JP2010186383A - 身障者用駐車スペース管理システム - Google Patents

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昌隆 住田
Toshihiro Nagano
敏廣 永野
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Abstract

【課題】身障者の身体的及び精神的負担を軽減し、身障者がより簡単に身障者用駐車スペースを利用することができる身障者用駐車スペース管理システムを提供する。
【解決手段】本発明に係るシステム1は、身障者手帳を所定の位置に提示するように案内する提示案内部13と、車両内において提示された身障者手帳を撮影する撮影部3と、撮影画像の背景部分から身障者手帳の画像を判別する画像判別部14と、身障者手帳の画像に基づいて、身障者手帳が真正なものであるか否かを判定する身障者手帳判定部16と、身障者手帳が真正なものであると判定された場合には、駐車許可を示す通知を行い、身障者手帳の画像が判別されなかった場合又は身障者手帳が真正なものであると判定されなかった場合には、駐車不許可を示す通知を行う駐車管理部18とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、駐車スペース管理システムに関し、特に身障者用駐車スペース管理システムに関する。
従来、高速道路サービスエリアやショッピングセンター、病院等の駐車場においては、多くの場合、身障者が施設を利用しやすいように身障者用の駐車スペースが設けられている。利用者は、立て看板による注記や車椅子の表示マーク等によって、当該駐車スペースが身障者専用のものであることを明確に認識できる。しかしながら、このような注記や表示を無視して、健常者が身障者用駐車スペースに駐車し、その結果、身障者が身障者用駐車スペースを利用できなくなってしまうという事態が生じている。中には、健常者が車椅子マークを自分の車に添付して駐車する悪質なケースもあり、健常者による身障者用駐車スペースの不正利用は社会問題化している。また、このように健常者による不正駐車が問題化している状況において、内臓疾患等外観から見て健常者と区別がつきにくい身障者が、健常者と誤解されることを避けるため身障者用駐車スペースの使用を躊躇するケースも生じている。
このような問題を解決するために、予め身障者にリモコンを配布しておき、身障者はこのリモコンを操作することによって、身障者用駐車スペースを利用できるというシステムが知られている。また、別の方法として、身体障害者手帳(以下、身障者手帳という)を利用して身障者用駐車スペースを管理する方法も知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1においては、身障者用駐車スペースに設置された駐車管理装置の挿入口に身障者が自分の身障者手帳を挿入することによって、駐車スペースへの駐車が許可される方法が開示されている。
特許第3977750号公報
しかしながら、前述のリモコンを使用したシステムにおいては、予め身障者にリモコンを配布する必要があると共に、健常者がリモコンを入手した場合には健常者による不正利用が可能となってしまう。また、前述の特許文献1に開示された方法においては、特定の装置の挿入口に身障者手帳を挿入する必要があり、多くの場合、身障者は車から身を乗り出して身障者手帳を挿入口に挿入しなければならない。しかしながら、身体に障害を持つ人の中にはその行為自体が大きな負担になる場合がある。また、雨天等悪天候に窓を開けて身を乗り出すことは利用者に更なる負担を強いることになる。
上記に指摘する従来技術の問題点に加えて、身障者用駐車スペースの利用に際し、健常者と誤解されるのではないかという身障者の精神的負担も軽減する必要がある。
以上の問題点に鑑みて、本発明は、リモコン配布等の二次投資が不要であると共に、身障者の身体的及び精神的負担を軽減し、身障者がより簡単に身障者用駐車スペースを利用することができる身障者用駐車スペース管理システムを提供することを目的としている。
本発明は、身障者用駐車スペース管理システムであって、上記目的を達成するために、身障者用駐車スペースの利用者に対して、身障者手帳を所定の位置に提示するように案内する提示案内手段と、車両内にいる前記利用者が車両内において提示した身障者手帳を撮影する撮影手段であって、前記身障者用駐車スペースに対応して設置される撮影手段と、前記撮影手段が車両外から車両内に向けて撮影した撮影画像の背景部分から身障者手帳の画像を判別する画像判別手段と、前記画像判別手段が判別した前記身障者手帳の画像から、前記身障者手帳の特徴を抽出し、各種身障者手帳の特徴を記録したデーターベースを参照して、前記身障者手帳が真正なものであるかを判定する身障者手帳判定手段と、前記身障者手帳が真正なものであると判定された場合には、身障者用駐車スペースへの駐車が許可されることを示す通知を行い、前記身障者手帳の画像が判別されなかった場合又は前記身障者手帳が真正なものであると判定されなかった場合には、前記身障者用駐車スペースへの駐車が許可されないことを示す通知を行う駐車管理手段とを備える。
前記身障者用駐車スペースへの駐車が許可されたことを示す通知は、一例として、身障者手帳が認識されたことを告げる通知である。前記身障者用駐車スペースへの駐車が許可されなかったことを示す通知は、一例として、身障者手帳が認識されなかったことを告げる通知である。
前記撮影手段は、例えば、前記利用者が提示した身障者手帳を前記車両のフロントガラス又は側面ウインドウガラスを介して撮影する。
一例として、本発明に係る身障者用駐車スペース管理システムは、前記身障者手帳の提示位置を光スポットによって示す照明装置をさらに備え、前記提示案内手段は、前記照明装置を介して、前記案内を行うように構成してもよい。
前記画像判別手段は、身障者手帳の色と形状に関するデータを格納した色・形状パターンデータベースを備え、前記撮影手段が撮影した前記撮影画像から、前記色・形状パターンデータベースに格納された色データが示す色と一致する色を有する領域を特定すると共に、前記色データに対応する形状データを前記色・形状パターンデータベースから取得し、前記特定した領域の位置情報と前記形状データとに基づいて前記撮影手段を制御して、前記身障者手帳に表記された文字が判別可能な身障者手帳の画像を取得するように構成してもよい。
前記各種身障者手帳の特徴は、発行された各種の身障者手帳にそれぞれ表記されている文字であって、前記データーベースは、前記文字に関するデータを格納した文字パターンデータベースであり、前記身障者手帳判定手段は、前記画像判別手段が判別した前記身障者手帳の画像から、文字領域を抽出し、抽出した文字領域が前記文字パターンデータベースに格納された文字パターンと一致した場合には、前記利用者が提示した前記身障者手帳が真正なものであると判定するように構成してもよい。
一例として、本発明に係る身障者用駐車スペース管理システムは、音声装置及び/又は表示装置をさらに備え、前記提示案内手段は、音声装置及び/又は表示装置を介して、前記案内を行い、前記駐車管理手段は、前記音声装置及び/又は表示装置を介して前記通知を行なう。
本発明に係る身障者用駐車スペース管理システムは、前記身障者用駐車スペースに設置した入庫制御装置をさらに備え、前記駐車管理手段は、前記身障者手帳が真正なものであると判定された場合には、前記入庫制御装置を開放するように構成してもよい。
一例として、本発明に係る身障者用駐車スペース管理システムは、前記利用者の車両が前記身障者用駐車スペースを利用するために進入してきたことを検出する車両進入検出手段をさらに備え、前記撮影手段は、所定の範囲を所定の時間継続的に撮影するように構成され、前記車両進入検出手段は、前記撮影手段が継続的に撮影する撮影画像と、前記車両が進入していない状態を示す背景画像とを比較して、前記撮影画像における画素単位での変化量を測定し、該変化量の総量が所定の閾値を超えた状態から所定の時間変化しない場合には、前記利用者の車両が進入して停止したものと判定してもよい。
また、車両進入検知手段は、ループセンサ等の磁気的検知方法や、光センサ等の光学的検知方法により、前記利用者の車両が進入してきたことを感知する方法を併用してもよい。
本発明においては、身障者であることを確認するために身障者手帳を利用している。身障者はかなり高い確率で身障者手帳を有している。したがって、駐車場運営者にとってはリモコン配布等の二次投資が不要となるため、コストが軽減されると共に駐車スペースの管理運営が簡単になるという利点がある。加えて、健常者がリモコン等を入手して、駐車スペースを不正に利用してしまうという事態を避けることができる。
本発明においては、利用者に対して、身障者手帳を所定の位置に提示するように案内して、車両内にいる利用者が車両内において提示した身障者手帳を撮影し、その撮影画像から身障者手帳の画像を認識する等の処理を実行して提示された身障者手帳が真正なものであるか否かを判定している。
したがって、利用者は、案内に従って身体的に無理のない動作で身障者手帳を提示するだけで良く、わざわざ車両から身を乗り出して所定の装置の挿入口に身障者手帳を挿入する必要がない。例えば、利用者は車内において所定の位置に身障者手帳をかざすだけで良い。よって、身障者の身体的負担が軽減され、より簡単に身障者が身障者用駐車スペースを利用することができる。
本発明においては、身障者手帳が真正なものであると判定された場合には、身障者用駐車スペースへの駐車が許可されることを示す通知を行い、身障者手帳の画像が判別されなかった場合又は身障者手帳が真正なものであると判定されなかった場合には、身障者用駐車スペースへの駐車が許可されないことを示す通知を行うように構成されている。したがって、真正な身障者手帳を提示して駐車が許可された身障者にとっては、身障者用駐車スペースの利用資格者であることが外部に対して明らかになることから、健常者と誤解されるのではないかと言う精神的負担が軽減される。さらに、真正な身障者手帳が提示されなかった場合には、上記のように、駐車が許可されないことを示す通知が行なわれるため、健常者による駐車スペースの不正利用を抑止することができる。
以上のように、本発明に係る身障者用駐車スペース管理システムによれば、リモコン配布等の二次投資が不要であると共に、身障者の身体的及び精神的負担を軽減して、身障者がより簡単に身障者用駐車スペースを利用することが可能である。
本実施形態に係る身障者用駐車スペース管理システムの構成を模式的に示すブロック図である。 本実施形態に係る身障者用駐車スペース管理システムを設置した身障者用駐車スペースの概観図である。 本実施形態に係る身障者用駐車スペースシステムによる処理の流れを示すフローチャートである。 本実施形態に係る表示装置による各種表示例を示したイメージ図である。 本実施形態に係る撮影手段による撮影画面のイメージ図である。
以下、本発明の実施の形態を添付の図により説明する。図1に本実施形態に係る身障者用駐車スペース管理システムの構成を模式的に示す。身障者用駐車スペース管理システム1は、各種データの記憶及び演算等を行うデータ処理・記憶部2と、身障者手帳を撮影する手帳認識カメラ3と、利用者に対して各種の通知を行なう表示装置4及び音声装置5と、所定の場所における車両の有無を検知するループセンサ6と、駐車を抑止する入庫制御装置7とを備えている。
図2に身障者用駐車スペース管理システム1を設置した身障者用駐車スペースの概観図を示す。図2に示すように、身障者用駐車スペース8の奥側には、筐体10が支柱9の上に設置されていて、データ処理・記憶部2を構成するコンピュータは筐体10内に収納されている。手帳認識カメラ3として、本実施形態においてはCCDカメラを使用しており、このCCDカメラはデータ処理・記憶部2と接続している。手帳認識カメラ3の撮影範囲は、利用者21が所定の位置において身障者手帳20を提示した場合に、撮影画像の中に身障者手帳20が含まれるように、予め設定されている。手帳認識カメラ3は、利用者の車両22が身障者駐車スペース8に向かって進入してくる前から継続して撮影を行なっていて、その撮影時間は、一例として、身障者用駐車スペース8が利用可能な時間である。
表示装置4は例えばカラーLEDディスプレイであり、その表示面が筐体10の側面において利用者から視認可能な位置に設けられている。また、筐体10には、音声装置5のスピーカー5aが形成されている。
ループセンサ6は図2に示すように、各駐車スペース8の奥側と入り口付近において地中に埋設され、ループセンサ6が感知する磁気の変化によって、ループセンサ6が埋設された場所付近に車両が存在するか否かを判定することができる。駐車スペース8の奥側に埋設されたループセンサ6は車両の出入庫を検知し、入り口付近に埋設されたループセンサ6は車両22が一時停止位置に停止したことを検知する。
さらに、本実施形態においては、入庫制御装置7として、コインパーキング用に従来用いられているロック板を身障者用駐車スペース8の入り口部分において駐車面上に設置している。入庫制御装置7は、上方に向かってバー7aが起立することによってロック状態となり、身障者用駐車スペース8への駐車を抑止している。
筐体10に収納されたデータ処理・記憶部2は、図1に示すように、車両進入検出部12と、提示案内部13と、画像判別部14と、身障者手帳判定部16と、駐車管理部18とを備えている。
車両進入検出部12は、手帳認識カメラ3が撮影した映像に基づいて、利用者21の車両22が進入してきたことと停止したこととを検出する。提示案内部13は、表示装置4及び音声装置5を介して、利用者21に対し、所定の位置に身障者手帳20を提示するように案内する。
画像判別部14は、色・形状パターンデータベース15を備える。色・形状パターンデータベース15は、実際に発行されている身障者手帳の色と形状パターンに関するデータを予め格納している。画像判別部14は、色・形状パターンデータベース15に格納されたデータを用いて、手帳認識カメラ3が撮影した撮影画像の背景部分から身障者手帳の画像を判別する。まず、手帳認識カメラ3の撮影画像から、色・形状パターンデータベース15に格納された色データが示す色と一致する色を有する領域を特定すると共に、色データに対応する形状データを色・形状パターンデータベース15から取得する。次に、前記特定した領域の位置情報と取得した形状データとに基づいて、手帳認識カメラ3を制御して、身障者手帳20に表記された文字が判別可能な撮影画像を取得する。
身障者手帳判定部16は、文字パターンデータベース17を備える。文字パターンデータベース17は、実際に発行されている身障者手帳の表紙に表記された文字に関するデータを予め格納している。身障者手帳判定部16は、文字パターンデータベース17に格納されたデータを用いて、画像判別部14が判別した身障者手帳の画像から、障者手帳が真正なものであるか否かを判定する。本実施形態において、身障者手帳判定部16は、画像判別部14が判別した身障者手帳の画像から、文字領域を抽出し、抽出した文字領域が文字パターンデータベース17に格納された文字パターンと一致した場合には、提示された身障者手帳20が真正なものであると判定する。
駐車管理部18は、身障者手帳20が真正なものであると判定された場合には、身障者用駐車スペース8への駐車が許可されることを示す通知を行い、身障者手帳の画像が判別されなかった場合又は身障者手帳が真正なものであると判定されなかった場合には、身障者用駐車スペース8への駐車が許可されないことを示す通知を行う。さらに、本実施形態においては、身障者手帳が真正なものであると判定された場合には、入庫抑止状態にあった入庫制御装置7を入庫許可状態に切り替える。より具体的には、駐車管理部18が起立していた入庫制御装置7のバー7aを倒して、ロック板のロックを解除するように構成されている。なお、利用を許可されて駐車していた利用者の車両が、利用を終えて身障者用駐車スペース8から出庫したことをループセンサ6が検知すると、駐車管理部18は入庫制御装置7を再び入庫抑止状態に戻すために、入庫制御装置7のバー7aを起立させて、ロック板をロック状態にする。
次に、身障者用駐車スペース管理システム1による処理の流れを図3に示すフローチャートを参照しながら、説明する。
まず、手帳認識カメラ3が所定の範囲を所定の時間、継続的に撮影する(ステップ1)。手帳認識カメラ3が撮影している所定の範囲については、車両が進入していない状態の画像(以下、背景画像という)が予め取得されていて、データ処理・記憶部2に記憶されている。
車両進入検出部12は、手帳認識カメラ3が撮影した撮影画像と前記背景画像とから、背景差分法を用いて、車両の進入及び停止を検出する。まず、車両進入検出部12は、手帳認識カメラ3が撮影した撮影画像が背景画像に対してどの程度変化しているのかを画素単位で測定する(ステップ2)。この変化量の総量が所定の閾値を超えると利用者21の車両22が進入したものと判定する。上記閾値は、乗用車が進入してきたときに生じ得る変化量を基準に設定されている。したがって、例えば人が通りかかった場合、生じる画素の変化量は閾値に満たないため、車両が進入したと誤って判定されることはない。また、天候や時間帯による照明条件の変化や、物が配置された場合などに対応するため、ある一定の時間に亘って変化がない部分又はある一定の時間に亘って変化量が所定の値を超えないと判断された部分については背景部部分であると判定し、前記背景画像にこの背景部分を組み込んで背景画像を自動的に更新する。
車両進入検出部12は、車両22の進入を検出すると、表示装置4を介して一時停止位置に車両22を停止させるように利用者21に通知すると共に、音声装置5を介してその旨をアナウンスする。車両の一時停止位置は予め決められていて、当該位置は身障者用駐車スペース8の入り口付近に利用者に分かるように明示されている。
撮影画像における前記画素単位での変化量の総量が上記閾値を超えた状態から所定の時間変化しない場合には、利用者21の車両22が進入した後、停止したものと判定することができる。
なお、本実施形態においては、車両が所定の場所において停止したことをより確実に判定するために、上記撮影画像に基づく判定に加えて、ループセンサ6による検知を併用している。前述のように、駐車スペース8の入り口付近に埋設されたループセンサ6は一時停止位置に停止した車両の存在を磁気変化によって検知する。
車両進入検出部12は、前述のように、撮影画像における前記画素単位での変化量の総量が上記閾値を超えた状態から所定の時間変化せず、加えて、駐車スペース8の入り口付近に埋設されたループセンサ6が車両の存在を検知した場合には、利用者21の車両22が一時停止位置に停止したものと判定する(ステップ3)。
提示案内部13は、利用者21に対し、表示装置4及び音声装置5を介して、身障者手帳20を所定の位置に提示するように案内する(ステップ4)。図4に表示装置4の表示面4a〜4cを示す。本実施形態においては、例えば、表示面4aに示すように、「身障者手帳をフロントガラスにかざしてください」という文字表示が点灯すると共に、音声装置5がその旨をスピーカー5aからアナウンスする。
図2に示すように、利用者21は、案内に従って身障者手帳20をフロントガラス22aにかざす。前述のように、手帳認識カメラ3は予め身障者手帳の提示位置、この場合はフロントガラス22aが撮影可能なようにその撮影範囲が設定され、継続的に撮影を行なっている。したがって、利用者21は、手帳認識カメラ3に向かって身障者手帳20を提示していることになり、身障者手帳20はフロントガラス22aを介して手帳認識カメラ3に撮影されることになる(ステップ5)。
画像判別部14は、手帳認識カメラ3が撮影した画像を色・形状パターンデータベース15に登録された色及び形状パターンと照合する(ステップ6)。ここでは、まず、画像判別部14は、手帳認識カメラ3からの撮影画像をRGB形式からHSV形式に変換して、色・形状パターンデータベース15に登録された色データと比較し、登録された色と一致する領域を撮影画像の中から特定する。次に、その特定した領域の位置情報に基づいて、手帳認識カメラ3が該領域をカメラの中央に捉えるように、手帳認識カメラ3の左右回転値(Pan値)及び/又は上下角度調整値(Tilt値)を調整する。手帳認識カメラ3が上記特定した領域をカメラ中央に捉えると、画像判別部14は、前記一致した色に対応する形状データを色・形状パターンデータベース15から取得し、この形状データが示す身障者手帳形状のアスペクト比と、前記特定した領域の形状とを比較して手帳認識カメラ3をズームイン又はズームアウトする。最終的には、図5に示すように、身障者手帳に表記されている文字「身障者手帳」が画像上で判別できるようになるまで、手帳認識カメラ3に対し、Pan値及び/又はTilt値の調整、ズームイン、ズームアウト等の一連の制御を繰り返し実行する。このようにして、画像判別部14が、手帳認識カメラ3の撮影画像から、身障者手帳の画像を判別すると(ステップ7)、身障者手帳判定部16が判別された身障者手帳の画像の中から文字領域を抽出して、文字パターンデータベース17に格納された文字パターンと照合する(ステップ8)。
ここでは、まず、身障者手帳判定部16は、身障者手帳の画像領域を取得して、この領域の傾き量分だけ画像の回転補正を行う。そして、回転補正した画像が文字パターンデータベース17に登録された文字パターン画像の大きさと同一になるように、回転補正した画像をスケーリングする。その後、身障者手帳判定部16は、スケーリングした画像を文字とそれ以外の背景部分とに分離して文字領域を抽出し、抽出した文字領域が、文字パターンデータベース17に登録された文字パターンと一致するかどうか判定する(ステップ9)。
抽出した文字領域が、文字パターンと一致すると、提示された身障者手帳20が真正なものであると判定されたことになる。この場合、駐車管理部18は、表示装置4及び音声装置5を介して身障者手帳が認識された旨を通知する(ステップ10)。本実施形態において、表示装置4は上記ステップ5〜ステップ9までの処理の間、図4の表示面4bに示すように「しばらくおまちください」という文字表示を点灯させているが、提示された身障者手帳が真正なものである判定されると、表示面5cに示すように「身障者手帳を確認しました/お車を駐車場にいれてください」との文字表示を点灯させる。また、音声装置5はスピーカー5aからその旨をアナウンスする。駐車管理部18は、上記通知と共に、入庫制御装置7を開放する。
その後、身障者用駐車スペース8に駐車した利用者の車両が、利用を終えて、身障者用駐車スペース8から出庫した場合には、ループセンサ6がその出庫を検知する。ループセンサ6によって利用者の車両が出庫したことが検知されると、駐車管理部18は入庫制御装置7が車両の入庫を阻止するように、ロック板を再びロック状態にする。
提示された身障者手帳が真正なものであると判定されなかった場合には、駐車管理部18は、表示装置4を介して、表示面4cに「身障者手帳を認識することができません。係りが来ますのでお待ち下さい」等の表示を行ない、その旨を音声装置5を介してアナウンスする。
上記のように、本実施形態においては、身障者であることを確認するために身障者手帳20を利用しているため、駐車場運営者にとってはリモコン配布等の二次投資が不要となってコストが軽減されると共に、駐車スペースの管理運営が簡単になる。さらに、健常者がリモコン等を入手して、駐車スペースを不正に利用してしまうという事態も避けることができる。
また、利用者21は、提示案内部13の案内に従って車両内において身障者手帳20を提示するだけで良く、わざわざ車両22から身を乗り出して所定の装置の挿入口に身障者手帳20を挿入する必要がない。上記実施形態では、利用者21は車内22においてフロントガラス22aに身障者手帳20をかざすだけである。したがって、身障者は、より簡単に、身体的負担を感じることなく、身障者用駐車スペース8を利用することができる。
さらに、本実施形態においては、身障者手帳20が真正なものであると判定された場合には、身障者用駐車スペース8への駐車が許可されることを示す通知を行い、身障者手帳の画像が判別されなかった場合又は身障者手帳20が真正なものであると判定されなかった場合には、身障者用駐車スペース8への駐車が許可されないことを示す通知を行うように構成されている。したがって、真正な身障者手帳を提示して駐車が許可された身障者にとっては、身障者用駐車スペースの利用資格者であることが外部に対して明らかになることから、健常者と誤解されるのではないかと言う精神的負担が軽減される。さらに、真正な身障者手帳が提示されなかった場合には、上記のように、駐車が許可されないことを示す通知が行なわれるため、健常者による駐車スペースの不正利用を抑止することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
例えば、上記実施形態において、提示案内部13は身障者手帳20をフロントガラス22aにかざすように利用者21に対して案内しているが、これに限定されない。一例として、身障者手帳20を側面ウインドウガラス22bにかざすように利用者に対して案内してもよい。この場合、手帳認識カメラ3は側面ウインドウガラス22bが撮影可能なように、予めその撮影範囲が設定されることになる。
上記実施形態においては、データ処理・記憶部2を構成するコンピュータを収納した筐体10を手帳認識カメラ3等と共に、各障者用駐車スペース8の奥側に設置しているが、設置場所はこれに限定されない。例えば、筐体10を手帳認識カメラ3等と共に、各障者用駐車スペース8の側面側に設置してもよい。上記のように、身障者手帳20を側面ウインドウガラス22bに向けて提示させる場合には、筐体10及び手帳認識カメラ3等は、各障者用駐車スペース8の側面側に設置することが望ましい。
例えば、上記実施形態においては、図5に示すように、身障者手帳の表紙が手帳認識カメラ3に向けられる場合を想定しているがこれに限定されない。一例として、真正な身障者手帳であることが特定し易い文字が表紙以外の他のページに記載されている場合には、提示案内部12は利用者に対して、身障者手帳の当該ページを開いて所定の位置に提示するように案内してもよい。この場合、色・形状パターンデータベース15は、当該ページを開いた状態における身障者手帳の色及び形状データを予め格納しておき、文字パターンデータベース17は当該ページに記載された文字に関するデータを予め格納しておく必要がある。
上記実施形態においては、入庫制御装置としてロック板を用いているがこれに限定されない。例えば、従来、ゲート式駐車場において用いられているようなゲート式の入庫制御装置を各駐車スペース8の入り口に設置してもよい。このゲート式の入庫制御装置は、例えば、地面から垂直方向に延びる支柱と、この支柱に対して、その一端が回転可能に取り付けられたバーを有しており、駐車スペースの入り口において、地上からある程度の高さで前記バーが水平方向に延びることによって、車両が駐車スペースへ進入することを阻止している。このゲート式の入庫制御装置を開放すると、該駐車スペース内への駐車が可能になる。より具体的には、前記バーが前記支柱に対して回転し、バーの開放端が上方に向かって移動することによって、駐車スペース入り口の障害物(水平方向に延びたバー)がなくなり、車両を駐車スペースに進入させることが可能となる。
上記実施形態において、提示案内部13は、車両進入検出部12が車両の進入を検知したときに利用者への案内を開始してもよく、車両進入検出部12が車両の停止を検知したときに利用者への案内を開始してもよい。
上記実施形態において、提示案内部13は、(図示しない)照明装置を用いて身障者手帳の提示位置を利用者に案内することができる。例えば、手帳認識カメラ3の隣に照明装置を設置し、該照明装置から、フロントガラス又は側面ウインドウガラスの中央部付近に光を照射して、フロントガラス又は側面ウインドウガラスの上に、身障者手帳より若干大きめの光のスポットを構成することによって、身障者手帳の提示位置を案内してもよい。照明装置から照射される光は、一例として、夜間や天候変化等の環境による照度変化の影響を考慮して、撮像の為に必要な照度を満たす白色光である。また、周囲が明るく、上記光スポットが目立ちにくい場合に対応するため、例えば、R(赤)、B(青)、G(緑)の各色のLEDを備えた照明装置において、R(赤)、B(青)、G(緑)の各LEDを順に点灯する、又は組み合わせて点灯するように構成してもよい。なお、この照明装置において、R(赤)、B(青)、G(緑)の各LEDを同時に点灯して上記白色光を構成してもよい。
上記のように身障者手帳の提示場所を光スポットによって案内する場合には、照射された光によって運転者が眩惑されるのを防ぐために、上記光スポットが、通常の運転時における運転者の視野よりも上方にくるように、照射位置を設定することが望ましい。また、利用者の車両が、ETCシステム(ETCを利用した身体障害者認定装置)の機能を併せ持つ場合も考慮して、光スポットがフロントガラスに照射される位置をETC施設側のアンテナ位置に合わせた範囲の位置(車両位置前方の水平約30〜70度上方)とすることが望ましい。
上記のように、利用者への案内として照明装置を用いた場合には、例えば、表示装置4によって「身体障害者手帳をフロントガラスの光るスポットにかざして下さい」等の文字列を表示すると共にその旨を音声装置5を介してアナウンスするように構成してもよい。
上記照明装置については、手帳認識カメラ3と一体的に構成し、又は、光の照射方向が手帳認識カメラ3の動きと連動するように設置して、光のスポットが手帳認識カメラ3の撮影位置を示すものとして構成してもよい。例えば、照明装置から照射される光スポットの位置が手帳認識カメラ3の撮影範囲の中央に位置するように設定することができる。この場合、提示された身障者手帳は手帳認識カメラ3の撮影範囲の中央に捉えられる可能性が高くなることから、画像判別部14による身障者手帳の画像領域の特定及び手帳認識カメラ3の調整が容易になると共に、誤判別の可能性が低くなる。
また、手帳認識カメラ3による撮影を補助するために、上記照明装置から、例えばIR(赤外線)、UV(紫外線)等の不可視光線を所定の身障者手帳提示位置に照射するように構成してもよい。不可視光線は防眩効果があり、適切な波長を選択して使用することによって、手帳認識カメラ3による身障者手帳の認識率が向上する。また、この不可視光線を、利用者に身障者手帳の位置を示す前述の可視光線と共に前記照明装置から照射するように構成してもよい。
上記実施形態においては、手帳認識カメラ3としてCCDカメラを使用しているが、これに限定されない。撮影手段として用いられるカメラは、上下左右の首振り機能および自動焦点機能を有するものが望ましいが、カメラの設置条件によっては首振り機能を有しないカメラを採用してもよく、深度の深いカメラレンズを有する固定焦点のカメラを採用してもよい。上記カメラには、フロントガラスによる反射光などの不要な光の影響を軽減するために、偏光フィルターや、必要に応じて赤外線フィルター、紫外線フィルターなどを装着させてもよい。
車両進入検出部12は、手帳認識カメラ3による撮影画像において、通常の車両程度の大きさの物体が一体的に入庫方向に移動したことによって、車両の進入を検知するように構成してもよい。この場合、例えば、物体各点の角速度比較によって、前記物体が一体的に入庫方向に移動したか否かを判定することができる。
駐車管理部18は、真正な身障者手帳が提示されたと判定された場合には、表示装置4及び音声装置5による前述の通知に加えて、例えば、表示装置4を介して(図示しない)緑色の表示灯を点灯することにより、真正な身体障害者手帳が認識されたことを身障者手帳の提示者及び周囲に対してさらに明確に示すように構成してもよい。
駐車管理部18は、真正な身障者手帳が提示されたと判定されなかった場合には、表示装置4及び音声装置5による前述の通知に加えて、表示装置4を介して、例えば橙色の回転表示灯(パトライト)を点灯することにより、真正な身体障害者手帳が認識されなかったことを身障者手帳の提示者及び周囲に対してさらに明確に示すように構成してもよい。また、この回転表示灯(パトライト)を、車両が出庫する際の注意灯として使用するように構成してもよい。
車両の出入庫を検出する手段として、ループコイルセンサや超音波センサ、赤外線センサ等を使用するように構成してもよい。
1 身障者用駐車スペース管理システム
2 データ処理・記憶部
3 手帳認識カメラ
4 表示装置
5 音声装置
6 ループセンサ
7 入庫制御装置
8 身障者用駐車スペース
12 車両進入検出部
14 画像判別部
13 提示案内部
15 色・形状パターンデータベース
16 身障者手帳判定部
17 文字パターンデータベース
18 駐車管理部
20 身障者手帳
21 利用者
22a フロントガラス
22b 側面ウインドウガラス

Claims (8)

  1. 身障者用駐車スペースの利用者に対して、身障者手帳を所定の位置に提示するように案内する提示案内手段と、
    車両内にいる前記利用者が車両内において提示した身障者手帳を撮影する撮影手段であって、前記身障者用駐車スペースに対応して設置される撮影手段と、
    前記撮影手段が車両外から車両内に向けて撮影した撮影画像の背景部分から身障者手帳の画像を判別する画像判別手段と、
    前記画像判別手段が判別した前記身障者手帳の画像から、前記身障者手帳の特徴を抽出し、各種身障者手帳の特徴を記録したデーターベースを参照して、前記身障者手帳が真正なものであるかを判定する身障者手帳判定手段と、
    前記身障者手帳が真正なものであると判定された場合には、身障者用駐車スペースへの駐車が許可されることを示す通知を行い、前記身障者手帳の画像が判別されなかった場合又は前記身障者手帳が真正なものであると判定されなかった場合には、前記身障者用駐車スペースへの駐車が許可されないことを示す通知を行う駐車管理手段と
    を備える、身障者用駐車スペース管理システム。
  2. 前記撮影手段は、前記利用者が提示した身障者手帳を前記車両のフロントガラス又は側面ウインドウガラスを介して撮影する、請求項2に記載の身障者用駐車スペース管理システム。
  3. 前記身障者手帳の提示位置を光スポットによって示す照明装置をさらに備え、
    前記提示案内手段は、前記照明装置を介して、前記案内を行う、請求項1又は2に記載の身障者用駐車スペース管理システム。
  4. 前記画像判別手段は、
    身障者手帳の色と形状に関するデータを格納した色・形状パターンデータベースを備え、
    前記撮影手段が撮影した前記撮影画像から、前記色・形状パターンデータベースに格納された色データが示す色と一致する色を有する領域を特定すると共に、前記色データに対応する形状データを前記色・形状パターンデータベースから取得し、
    前記特定した領域の位置情報と前記形状データとに基づいて前記撮影手段を制御して、前記身障者手帳に表記された文字が判別可能な身障者手帳の画像を取得する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の身障者用駐車スペース管理システム。
  5. 前記各種身障者手帳の特徴は、発行された各種の身障者手帳にそれぞれ表記されている文字であって、前記データーベースは、前記文字に関するデータを格納した文字パターンデータベースであり、
    前記身障者手帳判定手段は、前記画像判別手段が判別した前記身障者手帳の画像から、文字領域を抽出し、抽出した文字領域が前記文字パターンデータベースに格納された文字パターンと一致した場合には、前記利用者が提示した前記身障者手帳が真正なものであると判定する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の身障者用駐車スペース管理システム。
  6. 音声装置及び/又は表示装置をさらに備え、
    前記提示案内手段は、音声装置及び/又は表示装置を介して、前記案内を行い、
    前記駐車管理手段は、前記音声装置及び/又は表示装置を介して前記通知を行なう、請求項1〜5のいずれか1項に記載の身障者用駐車スペース管理システム。
  7. 前記身障者用駐車スペースに設置した入庫制御装置をさらに備え、
    前記駐車管理手段は、前記身障者手帳が真正なものであると判定された場合には、前記入庫制御装置を開放する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の身障者用駐車スペース管理システム。
  8. 前記利用者の車両が前記身障者用駐車スペースを利用するために進入してきたことを検出する車両進入検出手段をさらに備え、
    前記撮影手段は、所定の範囲を所定の時間継続的に撮影するように構成され、
    前記車両進入検出手段は、前記撮影手段が継続的に撮影する撮影画像と、前記車両が進入していない状態を示す背景画像とを比較して、前記撮影画像における画素単位での変化量を測定し、該変化量の総量が所定の閾値を超えた状態から所定の時間変化しない場合には、前記利用者の車両が進入して停止したものと判定する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の身障者用駐車スペース管理システム。
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