WO2023152918A1 - パッケージの製造方法 - Google Patents

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孝友 緒方
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    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/46Manufacturing multilayer circuits

Abstract

基板配線部(200)が設けられたセラミック基板部(110)が、基板グリーン体(GS)として形成される。セラミック枠部(120)が、キャビティ(CV)を囲む枠形状を有する枠状グリーンシート(GF)として形成される。基板グリーン体(GS)上に枠状グリーンシート(GF)が積層される。レーザー加工を施すことによって枠状グリーンシート(GF)に、基板配線部(200)を貫通することなく基板配線部(200)に到達するビア孔(VH)が形成される。枠状グリーンシート(GF)のビア孔(VH)内にビア電極(510)が、電極グリーン体(G510)として形成される。基板グリーン体(GS)と、枠状グリーンシート(GF)と、電極グリーン体(G510)とが焼成される。

Description

パッケージの製造方法
 本発明は、パッケージの製造方法に関し、特に、ビア電極が設けられたセラミック枠部を有するパッケージの製造方法に関するものである。
 セラミックグリーンシートを用いて製造されるセラミック部品として、水晶振動子用のパッケージが知られている。一般的な水晶振動子は、水晶ブランクと、水晶ブランクが収められるキャビティを有するパッケージと、キャビティを封止するための蓋とを有している。パッケージは、キャビティの底面をなす基板部と、キャビティを囲む枠部と、この枠部上に設けられたメタライズ層とを有している。メタライズ層に蓋が接合材(典型的には、ろう材)を用いて接合される。
 パッケージの枠部上のメタライズ層は、通常、接地電位用の電極パッドに電気的に短絡されている。この電気的経路は、典型的には、枠部を貫通するビア電極を介して確保される。しかしながら、パッケージの小型化の進展にともなって枠部の材料幅(枠部の内壁面と外壁面との間の寸法)が小さくなってきており、これに対応しての微細なビア電極を形成することが困難となってきている。具体的には、微細なビア電極用の微細なビア孔を、焼成されることによって枠部となるグリーンシートに形成することが、困難となってきている。ビア孔の典型的な形成方法として、ピン形状を有する金型が用いられる場合、ビア孔を微細化するためにピン形状を微細化すると、ピンの機械的強度が不足しやすい。よって、金型加工では、ビア孔が微細になるにつれて、量産における加工効率を確保することが難しくなってきている。
 たとえば特開2007-27592号公報(特許文献1)に開示された技術によれば、ビア電極に代わって、枠部の内壁面上に、略三日月状の形状を有するキャスタレーション電極が設けられている。しかしながら、上記公報の技術のようにビア電極に代わってキャスタレーション電極がキャビティの側壁に設けられている場合、ろう材を用いての蓋の接合工程において、ろう材がキャビティ中へキャスタレーション電極に沿って流れ込みやすい。流れ込んだろう材と水晶ブランクとが接触することによって、水晶振動子の性能に悪影響が生じることがある。なお、ろう材の流れ込みによる機械的特性への悪影響は、パッケージに実装される素子が水晶ブランクの場合に特に懸念されるが、水晶ブランクに限らず他の圧電素子の場合にも生じることがある。さらに、圧電素子に限らず他の電子部品にとっても、たとえば意図しない短絡のような、電気的特性への悪影響が懸念される。
 特開2009-234074号公報(特許文献2)は、ビア孔としての微小な貫通孔を、セラミックグリーンシートに、レーザー加工技術によって形成する方法が開示されている。具体的には、厚みが250μm以下のセラミックグリーンシートに、直径30μm乃至50μmの貫通孔が、紫外線レーザーを用いて形成される。このようなレーザー加工が、前述した金型加工に代わって用いられることによって、小型パッケージの量産におけるビア孔の加工効率を確保することができる。
特開2007-27592号公報 特開2009-234074号公報
 上記のようにレーザー加工を用いることによってビア孔の加工効率は高めることができるものの、ビア孔の加工位置精度を確保する方法については、これまで十分に検討されていなかった。ビア孔の加工位置精度は、パッケージの小型化の進展にともなって、より一層、高めることが求められている。ビア孔の位置精度として、第1に、キャビティに対しての位置精度が求められる。位置ずれが過大な場合、ビア孔を囲む枠部の寸法が過小になることがあり、また極端な場合、ビア孔の加工が枠体から外れて行われてしまうことに起因しての不良が発生することがある。ビア孔の位置精度として、第2に、基板部上に設けられた配線部に対しての位置精度が求められる。なぜならば、ビア孔の中に設けられることなるビア電極の目的は、基板部上の配線部との電気的接続を得ることだからである。以上のように、ビア孔は、パッケージにおける位置精度、具体的にはキャビティおよび配線部の各々に対する位置精度、を有する必要がある。
 本発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、パッケージにおけるビア孔の位置精度を高めることができる、パッケージの製造方法を提供することである。
 一の態様に従うパッケージの製造方法は、電子部品を収めるためのキャビティが設けられたパッケージの製造方法である。前記パッケージは、セラミック基板部と、前記セラミック基板部に設けられた基板配線部と、前記基板配線部が設けられた前記セラミック基板部上に配置され前記キャビティを囲むセラミック枠部と、前記セラミック枠部に設けられ前記基板配線部に到達するビア電極とを含む。前記製造方法は、前記基板配線部が設けられた前記セラミック基板部を、基板グリーン体として形成する工程と、前記セラミック枠部を、前記キャビティを囲む枠形状を有する枠状グリーンシートとして形成する工程と、前記基板グリーン体上に前記枠状グリーンシートを積層する工程と、レーザー加工を施すことによって前記枠状グリーンシートに、前記基板配線部を貫通することなく前記基板配線部に到達するビア孔を形成する工程と、前記枠状グリーンシートの前記ビア孔内に前記ビア電極を、電極グリーン体として形成する工程と、前記基板グリーン体と、前記枠状グリーンシートと、前記電極グリーン体とを焼成する工程と、を含む。
 前記ビア孔を形成する工程は、前記枠状グリーンシートの前記キャビティの位置を認識する工程と、前記枠状グリーンシートの前記キャビティの位置を認識する工程によって認識された位置を基準として、前記レーザー加工が施されることになる位置を定める工程と、を含んでよい。
 レーザー光の加工レート比を、前記枠状グリーンシートにおける前記セラミック枠部の材料にとっての加工レートに対する、前記基板グリーン体における前記基板配線部の材料にとっての加工レートの比と定義する。前記ビア孔を形成する工程は、第1加工レート比のレーザー光を照射することによって前記枠状グリーンシートの前記ビア孔を部分的に形成する工程と、第2加工レート比のレーザー光を照射することによって前記枠状グリーンシートの前記ビア孔を前記基板配線部に到達させる工程と、を含んでよい。前記第2加工レート比は前記第1加工レート比よりも低い。
 前記ビア孔を形成する工程は、前記枠状グリーンシートへパルスレーザー光を第1パルスエネルギーで照射することによって、前記枠状グリーンシートの前記ビア孔を部分的に形成する工程と、前記枠状グリーンシートへパルスレーザー光を第2パルスエネルギーで照射することによって、前記枠状グリーンシートの前記ビア孔を前記基板配線部に到達させる工程と、を含んでよい。前記第2パルスエネルギーは前記第1パルスエネルギーよりも低い。前記第1パルスエネルギーは1mJ以上40mJ以下であってよく、前記第2パルスエネルギーは10μJ以上200μJ以下であってよい。
 前記ビア孔を形成する工程は、第1波長のレーザー光を照射することによって、前記枠状グリーンシートの前記ビア孔を部分的に形成する工程と、第2波長のレーザー光を照射することによって、前記枠状グリーンシートの前記ビア孔を前記基板配線部に到達させる工程と、を含んでよい。前記第2波長は前記第1波長よりも短い。前記第1波長は9.4μm以上10.7μm以下であってよく、かつ、前記第2波長は343nm以上1064nm以下であってよい。
 他の態様に従うパッケージの製造方法は、電子部品を収めるためのキャビティが設けられたパッケージの製造方法である。前記パッケージは、セラミック基板部と、前記セラミック基板部に設けられた基板配線部と、前記基板配線部が設けられた前記セラミック基板部上に配置され前記キャビティを囲むセラミック枠部と、前記セラミック枠部に設けられ前記基板配線部に到達するビア電極とを含む。前記製造方法は、前記基板配線部が設けられた前記セラミック基板部を、基板グリーン体として形成する工程と、前記セラミック枠部を、前記キャビティを囲む枠形状を有する枠状グリーンシートとして形成する工程と、前記基板グリーン体上に前記枠状グリーンシートを積層する工程と、前記枠状グリーンシートへCOレーザー光を照射することによって、後にビア孔となる凹部を前記枠状グリーンシートに形成する工程と、前記枠状グリーンシートへCOレーザー光を照射することによって前記凹部を形成する工程の後に、前記凹部へ固体レーザー光を照射することによって、前記基板配線部を貫通することなく前記基板配線部に到達する前記ビア孔を前記枠状グリーンシートに形成する工程と、を含む。前記固体レーザー光の波長は前記COレーザー光の波長よりも短くてよい。
 一の態様によれば、基板配線部が設けられたセラミック基板部上においてキャビティを囲む枠状グリーンシートに、ビア孔が形成される。これにより、キャビティの位置を基準として、ビア孔を形成することができる。よって、パッケージにおけるビア孔の位置精度を高めることができる。
 他の態様によれば、ビア孔へと拡張されることになる凹部を、COレーザー光を用いることによって効率的に形成することができる。その後、凹部をビア孔へと拡張するために固体レーザー光を用いることによって、ビア孔の形成を、基板配線部を貫通することなく基板配線部上で精度よく停止させやすくなる。以上から、十分な製造効率と十分な製造歩留まりとを両立させることができる。
 この発明の目的、特徴、局面、および利点は、以下の詳細な説明と添付図面とによって、より明白となる。
実施の形態1における水晶振動子の構成を概略的に示す平面図である。 図1の線II-IIに沿う概略的な断面図である。 図1の水晶振動子の製造方法の一工程を概略的に示す平面図である。 図3の線IV-IVに沿う概略的な断面図である。 本発明の一実施の形態1におけるパッケージの構成を概略的に示す平面図である。 図5の線VI-VIに沿う概略的な断面図である。 図5におけるメタライズ層とビア電極が設けられたセラミック枠部との図示を省略した平面図である。 図7における基板部および基板ビア電極を、パッケージ電極パッドを破線で示しつつ、概略的に示す平面図である。 図5におけるセラミック枠部上のメタライズ層の図示を省略した平面図である。 図9の線X-Xに沿う概略的な部分断面図である。 実施の形態1におけるパッケージの製造方法を概略的に示すフロー図である。 実施の形態1におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す平面図である。 図12における基板部および基板ビア電極を、パッケージ電極パッドを破線で示しつつ、概略的に示す平面図である。 図12および図13の線XIV-XIVに沿う概略的な部分断面図である。 実施の形態1におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 実施の形態1におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 実施の形態1におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 実施の形態1におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 実施の形態1におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 実施の形態1におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 実施の形態1におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 第1の比較例におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 第1の比較例におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 第1の比較例におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 第1の比較例におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 第2の比較例におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。 第2の比較例におけるパッケージの構成を概略的に示す部分断面図である。
 以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
 <実施の形態1>
 図1は、本実施の形態1における水晶振動子900の構成を概略的に示す平面図である。図2は、図1の線II-IIに沿う概略的な断面図である。図3は、水晶振動子900(図1)の製造方法における、水晶ブランク890(電子部品)が実装された直後の構成を概略的に示す平面図である。図4は、図3の線IV-IVに沿う概略的な断面図である。
 水晶振動子900は、パッケージ701と、水晶ブランク890と、ろう材960と、蓋980とを有している。パッケージ701にはキャビティCVが設けられている。水晶ブランク890は、キャビティCV内に収められており、パッケージ701の素子電極パッド211および素子電極パッド212の上に実装されている。蓋980は、ろう材960によってパッケージ701のメタライズ層600に接合されており、これによりキャビティCVが封止されている。ろう材960は、典型的には、金を含む合金からなることが好ましく、たとえば、金およびスズを含む合金、言い換えればAu-Sn系合金、からなる。蓋980は、金属からなり、例えば、鉄およびニッケルを含む合金からなる。なお本明細書において、合金は金属の一種とみなす。
 メタライズ層600は、例えば、モリブデンおよびタングステンの少なくともいずれかを含む金属からなる。メタライズ層600の表面(ろう材960に面する面)には、めっき層が設けられていてよく、典型的には金めっき層が設けられている。また金めっき層の下地としてニッケルめっき層が設けられていてよい。本実施の形態においては、パッケージ701のセラミック枠部120の枠上面SF1上に直接設けられたメタライズ層600と、蓋980との間が、ろう材960のみによって接合されている。
 図5は、パッケージ701の構成を概略的に示す平面図である。図6は、図5の線VI-VIに沿う概略的な断面図である。パッケージ701は、セラミック部100と、素子電極パッド211と、素子電極パッド212と、パッケージ電極パッド301~304とを有している。また詳しくは後述するが、パッケージ701は、セラミック部100に設けられた、電気的配線のための構成を有している。
 セラミック部100は、セラミックからなり、好ましくは酸化物を主成分として有しており、より好ましくはアルミナを主成分として有しており、例えば実質的にアルミナからなる。セラミック部100は、セラミック基板部110と、セラミック枠部120とを含む。セラミック基板部110の材料と、セラミック枠部120の材料とは、同じであってよい。セラミック枠部120は厚み方向(図6における縦方向)においてセラミック基板部110に積層されている。これにより、セラミック枠部120は、セラミック基板部110上に配置されており、キャビティCVを囲んでいる。セラミック枠部120は、枠上面SF1(第1面)と、枠下面SF2(厚み方向において第1面と反対の第2面)とを有している。またセラミック枠部120は、枠上面SF1と枠下面SF2とを互いにつなぐ内壁面を有しており、当該内壁面はキャビティCVの側壁である。セラミック基板部110は基板上面SF3(第3面)を有している。基板上面SF3は、セラミック枠部120の枠下面SF2を支持する支持面部分SF3Sと、キャビティCVに面するキャビティ面部分SF3Cとを有している。キャビティ面部分SF3CはキャビティCVの底面をなしている。
 素子電極パッド211および素子電極パッド212(図5)はキャビティCVに面してセラミック部100(図6)に配置されている。具体的には、素子電極パッド211および素子電極パッド212は、セラミック基板部110(図6)の基板上面SF3のキャビティ面部分SF3C上に配置されている。パッケージ電極パッド301~304(図5)はキャビティCV外においてセラミック部100(図6)に配置されている。具体的には、パッケージ電極パッド301~304は、セラミック基板部110(図6)の下面(基板上面SF3とは反対の面)上に配置されている。
 中継電極220(図5)は、セラミック基板部110(図6)の基板上面SF3上に設けられている。中継電極220は、少なくとも部分的に支持面部分SF3S(図6)上に配置されている。よって、中継電極220(図5)は、少なくとも部分的にセラミック枠部120に覆われている。中継電極220はさらに、セラミック枠部120には覆われずにキャビティCVの底面に配置された部分を有していてよい。言い換えれば、中継電極220はセラミック枠部120に部分的にのみ覆われていてよい。
 図7は、図5におけるメタライズ層600と、ビア電極510(図9参照)が設けられたセラミック枠部120と、の図示を省略した平面図である。図8は、図7におけるセラミック基板部110および基板ビア電極411~414を、パッケージ電極パッド301~304を破線で示しつつ、概略的に示す平面図である。
 セラミック部100のセラミック基板部110にはその上面近傍において配線層401~403が埋め込まれている。配線層401は素子電極パッド211に接触しており、配線層402は素子電極パッド212に接触しており、配線層403は中継電極220に接触している。これらの接触を阻害しない範囲で配線層401~403は、セラミック基板部110の一部としての絶縁膜110i(図10参照)に被覆されていてよく、特に素子電極パッド211と配線層403との間は、絶縁膜110iによって絶縁されている。配線層403および中継電極220によって基板配線部200が構成されている。基板配線部200はセラミック基板部110に設けられている。
 パッケージ701は、セラミック部100のセラミック基板部110中に埋め込まれた基板ビア電極411~414を有している。基板ビア電極411は配線層402とパッケージ電極パッド301とを互いに接続している。基板ビア電極412は配線層403とパッケージ電極パッド302とを互いに接続している。基板ビア電極413は配線層401とパッケージ電極パッド303とを互いに接続している。基板ビア電極414は配線層403とパッケージ電極パッド304とを互いに接続している。
 以上の構成から、素子電極パッド211はパッケージ電極パッド303に電気的に接続されており、素子電極パッド212はパッケージ電極パッド301に電気的に接続されており、中継電極220はパッケージ電極パッド302およびパッケージ電極パッド304に電気的に接続されている。
 図9は、図5におけるメタライズ層600の図示を省略した平面図である。図10は、図5および図7~図9の各々の線X-Xに沿う概略的な部分断面図である。
 セラミック枠部120の内壁面(図9においてキャビティCVに面する面)と外壁面SF4(内壁面と反対の面)との間の最小寸法は、200μm以下であってよく、典型的には20μm以上110μm以下である。
 前述したように、配線層403および中継電極220によって、セラミック基板部110の基板上面SF3上に基板配線部200が構成されている。また、前述したようにセラミック基板部110がその一部として絶縁膜110i(図10)を有している。
 なお変形例として、絶縁膜110iはパッケージの設計によっては省略されてよい。また基板配線部200は、配線層403および中継電極220のいずれか一方のみによって構成されてよい。例えば、基板配線部200は、中継電極220が省略されつつ配線層403を有していてよく、その場合において、配線層403と絶縁膜110iとの境界位置(図10における配線層403の右端位置)が支持面部分SF3S上の中継電極220の端位置(図10における中継電極220の右端位置)へずらされてよく、中継電極220は省略されてよい。またキャビティCVに面している絶縁膜110iの端は、セラミック枠部120に達するように変形されてよく、その場合、基板配線部200は絶縁膜110iによってキャビティCVから隔てられてよい。また、基板配線部200は、典型的には図10に示されているように支持面部分SF3Sとキャビティ面部分SF3Cとにまたがっているが、変形例として、支持面部分SF3S上にのみ配置されていてよい。また基板配線部200は、本実施の形態においてはセラミック枠部120の枠下面SF2の外縁(図10においては、枠下面SF2の右端)から離れた端を有しているが、この端は外縁に達していてよい。
 パッケージ701は、セラミック枠部120に設けられたビア電極510を有している。ビア電極510は枠上面SF1と枠下面SF2との間でセラミック枠部120を貫通している。ビア電極510は、枠上面SF1で端面SFAを有しており、また枠下面SF2で底面SFBを有している。ビア電極510の端面SFAの直径は50μm以下であってよい。これに比してビア電極510の底面SFBの直径は小さくてよい。平面視において、端面SFAの中心位置と、底面SFBの中心位置とは、おおよそ同じであってよい。端面SFAおよび底面SFBの形状は、おおよそ円形形状であるが、これら形状は幾何学的に厳密な円形状から、何らかの理由(例えば製造誤差)に起因して若干異なっていてもよい。その場合、直径は円形形状で近似することによって算出されてよい。ビア電極510の厚み(図10における縦方向の寸法)は、例えば、50μm以上250μm以下である。
 ビア電極510は、基板配線部200に到達しており、具体的には中継電極220に到達している。前述したように、中継電極220は配線層403に接触しており、配線層403(図7)には基板ビア電極412および基板ビア電極414が接続されている。よって基板ビア電極412および基板ビア電極414は、ビア電極510に電気的に接続されている。さらに、ビア電極510の端面SFAは、メタライズ層600に接している。よってメタライズ層600は、図8を参照して、基板ビア電極412および基板ビア電極414のそれぞれを介して、パッケージ電極パッド302およびパッケージ電極パッド304に電気的に接続されている。
 図11は、本実施の形態1におけるパッケージ701の製造方法を概略的に示すフロー図である。図12は実施の形態1におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す平面図であり、図13は図12における基板部および基板ビア電極を、パッケージ電極パッドを破線で示しつつ、概略的に示す平面図であり、図14は図12および図13の線XIV-XIVに沿う概略的な部分断面図である。図15~図21は、実施の形態1におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。
 図12~図14を参照して、ステップST100(図11)にて、基板配線部200が設けられたセラミック基板部110が、基板グリーン体GSとして形成される。なお本明細書において、「グリーン体」は、焼成されることによってセラミック体となる構成のことを意味する。グリーン体は、典型的には粉末成形体である。粉末成形およびハンドリングを容易とするために、グリーン体は、主成分に加えて、ガラス成分と有機成分とを、添加物として含んでよい。有機成分は、例えば、ポリビニルブチラールまたはアクリルを含んでいてよい。グリーン体の成形方法は任意であるが、例えばドクターブレード法により、グリーン体としてのグリーンシートが形成される。このグリーンシート上にさらなるグリーン体が付加されてよく、この付加は、典型的には、当該グリーンシート上での印刷、または、他のグリーンシートの積層によって行われる。当該印刷は、典型的にはスクリーン印刷法によって行われる。焼成されることによってセラミック部100となるグリーン体の主成分は、例えばアルミナ粉末であってよい。焼成されることによって基板配線部200およびビア電極510となるグリーン体の主成分は、例えば、タングステン(W)粉末、モリブデン(Mo)粉末、W粉末とMo粉末との混合粉末、または、W-Mo合金粉末であってよい。
 具体的には、まず、セラミック基板部110となるグリーンシートが形成される。このグリーンシートに対して、パンチ加工によるビア孔の形成と、当該ビア孔中への電極ペーストの印刷とが行われることによって、基板ビア電極411~414となるグリーン体が形成される。電極ペースト中には、例えば、タングステンおよびモリブデンの少なくともいずれかの粉末が分散されている。続いて、このグリーンシートに対して電極ペーストの印刷が行われることによって、配線層401~403となるグリーン体が形成される。続いて、このグリーンシートに対してセラミックペーストの印刷が行われることによって、絶縁膜110iとなるグリーン体が形成される。続いて、このグリーンシートに対して電極ペーストの印刷が行われることによって、素子電極パッド211,212、および中継電極220となるグリーン体が形成される。また、上記のように基板ビア電極411~414となるグリーン体が形成された後の任意のタイミングで、このグリーンシートに対して電極ペーストの印刷が行われることによって、パッケージ電極パッド301~304となるグリーン体が形成される。
 図15および図16を参照して、ステップST200(図11)にて、セラミック枠部120が、キャビティCVを囲む枠形状を有する枠状グリーンシートGFとして形成される。具体的には、まず、図15に示されているように、セラミック枠部120となるグリーンシートが形成される。次に、図16に示されているように、パンチ加工によってキャビティCVが形成される。なお、ステップST100およびステップST200(図11)の順番は任意である。
 図17を参照して、ステップST300(図11)にて、基板グリーン体GS(図14参照)上に枠状グリーンシートGF(図16参照)が積層される。
 図18および図19を参照して、ステップST400(図11)にて、レーザー加工を施すことによって枠状グリーンシートGFに、基板配線部200を貫通することなく基板配線部200に到達するビア孔VHが形成される。ここで、基板配線部200の厚みは、例えば、5μm以上20μ以下である。またビア孔VHの厚みは、例えば、50μm以上250μm以下である。
 レーザー加工を行うためのシステムであるレーザー加工システムは、レーザー光が照射されることになるワークを支持するテーブルと、所望のレーザー光をワークへと照射するレーザー装置と、当該テーブルおよびレーザー装置を制御する制御部と、を含む。
 レーザー装置は、レーザー発振器と、コリメータレンズと、マスクと、ベントミラーと、スキャンヘッドと、テーブルと、カメラと、を含む。レーザー発振器は、例えばCOレーザー発振器であり、レーザー光を生成する。生成されたレーザー光はコリメータレンズによってコリメートされる。コリメートされた光は、マスクを通過することによって、ビーム幅が調整されたレーザービームとされる。レーザービームは、必要に応じて、ベントミラーによってその進行方向が調整されてよい。レーザービームが供されたスキャンヘッドは、テーブルに支持されたワーク上の所望の位置へレーザービームを集光する。この位置を制御するために、スキャンヘッドは、レーザービームが照射される位置をテーブルに平行な2次元における任意の位置へ調整可能とするためのガルバノスキャナを有していてよい。またスキャンヘッドは、レーザービームを集光するために、ガルバノスキャナとワークとの間に集光レンズを有していてよい。
 制御部は、電気回路を有する一般的なコンピュータによって構成されていてよい。一般的なコンピュータは、中央演算処理装置(central processing unit、すなわち、CPU)、リードオンリーメモリー(read only memory、すなわち、ROM)、ランダムアクセスメモリー(random access memory、すなわち、RAM)、記憶装置、入力部、表示部および通信部と、これらを相互に接続するバスラインとを有している。
 本実施の形態においては、上記ステップST400は、以下のステップST411,ST412,ST421,ST422を含む。
 ステップST411(図11)にて、枠状グリーンシートGFのキャビティCVの位置が認識される。具体的には、レーザー加工システムはそのカメラを用いて枠状グリーンシートGFのキャビティCVの位置を認識する。この認識は、通常の画像認識技術を用いて行われてよい。
 ステップST412(図11)にて、ステップST411(図11)によって認識された位置を基準として、レーザー加工が施されることになる位置が定められる。例えば、レーザー加工システムの制御部は、認識された位置から、予め定められた相対的位置を、レーザー加工が施されることになる位置と定める。
 ステップST421およびステップST422(図11)にて、異なる特性を有するレーザー光を用いての2段階でのレーザー加工が行われる。本明細書において、レーザー光の「加工レート比」を、枠状グリーンシートGFにおけるセラミック枠部120の材料にとっての加工レートに対する、基板グリーン体GSにおける基板配線部200の材料にとっての加工レートの比と定義する。なお加工レートは、加工によって形成される孔の深さが伸展する程度によって評価されてよい。
 上記ステップST421(図11)にて、第1加工レート比のレーザー光を照射することによって、枠状グリーンシートGFのビア孔VH(図19参照)が部分的に形成される。言い換えれば、図18に示されているように、枠状グリーンシートGFに非貫通孔VHp(凹部)が形成される。非貫通孔VHp(図18)は、未完成のビア孔VH(図19)である。言い換えれば、非貫通孔VHpは、後に、延長されることによってビア孔VHとなるものである。具体的には、非貫通孔VHp(図18)は、セラミック枠部120を完全には貫通しておらず、よって非貫通孔VHpの底面SHpと基板配線部200との間に、さらに除去される必要のあるセラミック枠部120が残っている。
 上記ステップST422(図11)にて、非貫通孔VHp(図18)へ第2加工レート比のレーザー光を照射することによって、図19に示されているように、枠状グリーンシートGFのビア孔VHが、基板配線部200を貫通することなく基板配線部200に到達させられる。よって、ビア孔VHの底面SHは、基板配線部200上に位置している。このステップST422において、基板配線部200が若干除去されてもよいが、上述したように、ビア孔VHは基板配線部200を貫通はしない。
 上記ステップST422で用いられる第2加工レート比は、上記ステップST421で用いられた第1加工レート比よりも低い。例えば、第2加工レート比は、第1加工レート比の0.1%以上10%以下である。加工レート比を決定する要因の第1の例は、レーザー光の強度である。なぜならば、強度が低くされると、枠状グリーンシートGFにおけるセラミック枠部120の材料にとっての加工レートの低下に比して、基板グリーン体GSにおける基板配線部200の材料にとっての加工レートの低下が顕著となりやすいからである。この理由は、基板グリーン体GSにおける基板配線部200の材料が、一般に反射率の高い材料である金属材料を多く含むからである。反射率が高いことによってレーザー光による昇温効果が元々抑制されている状態でレーザー光の強度が低くされると、加工を高速で進行させるには温度が足りなくなりやすいからである。このように、レーザー加工における加工レート比は、反射率の影響を強く受けるという特徴があり、この特徴を利用して加工レート比を調整することができる。第2の例は、レーザー光の波長である。なぜならば、材料に依存して、レーザー光の吸収率が相違するからである。これらの例については、後述の実施の形態2および3において、より詳しく説明する。
 さらに図20を参照して、ステップST500(図11)にて、枠状グリーンシートGFのビア孔VH(図19)内に、ビア電極510(図10参照)が電極グリーン体G510として形成される。電極グリーン体G510は、焼成されることによってビア電極510(図10参照)となるグリーン体である。電極グリーン体G510は、電極ペーストがスクリーン印刷によってビア孔VH中へ充填されることによって形成されてよい。
 図21を参照して、メタライズ層(図10参照)が、メタライズグリーン体G600として形成される。メタライズグリーン体G600は、焼成されることによってメタライズ層600(図10参照)となるグリーン体である。メタライズグリーン体G600は、電極ペーストの塗布によって形成され、当該塗布は、例えばスクリーン印刷法によって行われる。
 ステップST600(図11)にて、基板グリーン体GSと、枠状グリーンシートGFと、電極グリーン体G510と、メタライズグリーン体G600とが焼成される。なお必要に応じて、焼成後に、めっき処理が行われてよい。以上により、パッケージ701(図10)が得られる。
 なお、上記図12~図21を参照しての説明においては、説明を単純化するために、1つのパッケージを製造する方法について説明した。一方で、効率的な量産のために、複数のパッケージが面内方向において互いにつながった構成を有する焼結体が形成された後、当該焼結体を分割することによって複数のパッケージを得ることは、周知技術であり、それが本実施の形態へ適用されてよい。その場合、パッケージ701の外壁面SF4は、焼成後の分割工程によって形成されてよい。
 図22~図25は、第1の比較例における枠状グリーンシートGFcの形成方法を示す部分断面図である。図22を参照して、キャビティCV(図16参照)が形成される前にビア孔VHが形成される。さらに図23を参照して、ビア孔VH(図22)内に、ビア電極510(図10参照)が電極グリーン体G510として形成される。図24を参照して、メタライズ層(図10参照)が、メタライズグリーン体G600として形成される。図25を参照して、次に、キャビティCVが形成される。このとき、メタライズグリーン体G600の不要部分が除去される。以上により、枠状グリーンシートGFcが形成される。この枠状グリーンシートGFc(図25)が基板グリーン体GS(図14参照)上に積層される。これにより、本実施の形態1における図21と同様の構成が得られる。しかしながら本比較例においては、ビア孔VHを形成する際に、キャビティCVの位置を基準とすることができない。その結果、キャビティCVおよび基板配線部200の各々に対するビア孔VHの位置精度を十分に確保しにくい。
 図26は、第2の比較例におけるパッケージの製造方法の一工程を概略的に示す部分断面図である。本比較例においては、レーザー加工の結果として、本実施の形態1における図19に示された構成とは異なり、ビア孔VHtの底面STtが基板配線部200を貫通する。その後の工程は、本実施の形態1における製造方法と同じである。図27は、本比較例におけるパッケージ701tの構成を概略的に示す部分断面図である。上記レーザー加工に起因して、本比較例におけるビア電極510tは基板配線部200を貫通しており、その結果、ビア電極510tの底面SFBは、基板配線部200よりも深く(図中、下方に)位置している。本比較例における焼成工程においては、図27において矢印で示されているように、基板配線部200がビア電極510tから引けやすい。なぜならば、基板配線部200の熱膨張係数の方が、その周囲の絶縁セラミック部分(典型的にはアルミナセラミック部分)の熱膨張係数に比して低いからである。この引けによって断線部BKが生じると、ビア電極510tと基板配線部200との間の電気的接続に不良が生じる。
 本実施の形態によれば、図19に示されているように、基板配線部200が設けられたセラミック基板部110上においてキャビティCVを囲む枠状グリーンシートGFに、ビア孔VHが形成される。これにより、キャビティCVの位置を基準として、ビア孔VHを形成することができる。よって、パッケージ701におけるビア孔VHの位置精度を高めることができる。
 また、ビア孔VHが形成される際に、ステップST411(図11)にてキャビティCVの位置が認識され、ステップST412(図11)にて、そのように認識された位置を基準として、レーザー加工が施されることになる位置が定められる。これにより、キャビティCVとビア孔VHとの相対位置の精度を高めることができる。また、この相対位置の確保のために認識される構成が、比較的大きな寸法を有する構成であるキャビティCVであることによって、当該認識(典型的には画像認識)を容易に行うことができる。なお、ビア孔VHと基板配線部200との相対位置の精度は、基板グリーン体GS(図14)と枠状グリーンシートGF(図16)との積層工程において、キャビティCVの位置と基板配線部200の位置(またはそれに対応する位置)とが参照されることによってこれらの相対位置の精度が確保されることにより、通常は十分に確保される。ただし、ビア孔VHと基板配線部200との相対位置の精度が特に求められる場合は、キャビティCVの位置の認識(ステップST411)に加えて、基板配線部200の位置(またはそれに対応する位置)も認識された後、これら両方の位置を基準として、ビア孔VHのレーザー加工が行われてよい。
 また、第1加工レート比のレーザー光を用いての図18に示された状態へのレーザー加工(図11:ステップST421)と、第2加工レート比のレーザー光を用いての図19に示された状態へのレーザー加工(図11:ステップST422)と、が行われる。これにより、第1加工レート比のレーザー光を用いて、ビア孔VHの一部となる非貫通孔VHp(図18)の形成を効率的に進行させることができる。そしてその後、第2加工レート比のレーザー光を用いることによって、ビア孔VH(図19)の形成を、基板配線部200を貫通することなく基板配線部200上で精度よく停止させやすくなる。よって、十分な製造効率と十分な製造歩留まりとを両立させることができる。
 <実施の形態2>
 本実施の形態2においては、図18の構成に至るステップST411(図11)として、枠状グリーンシートGFへパルスレーザー光を第1パルスエネルギーで照射することによって、枠状グリーンシートGFの非貫通孔VHpが形成される。言い換えれば、枠状グリーンシートGFのビア孔VH(図19)が部分的に形成される。そして、図19の構成に至るステップST412(図11)として、枠状グリーンシートGFへパルスレーザー光を第2パルスエネルギーで照射することによって、枠状グリーンシートGFのビア孔VHが基板配線部200に到達させられる。第2パルスエネルギーは第1パルスエネルギーよりも低い。具体的には、第1パルスエネルギーは1mJ以上40mJ以下であってよく、第2パルスエネルギーは10μJ以上200μJ以下であってよい。なお本実施の形態2の、これら特徴以外については、前述した実施の形態1とほぼ同様であるため、その説明を繰り返さない。
 本実施の形態によれば、第1パルスエネルギーのレーザー光を用いての図18に示された状態へのレーザー加工(図11:ステップST421)と、第2パルスエネルギーのレーザー光を用いての図19に示された状態へのレーザー加工(図11:ステップST422)と、が行われる。これにより、第1パルスエネルギーのレーザー光を用いて、十分に深い非貫通孔VHp(図18)を少ないパルス数で効率的に形成した後、第2パルスエネルギーのレーザー光を用いることによって、ビア孔VHの底面SH(図19)を、基板配線部200を貫通することなく基板配線部200上で精度よく停止させやすくなる。よって、十分な製造効率と十分な製造歩留まりとを両立させることができる。また、総パルス数が過多となることを避けることによって、ビア孔VHの肩部分の形状が過度に丸みを帯びることが避けられる。
 <実施の形態3>
 本実施の形態3においては、図18の構成に至るステップST411(図11)として、第1波長のレーザー光を照射することによって、枠状グリーンシートGFの非貫通孔VHpが形成される。言い換えれば、枠状グリーンシートGFのビア孔VH(図19)が部分的に形成される。そして、図19の構成に至るステップST412(図11)として、第2波長のレーザー光を照射することによって、枠状グリーンシートGFのビア孔VHが基板配線部200に到達させられる。第2波長は第1波長よりも短い。具体的には、第1波長は9.4μm以上10.7μm以下であってよく、かつ、第2波長は343nm以上1064nm以下であってよい。
 第1波長のレーザー光はCOレーザー光であってよく、かつ第2波長のレーザー光は固体レーザー光であってよい。固体レーザー光の波長はCOレーザー光の波長よりも短い。なお、固体レーザー光は、第2波長のレーザー光を生成するレーザー発振器によって直接生成されてよく、あるいは、第2波長よりも長い波長を生成する固体レーザー発振器からのレーザー光を波長変換することによって間接的に生成されてよい。
 なお本実施の形態3の、これら特徴以外については、前述した実施の形態1とほぼ同様であるため、その説明を繰り返さない。本実施の形態によっても、前述した実施の形態2とおおよそ同様の効果が得られる。また本実施の形態によれば、ビア孔VHへと拡張されることになる非貫通孔VHpを、COレーザー光を用いることによって効率的に形成することができる。その後、非貫通孔VHpをビア孔VHへと拡張するために固体レーザー光を用いることによって、ビア孔VHの形成を、基板配線部200を貫通することなく基板配線部200上で精度よく停止させやすくなる。以上から、十分な製造効率と十分な製造歩留まりとを両立させることができる。
 以上、本発明の実施の形態1~3およびその変形例について説明した。これら実施の形態および変形例は、互いに矛盾しない限り、互いに自由に組み合わされてよい。例えば、レーザー加工用のレーザー光について、実施の形態2で説明されているようにパルスエネルギーが調整され、かつ、実施の形態3で説明されているように波長が調整されてよい。
 110    :セラミック基板部
 110i   :絶縁膜
 120    :セラミック枠部
 200    :基板配線部
 211,212:素子電極パッド
 220    :中継電極
 301~304:パッケージ電極パッド
 401~403:配線層
 411~414:基板ビア電極
 510    :ビア電極
 600    :メタライズ層
 701    :パッケージ
 890    :水晶ブランク(電子部品)
 960    :ろう材
 980    :蓋
 CV     :キャビティ
 G510   :電極グリーン体
 G600   :メタライズグリーン体
 GF     :枠状グリーンシート
 GS     :基板グリーン体
 VH     :ビア孔

Claims (9)

  1.  電子部品(890)を収めるためのキャビティ(CV)が設けられたパッケージ(701)の製造方法であって、前記パッケージ(701)は、セラミック基板部(110)と、前記セラミック基板部(110)に設けられた基板配線部(200)と、前記基板配線部(200)が設けられた前記セラミック基板部(110)上に配置され前記キャビティ(CV)を囲むセラミック枠部(120)と、前記セラミック枠部(120)に設けられ前記基板配線部(200)に到達するビア電極(510)とを含み、前記製造方法は、
     前記基板配線部(200)が設けられた前記セラミック基板部(110)を、基板グリーン体(GS)として形成する工程と、
     前記セラミック枠部(120)を、前記キャビティ(CV)を囲む枠形状を有する枠状グリーンシート(GF)として形成する工程と、
     前記基板グリーン体(GS)上に前記枠状グリーンシート(GF)を積層する工程と、
     レーザー加工を施すことによって前記枠状グリーンシート(GF)に、前記基板配線部(200)を貫通することなく前記基板配線部(200)に到達するビア孔(VH)を形成する工程と、
     前記枠状グリーンシート(GF)の前記ビア孔(VH)内に前記ビア電極(510)を、電極グリーン体(G510)として形成する工程と、
     前記基板グリーン体(GS)と、前記枠状グリーンシート(GF)と、前記電極グリーン体(G510)とを焼成する工程と、
    を備える、パッケージ(701)の製造方法。
  2.  前記ビア孔(VH)を形成する工程は、
      前記枠状グリーンシート(GF)の前記キャビティ(CV)の位置を認識する工程と、
      前記枠状グリーンシート(GF)の前記キャビティ(CV)の位置を認識する工程によって認識された位置を基準として、前記レーザー加工が施されることになる位置を定める工程と、
    を含む、請求項1に記載のパッケージ(701)の製造方法。
  3.  レーザー光の加工レート比を、前記枠状グリーンシート(GF)における前記セラミック枠部(120)の材料にとっての加工レートに対する、前記基板グリーン体(GS)における前記基板配線部(110)の材料にとっての加工レートの比と定義して、
     前記ビア孔(VH)を形成する工程は、
      第1加工レート比のレーザー光を照射することによって前記枠状グリーンシート(GF)の前記ビア孔(VH)を部分的に形成する工程と、
      第2加工レート比のレーザー光を照射することによって前記枠状グリーンシート(GF)の前記ビア孔(VH)を前記基板配線部(200)に到達させる工程と、
    を含み、前記第2加工レート比は前記第1加工レート比よりも低い、請求項1または2に記載のパッケージ(701)の製造方法。
  4.  前記ビア孔(VH)を形成する工程は、
      前記枠状グリーンシート(GF)へパルスレーザー光を第1パルスエネルギーで照射することによって、前記枠状グリーンシート(GF)の前記ビア孔(VH)を部分的に形成する工程と、
      前記枠状グリーンシート(GF)へパルスレーザー光を第2パルスエネルギーで照射することによって、前記枠状グリーンシート(GF)の前記ビア孔(VH)を前記基板配線部(200)に到達させる工程と、
    を含み、前記第2パルスエネルギーは前記第1パルスエネルギーよりも低い、請求項1または2に記載のパッケージ(701)の製造方法。
  5.  前記第1パルスエネルギーは1mJ以上40mJ以下であり、前記第2パルスエネルギーは10μJ以上200μJ以下である、請求項4に記載のパッケージ(701)の製造方法。
  6.  前記ビア孔(VH)を形成する工程は、
      第1波長のレーザー光を照射することによって、前記枠状グリーンシート(GF)の前記ビア孔(VH)を部分的に形成する工程と、
      第2波長のレーザー光を照射することによって、前記枠状グリーンシート(GF)の前記ビア孔(VH)を前記基板配線部(200)に到達させる工程と、
    を含み、前記第2波長は前記第1波長よりも短い、請求項1または2に記載のパッケージ(701)の製造方法。
  7.  前記第1波長は9.4μm以上10.7μm以下であり、かつ、前記第2波長は343nm以上1064nm以下である、請求項6に記載のパッケージ(701)の製造方法。
  8.  電子部品(890)を収めるためのキャビティ(CV)が設けられたパッケージ(701)の製造方法であって、前記パッケージ(701)は、セラミック基板部(110)と、前記セラミック基板部(110)に設けられた基板配線部(200)と、前記基板配線部(200)が設けられた前記セラミック基板部(110)上に配置され前記キャビティ(CV)を囲むセラミック枠部(120)と、前記セラミック枠部(120)に設けられ前記基板配線部(200)に到達するビア電極(510)とを含み、前記製造方法は、
     前記基板配線部(200)が設けられた前記セラミック基板部(110)を、基板グリーン体(GS)として形成する工程と、
     前記セラミック枠部(120)を、前記キャビティ(CV)を囲む枠形状を有する枠状グリーンシート(GF)として形成する工程と、
     前記基板グリーン体(GS)上に前記枠状グリーンシート(GF)を積層する工程と、
     前記枠状グリーンシート(GF)へCOレーザー光を照射することによって、後にビア孔(VH)となる凹部(VHp)を前記枠状グリーンシート(GF)に形成する工程と、
     前記枠状グリーンシート(GF)へCOレーザー光を照射することによって前記凹部(VHp)を形成する工程の後に、前記凹部(VHp)へ固体レーザー光を照射することによって、前記基板配線部(200)を貫通することなく前記基板配線部(200)に到達する前記ビア孔(VH)を前記枠状グリーンシート(GF)に形成する工程と、
     前記枠状グリーンシート(GF)の前記ビア孔(VH)内に前記ビア電極(510)を、電極グリーン体(G510)として形成する工程と、
     前記基板グリーン体(GS)と、前記枠状グリーンシート(GF)と、前記電極グリーン体(G510)とを焼成する工程と、
    を備える、パッケージ(701)の製造方法。
  9.  前記固体レーザー光の波長は前記COレーザー光の波長よりも短い、請求項8に記載のパッケージ(701)の製造方法。
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