JP2010168676A - 模様付き不織布シートの製造方法及び不織布シートの模様形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】不織布シートに簡易な方法で種々の模様を施すことができる模様付き不織布シートの製造方法を提供する。
【解決手段】不織布シート10にウォータージェットを噴射して模様を形成する模様付き不織布シートの製造方法であって、網目状のネットシート15と、このネットシート15に積層され、不織布シート10に形成される模様に対応した通水開口部16aを有する止水シート16と、からなる積層シートに対して、積層シートの止水シート16側から噴射されたウォータージェットが、通水開口部16aを通水して不織布シート10に衝突することにより不織布シート10に模様を形成することを特徴とする模様付き不織布シートの製造方法。
【選択図】図2
【解決手段】不織布シート10にウォータージェットを噴射して模様を形成する模様付き不織布シートの製造方法であって、網目状のネットシート15と、このネットシート15に積層され、不織布シート10に形成される模様に対応した通水開口部16aを有する止水シート16と、からなる積層シートに対して、積層シートの止水シート16側から噴射されたウォータージェットが、通水開口部16aを通水して不織布シート10に衝突することにより不織布シート10に模様を形成することを特徴とする模様付き不織布シートの製造方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、脱脂綿などの不織布の表面に凹部又は凸部により文字、図形、記号、模様などの模様を形成する模様付き不織布シートの製造方法及び不織布シートの模様形成装置に関する。
従来、不織布シートに模様などの表示を施す方法としてエンボス(圧縮)加工、スパンレース(ウォータージェット)加工などが用いられていた。
例えば、特許文献1では熱エンボス装置により凹凸加工を施した一対のエンボスロールで不織布を圧接させて、不織布に凹凸表示を形成させる方法が開示されている。
また、特許文献2では、繊維ウエブ面を打撃するエネルギー量の異なる複数のノズル孔を配列した噴射ノズルユニットを用いて不織布シートの表面にウォータージェットを噴射させ、その配列に応じた表示を不織布シートの表面に施す方法が開示されている。
しかしながら、上記特許文献1では、不織布の繊維が圧接されるため、不織布本来の優れた吸湿性、吸水性、及び保水性を保つのが困難であった。また、ローラーの凹凸部に挟まれた不織布には局部的に大きな張力が掛かるため不織布の繊維が伸び強度が低下してしまう問題があった。
また、上記特許文献2では、複数のノズル孔が必要であるため、装置が大型化し、不織布シートに形成される模様に応じた形状のノズル孔を用いる必要があるため、製造コストが増大する。
そこで、本願発明は、不織布シートに簡易な方法で種々の模様を施すことができる模様付き不織布シートの製造方法及び不織布シートの模様形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明の模様付き不織布シートの製造方法は、一つの観点として、(1)不織布シートにウォータージェットを噴射して模様を形成する模様付き不織布シートの製造方法であって、網目状のネットシートと、このネットシートに積層され、前記不織布シートに形成される模様に対応した通水開口部を有する止水シートと、からなる積層シートに対して、前記積層シートの前記止水シート側から噴射されたウォータージェットが、前記通水開口部を通水して前記不織布シートに衝突することにより前記不織布シートに模様を形成することを特徴とする。
(2)(1)の構成において、前記ネットシートを構成する線状部材は、その直径が0.5mm以下、隣接する線状部材の間隔が5mm以下、ウォータージェットの水圧が30kg/cm2以下に設定するのが好ましい。これにより、不織布シートにネットシートの模様が転写するのを抑制できる。
(3)(1)又は(2)の構成において、前記ネットシートは、糸で構成することができる。これにより、ネットシートを簡易かつ低コストで製造することができる。さらに、模様付き不織布シートを簡易かつ低コストで製造することができる。
(4)本願発明の模様付き不織布シートの製造方法は、別の観点として、不織布シートにウォータージェットを噴射して模様を形成する模様付き不織布シートの製造方法であって、網目状のネットシートと、このネットシートに積層され、前記不織布シートに形成される模様に対応した形状の止水シートと、からなる積層シートに対して、前記積層シートの前記止水シート側から噴射されたウォータージェットが、前記止水シートにより止水されない領域を通水して前記不織布シートに衝突することにより前記不織布シートに模様を形成することを特徴とする。
(5)(4)の構成において、前記ネットシートを構成する線状部材は、その直径が0.5mm以下、隣接する線状部材の間隔が5mm以下、ウォータージェットの水圧が30kg/cm2以下に設定するのが好ましい。これにより、不織布シートにネットシートの模様が転写するのを抑制できる。
(6)(4)又は(5)の構成において、前記ネットシートは、糸で構成することができる。これにより、ネットシートを簡易かつ低コストで製造することができる。さらに、模様付き不織布シートを簡易かつ低コストで製造することができる。
本願発明の、不織布シートの模様形成装置は、一つの観点として、(7)不織布シートにウォータージェットを噴射することにより模様を形成する不織布シートの模様形成装置であって、網目状のネットシートと、このネットシートに積層され、前記不織布シートに形成される模様に対応した通水開口部を有する止水シートと、からなるループ形状の積層シートと、前記積層シートにテンションを付与した状態で無端回動させる回動部と、
前記積層シートの下方に配置され、前記回動部により無端回動される前記積層シートの移動方向に不織布シートを搬送する搬送部と、前記積層シートの前記止水シート側から前記通水開口部を介して前記搬送部上の前記不織布シートにウォータージェットを噴射するノズル部と、を有する。
前記積層シートの下方に配置され、前記回動部により無端回動される前記積層シートの移動方向に不織布シートを搬送する搬送部と、前記積層シートの前記止水シート側から前記通水開口部を介して前記搬送部上の前記不織布シートにウォータージェットを噴射するノズル部と、を有する。
(8)(7)の構成において、前記搬送部は、網目状の搬送ネットを有しており、この搬送ネット上に前記不織布シートを載置することができる。これにより、搬送部上に残る水を減らすことができる。その結果、不織布シートに残る水を減らすことができる。
(9)(8)の構成において、前記搬送部の下方に、前記搬送ネット上の前記不織布シートに噴射されたウォータージェットを吸引する吸引装置を設けることができる。これにより、不織布シートに噴射された水の多くを吸引装置で回収することができる。
(10)(7)乃至(9)の構成において、前記回動部により無端回動される前記積層シートと、前記搬送部により搬送される前記不織布シートとの移動速度は等速に設定するのが好ましい。これにより、不織布シートに形成される模様の形状が崩れるのを防止できる。
本願発明の不織布シートの模様形成装置は、別の観点として、(11)不織布シートにウォータージェットを噴射することにより模様を形成する不織布シートの模様形成装置であって、網目状のネットシートと、このネットシートに積層され、前記不織布シートに形成される模様に対応した形状の止水シートと、からなる積層シートと、前記積層シートにテンションを付与した状態で無端回動させる回動部と、前記積層シートの下方に配置され、前記回動部により無端回動される前記積層シートの移動方向に不織布シートを搬送する搬送部と、前記積層シートの前記止水シート側から前記通水開口部を介して前記搬送部上の前記不織布シートにウォータージェットを噴射するノズル部と、を有する。
(12)(11)の構成において、前記搬送部は、網目状の搬送ネットを有しており、この搬送ネット上に前記不織布シートを載置することができる。これにより、搬送部上に残る水を減らすことができる。その結果、不織布シートに残る水を減らすことができる。
(13)(12)の構成において、前記搬送部の下方に、前記搬送ネット上の前記不織布シートに噴射されたウォータージェットを吸引する吸引装置を設けることができる。これにより、不織布シートに噴射された水の多くを吸引装置で回収することができる。
(14)(11)乃至(13)の構成において、前記回動部により無端回動される前記積層シートと、前記搬送部により搬送される前記不織布シートとの移動速度を等速に設定することができる。これにより、不織布シートに形成される模様の形状が崩れるのを防止できる。
本発明によれば、不織布シートに簡易な方法で種々の模様を施すことができる模様付き不織布シートの製造方法及び不織布シートの模様形成装置を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、模様付き不織布シートの製造工程を示したフローチャートである。ここで不織布シートとは、繊維同士を織らずに重ね合わせて結合した布のことである。
図1を参照して、最初に、混打綿工程P1で、輸送や温度環境により硬くなった綿などの不織布シートをほぐし、綿内などに混入している不要な異物を取り除く。この工程で異物を取り除くことにより、後の工程で使用される装置の動作不良をなくし、また不良品の発生を低減させ、歩留まりを向上させることができる。
次に、カード工程P2で、繊維を一定方向に揃え、薄い膜を作るように繊維を集合させ、不織布シートを生成する。後の工程に備え繊維を均一に整える。
そして、脱脂工程P3で繊維の集合体に付着している余分な脂分を取り除く。これにより、美観に優れ、吸水性の良い繊維にすることができる。漂白工程P4で、繊維の集合体を漂白し白く綺麗な繊維にする。漂白工程P4後、主要工程である表示付工程P5で、ウォータージェットを不織布シートに噴射することにより、不織布シートの表面に模様を施す。次に、乾燥工程P6で、前工程により水分を含んだ不織布を乾燥させる。最後に、巻取り行程P7で、乾燥した不織布を巻取り、回収する。
次に、図2を参照して、不織布シートの模様形成装置の概略構成について説明する。図2は、不織布シートの模様形成装置をXZ面で切断した断面図である。
不織布シートの模様形成装置は、不織布シート10、搬送用ネット11、吸引装置12、駆動ローラー14A、従動ローラー14B、テンションローラー14C、無端状ネット体(ネットシート)15、表示用止水シート(止水シート)16、噴射ノズル18を有する。不織布シート10は搬送用ネット11上に配置されており、噴射ノズル18、駆動ローラー14A、従動ローラー14B、テンションローラー14C、無端状ネット体15、表示用止水シート16は、不織布シート10の上方に位置する。なお、X軸、Y軸及びZ軸は互い直交する異なる三軸を示している。搬送用ネット11が駆動されると、不織布シート10はX軸方向に搬送される。
図3は無端状ネット体15の平面図であり、図4は表示用止水シート16の平面図であり、説明を容易にするため簡略化して図示している。図3を参照して、無端状ネット体15は、X軸方向に延びる縦糸(線状部材)をY軸方向に並べた縦糸群とY軸方向に延びる横糸(線状部材)をX軸方向に並べた横糸群とからなる。
噴射ノズル18から無端状ネット体15に噴射されたウォータージェットは、縦糸及び横糸の間に形成された隙間を通って、不織布シート10に向かう。なお、本明細書では、不織布シート10の搬送方向、つまり、X軸方向を縦方向と定義し、Y軸方向を横方向と定義する。
図4を参照して、表示用止水シート16には、複数の通水開口部16aが形成されている。これらの通水開口部16aは、星型であり、マトリクス状に配されている。表示用止水シート16には、水が透過しない非透水性の材料、例えば、プラスチックやゴムを用いることができる。また、表示用止水シート16は、駆動ローラー14A、従動ローラー14B及びテンションローラー14Cの曲面に沿って屈曲できるように、可撓性とするのが好ましい。
図2を参照して、これらの無端状ネット体15及び表示用止水シート16は、不織布シート10の側からこの順序で積層されている。つまり、表示用止水シート16は、無端状ネット体15よりも噴射ノズル18に近い領域に位置しており、無端状ネット体15は、表示用止水シート16よりも不織布シート10に近い領域に位置している。
無端状ネット体15及び表示用止水シート16からなる積層体5について図5を参照して説明する。図5は、積層体5のZ1矢視図(図2参照)である。表示用止水シート16は、無端状ネット体15の表面に固定されている。固定方法としては、接着材による接着を用いることができる。ただし、他の方法であってもよい。この無端状ネット体15により、表示用止水シート16の通水開口部16aは覆われている。
上述の構成において、噴射ノズル18を作動させると、噴射ノズル18からウォータージェットが噴射される。この噴射されたウォータージェットは、その一部が通水開口部16aを通過して星型に凝集された状態で不織布シート10に向かい、その残りが表示用止水シート16に衝突して不織布シート10への移動が禁止される。
ここで、表示用止水シート16を無端状ネット体15に貼りつけた理由について、比較例を示して詳細に説明する。比較例は、無端状ネット体15を省略して表示用止水シート16のみを駆動ローラー14A、従動ローラー14B及びテンションローラー14Cに掛け回した構成とする。
この比較例の構成において、噴射ノズル18から噴射されたウォータージェットは、表示用止水シート16の通水開口部16aを通水して、不織布シート10に向かう。この際、通水開口部16aの縁がウォータージェットに接触することにより下方に屈曲し、通水開口部16aが拡大する。特に、通水開口部16aの鋭部161aが大きく屈曲する。その結果、通水開口部16aの開口形状が変形して、不織布シート10に所望の形状(星型)を形成することができない。
これに対して、本実施形態では、表示用止水シート16を無端状ネット体15に貼りつけることにより、表示用止水シート16を支持している。つまり、ウォータージェットの衝突により表示用止水シート16が下方に押し込まれた際に、無端状ネット体15から反受ける反力により、通水開口部16aの縁が屈曲するのを抑制することができる。これにより、通水開口部16aの開口形状が変形するのを抑制でき、所望の形状(星型)を不織布シート10に施すことができる。
さらに、無端状ネット体15は、細径の線状部材により構成されているため、ウォータージェットが無端状ネット体15を通過する際に、凝集した星型形状が崩れるのを抑制することができる。
ただし、ウォータージェットの衝突により屈曲した無端状ネット体15が不織布シート10に当接し、無端状ネット体15のネット模様が不織布シート10に転写される(模様に重畳される)おそれがある。この二次的な課題(本願発明の請求項2に対応した課題)を解決するために、無端状ネット体15の縦糸及び横糸の条件を下記のように設定している。
ここで、縦糸及び横糸は、糸の直径が好ましくは0.5mm以下であり、糸の間隔が好ましくは5mm以下である。また、ウォータージェットの水圧は、好ましくは30kg/cm2以下であり、より好ましくは20kg/cm2以下である。
図2を参照して、駆動ローラー14A、従動ローラー14B、テンションローラー14Cは、Y軸方向視において、三角形の頂点に対応した位置に配置されており、これらのローラー14A〜14Cの外周面には積層体5の無端状ネット体15が掛け回されている。駆動ローラー14Aは、図示しないモーターから伝達される駆動力によって回転駆動される。
駆動ローラー14Aの回転動作に応じて、従動ローラー14B及びテンションローラー14Cが回転する。テンションローラー14Cは弛んだ無端状ネット体15と表示用止水シート16とを間引き、テンションを一定にする。モーターの回転動作に応じて無端状ネット体15及び表示用止水シート16は一体的に無端回転する。駆動ローラー14Aの回転速度は、搬送用ネット11の搬送速度と等速である。
また、不織布シート10及び搬送用ネット11の下方には、吸引装置12が設けられている。噴射ノズル18及び吸引装置12は、不織布シート10及び搬送用ネット11を挟んで対向しており、噴射ノズル18から噴射されたウォータージェットは、表示用止水シート16の通水開口部16a、無端状ネット体15、不織布シート10及び搬送用ネット11を通水した後に、吸引装置12に吸引される。
(変形例)
上述の実施形態では、無端状ネット体15を縦糸及び横糸で構成したが、これに限られるものではなく斜め糸で構成することもできる。ここで、斜め糸とは、X軸及びY軸方向に対して45度の角度をなして水平方向に延びる糸のことであり、この斜め糸を水平方向に並べることにより無端状ネット体15を構成することができる。
上述の実施形態では、無端状ネット体15を縦糸及び横糸で構成したが、これに限られるものではなく斜め糸で構成することもできる。ここで、斜め糸とは、X軸及びY軸方向に対して45度の角度をなして水平方向に延びる糸のことであり、この斜め糸を水平方向に並べることにより無端状ネット体15を構成することができる。
無端状ネット体15を構成する斜め糸は、上述の実施形態と同様の条件で形成するのが好ましい。具体的には、糸の直径が0.5mm以下であり、糸の間隔が5mm以下である。また、ウォータージェットの水圧は、好ましくは30kg/cm2以下であり、より好ましくは20kg/cm2以下である。
上述の実施形態では、表示用止水シート16の通水開口部16aを、星型に形成したが、これに限られるものではなく、他の形状(たとえば、三角形、平行四辺形)に形成することもできる。
表示用止水シートの変形例1について説明する。図6(A)は変形例1の表示用止水シート27の平面図である。図6(B)は、図5に対応しており、変形例1の表示用止水シート27を無端状ネット体15に貼りつけた状態を図示している。なお、無端状ネット体15の構成は、上記実施形態と同様である。表示用止水シート27は星型に形成されている。表示用止水シート27には、水が透過しない非透水性の材料、例えば、プラスチックやゴムを用いることができる。表示用止水シート27は、Z軸方向視において、マトリクス状に配されている。
変形例1の構成において、噴射ノズル18から噴射されたウォータージェットは、その一部が表示用止水シート27に衝突して不織布シート10への移動が禁止され、その残りが無端状ネット体15を通過して不織布シート10に向かう。つまり、不織布シート10のうち、表示用止水シート27の直下に位置する領域以外の領域に、ウォータージェットが衝突し、不織布シート10に星型の模様が形成される。
表示用止水シートの変形例2について説明する。図7(A)は第1の表示用止水シート41の平面図であり、図7(B)は第2の表示用止水シート42の平面図である。図8は、第1及び第2の表示用止水シート41、42を無端状ネット体15に貼り付けた状態を図示している。
図7(A)を参照して、第1の表示用止水シート41には、マトリクス状に複数の円形開口部41aが形成されている。図7(B)を参照して、第2の表示用止水シート42は、円形に形成されている。これらの第1及び第2の表示用止水シート41、42には、水が透過しない非透水性の材料、例えば、プラスチックやゴムを用いることができる。ここで、第1の表示用止水シート41の円形開口部41aの径寸法をR1、第2の表示用止水シート42の径寸法をR2としたときにR1>R2なる条件を満足している。
図8を参照して、第2の表示用止水シート42は、各円形開口部41aの中心に位置しており、第2の表示用止水シート42と円形開口部41aとの間には、隙間が形成されている。変形例2の構成では、噴射ノズル18から噴射されたウォータージェットのうち、その一部は第2の表示用止水シート42と円形開口部41aとの隙間から不織布シート10に向かい、残りは第1及び第2の表示用止水シート41、42に衝突することにより不織布シート10への移動が禁止される。これにより、不織布シート10に円形の模様を形成することができる。
表示用止水シートの形状は、上記実施形態、変形例1及び変形例2に限られるものではなく、不織布シート10に形成される模様に応じた他の形状にすることもできる。この場合、上記実施形態と同様に止水性のシートに模様に応じた開口部を形成してもよいし、変形例1と同様に止水性シート自体を模様に応じた形状に形成してもよい。
上述の実施形態では不織布シート10を移動させながら模様を施したが、これに限られるものではなく、不織布シート10を停止させた状態で模様を施すこともできる。この場合、連続搬送装置として広く知られたウォーキングビームを用いて、噴射ノズル18による噴射予定位置に不織布シート10を連続的に搬送し、噴射予定位置にて不織布シート10を停止させた状態で噴射ノズル18による模様付け処理を行うことができる。
上述の実施形態では、ウォータージェットを不織布シートに噴射することにより模様付けを行ったが、本願発明は、高圧の気体を不織布シートに噴射して模様付けを行う方法にも応用することができる。このように、高圧の気体を不織布シートに噴射して模様付けを行う方法は、本願発明と均等な発明であり、本願発明の技術的範囲に属する。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。ここで、下記の表中に示す記号は、不織布シート10についた糸の跡の判別状況から以下の通り定義した。なお、判別状況については、目視で確認した。
◎:判別が全く困難である
○:判別がややできる
△:鮮明さに劣るが、判別できる
×:鮮明に判別できる
また、判別結果が◎、○であれば合格と評価し、△、×であれば不合格と評価した。
◎:判別が全く困難である
○:判別がややできる
△:鮮明さに劣るが、判別できる
×:鮮明に判別できる
また、判別結果が◎、○であれば合格と評価し、△、×であれば不合格と評価した。
表1では、縦糸及び横糸からなる無端状ネット体15を使用した。また、ウォータージェットの水圧を30kg/m2に設定した。
表2では、糸の間隔を3.0mmに固定して、水圧を10kg/cm2、20kg/cm2、30kg/cm2の三段階に分けて噴射し、糸の跡を判別した。なお、表1と同様に、縦糸及び横糸からなる無端状ネット体15を使用した。
P1:混打綿工程
P2:カード工程
P3:脱脂工程
P4:漂白工程
P5:表示付工程
P6:乾燥工程
P7:巻取り工程
10:不織布シート
11:搬送用ネット
12:吸引装置
13:ウォータージェット
14A:駆動ローラー
14B:従動ローラー
14C:テンションローラー
15:無端状ネット体
16:止水シート
18:噴射ノズル
P2:カード工程
P3:脱脂工程
P4:漂白工程
P5:表示付工程
P6:乾燥工程
P7:巻取り工程
10:不織布シート
11:搬送用ネット
12:吸引装置
13:ウォータージェット
14A:駆動ローラー
14B:従動ローラー
14C:テンションローラー
15:無端状ネット体
16:止水シート
18:噴射ノズル
Claims (14)
- 不織布シートにウォータージェットを噴射して模様を形成する模様付き不織布シートの製造方法であって、
網目状のネットシートと、このネットシートに積層され、前記不織布シートに形成される模様に対応した通水開口部を有する止水シートと、からなる積層シートに対して、
前記積層シートの前記止水シート側から噴射されたウォータージェットが、前記通水開口部を通水して前記不織布シートに衝突することにより前記不織布シートに模様を形成することを特徴とする模様付き不織布シートの製造方法。 - 前記ネットシートを構成する線状部材は、その直径が0.5mm以下、隣接する線状部材の間隔が5mm以下、ウォータージェットの水圧が30kg/cm2以下であることを特徴とする請求項1に記載の模様付き不織布シートの製造方法。
- 前記ネットシートは、糸で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の模様付き不織布シートの製造方法。
- 不織布シートにウォータージェットを噴射して模様を形成する模様付き不織布シートの製造方法であって、
網目状のネットシートと、このネットシートに積層され、前記不織布シートに形成される模様に対応した形状の止水シートと、からなる積層シートに対して、
前記積層シートの前記止水シート側から噴射されたウォータージェットが、前記止水シートにより止水されない領域を通水して前記不織布シートに衝突することにより前記不織布シートに模様を形成することを特徴とする模様付き不織布シートの製造方法。 - 前記ネットシートを構成する線状部材は、その直径が0.5mm以下、隣接する線状部材の間隔が5mm以下、ウォータージェットの水圧が30kg/cm2以下であることを特徴とする請求項4に記載の模様付き不織布シートの製造方法。
- 前記ネットシートは、糸で構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の模様付き不織布シートの製造方法。
- 不織布シートにウォータージェットを噴射することにより模様を形成する不織布シートの模様形成装置であって、
網目状のネットシートと、このネットシートに積層され、前記不織布シートに形成される模様に対応した通水開口部を有する止水シートと、からなるループ形状の積層シートと、
前記積層シートにテンションを付与した状態で無端回動させる回動部と、
前記積層シートの下方に配置され、前記回動部により無端回動される前記積層シートの移動方向に不織布シートを搬送する搬送部と、
前記積層シートの前記止水シート側から前記通水開口部を介して前記搬送部上の前記不織布シートにウォータージェットを噴射するノズル部と、
を有する不織布シートの模様形成装置。 - 前記搬送部は、網目状の搬送ネットを有しており、この搬送ネット上に前記不織布シートを載置したことを特徴とする請求項7に記載の不織布シートの模様形成装置。
- 前記搬送部の下方に、前記搬送ネット上の前記不織布シートに噴射されたウォータージェットを吸引する吸引装置を設けたことを特徴とする請求項8に記載の不織布シートの模様形成装置。
- 前記回動部により無端回動される前記積層シートと、前記搬送部により搬送される前記不織布シートとの移動速度は同じであることを特徴とする請求項7乃至9のうちいずれか一つに記載の不織布シートの模様形成装置。
- 不織布シートにウォータージェットを噴射することにより模様を形成する不織布シートの模様形成装置であって、
網目状のネットシートと、このネットシートに積層され、前記不織布シートに形成される模様に対応した形状の止水シートと、からなる積層シートと、
前記積層シートにテンションを付与した状態で無端回動させる回動部と、
前記積層シートの下方に配置され、前記回動部により無端回動される前記積層シートの移動方向に不織布シートを搬送する搬送部と、
前記積層シートの前記止水シート側から前記通水開口部を介して前記搬送部上の前記不織布シートにウォータージェットを噴射するノズル部と、
を有する不織布シートの模様形成装置。 - 前記搬送部は、網目状の搬送ネットを有しており、この搬送ネット上に前記不織布シートを載置したことを特徴とする請求項11に記載の不織布シートの模様形成装置。
- 前記搬送部の下方に、前記搬送ネット上の前記不織布シートに噴射されたウォータージェットを吸引する吸引装置を設けたことを特徴とする請求項12に記載の不織布シートの模様形成装置。
- 前記回動部により無端回動される前記積層シートと、前記搬送部により搬送される前記不織布シートとの移動速度は同じであることを特徴とする請求項11乃至13のうちいずれか一つに記載の不織布シートの模様形成装置。
Priority Applications (1)
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2009
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