JPH08262724A - 平版印刷版 - Google Patents

平版印刷版

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JPH08262724A
JPH08262724A JP6996795A JP6996795A JPH08262724A JP H08262724 A JPH08262724 A JP H08262724A JP 6996795 A JP6996795 A JP 6996795A JP 6996795 A JP6996795 A JP 6996795A JP H08262724 A JPH08262724 A JP H08262724A
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  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は銀錯塩拡散転写法を応用した平版印刷
材料に於て、印刷諸特性に優れ、著しくインキ脱離性、
保水性及び印刷画質を向上する事を目的とする。更に、
迅速、少液現像処理に適応性を持つ事ができる。 【構成】支持体上に少なくとも下塗り層及びハロゲン化
銀乳剤層及び物理現像核層を有する銀錯塩拡散転写法を
応用した平版印刷材料に於て、該下塗り層のバインダー
がポリマーラテックスを主体とするもので、下塗り層中
の全バインダーに対する親水性ポリマーの含有量が15
重量%以下を含む事を特徴とする平版印刷材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、銀錯塩拡散転写法を応
用した平版印刷材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】平版印刷版は、油脂性のインキを受理す
る親油性の画線部分と、インキを受理しない撥油性の非
画線部分とからなり、一般に該非画線部は水を受け付け
る親水性部分から構成されている。通常の平版印刷で
は、水とインキの両方を版面に供給し、画線部は着色性
のインキを、非画線部は水を選択的に受け入れ、該画線
上のインキを、例えば紙等の被印刷体に転写させること
によって印刷がなされている。
【0003】従って、良い印刷物を得るためには、画線
部と非画線部の親油性及び親水性の差が十分に大きく
て、水及びインキを版面に供給した時に、画線部は十分
量のインキを受け付け、非画線部は全くインキを受付け
ないことが必要である。
【0004】銀錯塩拡散転写法(DTR法)を用いた平
版印刷版、特にハロゲン化銀乳剤層の上に物理現像核層
を有する平版印刷版は、例えば、米国特許第3,72
8,114号、同第4,134,769号、同第4,1
60,670号、同第4,336,321号、同第4,
501,811号、同第4,510,228号、同第
4,621,041号明細書等に記載されており、露光
されたハロゲン化銀結晶は、DTR現像により化学現像
を生起し黒色の銀となり親水性の非画線部を形成し、一
方、未露光のハロゲン化銀結晶は現像液中の銀塩錯化剤
により銀塩錯体となって表面の物理現像核層まで拡散
し、核の存在により物理現像を生起してインキ受容性の
物理現像銀を主体とする画線部を形成する。
【0005】このように、該平版印刷版ではゼラチン−
ハロゲン化銀乳剤層の上にある物理現像核層上に析出し
た銀像をインキ受容性の画線部として利用するため、一
般の平版印刷版(例えばPS版等)に比して、画線部の
機械的摩耗に対する抵抗性が不十分であり、画線部が欠
落したり、画線部のインキ受容性が徐々に失われ易いと
いう欠点を有している。
【0006】この欠点を克服するために、ゼラチンの硬
膜度を高くしたり、下塗り層やハロゲン化銀乳剤層にマ
ット材を含有させ耐摩耗性を改善したり、物理現像核の
量を多くすると、地汚れが発生した。さらに平版印刷版
を製造してから製版するまで長期に亘って保存すること
によって地汚れが発生したり、インキ受容性が劣化した
りする欠点がある。
【0007】特開平5−80519、5−66564、
5−80517等にて、下塗り層にラテックスを添加
し、表面粗さを下げる方向で、PS版に近い保水性、イ
ンキ脱離性にするべく各種取り組みがなされたが、これ
らは、いずれもゼラチン主体の下塗り層中にラテックス
を添加するものであり、ラテックス皮膜を構成するには
ゼラチンの割合が多く、ラテックス皮膜の特性である耐
水性、低い吸水性が得にくく、下塗り層が膨潤し、印刷
で言うインキ/水応答性が悪い状態にあった。更に、迅
速、少液現像処理として特願平5−334028等に記
載の平版印刷版として、現像進行性において、更に改良
が望まれている現状にある。
【0008】保水性を向上させる為には、特開平4−2
77747において、物理現像核層中、または/及びそ
の隣接する層にプルランを含ませる事が提案されたり、
特開平4−277748、5−88370等で親水性ポ
リマーの提案が行われたものの改善効果が十分であると
いうレベルには達していなかった。また、インキ乗り、
インキ脱離性も充分に良いとは言えなかった。
【0009】耐刷力を向上させる為には、特公昭62−
296143号、特公昭63−226658号、同63
−249852号、特公平1−261643号、特開平
5−100430号、同平5−80518号、同平5−
80519号、同平5−80520号にて各種マット剤
技術が提案されているが耐刷力、保水性、インキのり
性、印刷画質、耐キズ性において充分な満足されるもの
でなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、印刷
諸特性(耐刷力、保水性、インキ盛り、等)に優れ、特
に保水性、インキ脱離性、印刷画質が向上した、銀錯塩
拡散転写法を用いた平版印刷版を提供することである。
本発明の別の目的は、迅速、少液現像処理に適応性を持
つ銀錯塩拡散転写法を用いた平版印刷版を提供すること
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上に少なくとも下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層及び
物理現像核層を有する平版印刷版において、該下塗り層
のバインダーがポリマーラテックスを主体とするもの
で、下塗り層中の全バインダーに対する親水性ポリマー
の含有量が15重量%以下のである平版印刷版によって
達成された。
【0012】すなわち、本発明者は写真構成層として、
ゼラチン主体である従来の常識を破りラテックス主体に
することによって、印刷性能が画期的に向上することを
見い出し、本発明に至った。
【0013】本発明に用いられるラテックスとはビニル
重合体水性分散物であり、スチレン・ブタジエン系ラテ
ックス、アクリロニトリル・ブタジエン系ラテックス、
ポリブタジエン及びスチレン・ブタジエン系ラテック
ス、アクリレート系ラテックス、塩化ビニル系ラテック
ス、スチレン・イソプレン系ラテックス等であり、下塗
り層中におけるラテックスの使用量は固形成分の重量で
1〜5g/m2 であり、より好ましくは2〜4g/m2
である。
【0014】本発明の効果を更に発揮する為に、平均粒
子サイズが1.0〜5.0ミクロンのマット化剤、平板
状マット剤、球状マット剤などの各種サイズ、種類が選
択でき、単独もしくは併用する事で表面粗さRa値を
0.6以下にする事で本発明の効果を更に発揮する事が
できる。マット剤の量として、好ましくは1〜5g/m
2 であり、より好ましくは1.5〜3.5g/m2 の範
囲である。
【0015】該平版印刷版の中心線平均粗さRa値は、
表面粗さ形状測定機、例えば、東京精密社製サーフコム
500Bを用いる事により測定する事ができる。粗さ曲
線からその中心線の方向に測定長さlの部分を抜取り、
この抜取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸と
し、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、中心線粗さ
Ra値は、マイクロメートル単位で表し、数lの式によ
って計算することができる。
【0016】
【数1】
【0017】一方、特開平6−230575号におい
て、アクリルアマイドのメチロール化体と水溶性多糖類
の併用も提案されているが、これら物理現像核層中のポ
リマーの効果を、更に引き出す事ができ、保水性、イン
キ脱離性、印刷画質を向上させる事ができる。
【0018】本発明において、下塗り層の親水性ポリマ
ーの使用量は下塗り層中の全バインダーに対して15重
量%以下で、含有量としては、1g/m2 以下、好まし
くは0.5g/m2 以下であり、好ましくは10重量%
以下である。15重量%を超えると共にインキ脱離性が
悪くなり、保水性、画質も徐〃に悪くなる。ここで言う
インキ脱離性とはオフ輪印刷及びカラー印刷に於て版面
に給湿液の少ない、もしくはない状態で印刷スタートす
る事があり、この場合、版面をインキで覆われた状態で
印刷が始まり、当然、好ましくない印刷物となり、版面
から早くインキが脱離する必要がある。PS版はアルミ
表面の構造により、当然のことながらインキ脱離性は速
く、本発明のバインダー構成はPS版に近いインキ脱離
性になる事が望める。
【0019】本発明において、下塗り層中に親水性ポリ
マーを全く含まない態様も、もちろん包含する。この場
合、下塗り層中のバインダーは実質的にラテックスのみ
であり、支持体との接着が更に向上し、インキ脱離性も
好ましくなる。更に、物理現像核層を塗布するまでの加
温を短くしたり、場合により、物理現像核層を下塗り及
びハロゲン化銀乳剤層と同時に塗布する事もできるが、
製造工程で皮膜形成する事も考えられ、親水性ポリマー
を数%併用する事で製造安定性を考慮しておいた方が好
ましい。
【0020】本発明のラテックスは水に対し非膨潤性の
ラテックスである事が好ましく、水及び印刷の給湿液を
吸収しその膨潤比が1.2以下のラテックスであり、好
ましくは1.1以下のラテックスである。
【0021】本発明に用いられる水に対し非膨潤性ラテ
ックスとは、水に対して膨潤性の少ないラテックスの事
であり、以下の塗液を作成し、ポリエステルベースに5
0g/m2 塗布し、50度24時間加温した試料を0.
2規定の苛性ソーダに1分間浸漬し、その吸液量で膨潤
比とした。つまり、ラテックスを含まない比較に対しラ
テックスを含むものの吸液量の比で膨潤比とする。
【0022】 〈試験塗液〉 ゼラチン 5g 試験ラテックス(固形分) 45g カープレックス(塩野義製薬株式会社 平均粒径1.2ミクロン)25g カーボンブラック分散液(固形分32%) 20g 10%ホルムアルデヒド 3g トータル 500g
【0023】本発明の対象たる平版印刷版は全体の構成
としてゼラチン等の親水性ポリマーを含有しており、そ
の含有層は下塗り層であり、乳剤層であり、また物理現
像核層でもありうる。これらのゼラチン含有層は、ゼラ
チン硬膜剤で硬化することができる。ゼラチン硬膜剤と
しては、例えばクロム明ばんのような無機化合物、ホル
マリン、グリオキザール、マレアルデヒド、グルタルア
ルデヒドのようなアルデヒド類、尿素やエチレン尿素等
のN−メチロール化合物、ムコクロル酸、2,3ージヒ
ドロキシー1,4ージオキサンの様なアルデヒド類、
2,4ージクロロー6ーヒドロキシーS−トリアジン塩
や、2,4ージヒドロキシー6ークロロートリアジン塩
のような活性ハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホ
ン、ジビニルケトンやN、N、N−トリアクロイルヘキ
サヒドロトリアジン、活性な三員環であるエチレンイミ
ノ基やエポキシ基を分子中に二個以上有する化合物類、
高分子硬膜剤としてのジアルデヒド澱粉等の種々の化合
物の一種もしくは二種以上をもちいることができる。
【0024】硬膜剤はすべての層に添加することも出
来、幾つか又は一層にのみ添加することも可能である。
勿論、拡散性の硬膜剤は二層同時塗布の場合、何れか一
層にのみ添加することが可能である。添加方法は乳剤製
造時に添加したり、塗布時にインラインで添加すること
もできる。
【0025】本発明の親水性ポリマーとはゼラチン以外
に、水溶性ゼラチン、澱粉、デキストリン、アルブミ
ン、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロー
ス、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリ
ルアミド、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリビ
ニルメチルエーテル−無水マレイン酸共重合体、多糖類
等の親水性高分子の一種又は二種以上のバインダーを使
用することも出来る。
【0026】下塗り層にはハレーション防止の目的でカ
ーボンブラック等の顔料、染料等を含み得るし、また耐
刷力向上のために平均粒径1〜5ミクロンの固形粉末
(例えばシリカ粒子)を含み得る。さらに現像主薬等の
写真用添加物も含むことが出来る。
【0027】ハロゲン化銀乳剤層は、例えば、塩化銀、
臭化銀、塩臭化銀、及びこれらにヨウ化銀を含むものか
らなる。ハロゲン化銀結晶は、ロジウム塩、イリジウム
塩、パラジウム塩、ルテニウム塩、ニッケル塩、白金塩
等の重金属塩を含んでいてもよく、添加量はハロゲン化
銀1モル当り10-8〜10-3モルである。ハロゲン化銀
の結晶形態に特に制限はなく、立方体ないし14面体粒
子、さらにはコアシェル型、平板状粒子でもよい。ハロ
ゲン化銀結晶は、単分散、多分散結晶であってもよく、
その平均粒径は0.2〜0.8μmの範囲である。好ま
しい例の一つとしては、ロジウム塩もしくはイリジウム
塩を含む、塩化銀が70モル%以上の単分散もしくは多
分散結晶がある。
【0028】ハロゲン化銀乳剤は、それが製造される時
又は塗布される時に種々な方法で増感することが出来
る。例えば、チオ硫酸ナトリウム、アルキルチオ尿素に
よって、又は金化合物、たとえばロダン金、塩化金によ
って、又はこれらの両者の併用など当該技術分野におい
て良く知られた方法で化学的に増感することが好まし
い。ハロゲン化銀乳剤は又、例えばシアニン、メロシア
ニン等の色素によってポジティブにもネガティブにも増
感又は減感され得る。その増感又は減感され得る波長域
に特に制限はない。従って、オルソ増感、パンクロ増
感、ヘリウム−ネオンレーザー用増感、アルゴンレーザ
ー用増感、LED用増感、半導体レーザー用増感もなし
得るし、明室用にUV増感、可視光減感もなし得る。
【0029】乳剤層の上部に存在する表面層には物理現
像核を含む。物理現像核としては銀、アンチモン、ビス
マス、カドミウム、コバルト、鉛、ニッケル、パラジウ
ム、ロジウム、金、白金等の金属コロイド微粒子や、こ
れらの金属の硫化物、多硫化物、セレン化物、又はそれ
らの混合物、混晶であっても良い。物理現像核には、親
水性バインダーを含んでいてもいなくても良いが、ゼラ
チン、澱粉、ジアルデヒド澱粉、カルボキシメチルセル
ロース、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、ヒドロ
キシエチルセルロース、ポリスチレンスルホン酸、ビニ
ルイミダゾールとアクリルアミドの共重合体、ポリビニ
ルアルコール等の親水性高分子又はそのオリゴマーを含
むことが出来、その含有量は0.5g/m2 以下である
ことが好ましい。さらに物理現像核層には、ハイドロキ
ノン、メチルハイドロキノン、カテコール等の現像主薬
や、ホルマリン、ジクロロ−s−トリアジン等の公知の
硬膜剤を含んでいてもよい。
【0030】下塗り層、ハロゲン化銀乳剤層、物理現像
核層等の各塗布層には、塗布助剤として、陰イオン、陽
イオンもしくは中性界面活性剤のいくつかを含んでいて
もよいし、カブリ防止剤、マット剤、増粘剤、帯電防止
剤等を含むことが出来る。
【0031】本発明の平版印刷版の支持体としては、
紙、又は合成もしくは半合成高分子フィルム、アルミニ
ウム、鉄等の金属板等で平版印刷に耐えるものであれば
使用することが出来る。支持体の表面を一層又はそれ以
上の高分子フィルム、又は金属薄膜で、片面もしくは両
面を被覆することも出来る。これらの支持体の表面を塗
布層との接着を良くする為に表面処理することも可能で
ある。
【0032】特に好ましく用いられる支持体は、両面も
しくは片面をポリオレフィン重合体で被覆した紙、ポリ
エステルフィルム、表面を親水化処理したポリエステル
フィルム、表面処理を行ったアルミニウム板等である。
これらの支持体にはハレーション防止のための顔料や表
面物性改良の為に固形微粒子を含んでいてもよい。又支
持体は裏面露光が可能なように光透過性であっても良
い。
【0033】本発明で使用する現像処理液には、アルカ
リ性物質、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
水酸化リチウム、第三リン酸ナトリウム等、保恒剤とし
ての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、例えばチオ硫酸塩、
チオシアン酸塩、環状イミド、2−メルカプト安息香
酸、アミン等、粘稠剤、例えばヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース等、カブリ防止剤、
例えば臭化カリウム、特開昭47−26201号公報に
記載の化合物等、現像剤、例えばハイドロキノン類、カ
テコール、1−フェニル−3−ピラゾリドン等、現像変
性剤、例えばポリオキシアルキレン化合物、オニウム化
合物等を含むことが出来る。さらに現像処理液には、米
国特許第3,776,728号に記載の如き表面銀層の
インキ乗りを良くする化合物等を使用することが出来
る。
【0034】本発明の平版印刷版の現像後の表面銀層
は、任意の公知の表面処理剤でインキ受容性に変換ない
しは受容性を増強せしめ得る。このような処理液として
は、例えば特公昭48−29723号、米国特許第3,
721,559号等に記載されている。印刷方法、ある
いは使用する不感脂化液、給湿液等は普通に良く知られ
た方法によることが出来る。
【0035】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが勿論
本発明はこれだけに限定されるものではない。
【0036】実施例1 下引済みのポリエチレンテレフタレートフィルム(17
5ミクロン、デュポン製)の片面に平均粒子サイズ3.
5μ(コールター・カウンター法)のシリカ粒子を含有
するマット化層を設け、反対側の面をコロナ放電加工
後、カーボンブラック、及び平均粒径1.2μのシリカ
粉末(塩野義製薬製FPS101)2.5g/m2 含む
下塗り層(ゼラチン0.5g/m2 )と、その上に1−
フェニル−3−ピラゾリドン0.1g/m2 を有するオ
ルソ増感された高感度塩化銀乳剤(ゼラチン0.8g/
2 含む)を硝酸銀として1.0g/m2 になるよう
に、二層同時塗布を行った。
【0037】硬膜剤としては、2,4−ジクロロ−6−
ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウムを下塗り層に2
5mg/m2 含有し、乳剤層にはN−メチロールエチレ
ン尿素を20mg/m2 含有させた。乾燥後、特開昭5
3−21602の実施例2に記載の核塗布液(ポリマー
としてはNo.3のアクリルアミドとイミダゾールとの共重
合体を含み現像主薬としてハイドロキノンを0.8g/
2 の割合で含む)に特開平4ー277747のプルラ
ンを2mg/m2 を加え塗布、乾燥し本発明の比較例A
となる平版印刷版を作成した。
【0038】本発明の実施例となる平版印刷版は上記平
版印刷版(比較例A)に於いて使用した下塗り層にラテ
ックス(固形分にて4.5g/m2 )及び、更にゼラチ
ンを少なくした本発明の平版印刷版D〜Kを作成し、一
方、比較例として下塗り層中の全バインダー量を5g/
2 にし、ゼラチンの比率を高くした平版印刷版を作成
し、B、Cとした。(ゼラチン増に応じて硬膜剤も増や
した)本試験に用いた平版印刷版を表1にまとめた。
【0039】これら11種の平版印刷版を製造直後およ
び50℃、相対湿度80%の条件下で5日間保存した
後、それぞれ像反転機構を有する製版用カメラで像露光
を行い、下記の銀錯塩拡散転写現像液により30℃で2
0秒間現像処理を行った。
【0040】<転写現像液> 水 700ml 水酸化カリウム 20g 無水亜硫酸ナトリウム 50g 2−メルカプト安息香酸 1.5g 2−メチルアミノエタノール 15g 水を加えて1リットルとする。 現像処理後、該原版を2本の絞りローラー間に通し、余
分の現像液を除去し、直ちに下記組成を有する中和液で
25℃20秒間処理し、絞りローラーで余分の液を除去
し室温で乾燥した。
【0041】<中和液> 水 600ml クエン酸 10g クエン酸ナトリウム 35g コロイダルシリカ(20%液) 5ml エチレングリコール 5ml 水を加えて1リットルとする。 以上の操作により作成した平版印刷版をオフセット印刷
機に装着し、下記の不感脂化液を版面にくまなく与え、
下記給湿液を用いて印刷を行った。
【0042】 <不感脂化液> 水 600ml イソプロピルアルコール 400ml エチレングリコール 50g 3−メルカプト−4−アセトアミド−5−n−ヘプチル−1,2,4−トリ アゾール 1g
【0043】<給湿液> o−リン酸 10g 硝酸ニッケル 5g 亜硝酸ナトリウム 5g エチレングリコール 100g コロイダルシリカ(20%液) 28g 水を加えて2リットルとする。
【0044】印刷機は、リョービ3200CD(リョー
ビK.K社製オフセット印刷機の商標)を使用し、非画
像部の地汚れ及び銀画像部の欠落による画像飛びが生じ
て印刷に供せなくなった時の印刷枚数で、次の評価基準
により判定した。尚インキはABdick3−1012
を使用した。 ○ 10,000〜20,000枚 △ 5,000〜10,000枚 × 2,000〜 5,000枚 印刷結果を表2に示す。
【0045】一方、非画像部の保水性(地汚れ)を見る
ために、インキとして大日本インキ製Fグロス紫68N
を使用し、給湿液としてEu−3,1%液(PS版用湿
し水/エッチ液 富士フィルム製)を使い印刷機はリョ
ービ3200CDを使用し、地汚れが発生し印刷に供せ
なくなた時の印刷枚数で、次の評価基準により判定し
た。 ◎ 5000枚以上 ○ 1000〜5000枚 △ 300〜1000枚 × 1〜300枚 印刷結果を表2に示す。
【0046】上記の非画像部の保水性を見る為の条件と
同じ条件にて、版面をエッチングせず、版面が乾燥した
状態で印刷スタートし地汚れのない印刷物が得られるま
での枚数でインキ脱離性を判定し、印刷結果を表2に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】上記、耐刷力の評価で、印刷物の画質を以
下に示す評価方法で同時に行った。画質評価はカメラ製
版した100線50%の網点が印刷物上でいかに再現で
きるかを以下の評価基準により判定した。 ◎ 輪郭がはっきりした網点を再現する。 ○ 輪郭がややぼけた網点となる。 △ 輪郭がぼけた網点となる。 × それぞれの網点が不定形となる。 印刷結果を表2に示す。
【0049】
【表2】
【0050】上記の結果から、本発明のラテックスを主
体とした下塗り使用により印刷諸特性に優れ、特にイン
キ脱離、保水性及び印刷画質に優れる事が確認された。
【0051】実施例2 実施例1に従って作成した平版印刷版を特願平5−33
4028号に記載の迅速処理装置にて現像処理を行っ
た。現像条件は30℃で8秒間である。得られた平版印
刷版を実施例1に準じて評価した結果、本発明の平版印
刷版は実施例1と同等の結果を得たが、比較例は、更に
諸性能が低下した。
【0052】実施例1で使用したラテックスはそれぞれ
752A及びLX407Sはスチレン・ブタジエン系ラ
テックス。LX811はアクリレート系ラテックスでい
ずれも膨潤比1.1付近であり、非膨潤ラテックスであ
る。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、銀錯塩拡散転写法を応
用した平版印刷版において印刷諸特性に優れ特にインキ
脱離性、保水性及び印刷画質を良くし、更に、迅速、少
液現像処理に適応性を持つ事が出来る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも下塗り層及びハロ
    ゲン化銀乳剤層及び物理現像核層を有する銀錯塩拡散転
    写法を応用した平版印刷材料に於て、該下塗層のバイン
    ダーがポリマーラテックスを主体とするもので、下塗り
    層中の全バインダーに対する親水性ポリマーの含有量が
    15重量%以下である事を特徴とする平版印刷材料。
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