JP2010157540A - 捲回型蓄電源 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】捲回型蓄電源は、帯状の正極と負極とを有し、正極および負極がセパレータを介して積重されてなる電極積重体が、その一端から捲回されて構成された筒状の電極捲回ユニット、および、電解液を備えてなり、負極および/または正極とリチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンおよび/またはアニオンが負極および/または正極にドーピングされるものであって、正極に正極間隙部が形成され、前記正極間隙部、または、負極における当該正極間隙部に対向する位置に、当該正極と接触しない状態に少なくとも一つのリチウムイオン供給源が設けられることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
また、特許文献3には、リチウムイオンキャパシタにおいて、リチウム金属を捲回体の外周部と中心部に配置し、従来よりも短時間で多量のリチウムイオンをドーピングする方法が開示されている。
リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液を備えてなり、
前記負極および/または前記正極と、リチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンおよび/またはアニオンが、当該負極および/または正極にドーピングされる捲回型蓄電源であって、
前記正極に正極間隙部が形成され、
前記正極間隙部、または、負極における当該正極間隙部に対向する位置に、当該正極と接触しない状態に少なくとも一つのリチウムイオン供給源が設けられることを特徴とする。
なお、対向して配置される正極と負極との間にリチウムイオン供給源を配置させた場合においては、プレドープの迅速化は図られるものの、部分的に正極−負極間の距離が他と異なったり、正極−負極間にリチウム金属が残留したり、リチウムイオン供給源をリチウム極集電体上に積層させて使用した場合に当該リチウムイオン極集電体上にリチウム金属が析出したりする問題が生じることがある。
図1は、本発明に係る捲回型のリチウムイオンキャパシタ(以下、「捲回型LIC」ともいう。)の構成の一例を模式的に示す説明用断面図、図2は、図1の捲回型LICの電極捲回ユニットの捲回状態を解いた電極積重体の断面の状態を模式的に示す説明用断面図である。
この例の捲回型のリチウムイオンキャパシタ(以下、「捲回型LIC」ともいう。)は、正極間隙部11Sを有する帯状の正極11および負極間隙部12Sを有する帯状の負極12がセパレータを介して、具体的にはセパレータ13B上に負極12、セパレータ13Aおよび正極11がこの順に積重されてなる電極積重体10Aが、その一端から捲回されて構成された筒状の電極捲回ユニット10を有し、これが筒状の外装容器20内に収容されて内部にリチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液が充填されてなるものである。
そして、この電極捲回ユニット10の内周面および外周面の各々がリチウムイオン供給源16A,16Bによって構成されると共に、正極11の正極間隙部11Sに、当該正極11と接触しない状態にリチウムイオン供給源16Cが設けられている。このリチウムイオン供給源16A〜16Cは、負極12に対してセパレータ13A,13Bを介してこれらに接触しない状態に配置されていることが好ましい。
このような捲回型LICにおいては、負極12とリチウムイオン供給源16A〜16Cとが短絡されており、負極12および/または正極11と、リチウムイオン供給源16との電気化学的接触によって、リチウムイオンおよび/またはアニオンが、当該負極12および/または正極11にドーピングされる。
なお、本発明において、「正極」とは放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極、「負極」とは放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
また、負極12の具体的な構造は、正極11と同様に、複数の負極片(図1,図2においては2つ)121,122を有し、各負極片121,122が互いに前記負極間隙部12Sを介して配置されている。
電極捲回ユニット10は、具体的には、内周面を構成するリチウムイオン供給源16Aが捲回された捲回体が負極121にて覆われた後に、正極111が挿入され捲回された構成とされることが好ましい。また、対向する正極部分(111)および負極部分(121)よりなる1組の電極対部分(例えば図1において鎖線Zで囲まれた部分)の外周面が前記電極対部分の負極部分(121)の余剰部分(121α)によって覆われて捲回体が構成され、この捲回体の外周面が正極間隙部11Sに係るリチウムイオン供給源16Cによって覆われた状態とされ、さらにその外周面が別の電極対部分によって覆われた構成とされることが好ましい。さらに、外周面を構成するリチウムイオン供給源16Bは、これが覆うべき捲回体が負極最外周部にて覆われた後に挿入され捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることが好ましい。
このような構成とされることにより、捲回型LICに高い耐久性が得られる。なお、リチウムイオン供給源と正極との間に負極を介在させずに対向させた場合には、プレドープが不十分となってリチウム金属が残留したり、リチウムイオン供給源をリチウム極集電体上に積層させて使用した場合に充放電の条件によっては当該リチウム極集電体上にデンドライトと呼ばれる樹状のリチウム金属が析出し、短絡の原因になる場合がある。
リチウムイオン供給源16A〜16Cは、いずれも板状体のリチウムイオン供給源片が間欠部Sを介して並設されてなるものである。
リチウムイオン供給源16A〜16Cにおけるリチウム極非占有率が各円周面の20〜30%である場合は、非プロトン性有機溶媒電解質溶液の浸透時間の短縮化、およびプレドープ時間の短縮化の両方を図ることができる。
また、間隙部は、全域にわたって均一に分布して形成されていることが好ましい。例えば、面積の大きな1枚のリチウムイオン供給源を用いるのではなく、複数枚の小さな面積のリチウムイオン供給源を分離して配置させ、所定の間隙部を形成させることが好ましい。これにより、非プロトン性有機溶媒電解質溶液の流通経路を広く確保することができる。また、パンチングなどにより多孔化された、面積の大きな1枚のリチウムイオン供給源を用いることが、1枚のリチウムイオン供給源によって所定の間隙部が得られるために、さらに好ましい。
以上のような電極捲回ユニット10の組立工程における、外周面を構成するリチウムイオン供給源16Bの挿入においては、図6に示されるように、当該リチウムイオン供給源16Bを予めセパレータ13Aに圧着させた状態で捲回することが、組立時間の短縮化の観点から、好ましい。また、図7および図8に示されるように、セパレータ13Aへ圧着したリチウムイオン供給源16Bと密着するように、当該リチウムイオン供給源16B上にリチウム極集電体26a(26b)を圧着し捲回することにより、リチウムイオン供給源16Bを負極12に電気的に接続し、両者を短絡させることができる。
また、電極捲回ユニット10の組立工程における、内周面を構成するリチウムイオン供給源16Aの挿入においては、図9に示されるように、外周面を構成するリチウムイオン供給源16Bの挿入と同様に、リチウムイオン供給源16Aを予めセパレータ13Aに圧着させた状態で捲回することが好ましく、また、図10に示されるように、セパレータ13Aへ圧着したリチウムイオン供給源16Aと密着するように、当該リチウムイオン供給源16A上にリチウム極集電体26cを圧着し捲回することにより、リチウムイオン供給源16Aを負極12に電気的に接続し、両者を短絡させることができる。
さらに、電極捲回ユニット10の組立工程における、正極間隙部11Sに配置されたリチウムイオン供給源16Cの挿入においては、内周面および外周面を構成するリチウムイオン供給源16A,16Bの挿入と同様に、リチウムイオン供給源16Cを予めセパレータ13Aに圧着させた状態で捲回することが好ましく、また、セパレータ13Aへ圧着したリチウムイオン供給源16Cと密着するように、当該リチウムイオン供給源16C上にリチウム極集電体を圧着し捲回することにより、リチウムイオン供給源16Cを負極12に電気的に接続し、両者を短絡させることができる。
そして、この第1帯材および第2帯材を積重し、この電極積重体10Aがその一端(リチウムイオン供給源16Aの一端)から芯棒に捲回されることによって、電極捲回ユニット10が得られる。
正極11および負極12(以下、両者を併せて「電極」ともいう。)は、それぞれ帯状の集電体の少なくとも一面に電極層が形成されてなるものであり、両者は実質的に同一の構造であるので、以下、同一の図面を用いて説明する。
図11は、電極捲回ユニットにおける電極を展開した状態で示す説明用平面図であり、図12は、図11に示す電極のA−A断面を拡大して示す説明図である。
この例の負極12(正極11)は、帯状の負極集電体12a(正極集電体11a)の一面(図12において上面)に、下地層12c(11c)を介して負極活物質または正極活物質を含有してなる電極層12b(11b)が形成されてなり、負極集電体12a(正極集電体11a)の他面には、負極端子18(正極端子17)が例えばステッチングまたはコールドウェルディングによって固定されて接続されている。
電極として、負極集電体12aまたは正極集電体11aの両面に電極層12bまたは電極層11bが形成されてなるものを用いる場合には、電極層12bまたは電極層11bを部分的に負極集電体12aまたは正極集電体11aから剥離して、当該電極層12bまたは当該電極層11bに負極端子18または正極端子17を接続することができる。
ここで、負極端子18および正極端子17は、電極捲回ユニット10の両端から別々に引き出されていても、一方の端部から引き出されていてもよい。また、負極端子18および正極端子17は、それぞれ1つ設けられていればよいが、それぞれ複数設けられることが、内部抵抗が低下するため好ましい。
電極集電体の孔Pの形状は、円形、矩形、その他適宜の形状に設定することができる。また、電極集電体の厚みは、強度および軽量化の観点から、20〜50μmであることが好ましい。
電極集電体の気孔率は、通常、10〜79%、好ましくは20〜60%である。ここで、気孔率は、[1−(電極集電体の質量/電極集電体の真比重)/(電極集電体の見かけ体積)]×100によって算出されるものである。
電極集電体の材質としては、一般に有機電解質電池などの用途で使用されている種々のものを用いることができる。負極集電体12aの材質の具体例としては、ステンレス、銅、ニッケル等が挙げられ、正極集電体11aの材質のとしては、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
このような多孔材を電極集電体として用いることにより、リチウムイオン供給源16A〜16Cが電極捲回ユニット10における内周面および外周面並びに正極間隙部11Sに配置されていても、リチウムイオンがリチウムイオン供給源16A〜16Cから電極集電体の孔Pを通って自由に各電極間を移動するので、負極12および/または正極11にリチウムイオンをドーピングすることができる。
また、電極の厚み(電極集電体および電極層の合計の厚み)を小さくすることにより、一層高い出力密度を得ることができる。
また、電極集電体における孔Pの形態および数等は、後述する電解液中のリチウムイオンが集電体に遮断されることなく電極の表裏間を移動できるように、また、導電性材料によって閉塞し易いように適宜設定することができる。
電極層12bを構成する負極活物質としては、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子数比(以下「H/C」と記す。)が0.50〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(以下、「PAS」という。))等を好適に用いることができ、これらの中では、PASは高容量が得られる点でより好ましい。例えばH/Cが0.2程度のPASに400mAh/gのリチウムイオンを担持(充電)させた後に放電させると、650F/g以上の静電容量が得られ、また、500mAh/g以上のリチウムイオンを担持(充電)させると、750F/g以上の静電容量が得られる。このことから、PASが非常に大きな静電容量を有することが理解される。
但し、不溶不融性基体の製造方法はこれに限定されることなく、例えば、特公平3−24024号公報等に記載の方法で、H/Cが上記の範囲にあり、かつ600m2 /g以上のBET法による比表面積を有する不溶不融性基体を得ることもできる。
ここで、スラリーの調製に用いられるバインダーとしては、例えばSBR等のゴム系バインダーや、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の合フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中では、バインダーとしてフッ素系樹脂が好ましく、特にフッ素原子/炭素原子の原子比(以下、「F/C」という。)が0.75以上で1.5未満であるフッ素系樹脂を用いることが好ましく、F/Cが0.75以上で1.3未満のフッ素系樹脂が更に好ましい。
バインダーの使用量は、負極活物質の種類や電極形状等により異なるが、負極活物質に対して1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。
また、必要に応じて使用される導電性材料としては、例えばアセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等が挙げられる。この導電性材料の使用量は、負極活物質の電気伝導度、電極形状等により異なるが、負極活物質に対して2〜40質量%の割合で用いることが好ましい。
図示の例では、電極層12bが負極集電体12aの一面のみに形成されているが、電極層12bが負極集電体12aの両面に形成される場合には、例えば負極集電体12aの両面のいずれかにスラリーを間欠塗工して負極集電体12aに未塗工領域を形成することにより、当該未塗工領域に負極端子を接続することができる。
電極層11bを構成する正極活物質としては、例えば活性炭、導電性高分子、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であってH/Cが0.05〜0.50であるポリアセン系骨格構造を有するPAS等を用いることができる。
正極11における電極層11bは、負極12における電極層12bと同様の方法によって形成することができる。
従来の電気二重層キャパシタにおいては、通常、正極および負極における活物質としてそれぞれ同種のもの(主に活性炭)が略同量用いられている。この活物質はキャパシタの組立時においては、約3Vの電位を有しており、キャパシタに充電することにより、正極の表面においてアニオンが電気二重層を形成することによって、正極の電位が上昇し、一方、負極の表面においてカチオンが電気二重層を形成することによって、負極の電位が降下する。逆に、放電時においては、正極からアニオンが、負極からはカチオンがそれぞれ電解液中に放出されることにより、電位がそれぞれ下降または上昇し、最終的に電位が約3Vとなる。このように、通常の炭素材料は約3Vの電位を有しているため、正極および負極の両方に炭素材料が用いられた有機電解質キャパシタは、正極と負極とを短絡させた後における正極および負極の電位はいずれも約3Vとなる。
(A)リチウムイオンによってドーピングされた後、正極端子と負極端子とを導線で直接結合させた状態で12時間以上放置した後に短絡を解除し、0.5〜1.5時間内に測定した正極の電位。
(B)充放電試験機により12時間以上かけて0Vまで定電流放電させた後に、正極端子と負極端子とを導線で結合させた状態で12時間以上放置した後に短絡を解除し、0.5〜1.5時間内に測定した正極の電位。
上述のように活性炭や炭素材は通常3V(Li/Li+ )前後の電位を有しており、活物質として正極および負極の両方に活性炭を用いてキャパシタを構成した場合には、いずれの電位も約3Vとなるため、正極と負極とを短絡しても正極の電位は変化せず約3Vのままである。また、正極活物質として活性炭を用い、負極活物質としてリチウムイオン二次電池に使用されている黒鉛や難黒鉛化炭素等の炭素材料を用いた、いわゆるハイブリットキャパシタの場合も同様であり、いずれの電位も約3Vとなるため、正極と負極とを短絡しても正極の電位は変化せず約3Vのままである。従って、正極および負極の質量バランスにもよるが、充電すると負極の電位が0V近傍まで推移するので、充電電圧を高くすることが可能となるため、高電圧、高エネルギー密度を有するキャパシタが得られる。一般的に、充電電圧の上限は正極の電位の上昇による電解液の分解が起こらない電圧に定められるので、正極の電位を上限にした場合には、負極の電位が低下する値だけ、充電電圧を高めることが可能となる。
従って、キャパシタとして、高電圧および高エネルギー密度を得るだけでなく、高容量および高エネルギー密度を得るためには、正極の利用容量を向上させることが必要となる。
さらに、正極活物質の単位質量当たりの静電容量よりも大きい単位質量当たりの静電容量を有する負極活物質を用いる場合には、負極の電位変化量を変えずに負極活物質の質量を減らすことが可能となるため、正極活物質の充填量が多くなり、捲回型LICの静電容量および容量を大きくすることができる。
正極活物質の質量は、負極活物質の質量よりも大きいことが好ましいが、負極活物質の質量の1.1〜10倍であることが更に好ましい。正極活物質の質量が負極活物質の質量の1.1倍未満である場合には、容量差が小さくなるため好ましくない。一方、正極活物質の質量が負極活物質の質量の10倍を超える場合には、逆に容量が小さくなる場合もあり、また、正極11と負極12との厚み差が大きくなり過ぎるので、捲回型LICの構成上好ましくない。
第1のセパレータ13Aおよび第2のセパレータ13Bとしては、電解液、正極活物質或いは負極活物質に対して耐久性があり、連通気孔を有する電気伝導性の小さい多孔体等を用いることができる。
第1のセパレータ13Aおよび第2のセパレータ13Bの材質としては、セルロース(紙)、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他公知のものを用いることができる。これらの中では、セルロース(紙)が耐久性および経済性の点で好ましい。
第1のセパレータ13Aおよび第2のセパレータ13Bの厚みは特に限定されないが、通常、20〜50μm程度が好ましい。
リチウムイオン供給源16A〜16Cは、金属製のリチウム極集電体に圧着または積重されていることが好ましい。このような構成においては、リチウム極集電体にはリチウム極端子を設けることにより、当該リチウム極端子を介して例えば負極端子18に電気的に接続することかできる。
このリチウム極集電体としては、リチウムイオン供給源16A〜16Cを構成するリチウム金属が圧着しやすく、必要に応じてリチウムイオンが通過するよう、電極集電体と同様な多孔構造のものを用いることが好ましい。また、リチウム極集電体の材質は、ステンレス等のリチウムイオン供給源と反応しないものを用いることが好ましい。
また、リチウム極集電体として、ステンレスメッシュ等の導電性多孔体を用いる場合には、リチウムイオン供給源16A〜16Cを構成するリチウム金属の少なくとも一部、特に80質量%以上が、リチウム極集電体の孔に埋め込まれていることが好ましく、これにより、リチウムイオンが負極12に担持された後も、リチウム金属の消失によって電極間に生じる隙間が少なくなり、得られる捲回型LICの信頼性をより確実に維持することができる。
また、リチウム極集電体の厚みは、10〜200μm程度であることが好ましい。
また、リチウム極集電体に圧着されるリチウム金属の厚みは、負極12に予め担持するリチウムイオンの量を考慮して適宜定められるが、通常、50〜300μm程度が好ましい。
また、テープ25の厚みは、厚さ50〜100μm程度、幅が5〜10mm程度のものが、電極捲回ユニット10を安定して固定することができ、かつ、作業性も向上するので好ましい。
また、テープ25の数やテープ25によって固定される位置は、主として電極捲回ユニット10の寸法に応じて適宜定められるが、通常、テープ25の数が2〜3であれば、電極捲回ユニット10を安定的に固定することができる。
また、芯棒19の径は、電極捲回ユニット10の内周の径に応じて適宜設定することができる。また、芯棒19は、電極捲回ユニット10の作製工程において使用されるところ、完成した電極捲回ユニット10においては、芯棒19がそのまま残された構成とされていてもよいが、抜き取られて電極捲回ユニットが芯棒を有さない構成とされていてもよい。
外装容器20の形状も特に限定されず、円筒型や角型など、用途に応じて適宜選択することができるが、円柱状の電極捲回ユニットを収容する場合には円筒型のものを、扁平円柱状の電極捲回ユニット体を収容する場合には角型のものが好ましい。
電解質を構成するリチウム塩としては、リチウムイオンを移送可能で、高電圧下においても電気分解を起こさず、リチウムイオンが安定に存在し得るものであればよく、その具体例としては、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、Li(C2 F5 SO2 )2 Nなどが挙げられる。
非プロトン性有機溶媒電解質溶液の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホランなどが挙げられる。これらの非プロトン性有機溶媒電解質溶液は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電解液は、上記の電解質および溶媒を充分に脱水された状態で混合することによって調製されるが、電解液中の電解質の濃度は、電解液による内部抵抗を小さくするために、少なくとも0.1モル/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5モル/Lであることが更に好ましい。
例えば、正極は、図13に示されるように、複数のスリット31Tよりなる正極間隙部を有するものとすることができる。このような正極31においては、当該スリット31Tに正極31と接触しない状態において正極間隙部に係るリチウムイオン供給源36Cが配置され、負極と共に捲回されることにより、電極捲回ユニットが構成される。
そして、この第1帯材42Qおよび第2帯材41Qを積重し、この電極積重体40Aがその一端(リチウムイオン供給源16Aの一端)から図の矢印方向に芯棒19に捲回されることによって、電極捲回ユニット40が得られる。
第2の実施の形態に係る捲回型LICは、図16および図17に示されるように、電極捲回ユニット50が、正極間隙部51Sを有する帯状の正極51および負極間隙部52Sを有する帯状の負極52がセパレータを介して、具体的にはセパレータ53B上に負極52、セパレータ53Aおよび正極51がこの順に積重されてなる電極積重体50Aが、その一端から捲回されて構成された筒状のものであることの他は、第1の実施の形態と同様の構成を有するものである。なお、図16および図17において、第1の実施の形態に係る符号と同一の符号は、同じ構成部材を示すものとする。
電極捲回ユニット50は、具体的には、対向する正極部分および負極部分よりなる1組の電極対部分の外周面が前記電極対部分の負極部分より延長された負極部分によって覆われ、さらに前記延長された負極部分によって覆われた捲回体の外周面が、リチウムイオン供給源16Cによって覆われた状態とされ、さらにその外周面が別の電極対部分によって覆われた構成とされることが好ましい。
また、内周面を構成するリチウムイオン供給源16Aが捲回された捲回体が負極521にて覆われた後に、正極511が挿入され捲回されることによって電極捲回ユニット50が構成されていることが好ましい。
このような構成とされることにより、捲回型LICに高い耐久性が得られる。なお、リチウムイオン供給源と正極との間に負極を介在させずに対向させた場合には、プレドープが不十分となってリチウム金属が残留したり、リチウムイオン供給源をリチウム極集電体上に積層させて使用した場合に充放電の条件によっては当該リチウム極集電体上にデンドライトと呼ばれる樹状のリチウム金属が析出し、短絡の原因になる場合がある。
そして、この第1帯材52Qおよび第2帯材51Qを積重し、この電極積重体50Aがその一端(リチウムイオン供給源16Aの一端)から図の矢印方向に芯棒19に捲回されることによって、電極捲回ユニット50が得られる。
そして、この第1帯材62Qおよび第2帯材61Qを積重し、この電極積重体60Aがその一端(リチウムイオン供給源16Aの一端)から図の矢印方向に芯棒19に捲回されることによって、電極捲回ユニット60が得られる。
〔負極の製造例1〕
厚さ0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で500℃まで50℃/時間の速度で昇温し、更に10℃/時間の速度で660℃まで昇温して熱処理することにより、PASを合成した。得られた板状のPASをディスクミルで粉砕することにより、PAS粉体を得た。このPAS粉体のH/C比は0.21であった。
この負極〔1〕および負極〔2〕を作用極とし、対極、参照極としてリチウム金属、電解液として、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度にLiPF6 を溶解した溶液を用いた模擬セルを試作し、負極活物質質量に対して400mAh/g分のリチウムイオンを充電し、負極〔1〕および負極〔2〕の単位質量当たりの静電容量を求めたところ、いずれも661F/gであった。
市販の比表面積が1950m2 /gである活性炭粉末100質量部、アセチレンブラック10質量部、アクリル系バインダー7質量部およびカルボキシメチルセルロース4質量部を水に分散させ充分に混合することにより正極スラリーを得た。
一方、厚さ35μm(気孔率50%)のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)両面に、非水系のカーボン系導電塗料「EB−815」(日本アチソン株式会社製)を、ダイコーターによって両面に間欠塗工し、塗工部長さ13.2cm、未塗工部長さ10cmになるように導電層をパターン成形し、乾燥することにより、正極集電体〔1〕を得た。全体の厚み(アルミニウム製エキスパンドメタル厚みと導電層厚みの合計)は52μmであり、塗工部の貫通孔はほぼ導電塗料により閉塞された。更に、上記の正極スラリー〔1〕をダイコーターによって両面の導電層上に間欠塗工し、塗工部長さ13.2cm、未塗工部長さ10cmになるように正極の電極層をパターン成形し、プレス処理した後、正極全体の厚さ(両面の正極の電極層厚さと正極集電体〔1〕厚さの合計)が212μmである正極〔1〕を得た。さらに、同様にして塗工部長さ26.1cm、未塗工部10cmになるように正極の電極層をパターン成形し、プレス処理した後、正極全体の厚さ(両面の正極の電極層厚さと正極集電体〔1〕厚さの合計)が212μmである正極〔2〕を得た。
この正極〔1〕および正極〔2〕を作用極とし、対極、参照極としてリチウム金属、電解液として、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度にLiPF6 を溶解した溶液を用いた模擬セルを試作し、3.5V〜2.5V間の放電時間より正極〔1〕および正極〔2〕の単位質量当たりの静電容量を求めたところ、いずれも119F/gであった。
厚さ77μmの負極〔1〕を端部から10mmの位置に未塗工部を含むように幅5.6×長さ16.2cm2 にカットし、ニッケル製の端子を負極集電体の未塗工部上に配置し、負極集電体に超音波溶接により接続した。また、厚さ212μmの正極〔1〕を端部から10mmの位置に未塗工部を含むように幅5.4×長さ14.2cm2 にカットし、アルミニウム製の端子を正極集電体の未塗工部上に配置し、正極集電体に超音波溶接により接続した。さらに同様にして、負極〔2〕を幅5.6×長さ37.1cm2 にカットし、ニッケル製の端子を負極集電体の未塗工部上に配置し、負極集電体に超音波溶接により接続し、正極〔2〕を幅5.4×長さ27.1cm2 にカットし、アルミニウム製の端子を正極集電体の未塗工部上に配置し、正極集電体に超音波溶接により接続した。
セパレータとして厚さ35μmのセルロース/レーヨン混合不織布を用い、図18に従って、セパレータ(13A)に対し、芯棒(19)側から正極〔1〕、正極〔2〕の順で並設すると共に、セパレータ(13B)に対し、芯棒(19)側からリチウムイオン供給源〔1〕、負極〔1〕、リチウムイオン供給源〔2〕、負極〔2〕、リチウムイオン供給源〔3〕の順で並設して電極積重体を形成し、正極と負極の各端子が反対方向になるよう、当該電極積重体を一端から捲回し、最外周をテープ止めして電極捲回ユニット〔1〕を作製した。これを合計3本作製した。
なお、電極積重体においては、内周面に係るリチウムイオン供給源〔1〕として、捲回開始部に厚さ60μm×幅5.4×長さ1.1cm2 のリチウム金属1枚、間隙部に係るリチウムイオン供給源〔2〕として、厚さ60μm×幅5.4×長さ3.1cm2 のリチウム金属1枚、外周面に係るリチウムイオン供給源〔3〕として、厚さ120μm×幅5.4×長さ5.0cm2 のリチウム金属1枚を用い、これを予めセパレータに圧着し、さらにこれらのリチウム金属の上には、幅7.4cmの銅製エキスパンドメタル(リチウム極集電体)を各リチウム金属と同じ長さにカットして配置し、プレスすることにより圧着した。このため、リチウムイオン供給源を簡便に挿入することができた。
また、この電極捲回ユニット〔1〕において、内周面、外周面および捲回体の外周面におけるリチウム極非占有率は、いずれも0%とした。
上記の電極捲回ユニット〔1〕を、外径18mmφ、高さ65mmの鉄−ニッケルメッキ製外装缶の内部へ挿入し、負極端子と外装缶を缶底部にて抵抗溶接した後、缶上部に溝入れ加工を施した。続いて、缶上部にポリプロピレン製ガスケットを取り付けた後、正極端子と正極キャップを抵抗溶接した。
電解液としてプロピレンカーボネートに、1モル/Lの濃度にLiPF6 を溶解させた溶液を8g注液し、真空含浸させたところ、4分間を要した。
その後、正極キャップを被せて外装缶をかしめることにより、円筒型のリチウムイオンキャパシタセル〔1〕を3セル組み立てた。
リチウムイオンキャパシタセル〔1〕について、セル組み立て後4日間放置後に、1セル分解したところ、リチウム金属はいずれも完全に無くなっていた。このことから、セル組み立て後4日間で負極活物質の単位質量当たりに660F/g以上の静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断される。
リチウムイオンキャパシタセル〔1〕を、750mAの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、750mAの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電におけるセル容量およびエネルギー密度、内部抵抗を評価した。評価は、2セルの平均値である。結果を表1に示す。
〔負極の作製例2〕
負極の作製例1と同様にして負極スラリーを得、この負極スラリーを厚さ32μm(気孔率50%)の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる負極集電体の両面にダイコーターによって間欠塗工し、塗工部長さ49.3cm、未塗工部長さ10cmになるように負極の電極層をパターン成形し、プレス処理した後、負極全体の厚さ(両面の負極の電極層厚さと負極集電体厚さの合計)が77μmである負極〔3〕を得た。
一方、厚さ35μm(気孔率50%)のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)両面に、非水系のカーボン系導電塗料「EB−815」(日本アチソン株式会社製)を、ダイコーターによって両面に間欠塗工し、46.3cm、未塗工部長さ10cmになるように導電層をパターン成形し、乾燥することにより、正極集電体〔2〕を得た。全体の厚み(アルミニウム製エキスパンドメタル厚みと導電層厚みの合計)は52μmであり、塗工部の貫通孔はほぼ導電塗料により閉塞された。更に、正極の作製例1と同様にして得た正極スラリー〔1〕をダイコーターによって両面の導電層上に間欠塗工し、塗工部長さ46.3cm、未塗工部長さ10cmになるように正極の電極層をパターン成形し、プレス処理した後、正極全体の厚さ(両面の正極の電極層厚さと正極集電体〔2〕厚さの合計)が212μmである正極〔3〕を得た。
厚さ77μmの負極〔3〕を端部から10mmの位置に未塗工部を含むように幅5.6×長さ49.3cm2 にカットし、ニッケル製の端子を負極集電体の未塗工部上に配置し、負極集電体に超音波溶接により接続した。また、厚さ212μmの正極〔3〕を端部から10mmの位置に未塗工部を含むように幅5.4×長さ46.3cm2 にカットし、アルミニウム製の端子を正極集電体の未塗工部上に配置し、正極集電体に超音波溶接により接続した。
セパレータとして厚さ35μmのセルロース/レーヨン混合不織布を用い、図18において正極間隙部および負極間隙部を形成させず、一続きの帯状の負極および正極よりなる構成となるように電極積重体を形成し、正極、負極の各端子が反対方向になるよう、当該電極積重体を一端から捲回し、最外周をテープ止めして電極捲回ユニット〔2〕を作製した。これを合計3本作製した。
なお、電極積重体においては、内周面に係るリチウムイオン供給源として、捲回開始部に厚さ135μm×幅5.4×長さ1.1cm2 のリチウム金属1枚、外周面に係るリチウムイオン供給源として、厚さ135μm×幅5.4×長さ5.0cm2 のリチウム金属1枚を用い、これを予めセパレータに圧着し、さらにこれらのリチウム金属の上には、幅7.4cmの銅製エキスパンドメタル(リチウム極集電体)を各リチウム金属と同じ長さにカットして配置し、プレスすることにより圧着した。このため、リチウムイオン供給源を簡便に挿入することができた。
また、この電極捲回ユニット〔2〕において、内周面、外周面および捲回体の外周面におけるリチウム極非占有率は、いずれも0%とした。
上記の電極捲回ユニット〔2〕を、外径18mmφ、高さ65mmの鉄−ニッケルメッキ製外装缶の内部へ挿入し、負極端子と外装缶を缶底部にて抵抗溶接した後、缶上部に溝入れ加工を施した。続いて、缶上部にポリプロピレン製ガスケットを取り付けた後、正極端子と正極キャップを抵抗溶接した。
電解液としてプロピレンカーボネートに、1モル/Lの濃度にLiPF6 を溶解させた溶液を9g注液し、真空含浸させたところ、4分間を要した。
その後、正極キャップを被せて外装缶をかしめることにより、円筒型のリチウムイオンキャパシタセル〔2〕を3セル組み立てた。
リチウムイオンキャパシタセル〔2〕について、セル組み立て後4日間放置後に、1セル分解したところ、リチウム金属は30%程度残留していたため、さらに3日間放置後に、当該セルを分解したところ、完全に無くなっていた。このことから、セル組み立て後7日間で負極活物質の単位質量当たりに660F/g以上の静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断される。
リチウムイオンキャパシタセル〔2〕を、750mAの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、750mAの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電におけるセル容量およびエネルギー密度、内部抵抗を評価した。評価は、2セルの平均値である。結果を表2に示す。
〔電極捲回ユニットの作製例3〕
比較例1の電極捲回ユニットの作製例2において、内周面に係るリチウムイオン供給源として、厚さ60μm×幅5.4×長さ1.0cm2 のリチウム金属、外周面に係るリチウムイオン供給源として、厚さ140μm×幅5.4×長さ5.0cm2 のリチウム金属を用いると共に、電極積重体の負極に係る第1帯材と正極に係る第2帯材との間に、中間部に係るリチウムイオン供給源として、厚さ60μm×幅5.4×長さ3.1cm2 リチウム金属を負極に積重させて挿入して捲回したことの他は同様にして、電極捲回ユニット〔3〕を作製した。これを合計3本作製した。
なお、この電極捲回ユニット〔3〕において、内周面、外周面および捲回体の外周面におけるリチウム極非占有率は、いずれも0%とした。
上記の電極捲回ユニット〔3〕を、外径18mmφ、高さ65mmの鉄−ニッケルメッキ製外装缶の内部へ挿入し、負極端子と外装缶を缶底部にて抵抗溶接した後、缶上部に溝入れ加工を施した。続いて、缶上部にポリプロピレン製ガスケットを取り付けた後、正極端子と正極キャップを抵抗溶接した。
電解液としてプロピレンカーボネートに、1モル/Lの濃度にLiPF6 を溶解させた溶液を9g注液し、真空含浸させたところ、4分間を要した。
その後、正極キャップを被せて外装缶をかしめることにより、円筒型のリチウムイオンキャパシタセル〔3〕を3セル組み立てた。
リチウムイオンキャパシタセル〔3〕について、セル組み立て後4日間放置後に、1セル分解したところ、間隙部に若干のリチウム金属の痕跡が残っていたものの、ほぼ消失していた。このことから、セル組み立て後約4日間で負極活物質の単位質量当たりに660F/g以上の静電容量を得るためのリチウムイオンが予備充電されたと判断される。
リチウムイオンキャパシタセル〔3〕を、750mAの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、750mAの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電した。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、10回目の放電におけるセル容量およびエネルギー密度、内部抵抗を評価した。評価は、2セルの平均値である。結果を表3に示す。
また、充放電をさらに100回追加して1セルを分解したところ、中間部のリチウム極集電体上にデンドライト(樹状のリチウム金属)が発生していたことから、耐久性、および安全性にも問題があると考えられる。
従って、中間部にリチウム金属を配置させる場合には、実施例1に係るリチウムイオンキャパシタセル〔1〕のように、電極を分割してリチウム金属と正極が対向しない構成にする必要があると考えられる。
10A 電極積重体
11 正極
111,112 正極片
11S 正極間隙部
11a 正極集電体
11b 電極層
11c 下地層
12 負極
12S 負極間隙部
121,122 負極片
121α 余剰部分
12a 負極集電体
12b 電極層
12c 下地層
13A,13B セパレータ
16A〜16C リチウムイオン供給源
17 正極端子
18 負極端子
19 芯棒
20 外装容器
25 テープ
26a〜26c リチウム極集電体
30A 電極積重体
31 正極
31T スリット
36C リチウムイオン供給源
40 電極捲回ユニット
40A 電極積重体
41 正極
411,412 正極片
41S 正極間隙部
41Q 第1帯材
42 負極
43A,43B セパレータ
42Q 第2帯材
50 電極捲回ユニット
50A 電極積重体
51 正極
511,512 正極片
51S 正極間隙部
51Q 第2帯材
52 負極
521,522 負極片
52S 負極間隙部
52Q 第1帯材
53A,53B セパレータ
60 電極捲回ユニット
60A 電極積重体
61 正極
611,612 正極片
61S 正極間隙部
61Q 第2帯材
62 負極
62Q 第1帯材
63A,63B セパレータ
P 孔
Z 捲回体
S 間欠部
Claims (13)
- 表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な正極活物質を含有する電極層が形成されてなる正極と、表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を含有する電極層が形成されてなる負極とを有し、当該正極および当該負極がセパレータを介して積重されてなる電極積重体が、その一端から捲回されて構成された筒状の電極捲回ユニット、および、
リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液を備えてなり、
前記負極および/または前記正極と、リチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンおよび/またはアニオンが、当該負極および/または正極にドーピングされる捲回型蓄電源であって、
前記正極に正極間隙部が形成され、
前記正極間隙部、または、負極における当該正極間隙部に対向する位置に、当該正極と接触しない状態に少なくとも一つのリチウムイオン供給源が設けられることを特徴とする捲回型蓄電源。 - 前記電極捲回ユニットの内周面および/または外周面にリチウムイオン供給源が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の捲回型蓄電源。
- 前記リチウムイオン供給源は、正極および負極に対してセパレータを介してこれらに接触しない状態に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の捲回型蓄電源。
- リチウムイオン供給源は、リチウム極集電体に圧着または積重されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- リチウムイオン供給源が圧着または積重されたリチウム極集電体は多孔箔よりなることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- 前記正極間隙部または前記負極における当該正極間隙部に対向する位置に設けられたリチウムイオン供給源は、当該リチウムイオン供給源が覆うべき捲回体が負極最外周部にて覆われた後に挿入され捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- 電極捲回ユニットの内周面を構成するリチウムイオン供給源が捲回された捲回体が負極にて覆われた後に、正極が挿入され捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- 電極捲回ユニットの外周面を構成するリチウムイオン供給源は、当該リチウムイオン供給源が覆うべき捲回体が負極最外周部にて覆われた後に挿入され捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- 前記正極は、複数の正極片を有し、各正極片が互いに前記正極間隙部を介して配置されてなるものであることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- 前記正極は、スリットが形成されたものであり、当該スリットにより前記正極間隙部が構成されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- 前記負極は、前記正極の少なくとも一部と重畳されていることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- リチウムイオン二次電池であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
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