図1に示すように、パチンコ機10は、遊技盤11を備えている。遊技盤11の盤面上には、打ち出された遊技球が流下する遊技領域11aが形成されている。遊技領域11aには、第1始動入賞口12、第2始動入賞口13、スルーチャッカー14が設けられている。第1始動入賞口12又は第2始動入賞口13に遊技球が入賞すると、予め決められた規定個数の遊技球が賞球として払い出される。第1始動入賞口12と第2始動入賞口13とは、上下に並べて配置されており、第2始動入賞口13は、第1始動入賞口12の下方に配置されている。
第2始動入賞口13には、前後方向に延びる軸にその基端部が軸支された一対の開閉部材13aが取り付けられている。開閉部材13aは、常態では互いの先端部が近づく閉じ位置に位置しており、スルーチャッカー14を遊技球が通過したときに実行される開放抽選に当選すると互いの先端部が離れる開放位置に回動する。開閉部材13aが開放位置に回動すると、その内面で遊技球が第2始動入賞口13内に案内されるため、開閉部材13aが閉じ位置に位置するときよりも第2始動入賞口13への遊技球の入賞率が上昇する。
開閉部材13aの開放時間は、1回の開放につき0.5秒に設定されている。開閉部材13aが閉じ位置に位置するときには、開閉部材13a同士の隙間は第1始動入賞口12によって覆われるため、第2始動入賞口13には開閉部材13aが開放位置に回動したときにのみ遊技球を入賞させることができる。なお、「入賞」とは、入賞口に遊技球が入ったことが検知されることを示している。よって、スルーチャッカー14は、遊技球が通過するだけであるので入賞とはならず賞球の払い出しが行われない。
第1始動入賞口12又は第2始動入賞口13に遊技球が入賞すると、当たり又はハズレを決定する当たり抽選が行われる。当たりに当選した場合は、15ラウンドの当たりモードに移行する。当たりモードでは、ラウンド毎にアタッカ15が1回ずつ開放される。アタッカ15の奥には、図示しない大入賞口が設けられている。アタッカ15が開放されると、アタッカ15が閉じている状態ではその上を通過してしまう遊技球がアタッカ15の内面で大入賞口に案内される。これにより、多数の賞球を得ることができる。そして、大入賞口に遊技球が10個入賞するか又はラウンド開始から30秒経過するとアタッカ15が閉じて1ラウンドが終了する。
遊技領域11aの略中央部には、センター役物17が設けられている。センター役物17には、液晶ディスプレイ18が組み込まれている。液晶ディスプレイ18は、3列の図柄を横並びに配置して表示する。通常モードでの遊技中に第1始動入賞口12又は第2始動入賞口13に遊技球が入賞すると、当たり抽選が行われた後に、3列の各図柄が上から下へスクロールする図柄の変動表示が開始される。変動表示した各図柄は、左→右→中の順番で1列ずつ停止する。この際、当たり抽選で当たりに当選した場合には、各列が同一種類の図柄に揃えられる。一方、当たり抽選にハズレた場合には、それ以外の組み合わせになる。
このように、液晶ディスプレイ18は、図柄の変動表示及び停止表示を行い、停止した各図柄の組み合わせによって当たり抽選の結果を報知する。なお、左右に同一種類の図柄が停止して中央の図柄が変動表示中の状態のときは、中央に左右の図柄と同一種類の図柄が停止すると当たりとなるため、この状態をリーチと称する。
パチンコ機10は、図柄の変動表示中に第1始動入賞口12に入賞した遊技球を第1保留球、第2始動入賞口13に入賞した遊技球を第2保留球として個別に記憶し、当たり抽選及び図柄の変動表示を行う権利を持ち越す。第1保留球又は第2保留球が記憶された場合には、図柄の停止表示の後、所定のインターバル時間が経過してから再び図柄の変動表示が開始される。これにより、記憶された第1保留球又は第2保留球が消化される。また、パチンコ機10は、第1保留球がある状態で第2保留球が発生した場合には、第2保留球を第1保留球に優先して消化する。
第1保留球及び第2保留球は、4個を上限に記憶される。第1保留球が4個記憶された状態で、図柄の変動表示中にさらに第1始動入賞口12に遊技球が入賞した場合には、第1保留球の記憶は行われず、賞球の払い出しのみが行われる。第2保留球に対しても同様に、4個以上の場合には、賞球の払い出しのみが行われる。
液晶ディスプレイ18の上方には、記憶した第1保留球の数を報知するための第1保留球表示部20と、記憶した第2保留球の数を報知するための第2保留球表示部21とが設けられている。第1保留球表示部20は、記憶可能な第1保留球の数に対応した4個の保留ランプ20a(図3〜5参照)から構成されている。各保留ランプ20aは、横方向に一列に並べて配置されている。第1保留球表示部20は、記憶した第1保留球と同数の保留ランプ20aを点灯させることにより、第1保留球の数を報知する。第2保留球表示部21は、第1保留球表示部20と同様の構成であるので、説明は省略する。
パチンコ機10の下部には、遊技領域11aに遊技球を発射させるための発射ハンドル22や払い出された賞球を貯留する受け皿23が設けられている。発射ハンドル22を回動操作すると、遊技盤11の盤面上に遊技球が打ち出され、打ち出された遊技球が遊技領域11aを流下する。
図2に示すように、パチンコ機10は、パチンコ機10全体の動作を統括的に制御するメイン基板30を備えている。メイン基板30には、メインCPU31、メインメモリ32が設けられている。メインメモリ32は、遊技を実行するための各種のプログラムやデータを記憶したROM領域と、遊技の実行に係るデータやフラグを一時的に記憶するRAM領域とを有している。メインCPU31は、メインメモリ32のROM領域からプログラムを読み出してRAM領域に展開し、これを逐次処理することによって遊技の実行を制御する。
メインCPU31には、第1始動入賞口12に入賞した遊技球を検知する第1始動センサ33と、第2始動入賞口13に入賞した遊技球を検知する第2始動センサ34とが接続されている。メインCPU31は、第1始動センサ33又は第2始動センサ34からの遊技球の検知信号に応答し、図示しない賞球払い出し装置を駆動して賞球の払い出しを実行する。また、メインCPU31は、当該検知信号に応答して当たり抽選部35を作動させる。
当たり抽選部35は、電子的な乱数を利用した当たり抽選を行う。当たり抽選では、その抽選時にランダムに抽出した乱数値を当たり判定テーブルと比較し、抽出した乱数値が、当たり又はハズレのいずれが割り当てられた乱数値かを判定することによって当たり又はハズレのいずれかを決定する。
変動パターン抽選部36は、当たり抽選が行われた後に作動される。変動パターン抽選部36は、電子的な乱数を使用した変動パターン抽選を行って、図柄の変動パターンを決定する。変動パターン抽選は、当たり抽選で当たりに当選したときは当たり用変動パターンテーブル、当たり抽選でハズレになったときはハズレ用変動パターンテーブルを用いて行われる。当たり用変動パターンテーブル及びハズレ用変動パターンテーブルのそれぞれでは、変動パターン抽選で抽出される全乱数値に複数種類の変動パターンのいずれかが割り当てられている。そして、変動パターン抽選で抽出された乱数値がいずれの変動パターンが割り当てられた乱数値であるかによって変動パターンが決定される。
当たり用変動パターンテーブルに割り当てられる変動パターンには、例えば、リーチ状態からそのまま同一種類の図柄が揃うノーマルリーチ当たり、リーチ状態から所定の演出を挟んで同一種類の図柄が揃うスーパーリーチ当たりなどがある。また、ハズレ用変動パターンテーブルに割り当てられる変動パターンには、例えば、各列の図柄の種類が全て異なる通常変動ハズレ、リーチ状態から異なる種類の図柄が停止するノーマルリーチハズレ、リーチ状態から所定の演出を挟んで異なる種類の図柄が停止するスーパーリーチハズレなどがある。
メインメモリ32には、第1保留球記憶部37、第2保留球記憶部38が設けられている。メインCPU31は、第1始動入賞口12に入賞した遊技球が第1保留球であった場合、当たり抽選と変動パターン抽選とを行って、当たり又はハズレ、及び変動パターンを仮決定する。そして、仮決定したこれらの各情報、及び取得した各乱数値を1個の第1保留球を示す保留球情報として第1保留球記憶部37に記憶させる。第1保留球記憶部37は、この保留球情報を4つ記憶可能に構成されている。これにより、前述のように最大4個の第1保留球が記憶される。
メインCPU31は、図柄の変動表示が停止した後、第1保留球記憶部37に保留球情報が記憶されていると、その保留球情報を読み出す。読み出された保留球情報は、第1保留球記憶部37から消去される。また、第1保留球記憶部37に複数の保留球情報が記憶されている場合には、記憶した順番、すなわち古いものから順番に読み出される。メインCPU31は、保留球情報を読み出すと、その保留球情報に含まれる各乱数値を用いて当たり判定、及び変動パターンの比較判定を行い、当たり又はハズレ、及び変動パターンを最終的に決定する。そして、この後、再び図柄の変動表示を開始して第1保留球を消化する。
第2保留球記憶部38は、第1保留球記憶部37と同様に、1個の第2保留球を示す保留球情報を4つ記憶可能に構成されている。メインCPU31は、第2保留球が発生した場合、上記第1保留球の場合と同様の処理を行う。また、メインCPU31は、第1保留球記憶部37と第2保留球記憶部38とのそれぞれに保留球情報が記憶されている場合には、第2保留球記憶部38から保留球情報を読み出し、前述のように、第2保留球を第1保留球に優先して消化する。
メイン基板30には、パチンコ機10で行われる各種の演出を制御するためのサブ基板40が接続されている。メインCPU31は、図柄が停止表示されている状態で遊技球が第1始動入賞口12又は第2始動入賞口13に入賞した場合には、図柄の変動表示の開始を指示する変動コマンドをサブ基板40に送信する。また、メインCPU31は、この変動コマンドとともに、当たり抽選、変動パターン抽選で決定された各情報、及び第1始動入賞口12と第2始動入賞口13とのどちらの入賞によるものかを示す識別情報をサブ基板40に送信する。
一方、メインCPU31は、図柄が変動表示されている状態で遊技球が第1始動入賞口12又は第2始動入賞口13に入賞した場合には、第1保留球又は第2保留球の発生にともなう処理の実行を指示する保留コマンドをサブ基板40に送信する。また、メインCPU31は、この保留コマンドとともに、第1保留球記憶部37又は第2保留球記憶部38に記憶させたものと同じ保留球情報、及び第1始動入賞口12と第2始動入賞口13とのどちらの入賞によるものかを示す識別情報をサブ基板40に送信する。
さらに、メインCPU31は、第1保留球又は第2保留球を消化する場合、第1保留球又は第2保留球の消化にともなう処理の実行を指示する消化コマンドをサブ基板40に送信する。この際、メインCPU31は、第1保留球記憶部37又は第2保留球記憶部38から保留球情報を読み出して当たり抽選及び変動パターン抽選を行い、最終的に決定したこれらの情報を消化コマンドとともにサブ基板40に送信する。
サブ基板40は、サブCPU41とサブメモリ42とを備えている。サブメモリ42には、演出を行うための各種プログラムや、図柄の配列パターンなどといった様々な演出用のデータが記憶されている。サブCPU41は、サブメモリ42からこれらのプログラムやデータを読み出して逐次処理することにより、サブ基板40の動作を制御する。
また、サブCPU41には、液晶ディスプレイ18、第1保留球表示部20、第2保留球表示部21が接続されている。液晶ディスプレイ18への画像の表示、及び各保留球表示部20、21の各保留ランプ20a、21aの点灯/消灯は、サブCPU41によって制御される。
サブメモリ42には、メインメモリ32に設けられた第1保留球記憶部37、第2保留球記憶部38と同様の機能を有する第1保留球記憶部43、第2保留球記憶部44が設けられている。サブCPU41は、メインCPU31から保留コマンドを受信すると、識別情報を基に第1保留球か第2保留球かを判断し、対応する第1保留球記憶部43又は第2保留球記憶部44に保留球情報を記憶させるとともに、対応する保留ランプ20a又は保留ランプ21aを点灯させて、第1保留球又は第2保留球が発生したことを遊技者に報知する。
サブCPU41には、演出制御部45と連続演出抽選部46とが設けられている。演出制御部45は、メインCPU31からの各情報を基にサブメモリ42から各種の画像データを読み出し、液晶ディスプレイ18における図柄の変動表示や演出画像の表示を制御する。連続演出抽選部46は、第1保留球が2個以上となった場合に、それぞれ態様が異なり且つ関連性を持った演出を各第1保留球の消化時に実行する連続演出を実行するか否かを電子的な乱数を用いた抽選により決定する連続演出抽選を行う。
連続演出抽選部46には、連続演出の実行に当選する確率が異なる複数の抽選テーブルが記憶されている。各抽選テーブルは、変動パターン抽選の仮決定の結果や第1保留球の個数などといった項目に応じて設けられている。各抽選テーブルは、変動パターン抽選の仮決定の結果が、通常変動ハズレ、ノーマルリーチハズレ、ノーマルリーチ当たり、スーパーリーチハズレ、スーパーリーチ当たりの順番に、連続演出の実行に当選する確率が高くなるように構成されている。また、各抽選テーブルは、第1保留球の個数が多いほど、連続演出の実行に当選する確率が高くなるように構成されている。従って、第1保留球が4個溜まった状態でスーパーリーチ当たりが仮決定された場合には、高い確率で連続演出の実行に当選する。このように、各抽選テーブルは、遊技者の期待感が高まる状況であるほど、連続演出の実行に当選する確率が高くなるように構成されている。
サブCPU41は、保留コマンドを受信して第1保留球記憶部43に保留球情報を記憶させた後、第1保留球記憶部43に記憶された保留球情報の数が2つ以上か否かを判定する。連続演出抽選部46は、サブCPU41が2つ以上と判定したことに応答して作動し、乱数値を取得するとともに、最後に第1保留球記憶部43に記憶させた保留球情報、及び第1保留球記憶部43に記憶された保留球情報の数に基づいて対応する抽選テーブルを選択する。そして、取得した乱数値を抽選テーブルと比較し、取得した乱数値が、連続演出の実行又はハズレのいずれに割り当てられた乱数値かを判定することによって連続演出を実行するか否かを決定する。
サブCPU41は、メインCPU31からの変動コマンドを受信すると、この変動コマンドとともに送信された各情報を演出制御部45に入力し、図柄の変動表示の開始を演出制御部45に指示する。演出制御部45は、この指示を受けると、入力された各情報を基に液晶ディスプレイ18での図柄の変動表示及び停止表示を行い、当たり抽選の結果を報知する。また、演出制御部45は、決定された変動パターンがリーチを含むものである場合などには、所定の画像を液晶ディスプレイ18に表示させる演出を行う。
サブCPU41は、メインCPU31からの消化コマンドを受信すると、この消化コマンドとともに送信された最終決定された各情報を演出制御部45に入力し、変動コマンドの場合と同様に、図柄の変動表示を開始させる。また、サブCPU41は、これと同時に第1保留球記憶部43又は第2保留球記憶部44にアクセスし、対応する保留球情報を消去するとともに、対応する保留ランプ20a又は保留ランプ21aを消灯させて、第1保留球又は第2保留球を消化したことを遊技者に報知する。
また、サブCPU41は、連続演出抽選部46によって連続演出の実行が決定された状態で消化コマンドを受信すると、図柄の変動表示の開始の指示とともに、連続演出の実行を演出制御部45に指示する。演出制御部45は、第1保留球を消化する毎に異なるキャラクタを順次表示していく、いわゆるステップアップ予告を連続演出として実行する。
演出制御部45は、4個の第1保留球がある状態で連続演出の実行が決定された場合には、1個目の第1保留球の消化時に、図3に示すように、子供のキャラクタ50を表示させる演出を行い、2個目の第1保留球の消化時に、図4に示すように、女性のキャラクタ51を表示させる演出を行い、3個目の第1保留球の消化時に、図5に示すように、男性のキャラクタ52を表示させる演出を行う。各キャラクタ50〜51は、図柄が停止表示する直前(例えば、0.5秒前)に、液晶ディスプレイ18の画面18aの下部を横切るように表示される。そして、演出制御部45は、2個の第1保留球がある状態で連続演出の実行が決定された場合には、子供のキャラクタ50の表示までを行い、3個の第1保留球がある状態で連続演出の実行が決定された場合には、女性のキャラクタ51の表示までを行う。
また、演出制御部45には、図示を省略したカウンタが設けられている。このカウンタには、初期状態で「0」が設定されている。演出制御部45は、連続演出の実行が指示された際に、このカウンタの値を確認するとともに、各キャラクタ50〜51を表示する演出を行う毎にカウンタの値を1加算する。これにより、カウンタの値が「0」の場合には子供のキャラクタ50を表示する、カウンタの値が「1」の場合には女性のキャラクタ51を表示するといったように、カウンタを参照することによって表示すべき各キャラクタ50〜51を確認することができる。また、このカウンタの値は、連続演出が終了した後にサブCPU41から入力されるリセット指示に応答して初期状態に戻される。
前述のように、連続演出の実行に当選する確率は、リーチや当たりなど遊技者の期待感が高まる状況であるほど高くなっている。これを遊技者側から見ると、連続演出が行われた場合には、その次の図柄の変動表示でリーチや当たりになりやすいということになる。従って、上記のように連続演出を実行すれば、各キャラクタ50〜51の演出が続くほど当たりに当選しているかも知れないという期待感を遊技者に付与することができる。また、連続演出は、最大3回の図柄の変動表示に跨って行われるので、遊技者に与える期待感を持続させることができる。
サブメモリ42には、連続演出の状態を知るための連続演出フラグ47が設けられている。連続演出フラグ47は、連続演出抽選部46が連続演出を実行すると決定した際の第1保留球の個数に応じて設定される。サブCPU41は、連続演出抽選部46が連続演出を実行すると決定した際の第1保留球が4個の場合には「4」を、3個の場合には「3」を、2個の場合には「2」をそれぞれ設定する。そして、サブCPU41は、消化コマンドを受信した際に、連続演出フラグ47を参照することにより、連続演出の実行が決定された状態か否かを確認する。
また、サブCPU41は、演出制御部45で各キャラクタ50〜52の演出及び図柄の停止表示が行われた後、値を1減算するように(例えば「4」の場合には「3」にする)連続演出フラグ47を更新する。これにより、連続演出フラグ47を参照することによって、連続演出の残り回数を確認することができる。サブCPU41は、この連続演出フラグ47の値が「0」になった際に、連続演出が終了したと判断し、演出制御部45にカウンタのリセット指示を入力する。
ところで、パチンコ機10では、連続演出を行っている途中で第1始動入賞口12又は第2始動入賞口13に遊技球が入賞し、第1保留球又は第2保留球が新たに発生する場合も当然考えられる。サブCPU41は、第1保留球に対する保留コマンドを受信した場合、第1保留球記憶部43に記憶された保留球情報の数が2つ以上か否かの判定に先立って、連続演出フラグ47を参照し、連続演出の実行が決定された状態か否かを判定する。サブCPU41は、連続演出の実行が決定されていると判定すると、これに続いて演出制御部45のカウンタを参照し、カウンタの値が「0」以上であるか否かを判定する。
サブCPU41は、カウンタの値が「0」の場合、すなわち1個目の第1保留球がまだ消化されていない場合には、上記保留球情報の数の判定を行う。一方、サブCPU41は、カウンタの値が「1」又は「2」の場合、すなわち1個目又は2個目までの第1保留球が既に消化されている場合には、上記保留球情報の数の判定を行わないようにする。これにより、連続演出が既に実行されている状態で第1保留球が発生した場合には、連続演出抽選が行われず、実行中の連続演出が終了した後に、新たに追加された第1保留球が消化されるようになる。
また、サブCPU41は、連続演出が既に実行されている状態で第2保留球に対する保留コマンドを受信した場合、各キャラクタ50〜51を表示する演出の後に行われるカウンタの加算の禁止を指示する加算禁止指示を演出制御部45に入力するとともに、図柄の停止表示の後に行われる連続演出フラグ47の更新を行わないようにする。すなわち、連続演出が既に実行されている状態で第2保留球に対する保留コマンドを受信した場合には、演出制御部45のカウンタの値、及び連続演出フラグ47の値を持ち越すようにする。
サブCPU41は、第1保留球記憶部43と第2保留球記憶部44とのそれぞれに保留球情報が記憶された状態で消化コマンドを受信すると、第2保留球を消化する処理を開始し、図柄の変動表示の開始の指示、及び最終決定された各情報を演出制御部45に入力とともに、連続演出の実行の指示を演出制御部45に入力する。演出制御部45は、これらの指示を受けると、入力された各情報を基に液晶ディスプレイ18での図柄の変動表示を開始するとともに、図柄が停止表示する直前に、液晶ディスプレイ18の画面18aの下部を各キャラクタ50〜51のいずれかが横切る演出を行う。
この際、前回の第1保留球の消化の処理の時に、演出制御部45のカウンタの値、及び連続演出フラグ47の値を持ち越すようにしたので、今回の第2保留球の消化の処理の時には、前回の第1保留球の消化時に表示された各キャラクタ50〜51が再び表示されるようになる。例えば、女性のキャラクタ51を表示する図柄の変動表示中に第2保留球が発生した場合には、この後に行われる第2保留球の消化の際に、女性のキャラクタ51が再び表示される。
この第2保留球を消化する処理の図柄の停止表示が行われると、第1保留球の場合と同様に、演出制御部45のカウンタの加算処理、及び連続演出フラグ47の更新処理が行われる。また、この第2保留球を消化する処理の図柄の変動表示中に再び第2保留球が発生した場合には、再び演出制御部45のカウンタの値、及び連続演出フラグ47の値を持ち越す処理が行われる。
次に、4個の第1保留球が発生した場合を例に、図6に示すフローチャートを参照しながら、上記構成によるパチンコ機10の作用について説明する。図柄の変動表示中に4個の第1保留球が発生すると、メインメモリ32の第1保留球記憶部37に各第1保留球のそれぞれに対応した4つの保留球情報が記憶される。また、4個の第1保留球が発生すると、各第1保留球のそれぞれに対応してメインCPU31からサブCPU41に保留コマンドが4回送信される。
サブCPU41は、保留コマンドを受信する毎に、サブメモリ42の第1保留球記憶部43に保留球情報を記憶させるとともに、第1保留球記憶部20の保留ランプ20aを点灯させる。これにより、サブメモリ42の第1保留球記憶部43にメインメモリ32の第1保留球記憶部37と同じ保留球情報が記憶されるとともに、4つの保留ランプ20aが点灯して4個の第1保留球が発生したことが遊技者に報知される。
第1保留球記憶部43に4つの保留球情報が記憶されると、連続演出抽選部46が作動し、連続演出抽選部46による連続演出抽選が行われる。連続演出抽選で連続演出を実行しないと決定された場合には、図柄の停止表示の後、各第1保留球を順次消化する処理が行われる。
一方、連続演出抽選で連続演出を実行すると決定された場合には、第1保留球の個数に応じた連続演出フラグ47の設定が行われる。本例では、4個の第1保留球が発生しているので、連続演出フラグ47には、「4」が設定される。この連続演出フラグ47の設定の後、図柄が停止表示すると、1個目の第1保留球に対する消化コマンドがメインCPU31からサブCPU41に送信される。
サブCPU41は、消化コマンドを受信すると、連続演出フラグ47を参照し、連続演出の実行が決定された状態か否かを確認する。そして、サブCPU41は、連続演出の実行が決定された状態であることを確認すると、図柄の変動表示の開始を演出制御部45に指示し、図柄の変動表示を開始させるとともに、連続演出の実行を演出制御部45に指示する。また、サブCPU41は、これと同時に、第1保留球記憶部43にアクセスし、対応する保留球情報を消去するとともに、保留ランプ20aを1つ消灯させて、第1保留球が消化されたことを遊技者に報知する。
演出制御部45は、連続演出の実行が指示されると、カウンタの値を確認する。1個目の第1保留球の消化時には、カウンタの値が「0」になっている。従って、演出制御部45は、図柄が停止表示する直前に、液晶ディスプレイ18の画面18aの下部を子供のキャラクタ50が横切る演出を行う。
サブCPU41は、この演出の後、第2保留球記憶部44を参照し、第2保留球が発生しているか否かを判定する。サブCPU41は、第2保留球が発生していないと判定すると、演出制御部45のカウンタの加算処理、及び連続演出フラグ47の更新処理を行う。これにより、次の消化コマンドが入力されて2個目の第1保留球を消化する処理が行われた際には、図柄が停止表示する直前に、液晶ディスプレイ18の画面18aの下部を女性のキャラクタ51が横切る演出が行われるようになる。
一方、サブCPU41は、第2保留球が発生していると判定すると、加算禁止指示を演出制御部45に入力してカウンタの加算を禁止するとともに、連続演出フラグ47の更新を行わないようにし、演出制御部45のカウンタの値、及び連続演出フラグ47の値を持ち越す。これにより、次の消化コマンドが入力されて第2保留球を消化する処理が行われた際には、前回の第1保留球の消化時に表示された子供のキャラクタ50が再び表示されるようになる。
このように、連続演出を行っている間に第2保留球を消化する処理が割り込んだ場合には、前回の第1保留球の消化時に実行された演出を再び実行するようにすれば、連続演出の途中に演出のない区間が生じたり、連続演出の間に全く関連性のない演出が挟まったりすることがないので、第2保留球を第1保留球に優先して消化する際にも、遊技者に違和感を与える心配がない。
以降、全ての第1保留球及び第2保留球が消化されるまで上記の処理が繰り返され、連続演出が終了する。サブCPU41は、連続演出が終了すると、演出制御部45にリセット支持を入力し、カウンタの値を初期状態に戻す。
上記実施形態では、各キャラクタ50〜52が画面18aの下部を横切る演出を連続演出時に行うようにしたが、連続演出時に表示される演出画像は、これに限定されるものではない。また、連続演出で行われる演出の態様は、液晶ディスプレイ18に表示される演出画像に限ることなく、例えば、音声を出力するものや光源を点滅させるものなど、保留球の消化毎に行われる演出に関連性を持つものであればよい。
上記実施形態では、第1保留球及び第2保留球の上限を4個とし、最大3回の図柄の変動表示に跨って連続演出が行われるようにしたが、第1保留球及び第2保留球の記憶の上限、及び連続演出が跨る図柄の変動表示の回数は、これに限定されるものではない。