JP2010181018A - エンドレスタイプのシールリングおよびベルト式無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】小さな力で容易にシール溝に装着できるエンドレスタイプのシールリングおよびこのシールリングを用いた無段変速機を提供する。
【解決手段】本発明のシールリング1は、外周部材が樹脂材料で、内周部材が弾性材料で形成され、外周部材2と内周部材3とが一体に形成されたエンドレスタイプのシールリング1において、上記外周部材2は軸方向に一箇所以上の切断部2aを有し、上記シールリング1は、外方部材の内部を密封する内方部材の外径面に設けられたシール溝に装着され、上記弾性材料で形成された内周部材3が上記シール溝の底に接触する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンドレスタイプのシールリングおよびベルト式無段変速機に関する。
外方部材の内部を密封する内方部材の外径面に設けられたシール溝に装着されるシールリングは、外周面に外方部材の内周部とのシール面が形成され、少なくとも一方の側面にシール溝とのシール面が形成されるものであり、無端状のエンドレスタイプのものと、円周方向の一箇所をカットしたカットタイプのものとがある。カットタイプのものは、カット部を押し拡げるように拡径してシール溝に装着できるので、金属製のものと樹脂製のものがあるが、エンドレスタイプのものは、金属製では拡径できないので、樹脂製のものに限定される。
また、例えば、シールリングが装着される内方部材が、ベルト式無段変速機の可動シーブの筒状部の内周部と摺動し、可動シーブを作動させる油圧室を可動シーブの背面側で形成する隔壁部材であるような場合は(例えば、特許文献1参照)、カットタイプのシールリングは、油圧室の油圧によって容易に拡径され、外周面のシール面が外方部材となる可動シーブ筒状部等の内周面と密着する。しかしながら、カット部を持つためシール性がエンドレスタイプのシールリングより劣るという問題を有する。一方、摺接に耐える硬質の樹脂材料で形成されたエンドレスタイプのシールリングは、油圧によっては十分に拡径しないので、その内周面をシール溝の底に接触させて、外周面のシール面を外方部材の内周面と密着させる必要がある。このため、このような用途のエンドレスタイプのシールリングは、径方向の肉厚が厚くなって、シール溝に装着する際に大きな拡径量を必要とし、シール溝への装着が困難な問題がある。
特にベルト式無段変速機の可動シーブを移動するための油圧シールリングでは、直径が100mm以上もあり、拡径してシール溝に装着するのが非常に困難である。
なお、往復動ガス機械に用いられるエンドレスタイプのシールリングには、外周側を樹脂材料で形成し、内周側を弾性材料で形成して、この弾性材料で形成した内周側をシール溝の底に接触させ、シール溝の底からのガス漏れを防止するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載されたものでは、樹脂材料で形成された外周側を軸方向で2分割し、弾性材料で形成した内周側に、シールリングを拡径して外方部材に密着させる板状エキスパンダを内包させている。
従来のエンドレスタイプのシールリングの課題を解決するシールリングとして、外周部が樹脂材料で形成され、内周部が弾性材料で形成されて、前記弾性材料で形成された内周部を、前記樹脂材料で形成された外周部を薄肉とするように、外周部の内側に食い込ませたことを特徴とするシールリングが知られている(特許文献3参照)。
特開2004−270804号公報 実開昭60−149566号公報 特開2008−190650号公報
特許文献2に記載されたように、内周側を弾性材料で形成したエンドレスタイプのシールリングは、全体を樹脂材料で形成したものよりはシール溝に装着しやすいが、樹脂材料で形成された外周側の拡径に対する変形抵抗が未だ大きく、シール溝の溝縁を乗り越えさせるのに大きな力を必要とする問題がある。
特許文献3に記載されたシールリングは、外周部が薄肉であっても、ポリエーテルエーテルケトン(以下、PEEKと記す)樹脂やポリフェニレンサルファイド(以下、PPSと記す)樹脂等の樹脂材料で形成された外周部は拡径の際に変形し難く、誤って外周部の向きが側面や内周側に向いて組まれてしまった場合、正しく元に戻すのが困難であった。
本発明はこのような問題に対処するためになされたものであり、小さな力で容易にシール溝に装着できるエンドレスタイプのシールリングおよびこのシールリングを用いた無段変速機を提供することを目的とする。
本発明のシールリングは、外周部材が樹脂材料で、内周部材が弾性材料で形成され、外周部材と内周部材とが一体に形成されたエンドレスタイプのシールリングにおいて、上記外周部材は軸方向に一箇所以上の切断部を有することを特徴とする。また、上記シールリングは、外方部材の内部を密封する内方部材の外径面に設けられたシール溝に装着され、上記弾性材料で形成された内周部材が上記シール溝の底に接触することを特徴とする。
上記樹脂材料の主材料がフッ素樹脂であることを特徴とする。また、上記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記す)樹脂であることを特徴とする。また、上記弾性材料は合成ゴムまたはエラストマであることを特徴とする。また、上記エラストマは熱可塑性エラストマであることを特徴とする。
上記シールリングは、上記外周部材の樹脂材料を上記内周部材の弾性材料の成形時に同時に一体形成されたことを特徴とする。また、上記シールリングは、上記外周部材の樹脂材料を上記内周部材の弾性材料の加硫成形時に同時に一体形成されたことを特徴とする。また、上記シールリングは、上記外周部材の樹脂材料を上記内周部材の弾性材料の射出成形時に同時に一体形成されたことを特徴とする。
上記外周部材の切断部は一箇所であることを特徴とする。また、上記シールリングは直径100mm以上のシールリングであることを特徴とする。
上記シールリングは油圧装置用のシールリングであることを特徴とする。
上記シールリングが装着される内方部材が、ベルト式無段変速機の可動シーブを作動させる油圧室を可動シーブの背面側で形成する隔壁部材であり、上記外方部材が、上記隔壁部材の外周面と摺動する可動シーブの筒状部であることを特徴とする。
前記シールリングが装着される内方部材が、ベルト式無段変速機の可動シーブであり、前記外方部材が、前記可動シーブを作動させる油圧室を可動シーブの背面側で形成する隔壁部材の筒状部であることを特徴とする。
本発明のベルト式無段変速機は、可動シーブが軸方向に移動可能にシャフトの外周に嵌合されているベルト式無段変速機であって、上記可動シーブを作動させる油圧室をシールするシールリングが、上記本発明のシールリングであることを特徴とする。
本発明(請求項1)のシールリングは、外周部材が樹脂材料で、内周部材が弾性材料で形成され、外周部材と内周部材とが一体に形成されたエンドレスタイプのシールリングにおいて、外周部材は軸方向に一箇所以上の切断部を有するので、拡径の際に外周部材は切断部によって内周部材の弾性変形に追従できエンドレスタイプのシールリングを小さな力で容易にシール溝に装着できる。また、シール溝に装着されると弾性材料からなる内周部材が縮径され、外周部材の切断部も閉じるのでシール性に優れる。
請求項2に記載のシールリングは、外方部材の内部を密封する内方部材の外径面に設けられたシール溝に装着され、上記弾性材料で形成された内周部材が上記シール溝の底に接触するのでシール性に優れる。
請求項3および請求項4に記載のシールリングは、上記樹脂材料の主材料がフッ素樹脂であるので、低摩擦特性に優れ、引張り弾性特性において弾性体の弾性変形に追従する特性を有するためシール溝への装着性に優れる。特に、上記フッ素樹脂がPTFE樹脂であるので、油圧作動油との耐油性に優れる。
請求項5および請求項6に記載のシールリングは、上記弾性材料は合成ゴムまたはエラストマであるので、シール溝に装着の際、拡径が容易に行なえる。
請求項7〜請求項9に記載のシールリングは、外周部材の樹脂材料を内周部材の弾性材料の成形時に同時に一体形成するので、外周部材と内周部材の一体化が容易にできる。また、内周部材の弾性材料の加硫成形時に同時に一体形成するので外周部材と内周部材との接着強度を高くすることができ、拡径時に分離することがない。また、外周部材の樹脂材料を内周部材の弾性材料の射出成形時に同時に一体形成するので、製造コストを小さく抑えることができる。
請求項10に記載のシールリングは、外周部材の切断部が一箇所であるので複合体にすることが容易である。
請求項11に記載のシールリングは、シール溝への装着が困難な直径100mm以上のシールリングでも装着性に優れる。
請求項12〜請求項14に記載のシールリングは、シール特性に優れるため、油圧装置用のシールリングに好適である。特に、上記シールリングが装着される内方部材が、ベルト式無段変速機の可動シーブを作動させる油圧室を可動シーブの背面側で形成する隔壁部材であり、上記外方部材が、上記隔壁部材の外周面と摺動する可動シーブの筒状部であるので、油圧作動油のシール性に優れる。また、特に上記シールリングが装着される内方部材が、ベルト式無段変速機の可動シーブであり、上記外方部材が、上記可動シーブを作動させる油圧室を可動シーブの背面側で形成する隔壁部材の筒状部である場合も、同様に油圧作動油のシール性に優れる。
本発明(請求項15)の無段変速機は、可動シーブが軸方向に移動可能にシャフトの外周に嵌合されているベルト式無段変速機であって、上記可動シーブを作動させる油圧室をシールする上記シールリングを用いるので、シールリングの装着性および油圧作動油のシール性に優れる。
(a)は本発明のシールリングの全体斜視図を、(b)は図1(a)の面Aで切断した断面図を、それぞれ示す図である。 本発明のベルト式無段変速機を示す断面図である。 図2のB部分の拡大断面図である。
以下、図面に基づき、この発明の実施形態を説明する。図1(a)はシールリングの全体斜視図を、図1(b)は図1(a)の面Aで切断した断面図を、それぞれ示す。面Aはシールリングを径方向に垂直に切断する面である。図1(a)、(b)に示すように、エンドレスタイプのシールリング1において、切断部2aを除く全体の断面形状は径方向の外側が長方形であり、径方向の内側が底辺3aを短辺とし、斜辺を3bとする等脚台形とされている。上記長方形部分である外周部材2と上記等脚台形部分である内周部材3とが一体に形成される。外周部材2は、軸方向に一箇所以上の切断部2aを有する。外周部材2は樹脂材料で形成され、内周部材3が弾性材料である合成ゴムまたはエラストマで形成される。
本発明のシールリングにおいて、外周部材に軸方向に設ける切断部は、シールリングの装着時に、シール溝の側壁を乗り越えさせる際のシールリングの拡径性能と、シールリングの底部をシール溝の底に接触させられる樹脂材料の縮径性能とを両立させる装着性を付与できるものであればよい。例えば、PTFE樹脂の場合、0〜1.0mm、好ましくは0〜0.5mmの切断幅であることが好ましい。
図2は、本発明のベルト式無段変速機を示す。図2に示すように、ベルト式無段変速機は、回転軸11の外周に一体に形成された固定シーブ12と、回転軸11の外周に摺動自在に装着された可動シーブ13とを有し、対向する固定シーブ12と可動シーブ13の間にV字状のプーリ溝14が形成されたものである。可動シーブ13の背面側で回転軸11に取り付けられた環状の隔壁部材15と可動シーブ13の間に形成された油圧室16に供給される作動油の油圧によって可動シーブ13が摺動し、プーリ溝14の幅が無段階で変化するようになっている。作動油は、回転軸11の軸芯部に設けられた軸方向油路11aから径方向油路11bを通して、油圧室16に供給される。本発明のシールリング1は、隔壁部材15の外径面に設けられたシール溝15aに装着され、可動シーブ13の先端から背面側へ延びる筒状部13aの内周面と摺接するようになっている。あるいは、図示しないが可動シーブの外径面に設けられたシール溝に装着され、隔壁部材の外周部に設けられた筒状部の内周面と摺接するようになっている。
図3は図2のB部分の拡大断面図である。図3に示すように、上記シール溝15aに装着されたシールリング1は、外周部材2の外周面のシール面が外方部材としての筒状部13aの内周面と密着し、一方の側面のシール面がシール溝15aの側壁と密着しており、上記内周部材3の内径面である底辺3aがシール溝15aの底と接触している。このシールリング1は、拡径に対する変形抵抗が大きい外周部材2に一箇所以上の切断部を有しているので、シールリングを拡径しても切断部2a(図1参照)が内周部材の弾性変形に追従できるので、直径100mm以上のシールリングであっても小さな力で容易にシール溝15aに装着することができる。
本発明のシールリングは、外周部材を樹脂材料で、内周部材を弾性材料で構成し、外周部材と内周部材とを一体に形成するとともに、外周部材に軸方向に一箇所以上の切断部を設けることを必須とする。シールリングをシール溝に装着させる時に要求される、シール溝を乗り越える際のシールリングの拡径性能と、シール溝の底に接触させる際の縮径性能とに対して、内周部材は弾性材料で構成されているので、拡径および縮径の際の弾性変形に追従でき、外周部材は内周部材に一体に形成され、軸方向に一箇所以上の切断部を設けられているので、拡径および縮径の際の内周部材の弾性変形に追従できる。このため、エンドレスタイプのシールリングを小さな力で容易にシール溝に装着することが可能となる。
本発明のシールリングは、油圧駆動装置において外方部材の内部を密封する内方部材の外径面に設けたシール溝に装着し、上記弾性材料で形成された内周部材が上記シール溝の底に接触させることが好ましい。弾性材料からなる内周部材をシール溝の底に接触させることで弾性材料の弾性力を利用しシールリングのシール面を外方部材の内部に密着することができ、油圧作動油のシール性を向上させることができる。
本発明に用いる樹脂材料はシール材料として公知のPEEK樹脂、PPS樹脂、フッ素樹脂等が使用できる。これらの中でシール溝15a(図2および図3参照)への装着時に拡径するため弾性変形率が大きいフッ素樹脂を用いることが好ましい。
本発明に用いることができるフッ素樹脂は、分子中にフッ素を含有するものであれば特に限定されず、PTFE樹脂、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体樹脂などを挙げることができる。これらの中で油圧作動油との耐油性に優れるPTFE樹脂を用いることが好ましい。
本発明のシールリングは、シールリングの内周部材を構成する上記弾性材料を合成ゴムまたはエラストマとすることが好ましい。合成ゴムまたはエラストマで形成することで、シール溝の側壁を乗り越えさせる際のシールリングの拡径性能と、シールリングの底部をシール溝の底に装着する際の縮径性能とに優れる。合成ゴムまたはエラストマとしては、油圧作動油の耐油性に優れる合成ゴムまたはエラストマであることがより好ましく、水素化ニトリルゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム等の耐油性ゴムが好ましい。アクリルゴムは優れた耐油性とゴム弾性力とを有するので特に好ましい。これら合成ゴムまたはエラストマのゴム硬度(JIS K6301)は、Hs70〜90であることが好ましい。Hs70より柔らかいと油圧に負けて変形する恐れがあり、Hs90より硬いとシール溝への組み込み性が低下する。
本発明のシールリングは、上記エラストマが熱可塑性エラストマであることが好ましい。熱可塑性エラストマを用いることで、射出成形、押出成形等による成形が可能となり、安価に量産できるため生産効率が向上する。
本発明のシールリングは、外周部材の樹脂材料を内周部材の弾性材料の成形時に同時に一体形成することが好ましい。一体形成することで、シール溝への組み込み性に優れ、2部材間の軸方向のズレが防止でき、また、個別に製造した両者を接着する等の一体化の作業が不要となる。一体形成については、例えば、予め射出成形して得られた外周部材を内周部材の成形用金型にインサートして内周部材を成形することができる。内周部材の弾性材料の成形は、(1)加硫成形時に同時に外周部材と一体形成するか、または(2)射出成形で同時に外周部材と一体形成することが好ましい。(1)加硫成形時に同時に外周部材と一体形成することで、外周部材の樹脂材料と内周部材の弾性材料とが加硫により強固に接着し、シールリング装着時の拡径、縮径にともなう外周部材と内周部材との分離を防ぐことができる。また、(2)射出成形で同時に外周部材と一体形成することで製造コストを低減することができる。
本発明のシールリングは、外周部材の切断部を一箇所とすることが好ましい。外周部材の切断部を一箇所とすることで、外周部材を一体のまま任意の位置に移動させることができるので、内周部材の成形用金型に容易にセットすることができ、内周部材との一体成形による複合体を容易に得ることができる。また、複数の切断部を有するよりシール性が優れる。
本発明のシールリングは、直径100mm以上のサイズにすることができる。シールリングの直径100mm以上のような大口径のシールリングの場合、シール溝の側壁も高くなる場合が多く、シール溝の側壁を乗り越えさせる際のシールリングの拡径性能およびシール溝の底に密着させる際の縮径性能に限界が生じやすく、シール溝へのシールリングの装着が困難となる。本発明のシールリングは直径100mm以上であっても、上述の外周部材が樹脂材料で、内周部材が弾性材料で形成され、外周部材と内周部材とが一体に形成されたエンドレスタイプのシールリングであるので、拡径性能および縮径性能に優れ、このような大口径のシールリングとした場合でも、容易にシール溝に装着させることができる。
本発明のシールリングは、上記シールリングが装着される内方部材が、ベルト式無段変速機の可動シーブを作動させる油圧室を可動シーブの背面側で形成する隔壁部材であり、上記外方部材が、上記隔壁部材の外周面と摺動する可動シーブの筒状部であることが好ましい。また、上記シールリングが装着される内方部材が、ベルト式無段変速機の可動シーブであり、上記外方部材が、可動シーブを作動させる油圧室を可動シーブの背面側で形成する隔壁部材の筒状部であることが好ましい。上記内方部材を隔壁部材または可動シーブとし、上記外方部材が可動シーブの筒状部または隔壁部材の筒状部とすることで、シールリングの摺動面全体で相手材と摺動することができるため、油圧作動油のシール性が向上する。
本発明の無段変速機は、可動シーブが軸方向に移動可能にシャフトの外周に嵌合されているベルト式無段変速機であって、外周部材を樹脂材料で、内周部材を弾性材料で構成し、外周部材と内周部材とを一体に形成するとともに、外周部材に軸方向に一箇所以上の切断部を設けた上述の本発明のシールリングを用いるものである。本発明のシールリングを用いることで、シールリングの装着性に優れ、油圧室の油圧作動油のシール性に優れる。
本発明のシールリングは、外周部材を樹脂材料で、内周部材を弾性材料で構成し、外周部材と内周部材とを一体に形成するとともに、外周部材に軸方向に一箇所以上の切断部を設けるので、小さな力で容易にシール溝に装着できるエンドレスタイプのシールリングおよびこのシールリングを用いた無段変速機に好適に利用できる。
1 シールリング
2 外周部材
3 内周部材
3a 底辺
11 回転軸
11a 軸方向油路
11b 径方向油路
12 固定シーブ
13 可動シーブ
13a 筒状部
14 プーリ溝
15 隔壁部材
15a シール溝
16 油圧室

Claims (15)

  1. 外周部材が樹脂材料で、内周部材が弾性材料で形成され、前記外周部材と前記内周部材とが一体に形成されたエンドレスタイプのシールリングにおいて、
    前記外周部材は、軸方向に一箇所以上の切断部を有することを特徴とするシールリング。
  2. 前記シールリングは、外方部材の内部を密封する内方部材の外径面に設けられたシール溝に装着され、前記弾性材料で形成された内周部材が前記シール溝の底に接触することを特徴とする請求項1記載のシールリング。
  3. 前記樹脂材料の主材料がフッ素樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2記載のシールリング。
  4. 前記フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン樹脂であることを特徴とする請求項3記載のシールリング。
  5. 前記弾性材料は合成ゴムまたはエラストマであることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載のシールリング。
  6. 前記エラストマは熱可塑性エラストマであることを特徴とする請求項5記載のシールリング。
  7. 前記シールリングは、前記外周部材の樹脂材料を前記内周部材の弾性材料の成形時に同時に一体形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項記載のシールリング。
  8. 前記シールリングは、前記外周部材の樹脂材料を前記内周部材の弾性材料の加硫成形時に同時に一体形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項、または請求項7記載のシールリング。
  9. 前記シールリングは、前記外周部材の樹脂材料を前記内周部材の弾性材料の射出成形時に同時に一体形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項、請求項6、または請求項7記載のシールリング。
  10. 前記外周部材の切断部は一箇所であることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項記載のシールリング。
  11. 前記シールリングは直径100mm以上のシールリングであることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか一項記載のシールリング。
  12. 前記シールリングは油圧装置用のシールリングであることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項記載のシールリング。
  13. 前記シールリングが装着される内方部材が、ベルト式無段変速機の可動シーブを作動させる油圧室を可動シーブの背面側で形成する隔壁部材であり、前記外方部材が、前記隔壁部材の外周面と摺動する可動シーブの筒状部であることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか一項記載のシールリング。
  14. 前記シールリングが装着される内方部材が、ベルト式無段変速機の可動シーブであり、前記外方部材が、前記可動シーブを作動させる油圧室を可動シーブの背面側で形成する隔壁部材の筒状部であることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか一項記載のシールリング。
  15. 可動シーブが軸方向に移動可能にシャフトの外周に嵌合されているベルト式無段変速機であって、
    前記可動シーブを作動させる油圧室をシールするシールリングが請求項1ないし請求項14のいずれか一項記載のシールリングであることを特徴とするベルト式無段変速機。
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