JP2003232861A - 放射線検出器 - Google Patents

放射線検出器

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JP2003232861A
JP2003232861A JP2002031283A JP2002031283A JP2003232861A JP 2003232861 A JP2003232861 A JP 2003232861A JP 2002031283 A JP2002031283 A JP 2002031283A JP 2002031283 A JP2002031283 A JP 2002031283A JP 2003232861 A JP2003232861 A JP 2003232861A
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photodiode
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義磨郎 藤井
Koji Okamoto
浩二 岡本
Akira Sakamoto
坂本  明
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 開口率が大きく、光クロストークが抑制さ
れ、組み立て時の位置合わせが容易な放射線検出器を提
供する。 【解決手段】 シンチレータパネル1は、2次元状に配
列された複数のシンチレータ11と、X線遮蔽部材から
なるシンチレータ固定用部材12とが一体に固定される
ことによって構成されており、シンチレータ固定用部材
12がシンチレータパネル1の光出射面に対して凹設さ
れて凹状部Aが形成されている。また、フォトダイオー
ドアレイ2は裏面入射型の構成を有し、その光入射面に
は凹状部Aに嵌合する凸状部Bが形成されている。そし
て、シンチレータパネル1とフォトダイオードアレイ2
とは、凹状部Aと凸状部Bが嵌合するように光学接着剤
によって接合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シンチレータと半
導体受光素子とを組み合わせた放射線検出器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】X線などの放射線を検出するための放射
線検出器の1つとして、シンチレータとフォトダイオー
ドアレイとを組み合わせたものがある。このような放射
線検出器は、例えば医療機関で使用されるX線断層撮影
装置(X線CT装置)におけるX線検出器として用いら
れている。
【0003】近年のX線CT装置の開発においては、ス
ライス方向に複数列のX線検出器を2次元配列し、1回
のX線照射によって複数のCT画像を得る、マルチスラ
イス化が検討されている。X線CTにおけるこのような
マルチスライス化に伴い、X線CT装置に用いられるX
線検出器では、2次元配列されるフォトダイオードの微
細化、高集積化が要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フォトダイオードアレ
イにおいては、通常、光入射面となる表面側にフォトダ
イオードとして機能する半導体層が2次元アレイ状に形
成される。また、この表面上には、各フォトダイオード
に対応するアノード電極と、それらに接続される配線等
が設けられる。このため、このようなフォトダイオード
アレイを上述した放射線検出器に適用した場合、シンチ
レータからフォトダイオードへと入射する光に対する開
口率が小さくなり、放射線の検出感度が低下するという
問題がある。
【0005】また、このような放射線検出器ではシンチ
レータとフォトダイオードとの近接配置が電極及び配線
厚によって妨げられ、あるシンチレータが発した光が、
他のシンチレータの光を検出するためのフォトダイオー
ドへ入射する、いわゆる光クロストークが生じ易くな
る。そして、光クロストークが生じることにより、空間
分解能(解像度)を向上させることが困難となる。ま
た、シンチレータ接合時において、フォトダイオードの
光入射面に存在する電極やボンディングワイヤの損傷を
防ぐ必要があるため、組み立て効率が悪化する。
【0006】例えば特開平5−150049号公報に開
示された放射線検出器は、フォトダイオードアレイの光
入射面に凹部が多数形成されており、凹部の底部にシン
チレータが接合される。また、アノード電極及び配線が
フォトダイオードアレイの光入射面の、シンチレータが
接合されていない部分に設けられている。
【0007】この放射線検出器では、フォトダイオード
アレイの光入射面にアノード電極及び配線が設けられて
いるため、開口率の低下という問題は解決されない。ま
た、個々のシンチレータが、それぞれ独立してフォトダ
イオードアレイの凹部に接合されているため、放射線検
出器全体の機械的強度が弱く、また、組み立てが複雑に
なり、歩留まりの低下を招く。
【0008】一方、特開平7−333348号公報に開
示された放射線検出器は、アノード電極及び配線が設置
される表面に対向する裏面が光入射面となる、裏面入射
型のフォトダイオードアレイが用いられている。これに
より、複数のシンチレータを2次元方向に高密度で配列
し、また、シンチレータからフォトダイオードへの開口
率を大きくしている。
【0009】しかし、この放射線検出器では、2次元配
列されるシンチレータ同士を直接に隣接させて配置して
いるため、光クロストークが生じ易い。また、組み立て
時においてシンチレータを配置する位置を容易に特定で
きないので、シンチレータのフォトダイオードに対する
組み立て及び位置合わせが困難である。
【0010】本発明は、以上の問題点を解決するために
なされたものであり、開口率が大きく、光クロストーク
が抑制され、かつ、組み立てが容易な放射線検出器を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明による放射線検出器は、2次元状に配
列された複数のシンチレータ、及び複数のシンチレータ
間にあってこれらを一体に固定するシンチレータ固定用
部材からなるシンチレータパネルと、第1導電型の半導
体基板内部の表面側に複数のシンチレータに対応して形
成され、それぞれフォトダイオードとして機能する複数
の第2導電型半導体層を有し、半導体基板の裏面がシン
チレータパネルと接合される光入射面となっている裏面
入射型のフォトダイオードアレイとを備え、シンチレー
タパネルは、フォトダイオードアレイの光入射面と接合
される光出射面側に、前記シンチレータ固定用部材が前
記光出射面に対して凹設された凹状部を有することを特
徴とする。
【0012】上記した放射線検出器においては、裏面入
射型のフォトダイオードアレイを用いることにより、開
口率を大きくすることができるとともに、放射線検出器
の組み立て効率が向上する。また、シンチレータ間にシ
ンチレータ固定用部材を設けて、シンチレータ同士を直
接に隣接させないように配置することにより、光クロス
トークの発生を抑制している。また、シンチレータ固定
用部材と複数のシンチレータとを一体に固定することに
より、放射線検出器全体の機械的強度が向上するととも
に、シンチレータパネルとフォトダイオードアレイとを
接合させる放射線検出器の組み立て、及び組み立て時の
位置合わせが容易になる。また、シンチレータ固定用部
材の一部または全部を光出射面に対して凹設して凹状部
を設けることにより、シンチレータパネルとフォトダイ
オードアレイとを良好に接合できる。さらに、これらの
接合時において凹状部を位置合わせに利用することによ
って、組み立てがさらに容易になる。
【0013】また、放射線検出器は、フォトダイオード
アレイが、半導体基板内部の表面側の複数の第2導電型
半導体層のそれぞれの間に、半導体基板よりも高い不純
物濃度で形成された第1導電型半導体層を有するととも
に、半導体基板の表面上に、第1導電型半導体層に電気
的に接続された第1電極と、第2導電型半導体層に電気
的に接続された第2電極とが設けられていることを特徴
とする。このように第1導電型半導体層を表面側に形成
するとともに、第1電極及び第2電極をともに表面に配
置することによって、光入射面にはシンチレータのみを
配置することができる。その結果、光入射面での開口率
を大きくできる。
【0014】また、フォトダイオードアレイが、光入射
面側に、シンチレータパネルの凹状部に嵌合する凸状部
を有することを特徴とする。光入射面にこのような凸状
部を有するフォトダイオードアレイと、光出射面に前述
した凹状部を有するシンチレータパネルとを組み合わせ
ることによって、これらの接合時の位置合わせがさらに
容易になり、組み立ての作業性が向上する。加えて、接
合後の位置ずれも防止することができ、振動及び衝撃に
対する耐久性を高めることができる。
【0015】また、フォトダイオードアレイが上記のよ
うな凸状部を有する場合において、上記した第1電極及
び第2電極は、半導体基板の表面のうちで凸状部に対向
する領域内の面上に設けられていることが好ましい。第
1電極及び第2電極をこのように配置することにより、
各電極と支持基板上の配線とをバンプ接続等で接合する
ときの衝撃が、フォトダイオードが形成されている基板
薄板部へ伝わるのを防ぎ、破損を防止することができ
る。
【0016】また、凸状部が、表面側の所定部分の外形
寸法がシンチレータパネルの凹状部の内形寸法よりも大
きくなるように形成されていることを特徴としてもよ
い。このような形状を有するフォトダイオードアレイに
よって、シンチレータパネルとフォトダイオードアレイ
とを接合する際に、シンチレータはフォトダイオードが
形成されている基板薄板部に接触することはなく、組み
立て時におけるフォトダイオードの損傷を防止できる。
【0017】また、シンチレータ固定用部材は、X線遮
蔽部材からなることを特徴とする。放射線検出器をX線
検出器として用いた場合、このような部材で形成された
シンチレータ固定用部材を用いることによって、シンチ
レータの間から入射するX線が半導体基板内部にキャリ
アを発生させることによる、光クロストークを防止する
ことができる。
【0018】また、フォトダイオードアレイの半導体基
板の表面に設けられた電極に電気的に接続される配線を
有する支持基板をさらに備え、半導体基板の表面と、支
持基板とは、接着剤によって一体に固定されていること
を特徴としてもよい。フォトダイオードアレイと支持基
板とが一体に固定されることによって、フォトダイオー
ドが形成されている基板薄板部の強度を高めることがで
きる。
【0019】また、フォトダイオードアレイでの第2導
電型半導体層のそれぞれの面積は、シンチレータパネル
での対応するシンチレータの面積よりも大きいことを特
徴としてもよい。このような第2導電型半導体層を形成
することによって、シンチレータから入射された光によ
って半導体基板内に発生するキャリアを、第2導電型半
導体層において効率よく集めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面とともに本発明による
放射線検出器の好適な実施形態について詳細に説明す
る。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号
を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比
率は、説明のものと必ずしも一致していない。
【0021】図1は、本発明による放射線検出器の第1
実施形態の構成を示す側面断面図である。
【0022】本放射線検出器は、放射線を入射して、そ
の放射線によって生じた光を光出射面から出射するシン
チレータパネル1と、シンチレータパネル1から出射さ
れた光を光入射面から入射し、電気信号に変換するフォ
トダイオードアレイ2と、支持基板3とを備えている。
なお、図1においては、シンチレータパネル1の下面が
光出射面、フォトダイオードアレイ2の上面が光入射面
となっている。
【0023】図2は、図1に示した放射線検出器をシン
チレータパネル1側から見た上面図である。シンチレー
タパネル1は、複数のシンチレータ11とシンチレータ
固定用部材12とによって構成されている。複数のシン
チレータ11は、それぞれ検出対象の放射線の入射に対
してシンチレーション光を発生する物質からなり、図2
に示すように2次元アレイ状に配列されている。シンチ
レータ11の光出射面以外の面上には、シンチレータ1
1内で発生したシンチレーション光を反射する酸化チタ
ンなどからなる光反射膜14が形成されている。
【0024】これらのシンチレータ11に対し、シンチ
レータ固定用部材12は複数のシンチレータ11の間に
設けられている。そして、これらが一体に固定されるこ
とによってシンチレータパネル1が構成されている。ま
た、シンチレータパネル1の光出射面側には、シンチレ
ータ固定用部材12が光出射面に対して凹設された凹状
部Aが形成されている。
【0025】フォトダイオードアレイ2は、受光部とな
る光感応領域が形成される表面に対し、反対側の裏面を
光入射面とする裏面入射型の構成を有している。フォト
ダイオードアレイ2は、導電型がn型(第1導電型)で
あり、フォトダイオードアレイ2の基体となるn型半導
体基板21と、シンチレータ11と一対一で対応するよ
うにn型半導体基板21内部の表面側に形成されたp+
型(第2導電型)拡散層である複数のp型半導体層(第
2導電型半導体層)22と、複数のp型半導体層22の
間にそれぞれ形成されたn型半導体基板21より高濃度
のn+型拡散層であるn型半導体層(第1導電型半導体
層)23とを備える。
【0026】本構成では、p型半導体層22と、p型半
導体層22の裏面側に位置するn型半導体基板21のn
型半導体層部分とがpn接合することによって、フォト
ダイオード24が構成されている。裏面入射型のフォト
ダイオード24では、光入射面から入射されたシンチレ
ータ11からのシンチレーション光を効率よく検出する
ため、フォトダイオード24が形成されている部分はn
型半導体基板21の基板薄板部となっている。また、p
型半導体層22の面積は、対応するシンチレータ11の
面積よりも大きく設定されている。
【0027】半導体基板21の光入射面側には、格子状
パターンの凸状部Bが形成されている。この凸状部B
は、薄板化された半導体基板21の機械的強度を保持す
る機能を有する。また、この凸状部Bの格子状パターン
は、シンチレータパネル1でのシンチレータ固定用部材
12による凹状部Aのパターンに対応しており、これに
よって、凹状部Aと凸状部Bとが嵌合するようになって
いる。
【0028】また、n型半導体基板21の光入射面側に
は、n型半導体基板21より高濃度のn型半導体層であ
るアキュムレーション層27が、全体に略一定の厚さで
設けられている。また、フォトダイオードアレイ2の表
面と光入射面とは、それぞれ異物の侵入を防止する保護
膜28で被覆されている。
【0029】さらに、フォトダイオードアレイ2は、n
型半導体基板21の表面上にアノード電極(第2電極)
25及びカソード電極(第1電極)26を備えている。
アノード電極25はp型半導体層22に、カソード電極
26はn型半導体層23にそれぞれ電気的に接続されて
いる。これらのアノード電極25及びカソード電極26
は、n型半導体基板21の表面上において、凸状部Bに
対向する基板が厚い領域内に配置されている。フォトダ
イオードアレイ2の動作時には、アノード電極25とカ
ソード電極26との間には、フォトダイオード24への
印加電圧が逆バイアスとなるような電圧が与えられる。
また、フォトダイオード24への印加電圧は、零バイア
スであっても良い。
【0030】支持基板3は、フォトダイオードアレイ2
に対して表面側(図1中の下側)に位置している。支持
基板3の上面上には、フォトダイオードアレイ2からの
光検出信号の検出器外部への出力などに用いられる配線
31が設けられている。アノード電極25及びカソード
電極26と、これらに対応する配線31とは、バンプ電
極32を介してバンプ接続されている。また、支持基板
3は、樹脂材料等(アンダーフィル樹脂など)の接着剤
からなる接着剤層33を介して、フォトダイオードアレ
イ2と一体に固定されている。
【0031】上記のシンチレータパネル1の光出射面と
フォトダイオードアレイ2の光入射面とは、凹状部Aと
凸状部Bとが嵌合するように接合されている。接合には
シンチレーション光を透過する性質を有する光学接着剤
としてシリコーン樹脂などの接着樹脂が用いられ、シン
チレータ11とn型半導体基板21の基板薄板部との間
に光学接着剤の層、及び凹状部Aと凸状部Bとの間に光
学接着剤層13が形成されている。
【0032】以上の構成において、検出対象である放射
線がシンチレータパネル1のシンチレータ11に入射す
ると、シンチレータ11内においてシンチレーション光
が発生する。発生したシンチレーション光は直接に、ま
たは光出射面以外の面上に形成された光反射膜14によ
って反射されて、光出射面からフォトダイオードアレイ
2へと出射される。そして、シンチレータ11の光出射
面から出射された光は対応するフォトダイオード24へ
入射する。このとき、保護膜28はフォトダイオード2
4の光入射面で光が反射することを防止する反射防止膜
としての機能も果たす。
【0033】フォトダイオード24へ入射したシンチレ
ーション光によって、n型半導体基板21内部にキャリ
アが発生する。発生したキャリアは、p型半導体層22
へ移動する。ここで、アキュムレーション層27は、シ
ンチレーション光の入射によってn型半導体基板21内
部の光入射面側付近で発生したキャリアを再結合させる
ことなく、効率よくp型半導体層22へ移動させるよう
に機能する。そして、光検出信号がアノード電極25及
びカソード電極26から取り出される。
【0034】本実施形態による放射線検出器の効果につ
いて説明する。図1及び図2に示した放射線検出器で
は、2次元状のフォトダイオードアレイとして、裏面入
射型のフォトダイオードアレイ2を用いている。これに
より、シンチレーション光を出射するシンチレータ11
は、アノード電極及び配線、ボンディングワイヤなどが
設けられる表面ではなく、光入射面である裏面に接合す
ることができ、シンチレータ11からフォトダイオード
24へと入射する光に対する開口率を大きくすることが
できる。また、シンチレータパネル1とフォトダイオー
ドアレイ2とを接合する際に、配線やボンディングワイ
ヤ等が損傷しないよう配慮する必要がなくなり、放射線
検出器の組み立て効率を向上させることができる。
【0035】また、シンチレータ11の間にシンチレー
タ固定用部材12を設けることによって、シンチレータ
11同士は直接に隣接しないように配置される。これに
よって、あるシンチレータにおいて発生したシンチレー
ション光が、他のシンチレータに対応するフォトダイオ
ード24に入射する、いわゆる光クロストークの発生を
抑制することができる。
【0036】また、シンチレータ11とシンチレータ固
定用部材12とが一体に固定されていることによって、
シンチレータパネル1の機械的強度を向上させることが
できる。同時に、複数のシンチレータ11を個々に接合
する場合に比べて接合回数が減るので、シンチレータパ
ネル1とフォトダイオードアレイ2とを接合させる放射
線検出器の組み立て、及び組み立て時の位置合わせが容
易になる。さらに、シンチレータパネル1の凹状部Aを
位置合わせの基準として利用すれば、位置合わせをさら
に容易にすることができる。また、シンチレータ11と
シンチレータ固定用部材12とが一体に固定されている
ことによって、一対一で対応しているシンチレータ11
とフォトダイオード24とが外部からの偶発的な力によ
り位置ずれを生じることを防止できる。
【0037】また、シンチレータパネル1に設けられた
凹状部Aは、シンチレータパネル1とフォトダイオード
アレイ2との接合時において、接着剤溜まりとして機能
する。これにより、シンチレータパネル1の凹状部Aと
凸状部Bとの間に光学接着剤層13ができ、この光学接
着剤層13によって、シンチレータパネル1とフォトダ
イオードアレイ2との接合強度が保たれるので、これら
を良好に接合することができる。さらに、光学接着剤層
13が接合強度を保つことによって、シンチレータ11
とフォトダイオード24との間の光学接着剤の層が不要
に厚くなることが防止される。これによって、シンチレ
ータ11とフォトダイオード24との近接配置が可能に
なり、フォトダイオード24へのシンチレーション光の
入射効率を高めることができるとともに、光クロストー
クの発生をさらに抑制することができる。
【0038】また、本実施形態においては、フォトダイ
オードアレイ2の光入射面側に、シンチレータパネル1
の凹状部Aと嵌合する凸状部Bが設けられている。これ
によって、シンチレータパネル1とフォトダイオードア
レイ2との接合時の位置合わせにおいては、凹状部Aと
凸状部Bとを嵌合させればよいので非常に容易になり、
放射線検出器を組み立てる作業性が向上する。それとと
もに、組み立て後におけるシンチレータ11とそれに対
応するフォトダイオード24との接合面方向の位置ずれ
を防止することができる。これによって、放射線検出器
に加わる振動、及び外部からの衝撃に対する耐久性を高
めることができる。また、凸状部Bが、フォトダイオー
ド24が形成されている基板薄板部の間に格子状に形成
されることによって、フォトダイオードアレイ2全体の
強度を高めることができる。
【0039】また、カソード領域であるn型半導体層2
3をn型半導体基板21の表面側に形成し、カソード電
極26を、アノード電極25とともにフォトダイオード
アレイ2の表面上に配置している。カソード電極26が
フォトダイオードアレイ2の表面上に配置されることに
よって、光入射面上には電極が存在しないこととなり、
光入射面でのシンチレータ11に対する開口率をさらに
大きくすることができる。さらに、配線31が設けられ
ている支持基板3と向かい合っている表面側に全ての電
極等が配置されることによって、光入射面側にボンディ
ングワイヤ等を設ける必要がなく、放射線検出器の組み
立てを効率良く行うことができる。
【0040】また、アノード電極25及びカソード電極
26は、図1に示したように、フォトダイオードアレイ
2の表面上の、フォトダイオードアレイ2の凸状部Bに
対向する領域内に設けられていることが好ましい。これ
によって、これらの電極がバンプ電極32を介して配線
31と接続される際に、その衝撃を基板厚板部である凸
状部Bで吸収し、フォトダイオード24が設けられてい
る基板薄板部への衝撃を最小限に抑止することができ
る。これによって、放射線検出器を組み立てる際のフォ
トダイオードアレイ2の破損を防止することができる。
ただし、基板薄板部の強度が充分な場合には、薄板部の
領域内に電極を設けても良い。
【0041】なお、カソード電極については、フォトダ
イオードアレイ2の光入射面上に透明な電極膜などとし
て形成することもできる(例えば、特開平7−3333
48号公報参照)。この場合、透明な電極膜への電気的
接続手段としては、光入射面から表面へのスルーホール
を形成して導電性材料を埋め込む方法や、光入射面から
表面への、n型半導体層21より高濃度のn+型半導体
の層を形成する方法、あるいは放射線検出器の側面から
電気的接続を行う方法などがある。ただし、開口率が一
定以上に制限されるなど、スルーホールなどの電気的接
続手段を設けることが困難であるときには、上記のよう
にn型半導体層23及びカソード電極26をフォトダイ
オードアレイ2の表面側に設けることが好ましい。
【0042】また、p型半導体層22の面積はシンチレ
ータ11の面積よりも大きく設定されることが好まし
い。このように設定することで、シンチレータ11から
入射した光によって発生したキャリアが多少拡散して
も、そのほとんどがp型半導体層22へ到達することが
できる。これによって、n型半導体基板21内部におい
て発生したキャリアがp型半導体層22へ到達する効率
を向上させることができる。
【0043】また、フォトダイオードアレイ2と支持基
板3とは、図1に示したように接着剤層33を介して一
体に固定されている。基板薄板部を有する裏面入射型の
フォトダイオードアレイ2においては、半導体基板21
の強度が充分に得られない場合がある。これに対して、
配線31を有する配線基板を支持基板として機能させ、
フォトダイオードアレイ2と支持基板3とを一体に固定
することによって、支持基板3がフォトダイオード24
が形成されている基板薄板部を含むフォトダイオードア
レイ2のn型半導体基板21の強度を高めることができ
る。
【0044】上述した放射線検出器は、例えば、X線C
T装置におけるX線検出器などに用いることが可能であ
る。このようにX線検出器として用いる場合、シンチレ
ータ固定用部材12としては、銅や鉛などのX線を遮蔽
する材料からなるX線遮蔽部材を用いることが好まし
い。すなわち、シンチレータ11に入射されなかったX
線がシンチレータ11の間からフォトダイオードアレイ
2へ直接入射した場合、このX線がn型半導体基板21
内部においてキャリアを発生させ、このキャリアがフォ
トダイオード24間での光クロストークの原因となる。
そこで、シンチレータ固定用部材12としてX線遮蔽部
材を用いることにより、X線が直接フォトダイオードア
レイ2へ入射することを防ぎ、光クロストークの発生を
抑制することができる。
【0045】以上に詳説した図1に示す放射線検出器の
具体的な構成の一例としては、以下に示すような構成の
X線検出器が挙げられる。すなわち、シンチレータパネ
ル1の上面側から見た形状を一辺12mmの正方形と
し、その中に8個×8個の配列(ピッチ1.5mm)で
一辺1mm、厚さ2mmのシンチレータ11を配置す
る。シンチレータ11の光出射面以外の面上には、厚さ
50μmの光反射膜14を形成する。また、シンチレー
タ11の間には厚さ1mmのシンチレータ固定用部材1
2を設ける。
【0046】一方、フォトダイオードアレイ2について
は、基板厚板部の厚さが270μmでキャリア濃度1.
0×1012cm-3のn型半導体基板21を用い、基板薄
板部の厚さを10〜100μm、例えば20μmまで薄
板化する。また、n型半導体基板21の表面側に、キャ
リア濃度1.0×1019cm-3のp型半導体層22を厚
さ0.5μmで形成する。また、p型半導体層22の間
にはキャリア濃度1.0×1018cm-3のn型半導体層
23を厚さ1.5μmで形成し、n型半導体基板21の
光入射面側にはキャリア濃度5.0×1018cm-3のア
キュムレーション層27を厚さ0.2μmで形成する。
【0047】基板薄板部による半導体基板21の凹部
は、例えば1mm角程度の矩形状とし、あるいは円形等
の他の形状とすることもできる。また、シンチレータパ
ネル1とフォトダイオードアレイ2との間の光学接着剤
の層の厚さについては、例えば、シンチレータ11と半
導体基板21の基板薄板部との間では数μm程度、凹状
部Aと凸状部Bとの間では数100μm程度とする。
【0048】このような構成の放射線検出器によれば、
本発明による放射線検出器を好適に実施することができ
る。また、本構成例以外にも、個々の放射線検出器の用
途や要求される性能等に応じて、様々な構成が可能であ
る。
【0049】図3は、図1に示した放射線検出器におい
て用いられるシンチレータパネル1の製造方法の一例を
示す工程図である。
【0050】まず、X線などの放射線が照射されるとシ
ンチレーション光を発生するCWOもしくはCsIなど
からなるシンチレータ11を用意する(図3(a))。
次に、その一方の面(図3中の下面)にシンチレータ固
定用部材12を埋め込むための凹部を格子状に形成した
後、光反射膜14を他方の面(図3中の上面)を除く全
面に酸化チタン等を蒸着することにより形成する(図3
(b))。続いて、シンチレータ11に形成された格子
状の凹部に、X線を遮蔽する性質を有する銅もしくは鉛
を埋め込むことにより、シンチレータ固定用部材12を
形成する(図3(c))。そして、上下の面を研削する
ことにより、シンチレータ11を複数に分割するととも
に、光反射膜14のうち下面に形成されていた部分のみ
を取り除いて光出射面を形成する(図3(d))。最後
に、光反射膜14をシンチレータ11の上面に上記と同
様の方法で形成する(図3(e))。
【0051】上記の製造方法によって、第1実施形態の
シンチレータパネル1を製造することができる。
【0052】図4は、本発明による放射線検出器の第2
実施形態の構成を示す図である。図4(a)は、放射線
検出器をシンチレータパネル1側から見た上面図であ
る。また、図4(b)は、図4(a)に示す放射線検出
器のI−I矢印断面図である。
【0053】図4に示す放射線検出器は、シンチレータ
パネル1と、フォトダイオードアレイ2と、支持基板3
とを備えている。このうち、シンチレータパネル1、及
び支持基板3の構成については、図1に示した放射線検
出器と同様である。
【0054】フォトダイオードアレイ2は、裏面入射型
の構成を有している。フォトダイオードアレイ2は、n
型半導体基板21と、複数のp型半導体層22と、n型
半導体基板21より高濃度のn型半導体層23と、アキ
ュムレーション層27とを備えている。そして、p型半
導体層22と、p型半導体層22の裏面側に位置するn
型半導体基板21のn型半導体層部分とによってフォト
ダイオード24が構成されている。また、p型半導体層
22及びn型半導体層23にそれぞれ接続されたアノー
ド電極25及びカソード電極26が、n型半導体基板2
1の表面上に配置されている。
【0055】n型半導体基板21の光入射面側には、凸
状部Bが形成されている。この凸状部Bは、薄板化され
た半導体基板21の機械的強度を保持する機能を有す
る。凸状部Bは、シンチレータパネル1の凹状部Aの一
部、具体的には、シンチレータ固定用部材12を光出射
面に対して凹設した凹状部Aのうち、図4(a)の点線
で囲まれた部分に対応する十字状パターンによって形成
されており、この部分の凹状部Aと凸状部Bとが嵌合す
るようになっている。
【0056】上記のシンチレータパネル1の光出射面と
フォトダイオードアレイ2の光入射面とは、凹状部Aと
凸状部Bとが嵌合するように接合されている。接合には
光学接着剤が用いられ、シンチレータ11とn型半導体
基板21の基板薄板部との間に光学接着剤の層が形成さ
れる。また、凸状部Bまたは凸状部Bが設けられていな
い半導体基板21の所定部分と、凹状部Aとの間に光学
接着剤層13が形成されている。
【0057】本実施形態の放射線検出器の効果について
説明する。図4に示した放射線検出器では、裏面入射型
のフォトダイオードアレイ2を用いることにより、光入
射面でのシンチレータ11からフォトダイオード24へ
と入射する光に対する開口率を大きくすることができる
とともに、放射線検出器の組み立て効率を向上させるこ
とができる。また、シンチレータ11の間にシンチレー
タ固定用部材12を設けることによって、シンチレータ
11同士は直接に隣接しないように配置され、光クロス
トークの発生を抑制することができる。
【0058】また、シンチレータ11とシンチレータ固
定用部材12とが一体に固定されていることによって、
シンチレータパネル1の機械的強度を向上させることが
できる。同時に、シンチレータパネル1とフォトダイオ
ードアレイ2とを接合させる放射線検出器の組み立て、
及び組み立て時の位置合わせが容易になる。さらに、シ
ンチレータパネル1の凹状部Aを位置合わせの基準とし
て利用すれば、位置合わせをさらに容易にすることがで
きる。また、一対一で対応しているシンチレータ11と
フォトダイオード24とが外部からの偶発的な力により
位置ずれを生じることを防止できる。
【0059】また、シンチレータパネル1に設けられた
凹状部Aは、シンチレータパネル1とフォトダイオード
アレイ2との接合時において、接着剤溜まりとして機能
する。これにより、フォトダイオードアレイ2の凸状部
B及び凸状部Bが設けられていない半導体基板21の所
定部分と、凹状部Aとの間に光学接着剤層13ができ、
この光学接着剤層13によって、シンチレータパネル1
とフォトダイオードアレイ2との接合強度が保たれるの
で、これらを良好に接合することができる。さらに、光
学接着剤層13が接合強度を保つことによって、シンチ
レータ11とフォトダイオード24との間の光学接着剤
の層が不要に厚くなることが防止される。これによっ
て、シンチレータ11とフォトダイオード24との近接
配置が可能になり、フォトダイオード24へのシンチレ
ーション光の入射効率を高めることができるとともに、
光クロストークの発生をさらに抑制することができる。
【0060】また、本実施形態においては、フォトダイ
オードアレイ2の光入射面側に、シンチレータパネル1
の凹状部Aの一部と嵌合する十字状パターンの凸状部B
が設けられている。これによって、シンチレータパネル
1とフォトダイオードアレイ2との接合時の位置合わせ
においては、凹状部Aの対応部分と凸状部Bとを嵌合さ
せればよいので非常に容易になり、放射線検出器を組み
立てる作業性が向上する。それとともに、組み立て後に
おけるシンチレータ11とそれに対応するフォトダイオ
ード24との接合面方向の位置ずれを防止することがで
きる。これによって、放射線検出器に加わる振動、及び
外部からの衝撃に対する耐久性を高めることができる。
また、この凸状部Bによって、フォトダイオードアレイ
2全体の強度を高めることができる。
【0061】なお、本実施形態においては、フォトダイ
オードアレイ2の凸状部Bが凹状部Aの全体に対応して
形成されている第1実施形態とは異なり、凹状部Aの一
部に対応する十字状パターンによって凸状部Bが形成さ
れている。このようなパターンの凸状部Bによっても、
第1実施形態での格子状パターンの場合と同様に、凸状
部Bによる各効果が得られる。
【0062】図5は、本発明による放射線検出器の第3
実施形態の構成を示す図である。図5(a)は、放射線
検出器をシンチレータパネル1側から見た上面図であ
る。また、図5(b)は、図5(a)に示す放射線検出
器のII−II矢印断面図である。
【0063】図5に示す放射線検出器は、シンチレータ
パネル1と、フォトダイオードアレイ2と、支持基板3
とを備えている。このうち、フォトダイオードアレイ2
の構成については、図4に示した放射線検出器と同様で
ある。また、支持基板3の構成については、図1に示し
た放射線検出器と同様である。
【0064】シンチレータパネル1は、図5(a)に示
すように、2次元アレイ状に配列されている複数のシン
チレータ11と、シンチレータ11の間に設けられてい
るシンチレータ固定用部材12とが一体に固定されるこ
とによって構成されている。シンチレータ11の光出射
面以外の面上には光反射膜14が形成されている。
【0065】また、シンチレータパネル1の光出射面側
には、図5(a)の点線で囲まれた部分において、シン
チレータ固定用部材12が光出射面に対して凹設され
た、十字状パターンの凹状部Aが形成されている。そし
て、凹状部Aが形成されている上記部分以外のシンチレ
ータ固定用部材12は、シンチレータ11と略等しい厚
さで形成されている。
【0066】上記のシンチレータパネル1の光出射面と
フォトダイオードアレイ2の光入射面とは、互いに対応
する十字状パターンで形成されている凹状部Aと凸状部
Bとが嵌合するように接合されている。接合には光学接
着剤が用いられ、凹状部Aと凸状部Bとの間に光学接着
剤層13が形成される。そして、シンチレータ11の凹
状部Aが形成されていない部分とn型半導体基板21と
の間に光学接着剤の層が形成される。
【0067】本実施形態の放射線検出器の効果について
説明する。図5に示した放射線検出器では、裏面入射型
のフォトダイオードアレイ2を用いることにより、光入
射面でのシンチレータ11からフォトダイオード24へ
と入射する光に対する開口率を大きくすることができる
とともに、放射線検出器の組み立て効率を向上させるこ
とができる。また、シンチレータ11の間にシンチレー
タ固定用部材12を設けることによって、シンチレータ
11同士は直接に隣接しないように配置され、光クロス
トークの発生を抑制することができる。
【0068】また、シンチレータ11とシンチレータ固
定用部材12とが一体に固定されていることによって、
シンチレータパネル1の機械的強度を向上させることが
できる。同時に、シンチレータパネル1とフォトダイオ
ードアレイ2とを接合させる放射線検出器の組み立て、
及び組み立て時の位置合わせが容易になる。さらに、シ
ンチレータパネル1の凹状部Aを位置合わせの基準とし
て利用すれば、位置合わせをさらに容易にすることがで
きる。また、一対一で対応しているシンチレータ11と
フォトダイオード24とが外部からの偶発的な力により
位置ずれを生じることを防止できる。
【0069】また、シンチレータパネル1に設けられた
凹状部Aは、シンチレータパネル1とフォトダイオード
アレイ2との接合時において、接着剤溜まりとして機能
する。これにより、フォトダイオード2の凸状部Bと、
対応している凹状部Aとの間に光学接着剤層13がで
き、この光学接着剤層13によって、シンチレータパネ
ル1とフォトダイオードアレイ2との接合強度が保たれ
るので、これらを良好に接合することができる。さら
に、光学接着剤層13が接合強度を保つことによって、
シンチレータ11とフォトダイオード24との間の光学
接着剤の層が不要に厚くなることが防止される。これに
よって、シンチレータ11とフォトダイオード24との
近接配置が可能になり、フォトダイオード24へのシン
チレーション光の入射効率を高めることができるととも
に、光クロストークの発生をさらに抑制することができ
る。
【0070】また、本実施形態においては、フォトダイ
オードアレイ2の光入射面側に、シンチレータパネル1
の凹状部Aと嵌合する十字状パターンの凸状部Bが設け
られている。これによって、シンチレータパネル1とフ
ォトダイオードアレイ2との接合時の位置合わせにおい
ては、凹状部Aと凸状部Bとを嵌合させればよいので非
常に容易になり、放射線検出器を組み立てる作業性が向
上する。それとともに、組み立て後におけるシンチレー
タ11とそれに対応するフォトダイオード24との接合
面方向の位置ずれを防止することができる。これによっ
て、放射線検出器に加わる振動、及び外部からの衝撃に
対する耐久性を高めることができる。また、この凸状部
Bによって、フォトダイオードアレイ2全体の強度を高
めることができる。
【0071】なお、本実施形態においては、シンチレー
タパネル1の凹状部Aがシンチレータ固定用部材12の
全体に形成されている第1実施形態とは異なり、シンチ
レータ固定用部材12の一部に対応する十字状パターン
によって凹状部Aが形成されている。このようなパター
ンの凹状部Aによっても、第1実施形態での格子状パタ
ーンの場合と同様に、凹状部Aによる各効果が得られ
る。
【0072】本発明による放射線検出器は、上記した実
施形態に限られるものではなく、様々な変形が可能であ
る。例えば、上述した各実施形態においては、いずれも
フォトダイオードアレイ2に凸状部Bが形成されている
が、組み立ての作業性やフォトダイオードアレイ2の強
度などからみて凸状部が不要な場合には、このような凸
状部Bを設けない構成としてもよい。また、各実施形態
においてフォトダイオードアレイ2の凸状部Bは図では
順メサ状に形成されているが、尖塔状、又は矩形状に形
成しても同様の効果が得られる。
【0073】また、凸状部Bの表面側の所定部分の外形
寸法が、シンチレータパネル1の凹状部Aの内形寸法よ
りも大きくなるように、フォトダイオードアレイ2の凸
状部Bを形成しても良い。図6は放射線検出器のそのよ
うな変形例の構成を示す側面断面図である。
【0074】本構成例は、図1及び図2に示した放射線
検出器と同様の構成を有しているが、フォトダイオード
アレイ2の光入射面側に設けられた凸状部Bの構成が異
なっている。すなわち、本実施例においては、凸状部B
の表面側(図6中の下側)の部分に対して、外形寸法が
階段状に小さくなる2段構造が形成されている。そし
て、このような凸状部Bの2段構造により、シンチレー
タ11とフォトダイオードアレイ2の基板薄板部とが非
接触状態となっている。
【0075】フォトダイオードアレイ2の凸状部Bを図
6に示したような形状とすることで、組み立て時におけ
るフォトダイオード24の損傷を防止することができ
る。フォトダイオード24は基板薄板部に設けられてい
るので、シンチレータ11との接合による衝撃をできる
かぎり小さくすることが好ましい。これに対して、上記
構成の凸状部Bによれば、シンチレータパネル1とフォ
トダイオードアレイ2とを接合する際にシンチレータ1
1とフォトダイオード24とが接触することがなく、基
板薄板部への衝撃を防ぐことができる。これによって、
フォトダイオード24の損傷を防止することができる。
【0076】
【発明の効果】本発明による放射線検出器は、以上詳細
に説明したように、次のような効果を得る。すなわち、
複数のシンチレータ及びシンチレータ固定用部材を一体
に固定するとともに凹状部を設けたシンチレータパネル
と、裏面入射型のフォトダイオードアレイとを組み合わ
せた放射線検出器によれば、裏面入射型のフォトダイオ
ードアレイを用いることにより、開口率を大きくするこ
とができるとともに、放射線検出器の組み立て効率を向
上させることができる。また、シンチレータ間にシンチ
レータ固定用部材を設けることにより、光クロストーク
の発生を抑制している。また、複数のシンチレータとシ
ンチレータ固定用部材を一体に固定することにより、放
射線検出器全体の機械的強度が向上するとともに、シン
チレータパネルとフォトダイオードアレイとを接合させ
る放射線検出器の組み立て、及び組み立て時の位置合わ
せが容易になる。また、シンチレータ固定用部材の一部
または全部を光出射面に対して凹設して凹状部を設ける
ことにより、シンチレータパネルとフォトダイオードア
レイとを良好に接合できる。さらに、これらの接合時に
おいて凹状部を位置合わせに利用することによって、組
み立てがさらに容易になる。
【0077】以上のような構成を有する放射線検出器
を、例えば医療機関で使用されるX線CT装置における
X線検出器として用いれば、微細化、高集積化が可能に
なり、近年検討されているX線CT装置のマルチスライ
ス化に寄与することができる。また、それ以外の放射線
検出器についても同様に、上記構成を適用することが可
能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】放射線検出器の第1実施形態の構成を示す側面
断面図である。
【図2】図1に示した放射線検出器をシンチレータパネ
ル側から見た上面図である。
【図3】図1に示した放射線検出器に用いられるシンチ
レータパネルの製造方法の一例を示す工程図である。
【図4】放射線検出器の第2実施形態の構成を示す
(a)上面図及び(b)側面断面図である。
【図5】放射線検出器の第3実施形態の構成を示す
(a)上面図及び(b)側面断面図である。
【図6】放射線検出器の変形例の構成を示す側面断面図
である。
【符号の説明】
1…シンチレータパネル、11…シンチレータ、12…
シンチレータ固定用部材、13…光学接着剤層、14…
光反射膜、2…フォトダイオードアレイ、21…n型半
導体基板、22…p型半導体層、23…n型半導体層、
24…フォトダイオード、25…アノード電極、26…
カソード電極、27…アキュムレーション層、28…保
護膜、3…支持基板、31…配線、32…バンプ電極、
33…接着剤層、A…凹状部、B…凸状部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 明 静岡県浜松市市野町1126番地の1 浜松ホ トニクス株式会社内 Fターム(参考) 2G088 EE02 FF02 GG13 GG19 JJ05 JJ09 JJ24 JJ29 JJ37 LL12 4M118 BA03 CA02 CB11 FA06 HA24 5C024 AX12 CY47 CY49 GX03 GX09 5F088 AA02 BA18 BB07 DA01 EA04 GA07 JA17 LA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2次元状に配列された複数のシンチレー
    タ、及び前記複数のシンチレータ間にあってこれらを一
    体に固定するシンチレータ固定用部材からなるシンチレ
    ータパネルと、 第1導電型の半導体基板内部の表面側に、前記複数のシ
    ンチレータに対応して形成され、それぞれフォトダイオ
    ードとして機能する複数の第2導電型半導体層を有し、
    前記半導体基板の裏面が前記シンチレータパネルと接合
    される光入射面となっている裏面入射型のフォトダイオ
    ードアレイとを備え、 前記シンチレータパネルは、前記フォトダイオードアレ
    イの前記光入射面と接合される光出射面側に、前記シン
    チレータ固定用部材が前記光出射面に対して凹設された
    凹状部を有することを特徴とする放射線検出器。
  2. 【請求項2】 前記フォトダイオードアレイは、前記半
    導体基板内部の前記表面側の前記複数の第2導電型半導
    体層のそれぞれの間に、前記半導体基板よりも高い不純
    物濃度で形成された第1導電型半導体層を有するととも
    に、前記半導体基板の前記表面上に、前記第1導電型半
    導体層に電気的に接続された第1電極と、前記第2導電
    型半導体層に電気的に接続された第2電極とが設けられ
    ていることを特徴とする請求項1記載の放射線検出器。
  3. 【請求項3】 前記フォトダイオードアレイは、前記光
    入射面側に、前記シンチレータパネルの前記凹状部に嵌
    合する凸状部を有するとともに、前記第1電極及び前記
    第2電極は、前記半導体基板の前記表面のうちで前記凸
    状部に対向する領域内の面上に設けられていることを特
    徴とする請求項2記載の放射線検出器。
  4. 【請求項4】 前記フォトダイオードアレイは、前記光
    入射面側に、前記シンチレータパネルの前記凹状部に嵌
    合する凸状部を有することを特徴とする請求項1または
    2記載の放射線検出器。
  5. 【請求項5】 前記凸状部は、前記表面側の所定部分の
    外形寸法が、前記シンチレータパネルの前記凹状部の内
    形寸法よりも大きくなるように形成されていることを特
    徴とする請求項3または4記載の放射線検出器。
  6. 【請求項6】 前記シンチレータ固定用部材は、X線遮
    蔽部材からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の放射線検出器。
  7. 【請求項7】 前記フォトダイオードアレイの前記半導
    体基板の前記表面に設けられた電極に電気的に接続され
    る配線を有する支持基板をさらに備え、前記半導体基板
    の前記表面と、前記支持基板とは、接着剤によって一体
    に固定されていることを特徴とする請求項1〜6のいず
    れか1項に記載の放射線検出器。
  8. 【請求項8】 前記フォトダイオードアレイでの前記第
    2導電型半導体層のそれぞれの面積は、前記シンチレー
    タパネルでの対応する前記シンチレータの面積よりも大
    きいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記
    載の放射線検出器。
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