JP2010162645A - ドリル - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度の穴明け加工を達成する。
【解決手段】中心軸線CLまわりに回転させられるドリル本体10の先端側部分である刃部の外周面13には、前記刃部の先端面12に一対に形成された先端逃げ面12a、12bから基端側に向けて一条又は二条以上の主溝20、30が延設され、前記主溝のうち少なくとも一条の主溝のドリル回転方向K前方側を向く壁面22、32と前記先端逃げ面12a、12bとの交差稜線に形成された、前記ドリル本体10の外周端まで延びる切刃21と、前記少なくとも一条の主溝の外周縁に連結する刃部の外周面13に形成された、加工穴の内周壁面に摺接可能なランド23、33と、を備え、前記ランドの少なくとも一部が、ドリル中心を通りかつ前記切刃21に沿う方向に略直角な方向に延びる仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在しているドリルを提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、被削材に穴明け加工を施すために用いられるドリルに関し、とくに、プリント配線板に穴明け加工するのに用いられるドリルに関するものである。
一般に、プリント配線板に穴明け加工するドリルは、ドリル直径がきわめて小さい一方で、加工穴深さが前記ドリル直径にくらべきわめて大きい、いわゆるアスペクト比が大きいドリルである。従来からこの種のドリルとして多用されてきたのが二枚刃ドリルである。二枚刃ドリルは、二枚の切刃が該ドリルの中心軸線を基準にして対称的に配置されていることから、切削バランスが良好なドリルである。しかしながら、各切刃に連なる切屑排出溝によってドリル本体の剛性が低下するため、ドリル折損や加工穴精度の劣化といった問題が生じるおそれがある。ドリル本体の剛性を高めるためドリル本体の中心部の厚み(刃幅)又はドリル本体の外周部のランドを拡大すると、切屑が加工穴の内周壁面に接触してしまい前記内周壁面の面粗さが悪化するという問題が生じる。
一枚刃ドリルは、切屑排出溝を一条しか形成しない点で、切屑排出溝によるドリル本体の剛性低下を改善するのに有効である。(例えば、特許文献1参照。)この一枚刃ドリルは、ドリル本体の先端に、その実質的な中心から半径方向に沿って1つの切刃が形成されてなる。
特開2001−277189号公報
しかしながら、特許文献1に開示された一枚刃ドリルは、切刃が非対称であるため、二枚刃ドリルにくらべ切削バランスが悪い。そのため、ドリル本体の剛性が高められているものの、切削バランスの悪さに起因するドリル本体の撓みによって加工穴の位置精度や真円度といった加工精度が悪化するおそれがあった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、従来ドリルにくらべ高精度の穴明け加工を可能にするドリルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、請求項1に係る発明は、中心軸線まわりに回転させられるドリル本体と、前記ドリル本体の先端側部分である刃部の外周面に、前記刃部の先端面に形成された先端逃げ面から基端側に向けて延設された一条又は二条以上の主溝と、前記主溝のうち少なくとも一条の主溝のドリル回転方向前方側を向く壁面と前記先端逃げ面との交差稜線に形成された、前記ドリル本体の外周端まで延びる切刃と、前記少なくとも一条の主溝のリーディングエッジに連結する外周面に形成された、加工穴の内周壁面に摺接可能な少なくとも一つのランドと、を備え、前記ランドの少なくとも一部が、ドリル中心を通りかつ前記切刃に沿う方向に略直角な方向に延びる仮想直線に対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在しているドリルである。
請求項1に係る発明によれば、先端稜に切刃を備えた少なくとも一条の主溝のリーディングエッジに連結する外周面には、加工穴の内周壁面に摺接可能な少なくとも一つのランドが備えられ、前記ランドの少なくとも一部が、ドリル中心を通りかつ前記切刃に沿う方向に略直角な方向に延びる仮想直線に対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在している。このため、前記ランドは、前記少なくとも一条の主溝と刃部の先端面との交差稜線に形成された切刃に沿う方向に対して略直角な方向にドリル本体を支持するガイド作用により、穴明け加工時に前記略直角な方向に作用する切削抵抗に起因するドリル本体の撓みを効果的に抑制する。
請求項2に係る発明は、前記ランドの外周面の円周方向中間部には、前記外周面より内側に没入しかつ前記先端逃げ面から基端側へ向かって延びる少なくとも一条の凹溝が形成され、前記凹溝によって分断されたランドのうちの少なくとも一つのランドが前記仮想直線に対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在している請求項1に記載のドリルである。
請求項3に係る発明は、ドリル回転方向で最も後方側に配置されたランドのドリル回転方向後方端が、前記仮想直線に対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在している請求項1に記載のドリルである。
請求項4に係る発明は、ドリル回転方向で最も後方側に配置されたランドのドリル回転方向後方端が、前記仮想直線に対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−10°〜+10°の範囲に存在している請求項3に記載のドリルである。
請求項5に係る発明は、ドリル回転方向で最も後方側に配置されたランドのドリル回転方向後方端が、前記仮想直線に対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−10°〜0°の範囲に存在している請求項3に記載のドリルである。
本発明に係るドリルによれば、切削抵抗によるドリル本体の撓みを効果的に抑制することから、高精度の穴明け加工が可能なドリルを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るドリルの先端視正面図である。 図1に示すドリルの要部の側面図である。 第1の実施形態に係るドリルの変形例を説明する先端視正面図である。 本発明の第2の実施形態に係るドリルの先端視正面図である。 第2の実施形態に係るドリルの変形例を説明する先端視正面図である。 図4に示すドリルの要部の側面図である。
以下に、本発明の第1の実施形態に係るドリルについて、図を参照して説明する。
このドリルは、図2に図示するように中心軸線CLまわりに回転されるドリル本体10の先端部に設けた刃部11Aと、基端側に設けたシャンク部11B(一部を図示する。)と、刃部11Aとシャンク部11Bとの間に設けたテーパ状段部11Cとを備えてなる。テーパ状段部11Cを省略して、刃部11Aとシャンク部11Bとが直接的に連結されてもよい。少なくとも刃部11Aは、超硬合金、硬質膜を被覆した超硬合金、サーメット、ダイヤモンド焼結体、工具鋼、高速度鋼等の公知材料から構成されている。
刃部の外周面13には、該刃部の先端面12から基端側に向けて螺旋状に延びる二条の主溝20a、20bが形成される。本実施形態では、夫々の主溝20a、20bは、軸直角断面形状がドリル中心に関してほぼ対称であるが、非対称であってもよい。さらに、夫々の主溝20a、20bは、該主溝20a、20bの先端縁から基端側にいくにつれドリル回転方向K後方側にねじれる、いわゆる右ねじれ溝で形成され、そのねじれ角θが33°〜56°の範囲となるように形成される。なお、主溝20a、20bの態様に関して、ねじれの有無、ねじれの向き又はねじれ角の限定はない。
刃部の先端面12には、ドリル中心に関してほぼ対称的な一対の先端逃げ面12a、12bが形成される。これら先端逃げ面12a、12bは、ドリル回転方向K後方側へいくにしたがい基端側へ漸次後退する円錐面で形成されていて、被削材に対してクリアランスが確保されている。
各主溝20a、20bのドリル回転方向K前方側を向く壁面22、32と前記先端面12a、12bとの交差稜線には、ドリル本体10の外周端まで延びる切刃21、31が夫々形成される。切刃21、31に連結する前記壁面22、32にはすくい面が形成される。
先端逃げ面12a、12bは、少なくとも1つの円錐面又は少なくとも1つの平坦面で構成され、穴明け加工時に被削材に接触しないように逃げ角を有している。夫々の先端逃げ面12a、12bが交差する稜線は、実質的にドリル本体の中心軸線CL上を通り、夫々の主溝20a、20bの壁面に達するチゼルエッジとなる。各チゼルエッジ24、34の外周端は、切刃21、31にそれぞれ連結して、ドリル本体の中心から外周端にわたって切刃を構成している。なお、各チゼルエッジの一部又は全部を削除するようにシンニングが設けられてもよい。この場合ドリル中心部には、シンニングによる切刃が形成される。
図1に図示したとおり各主溝20a、20bのリーディングエッジに連結する刃部の外周面13には、その直径が前記切刃21、31の外径と略等しくなっており、加工穴の内周壁面に摺接可能なランド23、33が形成されている。
ランド23、33の外周面の少なくとも一部は、ドリル中心を通りかつ切刃21に沿う方向に略直角な方向に延びる仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向K前方側を正とする)が−30°〜+30°の範囲、好ましくは−10°〜+10°の範囲、特に好ましくは−10°〜0°の範囲に存在する。
図3に例示するドリルは、第1の実施形態に係るドリルに関して、ランドの態様を変更したものである。このドリルは、ランド23、33の外周面の円周方向中間部に、前記外周面より内側に没入しかつ前記先端逃げ面12a、12bから基端側へ向かって延びる少なくとも一条の凹溝50a、50bが形成されている。前記凹溝50a、50bによって円周方向で二つに分断されたランド23a、23b、33a、33bのうちの少なくとも一つのランド23b、33bの少なくとも一部は、前記仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向K前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在する。この場合、ドリル回転方向Kで最も後方側に配置されたランドが前記範囲に存在することが好ましい。
さらに、図3に図示したように、ドリル本体10の円周方向に離間する複数のランド23a、23bおよび33a、33bのうち、ドリル回転方向Kで最も後方側に配されたランド23b、33bのドリル回転方向K後方端が前記範囲にあることが好ましい。一つのランド23、33だけで構成されたドリルにおいても、前記ランド23、33のドリル回転方向K最後方端は、前記仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向K前方側を正とする。)が−10°〜+10°の範囲、特に好ましくは−10°〜0°の範囲に存在する。
これまで説明したドリルの各構成の作用および機能について以下に説明する。
図1に図示したドリルでは、二条の主溝のリーディングエッジに連結するランド23、33の少なくとも一部が、前記仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在して、加工穴の内周壁面に摺接してドリル本体10を支持およびガイドする機能を有することから、切刃21、31に沿う方向に略直角な方向に作用する切削抵抗に起因するドリル本体10の撓みが効果的に抑制される。
前記ランド23、33の少なくとも一部が、前記仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−10°〜+10°の範囲、特に好ましくは−10°〜0°の範囲に存在する場合には、該ドリルの円周方向における前記ランド23、33と加工穴の内周壁面とが摺接する範囲が限定され、前記摺接に起因する摩擦抵抗が低減する。このため、ドリル本体の撓みを抑制する効果を維持しつつ、前記摩擦抵抗によるドリル本体への負荷および加工穴の内周壁面と面性状の悪化が抑制される。よって、高精度の穴明け加工が可能となる。
図3に図示したドリルでは、ランド23、33の外周面の円周方向中間部に設けた凹溝50によって円周方向で二つに分断されたランドのうちの少なくとも一つのランド23b、33bが、前記仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向K前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在することから、前述した、ドリル本体10の撓みを抑制する効果を発揮する。しかも、前記凹溝50を設けたことによりランドと加工穴の内周壁面との摺接による摩擦抵抗が大幅に低減することから、加工穴の精度および加工穴の内周壁面の面性状が著しく向上する。
前記凹溝50を設けたことによる前述の効果を高める点で、前記凹溝50の切れ上がりが中心軸線CL方向で主溝20a、20bの切れ上がりとほぼ等位にあることが好ましい。しかし、前記凹溝50を設けることによってドリル本体10の剛性低下が著しい場合は、前記凹溝50の切れ上がりが主溝20の切れ上がりよりも先端側に位置することが好ましい。また、凹溝50は、ランド23、33の外周面の円周方向中間部に限らず、ドリル回転方向K後方側縁部に連結するように形成してもかまわない。
さらに、このドリルでは、ドリル回転方向Kで最も後方側に配されたランド23b、33bのドリル回転方向K後方端が、前記仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向K前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在することから、前記ランド23b、33bと加工穴の内周壁面とが摺接する範囲が限定され、前記摺接に起因する該ドリルへの負荷が減じる。しかも、前記ランド23b、3bのドリル回転方向K後方側に隣接する主溝20a、20bのヒールが過度にドリル回転方向K後方側に位置することがないので、前記主溝20a、20bの容積が十分に確保できて切屑排出性を悪化させることがない。
図4〜図6に例示するドリルは、本発明を一枚刃ドリルに適用した第2の実施形態に係るものである。図6に図示するようにこのドリルは、刃部の外周面13に、該刃部の先端面12から基端側に向けて螺旋状に延びる二条の主溝20、30が形成される。各主溝20、30のドリル回転方向K前方側を向く壁面22、32に交差する刃部の先端面12には、逃げ角を有しドリル中心に関してほぼ対称的な一対の先端逃げ面12a、12bが形成されている。図4に図示するように二条の主溝のうちの一の主溝のドリル回転方向Kを向く前記壁面22と、これに交差する先端逃げ面12aとの交差稜線には、切刃21が形成されている。一の主溝30の溝長L1は、加工穴の深さよりも大きくなるように適宜設定される。他の主溝のドリル回転方向Kを向く壁面32は、該壁面32と前記先端逃げ面12bとの交差稜線が、前記切刃21が形成された交差稜線をドリル中心に関して180°回転させた仮想稜線をすべて切り欠くようにドリル回転方向K後方側へ拡大している。このため前記壁面32と、これに交差する先端逃げ面12bとの交差稜線は、前記切刃21より基端側へ後退しており、被削材に接触せず切削作用を有さない非切削部31となっている。一対の先端逃げ面12a、12bが互いに交差する稜線には、ほぼドリル中心から外周側へ延びる一対のチゼルエッジ24、34が形成される。一の主溝20側に形成されたチゼルエッジ24と前記切刃21とは連結しており、ドリル中心からドリル本体10の外周端にわたって切刃が形成される。他の主溝30側には、ドリル中心から前記他の主溝30の壁面に達するチゼルエッジ34のみが形成され、前記チゼルエッジ34よりも外周側領域には切刃が一切形成されない。このように、他の主溝30側の切削作用を有する切刃は、チゼルエッジ34のみであることから、他の主溝の溝長L2は、一の主溝の溝長L1よりも短くなっている。
一の主溝20のリーディングエッジに連結する刃部の外周面13には、切刃21の外径と略等しくなっており、加工穴の内周壁面に摺接可能なランド23が形成されている。前記ランド23の外周面の少なくとも一部は、前記切刃21に沿う方向に略直角な方向に延びる仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向K前方側を正とする)が−30°〜+30°の範囲、好ましくは−10°〜+10°の範囲、特に好ましくは−10°〜0°の範囲に存在する。他の主溝30のリーディングエッジに連結する刃部の外周面13にも、前記ランド23と同様に加工穴の内周壁面に摺接可能なランド33が形成されている。一の主溝20のリーディングエッジに連結するランド23の外周面の円周方向の二等分点とドリル中心とを通る仮想直線を引いたとき、他の主溝30のリーディングエッジに連結するランド33の外周面が前記仮想直線と交差するように形成されていることが好ましい。言い換えれば、両ランド23、33は、ドリル中心を挟んで対向する関係にあるのが好ましい。
図5に示す一枚刃ドリルは、第2の実施形態に係る一枚刃ドリルに関して、ランドの態様を変更したものである。この一枚刃ドリルは、第1の実施形態に係るドリルと同様に、一の主溝20のリーディングエッジに連結するランド23の外周面の円周方向中間部に、前記外周面より内側に没入する凹溝50を形成したものである。前記凹溝50によって円周方向で二つに分断されたランド23a、23bのうちの少なくとも一つのランドの少なくとも一部は、前記仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向K前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲、より好ましくは−10°〜+10°の範囲、特に好ましくは−10°〜0°の範囲に存在するものである。この場合、ドリル回転方向Kで最も後方側に配置されたランド23bが前記範囲に存在することが好ましい。さらに、ドリル回転方向Kで最も後方側に配されたランド23bのドリル回転方向K後方端は、前記範囲に存在している。本実施形態に限らず、ランド23は、主溝20のリーディングエッジに連結する刃部の外周面13全体にわたって形成されてもよい。この場合、前記ランド23の外周面の少なくとも一部を前記範囲に存在させればよい。特に前記ランド23のドリル回転方向K後方端が前記範囲に存在させると特に好ましい。前述の二つに分断されたランド23a、23b、および他の主溝30のリーディングエッジに連結するランド33は、互いに離間してドリル外周の3箇所に夫々配置される。
第2の実施形態に係る一枚刃ドリルの各構成の作用および機能について以下に説明する。
図4に図示した一枚刃ドリルでは、切刃21が形成された一の主溝20のリーディングエッジに連結するランド23の少なくとも一部が、前記仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在して、加工穴の内周壁面に摺接してドリル本体10を支持およびガイドする機能を有することから、切刃21に沿う方向に略直角な方向に作用する切削抵抗に起因するドリル本体10の撓みが効果的に抑制される。切刃21および主溝20、30の軸直角断面形状が非対称となるため、ドリル本体10の撓みが生じやすい一枚刃ドリルにおいては、撓み抑制に関して顕著な効果が発揮される。
前記ランド23の少なくとも一部が、前記仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−10°〜+10°の範囲、特に好ましくは−10°〜0°の範囲に存在する場合には、該ドリルの円周方向における前記ランド23と加工穴の内周壁面とが摺接する範囲がさらに限定され、ドリル本体10を支持およびガイドする作用が顕著となるとともに、ランドと加工穴の内周壁面との摺接による摩擦抵抗が低減する。これによりドリル本体10の撓みおよび内周壁面の面性状の悪化が抑制される。よって、高精度な穴明け加工が行なえる。
一の主溝20のリーディングエッジに連結するランド23の外周面の円周方向の二等分点とドリル中心とを通る仮想直線を引いたとき、他の主溝30のリーディングエッジに連結するランド33の外周面が前記仮想直線と交差するように形成されていることで、両ランド23、33はドリル中心を挟んでほぼ対向して配置される。このため、これらランド23、33が加工穴の内周壁面に摺接してドリル本体10をガイドする作用が、円周方向に均衡して得られるため、ドリルの撓みを効果的に抑制することができる。
図5に示すようにランド23の外周面の円周方向中間部に設けた凹溝50によって円周方向で二つに分断されたランドのうちの少なくとも一つのランド23bが、前記仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向K前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在することから、前述したドリル本体10の撓みを抑制する効果を発揮する。しかも、前記凹溝50を設けたことによりランドと加工穴の内周壁面との摺接による摩擦抵抗が大幅に低減することから、加工穴の精度および加工穴の内周壁面の面性状が著しく向上する。しかも、二つに分断されたランド23a、23b、および他の主溝30のリーディングエッジに連結するランド33は、円周方向で互いに離間して3箇所に配置され、該ドリルを3点支持することで、バランスに優れたガイド作用を発揮する。このため、ドリル本体10の撓みを抑制する効果がきわめて高くなる。
前記凹溝50を設けたことによる前述の効果を高める点で、前記凹溝50の切れ上がりが中心軸線CL方向で前記一の主溝20の切れ上がりとほぼ等位にあることが好ましい。しかし、前記凹溝50を設けることによってドリル本体10の剛性低下が著しい場合は、前記凹溝50の切れ上がりが前記一の主溝20の切れ上がりよりも先端側に位置することが好ましい。また、凹溝50は、前記ランド23の外周面の円周方向中間部に限らず、ドリル回転方向K後方側縁部に連結するように形成してもかまわない。また、他の主溝30のリーディングエッジに連結するランド33に凹溝50を形成することとしてもよい。
さらに、このドリルでは、ドリル回転方向Kで最も後方側に配されたランド23bのドリル回転方向K後方端が、前記仮想直線Aに対する角度(ドリル回転方向K前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲、より好ましくは−10°〜+10°の範囲、特に好ましくは−10°〜0°の範囲に存在することから、前記ランド23bと加工穴の内周壁面とが摺接する範囲が限定され、前記摺接に起因する該ドリルへの負荷が減じる。
10 ドリル本体
11A 刃部
11B シャンク部
11C テーパ状段部
12 刃部の先端面
12a、12b 先端逃げ面
13 刃部の外周面
20a、20b 主溝
20、一の主溝
30 他の主溝
21 切刃
22 主溝のドリル回転方向前方側を向く壁面
23、33 主溝のリーディングエッジに連結するランド
23a、23b、33a、33b 凹溝によって分断されたランド
24、34 チゼルエッジ
31 非切削部
50 凹溝
CL 中心軸線
K ドリル回転方向
L1 一の主溝の溝長
L2 他の主溝の溝長
θ ねじれ角

Claims (5)

  1. 中心軸線まわりに回転させられるドリル本体と、
    前記ドリル本体の先端側部分である刃部の外周面に、前記刃部の先端面に形成された先端逃げ面から基端側に向けて延設された一条又は二条以上の主溝と、
    前記主溝のうち少なくとも一条の主溝のドリル回転方向前方側を向く壁面と前記先端逃げ面との交差稜線に形成された、前記ドリル本体の外周端まで延びる切刃と、
    前記少なくとも一条の主溝のリーディングエッジに連結する外周面に形成された、加工穴の内周壁面に摺接可能な少なくとも一つのランドと、を備え、
    前記ランドの少なくとも一部が、ドリル中心を通りかつ前記切刃に沿う方向に略直角な方向に延びる仮想直線に対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在しているドリル。
  2. 前記ランドの外周面の円周方向中間部には、前記外周面より内側に没入しかつ前記先端逃げ面から基端側へ向かって延びる少なくとも一条の凹溝が形成され、
    前記凹溝によって分断されたランドのうちの少なくとも一つのランドが前記仮想直線に対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在している請求項1に記載のドリル。
  3. ドリル回転方向で最も後方側に配置されたランドのドリル回転方向後方端が、前記仮想直線に対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−30°〜+30°の範囲に存在している請求項1または2に記載のドリル。
  4. ドリル回転方向で最も後方側に配置されたランドのドリル回転方向後方端が、前記仮想直線に対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−10°〜+10°の範囲に存在している請求項3に記載のドリル。
  5. ドリル回転方向で最も後方側に配置されたランドのドリル回転方向後方端が、前記仮想直線に対する角度(ドリル回転方向前方側を正とする。)が−10°〜0°の範囲に存在している請求項3に記載のドリル。
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