JP2012134236A - リチウムイオンキャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】低抵抗でエネルギー密度の大きいリチウムイオンキャパシタを提供する。
【解決手段】正極、負極活物質層を有する負極および電解液を備え、前記負極が、負極活物質層100質量%に対して、ケッチェンブラックを4質量%〜20質量%含有するリチウムイオンキャパシタであり、負極が、50%体積累積径(D50)が1.0〜10μmの範囲にある黒鉛を含み、前記正極と負極とを短絡させた後の正極電位が2.0V以下である。
【選択図】なし

Description

本発明は、低抵抗で高出力なリチウムイオンキャパシタに関する。
近年、高出力、高エネルギー密度の蓄電デバイスが市場で求められており、これに伴い、リチウムイオンキャパシタ等の蓄電デバイスの開発が行なわれている。
例えば特許文献1には、50%体積累積径(D50)が0.1〜2.0μmである負極活物質粒子から形成される負極を用いることで、低温特性を改善した高エネルギー密度、高出力なリチウムイオンキャパシタが開示されている。
特許文献2には、活性炭、カーボンブラックおよびバインダーを含み、これらの合計量に対し、比表面積1000m2/g以上のカーボンブラックが5重量%〜50重量%含まれる分極性電極を、正極、負極の少なくとも一方とする電気二重層キャパシタが開示されている。
また、特許文献3にはケッチェンブラック等を負極被膜中に含む高エネルギー密度のリチウムイオンキャパシタが開示されている。
特開2006−303330号公報 特開平9−275041号公報 特開2010−98020号広報
しかしながら、リチウムイオンキャパシタの更なる高出力化を図るためには、内部抵抗をより一層低減する必要がある。
ケッチェンブラックはストラクチャーが発達しており高い電子伝導性を有するが、比表面積の大きな材料であるため、従来リチウムイオン二次電池等では不可逆容量が大きくなることから、負極形成材料として用いることが困難であった。一方、リチウムイオンキャパシタではプレドープにより不可逆容量分を予め補うことができるため、負極形成材料として用いることが可能である。上記特許文献3では、リチウムイオンキャパシタの負極形成材料としてケッチェンブラックを用いることが記載されているが、その添加量が少量のため、内部抵抗の低減が不十分であった。
本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の態様で実現することができる。
本発明のリチウムイオンキャパシタは、正極、負極活物質層を有する負極および電解液を備え、前記負極が、負極活物質層100質量%に対して、ケッチェンブラックを4質量%〜20質量%含有する。
また、前記負極は、50%体積累積径(D50)が1.0〜10μmの範囲にある黒鉛を含むことが好ましい。
また、本発明のリチウムイオンキャパシタは、前記正極と負極とを短絡させた後の正極電位が2.0V以下であることが好ましい。
本発明によれば、電荷移動抵抗が小さく、高出力なリチウムイオンキャパシタを提供することができる。
図1は、本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタの一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタの一例を模式的に示す平面図である。 図3は、本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタの一例を示す概略図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明するが、下記の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
<リチウムイオンキャパシタ>
リチウムイオンキャパシタは、正極と、負極と、電解液とを備え、さらに必要によりリチウム極を備えた蓄電デバイスである。
前記正極および負極にはそれぞれ正極活物質、負極活物質が含まれることが好ましく、正極活物質にはリチウムイオンおよびアニオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能な物質、負極活物質にはリチウムイオンを可逆的にドープ・脱ドープ可能な物質をそれぞれ用いることが好ましい。
また、本発明のリチウムイオンキャパシタは、正極と負極とを短絡させた後の正極電位が好ましくは2.0V以下、好ましくは0.1〜1.5Vとなるように、リチウム極から負極電極と正極電極の少なくとも一方に、予め所定量のリチウムイオンを担持させておくことにより、容量をより大きくすることが好ましい。
なお、本発明で、正極と負極を短絡させた後の正極の電位が2.0V以下とは、以下の(A)または(B)のいずれかの方法で求められる正極の電位が2.0V以下の場合をいう。
(A)リチウムイオンをドーピングさせ、次いで、キャパシタセルの正極端子と負極端子とを電気的に接続(短絡)させた状態で12時間以上放置した後に短絡を解除し、短絡解除後0.5〜1.5時間内に測定した正極電位
(B)充放電試験機にて12時間以上かけて0Vまで定電流放電させ、次いで、正極端子と負極端子とを電気的に接続(短絡)させた状態で12時間以上放置した後に短絡を解除し、短絡解除後0.5〜1.5時間内に測定した正極電位
また、正極と負極とを短絡させた後の正極電位が2.0V以下となるリチウムイオンキャパシタは、例えば正極に活性炭、負極に炭素材料、およびリチウム塩を有機溶媒に溶解させた電解液を用いたハイブリッドキャパシタにおいて、負極に予め所定量のリチウムイオンをプレドープさせておくことで得ることができる。
図1は、本実施形態の一例であるリチウムイオンキャパシタ100を模式的に示す断面図である。なお、図1は、図2および図3のI−I'断面図である。
図2は、本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタ100を模式的に示す平面図である。なお、図2は、図3のリチウムイオンキャパシタ100の上面図(第2ラミネートフィルム3側から見た時の図)である。なお、図2では、便宜上、第2ラミネートフィルム3の下にある部分を点線で表示する。
図3は、本実施形態に係るリチウムイオンキャパシタ100を立体的に示す概略図である。
リチウムイオンキャパシタ100は、図1および図2に示すように、例えば、第1ラミネートフィルム1および第2ラミネートフィルム3を有するラミネート外装体5と、正極端子16と、負極端子26と、積層体50と、電解液と、を含む。積層体50は、正極10と、負極20と、リチウム極30と、セパレータ40とを含む。なお、図1では、便宜上、電解液の図示を省略している。
ラミネート外装体5の形状は、図2に示す例では矩形だが、特に限定されない。第1ラミネートフィルム1および第2ラミネートフィルム3としては、ポリプロピレンやナイロンなどの合成樹脂と、アルミニウム箔や銅箔などの金属箔とを積層したものなどが挙げられる。ラミネート外装体5内には、積層体50および電解液が収容されている。
正極端子16は、例えば、第1ラミネートフィルム1と第2ラミネートフィルム3との間に設けられている。正極端子16は、図2に示すようにラミネート外装体5の外周より外側に延出している。正極端子16には、正極リード18が電気的に接続されている。正極リード18は、正極端子16と、正極10の正極集電体12とを電気的に接続することができる。正極端子16および正極リード18の材質としては、アルミニウム、ステンレスなどが挙げられる。
負極端子26は、例えば、正極端子16と離間して、第1ラミネートフィルム1と第2ラミネートフィルム3との間に設けられている。負極端子26は、図2に示すようにラミネート外装体5の外周より外側に延出している。負極端子26には、負極リード28が電気的に接続されている。負極リード28は、負極端子26と、負極20の負極集電体22とを電気的に接続することができる。負極端子26および負極リード28の材質としては、銅、ステンレス、ニッケルなどが挙げられる。なお、図1に示す例では、正極端子16は、ラミネート外装体5の左側端部(一方側の端部)に設けられ、負極端子26は、ラミネート外装体5の右側端部(他方側の端部)に設けられているが、これら端子16および26の位置は、特に限定されない。
負極リード28は、さらに、リチウム極30のリチウム集電体32と、負極20の負極集電体22とを電気的に接続(短絡)することができる。このような構成により、ラミネート外装体5内に、電解液を注入して封止し、所定時間(例えば10日間)放置しておくと、リチウム極30のリチウム箔34は酸化され、電子が負極に流入することによりイオン化し、リチウムイオンとして電解液中に放出される。そして、リチウムイオンは、電気化学的に電解液を介して負極20にドープ(「プレドープ」)され、その結果、負極20の電位を下げることができる。
なお、リチウム箔34は、プレドープによって、電解液中にリチウムイオンを放出するが、図1では、電解液にリチウムイオンを放出する前のリチウム箔34を図示している。
積層体50は、ラミネート外装体5内に収容され、電解液に浸漬されている。図1に示す例では、積層体50は、第1ラミネートフィルム1の内側の底面から、セパレータ40、リチウム極30、負極20、正極10、負極20、正極10、負極20、リチウム極30、セパレータ40の順で積層され、極と極との間にセパレータ40を介することによって構成されている。すなわち、図1に示す例では、積層体50は、2層の正極10と、3層の負極20と、を有しているが、その数は特に限定されず、例えば、積層体50は、正極10および負極20を、それぞれ10層程度有していてもよい。同様に、リチウム極30の数および設置場所も特に限定されない。正極10、負極20、リチウム極30、およびセパレータ40は、シート状である。
なお、積層体50は、図1に示す例に限定されず、例えば、正極、負極、リチウム極、およびセパレータを重ねて積層シートを形成し、該積層シートを捲回させてなる捲回構造体でもよい。
以下、積層体50を構成する各部材について、説明する。
<正極>
正極10は、図1に示すように、正極集電体12と、正極活物質層14と、を含むことが好ましい。
正極集電体12としては、多孔性の金属箔を用いることが好ましい。正極集電体12としてより具体的には、表裏面を貫通する孔を備えたパンチングメタル、エキスパンドメタル、エッチング箔などの表裏面に貫通孔を形成した金属箔等を用いることができる。表裏面を貫通する孔を有するものであると、リチウムイオンは、正極集電体12を透過して移動することができる。そのため、リチウムイオンを、正極集電体12を透過して負極20にプレドープすることができる。正極集電体12の材質としては、アルミニウム、ステンレスなどが挙げられる。正極集電体12の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm〜50μmである。
正極活物質層14は、正極集電体12表面に形成される。図1に示す例では、正極活物質層14は、正極集電体12の両面に形成されているが、片面にのみ形成されていてもよい。正極活物質層14の厚みは、特に限定されないが、例えば、60μm〜90μmであり、好ましくは、70μm〜80μmである。
正極活物質層14は、例えば、粉末状の正極活物質、結着剤(バインダー)、および必要に応じて増粘剤等を水系溶媒または有機溶媒等の分散媒中に分散させてスラリーを調製し、該スラリーを正極集電体12の表面に塗布して乾燥させることにより形成される。
前記スラリーには、さらに、必要に応じて、正極導電助剤を混入させてもよい。
以下、正極活物質層14を構成する材料について説明する。
[正極活物質]
正極活物質は、ヘキサフルオロホスフェート(PF6 -)や、テトラフルオロボレート(BF4 -)のようなアニオンを可逆的に担持できる物質であることが好ましい。正極活物質は、例えば、リチウムイオンを担持できてもよい。正極活物質として具体的には、活性炭、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であるポリアセン系物質(PAS)などが挙げられ、活性炭が好ましい。以下では、正極活物質として活性炭を用いる場合について説明する。
活性炭の比表面積は、1900m2/g〜2800m2/gであることが好ましく、さらに、1950m2/g〜2600m2/gであることが好ましい。また、活性炭の50%体積累積径(D50)(平均粒子径)は、活性炭の充填密度の観点から、2μm〜8μmが好ましく、特に3μm〜8μmが好ましい。
活性炭の比表面積およびD50が前記範囲にあると、リチウムイオンキャパシタのエネルギー密度をさらに向上させることができる。なお、本実施形態における50%体積累積径(D50)の値は、例えば、マイクロトラック法により求められる。
活性炭の原材料としては、フェノール樹脂、石油コークス、石油ピッチ、ヤシガラ、石炭系コークスなどが挙げられる。その中でも、フェノール樹脂または石炭系コークスを用いると、比表面積を大きくすることができるため好ましい。活性炭は、例えば原材料を、焼成して炭化処理し、次に賦活処理し、次いで粉砕することで得られる。
正極活物質の配合量は、特に制限されないが、正極活物質層全体を100質量%としたときに70〜95質量%であることが好ましく、80〜90質量%であることがより好ましい。
[結着剤(バインダー)]
結着剤(バインダー)としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やスチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素アクリル樹脂などを使用することができるが、フッ素アクリル樹脂を用いることが好ましい。フッ素アクリル樹脂は、より具体的には、フッ化ビニリデン(VDF)および六フッ化プロピレン(HFP)等を含有する単量体成分から得られる含フッ素重合体と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル類および官能基含有不飽和単量体等を含有する単量体成分から得られるアクリル重合体とを複合化した複合化重合体などが好ましい。前記複合化重合体は、例えば、含フッ素重合体をシードとしたアクリル重合体のシード重合により得ることができる。
フッ素アクリル樹脂は、電解液として非プロトン性有機溶媒を用いる際に、例えばセルロース等に比べて、該溶媒に対して膨潤しにくい。これは、フッ素アクリル樹脂は、乾燥時に樹脂状に硬化し、結果として電解液の過度の浸透を抑制する効果があるためであると考えられるからである。
また、電解液中において、フッ素アクリル樹脂は、例えばフッ素原子を含まないアクリル樹脂バインダーや、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などのフッ素系バインダーに比べても、膨潤しにくい。これは、フッ素アクリル重合体が複合化重合体である場合には、含フッ素重合体とアクリル重合体との複合化によりSP(Solubility Parameter)値が変化し、電解液との親和性が変化するためであると考えられるからである。
また、複合化により、耐電位性の向上効果も期待できる。結着剤としてフッ素アクリル樹脂を用いることにより、正極活物質層14を安定して正極集電体12に結着させることができる。
なお、フッ素アクリル樹脂に、SBR(styrene butadiene rubber)等のゴム系バインダー;ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂などを混合させて、結着剤としてもよい。
結着剤の使用量は、例えば、正極活物質に対して、5質量%以上15質量%以下であることが好ましく、6質量%以上12質量%以下であることがより好ましい。
[増粘剤]
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリエチレングリコール(PEG)などが挙げられる。これらは、特に正極製造時に使用され得る水系塗料を作製する際に必要に応じて使用されることが好ましく、1種単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。増粘剤の使用量は、例えば、正極活物質に対して、1質量%〜10質量%であることが好ましく、さらには、4質量%〜10質量%であることがより好ましい。
[正極導電助剤]
正極導電助剤としては、アセチレンブラック、グラファイト、ケッチェンブラック、金属粉末などを用いることができる。導電助剤の使用量は、例えば、正極活物質に対して、1質量%〜10質量%程度であることが好ましい。
[分散媒]
前記正極を製造する際に用いられ得る分散媒としては、正極活物質、結着剤および必要に応じて増粘剤等を分散することができれば特に制限されないが、水等が挙げられる。
<負極>
負極20は、図1に示すように、負極集電体22と、負極活物質層24と、を含むことが好ましい。
負極集電体22としては、多孔性の金属箔を用いることが好ましい。負極集電体22としてより具体的には、表裏面を貫通する孔を備えたパンチングメタル、エキスパンドメタル、エッチング箔などの表裏面に貫通孔を形成した金属箔等を用いることができる。負極集電体22の材質としては、銅、ステンレス、ニッケルなどが挙げられる。負極集電体22の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm〜50μmである。
負極活物質層24は、負極集電体22表面に形成される。図1に示す例では、負極活物質層24は、負極集電体22の両面に形成されているが、片面にのみ形成されていてもよい。負極活物質層24の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm〜40μmである。
負極活物質層24は、例えば、粉末状の負極活物質、導電助剤、結着剤(バインダー)、および必要に応じて増粘剤等を水系溶媒または有機溶媒等の分散媒中に分散させてスラリーを調製し、該スラリーを負極集電体22の表面に塗布して乾燥させることにより形成される。
以下、負極活物質層24を構成する材料について説明する。
[負極活物質]
負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵および放出可能な物質であることが好ましい。負極活物質としてより具体的には、黒鉛(グラファイト)、難黒鉛化炭素、PASなどが挙げられる。これらの中でも、出力向上の点から50%体積累積径(D50)が1.0〜10μmの範囲にある黒鉛が好ましく、D50が2〜5μmの範囲にある黒鉛がより好ましい。
なお、前記50%体積累積径(D50)は、粒度分布測定装置を用いて測定した値である。
前記負極活物質の配合量は、特に制限されないが、負極活物質層全体を100質量%としたときに70〜95質量%であることが好ましく、80〜90質量%であることがより好ましい。
[結着剤(バインダー)、増粘剤]
負極活物質層24を形成する際に用いられる結着剤および増粘剤としては、例えば、前記正極活物質層14を形成する際に用いられ得る結着剤および増粘剤として挙げた化合物を挙げることができる。
結着剤の使用量は、例えば、負極活物質に対して、2質量%以上15質量%以下であることが好ましく、3質量%以上12質量%以下であることがより好ましい。
増粘剤の使用量は、例えば、負極活物質に対して、1質量%〜10質量%であることが好ましく、さらには、2質量%〜10質量%であることがより好ましい。
[負極導電助剤(ケッチェンブラック)]
前記負極活物質層には、負極導電助剤として、ケッチェンブラックが含まれる。ケッチェンブラックの含有量は、負極活物質層100質量%に対して、4質量%〜20質量%であり、好ましくは5.5質量%〜20質量%であり、より好ましくは7質量%〜20質量%である。
負極活物質層にケッチェンブラックが前記量で含まれていることで、負極のクーロン効率が高く、リチウムイオンキャパシタの直流抵抗が小さいなどのキャパシタ特性にバランス良く優れる、電荷移動抵抗が小さく、高出力なリチウムイオンキャパシタを得ることができる。
ケッチェンブラックの含有量が前記範囲を超えると、副反応が多くなり、得られるリチウムイオンキャパシタにガスが発生するおそれがあり、ケッチェンブラックの含有量が前記範囲未満であると、得られるリチウムイオンキャパシタが直流抵抗の大きいものとなるおそれがある。
[その他の負極導電助剤]
前記活物質層は、ケッチェンブラックの他にその他の負極導電助剤を含んでもよい。その他の負極導電助剤としては、アセチレンブラック、グラファイト、金属粉末などが挙げられる。その他の負極導電助剤の含有量は、例えば、負極活物質層100質量%に対して、好ましくは1質量%〜20質量%であり、より好ましくは2質量%〜18質量%である。
なお、活物質層にグラファイトが含まれる場合、グラファイトは活物質および導電助剤として用いられるので、グラファイトの含有量は、負極活物質層全体を100質量%としたときに70〜95質量%であることが好ましく、80〜90質量%であることがより好ましい。
[分散媒]
前記正極を製造する際に用いられ得る分散媒としては、正極活物質、結着剤および必要に応じて増粘剤等を分散することができれば特に制限されないが、水等が挙げられる。
<リチウム極>
リチウム極30は、図1に示すように、リチウム極集電体32と、リチウム箔34とを含むことが好ましい。
リチウム極集電体32としては、多孔性の金属箔、金属網等を用いることが好ましい。リチウム極集電体32の材質としては、リチウムイオンと反応しない材料が好ましく、具体的には、銅、ステンレスなどが挙げられる。リチウム極集電体32の厚みは、特に限定されないが、例えば、10μm〜200μmである。
リチウム箔34は、例えば金属リチウムなど、リチウムイオンの供給源として機能することができる材料であり、リチウム極集電体32の少なくとも一方の面に圧着または蒸着されていることが好ましい。すなわち、リチウム極集電体32と負極集電体22とを電気的に接続(短絡)させた状態で電解液に浸漬させることにより、リチウム箔34は酸化され、電子が負極に流入することによりイオン化し、リチウムイオンとして電解液中に放出される。そして、リチウムイオンは、電気化学的に電解液を介して負極活物質層24にプレドープされる。リチウム箔34の厚みは、特に限定されないが、例えば、1μm〜300μmであればよく、好ましくは1μm〜200μm、更に好ましくは10μm〜200μmである。
なお、プレドープは、正極活物質層14および負極活物質層24の少なくとも一方に対して行われてもよいが、工程の煩雑性やリチウムイオンキャパシタの容量等を考慮すると、リチウムイオンのプレドープは、負極活物質層24に対してのみ行うことが好ましい。
<セパレータ>
セパレータ40としては、電解液、正極活物質、および負極活物質に対して耐久性がある多孔性材料を用いることができる。セパレータ40としてより具体的には、セルロース、レーヨン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド樹脂、アミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、ポリイソシアヌレート、セルロース/レーヨンなどからなる不織布や多孔質のフィルムなどを用いることができる。セパレータ40の厚みは、特に限定されないが、例えば、20μm〜50μmである。セパレータ40は、正極10、負極20、およびリチウム極30を互いに隔離することができる。また、セパレータ40は、電解液が浸潤することが好ましい。
<電解液>
電解液としては、リチウム塩等の支持電解質を電解質とし、非プロトン性有機溶媒を溶媒とする電解液が好ましい。電解液には、さらに、必要に応じて任意の添加剤を混入させてもよい。非プロトン性有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルケトン、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホランなどが挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
[支持電解質]
支持電解質としては、リチウム塩からなる化合物であることが好ましい。リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiN(C25SO22などが挙げられる。電解液中のリチウム塩の濃度は、例えば、0.5モル/l〜1.5モル/lである。
[任意の添加剤]
任意の添加剤としては、特に制限されないが、下記式(1)で表される化合物などを挙げることができる。
電解液には、下記式(1)で表される化合物が含まれることが好ましい。下記式(1)で表される化合物を電解液中に0.05〜0.5wt%の範囲で添加することで適切な抵抗値のリチウムイオンキャパシタを作製することができる。
下記式(1)で表される化合物は、Mが遷移金属または第13〜第15属元素である化合物が好ましく、MがPまたはBであるリン酸誘導体またはホウ酸誘導体であることがより好ましい。
Figure 2012134236
式(1)において、R1は、ハロゲン原子を示し、R2は、メチレン基、炭素数2〜10の置換基を有していてもよい、アルキレン基またはハロゲン化アルキレン基、もしくは、炭素数6〜20の、アリーレン基またはハロゲン化アリーレン基(これらのアルキレンとアリーレンはいずれも、置換基またはヘテロ原子を含んでいてもよく、また、q個のR2がそれぞれ結合していても良い)を示し、X1およびX2はそれぞれ独立に、ヘテロ原子またはNR3(R3は、水素原子、炭素数1〜10の、アルキル基またはハロゲン化アルキル基、もしくは炭素数6〜20の、アリール基またはハロゲン化アリール基(これらのアルキレンとアリーレンはいずれも、置換基またはヘテロ原子を含んでいても良い)を示し、Mは、遷移金属または第13〜第15属元素を示し、Aa+は、金属イオン、プロトンまたはオニウムイオンを示し、nは、0〜8の整数を示し、mは、1〜4の整数を示し、aとbは、1〜3の整数を示し、qは、1〜4の整数を示し、pは、p=b/aを示す。
上記式(1)で表わされる化合物としては、下記式(2)で表される化合物(リチウムビス(オキサラト)ボレート、下記式(3)で表される化合物(リチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート)であることが好ましい。
Figure 2012134236
Figure 2012134236
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
[バインダーの合成方法]
含フッ素重合体の合成を、次のとおり行った。電磁式撹拌機を備えた内容積約6リットルのオートクレーブの内部を十分に窒素置換した後、該オートクレーブ内に脱酸素した純水2.5リットル、および乳化剤としてパーフルオロデカン酸アンモニウム25gを仕込み、350rpmで撹拌しながら60℃まで昇温させた。次いで、フッ化ビニリデン(VDF)70%、および六フッ化プロピレン(HFP)30%からなる混合ガスを、内圧が20kg/cm2Gに達するまで仕込んだ。その後、重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネートを20%含有するフロン113溶液25gを、窒素ガスを使用して圧入し、重合を開始させた。重合中は、内圧が20kg/cm2Gに維持されるようVDF60.2%およびHFP39.8%からなる混合ガスを逐次圧入した。また、重合が進行するに従って重合速度が低下するため、3時間経過後に、先と同量の重合開始剤を、窒素ガスを使用して圧入し、さらに3時間反応を継続させた。その後、反応液を冷却すると共に撹拌を停止し、未反応の単量体を放出して反応を停止させ、含フッ素重合体よりなる微粒子を含有するラテックスを得た。
次に、(メタ)アクリル重合体の重合工程を、次のとおり行った。容量7リットルのセパラブルフラスコの内部を十分に窒素置換した後、該フラスコ内に得られた上記のラテックス10質量部(固形分換算)、重合性乳化剤「アデカリアソープSR1025」(旭電化社製)0.1質量部、メタクリル酸メチル(MMA)9質量部、アクリル酸(AA)0.4質量部および水170質量部を仕込み、さらに、重合開始剤として過硫酸カリウム0.3質量部および亜硫酸ナトリウム0.1質量部を投入し、50℃で2時間反応させた。
一方、別の容器に水80質量部、「アデカリアソープSR1025」(旭電化社製)0.5質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(2EHA)54質量部、メタクリル酸メチル17質量部、スチレン(ST)9質量部およびアクリル酸0.6質量部を投入して混合し、均一に乳化させて乳化液を得た。この乳化液を先のセパラブルフラスコに投入し、50℃で3時間、さらに80℃で1時間反応させた。その後、冷却して反応を停止させ、水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調節し、消泡剤として「ノプコNXZ」(サンノプコ社製)0.05質量部を投入することにより、重合体粒子が含有された水系分散体(以下「フッ素アクリル樹脂(1)」ともいう。)を得た。得られた水系分散体は、正極および負極用の結着剤として用いた。
(実施例1:S1)
<正極>
[正極スラリーの調製方法]
正極活物質として比表面積2100m2/gの市販の活性炭粉体85質量%、導電助剤としてアセチレンブラック粉体5.5質量%、結着剤としてフッ素アクリル樹脂(1)5.5質量%、増粘剤としてCMC4質量%をイオン交換水に分散させ、混合攪拌機にて充分混合することにより正極スラリーを得た。
[正極の製造方法]
正極集電体として厚さ35μm(気孔率50%)のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)の両面に、非水系のカーボン系導電塗料(日本アチソン株式会社製:EB−815)をスプレー方式にてコーティングし、乾燥させた。正極集電体の貫通孔は、ほぼ導電塗料により閉塞された。正極集電体と導電塗料との合計の厚みは、52μmであった。
次いで、得られた導電塗料を塗布した正極集電体の両面に、上記の正極スラリーをロールコーターにて塗布した後プレスすることにより、厚さ180μmの正極(1)を製造した。
<負極>
[負極スラリーの調製方法]
粒度分布測定装置LA920(HORIBA製作所)を用いて測定した50%体積累積径(D50)が5μmの黒鉛87.5質量%、面積が1270m2/gで中空率が78%のケッチェンブラック粉体(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製(商品名:ECP600JD))5.5質量%、CMC3質量%、およびフッ素アクリル樹脂(1)4質量%を加えて分散させ、混合攪拌機にて充分混合することで負極スラリー(1)を得た。尚、ケッチェンブラックの含有量は負極活物質層の全質量に対して、5.5質量%となる。
[負極の製造方法]
負極集電体として厚さ32μm(気孔率50%)の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)両面に、上記の負極スラリー(1)をダイコーターにて塗布し、乾燥させることで負極(1)を製造した。負極の厚みは、80μmであった。なお、乾燥後の負極をφ13mmの大きさに打ち抜き、負極重量を測定した。集電体の重量を差し引き、負極活物質層の密度を算出した。
[負極単極セルの製造方法]
以上の手順で作成した負極(1)を縦×横が2.6×4.0cm2の大きさに1枚カットし、対極として同じ大きさで厚さ150μmの金属リチウムを厚さ80μmの銅網(リチウム極集電体)に圧着したリチウム極を2枚準備した。該負極1枚と該リチウム極2枚とを、セパレータとしてセルロース/レーヨン混合不織布を介して交互に積層し、第1積層シートを得た。
負極リードを介して、負極集電体とニッケル製負極端子とを電気的に接続させ、リチウム極リードを介して、リチウム極集電体とニッケル製リチウム極端子とを電気的に接続させた。尚、ニッケル製端子の大きさは、幅5mm、長さ20mm、厚さ100μmであり、負極リードの接続、およびリチウム極リードの接続は、超音波溶接によって行った。
次に、第1積層シートを、絞り領域の縦×横が3×6.4cm2で高さが1mmである深絞りした外装容器(第1ラミネートフィルム)の内部へ設置し、封口板として矩形のラミネートフィルム(第2ラミネートフィルム)で外装容器の開口を覆い、ラミネートフィルムの3辺と外装容器とを融着した。続いて、電解液(エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートを重量比で1:1とした混合溶媒に、1モル/lの濃度となるようにLiPF6を溶解させた溶液)を真空含浸させた。その後に、ラミネートフィルムの残りの1辺と、外装容器とを融着させた。以上の工程により、負極単極セルを作製した。
[負極単極セル特性評価]
該負極単極セルに対して、10mA定電流で0Vまで充電し、0Vに到達後、定電圧にて24hr充電し続けた。その後、1mA定電流にて1.5Vまで放電することで、該負極の充電容量、放電容量、クーロン効率を求めた。結果を表1に示す。
[リチウムイオンキャパシタ3極式セルの製造方法]
次に、前記負極(1)を縦×横が2.6×4.0cm2の大きさに6枚カットし、前記正極(1)を縦×横が2.4×3.8cm2の大きさに5枚カットした。そして、積層した際の積層体の最外部が負極となるように、セパレータ(厚さ35μmのセルロース/レーヨン混合不織布)を介して、負極および正極を交互に積層し積層体を得た。次いで、セパレータとして、厚さ35μmのセルロース/レーヨン混合不織布を、得られた積層体の最外部(最上面と最下面)に各1枚配置してポリイミドテープで固定し蓄電デバイス要素を得た。次に、正極リードを介して、正極集電体とアルミニウム製正極端子とを電気的に接続させ、負極リードを介して、負極集電体とニッケル製負極端子とを電気的に接続させた。正極リードの接続、および負極リードの接続は、超音波溶接によって行った。正極端子および負極端子の大きさは、幅5mm、長さ20mm、厚さ100μmとした。
リチウム極としては、リチウム箔(厚さ150μm、縦×横が2.6×4.0cm2)を、厚さ80μmの銅網(リチウム極集電体)に圧着したものを用いた。該リチウム極が、前記蓄電デバイス要素の最外部のセパレータと対向するように、蓄電デバイス要素の最外部(最下部)に1枚配置して積層体(1)を得た。次に、リチウム極リードを介して、リチウム極集電体とニッケル製リチウム極端子とを電気的に接続した。リチウム極リードの接続は、超音波溶接によって行った。リチウム極端子の大きさは、幅5mm、長さ20mm、厚さ100μmとした。
得られた積層体(1)を、絞り領域の縦×横が3×6.4cm2で高さが3mmである深絞りした外装容器(第1ラミネートフィルム)の内部へ設置し、封口板として矩形のラミネートフィルム(第2ラミネートフィルム)で外装容器の開口を覆い、ラミネートフィルムの3辺と外装容器とを融着した。次に、電解液(エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートを重量比で1:1とした混合溶媒に、1モル/lの濃度となるようにLiPF6を溶解させた溶液)を真空含浸させた。その後に、ラミネートフィルムの残りの1辺と、外装容器とを融着させた。以上の工程により、リチウムイオンキャパシタ3極式セルを作製した。
[リチウムイオンキャパシタ3極式セルの評価]
得られたリチウムイオンキャパシタ3極式セルにおいて、最初にプレドープを実施した。プレドープ量は、上記負極単極セル評価における充電容量の75%相当とし、リチウム極から負極へ10mA定電流にて0Vまで充電し、0Vに到達後、定電圧にて充電し続け、所定量のリチウムイオンがドープされた時点を終了とした。
次に、該リチウムイオンキャパシタ3極式セルの正極、負極間にて、200mAの定電流でセル電圧が3.8Vになるまで充電し、その後3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を1時間行った。次いで、200mAの定電流でセル電圧が2.2Vになるまで放電させた(以下「3.8V−2.2Vのサイクル」ともいう。)。この3.8V−2.2Vのサイクルを繰り返し、3回目の放電においてセル容量および直流抵抗を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2:S2)
負極スラリーの調製方法において、黒鉛89質量%、CMC3質量%、フッ素アクリル樹脂(1)4質量%およびケッチェンブラック4質量%を加えて分散させ、負極スラリーを調製した以外は実施例1と同様に負極単極セルおよびリチウムイオンキャパシタ3極式セルを製造し、実施例1と同様の測定を実施した。結果を表1に示す。
(実施例3:S3)
負極スラリーの調製方法において、黒鉛86質量%、CMC3質量%、フッ素アクリル樹脂(1)4質量%およびケッチェンブラック7質量%を加えて分散させ、負極スラリーを調製した以外は実施例1と同様に負極単極セルおよびリチウムイオンキャパシタ3極式セルを製造し、実施例1と同様の測定を実施した。結果を表1に示す。
(実施例4:S4)
負極スラリーの調製方法において、黒鉛73質量%、CMC3質量%、フッ素アクリル樹脂(1)4質量%およびケッチェンブラック20質量%を加えて分散させ、負極スラリーを調製した以外は実施例1と同様に負極単極セルおよびリチウムイオンキャパシタ3極式セルを製造し、実施例1と同様の測定を実施した。結果を表1に示す。
(実施例5:S5)
負極スラリーの調製方法において、黒鉛81質量%、CMC3質量%、フッ素アクリル樹脂(1)4質量%およびケッチェンブラック12質量%を加えて分散させ、負極スラリーを調製した以外は実施例1と同様に負極単極セルおよびリチウムイオンキャパシタ3極式セルを製造し、実施例1と同様の測定を実施した。結果を表1に示す。
(実施例6:S6)
電解液に上記式(2)で示される化合物を0.2質量%添加した以外は実施例4と同様に負極単極セルおよびリチウムイオンキャパシタ3極式セルを製造し、実施例4と同様の測定を実施した。結果を表1に示す。
(比較例1:C1)
負極スラリーの調製方法において、黒鉛90質量%、CMC3質量%、フッ素アクリル樹脂(1)4質量%およびケッチェンブラック3質量%を加えて分散させ、負極スラリーを調製した以外は実施例1と同様に負極単極セルおよびリチウムイオンキャパシタ3極式セルを製造し、実施例1と同様の測定を実施した。結果を表1に示す。
(比較例2:C2)
負極スラリーの調製方法において、黒鉛68質量%、CMC3質量%、フッ素アクリル樹脂(1)4質量%およびケッチェンブラック25質量%を加えて分散させ、負極スラリーを調製した以外は実施例1と同様に負極単極セルおよびリチウムイオンキャパシタ3極式セルを製造し、実施例1と同様の測定を実施した。結果を表1に示す。
(比較例3:C3)
上記負極スラリー(1)に代えて、D50が5μmの黒鉛87.5質量%、アセチレンブラック5.5質量%、CMC3質量%、およびフッ素アクリル樹脂4質量%を加えて分散させ、混合攪拌機にて充分混合することで得られたスラリーを用いた以外は実施例1と同様に負極単極セルおよびリチウムイオンキャパシタ3極式セルを製造し、実施例1と同様の測定を実施した。結果を表1に示す。
尚、表1の充電容量、セル容量、直流抵抗に関しては、実施例1を100と規格化して他の実施例、比較例を相対値で示した。
総合判断結果は、クーロン効率が40.0%以上、且つ、直流抵抗値が150(mΩ)以下の条件を満たす場合を「○」とし、それ以外は「×」とした。
Figure 2012134236
なお、実施例1〜6の3極式セルにおいて、正極と負極とを短絡させた後の正極電位を測定したところ、いずれも2.0V以下であった。
実施例1〜6は、クーロン効率、充放電容量および直流抵抗等のキャパシタ特性にバランス良く優れる結果となった。なお、実施例4は、若干ガスが発生したが、実用上問題ない。実施例6は、添加剤を添加することで、ガスの発生が殆ど見られず良好であった。
比較例1は、負極活物質層中にケッチェンブラックの含有量が少ないため、負極のクーロン効率は高くなり、ガス発生はしにくくなるものの、直流抵抗値が大きくなった。
比較例2は、負極活物質層中にケッチェンブラックの含有量が多いため、負極のクーロン効率が40%を下回り、副反応が多くなることからガスの発生が起こり、セルが膨張した。
比較例3は、負極導電助剤としてアセチレンブラックを使用したため、直流抵抗が大きくなった。
以上のことから、リチウムイオンキャパシタの高出力化等を図る場合は、負極の導電助剤として、ケッチェンブラックを特定量で用いることが好ましいことが分かる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
1:第1ラミネートフィルム、3:第2ラミネートフィルム、5:ラミネート外装体、
10:正極、12:正極集電体、14:正極活物質層、16:正極端子、18:正極リード、
20:負極、22:負極集電体、24:負極活物質層、26:負極端子、28:負極リード、
30:リチウム極、32:リチウム極集電体、34:リチウム箔、
40:セパレータ、
50:積層体、
100:リチウムイオンキャパシタ

Claims (3)

  1. 正極、負極活物質層を有する負極および電解液を備え、
    前記負極が、負極活物質層100質量%に対して、ケッチェンブラックを4質量%〜20質量%含有するリチウムイオンキャパシタ。
  2. 前記負極が、50%体積累積径(D50)が1.0〜10μmの範囲にある黒鉛を含むことを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオンキャパシタ。
  3. 前記正極と負極とを短絡させた後の正極電位が2.0V以下である請求項1または2に記載のリチウムイオンキャパシタ。
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