1及び第3アナログ信号An1,An3にノイズG1が含まれていることを判断する。
【0047】
K1=cosθ+cos(θ+180°)・・・(7)
マイコン12は上記演算値K1が0か否かを判断し、演算値K1が0の際に第1及び第3アナログ信号An1,An3にノイズG1が含まれていないと判断し、演算値K1が0でないと判断した際に第1及び第3アナログ信号An1,An3にノイズG1が含まれていると判断する。なお、本明細書では、「0」とは若干の許容範囲を含むものと定義する。つまり、マイコン12は、磁気抵抗素子11及び磁気抵抗素子23の公差などに起因する第1〜第4アナログ信号An1〜An4の電圧値における微少誤差や演算による微少誤差を許容するようになっている。第1及び第3アナログ信号An1,An3にマイナスのノイズG1がそれぞれ含まれた際においても、マイコン12は式(7)の演算値K1に基づいて第1及び第3アナログ信号An1,An3にノイズG1が含まれているか否かを判断する。
【0048】
また、第2及び第4アナログ信号An2,An4にプラスのノイズG2がそれぞれ含まれた際(例えば図7のポイントQ2参照)には、マイコン12は以下に示す演算により第2及び第4アナログ信号An2,An4にノイズG2が含まれていることを判断する。
【0049】
K2=sinθ+sin(θ+180°)・・・(8)
マイコン12は演算値K2が0か否かを判断し、演算値K2が0の際に第2及び第4アナログ信号An2,An4にノイズG2が含まれていないと判断し、演算値K2が0でないと判断した際に第2及び第4アナログ信号An2,An4にノイズG2が含まれていると判断する。第2及び第4アナログ信号An2,An4にマイナスのノイズG2がそれぞれ含まれた際においても、マイコン12は式(8)の演算値K2に基づいて第2及び第4アナログ信号An2,An4にノイズG2が含まれているか否かを判断する。
【0050】
このように第2処理では、第1アナログ信号An1と第3アナログ信号An3とでプラスマイナスが同じノイズが含まれた際、または第1アナログ信号An1及び第3アナログ信号An3のうち一方のみにノイズが含まれた際にマイコン12によりそのノイズが含まれたことが判断される。また、第2処理では、第2アナログ信号An2と第4アナログ信号An4とでプラスマイナスが同じノイズが含まれた際、または第2アナログ信号An2及び第4アナログ信号An4のうち一方のみにノイズが含まれた際にマイコン12によりそのノイズが含まれたことが判断される。
【0051】
このようにマイコン12は、上記第1処理及び上記第2処理を所定時間毎に行うことにより、第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれていると判断した場合、図示しないインストルメントパネルに設けられたインジケータやブザーなどに作動信号を出力して該異常が生じた旨を搭乗者に報知する。
【0052】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)操舵角検出装置1は、第1アナログ信号An1、第2アナログ信号An2、第3アナログ信号An3、第4アナログ信号An4をそれぞれ順に1/4周期ずつ位相がずれるように構成した。マイコン12は、第1〜第4アナログ信号An1〜An4の電圧値に基づいて第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれているか否かを判断するようにした。マイコン12は、第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれている際には、回転角度の算出結果が疑わしいものとしてインジケータやブザーなどに作動信号を出力して該異常が生じた旨を搭乗者に報知できる。マイコン12は、第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれていない際には、回転角度の算出結果が正しいものとして、その回転角度を種々の車両システムへ出力することができる。よって、マイコン12は第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれているか否かを判断でき、ステアリングシャフトSの回転角度検出の信頼性を向上できる。
【0053】
(2)マイコン12は、第1正接角θf と第2正接角θs とが一致しているか否かを判断し、一致していると判断した際に正常であると判断し、一致していない際には異常であると判断する。これにより、第1〜第4アナログ信号An1〜An4に同じ大きさのノイズがそれぞれ含まれたり、第1〜第4アナログ信号An1〜An4のうち少なくとも一つにノイズが含まれたりした際に、マイコン12はアナログ信号にノイズが含まれていると判断できる。よって、操舵角検出装置1の動作信頼性を確実に向上させることができる。
【0054】
(3)マイコン12は、第1アナログ信号An1の電圧値と第3アナログ信号An3の電圧値との和が0か否かにより第1アナログ信号An1及び第3アナログ信号An3の少なくとも一方にノイズが含まれているか否かを判断する。また、マイコン12は、第2アナログ信号An2の電圧値と第4アナログ信号An4の電圧値との和が0か否かにより第2アナログ信号An2及び第4アナログ信号An4の少なくとも一方にノイズが含まれているか否かを判断する。これにより、第1アナログ信号An1と第3アナログ信号An3とで同じ大きさのノイズが含まれたり、第1アナログ信号An1及び第3アナログ信号An3のうち一方のみにノイズが含まれたりした際に、マイコン12によりノイズの判断を行うことができる。また、第2アナログ信号An2と第4アナログ信号An4とで同じ大きさのノイズが含まれたり、第2アナログ信号An2及び第4アナログ信号An4のうち一方のみにノイズが含まれたりした際に、マイコン12はアナログ信号にノイズが含まれていると判断できる。よって、操舵角検出装置1の動作信頼性を確実に向上させることができる。
【0055】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・回転角度検出装置は、ステアリングホイールの回転角度を検出する操舵角検出装置1以外の用途、例えば回転軸を備えた工作機械における回転軸の回転角度を検出する回転角度検出装置として用いてもよい。
【0056】
・前記実施形態では、第1及び第2角度検出手段として磁気抵抗素子11,23を用いている。これに限らず、第1及び第2角度検出手段として巨大磁気抵抗素子(GMR素子)や、磁気インピーダンス素子、ホール素子などの各種磁気センサや、ポテンションメータなどの接触型の素子を用いてもよい。要は、第1及び第2角度検出手段は、ステアリングシャフトSの回転に伴って連続的に変化するアナログ信号を出力する素子によって構成されていればよい。
【0057】
・前記実施形態において、第1〜第4アナログ信号An1〜An4が1周期となる回転板3の回転角度は、60°に限らず、例えば90°、120°、180°、360°、720°、1080°など、任意の角度に変更してもよい。
【0058】
・前記実施形態では、マイコン12は第1処理と第2処理の両方を行うようにしていた。これに限らず、マイコン12は第1処理及び第2処理のうち一方の処理のみを行うようにしてもよい。そして、マイコン12が第1処理及び第2処理のうち第1処理のみを行うように変更した際においては次のようにしてもよい。第1アナログ信号An1と第3アナログ信号An3との位相ずれ、及び第2アナログ信号An2と第4アナログ信号An4との位相ずれが1/2周期でなくてもよい。要は、第1アナログ信号An1と第2アナログ信号An2とが互いに1/4周期の位相差となるように磁気抵抗素子11を設け、第3アナログ信号An3と第4アナログ信号An4とが互いに1/4周期の位相差となるように磁気抵抗素子23を設けていればよい。
【0059】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(イ)請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、前記角度検出手段は、前記回転体が60°回転する毎に1周期となるように前記アナログ信号を出力するように設定されていること。この技術的思想(イ)に記載の発明によれば、高い角度検出精度が得られ、高い分解能の実現が可能となる。
【0060】
(ロ)請求項1乃至請求項4、技術的思想(イ)のうちいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、前記第1角度検出手段及び前記第2角度検出手段は、磁気抵抗素子または磁気インピーダンス素子を用いて構成されていること。
【0061】
(ハ)請求項1乃至請求項4、技術的思想(イ)、技術的思想(ロ)のうちいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、当該回転角度検出装置は車両におけるステアリングホイールの回転角度を検出する操舵角検出装置として用いられること。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、回転体の回転角度検出の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における操舵角検出装置の概略構成図。
【図2】図1におけるA−A線矢視断面図。
【図3】本実施形態における電気的構成を概略的に示すブロック図。
【図4】本実施形態の作用を説明するために模式的に示す特性図。
【図5】(a)は、第1アナログ信号の電圧値と第2アナログ信号の電圧値との関係を示す特性図。(b)は、周期と第1及び第2アナログ信号の電圧値との関係を示す特性図。
【図6】(a)は、第3アナログ信号の電圧値と第4アナログ信号の電圧値との関係を示す特性図。(b)は、周期と第3及び第4アナログ信号の電圧値との関係を示す特性図。
【図7】本実施形態における第2処理の作用を説明するために模式的に各信号の電圧値を示す特性図。
【図8】従来技術における操舵角検出装置の概略構成図。
【図9】従来技術における第1アナログ信号の電圧値と第2アナログ信号の電圧値との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…回転角度検出装置としての操舵角検出装置、
11…第1角度検出手段としての磁気抵抗素子、
12…角度算出手段及びノイズ判断手段としてのマイコン(マイクロコンピュータ)、
23…第2角度検出手段としての磁気抵抗素子、
An1…第1角度検出用アナログ信号としての第1アナログ信号、
An2…第2角度検出用アナログ信号としての第2アナログ信号、
An3…第3角度検出用アナログ信号としての第3アナログ信号、
An4…第4角度検出用アナログ信号としての第4アナログ信号、
G1,G2,N1,N2…ノイズ、
S…回転体としてのステアリングシャフト、T…周期、
θf …第1正接角、θs …第2正接角。
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば車両においてステアリングホイールの操舵角を検出する回転角度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車において、VSC(Vehicle Stability Control )システム(R)、ESP(Electronic Stability Program)システム(R)といった車両安定性制御システムや、電子制御サスペンションシステムなどを搭載する場合には、そのシステム制御のためにステアリングの操舵角を検出する必要がある。このため、従来、こうした車両においては、操舵角を検出するための回転角度検出装置をステアリングコラム内に組み込むことが行われている。一般に、回転角度検出装置としては、回転体の回転角を絶対値で検出する絶対角検出方式の回転角度検出装置と、回転体の回転角を相対値で検出する相対角検出方式の回転角度検出装置とが知られている。
【0003】
絶対角検出方式の回転角度検出装置としては、例えば特許文献1に示すような構成が知られている。この絶対角検出方式の回転角度検出装置では、回転体の駆動歯車に噛合した検出歯車の回転に伴う移動体の移動を、磁石と磁気検出素子によって、漸次増加または減少する検出信号として検出して、回転体の回転角度を検出するようにしている。
【0004】
また、相対角検出方式の回転角度検出装置としては、例えば図8に示すような構成が知られている。即ち、図8に示す相対角検出方式の回転角度検出装置101は、ギア部102aを有する回転板102と、前記ギア部102aに噛合するギア体103と、このギア体103の中心部に固定された永久磁石104と、前記永久磁石104に対して対向配置された磁気抵抗素子105とを備えている。前記回転板102はステアリングシャフト106に一体的に固定されている。前記磁気抵抗素子105は図示しない固定部材に対して固定されている。従って、ステアリングシャフト106が回転すると、ステアリングシャフト106の回転に応じて回転板102、及び永久磁石104が固定されたギア体103も回転する。前記磁気抵抗素子105はステアリングシャフト106が回転してもその位置が変化しない。このため、ステアリングシャフト106が回転することにより永久磁石104と磁気抵抗素子105との相対位置が変化する。
【0005】
図9に示すように、前記磁気抵抗素子105は、ステアリングシャフト106が60°回転する毎に1周期となるように連続して変化する第1及び第2アナログ信号107,108を出力する。前記第1アナログ信号107と前記第2アナログ信号108が互いに1/4周期の位相差を生じるように磁気抵抗素子105は設けられている。そして回転角度検出装置101に備えられた図示しないマイコンは、第1及び第2アナログ信号107,108の周期と、第1及び第2アナログ信号107,108の電圧値とに基づいてステアリングシャフト106の回転角度を算出するように構成されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−206910号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的にアナログ信号はノイズにより電圧値が変化しやすいという特性を持っている。そのため、前記第1及び第2アナログ信号107,108にノイズが含まれると、前記第1及び第2アナログ信号107,108の電圧値が変化する。すると、ステアリングシャフト106が回転していないにもかかわらず、同ステアリングシャフト106が回転したと誤認識し、前記マイコンは正確な回転角度検出ができないおそれがあった。また、ステアリングシャフト106を回転している際に第1及び第2アナログ信号107,108にノイズが含まれると、前記マイコンは正確な回転角度検出ができないおそれがあった。
【0008】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は回転体の回転角度検出の信頼性を向上できる回転角度検出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、回転体が所定角度回転する毎に1周期となるように連続して変化する第1角度検出用アナログ信号及び第2角度検出用アナログ信号をそれぞれ出力する第1角度検出手段と、前記回転体が前記所定角度回転する毎に1周期となるように連続して変化する第3角度検出用アナログ信号及び第4角度検出用アナログ信号をそれぞれ出力する第2角度検出手段と、各角度検出用アナログ信号の周期及び各角度検出用アナログ信号の出力値に基づいて前記回転体の回転角度を算出する角度算出手段と、各角度検出用アナログ信号の出力値に基づいて各角度検出用アナログ信号のうち少なくとも一つにノイズが含まれているか否かを判断するノイズ判断手段とを備え、各角度検出用アナログ信号をそれぞれ互いに位相が異なるように設け、前記第1角度検出用アナログ信号と前記第2角度検出用アナログ信号とを互いに1/4周期の位相差を生じるように設け、前記第3角度検出用アナログ信号と前記第4角度検出用アナログ信号とを互いに1/4の位相差を生じるように設けたことを要旨とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転角度検出装置において、前記第1角度検出用アナログ信号と前記第3角度検出用アナログ信号とを互いに1/2周期の位相差を生じるように設けたことを要旨とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の回転角度検出装置において、前記ノイズ判断手段は、前記第1角度検出用アナログ信号の出力値及び前記第2角度検出用アナログ信号の出力値に基づいて求めた第1正接角と、前記第3角度検出用アナログ信号及び前記第4角度検出用アナログ信号に基づいて求めた第2正接角とを比較し、その比較結果が予め設定された対応関係と一致するか否かに基づいて各角度検出用アナログ信号にノイズが含まれているか否かを判断することを要旨とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の回転角度検出装置において、前記ノイズ判断手段は、前記第1角度検出用アナログ信号の出力値と前記第3角度検出用アナログ信号の出力値との和が0か否かにより前記第1角度検出用アナログ信号及び前記第3角度検出用アナログ信号の少なくとも一方にノイズが含まれているか否かを判断する、或いは前記第2角度検出用アナログ信号の出力値と前記第4角度検出用アナログ信号の出力値との和が0か否かにより前記第2角度検出用アナログ信号及び前記第4角度検出用アナログ信号の少なくとも一方にノイズが含まれているか否かを判断することを要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回転角度検出装置を車両におけるステアリングの操舵角を検出する操舵角検出装置として具体化した実施形態を図1〜図7に基づき詳細に説明する。
【0014】
図1に示すように、回転角度検出装置としての操舵角検出装置1は、図示しない車両のステアリングコラム内に配設され、回転体としてのステアリングシャフトSに装着されている。操舵角検出装置1は、ステアリングシャフトSの周囲の構造体に固定されたハウジング2を備え、このハウジング2には回転板3が回転可能に支持されている。この回転板3はステアリングシャフトSに外嵌した状態で固定され、ステアリングシャフトSと共に回動する。つまり、回転板3は、ステアリングシャフトSが回転されると、同ステアリングシャフトSと等しく回転する。また、回転板3の外周面にはギア部3aが形成されている。そして、回転板3の近辺には、ギア部3aと歯合する2つのギア体4,21がそれぞれ配設されている。このため、ステアリングシャフトSが回転されると、回転板3の回転に伴って両ギア体4,21も回転する。なお、回転板3が1回転すると両ギア体4,21が6回転するように、回転板3と両ギア体4,21との間の歯車比がそれぞれ設定されている。
【0015】
図1及び図2に示すように、ギア体4,21の中心部には、永久磁石5,22がそれぞれ固定されている。両永久磁石5,22は、それぞれギア体4,21において所定の径方向に磁束を発生させるように設けられている。このため、ギア体4,21が1回転(即ち、360°回転)すると、永久磁石5,22が発生する磁束の方向も360゜回転する。
【0016】
図1及び図2に示すように、ハウジング2内において永久磁石5と対向する箇所には、第1角度検出手段としての磁気抵抗素子11が配設されている。この磁気抵抗素子11は永久磁石5が発生する磁束を検出してギア体4の回転角に応じて連続的に変化する角度検出用のアナログ信号を出力する。詳しくは、回転板3が60゜回転する毎にギア体4が1回転(360゜回転)する。このため、図4に示すように、磁気抵抗素子11は、回転板3が60゜回転する毎に1周期となる正弦波からなる第1アナログ信号An1と、その第1アナログ信号An1に対して1/4周期だけ位相がずれた正弦波からなる第2アナログ信号An2とを出力する。前記第1アナログ信号An1は第1角度検出用アナログ信号に相当し、前記第2アナログ信号An2は第2角度検出用アナログ信号に相当する。
【0017】
また同様に、図1に示すように、永久磁石22と対向する箇所には、第2角度検出手段としての磁気抵抗素子23が配設されている。この磁気抵抗素子23は、前記磁気抵抗素子11と同等の素子によって構成され、永久磁石22が発生する磁束を検出してギア体21の回転角に応じて連続的に変化する角度検出用のアナログ信号を出力する。詳しくは、図4に示すように、磁気抵抗素子23は、回転板3が60゜回転する毎に1周期となる正弦波からなる第3アナログ信号An3と、その第3アナログ信号An3に対して1/4周期だけ位相がずれた正弦波からなる第4アナログ信号An4とを出力する。前記第3アナログ信号An3は第3角度検出用アナログ信号に相当し、前記第4アナログ信号An4は第4角度検出用アナログ信号に相当する。
【0018】
第1アナログ信号An1及び第3アナログ信号An3が互いに1/2周期だけ位相がずれるように磁気抵抗素子11は設定されている。第2アナログ信号An2及び第4アナログ信号An4が互いに1/2周期だけ位相がずれるように磁気抵抗素子23は設定されている。すなわち、第1アナログ信号An1、第2アナログ信号An2、第3アナログ信号An3、第4アナログ信号An4は、それぞれ互いに位相が異なるように設定されている。詳しくは、図4に示すように、第1アナログ信号An1はcosθの出力波形とされ、第2アナログ信号An2はsinθの出力波形とされ、第3アナログ信号An3はcos(θ+180°)の出力波形とされ、第4アナログ信号An4はsin(θ+180°)の出力波形とされている。なお、θはギア体4,21の回転角度を示している。
【0019】
次に、こうした操舵角検出装置1の電気的構成について説明する。
図3に示すように、操舵角検出装置1は、前記磁気抵抗素子11,23、角度算出手段及びノイズ判断手段としてのマイコン(マイクロコンピュータ)12、電源回路13及びインターフェイス部14を備えている。
【0020】
マイコン12は、具体的には図示しないCPU、ROM、RAM、A/D変換器等を備えたCPUユニットであり、図2に示すプリント配線板6に配設されている。このマイコン12の第1及び第2入力端子IN1,IN2には、前記磁気抵抗素子11からの第1及び第2アナログ信号An1,An2がそれぞれ入力されるようになっている。また、マイコン12の第3及び第4入力端子IN3,IN4には、前記磁気抵抗素子23からの第3及び第4アナログ信号An3,An4がそれぞれ入力されるようになっている。
【0021】
また、マイコン12の電源入力端子Vinには電源回路13が電気的に接続され、マイコン12はこの電源回路13から電力供給されている。電源回路13は、バッテリ電圧を降圧してマイコン12の駆動電圧に変換するDC−DCコンバータによって構成され、2つの入力端子を備えている。そして、一方の入力端子には図示しないイグニッションONリレーを介してバッテリ電圧が入力され、他方の入力端子にはイグニッションONリレーを介さずにバッテリ電圧が入力されている。また、電源回路13には、トランジスタTr1を介して磁気抵抗素子11,23がそれぞれ電気的に接続されている。詳しくは、トランジスタTr1のコレクタ端子が電源回路13に電気的に接続され、エミッタ端子が磁気抵抗素子11,23にそれぞれ電気的に接続されている。そして、トランジスタTr1のベース端子はマイコン12の出力端子OUTに電気的に接続されている。
【0022】
マイコン12からトランジスタTr1に対してベース電流が通電された際にトランジスタTr1が作動し、電源回路13から磁気抵抗素子11,23に対して電力が供給される。即ち、磁気抵抗素子11は、マイコン12によって給電が制御され、給電されているときに前記第1及び第2アナログ信号An1,An2を出力する。また、磁気抵抗素子23は、マイコン12によって給電が制御され、給電されているときに前記第3及び第4アナログ信号An3,An4を出力する。
【0023】
マイコン12は、磁気抵抗素子11から第1及び第2アナログ信号An1,An2が入力されると、第1及び第2アナログ信号An1,An2の出力値としての第1及び第2アナログ信号An1,An2の電圧値に基づいて前記回転板3の回転角度を算出する。
【0024】
詳しくは、図4に模式的に示すように、マイコン12は、第1及び第2アナログ信号An1,An2が入力されると、第1及び第2アナログ信号An1,An2をディジタル信号(以下、第1ディジタル信号という)に変換する。該第1ディジタル信号は、第1及び第2アナログ信号An1,An2の電圧値に基づき、第1及び第2アナログ信号An1,An2の1周期の変化に対して60分割したそれぞれ異なる値に変換されるようになっている。具体的には、同図にポイントP0で示すように、回転板3が基準位置(車輪が進行方向正面を向く位置=「0゜」)にある場合における第1及び第2アナログ信号An1,An2の電圧値に対しては、「0」となる値の第1ディジタル信号に変換される。そして、ポイントP1で示すように、回転板3が時計回り方向に30゜回転された時点での第1及び第2アナログ信号An1,An2の電圧値に対しては、「30」となる値の第1ディジタル信号に変換される。つまり、回転板3が0゜から59゜まで回転される間においては、同回転板3が時計回り方向に1゜回転される毎に第1ディジタル信号値は「1」ずつ加算され、反時計回り方向に1゜回転される毎に第1ディジタル信号値は「1」ずつ減算されるようになっている。なお、ポイントP2で示すように、回転板3が60゜回転した際には、第1及び第2アナログ信号An1,An2の電圧値が前記基準位置での電圧値と等しくなるため、第1ディジタル信号値は再び「0」となる。
【0025】
そして、こうした第1ディジタル信号値に基づき、マイコン12は回転板3の回転角度を算出する。例えば、図4に示す領域A(第1及び第2アナログ信号An1,An2の変移が基準位置に対して1周期)において第1ディジタル信号値が「30」の場合(ポイントP1)、マイコン12は、回転板3の回転角度を「30゜」(時計回り方向)と算出する。また、領域B(第1及び第2アナログ信号An1,An2の変移が基準位置に対して2周期)において第1ディジタル信号値が「30」の場合(ポイントP3)、マイコン12は、回転板3の回転角度を「90゜」(時計回り方向)と算出する。つまり、マイコン12は、第1及び第2アナログ信号An1,An2の変移が基準位置に対して何周期目にあるかに基づいて基準位置からの回転領域(ここでは領域A〜F)を算出し、その回転領域内における第1ディジタル信号値に基づいて回転板3の回転角度を絶対値で求めるようになっている。換言すれば、マイコン12は、基準位置からの第1及び第2アナログ信号An1,An2の周期を計数し、その計数値に基づいて回転板3の回転領域を相対的に算出する。そして、その算出した領域と、第1及び第2アナログ信号An1,An2からの電圧値とに基づいて、マイコン12は回転板3の回転角度を算出するようになっている。
【0026】
また、マイコン12は、磁気抵抗素子23から第3及び第4アナログ信号An3,An4が入力されると、第3及び第4アナログ信号An3,An4の出力値としての電圧値に基づいて前記回転板3の回転角度を算出する。
【0027】
詳しくは、図4に模式的に示すように、マイコン12は、第3及び第4アナログ信号An3,An4が入力されると、第3及び第4アナログ信号An3,An4をディジタル信号(以下、第2ディジタル信号という)に変換する。該第2ディジタル信号は、第3及び第4アナログ信号An3,An4の電圧値に基づき、第3及び第4アナログ信号An3,An4の1周期の変化に対して60分割したそれぞれ異なる値に変換されるようになっている。
【0028】
ところで、第1アナログ信号An1と第3アナログ信号An3とでは互いに1/2周期の位相ずれがあり、第2アナログ信号An2と第4アナログ信号An4とでは互いに1/2周期の位相ずれがある。しかしながら、回転板3が所定角度回転した際において、第2ディジタル信号値が第1ディジタル信号値と同じになるように、マイコン12は第3及び第4アナログ信号An3,An4を第2ディジタル信号に変換するように設定されている。
【0029】
マイコン12は、第1ディジタル信号と第2ディジタル信号とが一致しているか否かを判断し、一致していると判断した際に第1及び第2ディジタル信号値同士の対応関係が正常であると判断する。具体的には、磁気抵抗素子11及び磁気抵抗素子23が共に正常に動作している場合、図4にポイントP1で示すように、回転板3が基準位置から時計回り方向に30゜回転された時点での第1及び第2ディジタル信号値は、共に「30」となる。よって、マイコン12は、第1及び第2ディジタル信号値が一致することを条件としてこのディジタル信号値「30」に基づいて、回転板3の回転角度を算出する。なお、本明細書では、「一致」とは「近似」をも含むものと定義する。つまり、マイコン12は、磁気抵抗素子11及び磁気抵抗素子23の公差などに起因する第1及び第2ディジタル信号値の微少誤差を許容するようになっている。そして、こうした微少誤差が生じた場合、マイコン12は、第1ディジタル信号値に基づいて角度算出を行う。なお、マイコン12は、算出した回転角度をインターフェイス部14を介して種々の車両システム(例えば車両安定性制御システムや、電子制御サスペンションシステムなど)に対して出力する。
【0030】
一方、第1及び第2ディジタル信号値同士の対応関係が異常の場合、すなわち第1及び第2ディジタル信号値同士が一致していない場合、マイコン12は、磁気抵抗素子11または磁気抵抗素子23のどちらか一方が故障等の異常を生じていると判断する。そして、マイコン12は、磁気抵抗素子11または磁気抵抗素子23に異常が生じたと判断した場合、図示しないインストルメントパネルに設けられたインジケータやブザーなどに作動信号を出力して該異常が生じた旨を搭乗者に報知する。また、マイコン12は、磁気抵抗素子11または磁気抵抗素子23に異常が生じたと判断した場合、ステアリングシャフトSの回転角度を利用して制御を行う車両システムに対して禁止信号を出力して該車両システムによる制御を禁止させる。
【0031】
次に、操舵角検出装置1の特徴的な部分について説明する。
マイコン12は、第1〜第4アナログ信号An1〜An4が入力されると、その各第1〜第4アナログ信号An1〜An4の電圧値に基づいて各第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれているか否かを判断する。詳しく述べると、マイコン12は、各第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれているか否かを以下に示す第1処理および第2処理により判断する。
【0032】
なお、本明細書において、ノイズとはアナログ信号の電圧値を変化させるのものと定義する。
まず、第1処理を図5(a),(b)及び図6(a),(b)に基づいて説明する。なお、図5(a)に示す点(A)は、第1アナログ信号An1の電圧値が「1」でかつ第2アナログ信号An2の電圧値が「0」の時の座標を示したものであり、この時の点(A)は図5(b)における周期Tが0の時と対応している。第1アナログ信号An1及び第2アナログ信号An2にノイズが含まれずに周期Tがプラスへ増加すると、図5(a)における前記点(A)は原点を中心として反時計回りの円を描くように移動する。図5(a)における原点とは、第1アナログ信号An1の電圧値が「0」でかつ第2アナログ信号An2の電圧値が「0」の時の座標をいう。同様に、図6(a)に示す点(B)は、第3アナログ信号An3の電圧値が「−1」でかつ第4アナログ信号An4の電圧値が「0」の時の座標を示したものであり、この時の点(B)は図6(b)における周期Tが0の時と対応している。第3アナログ信号An3及び第4アナログ信号An4にノイズが含まれずに周期Tがプラスへ増加すると、図6(a)における前記点(B)は原点を中心として反時計回りの円を描くように移動する。
【0033】
第1処理においては、マイコン12は、第1アナログ信号An1の電圧値及び第2アナログ信号An2の電圧値に基づいて正接角を求め、第3アナログ信号An3の電圧値及び第4アナログ信号An4の電圧値に基づいて正接角を求める。そしてマイコン12は、その両正接角を比較することにより第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれているか否かを判断する。
【0034】
詳しくは、第1アナログ信号An1の電圧値と第2アナログ信号An2の電圧値とに基づく正接角(以下、第1正接角θf という)は、次の式(1),(2)により求まる。
【0035】
tanθf =(sinθ/cosθ) ・・・(1)
θf =tan−1(sinθ/cosθ)・・・(2)
また、第3アナログ信号An3の電圧値と第4アナログ信号An4の電圧値とに基づく正接角(以下、第2正接角θs という)は、次の式(3),(4)により求まる。
【0036】
tanθs =(sin(θ+180°)/cos(θ+180°) ・・・(3)
θs =tan−1(sin(θ+180°)/cos(θ+180°))・・・(4)
そして、マイコン12は第1正接角θf と第2正接角θs とが一致しているか否かを判断し、一致していると判断した際に第1正接角θf と第2正接角θs との対応関係が正常であると判断する。マイコン12は、磁気抵抗素子11及び磁気抵抗素子23の公差などに起因する第1正接角θf 及び第2正接角θs の微少誤差を許容するようになっている。
【0037】
一方、第1正接角θf と第2正接角θs との対応関係が異常の場合、すなわち第1正接角θf と第2正接角θs とが一致していない場合、マイコン12は、第1〜第4アナログ信号An1〜An4少なくとも一つにノイズが含まれていると判断する。
【0038】
詳しくは、例えば、周期Tが0.38(図5(b)及び図6(b)のポイントM1)の際において、各第1〜第4アナログ信号An1〜An4にプラスのノイズN1がそれぞれ含まれると次に示すようになる。図5(a)に示すように、プラスのノイズN1が第1及び第2アナログ信号An1,An2にそれぞれ含まれた状態で、マイコン12が第1正接角θf を演算すると
tan−1((sinθ+N1)/(cosθ+N1))=(θf −θn1)・・・(5)
となる。(θf −θn1)は、ポイントM1においてプラスのノイズN1が第1及び第2アナログ信号An1,An2にそれぞれ含まれた状態で算出した第1正接角を示している。即ち、図5(a),(b)に示すように、周期Tが本来0.38(図中のポイントM1参照)であるにもかかわらず算出された周期Tは0.31(図中のポイントM2参照)に相当してしまう。
【0039】
また、図6(a)に示すように、プラスのノイズN1が第3及び第4アナログ信号An3,An4にそれぞれ含まれた状態で、マイコン12が第2正接角θs を演算すると
θs =tan−1((sin(θ+180°)+N1)/(cos(θ+180°)+N1))=(θs +θn1)・・・(6)
となる。(θs +θn1)は、ポイントM1においてプラスのノイズN1が第3及び第4アナログ信号An3,An4にそれぞれ含まれた状態で算出した第2正接角θs を示している。即ち、図6(a),(b)に示すように、周期Tが本来0.38(図中のポイントM1参照)であるにもかかわらず算出された周期Tは0.43(図中のポイントM3参照)に相当してしまう。このように、各第1〜第4アナログ信号An1〜An4にプラスのノイズN1がそれぞれ含まれると、第1正接角θf は実際より角度が小さくなり、第2正接角θs は実際より角度が大きくなる。マイコン12は、第1正接角θf と第2正接角θs とが一致していた状態から一致しなくなることによりノイズが入ったものと判断する。
【0040】
加えて、図示はしないが、ポイントM1において、各第1〜第4アナログ信号An1〜An4にそれぞれ同じ大きさのマイナスのノイズが含まれた際に、マイコン12が第1正接角θf を演算すると(θf +θn1)の正接角となり、第2正接角θs を演算すると(θs −θn1)の正接角となる。この場合においても、マイコン12は、第1正接角θf と第2正接角θs とが一致していた状態から一致しなくなることでノイズが入ったものと判断する。
【0041】
また、図示はしないが第1及び第3アナログ信号An1,An3にマイナスのノイズがそれぞれ含まれ、第2及び第4アナログ信号An2,An4にプラスのノイズがそれぞれ含まれた際に、マイコン12は第1正接角θf と第2正接角θs とが一致状態から一致しなくなることでノイズが入ったものと判断する。
【0042】
さらに図示はしないが第1及び第3アナログ信号An1,An3にプラスのノイズがそれぞれ含まれ、第2及び第4アナログ信号An2,An4にマイナスのノイズがそれぞれ含まれた際に、マイコン12は第1正接角θf と第2正接角θs とが一致状態から一致しなくなることでノイズが入ったものと判断する。
【0043】
また、例えば周期Tが0.11(図5(b)及び図6(b)のポイントM4)の際に、各第1〜第4アナログ信号An1〜An4に対して上記のノイズがそれぞれ含まれた場合においても、マイコン12は各第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが入ったことを判断する。一例を挙げると、第1及び第3アナログ信号An1,An3にマイナスのノイズがそれぞれ含まれ、第2及び第4アナログ信号An2,An4にプラスのノイズがそれぞれ含まれた際には次に示すようになる。第1アナログ信号An1にマイナスのノイズN2が含まれると共に第2アナログ信号An2にプラスのノイズN2が含まれた状態で、マイコン12が第1正接角θf を演算すると図5(a)のポイントM5に対応した(θf +θn2)の正接角となる。また、第3アナログ信号An3にマイナスのノイズN2が含まれると共に第4アナログ信号An4にプラスのノイズN2が含まれた状態で、マイコン12が第2正接角θs を演算すると図6(a)のポイントM6に対応した(θs −θn2)の正接角となる。マイコン12は、第1正接角θf と第2正接角θs とが一致していた状態から一致しなくなることによりノイズが入ったものと判断する。
【0044】
このように第1処理では、第1〜第4アナログ信号An1〜An4に同じ大きさのノイズがそれぞれ含まれた際、または第1〜第4アナログ信号An1〜An4のうち少なくとも一つにノイズが含まれた際に、マイコン12によりそのノイズが含まれたことが判断される。また、第1処理では、第1及び第3アナログ信号An1,An3と第2及び第4アナログ信号An2,An4とでプラスマイナスが互いに逆のノイズが含まれた際に、マイコン12によりそのノイズが含まれたことが判断される。
【0045】
次に、第2処理について説明する。
第2処理においては、マイコン12は、磁気抵抗素子11の第1アナログ信号An1の電圧値と磁気抵抗素子23の第3アナログ信号An3の電圧値とを用いた演算により第1及び第3アナログ信号An1,An3にノイズが含まれているか否かを判断する。また、マイコン12は、磁気抵抗素子11の第2アナログ信号An2の電圧値と磁気抵抗素子23の第4アナログ信号An4の電圧値とを用いた演算により第2及び第4アナログ信号An2,An4にノイズが含まれているか否かを判断する。
【0046】
第1及び第3アナログ信号An1,An3にプラスのノイズG1がそれぞれ含まれた際(例えば図7のポイントQ1参照)には、マイコン12は以下に示す演算により第1及び第3アナログ信号An1,An3にノイズG1が含まれていることを判断する。
【0047】
K1=cosθ+cos(θ+180°)・・・(7)
マイコン12は上記演算値K1が0か否かを判断し、演算値K1が0の際に第1及び第3アナログ信号An1,An3にノイズG1が含まれていないと判断し、演算値K1が0でないと判断した際に第1及び第3アナログ信号An1,An3にノイズG1が含まれていると判断する。なお、本明細書では、「0」とは若干の許容範囲を含むものと定義する。つまり、マイコン12は、磁気抵抗素子11及び磁気抵抗素子23の公差などに起因する第1〜第4アナログ信号An1〜An4の電圧値における微少誤差や演算による微少誤差を許容するようになっている。第1及び第3アナログ信号An1,An3にマイナスのノイズG1がそれぞれ含まれた際においても、マイコン12は式(7)の演算値K1に基づいて第1及び第3アナログ信号An1,An3にノイズG1が含まれているか否かを判断する。
【0048】
また、第2及び第4アナログ信号An2,An4にプラスのノイズG2がそれぞれ含まれた際(例えば図7のポイントQ2参照)には、マイコン12は以下に示す演算により第2及び第4アナログ信号An2,An4にノイズG2が含まれていることを判断する。
【0049】
K2=sinθ+sin(θ+180°)・・・(8)
マイコン12は演算値K2が0か否かを判断し、演算値K2が0の際に第2及び第4アナログ信号An2,An4にノイズG2が含まれていないと判断し、演算値K2が0でないと判断した際に第2及び第4アナログ信号An2,An4にノイズG2が含まれていると判断する。第2及び第4アナログ信号An2,An4にマイナスのノイズG2がそれぞれ含まれた際においても、マイコン12は式(8)の演算値K2に基づいて第2及び第4アナログ信号An2,An4にノイズG2が含まれているか否かを判断する。
【0050】
このように第2処理では、第1アナログ信号An1と第3アナログ信号An3とでプラスマイナスが同じノイズが含まれた際、または第1アナログ信号An1及び第3アナログ信号An3のうち一方のみにノイズが含まれた際にマイコン12によりそのノイズが含まれたことが判断される。また、第2処理では、第2アナログ信号An2と第4アナログ信号An4とでプラスマイナスが同じノイズが含まれた際、または第2アナログ信号An2及び第4アナログ信号An4のうち一方のみにノイズが含まれた際にマイコン12によりそのノイズが含まれたことが判断される。
【0051】
このようにマイコン12は、上記第1処理及び上記第2処理を所定時間毎に行うことにより、第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれていると判断した場合、図示しないインストルメントパネルに設けられたインジケータやブザーなどに作動信号を出力して該異常が生じた旨を搭乗者に報知する。
【0052】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)操舵角検出装置1は、第1アナログ信号An1、第2アナログ信号An2、第3アナログ信号An3、第4アナログ信号An4をそれぞれ順に1/4周期ずつ位相がずれるように構成した。マイコン12は、第1〜第4アナログ信号An1〜An4の電圧値に基づいて第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれているか否かを判断するようにした。マイコン12は、第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれている際には、回転角度の算出結果が疑わしいものとしてインジケータやブザーなどに作動信号を出力して該異常が生じた旨を搭乗者に報知できる。マイコン12は、第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれていない際には、回転角度の算出結果が正しいものとして、その回転角度を種々の車両システムへ出力することができる。よって、マイコン12は第1〜第4アナログ信号An1〜An4にノイズが含まれているか否かを判断でき、ステアリングシャフトSの回転角度検出の信頼性を向上できる。
【0053】
(2)マイコン12は、第1正接角θf と第2正接角θs とが一致しているか否かを判断し、一致していると判断した際に正常であると判断し、一致していない際には異常であると判断する。これにより、第1〜第4アナログ信号An1〜An4に同じ大きさのノイズがそれぞれ含まれたり、第1〜第4アナログ信号An1〜An4のうち少なくとも一つにノイズが含まれたりした際に、マイコン12はアナログ信号にノイズが含まれていると判断できる。よって、操舵角検出装置1の動作信頼性を確実に向上させることができる。
【0054】
(3)マイコン12は、第1アナログ信号An1の電圧値と第3アナログ信号An3の電圧値との和が0か否かにより第1アナログ信号An1及び第3アナログ信号An3の少なくとも一方にノイズが含まれているか否かを判断する。また、マイコン12は、第2アナログ信号An2の電圧値と第4アナログ信号An4の電圧値との和が0か否かにより第2アナログ信号An2及び第4アナログ信号An4の少なくとも一方にノイズが含まれているか否かを判断する。これにより、第1アナログ信号An1と第3アナログ信号An3とで同じ大きさのノイズが含まれたり、第1アナログ信号An1及び第3アナログ信号An3のうち一方のみにノイズが含まれたりした際に、マイコン12によりノイズの判断を行うことができる。また、第2アナログ信号An2と第4アナログ信号An4とで同じ大きさのノイズが含まれたり、第2アナログ信号An2及び第4アナログ信号An4のうち一方のみにノイズが含まれたりした際に、マイコン12はアナログ信号にノイズが含まれていると判断できる。よって、操舵角検出装置1の動作信頼性を確実に向上させることができる。
【0055】
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・回転角度検出装置は、ステアリングホイールの回転角度を検出する操舵角検出装置1以外の用途、例えば回転軸を備えた工作機械における回転軸の回転角度を検出する回転角度検出装置として用いてもよい。
【0056】
・前記実施形態では、第1及び第2角度検出手段として磁気抵抗素子11,23を用いている。これに限らず、第1及び第2角度検出手段として巨大磁気抵抗素子(GMR素子)や、磁気インピーダンス素子、ホール素子などの各種磁気センサや、ポテンションメータなどの接触型の素子を用いてもよい。要は、第1及び第2角度検出手段は、ステアリングシャフトSの回転に伴って連続的に変化するアナログ信号を出力する素子によって構成されていればよい。
【0057】
・前記実施形態において、第1〜第4アナログ信号An1〜An4が1周期となる回転板3の回転角度は、60°に限らず、例えば90°、120°、180°、360°、720°、1080°など、任意の角度に変更してもよい。
【0058】
・前記実施形態では、マイコン12は第1処理と第2処理の両方を行うようにしていた。これに限らず、マイコン12は第1処理及び第2処理のうち一方の処理のみを行うようにしてもよい。そして、マイコン12が第1処理及び第2処理のうち第1処理のみを行うように変更した際においては次のようにしてもよい。第1アナログ信号An1と第3アナログ信号An3との位相ずれ、及び第2アナログ信号An2と第4アナログ信号An4との位相ずれが1/2周期でなくてもよい。要は、第1アナログ信号An1と第2アナログ信号An2とが互いに1/4周期の位相差となるように磁気抵抗素子11を設け、第3アナログ信号An3と第4アナログ信号An4とが互いに1/4周期の位相差となるように磁気抵抗素子23を設けていればよい。
【0059】
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(イ)請求項1乃至請求項4のうちいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、前記角度検出手段は、前記回転体が60°回転する毎に1周期となるように前記アナログ信号を出力するように設定されていること。この技術的思想(イ)に記載の発明によれば、高い角度検出精度が得られ、高い分解能の実現が可能となる。
【0060】
(ロ)請求項1乃至請求項4、技術的思想(イ)のうちいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、前記第1角度検出手段及び前記第2角度検出手段は、磁気抵抗素子または磁気インピーダンス素子を用いて構成されていること。
【0061】
(ハ)請求項1乃至請求項4、技術的思想(イ)、技術的思想(ロ)のうちいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、当該回転角度検出装置は車両におけるステアリングホイールの回転角度を検出する操舵角検出装置として用いられること。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、回転体の回転角度検出の信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態における操舵角検出装置の概略構成図。
【図2】図1におけるA−A線矢視断面図。
【図3】本実施形態における電気的構成を概略的に示すブロック図。
【図4】本実施形態の作用を説明するために模式的に示す特性図。
【図5】(a)は、第1アナログ信号の電圧値と第2アナログ信号の電圧値との関係を示す特性図。(b)は、周期と第1及び第2アナログ信号の電圧値との関係を示す特性図。
【図6】(a)は、第3アナログ信号の電圧値と第4アナログ信号の電圧値との関係を示す特性図。(b)は、周期と第3及び第4アナログ信号の電圧値との関係を示す特性図。
【図7】本実施形態における第2処理の作用を説明するために模式的に各信号の電圧値を示す特性図。
【図8】従来技術における操舵角検出装置の概略構成図。
【図9】従来技術における第1アナログ信号の電圧値と第2アナログ信号の電圧値との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1…回転角度検出装置としての操舵角検出装置、
11…第1角度検出手段としての磁気抵抗素子、
12…角度算出手段及びノイズ判断手段としてのマイコン(マイクロコンピュータ)、
23…第2角度検出手段としての磁気抵抗素子、
An1…第1角度検出用アナログ信号としての第1アナログ信号、
An2…第2角度検出用アナログ信号としての第2アナログ信号、
An3…第3角度検出用アナログ信号としての第3アナログ信号、
An4…第4角度検出用アナログ信号としての第4アナログ信号、
G1,G2,N1,N2…ノイズ、
S…回転体としてのステアリングシャフト、T…周期、
θf …第1正接角、θs …第2正接角。
Claims (4)
- 回転体が所定角度回転する毎に1周期となるように連続して変化する第1角度検出用アナログ信号及び第2角度検出用アナログ信号をそれぞれ出力する第1角度検出手段と、前記回転体が前記所定角度回転する毎に1周期となるように連続して変化する第3角度検出用アナログ信号及び第4角度検出用アナログ信号をそれぞれ出力する第2角度検出手段と、各角度検出用アナログ信号の周期及び各角度検出用アナログ信号の出力値に基づいて前記回転体の回転角度を算出する角度算出手段と、各角度検出用アナログ信号の出力値に基づいて各角度検出用アナログ信号のうち少なくとも一つにノイズが含まれているか否かを判断するノイズ判断手段とを備え、
各角度検出用アナログ信号をそれぞれ互いに位相が異なるように設け、前記第1角度検出用アナログ信号と前記第2角度検出用アナログ信号とを互いに1/4周期の位相差を生じるように設け、前記第3角度検出用アナログ信号と前記第4角度検出用アナログ信号とを互いに1/4の位相差を生じるように設けたことを特徴とする回転角度検出装置。 - 前記第1角度検出用アナログ信号と前記第3角度検出用アナログ信号とを互いに1/2周期の位相差を生じるように設けたことを特徴とする請求項1に記載の回転角度検出装置。
- 前記ノイズ判断手段は、前記第1角度検出用アナログ信号の出力値及び前記第2角度検出用アナログ信号の出力値に基づいて求めた第1正接角と、前記第3角度検出用アナログ信号及び前記第4角度検出用アナログ信号に基づいて求めた第2正接角とを比較し、その比較結果が予め設定された対応関係と一致するか否かに基づいて各角度検出用アナログ信号にノイズが含まれているか否かを判断することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転角度検出装置。
- 前記ノイズ判断手段は、前記第1角度検出用アナログ信号の出力値と前記第3角度検出用アナログ信号の出力値との和が0か否かにより前記第1角度検出用アナログ信号及び前記第3角度検出用アナログ信号の少なくとも一方にノイズが含まれているか否かを判断する、或いは前記第2角度検出用アナログ信号の出力値と前記第4角度検出用アナログ信号の出力値との和が0か否かにより前記第2角度検出用アナログ信号及び前記第4角度検出用アナログ信号の少なくとも一方にノイズが含まれているか否かを判断することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の回転角度検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003100621A JP2004309222A (ja) | 2003-04-03 | 2003-04-03 | 回転角度検出装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7358719B2 (en) | 2006-04-27 | 2008-04-15 | Kabushiki Kaisha Tokai Rika Denki Seisakusho | Rotational angle detector |
US7659713B2 (en) | 2006-03-02 | 2010-02-09 | Kabushiki Kaisha Tokai Rika Denki Seisakusho | Rotational angle detector and method for initializing rotational angle detector |
-
2003
- 2003-04-03 JP JP2003100621A patent/JP2004309222A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7659713B2 (en) | 2006-03-02 | 2010-02-09 | Kabushiki Kaisha Tokai Rika Denki Seisakusho | Rotational angle detector and method for initializing rotational angle detector |
US7358719B2 (en) | 2006-04-27 | 2008-04-15 | Kabushiki Kaisha Tokai Rika Denki Seisakusho | Rotational angle detector |
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