JP2010181624A - 平版印刷材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はDTR法を用いた平版印刷材料において、印刷諸特性に優れ、特に耐刷性を向上することを目的とする。
【解決手段】支持体上に、下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層を少なくともこの順で有する平版印刷材料の製造方法において、支持体上に下塗り層用の塗工液を塗布して下塗り層塗布膜を設け、その後の乾燥工程で該下塗り層塗布膜の恒率乾燥から減率乾燥に移行する時点での表面温度が、15℃以下であることを特徴とする平版印刷材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、銀錯塩拡散転写法(以下、DTR法と称する)を応用した平版印刷材料の製造方法に関するものであり、詳しくは、印刷諸特性(耐刷性、保水性、インキ乗り性等)に優れたDTR法を用いた平版印刷材料の製造方法に関する。
DTR法を用いた平版印刷材料は高感度であり、各種レーザーを搭載した出力機(プレートセッター)を用いて簡便に直接製版できることから、今日のCTP(コンピューター・ツー・プレート)システムに好適に用いられている。
平版印刷材料は、油脂性のインキを受理する親油性の画線部と、インキを受理しない撥油性の非画線部とからなり、一般に該非画線部は水を受け付ける親水性素材から構成されている。通常の平版印刷では、水とインキの両方が同時に版面に供給され、画線部は着色性のインキを受理、非画線部は水を選択的に受け入れ、該画線上に受理したインキを、例えば、紙等の被印刷体に転写させることによって印刷がなされている。
DTR法を用いた平版印刷材料で、特にハロゲン化銀乳剤層の上に物理現像核層を有する平版印刷材料としては、例えば、特公昭48−30562号公報、特開昭53−21602号公報、米国特許第3,728,114号、同第4,134,769号、同第4,160,670号、同第4,336,321号、同第4,501,811号、同第4,510,228号、同第4,621,041号明細書等に記載されており、露光されたハロゲン化銀結晶は、現像液中の現像主薬の作用により化学現像を生起し黒色の銀となり親水性の非画線部を形成する。一方、未露光のハロゲン化銀結晶は現像液中の銀塩錯化剤により銀塩錯体となって表面の物理現像核層まで拡散し、核の存在により物理現像を生起してインキ受容性の物理現像銀を主体とする画線部を形成する。
上述したようなDTR法を用いた平版印刷材料では、ハロゲン化銀乳剤層等にゼラチンを主なバインダーとして用いている。このため、ハロゲン化銀乳剤層の上の物理現像核層上に析出した銀像をインキ受容性の画像部として利用している該平版印刷材料は、一般の平版印刷材料(例えばPS版等)に比べると絶対的に画像強度が弱く、耐刷性が劣る傾向にあった。このため、各種硬膜剤、添加剤、マット剤やポリマーラテックス等の検討により、耐刷性を向上させる努力がなされてきた。しかし、何れにおいても適正な乾燥を行わなければ著しい品質低下を招くケースがあった。乾燥技術によりゼラチン膜の強度を向上させる技術もこれまでも幾つか検討されており、それらの技術により耐刷性は確実に向上したが、塗液の構成等によっては、品質が変動するなど、決して安定的に向上しているとは言えなかった。
ゼラチン膜の強度を向上させる目的で、乾燥温度の制御が有効であることはよく知られており、特開2000−275858号公報(特許文献1)では、耐刷性及び版の画像鮮明度を向上させる目的において、ハロゲン化銀乳剤層を含む全層の乾燥時の塗膜温度を制御する方法が記載されている。
又、特開平11−295898号公報(特許文献2)にも、耐刷性及び版の画像鮮明度を向上させる目的で、ハロゲン化銀乳剤層上の物理現像核層を塗設する際、ハロゲン化銀乳剤層の塗膜表面温度を制御する技術が開示されている。しかしながら、この方法でも、塗液の構成等によっては不適切となり得るケースが存在しており、耐刷性やインキ着肉性等が安定的に向上しているとは言えなかった。このため、より安定的に性能を向上する技術が求められていた。
特開2000−275858号公報 特開平11−295898号公報
従って本発明の目的は、印刷諸特性(耐刷性、保水性、インキ乗り性等)に優れ、特に耐刷性が向上したDTR法を用いた平版印刷材料の製造方法を得ることにある。
本発明の上記目的は、支持体上に、下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層を少なくともこの順で有する平版印刷材料の製造方法において、支持体上に下塗り層用の塗工液を塗布して下塗り層塗布膜を設け、その後の乾燥工程で該下塗り層塗布膜の恒率乾燥から減率乾燥に移行する時点での表面温度が15℃以下であることを特徴とする平版印刷材料の製造方法によって達成された。
本発明により、印刷諸特性(耐刷性、保水性、インキ乗り性等)に優れ、特に耐刷性が向上したDTR法を用いた平版印刷材料が得られる。
本発明では、下塗り層を塗設する際の乾燥条件を規定するが、ここで、本発明で行う下塗り層の乾燥工程について詳細に説明する。まず、乾燥工程を、冷却区間、余熱区間、恒率乾燥区間、減率乾燥区間、以上4つの区間に分けて説明する。冷却区間は、主にゼラチンを含有する塗布膜のゲル化を目的として設けられる区間である。次の余熱区間は、前工程でゲル化のために冷却された塗布膜の温度を徐々に温める区間として設けており、実質ここでの乾燥は僅かしか進行していない。次の恒率乾燥区間は乾燥熱によって与えられた熱量全てが塗布膜表面からの水分蒸発に効率よく変換される区間であり、ここでの乾燥速度は他の何れの区間よりも速く、塗布膜水分の多くがこの区間で除去される。次の減率乾燥区間では、塗布膜表面からの水分蒸発に塗布膜内部の水分子の移動が追いつかず、やがて、塗布膜表面の水分が不足してくると共に、乾燥熱が塗布膜の温度を表面から上昇させ、塗布膜内部での伝熱効率を著しく低下させる。これにより、ここからの乾燥の進行にはより大きな熱量が必要となるため、前の恒率乾燥区間より乾燥速度は相対的に遅くなる。
上記恒率乾燥区間から減率乾燥区間へ移行する時点を減率点といい、その時の塗膜含水率を限界含水率と言う。本発明は、この減率点付近での乾燥の制御が印刷諸特性の改善に重要であることを見出したものである。
本発明では、上記冷却区間で該下塗り塗布膜をゲル化させ、その後の余熱乾燥区間を経た後の乾燥過程で、該下塗り層塗布膜の表面温度を制御する。特に恒率乾燥から減率乾燥に移行する時点、所謂減率点での塗布膜の表面温度を15℃以下に、より好ましくは14℃以下にさせることで膜強度が増して、特に耐刷性、インキ乗り性に優れた平版印刷材料が得られる。なお、表面温度の下限については、5℃以上で行う。表面温度がこれより低くなるような設定では、乾燥効率が低下するだけでなく、連続塗布等をした場合には、結露等が発生してくることから問題となる。なお、表面温度については、非接触型の放射温度計を用いて容易に測定することができる。
本発明の平版印刷材料は支持体上に、下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層をこの順で有する。下塗り層にはバインダーとしてゼラチンを主に用いる。ゼラチン量は、一般に1〜5g/m、より好ましくは2〜4g/mでの範囲で用いる。好ましいゼラチンとしては、不活性の脱イオンゼラチンを用いる。
本発明の下塗り層には上記ゼラチン以外に、ポリマーラテックスも含有する。ポリマーラテックスは単独重合体や共重合体等各種公知のラテックスを用いることができる。単独重合体としてはブチルアクリレート、イソプレン等があり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン共重合体、メチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルアクリレート・ブタジエン共重合体、メチルアクリレート・スチレン共重合体、メチルアクリレート・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸・ブチルアクリレート共重合体、メチルアクリレート・塩化ビニル共重合体、ブチルアクリレート・スチレン共重合体等がある。これらのポリマーラテックスの中でも特にスチレン・ブタジエン共重合体が好ましい。
下塗り層に含有する上記ポリマーラテックスの含有量としては固形分換算で0.5〜5.0g/mが好ましく、更に好ましくは1.0〜2.5g/mである。
本発明において下塗り層には、上記ゼラチンとポリマーラテックス以外に、澱粉、デキストリン、アルブミン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体等の親水性高分子を含有しても良いが、上記ゼラチンとポリマーラテックスの総固形分量に対して5質量%以下とすることが好ましい。又、下塗り層はハレーション防止を目的にカーボンブラックあるいは各種着色顔料、平均粒径が0.1〜10μmの固形粉末粒子(例えば、シリカ粒子)、界面活性剤等を含有することが好ましい。
また本発明において下塗り層はゼラチン硬膜剤で硬膜されることが好ましい。ゼラチン硬膜剤としては、例えばクロム明ばんのような無機化合物、ホルマリン、グリオキザール、マレアルデヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンのようなアルデヒド等価体、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩や2,4−ジヒドロキシ−6−クロロ−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN,N,N−トリアクロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々の化合物の一種もしくは二種以上を用いることができる。
硬膜剤は全ての層に添加することもでき、幾つか又は一層にのみ添加することも可能である。勿論拡散性の硬膜剤は二層以上を同時塗布する場合には、何れか一層にのみ添加することも可能である。添加方法は乳剤製造時に添加したり、塗布時にインラインで添加する方法がある。
本発明の平版印刷材料に用いられる支持体としては、セルロースナイトレートフィルム、セルロースアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム等の合成もしくは半合成の高分子フィルムを使用することが好ましい。又、下塗り層との接着性を高める目的において易接着層を有する支持体を用いても良い。
ハロゲン化銀乳剤層は当分野で公知のものを全て用いることができるが、好ましくは高感度ハロゲン化銀感光材料、高温迅速処理用ハロゲン化銀感光材料に用いられる乳剤層等が好ましい。
ハロゲン化銀乳剤層は、例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、及びこれらに沃化銀を含むものからなる。ハロゲン化銀結晶はロジウム塩、イリジウム塩、パラジウム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白金塩等の重金属塩を含んでいても良く、添加量はハロゲン化銀1モル当たり10−8〜10−13モルである。ハロゲン化銀の結晶形態に特に制限はなく、立方体ないし14面体粒子、更にはコアシェル型、平板状粒子でも良い。ハロゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶のどちらであっても良く、その平均粒径は0.2〜0.8μmの範囲である。好ましい例の一つとしては、ロジウム塩もしくはイリジウム塩又は両方を含む、塩化銀が70モル%以上の単分散もしくは多分散結晶がある。
ハロゲン化銀乳剤は、それが製造される際、又は塗布されるまでに種々の方法で増感することができる。例えば、チオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素によって、又は金化合物、例えばロダン金、塩化金によって、又はこれらの両者の併用等当該技術分野においてよく知られた方法により化学的に増感することができる。ハロゲン化銀乳剤は、又、例えばシアニン、メロシアニン等の色素によってポジティブにもネガティブにも増感、又は減感され得る。その増感又は減感され得る波長域には特に制限は持たない。従って、オルソ増感、パンクロ増感、ヘリウム−ネオンレーザー用増感、アルゴンレーザー用増感、LED用増感、半導体レーザー用増感もなし得るし、明室用にUV増感、可視光減感もなし得る。
ハロゲン化銀乳剤層の上部に存在する物理現像核層には物理現像核を含む。物理現像核としては銀、アンチモン、ビスマス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウム、ロジウム、金、白金等の金属コロイド微粒子や、これらの金属の硫化物、多硫化物、セレン化物、又はそれらの混合物、混晶であっても良い。物理現像核には親水性バインダーを含んでいてもいなくても良いが、ゼラチン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセルロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、ビニルイミダゾールとアクリルアミドの共重合体、ポリビニルアルコール等の親水性高分子又はそのオリゴマーを含むことができ、その含有量は0.5g/m以下であることが好ましい。更に物理現像核層には、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、カテコール等の現像主薬や、ホルマリン、ジクロロ−s−トリアジン等の公知の硬膜剤を含んでも良い。
本発明の平版印刷材料の現像処理に使用する現像処理液には、アルカリ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム等、保恒剤としての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミド、2−メルカプト安息香酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等、カブリ防止剤、例えば臭化カリウム、更に現像剤としてハイドロキノン類、カテコール、1−フェニル−3−ピラゾリドン等、現像変性剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、オニウム化合物等を含むことができる。更に現像処理液には、表面銀層のインキ乗りを良くする化合物等も使用することができる。
本発明の平版印刷材料の現像後の表面銀層は、任意の公知の表面処理剤でインキ受容性に変換ないしは受容性を改善させることもできる。印刷方法、あるいは使用する不感脂化液、給湿液等は普通に良く知られた方法により施すこともできる。
以下に本発明を実施例を用いて説明するが、勿論本発明はこれだけに限定されるものではない。なお、記載中、%は質量%を示す。
(裏塗り層の作製)
下引き加工が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム支持体の片面に下記裏塗り液1及び裏塗り液2を、裏塗り液1が支持体側になるように両液を同時にスライドホッパーコーティング法により積層塗布して、帯電防止層を兼ねた裏塗り層を作製した。
<裏塗り液1>
ゼラチン 8.0kg
カーボンブラック 7.0kg(固形分量=約20%)
PH調整剤、界面活性剤等を加え全量を160kgに調整して液を作製した。
湿分塗布量は16g/mとした。
<裏塗り液2>
ゼラチン 22kg
シリカ粉末 8.0kg(平均粒子径=約3.5μm)
酸化チタン粉末 72kg(平均粒子径=約0.2μm)
PH調整剤、界面活性剤等を加え全量を480kgに調整して液を作製した。
湿分塗布量は48g/mとした。
(下塗り層の作製)
上記裏塗り層とは反対面の支持体表面にコロナ放電を施した後、下記下塗り液をスライドホッパーコーティング法により単層塗布した。
<下塗り液>
ゼラチン 30kg
シリカ粉末 5.0kg
「グレイスデビソン社製“SY378”:平均粒径=約3.5μm」
カーボンブラック 10kg(固形分量=約32%)
スチレン−ブタジエン系ラテックス 50kg(固形分量=約48%)
PH調整剤、界面活性剤等を加え全量を450kgに調整して液を作製した。
湿分塗布量は45g/mとした。
上記裏塗り層及び下塗り層共に、硬膜剤には2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン塩を用いた。
なお、上記下塗り層を塗布した後の乾燥条件と、乾燥中に赤外線放射温度計を用いて計測した下塗り塗布膜の表面温度を下記の表1、及び表2にそれぞれ記載する。
Figure 2010181624
Figure 2010181624
上記表中のCHは冷却区間、PDを余熱区間、D1〜D5は恒率乾燥区間又は減率乾燥区間を示す。表1の数値は乾燥調整風の吹き出し部での乾球温度/露点を示し、表2の数値は各ゾーンの入口もしくは出口付近で測定した乾燥中の下塗り塗布膜の表面温度をそれぞれ示している。一定の乾燥調整風で乾燥を施した場合、塗布膜の表面温度は減率点までは一定で推移し、減率点を境界に上昇し始めることから、例えば表2の1条件では、D4入口が大凡減率点に該当することが判る。よって、表2のD4入口での表面温度が恒率乾燥から減率乾燥に移行する時点での下塗り層塗布膜の表面温度に相当している。このようにして下塗り層1〜9を得た。
(乳剤層の作製)
上記下塗り層1〜9の上に、下記乳剤塗布液を同じくスライドホッパーコーティング法によりそれぞれ単層塗布した。
<乳剤塗布液>
赤感の増感色素で増感された高感度塩化銀乳剤(硝酸銀:ゼラチン質量比=2:1)
硝酸銀換算 12kg
エチレンジアミン四酢酸Na塩 0.1kg
チオサリチル酸 0.4kg
1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.2kg
ホルマリン(37質量%水溶液) 0.8kg
N−メチロールエチレン尿素 0.8kg
PH調整剤、界面活性剤等を加え全量を150kgに調整して液を作製した。
湿分塗布量は15g/mとした。
上記高感度塩化銀乳剤は、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウムを銀1モル当たり0.006ミリモルドープさせ、0.2モル%のKI溶液でコンバージョンを行った塩化銀乳剤で、コントロールダブルジェット法により平均粒径は約0.30μmに調整した。更に、この乳剤を沈殿−水洗−脱水後に再溶解を行い、常法により硫黄−金増感を施した後、安定剤等を添加、その後、赤色増感色素を銀1g当たり3mg添加して分光増感を行った。
なお、上記乳剤層を塗布した後、硬膜することを目的に40℃で5日間加温して、乳剤層を完成させた。
(物理現像核層の作製)
上記乳剤層の上に、それぞれ下記物理現像核塗布液をファウンテン/エアドクター法を用いて塗布乾燥して、物理現像核層を塗設した。その後、再び40℃で5日間加温して平版印刷材料1〜9を得た。
<物理現像核層塗布液>
硫化パラジウムゾル 10kg
ハイドロキノン 7.0kg
1−フェニル−3−ピラゾリドン 0.7kg
ポリマー 1.0kg
「アクリルアミド(97)とビニルイミダゾール(3)共重合体;平均分子量=約10万」
界面活性剤 2.0kg
ホルマリン 1.0kg(37質量%水溶液)
全量を100kgに調整して液を作製した。
湿分塗布量は10g/mとした。
上記物理現像核層塗布液に用いる硫化パラジウムゾルは予め下記構成により調製した。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5部
12N−塩酸 40部
蒸留水 1000部
B液 硫化ソーダ 8.6部
蒸留水 1000部
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂(IR−120E,IRA−400)の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。
上記のようにして作製した平版印刷材料1〜9をヘリウム・ネオンレーザーを光源とするプレートセッターで露光し、下記銀錯塩拡散転写現現像液を用いて、30℃で20秒間現像処理を行った後、該原版を2本の絞りローラー間に通し、余分の現像液を除去し、直ちに下記組成を有する中和液で25℃20秒間処理し、絞りローラーで余分の液を除去し室温で乾燥させそれぞれ印刷版を作製した。
<銀錯塩拡散転写現像液>
水酸化カリウム 20g
無水亜硫酸ナトリウム 50g
2−メルカプト安息香酸 1.5g
2−メチルアミノエタノール 15g
を水に加えて1リットルに調整して液を作製した。
<中和液>
クエン酸 10g
クエン酸ナトリウム 35g
コロイダルシリカ(20%液) 5ml
エチレングリコール 5ml
を水に加えて1リットルに調整して液を作製した。
以上の操作により作製した平版印刷材料をオフセット印刷機に装着し、下記の給湿液にて版面をくまなく拭き与え、その給湿液を用いて印刷を行った。
<給湿液>
o−リン酸 10g
硝酸ニッケル 5g
亜硝酸ナトリウム 5g
エチレングリコール 100g
コロイダルシリカ(20%液) 28g
を水に加えて2リットルに調整して液を作製した。
印刷機は、ハイデルベルグ製QM46(オフセット印刷機)を使用した。画像部のインキ着肉性(耐刷性)、及び非画像部の地汚れ性(保水性)について、これらが印刷面に不良が生じ印刷に供せなくなった時点の印刷枚数をもって、次の評価基準によりそれぞれ判定した。なお、インキ着肉性評価には、DIC(株)製のニューチャンピオンFグロス墨Hインキを、地汚れの評価には同社製のニューチャンピオンFグロス紫Sインキをそれぞれ用いた。
<インキ着肉性>
◎:20,000枚以上
○:15,000〜20,000枚未満
△:10,000〜15,000枚未満
×:10,000枚未満
<地汚れ性>
◎:2,000枚以上
○:1,500〜2,000枚未満
△:1,000〜1,500枚未満
×:1,000枚未満
印刷結果を表3に示す。
また、画像部のインキ乗り性を評価するために、画像全面に十分インキが乗った枚数を刷り始めからの枚数でカウントして判定した。本評価はインキ着肉性の評価を実施する際に合わせて評価を行った。
<インキ乗り性>
◎:5枚以下
○:6〜10枚
△:11〜15枚
×:16枚以上
印刷結果を表3に合わせて示す。
Figure 2010181624
上記の結果から、本発明である特に恒率乾燥から減率乾燥に移行する時点、所謂減率点で下塗り層塗布膜の表面温度を15℃以下に保つことにより、印刷適性が向上していることが判る。

Claims (1)

  1. 支持体上に、下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核層を少なくともこの順で有する平版印刷材料の製造方法において、支持体上に下塗り層用の塗工液を塗布して下塗り層塗布膜を設け、その後の乾燥工程で該下塗り層塗布膜の恒率乾燥から減率乾燥に移行する時点での表面温度が、15℃以下であることを特徴とする平版印刷材料の製造方法。
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