JP2010168513A - 両面接着フィルム及びこれを用いた電子部品モジュール - Google Patents

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【課題】加熱されたときの変形及び反りが十分に抑制された両面接着フィルムを提供すること。
【解決手段】支持フィルム10と、支持フィルム10の一方の面に積層された第一の接着剤層21と、支持フィルム10の他方の面に積層された第二の接着剤層22とを備える両面接着フィルム1。第一の接着剤層21及び第二の接着剤層22の硬化後のガラス転移温度が100℃以下であり、第一の接着剤層21の硬化後のガラス転移温度が第二の接着剤層22の硬化後のガラス転移温度よりも10℃以上高い。支持フィルム10は100ppm以下の線膨張係数を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、両面接着フィルム及びこれを用いた半導体パッケージ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)モジュール等の電子部品モジュールに関する。
近年、半導体パッケージの分野において、1つのパッケージ内に同じまたは異なる半導体素子を2個以上搭載する場合が増えている。例えば、SIP(System In Package)のように同一平面上に搭載された2種類以上の半導体素子を有するパッケージの場合、より高密度に搭載するために素子間の距離を可能な限り近づける必要がある。2個以上の半導体素子同士が重ねて積層される場合、接着フィルムの厚みを一定に保つことが重要である。また、センサー素子やMEMS素子の基板への搭載においては、素子の搭載位置そのものが重要である場合や、同一素子内の異なった場所に位置している機能部位間の距離や搭載高さの違いが重要である場合がある。さらに、隣り合う素子間の距離や搭載高さの違いが重要である場合がある。例えば、2個以上のイメージセンサー素子を同一平面上に搭載する場合には、隣り合う素子間の距離または素子間の搭載高さのばらつきを抑制することが重要である。また、LEDプリンターヘッド用途では、無数のLEDを等間隔で配列する必要がある。
特開2006−282973号公報 特開2003−060127号公報
しかし、素子を基板に接着するために用いられる従来の接着フィルムは、加熱にともなう変形が大きいという問題を有しており、この点で更なる改善が求められていた。
例えば、一方の被着体(基板又は素子)に接着フィルムを圧着した後、他方の被着体(基板又は素子)を圧着する工程を含む方法により素子を基板に接着する場合、接着フィルムを一方の被着体に圧着する際に、接着フィルムの硬化後のガラス転移温度(Tg)以上の温度で十分な圧力を加える必要があるが、このような高温の加熱に起因して、被着体に接触していない側、すなわち圧着のための治具と接触している側の接着フィルム表面が、熱と圧力により変形して、表面に微細な凹凸が形成される場合がある。他方の被着体を圧着する以前に接着フィルムの表面に微細な凹凸が形成されると、他方の被着体の高精度での接着が困難になるばかりか、接着強度低下の原因となる可能性もある。
また、非着体の圧着後に行われる接着フィルムの硬化、ワイヤボンディング、封止等の加熱をともなう工程において、接着フィルムが、熱膨張、熱収縮、硬化収縮、接着フィルム中の揮発成分及び吸湿水分の揮発にともなう膨張などの変形を生じることがある。この変形が大きいと、搭載した素子の位置がずれるという問題が生じる。特に、基板上に形成された連続した接着フィルムの同一面上に2個以上の素子を接着する場合、加熱によって素子間の距離や高さが変化してしまう。
さらに、基板と素子を接着フィルムで接着した際に反りが生じるという問題点もあった。この反りも、同一素子内の機能部位間や素子間の距離及び高さの変化の原因となる可能性がある。
そこで、本発明は、加熱されたときの変形及び反りが十分に抑制された両面接着フィルムを提供することを目的とする。
本発明に係る両面接着フィルムは、支持フィルムと、該支持フィルムの一方の面に積層された第一の接着剤層と、該支持フィルムの他方の面に積層された第二の接着剤層とを備える。第一の接着剤層及び第二の接着剤層の硬化後のガラス転移温度は100℃以下であり、第一の接着剤層の硬化後のガラス転移温度が第二の接着剤層の硬化後のガラス転移温度よりも10℃以上高い。支持フィルムは100ppm以下の線膨張係数を有する。
上記本発明に係る両面接着フィルムによれば、加熱されたときの変形及び反りが十分に抑制される。第一の接着剤層の硬化後のTgを第二の接着剤層の硬化後のTgより10℃以上高くすることにより、圧着時の熱による接着フィルムの変形を抑制することができる。例えば、接着フィルムの第二の接着剤層の側を初めに素子または基板に圧着する工程では、第一の接着剤層の硬化後のTgが第二の接着剤層の硬化後のTgよりも高い、言い換えると第一の接着剤層を変形及び接着させるのに必要な温度が第二の接着剤層を変形及び接着させるのに必要な温度よりも高いために、第一の接着剤層の変形が起こりにくい温度で第二の接着剤層を圧着することができる。その結果、第一の接着剤層の変形を抑制することができる。
また、支持フィルムの線膨張係数を100ppm以下とすること、言い換えると加熱時の特性変化の少ない材料を支持フィルムとして使用することにより、素子を基板に搭載した後の接着フィルムの硬化工程、ワイヤボンディング工程や封止工程等の加熱工程における接着フィルム自体の収縮及び膨張を抑制することができる。その結果、搭載された素子の位置がこれら加熱工程の際にずれることが抑制される。
さらに、第一の接着剤層及び第二の接着剤層の硬化後のTgを100℃以下とすることにより、基板と素子を圧着する工程をより低温で行うことができる。低温で圧着を行うことにより基板と素子の線膨張係数差の影響が少なくなり、結果として反りを抑制することができる。
第一の接着剤層及び第二の接着剤層は、熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂と、フィラーとを含有することが好ましい。
支持フィルムは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート及び液晶ポリマーからなる群から選ばれるポリマーのフィルムであることが好ましい。
別の側面において、本発明は、基板と、該基板に搭載された、半導体素子及びMEMS素子から選ばれる複数の素子と、基板と素子との間に介在する接着層とを備える電子部品モジュールに関する。接着層は、上記本発明に係る両面接着フィルムから形成されている。
本発明に係る電子部品モジュールは、上記本発明に係る両面接着フィルムを用いて素子が基板に搭載されていることにより、高性能且つ高信頼性を達成できる。
本発明に係る両面接着フィルムによれば、加熱されたときの変形及び反りが十分に抑制される。さらに本発明に係る接着フィルムは、半導体パッケージ、及びMEMSモジュールのような電子部品モジュール用の接着剤として十分な接着強度を有している。
本発明の接着フィルムを半導体パッケージやMEMSモジュールにおいて用いることにより、半導体素子またはMEMS素子を高い位置精度で高密度に且つ十分な接着強度で搭載することができる。したがって、高性能で高信頼性の半導体パッケージやMEMSモジュールを得ることができる。
両面接着フィルムの一実施形態を示す断面図である。 電子部品モジュールの一実施形態を示す断面図である。 LEDプリンターヘッドによる露光の一実施形態を示す模式図である。 LEDプリンターヘッドによる露光の一実施形態を示す模式図である。 LEDプリンターヘッドによる露光の一実施形態を示す模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、両面接着フィルムの一実施形態を示す断面図である。図1に示す両面接着フィルム1は、支持フィルム10と、支持フィルム10の一方の面上に形成された第一の接着剤層21と、支持フィルム20の第一の接着剤層21とは反対側の面上に形成された第二の接着剤層22と、第一の接着剤層21及び第二の接着剤層22それぞれの支持フィルム10とは反対側の面に積層されたカバーフィルム31,32とを備える5層構成の積層体である。
第一の接着剤層21及び第二の接着剤層22は加熱により硬化する。これら接着剤層の硬化後のガラス転移温度(Tg)は100℃以下であることが好ましい。これら接着剤層の硬化後のTgが100℃以下であることにより、基板と素子の線膨張係数差により生じる反りが低減される。
第一の接着剤層21の硬化後のガラス転移温度が第二の接着剤層22の硬化後のガラス転移温度よりも10℃以上高いことが好ましい。これにより、素子を基板に搭載したときの変形が抑制される効果が顕著に奏される。
第一の接着剤層21及び第二の接着剤層22が、例えば以下に詳細に説明する成分を適宜組み合わせて構成されることにより、上記のようなTgが容易に達成される。
接着剤層21,22は、例えば、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂をそれぞれ含有する。
接着剤層を構成する熱可塑性樹脂のTgは好ましくは100℃未満、より好ましくは90℃未満、さらに好ましくは80℃未満である。Tgが低い熱可塑性樹脂を用いることにより、低いTgを有する接着剤層を容易に形成することができる。熱可塑性樹脂は、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリアリレート、ポリエーテルケトン及びポリエチレンナフタレートからなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。
接着剤層を構成するポリイミド樹脂の化学構造が特に限定されないが、硬化後の接着剤層のTgを100℃以下とするために、ポリイミド樹脂は、アルキレン、アルキレンオキサイド及びシロキサンから選ばれる主鎖骨格を含むことが好ましい。
接着フィルムとしての接着性及び耐熱性を更に高めるために、ポリイミド樹脂は、GPC(Gel Permeation Chromatoglaphy)で測定される重量平均分子量が10000〜200000であることが好ましく、50000〜100000であることがより好ましい。
ポリイミド樹脂を他の樹脂と組み合わせる場合、接着フィルムの接着性、耐熱性、Tgなどの特性を考慮すると、接着剤層はその全質量を基準としてポリイミド樹脂を30質量%以上含んでいることが好ましく、50質量%以上含んでいることがより好ましく、70質量%以上含んでいることがさらに好ましい。
接着剤層を構成するアクリル樹脂の化学構造は特に限定されないが、アクリル樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、(メタ)アクリル酸エステルと、(メタ)アクリル酸、アクリロニトリル、アクリルアミド、ビニルモノマ−、スチレン、ビニルエーテル、ブタジエン及びマレイミドから選ばれるモノマーとの共重合体であり得る。特に、エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート及びアクリロニトリルの共重合体、並びに、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート及びアクリロニトリルの共重合体が好ましい。このようなアクリル樹脂の市販品として、例えば帝国化学産業(株)製のHTR−860P−3がある。
接着剤層を構成するエポキシ樹脂は、1分子中に1個以上のエポキシ基を有する化合物であれば特に制限はない。エポキシ樹脂としては、例えば、アルキルモノグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アルキルフェノールモノグリシジルエーテル、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−グリシドキシプロピル)-1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、アルキルモノグリシジルエステル、ビスフェノールA型エポキシ樹脂[AER−X8501(旭化成エポキシ(株)、商品名)、R−301(三井化学(株)、商品名)、YL−980(ジャパンエポキシレジン(株)、商品名)]、ビスフェノールF型エポキシ樹脂[YDF−170(東都化成(株)、商品名)]、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂[R−1710(三井化学(株)、商品名)]、フェノールノボラック型エポキシ樹脂[N−730S(大日本インキ化学工業(株)、商品名)、Quatrex−2010(ダウ・ケミカル社、商品名)]、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂[YDCN−702S(東都化成(株)、商品名)、EOCN−100(日本化薬(株)、商品名)]、多官能エポキシ樹脂[EPPN−501(日本化薬(株)、商品名)、TACTIX−742(ダウ・ケミカル社、商品名)、VG−3010(三井化学(株)、商品名)、1032S(ジャパンエポキシレジン(株)、商品名)]、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂[HP−4032(大日本インキ化学工業(株)、商品名)]、ジシクロ型エポキシ樹脂[EP−4088S(旭電化工業(株)、商品名)、XD−1000−L(日本化薬(株)、商品名)]、脂環式エポキシ樹脂[EHPE−3150、CEL−3000(ダイセル化学工業(株)、商品名)、DME−100(新日本理化(株)、商品名)、EX−216L(ナガセケムテックス(株)、商品名)]、脂肪族エポキシ樹脂[W−100(新日本理化(株)、商品名)、YH−300(東都化成(株)、商品名)]、エポキシ化ポリブタジエン[PB−3600(ダイセル化学工業(株)、商品名)、E−1000−3.5(日本石油化学(株)、商品名)]、エポキシ化植物油[S−300K、L−500(ダイセル化学工業(株)、商品名)]、アミン型エポキシ樹脂[ELM−100(住友化工業(株)、商品名)、YH−434L(東都化成(株)、商品名)、TETRAD−X、TETRAD−C(三菱瓦斯化学(株)、商品名)、GOT、GAN(日本化薬(株)、商品名)]、エチレン/プロピレングリコール変性ビスフェノール型エポキシ樹脂[EP−4000S(旭電化工業(株)、商品名)、BEO−60E(新日本理化(株)、商品名)]、水素添加ビスフェノール型エポキシ樹脂[EXA−7015(日本化薬(株)、商品名)、ST−5080(東都化成(株)、商品名)]、レゾルシン型エポキシ樹脂[デナコールEX−201(ナガセケムテックス(株)、商品名)]、カテコール骨格を有するエポキシ樹脂[EXA−7120(大日本インキ化学工業(株)、商品名)]、ネオペンチルグリコール型エポキシ樹脂[デナコールEX−211(ナガセケムテックス(株)、商品名)]、ヘキサンディネルグリコール型エポキシ樹脂[デナコールEX−212(ナガセケムテックス(株)、商品名)]、エチレン/プロピレングリコール型エポキシ樹脂[デナコールEX−810、811、850、851、821、830、832、841、861(ナガセケムテックス(株)、商品名)]、ビフェニル型エポキシ樹脂[YX−4000H(ジャパンエポキシレジン(株)、商品名]、下記一般式(I):
Figure 2010168513

(式中、aは0〜5の整数を表す)
で表されるエポキシ樹脂[E−XL−24、E−XL−3L(三井化学(株)、商品名)]、ウレタン変性エポキシ樹脂[EPU−15、EPU−18(旭電化工業(株)、商品名)]、ゴム変性エポキシ樹脂[EPR−4032、EPR−1309(旭電化工業(株)、商品名)]、キレート変性エポキシ樹脂[EP−49−10、EPU−78−11(旭電化工業(株)、商品名)]、グリシジルエステル型エポキシ樹脂[YD−171、YD−172(東都化成(株)、商品名)、AK−601(日本化薬(株)、商品名)]などが挙げられる。
これらのなかでも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種のエポキシ樹脂を用いることが好ましい。これらのエポキシ樹脂は単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
接着剤層21,22は、上記エポキシ樹脂と組み合わせて用いられる硬化剤を含有してもよい。硬化剤の例としては、フェノールノボラック樹脂[H−1(明和化成(株)、商品名)、VR−9300(三井化学(株)、商品名)]、フェノールアラルキル樹脂[XL−225(三井化学(株)、商品名)]、アリル化フェノールノボラック樹脂[AL−VR−9300(三井化学(株)、商品名)]、下記一般式(II):
Figure 2010168513

(式中、R1はメチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基を示し、R2は水素又はメチル基、エチル基等の炭素数1〜6のアルキル基を示し、bは2〜4の整数を示す。)で表される特殊フェノール樹脂[PP−700−300(日本石油化学(株)製、商品名)]、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、アリル化ビスフェノールF、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールAD、アリル化ビスフェノールS、多官能フェノール[p−CR、TrisP−PHBA、MTPC、TrisP−RS(本州化学工業(株)、商品名)]等のフェノール化合物、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、4,4’−ジアミノジフェニルジフルオロメタン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフイド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフイド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフイド、3,3’−ジアミノジフェニルケトン、3,4’−ジアミノジフェニルケトン、4,4’−ジアミノジフェニルケトン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−(3,4’−ジアミノジフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−(3,4’−ジアミノジフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、3,3’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、3,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、4,4’−(1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン))ビスアニリン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−(4−アミノフエノキシ)フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、ビス(4−(4−アミノフェノキシ)フェニル)スルホン、1,2−ジアミノエタン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(4−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリスジメチルアミノメチルフェノール、ピペリジン、メンタンジアミン、ボロントリフルオライドモノエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセン−7、6−ブチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−ノネン−5等のアミン化合物、ジシアンジアミド、下記一般式(III):
Figure 2010168513

(式中、R3はm−フェニレン基、p−フェニレン基等の2価の芳香族基、炭素数2〜12の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を示す。)で表される二塩基酸ジヒドラジド[ADH、PDH、SDH(いずれも日本ヒドラジン工業(株)製、商品名)]、エポキシ樹脂とアミン化合物の反応物からなるマイクロカプセル型硬化剤[ノバキュア(旭化成工業(株)製、商品名)]、U−CAT3502T、U−CAT3503N(サンアプロ(株)、商品名)等の尿素化合物、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水ドデシルコハク酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、3又は4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3又は4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]へプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,6−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−テトラクロルナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フエナンスレン−1,8,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ピラジン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、チオフエン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,4,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,2’,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジメチルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メチルフェニルシラン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ジフェニルシラン二無水物、1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェニルジメチルシリル)ベンゼン二無水物、1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,3,3−テトラメチルジシクロヘキサン二無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、エチレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ピロリジン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビス(エキソビシクロ[2,2,1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸二無水物)スルホン、ビシクロ−(2,2,2)−オクト(7)−エン2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフイド二無水物、4,4’−(4,4’イソプロピリデンジフェノキシ)−ビス(フタル酸無水物)、4,4’−[デカン−1,10ジイルビス(オキシカルボニル)]ジフタル酸無水物、1,4−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸二無水物)、1,3−ビス(2−ヒドロキシヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼンビス(トリメリット酸二無水物)、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、テトラヒドロフラン−2,3,4,5−テトラカルボン酸二無水物等の酸無水物、KT−990、CP−77(旭電化工業(株)、商品名)、SI−L85、SI−L145(三新化学工業(株)、商品名)等のカチオン重合触媒、ポリメルカプト化合物、ポリアミド化合物が挙げられる。これらの硬化剤を2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
接着剤層21,22は、必要に応じて、エポキシ樹脂の硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤の例としては、特に制限はないが、有機ボロン塩化合物[EMZ・K、TPPK(北興化学工業(株)、商品名)]、イミダゾール類[キュアゾール、2P4MHZ、C17Z、2PZ−OK(四国化成(株)、商品名)]が挙げられる。
第一の接着層21及び/又は第二の接着剤層22は、フィラーを含有していてもよい。フィラーとしては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、ステンレス、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム又は窒化アルミニウムの粒子が挙げられる。これらのうち、半導体パッケージの構造上、接着層に対して電気伝導性が要求される場合については、金、銀、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、ステンレス等の導電性のフィラーを使用するのが好ましい。また、接着層に対して電気絶縁性が要求される場合については、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム及び窒化アルミニウム等の電気絶縁性のフィラーを使用するのが好ましい。
フィラーの粒径は特に制限はないが、通常、平均粒径が0.001〜50μmであることが好ましく、0.005〜10μmであることがより好ましい。
フィラーの配合量は特に制限はないが、接着剤層の総質量に対して3〜70質量%が好ましく、5〜40質量%であることがより好ましい。この配合量が3質量%未満であると、熱時の接着強度が低下する傾向があり、70質量%を超えると、表面の粗さが増し、接着フィルムの加熱圧着性が低下する傾向がある。
第一の接着層21及び/又は第二の接着剤層22は、カップリング剤をさらに含有してもよい。カップリング剤としては特に制限はなく、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリ(メタクリロキシエトキシ)シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−(4,5−ジヒドロイミダゾリル)プロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン、メチルトリグリシドキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、トリメチルシリルイソシアネート、ジメチルシリルイソシアネート、フェニルシリルトリイソシアネート、テトライソシアネートシラン、メチルシリルトリイソシアネート、ビニルシリルトリイソシアネート、エトキシシラントリイソシアネート等のシランカップリング剤、テトラメチルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラプロピルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、テトライソブチルチタネート、テトラ2−エチルヘキシルチタネート、テトラステアリルチタネート、テトラオクチレングリコールチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、ポリアルキルチタネート、ポリアリールチタネート、ポリアシルチタネート、ポリホスフェートチタネート等のチタンカップリング剤等が挙げられる。
カップリング剤の配合量は、各接着剤層の総質量に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部がより好ましい。この配合割合が0.1質量部未満であると、接着強度の向上効果に劣り、10質量部を超えると、揮発分が多くなり、加熱工程での発泡が生じ易くなる傾向がある。
接着剤層21,22は、可とう化材を含有してもよい。可とう化材としては、各種の液状ゴムや熱可塑性樹脂が用いられるが、例えばポリブタジエン、マレイン化ポリブタジエン、アクリル化ポリブタジエン、メタクリル化ポリブタジエン、エポキシ化ポリブタジエン、アクリロニトリルブタジエンゴム、カルボキシ末端アクリロニトリルブタジエンゴム、アミノ末端アクリロニトリルブタジエンゴム、ビニル末端アクリロニトリルブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸メチル、ε−カプロラクトン変性ポリエステル、フェノキシ樹脂、ポリイミド等が挙げられる。
可とう化材の分子量は、通常、数平均分子量が500〜500000であることが好ましく、1000〜200000であることがより好ましい。
可とう化材の配合量は、各接着剤層の総質量に対して1〜50質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましい。この配合量が1質量部未満であると可とう化効果が小さくなる傾向があり、50質量部を超えると、粘着性が増大し、接着フィルムの取扱性、加工性が低下する傾向がある。
接着剤層21,22は、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、高級脂肪酸等の濡れ向上剤、シリコーン油等の消泡剤、無機イオン交換体等のイオントラップ剤、臭素化合物、金属水和物等の難燃性付与剤等の添加剤を1種類以上含んでいてもよい。
接着剤層21,22の厚みは、特に制限はないが、それぞれ1〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることがより好ましい。接着剤層の厚みが1μm未満であると、その厚みを均一に保つことが難しく、また接着性も低下する傾向がある。一方、接着剤層の厚みが100μmを超えると、基板と素子を接着フィルムで接着する際又はその後の加熱工程における接着フィルム自体の変形が大きくなる傾向がある。
支持フィルム(ベース基材)10は、加熱による特性変化の少ない材料から形成されることが好ましい。これにより、素子を基板に搭載した後の接着フィルムの硬化工程、ワイヤボンディング工程、封止工程等における加熱による両面接着フィルムそのものの加熱収縮及び膨張をより効果的に抑制することができる。
係る観点から、支持フィルム10のTgは100℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましい。支持フィルム10の線膨張係数は、100ppm以下が好ましく、50ppm以下がより好ましい。
支持フィルム10の材質は特に限定されず、各種の高分子フィルム、有機・無機複合材料、金属等が使用できる。上記のような特性を達成するために、支持フィルム10は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート、液晶ポリマーのいずれかであることが好ましい。
カバーフィルム31,32としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群から選ばれるポリマーのフィルムが用いられる。
支持フィルム10は、接着層21,22との接着性を向上させるために、表面をプラズマ処理やコロナ処理したもの、またはカップリング剤等で化学処理したものであってもよい。
支持フィルム10の厚みは、特に制限はないが、5〜150μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、15〜75μmであることがさらに好ましい。支持フィルム10の厚みが5μmより小さくなると、接着フィルムの製造時の取扱性が低下する傾向がある。支持フィルム10の厚みが150μmを超えると、支持フィルム自体の厚みのばらつきが大きくなる傾向がある。
硬化後の接着剤層21,22及び支持フィルム10のTgは、好ましくは、TMA(Thermo Mechanical Analysis)または、DMA(Dynamic Mechanical Analysis)によって測定される。
支持フィルム10の線膨張係数は、好ましくはTMA(Thermo Mechanical Analysis)によって測定される。
両面接着フィルム1は、例えば、支持フィルム10の一方の面上に第一の接着剤層21を形成する工程と、支持フィルム10の他方の面上に第二の接着剤層22を形成する工程と、第一の接着剤層及び第二の接着剤層それぞれの支持フィルム10とは反対側の面にカバーフィルム31,32を貼り合わせる工程とを含む製造方法によって得ることができる。
接着剤層21,22は、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、フィラー及び溶剤を含有する接着剤組成物(ワニス)を支持フィルム10に塗布し、塗布された接着剤組成物を乾燥する方法、又は、別の基材フィルム上に形成された接着剤層を支持フィルム10に熱転写する方法によって形成することができる。2つの接着剤層21,22の形成方法は同一でも異なっていてもよい。
図2は、電子部品モジュールの一実施形態を示す断面図である。図2に示す電子部品モジュール2は、基板40と、基板40に搭載された、半導体素子及びMEMS素子から選ばれる複数の素子45と、基板40と素子45との間に介在する接着層1aとを備える。接着層1aは、カバーフィルム31、32が除去された両面接着フィルム1から形成されている。言い換えると、接着層1aは、支持フィルムと、支持フィルムの両面にそれぞれ設けられた2つの硬化した接着剤層とから構成される。
本発明に係る電子部品モジュールは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変形が可能である。例えば、本発明に係る電子部品モジュールは、複数の半導体素子を備える半導体パッケージであってもよいし、MEMS素子を備えるMEMSモジュールであってもよいし、半導体素子及びMEMS素子の両方を備えるモジュールであってもよい。
電子部品モジュール2は、例えば、両面接着フィルム1からカバーフィルム32を除去し、第二の接着剤層22を一方の被着体(基板40又は素子45)に熱圧着する工程と、両面接着フィルム1からカバーフィルム31を除去し、第一の接着剤層21を他方の被着体(基板40又は素子45)に熱圧着する工程とをこの順に含む方法により製造することができる。
接着剤層を熱圧着する際の温度は、熱圧着される接着剤層の硬化後のTgより140℃高い温度以内であることが好ましく、100℃高い温度以内であることがより好ましく、80℃高い温度以内であることがさらに好ましい。この温度が熱圧着される接着剤層のTgより140℃高い温度を超えると、第一の接着剤層の硬化後のTgが第二の接着剤層の硬化後のTgより高いことにより得られる、素子搭載時の第一の接着剤層の変形抑制効果が小さくなる傾向がある。また、基板と素子の線膨張係数差に起因する反りを抑制する効果も小さくなる傾向がある。
熱圧着の際の圧力は特に制限はないが、0.02〜20MPaであることが好ましい。この圧力が0.02MPaより小さくなると、接着強度が低下する傾向があり、20MPaを超えると、接着フィルムの変形が大きくなる傾向がある。
両面接着フィルムを基板または素子に熱圧着する際には、基板及び/又は両面接着フィルムの吸湿水分が加熱圧着時に揮発して、接着層中に気泡が形成されることを抑制するために、必要に応じて、基板及び/又は両面接着フィルムを予め乾燥しておくことができる。
基板に単一の両面接着フィルムを熱圧着した後、熱圧着された両面接着フィルムに複数の素子を熱圧着する方法、複数の両面接着フィルムを基板にそれぞれ熱圧着した後、それら両面接着フィルムそれぞれに素子を熱圧着する方法、又は、両面接着フィルムをそれぞれの素子に予め熱圧着した後、素子に熱圧着された両面接着フィルムを基板に熱圧着する方法を採用することができる。生産工程を短縮化するためには、基板上の所定の部分に両面接着フィルムを熱圧着した後、熱圧着された両面接着フィルムに複数の素子を熱圧着する方法が好ましい。
両面接着フィルムを基板及び素子に熱圧着した後、必要に応じて第一及び第二の接着剤層を加熱により硬化してもよい。その際加えられる温度としては特に制限はないが、200℃以下であることが好ましく、180℃以下であることがより好ましく、160℃以下であることがさらに好ましい。接着フィルムの硬化工程の温度が200℃を超えると、接着フィルム自体の熱膨張・収縮、または接着フィルム中に含まれる揮発分または吸湿水分の揮発による接着フィルム自体の変形が大きくなる傾向がある。
素子45がLEDチップである場合、電子部品モジュール2はLEDプリンターヘッドを構成することができる。図3は、LEDプリンターヘッドによる露光の一実施形態を示す模式図である。図3に示す実施形態において、LEDプリンターヘッド5によって感光ドラム7が所定のパターンで露光される。
LEDプリンターヘッド5は、電子部品モジュール2と、電子部品モジュール2の素子(LEDチップ)45側に配置されたレンズ3とを備える。LEDプリンターヘッド5は、矢印Aの方向に自転する感光ドラム7と対向して配置される。LEDチップ45から発せられた光50は、レンズ3によって感光ドラム7上の所定の位置60に焦点が合わせられる。これにより感光ドラム7の所定の位置60が露光される。
感光ドラム7の所望の位置を高精度で露光するためには、複数のLEDチップの位置及び高さが正確に制御されることが必要である。例えば図4に示されるように、接着層1aが変形して隣り合うLEDチップ45同士の間隔が矢印Bの方向に広がると、感光ドラム7の表面に未露光部分が生じ、未印刷部分が発生することになる。逆にLEDチップ同士の間隔が縮まると、過剰に露光された部分が発生して、印刷がぼやける。また、図5に示されるように、LEDチップ45の高さが変化すると、焦点がずれて過剰に露光される部分や露光不足部分が発生し得る。これも印刷がぼやける原因となる。
本実施形態に係る両面接着フィルムを用いて素子(LEDチップ)45を基板40に搭載することにより、上記のような変形に起因する印刷の不具合を効果的に防止することができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
接着剤ワニスの作製
製造例1
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた500mlの四つ口フラスコに、ジアミンとして1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(0.03mol)及び1,12−ジアミノドデカン(0.08mol)と、溶剤としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)150gを入れ、60℃で攪拌した。
ジアミンの溶解後、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)(0.02mol)及び4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸二無水物)(0.08mol)を少量ずつ添加し、60℃で3時間反応させた。
その後、Nガスを吹き込みながら170℃に加熱し、3時間かけて系中の水を溶剤の一部とともに共沸により除去して、ポリイミド樹脂のNMP溶液を得た。
上記で得たポリイミド樹脂100質量部(但しNMP溶液中の固形分として)に対し、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成製、商品名YDCN−702)6質量部、4,4’−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール(本州化学製、商品名Tris−P−PA)3質量部、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボラート(東京化成製、商品名TPPK)0.5質量部及び窒化硼素フィラー(水島合金鉄製、商品名HP−P1)10質量部を溶液に加え、良く混錬してワニスを得た。
製造例2
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた500mlの四つ口フラスコに、ジアミンとして1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン(0.07mol)及び4,9−ジオキサデカン−1,12−ジアミン(0.03mol)と、NMP150gを入れ、60℃で攪拌した。
ジアミンの溶解後、1,10−(デカメチレン)ビス(トリメリテート二無水物)(0.03mol)及び4,4'−オキシジフタル酸二無水物(0.07mol)を少量ずつ添加し、60℃で3時間反応させた。
その後、Nガスを吹き込みながら170℃で加熱し、3時間かけて系中の水を溶剤の一部とともに共沸により除去して、ポリイミド樹脂のNMP溶液を得た。
上記で得たポリイミド樹脂100質量部(但しNMP溶液中の固形分として)に対し、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(東都化成製、商品名YDCN−702)6質量部、4,4’−(1−(4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル)エチリデン)ビスフェノール(本州化学製、商品名Tris−P−PA)2質量部、及びテトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボラート(東京化成製、商品名TPPK)0.5質量部と、全固形分の質量に対して12質量%の窒化硼素フィラー(水島合金鉄製)と、全固形分の質量に対して2質量%のアエロジル(シリカ)フィラー(日本アエロジル製、商品名R972)とを溶液に加え、よく混錬してワニスを得た。
製造例3
攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、オルソクレゾール/ノボラック型エポキシ樹脂(13.2質量%、東都化成製、商品名YDCN703)、キシレン変性フェノール樹脂(11.1質量%、三井化学製、商品名XLC−LL)、微細シリカフィラ(7.8質量%、日本アエロジル製、商品名R972V)、メルカプトン系カップリング剤(0.4質量%、日本ユニカー製、商品名A189)、ウレイドシラン系カップリング剤(0.8質量%、日本ユニカー製、商品名A−1160)、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール(0.025質量%、四国化学製、商品名2PZ−CN)及びエポキシ含有アクリルゴム(66.6質量%、帝国化学産業製、商品名HTR−860P−3)を加え、よく混錬してワニスを得た。
製造例4
温度計、攪拌機及び塩化カルシウム管を備えた500mlの四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、2,2−ビス[4−(4アミノフェノキシ)フェニル]プロパン258.3g(0.63mol)及び1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサン10.4g(0.042mol)を入れ、NMP1450gに溶解した。
さらに、この溶液を0℃に冷却し、無水トリメリット酸クロライド180.4g(0.857mol)を添加した。無水トリメリット酸クロライドが溶解した後、トリメチルアミン130gを添加した。室温で2時間攪拌を続けたあと、180℃に昇温して5時間反応させてイミド化を完了させた。
得られた反応液をメタノール中に投入して重合体を析出させた。これを乾燥してからNMPに溶解し、NMP溶液をメタノール中に投入して、再度重合体を析出させた。析出した重合体を減圧乾燥して、ポリエーテルアミドイミド粉末を得た。得られたポリエーテルアミドイミド粉末120g及びシランカップリング剤(東レ・ダウコーニング(株)製、商品名SH6040)6gをNMPに溶解して、芳香族ポリエーテルアミドイミドのワニスを得た。
接着剤層のガラス転移温度
製造例1〜4で得たワニスを剥離処理済みのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、80℃で30分、続いて150℃で30分加熱し、その後、室温(25℃)でポリエチレンテレフタレートフィルムを剥して、厚さ25μmの接着剤層を得た。
得られた接着剤層を180℃で1時間の加熱により硬化させ、そこから4×20mmの大きさの試料を切り出した。この試料について、セイコー電子製のTMA120を用いて、Extension、昇温スピード:5℃/min、試料測定長さ:10mmの条件で試料の変位量を測定して、変位量と温度の関係を示す曲線を得た。得られた曲線からガラス転移温度(Tg)を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 2010168513
実施例1
厚さ50μmのポリイミドフィルム(宇部興産(株)製のユーピレックスSGA、線膨張係数:30ppm)を準備し、これを「支持フィルム1」として使用した。支持フィルム1の片面に製造例2のワニスを塗布し、80℃で30分、続いて150℃で30分加熱して支持フィルム1の一方の面に厚さ25μmの第二の接着剤層を形成させた。
次いで、支持フィルム1の第二の接着剤層とは反対側の面に、製造例1のワニスを塗布し、80℃で30分、続いて150℃で30分加熱して、厚さ25μmの第一の接着剤層を形成させた。
実施例2
第二の接着剤層を製造例3のワニスを用いて形成したこと以外は実施例1と同様の工程を経て、3層構成の両面接着フィルムを得た。
実施例3
支持フィルム1に代えて、厚さ50μmのポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム製)を「支持フィルム2」として使用したこと以外は実施例1と同様の工程を経て、3層構成の両面接着フィルムを得た。
比較例1
製造例1のワニスを剥離処理済みのポリエチレンテレフタレートフィルムに塗布し、80℃で30分、つづいて150℃で30分加熱して、厚さ50μmの接着剤層を形成させた。同様の方法で、製造例2のワニスを用いてポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚さ50μmの接着剤層を形成させた。次いで、これら2種類の接着剤層を80℃、10N/cm、2m/分の条件で貼り合せ、外側のポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がして、厚さ100μmの両面接着フィルムを得た。
比較例2
第一の接着剤層及び第二の接着剤層の両方を製造例1のワニスを用いて形成したこと以外は実施例1と同様の工程を経て、3層構成の両面接着フィルムを得た。
比較例3
第一の接着剤層を製造例4のワニスを用いて形成し、第二の接着剤層を製造例1のワニスを用いて形成したこと以外は実施例1と同様の工程を経て、3層構成の両面接着フィルムを得た。
実施例3
支持フィルム1に代えて、厚さ50μmのポリプロピレンフィルム(東レ製、トレファン、線膨張係数:115ppm)を「支持フィルム3」として使用したこと以外は実施例1と同様の工程を経て、5層構成の両面接着フィルムを得た。
支持フィルムの線膨張係数
実施例及び比較例で用いた各支持フィルムから、4×20mmの大きさの試料を切り出した。この試料について、セイコー電子製のTMA120を用いて、Extension、昇温スピード:5℃/min、試料測定長さ:10mmの条件で試料の変位量を測定して線膨張係数を得た。各支持フィルムの線膨張係数を表2に示す。
Figure 2010168513
両面接着フィルムの評価
1.熱収縮率
各実施例及び比較例で得た両面接着フィルムから、80mm×80mmサイズの試験片を切り出した。切り出された試験片の各辺中央にそれぞれ評点を打ち、相対する評点間の長さを0.001mm単位まで測定した。
次に、180℃に保持された炉中に自由収縮が可能な状態で試験片を1時間加熱した。加熱後の試験片の加熱前と同じ評点間の長さを0.001mm単位まで測定した。加熱前後での評点間の長さの差の加熱前の評点間の長さ対する割合を熱収縮率(%)とした。
2.チップ反り
各実施例及び比較例で得た両面接着フィルムから、12mm×12mmサイズの試験片を正確に切り出した。切り出した試験片を、銀メッキ付き銅リードフレームに、第二の接着剤層が銅リードフレーム側になる向きで加熱圧着した。加熱圧着は日化設備製の熱圧着試験機を用い、下記の条件で行った。
・熱盤の温度:第二の接着層のガラス転移温度+60℃(例えば、第二の接着剤層が製造例2のワニスによって形成されている場合、熱盤の温度は112℃(=52℃+60℃))。
・圧着条件:10N×10sec
次に厚さ100μmのシリコンウェハを10×10mmに切り出した。切り出したシリコンウェハを第一の接着剤層上に置き、熱圧着試験機(日化設備製)を用いて、次の条件でシリコンチップを銅リードフレームに加熱圧着した。
・熱盤の温度:第一の接着層側のガラス転移温度+60℃(例えば、第一の接着剤層が製造例1のワニスによって形成されている場合、熱盤の温度は131℃(=71℃+60℃))。
・圧着条件:10N×10sec
その後、シリコンチップ、接着フィルム及び銀メッキ付き銅リードフレームから構成される積層体を、180℃に保持された炉中で1時間加熱し、放冷後に生じたシリコンチップの反りを、被接触式粗さ測定機(キーエンス製)を用いてシリコンチップの対角線上を12mmにわたって走査する方法により測定した。
3.フロー量
各実施例及び比較例で得た両面接着フィルムの第二の接着剤層を、アセトンで湿らせた布を用いて完全に拭い去り、支持フィルムと第一の接着剤層の2層構成のフィルムを得た。その2層構成のフィルムを10mm×10mmのサイズに正確に切断し、2枚のスライドグラス(MATSUNAMI製、76mm×26mm×1.0−1.2mmt)の間に挟み、テスター産業社製熱圧着試験機を用いて熱盤上で10MPa、20secの条件で加熱圧着した。このときの熱盤の温度は、第二の接着剤層のガラス転移温度+60℃(例えば、第二の接着剤層が製造例2のワニスによって形成されている場合、熱盤の温度は112℃(=52℃+60℃))。その後、オリンパス社製金属顕微鏡及び画像解析装置を用いて、上記の10mm×10mmサイズの支持フィルムからの接着剤層の最大はみ出し量を計測した。なお、比較例2で得た接着フィルムに関しては、第二の接着剤層のみをアセトンで拭い去ることはできないため、製造例1のワニスを剥離処理済みのポリエチレンテレフタレートフィルム上に塗布し、乾燥して得た、厚さ50μmの接着フィルムを使用してフロー量を求めた。その際、支持フィルムの代わりに10mm×10mmサイズのポリエチレンテレフタレートフィルムからの接着剤層の最大はみ出し量を計測した。
4.フィルム厚み変化
各実施例及び比較例で得た両面接着フィルムから、10mm×10mmサイズの試験片を正確に切り出した。その試験片の厚さをダイヤルゲージにより5点測定し、その平均値をHとした。その後、試験片をテフロンシートで挟み、テスター産業社製熱圧着試験機を用いて熱盤上で1MPa、20secの条件で熱プレスした。そのときの熱盤の温度は第一の接着剤層のガラス転移温度+60℃(例えば、第一の接着剤層が製造例1のワニスによって形成されている場合、熱盤の温度は131℃(=71℃+60℃))とした。熱プレス後の両面接着フィルムの厚さをダイヤルゲージにより5点測定し、その平均値をHとした。次式によりフィルムの厚みの変化を算出した。
フィルム厚み変化=H−H
5.表面粗さ(Ra)
各実施例及び比較例で得た両面接着フィルムから、10mm×10mmサイズの試験片を正確に切り出した。この試験片の第二の接着剤層の側をスライドグラス(MATSUNAMI製、76mm×26mm×1.0−1.2mmt)に当て、その状態でテスター産業社製熱圧着試験機を用いて、1MPa、20secの条件で熱プレスした。そのときの熱盤の温度は第二の接着剤層のガラス転移温度+60℃((例えば、第二の接着剤層が製造例2のワニスによって形成されている場合、熱盤の温度は112℃(=52℃+60℃))とした。熱プレス後の第二の接着剤層表面の算術平均粗さ(Ra)を被接触式粗さ測定機(キーエンス製)を用いて10mm走査することで測定した。
6.ボイド
各実施例及び比較例で得た両面接着フィルムから、10mm×10mmサイズの試験片を正確に切り出した。この試験片を2枚のスライドグラス(MATSUNAMI製、76mm×26mm×1.0−1.2mmt)の間に挟み、テスター産業社製熱圧着試験機を用いて熱盤上で1MPa、20secの条件で熱プレスした。そのときの熱盤の温度は第一の接着剤層のガラス転移温度+60℃(例えば、第一の接着剤層が製造例1のワニスによって形成されている場合、熱盤の温度は131℃(=71℃+60℃))とした。熱プレス後に第一の接着剤層及び第二の接着剤層のそれぞれについて、接着層中のボイドの発生の有無を光学顕微鏡で確認した。
7.ピール強度
各実施例及び比較例で得た両面接着フィルムから、6mm×6mmサイズの試験片を正確に切り出した。この試験片を、42アロイリードフレームに、その第二の接着剤層がリードフレーム側になる向きで加熱圧着した。加熱圧着は、熱圧着試験機(日化設備製)を用いて、下記の条件で行った。
・熱盤の温度:第二の接着層のガラス転移温度+60℃(例えば、第二の接着剤層が製造例2のワニスによって形成されている場合、熱盤の温度は112℃(=52℃+60℃))。
・圧着条件:10N×10sec
厚さ400μmのシリコンウェハに裏面側から250μmの深さまで切込みを入れた後、表面側から力を加えて割ることにより、ウェハー表面側の端部において厚さ150μmの突起部を有する、5×5mmのサイズに個片化されたシリコンチップを準備した。このシリコンチップを第一の接着剤層上に置き、熱圧着試験機(日化設備製)を用いて、次の条件でシリコンチップをリードフレームに加熱圧着した。
・熱盤の温度:第一の接着層側のガラス転移温度+60℃(例えば、第一の接着剤層が製造例1のワニスによって形成されている場合、熱盤の温度は131℃(=71℃+60℃))。
・圧着条件:10N×10sec
加熱圧着により得られたシリコンチップ、接着フィルム及び42アロイリードフレームから構成される積層体を180℃に保持された炉中で1時間加熱した。その後、この積層体を熱板上で260℃、20秒加熱したときのチップの引き剥がし強さを測定した。
Figure 2010168513
比較例1の両面接着フィルムは、接着フィルムの総厚みは実施例1〜3と同様に100μmであるが、支持フィルムを含んでいないため、熱収縮率が17%と非常に大きく、またフロー量、フィルム厚み変化も大きい。このことから、素子の基板への搭載時の位置ずれ、素子を基板に搭載した後の接着フィルムの加熱工程における素子の位置ずれが発生する可能性がある。比較例2の両面接着フィルムは、2つの接着剤層のTg差がないため、第二の接着剤層の接着温度での第一の接着剤層のフロー量、すなわち変形量が大きくなっており、また第一の接着剤層の表面粗さが大きい。このことから、素子搭載時に接着層がより流れやすくなってしまい位置ずれを起こしやすいばかりか、接着層の表面が粗くなることで素子搭載後に安定した接着強度が得られなくなる可能性がある。比較例3の両面接着フィルムは、2つの接着剤層のTgの差は10℃以上であるものの、第一の接着剤層のTgが100℃を超えていることから、200℃以上の高温で圧着する必要がある。そのため、チップ反りが大きく、さらに第二の接着剤層が高温にさらされたことでボイドが発生し、接着剤層の厚み変化が大きい。ことから、チップ反りにより素子の位置ずれが発生する可能性がある。さらに、ボイドによる厚み変化に起因して、素子の搭載高さのばらつきが大きくなる可能性がある。比較例4の両面接着フィルムは、支持フィルムの線膨張係数が100ppm以上であるため、熱収縮率が1.5%と大きくなっている。このことから、素子を基板に搭載した後の接着フィルムの加熱工程における素子の位置ずれが発生する可能性がある。
一方、実施例1−3の両面接着フィルムによれば、素子の線膨張係数差の影響が抑えられ、結果として反りを抑制することができた。また、圧着時の熱による両面接着フィルムの変形も抑制された。さらには、素子を基板に搭載した後の接着フィルムの加熱工程における接着フィルム自体の収縮及び膨張を抑制することもできた。そして、ピール強度の値から、実施例1−3の接着フィルムは、半導体パッケージ用、またはMEMSモジュール用として使用した場合に必要な接着強度を持っていることも確認された。
本発明に係る両面接着フィルムは、IC、LSI、LED及びディスクリート半導体のような半導体素子、並びにMEMS素子のうち一方又は両方をリードフレーム、セラミック基板、ガラスエポキシ基板、BT基板、ポリイミド基板及び液晶ポリマー基板等の基板に接着するために好適に用いられ得る。
1…両面接着フィルム、1a…接着層、2…電子部品モジュール、3…、10…支持フィルム、11…熱板、12…42アロイフレーム固定治具、13…サンプル固定部、21…第一の接着剤層,22…第二の接着剤層、31,32…カバーフィルム、40…基板、45…素子。

Claims (5)

  1. 支持フィルムと、
    該支持フィルムの一方の面に積層された第一の接着剤層と、
    該支持フィルムの他方の面に積層された第二の接着剤層と、
    を備え、
    前記第一の接着剤層及び前記第二の接着剤層の硬化後のガラス転移温度が100℃以下であり、
    前記第一の接着剤層の硬化後のガラス転移温度が前記第二の接着剤層の硬化後のガラス転移温度よりも10℃以上高く、
    前記支持フィルムが100ppm以下の線膨張係数を有する、
    両面接着フィルム。
  2. 前記第一の接着剤層が、熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂と、フィラーとを含有する、請求項1に記載の両面接着フィルム。
  3. 前記第二の接着剤層が、熱可塑性樹脂と、熱硬化性樹脂と、フィラーとを含有する、請求項1又は2に記載の両面接着フィルム。
  4. 前記支持フィルムが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリレート及び液晶ポリマーからなる群から選ばれるポリマーのフィルムである、請求項1に記載の両面接着フィルム。
  5. 基板と、該基板に搭載された、半導体素子及びMEMS素子から選ばれる複数の素子と、前記基板と前記素子との間に介在する接着層と、を備え、前記接着層が、請求項1〜4のいずれか一項に記載の両面接着フィルムから形成されている、電子部品モジュール。
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