JP2010157596A - フラッシュメモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】電荷保持特性の向上を図る。
【解決手段】フラッシュメモリは、半導体基板1と、前記半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜20と、前記トンネル絶縁膜上に形成された電荷蓄積層7と、前記電荷蓄積層上に形成されたブロック絶縁膜8と、前記ブロック絶縁膜上に形成された制御ゲート電極11と、を具備し、前記トンネル絶縁膜は、前記半導体基板上に形成された絶縁性の第1の酸化膜と、前記第1の酸化膜上に形成された絶縁性の窒化膜と、前記窒化膜上に形成された絶縁性の第2の酸化膜と、前記窒化膜と前記第1の酸化膜との間及び前記窒化膜と前記第2の酸化膜との間のうち少なくとも一方に形成された絶縁性の酸窒化膜とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、少なくともシリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜を含むトンネル絶縁膜を有するフラッシュメモリに関する。
電荷蓄積層に電荷を蓄積するフラッシュメモリにおいて、トンネル絶縁膜をシリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜という3層積層する構造が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上記構造のフラッシュメモリにおいては、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜との格子間距離の違いや膜膨張率の違いによるストレスにより、シリコン窒化膜とシリコン酸化膜との界面に欠陥が生じ、この欠陥が電子や正孔のトラップサイトとなる。そして、このトラップされた電子や正孔がシリコン基板に抜けることで、メモリセルトランジスタの電荷保持特性が劣化する。
特開2006−216215号公報
本発明は、電荷保持特性の向上を図ることが可能なフラッシュメモリを提供する。
本発明の第1の視点によるフラッシュメモリは、半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜と、前記トンネル絶縁膜上に形成された電荷蓄積層と、前記電荷蓄積層上に形成されたブロック絶縁膜と、前記ブロック絶縁膜上に形成された制御ゲート電極と、を具備し、前記トンネル絶縁膜は、前記半導体基板上に形成された絶縁性の第1の酸化膜と、前記第1の酸化膜上に形成された絶縁性の窒化膜と、前記窒化膜上に形成された絶縁性の第2の酸化膜と、前記窒化膜と前記第1の酸化膜との間及び前記窒化膜と前記第2の酸化膜との間のうち少なくとも一方に形成された絶縁性の酸窒化膜と、を有する。
本発明の第2の視点によるフラッシュメモリは、半導体基板と、前記半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜と、前記トンネル絶縁膜上に形成された電荷蓄積層と、前記電荷蓄積層上に形成されたブロック絶縁膜と、前記ブロック絶縁膜上に形成された制御ゲート電極とを有するメモリセルトランジスタと、前記メモリセルトランジスタを制御する制御回路と、を具備し、前記トンネル絶縁膜は、前記半導体基板上に形成された絶縁性の第1の酸化膜と、前記第1の酸化膜上に形成された絶縁性の窒化膜と、前記窒化膜上に形成された絶縁性の第2の酸化膜と、を有し、前記制御回路は、正バイアスの第1の電圧を前記制御ゲート電極に印加した後、負バイアスでかつ前記第1の電圧よりも絶対値が小さい第2の電圧を前記制御ゲート電極に印加し、前記第1及び第2の電圧を印加する一連の動作を書き込み動作とし、負バイアスの第3の電圧を前記制御ゲート電極に印加した後、正バイアスでかつ前記第3の電圧よりも絶対値が小さい第4の電圧を前記制御ゲート電極に印加し、前記第3及び第4の電圧を印加する一連の動作を消去動作とする。
本発明によれば、電荷保持特性の向上を図ることが可能なフラッシュメモリを提供できる。
本発明の実施の形態を以下に図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。尚、本実施形態のフラッシュメモリは、NAND型でもNOR型でもよく、特にMONOS構造において適用されるものである。
[1]第1の実施形態
第1の実施形態は、シリコン酸化膜/シリコン窒化膜/シリコン酸化膜からなる3層構造のトンネル絶縁膜において、シリコン酸化膜とシリコン窒化膜との界面にシリコン酸窒化膜を挟む5層構造とした例である。
[1−1]メモリセルトランジスタの構造
まず、本実施形態に係るフラッシュメモリのメモリセルトランジスタの構造について説明する。図1(a)は、本実施形態に係るフラッシュメモリのメモリセルトランジスタのワード線(WL線)方向における断面図を示す。図1(b)は、本実施形態に係るフラッシュメモリのメモリセルトランジスタのビット線(BL線)方向における断面図を示す。
図1(a)に示すように、メモリセルトランジスタMTのワード線方向の断面においては、シリコン基板1内に素子分離絶縁膜9が設けられ、この素子分離絶縁膜9の間に挟まれたシリコン基板1表面にチャネル領域CHが形成されている。このチャネル領域CH上にトンネル絶縁膜20が形成され、このトンネル絶縁膜20上に金属酸化膜(例えばアルミニウム酸化膜)で構成される電荷蓄積層7が形成されている。この電荷蓄積層7上にブロック絶縁膜8が素子分離絶縁膜9と同じ高さまで形成されている。そして、メモリセルトランジスタMTの書き込み、消去、読み出しのためにゲート電圧が印加される制御ゲート電極11は、ブロック絶縁膜8及び素子分離絶縁膜9上に形成されている。
図1(b)に示すように、メモリセルトランジスタMTのビット線方向の断面において、シリコン基板1内にソース/ドレイン層S/Dが設けられ、このソース/ドレイン層S/Dの間に挟まれたシリコン基板1表面にチャネル領域CHが形成されている。このチャネル領域CH上にトンネル絶縁膜20が形成されている。このトンネル絶縁膜20上に電荷蓄積層7、ブロック絶縁膜8及び制御ゲート電極11が順に積層されている。
ここで、トンネル絶縁膜20は、第1のシリコン酸化膜2、第1のシリコン酸窒化膜3、シリコン窒化膜4、第2のシリコン酸窒化膜5及び第2のシリコン酸化膜6で形成されている。第1のシリコン酸化膜2は、シリコン基板1上に形成されている。第1のシリコン酸窒化膜3は、第1のシリコン酸化膜2上に形成されている。シリコン窒化膜4は、第1のシリコン酸窒化膜3上に形成されている。すなわち、第1のシリコン酸窒化膜3は、第1のシリコン酸化膜2及びシリコン窒化膜4の間に形成されている。従って、第1のシリコン酸化膜2とシリコン窒化膜4とは直接接していない。第2のシリコン酸窒化膜5は、シリコン窒化膜4上に形成されている。第2のシリコン酸化膜6は、第2のシリコン酸窒化膜5上に形成されている。すなわち、第2のシリコン酸窒化膜5は、シリコン窒化膜4及び第2のシリコン酸化膜6の間に形成されている。従って、シリコン窒化膜4と第2のシリコン酸化膜6とは直接接していない。
尚、トンネル絶縁膜20において、第1のシリコン酸窒化膜3及び第2のシリコン酸窒化膜5は、どちらか一方のみ形成されてもよい。この場合、後述する本実施形態の効果を高めるために、シリコン基板1側により近い第1のシリコン酸窒化膜3のみが形成される方が望ましい。
また、第1のシリコン酸窒化膜3及び第2のシリコン酸窒化膜5の膜厚は、同じでも、異なってもよい。後者の場合、後述する本実施形態の効果を高めるために、第1のシリコン酸窒化膜3の膜厚を第2のシリコン酸窒化膜5の膜厚より厚くする方が望ましい。
図2は、本実施形態に係るフラッシュメモリのメモリセルトランジスタの断面図とトンネル絶縁膜における膜厚及び窒素濃度分布を示す。図3は、本実施形態の比較例におけるフラッシュメモリのメモリセルトランジスタの断面図とトンネル絶縁膜における窒素濃度分布を示す。
図2に示すように、本実施形態において、第1のシリコン酸窒化膜3及び第2のシリコン酸窒化膜5の膜厚は、例えば1nm程度であることが望ましい。また、第1のシリコン酸窒化膜3及び第2のシリコン酸窒化膜5の窒素濃度は、シリコン窒化膜4の窒素濃度を1とすると、相対的に例えば0.6である。この窒素濃度が0.6となる領域は、第1のシリコン酸窒化膜3及び第2のシリコン酸窒化膜5の膜厚である1nm程度存在する。つまり、トンネル絶縁膜20の窒素濃度は、第1のシリコン酸窒化膜3とシリコン酸化膜2及び第2のシリコン酸窒化膜5とシリコン酸化膜6との境界から急激に増加して、第1のシリコン酸窒化膜3とシリコン窒化膜4及び第2のシリコン酸窒化膜5とシリコン窒化膜4との境界まで一定に保たれる。そして、第1のシリコン酸窒化膜3とシリコン窒化膜4及び第2のシリコン酸窒化膜5とシリコン窒化膜4との境界からシリコン窒化膜4の膜厚中心領域に向かって窒素濃度が緩やかに増加する。すなわち、本実施形態におけるトンネル絶縁膜20の窒素濃度は、シリコン酸化膜2及び6からシリコン窒化膜4に向かって段階的に変化している。
一方、図3に示すように、比較例のようにシリコン酸窒化膜が形成されない場合、シリコン窒化膜4の窒素濃度を1とすると、シリコン窒化膜4と第1のシリコン酸化膜2及びシリコン窒化膜4と第2のシリコン酸化膜6の間に窒素濃度が0.6程度の領域が存在する。しかし、比較例では、トンネル絶縁膜20の窒素濃度は、シリコン窒化膜4とシリコン酸化膜2及びシリコン窒化膜4とシリコン酸化膜6との境界からシリコン窒化膜4の膜厚中心領域に向かって緩やかに増加する。従って、比較例では、本実施形態のように段階的に窒素濃度が増加しない。
ここで、上記シリコン酸窒化膜3及び5の窒素及び酸素の組成比は、化学量論組成の酸化シリコンと化学量論組成の窒化シリコンが半数ずつ存在する場合、原子数比でシリコン:酸素:窒素=3:6:4という比率が望ましい。尚、上記シリコン酸窒化膜3及び5は、この原子数比から酸素リッチ、窒素リッチとなってもよい。また、上記シリコン酸窒化膜3及び5のシリコン組成比に関しても、シリコンリッチ、シリコンプアであってもよい。
尚、トンネル絶縁膜20の材料は、種々に変更可能である。例えば、シリコン酸化膜2及び6、シリコン窒化膜4、シリコン酸窒化膜3及び5は、それぞれゲルマニウムを含んだ材料でもよい。具体的な材料の組み合わせとしては、シリコン酸化膜2/シリコン酸窒化膜3/シリコン窒化膜4/シリコン酸窒化膜5/シリコン酸化膜6の代わりに、シリコンゲルマニウム酸化膜/シリコンゲルマニウム酸窒化膜/シリコンゲルマニウム窒化膜/シリコンゲルマニウム酸窒化膜/シリコンゲルマニウム酸化膜、ゲルマニウム酸化膜/ゲルマニウム酸窒化膜/ゲルマニウム窒化膜/ゲルマニウム酸窒化膜/ゲルマニウム酸化膜等が挙げられる。
[1−2]メモリセルトランジスタの製造方法
次に、図1(a)及び(b)を用いて、本実施形態に係るメモリセルトランジスタの製造方法について説明する。
まず、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により、シリコン基板1上に第1のシリコン酸化膜2が形成される。このCVD法による第1のシリコン酸化膜2の成膜条件は、例えば、原料ガスとしてジクロルシラン及び亜酸化窒素ガスを用い、成膜温度は600℃から850℃である。尚、第1のシリコン酸化膜2は、酸化性雰囲気ガスによる熱酸化膜で形成されてもよい。
次に、CVD法により、第1のシリコン酸化膜2上に第1のシリコン酸窒化膜3が形成される。このCVD法による第1のシリコン酸窒化膜3の成膜条件は、例えば、原料ガスとしてジクロルシラン、亜酸化窒素及びアンモニアを用い、これらの原料ガスを同時に600℃から850℃の反応容器内に導入する。ここで、ジクロルシランとアンモニアの流量比を変更することにより、第1のシリコン酸窒化膜3の酸素と窒素の原子数比を制御することができる。
次に、CVD法により、第1のシリコン酸窒化膜3上にシリコン窒化膜4が形成される。このCVD法によるシリコン窒化膜4の成膜条件は、例えば、原料ガスとしてジクロルシランと亜酸化窒素ガスを用い、600℃から850℃に熱した炉において行われる。
次に、CVD法により、シリコン窒化膜4上に第2のシリコン酸窒化膜5が形成される。このCVD法による第2のシリコン酸窒化膜5の成膜条件及び原子数比の制御法は、第1のシリコン酸窒化膜3と同様である。
次に、CVD法により、第2のシリコン酸窒化膜5上に第2のシリコン酸化膜6が形成される。このCVD法による第2のシリコン酸化膜6の成膜条件は、例えば、原料ガスとしてジクロルシラン及び亜酸化窒素ガスを用い、成膜温度は600℃から850℃である。
次に、第2のシリコン酸化膜6上に電荷蓄積層7が形成される。この電荷蓄積層7の成膜条件は、例えば、原料ガスとしてトリメチルアルミニウム及び水蒸気を用い、600℃前後に熱した炉において行われる。上記条件によりアルミニウム酸化膜からなる電荷蓄積層7が形成される。
その後、一般的に知られた手法を用いて、ブロック絶縁膜8、素子分離絶縁膜9及び制御ゲート電極11が形成される。
尚、上述する第1のシリコン酸窒化膜3及び第2のシリコン酸窒化膜5において、上記の材料及び形成方法に限定されず、種々変更可能である。上述するように、第1のシリコン酸窒化膜3及び第2のシリコン酸窒化膜5は、ジクロルシラン、アンモニア及び亜酸化窒素を用い、CVD法により形成された。ここで、シリコン材料ガスとしてジクロルシランの代わりに、例えばモノシランやジシランなどを用いてもよい。また、酸素材料ガスとして亜酸化窒素の代わりに、例えば酸素やオゾン、一酸化窒素などを用いてもよい。さらに、形成方法としてCVD法の代わりに、例えば一原子層ずつ堆積するALD(Atomic Layer Deposition)法で堆積してもよい。
また、第1のシリコン酸窒化膜3は、第1のシリコン酸化膜2を窒化しても形成することができる。具体的には、第1のシリコン酸化膜2を形成後、アンモニア、一酸化窒素又は亜酸化窒素などを500℃から1100℃程度で熱処理する。この熱処理により、第1のシリコン酸化膜2表面が窒化され、第1のシリコン酸窒化膜3を形成することができる。また、第1のシリコン酸化膜10を形成後、窒素やアンモニアなどをマイクロ波などで励起し、発生した窒素又はアンモニアラジカルを反応容器内に導入する。この処理により、第1のシリコン酸化膜2表面が窒化され、第1のシリコン酸窒化膜3を形成することができる。
一方、第2のシリコン酸窒化膜5は、シリコン窒化膜4を酸化しても形成することができる。具体的には、シリコン窒化膜4を形成後、酸素や水蒸気などの酸化性を含むガスを反応容器内に導入し、600℃から1100℃程度で熱処理する。この熱処理により、シリコン窒化膜4表面が酸化され、第2のシリコン酸窒化膜5を形成することができる。また、シリコン窒化膜4を形成後、酸素や一酸化窒素などの酸化性ガスをマイクロ波などで励起し、発生した酸化性ラジカルを反応容器内に導入する。この処理により、シリコン窒化膜4表面が酸化され、第2のシリコン酸窒化膜5を形成することができる。
[1−3]効果
上記第1の実施形態によれば、シリコン窒化膜4及び第1のシリコン酸化膜2の間に第1のシリコン酸窒化膜3が形成され、シリコン窒化膜4及び第2のシリコン酸化膜6の間に第2のシリコン酸窒化膜5が形成されている。
この第1のシリコン酸窒化膜3及び第2のシリコン酸窒化膜5の存在により、シリコン窒化膜4と第1のシリコン酸化膜2及びシリコン窒化膜4と第2のシリコン酸化膜6とが直接接することはない。これにより、シリコン窒化膜4と第1のシリコン酸化膜2及びシリコン窒化膜4と第2のシリコン酸化膜6とが直接接することで生じる両膜の格子間距離及び膜の膨張率の違いによるストレスを緩和することができる。そして、シリコン窒化膜4と第1のシリコン酸化膜2及びシリコン窒化膜4と第2のシリコン酸化膜6との界面に生じる欠陥を低減することができる。従って、書き込み動作時において、シリコン基板1からトンネル絶縁膜20を介して電荷蓄積層7に電子を蓄積させるときのトンネル絶縁膜20にトラップする電子が低減する。また、消去動作時において、シリコン基板1からトンネル絶縁膜20を介して電荷蓄積層7に正孔を注入させるときのトンネル絶縁膜20にトラップする正孔が低減する。このため、トラップした電子や正孔がシリコン基板1へ抜けてしまうという問題が抑制でき、電荷保持特性を向上することができる。
また、トンネル絶縁膜20において、シリコン窒化膜4は、第1のシリコン酸化膜2と第2のシリコン酸化膜6との間に位置している。一般的に、シリコン窒化膜は、シリコン酸化膜と比べて、正孔に対するバリアハイトが低いという特性がある。このため、シリコン窒化膜4が第1のシリコン酸化膜2と第2のシリコン酸化膜6との間に形成されることで、シリコン基板1からトンネル絶縁膜20を介して電荷蓄積層7に正孔を注入する効率の向上を図ることができる。
[2]第2の実施形態
第2の実施形態は、書き込み動作時及び消去動作時において、バイアス電圧を制御することで、電荷保持特特性を向上させる例である。尚、ここでは、上記第1の実施形態と同様の点については説明を省略し、異なる点について詳説する。
[2−1]フラッシュメモリの構成
まず、本実施形態に係るフラッシュメモリの構成について説明する。図4は、本実施形態に係るフラッシュメモリのブロック図を示す。
図4に示すように、フラッシュメモリ30は、制御回路31、ロウデコーダ32、カラムデコーダ33、メモリセルアレイ35、センスアンプS/Aを備えている。
制御回路31は、書き込み時、消去時及び読み出し時におけるゲート電圧の電圧値とロウデコーダ32及びカラムデコーダ33の選択するアドレスを制御するように構成されている。
ロウデコーダ32は、制御回路31の制御に従い、ワード線WL0〜WL31を選択するように構成されている。
カラムデコーダ33は、制御回路31の制御に従い、ビット線BL0〜BLmを選択するように構成されている。
メモリセルアレイ35は、複数のブロック(Block n-1, Block n, Block n+1,…)を備えている。ブロックBlock nは、ワード線WL0〜WL31とビット線BL0〜BLmとの交差位置にマトリクス状に配置された複数のメモリセルトランジスタMTを備えている。
センスアンプS/Aは、ビット線BL0〜BLmから読み出されたページごとのメモリセルトランジスタMTのデータを増幅するように構成されている。
[2−2]メモリセルトランジスタの構造
次に、本実施形態に係るフラッシュメモリのメモリセルトランジスタの構造について説明する。図5(a)は、本実施形態に係るフラッシュメモリのメモリセルトランジスタのワード線(WL)方向における断面図を示す。図5(b)は、本実施形態に係るフラッシュメモリのメモリセルトランジスタのビット線(BL)方向における断面図を示す。
図5(a)及び(b)に示すように、第2の実施形態において、第1の実施形態と異なる点は、トンネル絶縁膜10が3層構造になっている点である。つまり、トンネル絶縁膜10は、第1のシリコン酸化膜2、シリコン窒化膜4及び第2のシリコン酸化膜6で形成されている。第1のシリコン酸化膜2は、シリコン基板1上に形成されている。シリコン窒化膜4は、第1のシリコン酸化膜2上に形成されている。第2のシリコン酸化膜6は、シリコン窒化膜4上に形成されている。
尚、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様、シリコン窒化膜4と第1のシリコン酸化膜2との間及びシリコン窒化膜4と第2のシリコン酸化膜6との間のうち少なくとも一方に、シリコン酸窒化膜が形成されてもよい。
[2−3]書き込み動作
次に、本実施形態に係るフラッシュメモリにおける書き込み動作について説明する。図6は、本実施形態に係るフラッシュメモリの書き込み時におけるゲート電圧の時間変化を示す。図7(a)及び(b)は、本実施形態に係るフラッシュメモリのメモリセルトランジスタの書き込み時における断面図を示す。この書き込み時において、制御ゲート電極11に印加されるゲート電圧は、図4の制御回路31により制御される。
図6に示すように、トンネル絶縁膜10の電気的実効膜厚(Teff)が例えば15nmの場合、制御回路31は、書き込み時に、例えば20Vの正バイアスの電圧を制御ゲート電極11に1秒間印加し、その後、例えば−4Vの負バイアスの電圧を1秒間印加する。つまり、本実施形態の書き込み動作では、正バイアスの第1の電圧(+V1)を印加した後、負バイアスでかつ第1の電圧よりも絶対値が小さい第2の電圧(−V2:|V2|<|V1|)を印加する。
ここで、正バイアスの電圧を印加した時は、図7(a)に示すように、シリコン基板1から電荷蓄積層7にトンネル絶縁膜10を介して電子が蓄積されるとともに、一部の電子がトンネル絶縁膜10中の欠陥にトラップされる。しかし、その後、負バイアスの電圧を印加することにより、図7(b)に示すように、トンネル絶縁膜10中にトラップされた電子がシリコン基板1側に引き抜かれる。このとき、この負バイアスの電圧は、先に印加した正バイアスの電圧よりも絶対値が小さいため、電荷蓄積層7中の電子は抜けず、トンネル絶縁膜10中にトラップされた電子のみが引き抜かれる。
[2−4]消去動作
次に、本実施形態に係るフラッシュメモリにおける消去動作について説明する。図8は、本実施形態に係るフラッシュメモリの消去時におけるゲート電圧の時間変化を示す。図9(a)及び(b)は、本実施形態に係るフラッシュメモリのメモリセルトランジスタの消去時における断面図を示す。この消去時において、制御ゲート電極11に印加されるゲート電圧は、図4の制御回路31により制御される。
図8に示すように、トンネル絶縁膜10の電気的実効膜厚(Teff)が例えば15nmの場合、制御回路31は、消去時に、例えば−20Vの負バイアスの電圧を制御ゲート電極11に1秒間印加し、その後、例えば4Vの正バイアスの電圧を1秒間印加する。つまり、本実施形態の消去動作では、負バイアスの第1の電圧(−V3)を印加した後、正バイアスでかつ第1の電圧よりも絶対値が小さい第2の電圧(+V4:|V4|<|V3|)を印加する。
ここで、負バイアスの電圧を印加した時は、図9(a)に示すように、シリコン基板1から電荷蓄積層7にトンネル絶縁膜10を介して正孔が導入されるとともに、一部の正孔がトンネル絶縁膜10中の欠陥にトラップされる。しかし、その後、正バイアスの電圧を印加することにより、図9(b)に示すように、トンネル絶縁膜10中に電子が注入され、トラップされた正孔と相殺される。このとき、この正バイアスの電圧は、先に印加した負バイアスの電圧よりも絶対値が小さいため、電荷蓄積層7中に電子が注入されることなく、トンネル絶縁膜10中にのみ電子が注入され、トラップされた正孔と相殺される。
[2−5]効果
上記第2の実施形態によれば、制御回路31により、書き込み動作及び消去動作が制御される。
具体的には、書き込み動作の場合、正バイアス電圧を印加した後、正バイアス電圧よりも絶対値が小さい負バイアス電圧を印加する。これらの一連の動作を書き込み動作として行うことで、トンネル絶縁膜10中にトラップされる電子を低減できる。従って、書き込み後に、トラップされた電子がシリコン基板1に抜けることが抑制される。これにより、しきい値劣化が解消されるので、電荷保持特性を向上することができる。さらに、この書き込み動作を行うことにより、トンネル絶縁膜10中の界面のみならず、至る所に欠陥が生じ、電子がトラップされたとしても、その電子を引き抜くことで、電荷保持特性を向上することができる。
一方、消去動作は、負バイアス電圧を印加した後、負バイアス電圧よりも絶対値が小さい正バイアス電圧を印加する。これらの一連の動作を消去動作として行うことで、トンネル絶縁膜10中にトラップされた正孔を低減できる。従って、消去後に、トラップされた正孔がシリコン基板1に抜けることが抑制される。これにより、しきい値劣化が解消されるので、電荷保持特性を向上することができる。さらに、この消去動作を行うことにより、トンネル絶縁膜10中の界面のみならず、至る所に欠陥が生じ、正孔がトラップされたとしても、電子を注入し、その正孔と相殺することで、電荷保持特性を向上することができる。
尚、第2の実施形態の書き込み動作及び消去動作において、正バイアス時と負バイアス時とで印加時間を一定としていたが、これに限定されない。例えば、書き込み動作の場合、正バイアス電圧を印加した後、正バイアスよりも短い時間で負バイアス電圧を印加してもよい。また、消去動作の場合、負バイアス電圧を印加した後、負バイアスよりも短い時間で正バイアス電圧を印加してもよい。
その他、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で、種々に変形することが可能である。さらに、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態に係るフラッシュメモリにおけるメモリセルトランジスタを示すワード線方向における断面図、図1(b)は、本発明の第1の実施形態に係るフラッシュメモリにおけるメモリセルトランジスタを示すビット線方向における断面図。 本発明の第1の実施形態に係るフラッシュメモリにおけるメモリセルトランジスタを示す断面図とメモリセルトランジスタにおける窒素濃度を示すグラフ。 本発明の第1の実施形態に関連するフラッシュメモリにおけるメモリセルトランジスタを示す断面図とメモリセルトランジスタにおける窒素濃度を示すグラフ。 本発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリにおけるメモリセルトランジスタを示すブロック図。 図5(a)は、本発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリにおけるメモリセルトランジスタを示すワード線方向における断面図、図5(b)は、本発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリにおけるメモリセルトランジスタを示すビット線方向における断面図。 本発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリの書き込み時におけるゲート電圧の関係を示すグラフ。 図7(a)は、本発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリにおけるメモリセルトランジスタの動作を説明するための断面図。図7(b)は、図7(a)に続く、本発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリにおけるメモリセルトランジスタの動作を説明するための断面図。 本発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリの消去時におけるゲート電圧の関係を示すグラフ。 図9(a)は、本発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリにおけるメモリセルトランジスタの動作を説明するための断面図。図9(b)は、図9(a)に続く、本発明の第2の実施形態に係るフラッシュメモリにおけるメモリセルトランジスタの動作を説明するための断面図。
符号の説明
1…シリコン基板、2,6…シリコン酸化膜、3…シリコン窒化膜、3,5…シリコン酸窒化膜、7…電荷蓄積層、8…ブロック絶縁膜、9…素子分離絶縁膜、10,20…トンネル絶縁膜、11…制御ゲート電極、30…フラッシュメモリ、31…制御回路、32…ロウデコーダ、33…カラムコーダ、35…メモリセルアレイ、S/D…ソース/ドレイン層、CH…チャネル領域、MT…メモリセルトランジスタ。

Claims (5)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜と、
    前記トンネル絶縁膜上に形成された電荷蓄積層と、
    前記電荷蓄積層上に形成されたブロック絶縁膜と、
    前記ブロック絶縁膜上に形成された制御ゲート電極と、
    を具備し、
    前記トンネル絶縁膜は、前記半導体基板上に形成された絶縁性の第1の酸化膜と、前記第1の酸化膜上に形成された絶縁性の窒化膜と、前記窒化膜上に形成された絶縁性の第2の酸化膜と、前記窒化膜と前記第1の酸化膜との間及び前記窒化膜と前記第2の酸化膜との間のうち少なくとも一方に形成された絶縁性の酸窒化膜と、を有することを特徴とするフラッシュメモリ。
  2. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜と、前記トンネル絶縁膜上に形成された電荷蓄積層と、前記電荷蓄積層上に形成されたブロック絶縁膜と、前記ブロック絶縁膜上に形成された制御ゲート電極と、を有するメモリセルトランジスタと、
    前記メモリセルトランジスタを制御する制御回路と、
    を具備し、
    前記トンネル絶縁膜は、前記半導体基板上に形成された絶縁性の第1の酸化膜と、前記第1の酸化膜上に形成された絶縁性の窒化膜と、前記窒化膜上に形成された絶縁性の第2の酸化膜と、を有し、
    前記制御回路は、正バイアスの第1の電圧を前記制御ゲート電極に印加した後、負バイアスでかつ前記第1の電圧よりも絶対値が小さい第2の電圧を前記制御ゲート電極に印加し、前記第1及び第2の電圧を印加する一連の動作を書き込み動作とし、負バイアスの第3の電圧を前記制御ゲート電極に印加した後、正バイアスでかつ前記第3の電圧よりも絶対値が小さい第4の電圧を前記制御ゲート電極に印加し、前記第3及び第4の電圧を印加する一連の動作を消去動作とすることを特徴とするフラッシュメモリ。
  3. 前記トンネル絶縁膜は、前記窒化膜と前記第1の酸化膜との間及び前記窒化膜と前記第2の酸化膜との間のうち少なくとも一方に形成された絶縁性の酸窒化膜とをさらに有することを特徴とする請求項2記載のフラッシュメモリ。
  4. 前記酸窒化膜は、前記窒化膜と前記第1の酸化膜との間のみに形成されることを特徴とする請求項1又は3記載のフラッシュメモリ。
  5. 前記酸窒化膜の窒素濃度は、前記窒化膜の窒素濃度より低く、前記第1及び第2の酸化膜の窒素濃度より高く、
    前記トンネル絶縁膜の窒素濃度は、前記窒化膜に向かって段階的に変化していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のフラッシュメモリ。
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