JP2010187614A - 未加熱カツレツ及び未加熱カツレツの製造方法 - Google Patents

未加熱カツレツ及び未加熱カツレツの製造方法 Download PDF

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衛 鎌田
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Abstract

【課題】調理時間の短縮、時間の短縮によるコストの低減を図り、工場等における製造のスループットを向上させるべく、簡易、かつ、確実な手法で風味豊かなトンカツ等のカツレツを得ることができる、畜肉の間に他の食材を挟み込んだ未加熱カツレツ及び未加熱カツレツの製造方法を提供する。
【解決手段】 スライスされた一枚の豚肉、牛肉、鶏肉等の畜肉と、チーズ、海苔、野菜類といった畜肉以外の他の食材と、表面を覆う衣から構成される未加熱カツレツであって、前記他の食材は、折り畳まれた一枚の前記畜肉内に挟み込まれた構成とした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、フライすることによりカツレツとすることができる未加熱カツレツ及び未加熱カツレツの製造方法に関し、特には、カツレツを構成する畜肉に他の食材を容易に挟み込むことにより、風味豊かで、フライすることによりカツレツとすることができる未加熱カツレツ及び未加熱カツレツの製造方法に関する。
一般的に、カツレツは、適当な厚さの1枚の豚肉、牛肉、鶏肉等の畜肉にカツレツ用の衣をつけて油で揚げて作られることは周知である。例えば、カツレツ中、豚肉が使われるトンカツの作り方としては、豚ロース肉に包丁の先を使い、筋の部分に浅い切れ目を入れ、包丁の背又は肉たたきで表面を軽く叩き、塩、コショウで味付けをし、薄力粉をまんべんなく両面にまぶし、余分な粉をはたき落とし、溶き卵に浸し、広げたパン粉の上に置き、上からパン粉をかけ、肉を覆うようにして衣をつけ、油で揚げる、家庭等におけるトンカツの作り方がよく知られている。
他方、トンカツを始めとしたカツレツの工場規模での製造に関する従来技術は数少なく、例えば、豚肉をミンチ状に細断してなる主原料とピックル液とを混合する原料混合工程と、該混合原料を−2〜0℃の温度範囲まで冷却する冷却工程と、その冷却状態である混合原料を連続成型器で連続して製品形状に成型する成型工程と、その成型品に衣付けする衣付け工程と、その衣付け成型品を凍結する凍結工程とを行うことにより、比較的安価な豚肉を使用してコストを低く抑えることができ、かつ大きさ及び形状を揃えることができる冷凍トンカツの製造方法(特開平5−84052号公報)や、揚げ物の素材を必要に応じて真空包装等の包装をして加熱手段を用いて素材の中心温が素材のタンパク質が凝固する温度域であって分水作用開始温度下の低温領域で芯まで十分に火を入れ、加熱処理した肉等の身や具にα化したバッター粉をつけ、褐色促進タイプのパン粉をまぶし、冷凍状態のまま油を付着させて油膜層を表面に形成し、冷凍することにより、バラツキが少なく、保形性が向上し、油で揚げることを必要としない食感・風味を改善する即席タイプの揚げ物用冷凍食品の製造方法(特開平9−9886号公報)などが知られているにすぎない。
また、カツレツにおいても、スライスされた2枚の畜肉を用意し、2枚の畜肉の間にチーズ、海苔、又は青じそ等の野菜類を挟み込む変わり種のカツレツが存在することが周知であり、家庭のみならず、工場規模での製造も行われている。
特開平5−84052号公報
特開平9−9886号公報
スライスされた2枚の畜肉の間にチーズ、海苔、又は青じそ等の野菜類を挟み込む変わり種のカツレツは、畜肉とその間に挟み込む食材との相乗効果により、風味豊かなカツレツとして人気を博している。しかしながら、当該カツレツの工場規模での製造においては、スライスされた2枚の畜肉を用意し、一方の畜肉上にチーズ等の他の食材を載せ、その後に、一方の畜肉上に配された他の食材を覆うべく、他方の畜肉を一方の畜肉に合わせるように位置決めして2枚の畜肉を重ね合わせる必要があり、その位置決め及び重ね合わせる作業は手間を要し、工場等における製造工程のスループット向上を妨げる可能性があり、調理時間の短縮、時間の短縮によるコストの低減が望まれていた。本発明の課題は、簡易、かつ、確実な手法で風味豊かなトンカツ等のカツレツを得ることができる、畜肉の間に他の食材を挟み込んだ未加熱カツレツ及び未加熱カツレツの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題、特に簡易、かつ、確実な手法で他の食材を挟み込んだ未加熱カツレツ及び当該カツレツを製造する方法について鋭意検討したところ、スライスされた一枚の畜肉の中心線によって区分される何れか一方の領域に他の食材を配し、その後、食肉を中央部分で折り返すことによって、畜肉の間に他の食材を挟み込んだ未加熱カツレツを簡易、かつ、確実に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
上記目的達成のため、本発明の未加熱カツレツは、スライスされた一枚の畜肉と、畜肉以外の他の食材と、表面を覆う衣から構成される未加熱カツレツであって、前記他の食材は、折り畳まれた前記畜肉内に挟み込まれたことを特徴とする。また、本発明の未加熱カツレツの前記畜肉は、当該畜肉の中心線又は中心線近傍で折り畳まれたことを特徴とする。また、本発明の未加熱カツレツの前記畜肉は、左右対称の形状に成形されたことを特徴とする。また、本発明の未加熱カツレツの前記畜肉は、複数回折り畳まれたことを特徴とする。本発明の未加熱カツレツの製造方法は、スライスされた一枚の畜肉と、畜肉以外の他の食材と、表面を覆う衣から構成される未加熱カツレツの製造方法であって、前記畜肉に前記他の食材を配置する工程と、前記畜肉を折り畳んで前記他の食材が前記畜肉によって包み込む工程を備えることを特徴とする。また、本発明の未加熱カツレツの製造方法における前記他の食材は、前記畜肉の中心線によって区分される何れか一方の領域に配されることを特徴とする。また、本発明の未加熱カツレツの製造方法における前記畜肉は、当該畜肉の中心線又は中心線近傍で折り畳まれたことを特徴とする。また、本発明の未加熱カツレツの製造方法における前記畜肉は、左右対称の形状に成形されたことを特徴とする。
本発明によると、簡易、かつ、確実な手法で他の食材を挟み込んだ風味豊かな未加熱カツレツを製造することができ、調理時間の短縮、時間の短縮によるコストの低減を図ることが可能であり、工場等における製造のスループットを向上させることが可能である。
特に、一枚の畜肉を折り畳むのみで実行可能であることから、従来の如く複数の畜肉の外縁同士全てを合わせる多大な手間が省け、一枚の畜肉を折り畳んで中心線で区切られた一方の領域と他方の領域を合わせるのみで足り、畜肉の折り返し部分については、合わせる必要がないため、大幅に手間が省け、簡易、かつ、確実な手法で他の食材を挟み込んだ未加熱カツレツを製造することができる。
第1実施形態に係る未加熱カツレツの製造方法を示すものであって、(a)は、スライスされた畜肉2の斜視図、(b)は、(a)の状態に他の食材3を配置した状態の斜視図、(c)は(d)の状態から畜肉2を折り畳んだ状態の斜視図、(d)は(c)の状態に衣を付けた状態の斜視図である。 図1(d)の未加熱カツレツのA−A線断面図である。 第1実施形態に係る未加熱カツレツの製造フローを示す図である。 第2実施形態に係る未加熱カツレツの断面図である。
本発明の未加熱カツレツ及びカツレツの製造方法において、未加熱カツレツとは、油調理することによりカツレツとなる、油調理前のカツレツのことをいい、油調理する方法としては、油を用いる調理方法であれば特に制限されるものではないが、通常行われているような油で揚げる(フライ)方法や、冷凍状態のまま油を付着させて油膜層を表面に形成させたものを加熱する方法や、マイクロカプセル化した油脂を表面に付着させたものを加熱する方法などを具体的に例示することができる。
[第1実施形態]
以下、本発明による未加熱カツレツ及びカツレツの製造方法の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、第1実施形態に係る未加熱カツレツの製造方法を示すものであって、(a)は、スライスされた畜肉2の斜視図、(b)は、(a)の状態に他の食材3を配置した状態の斜視図、(c)は(d)の状態から畜肉2を折り畳んだ状態の斜視図、(d)は(c)の状態に衣を付けた状態の斜視図である。図2は、図1(d)の未加熱カツレツのA−A線断面図である。図3は、第1実施形態に係る未加熱カツレツの製造フローを示す図である。
[第1実施形態の構成]
図1(d)に示すように、本発明に係る未加熱カツレツ1は、衣4を付けた状態における外観上、何ら周知のカツレツと変わるものではないが、図2に示す図1(d)のA−A線断面図に示すように、その構造に特徴を有するものである。
即ち、図2に示すように、本発明の未加熱カツレツ1は、豚肉等のスライスされた一枚の畜肉2が中心線C又は当該中心線近傍で折り返されて、畜肉2が折り畳まれており、当該折り畳み部分の内部にチーズ等の畜肉2以外の他の食材3が挟み込まれたものである。従って、他の食材3を内部に挟み込んだ一枚の畜肉2を覆うように、さらにその外側(未加熱カツレツ1の表面)に衣3を付けたものである。尚、畜肉1については、豚肉のみならず、牛肉、鶏肉等何れのものも適用可能であり、他の食材3についても、チーズのみならず、海苔や、青じそといった野菜類等を適宜選択可能である。
[製造工程]
本発明の適用が特に望まれる工場等における、本発明の未加熱カツレツ1の製造方法について、図1乃至図3を用いて説明する。
先ず、原料となる豚肉等の畜肉を用意し(ステップ1)、肉質を柔らかくしたり、増量させる作用を持つピックル液を注射して肉を改善するインジェクションを行う(ステップ2)。次いで、肉の筋を切ったりするテンダーライジングを行って肉質の安定化・均一化を図るタンブリング工程(ステップ3)を行う。
その後に、畜肉を所定形状・大きさに切断するにあたって、形を整えるべく畜肉をケーシング(合成樹脂のフィルム)にセット(ステップ4)してから、零下27℃で冷凍(ステップ5)する。それから、切断を可能にするべく冷凍された畜肉を零下7℃程度に昇温するテンパーリング(ステップ6)の後にケーシングを除去(ステップ7)する。
そして、カツレツに応じた最終的な形状に整えるためのプレス(ステップ8)を行う。ここで、成形された畜肉の形状は、後述の折り畳み工程において、中心線Cによって区分される何れか一方の領域に他の食材を配置するに適した左右対称の形状とすることが好ましく、左右対称であれば、円形状、長円形状、楕円形状、横長矩形状等何れの形態でも適用可能であり、挟み込む他の食材の形状、所望のカツレツの形態、食感、成形を行う畜肉の元の形態等を考慮して選択される。
その後、所定の厚に畜肉を切断するスライス工程(ステップ9)を行う。尚、スライスされた畜肉の厚さは、食べ応え、食感、折り畳みやすさ等を考慮し、適宜選択される。
その後、スライスされた畜肉2を作業台上に配し(図1(a))、畜肉の中心線Cによって区分される何れか一方の領域に、チーズ等の他の食材を配置する(ステップ10)。図1(b)においては畜肉2の中心線Cによって区分される何れか一方の領域2aに、他の食材3が配されている。
その後、他の食材3が配された一方の領域2aに対する他方の領域2bを、一方の領域2a側に折り畳むことにより、図1(c)に示すような、他の食材3が畜肉2によって包み込まれた状態とする(ステップ11)。
さらにその後、食塩とコショウを含むバッターミックスからなる打ち粉を振りかけ(打ち粉付け)、小麦粉を卵に溶かしたバッターを付けた後(バタリング)、パン粉を付けて、衣付の作業が完了する(ステップ12)。後にカツレツに仕上げられるように、零下40℃で冷凍させる冷凍工程(ステップ13)を経て未加熱カツレツとする。尚、ステップ12において衣を付けた後、そのまま油で揚げてチルドカツレツ(フレッシュカツレツ)に仕上げることも選択可能である。
[第1実施形態により生じる効果]
本発明によると、簡易、かつ、確実な手法で他の食材3を挟み込んだ風味豊かな未加熱カツレツ1を製造することができ、調理時間の短縮、時間の短縮によるコストの低減を図ることが可能であり、工場等における製造のスループットを向上させることが可能である。
特に、一枚の畜肉2を折り畳むのみで実行可能であることから、従来の如く複数の畜肉2の外縁同士全てを合わせる多大な手間が省け、一枚の畜肉2を折り畳んで中心線Cで区切られた一方の領域2aと他方の領域2bを合わせるのみで足り、畜肉2の折り返し部分については、合わせる必要がないため、大幅に手間が省け、簡易、かつ、確実な手法で他の食材3を挟み込んだ未加熱カツレツ1を製造することができる。
[第2実施形態]
以下に、第2実施形態の未加熱カツレツ6について図4を用いて説明する。図4は、第2実施形態に係る未加熱カツレツの断面図であって、図1(d)同様に、図示しない未加熱カツレツを図1(d)と同様の箇所及び方向からみた断面図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図4に示すように第2実施形態の未加熱カツレツ6においては、畜肉2の折り返し部分が計2カ所となり、折り畳まれた畜肉2が3層に折り重なっており、他の食材3を本実施形態においては、畜肉部分を介して、第1の他の食材3a及び第2の他の食材3bの2カ所に分けることが可能である。例えば、図4においては、第1の他の食材3aにはチーズを、第2の他の食材3bには海苔を挟んでいるが、同種のものを畜肉2を介して2カ所に分けて配置しても良いし、複数の他の食材3を2カ所に分けて配置してもよく、風味、食感等を考慮して組み合わせは自由である。
また、本発明の適用が特に望まれる工場等における、本発明の未加熱カツレツ6の製造方法については、第1実施形態における製造工程のステップ8乃至ステップ11が、所望の折り畳みの回数によって変更となるものである。本実施形態においては、折り畳みの回数が2回(折り返しの箇所が2カ所)となることを考慮し、スライスされた畜肉2の領域が三等分しやすい形状にプレスを行い成形し(ステップ8)、その後、所定の厚に畜肉を切断するスライス工程(ステップ9)を行う。
その後、スライスされた畜肉2を作業台上に配し、畜肉2を三等分する領域の何れかの領域に第1の他の食材3aを配置し、他の領域を折り畳んで第1の他の食材3aを畜肉2によって包み込む。さらに折り畳んだ他の領域の上部にさらに第2の他の食材3bを配置し、さらに、第2の他の食材3bを包み込むように、畜肉2の他の領域を折り畳むことによって、折り返し箇所が2カ所となる折り畳み作業が完了となる(ステップ10及びステップ11)。第2実施形態よって、第1実施形態と同様の効果に加えて、他の食材3の種類を増やすことが可能であるため、さらに風味豊かな構成とすることが可能である。
この発明は、その本質的特性から逸脱することなく、数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
1 未加熱カツレツ
2 畜肉
2a 一方の領域
2b 他方の領域
3 他の食材
3a 第1の他の食材(チーズ)
3b 第2の他の食材(海苔)
4 衣

Claims (8)

  1. スライスされた一枚の畜肉と、畜肉以外の他の食材と、表面を覆う衣から構成される未加熱カツレツであって、
    前記他の食材は、折り畳まれた前記畜肉内に挟み込まれたこと
    を特徴とする未加熱カツレツ。
  2. 前記畜肉は、当該畜肉の中心線又は中心線近傍で折り畳まれたことを特徴とする請求項1に記載の未加熱カツレツ。
  3. 前記畜肉は、左右対称の形状に成形されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の未加熱カツレツ。
  4. 前記畜肉は、複数回折り畳まれたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1に記載の未加熱カツレツ。
  5. スライスされた一枚の畜肉と、畜肉以外の他の食材と、表面を覆う衣から構成される未加熱カツレツの製造方法であって、
    前記畜肉に前記他の食材を配置する工程と、
    前記畜肉を折り畳んで前記他の食材を前記畜肉によって包み込む工程を備えること
    を特徴とする未加熱カツレツの製造方法。
  6. 前記他の食材は、前記畜肉の中心線によって区分される何れか一方の領域に配されることを特徴とする請求項5に記載の未加熱カツレツの製造方法。
  7. 前記畜肉は、当該畜肉の中心線又は中心線近傍で折り畳まれたことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の未加熱カツレツの製造方法。
  8. 前記畜肉は、左右対称の形状に成形されたことを特徴とする請求項5乃至請求項7のうち、いずれか1に記載の未加熱カツレツの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101493287B1 (ko) 2014-11-04 2015-02-16 농업회사법인 주식회사 산과들에프앤씨 돈가스형 튀김 및 그 제조방법

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