JP2010165912A - フォトダイオードアレイ及び放射線検出器 - Google Patents

フォトダイオードアレイ及び放射線検出器 Download PDF

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Abstract

【課題】改質領域を形成することによる半導体基板の機械強度の低下を抑制すると共に、クロストークの抑制効果を向上させることが可能なフォトダイオードアレイを提供する。
【解決手段】フォトダイオードアレイ1は、半導体基板3と、半導体基板3の裏面3b側に並んで配置されていると共に、それぞれが半導体基板3とのpn接合11によりフォトダイオード13を構成する複数のp型半導体領域5と、を備え、半導体基板3の隣接するp型半導体領域5間の領域には、該領域の所定位置に集光点を合わせてレーザ光を照射することによって、p型半導体領域5の配置方向に離隔し且つp型半導体領域5の配置方向に交差する方向に延びる2つの改質領域50が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、フォトダイオードアレイ及び放射線検出器に関する。
フォトダイオードアレイとして、半導体基板の光入射面側に形成された複数のフォトダイオードと、半導体基板の光入射面に達して隣接するフォトダイオード間のそれぞれに形成された1つの連続した直線状の改質領域とを備えるフォトダイオードアレイが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。特許文献1,2に記載されたフォトダイオードアレイでは、隣接するフォトダイオード間の領域に沿って半導体基板にレーザ光を照射することによって改質領域が形成されている。これにより、光入射面側からの入射光によって発生して隣接するフォトダイオードへ拡散するキャリアが改質領域にトラップされることとなり、隣接するフォトダイオード間のクロストークが抑制されている。
また、絶縁性基板上に配置された複数の画素電極と、画素電極上に配置され、光の入射によりキャリアを生じる光吸収層と、光吸収層上に配置された障壁層と、隣接する画素電極間のそれぞれに沿って障壁層内に形成された1つの連続した直線状の改質領域(ポテンシャルバリア領域)とを備えているフォトダイオードが知られている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に記載されたフォトダイオードでは、隣接する画素電極間の領域に沿って障壁層内にレーザ光を照射することによって改質領域(ポテンシャルバリア領域)が形成されている。これにより、隣接する画素電極へ拡散するキャリアが改質領域(ポテンシャルバリア領域)で遮断されることとなり、隣接する画素電極間のクロストークが抑制されている。
特開2005−19465号公報 特開昭63−128677号公報 特開平10−70303号公報
本発明は、改質領域を形成することによる半導体基板の機械強度の低下を抑制すると共に、クロストークの抑制効果を向上させることが可能なフォトダイオードアレイ及び放射線検出器を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、本発明に係るフォトダイオードアレイは、第1導電型の半導体基板と、半導体基板の一方面側に並んで配置されていると共に、それぞれが半導体基板との接合によりフォトダイオードを構成する複数の第2導電型の半導体領域と、を備え、半導体基板の隣接する第2導電型の半導体領域間の領域には、該領域の所定位置に集光点を合わせてレーザ光を照射することによって、第2導電型の半導体領域の配置方向に離隔し且つ第2導電型の半導体領域の配置方向に交差する方向に延びる少なくとも2つの改質領域が形成されていることを特徴とする。
ところで、半導体基板の改質領域が形成された部分は、半導体基板の他の部分と比べて機械強度が低下している。そのため、半導体基板の隣接する第2導電型の半導体領域間の領域に第2導電型の半導体領域の配置方向に交差する方向に延びて1つの改質領域が形成されている場合、半導体基板に外力が与えられると、応力は1つの改質領域に集中することとなる。この場合、改質領域に接する半導体基板内部の機械強度が十分でないと、改質領域に集中した応力により、改質領域を起点に半導体基板に割れが生じてしまう。
しかしながら、本発明に係るフォトダイオードアレイでは、隣接する第2導電型の半導体領域間の領域に、第2導電型の半導体領域の配置方向に離隔し且つ第2導電型の半導体領域の配置方向に交差する方向に延びる少なくとも2つの改質領域が形成されている。この場合、半導体基板に外力が与えられると、応力が少なくとも2つの改質領域のそれぞれに分散されることとなる。これにより、応力が局所的に1つの改質領域に集中することが抑制されるため、改質領域に集中した応力により、改質領域を起点に半導体基板に割れが生じてしまうことが抑制される。したがって、改質領域を形成することによる半導体基板の機械強度の低下を抑制することが可能である。
また、本発明に係るフォトダイオードアレイでは、入射光によって発生して隣接する第2導電型の半導体領域へ拡散するキャリアを第2導電型の半導体領域の配置方向に離隔し且つ第2導電型の半導体領域の配置方向に交差する方向に延びる少なくとも2つの改質領域のそれぞれによりトラップすることができる。これにより、改質領域が1つ形成されている場合に比べて、トラップされるキャリアの数が増加する。したがって、隣接する第2導電型の半導体領域間のクロストークの抑制効果を向上させることが可能である。
また、本発明に係る放射線検出器は、上記本発明に係るフォトダイオードアレイと、半導体基板の一方面上又は一方面に対向する他方面上に配置されるシンチレータと、を備えていることを特徴とする。これにより、本発明に係る放射線検出器では、上記本発明に係るフォトダイオードアレイを用いていることから、改質領域を形成することによる半導体基板の機械強度の低下を抑制すると共に、クロストークの抑制効果を向上させることが可能である。
本発明によれば、改質領域を形成することによる半導体基板の機械強度の低下を抑制すると共に、クロストークの抑制効果を向上させることが可能なフォトダイオードアレイ及び放射線検出器を提供することができる。
第1実施形態に係るフォトダイオードアレイの一部を示す平面図である。 図1におけるII−II線に沿った断面構成を示す模式図である。 第1実施形態に係るフォトダイオードアレイの製造方法を説明するための断面構成を示す模式図である。 第1実施形態に係るフォトダイオードアレイの製造方法を説明するための断面構成を示す模式図である。 第2実施形態に係るフォトダイオードアレイを示す平面図である。 図5におけるVI−VI線に沿った断面構成を示す模式図である。 隣接するフォトダイオード間における分光感度の測定結果を示す図である。 本発明の実施形態に係るフォトダイオードアレイの変形例の断面構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るフォトダイオードアレイの変形例の断面構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係るフォトダイオードアレイの変形例を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るフォトダイオードアレイの変形例を示す平面図である。 本発明の実施形態に係るフォトダイオードアレイの製造方法の変形例を説明するための断面構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る放射線検出器の断面構成を示す模式図である。 第1実施形態に係る放射線検出器の製造方法を説明するための断面構成を示す模式図である。 第2実施形態に係る放射線検出器の断面構成を示す模式図である。 第3実施形態に係る放射線検出器の断面構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る放射線検出器の製造方法の変形例を説明するための断面構成を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る放射線検出器の製造方法の変形例を説明するための断面構成を示す模式図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
[フォトダイオードアレイ]
[第1実施形態]
図1及び図2を参照して、第1実施形態に係るフォトダイオードアレイ1の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係るフォトダイオードアレイを示す平面図である。図2は、図1におけるII−II線に沿った断面構成を示す模式図である。
裏面入射型のフォトダイオードアレイ1は、図1及び図2に示すように、n型(第1導電型)の半導体基板3と、p型(第2導電型)半導体領域5と、n型半導体領域7とを備えている。
半導体基板3は、互いに対向する表面(他方面)3aと裏面(一方面)3bとを有している。表面3aは、光L1の入射面であり、裏面3bは、信号出力面である。半導体基板3は、例えばシリコン(Si)からなり、その厚さが例えば150μmの正方形状の基板である。半導体基板3は、不純物(例えば、リン)を含み、その濃度は例えば5×1012/cmである。半導体基板3は、内部に後述する改質領域50を有している。
p型半導体領域5は、半導体基板3の裏面3b側において、例えば2次元のマトリクス状に互いに離隔して複数配置されている。隣接するp型半導体領域5の間隔は、例えば250μmに設定されている。各p型半導体領域5は、例えばSiにより正方形状に形成されており、その厚さは例えば0.55μmである。各p型半導体領域5は、不純物(例えば、ボロン)を含み、その濃度は例えば1×1019/cmである。各p型半導体領域5は、半導体基板3とのpn接合11により構成されたフォトダイオード13を含む画素部である。pn接合11は、半導体基板3に空乏層が広がることによりフォトダイオード13の光感応領域として機能する。
n型半導体領域7は、半導体基板3の裏面3b側の隣接するp型半導体領域5間において、各p型半導体領域5と離隔して、各p型半導体領域5を囲むように配置されている。n型半導体領域7は、例えばSiからなり、その厚さは例えば1.5μmである。n型半導体領域7は、不純物(例えば、リン)を含み、半導体基板3よりも不純物濃度が高く(例えば、1×1018/cm)設定されている。
半導体基板3の裏面3b上の略全面には、例えば周知のCVD(化学的蒸着)法、蒸着法、スパッタ法、熱酸化法により絶縁膜21が形成されている。絶縁膜21は、例えばSiO(酸化膜)やSiN(窒化膜)からなり、複数のコンタクトホール23が設けられている。半導体基板3の裏面3bに垂直な方向から見て各p型半導体領域5及びn型半導体領域7のそれぞれが配置された位置の絶縁膜21上には、電極膜25が配置されている。電極膜25は、金属材料(例えば、Al)からなり、コンタクトホール23を塞ぐように配置されてp型半導体領域5又はn型半導体領域7に物理的及び電気的に接続されている。
電極膜25上には、例えばNi、Auを順次メッキすることにより、電極パッド29が形成されている。電極パッド29が形成された部分を除く電極膜25上と、隣接する電極膜25間の領域とを覆うように層間絶縁膜27が配置されている。層間絶縁膜27は、ポリイミド等の絶縁性樹脂により形成されることにより、隣接する電極膜25が電気的に互いに接続されることを抑制している。
半導体基板3の裏面3bに垂直な方向から見て各p型半導体領域5の略中央における電極パッド29上には、バンプ電極31が配置されている。半導体基板3の裏面3bに垂直な方向から見て隣接する4つのp型半導体領域5間の領域の略中央における電極パッド29上には、バンプ電極33が配置されている。バンプ電極31,33は、後述する配線基板81に物理的及び電気的に接続される。バンプ電極31,33は、金属材料(例えば、はんだ)からなり、例えばはんだペーストのスクリーン印刷法により形成されている。
半導体基板3の表面3a側の略全面には、アキュムレーション領域41が配置されている。アキュムレーション領域41は、例えばSiからなり、その厚さは例えば1.0μmである。アキュムレーション領域41は、不純物(例えば、リン等)を含むn型の半導体領域であり、その濃度は例えば1×1015/cmである。
半導体基板3の表面3a上の略全面には、表面3aの被覆膜(保護膜)として、絶縁膜43が配置されている。絶縁膜43の半導体基板3側と反対側の表面43aは、フォトダイオードアレイ1の光入射面を構成している。絶縁膜43は、例えば光透過膜である。絶縁膜43は、例えばSiO(酸化膜)やSiN(窒化膜)からなり、その厚さは例えば0.1μmである。絶縁膜43は、例えば周知のCVD法、蒸着法、スパッタ法、熱酸化法により形成されている。絶縁膜43は、半導体基板3の裏面3bに垂直な方向から見て、改質領域50が配置されている位置に対応する半導体基板3の表面3a上の部分と、改質領域50が配置されていない位置に対応する半導体基板3の表面3a上の部分とを含んでいる。
次に、改質領域50について説明する。改質領域50は、複数のp型半導体領域5が配置される領域内に形成されており、当該領域を囲むと共にその外縁が半導体基板3の外縁をなす領域には形成されていない。改質領域50は、半導体基板3の隣接するp型半導体領域5間の領域に配置されており、隣接する4つのp型半導体領域5に囲まれる領域には形成されていない。改質領域50は、半導体基板3の隣接するp型半導体領域5間の領域において、p型半導体領域5の配置方向に離隔し且つp型半導体領域5の配置方向に交差する方向に延びて2つ配置されている。ここで、「隣接するp型半導体領域5間の領域」とは、半導体基板3の裏面3bに垂直な方向から見て隣接するp型半導体領域5間に位置する半導体基板3の内部の領域を意味する。
2つの改質領域50は、隣接するp型半導体領域5間の中央からp型半導体領域5に向かって略等しい距離(例えば、100μm)において、互いに略平行に配置されている。各改質領域50は、連続的な直線状部分として形成されている。各直線状部分は、半導体基板3の側面と略平行な長手方向及び当該長手方向に直交する短手方向を有する部分が複数連なって形成されている。
各改質領域50は、半導体基板3の表面3aと各n型半導体領域7との間に配置されている。各改質領域50は、半導体基板3の表面3a側の略半分の領域に配置されており、半導体基板3の表面3a及びn型半導体領域7に達することなく配置されている。また、各改質領域50は、隣接する二つのp型半導体領域7のpn接合11からそれぞれ広がることにより一体に形成されている空乏層に達することなく形成されている。
各改質領域50は、半導体基板3の表面3aから互いに略等しい深さ位置にそれぞれ配置されている。各改質領域50は、半導体基板3の厚み方向における表面3a側の所定の深さ位置(表面3a側の領域10〜60%が好ましく、10〜45%がより好ましく、10〜30%が更に好ましい。)にそれぞれ配置されている。また、各改質領域50の表面3a側の端部は、例えば、表面3aから所定の深さ(145μm以下が好ましく、75μmがより好ましく、20μmが更に好ましい。)にそれぞれ位置している。
改質領域50の直線状部分を長手方向に垂直な平面で切断した断面は、半導体基板3の厚み方向に長軸を有する楕円状を呈していると共に、短軸方向の幅が例えば3〜4μmに形成されている。各改質領域50は、後述するように半導体基板3の内部に集光点Fを合わせてレーザ光Laを照射することにより、例えば多光子吸収によってレーザ光Laが照射された領域全体に形成されている。なお、集光点Fとはレーザ光Laが集光した箇所のことである。
以上の構成を有するフォトダイオードアレイ1は、次の動作を行う。絶縁膜43の表面43a側から光L1が入射すると、光L1は絶縁膜43を透過し、半導体基板3、p型半導体領域5及びn型半導体領域7に達する。そして、光L1の各波長成分によって発生したキャリアが、半導体基板3、p型半導体領域5及びn型半導体領域7の内部における電界に従ってドリフトし、電界の無い場合は拡散する。
光L1の各波長成分によって発生したキャリアは、隣接するp型半導体領域5間にドリフト又は拡散した場合には、2つの改質領域50のそれぞれにトラップされ、再結合することにより消滅する。改質領域50にトラップされず、pn接合11に達したキャリアはバンプ電極31,33から光電流として外部に取り出される。この光電流により、各フォトダイオード13は、光L1の光波長成分に応じた電気信号をそれぞれ出力することとなる。
次に、図3及び図4を用いて、上述したフォトダイオードアレイ1の製造方法について説明する。図3及び図4は、第1実施形態に係るフォトダイオードアレイ1の製造工程を説明するための断面構成を示す模式図である。
まず、改質領域50及びバンプ電極31,33が形成されていないことを除き、図2に示すフォトダイオードアレイ1と同様の構成を有する構成単位がマトリクス状に連なった加工対象物61を準備する。そして、図3(a)に示すように、加工対象物61にダイシングテープ(保持部材)63を貼り付ける。
次に、レーザ光Laを多光子吸収が生じる条件に設定し、図3(b)に示すように、半導体基板3の内部における隣接するp型半導体領域5間の領域の所定の深さ位置に対し、半導体基板3の表面3a側より集光点Fを合わせてレーザ光Laを照射する。改質領域50は、集光点Fより半導体基板3の表面3a方向に向かって拡がることにより、断面が半導体基板3の厚み方向に長軸を有する楕円状を呈して形成される。なお、改質領域50の深さ位置は、例えば半導体基板3とレーザ光Laを照射する光学系の相対的な位置関係を調節して、半導体基板3の厚み方向へ集光点Fを半導体基板3に対して相対移動させることにより調節することができる。
ここで、多光子吸収について簡単に説明する。光子のエネルギーhνが、材料の吸収のバンドギャップEよりも小さい場合、光学的に透明となる。よって、hν>Eである場合には、材料に吸収が生じる。しかし、光学的に透明であっても、レーザ光の強度を非常に大きくした場合には、nhν>Eの条件(n=2,3,4,・・・)において材料に吸収が生じる。この現象を多光子吸収という。パルス波の場合、レーザ光の強度はレーザ光の集光点のピークパワー密度(W/cm)で決まり、例えばピークパワー密度が1×10(W/cm)以上の条件で多光子吸収が生じる。ピークパワー密度は、(集光点におけるレーザ光の1パルス当たりのエネルギー)÷(レーザ光のビームスポット断面積×パルス幅)により求められる。また、連続波の場合、レーザ光の強度はレーザ光の集光点の電界強度(W/cm)で決まる。
第1実施形態に係るレーザ加工では、半導体基板3がレーザ光Laを吸収することにより、半導体基板3を発熱させて改質領域50を形成するのではない。半導体基板3にレーザ光Laを透過させ半導体基板3の内部に多光子吸収を発生させて改質領域50を形成している。よって、半導体基板3の表面3aや絶縁膜43の表面43aでは、レーザ光Laがほとんど吸収されないので、半導体基板3の表面3aや絶縁膜43の表面43aが溶融することはない。
第1実施形態において多光子吸収により形成される改質領域50の一つの例として、溶融処理領域がある。
この場合には、レーザ光Laを半導体基板3の内部に集光点Fを合わせて、集光点Fにおける電界強度が1×10(W/cm)以上でかつパルス幅が1μs以下の条件で照射する。これにより、半導体基板3の内部は多光子吸収によって局所的に加熱される。この加熱により、半導体基板3の内部に溶融処理領域が形成される。
溶融処理領域とは一旦溶融後再固化した領域、溶融状態中の領域及び溶融から再固化する状態中の領域のうち少なくともいずれか一つを意味する。溶融処理領域は、相変化した領域や結晶構造が変化した領域ということもできる。溶融処理領域は、単結晶構造、非晶質構造又は多結晶構造において、ある構造が別の構造に変化した領域ということもできる。つまり、例えば、単結晶構造から非晶質構造に変化した領域、単結晶構造から多結晶構造に変化した領域、単結晶構造から非晶質構造及び多結晶構造を含む構造に変化した領域を意味する。半導体基板3がシリコン単結晶構造の場合、溶融処理領域は例えば非晶質シリコン構造である。なお、電界強度の上限値としては、例えば1×1012(W/cm)である。パルス幅は例えば1〜200nsが好ましい。
次に、形成予定ライン(図示せず)に沿って、集光点Fを半導体基板3に対して相対移動させることにより1つの連続的な直線状の改質領域50を形成する。なお、形成予定ラインは、直線状に延びた仮想線であり、各改質領域50の形成位置に対応するように、例えば半導体基板3の表面3a側の隣接するp型半導体領域5間の領域に沿って略平行に2本配置されている。
そして、上記の改質領域50の形成に用いた形成予定ラインと略平行に配置された形成予定ラインに沿って、同様に集光点Fを半導体基板3に対して相対移動させる。これにより、略平行な2つの改質領域50が形成される。
更に、他の形成予定ラインに沿って集光点Fを半導体基板3に対して相対移動させることにより、それぞれの隣接するp型半導体領域5間の領域に改質領域50を形成する。以上により、改質領域50が配置された加工対象物65が得られる。
次に、図3(c)に示すように、加工対象物65の切断位置に集光点Fを合わせてレーザ光Laを照射する。そして、半導体基板3の厚み方向に集光点Fを半導体基板3に対し相対移動させると共に、切断予定ライン(図示せず)に沿って集光点Fを半導体基板3に対して相対移動させ、半導体基板3の内部に溶融処理領域を半導体基板3の裏面3b及び絶縁膜43の表面43aに達するように形成する。なお、切断予定ラインは、直線状に延びた仮想線であり、切断位置に対応するように、例えば半導体基板3の表面3a側に配置されている。
そして、ダイシングテープ63及び加工対象物65を除電しながら、ダイシングテープ63を拡張させる。これにより、ダイシングテープ63が拡張された状態にあるため、図4(a)に示すように、溶融処理領域を切断の起点として加工対象物65が切断予定ラインに沿って切断され、複数の加工対象物65aが得られる。
次に、各加工対象物65aにUV照射してダイシングテープ63を剥離した後、図4(b)に示すように、得られた複数の加工対象物65aの1つを取り出す。そして、図4(c)に示すように、例えばはんだペーストのスクリーン印刷によって所定の位置にバンプ電極31,33を形成することにより、フォトダイオードアレイ1が得られる。
以上のように、第1実施形態では、隣接するp型半導体領域5間の領域に、p型半導体領域5の配置方向に離隔し且つp型半導体領域5の配置方向に交差する方向に延びる2つの改質領域50が形成されている。この場合、半導体基板3に外力が与えられると、応力が2つの改質領域50のそれぞれに分散されることとなる。これにより、応力が局所的に1つの改質領域50に集中することが抑制されるため、改質領域50に集中した応力により、改質領域50を起点に半導体基板3に割れが生じてしまうことが抑制される。したがって、改質領域50を形成することによる半導体基板3の機械強度の低下を抑制することが可能である。
また、第1実施形態では、光L1によって発生して隣接するp型半導体領域5へ拡散するキャリアをp型半導体領域5の配置方向に離隔し且つp型半導体領域5の配置方向に交差する方向に延びる2つの改質領域50のそれぞれによりトラップすることができる。これにより、改質領域50が1つ形成されている場合に比べて、トラップされるキャリアの数が増加する。したがって、隣接するp型半導体領域5間のクロストークの抑制効果を向上させることが可能である。
また、絶縁膜43が半導体基板3の表面3aに接して配置されていると、半導体基板3が絶縁膜43によって補強されることとなり、半導体基板3の耐久性が向上する。しかしながら、改質領域50が絶縁膜43の内部に達して形成されていると、絶縁膜43の機械強度が低下してしまい、半導体基板3の耐久性を向上させる効果が低下してしまう。一方、第1実施形態では、改質領域50が絶縁膜43の内部に達することなく形成されており、絶縁膜43の機械強度の低下が抑制されている。したがって、絶縁膜43による半導体基板3の耐久性の向上効果を維持することができる。これにより、放射線検出器100の製造における歩留まりを向上させることも可能である。
また、第1実施形態に係るフォトダイオードアレイ1では、n型半導体領域7に達することなく改質領域50が形成されていることから、改質領域50とpn接合11から広がる空乏層とが互いに干渉し難く、改質領域50を形成することによるノイズの発生を抑制することが可能である。更に、改質領域50とpn接合11から広がる空乏層との干渉が抑制されていることから、改質領域50の形成におけるレーザ光Laの照射精度を緩和することや、改質領域50の形状の自由度を向上させることが可能である。
[第2実施形態]
図5及び図6を参照して、第2実施形態に係るフォトダイオードアレイ91の構成について説明する。図5は、第2実施形態に係るフォトダイオードアレイを示す平面図である。図6は、図5におけるVI−VI線に沿った断面構成を示す模式図である。
表面入射型のフォトダイオードアレイ91は、図5及び図6に示すように、n型の半導体基板3と、p型半導体領域5と、n型半導体領域7とを備えている。
半導体基板3は、互いに対向する表面(一方面)3cと裏面(他方面)3dとを有している。表面3cは、光L1の入射面であり、信号出力面でもある。半導体基板3は、矩形状に形成された基板であり、内部に改質領域50を有している。半導体基板3の裏面3d側の略全面には、n型半導体領域93が配置されている。n型半導体領域93は、不純物(例えば、リン)を含み、半導体基板3よりも不純物濃度が高く(例えば、1×1018/cm)設定されている。半導体基板3は、その他の点では、第1実施形態と同様である。
p型半導体領域5は、半導体基板3の表面3c側において、互いに離隔して、例えば一次元に3つ並んで配置されている。各p型半導体領域5は、例えば矩形状に形成されている。p型半導体領域5は、その他の点では、第1実施形態と同様である。
n型半導体領域7は、半導体基板3の表面3c側の隣接するp型半導体領域5間において、各p型半導体領域5と離隔して、各p型半導体領域5を囲むように配置されている。n型半導体領域7は、その他の点では、第1実施形態と同様である。
半導体基板3の表面3c上の略全面には、例えば周知のCVD法、蒸着法、スパッタ法、熱酸化法により絶縁膜21が形成されている。絶縁膜21は、例えばSiO(酸化膜)やSiN(窒化膜)からなり、p型半導体領域5及びn型半導体領域7に対応する位置には、コンタクトホール23が設けられている。各p型半導体領域5の長辺方向の端部の絶縁膜21上には、電極配線95が配置されている。
電極配線95は、金属材料(例えば、Al)によって形成されている。電極配線95は、略T字状をなしており、第1の部分95aと第2の部分95bとを有している。第1の部分95aは、コンタクトホール23を塞ぐように配置されており、p型半導体領域5の短辺方向に延びている。第1の部分95aの略中央は、第2の部分95bの一端側に接合されている。第2の部分95bの他端側は、半導体基板3の短辺方向の一端側の絶縁膜21上に配置されたアノード電極97aに接合されている。
n型半導体領域7が配置されている位置に対応する絶縁膜21上には、金属材料(例えば、Al)からなる金属膜99が配置されている。金属膜99は、絶縁膜21のコンタクトホール23を塞ぐように配置されており、n型半導体領域7と接続している。金属膜99の隅部には、カソード電極97bが配置されている。
改質領域50は、半導体基板3の表面3cに垂直な方向から見て隣接するp型半導体領域5間の領域において、p型半導体領域5の配置方向に離隔し且つp型半導体領域5の配置方向に交差する方向に延びて2つ配置されている。2つの改質領域50は、互いに略平行に配置されている。各改質領域50は、連続的な直線状部分として形成されており、半導体基板3の側面にまで延びている。
改質領域50は、半導体基板3の内部における深さ位置が第1実施形態と異なっている。各改質領域50は、半導体基板3の裏面3d及びn型半導体領域7に達することなく形成されている。各改質領域50は、半導体基板3の表面3cから互いに略等しい深さ位置にそれぞれ形成されている。各改質領域50は、半導体基板3の厚み方向における表面3c側の所定の深さ位置(表面3c側の領域10〜60%が好ましく、10〜45%がより好ましく、10〜30%が更に好ましい。)に形成されている。また、各改質領域50の表面3c側の端部は、表面3cから所定の深さ(例えば145μm以下が好ましく、75μm以下がより好ましく、20μm以下が更に好ましい。)に位置している。改質領域50は、その他の点では、第1実施形態と同様である。
以上のように、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、半導体基板3の隣接するp型半導体領域5間の領域において、p型半導体領域5の配置方向に離隔し且つp型半導体領域5の配置方向に交差する方向に延びる2つの改質領域50が形成されている。したがって、改質領域50を形成することによる半導体基板3の機械強度の低下を抑制すると共に、クロストークの抑制効果を向上させることが可能である。
図7は、隣接するフォトダイオード間における波長690nmの光をスキャンした場合の分光感度の測定結果を示す図である。図7において、横軸は隣接するp型半導体領域5間の中央を基準としたスキャン位置(μm)を示し、縦軸は各位置で得られる分光感度の最大値を100%とした場合の相対分光感度(%)を示している。
図7において、G1〜G3は、それぞれ(G1)第1実施形態と同様の構成を有するフォトダイオードアレイ(但し、半導体基板の厚さ:100μm、改質領域の深さ位置:表面3aから15〜45μmの領域)、(G2)改質領域50が隣接するp型半導体領域5間の中央に1つ配置されていることを除き、G1と同様の構成を有するフォトダイオードアレイ、(G3)隣接するp型半導体領域5間に改質領域50が形成されていないことを除き、G1と同様の構成を有するフォトダイオードアレイについて示している。
図7に示すように、G1,G2をG3と比較すると、G1,G2では、改質領域50が形成されている部分において相対分光感度が低下していることがわかる。特に、G1においてはG2よりも相対分光感度が低下していることがわかる。従って、隣接するp型半導体領域5間に複数の改質領域50を形成することにより、隣接するp型半導体領域5間のクロストークの抑制効果を向上させることが可能である。
以上、本発明のフォトダイオードアレイの好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、改質領域50は、数、形状、半導体基板3の表面3a,3cからの深さ位置、断面の短軸方向の幅、隣接するp型半導体領域5間の中央から配置位置までの距離は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、2つの改質領域50は、隣接するp型半導体領域5間の中央から、各p型半導体領域5に向かってそれぞれ異なる距離に配置されていてもよい。
また、改質領域50の断面における短軸方向の幅を上記実施形態よりも広く(例えば6〜7μm)した場合には、半導体基板3に外力が加わった際における改質領域50に負荷される応力が局所的に集中することなく分散されることから、半導体基板3の機械強度の低下を抑制することができる。
改質領域50は、フォトダイオードアレイ1において、半導体基板3の表面3aに達しておらず、表面3a側(光入射面側)の端部が半導体基板3の内部に位置していることに限定されるものではない。例えば、改質領域50は、半導体基板3の表面3aに達しており、光入射面側の端部が半導体基板3の表面3aと絶縁膜43の表面43aとの間に位置するように配置されていてもよい。
2つの改質領域50は、半導体基板3の表面3a,3cからの深さ位置が互いに等しい部分と異なる部分とを含んでいてもよい。例えば、2つの改質領域50は、図8に示すように、表面3aから例えば5〜35μmの領域と20〜55μmの領域とにそれぞれ配置されていてもよい。
また、2つの改質領域50は、半導体基板3の表面3a,3cからの深さ位置が互いに等しい部分を含まなくてもよい。例えば、2つの改質領域50は、図9に示すように、表面3aから例えば5〜35μmの領域と50〜80μmの領域とにそれぞれ配置されていてもよい。
また、改質領域50は、隣接するp型半導体領域5間の領域において2つ形成されていることに限定されるものではなく、p型半導体領域5の配置方向に離隔して3つ以上形成されていてもよい。3つ以上の改質領域50の半導体基板3の表面3a,3cからのそれぞれの深さ位置は互いに等しくても、異なっていてもよい。
また、改質領域50は、複数のp型半導体領域5が配置される領域を囲むと共にその外縁が半導体基板3の外縁をなす領域に配置されていてもよい。例えば、改質領域50の各直線状部分の端部は、半導体基板3の各側面まで延びていてもよい。
改質領域50は、連続的な直線状に形成されることに限定されるものではなく、断続的な直線状であってもよい。例えば、改質領域50は、長手方向及び当該長手方向に直交する短手方向を有する部分が、その長手方向を同一方向へ向けて互いに離れて複数並ぶことにより、断続的な直線状に形成されていてもよい。
2つの断続的な直線状の改質領域50は、図10に示すように、一方の断続的な直線の上記部分の長手方向の両端部が、もう一方の断続的な直線の隣接する2つの部分のそれぞれの長手方向の端部に対向するように形成されていてもよい。
2つの断続的な直線状の改質領域50は、図11に示すように、それぞれの構成部分が互いに対向することなく交互に配置されるように形成されていてもよい。この場合、断続的な直線の構成部分をピッチを大きくして配置することにより、改質領域50を形成することによる半導体基板の機械強度の低下を更に抑制することが可能である。
改質領域50は、断面が楕円状の直線状部分のみにより形成されていることに限定されるものではない。改質領域50は、断面が楕円状の直線状部分から半導体基板3の厚み方向に延びる線状部分を含んでいてもよい。また、改質領域50は、多光子吸収以外によって改質されて形成されていてもよい。
また、半導体基板3、p型半導体領域5及びn型半導体領域7の数、材料、形状、厚さ、不純物濃度及び不純物の種類は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、p型半導体領域5は、1次元に複数並んで配置されていても、2次元のマトリクス状に配置されていてもよい。半導体基板3、p型半導体領域5及びn型半導体領域7は、上述した実施形態とは逆の導電型となる不純物を含んでいてもよい。半導体基板3は、Siによって形成されていることに限定されるものではなく、例えば半導体基板3とp型半導体領域5が同一又は異なる化合物半導体(例えば、GaAs又はGaSb等)によって形成されていてもよい。
また、上記フォトダイオードアレイの製造方法は、レーザ加工により溶融処理領域を形成して加工対象物65を切断することに限定されるものではなく、ブレードを用いて加工対象物65を切断してもよい。この場合、図3(b)に示す加工対象物65にUV照射して、図12(a)に示すように、ダイシングテープ63を剥離する。次に、切断予定ラインを半導体基板3の裏面3b側に転写した後、図12(b)に示すように、絶縁膜43の表面43aにダイシングテープ63を貼り付ける。そして、12(c)に示すように、切断予定ラインに沿って、ブレード67により加工対象物65を切断する。更に、イオンエアー洗浄装置や吸引装置を用いて、塵等を吸引して洗浄することにより、図4(a)と同様の複数の加工対象物65aが得ることができる。
[放射線検出器]
[第1実施形態]
図13を参照して、第1実施形態に係る放射線検出器100の構成について説明する。図13は、第1実施形態に係る放射線検出器の断面構成を示す模式図である。
放射線検出器100は、図13に示すように、上記フォトダイオードアレイ1と、シンチレータ73と、配線基板81とを備えている。
シンチレータ73は、絶縁膜43上に配置されている。シンチレータ73は、絶縁膜43上に配置されたシンチレータ層75と、シンチレータ層75上に配置された耐湿保護膜77とにより構成されている。
シンチレータ層75は、入射した光(放射線)を所定波長の光に変換する柱状結晶が互いに接するように複数配置されて構成されている。シンチレータ層75は、CsI,CsBr等を常温〜150℃程度の抵抗加熱法によって、絶縁膜43の表面43a上に蒸着することにより形成されている。シンチレータ層75は、厚さが例えば400μmである。
耐湿保護膜77は、シンチレータ層75が水分の吸収により劣化し特性が低下することを抑制している。耐湿保護膜77は、その厚さが例えば10μmである。耐湿保護膜77は、X線透過性が高く、かつ、水蒸気,ガスの透過が極めて少ない、例えばポリパラキシリレン、ポリモノクロロパラキシリレン等のキシレン系樹脂からなる樹脂層である。耐湿保護膜77は、CVD法等を用いることで形成される。
配線基板81は、例えばガラス基板が用いられ、互いに対向する信号入力面81aと信号出力面81bとを有している。配線基板81には、信号入力面81aから信号出力面81bに達する貫通孔81cが複数形成されている。貫通孔81cは、フォトダイオードアレイ1のバンプ電極31,33と同一のピッチで複数形成されている。各貫通孔81cには、導電性部材83が設けられている。導電性部材83は、各貫通孔81cの内壁に配置されて信号入力面81aと信号出力面81bとの間を電気的に導通する導通部83cと、信号入力面81a上の各貫通孔81cの外周部に配置された入力部83aと、信号出力面81b上の各貫通孔81cの外周部に配置された出力部83bとにより構成されている。
配線基板81は、半導体基板3の裏面3bの上方に配置されており、入力部83aは、バンプ電極31,33と接続されている。各出力部83b上には、バンプ電極85がそれぞれ配置されている。配線基板81は、バンプ電極85を介して、例えば後述する外部基板87と接続される。
以上の構成を有する放射線検出器100は、次の動作を行う。シンチレータ73にX線等の光(放射線)L1が入射すると、光L1に応じた所定波長のシンチレーション光がシンチレータ層75で発生し、シンチレーション光がフォトダイオードアレイ1へと入射する。
フォトダイオードアレイ1の表面3a側からシンチレーション光が入射すると、シンチレーション光は絶縁膜43を透過し、半導体基板3、p型半導体領域5及びn型半導体領域7に達する。そして、シンチレーション光によって発生したキャリアが、半導体基板3、p型半導体領域5及びn型半導体領域7の内部における電界に従って拡散する。
シンチレーション光によって発生したキャリアは、隣接するp型半導体領域5間に拡散した場合には、2つの改質領域50のそれぞれにトラップされ、再結合することにより消滅する。改質領域50にトラップされず、pn接合11に達したキャリアはバンプ電極31,33から光電流として外部に取り出される。この光電流により、各フォトダイオード13は、光L1の光波長成分に応じた電気信号をそれぞれ出力することとなる。
次に、図14を用いて、上述した放射線検出器100の製造方法について説明する。図14は、第1実施形態に係る放射線検出器の製造工程を説明するための断面構成を示す模式図である。
まず、上述した製造方法によりフォトダイオードアレイ1を製造する。次に、図13に示すような構成の配線基板81を作製した後、フォトダイオードアレイ1に配線基板81を例えばフリップチップ実装により接続する。フリップチップ実装では、まず、バンプ電極31,33と入力部83aとが対向するようにフォトダイオードアレイ1と配線基板81との位置合わせが行われる。この位置合わせの後、バンプ電極31,33と入力部83aとを互いに押し合わせ、熱圧着や超音波等によってバンプ結合する。これにより、図14(a)に示すように、配線基板81がバンプ電極31,33を介してフォトダイオードアレイ1に接続される。
次に、例えば抵抗加熱法によって絶縁膜43の表面43a上にCsI,CsBr等を蒸着し、柱状結晶として成長させることによりシンチレータ層75を形成する。更に、例えばCVD法によって、シンチレータ層75を覆うように耐湿保護膜77を形成する。以上により、絶縁膜43上にシンチレータ73が形成され、図14(b)に示すように、放射線検出器100が得られる。
なお、配線基板81のバンプ電極85により外部基板87を更にフリップチップ実装し、図14(c)に示すような構成の放射線検出器200としてもよい。外部基板87には、例えば、外部基板87の内部に導電性部材が埋め込まれて形成された複数の内部配線89bと、信号入力面上に露出した導電性部材の外周部に配置された入力部89aとが配置されている。入力部89aがバンプ電極85と接続されることにより、配線基板81と外部基板87とが接続される。
以上のように、第1実施形態では、フォトダイオードアレイ1を用いていることから、改質領域50を形成することによる半導体基板3の機械強度の低下を抑制すると共に、クロストークの抑制効果を向上させることが可能である。
ところで、絶縁膜43の表面43aに凹凸部分が形成されていると、シンチレーション光が凹凸部分において反射してしまう。そして、反射した光が隣接するp型半導体領域5に達すると、出力信号のノイズとして検出されてしまう。しかしながら、第1実施形態では、絶縁膜43の表面43aに達することなく改質領域50が形成されていることにより、シンチレーション光の凹凸部分における反射を抑制することができる。したがって、出力信号のノイズの検出を抑制することができる。
また、絶縁膜43の表面43aに凹凸部分が形成されていると、凹凸部分にシンチレータ層75の構成成分が蒸着されることにより、柱状結晶が異常成長することとなる。しかしながら、第1実施形態では、凹凸部分が絶縁膜43の表面43aに形成されることが抑制されている。したがって、柱状結晶を異常成長させることなくシンチレータ層75を形成することが可能である。
[第2実施形態]
図15を参照して、第2実施形態に係る放射線検出器300の構成について説明する。図15は、第2実施形態に係る放射線検出器の断面構成を示す模式図である。
放射線検出器300は、バリア層71が配置されており、改質領域50が絶縁膜43の表面43aに達して形成されている点で、放射線検出器100と異なっている。その他の点は、第1実施形態と同様である。
バリア層71は、絶縁膜43の表面43a上に配置されており、例えば腐食防止(防湿)作用を有する。バリア層71は、例えばポリイミド等からなる樹脂層であり、その厚さは例えば5μmである。バリア層71は、例えば樹脂材料を絶縁膜43の表面43aにスピンコートにより塗布し、硬化することにより形成される。
改質領域50は、半導体基板3の隣接するp型半導体領域5間の領域において、p型半導体領域5の配置方向に離隔し且つp型半導体領域5の配置方向に交差する方向に延びて2つ配置されている。改質領域50は、絶縁膜43の表面43aに達して形成されている。各改質領域50は、絶縁膜43の表面43aから、半導体基板3の表面3aから所定の深さ位置(半導体基板3の厚み方向における表面3a側の領域10〜60%が好ましく、10〜45%がより好ましく、10〜30%が更に好ましい。)にかけて、それぞれ配置されている。改質領域50は、第1実施形態と比べて表面3a側の半導体基板3の内部に集光点Fを合わせてレーザ光Laを照射することにより形成される。
以上のように、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、半導体基板3の隣接するp型半導体領域5間の領域において、p型半導体領域5の配置方向に離隔し且つp型半導体領域5の配置方向に交差する方向に延びる2つの改質領域50が形成されたフォトダイオードアレイを用いている。したがって、改質領域50を形成することによる半導体基板3の機械強度の低下を抑制すると共に、クロストークの抑制効果を向上させることが可能である。
ところで、絶縁膜43の表面43aの改質領域50が形成された部分に対し、シンチレータ層75が直接蒸着されると、その部分からシンチレータ層75のシンチレータ成分が半導体基板3の内部へ拡散することとなる。しかしながら、第2実施形態では、絶縁膜43上にバリア層71が配置されている。これにより、シンチレータ層75のシンチレータ成分の拡散がバリア層71により遮断されることとなる。したがって、シンチレータ層75のシンチレータ成分が半導体基板3の内部へ拡散することを抑制することができる。
また、バリア層71が絶縁膜43を補強することにより、フォトダイオードアレイ1の機械強度を向上させることも可能である。更に、絶縁膜43の表面43aの改質領域50が形成されている部分をバリア層71が覆うことにより、シンチレータ層75を配置する面を平坦化することができる。これにより、柱状結晶を異常成長させることなくシンチレータ層75を形成することができる。
以上、本発明の放射線検出器の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
シンチレータ73は、絶縁膜43やバリア層71上にシンチレータ層75を直接蒸着して形成するものに限定されるものではない。例えば、放射線透過性の基板(例えば、アルミニウム、アモルファスカーボン、FOP(ファイバオプティクプレート))に、常温〜150℃程度の抵抗加熱法によってCsI,CsBr等からなるシンチレータ層を形成したシンチレータを用いてもよい。この場合、放射線透過性の基板のシンチレータ層が配置されている面の反対側の面と、絶縁膜43の表面43aやバリア層71の光入射面とを透明(光透過)樹脂(例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂)により接着する。
また、シンチレータ73として、パネル型シンチレータを用いてもよい。図16は、パネル型シンチレータを用いた第3実施形態に係る放射線検出器の断面構成を示す模式図である。放射線検出器400は、絶縁膜43上に配置された透明(光透過)樹脂層72と、透明樹脂層72上に配置されたシンチレータパネル73とを備えている。
透明樹脂層72は、接着性を有する光学樹脂(例えば、ポリイミド)により形成されている。透明樹脂層72は、絶縁膜43とシンチレータパネル73との間の間隙を埋めるように配置されている。これにより、シンチレータ73内に光(放射線)が入射して所定波長のシンチレーション光が発生した場合に、シンチレーション光が絶縁膜43とシンチレータパネル73との間の間隙で反射することなくフォトダイオードアレイ1に入射する。
シンチレータパネル73は、透明樹脂層72上に配置されたシンチレータ層75と、シンチレータ層75を覆う耐湿保護膜77とにより構成されている。シンチレータ層75は、平板形状を呈している。シンチレータ層75は、GdS:PrやGdS:TbといったGOS(硫酸化ガドリニウム)や、TlをドープしたCsI、CdWO(CWO)等により形成されている。シンチレータ層75は、半導体基板3の表面3aに垂直な方向から見てp型半導体領域5全体が隠れるように、位置、形状及びサイズが設定されている。
耐湿保護膜77は、PETシートやTiOを混練したエポキシ樹脂等により形成されており、遮光膜としても機能する。耐湿保護膜77は、シンチレータ層75の側面と光入射面とを覆っているものの、シンチレータ層75の光出射面を覆っていないため、シンチレータ層75で発生した光は、耐湿保護膜77に遮光されることなくフォトダイオードアレイ1に入射する。
ところで、パネル型シンチレータ等を凹凸部分が形成された面に接着すると、凹凸部分において透明(光透過)樹脂にボイドが発生してしまう。しかしながら、放射線検出器100では、改質領域50が絶縁膜43の表面43aに達することなく形成されており、放射線検出器300では、絶縁膜43の表面43a上にバリア層71が設けられている。そのため、パネル型シンチレータ等を凹凸部分が形成された面に接着することが抑制されている。したがって、ボイドの発生が抑制され、パネル型シンチレータ等を良好に接着することができる。
また、上記実施形態に係る放射線検出器の製造方法は、改質領域50を形成した後に加工対象物65を切断した後に配線基板81を接続することに限定されるものではない。例えば、レーザ加工により半導体基板3に溶融処理領域を形成して切断した後に、改質領域50を形成してもよい。すなわち、図3(a)と同様の加工対象物61について、図17(a)に示すように、半導体基板3の内部にレーザ加工により溶融処理領域を形成する。そして、図17(b)に示すように、ダイシングテープ63を拡張させ加工対象物61を切断予定ラインに沿って切断し、図17(c)に示すような加工対象物61aを得る。なお、この場合、上述した手法と同様に加工対象物61をブレードにより切断してもよい。
続いて、図18(a)に示すように、はんだペーストのスクリーン印刷法により加工対象物61aの所定の位置にバンプ電極31,33を形成して加工対象物61bを得る。次に、図18(b)に示すように、加工対象物61bのバンプ電極31,33と配線基板81の入力部83aとを接続する。そして、図18(c)に示すように、ダイシングテープ63を配線基板81の信号出力面81b上の出力部83bに貼り付けた後、半導体基板3の内部にレーザ加工を施すことにより改質領域50を形成して、フォトダイオードアレイ1が配線基板81に接続された構成とする。更に、UV照射してダイシングテープ63を剥離した後、シンチレータ73及びバンプ電極85を配置することにより、上記放射線検出器を得ることができる。
1,91…フォトダイオードアレイ、3…n型(第1導電型)半導体基板、3a,3c…表面、3b,3d…裏面、5…p型(第2導電型)半導体領域、11…pn接合、13…フォトダイオード、50…改質領域、73…シンチレータ、100,200,300,400…放射線検出器、F…集光点、La…レーザ光、L1…光。

Claims (2)

  1. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板の一方面側に並んで配置されていると共に、それぞれが前記半導体基板との接合によりフォトダイオードを構成する複数の第2導電型の半導体領域と、を備え、
    前記半導体基板の隣接する前記第2導電型の半導体領域間の領域には、該領域の所定位置に集光点を合わせてレーザ光を照射することによって、前記第2導電型の半導体領域の配置方向に離隔し且つ前記第2導電型の半導体領域の配置方向に交差する方向に延びる少なくとも2つの改質領域が形成されていることを特徴とするフォトダイオードアレイ。
  2. 請求項1に記載のフォトダイオードアレイと、
    前記半導体基板の前記一方面上又は前記一方面に対向する他方面上に配置されるシンチレータと、を備えていることを特徴とする放射線検出器。
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