JP2010177508A - 積層セラミック電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】垂直性が高くかつテーパー率が高い貫通孔の形成が可能なため、形状が良好なビア導体を確実に形成できる積層セラミック電子部品の製造方法の提供。
【解決手段】本発明の積層セラミック電子部品101の製造方法では、レーザー加工工程により積層体220に貫通孔130を形成する。この工程では、レーザービーム250を反射及び集束させる光学系303を介して照射位置の制御を行う方式を採用する。光学系303を介して制御可能な加工エリアの最大幅を50mm以下とする。レーザービーム250の焦点距離を70mm以上、焦点深度を70μm以上、波長を2μm以上かつ20μm以下に設定する。レーザービーム250の照射方式をパルス方式とし、パルス幅を15μsec以上150μsec以下に設定する。特定の孔形成位置P1にn回にわけてレーザービームを照射するにあたり、特定の孔形成位置P2〜P5にn回の照射を連続的に行わない。
【選択図】図6

Description

本発明は、積層セラミック電子部品の製造方法に関するものである。
近年、各種電子機器の回路等には、積層セラミックコンデンサや積層セラミックインダクタ等の積層セラミック電子部品が用いられている。一般的に積層セラミック電子部品は、セラミック誘電体層表面に内部電極を形成したものを複数枚積層した構造(即ち多層構造)を有している。そしてこの多層構造の採用によって、例えば、積層セラミックコンデンサでは高い静電容量が確保できるようになっている。
このような積層セラミック電子部品の一種として、例えばビアアレイタイプの積層セラミックコンデンサがよく知られている。この種の積層セラミックコンデンサは、複数のビア導体を有している。これらのビア導体は、異なる層の内部電極どうしを導通させる役割を果たすものであって、全体としてアレイ状に配置された複数の貫通孔(ビアホール)内に形成されている。このようなビア導体用の貫通孔は、通常、セラミックグリーンシートに対するドリル加工により形成していたが、最近ではレーザービームの照射により加工を行う方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。即ち、特許文献1〜3においては、まず、焼結後に内部電極として機能する未焼結金属層を、焼結後に誘電体層として機能する未焼結セラミック層上に設けたグリーンシートを複数枚用意する。そして、各グリーンシートを積層一体化して積層体を作製し、この積層体に対してレーザービームを照射するレーザー加工工程を行って、複数の貫通孔を形成する。その後、複数の貫通孔内にニッケルや銀等を含む導電ペーストを充填してから焼成することで、所望とするセラミック積層セラミックコンデンサを得るようになっている。
特開2004−158571号公報 特開2004−165631号公報 特開2005−117004号公報
しかしながら、上記従来の積層セラミック電子部品の製造方法では、1枚1枚のセラミックグリーンシートごとにレーザー加工工程を行うのではなく、それら複数枚からなる積層体を作製したうえで一括してレーザー加工工程を行うため、必然的に加工対象物(ワーク)である積層体の厚さが厚くなる。それゆえ、レーザー加工工程を経て得られる貫通孔の垂直性が低くなりやすい。即ち、積層体の主面に対して貫通孔の中心軸線は垂直である(即ち90°の角度をなす)ことが通常望ましいが、この角度が90°からずれる結果、貫通孔の入射側開口部と出射側開口部との位置が平面方向にずれてしまう。
また、積層体に対する一括レーザー加工の場合、貫通孔のテーパー率(本明細書においては「(貫通孔におけるレーザー出射側開口部の径/貫通孔におけるレーザー入射側開口部の径)×100(%)」と定義する。)が高くなりやすくなる。即ち、一般的に貫通孔の両側の開口径は等しいことが望ましくこの場合にテーパー率が100%となるが、積層体の厚さが厚い場合、貫通孔におけるレーザー入射側開口部の径のほうがレーザー出射側開口部の径よりも大きくなり、貫通孔に生じるテーパーの度合が大きくなってしまう。
以上のように、従来の製造方法では、形状が良好なビア導体を形成することが困難であった。また、このようなビア導体の形成の困難さは、積層体の厚さが厚くなるほど顕著になる傾向があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、垂直性が高くかつテーパー率が高い貫通孔の形成が可能なため、形状が良好なビア導体を確実に形成することができる積層セラミック電子部品の製造方法を提供することにある。
そして上記課題を解決するための手段(手段1)としては、焼結後に内部電極として機能する未焼結金属層を焼結後に誘電体層として機能する未焼結セラミック層上に設けたグリーンシートを複数枚積層してなる積層体に対してレーザービームを照射し、前記積層体をその厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を形成するレーザー加工工程を含む積層セラミック電子部品の製造方法であって、前記レーザー加工工程では、 前記レーザービームを反射及び集束させる光学系を介して前記レーザービームの照射位置の制御を行う方式を採用するとともに、前記光学系を介して制御可能な加工エリアの最大幅を50mm以下とし、前記レーザービームの焦点距離を70mm以上、焦点深度を70μm以上、波長を2μm以上かつ20μm以下に設定し、前記レーザービームの照射方式をパルス方式とし、そのパルス幅を15μsec以上150μsec以下に設定し、特定の1つの孔形成位置に対してn回にわけて前記レーザービームを照射するにあたり、前記特定の1つの孔形成位置に対してn回の照射を連続的に行わず、n回の照射が完了するまでの間に他の孔形成位置に対する照射も含めるようにして加工を行うことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法、がある。
従って、手段1に記載の製造方法によると、レーザー加工工程における諸条件の適切化を図ったことにより、垂直性が高くかつテーパー率が高い貫通孔の形成が可能となり、形状が良好なビア導体を確実に形成することができるようになる。
本発明の製造方法により製造される積層セラミック電子部品としては、セラミック誘電体層間に内部電極が形成された構造を有するものであれば、特に限定されない。この種の積層セラミック電子部品の具体例としては、積層セラミックコンデンサ、積層セラミックインダクタ、積層セラミックコイル等が挙げられる。また、積層セラミックコンデンサである場合、全体としてアレイ状に配置された複数の貫通孔内に内部電極に接続する複数のビア導体を有するビアアレイタイプの積層セラミックコンデンサであってもよい。ちなみに、このタイプの積層セラミックコンデンサの利点は、インダクタンスの低減化が達成しやすくノイズ吸収や電圧安定化が可能となること、全体の小型化が達成しやすいこと、小さいわりに高静電容量が達成しやすいこと等である。
以下、手段1の積層セラミック電子部品の製造方法について説明する。
上記製造方法は、焼結後に内部電極として機能する未焼結金属層を焼結後に誘電体層として機能する未焼結セラミック層上に設けたグリーンシートを複数枚積層してなる積層体に対してレーザービームを照射し、前記積層体をその厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を形成するレーザー加工工程を含む。即ち、積層体の作製前にグリーンシートごとにレーザービームを照射するのではなく、積層体の作製後に一括してレーザービームを照射することを特徴としている。
未焼結セラミック層の焼結により得られるセラミック誘電体層の例としては、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ストロンチウムなどを主体とする焼結体層があり、これを選択した場合には静電容量の大きな積層セラミックコンデンサを実現しやすくなる。また、別の例としては、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ほう素、炭化珪素、窒化珪素などといった高温焼成セラミックを主体とする焼結体層があるほか、ホウケイ酸系ガラスやホウケイ酸鉛系ガラスにアルミナ等の無機セラミックフィラーを添加したガラスセラミックのような低温焼成セラミックを主体とする焼結体層がある。
未焼結金属層の焼結により得られる内部電極としては、特に限定されないが、いわゆるメタライズ導体であることが好ましい。なお、メタライズ導体は、金属粉末を含む導体ペーストを従来周知の手法、例えばメタライズ印刷法で塗布した後に焼成することにより、形成される。同時焼成法によってメタライズ導体及びセラミック誘電体層を形成する場合、メタライズ導体中の金属粉末は、セラミック誘電体層の焼成温度よりも高融点である必要がある。例えば、セラミック誘電体層がいわゆる高温焼成セラミック(例えばアルミナ等)からなる場合には、メタライズ導体中の金属粉末として、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)等やそれらの合金が選択可能である。セラミック誘電体層がいわゆる低温焼成セラミック(例えばガラスセラミック等)からなる場合には、メタライズ導体中の金属粉末として、銅(Cu)または銀(Ag)等やそれらの合金が選択可能である。
上記積層体は、未焼結金属層を未焼結セラミック層上に設けたグリーンシートを複数枚積層して一体化することで作製される。この場合、ニッケルを主体とする未焼結金属層を、チタン酸バリウムを主体とする未焼結セラミック層上に設けたグリーンシートを複数枚積層して一体化することで作製された積層体を用いてもよい。
レーザー加工工程では、レーザービームを反射及び集束させる光学系を介してレーザービームの照射位置の制御を行う方式を採用する。その理由としては、例えば加工対象物側を駆動してレーザービームの照射位置を変更する方式に比べて、高速化が期待でき、生産性の向上を達成しやすいからである。また、光学系を介して制御可能な加工エリアの最大幅を50mm以下とする。その理由としては、加工エリアが広くなりすぎた場合、照射位置がエリア中心から遠くなるほどビームが傾いてしまい、貫通孔の垂直性が低くなるからである。
レーザー加工工程では、レーザービームの焦点距離を70mm以上に設定するとともに、焦点深度を70μm以上に設定する。焦点距離及び焦点深度が小さすぎると、ワークである積層体の厚さが厚いような場合に、積層体の厚さ方向全体にわたって焦点を絞ることができなくなる。よって、垂直性が高くかつテーパー率が高い貫通孔の形成が困難になってしまう。
レーザー加工工程では、レーザービームの波長を2μm以上かつ20μm以下に設定する。波長が上記好適範囲の下限値よりも短いと、焦点径が小さくなるため、所望の加工径を得ようとすると長い加工時間が必要となる。よって、厚いワークに対して効率的に貫通孔を形成できなくなるおそれがある。また、波長が上記好適範囲の上限値よりも長いと、焦点径が大きくなりすぎて、所望の加工径を得ることができなくなるおそれがある。
レーザー加工工程では、レーザービームの照射方式をパルス方式とし、そのパルス幅を15μsec以上150μsec以下に設定する。レーザービームを連続的に照射する方式(例えばバースト方式)であると、ワークが熱の蓄積によるダメージを受けやすくなり、好ましくない。そして、この熱の蓄積は特にレーザー入射側において顕著なため、入射側の開口径が大きくなる結果、貫通孔のテーパー率が低くなる。また、パルス幅が長すぎると、やはり熱の蓄積によってワークがダメージを受けやすくなるとともに、テーパー率が低くなりやすくなる。逆にパルス幅が短すぎても、テーパー率が低くなりやすくなる。
レーザービームのパルス当たりのエネルギーは特に限定されず、所望とする加工径に応じて適宜設定可能であるが、例えば2mJ以上20mJ以下であることがよい。
ここで、レーザー加工工程にて使用するレーザー加工機は特に限定されず任意に選択可能であり、上記好適範囲のレーザービームの波長が得やすいという点で、炭酸ガスレーザー加工機が好ましい。
レーザー加工工程において複数の貫通孔を形成する場合、レーザービームの照射の態様としては、少なくとも特定の1つの孔形成位置に対して連続してレーザービームを照射して完全に孔を掘り抜いてしまうことは、行わないようにする。具体的には次のようにする。即ち、特定の1つの孔形成位置に対してn回にわけてレーザービームを照射するにあたり、前記特定の1つの孔形成位置に対してn回の照射を連続的に行わず、n回の照射が完了するまでの間に他の孔形成位置に対する照射も含めるようにして加工を行う。その理由は、レーザービームを連続的に照射する態様であると、加工部への熱の蓄積によりワークがダメージを受けやすくなり、テーパー率の向上の観点から好ましくないからである。より具体的には、特定の1つの孔形成位置に対してn回にわけてレーザービームを照射するにあたり、前記複数の孔形成位置に対して前記レーザービームをサイクリックに順次移動させながら照射して加工を行うことが好ましい。
また、レーザー加工工程では、前記積層体におけるレーザー入射側の表面に保護層を設けておき、その保護層を介して前記レーザービームを前記積層体に対して照射するようにしてもよい。先に述べたように、レーザー照射時には特にレーザー入射側の表面に熱が蓄積され、その結果レーザー入射側開口部が大径化して貫通孔の形状悪化を来しやすい。その点、保護層を設けるとともにそれを介してレーザービームを照射すれば、保護層に熱が蓄積される一方で積層体への熱の蓄積が抑制される。つまり、保護層により積層体が保護される結果、貫通孔の形状悪化を回避することができる。
本発明を具体化した一実施形態の積層セラミックコンデンサを示す概略断面図。 上記積層セラミックコンデンサを電源用内部電極がある位置で切断したときの概略平断面図。 上記積層セラミックコンデンサをグランド用内部電極がある位置で切断したときの概略平断面図。 上記積層セラミックコンデンサの製造方法において、レーザー加工工程前の積層体を示す概略断面図。 上記製造方法において、レーザー加工工程に使用するレーザー加工機を示す概略図。 上記製造方法において、レーザー加工工程時の積層体を示す概略断面図。 上記製造方法において、レーザー加工工程後の積層体を示す概略断面図。 上記製造方法において、熱保護シート剥離後の積層体を示す概略断面図。 上記製造方法において、導体ペースト充填後の積層体を示す概略断面図。 上記製造方法において、外部電極となる未焼結金属層形成後の積層体を示す概略断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態の積層セラミックコンデンサの製造方法を図1〜図10に基づき詳細に説明する。
図1に示されるように、本実施形態の積層セラミックコンデンサ101(積層セラミック電子部品)は、いわゆるビアアレイタイプの積層セラミックコンデンサである。積層セラミックコンデンサ101を構成するセラミック焼結体104は、主面102(図1では上面)、裏面103(図1では下面)及び側面106を有する平面視矩形状の板状物である。なお、ここでは積層セラミックコンデンサ101の寸法は、縦12.0mm×横12.0mm×厚さ0.8mmに設定されており、その四隅には面取り寸法0.55mm以上の面取りが施されている(図2,3参照)。
図1に示されるように、セラミック焼結体104は、セラミック誘電体層105を介して電源用内部電極141とグランド用内部電極142とを交互に積層配置した構造を有している。また、セラミック誘電体層105は、高誘電率セラミックの一種であるチタン酸バリウムの焼結体からなり、電源用内部電極141及びグランド用内部電極142間の誘電体(絶縁体)として機能する。電源用内部電極141及びグランド用内部電極142は、いずれもニッケルを主成分として形成された層であって、セラミック焼結体104の内部において一層おきに配置されている。なお、図1においては便宜上セラミック誘電体層105の積層数を7層としたが、実際にはさらに多い層(数十層から数百層)としてもよい。
図1〜図3に示されるように、セラミック焼結体104には、多数のビアホール130(貫通孔)が形成されている。これらのビアホール130は、セラミック焼結体104をその厚さ方向に貫通するとともに、セラミック焼結体104の全体にわたって格子状(アレイ状)に配置されている。各ビアホール130内には、セラミック焼結体104の主面102及び裏面103間を連通させる複数のコンデンサ内ビア導体131,132が、ニッケルを主材料として形成されている。なお本実施形態において、ビアホール130の直径は約100μmに設定されているため、コンデンサ内ビア導体131,132の直径も約100μmに設定されている。各電源用コンデンサ内ビア導体131は、各電源用内部電極141を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。各グランド用コンデンサ内ビア導体132は、各グランド用内部電極142を貫通しており、それら同士を互いに電気的に接続している。各電源用コンデンサ内ビア導体131及び各グランド用コンデンサ内ビア導体132は、全体としてアレイ状に配置されている。本実施形態では、説明の便宜上、コンデンサ内ビア導体131,132を5列×5列で図示したが、実際にはさらに多くの列が存在している。
セラミック焼結体104の主面102上には、複数の主面側電源用外部電極111と複数の主面側グランド用外部電極112とが設けられている。主面側電源用外部電極111は、複数の電源用コンデンサ内ビア導体131における主面102側の端面に対して直接接続されている。主面側グランド用外部電極112は、複数のグランド用コンデンサ内ビア導体132における主面102側の端面に対して直接接続されている。
また、セラミック焼結体104の裏面103上には、複数の裏面側電源用外部電極121と複数の裏面側グランド用外部電極122とが設けられている。裏面側電源用外部電極121は、複数の電源用コンデンサ内ビア導体131における裏面103側の端面に対して直接接続されている。裏面側グランド用外部電極122は、複数のグランド用コンデンサ内ビア導体132における裏面103側の端面に対して直接接続されている。よって、電源用外部電極111,121は電源用コンデンサ内ビア導体131及び電源用内部電極141に導通しており、グランド用外部電極112,122はグランド用コンデンサ内ビア導体132及びグランド用内部電極142に導通している。
各外部電極111,112,121,122は、メタライズ導体層と、そのメタライズ導体層を被覆するめっき層とからなっている。メタライズ導体層は、主面102及び裏面103の上に配置されるとともに、ニッケルを主材料として形成されている。めっき層は、ニッケルよりも導電性の高い銅からなり、メタライズ導体層の表面を全体的に被覆している。めっき層の表面は粗化されていてもよく、その表面の算術平均粗さRaは0.1μm〜1.0μmの間に設定されることがよい。
そして、マザーボード側から外部電極121,122を介して通電を行い、電源用内部電極141−グランド用内部電極142間に電圧を加えると、電源用内部電極141に例えばプラスの電荷が蓄積し、グランド用内部電極142に例えばマイナスの電荷が蓄積する。その結果、積層セラミックコンデンサ101がコンデンサとして機能する。また、積層セラミックコンデンサ101では、電源用コンデンサ内ビア導体131及びグランド用コンデンサ内ビア導体132がそれぞれ交互に隣接して配置され、かつ、電源用コンデンサ内ビア導体131及びグランド用コンデンサ内ビア導体132を流れる電流の方向が互いに逆向きになるように設定されている。
次に、本実施形態の積層セラミックコンデンサ101の製造方法について述べる。
まず、図示しない離型性のキャリアフィルム上に、チタン酸バリウム等を主成分とするセラミックスラリーを均一に塗布して乾燥させる。これにより、キャリアフィルム上に厚さ数μm(本実施形態では厚さ約5μm)の未焼結セラミック層205を形成する。そして、この未焼結セラミック層205上に、内部電極用ニッケルペーストをスクリーン印刷して乾燥させる。これにより、厚さ数μm(本実施形態では厚さ約2μm)の未焼結金属層241,242を設け、合計で厚さ約7μmのグリーンシート210とする。なお、グリーンシート210として、後に電源用内部電極141となる未焼結金属層241を備えるものと、後にグランド用内部電極142となる未焼結金属層242を備えるものの2種類を、それぞれ複数枚ずつ用意しておく。
次に、上記2種類のグリーンシート210を交互に積層配置するとともに、最外層にPET(ポリエチレンテレフタレート)製の熱保護シート215(保護層)を配置し、シート積層方向に所定の押圧力を付与することにより、各グリーンシート210及び熱保護シート215を仮圧着して積層体220を形成する(図4参照)。なお、図4の積層体220においてグリーンシート210の積層数は7層とされているが、実際上はグリーンシート210の積層数は数十層から数百層程度であり、熱保護シート215を含む積層体220全体の厚さは約1mmとなっている。また、積層体220の上端及び下端は、未焼結金属層241,242で挟まれるグリーンシート220より厚いグリーンシートでもよく、あるいは未焼結金属層241,242を塗布しないグリーンシートが複数積層されたグリーンシート積層部であってもよい。
次に、グリーンシート210を多数枚積層してなる積層体220に対してレーザービーム250を照射し、積層体220をその厚さ方向に貫通する複数のビアホール130を形成するレーザー加工工程を実施する。図5には、このようなレーザー加工工程に用いられるレーザー加工機301の概略構成が示されている。
このレーザー加工機301は、いわゆる従来公知の炭酸ガスレーザー加工機であり、パルス発振によってレーザービーム250を出力する発振器302と、出力されたレーザービーム250を反射及び集束する光学系303(具体的にはミラー304,305及びレンズ306)と、集束後のレーザービーム250が照射される位置に配置されたテーブル307と、上記の発振器302、光学系303、テーブル307の動作を制御する制御装置308とを備える。制御装置308は、光学系303に対して制御信号を発することによりレーザービーム250の照射位置を制御する。また、制御装置308の入力側には、発振器302、光学系303、テーブル307の動作内容を設定する設定部309が接続されている。発振器302から出力されたレーザービーム250は、ミラー304によって水平方向に反射され、更にミラー305によって垂直方向に反射された後、レンズ306を通過し、テーブル307上に配置された積層体220に照射されるようになっている。
本実施形態においては、制御装置308からの制御信号に基づいてミラー304の角度の変更やテーブル307の移動により、積層体220上の異なる位置にレーザービーム250を照射することを可能としている。このほかにも、勿論、制御装置308からの制御信号に基づいて光学系303を移動させることにより、レーザービーム250の積層体220に対する照射位置を変更することとしても差し支えない。
なお、積層体220に対するレーザービーム250の照射条件は、設定部309における設定内容に応じて適宜変更することができる。このような照射条件として、本実施形態では、光学系303を介して制御可能な加工エリアの最大幅を50mm以下とし、レーザービーム250の焦点距離を70mm以上、焦点深度を70μm以上、波長を2μm以上かつ20μm以下に設定し、レーザービーム250の照射方式をパルス方式とし、そのパルス幅を15μsec以上150μsec以下に設定し、レーザービーム250のパルス当たりのエネルギーを2mJ以上20mJ以下に設定している。
そして、上記のレーザー加工機301は、積層体220の主面にほぼ垂直な方向に沿ってレーザービーム250を照射する。この照射により、レーザービーム250上に位置する箇所が溶融し、そのビーム通過軌跡の周囲に積層体220を厚さ方向に貫通するビアホール130が貫通形成される(図7参照)。
積層体220における異なる複数の孔形成位置P1,P2,P3,P4,P5にビアホール130を形成する手法として、本実施形態では、いわゆるサイクル加工方式を採用している。サイクル加工方式とは、図6にて概略的に示すように、各孔形成位置P1〜P5に順次レーザービーム250を照射する工程を何回か繰り返し、各孔形成位置P1〜P5における穴を徐々に掘り進みながら、最終的に全ての孔形成位置P1〜P5を貫通させる手法のことをいう。従ってこの手法においては、特定の1つの孔形成位置(例えばP1)に対してn回にわけてレーザービーム250を照射するにあたり、前記特定の1つの孔形成位置(例えばP1)に対してn回の照射を連続的に行わず、n回の照射が完了するまでの間に他の孔形成位置(例えばP2〜P5)に対する照射が行われることになる。なお、厚さ約1mmの積層体220をワークとした本実施形態の場合、レーザービーム250の1孔あたりの照射回数n(即ち1孔あたりのショット数n)を25以上に設定している。積層体220を貫通させるためには、この程度のショット数nが必要とされるからである。
レーザー加工工程の完了後、積層体220の表面の熱保護シート215を剥離する(図8参照)。
この後、図示しないペースト圧入充填装置を用いて、ビア導体用ニッケルペーストを各ビアホール130内に充填することで、未焼結ビア導体231,232を形成する(図9参照)。続いて、ビア導体用ニッケルペーストが各ビアホール130内に充填された積層体220を加熱及び加圧して各グリーンシート210を本圧着することにより、各グリーンシート210を互いに密着させる。次に、積層体220の主面上に電極用ニッケルペーストを印刷し、積層体220の主面側にて各未焼結ビア導体231,232の上端面を覆うように、未焼結導体層211,212をそれぞれ形成する。また、積層体220の裏面上に電極用ニッケルペーストを印刷し、積層体220の裏面側にて各未焼結ビア導体231,232の下端面を覆うように、未焼結導体層221,222をそれぞれ形成する(図10参照)。
この後、積層体220の乾燥後、脱脂を行い、さらに所定温度で所定時間焼成を行う。その結果、チタン酸バリウム及びペースト中のニッケルが同時焼結し、セラミック焼結体104となる。さらに、得られたセラミック焼結体104がその主面及び裏面に有する各メタライズ導体層に対して電解銅めっき(厚さ15μm)を形成することで、外部電極111,112,121,122とする。その結果、図1に示す構造の積層セラミックコンデンサ101が完成する。
以下、本実施形態をより具体化した実施例をいくつか挙げて説明する。
[実施例1]焦点距離及び焦点深度の検討
実施例1では、図5の炭酸ガスレーザー加工機301を用いて積層体220(厚さ1mm)に対するレーザー加工工程を行うにあたり、焦点距離(mm)及び焦点深度(μm)を変更して検討を行った。その一方で、レーザー照射に関する他のパラメータについては共通とした。具体的には、パルス方式をサイクル方式とし、レーザービーム250のパルス幅を100μsecとし、パルスあたりのエネルギーを8mJとし、波長を約10μmとした。また、光学系303を介して制御可能な加工エリアの最大幅を50mmとし、加工穴の径を120μmとした。そして、この加工によって得られたビアホール130のテーパー率(%)を調査した結果を表1に示す。
Figure 2010177508
表1の結果から明らかなように、焦点距離を60mm、焦点深度を60μmに設定した試験区では、積層体220の厚さ方向全体にわたって焦点を絞ることができなかった。ゆえに、テーパー率が37.6%となり、かなり低い値を示した。そのため、当該試験区では、テーパー率が高いビアホール130を形成することができなかった。これに対して、焦点距離を80mm、焦点深度を80μm以上に設定した3つの試験区では、いずれも積層体220の厚さ方向全体にわたって焦点を絞ることができ、85.2%以上という高いテーパー率を達成することができた。よって、これら3試験区では、テーパー率が高いビアホール130を形成することができ、ストレート性の高い良好な形状のビアホール130(及びビア導体131,132)を得ることが可能であった。
[実施例2]レーザー波長の検討
実施例2では、図5の炭酸ガスレーザー加工機301を用いて積層体220(厚さ1mm)に対するレーザー加工工程を行うにあたり、レーザービーム250の波長(μm)を変更して検討を行った。なお、パルス方式をサイクル方式とし、レーザービーム250のパルス幅を100μsecとし、焦点距離を60mm、焦点深度を60μmとし、光学系303を介して制御可能な加工エリアの最大幅を50mmとし、加工穴の径を120μmとした。また、形成すべきビアホール130の数を3000穴とした。そして、3000穴のビアホール130を貫通形成するのに要する時間(sec)を測定した結果を表2に示す。
ちなみに、波長を0.355μmとした試験区では、繰り返し周波数を30kHzとし、パルスあたりのエネルギーを4Wとし、ビーム走査速度を150mm/sとした。波長を1.06μmに設定した試験区では、繰り返し周波数を4kHzとし、パルスあたりのエネルギーを3mJとした。波長を10.6μmに設定した試験区では、パルスあたりのエネルギーを8mJとした。
Figure 2010177508
表2の結果から明らかなように、波長を比較的短くした試験区(即ち0.355μm、1.06μmとした試験区)では、焦点径が120μmよりも小さくなるため、所望の加工径を得ようとすると長い加工時間(300sec、250sec)が必要になることがわかった。ゆえに、厚さ1mmの積層体220に対して効率よくビアホール130を形成することができなかった。これに対し、波長を比較的長くした試験区(即ち10.6μmとした試験区)では、焦点径が適度な大きさになることから、加工時間が120secでよいことがわかった。よって、厚さ1mmの積層体220に対して効率よくビアホール130を形成することが可能であった。
[実施例3]パルス幅の検討
実施例3では、図5の炭酸ガスレーザー加工機301を用いて積層体220(厚さ1mm)に対するレーザー加工工程を行うにあたり、レーザービーム250のパルス幅(μsec)を変更して検討を行った。なお、パルス方式をサイクル方式とし、波長を10.6μmとし、レーザービーム250のパルス幅を100μsecとし、焦点距離を100mm、焦点深度を100μmとし、光学系303を介して制御可能な加工エリアの最大幅を50mmとし、加工穴の径を120μmとした。また、パルス幅が短い試験区ではショット数nを多く設定し、パルス幅が長い試験区ではショット数nを少なく設定した。そして、この加工によって得られたビアホール130のテーパー率(%)を調査した結果を表3に示す。
Figure 2010177508
表3の結果から明らかなように、パルス幅を最も短く設定した試験区(10μsecとした試験区)では、テーパー率が57.1%となって、良好な形状のビアホール130を形成することができなかった。また、パルス幅を最も長く設定した試験区(200μsecとした試験区)では、テーパー率が79.3%となって、やはり良好な形状のビアホール130を形成することができなかった。特に後者においては、熱の蓄積によって積層体220がダメージを受けたことが、テーパー率低減の原因であると考えられた。これらに対して、パルス幅を20μsec、30μsec、50μsec、100μsec、150μsecに設定した試験区では、積層体220の受ける熱ダメージを確実に少なくすることができ、テーパー率を86.6%以上の高い値にすることができた。よって、良好な形状のビアホール130を形成することが可能であった。また、パルス幅を50μsec〜100μsecに設定した試験区の結果が特に良好であった。
[実施例4]レーザービーム250の照射方式の検討
実施例4では、図5の炭酸ガスレーザー加工機301を用いて積層体220(厚さ1mm)に対するレーザー加工工程を行うにあたり、レーザービーム250の照射方式としてサイクル方式あるいはバースト方式を採用した試験区を設定し、両者の比較検討を行った。なお、レーザービーム250の波長を10.6μmとし、パルス幅を100μsecとし、パルスあたりのエネルギーを8mJとし、ショット数nを30とし、焦点距離を100mm、焦点深度を100μmとし、光学系303を介して制御可能な加工エリアの最大幅を50mmとし、加工穴の径を120μmとした。照射間隔については、サイクル方式では0.1secとし、バースト方式では0.002sec(即ちバーストパルス周波数500Hz)とした。そして、この加工によって得られたビアホール130のテーパー率(%)を調査した結果を表4に示す。
Figure 2010177508
表4の結果から明らかなように、1つの孔形成位置に対して連続的に照射を行うバースト方式では、熱の蓄積により積層体220がダメージを受けやすくなるため、テーパー率が80.6%という低い値となった。また、このような熱の蓄積によるダメージだけでなく、レーザー入射側開口部が大径化しやすい傾向があった。よって、良好な形状のビアホール130を形成することが困難であった。これに対して、1つの孔形成位置に対して非連続的に照射を行うサイクル方式では、積層体220に熱が蓄積しにくいことから、テーパー率が96.7%となり、良好な形状のビアホール130を形成することが可能であった。
[実施例5]加工エリアの最大幅の検討
実施例5では、図5の炭酸ガスレーザー加工機301を用いて積層体220(厚さ1mm)に対するレーザー加工工程を行うにあたり、加工エリアの中心からの距離(mm)を変更して検討を行った。ちなみに、当該距離が大きくなるほど、加工エリアの最大幅が大きくなる。なお、パルス方式としてはサイクル方式とし、レーザービーム250の波長を10.6μmとし、パルス幅を100μsecとし、パルスあたりのエネルギーを8mJとし、ショット数nを30とし、焦点距離を100mm、焦点深度を100μmとし、加工穴の径を120μmとした。そして、この加工によって得られたビアホール130について、レーザービーム250の入射位置と出射位置との位置ずれ量(μm)を調査した結果を表5に示す。
Figure 2010177508
表5の結果から明らかなように、加工エリアの中心からの距離が大きくなるほど、位置ずれ量が大きくなることがわかった。よって、位置ずれ量を例えば30μm未満に抑えたいのであれば、加工エリアの中心からの距離を30μmよりも小さくすること(例えば、加工エリアの最大幅を60μmよりも小さく(望ましくは50μm以下に)すること)がよいことがわかった。
[結論]
従って、本実施形態の積層セラミックコンデンサ101の製造方法では、上記各実施例にて示したように、レーザー加工工程における諸条件の適切化を図っている。その結果、ワークである積層体220が比較的厚いものであるにもかかわらず、その積層体220に対して、垂直性が高くかつテーパー率が高いビアホール130を形成することが可能である。ゆえに、このようにして得られたビアホール130に導電材料を充填することを行えば、形状が良好なビア導体131,132を確実に形成することができる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、熱保護シート215の剥離前にビア導体用ニッケルペーストの充填を行っているが、これを剥離後に行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、積層体220の仮圧着後にレーザー加工工程を行っているが、これを本圧着後に行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、保護層としてPET製の熱保護シート215を使用したが、これに限定されず、例えばPET以外の合成樹脂材料からなる熱保護シートを用いてもよい。また、保護層は必ずしもシート状部材でなくてもよく、例えば液状の合成樹脂等を塗布することで形成してもよい。さらに、保護層は積層体220の両面に設けられてもよいほか、必要でなければ省略されてもよい。
・上記実施形態では、積層セラミックコンデンサ101の主面及び裏面を貫通するビア導体131,132を形成したが、非貫通状態のビア導体を形成してもよい。より具体的にいうと、貫通するビアホール130を形成してペースト充填を行った積層体220に対し、ビアホール130を形成していない表層カバー用グリーンシートを積層して焼成することにより、非貫通状態のビア導体を備える積層セラミックコンデンサとすることもできる。
・上記実施形態では、外部電極111,112,121,122となるべき未焼結導体層を積層体220に形成したうえで焼成を行う、いわゆる同時焼成法を採用したが、積層体220の焼成後に外部電極111,112,121,122となるべき未焼結導体層を形成したうえで再度焼成を行う、いわゆる二次焼成法を採用してもよい。
・上記実施形態では、図5に示すような構造の光学系303を備えるレーザー加工機301を用いたが、これとは異なる構造、方式の光学系を備えるレーザー加工機を用いてもよい。
次に、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)焼結後に内部電極として機能する未焼結金属層を焼結後に誘電体層として機能する未焼結セラミック層上に設けたグリーンシートを複数枚積層してなる積層体に対してレーザービームを照射し、前記積層体をその厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を形成するレーザー加工工程を含む積層セラミック電子部品の製造方法であって、前記レーザー加工工程では、前記レーザービームを反射及び集束させる光学系を介して前記レーザービームの照射位置の制御を行う方式を採用するとともに、前記光学系を介して制御可能な加工エリアの最大幅を50mm以下とし、前記レーザービームの焦点距離を70mm以上、焦点深度を70μm以上、波長を2μm以上かつ20μm以下に設定し、前記レーザービームの照射方式をパルス方式とし、そのパルス幅を15μsec以上150μsec以下に設定し、特定の1つの孔形成位置に対してn回にわけて前記レーザービームを照射するにあたり、前記特定の1つの孔形成位置に対してn回の照射を連続的に行わず、n回の照射が完了するまでの間に他の孔形成位置に対する照射も含めるようにして加工を行うとともに、前記レーザー加工工程の後に前記積層体の前記貫通孔に対して導電材料を充填する充填工程を行い、次いで前記充填工程の後に前記積層体上に貫通孔を形成していない表層カバー用グリーンシートを積層する積層工程を行った後、前記積層体及び前記表層カバー用グリーンシートを焼成する焼成工程を行うことで、非貫通状態のビア導体を備える積層セラミック電子部品を得ることを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
101…積層セラミック電子部品としての積層セラミックコンデンサ
105…誘電体層としてのセラミック誘電体層
130…貫通孔としてのビアホール
131,132…ビア導体
141,142…内部電極
205…未焼結セラミック層
210…グリーンシート
215…保護層としての熱保護シート
220…積層体
241,242…未焼結金属層
250…レーザービーム
301…炭酸ガスレーザー加工機
303…光学系
P1〜P5…孔形成位置

Claims (6)

  1. 焼結後に内部電極として機能する未焼結金属層を焼結後に誘電体層として機能する未焼結セラミック層上に設けたグリーンシートを複数枚積層してなる積層体に対してレーザービームを照射し、前記積層体をその厚さ方向に貫通する複数の貫通孔を形成するレーザー加工工程を含む積層セラミック電子部品の製造方法であって、
    前記レーザー加工工程では、
    前記レーザービームを反射及び集束させる光学系を介して前記レーザービームの照射位置の制御を行う方式を採用するとともに、前記光学系を介して制御可能な加工エリアの最大幅を50mm以下とし、
    前記レーザービームの焦点距離を70mm以上、焦点深度を70μm以上、波長を2μm以上かつ20μm以下に設定し、
    前記レーザービームの照射方式をパルス方式とし、そのパルス幅を15μsec以上150μsec以下に設定し、
    特定の1つの孔形成位置に対してn回にわけて前記レーザービームを照射するにあたり、前記特定の1つの孔形成位置に対してn回の照射を連続的に行わず、n回の照射が完了するまでの間に他の孔形成位置に対する照射も含めるようにして加工を行う
    ことを特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
  2. 特定の1つの孔形成位置に対してn回にわけて前記レーザービームを照射するにあたり、前記複数の孔形成位置に対して前記レーザービームをサイクリックに順次移動させながら照射して加工を行うことを特徴とする請求項1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  3. 前記レーザービームのパルス当たりのエネルギーが2mJ以上20mJ以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  4. 炭酸ガスレーザー加工機を用いて前記レーザー加工工程を行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 前記レーザー加工工程では、前記積層体におけるレーザー入射側の表面に保護層を設けておき、その保護層を介して前記レーザービームを前記積層体に対して照射することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 前記積層セラミック電子部品は、全体としてアレイ状に配置された前記複数の貫通孔内に前記内部電極に接続する複数のビア導体を有するビアアレイタイプの積層セラミックコンデンサであり、前記グリーンシートは、ニッケルを主体とする前記未焼結金属層を、チタン酸バリウムを主体とする前記未焼結セラミック層上に設けたものであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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