JP2010162900A - 離型シートおよび粘着体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハードディスク装置に用いた場合、ハードディスク装置へ悪影響を与えにくい離型シートおよび粘着体を提供することにある。
【解決手段】本発明の離型シートは、基材と、該基材上に設けられた離型剤層とで構成され、ハードディスク装置用粘着シートの粘着剤層に貼着される離型シートであって、前記離型剤層は、少なくとも密度が0.80〜0.90g/cm3であるオレフィン系熱可塑性エラストマーと、密度が0.902〜0.925g/cm3であるポリエチレン樹脂とからなることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、離型シートおよび粘着体に関するものである。
コンピュータの周辺機器として、ハードディスク装置が広く用いられている。
このハードディスク装置の組立時の仮止めおよび部品の名称や番号などの表示、および点検等のために本体や蓋に設けられている穴の閉鎖等の目的で、ハードディスク装置に粘着シートが貼着される。
このような粘着シートは、通常、粘着シート基材と粘着剤層とで構成されており、ハードディスク装置等に貼着される前は、離型シートに貼着されている。
この離型シートの表面(粘着剤層との接触面)には、離型性の向上を目的として、離型剤層が設けられている。従来、この離型剤層の構成材料としては、シリコーン樹脂が用いられてきた(例えば、特許文献1参照)。
ところが、このような離型シートを粘着シートに貼着すると、離型シート中の低分子量のシリコーン樹脂、シロキサン、シリコーンオイル等のシリコーン化合物が粘着シートの粘着剤層に移行することが知られている。また、前記離型シートは、製造後、ロール状に巻き取られるが、このとき、離型シートの裏面と離型剤層とが接触し、シリコーン樹脂中のシリコーン化合物が離型シートの裏面に移行する。この離型シートの裏面に移行したシリコーン化合物が、粘着体製造時、ロール状に巻き取られ、離型シートの裏面のシリコーン化合物が粘着シート表面に再び移行することも知られている。このため、このような離型シートに貼着されていた粘着シートをハードディスク装置に貼着した場合、その後、この粘着剤層や粘着シートの表面に移行したシリコーン化合物が徐々に気化し、磁気ヘッドやディスク表面等に堆積し、微小な樹脂層を形成することが知られている。
ところで、近年、ハードディスク装置は、著しい勢いで高性能化、高密度化が進んでおり、今後もこのような高性能化、高密度化は、さらに進行するものと考えられる。そして、ハードディスク装置の高性能化、高密度化がさらに進むと、前述したような微小なシリコーン化合物の堆積が、ハードディスクの読み込みや書き込みに悪影響を及ぼす可能性がある。
特開平6−297645号公報
本発明の目的は、ハードディスク装置などへ悪影響を与えにくい離型シートおよび粘着体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1) 基材と、該基材上に設けられた離型剤層とで構成され、ハードディスク装置用粘着シートの粘着剤層に貼着される離型シートであって、
前記離型剤層は、少なくとも密度が0.80〜0.90g/cm3であるオレフィン系熱可塑性エラストマーと、密度が0.902〜0.925g/cm3であるポリエチレン樹脂とからなることを特徴とする離型シート。
(2) 前記ポリエチレン樹脂が、メタロセン触媒を用いて合成されたものである上記(1)に記載の離型シート。
(3) 前記ポリエチレン樹脂が、チーグラーナッタ触媒を用いて合成されたものである上記(1)に記載の離型シート。
(4) 前記離型剤層が接着増強層を介して前記基材上に設けられることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の離型シート。
(5) 前記オレフィン系熱可塑性エラストマーと前記ポリエチレン樹脂との重量比は、25:75〜75:25である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の離型シート。
(6) 前記オレフィン系熱可塑性エラストマーの主成分は、エチレンプロピレン共重合体である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の離型シート。
(7) 前記離型剤層の厚みは、5〜50μmである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の離型シート。
(8) 前記基材は、プラスチックフィルムまたは無塵紙で構成される上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の離型シート。
(9) 上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の離型シートと、粘着剤層を有する粘着シートとを有することを特徴とする粘着体。
(10) 前記粘着シートは、プラスチックフィルムまたは無塵紙で構成される基材を有する上記(9)に記載の粘着体。
本発明によれば、シリコーン化合物の含有量が少なくかつ剥離性に優れた離型シートおよび粘着体を得ることができる。
よって、本発明の離型シートや粘着体を用いれば、シリコーン化合物を原因とするハードディスクの読み込みや書き込み等に悪影響を与えることを防止することができる。
また、本発明の離型シートおよび粘着体は、剥離性に優れるため、離型シートを簡便、確実に剥離することができる。
以下、本発明の離型シートおよび粘着体について、好適実施例に基づいて詳細に説明する。
本発明の粘着体は、離型剤層と基材(離型シート基材)とで構成された離型シートに、粘着剤層と粘着シート基材とで構成された粘着シートが、貼着された構成となっており、かかる粘着体では、離型剤層に粘着剤層が接している。
粘着体では、粘着シートが離型シートから剥離可能であり、剥離後、粘着シートは、被着体に貼着される。
以下、離型シートについて説明する。
離型シートは、基材上に離型剤層が形成された構成となっている。
基材は、離型剤層を支持する機能を有しており、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルムやポリメチルペンテンフィルム等のポリオレフィンフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属箔、グラシン紙、上質紙、コート紙、含浸紙、合成紙等の紙等で構成されている。
その中でも、特に、基材は、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム等のプラスチックフィルムまたは発塵の少ないいわゆる無塵紙(例えば特公平6−11959号)で構成されているのが好ましい。基材がプラスチックフィルムまたは無塵紙で構成されることにより、加工時、使用時等において、塵などが発生しにくく、ハードディスク装置等の電子機器等に悪影響を及ぼしにくい。また、基材がプラスチックフィルムまたは無塵紙で構成されると、加工時における裁断または打ち抜き等が容易となる。また、基材にプラスチックフィルムを用いる場合、かかるプラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであるのがより好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、塵の発生が少なく、また、加熱時のガスの発生が少ないという利点を有している。
基材の厚さは、特に限定されないが、10〜200μmであるのが好ましく、25〜50μmであるのがより好ましい。
基材上に離型剤層を設けることにより、粘着シートを離型シートから剥離することが可能となる。
離型剤層は、離型剤で構成され、この離型剤は、少なくとも、オレフィン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン樹脂とからなる。
離型剤層が、オレフィン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン樹脂とを含むことにより、優れた剥離性が得られ、しかも、離型剤層にシリコーン化合物を含有させる必要もなくなる。したがって、本発明の粘着体では、離型シートから粘着剤層にシリコーン化合物が移行することが防止され、しかも、粘着シートを離型シートから簡便、確実に剥離することができる。そのため、粘着シートを被着体に貼着した後、粘着シートからシリコーン化合物が放出されることが防止される。したがって、被着体がハードディスク装置であっても、粘着シートは、かかる被着体に悪影響を与えにくい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、例えば、エチレンプロピレン共重合体、エチレンオクテン共重合体等を主成分とするものが挙げられる。その中でも、特に、エチレンプロピレン共重合体が好ましい。
エチレンプロピレン共重合体を主成分とすることにより、剥離性に特に優れた離型シートを得ることができる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーは、ポリプロピレン、ポリエチレンを含むことができる。
本発明で好ましいオレフィン系熱可塑性エラストマーとして市販されているものでは、タフマーシリーズ(三井化学社製)が挙げられる。
オレフィン系熱可塑性エラストマーの密度は、0.80〜0.90g/cm3であり、0.86〜0.88g/cm3であるのが好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーの密度が、下限値未満であると、十分な耐熱性が得られない。
一方、オレフィン系熱可塑性エラストマーの密度が、上限値を超えると、十分な剥離性が得られない。
ポリエチレン樹脂の密度は、特に限定されないが、0.902〜0.925g/cm3であり、0.902〜0.922g/cm3であるのが好ましい。
ポリエチレン樹脂の密度が、下限値未満であると、十分な剥離性が得られない場合がある。
一方、ポリエチレン樹脂の密度が、上限値を超えると、十分な離型性が得られない場合がある。
このようなポリエチレン樹脂は、チーグラーナッタ触媒、メタロセン触媒等の遷移金属触媒を用いて合成されたものであるのが好ましい。
なかでも、メタロセン触媒を用いて合成されたものが、剥離性および耐熱性に優れるという利点が得られる。
ポリエチレン樹脂としては、例えば、チーグラーナッタ触媒を用いて生産されたものとして、J−REXシリーズ(日本ポリオレフィン社製)、エクセレンシリーズ(住友化学社製)、HIαシリーズ(住友化学社製)等が挙げられ、メタロセン触媒を用いて生産されたものとして、カーネルシリーズ(日本ポリケム社製)、スミカセンEシリーズ(住友化学社製)、エクセレンEシリーズ(住友化学社製)、エクセレンEXシリーズ(住友化学社製)等が挙げられる。
なお、離型剤層は、例えば、組成、密度等が異なる2種類以上のポリエチレン樹脂を含んでいてもよい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン樹脂の重量比(配合比)は、特に限定されないが、25:75〜75:25であるのが好ましく、40:60〜60:40であるのがより好ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマーの含有量が少なすぎると、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン樹脂の種類によっては、十分な剥離性が得られない場合がある。
一方、オレフィン系熱可塑性エラストマーの含有量が多すぎると、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエチレン樹脂の種類によっては、十分な耐熱性が得られない場合がある。
なお、離型剤層は、他の樹脂成分や、可塑剤、安定剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。ただし、離型剤層は、実質的にシリコーンを含んでいないものであるのが好ましい。
離型剤層の厚さは、特に限定されないが、5〜50μmであるのが好ましく、15〜30μmであるのがより好ましい。
離型剤層の厚さが、この範囲内であると、剥離性が良いという効果が得られる。
以下、粘着シートについて説明する。
粘着シートは、粘着シート基材上に粘着剤層が形成された構成となっている。
粘着シート基材は、粘着剤層を支持する機能を有しており、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリスチレン等のプラスチックフィルム、アルミニウム、ステンレス等の金属箔、無塵紙、合成紙等の紙等の単体もしくは複合物で構成されている。
その中でも、特に、粘着シート基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のプラスチックフィルムまたは無塵紙で構成されているのが好ましい。粘着シート基材がプラスチックフィルムまたは無塵紙で構成されることにより、加工時、使用時等において、埃などが発生しにくく、ハードディスク装置等の電子機器等に悪影響を及ぼしにくい。また、加工時における裁断または打ち抜き等が容易となる。また、粘着シート基材にプラスチックフィルムを用いる場合、かかるプラスチックフィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムで構成されているのがより好ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは、発塵が少なく、加熱時のガスの発生が少ないという利点を有している。
粘着シート基材の厚さは、特に限定されないが、10〜200μmであるのが好ましく、25〜100μmであるのがより好ましい。
粘着シート基材は、その表面(粘着剤層が積層する面と反対側の面)に印刷や印字が施されていてもよい。また、印刷や印字の密着をよくする等の目的で、粘着シート基材は、その表面に、表面処理が施されていてもよい。また、粘着シートは、ラベルとして機能してもよい。
粘着剤層は、粘着剤を主剤とした粘着剤組成物で構成されている。
粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤が挙げられる。その中でも、特に、粘着剤は、アクリル系粘着剤であるのが好ましい。
本発明のように、離型剤層がオレフィン系熱可塑性エラストマーとポリエチレン樹脂である場合、粘着剤にアクリル系粘着剤を用いると、粘着シートの離型性は、極めて高いものとなる。
例えば、粘着剤がアクリル系粘着剤である場合、粘着性を与える主モノマー成分、接着性や凝集力を与えるコモノマー成分、架橋点や接着性改良のための官能基含有モノマー成分を主とする重合体または共重合体から構成することができる。
主モノマー成分としては、例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸メトキシエチル等のアクリル酸アルキルエステルや、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
コモノマー成分としては、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。
官能基含有モノマー成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマーや、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、N−メチロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
これらの各成分を含むことにより、粘着剤組成物の粘着力、凝集力が向上する。また、このようなアクリル系樹脂は、通常、分子中に不飽和結合を有しないため、光や酸素に対する安定性の向上を図ることができる。さらに、モノマーの種類や分子量を適宜選択することにより、用途に応じた品質、特性を備える粘着剤組成物を得ることができる。
このような粘着剤組成物には、架橋処理を施す架橋型および架橋処理を施さない非架橋型のいずれのものを用いてもよいが、架橋型のものがより好ましい。架橋型のものを用いる場合、凝集力のより優れた粘着剤層を形成することができる。
架橋型粘着剤組成物に用いる架橋剤としては、エポキシ系化合物、イソシアナート化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩、アミン化合物、ヒドラジン化合物、アルデヒド化合物等が挙げられる。
また、本発明に用いられる粘着剤組成物中には、必要に応じて、可塑剤、粘着付与剤、安定剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、1〜70μmであるのが好ましく、10〜40μmであるのがより好ましい。
前記離型シートは、基材を用意し、この基材上に離型剤を塗工等して離型剤層を形成することにより、作成することができる。
離型剤を基材上に塗工する方法としては、例えば、押出ラミネートが良い。
前記粘着シートは、粘着シート基材を用意し、この粘着シート基材上に粘着剤組成物を塗工して粘着剤層を形成することにより、作成することができる。
粘着剤組成物を粘着シート基材上に塗工する方法としては、例えば、ナイフコート、ロールコート、ダイコート等の既存の方法が使用できる。
この場合の粘着剤組成物の形態としては、溶剤型、エマルション型、ホットメルト型等が挙げられる。
その後、粘着剤層が離型剤層に接するように、離型シートと粘着シートを貼り合わせることにより、粘着体を得ることができる。
このような製造方法によれば、製造途中で離型シートを高温に晒さなくても粘着体を製造することができる。さらに、例えば、粘着剤層を形成する際に用いられる溶剤の影響も受けにくくなる。
なお、離型シートの離型剤層上に、粘着剤層を形成し、次いで、粘着剤層上に粘着シート基材を接合することにより粘着体を製造してもよい。
次に、本発明の第2実施形態の粘着体について説明する。
なお、第2実施形態の粘着体について第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項の説明は省略する。
離型シートは、基材上に中間層としての接着増強層を介して離型剤層が形成された構成となっている。
これにより、離型剤層と基材との間の密着性が向上し、粘着シートから離型シートを剥離する際に、離型剤層と基材との境界面で剥離が生じたり、剥離後、離型剤層の一部が粘着剤層上に残存するのをより好適に防止することができる。
接着増強層を構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、変性ポリエチレン、その他の接着性ポリオレフィン等が挙げられる。
接着増強層の厚さは、特に限定されないが、5〜50μmであるのが好ましく、15〜30μmであるのがより好ましい。
前記離型シートは、基材を用意し、この基材上に接着増強層の構成材料を塗工等して接着増強層を形成し、さらに、この接着増強層上に離型剤を塗工等して離型剤層を形成することにより、作成することができる。
接着増強層の構成材料を基材上に塗工する方法としては、例えば、押出しラミネート等が挙げられる。
なお、本実施形態においては、中間層は、離型剤層と基材の接着強度を増強する接着増強層であるが、かかる中間層は、これ以外の目的のものであってもよい。例えば、中間層は、離型剤層と基材との間での成分の移行を防止するバリア層であってもよい。また、離型シートは、中間層を2層以上有していてもよい。
以上、本発明の離型シートおよび粘着体を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。例えば、粘着体は、粘着シート基材の両面に粘着剤層が形成され、さらに、これら両粘着剤層の表面に、それぞれ離型シートが形成されたものであってもよい。
次に、本発明の粘着体の具体的実施例について説明する。
1.粘着体の作製
押出ラミネートにより、基材の片面に離型剤層を形成し、離型シートを作製した。また、基材の片面に接着増強層を形成する場合は、押出ラミネートにより、基材の片面に接着増強層を形成し、さらに、押出ラミネートにより、接着増強層上に離型剤層を形成し、離型シートを作製した。
粘着シート基材の片面に、粘着剤層をナイフコート法により形成し、粘着シートを作製した。
これに離型シートを貼り合わせ、粘着体を作製した。
各層の構成は、以下の通りである。
(実施例1)
[1]基材
構成材料:無塵紙(リンテック社製:商品名「クリーンペーパー」)
厚さ:60μm
[2]離型剤層
構成材料:エチレンプロピレン共重合体を含むオレフィン系熱可塑性エラストマー 50
重量部(三井化学社製:商品名「タフマーP−0280G」密度0.87g/
cm3
ポリエチレン樹脂 50重量部(住友化学社製 リニア低密度ポリエチレン:
商品名「HI−αCW2004」密度0.908g/cm3
(このポリエチレンは、チーグラーナッタ触媒で合成されたものである)
厚さ:15μm
[3]接着増強層
なし
[4]粘着剤層
構成材料:アクリル系粘着剤(リンテック社製:商品名「PLシン」)
厚さ:25μm
[5]粘着シート基材
構成材料:ポリエチレンテレフタレート
厚さ:50μm
(実施例2)
[1]離型シート基材
構成材料:無塵紙(リンテック社製:商品名「クリーンペーパー」)
厚さ:38μm
[2]離型剤層
構成材料:エチレンプロピレン共重合体を含むオレフィン系熱可塑性エラストマー 50
重量部(三井化学社製:商品名「タフマーP−0280G」密度0.87g/
cm3
ポリエチレン 50重量部(日本ポリオレフィン社製 低密度ポリエチレン:
商品名「J−REX807A」密度0.916g/cm3)(このポリエチレ
ンは、チーグラーナッタ触媒により合成されたものである)
厚さ:15μm
[3]接着増強層
構成材料:ポリエチレン(住友化学社製 低密度ポリエチレン:商品名「L−405H」
密度0.924g/cm3
[4]粘着剤層
構成材料:アクリル系粘着剤(リンテック社製:商品名「PLシン」)
厚さ:25μm
[5]粘着シート基材
構成材料:ポリエチレンテレフタレートフィルム
厚さ:50μm
(実施例3)
離型剤層中のオレフィン系熱可塑性エラストマーとポリエチレンをそれぞれ25重量部、75重量部とした以外は、実施例2と同様にして粘着体を作製した。
(実施例4)
離型剤層中のオレフィン系熱可塑性エラストマーとポリエチレンをそれぞれ65重量部、35重量部とした以外は、実施例2と同様にして粘着体を作製した。
(実施例5)
離型剤層中のポリエチレンをリニア低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製:商品名「ノバティックLL UC380」密度0.921g/cm3)とした以外は、実施例2と同様にして粘着体を作製した。なお、このポリエチレンは、チーグラーナッタ触媒で合成されたものである。
(実施例6)
離型剤層中のポリエチレンを低密度ポリエチレン(住友化学社製:商品名「エクセレンEX CR8002」密度0.912g/cm3)とした以外は、実施例2と同様にして粘着体を作製した。なお、このポリエチレンは、メタロセン触媒で合成されたものである。
(実施例7)
離型剤層中のポリエチレンを低密度ポリエチレン(日本ポリケム社製:商品名「カーネル57L」密度0.905g/cm3)とした以外は、実施例2と同様にして粘着体を作製した。なお、このポリエチレンは、メタロセン触媒で合成されたものである。
(実施例8)
離型剤層中のポリエチレンをリニア低密度ポリエチレン樹脂(住友化学社製:商品名「スミカセンE−FV401」密度0.902g/cm3)とした以外は、実施例2と同様にして粘着体を作製した。なお、このポリエチレンは、メタロセン触媒で合成されたものである。
(実施例9)
離型剤層中のポリエチレンをリニア低密度ポリエチレン(住友化学社製:商品名「HI−αCW2004」密度0.908g/cm3)とした以外は、実施例2と同様にして粘着体を作製した。なお、このポリエチレンは、チーグラーナッタ系触媒で合成されたものである。
(実施例10)
基材をポリエチレンテレフタレート(厚さ38μm)とした以外は、実施例9と同様にして粘着体を作製した。
(比較例1)
離型剤層の材料をポリエチレン(日本ポリオレフィン社製:商品名「J−REX807A」密度0.916g/cm3)とした以外は、実施例2と同様にして粘着体を作製した。
(比較例2)
離型剤層の材料をシリコーン系離型剤(東レシリコーン社製:商品名「SRX−357」)とした以外は、実施例2と同様にして粘着体を作製した。
上記各実施例および比較例で作製した粘着体の離型剤層の材料であるオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリエチレン(PE)の密度、およびこれらの重量比を表1にまとめた。
Figure 2010162900
2.評価
上記各実施例および比較例で作製した粘着体に、室温(23℃)にて72時間または70℃にて24時間、100g/cm3の荷重をかけた。その後、室温で24時間放置した後、それぞれの粘着体について、離型シートの剥離力を測定した。
剥離力の測定は、粘着体を25mm巾に裁断し、引っ張り試験機を用いて、離型シートを固定し、基材を300mm/分の速度で180°方向に引っ張ることにより行った。
これらの結果を表2に示した。
また、各実施例および各比較例の粘着体について、粘着シートのシリコーン化合物の含有量を測定した。
粘着体作成から30日間、平均温度約23℃、平均湿度65%RHの環境下に、粘着体を放置した。放置後、まず、粘着体を10×10cmの四角形に裁断し多。次に、粘着シートを離型シートから剥離した。次に、23℃、10mlのn−ヘキサンを用いて、粘着シートに対して、30秒間抽出操作を行った。次に、得られた抽出液をメノウ乳鉢に入れ、n−ヘキサンを揮発させた。メノウ乳鉢上に得られた抽出物と0.05gの臭化カリウムとで錠剤を作り、かかる錠剤中のシリコーン化合物の量を、ビームコンデンサー型FT−IR(パーキンエルマー社製 商品名 PARAGON1000)にて測定した。そして得られた結果から、検量線を用いて、粘着シートの単位面積あたりのシリコーン化合物の含有量を求めた(測定限界50μg/m2)。
これらの結果を表2に示した。
また、ディスク表面に堆積するシリコーン化合物の量を測定した。
シリコーン化合物の堆積量の測定方法は、次の通りである。
各実施例および比較例で得られた粘着体を用い、以下のようにして、ディスク表面に堆積するシリコーン化合物の量を調べた。
まず、製造直後の粘着体の離型シートを剥離し、粘着シートの粘着剤層同士を貼り合わせた。これを20×1cmの四角形に裁断した。次に、内寸20×11×10cmのステンレス製の箱に、裁断した粘着シートを200組入れた。さらに、この箱に、表面のカバーをはずした3.5インチのハードディスク装置を入れた。そして、箱に蓋をして、この箱を、60℃、25%RHの条件下、ハードディスク装置を作動させたて30日間おいた。
その後、箱からディスク装置を取りだし、その磁気ヘッド表面を波長分散型X線分析装置(オックスフォードインストゥルメンツ社製 商品名 WDX−400)を用いて、磁気ヘッドの表面に堆積したシリコーン化合物の量をケイ素の1分間あたりのカウント数として測定した(測定限界 200カウント:200カウント以下ではノイズの影響で、シリコーン化合物の有無の確認ができない)。
これらの結果を表2に示した。
Figure 2010162900
表2から明らかなように、比較例1の離型シートは剥離力が大きく剥離しにくいのに対して、各実施例の離型シートの剥離力は小さく良好な剥離性を有している。
また、シリコーン化合物の含有量は、比較例2の粘着体の粘着シートでは、5000μg/m2であったのに対し、各実施例の粘着体の粘着シートでは、測定限界(50μg/m2)以下であった。
さらにハードディスク表面に堆積したシリコーン化合物の量は、比較例2では1000カウントであったのに対し、各実施例では検出できなかった。

Claims (10)

  1. 基材と、該基材上に設けられた離型剤層とで構成され、ハードディスク装置用粘着シートの粘着剤層に貼着される離型シートであって、
    前記離型剤層は、少なくとも密度が0.80〜0.90g/cm3であるオレフィン系熱可塑性エラストマーと、密度が0.902〜0.925g/cm3であるポリエチレン樹脂とからなることを特徴とする離型シート。
  2. 前記ポリエチレン樹脂が、メタロセン触媒を用いて合成されたものである請求項1に記載の離型シート。
  3. 前記ポリエチレン樹脂が、チーグラーナッタ触媒を用いて合成されたものである請求項1に記載の離型シート。
  4. 前記離型剤層が接着増強層を介して前記基材上に設けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の離型シート。
  5. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマーと前記ポリエチレン樹脂との重量比は、25:75〜75:25である請求項1ないし4のいずれかに記載の離型シート。
  6. 前記オレフィン系熱可塑性エラストマーの主成分は、エチレンプロピレン共重合体である請求項1ないし5のいずれかに記載の離型シート。
  7. 前記離型剤層の厚みは、5〜50μmである請求項1ないし6のいずれかに記載の離型シート。
  8. 前記基材は、プラスチックフィルムまたは無塵紙で構成される請求項1ないし5のいずれかに記載の離型シート。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の離型シートと、粘着剤層を有する粘着シートとを有することを特徴とする粘着体。
  10. 前記粘着シートは、プラスチックフィルムまたは無塵紙で構成される基材を有する請求項9に記載の粘着体。
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