JP2010157540A - 捲回型蓄電源 - Google Patents

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Abstract

【課題】リチウムイオン供給源の配置の簡便化、並びに、非プロトン性有機溶媒電解質溶液の注液時間およびプレドープ時間の短縮化が図られ、従って、短時間で組立を完了させることができて高い生産性が得られる捲回型蓄電源の提供。
【解決手段】捲回型蓄電源は、帯状の正極と負極とを有し、正極および負極がセパレータを介して積重されてなる電極積重体が、その一端から捲回されて構成された筒状の電極捲回ユニット、および、電解液を備えてなり、負極および/または正極とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンおよび/またはアニオンが負極および/または正極にドーピングされるものであって、正極に正極間隙部が形成され、前記正極間隙部、または、負極における当該正極間隙部に対向する位置に、当該正極と接触しない状態に少なくとも一つのリチウムイオン供給源が設けられることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、エネルギー密度、出力密度が高い高容量の捲回型蓄電源に関する。
近年、グラファイト等の炭素材料を負極に用い、正極にLiCoO2 等のリチウム含有金属酸化物を用いた電池が提案されている。この電池は、電池組立後、充電することにより正極のリチウム含有金属酸化物から負極にリチウムイオンを供給し、更に放電では負極からリチウムイオンを正極に戻すという、いわゆるロッキングチェア型電池であり、負極に金属リチウムを使用せずリチウムイオンのみが充放電に関与することから、リチウムイオン二次電池と呼ばれ、リチウム金属を用いるリチウム電池とは区別されている。この電池は、高電圧及び高容量、高安全性を有することを特長としている。
また、環境問題がクローズアップされる中、太陽光発電や風力発電によるクリーンエネルギーの貯蔵システムや、ガソリン車に代わる電気自動車用又はハイブリッド電気自動車用の電源の開発が盛んに行われている。さらに、最近ではパワーウインドウやIT関連機器など車載装置や設備が高性能・高機能化してきたこともあり、エネルギー密度、出力密度の点から新しい電源が求められるようになってきている。
こうした高エネルギー密度、高出力特性を必要とする用途に対応する蓄電装置として、近年、リチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタの蓄電原理を組み合わせた、ハイブリッドキャパシタと呼ばれる蓄電装置が注目されている。その一つとして、リチウムイオンを吸蔵、脱離し得る炭素材料に、予め化学的方法又は電気化学的方法でリチウムイオンを吸蔵、担持(以下、ドーピングということもある)させて、負極電位を下げることによりエネルギー密度を大幅に大きくできる炭素材料を負極に用いる有機電解質キャパシタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この種の有機電解質キャパシタでは、高性能が期待されるものの、負極に予めリチウムイオンをドーピングさせる場合に、極めて長時間を要することや負極全体にリチウムイオンを均一に担持させることに問題を有し、特に電極を捲回した円筒型電池や複数枚の電極を積層した角型電池のような大型の高容量セルでは、実用化は困難とされていた。
このような問題の解決方法として、正極集電体および負極集電体(以下、両者を併せて「電極集電体」ともいう。)がそれぞれ表裏面に貫通する孔を備え、負極活物質がリチウムイオンを可逆的に担持可能であり、負極あるいは正極と対向して配置されたリチウム金属との電気化学的接触により負極にリチウムイオンが担持される有機電解質電池が提案されている(例えば、特許文献2参照)。すなわち、特許文献2には、上記有機電解質電池の例として正極及び負極をセパレータを介して捲回してなる捲回体(電極捲回ユニット)の最外周の負極集電体にリチウム金属を貼り付け、あるいは前記捲回体の中心部に円柱状のリチウム金属を配置し、該リチウム金属と負極とを短絡させてリチウムイオンを負極にドーピングさせる円筒型の捲回型リチウムイオン電池が開示されている。
上記捲回型リチウムイオン電池においては、電極集電体に表裏面を貫通する孔が設けられているため、リチウム金属が捲回体の外周部又は中心部のいずれに配置されていても、リチウムイオンが電極集電体に遮断されることなく前記貫通孔を通って電極間を移動し、これによりリチウム金属近傍の負極だけでなくリチウム金属から離れている負極にもリチウムイオンを電気化学的に担持させることが可能である。
また、特許文献3には、リチウムイオンキャパシタにおいて、リチウム金属を捲回体の外周部と中心部に配置し、従来よりも短時間で多量のリチウムイオンをドーピングする方法が開示されている。
特開平8−107048号公報 特許第3485935号公報 特開2007−67105号公報
上述のように、リチウムイオンを吸蔵、脱離しうる炭素材料等に予めリチウムイオンをドーピングさせた負極は、負極が電気二重層キャパシタに用いられる活性炭よりも電位が卑になるので、正極活性炭と組み合わせたセルの耐電圧は向上し、また負極の容量は活性炭に比較し非常に大きいため、該負極を備えた有機電解質キャパシタ(リチウムイオンキャパシタ)はエネルギー密度が高くなる。
しかし、上記捲回型リチウムイオン電池に示されるようにリチウム金属が電極捲回ユニットの外周部と中心部に配置した場合、電解液の浸透が遅いという問題があった。これは、リチウム金属が電極捲回ユニット表面を覆っているため、電解液が拡散できないためと考えられる。また、電解液の浸透に時間がかかるため、リチウムイオンを電極捲回ユニットのすべての負極に均一にドーピングするのにも長時間が必要となる。特に、大型の捲回型リチウムイオン電池を製造する場合に、捲回数を増加させることによってこのドーピング所要時間が例えば約30日間にまで増大し、その生産性が著しく低かった。
さらに、リチウム金属を外周部と中心部に配置させる、特許文献3に示される組立方法は、正極、負極をセパレータを介して捲回し、電極捲回ユニットを作製した後に外周部と中心部に金属リチウムを配置するため、組立工程が煩雑となり、生産性の面で必ずしも満足できるものではなかった。
本発明は、以上の事情に基づいてなされたものであって、その目的は、リチウムイオン供給源の配置の簡便化、並びに、非プロトン性有機溶媒電解質溶液の注液時間、および、負極および/または正極に対するリチウムイオンのドーピング(以下、「プレドープ」ともいう。)時間の短縮化が図られ、従って、短時間で組立を完了させることができて高い生産性が得られる捲回型蓄電源を提供することにある。
本発明の捲回型蓄電源は、表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な正極活物質を含有する電極層が形成されてなる正極と、表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を含有する電極層が形成されてなる負極とを有し、当該正極および当該負極がセパレータを介して積重されてなる電極積重体が、その一端から捲回されて構成された筒状の電極捲回ユニット、および、
リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液を備えてなり、
前記負極および/または前記正極と、リチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンおよび/またはアニオンが、当該負極および/または正極にドーピングされる捲回型蓄電源であって、
前記正極に正極間隙部が形成され、
前記正極間隙部、または、負極における当該正極間隙部に対向する位置に、当該正極と接触しない状態に少なくとも一つのリチウムイオン供給源が設けられることを特徴とする。
本発明の捲回型蓄電源は、前記電極捲回ユニットの内周面および/または外周面にリチウムイオン供給源が設けられていることが好ましい。
本発明の捲回型蓄電源においては、前記リチウムイオン供給源は、正極および負極に対してセパレータを介してこれらに接触しない状態に配置されていることが好ましい。
また、本発明の捲回型蓄電源においては、リチウムイオン供給源は、リチウム極集電体に圧着または積重されていることが好ましい。
また、本発明の捲回型蓄電源においては、リチウムイオン供給源が圧着または積重されたリチウム極集電体は多孔箔よりなることが好ましい。
また、本発明の捲回型蓄電源においては、前記正極間隙部または前記負極間隙部に設けられたリチウムイオン供給源は、当該リチウムイオン供給源が覆うべき捲回体が負極最外周部にて覆われた後に挿入され捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることが好ましい。
また、本発明の捲回型蓄電源においては、電極捲回ユニットの内周面を構成するリチウムイオン供給源が捲回された捲回体が負極にて覆われた後に、正極が挿入され捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることが好ましい。
また、本発明の捲回型蓄電源においては、電極捲回ユニットの外周面を構成するリチウムイオン供給源は、当該リチウムイオン供給源が覆うべき捲回体が負極最外周部にて覆われた後に挿入され捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることが好ましい。
また、本発明の捲回型蓄電源においては、前記正極は、複数の正極片を有し、各正極片が互いに前記正極間隙部を介して配置されてなるものであることが好ましい。
また、本発明の捲回型蓄電源においては、前記正極は、スリットが形成されたものであり、当該スリットにより前記正極間隙部が構成されることが好ましい。
また、本発明の捲回型蓄電源においては、前記負極は、前記正極の少なくとも一部と重畳されていることが好ましい。
本発明の捲回型蓄電源は、リチウムイオンキャパシタまたはリチウムイオン二次電池であることが好ましい。
本発明の捲回型蓄電源によれば、電極捲回ユニットが、正極間隙部または負極間隙部にリチウムイオン供給源が配されて電極積重体が構成されてこれが捲回されて得られるものであるために、当該電極捲回ユニットを簡単に組立てることができ、従って、短時間で組立を完了させることができると共に、正極間隙部または負極間隙部にリチウムイオン供給源が配されているためにプレドープ時間の短縮化が図られ、結局、高い生産性が得られる。
なお、対向して配置される正極と負極との間にリチウムイオン供給源を配置させた場合においては、プレドープの迅速化は図られるものの、部分的に正極−負極間の距離が他と異なったり、正極−負極間にリチウム金属が残留したり、リチウムイオン供給源をリチウム極集電体上に積層させて使用した場合に当該リチウムイオン極集電体上にリチウム金属が析出したりする問題が生じることがある。
このように製造された捲回型蓄電源によれば、プレドープの迅速化および均一化が図られるために、短時間で組立が完了されたものであっても、内部抵抗が低減されたものとなって高い性能が得られると共に、高い耐久性が得られる。
以下、本発明の実施の形態について、捲回型蓄電源をリチウムイオンキャパシタ(LIC)に応用した例を詳細に説明する。
<第1の実施の形態>
図1は、本発明に係る捲回型のリチウムイオンキャパシタ(以下、「捲回型LIC」ともいう。)の構成の一例を模式的に示す説明用断面図、図2は、図1の捲回型LICの電極捲回ユニットの捲回状態を解いた電極積重体の断面の状態を模式的に示す説明用断面図である。
この例の捲回型のリチウムイオンキャパシタ(以下、「捲回型LIC」ともいう。)は、正極間隙部11Sを有する帯状の正極11および負極間隙部12Sを有する帯状の負極12がセパレータを介して、具体的にはセパレータ13B上に負極12、セパレータ13Aおよび正極11がこの順に積重されてなる電極積重体10Aが、その一端から捲回されて構成された筒状の電極捲回ユニット10を有し、これが筒状の外装容器20内に収容されて内部にリチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液が充填されてなるものである。
そして、この電極捲回ユニット10の内周面および外周面の各々がリチウムイオン供給源16A,16Bによって構成されると共に、正極11の正極間隙部11Sに、当該正極11と接触しない状態にリチウムイオン供給源16Cが設けられている。このリチウムイオン供給源16A〜16Cは、負極12に対してセパレータ13A,13Bを介してこれらに接触しない状態に配置されていることが好ましい。
このような捲回型LICにおいては、負極12とリチウムイオン供給源16A〜16Cとが短絡されており、負極12および/または正極11と、リチウムイオン供給源16との電気化学的接触によって、リチウムイオンおよび/またはアニオンが、当該負極12および/または正極11にドーピングされる。
なお、本発明において、「正極」とは放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極、「負極」とは放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
正極11の具体的な構造は、図3にも示されるように、複数の正極片(図1〜図3においては2つ)111,112を有し、各正極片111,112が互いに前記正極間隙部11Sを介して配置されている。
また、負極12の具体的な構造は、正極11と同様に、複数の負極片(図1,図2においては2つ)121,122を有し、各負極片121,122が互いに前記負極間隙部12Sを介して配置されている。
このような正極11、負極12、リチウムイオン供給源16A〜16Cをセパレータ13A,13B上に積層して捲回した電極捲回ユニット10においては、正極11が全長にわたって負極12と重畳されていることが好ましい。本発明において、負極と正極が重畳された状態とは、当該負極および正極の間にセパレータ以外のものを介さずに積重された状態をいう。
電極捲回ユニット10は、具体的には、内周面を構成するリチウムイオン供給源16Aが捲回された捲回体が負極121にて覆われた後に、正極111が挿入され捲回された構成とされることが好ましい。また、対向する正極部分(111)および負極部分(121)よりなる1組の電極対部分(例えば図1において鎖線Zで囲まれた部分)の外周面が前記電極対部分の負極部分(121)の余剰部分(121α)によって覆われて捲回体が構成され、この捲回体の外周面が正極間隙部11Sに係るリチウムイオン供給源16Cによって覆われた状態とされ、さらにその外周面が別の電極対部分によって覆われた構成とされることが好ましい。さらに、外周面を構成するリチウムイオン供給源16Bは、これが覆うべき捲回体が負極最外周部にて覆われた後に挿入され捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることが好ましい。
このような構成とされることにより、捲回型LICに高い耐久性が得られる。なお、リチウムイオン供給源と正極との間に負極を介在させずに対向させた場合には、プレドープが不十分となってリチウム金属が残留したり、リチウムイオン供給源をリチウム極集電体上に積層させて使用した場合に充放電の条件によっては当該リチウム極集電体上にデンドライトと呼ばれる樹状のリチウム金属が析出し、短絡の原因になる場合がある。
図1においては2組の電極対部分によってその電極対部分間に1つのリチウムイオン供給源16Cが配置される構成が示されているが、電極対部分は2組に限定されるものではなく、3組以上の電極対部分によって構成されていてもよい。このような場合、それぞれの電極対部分間の少なくとも1つにリチウムイオン供給源が配置された構成とされる。
電極捲回ユニット10の内周面、外周面を構成するリチウムイオン供給源16A,16B、並びに電極対部分による捲回体の外周面上に形成された間隙部に挿入されるリチウムイオン供給源16Cには、それぞれリチウムイオン供給源16A〜16Cのない間欠部S(図4参照)が形成されていることが好ましく、リチウムイオン供給源16A〜16Cにおける間欠部Sの割合(以下、「リチウム極非占有率」ともいう。)はそれぞれ10〜70%であることが好ましく、より好ましくは15〜50%、特に好ましくは20〜30%である。
リチウムイオン供給源16A〜16Cは、いずれも板状体のリチウムイオン供給源片が間欠部Sを介して並設されてなるものである。
リチウムイオン供給源16A〜16Cにおけるリチウム極非占有率が各円周面の10%未満である場合は、非プロトン性有機溶媒電解質溶液の浸透に時間を要し、注液時間の短縮化を図ることができない。一方、リチウムイオン供給源16A〜16Cにおけるリチウム極非占有率が各円周面の70%を超える場合は、正極および/または負極に対向してこれらにリチウムイオンおよび/またはアニオンを供与するリチウムイオン供給源の面積が小さいものとなることから、プレドープの完了までに時間を要し、プレドープ時間の短縮化を図ることができない。
リチウムイオン供給源16A〜16Cにおけるリチウム極非占有率が各円周面の20〜30%である場合は、非プロトン性有機溶媒電解質溶液の浸透時間の短縮化、およびプレドープ時間の短縮化の両方を図ることができる。
また、間隙部は、全域にわたって均一に分布して形成されていることが好ましい。例えば、面積の大きな1枚のリチウムイオン供給源を用いるのではなく、複数枚の小さな面積のリチウムイオン供給源を分離して配置させ、所定の間隙部を形成させることが好ましい。これにより、非プロトン性有機溶媒電解質溶液の流通経路を広く確保することができる。また、パンチングなどにより多孔化された、面積の大きな1枚のリチウムイオン供給源を用いることが、1枚のリチウムイオン供給源によって所定の間隙部が得られるために、さらに好ましい。
このような電極捲回ユニット10は、図5に示されるように、電極積重体10Aが捲回されてなる捲回体は、捲回型LICの組立て作業性の向上の観点から、外側からテープ25で固定された状態で外装容器20に収容されていることが好ましい。なお、図5において、17は正極に電気的に接続された正極端子、18は負極に電気的に接続された負極端子である。図5においてこれらは電極捲回ユニット10について反対の方向に伸長されているが、同じ方向に伸長されていてもよい。
〔電極積重体の捲回方法〕
以上のような電極捲回ユニット10の組立工程における、外周面を構成するリチウムイオン供給源16Bの挿入においては、図6に示されるように、当該リチウムイオン供給源16Bを予めセパレータ13Aに圧着させた状態で捲回することが、組立時間の短縮化の観点から、好ましい。また、図7および図8に示されるように、セパレータ13Aへ圧着したリチウムイオン供給源16Bと密着するように、当該リチウムイオン供給源16B上にリチウム極集電体26a(26b)を圧着し捲回することにより、リチウムイオン供給源16Bを負極12に電気的に接続し、両者を短絡させることができる。
また、電極捲回ユニット10の組立工程における、内周面を構成するリチウムイオン供給源16Aの挿入においては、図9に示されるように、外周面を構成するリチウムイオン供給源16Bの挿入と同様に、リチウムイオン供給源16Aを予めセパレータ13Aに圧着させた状態で捲回することが好ましく、また、図10に示されるように、セパレータ13Aへ圧着したリチウムイオン供給源16Aと密着するように、当該リチウムイオン供給源16A上にリチウム極集電体26cを圧着し捲回することにより、リチウムイオン供給源16Aを負極12に電気的に接続し、両者を短絡させることができる。
さらに、電極捲回ユニット10の組立工程における、正極間隙部11Sに配置されたリチウムイオン供給源16Cの挿入においては、内周面および外周面を構成するリチウムイオン供給源16A,16Bの挿入と同様に、リチウムイオン供給源16Cを予めセパレータ13Aに圧着させた状態で捲回することが好ましく、また、セパレータ13Aへ圧着したリチウムイオン供給源16Cと密着するように、当該リチウムイオン供給源16C上にリチウム極集電体を圧着し捲回することにより、リチウムイオン供給源16Cを負極12に電気的に接続し、両者を短絡させることができる。
このような電極捲回ユニット10は、具体的には、まず、第1のセパレータ13B上に、負極間隙部11S、負極片121、負極間隙部11Sおよび負極片122が、一端から他端に向かってこの順に形成された第1帯材と、第2のセパレータ13A上に、電極捲回ユニット10の最内周面となるリチウムイオン供給源16A、正極片111、リチウムイオン供給源16C、正極片112、および、電極捲回ユニット10の最外周面となるリチウムイオン供給源16Bが、一端から他端に向かってこの順で形成された第2帯材とを作製する。この第1帯材および第2帯材においては、正極11および負極12の間隙部および電極片の長さおよび配置位置が、捲回したときに正極片がセパレータのみを介して負極片に対向すると共に、リチウムイオン供給源もセパレータのみを介して負極片と対向し、内周面および外周面がリチウムイオン供給源により構成された状態となるよう、各構成部材の厚みに基づいて設定されている。
そして、この第1帯材および第2帯材を積重し、この電極積重体10Aがその一端(リチウムイオン供給源16Aの一端)から芯棒に捲回されることによって、電極捲回ユニット10が得られる。
このように構成された電極捲回ユニット10を、非プロトン性有機溶媒電解質溶液と共に外装容器20内に収容させ、この状態において所定時間(例えば10日間)放置することによって、リチウムイオン供給源16A〜16Cと負極12とが短絡されているので、負極12に予めリチウムイオンがドーピングされる。
〔電極〕
正極11および負極12(以下、両者を併せて「電極」ともいう。)は、それぞれ帯状の集電体の少なくとも一面に電極層が形成されてなるものであり、両者は実質的に同一の構造であるので、以下、同一の図面を用いて説明する。
図11は、電極捲回ユニットにおける電極を展開した状態で示す説明用平面図であり、図12は、図11に示す電極のA−A断面を拡大して示す説明図である。
この例の負極12(正極11)は、帯状の負極集電体12a(正極集電体11a)の一面(図12において上面)に、下地層12c(11c)を介して負極活物質または正極活物質を含有してなる電極層12b(11b)が形成されてなり、負極集電体12a(正極集電体11a)の他面には、負極端子18(正極端子17)が例えばステッチングまたはコールドウェルディングによって固定されて接続されている。
電極として、負極集電体12aまたは正極集電体11aの両面に電極層12bまたは電極層11bが形成されてなるものを用いる場合には、電極層12bまたは電極層11bを部分的に負極集電体12aまたは正極集電体11aから剥離して、当該電極層12bまたは当該電極層11bに負極端子18または正極端子17を接続することができる。
ここで、負極端子18および正極端子17は、電極捲回ユニット10の両端から別々に引き出されていても、一方の端部から引き出されていてもよい。また、負極端子18および正極端子17は、それぞれ1つ設けられていればよいが、それぞれ複数設けられることが、内部抵抗が低下するため好ましい。
正極集電体11aおよび負極集電体12a(以下、両者を併せて「電極集電体」ともいう。)は、表裏面を貫通する孔Pを有する多孔材よりなるものであり、かかる多孔材の形態としては、エキスパンドメタル、パンチングメタル、金属網、発泡体、あるいはエッチングにより貫通孔が多孔質箔等が挙げられる。
電極集電体の孔Pの形状は、円形、矩形、その他適宜の形状に設定することができる。また、電極集電体の厚みは、強度および軽量化の観点から、20〜50μmであることが好ましい。
電極集電体の気孔率は、通常、10〜79%、好ましくは20〜60%である。ここで、気孔率は、[1−(電極集電体の質量/電極集電体の真比重)/(電極集電体の見かけ体積)]×100によって算出されるものである。
電極集電体の材質としては、一般に有機電解質電池などの用途で使用されている種々のものを用いることができる。負極集電体12aの材質の具体例としては、ステンレス、銅、ニッケル等が挙げられ、正極集電体11aの材質のとしては、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
このような多孔材を電極集電体として用いることにより、リチウムイオン供給源16A〜16Cが電極捲回ユニット10における内周面および外周面並びに正極間隙部11Sに配置されていても、リチウムイオンがリチウムイオン供給源16A〜16Cから電極集電体の孔Pを通って自由に各電極間を移動するので、負極12および/または正極11にリチウムイオンをドーピングすることができる。
また、本発明においては、電極集電体における少なくとも一部の孔Pを、脱落しにくい導電性材料を用いて閉塞し、この状態で、電極集電体の一面に、電極層11a,12bが形成されることが好ましく、これにより、電極の生産性を向上させることができると共に、電極集電体から電極層11b,12bが脱落することによって生じる蓄電源の信頼性の低下を防止または抑制することができる。
また、電極の厚み(電極集電体および電極層の合計の厚み)を小さくすることにより、一層高い出力密度を得ることができる。
また、電極集電体における孔Pの形態および数等は、後述する電解液中のリチウムイオンが集電体に遮断されることなく電極の表裏間を移動できるように、また、導電性材料によって閉塞し易いように適宜設定することができる。
負極12における電極層12bは、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を含有してなるものである。
電極層12bを構成する負極活物質としては、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子数比(以下「H/C」と記す。)が0.50〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(以下、「PAS」という。))等を好適に用いることができ、これらの中では、PASは高容量が得られる点でより好ましい。例えばH/Cが0.2程度のPASに400mAh/gのリチウムイオンを担持(充電)させた後に放電させると、650F/g以上の静電容量が得られ、また、500mAh/g以上のリチウムイオンを担持(充電)させると、750F/g以上の静電容量が得られる。このことから、PASが非常に大きな静電容量を有することが理解される。
本発明において、負極活物質としてPAS等のアモルファス構造を有するものを用いた場合には、担持させるリチウムイオン量を増加させるほど電位が低下するので、得られる蓄電源の耐電圧(充電電圧)が高くなり、また、放電における電圧の上昇速度(放電カーブの傾き)が低くなるため、求められる蓄電源の使用電圧に応じて、リチウムイオン量は活物質のリチウムイオン吸蔵能力の範囲内において適宜設定することが好ましい。
また、PASはアモルファス構造を有することから、リチウムイオンの挿入・脱離に対して膨潤・収縮等の構造変化が生じないため、サイクル特性に優れ、また、リチウムイオンの挿入・脱離に対して等方的な分子構造(高次構造)であるため、急速充電、急速放電にも優れた特性を有することから、負極活物質として好適である。
PASの前駆体である芳香族系縮合ポリマーは、芳香族炭化水素化合物とアルデヒド類との縮合物である。芳香族炭化水素化合物としては、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール等のフェノール類を好適に用いることができる。例えば、下記式で表されるメチレン・ビスフェノール類、ヒドロキシ・ビフェニル類、ヒドロキシナフタレン類などが挙げられる。これらの中では、実用的に、フェノール類、特にフェノールが好適である。
Figure 2010157540
(式中、xおよびyはそれぞれ独立に、0〜2の整数である。)
また、上記芳香族系縮合ポリマーとしては、フェノール性水酸基を有する芳香族炭化水素化合物の一部をフェノール性水酸基を有さない芳香族炭化水素化合物、例えばキシレン、トルエン、アニリン等で置換した変成芳香族系縮合ポリマー、例えばフェノールとキシレンとホルムアルデヒドとの縮合物を用いることもできる。更に、メラミン、尿素で置換した変成芳香族系ポリマーを用いることもでき、フラン樹脂も好適である。
PASは、不溶不融性基体として使用され、当該不溶不融性基体は例えば上記芳香族系縮合ポリマーから次のようにして製造することもできる。すなわち、上記芳香族系縮合ポリマーを、非酸化性雰囲気下(真空も含む)中で400〜800°Cの温度まで徐々に加熱することにより、H/Cが0.5〜0.05、好ましくは0.35〜0.10の不溶不融性基体を得ることができる。
但し、不溶不融性基体の製造方法はこれに限定されることなく、例えば、特公平3−24024号公報等に記載の方法で、H/Cが上記の範囲にあり、かつ600m2 /g以上のBET法による比表面積を有する不溶不融性基体を得ることもできる。
上記不溶不融性基体においては、X線回折(CuKα)によれば、メイン・ピークの位置が2θで表して24°以下に存在し、また、該メイン・ピークの他に41〜46°の間にブロードな他のピークが存在する。すなわち、上記不溶不融性基体は、芳香族系多環構造が適度に発達したポリアセン系骨格構造を有し、かつアモルファス構造を有し、リチウムイオンを安定にドーピングすることができることから、リチウムイオン蓄電源用の負極活物質として好適である。
本発明において、負極活物質は、細孔直径が3nm以上で細孔容積が0.10mL/g以上のものが好ましく、その細孔直径の上限は限定されないが、通常は3〜50nmの範囲である。また、細孔容積の範囲についても特に限定されないが、通常0.10〜0.5mL/gであり、好ましくは0.15〜0.5mL/gである。
本発明に係る捲回型LICにおいて、負極12における電極層12bは、上記の炭素材料やPAS等の負極活物質を含有してなる材料を用いて負極集電体12a上に形成されるが、その方法は特定されず公知の方法が利用することができる。具体的には、負極活物質粉末、バインダーおよび必要に応じて導電性粉末が水系媒体または有機溶媒中に分散されてなるスラリーを調製し、このスラリーを負極集電体12aの表面に塗布して乾燥することによって、或いは上記スラリーを予めシート状に成形し、得られる成形体を負極集電体12aの表面に貼り付けることによって、電極層12bを形成することができる。
ここで、スラリーの調製に用いられるバインダーとしては、例えばSBR等のゴム系バインダーや、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の合フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中では、バインダーとしてフッ素系樹脂が好ましく、特にフッ素原子/炭素原子の原子比(以下、「F/C」という。)が0.75以上で1.5未満であるフッ素系樹脂を用いることが好ましく、F/Cが0.75以上で1.3未満のフッ素系樹脂が更に好ましい。
バインダーの使用量は、負極活物質の種類や電極形状等により異なるが、負極活物質に対して1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。
また、必要に応じて使用される導電性材料としては、例えばアセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等が挙げられる。この導電性材料の使用量は、負極活物質の電気伝導度、電極形状等により異なるが、負極活物質に対して2〜40質量%の割合で用いることが好ましい。
負極集電体12aに上記スラリーを塗工することによって、電極層12bを形成する場合には、図12に示すように、負極集電体12aの塗工面に導電性材料の下地層12cを形成することが好ましい。負極集電体12aの表面にスラリーを直接塗工する場合には、負極集電体12aが多孔材であるため、スラリーが負極集電体12aの孔Pから洩れ出したり、あるいは負極集電体12aの表面が平滑でないため、均一な厚みを有する電極層12bを形成することが困難となることがある。そして、負極集電体12aの表面に下地層12cを形成することにより、孔Pが下地層12cによって塞がれると共に、平滑な塗工面が形成されるので、スラリーを塗工しやすくなると共に、均一な厚みを有する電極層12bを形成することができる。
図示の例では、電極層12bが負極集電体12aの一面のみに形成されているが、電極層12bが負極集電体12aの両面に形成される場合には、例えば負極集電体12aの両面のいずれかにスラリーを間欠塗工して負極集電体12aに未塗工領域を形成することにより、当該未塗工領域に負極端子を接続することができる。
負極12における負極層2bの厚みは、得られる捲回型LICに十分なエネルギー密度を確保されるよう正極11における電極層11bの厚みとのバランスで設計されるが、得られる捲回型LICの出力密度、エネルギー密度および工業的生産性等の観点から、負極集電体12aの一面に形成される場合では、通常、15〜100μm、好ましくは20〜80μmである。
正極11における電極層11bは、リチウムイオンおよび/または例えばテトラフルオロボレートのようなアニオンを可逆的に担持できる正極活物質を含有してなるものである。
電極層11bを構成する正極活物質としては、例えば活性炭、導電性高分子、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であってH/Cが0.05〜0.50であるポリアセン系骨格構造を有するPAS等を用いることができる。
正極11における電極層11bは、負極12における電極層12bと同様の方法によって形成することができる。
本発明に係る捲回型LICにおいては、正極11と負極12とを短絡させた後における正極11および負極12の電位が2.0V以下となることが好ましい。
従来の電気二重層キャパシタにおいては、通常、正極および負極における活物質としてそれぞれ同種のもの(主に活性炭)が略同量用いられている。この活物質はキャパシタの組立時においては、約3Vの電位を有しており、キャパシタに充電することにより、正極の表面においてアニオンが電気二重層を形成することによって、正極の電位が上昇し、一方、負極の表面においてカチオンが電気二重層を形成することによって、負極の電位が降下する。逆に、放電時においては、正極からアニオンが、負極からはカチオンがそれぞれ電解液中に放出されることにより、電位がそれぞれ下降または上昇し、最終的に電位が約3Vとなる。このように、通常の炭素材料は約3Vの電位を有しているため、正極および負極の両方に炭素材料が用いられた有機電解質キャパシタは、正極と負極とを短絡させた後における正極および負極の電位はいずれも約3Vとなる。
これに対し、本発明に係る捲回型LICにおいては、上記したように正極11と負極12とを短絡した後における正極の電位は2.0V(Li/Li+ 、以下同じ。)以下となることが好ましい。すなわち、本発明に係る捲回型LICにおいては、正極活物質としてリチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能なものを用い、一方、負極活物質としてリチウムイオンを可逆的に担持可能な活物質を用い、正極11と負極12とを短絡させた後における正極および負極の電位が2.0V以下になるように、負極12および/または正極11に予めリチウムイオンを担持させることが好ましい。
なお、本発明において、正極と負極とを短絡させた後における正極の電位が2.0V以下とは、以下の(A)又は(B)の2つのいずれかの方法で求められる正極の電位が2.0V以下となる場合をいう。
(A)リチウムイオンによってドーピングされた後、正極端子と負極端子とを導線で直接結合させた状態で12時間以上放置した後に短絡を解除し、0.5〜1.5時間内に測定した正極の電位。
(B)充放電試験機により12時間以上かけて0Vまで定電流放電させた後に、正極端子と負極端子とを導線で結合させた状態で12時間以上放置した後に短絡を解除し、0.5〜1.5時間内に測定した正極の電位。
また、本発明において、正極と負極とを短絡させた後における正極電位が2.0V以下とは、リチウムイオンがドーピングされた直後に限られるものではなく、充電状態、放電状態あるいは充放電を繰り返した後に短絡した場合など、いずれかの状態で短絡後の正極電位が2.0V以下となることである。
本発明において、正極と負極とを短絡させた後における正極の電位が2.0V以下になるということに関し、更に詳細に説明する。
上述のように活性炭や炭素材は通常3V(Li/Li+ )前後の電位を有しており、活物質として正極および負極の両方に活性炭を用いてキャパシタを構成した場合には、いずれの電位も約3Vとなるため、正極と負極とを短絡しても正極の電位は変化せず約3Vのままである。また、正極活物質として活性炭を用い、負極活物質としてリチウムイオン二次電池に使用されている黒鉛や難黒鉛化炭素等の炭素材料を用いた、いわゆるハイブリットキャパシタの場合も同様であり、いずれの電位も約3Vとなるため、正極と負極とを短絡しても正極の電位は変化せず約3Vのままである。従って、正極および負極の質量バランスにもよるが、充電すると負極の電位が0V近傍まで推移するので、充電電圧を高くすることが可能となるため、高電圧、高エネルギー密度を有するキャパシタが得られる。一般的に、充電電圧の上限は正極の電位の上昇による電解液の分解が起こらない電圧に定められるので、正極の電位を上限にした場合には、負極の電位が低下する値だけ、充電電圧を高めることが可能となる。
しかしながら、短絡時に正極電位が約3Vとなる上述のハイブリットキャパシタにおいては、正極の上限電位が例えば4.0Vとした場合に、放電時の正極の電位は3.0Vまでであり、正極の電位の変化は1.0V程度と正極の容量を充分に利用することができない。更に、負極にリチウムイオンを挿入(充電)、脱離(放電)した場合に、初期の充放電効率が低い場合が多く、放電時に脱離できないリチウムイオンが存在していることが知られている。これは、負極の表面において電解液の分解に消費されたり、炭素材の構造欠陥部にトラップされたりすること等の説明がなされているが、この場合には、正極の充放電効率に比べて負極の充放電効率が低くなり、充放電を繰り返した後に正極と負極とを短絡させると、正極電位は3Vよりも高くなり、さらに利用容量は低下する。すなわち、正極は4.0Vから2.0Vまで放電可能であるところ、4.0Vから3.0Vまでしか放電することができない場合や、利用可能容量の半分の量しか利用していないこととなり、高電圧を得ることは可能であるが、高容量を得ることは困難である。
従って、キャパシタとして、高電圧および高エネルギー密度を得るだけでなく、高容量および高エネルギー密度を得るためには、正極の利用容量を向上させることが必要となる。
正極と負極との短絡後における正極の電位が3.0Vよりも低ければ、それだけ利用容量が増加し、高容量になるということである。正極と負極との短絡後における正極の電位を2.0V以下とするためには、キャパシタの充放電により充電される量だけでなく、別途リチウム金属などのリチウムイオン供給源から負極にリチウムイオンを充電することが好ましい。正極および負極以外からリチウムイオンが供給されることにより、正極と負極とを短絡させたときには、正極、負極およびリチウム金属が平衡電位になるため、正極の電位および負極の電位の両方ともに3.0V以下となる。また、リチウムイオン供給源を構成するリチウム金属の量が多くなる程、平衡電位は低くなる。負極活物質および正極活物質が変われば平衡電位も変わるので、正極と負極との短絡後における正極電位が2.0V以下となるように、負極活物質および正極活物質の特性を考慮して負極に担持させるリチウムイオン量の調整が必要である。
本発明に係る捲回型LICにおいて、正極11と負極12とを短絡させた後における正極11の電位が2.0V以下となるということは、上記したように、捲回型LICの正極11および負極12以外から正極11および/または負極12にリチウムイオンが供給されるということである。リチウムイオンの供給は、負極12と正極11の一方あるいは両方のいずれでもよいが、例えば正極活物質として活性炭を用いた場合には、リチウムイオンの担持量が多くなり、正極の電位が低くなると、リチウムイオンを不可逆的に消費してしまい、キャパシタの容量が低下するなどの不具合が生じる場合があるため、負極および正極に供給するリチウムイオンの量は不具合が生じないよう適宜制御が必要である。いずれの場合でも、予め正極および/または負極に供給されたリチウムイオンはセルの充電により負極に供給されるので、負極の電位は低下する。
また、正極11と負極12とを短絡させた後における正極11の電位が2.0Vよりも高い場合には、正極11および/または負極12に供給されたリチウムイオンの量が少ないため、得られる捲回型LICのエネルギー密度は小さい。リチウムイオンの供給量が多くなるほど、正極と負極とを短絡させた後における正極の電位は低くなり、エネルギー密度は向上する。高いエネルギー密度を得るには2.0V以下が好ましく、更に高いエネルギー密度を得るには1.0V(Li/Li+ )以下が好ましい。正極11と負極12とを短絡させた後における正極の電位が低くなるということは、換言すると、捲回型LICに充電することにより、負極12に供給されるリチウムイオンの量が多くなるということであり、負極12の静電容量が増大すると共に、負極12の電位変化量が小さくなり、結果的に正極11の電位変化量が大きくなって捲回型LICの静電容量および容量が大きくなり、高いエネルギー密度が得られるのである。
また、正極11の電位が0.1Vを下回ると、正極活物質にもよるが、ガスの発生や、リチウムイオンを不可逆に消費してしまう等の不具合が生じるため、正極11の電位の測定が困難となる。また、正極11の電位が低くなりすぎる場合には、負極活物質の質量が過剰ということであり、逆にエネルギー密度は低下する。従って、一般的には、正極11の電位は0.1V以上であり、好ましくは0.3V以上である。
なお、本発明において、静電容量および容量は次のように定義する。キャパシタの静電容量とは、キャパシタの放電カーブの傾きを示し、単位はF(ファラッド)、キャパシタの単位質量当たりの静電容量とは、キャパシタの静電容量を正極活物質の質量および負極活物質の質量の合計で割った値であり、単位はF/g、正極の静電容量とは、正極の放電カーブの傾きを示し、単位はF、正極の単位質量当たりの静電容量とは、正極の静電容量を正極活物質の質量で割った値であり、単位はF/g、負極の静電容量とは、負極の静電容量を負極活物質の質量で割った値であり、単位はF/gである。
更に、キャパシタの容量とは、キャパシタの放電開始電圧と放電終了電圧との差、すなわち電圧変化量とキャパシタの静電容量との積であり、単位はC(クーロン)であるが、1Cは1秒間に1Aの電流が流れたときの電荷量であるので、本明細書においては、換算してmAh表示する。正極の容量とは、放電開始時の正極の電位と放電終了時の正極の電位の差(正極電位変化量)と、正極の静電容量との積であり、単位はCまたはmAh、負極の容量とは、放電開始時の負極の電位と放電終了時の負極の電位の差(負極電位変化量)と、負極の静電容量との積であり、単位はCまたはmAhである。キャパシタの容量と、正極の容量および負極の容量とは一致する。
本発明に係る捲回型LICにおいては、負極活物質の単位質量当たりの静電容量が正極活物質の単位質量当たりの静電容量の3倍以上で、かつ、正極活物質の質量が負極活物質の質量よりも大きいことが好ましく、例えば、正極の静電容量を考慮して負極へのリチウムイオンの充填量(プレドープ量)を適切に制御することにより、負極活物質の単位質量当たりの静電容量を正極活物質の単位質量当たり静電容量の3倍以上とし、かつ、正極活物質の質量を負極活物質の質量よりも大きくすることができる。これにより、従来の電気二重層キャパシタよりも高電圧かつ高容量のキャパシタが得られる。
さらに、正極活物質の単位質量当たりの静電容量よりも大きい単位質量当たりの静電容量を有する負極活物質を用いる場合には、負極の電位変化量を変えずに負極活物質の質量を減らすことが可能となるため、正極活物質の充填量が多くなり、捲回型LICの静電容量および容量を大きくすることができる。
正極活物質の質量は、負極活物質の質量よりも大きいことが好ましいが、負極活物質の質量の1.1〜10倍であることが更に好ましい。正極活物質の質量が負極活物質の質量の1.1倍未満である場合には、容量差が小さくなるため好ましくない。一方、正極活物質の質量が負極活物質の質量の10倍を超える場合には、逆に容量が小さくなる場合もあり、また、正極11と負極12との厚み差が大きくなり過ぎるので、捲回型LICの構成上好ましくない。
〔セパレータ〕
第1のセパレータ13Aおよび第2のセパレータ13Bとしては、電解液、正極活物質或いは負極活物質に対して耐久性があり、連通気孔を有する電気伝導性の小さい多孔体等を用いることができる。
第1のセパレータ13Aおよび第2のセパレータ13Bの材質としては、セルロース(紙)、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他公知のものを用いることができる。これらの中では、セルロース(紙)が耐久性および経済性の点で好ましい。
第1のセパレータ13Aおよび第2のセパレータ13Bの厚みは特に限定されないが、通常、20〜50μm程度が好ましい。
〔リチウムイオン供給源〕
リチウムイオン供給源16A〜16Cは、金属製のリチウム極集電体に圧着または積重されていることが好ましい。このような構成においては、リチウム極集電体にはリチウム極端子を設けることにより、当該リチウム極端子を介して例えば負極端子18に電気的に接続することかできる。
このリチウム極集電体としては、リチウムイオン供給源16A〜16Cを構成するリチウム金属が圧着しやすく、必要に応じてリチウムイオンが通過するよう、電極集電体と同様な多孔構造のものを用いることが好ましい。また、リチウム極集電体の材質は、ステンレス等のリチウムイオン供給源と反応しないものを用いることが好ましい。
また、リチウム極集電体として、ステンレスメッシュ等の導電性多孔体を用いる場合には、リチウムイオン供給源16A〜16Cを構成するリチウム金属の少なくとも一部、特に80質量%以上が、リチウム極集電体の孔に埋め込まれていることが好ましく、これにより、リチウムイオンが負極12に担持された後も、リチウム金属の消失によって電極間に生じる隙間が少なくなり、得られる捲回型LICの信頼性をより確実に維持することができる。
また、リチウム極集電体の厚みは、10〜200μm程度であることが好ましい。
また、リチウム極集電体に圧着されるリチウム金属の厚みは、負極12に予め担持するリチウムイオンの量を考慮して適宜定められるが、通常、50〜300μm程度が好ましい。
リチウムイオン供給源16A〜16Cを構成するリチウム金属の量は、正極11と負極12とを短絡させた後における正極11の電位が2.0V以下となるように、リチウムイオンがドーピングされる量に設定することが好ましく、更に、例えば負極12に対して、リチウムイオンが電極捲回ユニット10の外周面および内周面の両側から可能な限り均衡して迅速にドーピングされるように、内周面に係るリチウムイオン供給源16Aを構成するリチウム金属の量、電極間隙部に係るリチウムイオン供給源16Cを構成するリチウム金属の量外周面に係るおよびリチウムイオン供給源16Bを構成するリチウム金属の量を配分することが好ましい。
負極端子18および正極端子17の材質としては、導電性を有するものあれば特に限定されず種々のものを用いることができるが、それぞれ負極集電体12aおよび正極集電体11aの材質と同一のものが、接続性や膨張性などの点から好ましい。
テープ25の材質としては、電解液に対して耐久性を有し、得られる捲回型LICに悪影響を与えないものであれば特に限定されないが、第1のセパレータ13Aおよび第2のセパレータ13Bの材質と同一のものが好ましい。
また、テープ25の厚みは、厚さ50〜100μm程度、幅が5〜10mm程度のものが、電極捲回ユニット10を安定して固定することができ、かつ、作業性も向上するので好ましい。
また、テープ25の数やテープ25によって固定される位置は、主として電極捲回ユニット10の寸法に応じて適宜定められるが、通常、テープ25の数が2〜3であれば、電極捲回ユニット10を安定的に固定することができる。
芯棒19の材質としては、ステンレス、銅、ニッケルなどの金属材料やポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイドなどの耐電解液性の高い樹脂などを用いることができる。
また、芯棒19の径は、電極捲回ユニット10の内周の径に応じて適宜設定することができる。また、芯棒19は、電極捲回ユニット10の作製工程において使用されるところ、完成した電極捲回ユニット10においては、芯棒19がそのまま残された構成とされていてもよいが、抜き取られて電極捲回ユニットが芯棒を有さない構成とされていてもよい。
外装容器20の材質は特に限定されず、一般に電池またはキャパシタに用いられている種々のものを用いることができ、例えば鉄、アルミニウム等の金属材料、プラスチック材料、あるいはそれらを積層した複合材料等を用いることができるが、外装容器20としては、捲回型LICの小型化、軽量化の観点からは、アルミニウムと、ナイロン、ポリプロピレンなどの高分子材料とのラミネートフィルムを用いたフィルム型のものが好ましい。
外装容器20の形状も特に限定されず、円筒型や角型など、用途に応じて適宜選択することができるが、円柱状の電極捲回ユニットを収容する場合には円筒型のものを、扁平円柱状の電極捲回ユニット体を収容する場合には角型のものが好ましい。
外装容器20内に充填される電解液としては、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液が用いられる。
電解質を構成するリチウム塩としては、リチウムイオンを移送可能で、高電圧下においても電気分解を起こさず、リチウムイオンが安定に存在し得るものであればよく、その具体例としては、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、Li(C2 5 SO2 2 Nなどが挙げられる。
非プロトン性有機溶媒電解質溶液の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホランなどが挙げられる。これらの非プロトン性有機溶媒電解質溶液は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電解液は、上記の電解質および溶媒を充分に脱水された状態で混合することによって調製されるが、電解液中の電解質の濃度は、電解液による内部抵抗を小さくするために、少なくとも0.1モル/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5モル/Lであることが更に好ましい。
以上のような捲回型蓄電源によれば、電極捲回ユニット10が、正極間隙部11Sにリチウムイオン供給源16Cが配されて電極積重体10Aが構成されてこれが捲回されて得られる構成のものであるために、当該電極捲回ユニット10を簡単に組立てることができ、従って、短時間で組立を完了させることができると共に、正極間隙部11Sにリチウムイオン供給源16Cが配されているためにプレドープ時間の短縮化が図られ、結局、高い生産性が得られる。
このように製造された捲回型蓄電源によれば、プレドープの迅速化および均一化が図られるために、短時間で組立が完了されたものであっても、内部抵抗が低減されたものとなって高い性能が得られると共に、高い耐久性が得られる。
以上、本発明の捲回型蓄電源について、その実施の形態の一例を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、正極は、図13に示されるように、複数のスリット31Tよりなる正極間隙部を有するものとすることができる。このような正極31においては、当該スリット31Tに正極31と接触しない状態において正極間隙部に係るリチウムイオン供給源36Cが配置され、負極と共に捲回されることにより、電極捲回ユニットが構成される。
また例えば、負極は、複数の負極片による構成の負極には限定されず、図14および図15に示されるように、負極間隙部を有さない構成の負極42を用いてもよい。
このような電極捲回ユニット40は、図15に示されるように、まず、第1のセパレータ43B上に帯状の負極42が配置された第1帯材42Qと、第2のセパレータ43A上に、電極捲回ユニット40の内周面となるリチウムイオン供給源16Aが配置された正極間隙部41S、正極片411、リチウムイオン供給源16Cが配置された正極間隙部41S、正極片412、および、電極捲回ユニット40の最外周面となるリチウムイオン供給源16Bが配置された正極間隙部41Sが、一端から他端に向かってこの順に形成された第2帯材41Qとを作製する。この第1帯材42Qおよび第2帯材41Qにおいては、正極間隙部および電極片の長さおよび配置位置が、捲回したときに正極片がセパレータのみを介して負極片に対向すると共に、リチウムイオン供給源もセパレータのみを介して負極片と対向し、内周面および外周面がリチウムイオン供給源により構成された状態となるよう、各構成部材の厚みに基づいて設定されている。
そして、この第1帯材42Qおよび第2帯材41Qを積重し、この電極積重体40Aがその一端(リチウムイオン供給源16Aの一端)から図の矢印方向に芯棒19に捲回されることによって、電極捲回ユニット40が得られる。
さらに例えば、電極捲回ユニットは、略円柱状の形状に限定されず、例えば電極積重体を板状体に捲回させることによって形成させた、扁平な円柱状のものであってもよい。
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態に係る捲回型LICは、図16および図17に示されるように、電極捲回ユニット50が、正極間隙部51Sを有する帯状の正極51および負極間隙部52Sを有する帯状の負極52がセパレータを介して、具体的にはセパレータ53B上に負極52、セパレータ53Aおよび正極51がこの順に積重されてなる電極積重体50Aが、その一端から捲回されて構成された筒状のものであることの他は、第1の実施の形態と同様の構成を有するものである。なお、図16および図17において、第1の実施の形態に係る符号と同一の符号は、同じ構成部材を示すものとする。
このような正極51、負極52、リチウムイオン供給源16A〜16Cをセパレータ53A,53B上に積層して捲回した電極捲回ユニット50においては、負極52が正極51の少なくとも一部と重畳されていることが好ましい。
電極捲回ユニット50は、具体的には、対向する正極部分および負極部分よりなる1組の電極対部分の外周面が前記電極対部分の負極部分より延長された負極部分によって覆われ、さらに前記延長された負極部分によって覆われた捲回体の外周面が、リチウムイオン供給源16Cによって覆われた状態とされ、さらにその外周面が別の電極対部分によって覆われた構成とされることが好ましい。
また、内周面を構成するリチウムイオン供給源16Aが捲回された捲回体が負極521にて覆われた後に、正極511が挿入され捲回されることによって電極捲回ユニット50が構成されていることが好ましい。
このような構成とされることにより、捲回型LICに高い耐久性が得られる。なお、リチウムイオン供給源と正極との間に負極を介在させずに対向させた場合には、プレドープが不十分となってリチウム金属が残留したり、リチウムイオン供給源をリチウム極集電体上に積層させて使用した場合に充放電の条件によっては当該リチウム極集電体上にデンドライトと呼ばれる樹状のリチウム金属が析出し、短絡の原因になる場合がある。
このような電極捲回ユニット50は、図18に示されるように、まず、第1のセパレータ53B上に、電極捲回ユニット50の内周面となるリチウムイオン供給源16A、負極片521、リチウムイオン供給源16C、負極片522、および、電極捲回ユニット50の最外周面となるリチウムイオン供給源16Bが、一端から他端に向かってこの順に形成された第1帯材52Qと、第2のセパレータ53A上に、正極間隙部51S、正極片511、正極間隙部51S、正極片512が、一端から他端に向かってこの順で形成された第2帯材51Qとを作製する。この第1帯材52Qおよび第2帯材51Qにおいては、正極51および負極52の間隙部および電極片の長さおよび配置位置が、捲回したときに正極片がセパレータのみを介して負極片に対向すると共に、リチウムイオン供給源もセパレータのみを介して負極片と対向し、内周面および外周面がリチウムイオン供給源により構成された状態となるよう、各構成部材の厚みに基づいて設定されている。
そして、この第1帯材52Qおよび第2帯材51Qを積重し、この電極積重体50Aがその一端(リチウムイオン供給源16Aの一端)から図の矢印方向に芯棒19に捲回されることによって、電極捲回ユニット50が得られる。
この例の電極捲回ユニット50において、正極51、負極52、セパレータ53A,53Bは、第1の実施の形態における正極11、負極12、セパレータ13A,13Bと同様の構成を有するものとされる。
以上説明したような電極捲回ユニット50を有する捲回型LICによれば、第1の実施の形態の捲回型LICと同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の捲回型蓄電源について、その第2の実施の形態の一例を説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、電極捲回ユニットは、負極が複数の負極片よりなりその間隙部にリチウムイオン供給源が配置された構成のものには限定されず、図19に示されるように、負極間隙部を有さない構成の負極62を用い、正極間隙部11Sと対向する位置に、リチウムイオン供給源16A〜16Cが配置された構成を有していてもよい。なお、図19において、第1の実施の形態に係る符号と同一の符号は、同じ構成要素を示すものとする。
このような電極捲回ユニット60は、まず、第2のセパレータ63A上に、正極間隙部61S、正極片611、正極間隙部61S、正極片612および正極間隙部61Sが、一端から他端に向かってこの順に形成された第2帯材61Qと、第1のセパレータ63B上に帯状の負極62が配置され、さらにこの負極62上における正極間隙部61Sの各々に対向する位置に、電極捲回ユニット60の内周面となるリチウムイオン供給源16A、リチウムイオン供給源16Cおよび電極捲回ユニット60の最外周面となるリチウムイオン供給源16Bが、正極片611,612とはまったく対向しない状態に配置された第1帯材62Qとを作製する。この第1帯材62Qおよび第2帯材61Qにおいては、正極間隙部および電極片の長さおよび配置位置が、捲回したときに正極片がセパレータのみを介して負極片に対向すると共に、リチウムイオン供給源もセパレータのみを介して負極片と対向し、内周面および外周面がリチウムイオン供給源により構成された状態となるよう、各構成部材の厚みに基づいて設定されている。
そして、この第1帯材62Qおよび第2帯材61Qを積重し、この電極積重体60Aがその一端(リチウムイオン供給源16Aの一端)から図の矢印方向に芯棒19に捲回されることによって、電極捲回ユニット60が得られる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
〔負極の製造例1〕
厚さ0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で500℃まで50℃/時間の速度で昇温し、更に10℃/時間の速度で660℃まで昇温して熱処理することにより、PASを合成した。得られた板状のPASをディスクミルで粉砕することにより、PAS粉体を得た。このPAS粉体のH/C比は0.21であった。
次に、上記のPAS粉体100質量部と、ポリフッ化ビニリデン粉末10質量部をN−メチルピロリドン80質量部に溶解した溶液とを充分に混合することにより負極スラリーを得た。この負極スラリーを厚さ32μm(気孔率50%)の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる負極集電体の両面にダイコーターによって間欠塗工し、塗工部長さ15.2cm、未塗工部長さ10cmになるように負極の電極層をパターン成形し、プレス処理した後、負極全体の厚さ(両面の負極の電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が77μmである負極〔1〕を得た。さらに、同様にして塗工部長さ36.1cm、未塗工部長さ10cmになるように負極の電極層をパターン成形し、プレス処理した後、負極全体の厚さ(両面の負極の電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が77μmである負極〔2〕を得た。
この負極〔1〕および負極〔2〕を作用極とし、対極、参照極としてリチウム金属、電解液として、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度にLiPF6 を溶解した溶液を用いた模擬セルを試作し、負極活物質質量に対して400mAh/g分のリチウムイオンを充電し、負極〔1〕および負極〔2〕の単位質量当たりの静電容量を求めたところ、いずれも661F/gであった。
〔正極の製造例1〕
市販の比表面積が1950m2 /gである活性炭粉末100質量部、アセチレンブラック10質量部、アクリル系バインダー7質量部およびカルボキシメチルセルロース4質量部を水に分散させ充分に混合することにより正極スラリーを得た。
一方、厚さ35μm(気孔率50%)のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)両面に、非水系のカーボン系導電塗料「EB−815」(日本アチソン株式会社製)を、ダイコーターによって両面に間欠塗工し、塗工部長さ13.2cm、未塗工部長さ10cmになるように導電層をパターン成形し、乾燥することにより、正極集電体〔1〕を得た。全体の厚み(アルミニウム製エキスパンドメタル厚みと導電層厚みの合計)は52μmであり、塗工部の貫通孔はほぼ導電塗料により閉塞された。更に、上記の正極スラリー〔1〕をダイコーターによって両面の導電層上に間欠塗工し、塗工部長さ13.2cm、未塗工部長さ10cmになるように正極の電極層をパターン成形し、プレス処理した後、正極全体の厚さ(両面の正極の電極層厚さと正極集電体〔1〕厚さの合計)が212μmである正極〔1〕を得た。さらに、同様にして塗工部長さ26.1cm、未塗工部10cmになるように正極の電極層をパターン成形し、プレス処理した後、正極全体の厚さ(両面の正極の電極層厚さと正極集電体〔1〕厚さの合計)が212μmである正極〔2〕を得た。
この正極〔1〕および正極〔2〕を作用極とし、対極、参照極としてリチウム金属、電解液として、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度にLiPF6 を溶解した溶液を用いた模擬セルを試作し、3.5V〜2.5V間の放電時間より正極〔1〕および正極〔2〕の単位質量当たりの静電容量を求めたところ、いずれも119F/gであった。
〔電極捲回ユニットの作製例1〕
厚さ77μmの負極〔1〕を端部から10mmの位置に未塗工部を含むように幅5.6×長さ16.2cm2 にカットし、ニッケル製の端子を負極集電体の未塗工部上に配置し、負極集電体に超音波溶接により接続した。また、厚さ212μmの正極〔1〕を端部から10mmの位置に未塗工部を含むように幅5.4×長さ14.2cm2 にカットし、アルミニウム製の端子を正極集電体の未塗工部上に配置し、正極集電体に超音波溶接により接続した。さらに同様にして、負極〔2〕を幅5.6×長さ37.1cm2 にカットし、ニッケル製の端子を負極集電体の未塗工部上に配置し、負極集電体に超音波溶接により接続し、正極〔2〕を幅5.4×長さ27.1cm2 にカットし、アルミニウム製の端子を正極集電体の未塗工部上に配置し、正極集電体に超音波溶接により接続した。
セパレータとして厚さ35μmのセルロース/レーヨン混合不織布を用い、図18に従って、セパレータ(13A)に対し、芯棒(19)側から正極〔1〕、正極〔2〕の順で並設すると共に、セパレータ(13B)に対し、芯棒(19)側からリチウムイオン供給源〔1〕、負極〔1〕、リチウムイオン供給源〔2〕、負極〔2〕、リチウムイオン供給源〔3〕の順で並設して電極積重体を形成し、正極と負極の各端子が反対方向になるよう、当該電極積重体を一端から捲回し、最外周をテープ止めして電極捲回ユニット〔1〕を作製した。これを合計3本作製した。
なお、電極積重体においては、内周面に係るリチウムイオン供給源〔1〕として、捲回開始部に厚さ60μm×幅5.4×長さ1.1cm2 のリチウム金属1枚、間隙部に係るリチウムイオン供給源〔2〕として、厚さ60μm×幅5.4×長さ3.1cm2 のリチウム金属1枚、外周面に係るリチウムイオン供給源〔3〕として、厚さ120μm×幅5.4×長さ5.0cm2 のリチウム金属1枚を用い、これを予めセパレータに圧着し、さらにこれらのリチウム金属の上には、幅7.4cmの銅製エキスパンドメタル(リチウム極集電体)を各リチウム金属と同じ長さにカットして配置し、プレスすることにより圧着した。このため、リチウムイオン供給源を簡便に挿入することができた。
また、この電極捲回ユニット〔1〕において、内周面、外周面および捲回体の外周面におけるリチウム極非占有率は、いずれも0%とした。
〔セルの作製例1〕
上記の電極捲回ユニット〔1〕を、外径18mmφ、高さ65mmの鉄−ニッケルメッキ製外装缶の内部へ挿入し、負極端子と外装缶を缶底部にて抵抗溶接した後、缶上部に溝入れ加工を施した。続いて、缶上部にポリプロピレン製ガスケットを取り付けた後、正極端子と正極キャップを抵抗溶接した。
電解液としてプロピレンカーボネートに、1モル/Lの濃度にLiPF6 を溶解させた溶液を8g注液し、真空含浸させたところ、4分間を要した。
その後、正極キャップを被せて外装缶をかしめることにより、円筒型のリチウムイオンキャパシタセル〔1〕を3セル組み立てた。
〔セルの初期評価〕
リチウムイオンキャパシタセル〔1〕について、セル組み立て後4日間放置後に、1セル分解したところ、リチウム金属はいずれも完全に無くなっていた。このことから、セル組み立て後4日間で負極活物質の単位質量当たりに660F/g以上の静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断される。
〔セルの特性評価〕
リチウムイオンキャパシタセル〔1〕を、750mAの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、750mAの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電におけるセル容量およびエネルギー密度、内部抵抗を評価した。評価は、2セルの平均値である。結果を表1に示す。
Figure 2010157540
上記のリチウムイオンキャパシタセル〔1〕の作製工程においては、リチウムイオン供給源を含む電極捲回ユニット〔1〕が短時間で得られることが確認された。これは、リチウムイオン供給源(リチウム金属)をセパレータに予め圧着していたためと考えられる。また、電解液の注液完了までの時間は長かったものの、リチウムイオンのドーピング時間が短いことが確認された。これは、リチウムイオン供給源(リチウム金属)を、内周面と外周面だけでなく、電極の間隙部にも配置させたためと考えられる。
<比較例1>
〔負極の作製例2〕
負極の作製例1と同様にして負極スラリーを得、この負極スラリーを厚さ32μm(気孔率50%)の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる負極集電体の両面にダイコーターによって間欠塗工し、塗工部長さ49.3cm、未塗工部長さ10cmになるように負極の電極層をパターン成形し、プレス処理した後、負極全体の厚さ(両面の負極の電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が77μmである負極〔3〕を得た。
〔正極の作製例2〕
一方、厚さ35μm(気孔率50%)のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)両面に、非水系のカーボン系導電塗料「EB−815」(日本アチソン株式会社製)を、ダイコーターによって両面に間欠塗工し、46.3cm、未塗工部長さ10cmになるように導電層をパターン成形し、乾燥することにより、正極集電体〔2〕を得た。全体の厚み(アルミニウム製エキスパンドメタル厚みと導電層厚みの合計)は52μmであり、塗工部の貫通孔はほぼ導電塗料により閉塞された。更に、正極の作製例1と同様にして得た正極スラリー〔1〕をダイコーターによって両面の導電層上に間欠塗工し、塗工部長さ46.3cm、未塗工部長さ10cmになるように正極の電極層をパターン成形し、プレス処理した後、正極全体の厚さ(両面の正極の電極層厚さと正極集電体〔2〕厚さの合計)が212μmである正極〔3〕を得た。
〔電極捲回ユニットの作製例2〕
厚さ77μmの負極〔3〕を端部から10mmの位置に未塗工部を含むように幅5.6×長さ49.3cm2 にカットし、ニッケル製の端子を負極集電体の未塗工部上に配置し、負極集電体に超音波溶接により接続した。また、厚さ212μmの正極〔3〕を端部から10mmの位置に未塗工部を含むように幅5.4×長さ46.3cm2 にカットし、アルミニウム製の端子を正極集電体の未塗工部上に配置し、正極集電体に超音波溶接により接続した。
セパレータとして厚さ35μmのセルロース/レーヨン混合不織布を用い、図18において正極間隙部および負極間隙部を形成させず、一続きの帯状の負極および正極よりなる構成となるように電極積重体を形成し、正極、負極の各端子が反対方向になるよう、当該電極積重体を一端から捲回し、最外周をテープ止めして電極捲回ユニット〔2〕を作製した。これを合計3本作製した。
なお、電極積重体においては、内周面に係るリチウムイオン供給源として、捲回開始部に厚さ135μm×幅5.4×長さ1.1cm2 のリチウム金属1枚、外周面に係るリチウムイオン供給源として、厚さ135μm×幅5.4×長さ5.0cm2 のリチウム金属1枚を用い、これを予めセパレータに圧着し、さらにこれらのリチウム金属の上には、幅7.4cmの銅製エキスパンドメタル(リチウム極集電体)を各リチウム金属と同じ長さにカットして配置し、プレスすることにより圧着した。このため、リチウムイオン供給源を簡便に挿入することができた。
また、この電極捲回ユニット〔2〕において、内周面、外周面および捲回体の外周面におけるリチウム極非占有率は、いずれも0%とした。
〔セルの作製例2〕
上記の電極捲回ユニット〔2〕を、外径18mmφ、高さ65mmの鉄−ニッケルメッキ製外装缶の内部へ挿入し、負極端子と外装缶を缶底部にて抵抗溶接した後、缶上部に溝入れ加工を施した。続いて、缶上部にポリプロピレン製ガスケットを取り付けた後、正極端子と正極キャップを抵抗溶接した。
電解液としてプロピレンカーボネートに、1モル/Lの濃度にLiPF6 を溶解させた溶液を9g注液し、真空含浸させたところ、4分間を要した。
その後、正極キャップを被せて外装缶をかしめることにより、円筒型のリチウムイオンキャパシタセル〔2〕を3セル組み立てた。
〔セルの初期評価〕
リチウムイオンキャパシタセル〔2〕について、セル組み立て後4日間放置後に、1セル分解したところ、リチウム金属は30%程度残留していたため、さらに3日間放置後に、当該セルを分解したところ、完全に無くなっていた。このことから、セル組み立て後7日間で負極活物質の単位質量当たりに660F/g以上の静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断される。
〔セルの特性評価〕
リチウムイオンキャパシタセル〔2〕を、750mAの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、750mAの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電におけるセル容量およびエネルギー密度、内部抵抗を評価した。評価は、2セルの平均値である。結果を表2に示す。
Figure 2010157540
上記のリチウムイオンキャパシタセル〔2〕の作製工程においては、リチウムイオン供給源を含む電極捲回ユニット〔2〕が短時間で得られることが確認された。これは、リチウムイオン供給源(リチウム金属)をセパレータに予め圧着していたためと考えられる。しかしながら、電解液の注液完了までの時間が長く、リチウムイオンのドーピング時間も実施例1に係るリチウムイオンキャパシタセル〔1〕よりも長いことが確認された。これは、リチウムイオン供給源(リチウム金属)の配置数が実施例1に係るリチウムイオンキャパシタセル〔1〕よりも少ないためと考えられる。
<比較例2>
〔電極捲回ユニットの作製例3〕
比較例1の電極捲回ユニットの作製例2において、内周面に係るリチウムイオン供給源として、厚さ60μm×幅5.4×長さ1.0cm2 のリチウム金属、外周面に係るリチウムイオン供給源として、厚さ140μm×幅5.4×長さ5.0cm2 のリチウム金属を用いると共に、電極積重体の負極に係る第1帯材と正極に係る第2帯材との間に、中間部に係るリチウムイオン供給源として、厚さ60μm×幅5.4×長さ3.1cm2 リチウム金属を負極に積重させて挿入して捲回したことの他は同様にして、電極捲回ユニット〔3〕を作製した。これを合計3本作製した。
なお、この電極捲回ユニット〔3〕において、内周面、外周面および捲回体の外周面におけるリチウム極非占有率は、いずれも0%とした。
〔セルの作製例3〕
上記の電極捲回ユニット〔3〕を、外径18mmφ、高さ65mmの鉄−ニッケルメッキ製外装缶の内部へ挿入し、負極端子と外装缶を缶底部にて抵抗溶接した後、缶上部に溝入れ加工を施した。続いて、缶上部にポリプロピレン製ガスケットを取り付けた後、正極端子と正極キャップを抵抗溶接した。
電解液としてプロピレンカーボネートに、1モル/Lの濃度にLiPF6 を溶解させた溶液を9g注液し、真空含浸させたところ、4分間を要した。
その後、正極キャップを被せて外装缶をかしめることにより、円筒型のリチウムイオンキャパシタセル〔3〕を3セル組み立てた。
〔セルの初期評価〕
リチウムイオンキャパシタセル〔3〕について、セル組み立て後4日間放置後に、1セル分解したところ、間隙部に若干のリチウム金属の痕跡が残っていたものの、ほぼ消失していた。このことから、セル組み立て後約4日間で負極活物質の単位質量当たりに660F/g以上の静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断される。
〔セルの特性評価〕
リチウムイオンキャパシタセル〔3〕を、750mAの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、750mAの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電におけるセル容量およびエネルギー密度、内部抵抗を評価した。評価は、2セルの平均値である。結果を表3に示す。
Figure 2010157540
上記のリチウムイオンキャパシタセル〔3〕の作製工程においては、リチウムイオン供給源を含む電極捲回ユニット〔3〕が短時間で得られることが確認された。これは、リチウムイオン供給源(リチウム金属)をセパレータに予め圧着していたためと考えられる。また、電解液の注液完了までの時間は長かったものの、リチウムイオンのドーピング時間が実施例1に係るリチウムイオンキャパシタセル〔1〕と同様に短いことが確認された。これは、リチウムイオン供給源(リチウム金属)の配置数が実施例1に係るリチウムイオンキャパシタセル〔1〕と同様に多いためと考えられる。しかしながら、内部抵抗が高いことが確認された。これは、リチウム金属と負極とが接触していた箇所の抵抗が上昇していたことから、中間部に配置したリチウム金属が負極上で不具合を起こしたものと推測される。
また、充放電をさらに100回追加して1セルを分解したところ、中間部のリチウム極集電体上にデンドライト(樹状のリチウム金属)が発生していたことから、耐久性、および安全性にも問題があると考えられる。
従って、中間部にリチウム金属を配置させる場合には、実施例1に係るリチウムイオンキャパシタセル〔1〕のように、電極を分割してリチウム金属と正極が対向しない構成にする必要があると考えられる。
本発明に係る捲回型のリチウムイオンキャパシタの構成の一例を模式的に示す説明用断面図である。 図1の捲回型LICの電極捲回ユニットの捲回状態を解いた電極積重体の断面の状態を模式的に示す説明用断面図である。 正極の構成の一例を模式的に示す説明用平面図である。 図1に示す捲回型LICにおける電極捲回ユニットを示す説明用斜視図である。 図1に示す捲回型LICにおける電極捲回ユニットを示す説明用正面図である。 外周面に係るリチウムイオン供給源の挿入方法の一例を示す説明図である。 外周面に係るリチウム極集電体の挿入方法の一例を示す説明図である。 外周面に係るリチウム極集電体の挿入方法の別の一例を示す説明図である。 内周面に係るリチウムイオン供給源の挿入方法の一例を示す説明図である。 内周面に係るリチウム極集電体の挿入方法の一例を示す説明図である。 電極捲回ユニットにおける電極を展開した状態で示す説明用平面図である。 図11に示す電極のA−A断面を拡大して示す説明図である。 正極の構成の別の一例を模式的に示す説明用平面図である。 電極積重体の構成の別の一例を模式的に示す説明用断面図である。 図14の捲回型LICの電極捲回ユニットを得る方法を模式的に示す説明用断面図である。 本発明に係る捲回型のリチウムイオンキャパシタの構成の別の一例を模式的に示す説明用断面図である。 図16の捲回型LICの電極捲回ユニットの捲回状態を解いた電極積重体の断面の状態を模式的に示す説明用断面図である。 図16の捲回型LICの電極捲回ユニットを得る方法を模式的に示す説明用断面図である。 さらに別の構成による捲回型のリチウムイオンキャパシタを得る方法を模式的に示す説明用断面図である。
符号の説明
10 電極捲回ユニット
10A 電極積重体
11 正極
111,112 正極片
11S 正極間隙部
11a 正極集電体
11b 電極層
11c 下地層
12 負極
12S 負極間隙部
121,122 負極片
121α 余剰部分
12a 負極集電体
12b 電極層
12c 下地層
13A,13B セパレータ
16A〜16C リチウムイオン供給源
17 正極端子
18 負極端子
19 芯棒
20 外装容器
25 テープ
26a〜26c リチウム極集電体
30A 電極積重体
31 正極
31T スリット
36C リチウムイオン供給源
40 電極捲回ユニット
40A 電極積重体
41 正極
411,412 正極片
41S 正極間隙部
41Q 第1帯材
42 負極
43A,43B セパレータ
42Q 第2帯材
50 電極捲回ユニット
50A 電極積重体
51 正極
511,512 正極片
51S 正極間隙部
51Q 第2帯材
52 負極
521,522 負極片
52S 負極間隙部
52Q 第1帯材
53A,53B セパレータ
60 電極捲回ユニット
60A 電極積重体
61 正極
611,612 正極片
61S 正極間隙部
61Q 第2帯材
62 負極
62Q 第1帯材
63A,63B セパレータ
P 孔
Z 捲回体
S 間欠部

Claims (13)

  1. 表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な正極活物質を含有する電極層が形成されてなる正極と、表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を含有する電極層が形成されてなる負極とを有し、当該正極および当該負極がセパレータを介して積重されてなる電極積重体が、その一端から捲回されて構成された筒状の電極捲回ユニット、および、
    リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液を備えてなり、
    前記負極および/または前記正極と、リチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンおよび/またはアニオンが、当該負極および/または正極にドーピングされる捲回型蓄電源であって、
    前記正極に正極間隙部が形成され、
    前記正極間隙部、または、負極における当該正極間隙部に対向する位置に、当該正極と接触しない状態に少なくとも一つのリチウムイオン供給源が設けられることを特徴とする捲回型蓄電源。
  2. 前記電極捲回ユニットの内周面および/または外周面にリチウムイオン供給源が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の捲回型蓄電源。
  3. 前記リチウムイオン供給源は、正極および負極に対してセパレータを介してこれらに接触しない状態に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の捲回型蓄電源。
  4. リチウムイオン供給源は、リチウム極集電体に圧着または積重されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
  5. リチウムイオン供給源が圧着または積重されたリチウム極集電体は多孔箔よりなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
  6. 前記正極間隙部または前記負極における当該正極間隙部に対向する位置に設けられたリチウムイオン供給源は、当該リチウムイオン供給源が覆うべき捲回体が負極最外周部にて覆われた後に挿入され捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
  7. 電極捲回ユニットの内周面を構成するリチウムイオン供給源が捲回された捲回体が負極にて覆われた後に、正極が挿入され捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
  8. 電極捲回ユニットの外周面を構成するリチウムイオン供給源は、当該リチウムイオン供給源が覆うべき捲回体が負極最外周部にて覆われた後に挿入され捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
  9. 前記正極は、複数の正極片を有し、各正極片が互いに前記正極間隙部を介して配置されてなるものであることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
  10. 前記正極は、スリットが形成されたものであり、当該スリットにより前記正極間隙部が構成されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
  11. 前記負極は、前記正極の少なくとも一部と重畳されていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
  12. リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
  13. リチウムイオン二次電池であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
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