JP2010188241A - ガス精製方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】加温や冷却などの操作がなく簡易な方法で高純度の二酸化炭素ガスを、さらに純度が高い超高純度に精製するガス精製方法を提供する。
【解決手段】10ppm以下の不純物を含む二酸化炭素を炭素膜モジュール1のガス供給口3から第1の空間9に導入する。二酸化炭素は、中空糸状炭素膜2aを透過し、第2の空間10を経て透過ガス排出口4から導出される。不純物が濃縮された二酸化炭素は未透過ガス排出口4から排出される。これにより、不純物濃度がppbオーダーの超高純二酸化炭素が得られる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス精製方法に関するものであり、特に、半導体製造向けの二酸化炭素ガスを、分子ふるい作用を持つ炭素膜を用いて精製するガス精製方法に関するものである。
現在、半導体分野に用いられるガスとしては、不純物体積濃度がppb−ppmレベルの高純度なガスより、不純物体積濃度がppt−ppbレベルのさらに純度が高い超高純度なガスであることが望まれている。
半導体向けに二酸化炭素ガスは、シリコンウエハーの洗浄、残留フォトレジストの除去や最近では超臨界用途などで広く使われている。
ガスの精製技術には、金属触媒や吸着剤に精製方法、精留(液化精製)や固化精製による精製方法、分離膜による精製方法などがある。二酸化炭素中の不純物精製例として、白金系またはパラジウム系の触媒にて一酸化炭素は二酸化炭素に変換して除去、窒素酸化物は窒素と水に変換し、水は吸着剤にて除去、最後に液化精製して窒素などを除去する(例えば特許文献1参照、特許文献2参照)、白金系またはパラジウム系の触媒にてメタン以外の炭化水素を二酸化炭素に変換して除去する(例えば特許文献3参照、特許文献4参照)、酸化チタン触媒にて有機物を二酸化炭素と水に変換し、最後に液化精製して窒素などを除去する(例えば特許文献5参照)、金属酸化物にて酸素などの不純物を除去する(例えば特許文献6参照、特許文献7参照)、二酸化炭素を固化して低沸点の不純物を排気する(例えば特許文献8参照)ポリイミドからなる分離膜を使用して窒素などを分離する(例えば特許文献9参照)などがあげられる。
また、直接的なガスの精製技術ではないが、液化精製の際の低純度二酸化炭素排出ガスを、二酸化炭素を選択的に通すことができる分離膜に導入し、二酸化炭素を回収して効率よく高純度二酸化炭素を製造する(例えば特許文献10参照)などもあげられる。
特開2007−22906号公報 特開平10−130010号公報 特開昭61−127613号公報 特許第3927332号公報 特開2004−196556号公報 特開2006−502957号公報 特許第3522785号公報 特開2002−13696号公報 特開平6−269648号公報 特開2004−323263号公報
しかしながら、特許文献1〜4、6、7で例示されている発明は、精製技術として金属触媒による精製方法であり、その精製には数百度の加温が必要であり多くのエネルギーを使用するため、経済的に有利な方法とはいえない。
特許文献5で例示されている発明は、精製技術として光触媒による精製方法であり、その精製には紫外線の照射が必要であり、別途紫外線を照射するための設備が必要になる。
特許文献8で例示されている発明は、精製技術として二酸化炭素を固化して気相の排気による精製方法であり、その精製にはー150〜―196℃の冷却が必要であり多くのエネルギーを使用するため、経済的に有利な方法とはいえない。
特許文献9で例示されている発明は、いずれも被精製ガス中に含まれる不純物体積濃度がppmから%レベルであり、不純物体積濃度がpptからppbレベルである場合の精製が可能であることは示されていない。従来の半導体材料として用いられるガスでは、ppb−ppmレベルの不純物体積濃度が要求されていたが、現在ではppt−ppbレベルの不純物体積濃度が要求されるようになってきている。
前記特許文献10で例示されている発明は、二酸化炭素の回収用途に用いるものであって、二酸化炭素を精製するものではない。
そこで、本発明は、加温や冷却などの操作がなく簡易な方法で高純度の二酸化炭素ガスを、さらに純度が高い超高純度に精製するガス精製方法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、
請求項1にかかる発明は、10ppm以下の不純物を含む二酸化炭素を分子ふるい作用を持つ炭素膜を用いて精製するガス精製方法である。
請求項2にかかる発明は、前記炭素膜が中空糸状または管状である請求項1に記載のガス精製方法である。
本発明によれば、高純度二酸化炭素ガスを、分子ふるい作用を持つ炭素膜を用いて精製することで、それらに含まれるppmオーダーの不純物を除去し超高純度にすることができる。
また、炭素膜は既存の有機高分子膜に比べて分離性能に優れているので、10ppm以下の不純物を含むガスを効率良く精製することが可能である。さらに、炭素膜を中空糸状に成形することで、平膜状、螺旋巻状と比べて、膜モジュールをコンパクトに設計することができる。
本発明における炭素膜モジュールの一例を示す概略断面図である。 図1に示す炭素膜モジュールにおけるA−A'断面図である。 本発明における掃引ガス供給口が炭素膜モジュール一端面に設けられた場合の炭素膜モジュールの一例を示す概略断面図である。 本発明における掃引ガス供給口が炭素膜モジュール周面に設けられた炭素膜モジュールの一例を示す概略断面図である。
以下、本発明を実施する形態について、図1ないし図4を用いて詳細に説明する。
本発明のガス精製方法に用いられる炭素膜モジュール1の一実施態様を図1及び図2に示す。
図1において、符号1は炭素膜モジュールを示す。この炭素膜モジュール1は、密閉容器6とこの密閉容器6内に設けられた炭素膜ユニット2とから概ね構成されている。
密閉容器6は、中空円筒状であって、一方の端部には透過ガス排出口4が設けられ、他方の端部には未透過ガス排出口5が設けられている。さらに、その密閉容器6の周面には、ガス供給口3が設けられている。
炭素膜ユニット2は、多数本の中空糸状炭素膜2a・・・と、これら中空糸状炭素膜2a・・・を束ねて固定する樹脂壁7とから構成されている。樹脂壁7は、接着剤などを使用して密閉容器6の内壁に密封固着されている。
図2は、図1に示す炭素膜モジュールにおけるA−A'断面図であり、密閉容器6内における樹脂壁7の表面構造を図示している。樹脂壁7には、中空糸状炭素膜2a・・・の開口部が形成されている。
密閉容器6内は、樹脂壁7によって第1の空間9と第2の空間10とに分割され、第1の空間9は中空糸状炭素膜2a・・・の束がある側の空間であり、第2の空間10は樹脂壁7を境にした中空糸状炭素膜2a・・・の束がある側と反対側の空間である。
中空糸状炭素膜2a・・・の一端は、樹脂壁7に固定されるとともに開口し、他端は閉口している。中空糸状炭素膜2a・・・が樹脂壁7で固定される部分において、中空糸状炭素膜2a・・・の開口部は、第2の空間10と通じており、これにより、第1の空間9と第2の空間10とは炭素膜ユニット2を介して連通される。
中空糸状炭素膜2a・・・は、有機高分子膜を製造した後、焼結することで作製される。例えば、ポリイミド等の有機高分子を任意の溶媒に溶かし製膜原液を作製する。また、この製膜原液の溶媒とは混合するがポリイミドに対しては非溶解性の溶媒を用意する。
ついで、二重管構造の中空糸紡糸ノズルの周縁部環状口から前記製膜原液を、同紡糸ノズルの中央部円状口から前記溶媒を、それぞれ同時に凝固液中に押し出し、中空糸状に成形し、有機高分子膜を製造する。次に、得られた有機高分子膜を不融化処理後に炭化させて炭素膜とする。
炭素膜は、炭素膜のみで使用されること以外に、多孔質支持体に塗布されたもの、炭素膜以外の気体分離膜に塗布されたものなど、最適な形態を選んで使用される。多孔質支持体には、アルミナ、シリカ、ジルコニア、マグネシア、ゼオライト等のセラミック系材料、及び金属系のフィルタなどがあげられる。支持体に塗布することは、機械的強度の増大、炭素膜製造の簡素化などの効果がある。
なお、炭素膜の原料となる有機高分子には、ポリイミド(芳香族ポリイミド)、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリアミド(芳香族ポリアミド)、ポリプロピレン、ポリフルフリルアルコール、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、フェノール樹脂、セルロース、リグニン、ポリエーテルイミド、酢酸セルロースなどがあげられる。
以上の炭素膜の原料のうち、ポリイミド(芳香族ポリイミド)、酢酸セルロース、及びポリフェニレンオキサイド(PPO)については、中空糸状である炭素膜の成形が容易である。特に高い分離性能を有するのは、ポリイミド(芳香族ポリイミド)及びポリフェニレンオキサイド(PPO)である。さらには、ポリフェニレンオキサイド(PPO)はポリイミド(芳香族ポリイミド)に比べ安価である。
次に、図1に示す炭素膜モジュール1を用いたガス精製方法について説明する。
ここで、分子ふるい作用とは、ガスの分子径と分離膜の細孔径の大きさにより、分子径の小さいガスと分子径の大きいガスが分離される作用である。
一般に、気体分離膜は10〜1000の分離係数を有する。そのため、不純物体積濃度がppt−ppbレベルの超高純度ガスに精製するためには、不純物体積濃度が10ppm以下の高純度ガスを被精製ガスとして供給する。ただし、不純物体積濃度が10ppm以上のガスを供給する場合でも、気体分離膜は一般的に10〜1000の分離係数を有するので、精製方法としては有効である。なお、高純度ガスの不純物体積濃度の下限値は特に設定されないが、超高純度精製を必要とする不純物体積濃度としては、300ppb程度を例示できる。
精製の対象となる二酸化炭素ガスには、ガス製造時、ボンベ交換時に不純物が混入する場合がある。ガス製造時には、大気成分である窒素、酸素、アルゴン、又は水分、及び石油精製由来の二酸化炭素の場合には水素、メタン、エタンが上記製品ガスに混入する可能性がある。ボンベ交換時には大気成分及び水分が混入する可能性がある。
これらのうち、二酸化炭素よりも低沸点成分である水素、酸素、窒素、アルゴン、及び吸着剤で簡単に除去される水分は高純度への精製過程で簡単に除去されるが、メタン及びエタンは比較的沸点が高く、不活性な成分であるので、高純度の精製過程においても残りやすい。
なお、本発明法では差し当たってこれらの成分を除去することで高純度な二酸化炭素を超高純度な二酸化炭素にすることが可能となる。
例えば、二酸化炭素中に不純物ガスとしてメタン、エタンを含む場合、二酸化炭素の分子径は0.33nmであり、メタン、エタンの分子径は0.38nmであるため、炭素膜の細孔径が二酸化炭素の分子径とメタンの分子径との間にあればよい。
メタン、エタンを含む二酸化炭素が炭素膜モジュール1のガス供給口3から連続的に供給され、第1の空間9に流れ込む。第1の空間9から中空糸状炭素膜2a・・・を選択的に透過する二酸化炭素は、中空糸状炭素膜2a・・・の内側を通り、第2の空間10へ流入し、透過ガス排出口4より導出される。
第1の空間9から中空糸炭素膜2a・・・を透過しなかったメタン、エタンは、未透過ガス排出口5より排出される。その結果、二酸化炭素中のメタン、エタン濃度は低くなる。
また、酸素、窒素、アルゴンに関しても、酸素は0.346nm、窒素は0.364nm、アルゴンは0.34nmで二酸化炭素よりも分子径が大きいので、透過側のこれらの成分濃度は低くなる。
なお、炭素膜の細孔径は、炭化時の焼成温度を変えることで調整することができる。
精製が行われる際、炭素膜モジュール1は、−20℃〜120℃の温度範囲で一定温度に保持される。保持する温度が高ければ炭素膜の透過流量を増大させることができるが、常温で使用することで経済的メリットがある。
炭素膜モジュール1へ供給されるガスの圧力は、通常0.5MPaG程度に保持されるが、支持体を使用すれば1MPaG以上に設定することが可能である。供給されるガスの圧力が高いほど精製処理量を多くすることができる。
また、透過ガス排出口4が真空設備などに接続していれば、透過側の圧力が低くなり、精製効率をより高めることができる。本発明の場合、加圧器などを使用せずとも、ボンベなどの容器に充填された高純度ガスを減圧器で所定の圧力に調整し、炭素膜モジュール1へ供給することで、高純度ガスを超高純度ガスに精製することが可能である。
なお、高純度ガスを超高純度ガスに精製する際には、炭素膜モジュール1を直列に複数段にして用いてもよい。また、炭素膜モジュール1で精製された超高純度ガスを再び炭素膜モジュール1に戻して循環させてもよい。
図3は、本発明のガス精製方法に用いられる炭素膜モジュール1の他の実施態様を示す。図1に示した炭素膜モジュール1との構成の違いは、ガス供給口3と未透過ガス排出口5とが密閉容器6の周面に設けられていること、炭素膜ユニット2の両端が樹脂壁7で固定され、それら樹脂壁7で第1の空間11、第2の空間12、第3の空間13の3つの空間に密閉容器6内が隔てられることである。
密閉容器6の一方の端部に掃引ガス供給口8を設け、掃引ガス(sweep gas)として炭素膜の透過側、すなわち掃引ガス供給口8から供給することで、不純物の透過を促進することができる。掃引ガスには、ガス供給口3からメタン、エタンが含まれていないもしくは十分に低減された超高純度の二酸化炭素が用いられる。
図4は、本発明のガス精製方法に用いられる炭素膜モジュール1の他の実施態様を示す。図3に示した炭素膜モジュール1との構成の違いは、ガス供給口3が密閉容器6の周面ではなく密閉容器6の長手方向端面に設けられ、掃引ガス供給口8が周面に設けられていることである。
なお、炭素膜モジュール1の前段または後段に吸着剤や触媒などを使用することで、炭素膜では分離することが困難なガス成分を分離、精製することができる。例えば、二酸化炭素よりも分子径の小さな水分は、二酸化炭素と同様に炭素膜を透過してしまうため、炭素膜の前段に除湿剤としてモレキュラーシーブスなどを設置する。これにより、水のみが除去された不純物を含んだ二酸化炭素ガスを精製対象ガスとし、メタン、エタンなどを分離する可能である。
以下、本発明を参考例および実施例によりさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1) 炭素膜による不純物を含む二酸化炭素ガスの精製
実施例1では、図1に記載の炭素膜モジュールを用いて、高濃度の不純物を含むガスの精製を行った。
炭素膜モジュールの仕様は、以下の通りであった。中空糸状炭素膜チューブ外径:0.375mm、中空糸状炭素膜チューブ長さ:122mm、中空糸状炭素膜チューブ本数:37本、中空糸状炭素膜チューブ総表面積:53.152cm。中空糸状炭素膜は、ポリフェニレンオキサイド(PPO)を原料とした有機高分子膜を製膜し、炭化させることで製造した。
炭素膜モジュールは30℃に保持され、供給ガスの圧力は未透過ガス排出口に背圧調整器を設置し、0.45MPaGに設定した。
(a) メタン、エタンを不純物として含む二酸化炭素459.0sccmを炭素膜モジュールに供給し、透過ガス中のメタン、エタンの体積濃度を測定した。
(b) メタン、エタンを不純物として含む二酸化炭素6.4sccmを炭素膜モジュールに供給し、透過ガス中のメタン、エタンの体積濃度を測定した。
体積濃度測定は、水素炎イオン化検出器を備えるガスクロマトグラフィー(GC−FID)を使用した。回収率は供給ガスに対する透過ガスの流量の比率を示す。測定結果を表1に示す。
Figure 2010188241
表1より、透過するガス流量は、(a)、(b)のいずれの場合も5sccm程度であり、不純物ガスの体積濃度は、メタンであれば1/50〜1/100、エタンであれば1/1000に低減することができた。
(比較例1) 有機高分子膜による不純物を含む二酸化炭素ガスの精製
比較例1では、有機高分子膜モジュールを用いて、低濃度の不純物を含むガスの精製を行った。
この有機高分子膜モジュールは、炭素膜の代わりに有機高分子膜を使用したことを除いては、図1に記載の炭素膜モジュールと同型であった。
有機高分子膜モジュールの仕様は、以下の通りであった。中空糸状有機高分子膜チューブ外径:0.658mm、中空糸状有機高分子膜チューブ長さ:123mm、中空糸状有機高分子膜チューブ本数:37本、中空糸状有機高分子膜チューブ総表面積:81.07cm。中空糸状有機高分子膜は、ポリフェニレンオキサイド(PPO)を原料とした有機高分子膜を製膜し、製造した。
有機高分子膜モジュールは30℃に保持され、供給ガスの圧力は未透過ガス排出口に背圧調整器を設置し0.45MPaGに設定した。
(a) メタン、エタンを不純物として含む二酸化炭素577.9sccmを有機高分子膜モジュールに供給し、透過ガス中のメタン、エタンの体積濃度を測定した。
(b) メタン、エタンを不純物として含む二酸化炭素10.7sccmを有機高分子膜モジュールに供給し、透過ガス中のメタン、エタンの体積濃度を測定した。
体積濃度測定は、水素炎イオン化検出器を備えるガスクロマトグラフィー(GC―FID)を使用した。回収率は供給ガスに対する透過ガスの流量の比率を示す。測定結果を表2に示す。
Figure 2010188241
表2より、透過するガス流量は(a)〜(d)のいずれの場合も7.5sccm程度であり、不純物ガスの体積濃度は、メタンであれば1/4〜1/12、エタンであれば1/6〜1/16以下に低減することができた。しかし、同程度の回収率においては炭素膜の性能には劣る結果となる。
(比較例2) 多孔質吸着剤による不純物を含む二酸化炭素ガスの精製
比較例2では、孔径0.3nmのモレキュラーシーブスを充填した充填カラム用いて、低濃度の不純物を含むガスの精製を行った。充填カラムの仕様は、以下の通りであった。カラム内径:10.2mm、カラム長さ:100mm、でモレキュラーシーブス充填量:4.1g。
モレキュラーシーブスはカラムに充填後、窒素を1リットル/minで流通しながら、200℃で1時間、350℃で2時間、加熱処理して、10時間以上かけて常温に戻した状態のものを使用した。
充填カラムは30℃に保持され、供給ガスの圧力は充填カラム出口に背圧調整器を設置し0.30MPaGに設定した。
メタン、エタンを不純物として含む二酸化炭素500.0sccmを充填カラムに供給し、充填カラム出口中のメタン、エタンの体積濃度を測定した。
体積濃度測定は、水素炎イオン化検出器を備えるガスクロマトグラフィー(GC―FID)を使用した。測定結果を表3に示す。
Figure 2010188241
表3より、充填カラム出口のメタン、エタンの体積濃度は、供給ガスとほぼ同程度もしくは若干増加した。増加した原因としては、二酸化炭素がモレキュラーシーブスによってメタン化された可能性が考えられるが、どちらにしても不純物の除去はできていない。
(比較例3) 金属触媒による不純物を含む二酸化炭素ガスの精製
比較例3では、ニッケル触媒を担持したアルミナ触媒を充填した充填カラム用いて、低濃度の不純物を含むガスの精製を行った。充填カラムの仕様は、以下の通りであった。カラム内径:10.2mm、カラム長さ:100mm、でアルミナ触媒充填量:5.8g。アルミナ触媒はカラムに充填後、窒素を1リットル/minで流通しながら、180℃で3時間、加熱処理して、10時間以上かけて常温に戻した状態のものを使用した。
充填カラムは30℃に保持され、供給ガスの圧力は充填カラム出口に背圧調整器を設置し0.30MPaGに設定した。
メタン、エタンを不純物として含む二酸化炭素500.0sccmを充填カラムに供給し、充填カラム出口中のメタン、エタンの体積濃度を測定した。
体積濃度測定は、水素炎イオン化検出器を備えるガスクロマトグラフィー(GC―FID)を使用した。測定結果を表4に示す。
Figure 2010188241
表4より、充填カラム出口のメタン、エタンの体積濃度は、供給ガスとほぼ同程度もしくは若干増加した。増加した原因としては、二酸化炭素がモレキュラーシーブスによってメタン化された可能性が考えられるが、どちらにしても不純物の除去はできていない。
(比較例4) 金属触媒による不純物を含む二酸化炭素ガスの精製
比較例4では、ニッケル触媒を担持したアルミナ触媒を充填した充填カラム用いて、低濃度の不純物を含むガスの精製を行った。このアルミナ触媒は、加熱処理時に酸素を添加したことを除いては、比較例3と同様であった。充填カラムの仕様は、以下の通りであった。カラム内径:10.2mm、カラム長さ:100mm、でアルミナ触媒充填量:5.8g。アルミナ触媒はカラムに充填後、窒素を1リットル/min、酸素を0.01リットル/minで流通しながら、180℃で3時間、加熱処理して、10時間以上かけて常温に戻した状態のものを使用した。
充填カラムは30℃に保持され、供給ガスの圧力は充填カラム出口に背圧調整器を設置し0.30MPaGに設定した。
メタン、エタンを不純物として含む二酸化炭素500.0sccmを充填カラムに供給し、充填カラム出口中のメタン、エタンの体積濃度を測定した。
体積濃度測定は、水素炎イオン化検出器を備えるガスクロマトグラフィー(GC―FID)を使用した。測定結果を表5に示す。
Figure 2010188241
表5より、充填カラム出口のメタン、エタンの体積濃度は、供給ガスとほぼ同程度もしくは若干増加した。増加した原因としては、二酸化炭素がモレキュラーシーブスによってメタン化された可能性が考えられるが、どちらにしても不純物の除去はできていない。
本発明は、使用済み二酸化炭素ガスを回収して再び超高純度の半導体材料ガスとして利用する回収装置や、超高純度の二酸化炭素ガスを製造又は充填する装置又は設備に適用することができる。また、精留や加熱が必要な触媒精製、冷却が必要な吸着精製などと比べてもエネルギーの使用量が少なく、経済性、環境性に優れた方法である。
1…炭素膜モジュール、2…炭素膜ユニット、2a…中空糸状炭素膜、3…ガス供給口、4…透過ガス排出口、5…未透過ガス排出口、6…密閉容器、7…樹脂壁、8…掃引ガス供給口、9…第1の空間、10…第2の空間、11…第1の空間、12…第2の空間、13…第3の空間

Claims (2)

  1. 10ppm以下の不純物を含む二酸化炭素を分子ふるい作用を持つ炭素膜を用いて精製するガス精製方法。
  2. 前記炭素膜が中空糸状または管状である請求項1に記載のガス精製方法。
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