JP2010171368A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャップ部とセンサ部との接合不良や導通不良が起こらないようにすることができる構造を備えた半導体装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】Alの第2配線層25の上にGeの導体層60を形成し、該導体層60を第2配線層25とセンサ部10の配線層14とで挟んだ状態で加熱する。これにより、導体層60を溶かして第2配線層25の一部と導体層60とを共晶合金化させると共に、配線層14と導体層60とを共晶合金化させる。溶けた導体層60は、第2配線層25の表面の凹凸および配線層14の表面の凹凸を埋めると共に、第2配線層25の表面と導体層60との間の空間、および配線層14の表面と導体層60との間の空間が無くなるように両者を共晶接合するので、第2配線層25と配線層14との接合面積の低下を抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ICやLSIの集積回路、可動部をもった半導体力学量センサ(加速度センサ、角速度センサ(ジャイロセンサ)等)、MEMS発振器をキャップにて保護した半導体装置およびその製造方法に関するものであり、特に、加速度センサや角速度センサ(ジャイロセンサ)に適用すると好適である。
従来より、可動部等が形成されたデバイス層の上下に下面基板と上面基板とが接合され、デバイス層の可動部等が両基板により密封された慣性力センサが提案されている(例えば、特許文献1参照)。上面基板は可動部等を覆うキャップとして機能し、可動部への水や異物の混入などを防止できるようになっている。
また、上面基板にはデバイス層が露出するように貫通孔が設けられている。これにより、デバイス層に設けられたパッドが該貫通孔に露出するので、該パッドにワイヤボンディングを直接行うことにより、デバイス層と外部との電気的接続を図っている。
特開2004−333133号公報
上記従来の技術では、キャップ部に深い貫通穴をあけ、穴の底部にワイヤボンディングしているが、本出願人は、先に出願した特願2008−4144号において、配線パターン部を介して可動部等が形成されたセンサ部とキャップ部とを直接接合により一体化した構造を提案している。
しかしながら、上記の直接接合の方法は、平らな面同士を貼り合わせる方法であるので、配線パターン部の表面を平らな状態にしなければならないという問題がある。また、配線パターン部の表面を平坦化したとしても、該配線パターン部の表面にパーティクル等が付着してしまうと平らな面ではなくなってしまうため、直接接合できなってしまう。これにより、接合不良や導通不良が起こる可能性がある。
本発明は、上記点に鑑み、キャップ部とセンサ部との接合不良や導通不良が起こらないようにすることができる構造を備えた半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、一面(10a)を有し、一面(10a)側にセンサ構造体(15〜17)が形成されたセンサ部(10)と、センサ構造体(15〜17)を覆うように一面(10a)に接合されたキャップ部(20)とを備え、センサ部(10)のうちキャップ部(20)と接合される部位をセンサ部側接合部(15、17〜19)とし、キャップ部(20)のうちセンサ部(10)と接合される部位をキャップ部側接合部(25a、25b)としたとき、センサ部側接合部(15、17〜19)とキャップ部側接合部(25a、25b)とは、センサ部側接合部(15、17〜19)とキャップ部側接合部(25a、25b)とのうち少なくとも一方を共晶合金化させることにより共晶接合されていることを特徴とする。
これによると、センサ部側接合部(15、17〜19)の一部とキャップ部側接合部(25a、25b)の一部とが互いに溶け合った共晶合金が形成されているので、センサ部側接合部(15、17〜19)の表面の凹凸およびキャップ部側接合部(25a、25b)の表面の凹凸を共晶合金により埋めることができる。これにより、センサ部側接合部(15、17〜19)の表面とキャップ部側接合部(25a、25b)の表面とが互いに接触した場所で各表面の間の空間が無くなるように両者が接合されるので、センサ部側接合部(15、17〜19)とキャップ部側接合部(25a、25b)とを確実に接合することができる。したがって、キャップ部(20)とセンサ部(10)との接合不良や導通不良が起こらないようにすることができる。
請求項2に記載の発明では、センサ部側接合部(15、17〜19)は、センサ構造体(15〜17)の一部と、センサ構造体(15〜17)を一周して囲む周辺部(19)とを有し、キャップ部側接合部(25a、25b)は、センサ構造体(15〜17)の一部に共晶接合された配線部(25a)と、配線部(25a)と同じ階層に配置されると共に、該配線部(25a)とは電気的に絶縁され、周辺部(19)に対応するように一端が他端に繋がった輪状に形成された気密封止部(25b)とを有しており、気密封止部(25b)と周辺部(19)とが共晶接合されたことで、キャップ部(20)とセンサ部(10)とによって構成された封止空間(40)にセンサ構造体(15〜17)が封止されるようになっていることを特徴とする。
これによると、配線部(25a)とセンサ構造体(15〜17)とが共晶接合されるので、配線部(25a)とセンサ構造体(15〜17)との導通を確実に図ることができる。また、周辺部(19)と気密封止部(25b)とが共晶接合されたことにより封止空間(40)にセンサ構造体(15〜17)が収納されるので、センサ構造体(15〜17)への水や異物の混入などを防止することができる。したがって、センサ構造体(15〜17)を保護することができる。
請求項3に記載の発明では、センサ部側接合部(15、17〜19)は、配線部(25a)の表面のうちの平坦部に共晶接合されていることを特徴とする。これにより、配線部(25a)にステップカバレッジ等の凹みが形成されていても、配線部(25a)に対するセンサ部側接合部(15、17〜19)の接合面積を確保できるので、センサ部側接合部(15、17〜19)と配線部(25a)との安定した接合を達成できる。
請求項4に記載の発明では、センサ部側接合部(15、17〜19)は、該センサ部側接合部(15、17〜19)の表面側のうち少なくともキャップ部側接合部(25a、25b)に対向する部分に金属の配線層(14)を有し、配線層(14)とキャップ部側接合部(25a、25b)とは、配線層(14)とキャップ部側接合部(25a、25b)とのうち少なくとも一方を共晶合金化させることにより共晶接合されていることを特徴とする。
これによると、センサ部側接合部(15、17〜19)のうち配線層(14)が配置される面積が必要最小限となるので、センサ部側接合部(15、17〜19)の一部と配線層(14)との熱膨張差によりセンサ構造体(15〜17)が変形しないようにすることができる。
請求項5に記載の発明では、センサ部(10)は、センサ構造体(15〜17)とこのセンサ構造体(15〜17)を一周して囲む周辺部(19)とが形成された第1導電層(11)と、第2導電層(12)とが、絶縁層(13)を挟み込んでなるSOI基板を有し、絶縁層(13)は、周辺部(19)と第2導電層(12)との間に、周辺部(19)と第2導電層(12)とを電気的に接続するコンタクト部(13c)を有しており、キャップ部(20)は、導電性基板(21)と、この導電性基板(21)の上に形成されたキャップ部側接合部(25a、25b)とを有し、キャップ部側接合部(25a、25b)は、センサ構造体(15〜17)の一部に共晶接合された配線部(25a)と、配線部(25a)と同じ階層に配置されると共に、該配線部(25a)とは電気的に絶縁され、周辺部(19)に対応するように一端が他端に繋がった輪状に形成され、さらに導電性基板(21)に電気的に接続された気密封止部(25b)とを有しており、センサ部側接合部(15、17〜19)とキャップ部側接合部(25a、25b)とが共晶接合されたことにより、周辺部(19)、コンタクト部(13c)、第2導電層(12)、気密封止部(25b)、および導電性基板(21)が電気的に接続されると共に同電位とされていることを特徴とする。
これによると、導電性基板(21)、気密封止部(25b)、周辺部(19)、コンタクト部(13c)、および第2導電層(12)がセンサ構造体(15〜17)を囲むと共に同電位とされるので、センサ構造体(15〜17)を電気的にシールドするシールド構造を形成することができる。
請求項6に記載の発明では、センサ構造体(15〜17)が形成されたセンサ部(10)を用意する工程と、キャップ部(20)を用意する工程と、センサ部(10)のうちキャップ部(20)と接合される部位をセンサ部側接合部(15、17〜19)とし、キャップ部(20)のうちセンサ部(10)と接合される部位をキャップ部側接合部(25a、25b)としたとき、センサ部側接合部(15、17〜19)とキャップ部側接合部(25a、25b)とのうち少なくとも一方を共晶合金化させることによりセンサ部側接合部(15、17〜19)とキャップ部側接合部(25a、25b)とを共晶接合する工程とを含んでいることを特徴とする。
これによると、センサ部側接合部(15、17〜19)の一部とキャップ部側接合部(25a、25b)の一部とを互いに溶かして共晶合金を形成しているので、センサ部側接合部(15、17〜19)の表面の凹凸およびキャップ部側接合部(25a、25b)の表面の凹凸を共晶合金により埋めることができる。このように、センサ部側接合部(15、17〜19)の表面とキャップ部側接合部(25a、25b)の表面とが互いに接触した場所で各表面の間の空間が無くなるように両者を接合しているので、センサ部側接合部(15、17〜19)とキャップ部側接合部(25a、25b)とを確実に接合することができる。したがって、キャップ部(20)とセンサ部(10)との接合不良や導通不良が起こらない構造を得ることができる。
請求項7に記載の発明のように、センサ部(10)としてセンサ部側接合部(15、17〜19)が金属の配線層(14)を有するものを用意し、キャップ部(20)としてキャップ部側接合部(25a、25b)が金属層(25)と金属層(25)の上に形成された導体層(60)とを有するものを用意し、導体層(60)を配線層(14)と金属層(25)とで挟んだ状態で加熱することにより、導体層(60)と配線層(14)の一部とを共晶合金化させると共に、導体層(60)と金属層(25)の一部とを共晶合金化させて共晶接合することができる。
請求項8に記載の発明のように、センサ部(10)としてセンサ部側接合部(15、17〜19)の表面側に金属の配線層(14)が形成され、この配線層(14)の上に導体層(60)が形成されたものを用意し、キャップ部(20)としてキャップ部側接合部(25a、25b)が金属層(25))を有するものを用意し、導体層(60)を配線層(14)と金属層(25)とで挟んだ状態で加熱することにより、導体層(60)と配線層(14)の一部とを共晶合金化させると共に、導体層(60)と金属層(25)の一部とを共晶合金化させて共晶接合することができる。
請求項9に記載の発明のように、センサ部(10)としてセンサ部側接合部(15、17〜19)の表面側に金属の配線層(14)が形成されたものを用意し、キャップ部(20)としてキャップ部側接合部(25a、25b)が金属層(25)とこの金属層(25)の上に形成された共晶合金層とを有するものを用意し、配線層(14)と金属層(25)とで共晶合金層を挟んだ状態で加熱することにより、共晶合金層の一部と配線層(14)の一部とを共晶合金化させると共に、共晶合金層の一部と金属層(25)の一部とを共晶合金化させて共晶接合することができる。
請求項10に記載の発明のように、センサ部(10)としてセンサ部側接合部(15、17〜19)が金属の配線層(14)とこの配線層(14)の上に形成された共晶合金層とを有するものを用意し、キャップ部(20)としてキャップ部側接合部(25a、25b)が金属層(25)を有するものを用意し、配線層(14)と金属層(25)とで共晶合金層を挟んだ状態で加熱することにより、共晶合金層の一部と配線層(14)の一部とを共晶合金化させると共に、共晶合金層の一部と金属層(25)の一部とを共晶合金化させて共晶接合することができる。
請求項11に記載の発明のように、センサ部(10)としてセンサ部側接合部(15、17〜19)が金属の配線層(14)を有するものを用意し、キャップ部(20)としてキャップ部側接合部(25a、25b)が導体層(60)を有するものを用意し、配線層(14)と導体層(60)とを接触させた状態で加熱することにより、配線層(14)の一部と導体層(60)の一部とを共晶合金化させて共晶接合することを特徴とする。
請求項12に記載の発明のように、センサ部(10)としてセンサ部側接合部(15、17〜19)が金属の配線層(14)を有するものを用意し、キャップ部(20)としてキャップ部側接合部(25a、25b)が共晶合金層を有するものを用意し、配線層(14)と共晶合金層とを接触させた状態で加熱することにより、配線層(14)の一部と共晶合金層の一部とを共晶合金化させて共晶接合することができる。
請求項13に記載の発明では、センサ部(10)を用意する工程では、配線層(14)をセンサ部側接合部(15、17〜19)の表面側のうち少なくともキャップ部側接合部(25a、25b)に対向する部分に設けたものを用意することを特徴とする。
これによると、センサ部側接合部(15、17〜19)のうち金属の配線層(14)が配置される面積が必要最小限となるので、センサ部側接合部(15、17〜19)の一部と金属の配線層(14)との熱膨張差によりセンサ構造体(15〜17)が変形しない構造を得ることができる。
請求項14に記載の発明のように、センサ部(10)としてセンサ部側接合部(15、17〜19)が導体層(11)を有するものを用意し、キャップ部(20)としてキャップ部側接合部(25a、25b)が金属層(25)を有するものを用意し、導体層(11)と金属層(25)とを接触させた状態で加熱することにより、導体層(11)の一部と金属層(25)の一部とを共晶合金化させて共晶接合することができる。
請求項15に記載の発明のように、センサ部(10)としてセンサ部側接合部(15、17〜19)が導体層(11)を有するものを用意し、キャップ部(20)としてキャップ部側接合部(25a、25b)が共晶合金層を有するものを用意し、導体層(11)と共晶合金層とを接触させた状態で加熱することにより、導体層(11)の一部と共晶合金層の一部とを共晶合金化させて共晶接合することができる。
請求項16に記載の発明では、センサ部(10)を用意する工程では、センサ部(10)として、センサ部側接合部(15、17〜19)は、センサ構造体(15〜17)の一部と、センサ構造体(15〜17)を一周して囲む周辺部(19)とを有するものを用意し、キャップ部(20)を用意する工程では、キャップ部(20)として、キャップ部側接合部(25a、25b)は、配線部(25a)と、配線部(25a)と同じ階層に配置されると共に、該配線部(25a)とは電気的に絶縁され、周辺部(19)に対応するように一端が他端に繋がった輪状に形成された気密封止部(25b)とを有するものを用意し、共晶接合する工程では、配線部(25a)とセンサ構造体(15〜17)の一部とを共晶接合すると共に、気密封止部(25b)と周辺部(19)とを共晶接合することにより、キャップ部(20)とセンサ部(10)とによって構成された封止空間(40)にセンサ構造体(15〜17)を封止することを特徴とする。
これによると、配線部(25a)とセンサ構造体(15〜17)とを共晶接合しているので、配線部(25a)とセンサ構造体(15〜17)との導通を確実に取ることができる構造を得ることができる。また、周辺部(19)と気密封止部(25b)とを共晶接合して封止空間(40)にセンサ構造体(15〜17)を封止しているので、センサ構造体(15〜17)への水や異物の混入などを防止することができる構造を得ることができる。
請求項17に記載の発明では、共晶接合する工程では、センサ部側接合部(15、17〜19)を、配線部(25a)の表面のうちの平坦部に共晶接合することを特徴とする。
これにより、配線部(25a)の平坦部とセンサ部側接合部(15、17〜19)の接合面積を確保できるので、センサ部側接合部(15、17〜19)と配線部(25a)との安定した接合を達成できる。
請求項18に記載の発明では、センサ部(10)を用意する工程では、センサ部(10)として、センサ構造体(15〜17)とこのセンサ構造体(15〜17)を一周して囲む周辺部(19)とが形成された第1導電層(11)と、第2導電層(12)とが、絶縁層(13)を挟み込んでなるSOI基板を用意し、さらに、絶縁層(13)として、周辺部(19)と第2導電層(12)との間に、周辺部(19)と第2導電層(12)とを電気的に接続するコンタクト部(13c)を有するものを用意し、キャップ部(20)を用意する工程では、キャップ部(20)として、導電性基板(21)と、この導電性基板(21)の上に形成されたキャップ部側接合部(25a、25b)とを有するものを用意し、さらに、キャップ部側接合部(25a、25b)のうちの気密封止部(25b)として、導電性基板(21)に電気的に接続されたものを用意し、共晶接合する工程では、センサ部側接合部(15、17〜19)とキャップ部側接合部(25a、25b)とを共晶接合することにより、周辺部(19)、コンタクト部(13c)、第2導電層(12)、気密封止部(25b)、および導電性基板(21)を電気的に接続すると共に同電位とすることを特徴とする。
これによると、導電性基板(21)、気密封止部(25b)、周辺部(19)、コンタクト部(13c)、および第2導電層(12)がセンサ構造体(15〜17)を囲むと共に同電位となるので、センサ構造体(15〜17)を電気的にシールドする構造を得ることができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態に係る半導体装置の平面図である。 図1のA−A断面図である。 (a)はセンサ部の平面図であり、(b)はキャップ部の平面図である。 センサ部の製造工程を示した図である。 キャップ部の製造工程を示した図である。 センサ部とキャップ部とを接合する工程を示した図である。 ウェハに複数の半導体装置を形成した様子を示した平面図である。 本発明の第2実施形態に係るセンサ部とキャップ部との接合工程示した図である。 本発明の第3実施形態に係る第2配線層の製造工程を示した図である。 本発明の第4実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図10に示される半導体装置の製造工程を示した図である。 本発明の第5実施形態に係る導体層の製造工程を示した図である。 本発明の第6実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図13に示される半導体装置の製造工程を示した図である。 本発明の第7実施形態に係る半導体装置の断面図である。 本発明の第8実施形態に係る半導体装置の断面図である。 本発明の第9実施形態に係る半導体装置の断面図である。 本発明の第10実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図18に示される半導体装置の製造工程を示した図である。 本発明の第11実施形態に係る半導体装置の断面図である。 本発明の第12実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図21に示される半導体装置の製造工程を示した図である。 本発明の第13実施形態に係る半導体装置の断面図である。 本発明の第14実施形態に係る半導体装置の断面図である。 (a)は本発明の第15実施形態に係る半導体装置を示した平面図であり、(b)は(a)のB−B断面図である。 (a)は本発明の第16実施形態に係る半導体装置を示した平面図であり、(b)は(a)のC−C断面図である。 本発明の第17実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図27に示される半導体装置の製造工程を示した図である。 本発明の第18実施形態に係る半導体装置の断面図である。 図29に示される半導体装置の製造工程を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。以下で示される半導体装置は、可動部を有する加速度センサや角速度センサ(ジャイロセンサ)等の力学量センサであり、例えば車両の加速度や角速度の検出に用いられるものである。特に、本実施形態では、半導体装置を構成する基板の一面に平行な方向の加速度を検出するものである。
図1は、本実施形態に係る半導体装置の平面図である。図2は、図1のA−A断面図である。また、図3(a)は、センサ部10の平面図であり、図3(b)はキャップ部20の平面図である。図3では、センサ部10とキャップ部20とが対向する面の平面図をそれぞれ示している。以下、図1〜図3を参照して、本実施形態に係る半導体装置の構造について説明する。
図2に示されるように、半導体装置は、センサ部10とキャップ部20とが積層されて構成されたものである。センサ部10は、一面10aを有する板状のものであり、このセンサ部10の一面10aにキャップ部20が貼り合わされて接合されている。
まず、センサ部10について説明する。センサ部10は、加速度等の物理量を検出するセンシング部が設けられたものであり、第1シリコン層11と第2シリコン層12とで絶縁層13が挟みこまれたSOI基板により構成されている。本実施形態では、第1シリコン層11の表面にAlの配線層14が形成されている。したがって、配線層14の表面がセンサ部10の一面10aに該当する。
また、第1シリコン層11には、図3(a)に示されるように、センシング部としてアンカー部15、振動子16(例えば加速度センサの可動電極部)、固定電極部17、接続部18、および周辺部19が形成されている。
アンカー部15は、第2シリコン層12に対して振動子16を支持するブロック状のものであり、絶縁層13の上に2個所設けられている。各アンカー部15の間に振動子16が配置されている。
振動子16は、各アンカー部15を繋ぐ直線部16aと、この直線部16aに接続された梁部16bと、直線部16aから垂直に延設された棒状の可動電極16cとにより構成されている。そして、振動子16は、図2に示されるように、各アンカー部15の間に配置されることで第2シリコン層12の上に浮いた状態とされている。
固定電極部17は、振動子16の可動電極16cに対向する位置に配置されている。この固定電極部17は絶縁層13の上に固定されている。これにより、振動子16の可動電極16cと固定電極部17とが櫛歯状に配置された櫛歯電極、すなわちコンデンサが構成されている。なお、図1では、可動電極16cと固定電極部17との櫛歯の組み合わせを最小の個数で示したが、実際にはさらに多くの櫛歯状で作製する。
以下では、アンカー部15、振動子16、固定電極部17によって構成される櫛歯構造をセンサ構造体という。
接続部18は、半導体装置と外部とを電気的に接続するための端子として機能する部分である。図2に示されるように、センサ部10の一面10aの外縁側に位置している。この接続部18を構成する第1シリコン層11の上には配線層14が設けられているため、該配線層14を介して半導体装置と外部とを電気的に接続できるようになっている。
周辺部19は、図3(a)に示されるように、上記センサ構造体を一周して囲むと共に、接続部18を一周して囲むように設けられている。この周辺部19はキャップ部20に接合されることでセンサ構造体を封止する役割を果たす。なお、周辺部19が接続部18を一周していなくても動作上問題ないことはいうまでもない。
次に、キャップ部20について説明する。キャップ部20は、図2に示されるように、シリコン基板21と、第1絶縁膜22と、第1配線層23と、第2絶縁膜24と、第2配線層25とを備えて構成されている。
シリコン基板21は、図3(b)に示されるように、四角形状の一側面が該一側面の反対側の側面側に凹んだ凹部26を有している。該凹部26は、センサ部10とキャップ部20とを重ね合わせたときに接続部18をシリコン基板21から露出させるためのものである。凹部26を形成せず、凹部26の出っ張りの部分を除去した構造でもよい。
第1絶縁膜22は、図2に示されるように、シリコン基板21のうちセンサ部10と対向する一面21aに形成されている。第1絶縁膜22として、例えばSiOやSi等が採用される。
第1配線層23は、第1絶縁膜22の上に設けられ、パターニングされている。この第1配線層23は、アンカー部15と接続部18とを結ぶように、固定電極部17と接続部18を結ぶようにパターニングされている。また、周辺部19に対応した位置にも設けられている。このような第1配線層23の材質としてはAl等の金属が用いられる。
第2絶縁膜24は、第1配線層23を覆うように形成されている。そして、第2絶縁膜24のうち、アンカー部15、固定電極部17、および接続部18と対向する部分に開口部24aがそれぞれ設けられている。
第2配線層25は、開口部24aを埋めると共に第2絶縁膜24の上に設けられ、パターニングされている。すなわち、第2配線層25は、センサ部10のセンサ構造体であるアンカー部15、固定電極部17、および接続部18にそれぞれ接合される配線部25aと、センサ部10の周辺部19に接合される気密封止部25bとにより構成される。これら配線部25aおよび気密封止部25bは同じ階層に配置され、それぞれが電気的に絶縁されている。このような第2配線層25の材質としては第1配線層23と同じくAlが用いられる。
配線部25aのうち第2絶縁膜24の開口部24aに埋め込まれた部分は、ステップカバレッジにより、配線部25aの表面が凹んでいる。
気密封止部25bは、図3(b)に示されるように、周辺部19に対応するように一端が他端に繋がった輪状に形成されている。つまり、気密封止部25bは、センサ構造体を一周して囲むようにレイアウトされている。また、気密封止部25bは第1配線層23を横切るようにレイアウトされている。これは、気密封止部25bを構成する第2配線層25が第1配線層23とは異なる階層に形成されているので、気密封止部25bが第1配線層23をまたぐようにレイアウトすることが可能になっている。この気密封止部25bは電気的にフローティングになっていても良いし、必要に応じて例えばグランド電位等の所定の電位としても良い。このように、第1配線層23、第2絶縁膜24、および第2配線層25は、シリコン基板21の一面21aの外縁部分とセンサ構造体とを繋ぐようにパターニングされている。
また、第2配線層25の配線構造において、シリコン基板21の一面からの配線部25aと気密封止部25bとの高さが同一になっている。本実施形態では、周辺部19に対応した位置に第1配線層23を設けることにより、気密封止部25bが配線部25aと高さになるようにしている。
そして、キャップ部20の第2配線層25とセンサ部10の配線層14とは、共晶接合されたことにより共晶接合されている。具体的には、第2配線層25と配線層14との間に導体層であるGe層が挟まれた状態で加熱されたことにより、第2配線層25の一部とGe層とが共晶合金化すると共に、配線層14の一部とGe層とが共晶合金化して共晶合金部30が形成されている。つまり、共晶合金部30は、Al−Ge共晶合金である。
「共晶合金化」とは、Al層とGe層が溶けあってGeが第2配線層25のAlおよび配線層14のAlと合金化することである。したがって、本実施例ではGe層はGe層として残っていないように形成したがそうでなくてもよい。本実施例ではGe層のすべてが第2配線層25のAlおよび配線層14のAlと共晶合金化して共晶合金部30に変化している。すなわち、共晶合金部30は、第2配線層25の一部および配線層14の一部に食い込んだ状態になっている。言い換えると、第2配線層25の一部および配線層14の一部が共晶合金化された状態になっている。
なお、第2配線層25のうちの配線部25aにおいて、ステップカバレッジによる凹部の部分では、Ge層は配線部25aのAlのみと反応して共晶合金化している。
このように、キャップ部20の気密封止部25bが共晶合金部30を介してセンサ部10の周辺部19に接合されるので、図2に示されるように、センサ構造体がセンサ部10とキャップ部20とによって構成された封止空間40に密閉された状態となる。つまり、センサ構造体は第2シリコン層12、絶縁層13、周辺部19、気密封止部25b、共晶合金部30、および第2絶縁膜24によって囲まれた封止空間40内に配置される。本実施形態では、封止空間40は真空になっている。
また、封止空間40内のキャップ部20の配線部25aが共晶合金部30を介してアンカー部15に接合されることで、該アンカー部15が、封止空間40内の共晶合金部30、配線部25a、第1配線層23、および封止空間40外の配線部25a、共晶合金部30を介して接続部18に電気的に接続されている。同様に、固定電極部17が、封止空間40内の共晶合金部30、配線部25a、第1配線層23、および封止空間40外の共晶合金部30、配線部25aを介して接続部18に接続されている。
このように、センサ構造体がセンサ部10とキャップ部20との間の封止空間40に収納されるので、センサ構造体への水や異物の混入などを防止することができ、センサ構造体を保護することができる。
さらに、図1に示されるように、キャップ部20に設けられた凹部26によって、センサ部10の各接続部18がキャップ部20から露出する。このようにキャップ部20から露出した接続部18に対し、図2に示されるように、ワイヤ50が接続されている。これにより、半導体装置が外部と電気的に接続される。以上が、本実施形態に係る半導体装置の構成である。
次に、上記半導体装置の製造方法について、図4〜図6を参照して説明する。以下では、1チップの断面構造を追って記載するが、実際には数十〜数百チップを配置したウェハを単位として作製する。
まず、図4(a)に示す工程では、SOI基板を用意する。具体的には、0.001〜0.1Ω・cmの比抵抗を有する300〜600μmの厚さのN型(100)面の単結晶シリコン基板(第2シリコン層12)の表面を熱酸化等することにより0.5〜3μmの厚さのSiO膜(絶縁層13)を形成し、このSiO膜の上に上記と同様の比抵抗、面方位を有する5〜100μmの厚さのN+型の単結晶シリコン(第1シリコン層11)を形成する。本実施形態では、第1シリコン層11の厚さは15μmである。これにより、絶縁層13が第2シリコン層12と第1シリコン層11とで挟み込んだSOI基板が完成する。
なお、上記ではN+型の単結晶シリコンを用いたが、P+型の単結晶シリコンでも良く、さらにはN+型、P+型のポリシリコンを用いることもできる。ポリシリコンを用いる場合は絶縁層13に部分的に電気的な接続をとるためのコンタクト孔をあけておいてから形成してもよい。また、シリコン基板の他に、ガラス基板、金属、セラミックス、他の半導体材料等を使用することができる。第1、第2シリコン層11、12の各厚さも任意に設定可能である。
図4(b)に示す工程では、SOI基板のうち第1シリコン層11の上に例えばCVD法により配線層14としてAl層を0.3〜1μmの厚さで形成する。この場合、配線層14を第1シリコン層11の全面に形成する。
このとき、配線層14はAlが積層されて形成されたものであるため、Alの結晶粒が積み重なったものになっている。したがって、配線層14の表面はAlの結晶粒が露出した凹凸状になっている。もちろん、CMP研磨を行うことにより、配線層14の表面を平坦化しても良い。
続いて、図4(c)に示す工程では、フォトリソグラフィ・エッチング工程により、配線層14および第1シリコン層11にトレンチを形成することで、アンカー部15、振動子16、固定電極部17、接続部18、および周辺部19を形成する。また、少なくとも第1シリコン層11のうち振動子16となる部分と第2シリコン層12との間の絶縁層13をHF(フッ化水素)の気相または液相のエッチング液で除去することで振動子16を形成する。以上により、半導体装置のうちセンサ部10が完成する。
次に、キャップ部20の製造方法について説明する。以下では、上記と同様に、1枚のシリコンウェハに複数のキャップ部20を形成する。
まず、図5(a)に示す工程では、第2シリコン層12と同等の単結晶シリコン基板21を用意し、このシリコン基板21の一面21aの上に第1絶縁膜22としてのSiO膜形成後、第1絶縁膜22の表面に第1配線層23である0.3〜1μmの厚さのAl膜を形成する。
図5(b)に示す工程では、フォトリソグラフィ・エッチング工程により第1配線層23であるAl層をパターニングする。なお、穴のあいたステンレス等の金属製のマスクを用いたいわゆるマスク蒸着方法を採用しても良い。
図5(c)に示す工程では、第1配線層23の上に第2絶縁膜24としてSiO膜を形成する。そして、第2絶縁膜24のうちセンサ部10のアンカー部15、固定電極部17、接続部18に対応した位置に開口部24aをそれぞれ形成する。
なお、開口部24aは必ずしもセンサ部10のアンカー部15、固定電極部17、接続部18と完全に対向する位置でなくはずれた部分であっても良い。当該開口部24aは、第1配線層23と後の工程で形成する第2配線層25とをコンタクトするためのものに過ぎない。
この場合、本実施形態では、第1配線層23の上の第2絶縁膜24のみを除去する。なお、センサ構造体の振動子1に対向する部分の第2絶縁膜24をすべて除去しても良い。これにより、振動子16が第2絶縁膜24に接触してしまうことを防止できると共に、振動子16の寄生容量低減化を図ることができる。
図5(d)に示す工程では、第2絶縁膜24の上および第2絶縁膜24の開口部24aに露出した第1配線層23の上に第2配線層25であるAl層を0.3〜1μmの厚さで形成し、該Al層の上にGeの導体層60を0.3〜1μmの厚さでそれぞれ形成する。これら第2配線層25および導体層60は、例えば蒸着法、スパッタ法により形成することができる。
このとき、第2配線層25はAlが積層されて形成されたものであるため、配線層14と同様に、第2配線層25の表面はAlの結晶粒が露出した凹凸状になっている。したがって、本工程が終えたとき、導体層60は、第2配線層25の凹凸の表面の上に配置された状態になっている。
なお、第2配線層25を形成した後、該第2配線層25の表面をCMP研磨しても良い。この場合、第2配線層25の表面のうち平坦化された面の上に導体層60を配置することができる。このCMP研磨は、ステップカバレッジによる凹部を消すことが目的ではないので、第2配線層25には該凹部が残る。この場合、該凹部の上に配置された導体層60は凹部の凹凸の表面の上に配置されていると言える。
図5(e)に示す工程では、パターニングの方法やマスクを用いた方法によって第2配線層25から配線部25aおよび気密封止部25bを形成し、これら配線部25aおよび気密封止部25bの上に導体層60を配置する。これにより、第2絶縁膜24に開口部24aが設けられた部分では、第2配線層25の配線部25aと第1配線層23とが接続され、電気的に導通する。こうして、キャップ部20となる部分が完成する。
次に、図6に示す工程では、センサ部10が多数形成されたウェハとキャップ部20が多数形成されたウェハとを真空チャンバ内で接合する。この接合を行うに際し、まず、センサ部10の配線層14とキャップ部20の導体層60とを向かい合わせる。そして、センサ部10とキャップ部20とを互いを相対的に近づけていき、配線層14と導体層60とを接触させる。これにより、導体層60がキャップ部20の第2配線層25とセンサ部10の配線層14とに挟まれた状態となる。
続いて、センサ部10とキャップ部20とが積層されたものを加熱する。ここで、導体層60としてGeを採用し、第2配線層25および配線層14としてAlを用いているので、AlとGeとの共晶点は28.4at%−Geのときおよそ420℃となる。つまり、Alに対するGeの濃度が28.4at%のときの共晶温度が420℃である。
例えば、Alの融点は約660℃であり、Geの融点は約938℃の高温であるが、AlとGeとが接触していると、420℃〜440℃の低温で共晶反応が起こり、GeがAlの結晶粒界に拡散する。つまり、第2配線層25と導体層60との境界および配線層14と導体層60との境界でAlとGeとが入れ替わることにより、Al−Geの共晶合金が形成される。
すなわち、AlとGe導体層60が溶けあうことにより、該導体層60が第2配線層25の表面の凹凸や配線層14の表面の凹凸を埋めるように濡れ広がると共に、第2配線層25の一部および配線層14の一部とが共晶合金化する。これにより、各表面の凹凸は消え、第2配線層25の表面と導体層60との間の空間および配線層14の表面と導体層60との間の空間が無くなり、第2配線層25と配線層14とが共晶接合される。したがって、図2に示されるように、共晶合金部30が形成される。
以上のように、導体層60を第2配線層25の一部と配線層14の一部とに共晶合金化させることで、420℃近傍という低温での安定した接合が可能となる。
この共晶接合の際には、一方のウェハに他方のウェハを押さえ付けるように、各ウェハに多少の力を加えて加熱する。これは、導体層60が溶融するので、該導体層60を第2配線層25や配線層14に接合しやすくするためである。
これにより、センサ部10の周辺部19とキャップ部20の気密封止部25bとを共晶合金部30を介して接合し、センサ部10とキャップ部20との間に封止空間40を形成して該封止空間40にセンサ構造体を気密封止する。また、センサ部10のアンカー部15、固定電極部17、接続部18とキャップ部20の配線部25aとをそれぞれ共晶合金部30を介して接合することでセンサ部10のセンサ構造体と接続部18とを電気的に接続する。
このように、センサ部10およびキャップ部20をウェハにそれぞれ形成して各々のウェハを接合している。これにより、図7に示されるように、ウェハ65に複数の半導体装置が形成される。したがって、図7に示されるウェハ65をダイシングカットしてウェハ65をチップ単位に分割することにより、個々の半導体装置を得る。
また、半導体装置を図示しない回路基板等に実装し、図2に示されるように接続部18と図示しない電気回路とをワイヤ50で接続することで、センサ構造体に生じる物理量に応じた電気信号を半導体装置の外部に出力することが可能となる。
続いて、半導体装置における加速度の検出方法について説明する。半導体装置が外部から加速度を受けると、振動子16の梁部16bがたわみ、位置が固定された固定電極部17に対して、振動子16が直線部16aの長手方向に移動する。このため、可動電極16cと固定電極部17との間の距離が変化するので、可動電極16cと固定電極部17とで構成されるコンデンサの容量値が変化する。この容量値の変化を検出することで半導体装置が受ける加速度が得られるようになっている。
以上説明したように、本実施形態では、Alの第2配線層25の上にGeの導体層60を形成し、該導体層60を第2配線層25とセンサ部10の配線層14とで挟んだ状態で加熱することにより、導体層60を溶かして第2配線層25の一部と導体層60とを共晶合金化させると共に、配線層14と導体層60とを共晶合金化させることが特徴となっている。
このように、導体層60を溶かして共晶合金を形成しているので、第2配線層25の表面の凹凸および配線層14の表面の凹凸を溶けた導体層60でそれぞれ埋めると共に、第2配線層25の表面と導体層60との間の空間、および配線層14の表面と導体層60との間の空間が無くなるように両者を共晶接合することができる。これにより、第2配線層25と配線層14とが共晶合金化された共晶合金部30により隙間無く接合されるので、第2配線層25と配線層14との接合面積の低下を抑制することができる。したがって、第2配線層25と配線層14とを確実に接合することができ、接合不足が起こらないようにすることができる。また、配線部25aと配線層14とが確実に接合されることから、導通不良が起こらないようにすることができる。さらに、気密封止部25bと配線層14とが確実に接合されることから、封止空間40の気密性を確保することができる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、アンカー部15、振動子16、固定電極部17によって構成される櫛歯構造が特許請求の範囲のセンサ構造体に対応する。また、アンカー部15、固定電極部17、接続部18、周辺部19が特許請求の範囲のセンサ部側接合部に対応し、配線部25a、気密封止部25bが特許請求の範囲のキャップ部側接合部に対応する。そして、第2配線層25が特許請求の範囲の金属層に対応する。さらに、「センサ構造体の一部」とは、センサ構造体のうち振動子16を除いたアンカー部15および固定電極部17を指す。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第1実施形態では、センサ部10の配線層14を配線部25aの凹部を覆うように共晶接合していたが、本実施形態では配線部25aの平坦部に配線層14を接合することが特徴となっている。
図8は、本実施形態においてセンサ部10とキャップ部20とを接合する様子を示した断面図であり、図6に示す工程に相当する図である。
図8に示されるように、第2配線層25の配線部25aのうち第2絶縁膜24の開口部24aに埋め込まれた部分には、ステップカバレッジにより、配線部25aの表面が凹んだ凹部が形成されている。この凹部は、第2配線層25の配線部25aの平面部分が第1配線層23側に窪んだものであり、底部を有している。
導体層60は、配線部25aの表面に形成されるので、配線部25aの表面形状を承継した形状となる。したがって、ステップカバレッジによる配線部25aの凹部内に形成された導体層60にも凹部が形成されている。
そして、第2絶縁膜24のうちセンサ部10のアンカー部15、固定電極部17、接続部18と対向する領域とは異なる領域に第1配線層23が露出する開口部24aをそれぞれ形成している。すなわち、各開口部24aはアンカー部15、固定電極部17、接続部18と重ならないように形成されている。
なお、各開口部24aは必ずしもセンサ部10のアンカー部15、固定電極部17、接続部18と完全に重ならない位置でなく、少なくともステップカバレッジによる配線部25aの凹部からはずれた位置であれば良い。
このように開口部24aを第2絶縁膜24に設け、図8に示されるようにセンサ部10のアンカー部15、固定電極部17、接続部18を導体層60にそれぞれ接触させる。これにより、アンカー部15、固定電極部17、接続部18は、導体層60のうちの平坦部に接触する。
この後、第1実施形態と同様に加熱処理を行うと、アンカー部15、固定電極部17、接続部18は、共晶合金部30を介して配線部25aの表面のうちの平坦部に共晶接合される。
以上のように、配線部25aにステップカバレッジ等の凹みが形成されていても、配線部25aのうち平坦部に対応する場所にアンカー部15等を接合しているので、配線部25aとアンカー部15等との接合面積を確保できる。これにより、配線部25aとアンカー部15等との安定した接合を達成できる。
(第3実施形態)
本実施形態では、第1、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第1、第2実施形態では、第2絶縁膜24に設けた開口部24aによって配線部25aにステップカバレッジによる凹部が形成されていたが、本実施形態では配線部25aに凹部が形成されないようにしたことが特徴となっている。このことについて、図9を参照して説明する。
キャップ部20の製造に当たり、本実施形態では、まず、図5(a)〜図5(c)の工程を行い、第2絶縁膜24に開口部24aを形成したものを用意する。
次に、図9(a)に示す工程では、第2絶縁膜24の上および第2絶縁膜24の開口部24aに露出した第1配線層23の上に第2配線層25であるAl層を厚く形成する。そして、第2配線層25をCMP研磨により平坦化する。これにより、配線部25aにおけるステップカバレッジによる凹部が消え、第2配線層25の表面に凹部が形成されていない平坦な面が得られる。この後、平坦化された第2配線層25の上に導体層60を形成する。
図9(b)に示す工程では、第2配線層25と導体層60とを配線部25aおよび気密封止部25bにパターニングする。これにより、導体層60の表面を同一高さかつ平坦に形成することができる。
以上の工程により、配線部25aからステップカバレッジによる凹部が除去されるので、配線部25aの表面全体を凹凸のない平坦面にすることができる。したがって、第2配線層25と配線層14との安定した接合が達成できる。
(第4実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第1実施形態では、第2配線層25の材料としてAlを用いていたが、本実施形態では第2配線層25の代わりに導体層60を用いることが特徴となっている。
図10は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、第2絶縁膜24の上、および第2絶縁膜24の開口部24aから露出した第1配線層23の上には導体層60が形成されており、配線部25aと気密封止部25bとにパターニングされている。この導体層60の材料としては、Geが採用される。
そして、配線層14の一部と導体層60の一部とが共晶合金化した共晶合金部30が形成されている。すなわち、配線部25aおよび気密封止部25bは共晶合金部30を介してセンサ部10に接合されている。これによると、第1実施形態で示された構造に対して、第2配線層25を用いない構造となっている。つまり、Alの層を一層減らせることができる。
次に、図10に示される半導体装置の製造方法について、図11を参照して説明する。まず、図11(a)に示す工程では、図5(a)〜図5(c)に示す工程を行って、第2絶縁膜24に開口部24aを設けたものを用意する。そして、第2絶縁膜24の上、および第2絶縁膜24の開口部24aに露出した第1配線層23の上にGeの導体層60を形成する。
続いて、図11(b)に示す工程では、導体層60を配線部25aと気密封止部25bとにパターニングする。
この後、図11(c)に示す工程では、図4に示す工程を行って用意したウェハと図11(b)に示す工程を終えたウェハとを積層し、図6に示す工程と同様に配線層14と導体層60とを接触させた状態で加熱する。これにより、配線層14の一部と導体層60の一部とを共晶合金化させ、共晶合金部30を介して配線部25aとアンカー部15等を接合し、共晶合金部30を介して気密封止部25bと配線層14とを接合する。こうして、図10に示される半導体装置が完成する。
以上のように、第2配線層25としてAl層を形成するのではなく、第2配線層25そのものを導体層60とすることもできる。このような構造であっても、センサ部10の一面10aを構成する配線層14はAl層であるので、該配線層14にワイヤ50を接続することが可能である。
(第5実施形態)
本実施形態では、第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第4実施形態では、第2絶縁膜24に設けた開口部24aによって導体層60にステップカバレッジによる凹部が形成されていたが、本実施形態では導体層60に凹部が形成されないようにしたことが特徴となっている。このことについて、図12を参照して説明する。
まず、図5(a)〜図5(c)の工程を行い、第2絶縁膜24に開口部24aを形成したものを用意する。そして、図12(a)に示す工程では、第2絶縁膜24の上および第2絶縁膜24の開口部24aに露出した第1配線層23の上に導体層60であるGe層を形成する。
続いて、図12(b)に示す工程では、導体層60をCMP研磨により平坦化する。これにより、導体層60におけるステップカバレッジによる凹部が除去され、導体層60の表面に凹部が形成されていない平坦な面が得られる。
図12(c)に示す工程では、導体層60を配線部25aと気密封止部25bとにパターニングする。これにより、配線部25aおよび気密封止部25bの表面を同一高さかつ平坦に形成することができる。
以上のように、導体層60における開口部24aのステップカバレッジによる凹部を除去し、導体層60の表面全体を凹凸のない平坦面にすることができる。したがって、導体層60と配線層14との安定した接合が達成できる。
(第6実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。第1実施形態では、第2配線層25の上に導体層60を形成していたが、本実施形態では、配線層14の上に導体層60を形成することが特徴となっている。
図13は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、図1に示されるセンサ部10の接続部18を廃止し、センサ部10においては周辺部19で囲まれた部分のみを有する構成とする。一方、キャップ部20については、第1実施形態と同様の構成となっている。
したがって、図13に示されるように、センサ部10については、接続部18が設けられていない分、図1におけるセンサ部10よりもサイズが小さくなっている。そして、センサ部10のセンサ構造体がキャップ部20の気密封止部25bによって封止されると、キャップ部20のうち図1に示されるセンサ部10の接続部18に接合されていた配線部25aがセンサ部10から露出する。
本実施形態では、センサ部10から露出した、すなわちセンサ部10に封止されていない配線部25aをパッドとして用いる。図13に示されるように、センサ部10から露出した配線部25aにワイヤ50を接続し、半導体装置と外部との電気的接続を図っている。
また、第1実施形態と同様に、第2配線層25と配線層14とは共晶合金部30を介して接合されている。
次に、図13に示される半導体装置の製造方法について、図14を参照して説明する。例えば、図5(a)〜図5(c)に示す工程を行い、図5(d)に示す工程において第2配線層25のみ形成し、図5(e)に示す工程で第2配線層25をパターニングする。このように、キャップ部20を用意しておく。
また、図14(a)に示す工程では、図4(a)および図4(b)に示す工程を行い、この後、配線層14の上に導体層60を形成する。そして、図4(c)に示す工程を行い、アンカー部15等を形成する。これにより、配線層14の上には導体層60が形成された状態になっている。
続いて、図14(b)に示す工程では、図6に示す工程と同様に、センサ部10が多数形成されたウェハとキャップ部20が多数形成されたウェハとを真空チャンバ内で共晶接合する。すなわち、導体層60を配線層14と第2配線層25とで挟んだ状態で加熱することにより、導体層60と配線層14の一部とを共晶合金化させると共に、導体層60と第2配線層25の一部とを共晶合金化させる。これにより、共晶合金部30を介して第2配線層25と配線層14とを接合する。
この後、接合後のウェハをチップ状に分割することにより半導体装置が得られる。ダイシングソー等で分割する場合、ワイヤボンディングする領域上部の第1シリコン層11を工程内で予め除去して空間部としておき、図14(b)において、まず第2シリコン層12のみをダイシングし、次に接合したウェハ全体を上から下まで完全にダイシングすることにより分割できる。そして、図13に示されるように、センサ部10から露出した配線部25aにワイヤ50を接続することにより、半導体装置と外部との電気的接続が可能となる。
以上説明したように、キャップ部20側に導体層60を設けておき、該導体層60に第2配線層25を接触させて加熱することにより、共晶接合を行うこともできる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、第2配線層25が特許請求の範囲の金属層に対応する。
(第7実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、半導体装置、特にキャップ部20にIC回路部を設けたことが特徴となっている。
図15は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、キャップ部20を構成するシリコン基板21において、第1絶縁膜22が設けられた一面21aとは反対側にIC回路部27(詳細は図示せず)が形成されている。
IC回路部27は、例えばセンサ部10にて検出された物理量に相当する信号を増幅する増幅回路や信号に基づいて演算を行う演算回路等の回路が設けられたものである。このIC回路部27は、キャップ部20を製造する際、特に第1配線層23等の積層配線を形成する前に形成される。
また、IC回路部27にはワイヤ51が接続されており、当該ワイヤ51が例えばセンサ部10の接続部18に接続されたり、半導体装置の外部に設けられた回路等に接続される。以上のように、キャップ部20にIC回路部27を設けた構成とすることができる。
(第8実施形態)
本実施形態では、第7実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図16は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、本実施形態では、キャップ部20のシリコン基板21においてセンサ部10と対向する一面21a側にIC回路部27が設けられている。
そして、IC回路部27を含むシリコン基板21の一面21aを覆うように第1絶縁膜22が形成され、第1配線層23、第2絶縁膜24、および第2配線層25の順に形成されている。この場合、第1絶縁膜22に図示しない開口部が設けられており、いわゆるICチップ製造方法を適用できる。さらに、このICチップの配線層はAlやCuで形成され、多層の配線層を適用することもできる。当該開口部を介してIC回路部27と第1配線層23との電気的接続が図られている。
このようなキャップ部20の構造によると、シリコン基板21の一面21a側にIC回路部27を設けた直後に、第1絶縁膜22を設ける工程を行うことができる。また、IC回路部27にワイヤ51を接続しなくても良い。以上により、第5実施形態に対してキャップ部20の製造工程を簡略化することができる。
(第9実施形態)
本実施形態では、第6実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図17は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、接続部18が廃止されたセンサ部10にキャップ部20が接合されており、該キャップ部20のシリコン基板21においてセンサ部10と対向する一面21a側にIC回路部27が設けられている。IC回路部27は、第1絶縁膜22に設けられた図示しない開口部を介して第1配線層23と電気的に接続されている。以上のように、図13の構造に対してIC回路部27を設けた構造とすることができる。
(第10実施形態)
本実施形態では、第1〜第9実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記各実施形態では、Al−Ge共晶合金によりセンサ部10とキャップ部20とを接合していたが、本実施形態では、Au−Si共晶合金によりによりセンサ部10とキャップ部20とを接合することが特徴となっている。
図18は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、センサ部10は、配線層14が設けられていない構成になっている。したがって、センサ部10の一面10aは第1シリコン層11の表面になっており、シリコンが露出している。また、センサ部10には接続部18が設けられていない構造になっている。
一方、キャップ部20は第1実施形態で示されたものと同じ構成である。しかしながら、本実施形態では、第1配線層23および第2配線層25の材料として、Auが用いられている。
そして、キャップ部20の第2配線層25とセンサ部10の第1シリコン層11とは、共晶接合されたことにより共晶接合されている。具体的には、第2配線層25と第1シリコン層11とが接触した状態で加熱されたことにより、第2配線層25の一部と第1シリコン層11の一部とが共晶合金化して共晶合金部30が形成されている。つまり、共晶合金部30は、Au−Si共晶合金である。
また、本実施形態では、センサ部10から露出したパッドとしての配線部25aにAuのワイヤ50が接続されている。
次に、図18に示される半導体装置の製造方法を、図19を参照して説明する。まず、図19(a)に示す工程では、図4(a)に示す工程によりウェハとしてのSOI基板を用意し、図4(c)に示す工程により第1シリコン層11にアンカー部15等を形成する。
また、図5(a)〜図5(c)に示す工程を行い、図5(d)に示す工程において第2配線層25としてのAu層のみを形成し、図5(e)に示す工程にて第2配線層25をパターニングする。このように、キャップ部20が多数形成されたウェハを用意する。
続いて、図19(b)に示す工程では、図6に示す工程と同様に、図19(a)に示す工程で用意された各ウェハとを真空チャンバ内で共晶接合する。本実施形態では、第2配線層25の材料としてAuを用いており、第1シリコン層11の材料はSiであるので、Au−Si共晶合金を形成することとなる。したがって、第1シリコン層11と第2配線層25とを接触させた状態で加熱することにより、第1シリコン層11の一部と第2配線層25の一部とを共晶合金化させる。
ここで、AuとSiとの共晶点は、Siが3.2重量%のとき363℃である。つまり、Auに対するSiの濃度が3.2重量%のときの共晶温度が363℃である(Au−3.2Si:363℃)。この温度は、Al−Geの共晶温度(約420℃)よりも低い温度であるので、Al−Geの共晶接合よりも低い温度で共晶接合することができる。
上記のように第1シリコン層11の一部と第2配線層25の一部とが共晶合金化することにより第2配線層25と第1シリコン層11との間に共晶合金部30を形成する。この後、ウェハをチップ状に分割することにより図18に示される半導体装置が完成する。また、センサ部10から露出した配線部25aにワイヤ50を接続すれば、外部との電気的接続が可能となる。
なお、Au膜を第1絶縁膜22および第2絶縁膜24であるSiO膜上に形成する場合、Au膜とSiO膜との密着力が弱くなる場合がある。そこで、Au膜とSiO膜の間に密着力を向上させるためのTi膜やTiN膜を100〜500Å(10〜50nm)の厚さで積層しておくと良い。これにより、第1配線層23と第1絶縁膜22との密着力を向上することができ、第2配線層25と第2絶縁膜24との密着力を向上することができる。
以上のように、共晶接合として、Au−Si共晶合金を形成することにより、センサ部10とキャップ部20とを一体化させることもできる。
なお、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、第1シリコン層11が特許請求の範囲の導体層に対応し、第2配線層25が特許請求の範囲の金属層に対応する。
(第11実施形態)
本実施形態では、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図20は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、センサ部10に複数の接続部18が設けられている。
本実施形態では、図2に示される一方向の接続部18に加え、二方向の接続部18が設けられている。これにより、センサ部10から多方向にワイヤ50を接続することができる。この場合、キャップ部20においては、センサ部10に接続部18が設けられる方向に、そしてセンサ部10の周辺部19をまたぐように第1配線層23が形成されている。
また、図20に示されるように、キャップ部20においてシリコン基板21の一面21aに凹部21bが設けられている。
凹部21bは気密封止部25bで囲まれた領域内に設けられている。具体的には、該領域内において、シリコン基板21のうち配線部25aとセンサ部10とが接合される部分を除いた場所、すなわちセンサ部10の第2シリコン層12と対向するシリコン基板21に凹部21bがそれぞれ設けられている。また、シリコン基板21のうち振動子16に対向する場所にも凹部21bが形成されている。
この凹部21bは、センサ部10に設けられたセンサ構造体がキャップ部20から受ける電気的または機械的な接触等の影響を低減するためのものである。したがって、図20に示される構造ではシリコン基板21の3個所に凹部21bが設けられているが、少なくとも物理量を検出する振動子16に対向した場所に設けられていれば良い。以上のように、キャップ部20のシリコン基板21に凹部21bを設け、シリコン基板21からセンサ構造体への影響を低減することができる。
なお、上記図20に示される構造に対しては、例えば図15に示されるようにシリコン基板21にIC回路部50を設けた構成とすることもできる。また、センサ部10の接続部18を廃止して図13等に示される構造とすることもできる。
(第12実施形態)
本実施形態では、第1〜第11実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記各実施形態では、第1配線層23、第2絶縁膜24、および第2配線層25によって構成された配線パターン部によってアンカー部15と接続部18等の接続が行われていたが、本実施形態では貫通電極によりキャップ部20の一面21aとは反対側の面に電位を取り出す構造が特徴となっている。
図21は、本実施形態に係る半導体装置の概略断面図である。本実施形態では、センサ部10の接続部18を構成する第1シリコン層11と第2シリコン層12との間の絶縁層13にコンタクト孔13aが設けられている。このコンタクト孔13a内に第1シリコン層11が設けられており、接続部18と第2シリコン層12とが電気的に接続されている。第1シリコン層11の上にはAlの配線層14が形成されている。
また、図21に示されるように、シリコン基板21のうちセンサ部10に向けられた一面21aにSiO等の第3絶縁膜28aが形成されている。第3絶縁膜28aの上には、上記各実施形態と同様に、配線部25aおよび気密封止部25bが形成されている。これらはAlで形成されている。また、シリコン基板21の一面21aとは反対側の面にSiO等の第4絶縁膜28bが形成されている。
そして、シリコン基板21、第3絶縁膜28aを貫通する孔部71a〜74aの壁面に形成された絶縁膜71b〜74bの上に第1〜第4貫通電極71c〜74cがそれぞれ形成されている絶縁膜71b〜74bは例えばSiOである。各貫通電極71c〜74cのうち、第1貫通電極71cの一端は、配線部25aおよび共晶合金部30を介して固定電極部17に電気的に接続されている。第2貫通電極72cの一端は、配線部25aおよび共晶合金部30を介してアンカー部15に電気的に接続されている。第3貫通電極73cの一端は、気密封止部25bおよび共晶合金部30を介して周辺部19に電気的に接続されている。さらに、第4貫通電極74cの一端は、配線部25aおよび共晶合金部30を介して第2シリコン層12に電気的に接続されている。
本実施形態に係る共晶合金部30は、第1実施形態と同じAl−Ge共晶合金である。すなわち、Geの導体層60が溶けてAlと反応したことにより共晶合金化したものである。
第4絶縁膜28bの上には各貫通電極71c〜74cに接続されたパッド部71d〜74dが設けられている。これにより、固定電極部17、アンカー部15、気密封止部25b、および第2シリコン層12の電位が第4絶縁膜28b上に取り出される構成になっている。これにより、本実施形態では、気密封止部25bの電位および第2シリコン層12の電位を与えることができるようになっている。
そして、アンカー部15等のセンサ構造体がセンサ部10とキャップ部20との間に形成された封止空間40内に配置されている。
このような構成によると、キャップ部20にはAl層を一層だけ形成すれば良いため、構成を簡単なものにすることができる。また、貫通電極71c〜74cを用いてセンサ部10の各部の電位を取り出す構造としているので、半導体装置のサイズを小さくすることができる。
次に、上記の半導体装置の製造方法について、図22を参照して説明する。センサ部10については、第1実施形態で示された方法により用意する。なお、接続部18と第2シリコン層12との間の絶縁層13にコンタクト孔13aを設け、該コンタクト孔13a内に第1シリコン層11を埋めることにより、接続部18が第2シリコン層12と電気的に接続されるようにしておく。
続いて、図22(a)に示す工程では、キャップ部20となる部分を形成する。このため、ウェハ状のシリコン基板21の両面に第3絶縁膜28aおよび第4絶縁膜28bを形成する。また、第3絶縁膜28aの上にAl層を形成し、このAl層の上にGeの導体層60を形成する。そして、Al層および導体層60をパターニングすることにより、所定の位置に配線部25aおよび気密封止部25bを形成する。
図22(b)に示す工程では、センサ部10が形成されたウェハと図22(a)に示す工程で得られたウェハとを積層する。これにより、配線部25aと配線層14とで導体層60を挟む。同様に、気密封止部25bと配線層14とで導体層60を挟む。そして、図6に示す工程と同様に、約420℃で加熱することにより共晶合金部30を形成する。こうして、各ウェハを接合する。
この後、キャップ部20のうち配線部25aや気密封止部25bに対応した場所の第4絶縁膜28b、シリコン基板21、および第3絶縁膜28aを貫通する各孔部71a〜74aを形成する。そして、CVD法やスパッタリング法等により各孔部71a〜74aの壁面にSiO膜の絶縁膜71b〜74bを形成する。さらに、各孔部71a〜74aにAl等の金属をCVD法で埋め込むことで各貫通電極71c〜74cを形成する。これにより、第4絶縁膜28bの上にAl層が形成されるので各パッド部71d〜74dにパターニングする。
続いて、接合後のウェハをチップ状に分割することにより、図21に示された半導体装置が完成する。以上のように、キャップ部20に貫通電極71c〜74cを設けた構造とすることもできる。
(第13実施形態)
本実施形態では、第12実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図23は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、各パッド部71d〜74dの上にボールボンディング71e〜74eが設けられている。
また、本実施形態では、第4絶縁膜28bの上には、該第4絶縁膜28bを貫通してシリコン基板21に接続されたパッド部75dが設けられている。そして、このパッド部75dの上にもボールボンディング75eが設けられている。
以上のように、キャップ部20にボールボンディング71e〜75eが設けられているので、半導体装置を他の基板等にフリップチップ実装することができる。また、ボールボンディング75eを介して、キャップ部20のシリコン基板21の電位を取り出すこともできる。
(第14実施形態)
本実施形態では、第13実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図24は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、センサ部10の第2シリコン層12のうち絶縁層13が設けられた面とは反対側の面に絶縁膜13bが設けられている。
そして、絶縁膜13b、第2シリコン層12、および絶縁層13を貫通する孔部71a〜74aが設けられ、各孔部71a〜74aに絶縁膜71b〜74bおよび貫通電極71c〜74cが設けられている。各貫通電極71c〜74cに接続された各パッド部71d〜74dにはボールボンディング71e〜74eが設けられている。
また、絶縁膜9の上には、該第9絶縁膜13bを貫通して第2シリコン層12に接続されたパッド部75dも設けられている。このパッド部75dの上にはボールボンディング75eが設けられている。
以上のように、センサ部10に各貫通電極71c〜74cを設けて各部の電位を外部に取り出すこともできる。また、第2シリコン層12の電位を取り出すこともできる。
(第15実施形態)
本実施形態では、第1〜第14実施形態と異なる部分についてのみ説明する。上記各実施形態では、センサ部10の一面10aに平行な方向の物理量を検出するものであったが、本実施形態ではセンサ部10の一面10aに垂直な方向(Z軸)の物理量を検出できるものである。
図25は、本実施形態に係る半導体装置を示した図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
図25(b)に示されるように、センサ部10を構成する第1シリコン層11には、アンカー部15、梁部16b、振動子16、および周辺部19を備えている。振動子16には、エッチングホール16dが多数形成されている。
そして、キャップ部20において、振動子16に対向する位置に第1配線層23がパターニングされている。これにより、振動子16と第1配線層23との間の容量の変化が検出されるようになっている。
また、図25(b)に示されるように、第1配線層23の上に形成された配線部25aは共晶合金部30を介してアンカー部15に接合されている。また、第2絶縁膜24の上に形成された気密封止部25bは共晶合金部30を介して周辺部19に接合されている。本実施形態では、共晶合金部30は、例えばAu−Siにより共晶合金化したものである。
このように、Z軸方向の物理量を検出するように構成された半導体装置においても、センサ部10の一部とキャップ部20の一部とを共晶合金化することにより共晶接合することができる。
(第16実施形態)
本実施形態では、第15実施形態と異なる部分についてのみ説明する。図26は、本実施形態に係る半導体装置を示した図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のC−C断面図である。
本実施形態では、図26(a)に示されるように、図25(a)に示される構造をさらに周辺部19で囲んでいる。また、図26(b)に示されるように、センサ部10に貫通電極76c、77cを設けている。これにより、第14実施形態と同様に、各接続部18の電位を半導体装置の外部に取り出すことができる構成となっている。
このように、ワイヤ50を介して外部と電気的に接続するのではなく、貫通電極76c、77cによって外部と電気的に接続することも可能である。
(第17実施形態)
本実施形態では、上記各実施形態と異なる部分についてのみ説明する。例えば、第1実施形態に示されるように、上記各実施形態では第1シリコン層11の表面全体にAlの配線層14が形成されていたが、本実施形態では第1シリコン層11の表面全体ではなく第1シリコン層11の表面の一部に配線層14が形成されていることが特徴となっている。
図27は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、第1シリコン層11に形成されたアンカー部15、固定電極部17、接続部18、および周辺部19は、これらアンカー部15、固定電極部17、接続部18、および周辺部19の表面側のうち少なくとも配線部25aや気密封止部25bに対向する部分に配線層14を有している。また、接続部18の表面側には、配線部25aが対向する部分の他、ワイヤ50が接合される部分にも配線層14が形成されている。このように、第1シリコン層11の上には、最低限必要な部分のみにAlの配線層14が形成されている。
本実施形態では、配線部25aや気密封止部25bよりも配線層14の面積が広くなっているが、逆に配線層14よりも配線部25aや気密封止部25bの面積が広くなっていても良い。
一方、直線部16a、梁部16b、および可動電極16cを構成する振動子16の上には配線層14は形成されていない。このため、振動子16はAlの配線層14の応力を受けない。
そして、上記のようにアンカー部15等のうち少なくとも配線部25a・気密封止部25bに対向する部分に形成された配線層14と配線部25a・気密封止部25bとのうち少なくとも一方を共晶合金化させることにより、配線層14と配線部25a・気密封止部25bとが共晶接合されている。
このような構成によると、応力バランスのため、Si(第1シリコン層11)/Al(配線層14)/Ge(共晶合金部30)/Al(第1配線層23、第2配線層25)/Si(シリコン基板21)という積層構造となるので、AlとAlの間にGeが存在した安定した共晶合金ができる。
次に、図27に示される半導体装置の製造方法について説明する。まず、センサ部10が多数形成されたウェハを用意する。このため、図4(a)に示す工程によりウェハ状のSOI基板を用意する。そして、図4(b)に示す工程では、配線層14を形成すべき部分が開口したマスクを用いて配線層14を形成する。これにより、第1シリコン層11の上のうち少なくとも配線部25a・気密封止部25bに対向する部分やワイヤ50が接合される部分に配線層14を形成する。したがって、第1シリコン層11の上のうち振動子16となる部分の上には配線層14を形成しない。
続いて、図4(c)に示す工程でフォトリソグラフィ・エッチング工程を行うことにより、第1シリコン層11にトレンチを形成することで、アンカー部15、振動子16、固定電極部17、接続部18、および周辺部19を形成する。また、第1シリコン層11のうち振動子16となる部分と第2シリコン層12との間の絶縁層13を除去することで振動子16を形成する。こうして、配線層14を第1シリコン層11の上の表面のうち少なくとも配線部25a・気密封止部25bに対向する部分に設けたものを得る。
キャップ部20については、例えば図5に示す工程を行うことによりキャップ部20が多数形成されたウェハを得ることができる。
そして、図28に示されるように、センサ部10が多数形成されたウェハとキャップ部20が多数形成されたウェハとを真空チャンバ内で対向させ、両者を近づけていき、配線層14と導体層60とを接触させる。続いて、センサ部10とキャップ部20とが積層されたものを加熱することにより、共晶合金部30を形成する。この後、ウェハをチップ単位にカットすれば、図27に示される半導体装置が完成する。また、半導体装置に対してワイヤ50を接合すれば、半導体装置と外部とを電気的に接続することができる。
以上説明したように、本実施形態では、第1シリコン層11の上のうち少なくとも配線部25a・気密封止部25bに対向する部分に配線層14を設けたことが特徴となっている。これによると、第1シリコン層11のうち配線層14が配置される面積が必要最小限となるので、第1シリコン層11に形成されたアンカー部15等と配線層14との熱膨張差によりセンサ構造体が変形しないようにすることができる。特に、梁部16bの撓みによって可動する振動子16の上に配線層14が形成されていないので、振動子16が配線層14との熱膨張差による影響を受けず、加速度の検出の精度が低下することもない。
なお、本実施形態では第1実施形態に示された半導体装置の構造を例に説明したが、第2実施形態等の他の実施形態についても本実施形態の配線層14のパターンを適用することができる。
(第18実施形態)
本実施形態では、第17実施形態と異なる部分についてのみ説明する。本実施形態では、第1シリコン層11のうちの周辺部19と第2シリコン層12とのコンタクトを取り、さらに周辺部19とキャップ部20のシリコン基板21とのコンタクトを取る構造としたことが特徴となっている。
図29は、本実施形態に係る半導体装置の断面図である。この図に示されるように、絶縁層13は、周辺部19と第2シリコン層12との間に、周辺部19と第2シリコン層12とを電気的に接続するコンタクト部13cを有している。このコンタクト部13cは、絶縁層13の一部に第2シリコン層12が露出する開口部が設けられ、この開口部に例えば第1シリコン層11、第2シリコン層12と同じ導電型の(高濃度)不純物を含んだ多結晶(ポリ)シリコン等が埋め込まれたものである。
なお、コンタクト部13cは、第1シリコン層11に設けられた周辺部19すべてに沿って形成されていても良いし、周辺部19の一部に沿って設けられていても良い。また、コンタクト部13cは、断続的に設けられていても良い。さらに、第12実施形態で示されたように、コンタクト部13cは、絶縁層13に設けられたコンタクト孔13aに第2シリコン層12と同じ導電型の第1シリコン層11が埋め込まれたものでも良い。
一方、キャップ部20は、シリコン基板21と気密封止部25bとが電気的に接続された構造になっている。このため、第1絶縁膜22は、シリコン基板21と第1配線層23との間に、シリコン基板21と第1配線層23とを電気的に接続するコンタクト部22aを有している。このコンタクト部22aは、シリコン基板21の上に形成された第1絶縁膜22のうちの一部にシリコン基板21が露出する開口部が設けられ、この開口部にAl等が埋め込まれたものである。
具体的に、コンタクト部22aは、第1配線層23のうちセンサ構造体に電気的に接続されるようにパターニングされた部分とシリコン基板21との間には形成されておらず、シリコン基板21の外縁部にパターニングされた第1配線層23とシリコン基板21との間に形成されている。言い換えると、コンタクト部22aは、第1絶縁膜22のうち周辺部19に対応した場所に設けられていると言える。
なお、コンタクト部22aは、シリコン基板21の外縁部にパターニングされた第1配線層23に沿って形成されていても良いし、当該第1配線層23の一部に沿って設けられていても良い。また、コンタクト部22aは、断続的に設けられていても良い。さらに、コンタクト部22aは、第1絶縁膜22に設けられたコンタクト孔に第1配線層23が埋め込まれたものでも良い。
第2絶縁膜24は、第1シリコン層11の外縁部に設けられた周辺部19と対向する部分にも開口部24aを有している。したがって、第2絶縁膜24の上に第2配線層25が形成されると、第2配線層25のうちの気密封止部25bが第1配線層23の上に形成されるので、気密封止部25bは第1配線層23およびコンタクト部22aを介してシリコン基板21に電気的に接続される。もちろん、気密封止部25bは配線部25aと同じ階層に配置されると共に、該配線部25aとは電気的に絶縁され、周辺部19に対応するように一端が他端に繋がった輪状に形成される。
そして、配線層14と配線部25a・気密封止部25bとが共晶合金部30により共晶接合されている。これにより、第2シリコン層12、コンタクト部13c、周辺部19、配線層14、共晶合金部30、気密封止部25b、第1配線層23の一部、コンタクト部22a、およびシリコン基板21が電気的に接続されると共に同電位とされている。また、図29に示されるように、センサ部10の周辺部19にワイヤ50が接合され、外部から周辺部19等に所定の電圧が印加されるようになっている。これにより、シリコン基板21、周辺部19、および第2シリコン層12が同電位とされるので、センサ構造体を電気的にシールドすることができる。
次に、図29に示される半導体装置の製造方法について説明する。まず、図4(a)に示す工程によりウェハ状のSOI基板を用意する。この場合、第2シリコン層12の上に絶縁層13を形成し、この絶縁層13のうち周辺部19に対応する部分から第2シリコン層12が露出するように絶縁層13の一部を開口する。この開口部に第2シリコン層12と同じ導電型の不純物を含むポリシリコン等を埋め込むことでコンタクト部13cを形成する。この後、絶縁層13の上に第2シリコン層12と同じ導電型の第1シリコン層11を形成する。こうしてSOI基板が完成する。なお、上述のように、コンタクト部13cは絶縁層13に設けられたコンタクト孔13aに第2シリコン層12と同じ導電型の第1シリコン層11が埋め込まれたものでも良い。
この後、図4(b)に示す工程にて配線層14を形成する。本工程では、第17実施形態と同様に、第1シリコン層11の上のうち少なくとも配線部25a・気密封止部25bに対向する部分やワイヤ50が接合される部分に配線層14を形成する。続いて、図4(c)に示す工程にてフォトリソグラフィ・エッチング工程を行うことにより、第1シリコン層11にアンカー部15等のセンサ構造体や周辺部19を形成する。こうして、センサ部10が多数形成されたウェハが得られる。
キャップ部20については、まず、図5(a)に示す工程では、シリコン基板21を用意し、このシリコン基板21の一面21aの上に第1絶縁膜22を形成する。そして、第1絶縁膜22のうち、シリコン基板21の外縁部にパターニングされる第1配線層23に対応した場所(周辺部19に対応した場所)にシリコン基板21が露出する開口部を形成する。この開口部にAl等の金属を埋め込むことによりコンタクト部22aを形成する。そして、第1絶縁膜22およびコンタクト部22aの上に第1配線層23を形成する。
なお、第1絶縁膜22に開口部を設け、この開口部を埋めるようにAl等の金属膜を形成することにより、当該開口部にコンタクト部22aを形成すると共に第1絶縁膜22上に第1配線層23を形成しても良い。
そして、図5(b)に示す工程では、第1配線層23をパターニングする。続いて、図5(c)に示す工程では、第1配線層23の上に第2絶縁膜24を形成する。また、第2絶縁膜24のうちセンサ部10のアンカー部15、固定電極部17、接続部18、および周辺部19に対応した位置に開口部24aをそれぞれ形成する。
この後、図5(d)に示す工程では、第2絶縁膜24の上および第2絶縁膜24の開口部24aに露出した第1配線層23の上に第2配線層25を形成し、この第2配線層25の上に導体層60を形成する。
図5(e)に示す工程では、第2配線層25から配線部25aおよび気密封止部25bをパターニングにより形成する。これにより、シリコン基板21のうち周辺部19に対応した場所に形成されたコンタクト部22aにより、シリコン基板21、コンタクト部22a、第1配線層23、および気密封止部25bが電気的に接続された状態となる。こうして、キャップ部20が多数形成されたウェハが得られる。
そして、図30に示されるように、センサ部10が多数形成されたウェハとキャップ部20が多数形成されたウェハとを真空チャンバ内で対向させ、両者を近づけていき、配線層14と導体層60とを接触させる。続いて、センサ部10とキャップ部20とが積層されたものを加熱することにより、共晶合金部30を形成する。これにより、シリコン基板21、コンタクト部22a、第1配線層23の一部、気密封止部25b、共晶合金部30、周辺部19(配線層14も含む)、コンタクト部13c、および第2シリコン層12を電気的に接続すると共に同電位とする。この後、ウェハをチップ単位にカットすれば、図27に示される半導体装置が完成する。
また、周辺部19の上に形成された配線層14にワイヤ50を接合し、外部から所定の電圧を印加することにより、センサ構造体を電磁シールドすることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態では、センサ部10の絶縁層13にコンタクト部13cを設け、キャップ部20の第1絶縁膜22にコンタクト部22aを設けて、シリコン基板21、コンタクト部22a、第1配線層23の一部、気密封止部25b、共晶合金部30、周辺部19(配線層14も含む)、コンタクト部13c、および第2シリコン層12を電気的に接続したことが特徴となっている。
これによると、シリコン基板21、周辺部19、および第2シリコン層12がセンサ構造体を囲むと共にこれらが同電位とされるので、センサ構造体を電気的にシールドすることができる。これにより、センサ構造体が外部からの電磁ノイズの影響を受けないので、加速度の検出の精度が低下しないようにすることができる。
なお、本実施形態では第17実施形態と同様に第1実施形態に示された半導体装置の構造を例に説明したが、第2実施形態等の他の実施形態についても本実施形態に係るコンタクト部13c、22aを適用することができる。
また、本実施形態の記載と特許請求の範囲の記載との対応関係については、シリコン基板21が特許請求の範囲の導電性基板に対応する。さらに、第1シリコン層11が特許請求の範囲の第1導電層に対応し、第2シリコン層12が特許請求の範囲の第2導電層に対応する。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、気密封止部25bが設けられた半導体装置が示されているが、気密封止部25bはセンサ構造体を密封する役割を果たすものあり、半導体装置に必ず設ける必要はない。すなわち、気密封止部25bが設けられていない構成の半導体装置であっても構わない。
上記各実施形態では、封止空間40内が真空にされたものについて示されているが、封止空間40内は真空ではなく、封止媒体が封止されていても良い。封止媒体としては空気やNの他、HeやAr等の不活性ガス等が用いられる。また、封止空間40の気圧を調節することもできる。例えば1気圧に設定することができるし、1気圧よりも高い気圧にすることもできる。高い気圧の場合、高いダンピング効果を得ることができる。
上記各実施形態では、キャップ部20にシリコン基板21を用いていたが、シリコン基板21の他にガラス基板、金属、セラミックス、他の半導体材料等を使用することができる。例えばガラス等の絶縁材料を用いることにより、第1絶縁膜22が不要となり、絶縁材料の上に第1配線層23を直接形成することもできる。
上記各実施形態では、Al−Geの共晶合金とAu−Siの共晶合金との例について示したが、他の共晶合金を用いても良い。例えば、Au−SnやAu−Geの共晶合金を形成することもできる。Au−Snの共晶合金の場合、Auに対するSnの濃度が20重量%のときの共晶温度は280℃である(Au−20Sn:280℃)。一方、Au−Geの共晶合金の場合、Auに対するGeの濃度が12重量%のときの共晶合金は356℃である(Au−12Ge:356℃)。いずれの組み合わせも、接合温度を低くすることができる。この他、半導体プロセスにおいて用いることが容易な材料であれば、上記に限らず、他の組み合わせでも良い。
上記各実施形態では、センサ部10の一部とキャップ部20の一部との両方を共晶合金化することにより接合していたが、センサ部10のうちキャップ部20に接合される部位とキャップ部20のうちセンサ部10に接合される部位との少なくとも一方を共晶合金化させることにより共晶接合することもできる。「少なくとも一方」とは、第2配線層25や導体層60として予めAl−Ge等の共晶合金層を用いる場合である。この場合、一方はすでに共晶合金であるので、接合される相手の一部が共晶合金化することとなる。
例えば、キャップ部20として、第2配線層25の上に共晶合金層が形成されたものを用意し、該共晶合金層を配線層14と第2配線層25とで挟んだ状態で加熱することにより、共晶合金層の一部と配線層14の一部とを共晶合金化させると共に、共晶合金層の一部と第2配線層25の一部とを共晶合金化させることができる。
また、センサ部10として、配線層14の上に共晶合金層が形成されたものを用意し、該共晶合金層を配線層14と第2配線層25とで挟んだ状態で加熱することにより、共晶合金層の一部と配線層14の一部とを共晶合金化させると共に、共晶合金層の一部と第2配線層25の一部とを共晶合金化させることもできる。
さらに、第2配線層25としての共晶合金層が形成されたキャップ部20を用意し、配線層14と共晶合金層とを接触させた状態で加熱することにより、配線層14の一部と共晶合金層とを共晶合金化させることもできる。
さらに、センサ部10として、一面10aに第1シリコン層11が露出したものを用意し、第2配線層25としての共晶合金層が形成されたキャップ部20を用意し、第1シリコン層11と共晶合金層とを接触させた状態で加熱することにより、第1シリコン層11の一部と共晶合金層の一部とを共晶合金化させることもできる。
これらにおいて例えばAlとGeで共晶合金化させる場合、Ge層を蒸着やスパッタリング法で形成するのにかえてあらかじめ所定のAl−Geの割合になるように蒸着やスパッタリング法でこの層を形成することができる。
上記各実施形態では、センサ部10の基板、キャップ部20の基板をSiで説明してきたが、これらの基板として、化合物半導体例えばGaAs、GaN、SiGeの混晶結晶、SiC、金属例えばCu、Ni、コバール等を適用してもよい。
第10実施形態では、第1配線層23および第2配線層25の材料として、Auが用いられているものが示されているが、第1配線層23の材料をポリシリコン(高濃度ポリシリコン)としても良い。これによると、Auで形成された第2配線層25は第1シリコン層11とポリシリコンである第1配線層23とで挟まれる構造となるので、半導体装置の応力バランスを良くすることができる。
10 センサ部
10a センサ部の一面
13 絶縁層
13c コンタクト部
15 アンカー部
16 振動子
17 固定電極部
19 周辺部
20 キャップ部
25a 配線部
25b 気密封止部
40 封止空間
60 導体層

Claims (18)

  1. 一面(10a)を有し、前記一面(10a)側にセンサ構造体(15〜17)が形成されたセンサ部(10)と、
    前記センサ構造体(15〜17)を覆うように前記一面(10a)に接合されたキャップ部(20)とを備え、
    前記センサ部(10)のうち前記キャップ部(20)と接合される部位をセンサ部側接合部(15、17〜19)とし、前記キャップ部(20)のうち前記センサ部(10)と接合される部位をキャップ部側接合部(25a、25b)としたとき、
    前記センサ部側接合部(15、17〜19)と前記キャップ部側接合部(25a、25b)とは、前記センサ部側接合部(15、17〜19)と前記キャップ部側接合部(25a、25b)とのうち少なくとも一方を共晶合金化させることにより共晶接合されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記センサ部側接合部(15、17〜19)は、
    前記センサ構造体(15〜17)の一部と、
    前記センサ構造体(15〜17)を一周して囲む周辺部(19)とを有し、
    前記キャップ部側接合部(25a、25b)は、
    前記センサ構造体(15〜17)の一部に共晶接合された配線部(25a)と、
    前記配線部(25a)と同じ階層に配置されると共に、該配線部(25a)とは電気的に絶縁され、前記周辺部(19)に対応するように一端が他端に繋がった輪状に形成された気密封止部(25b)とを有しており、
    前記気密封止部(25b)と前記周辺部(19)とが共晶接合されたことで、前記キャップ部(20)と前記センサ部(10)とによって構成された封止空間(40)に前記センサ構造体(15〜17)が封止されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記センサ部側接合部(15、17〜19)は、前記配線部(25a)の表面のうちの平坦部に共晶接合されていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記センサ部側接合部(15、17〜19)は、該センサ部側接合部(15、17〜19)の表面側のうち少なくとも前記キャップ部側接合部(25a、25b)に対向する部分に金属の配線層(14)を有し、
    前記配線層(14)と前記キャップ部側接合部(25a、25b)とは、前記配線層(14)と前記キャップ部側接合部(25a、25b)とのうち少なくとも一方を共晶合金化させることにより共晶接合されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の半導体装置。
  5. 前記センサ部(10)は、前記センサ構造体(15〜17)とこのセンサ構造体(15〜17)を一周して囲む周辺部(19)とが形成された第1導電層(11)と、第2導電層(12)とが、絶縁層(13)を挟み込んでなるSOI基板を有し、
    前記絶縁層(13)は、前記周辺部(19)と前記第2導電層(12)との間に、前記周辺部(19)と前記第2導電層(12)とを電気的に接続するコンタクト部(13c)を有しており、
    前記キャップ部(20)は、導電性基板(21)と、この導電性基板(21)の上に形成された前記キャップ部側接合部(25a、25b)とを有し、
    前記キャップ部側接合部(25a、25b)は、前記センサ構造体(15〜17)の一部に共晶接合された配線部(25a)と、前記配線部(25a)と同じ階層に配置されると共に、該配線部(25a)とは電気的に絶縁され、前記周辺部(19)に対応するように一端が他端に繋がった輪状に形成され、さらに前記導電性基板(21)に電気的に接続された気密封止部(25b)とを有しており、
    前記センサ部側接合部(15、17〜19)とキャップ部側接合部(25a、25b)とが共晶接合されたことにより、前記周辺部(19)、前記コンタクト部(13c)、前記第2導電層(12)、前記気密封止部(25b)、および前記導電性基板(21)が電気的に接続されると共に同電位とされていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の半導体装置。
  6. 一面(10a)を有し、前記一面(10a)側にセンサ構造体(15〜17)が形成されたセンサ部(10)と、
    前記センサ構造体(15〜17)を覆うように前記一面(10a)に接合されたキャップ部(20)とを備えた半導体装置の製造方法であって、
    前記センサ構造体(15〜17)が形成された前記センサ部(10)を用意する工程と、
    前記キャップ部(20)を用意する工程と、
    前記センサ部(10)のうち前記キャップ部(20)と接合される部位をセンサ部側接合部(15、17〜19)とし、前記キャップ部(20)のうち前記センサ部(10)と接合される部位をキャップ部側接合部(25a、25b)としたとき、前記センサ部側接合部(15、17〜19)と前記キャップ部側接合部(25a、25b)とのうち少なくとも一方を共晶合金化させることにより前記センサ部側接合部(15、17〜19)と前記キャップ部側接合部(25a、25b)とを共晶接合する工程とを含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 前記センサ部(10)を用意する工程では、前記センサ部(10)として、前記センサ部側接合部(15、17〜19)が金属の配線層(14)を有するものを用意し、
    前記キャップ部(20)を用意する工程では、前記キャップ部(20)として、前記キャップ部側接合部(25a、25b)が金属層(25)とこの金属層(25)の上に形成された導体層(60)とを有するものを用意し、
    前記共晶接合する工程では、前記導体層(60)を前記配線層(14)と前記金属層(25)とで挟んだ状態で加熱することにより、前記導体層(60)と前記配線層(14)の一部とを共晶合金化させると共に、前記導体層(60)と前記金属層(25)の一部とを共晶合金化させて共晶接合することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記センサ部(10)を用意する工程では、前記センサ部(10)として、前記センサ部側接合部(15、17〜19)の表面側に金属の配線層(14)が形成され、この配線層(14)の上に導体層(60)が形成されたものを用意し、
    前記キャップ部(20)を用意する工程では、前記キャップ部(20)として、前記キャップ部側接合部(25a、25b)が金属層(25)を有するものを用意し、
    前記共晶接合する工程では、前記導体層(60)を前記配線層(14)と前記金属層(25)とで挟んだ状態で加熱することにより、前記導体層(60)と前記配線層(14)の一部とを共晶合金化させると共に、前記導体層(60)と前記金属層(25)の一部とを共晶合金化させて共晶接合することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記センサ部(10)を用意する工程では、前記センサ部(10)として、前記センサ部側接合部(15、17〜19)の表面側に金属の配線層(14)が形成されたものを用意し、
    前記キャップ部(20)を用意する工程では、前記キャップ部(20)として、前記キャップ部側接合部(25a、25b)が金属層(25)とこの金属層(25)の上に形成された共晶合金層とを有するものを用意し、
    前記共晶接合する工程では、前記配線層(14)と前記金属層(25)とで前記共晶合金層を挟んだ状態で加熱することにより、前記共晶合金層の一部と前記配線層(14)の一部とを共晶合金化させると共に、前記共晶合金層の一部と前記金属層(25)の一部とを共晶合金化させて共晶接合することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  10. 前記センサ部(10)を用意する工程では、前記センサ部(10)として、前記センサ部側接合部(15、17〜19)が金属の配線層(14)とこの配線層(14)の上に形成された共晶合金層とを有するものを用意し、
    前記キャップ部(20)を用意する工程では、前記キャップ部(20)として、前記キャップ部側接合部(25a、25b)が金属層(25)を有するものを用意し、
    前記共晶接合する工程では、前記配線層(14)と前記金属層(25)とで前記共晶合金層を挟んだ状態で加熱することにより、前記共晶合金層の一部と前記配線層(14)の一部とを共晶合金化させると共に、前記共晶合金層の一部と前記金属層(25)の一部とを共晶合金化させて共晶接合することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記センサ部(10)を用意する工程では、前記センサ部(10)として、前記センサ部側接合部(15、17〜19)が金属の配線層(14)を有するものを用意し、
    前記キャップ部(20)を用意する工程では、前記キャップ部(20)として、前記キャップ部側接合部(25a、25b)が導体層(60)を有するものを用意し、
    前記共晶接合する工程では、前記配線層(14)と前記導体層(60)とを接触させた状態で加熱することにより、前記配線層(14)の一部と前記導体層(60)の一部とを共晶合金化させて共晶接合することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記センサ部(10)を用意する工程では、前記センサ部(10)として、前記センサ部側接合部(15、17〜19)が金属の配線層(14)を有するものを用意し、
    前記キャップ部(20)を用意する工程では、前記キャップ部(20)として、前記キャップ部側接合部(25a、25b)が共晶合金層を有するものを用意し、
    前記共晶接合する工程では、前記配線層(14)と前記共晶合金層とを接触させた状態で加熱することにより、前記配線層(14)の一部と前記共晶合金層の一部とを共晶合金化させて共晶接合することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  13. 前記センサ部(10)を用意する工程では、前記配線層(14)を前記センサ部側接合部(15、17〜19)の表面側のうち少なくとも前記キャップ部側接合部(25a、25b)に対向する部分に設けたものを用意することを特徴とする請求項7ないし12のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
  14. 前記センサ部(10)を用意する工程では、前記センサ部(10)として、前記センサ部側接合部(15、17〜19)が導体層(11)を有するものを用意し、
    前記キャップ部(20)を用意する工程では、前記キャップ部(20)として、前記キャップ部側接合部(25a、25b)が金属層(25)を有するものを用意し、
    前記共晶接合する工程では、前記導体層(11)と前記金属層(25)とを接触させた状態で加熱することにより、前記導体層(11)の一部と前記金属層(25)の一部とを共晶合金化させて共晶接合することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  15. 前記センサ部(10)を用意する工程では、前記センサ部(10)として、前記センサ部側接合部(15、17〜19)が導体層(11)を有するものを用意し、
    前記キャップ部(20)を用意する工程では、前記キャップ部(20)として、前記キャップ部側接合部(25a、25b)が共晶合金層を有するものを用意し、
    前記共晶接合する工程では、前記導体層(11)と前記共晶合金層とを接触させた状態で加熱することにより、前記導体層(11)の一部と前記共晶合金層の一部とを共晶合金化させて共晶接合することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置の製造方法。
  16. 前記センサ部(10)を用意する工程では、前記センサ部(10)として、前記センサ部側接合部(15、17〜19)は、前記センサ構造体(15〜17)の一部と、前記センサ構造体(15〜17)を一周して囲む周辺部(19)とを有するものを用意し、
    前記キャップ部(20)を用意する工程では、前記キャップ部(20)として、前記キャップ部側接合部(25a、25b)は、配線部(25a)と、前記配線部(25a)と同じ階層に配置されると共に、該配線部(25a)とは電気的に絶縁され、前記周辺部(19)に対応するように一端が他端に繋がった輪状に形成された気密封止部(25b)とを有するものを用意し、
    前記共晶接合する工程では、前記配線部(25a)と前記センサ構造体(15〜17)の一部とを共晶接合すると共に、前記気密封止部(25b)と前記周辺部(19)とを共晶接合することにより、前記キャップ部(20)と前記センサ部(10)とによって構成された封止空間(40)に前記センサ構造体(15〜17)を封止することを特徴とする請求項6ないし15のいずれか1つに記載の半導体装置の方法。
  17. 前記共晶接合する工程では、前記センサ部側接合部(15、17〜19)を、前記配線部(25a)の表面のうちの平坦部に共晶接合することを特徴とする請求項16に記載の半導体装置の製造方法。
  18. 前記センサ部(10)を用意する工程では、前記センサ部(10)として、前記センサ構造体(15〜17)とこのセンサ構造体(15〜17)を一周して囲む周辺部(19)とが形成された第1導電層(11)と、第2導電層(12)とが、絶縁層(13)を挟み込んでなるSOI基板を用意し、さらに、前記絶縁層(13)として、前記周辺部(19)と前記第2導電層(12)との間に、前記周辺部(19)と前記第2導電層(12)とを電気的に接続するコンタクト部(13c)を有するものを用意し、
    前記キャップ部(20)を用意する工程では、前記キャップ部(20)として、導電性基板(21)と、この導電性基板(21)の上に形成された前記キャップ部側接合部(25a、25b)とを有するものを用意し、さらに、前記キャップ部側接合部(25a、25b)のうちの前記気密封止部(25b)として、前記導電性基板(21)に電気的に接続されたものを用意し、
    前記共晶接合する工程では、前記センサ部側接合部(15、17〜19)とキャップ部側接合部(25a、25b)とを共晶接合することにより、前記周辺部(19)、前記コンタクト部(13c)、前記第2導電層(12)、前記気密封止部(25b)、および前記導電性基板(21)を電気的に接続すると共に同電位とすることを特徴とする請求項16または17に記載の半導体装置の製造方法。
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