JP2010171047A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体レーザ素子のpn接合部が短絡することを防止できる半導体レーザ装置を得ること。
【解決手段】活性層3を挟持する上面側電極層1および下面側電極層4を有した半導体素子2Aが下面側電極層4を介してサブマウント7側に半田接合されるとともに、下面側電極層4の主面の外縁部のうち半導体素子2Aのレーザ光出射面と垂直な側面側の両端部が、半導体素子2Aの主面の外縁部よりも所定の距離だけ内側に入った位置となるよう、下面側電極層4の主面が半導体素子2Aの主面よりも小さく構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体レーザ装置に関するものである。
レーザ光を出射する半導体レーザ装置は、発光部(レーザ光出射部)である平板状の活性層を挟んでpn接合された直方体(平板状)の半導体素子を備えている。半導体レーザ装置からレーザ光を出射させる際には、半導体素子の主面と垂直な方向に電流を流すことにより活性層にキャリアを注入する。このため、半導体素子が備えるp側の半導体層の表面(半導体素子の下面側)およびn側の半導体層の表面(半導体素子の上面側)には、それぞれ電極が形成されている。この電極のうち活性層に近いほうの電極が、サブマウントもしくは放熱器にAu系などの半田(はんだ)で接合されている。従来の半導体レーザ装置は、活性層に近いほうの電極を形成する際には、この電極が半導体素子表面全体を被覆するよう形成されていた。そして、活性層に近いほうの電極が、半田によってサブマウントや放熱器に接合されていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−258365号公報
しかしながら、上記従来の技術では、半導体素子とサブマウントなどをAuなどの半田で接合する際には、半田が接合部からはみ出すとともに、はみ出した半田が半導体素子の側面に盛り上がる場合があった。また、平板状をなす半導体素子の側面は、pn接合部が露出している。このため、p側の半導体層とn側の半導体層の両方に半田が付着することによって、pn接合部分が半田で電気的に短絡させられる場合があり、半導体レーザ装置が正常に動作しない場合があるという問題があった。特に、半導体素子の側面のうちの短手方向(レーザ光の出射方向)に延びる側面(電極面両端部)の半田は、濡れ性が良く、半導体レーザ装置は、短手方向に延びる側面へ半田が盛り上がりやすい構造となっている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、半導体レーザ素子のpn接合部が短絡することを防止できる半導体レーザ装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、活性層と前記活性層を挟持する第1および第2の電極層とを有した半導体レーザ素子が前記第1の電極層を介してサブマウント側または放熱器側に半田接合される半導体レーザ装置において、前記第1の電極層の主面の外縁部のうち前記半導体レーザ素子のレーザ光出射面と垂直な側面側の両端部が、前記半導体レーザ素子の主面の外縁部よりも所定の距離だけ内側に入った位置となるよう、前記第1の電極層の主面が前記半導体レーザ素子の主面よりも小さく構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、第1の電極層の主面の外縁部のうち半導体レーザ素子のレーザ光出射面と垂直な側面側の両端部が、半導体レーザ素子の主面の外縁部よりも所定の距離だけ内側に入った位置となるよう第1の電極層が構成されているので、半田が半導体レーザ素子の側面に付着しにくくなり、半導体レーザ素子のpn接合部の短絡を防止できるという効果を奏する。
以下に、本発明に係る半導体レーザ装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る半導体レーザ装置の構成を示す図である。図1では、半導体素子(半導体レーザ素子)が半田によってサブマウントに接合された場合の半導体レーザ装置を示している。図1では、レーザ光の出射方向と垂直な平面で半導体レーザ装置を切断した場合の断面図(半導体レーザ装置の正面図)を示している。
半導体レーザ装置10Aは、所定波長のレーザ光を出力する半導体素子2Aと、導電接着剤である半田層5と、サブマウント7と、サブマウント7上の金属薄膜6と、を含んで構成されている。サブマウント7は、高熱伝導率で半導体素子2Aと同等の熱膨張率を有したCuWなどによって構成されている。半導体レーザ装置10Aでは、サブマウント7上に半導体素子2Aが設けられており、半導体素子2A、半田層5、金属薄膜6、サブマウント7の順番で各層が積層されている。
半導体素子2Aは、概略平板状をなしており、その上面側に上面側電極層1(第2の電極層)が形成され、下面側に下面側電極層4(第1の電極層)が形成されている。半導体素子2Aの4つの側面のうち、長手方向に延びる側面の1つがレーザ光の出射面である。半導体素子2Aの主面は、例えば長手方向の寸法が約10mmであり、短手方向の寸法が約1mmである。
半導体素子2Aは、レーザ光を出射する活性層3を有しており、この活性層3がp型の半導体層とn型の半導体層とによって挟まれている。半導体素子2Aは、下層側から、下面側電極層(p側電極層)4、p型の半導体層、活性層3、n型の半導体層、上面側電極層(n側電極層)1の順番で各層が積層された構造を有している。下面側電極層4、上面側電極層1は、単層構造であってもよいし、Ti/Pt/Auなどの多層構造であってもよい。また、半導体素子2Aは、例えばGaAsを主成分とする808nm帯発振のアレイ型半導体素子などである。半導体レーザ装置10Aは、下面側電極層4と、半田層5と、金属薄膜6と、がそれぞれAu(金)系の材料を含んで形成されている。
サブマウント7上に形成される金属薄膜6の上面に半田層5が塗布され、半田層5を介して半導体素子2Aの下面側電極層4と金属薄膜6とが接着される。これにより、半導体素子2Aがサブマウント7上に固定されるとともに、下面側電極層4から金属薄膜6を経由した電極配線の引き出しが可能になる。
なお、半導体素子2A内は、活性層3を上面側電極層1よりも下面側電極層4側の近傍に配置したジャンクションダウンの形態で固定されている。半導体素子2Aは、サブマウント7を介して放熱器(図示せず)へ接合されるので、ジャンクションダウンの形態にしておくことによって活性層3が放熱器に近くなり、放熱性が良くなる。
ここで、上述した下面側電極層4の形状について説明する。図2は、半導体素子の電極面のうち半田接合される側の電極面を示す図である。図2は、半田接合される電極面の下面図であり、半導体素子2Aを下面側から見た場合の下面側電極層4の主面を示している。
本実施の形態の下面側電極層4は、半導体素子2Aの表面全面(下面の全領域)に形成されるのではなく、半導体素子2Aの主面のうち長手方向の端部には形成されない。換言すると、半導体素子2Aの長手方向の両端部(図内の左端と右端)には、下面側電極層4を形成せず、半導体素子2Aの長手方向の両端部以外の箇所(中央部)に下面側電極層4を形成する。例えば、下面側電極層4の主面を半導体素子2Aの主面よりも小さく構成することによって、半導体素子2Aの短手方向に延びる側壁から10μmだけ内側に入った位置を下面側電極層4の外縁部とし、これにより半導体素子2Aの両端部では半導体層の表面を露出させている。
半導体素子2Aの側面のうちの短手方向(レーザ光の出射方向)に延びる側面では、半田の濡れ性が良くなる。一方、半導体層の表面は酸化しやすく、半田の濡れ性が悪くなる。このため、半導体素子2Aの下面のうち長手方向の両端部(外縁部領域)に下面側電極層4を形成しないことによって、半導体素子2Aの下面の両端部は半田の濡れ性が悪くなる。このように、半田接合面の両端に電極層が存在しないよう半導体層の表面が露出する領域(半導体露出部)を設けることで、半田層5が半導体素子2Aの接合面両端に付着せず、半導体素子2Aの側面への半田の盛り上がりを防止することができる。
図3は、半導体露出部の幅と短絡不良率の関係を示す図である。図3において、横軸が半導体露出部の幅(距離)であり、縦軸が短絡不良率である。半導体露出部の幅は、半導体素子2Aの下面のうち下面側電極層4が形成されない領域の長手方向の距離である。例えば、半導体素子2Aの下面のうち下面側電極層4が形成されない領域の長手方向の距離が10μmである場合、半導体素子2Aの下面の両端部に10μmずつの半導体露出部が設けられる。短絡不良率は、p側の半導体層とn側の半導体層の両方に半田層5が付着することによって、pn接合部分が電気的に短絡する不良の割合である。
半導体露出部は半田の濡れ性が悪いが、半田の量が多いと半導体露出部にも半田は付着する。半導体露出部に半田が付着した場合、半田層5が半導体素子2Aの内部へ侵食し短絡に至る場合がある。このため、半導体露出部の幅が広すぎると短絡の発生率は上がってしまう。従って、図3に示すように、例えば半導体露出部の幅を10μmとすることによって、短絡発生率を低減することが可能となる。
また、半導体素子2Aとサブマウント7を接合する半田の量や配置を制御することによって、半導体素子2Aの側面への半田の盛り上がりを防止することができる。図4は、半田の量を制御した場合のサブマウントを示す図である。図4では、サブマウント7の上面を金属薄膜6側から見た場合の上面図を示している。
図4に示すように、例えばサブマウント7上に形成される半田層5の領域(半田層形成領域)を、半導体素子2Aが装着される領域(半導体素子装着領域11)のみに限定する。半導体素子装着領域11は、例えば金属薄膜6と同じ領域である。これにより、半田の量が少なくなるので、半導体素子2Aの側面へ這い上がる半田の量を抑制することが可能となる。
ここで、この実施の形態1における半導体レーザ装置10Aの構成と従来用いられていた半導体レーザ装置の構成の差異を明確にするため、従来用いられていた半導体レーザ装置の構成についての問題点を説明する。
図5は、従来の半導体レーザ装置の構成を示す図である。従来の半導体レーザ装置10Xは、半導体素子20と、半田層50と、サブマウント7と、サブマウント7上の金属薄膜6と、を有していた。そして、半導体素子20を、下層側から、下面側電極層40、p型の半導体層、活性層3、n型の半導体層、上面側電極層1の順番で積層していた。さらに、下面側電極層40は、半導体素子20の表面全面(下面の全領域)に形成されていた。このような半導体素子20とサブマウント7とを半田層50によって接合すると、半導体素子20の側面のうちの短手方向に延びる側面の半田が半導体素子20の側面に盛り上がりやすくなる。これにより、p側の半導体層とn側の半導体層の両方に半田層50が付着し、pn接合部分が電気的に短絡する可能性が高かった。
一方、本実施の形態に係る半導体レーザ装置10Aは、半田接合面の両端でp型の半導体層の表面を露出させているので、半田が半導体素子2Aの接合面両端に付着しにくくなり、pn接合部分が電気的に短絡する可能性が低くなる。
このように実施の形態1によれば、半導体素子2Aの下面のうち長手方向の両端部に下面側電極層4を形成しないことによって、両端部は半導体層の表面が露出させられているので、半田が半導体素子2Aの両端部に付着しにくくなる。これにより、半導体素子2Aの側面に半田が這い上がることを防止でき、その結果、半導体素子2Aのpn接合部の短絡を防止できる。したがって、半導体素子2Aが、pn接合部で電気的に短絡する不良が減り、半導体レーザ装置10Aの製造歩留まりが改善される。
実施の形態2.
つぎに、図6および図7を用いてこの発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2では、半導体素子の下面のうち長手方向の両端部に下面側電極層4を形成せず、代わりに半田濡れ性の無い部材を形成しておく。
図6は、本発明の実施の形態2に係る半導体レーザ装置の構成を示す図である。図6の各構成要素のうち図1に示す実施の形態1の半導体レーザ装置10Aと同一機能を達成する構成要素については同一番号を付しており、重複する説明は省略する。
図6では、半導体素子が半田層5によってサブマウント7に接合された場合の半導体レーザ装置10Bを示している。図6では、レーザ光の出射方向と垂直な平面で半導体レーザ装置10Bを切断した場合の断面図(半導体レーザ装置10Bの正面図)を示している。実施の形態2に係る半導体レーザ装置10Bは、実施の形態1に係る半導体レーザ装置10Aと略同様の構成であり、半田接合される電極面の構成が異なっている。
半導体素子2Bは、下層側から、下面側電極層4および非濡れ性薄膜8(半田濡れ性の無い部材)、p型の半導体層、活性層3、n型の半導体層、上面側電極層1の順番で各層が積層された構造を有している。そして、下面側電極層4および非濡れ性薄膜8がp型の半導体層の下面側の表面を被覆している。
ここで、本実施の形態に係る下面側電極層4および非濡れ性薄膜8の形状について説明する。図7は、下面側電極層および非濡れ性薄膜の構成を示す図である。図7では、半導体素子2Bを下面側から見た場合の、下面側電極層4および非濡れ性薄膜8の主面を示している。本実施の形態の下面側電極層4は、実施の形態1の下面側電極層4と同様に、半導体素子2Bの表面全面に形成されるのではなく、半導体素子2Bの主面のうち長手方向の端部には形成されない。
さらに、本実施の形態の半導体素子2Bは、半導体素子2Bの下面のうち下面側電極層4の形成されない領域(実施の形態1では半導体層が露出していた両端部の領域)に、半田濡れ性の無い物質(非濡れ性薄膜8)が形成されている。この非濡れ性薄膜8には、例えばSiO2などの絶縁膜を用いる。
このように、半導体素子2Bは、半田接合面の両端部に半田の濡れ性が無い非濡れ性薄膜8が存在するので、半田接合面の両端部に半田層5が付着せず半導体素子2Bの側面への半田盛り上がりを防止することができる。また、非濡れ性薄膜8を用いることによって、半導体露出部から半導体素子2B内への半田侵食を防ぐことができ、下面側電極層4のない領域を10μm以上に広げることができる。
下面側電極層4のない領域を広げれば、非濡れ性薄膜8の領域が広くなるので、半田が半導体素子2Bの側面へ盛り上がる可能性が低くなる。下面側電極層4の形成しない領域を広げる上限は、半導体素子2Bの内部に電流を流す領域の端までであり、例えば半導体素子2Bの端部から100μm程度である。したがって、非濡れ性薄膜8を形成する領域は、例えば半導体素子2Bの短手方向に延びる側面部から10μm以上かつ100μm以下だけ内側に入った領域とする。
このように実施の形態2によれば、半導体素子2Bの下面のうち長手方向の両端部に下面側電極層4を形成せず、半導体露出部の位置に非濡れ性薄膜8を形成しているので、半田が半導体素子2Bの両端部に付着しにくくなる。これにより、半導体素子2Bの側面に半田が這い上がることを防止でき、その結果、半導体素子のpn接合部の短絡を防止できる。したがって、半導体素子2Bが、pn接合部で電気的に短絡する不良が減り、半導体レーザ装置10Bの製造歩留まりが改善される。
なお、上述した実施の形態1,2では、半導体素子2A,2Bとサブマウント7とを半田層5で接合する場合について説明したが、半導体素子2A,2Bと放熱器とを半田層5によって接合してもよい。
以上のように、本発明に係る半導体レーザ装置は、サブマウントや放熱器への半導体素子の半田接合に適している。
本発明の実施の形態1に係る半導体レーザ装置の構成を示す図である。 半導体素子の電極面のうち半田接合される側の電極面を示す図である。 半導体露出部の幅と短絡不良率の関係を示す図である。 半田の量を制御した場合のサブマウントを示す図である。 従来の半導体レーザ装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体レーザ装置の構成を示す図である。 下面側電極層および非濡れ性薄膜の構成を示す図である。
1 上面側電極層
2A,2B 半導体素子
3 活性層
4 下面側電極層
5 半田層
6 金属薄膜
7 サブマウント
8 非濡れ性薄膜
10A,10B 半導体レーザ装置
11 半導体素子装着領域

Claims (6)

  1. 活性層と前記活性層を挟持する第1および第2の電極層とを有した半導体レーザ素子が前記第1の電極層を介してサブマウント側または放熱器側に半田接合される半導体レーザ装置において、
    前記第1の電極層の主面の外縁部のうち前記半導体レーザ素子のレーザ光出射面と垂直な側面側の両端部が、前記半導体レーザ素子の主面の外縁部よりも所定の距離だけ内側に入った位置となるよう、前記第1の電極層の主面が前記半導体レーザ素子の主面よりも小さく構成されていることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記半導体レーザ素子は、
    前記半導体レーザ素子の主面のうち前記第1の電極層の主面と接合していない前記両端部よりも外側の外縁部領域で前記半導体レーザ素子の半導体層が露出するよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記半導体レーザ素子は、
    前記半導体レーザ素子の主面のうち前記第1の電極層の主面と接合していない前記両端部よりも外側の外縁部領域に半田濡れ性のない薄膜が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記半導体レーザ素子は、
    前記半導体レーザ素子が前記サブマウント側または放熱器側で半田接合によって装着される装着領域のみを前記半田の形成領域としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記半田濡れ性のない薄膜は、絶縁膜であることを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記半田濡れ性のない薄膜が形成される前記外縁部領域は、前記半導体レーザ素子の主面の外縁部から10μm以上かつ100μm以下だけ内側に入った領域であることを特徴とする請求項3または5に記載の半導体レーザ装置。
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