JP2010190405A - ディスクブレーキ用ピストン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インナ、アウタ各ピストン8a、9aをそれぞれ、ピストン本体45とピストンキャップ32とを備えたものとする。そして、キャリパ5aに支持した第一、第二のダクト34、40を通じて送られた冷却気体が、前記インナ、アウタ各ピストン8a、9a内に設けた通気路46、46を通じて、このインナ、アウタ各ピストン8a、9a内を流通する様にする。即ち、前記冷却気体が、前記ピストン本体45の開口周縁部側から、このピストン本体45内のうちで、前記ピストンキャップ32により区画されるピストン本体側内部空間47を経由して、前記ピストン本体45の開口縁部側に流通する様にする。
【選択図】図9
Description
特に、本発明のディスクブレーキ用ピストンに於いては、前記シリンダ内に嵌装される有底円筒状のピストン本体と、前記一方のパッドの背面を押圧する押圧部を有し、このピストン本体に対し結合固定されるピストンキャップとを備える。そして、冷却気体(例えば空気)を、このピストン本体の開口周縁部の円周方向一部から、このピストン本体内のうちで、前記ピストンキャップにより区画されるピストン本体側内部空間を経由し、前記ピストン本体の開口周縁部の円周方向残部に流通させる為の通気路を設けている。
又、好ましくは、請求項3に記載した発明の様に、前記ピストンキャップを有底筒状のものとすると共に、このピストンキャップの開口周縁部を押圧部とし、更に、このピストンキャップの内面により構成されるピストンキャップ側内部空間に冷却気体を導く為の第二の通気孔を設ける。
又、好ましくは、請求項4に記載した発明の様に、前記ピストンキャップを前記ピストン本体内に、締り嵌めにより内嵌固定(圧入固定)する。
又、好ましくは、請求項5に記載した発明の様に、前記冷却気体は、前記シリンダを設けたキャリパに支持したダクトを通じて、前記ピストン本体の開口周縁部近傍に送られるものとする。
更に、例えば請求項6に記載した発明の様に、前記一方のパッドの背面と前記押圧部との間に間隔調整部材を設け、この間隔調整部材を介して、この一方のパッドの背面を押圧する。
即ち、通気路を通じて冷却気体(例えば空気)をピストン本体側内部空間に導入する為、この冷却気体の流路表面積(ピストンのうちで冷却気体に触れる部分の表面積)の増大を図れると共に、この冷却気体によりピストン本体を直接冷却する事ができる。しかも、ディスクブレーキ用ピストンを、ピストン本体とピストンキャップとを組み合わせる事により構成している為、冷却性能の確保を図れる構造を、安価に構成できる。
又、請求項3に記載した発明の様に、前記ピストンキャップに、ピストンキャップ側内部空間に冷却気体を導く為の第二の通気孔を設けた場合には、このピストンキャップ、延いては、このピストンキャップの押圧部を介して押圧されるパッドの背面の冷却も図れる。この為、更なる冷却性能の確保を図れる。
又、請求項5に記載した発明の様に、前記冷却気体を、前記シリンダを設けたキャリパに支持したダクトを通じて、前記ピストン本体の開口周縁部近傍に送れば、この冷却気体によりディスクブレーキ用ピストンの冷却を効率良く行える。
更に、請求項6に記載した発明の様に、間隔調整部材を介してパッドの背面を押圧する場合には、この間隔調整部材の厚さ(ロータの軸方向に関する厚さ)に応じて、パッドの側面(ロータの側面に押し付けられる面)の(ロータの軸方向に関する)位置調節を行える。この為、例えば前記パッドの摩耗が進んだ状態で、前記間隔調整部材を設ける事により、このパッドを新品のものに交換しなくても、このパッドの側面の位置を新品の場合と同じにできる。この為、パッドが新品でなくても、制動時のブレーキペダルの踏み込み量を、この新品のものと同じにする事ができ、制動時の応答性の確保(踏み込み量の低減)と、パッドの有効利用とを図れる。又、前記間隔調整部材を設ける事で、前記パッドの厚さ(ロータの軸方向に関する厚さ)を小さくする事もでき、このパッドの厚さの低減に基づく軽量化を図る事もできる。
図1〜19は、請求項1〜5に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。それぞれが本例のディスクブレーキ用ピストンである、一対のインナピストン8a、8a及び1対のアウタピストン9a、9a(図8〜9)は、図1〜9に示す様な対向ピストン型のディスクブレーキ1bに組み込んで使用する。このディスクブレーキ1bは、インナ側ボディ3aとアウタ側ボディ4aとを結合して成るキャリパ5aと、これらインナ側ボディ3aとアウタ側ボディ4aとに、ロータ2(例えば図25等参照)を介して対向する状態で設けたインナシリンダ6a及びアウタシリンダ7a(図9)と、これら各シリンダ6a、7aに液密に嵌装したインナピストン8a、8a及びアウタピストン9a、9aと、前記インナ側ボディ3aとアウタ側ボディ4aとの内側に、前記ロータ2を挟んで互いに対向させた状態で配置したインナパッド10a及びアウタパッド11a(図8〜9)とを備える。
即ち、前記各通気路46を通じて冷却気体を、前記ピストン本体側内部空間47並びに前記ピストンキャップ側内部空間49に導入する為、この冷却気体の流路表面積(インナ、アウタ各ピストン8a、9aのうちで冷却気体に触れる部分の表面積)の増大を図れる。又、これと共に、この冷却気体によりピストン本体45並びにピストンキャップ32を直接冷却する事ができる。この為、このピストン本体45の外周面や底部を介してブレーキオイルやシール部材51、51に伝わる熱の低減を図れ、優れた冷却性能の確保、並びに、これら各シール部材51、51の熱劣化の低減を図れる。図20は、本例の構造(本ピストン:通気路46を設けた構造)と、参考例の構造(ノーマルピストン:本例の様な通気路46を設けていない構造、即ち、ピストン本体側内部空間47を冷却気体が流通しない構造)との、制動時に於ける、パッド並びにブレーキオイルの温度変化の1例を示している。この様な制動時の温度変化を表す線図から明らかな様に、本例と参考例とでは、パッドの温度変化が同じにも拘らず、本例の構造の場合の方が、ブレーキオイルの温度上昇の程度を抑えられる。
図21〜24は、請求項1〜6に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、インナパッド10a又はアウタパッド11a(例えば図9等参照)の背面とピストンキャップ32の押圧部33との間に、間隔調整部材52を設け、この間隔調整部材52を介して前記パッド10a、11aの背面を押圧する様にしている。この間隔調整部材52は、前記ピストンキャップ32の凹部53に内嵌固定される嵌合筒部54と、このピストンキャップ32の押圧部33にその背面が当接する調整押圧部55とを備える。又、前記嵌合筒部54には、この嵌合筒部54が前記凹部53から容易に抜け出る事を防止する為の、円環状の弾性部材56を設けている。この様な間隔調整部材52を介してパッド10a、11aの背面を押圧する本例の場合には、この間隔調整部材52の調整押圧部55の厚さ{ロータ2(例えば図25参照)の軸方向に関する厚さ}に応じて、前記パッド10a、11aの側面(ロータ2の側面に押し付けられる面)の(ロータ2の軸方向に関する)位置調節を行なえる。
その他の部分の構成及び作用は、前述した実施の形態の第1例と同様であるから、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
2 ロータ
3、3a インナ側ボディ
4、4a アウタ側ボディ
5、5a キャリパ
6、6a インナシリンダ
7、7a アウタシリンダ
8、8a インナピストン
9、9a アウタピストン
10、10a インナパッド
11、11a アウタパッド
12a、12b 油圧室
13a、13b 押圧部
14 パイプ
15 ダクト
16a、16b ピストン本体
17a、17b ピストンキャップ
18 大径円筒部
19 小径円筒部
20 仕切板部
21 通孔
22 内部空間
23、23a、23b ピストン
24、24a シリンダ
25a、25b 通孔
26 内部空間
27、27a 通気管
28、28a 貫通孔
29、29a シール部材
30 パッド
31 油圧室
32 ピストンキャップ
33 押圧部
34 第一のダクト
35 開口筒部
36 覆い部
37 折れ曲がり部
38 パッドスプリング
39 取り付け片
40 第二のダクト
41 第二の開口筒部
42 分岐流路部
43 支持孔
44 下流側開口部
45 ピストン本体
46 通気路
47 ピストン本体側内部空間
48 通気孔
49 ピストンキャップ側内部空間
50 第二の通気孔
51 シール部材
52 間隔調整部材
53 凹部
54 嵌合筒部
55 調整押圧部
56 弾性部材
Claims (6)
- 車輪と共に回転するロータの両側に配置された一対のパッドのうちの少なくとも一方のパッドの背面側に設けられて、シリンダ内からの押し出しに伴いこの一方のパッドを前記ロータの側面に押し付けて制動するディスクブレーキ用ピストンに於いて、
前記シリンダ内に嵌装される有底円筒状のピストン本体と、前記一方のパッドの背面を押圧する押圧部を有し、このピストン本体に対し結合固定されるピストンキャップとを備え、冷却気体を、このピストン本体の開口周縁部の円周方向一部から、このピストン本体内のうちで、前記ピストンキャップにより区画されるピストン本体側内部空間を経由し、前記ピストン本体の開口周縁部の円周方向残部に流通させる為の通気路を設けた事を特徴とするディスクブレーキ用ピストン。 - 前記ピストンキャップに、前記ピストン本体の底部とこのピストン本体の周囲空間との間で冷却気体を流通させる為の通気孔を設けた、請求項1に記載したディスクブレーキ用ピストン。
- 前記ピストンキャップを有底筒状のものとすると共に、このピストンキャップの開口周縁部を押圧部とし、更に、このピストンキャップの内面により構成されるピストンキャップ側内部空間に冷却気体を導く為の第二の通気孔を設けた、請求項1〜2のうちの何れか1項に記載したディスクブレーキ用ピストン。
- 前記ピストンキャップを前記ピストン本体内に、締り嵌めにより内嵌固定した、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したディスクブレーキ用ピストン。
- 前記冷却気体は、前記シリンダを設けたキャリパに支持したダクトを通じて、前記ピストン本体の開口周縁部の円周方向一部の近傍に送られるものである、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したディスクブレーキ用ピストン。
- 前記一方のパッドの背面と前記押圧部との間に間隔調整部材を設け、この間隔調整部材を介してこの一方のパッドの背面を押圧する、請求項1〜5のうちの何れか1項に記載したディスクブレーキ用ピストン。
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