JP2549777B2 - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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JP2549777B2
JP2549777B2 JP3259655A JP25965591A JP2549777B2 JP 2549777 B2 JP2549777 B2 JP 2549777B2 JP 3259655 A JP3259655 A JP 3259655A JP 25965591 A JP25965591 A JP 25965591A JP 2549777 B2 JP2549777 B2 JP 2549777B2
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀錯塩拡散転写法を応
用した平版印刷版に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、油脂性のインキを受理す
る親油性の画線部分と、インキを受理しない撥油性の非
画線部分とからなり、一般に該非画線部は水を受け付け
る親水性部分から構成されている。通常の平版印刷で
は、水とインキの両方を版面に供給し、画線部は着色性
のインキを、非画線部は水を選択的に受け入れ、該画線
上のインキを、例えば紙等の被印刷体に転写させること
によって印刷がなされている。
【0003】従って、良い印刷物を得るためには、画線
部と非画線部の親油性及び親水性の差が十分に大きく
て、水及びインキを版面に供給した時に、画線部は十分
量のインキを受け付け、非画線部は全くインキを受付け
ないことが必要である。
【0004】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平
版印刷版、特にハロゲン化銀乳剤層の上に物理現像核層
を有する平版印刷版は、例えば、米国特許第3,72
8,114号、同第4,134,769号、同第4,1
60,670号、同第4,336,321号、同第4,
501,811号、同第4,510,228号、同第
4,621,041号明細書等に記載されており、露光
されたハロゲン化銀結晶は、DTR現像により化学現像
を生起し黒色の銀となり親水性の非画線部を形成し、一
方、未露光のハロゲン化銀結晶は現像液中の銀塩錯化剤
により銀塩錯体となって表面の物理現像核層まで拡散
し、核の存在により物理現像を生起してインキ受容性の
物理現像銀を主体とする画線部を形成する。
【0005】このように、該平版印刷版ではゼラチン−
ハロゲン化銀乳剤層の上にある物理現像核層上に析出し
た銀像をインキ受容性の画線部として利用するため、一
般の平版印刷版(例えばPS版等)に比して、画線部の
機械的摩耗に対する抵抗性が不十分であり、画線部が欠
落したり、画線部のインキ受容性が徐々に失われ易いと
いう欠点を有している。
【0006】この欠点を克服するために、ゼラチンの硬
膜度を高くしたり、物理現像核の量を多くすれば、地汚
れが発生して該平版印刷版の耐刷力が著しく低下する。
さらに平版印刷版を製造してから製版するまで長期に亘
って保存することによって地汚れが発生したり、インキ
受容性が劣化したりする欠点があり、改良が望まれてい
る。
【0007】平版印刷版の表面凹凸が印刷性に与える影
響は、PS版の分野でも公知であるが、本発明の銀錯塩
拡散転写法を用いた平版印刷版でも、重要な因子である
ことが明らかになった。特に、銀錯塩拡散転写法を用い
た平版印刷版では、非画像部は主としてゼラチン皮膜よ
りなっており、本来は親水性は高いものの、画像部の耐
刷性を向上させるために用いる、マット化剤により表面
のマット性が大きく(表面の凹凸が大きく)設計される
ことが一般的であった。本発明者らは表面のマット性と
印刷汚れの相関性を検討し、マット性が大きくなるにつ
れ非画像部の印刷汚れが増大することが判明した。従っ
て、本発明者らはマット性に関する、種々の因子を検討
し、非画像部の印刷汚れを大幅に減少させうる構成を見
いだした。
【0008】印刷にはインキ/水応答性が重要であり、
インキ送りや水送りを変えて適切な印刷条件に設定する
際の応答性が速いほうが好ましい。特に、オフセット輪
転機の分野では、紙切れを防ぐため、印刷の立ち上がり
時には湿し水によるエッチングを省略することが多く、
非画像部にインキが付着する。従って、立ち上がり時に
はインキの脱離速度が重要であり、インキ脱離の速さが
要求される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
キ/水応答性及び耐汚れ性に優れた銀錯塩拡散転写法を
用いた平版印刷版を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくとも一つの下塗層及びハロゲン化銀乳剤
層及び物理現像核を順次塗布されてなる平版印刷版に於
て、該下塗層中に平均粒子サイズが5ミクロン以下のマ
ット化剤を含有し、該下塗層中に水に対し非膨潤性のラ
テックスを含有し、且つ、該ハロゲン化銀乳剤層を含む
面側の全ゼラチン量が5g/m2 以下に調整するにより
達成された。
【0011】本発明に用いるマット化剤は平均粒径5ミ
クロン以下の固形粉末であり、例えば、シリカ粒子、ア
ルミノシリケート等がある。本発明においては、平均粒
径1〜5ミクロンのシリカ粒子が好ましい。特に、フッ
化水素にて表面処理したシリカ粒子は分散安定性に優れ
ており好ましい。シリカ粒子の具体例としては、富士デ
ィヴィソン化学株式会社製サイロイド、水澤化学株式会
社製ミズカシル等があり、アルミノシリケートの具体例
としては、水澤化学株式会社製シルトンAM等がある。
【0012】本発明においては、マット化剤は支持体と
ハロゲン化銀乳剤層の間の下塗層に含まれる。マット化
剤の添加量は、種々の条件により異なるが、1m2当り
0.1g〜4.0gの範囲であり、好ましくは、1m2
当り0.1g〜2.0gの範囲である。
【0013】本発明に用いられる水に対し非膨潤性のラ
テックスとは、水に対して膨潤性の少ないラテックスの
ことであり、本発明においては、次のようにして特定す
ることができる。即ち、下記の組成の試験塗液を作成
し、下引済みのポリエチレンテレフタレートフィルム上
に湿分塗布量で50g/m2 塗布し試験試料を作成し
た。また比較として試験ラテックスを含まない比較塗液
を作成し、同様にして塗布し比較試料を作成した。
【0014】 <試験塗液> ゼラチン 40g 試験ラテックス(固形分) 20g 富士ディヴィドソン社製サイロイド(グレード308) 6g カーボンブラック分散液(固形分32%) 8g ホルムアルデヒド(30%水溶液) 2g グリオギザール(30%水溶液) 4g 水を加えて500gとする。
【0015】これらの試料を1規定苛性ソーダ中に1
分間浸漬し、重量の増加分を計量して吸液量とする。試
験試料と比較試料の吸液量の比をとり、膨潤比と呼ぶこ
とにする。本発明に用いられる水に対し非膨潤性のラテ
ックスとは、この膨潤比が1.2以下のラテックスであ
り、好ましくは、1.1以下のラテックスである。
【0016】本発明に用いられる水に対し非膨潤性のラ
テックスは、例えば、スチレン・ブタジエン系ラテック
ス、ポリブタジエン系ラテックス、ポリスチレン系ラテ
ックス、スチレン・イソプレン系ラテックス等がある。
非膨潤性のラテックスの添加量は、固形分に換算し、
0.2〜5.0g/m2 の範囲である。
【0017】ゼラチン皮膜は水に対し膨潤性を有してお
り、インキ/水応答性を遅くする傾向がある。これはゼ
ラチン皮膜の飽和膨潤に達するまで、プレート表面に供
給された湿し水をゼラチン皮膜が吸い込むため、プレー
ト表面で湿し水が有効に作用しないため生ずる現象であ
り、水送り量を変える場合に、プレート表面とゼラチン
皮膜との湿し水のやり取りが同時に生じるため、ゼラチ
ン量を増加すれば、インキ/水の応答性が遅くなる。こ
れに対し水に対し非膨潤性のラテックスは、湿し水によ
る膨潤がほとんど無いため、インキ/水応答性を遅れさ
せることが少ない。一方、表面のマット性を小さくする
ためには、バインダーの厚みが必要であり、インキ/水
応答性を速くするためには、ゼラチンの代わりに水に対
し非膨潤性のラテックスを用いることが有効であること
が判明した。
【0018】本発明においては、ハロゲン化銀乳剤層を
含む面側の全ゼラチン量が5g/m2 以下で無ければな
らない。全ゼラチン量が5g/m2 を越えると、前述の
インキ/水応答性が遅くなり好ましくない。
【0019】本発明において、マット化剤の適正量を設
定するために、該平版印刷版の中心線平均粗さRa値を
用いることができる。該平版印刷版の中心線平均粗さR
a値は、表面粗さ形状測定機、例えば、東京精密社製サ
ーフコム500Bを用いることにより測定することがで
きる。粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さlの部
分を抜取り、この抜取り部分の中心線をX軸、縦倍率の
方向をY軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表したと
き、中心線平均粗さRa値は、マイクロメートル単位で
表し、数1の式によって計算することができる。本発明
においては、ストローク長は2.5mmとする。
【0020】
【数1】
【0021】本発明において、該平版印刷版の中心線平
均粗さRa値が1.2以下であることが好ましい。該平
版印刷版の中心線平均粗さRa値が1.2より大きい場
合、印刷汚れが発生し易い。
【0022】本発明の作用機構については、以下のごと
く推定している。耐刷性向上の目的で添加したマット化
剤は凝集傾向を有しており、このため、表面のマット性
が大きくなり、非画像部の表面の凹部にインキが蓄積さ
れ易くなり、その結果印刷汚れが発生してしまう。表面
のマット性を小さくすることにより、非画像部にインキ
が蓄積され難くなり、印刷汚れが発生し難くなる。中心
線平均粗さRa値はこの表面のマット性と相関性を持っ
ており、この値により、マット化剤の使用の範囲を特定
することができる。
【0023】本発明においては、下塗層に酸化チタンを
併用するほうが好ましい。本発明に用いる酸化チタン
は、アナターゼ型、ルチル型等、任意のものを用いるこ
とができ、分散安定性等の目的で表面処理されていても
良い。酸化チタンは通常水に分散して、塗布の前のメイ
クアップ時に添加されるが、必ずしも、これに限定され
ない。酸化チタンの添加量は、種々の条件により異なる
が、1m2当り1g〜20gの範囲である。
【0024】本発明の対象たる平版印刷版はゼラチンを
含有しており、その含有層は下塗り層であり、乳剤層で
あり、また物理現像核層でもありうる。これらのゼラチ
ン含有層は、ゼラチン硬膜剤で硬化することができる。
ゼラチン硬膜剤としては、例えば、クロム明ばんのよう
な無機化合物、ホルマリン、グリオキサール、マレアル
デヒド、グルタルアルデヒドのようなアルデヒド類、尿
素やエチレン尿素等のN−メチロール化合物、ムコクロ
ル酸、2,3−ジヒドロキシ−1,4−ジオキサンの様
なアルデヒド類、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−
S−トリアジン塩や、2,4−ジヒドロキシ−6−クロ
ロ−S−トリアジン塩のような活性ハロゲンを有する化
合物、ジビニルスルホン、ジビニルケトンやN、N、N
−トリアクロイルヘキサヒドロトリアジン、活性な三員
環であるエチレンイミノ基やエポキシ基を分子中に二個
以上有する化合物類、高分子硬膜剤としてのジアルデヒ
ド澱粉等の種々の化合物の一種もしくは二種以上を用い
ることができる。
【0025】硬膜剤はすべての層に添加することも出
来、幾つか又は一層にのみ添加することも可能である。
勿論、拡散性の硬膜剤は二層同時塗布の場合、何れか一
層にのみ添加することが可能である。添加方法は乳剤製
造時に添加したり、塗布時にインラインで添加すること
もできる。
【0026】本発明のゼラチン含有層におけるゼラチン
は、その一部を、水溶性ゼラチン、澱粉、デキストリ
ン、アルブミン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエ
チルセルロース、アラビアゴム、ポリビニルアルコー
ル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロー
ス、ポリアクリルアミド、スチレン−無水マレイン酸共
重合体、ポリビニルメチルエーテル−無水マレイン酸共
重合体等の親水性高分子の一種又は二種以上で置換する
ことも出来る。
【0027】下塗層にはハレーション防止の目的でカー
ボンブラック等の顔料、染料等を含み得る。さらに現像
主薬等の写真用添加物も含むことが出来る。また下塗層
は特開昭48−5503、同昭48−100203、同
昭49−16507に記載のようなものであってもよ
い。
【0028】ハロゲン化銀乳剤層は、例えば、塩化銀、
臭化銀、塩臭化銀、及びこれらにヨウ化銀を含むものか
らなる。ハロゲン化銀結晶は、ロジウム塩、イリジウム
塩、パラジウム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白金塩
等の重金属塩を含んでいてもよく、添加量はハロゲン化
銀1モル当り10-8〜10-3モルである。ハロゲン化銀
の結晶形態に特に制限はなく、立方体ないし14面体粒
子、さらにはコアシェル型、平板状粒子でもよい。ハロ
ゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶であってもよく、
その平均粒径は0.2〜0.8μmの範囲である。好ま
しい例の一つとしては、ロジウム塩もしくはイリジウム
塩を含む、塩化銀が80モル%以上の単分散もしくは多
分散結晶がある。
【0029】ハロゲン化銀乳剤は、それが製造される時
又は塗布される時に種々な方法で増感することが出来
る。例えば、チオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素に
よって、又は金化合物、たとえばロダン金、塩化金によ
って、又はこれらの両者の併用など当該技術分野におい
て良く知られた方法で化学的に増感することが好まし
い。ハロゲン化銀乳剤は又、例えばシアニン、メロシア
ニン等の色素によってポジティブにもネガティブにも増
感又は減感され得る。その増感又は減感され得る波長域
に特に制限はない。従って、オルソ増感、パンクロ増
感、ヘリウム−ネオンレーザー用増感、アルゴンレーザ
ー用増感、LED用増感、半導体レーザー用増感もなし
得るし、明室用にUV増感、可視光減感もなし得る。
【0030】乳剤層の上部に存在する表面層には物理現
像核を含む。物理現像核としては銀、アンチモン、ビス
マス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウ
ム、ロジウム、金、白金等の金属コロイド微粒子や、こ
れらの金属の硫化物、多硫化物、セレン化物、又はそれ
らの混合物、混晶であっても良い。物理現像核には、親
水性バインダーを含んでいてもいなくても良いが、ゼラ
チン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセル
ロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロ
キシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、ポリ
アクリル酸ソーダ、ビニルイミダゾールとアクリルアミ
ドの共重合体、アクリル酸とアクリルアミドの共重合
体、ポリビニルアルコール等の親水性高分子又はそのオ
リゴマーを含むことが出来、その含有量は0.5g/m
2以下であることが好ましい。さらに物理現像核層に
は、ハイドロキノン、メチルハイドロキノン、カテコー
ル等の現像主薬や、ホルマリン、ジクロロ−s−トリア
ジン等の公知の硬膜剤を含んでいてもよい。
【0031】下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、物理現像
核層等の各塗布層には、塗布助剤として、陰イオン、陽
イオンもしくは中性界面活性剤のいくつかを含んでいて
もよいし、カブリ防止剤、マット剤、増粘剤、帯電防止
剤等を含むことが出来る。
【0032】本発明の平版印刷版の支持体としては、
紙、又は合成もしくは半合成高分子フィルム、アルミニ
ウム、鉄等の金属板等で平版印刷に耐えるものであれば
使用することが出来る。支持体の表面を一層又はそれ以
上の高分子フィルム、又は金属薄膜で、片面もしくは両
面を被覆することも出来る。これらの支持体の表面を塗
布層との接着を良くする為に表面処理することも可能で
ある。
【0033】特に好ましく用いられる支持体は、両面も
しくは片面をポリオレフィン重合体で被覆した紙、ポリ
エステルフィルム、表面を親水化処理したポリエステル
フィルム、表面処理を行ったアルミニウム板等である。
これらの支持体にはハレーション防止のための顔料や表
面物性改良の為に固形微粒子を含んでいてもよい。又支
持体は裏面露光が可能なように光透過性あっても良い。
【0034】本発明で使用する現像処理液には、アルカ
リ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム等、保恒剤とし
ての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、
チオシアン酸塩、環状イミド、2−メルカプト安息香
酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース等、カブリ防止剤、
例えば臭化カリウム、特開昭47−26201号に記載
の化合物等、現像剤、例えばハイドロキノン類、カテコ
ール、1−フェニル−3−ピラゾリドン等、現像変性
剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、オニウム化合
物等を含むことが出来る。さらに現像処理液には、米国
特許第3,776,728号に記載の如き表面銀層のイ
ンキ乗りを良くする化合物等を使用することが出来る。
【0035】本発明の平版印刷版の現像後の表面銀層
は、任意の公知の表面処理剤でインキ受容性に変換ない
しは受容性を増強せしめ得る。このような処理液として
は、例えば特公昭48−29723号、米国特許第3,
721,559号等に記載されている。印刷方法、ある
いは使用する不感脂化液、給湿液等は普通に良く知られ
た方法によることが出来る。以下に本発明を実施例によ
り説明するが勿論本発明はこれだけに限定されるもので
はない。
【0036】
【実施例】
【0037】実施例1 親水化の目的で特開昭60−213942号に示される
エポキシ化合物を含有した下引組成物で水性下引加工さ
れたポリエステルフィルム支持体上に下記の如く下塗層
を塗布する。
【0038】 <下塗塗液> ゼラチン 3.5g 水 20.0g 富士ディヴィドソン社製サイロイド(グレード978、平均粒子サイズ2.5 μ) 0.6g カーボンブラック分散液(固形分32%) 0.8g ホルムアルデヒド(30%水溶液) 0.2g グリオギザール(30%水溶液) 0.4g 三井東圧化学社製ポリラック752A(スチレン・ブタジエン系ラテックス固 形分47.5%) 5.0g 界面活性剤 0.6ml 水を加え全量を50.0gにする。
【0039】塗布量は湿分塗布量で50g/m2であっ
た。本文中に記載した試験方法を用いて、三井東圧化学
社製ポリラック752A添加による膨潤比を求めたとこ
ろ、1.08であり、これは本発明にいう水に対する非
膨潤性のラテックスに該当していた。これらの上にオル
ソ増感された高コントラスト塩化銀乳剤を硝酸銀に換算
して1.5g/m2及びゼラチン0.8g/m2塗布し
た。乾燥後、50℃2日加温して、特開昭58−216
02の実施例2に記載の核塗布液(ポリマーとしてはN
o.3のアクリルアミドとイミダゾールとの共重合体を含
み現像主薬としてハイドロキノンを0.8g/m2の割
合で含む)にポリアクリル酸ソーダ(平均分子量260
000)を0.04g/m2となるように加えた液を同
様にして調整し、塗布した。(試料1)
【0040】比較として、三井東圧化学社製ポリラック
752Aを含まないこと以外、同様にして下塗塗液を作
成し、以下同様にして塗布した。(比較a)
【0041】上記各平版印刷版を、三菱製紙社製製版カ
メラプロセッサCP−550IIを用いて、画像露光を行
い、現像処理を行った。現像は下記の拡散転写現像液で
それぞれ30℃、20杪間現像した。安定化は、下記の
組成の安定化液でそれぞれ25℃、20杪間処理し、乾
燥させた。
【0042】 <拡散転写現像液> 水 700g 水酸化ナトリウム 18g 水酸化カリウム 7g 無水亜硫酸ナトリウム 50g 2−メルカプト安息香酸 1g ウラシル 10g 2−メチルアミノエタノール 30g 5−フェニル−2−メルカプト−1,3,4−オキサジアゾール 0.1g 臭化カリウム 1g 水を加えて全量を1,000mlとする。
【0043】 <安定化液> 水 600g クエン酸 10g クエン酸ナトリウム 35g コロイダルシリカ(20%) 5g エチレングリコール 5g 水を加えて全量を1,000mlとする。
【0044】印刷評価は、エー・ビー・ディック350
CD(A・B・Dick社製オフセット印刷機の商標)
を使用した。耐刷性については、各々の平版印刷版を下
記の不感脂化液で処理した後、下記の給湿液を用い、大
日本インキ社製ニューチャンピオン墨Nを用いて印刷
し、銀画像部の欠落による画像飛びが生じて印刷に供せ
なくなった時の印刷枚数で、次の評価基準により判定し
た。 (A) 20,000枚以上 (B) 10,000〜20,000枚 (C) 5,000〜10,000枚 (D) 2,000〜 5,000枚 (E) 2,000枚未満 印刷結果を表1に示す。
【0045】 <不感脂化液> 水 600g イソプロピルアルコール 400g エチレングリコール 50g 3−メルカプト−4−アセトアミド−5−n−ヘプチル−1,2,4−トリア ゾール 1g
【0046】 <給湿液> O−リン酸 10g 硝酸ニッケル 5g 亜硝酸ナトリウム 5g エチレングリコール 100g コロイダルシリカ(20%液) 28g 水を加えて2,000mlする。
【0047】一方、非画像部の保水性(地汚れ)を見る
ために、インキとして大日本インキ製Fグロス紫68S
を使用し、給湿液としてローソス社製KPS#500の
2.5%水溶液を使いAB Dick350CDで地汚
れが発生し印刷に供せなくなった時の印刷枚数で、次の
評価基準により判定した。 (A) 3000枚以上 (B) 1000〜3000枚 (C) 500〜1000枚 (D) 100〜 500枚 (E) 100枚未満 印刷結果を表1に示す。
【0048】次に、インキ/水応答性を調べるため、各
々の平版印刷版を不感脂化液で処理することなく、下記
の給湿液を用い、大日本インキ社製ニューチャンピオン
墨Nを用いて印刷し、その立ち上げ時の汚れの取れる枚
数で評価した。 (A) 10枚以下 (B) 10〜20枚 (C) 20〜50枚 (D) 50〜100枚 (E) 100枚以上 印刷結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1より明らかなように、スチレン・ブタ
ジエン系ラテックスであるポリラック752Aを含まな
い比較aは耐汚れ性に劣っているのに対し、本発明の試
料1耐汚れ性に優れており、且つ、インキ/水応答性は
同等であることが判明した。
【0051】実施例2 下記の下塗塗液において、ゼラチン、ポリラック752
Aの添加量を表2に示した通りにして、その他について
は実施例1と同様に試料を作成し、印刷評価を行った。
結果を表2に示した。
【0052】 <下塗塗液> ゼラチン Xg 水 20.0g 富士ディヴィドソン社製サイロイド(グレード308、平均粒子サイズ3.5 μ) 0.6g カーボンブラック分散液(固形分32%) 0.8g ホルムアルデヒド(30%水溶液) 0.2g グリオギザール(30%水溶液) 0.4g 三井東圧化学社製ポリラック752A(スチレン・ブタジエン系ラテックス固 形分47.5%) Yg 界面活性剤 0.6ml 水を加え全量を50.0gにする。
【0053】表2より明かなように、比較bはハロゲン
化銀乳剤面側の全ゼラチン量が6.3g/m2となって
おり、中心線平均粗さRa値は小さくなるが、汚れは本
発明の試料2と比較しほぼ同等であり、耐刷性、インキ
/水応答性が劣る。比較cは比較bに対しポリラックを
添加しないものであり、中心線平均粗さRa値は試料2
と同等であるが、比較bと同様に、汚れは本発明の試料
2と比較しほぼ同等であり、耐刷性、インキ/水応答性
が劣る。本発明の試料2は中心線平均粗さRa値は比較
cと同等であり、汚れは比較cと同等であるが、インキ
/水応答性に優れている。
【0054】
【表2】
【0055】実施例3 下記の下塗塗液において、酸化チタン、ポリラック75
2Aの添加量を表3に示した通りにして、その他につい
ては実施例1と同様に試料を作成し、印刷評価を行っ
た。結果を表3に示した。
【0056】 <下塗塗液> ゼラチン 3.5g 水 20.0g 酸化チタン(堺化学社製TR−1) Xg 富士ディヴィドソン社製サイロイド(グレード978、平均粒子サイズ2.5 μ) 0.6g カーボンブラック分散液(固形分32%) 0.8g ホルムアルデヒド(30%水溶液) 0.2g グリオギザール(30%水溶液) 0.4g 三井東圧化学社製ポリラック752A(スチレン・ブタジエン系ラテックス固 形分47.5 %) Yg 界面活性剤 0.6ml 水を加え全量を50.0gにする。
【0057】
【表3】
【0058】表3より明かなように、酸化チタンを含む
試料4は、試料3と比較して、汚れ、インキ/水応答性
に優れている。
【0059】実施例4 三井東圧化学社製ポリラック752A(スチレン・ブタ
ジエン系ラテックス)の代わりに日本ゼオン社製Nip
ol1577(アクリロニトリル・ブタジエン系ラテッ
クス)を用いること以外、実施例1と同様に試料5を作
成し、印刷評価を行った。本文中に記載した試験方法を
用いて、日本ゼオン社製Nipol1577添加による
膨潤比を求めたところ、1.11であり、これは本発明
にいう水に対する非膨潤性のラテックスに該当してい
た。このようにして作成した試料は、実施例1と同様、
汚れ、インキ/水応答性に優れたものであった。
【0060】実施例5 シリカ粒子として、富士ディヴィドソン社製サイロイド
(グレード978、平均粒子サイズ2.5μ)の代わり
に、水澤化学株式会社製ミズカシルP−78F(平均粒
子サイズ12μ)を用いることを除いて、実施例1の試
料1と同様にして同様に比較dを作成し、印刷評価を行
った。比較dの中心線表面粗さRa値は1.5であり、
汚れのグレードはDであり、本発明のレベルより、大幅
に劣っていた。
【0061】
【発明の効果】
【0062】本発明を用いることにより、インキ/水応
答性及び耐汚れ性に優れた平版印刷版を提供することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−226658(JP,A) 特開 昭63−249852(JP,A) 特開 昭59−48757(JP,A) 特開 昭63−234254(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一つの下塗層及び
    ハロゲン化銀乳剤層及び物理現像核を順次塗布されてな
    る平版印刷版に於て、該下塗層中に平均粒子サイズが5
    ミクロン以下のマット化剤を含有し、該下塗層中に水に
    対し非膨潤性のラテックスを含有し、且つ、該ハロゲン
    化銀乳剤層を含む面側の全ゼラチン量が5g/m2 以下
    であることを特徴とする平版印刷版。
  2. 【請求項2】 該下塗層に酸化チタンを含有することを
    特徴とする特許請求の範囲請求項1の平版印刷版。
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