JP2010155074A - ゴルフクラブの選択方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離自在なゴルフクラブによるゴルフボールの打撃前後におけるゴルフクラブヘッドの挙動を測定して、多種のヘッドとシャフトの組み合わせの中から適正な組み合わせを効率良く選択することができ、その結果、適正なゴルフクラブヘッドを効率良く選択することができるゴルフクラブの選択方法を提供する。
【解決手段】本発明は、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離自在なゴルフクラブの選択方法であって、ゴルフクラブを用いてゴルフボールを打撃し、計測装置により、この打撃前後のゴルフクラブヘッドの挙動を少なくとも測定する工程と、測定されたゴルフクラブヘッドの挙動に基づいて、処理装置により、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとの組み合せを選択する工程とを有する。
【選択図】図15

Description

本発明は、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離自在なゴルフクラブを用いたゴルフクラブの選択方法に関し、特に、ゴルフボールの打撃(インパクト)前後におけるゴルフクラブヘッドの挙動を測定し、このゴルフクラブヘッドの挙動に基づいてゴルフクラブヘッドを選択するゴルフクラブの選択方法に関するものである。
ゴルフクラブにおいて、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとは接着により接合されるのが、一般的である。
しかし、試打を目的として、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとを交換可能にするために、ゴルフクラブシャフトをゴルフクラブヘッドにボルトなどにより結合したものが提案されている。
このようなボルトなどによりゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが結合されたゴルフクラブを用いて試打を行い、ゴルフクラブヘッドまたはゴルフクラブシャフトを変えて、試打したゴルファにとって最適なゴルフクラブを選択することがなされている。
また、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトの組み合わせは極めて多くなることから、上述のように、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとを交換可能とし、ゴルフクラブヘッドまたはゴルフクラブシャフトを変えて試打することができるものの、ゴルフクラブの選択は、打球方向もしくは飛距離、またはゴルファのフィーリングに基づいて成されているのが現状である。このように、ゴルフクラブの選択は、試打した際のゴルフクラブヘッドの挙動に基づいていない。このため、必ずしも、ゴルファにとって最適なゴルフクラブが選択されていないという問題点がある。
極めて多くのゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトの組み合わせの中から、ゴルファにとって最適な組み合わせを選択することは極めて困難である。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離自在なゴルフクラブによるゴルフボールの打撃前後におけるゴルフクラブヘッドの挙動を測定して、多種のヘッドとシャフトの組み合わせの中から適正な組み合わせを効率良く選択することができ、その結果、適正なゴルフクラブヘッドを効率良く選択することができるゴルフクラブの選択方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離自在なゴルフクラブの選択方法であって、ゴルフクラブを用いてゴルフボールを打撃し、計測装置により、この打撃前後のゴルフクラブヘッドの挙動を少なくとも測定する工程と、前記測定されたゴルフクラブヘッドの挙動に基づいて、処理装置により、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとの組み合せを選択する工程とを有することを特徴とするゴルフクラブの選択方法を提供するものである。
本発明の第2の態様は、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離自在なゴルフクラブを用いたゴルフクラブの選択方法であって、ゴルフクラブを用いてゴルフボールを打撃し、計測装置により、この打撃前後のゴルフクラブヘッドの挙動を少なくとも測定する工程と、前記測定されたゴルフクラブヘッドの挙動に基づいて、処理装置により、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとの組み合せを選択する工程とを有することを特徴とするゴルフクラブの選択方法を提供するものである。
本発明においては、前記ゴルフクラブヘッドの挙動を測定するとき、前記ゴルフクラブヘッドに、再帰反射部材により構成された第1のマーカが少なくとも2つフェース面以外の部分に設けられており、前記各第1のマーカを測定することにより、前記ゴルフクラブヘッドの挙動を測定することが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブヘッドの挙動を測定する工程は、ゴルフクラブヘッドの移動速度、ゴルフクラブヘッドの移動方向、ゴルフクラブヘッドの向き、およびゴルフクラブヘッドの回転速度の少なくとも1つを測定することが好ましい。
さらに、本発明においては、前記ゴルフクラブヘッドの挙動の測定には、前記ゴルフクラブヘッドの加速度の大きさおよび向きを検出する加速度センサが用いられることが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブヘッドの挙動の測定には、前記ゴルフクラブヘッドの位置と向きを検出する磁気センサが用いられることが好ましい。
さらにまた、本発明においては、前記ゴルフクラブヘッドの挙動の測定には、複数のドップラーレーダを用いることが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブヘッドの挙動の測定には、ゴルフクラブヘッドに向けてレーダ波を照射する照射手段を1つ備え、前記ゴルフクラブヘッドで反射した前記レーダ波の跳ね返り波を受信する受信手段を複数備えたドップラーレーダを用いることが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブヘッドの挙動を少なくとも測定する工程は、ゴルフクラブシャフトの挙動を測定する工程を含むものであり、前記ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとの組み合せを選択する工程は、前記測定されたゴルフクラブヘッドの挙動および前記ゴルフクラブシャフトの挙動に基づいて、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとの組み合せを選択するものであることが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブヘッドの挙動の測定と、前記ゴルフクラブシャフトの挙動の測定とは同時になされることが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトの挙動を測定する工程においては、前記ゴルフクラブシャフトに、再帰反射部材により構成された第2のマーカが少なくとも2つ所定の距離をあけて設けられており、前記各第2のマーカを測定することにより、前記ゴルフクラブシャフトの挙動を測定することが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトの挙動を測定する工程は、ゴルフクラブシャフトの移動速度、ゴルフクラブシャフト上の複数の点の速度差もしくは速度比、ゴルフクラブシャフトのねじれ角、およびゴルフクラブシャフトのたわみ量の少なくとも1つを測定することが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトの挙動の測定には、前記ゴルフクラブシャフトの加速度の大きさおよび向きを検出する加速度センサが用いられることが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトの挙動の測定には、前記ゴルフクラブシャフトのグリップ端に設けられ、前記グリップ端の位置と向きを検出する磁気センサが用いられることが好ましい。
さらにまた、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフトの挙動の測定には、複数のドップラーレーダを用いることが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブヘッドの挙動の測定には、ゴルフクラブヘッドに向けてレーダ波を照射する照射手段を1つ備え、前記ゴルフクラブヘッドで反射した前記レーダ波の跳ね返り波を受信する受信手段を複数備えたドップラーレーダを用いることが好ましい。
本発明においては、前記処理装置により、前記測定されたゴルフクラブヘッドの挙動から、ゴルフボール打撃直前のゴルフクラブヘッドの水平面に対する上下方向の進入角の値と、前記水平面に平行な平面上における、ゴルフボール打撃直前のゴルフクラブヘッドの左右方向の進入角の値とを算出し、前記左右方向の進入角の値が0度の位置、および前記上下方向の進入角の値が0度の位置を基準として、得られた前記上下方向の進入角の値と、前記左右方向の進入角の値とに基づいて、ゴルフスウィングを4つタイプのうち、いずれかに分類する工程と、前記処理装置により、この分類結果に応じて、この分類に適したゴルフクラブヘッドが選定される工程とを有することが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブシャフト上の複数の点の速度比は、前記ゴルフボールの打撃時における、前記ゴルフクラブのヘッド部に対応するヘッド位置の移動速度と前記ゴルフクラブのグリップ部に対応するグリップ位置の移動速度との比であり、
前記処理装置により、前記移動速度比に基づいて、ゴルフクラブシャフトが選択されることが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブを用いてゴルフボールを打撃するとき、画像取得部により、アドレス状態からスイング終了までの間、打球方向の後方から撮影して画像を取得する工程と、画像処理部により、前記画像取得部で取得された画像を表示部に表示させ、前記アドレス状態における前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフトのシャフト軸を通る第1の直線と、前記第1の直線と交わり、かつ設置されるティーの根元と前記ゴルファの首の付け根を通る第2の直線とにより、前記画像を少なくとも3つの領域に分割する工程と、解析部により、前記スイングのトップ状態からインパクト状態までの間における前記ゴルフクラブのゴルフクラブヘッドが通過する領域を判別する工程と、前記ゴルフクラブヘッドが通過する各領域に応じて、予め適したゴルフクラブシャフトが決定されており、前記処理装置により、前記解析部で得られた前記ゴルフクラブヘッドが通過する領域の情報に基づいて、各領域に適したゴルフクラブシャフトが選択される工程とを有することが好ましい。
また、本発明においては、前記ゴルフクラブヘッドの挙動を測定する工程は、ゴルフクラブヘッドの移動速度、ゴルフクラブヘッドの移動方向、ゴルフクラブヘッドの向き、およびゴルフクラブヘッドの回転速度の少なくとも1つを磁気センサ、またはドップラーレーダを用いて測定することが好ましい。
また、本発明においては、前記処理装置によるゴルフクラブを選定する工程においては、前記処理装置により、前記上下方向の進入角の値および前記左右方向の進入角の値がともに正の場合、ダイナミックロフト角が大きくならず、かつフェース面がゴルファから見て閉じないように設定されたゴルフクラブが選定され、前記上下方向の進入角の値が正であり、前記左右方向の進入角の値が負の場合、ダイナミックロフト角が大きくならず、かつフェース面がゴルファから見て開かないように設定されたゴルフクラブが選定され、前記上下方向の進入角の値および前記左右方向の進入角の値がともに負の場合、ダイナミックロフト角が大きくなり、かつ、フェース面がゴルファから見て開かないように設定されたゴルフクラブが選定され、前記上下方向の進入角の値が負であり、前記左右方向の進入角の値が正の場合、ダイナミックロフト角が大きくなり、かつ、フェース面がゴルファから見て閉じないように設定されたゴルフクラブが選定されることが好ましい。
また、本発明においては、前記処理装置による前記移動速度比に基づくゴルフクラブシャフトの選択は、前記移動速度比の値が大きいほど、より先調子のゴルフクラブシャフトを有するゴルフクラブが選定され、前記移動速度比の値が小さいほど、より元調子のゴルフクラブシャフトを有するゴルフクラブが選定されることが好ましい。
また、本発明においては、前記画像を取得する工程は、前記アドレス状態において前記ゴルファがグリップを把持している手の真後ろから前記画像を取得することが好ましい。
本発明のゴルフクラブの選択方法は、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離自在なゴルフクラブを用いて、ゴルフボールを打撃し、この打撃前後のゴルフクラブヘッドの挙動を測定しており、ゴルファのフィーリングに依らず測定されたゴルフクラブヘッドの挙動に基づくため、適正なものを効率良く選択することができる。
また、打球方向および飛距離だけでは、ゴルファの打ち方などによっては、例えば、スイートスポットから外れて打球していても、所定の飛距離が得られたりすることもある。従来では、ゴルファの打ち方などが考慮されないため、適正なものを選択しているとは限らない。しかし、本発明では、打撃前後のゴルフクラブヘッドの挙動を測定しているため、ゴルファの打ち方なども考慮することができ、適正なものを選択できる。
例えば、仕様が異なる複数のゴルフクラブヘッドに、それぞれ同一仕様のゴルフクラブシャフトが取り付けられてなるゴルフクラブの群の中から、ゴルフクラブを選択する場合において、ゴルフクラブの群では同一仕様のゴルフクラブシャフトが用いられていても、各ゴルフクラブシャフトは、必ずしも同じではなくゴルフクラブシャフトの個体差がある。このため、ゴルフボールを打撃した場合、ゴルフクラブヘッドの仕様の差ではなくゴルフクラブシャフトの個体差の影響が生じることがある。
しかしながら、本発明においては、ゴルフクラブヘッドを同じものとし、残るゴルフクラブシャフトを変えるか、またはゴルフクラブシャフトを同じものとし、残るゴルフクラブヘッドを変えることができる。このため、本発明は、ゴルフクラブシャフトまたはゴルフクラブヘッドの個体差の影響を抑制することができる。
(a)は、本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法に用いられるゴルフクラブを示す模式的斜視図であり、(b)は、図1(a)に示すゴルフクラブの部分断面図である。 本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法に用いられるゴルフクラブに使用される円筒状接続部材を示す模式的斜視図である。 本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法に用いられるゴルフクラブの要部の分解斜視図である。 図1(a)に示すゴルフクラブのゴルフクラブヘッドの模式的側面図である。 本発明のゴルフクラブの選択方法に用いられるゴルフクラブの計測に用いられる挙動計測システムを示す模式図である。 (a)は、本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法において用いられる挙動計測装置の照射・撮像部を示す模式図であり、(b)は、挙動計測装置に用いられるコンピュータの処理構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法において用いられる挙動計測装置で得られるマーカの移動の時間履歴の一例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法において用いられる挙動計測装置で得られるゴルフクラブヘッドの挙動測定結果を示す模式図である。 (a)および(b)は、それぞれ、ゴルフスイングのインパクト状態におけるゴルフクラブシャフトの挙動について説明する概略側面図である。 本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法において用いられる計測装置のスイング測定・データ処理ユニットを示す模式図である。 (a)および(b)は、ゴルフクラブシャフトの挙動を測定するために用いられる反射マーカを示す模式的断面図であり、(c)は、図10に示すスイング測定・データ処理ユニットのラインセンサを示す模式図である。 図10に示すスイング測定・データ処理ユニットにおける、ゴルフクラブヘッドの通過タイミングの検知の一例を示すものであり、(a)は、ゴルフスイングのインパクトの状態における、第1測定対象領域および第2測定対象領域におけるゴルフクラブヘッドの通過の状態の一例を示す模式的側面図であり、(b)は、(a)に示すインパクト状態において、ラインセンサから出力される時系列の電気信号のグラフである。 図10に示すスウィング測定・データ処理ユニットのデータ処理手段の構成を示すブロック図である。 ゴルフスウィングにおける、インパクト状態のヘッドスピードVおよびグリップ端速度Vと、ゴルフクラブシャフトに設けられた、グリップ側の反射マーカのインパクト状態における移動速度Vと、ヘッド側の反射マーカのインパクト状態における移動速度Vとの関係について説明する図であり、ゴルフスウィングでのインパクト状態における、ゴルフクラブの挙動を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法を工程順に示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法のうち、ゴルフクラブシャフトの挙動情報の取得工程を詳細に示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態のゴルフクラブの選択方法を工程順に示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態のゴルフクラブの選択方法を工程順に示すフローチャートである。 本発明の第4の実施形態に係るゴルフクラブの選択方法に用いられる挙動計測システムを示す模式図である。 本発明の第4の実施形態に係るゴルフクラブの選択方法に用いられる挙動計測システムを示す模式的ブロック図である。 (a)は、本発明の第4の実施形態に係るゴルフクラブの選択方法に用いられるゴルフクラブヘッド挙動計測装置の照射・撮像部を示す模式図であり、(b)は、図21(a)に示すゴルフクラブヘッド挙動計測装置に接続される第1処理ユニットを示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態のゴルフクラブの選択方法に用いられるチャートを示す模式図である。 (a)は、ゴルフクラブヘッドの進入角(上下)について説明するための模式図であり、(b)は、ゴルフクラブヘッドの進入角(左右)について説明するための模式図である。 本発明の第4の実施形態のゴルフクラブの選択方法に用いられるゴルフボール挙動計測装置を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態のゴルフクラブの選択方法に用いられるゴルフボール挙動計測装置で得られた画像の一例を示す模式図である。 (a)は、本発明の第4の実施形態のゴルフボール挙動計測装置で得られるゴルフボールの挙動の計測結果の一例を示す模式図であり、(b)は、本発明の第4の実施形態のゴルフボール挙動計測装置で得られるゴルフボールの挙動の計測結果の一例を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態のゴルフクラブの選択システムにおけるカメラの配置状態を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態のゴルフクラブの選択方法に用いられるカメラの第4処理ユニットを示すブロック図である。 アドレス時の画像を示すものであり、3つの領域に分割されている模式図である。 (a)は、ダウンスイング時の画像の一例を示す模式図であり、(b)は、インパクト前の画像の一例を示す模式図である。 (a)は、ダウンスイング時の画像の他の例を示す模式図であり、(b)は、インパクト前の画像の他の例を示す模式図である。 (a)は、ダウンスイング時の画像の他の例を示す模式図であり、(b)は、インパクト前の画像の他の例を示す模式図である。 ゴルフクラブヘッドの重心距離および重心角を説明するための模式図である。 本発明の第4の実施形態のゴルフクラブの選択方法に用いられるゴルフクラブシャフト挙動計測装置の構成を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態のゴルフクラブシャフト挙動計測装置により得られるスイングの挙動の計測結果の一例を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態のゴルフクラブの選択方法に用いられるチャートを示す模式図である。 本発明の第4の実施形態のゴルフクラブの選択システムの変形例を示す模式的斜視図である。 本発明のゴルフクラブの選択方法に用いられる他のゴルフクラブに使用される円筒状接続部材を示す模式的斜視図である。 本発明のゴルフクラブの選択方法に用いられる他のゴルフクラブの要部の分解斜視図である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のゴルフクラブの選択方法を詳細に説明する。
図1(a)は、本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法に用いられるゴルフクラブを示す模式的斜視図であり、(b)は、図1(a)に示すゴルフクラブの部分断面図である。なお、図1(a)に示すゴルフクラブ10において、ゴルフクラブシャフト14の図示を省略している。
本発明においては、図1(a)および(b)に示すように、例えば、ゴルフクラブヘッド12と、ゴルフクラブシャフト14と、グリップ(図示せず)とを有するゴルフクラブ10を用いた。このゴルフクラブ10は、ゴルフクラブヘッド12と、ゴルフクラブシャフト14とが後述するように固定ボルト32により分離自在になっている。
ゴルフクラブヘッド12は、フェース部20、ソール部22、クラウン部24、サイド部26およびホーゼル部28を有するものである。ゴルフクラブヘッド12は、フェース部20、ソール部22、クラウン部24およびサイド部26により外殻構造が構成されるものであり、ソール部22が下側になり、このソール部22に対向してクラウン部24が設けられ、このソール部22とクラウン部24との間にサイド部26およびフェース部20が設けられている。フェース部20は、ゴルフボールを打撃するフェース面20aを有する。クラウン部24にホーゼル部28が一体的に設けられている。
また、図1(a)に示すように、ゴルフクラブヘッド12のクラウン部26には、ゴルフクラブヘッド12の挙動を計測できるように、フェース部20の上縁に沿うように、所定の距離を開けて、例えば、2つのマーカ30a、30bが設けられている。さらに、マーカ30aおよびマーカ30bともに、例えば、三角形の頂点となる位置にマーカ30cが設けられている。このマーカ30cは、フェース部20とは反対側に設けられている。
後述するように、撮影された画像においてマーカ30a、30b、30cが常時識別できるように、例えば、マーカ30a、30b、30cは、照明光を照明方向に反射する再帰反射機能を有する構成となっている。マーカ30a、30b、30cは、例えば、公知の再帰反射シートを所定の形状に切り取ったものである。
また、ゴルフクラブにおいて、マーカ30a、30b、30cを設ける部分を、例えば、半球状に突出させて、この突出部に再帰反射シートを張り付けるか、または再帰反射塗料を塗布して、マーカ30a、30b、30cを形成してもよい。
例えば、マーカ30a、30b、30cが円形形状を成す場合、後述するように、円形形状の中心点をマーカ特徴点とし、後述する画像処理部72においてその位置が抽出される。また、マーカが、例えば、正三角形形状を成す場合、正三角形形状の重心点または、3つの頂点(3辺相互の交点)をマーカ特徴点とし、その位置が抽出される。なお、本発明においてはマーカの形状は、特に限定されず、マーカを特徴付け、その位置が一義的に抽出できる1もしくは複数の点であればよい。
本実施形態のゴルフクラブヘッド12のホーゼル部28上端に切欠部28aが形成されている。このホーゼル部28には、底部29aを有する開口部29が形成されている。開口部29の底部29aには、開口部29に達する貫通孔29bが形成されている。
ゴルフクラブシャフト14は、例えば、金属もしくはスチール(鋼)等の合金製、またはFRP製もしくはCFRP製など繊維強化複合材からなる中空のものが用いられる。
また、ゴルフクラブシャフト14は、先端に円筒状接続部材16が設けられ、この円筒状接続部材16が取り付けられる反対側にグリップ(図示せず)が取り付けられている。
ゴルフクラブ10においては、ホーゼル部28の開口部29に円筒状接続部材16が差し込まれて、ゴルフクラブシャフト14がゴルフクラブヘッド12のホーゼル部28に装着されている。
円筒状接続部材16は、図2に示すように、底面16cを有する円筒部16aと、この円筒部16aの開ロ部側に形成された太径部16bとを有する。
円筒状接続部材16には、円筒部16aおよび太径部16bに亘る開口部18が形成されており。この開口部18に、接着剤が塗布されたゴルフクラブシャフト14の先端部が差し込まれる。これにより、ゴルフクラブシャフト14が円筒状接続部材16に固定される。
太径部16bは、その下端に段差状の切欠部17が形成されている。この切欠部17は、円筒状接続部材16の円筒部16aがホーゼル部28の開口部29に差し込まれたとき、ホーゼル部28の切欠部28aと係合するものである。これにより、円筒状接続部材16がホーゼル部28に対して、その周方向に回り止めされる。なお、円筒状接続部材16の円筒部16aがホーゼル部28の開口部29に差し込まれたとき、太径部16bはホーゼル部28の上端から突出する。
また、切欠部28a、17は、斜面に沿って連続的に切欠高さ(軸方向の長さ)が変わるようなテーパ状に形成してもよい。
円筒状接続部材16の円筒部16aの底部16cには、ネジ孔19が形成されている。
円筒状接続部材16をホーゼル部28の開口部29に挿入し、貫通孔29a側から固定ボルト32をネジ孔19に螺合させて円筒状接続部材16をホーゼル部28に固定する。これにより、ゴルフクラブヘッド12に対してゴルフクラブシャフト14を固定することができる。このように固定ボルト32で円筒状接続部材16を固定した場合、太径部16bの切欠部17がホーゼル部28の切欠部28aと係合し、円筒状接続部材16の回転は抑制される。
なお、円筒状接続部材16の固定方法としては、円筒状接続部材16の外周壁に雄ネジを設けるとともに、ホーゼル部28の開口部29の壁面に雌ネジを形成し、このホーゼル部28に対して円筒状接続部材16を螺合することにより固定してもよい。
この場合、雄ネジと雌ネジとは、ゴルフクラブ10の打球時に、ゴルフクラブヘッド12が回転する方向に対して円筒状接続部材16が開口部29の底部29aに螺進するようにネジの螺旋が形成されていることが望ましい。
本発明のゴルフクラブ10は、円筒状接続部材16とホーゼル部28とで切欠部28a、17を互いに係合することにより、打球時におけるゴルフクラブヘッド12とゴルフクラブシャフト14との回転を防止する。切欠部28a、17の切欠高さは、ゴルフクラブヘッド12の質量及び大きさに応じて変わるが、ゴルフクラブヘッド12とゴルフクラブシャフト14との相対的な回転を確実に防止するために、好ましくは2〜15mm、より好ましくは3〜7mmとするのがよい。また、切欠部28a、17の数は、周方向に等間隔に2〜4個とするのがよい。
ゴルフクラブヘッド12とゴルフクラブシャフト14とを取り付ける場合においては、図3に示すように、ゴルフクラブシャフト14の先端部が円筒状接続部材16の開口部18へ挿入されて接着により固定されている。この状態で、ゴルフクラブシャフト14の円筒状接続部材16の円筒部16aをホーゼル部28の開口部29に挿入し、互いの切欠部28a、17を係合させる。その後、ソール部22側から固定ボルト32を円筒状接続部材16のネジ孔19に螺合することにより、ゴルフクラブヘッド12とゴルフクラブシャフト14とを固定して、これらを結合することができる。
なお、ゴルフクラブヘッド12からゴルフクラブシャフト14を取り外すときは、取り付けの逆の操作を行えばよく、固定ボルト32をネジ孔19から外すことによりできる。このようにして、ゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14の交換作業を容易に行うことができる。
ゴルフクラブ10では、ゴルフクラブヘッド12とゴルフクラブシャフト14との結合に用いる部材は、円筒状接続部材16の1個だけであり、増える場合であっても、ゴルフクラブヘッド12のソール部22側から固定ボルト32を螺合するだけで済む。
また、接続構造としては、ホーゼル部28と円筒状接続部材16との間の切欠部28a、17との係合と、ゴルフクラブシャフト14の先端部と円筒状接続部材16の開口部18での固定だけであるため、構造が簡単である。このため、ゴルフクラブ10を低コストで製作することができ、かつゴルフクラブ10の軽量化も図ることができる。
特に、ゴルフクラブヘッド12については、ホーゼル部28に切欠部28aを形成するだけでよいため、既存のゴルフクラブから試打用のゴルフクラブへの改造を客易に行うことができる。
本実施形態においては、ゴルファのニーズに応じたゴルフクラブを選択するものである。このため、ゴルフクラブシャフト14においては、例えば、ゴルフクラブシャフトの硬さを示す指標であるフレックス、キックポイントの位置(以下、調子ともいう)、ゴルフクラブシャフトのねじれの度合を示す指標であるトルクなどの特性が異なるものが複数用意されている。
各ゴルフクラブシャフト14は、円筒状接続部材16が先端に取り付けられている。このため、各ゴルフクラブシャフト14は、直ぐにゴルフクラブヘッド12に取り付けることができる。
なお、キックポイントの位置(以下、調子ともいう)の種類には、先調子、中調子および元調子(元調子は手元調子ともいう)の3種類がある。
先調子のゴルフクラブシャフトは、キックポイントが比較的ゴルフクラブヘッド側に位置し、ゴルフクラブシャフトのゴルフクラブヘッド側が最もしなる。また、元調子のゴルフクラブシャフトは、キックポイントが比較的ゴルフクラブグリップ側に位置し、ゴルフクラブシャフトのグリップ寄りの部分が最もしなる。そして、中調子のゴルフクラブシャフトは、先調子のゴルフクラブシャフトのキックポイントの位置と、元調子のゴルフクラブシャフトのキックポイントの位置との中間地点付近が最もしなる。
また、本発明においては、ゴルフクラブヘッド12についても、ゴルフクラブヘッド12のロフト角θ(図4参照)、距離G(図1(b)参照)、重心後退量G(図4参照)、重心Gを通り水平面Bに直交する垂直な直線Vを回転軸とする回転軸回りの慣性モーメントM(図4参照)の大きさなどの特性が、異なる複数種のゴルフクラブヘッド12が複数用意されている。
各ゴルフクラブヘッド12の特性およびゴルフクラブシャフト14の特性は、それぞれ特性情報として、後述するデータベース54(ゴルフクラブヘッドデータベース54aおよびゴルフクラブシャフトデータベース54b)に記憶されている。
また、ゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14が分離自在なゴルフクラブ10を用いることにより、ゴルフクラブを選択する場合、ゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14の個体差の影響を抑制しつつ、特性が異なる各ゴルフクラブの作用を確認することができる。
距離Gとは、図1(b)に示すゴルフクラブヘッド12の重心Gを通りシャフト軸Sと平行な直線Vを含む第1の平面(図示せず)と、シャフト軸Sを含む第2の平面(図示せず)とを平行にした場合における第1の平面と第2の平面との間の長さのことである。この距離Gは、短いほど、すなわち、重心Gの位置がシャフト軸Sに近いものほど、ゴルフクラブヘッド12がシャフト軸Sを中心にして回転し易いものである。
また、距離Gが長いほどゴルフクラブヘッド12を回転させることが難しくなり、同一被験者がスイングした場合、距離Gが長いゴルフクラブほどヘッドスピードが遅くなる傾向にある。
また、重心後退量Gとは、図4に示すように、シャフト軸Sと、重心Gを通る直線Vとの水平面Bと平行な方向における距離のことである。この重心後退量Gが大きい程、打球が上がりやすい傾向を示す。
さらに、慣性モーメントMが大きいと、打撃位置がフェース面20aの中心から外れた場合でも、打球の方向が比較的真直ぐとなる。
以下、本発明のゴルフクラブの選択方法に用いられるゴルフクラブの各種の挙動を計測する挙動計測システムについて説明する。
図5は、本発明のゴルフクラブの選択方法に用いられるゴルフクラブの計測に用いられる挙動計測システムを示す模式図である。
図5に示すゴルフクラブの挙動計測システム40(以下、システム40という)は、ゴルファ35がゴルフクラブ10を把持し、ゴルフスイングして打撃方向aに向かってゴルフボールbを打撃するとき、このゴルフボールbの打撃前後(インパクト前後)のゴルフクラブヘッド12の挙動およびゴルフクラブシャフト14の挙動を計測するものである。
本実施形態のシステム40においては、ゴルフクラブヘッド12の挙動を計測する挙動計測装置42と、ゴルフクラブシャフト14の挙動を計測する計測装置44と、挙動計測装置42および計測装置44の制御、および挙動計測装置42で得られた画像データなどを画像処理する機能、および計測装置44で得られた測定データなどを表示する機能を備える処理装置46を有する。
本実施形態のシステム40においては、ゴルファ35が把持するゴルフクラブ10は、例えば、長さ1066〜1219mm(約42〜約48インチ)、振動数3.3〜5.0Hz(200〜300cpm)、質量280〜320gの範囲内にある、標準的仕様の所定のゴルフクラブが用いられる。ゴルフクラブ10のゴルフクラブシャフト14上には反射マーカ34a、34bが間隔Lをあけて設けられている。
挙動計測装置42は、異なる2方向からゴルフクラブヘッドを撮像する照射・撮像部42aを備え、照射・撮像部42aは、この照射・撮像部42aによる撮像範囲に透明な部材が設けられたケース42b内に収納されており、地面にケース42bが設置されている。
照射・撮像部42aは、処理装置46の処理ユニット50に接続されている。この処理ユニット50は、後述するように照射・撮像部42aを制御するとともに、照射・撮像部42aで撮像された画像のデータを取り込み信号処理、画像処理および動作解析を行う。処理ユニット50については、後詳細に説明する。
挙動計測装置42においては、ケース42bに収納して、ポータブル化して運搬を容易にしている。これにより、挙動計測装置42を、持ち運んで、室内、屋外を問わず、所定の環境で、ゴルフボールの打撃前後におけるゴルフクラブヘッド12の挙動を計測し、ゴルフクラブヘッド12の挙動情報を得ることができる。
図6(a)は、本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法において用いられる挙動計測装置の照射・撮像部を示す模式図であり、(b)は、挙動計測装置に用いられるコンピュータの処理構成を示すブロック図である。
図6(a)に示すように、照射・撮像部42aは計測対象を照射する照射光源60と、境界面に入射した光を透過および反射させる性質を持つハーフミラー62と、カメラ64と、全反射を行う全反射面を有し、前記全反射面の反射方向(角度)および位置等の調整機能を有する反射ミラー66、66a、66bとを有する。
照射光源60、ハーフミラー62、カメラ64、および反射ミラー66、66a、66bが、平板の基板68の表面68aに取り付けられている。
照射光源60は、例えば、ハロゲン光源であり、連続光を射出するものである。照射光源60は、平板の基板68の表面68aに設けられ、ハーフミラー62を介してゴルフクラブヘッド12のマーカ30a〜30cに照射するように配されている。
ハーフミラー62は、平板状であり、一方の側より入射した光を出射(反射および透過)する境界面を有する。ここで、ハーフミラー62は、基板68の表面68aに対して垂直に立設され、照射光源60の射出する光の光路がハーフミラー62の境界面に略45(°)の入射角を成して入射する方向に境界面が向けられている。
カメラ64は、レンズ等の受光部を有し、この受光部へ入射した像の撮像を行うものである。カメラ64の視線軸は、照射光源60のハーフミラー62へ射出した光が透過する位置に向き、ハーフミラー62を透過してゴルフクラブヘッド12(図6(a)では図示せず)のマーカ30a〜30cに照射する照射光の光路と略90(°)の角度を成すように、基板68の表面68aに設けられている。
図6(a)に示すように、照射・撮像部42aにおいては、照射光源60がハーフミラー62の境界面に向けて連続光を射出する。この射出された光はハーフミラー62を透過し、ハーフミラー62の境界面上の位置Aを透過する透過光が出射される。この出射された透過光はゴルフクラブヘッド12(図6(a)では図示せず)に設けられたマーカ30a〜30cに照射されると共に、このマーカ30a〜30cからの反射光(以下、マーカ反射光1という)がハーフミラー62に戻るように反射ミラー66aおよび66bが設けられている。この反射ミラー66aおよび66bは、マーカ反射光1がハーフミラー62の境界面に入射するように、その反射面の方向及び位置が調整されている。
マーカ反射光1は、照射光と逆向きに進み、照射光と光路が一致した反射光であるので、ハーフミラー62の境界面からマーカ30a〜30cへ照射される光がハーフミラー62の境界面と成す出射角度と、マーカ反射光1がハーフミラー62の境界面へ入射する入射角度とは略一致する。こうして、ハーフミラー62に入射した反射光は、カメラ64へ向けて反射され、カメラ64のレンズ等の受光部に入射する。
一方、図6(a)に示すように、照射・撮像部42aが出射した光のうちハーフミラー62で反射した光が反射ミラー66の全反射面に入射し、ここで、全反射された光は、ゴルフクラブヘッド12に設けられたマーカ30a〜30cに照射光として照射する。
このときのマーカ30a〜30cからの反射光(以下、マーカ反射光2とする)は、反射ミラー66から全反射されて再帰反射マーカに照射する照射光の光路と重なり、反射ミラー66の全反射面に向かう。そして、反射ミラー66の全反射面において、マーカ反射光2はハーフミラー62方向へ向けて反射される。ハーフミラー62では、ハーフミラー62から射出して反射ミラー66に向かう光の反射角度(射出角)と、マーカ反射光2がハーフミラー62に入射する入射角度は略同一である。
さらに、ハーフミラー62を透過したマーカ反射光2はハーフミラー62で反射されたマーカ反射光1とともにカメラ64のレンズ等の受光部に入射する。
したがって、異なる2方向から反射した照射光の光路と略一致したマーカ30a〜30cからの2つの反射光による反射マーカの像がカメラ64で撮像される。
この場合、マーカ反射光2による像とマーカ反射光1による像が異なる位置で撮像されるように、反射ミラー66の位置および向きが調整される。
こうして、1つのカメラ64でゴルフクラブヘッド14のマーカ30a〜30cの像をステレオ画像として撮像することができる。2つの像の取り込み方は、例えば、画像の上下方向で二分割等として取り込む。
反射ミラー66a,66bをマーカ反射光1の光路に設けることにより、マーカ反射光1がマーカ30a〜30cからハーフミラー62に至る光路を長くして、マーカ反射光2の光路に揃えることができる。つまり、図6(a)に示す構成とすることにより、マーカ反射光1,2のカメラ64までの光路長を略揃えることができる。
このように光路長を近づけることにより、カメラ64は、マーカ30a〜30cの2つの像についてピントを合わせて撮像することができる。
この場合、2つの異なる方向から照射する光がハーフミラー62の境界面から出射するときのそれぞれの出射角度は、マーカ30a〜30cから反射した2つの反射光(マーカ反射光1、2)がハーフミラー62の境界面に入射するときの対応する反射光の入射角度と略一致する。したがって、ゴルフクラブヘッド12に設けられたマーカ30a〜30cの2つの反射光の像をそれぞれ高いコントラストで撮像できる。
なお、光路に反射ミラーを設ける場合、マーカ30a〜30cからの2つの反射光がカメラ64に至るまでの光路には、ハーフミラー62における反射を含めて、反射回数がいずれも奇数回、あるいはいずれも偶数回となるように反射ミラー66a、66b、・・・が設けられていることが好ましい。2つの反射光における反射の回数を偶数あるいは奇数に揃えることで、カメラ64で撮像する2つの反射光の像を正像あるいは虚像の一方に揃えることができ、撮像された画像内でマーカ30a〜30cが移動する方向(上下または左右等)を統一することができる。
この場合、マーカ反射光1の光路に設けられる反射鏡が反射ミラー66a、662bの2枚であるため、マーカ反射光1の反射は反射ミラー66b、反射ミラー66a、ハーフミラー62の順に計3回行われ、マーカ反射光2の反射はミラー66で1回行われる。つまり、2つの反射光(マーカ反射光1、2)がマーカ30a〜30cからカメラまでの光路で反射される回数は奇数回になっている。
なお、ハーフミラー62の代わりに境界面において双方向に入射した光を反射および透過させる光学部材であれば、例えば、ハーフプリズムや各種ビームスプリッター等を用いることができる。ここで、境界面における反射率の比は特に限定されないが、略1対1とすることが好ましい。
なお、照射光源60は、ハロゲン光源としたが、これに特に限定されるものではなく、撮像中に連続光を照射する光源であれば、水銀蛍光ランプ、キセノン蛍光ランプ、LED等を目的等に応じて選択することができる。また、照射光源60は、一定間隔でカメラの撮像中間欠的に光を射出する光源、例えば、ストロボ光源等を用いることもできる。この場合、カメラ64は、マーカ30a〜30cの反射光による像の多重露光による撮像を行うことができる。
また、ゴルフクラブヘッド12のマーカ30a〜30cを撮像する場合、カメラ64には、例えば、少なくとも1秒間に120コマ以上撮像する高速度ビデオカメラあるいは多重露光機能を備えた高速シャッタカメラ等が用いられる。この場合、カメラ64は、一定の時間間隔でマーカ30a〜30cの反射光による像の多重露光による撮像を行うことができる。もちろん、計測対象であるゴルフクラブヘッド12の移動速度等に応じ、高速度ビデオカメラ・高速シャッタカメラの撮像速度を自在に設定することができ、また、計測対象であるゴルフクラブヘッドの移動速度によっては、カメラ64に通常のビデオカメラ等を用いることもできる。
図6(b)に示す処理装置46は、コンピュータにより構成されており、モニタ48、処理ユニット50、操作手段52およびデータベース54を有する。
モニタ48は、後述するように照射・撮像部42aで撮影された画像、信号処理された画像、図7に示すようなマーカの移動の時間履歴、3次元形状モデル、あるいは3次元形状モデルを用いて表したゴルフクラブヘッドの挙動等を表示し、さらに、図8に示すように、ゴルフクラブヘッドの挙動測定結果を表示する。
操作手段52は、マウスやキーボードであって、ゴルフクラブヘッドの挙動測定項目の条件の設定、モニタ48に表示する表示画面の設定等の各種入力設定に用いられる。
また、データベース54は、ゴルフクラブのゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブシャフトの選択に利用されるものである。
このデータベース54は、実物が用意されているゴルフクラブヘッドについて特性が記録されたゴルフクラブヘッドデータベース54aと、実物が用意されているゴルフクラブシャフトの特性が記録されたゴルフクラブシャフトデータベース54bとを有する。
ゴルフクラブヘッドデータベース54aにおいては、例えば、ゴルフクラブヘッドを特性毎に、群として各グループに分類されている。例えば、ロフト角θ(図4参照)、距離G(図1(b)参照)、重心後退量G(図4参照)、重心Gを通り水平面Bに直交する垂直な直線Vを回転軸とする回転軸回りの慣性モーメントM(図4参照)の大きさに応じて分類される。
ゴルフクラブシャフトデータベース54bにおいては、例えば、ゴルフクラブシャフトを特性毎に、群として各グループに分類されている。例えば、ゴルフクラブシャフトのフレックス、ゴルフクラブシャフトの調子、ゴルフクラブシャフトのトルクに応じて分類される。
なお、ゴルフクラブヘッドデータベース54aおよびゴルフクラブシャフトデータベース54bにおける群の分類の方法は、特に限定されるものではない。
後述するように、本実施形態においては、ゴルフクラブ10をゴルファ35がスイングしたときにおけるゴルフクラブシャフト14の挙動計測、およびゴルフクラブヘッド12の挙動計測を行い、各挙動計測結果に基づいて、このデータベース54から、ゴルフクラブシャフト14のうち適合する群、およびゴルフクラブヘッド12のうち適合する群が抽出され、各適合する群から、ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブシャフトの候補が選択されるものである。
このデータベース54のゴルフクラブヘッドデータベース54aおよびゴルフクラブシャフトデータベース54bにデータとして記憶されている各ゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14は、実物が用意されている。
処理ユニット50は、ゴルフスイング中のゴルフクラブヘッド12の画像データから、各マーカ30a、30b、30cの各マーカ特徴点の位置を特定し、この特定した位置を、それぞれ用いてゴルフクラブヘッド12の挙動を算出するものである。
具体的には、処理ユニット50は、信号処理部70、画像処理部72、解析部74、出力部76、CPU78およびメモリ80を有し、モニタ48および操作手段52と接続されている。
信号処理部70、画像処理部72、解析部74および出力部76は、プログラムを実効することで機能する部分であるが、本発明では、これらの部分は、回路等のハードウェアで構成されたものであってもよい。
信号処理部70は、画像内の各マーカ30a、30b、30cからマーカ特徴点がそれぞれ抽出できるように、例えば、各マーカ30a、30b、30cの部分のデータ値のみがそれ以外の部分のデータ値と区別されるように、所定の処理条件で画像データの明度補正、コントラスト補正を行い、さらに2値化する処理を行う部分である。
画像処理部72は、ゴルフスイング中のゴルフクラブヘッド12の画像データからマーカ特徴点の位置を特定し、この特定した位置を用いてゴルフクラブヘッド12の挙動を算出する部分である。画像処理部72は、各マーカ30a、30b、30cの各マーカ特徴点を特定して3次元座標系における位置を抽出する抽出部72aと、抽出された各マーカ特徴点の3次元座標位置を用いて、ゴルフクラブヘッド12の位置と向きの時系列データを算出する算出部72bとを有する。
抽出部72aは、2値化された画像の中から各マーカ30a、30b、30cの部分を識別してその位置を抽出し、照射・撮像部42aで撮影された、同時刻における異なる方向から撮影された画像内における各マーカ30a、30b、30cの各マーカ特徴点の位置座標をそれぞれ求め、この求められた各マーカ特徴点の位置座標を用いてゴルフクラブヘッド12が通過する空間を定めた3次元座標系における位置座標を求め、各マーカ特徴点の3次元座標系における位置を抽出するように構成される。
照射・撮像部42aの撮影方向が既知となっているので、これらの照射・撮像部42aによって撮影される画像における2次元位置座標の情報を求めることで、ゴルフクラブヘッド12が通過する空間を表した所定の3次元座標系における位置(3次元位置座標)を求めることができる。
各マーカ30a、30b、30cの画像が、例えば、1000分の1秒の時間間隔で撮影される場合、1000分の1秒毎の各マーカ30a、30b、30cの各マーカ特徴点の3次元位置座標の時系列データを求めることができる。勿論、各マーカ30a、30b、30cは、例えば、ゴルフクラブヘッド12のクラウン部24の3箇所に設けられているので、3つのマーカ特徴点の3次元位置座標が求められる。
図7は、マーカ特徴点の3次元位置座標から定まる、1000分の1秒の時間間隔のマーカの移動の時間履歴を示す模式図である。図7中、所定の位置を原点として、ゴルフボールの打ち出し方向をX方向、この方向に直交し、地面に平行な方向をY方向、地面に鉛直な方向をZ方向として表したXYZ座標系である。点εはゴルフボールの打ち出し位置である。
ゴルフクラブヘッドのヘッドスピードは通常30〜50(m/秒)であるため、1000分の1秒でゴルフクラブヘッドは3〜5(cm)移動する。図7中、3つのマーカを表す3つのプロット群M1、M2〜M10は、1000分の1秒の時間間隔で撮影されたマーカから抽出される3つのマーカ特徴点の位置を示す。このように、マーカ特徴点の位置によって、ゴルフクラブヘッドの位置およびフェースの向きの変化を知ることができる。
算出部72bは、抽出部72aで求められた3次元位置座標からゴルフクラブモデルの位置および向きを時系列データとして算出する部分である。
具体的には、メモリ80に予めゴルフクラブヘッドの3次元形状モデルのデータ(CADデータ)と、上記マーカ特徴点の配置位置に対応する、3次元形状モデル上の対応点の位置の情報とが記憶されており、このデータと情報を呼び出し、3次元形状モデル上の対応点の、上記3次元座標系における位置座標が、抽出部72aで抽出されたマーカ特徴点の3次元位置座標と一致するように、3次元形状モデルの位置および向きを算出し、この位置と向きをゴルフクラブヘッドの位置および向きとして、ゴルフクラブヘッドの位置および向きの時系列データを算出するように構成される。
解析部74は、算出されたゴルフクラブヘッドの位置と向きの時系列データ、すなわち、マーカ30a〜30cの時系列データを用いて、ゴルフクラブヘッド12のフェース面20a(打撃面)上におけるゴルフボールbの打点位置の特定、この打点位置でのヘッドスピード(ゴルフクラブヘッドの移動速度)、打点位置でのゴルフクラブヘッド12のフェース面20a(打撃面)の向き、打撃前後におけるゴルフクラブヘッド12の上下方向および左右方向のそれぞれにおける進入角度(ゴルフクラブヘッド12の移動方向)、ライ角、ダイナミックロフト角、ゴルフクラブヘッド12の回転速度のうち、少なくとも1つをパラメータとして算出する部分である。ゴルフクラブヘッド12の回転速度とは、例えば、ゴルフクラブヘッド12のヒール−トウ方向における回転速度のことである。
例えば、マーカ30bの時系列データを用いて、ヘッドスピード(ゴルフクラブヘッド12の移動速度)が算出される。
本実施形態においては、ゴルフスイング中のゴルフクラブヘッド12は、概略円軌道を描いて移動し、この時ゴルフクラブヘッド12の重心G点に遠心力が作用する。一方、ゴルフクラブヘッド12はゴルフクラブシャフト14に支持されているが、ゴルフクラブシャフト14による支持位置とゴルフクラブヘッド12の重心点の位置は一致していないため、ゴルフクラブヘッド12の重心G点に作用する遠心力によってゴルフクラブヘッド12にモーメントが作用する。ゴルフクラブヘッド12の実効ロフト角度とは、このモーメントによってゴルフクラブヘッド12のフェース面20a(打撃面)の向きが変化した時のロフト角度をいう。勿論、実効ロフト角度(ダイナミックロフト角)の他に、ゴルフクラブヘッド12の上下方向および左右方向のそれぞれにおける進入角度を測定するため、打ち出し直前のフェース面20a(打撃面)が開いているか、閉じているか等のフェース面20a(打撃面)の横方向の向きも知ることができる。
さらには、ゴルフスイング中のゴルフクラブヘッド12のヒール−トウ方向における回転速度も知ることができる。
出力部76は、上記算出されたゴルフボールbの打点位置、打点位置でのヘッドスピード、ゴルフクラブヘッド12の上下方向および左右方向のそれぞれにおける進入角度、ライ角、ダイナミックロフト角等の算出結果をプリンタ等の図示されない外部機器に出力するように指示するものである。
CPU78は、処理ユニット50の各機能を管理し制御する部分であり、メモリ80は、上述した画像データ、各ゴルフクラブヘッド12のCADデータ、各部分で算出された算出結果を記憶保持する部分である。
また、CPU78は、試打用のゴルフクラブ10をゴルファ35がスイングしたときにおけるゴルフクラブシャフト14の挙動計測を計測装置44に行わせ、ゴルフクラブヘッド12の挙動計測を挙動計測装置42に行わせて、各挙動計測結果に基づいて、ゴルフクラブシャフト14およびゴルフクラブヘッド12の候補を、データベース54のうち、ゴルフクラブヘッドデータベース54aと、ゴルフクラブシャフトデータベース54bとから選択(抽出)する機能を有する。
本実施形態においては、ゴルフクラブヘッド12のクラウン部24に、マーカ特徴点として中心点が抽出される円形形状を成したマーカ30a、30b、30cが少なくとも2箇所以上設けられている。
ゴルフクラブヘッド12を所定のアドレス状態、すなわち、設計されたライ角βとなるように配置し、この状態で照射・撮像部42aで静止時の画像が撮影され、処理ユニット50の抽出部72aでゴルフクラブヘッド12の3つのマーカ30a、30b、30cの配置位置の情報が正確に求められる。このため、試打の際、アドレス状態がライ角βとどの程度ずれているかを算出することができる。
この配置位置の情報は、各ゴルフクラブヘッド12のCADデータによって構成される3次元形状モデル上の対応点としてメモリ80に記憶される。配置位置の情報とは、例えば、ゴルフクラブヘッド12の重心G位置を原点とした3次元位置座標である。
なお、ゴルフクラブヘッド12上の3つのマーカ30a、30b、30cの配置位置の情報は、挙動計測装置42とは別のレーザ光を用いた3次元形状測定器を使ってより正確に取得して処理ユニット50のメモリ80に予め記憶しておいてもよい。
次に、ゴルファ34が、マーカ30a、30b、30cが設けられたゴルフクラブ10を把持してゴルフスイングが行われ、このゴルフスイング中のゴルフボールbの打撃前後のゴルフクラブヘッド12が照射・撮像部42aで撮影される。
照射・撮像部42aで撮影された画像の画像データは、信号処理部70で、所定の処理が行われ、デジタル画像データとして画像処理部72に供給される。
画像処理部72では、ゴルフスイング中のゴルフクラブヘッド12の画像データからマーカ30a、30b、30cのマーカ特徴点の位置がXYZ座標系における3次元位置座標として抽出される。
次に、ゴルフクラブヘッド12を再現した3次元形状モデル上の3つのマーカ30a、30b、30cのマーカ特徴点の配置位置に対応した3つの対応点の上記XYZ座標系における3次元位置座標が、いずれもマーカ特徴点の3次元位置座標に一致するように、3次元形状モデルの位置と向きの時系列データが算出される。この時系列データが、ゴルフクラブモデルの位置および向きの時系列データとされる。
算出された時系列データから、ゴルフクラブヘッド12のフェース面20a(打撃面)上におけるゴルフボールbの打点位置の特定、この打点位置でのヘッドスピード(ゴルフクラブヘッドの移動速度)、打点位置でのゴルフクラブヘッド12のフェース面20a(打撃面)の向き、打撃前後におけるゴルフクラブヘッド12の上下方向および左右方向のそれぞれにおける進入角度(ゴルフクラブヘッド12の移動方向)、ライ角、ダイナミックロフト角、およびゴルフクラブヘッド12の回転速度のうち、少なくとも1つの算出がオペレータの指示によって行われる。これにより、ゴルフクラブヘッド12の挙動計測することができる。
このように、挙動計測装置42では、ゴルフクラブヘッドを再現したCADデータで構成される3次元形状モデルおよびこのモデル上のマーカ特徴点の配置位置に対応した対応点の位置の情報を用いて、3次元形状モデル上の対応点の3次元座標系における位置座標が、計測されたマーカから抽出されるマーカ特徴点の3次元位置座標に一致するように3次元形状モデルの位置と向きを算出するため、ゴルフクラブヘッド12の挙動を測定する際に、ゴルフクラブヘッド12のフェース面20a(打撃面)上におけるゴルフボールbの打点位置の特定、この打点位置でのヘッドスピード(ゴルフクラブヘッドの移動速度)、打点位置でのゴルフクラブヘッド12のフェース面20a(打撃面)の向き、打撃前後におけるゴルフクラブヘッド12の上下方向および左右方向のそれぞれにおける進入角度(ゴルフクラブヘッド12の移動方向)、ライ角、ダイナミックロフト角、ゴルフクラブヘッド12の回転速度を算出することができる。
ゴルフクラブヘッド12の挙動を測定して得られた各種パラメータは、例えば、図8に示すように、モニタ48の画面90に表示される。画面90においては、ゴルフボールの打点位置がゴルフクラブヘッド図形92上に表示され、ゴルフクラブヘッドの移動軌跡94が表示される。更には、ゴルフクラブヘッド12の上下方向および左右方向のそれぞれにおける進入角度が、グラフ96a、96bで表示される。また、ゴルフボールの打点位置、打点位置でのヘッドスピード、ゴルフクラブヘッド12の上下方向および左右方向のそれぞれにおける進入角度、ライ角、フェース角、ダイナミックロフト角の測定結果も表98で表示される。
次に、ゴルファ35がゴルフボールbを打撃する際のゴルフクラブシャフト14の挙動を計測する計測装置44について説明する。
計測装置44は、ゴルフスイングに適したゴルフクラブシャフトの選択に利用されるものであって、ゴルファ35のゴルフスイングの特徴量を算出する。
計測装置44は、スイング測定・データ処理ユニット100(以降、単にユニット100という)を備え、このユニット100が処理装置46に接続されている。
なお、ゴルフクラブシャフト14上には、間隔Lをあけて反射マーカ34a、34bが設けられている。
図9(a)および(b)は、ゴルフスイングのインパクト状態におけるゴルフクラブの挙動について説明する概略側面図であり、アドレス状態で構えるゴルファ35と対峙する方向から見た投影面に対応している。図9(a)および(b)それぞれは、インパクト状態におけるゴルフクラブの姿勢がそれぞれ異なる、2つのゴルフスイングそれぞれでのゴルフクラブ10のゴルフクラブシャフト14の挙動を示している。
計測装置44では、このような投影面おいて、地面と略垂直方向に延在した通過基準線(第1通過基準線117sおよび第2通過基準線119s)が、インパクト状態でゴルフクラブ10が通過する範囲(インパクト範囲)内に予め設定されている。具体的には、ゴルファ35が立つ地面(水平面)に垂直で、それぞれ平行な2つの平面が予め設定されている。そして、ゴルファ35は、ゴルフクラブヘッド12が、インパクト状態においてこの2つの平面を通過するように構えて、ゴルフスイングを行う。各通過基準線(第1通過基準線117sおよび第2通過基準線119s)は、この2つの平面と、ゴルファ35が行うゴルフスイングのスイング面との交線に対応している。このような通過基準線は、ユニット100から投射される後述する投射光と、後述するラインセンサ110の受光面によって規定されている。なお、スイング面とは、ゴルフスイングにおけるゴルフクラブシャフトの軌跡と略一致する面のことである(すなわち、ゴルフスイングにおいて、ゴルフクラブシャフトは、このようなスイング面に沿って移動する)。
図9(a)に示すゴルフスイングでは、ゴルフクラブシャフト14の長さ方向と、地面と略垂直な第1通過基準線117sとのなす角αがある程度の大きさを保っていた状態が、ゴルフボールを打撃する直前において、ゴルフクラブシャフトの長さ方向が地面と略垂直になっている(ゴルフクラブシャフトの長さ方向と第2通過基準線119sとのなす角αが比較的小さくなっている)。これに対し、図9(b)に示すゴルフスイングでは、ゴルフボールを打撃する直前においても、ゴルフクラブシャフト14の長さ方向と、地面と略垂直な第2通過基準線119sとのなす角が、比較的大きな角度を保っている。このように、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、地面と略垂直な通過基準線とのなす角αおよびα、およびこの角度の変化の態様は、ゴルフスイング毎に異なっている。図9(a)と図9(b)とを比較した場合、図9(b)に示すゴルフスイングの方が、インパクトの際、ゴルフクラブヘッドに比べて手首の部分がより先行する、ハンドファーストの程度がより高いゴルフスイングであるといえる。ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、地面と略垂直な通過基準線とのなす角αおよびα、およびこの角度の変化の態様は、ゴルフスイングにおけるハンドファーストの程度をよく表しているといえる。そして、このようなハンドファーストの程度は、インパクトの際の、ゴルフクラブヘッドのフェース面のロフト角に影響するものであり、ゴルフスイングを特徴づけているといえる。ユニット100では、このような、ゴルフクラブシャフトの長さ方向と、地面と略垂直な通過基準線とのなす角αおよびαを求めて出力する。
本実施形態において、第1通過基準線117sは、上記投影面上において設定された、ゴルフスイングにおけるゴルフボールの設置位置から、ゴルフクラブによるゴルフボールの打撃方向と反対の方向に、例えば、125mmだけ離間した位置を通る、地面と略垂直な方向の仮想線である。また、第2通過基準線119sは、上記設置位置から上記打撃方向と反対の方向に、例えば、75mmだけ離間した位置を通る、地面と略垂直な線である。第1通過基準線117sおよび第2通過基準線119sの双方は、上記インパクト範囲内に設定されている。
図10に示すユニット100は、透明窓102およびディスプレイ104を備えた筐体106内に、光源108、ラインセンサ110、ハーフミラー112、ミラー114、データ処理手段116、メモリ118を備えて構成されている。ユニット100は、処理装置46と接続されており、ユニット100によって検出・算出された情報を処理装置46に送信したり、メモリ118に記憶しておくための情報を処理装置46から送信することができる構成となっている。ユニット100では、後述する測定したタイミングの情報と、メモリに予め記憶された各種情報とを用い、インパクト状態における、ゴルフクラブ10の姿勢を表す評価値を算出する。具体的には、上記インパクト状態における、ゴルフクラブシャフト14の長さ方向と、各通過基準線(第1通過基準線117sおよび第2通過基準線119s)とのなす図9(a)、(b)に示す角α、αを、それぞれ算出する。ユニット100において算出した図9(a)、(b)に示す角α、αは、処理装置46(処理ユニット50)に送られる。処理装置46では、図9(a)、(b)に示す角α、αの値をゴルファ35のゴルフスイングの特徴量として用い、ゴルフクラブシャフトの候補を選択する。
ユニット100の光源108は、発光ダイオード(LED;Light emitting diode)であり、円錐状に広がる投射光を出射する。光源108から出射された投射光は、ハーフミラー112によって分割され、ハーフミラー112を透過した投射光成分は、透明窓102を透過して、第1投射光Lとして第1測定対象領域117を含む空間に照射される。また、ハーフミラー112によって反射された投射光成分は、ミラー114において反射されて、透明窓102を透過して、第2投射光Lとして第2測定対象領域119を含む空間に照射される。第1測定対象領域117は、上記投影面上の第1通過基準線117sに対応する線を中心線とした、所定の空間範囲である。第2測定対象領域119は、上記投影面上の第2通過基準線119sに対応する線を中心線とした、所定の空間範囲である。なお、本発明における光源は、第1測定対象領域117および第2測定対象領域119に、十分な輝度で光を照射する発光体であれば支障なく、ハロゲンランプやレーザーダイオードなど、任意の光源とすればよい。
ゴルフスイングのインパクト状態において、ゴルフクラブ10の反射マーカ34aおよび34bそれぞれは、第1測定対象領域117を通過した後、第2測定対象領域119を通過する。ゴルフクラブ10の各反射マーカ34aおよび34bそれぞれは、第1測定対象領域117を通過する際、上記第1投射光Lを受けて、この第1投射光Lを、第1投射光Lの光路の逆経路に向けて反射する。第1測定対象領域117において反射された、第1投射光Lの反射光R(反射マーカ34aからの反射光、および反射マーカ34bからの反射光)は、透明窓102を透過して、ハーフミラー112において反射されてラインセンサ110に入射する。また、ゴルフクラブ10の各反射マーカ34aおよび34bそれぞれは、第2測定対象領域119を通過する際、上記第2投射光Lを受けて、この第2投射光Lの逆経路に向けて反射する。第2測定対象領域119において反射された、第2投射光Lの反射光R(反射マーカ34aからの反射光、および反射マーカ34bからの反射光)は、透明窓102を透過して、ミラー114において反射されてラインセンサ110に入射する。
次に、ゴルフクラブシャフト14に設けた反射マーカ34aおよび34bについて説明する。
図11(a)に示す反射マーカ34aおよび34bは、平面状の底面121aと対向する側の面に、略正四面体形状のプリズムブロック部121bが配列された形状のプリズム層121と、このプリズム層121のプリズムブロック部121bに対向して配置された裏材層123とからなる。プリズム層121と裏材層123との間隙は、空気層122となっている。図11(a)に示す再帰反射性の反射体は、平面状の底面121aから入射角γで入射した光Lsが、底面121aにおける屈折、プリズムブロック部121bと空気層122との界面における反射によって、底面121aから反射角γで反射される機能を有している。このように、入射した光を反射して、入射した光の逆光路で戻る反射光とする。
図11(b)に示す反射マーカ34aおよび34bは、バインダ層125、反射層124、表面フィルム層126、及び複数のガラスビーズの列からなるガラスビーズ層128を有する、再帰反射性の反射体である。このような再帰反射性の反射体は、入射角γで入射した光Lsが、表面フィルム層126、ガラスビーズ層128、および反射層124における屈折および反射によって、表面フィルム層126から反射角γで反射される機能を有している。このように、再帰反射性の反射体は、入射した光を反射して、入射した光の逆光路で戻る反射光とするものである。
このような再帰反射性の反射体は、例えば、図11(a)および(b)に示すように、裏面に接着剤129を塗布して貼付け容易に構成されている。再帰反射性の反射体としては、シート状やテープ状に形成したものなど各種の形状のものが市販されているので、この市販されているシート状やテープ状に形成された再帰反射性の反射体を必要な大きさに切り取り、接着剤129でゴルフクラブ10の所定の位置に貼付して使用する。本発明では、再帰反射性の反射体は特に限定されない、例えば、図11(a)に示すような形態でも、また、図11(b)に示すような形態でも構わない。照射された光量を、なるべく多くの割合で反射したい場合など、例えば、図11(b)のような、マイクロプリズム方式の再帰反射体であることが好ましい。
ラインセンサ110は、n個のフォトセンサ151a、151b、・・・151nが一方向に並んでライン状に配置されている。ラインセンサ110の受光面は、図11(c)に示すように、各フォトセンサ151a、151b、・・・151nの受光面が、一方向に配置されて構成されている。ラインセンサ110は、各フォトセンサ51から出力される、各フォトセンサの受光面に入射する反射光に応じた電気信号を、時系列で順番に出力する(スキャンする)。ラインセンサ110は、データ処理手段116と接続されており、データ処理手段116が、一方向に並んでライン状に配置された各フォトセンサから出力される時系列の電気信号を取得する。第1測定対象領域117および第2測定対象領域119は、ラインセンサ110の受光面に対応する形状であって、ユニット100の配置位置や配置角度に応じて定まっている。逆にいえば、ラインセンサ110の受光面に対応して、第1測定対象領域117および第2測定対象領域119、ひいては、上記投影面上における、第1通過基準線117sおよび第2通過基準線119sが定まっている。
ユニット100は、このライン状の測定対象領域から到来する光(反射光)をラインセンサ110が受光可能となるよう、方向および位置が調整されて配置されている。ユニット100は、このラインセンサ110によって定まるライン状の測定対象領域(第1測定対象領域117および第2測定対象領域119それぞれ)を通過するゴルフクラブ10の、各反射マーカ34(反射マーカ34aおよび34b)の測定対象領域の通過タイミング、ひいては各測定対象領域の中心線である通過基準線(第1通過基準線117sおよび第2通過基準線119s)の通過タイミングを検知する。
本発明は、このようなラインセンサを用いるので、限定されたライン状の空間(測定対象領域)を通過するゴルフククラブを検知するに際し、このライン状の測定対象領域に限定して投射光を照射する必要がない。本発明によれば、限定した空間範囲を照射するための、レーザ光照射手段など大型かつ高価な装置を用いることなく、空間的に限定されたライン状の測定対象領域を通過する移動物体を検知することができる。
本実施形態では、図9(a)、(b)に示すように、ゴルフスイングにおける、反射マーカ34aが第1通過基準線117sを通過するタイミングをTa(P1)、反射マーカ34aが第2通過基準線119sを通過するタイミングをTa(P2)、反射マーカ34bが第1通過基準線117sを通過するタイミングをTb(P1)、反射マーカ34bが第2通過基準線119sを通過するタイミングをTb(P2)とする。
図12(a)、(b)は、ラインセンサ110による、各反射マーカ34(反射マーカ34aおよび34b)の測定対象領域の通過タイミングの検知の一例について説明するための模式図である。
図12(a)は、ゴルフスイングのインパクトの状態での、第1測定対象領域117および第2測定対象領域119におけるゴルフクラブ10の通過の状態の一例について示す概略側面図であり、図12(b)は、図12(a)に示すインパクト状態で、ラインセンサ110から出力されてデータ処理手段116が取得する時系列の電気信号のグラフである。なお、図12(b)のグラフでは、縦軸を、電気信号に応じた反射光の光量として示している。
ゴルフクラブ10が第1測定対象領域117を通過する際、ラインセンサ110を構成する各フォトセンサ151a〜151nそれぞれは、第1測定対象領域117をn個に分割した、それぞれ異なる分割領域117a、117b、117c、・・・117nから到来する光(反射光)をそれぞれ受光する。同様に、ゴルフクラブ10が第2測定対象領域119を通過する際、ラインセンサ110を構成する各フォトセンサ151a〜151nそれぞれは、第2測定対象領域119をn個に分割した、それぞれ異なる分割領域119a、119b、119c、・・・119nから到来する光(反射光)をそれぞれ受光する。
この場合、ラインセンサ110は、複数のフォトセンサそれぞれが受光した光の光量を、スキャン時間δで上から下にスキャンして(第1測定対象領域117および第2測定対象領域119を上から下に向けてスキャンして)、データ処理手段116が、各センサが受光した時系列の光量の変化に応じた時系列の電気信号出力を受け取り、ラインセンサ110に入射する光量がピーク値を有するタイミングを検知する。図12(a)に示す例では、ゴルフクラブ10は、第1測定対象領域117を通過する際、第1測定対象領域117に対して傾斜して移動し、反射マーカ34a、34bは第1測定対象領域117を順番に通過する。そして、第1測定対象領域117を通過して、第2測定対象領域119を通過する際は、ゴルフクラブ10は、第2測定対象領域119の延在方向に対してほぼ平行な状態となり、反射マーカ34a、34bは第2測定対象領域119を、ほぼ同時に通過している。
ラインセンサ110によるスキャンは、上から下に向かって行われるので、よりグリップ側に設けられている反射マーカ34aは、図12(b)に示すグラフに示すように、スキャン時間δのうち比較的早いタイミング(前半時間)で検知され、反射マーカ34bは、常にスキャン時間δのうち比較的遅いタイミング(後半時間)で検知されることになる。ラインセンサ110から出力されたこのような信号を受信したデータ処理手段116(より詳しくは、後述するタイミング情報取得部130)は、スキャン時間δにおける、光量(電気信号)のピークの位置をチェックすることによって、反射マーカ34aによる反射光と反射マーカ34bによる反射光とを識別することができる。各測定対象領域それぞれについて、スキャン時間δにおける光量(電気信号)のピークの位置をチェックすることによって、各反射マーカが各通過基準線を通過したタイミングを、それぞれ検知することができる。
なお、ラインセンサ110について、複数のフォトセンサ全体をスキャンするのに要する時間を著しく短くした場合、下記のようにして、各反射マーカが各測定対象領域の中心部分、すなわち第1通過基準線117sおよび第2通過基準線119sを通過するタイミングを算出すればよい。
次に、データ処理手段116の構成について説明する。
図13に示すように、データ処理手段116は、タイミング情報取得部130、基準位置通過タイミング差算出部(以下、タイミング差算出部という)132、基準線間移動所要時間算出部(以下、移動所要時間算出部という)134、移動速度算出部136、水平遅れ距離算出部138、およびスイング特徴量算出部140を備える。
データ処理手段116のタイミング情報取得部130は、ラインセンサ110から出力される信号を受け取り、反射マーカ34aおよび34bの各々について、第1測定対象領域117の第1通過基準線117sを通過するタイミングをそれぞれ求める。同様に、反射マーカ34aおよび34bの各々について、第2測定対象領域119の第2通過基準線119sを通過するタイミングをそれぞれ求める。
そして、タイミング差算出部132が、反射マーカ34aが第1通過基準線117sを通過するタイミングTa(P1)と、反射マーカ34bが第1通過基準線117sを通過するタイミングTb(P1)とのタイミング差Td1を求める。また、同様に、反射マーカ34aが第2通過基準線119sを通過するタイミングTa(P2)と、反射マーカ34bが第2通過基準線119sを通過するタイミングTb(P2)と、のタイミング差Td2も併せて求め、メモリ118に記憶しておく。
移動所要時間算出部134は、反射マーカ34aが第1通過基準線117sを通過するタイミングTa(P1)と、反射マーカ34aが第2通過基準線119sを通過するタイミングTa(P2)と、のタイミング差Tpaを求める。また、同様に、反射マーカ34bが第1通過基準線117sを通過するタイミングTb(P1)と、反射マーカ34bが第2通過基準線119sを通過するタイミングTb(P2)とのタイミング差Tpbも併せて求め、メモリ118に記憶しておく。
移動速度算出部136は、これらTpaおよびTpbの少なくともいずれか一方と、第1通過基準線117sと第2通過基準線119sとの、地面と水平方向の距離Wを用いて、インパクト状態におけるゴルフクラブの移動速度Vとして、反射マーカ34aおよび反射マーカ34bのいずれか一方の、第1通過基準線117sと第2通過基準線119sとの間の移動速度を求める。メモリ118には、第1通過基準線117sと第2通過基準線119sとの間の距離Wが記憶されている。移動速度算出部136は、移動所要時間算出部82が算出したタイミング差Tpaとタイミング差Tpb、およびこの距離Wを用い、ゴルフクラブシャフト14に設けられた反射マーカ34aのインパクト状態における移動速度V(=W/Tpa)、または、反射マーカ34bのインパクト状態における移動速度V(=W/Tpb)、の少なくともいずれか一方を求める。なお、この距離Wは、ゴルファが立つ地面に平行な方向(第1通過基準線117sと第2通過基準線119s双方と垂直な方向)の、第1通過基準線117sと第2通過基準線119sとの間の距離であり、これら移動速度VおよびVは、ゴルファが立つ地面と略平行な方向の速度である。ゴルフスイングのインパクト状態では、ゴルフクラブシャフトは、長さ方向を地面と垂直(投影面において垂直)に保ちつつ移動していると仮定できる。移動速度Vは、インパクト状態における反射マーカ34aの移動速度を表し、移動速度Vは、インパクト状態における反射マーカ34bの移動速度を表しているといえる。移動速度算出部136では、このようにして算出した、反射マーカ34aの移動速度Vおよび反射マーカ34bの移動速度Vのいずれか一方を、ゴルフスイングでのインパクトの状態における、ゴルフクラブシャフトの移動速度Vmとしてメモリ118に記憶しておく。このゴルフクラブシャフトの移動速度Vmもスイング特徴量として用いられる。
なお、本発明では、TpaおよびTpbの少なくともいずれか一方と、第1通過基準線117sと第2通過基準線119sとの、地面と水平方向の距離Wを用いて、インパクト状態におけるゴルフクラブシャフトの移動速度Vmとして、測定位置16aおよび測定位置34bのいずれか一方の、第1通過基準線117sと第2通過基準線119sとの間の移動速度を求めることに限定されない。例えば、ゴルフクラブにおける所定位置の移動速度を検出可能な、図示しない速度検出手段によって、ゴルフクラブシャフトにおける所定位置の移動速度を検出し、この所定位置の移動速度を、ゴルフクラブシャフトの移動速度Vmとして用いてもよい。ゴルフクラブシャフトの移動速度Vmとして用いるための、ゴルフクラブシャフトにおける位置は特に限定されない。
水平遅れ距離算出部138は、この求めた移動速度Vmと上記タイミング差Td1とを乗算することで、ゴルフクラブが第1通過基準線117sを通過する際の、ゴルフクラブシャフトに設けられた2つの反射マーカ34aおよび反射マーカ34bの間の、第1通過基準線117sと垂直方向(すなわち、地面と水平な方向)の距離(水平遅れ量情報)Fを算出する。同様に、この求めた移動速度Vmとタイミング差Td2とを乗算することで、ゴルフクラブが第2通過基準線119sを通過する際の、ゴルフクラブシャフトに設けられた2つの反射マーカ34aおよび反射マーカ34bの間の、第2通過基準線119sと垂直方向(すなわち、地面と水平な方向)の距離(水平遅れ量情報)Fを算出する。
スイング特徴量算出部140は、求めた遅れ量情報Fと、ゴルフクラブシャフト14における反射マーカ34aおよび反射マーカ34bの間の、ゴルフクラブシャフト14の長さ方向に沿った間隔Lの情報とを用いて、第1通過基準線117sを通過する際の、ゴルフクラブシャフト14の長さ方向と、第1通過基準線117s(地面に鉛直な方向)とのなす角αを、下記式(2)を用いて求める。また、同様に、求めた遅れ量情報Fと、ゴルフクラブシャフト14における反射マーカ34aおよび反射マーカ34bの間の距離Lの情報と、を用いて、第2通過基準線119sを通過する際の、ゴルフクラブシャフト14の長さ方向と第2通過基準線119sとのなす角αを、下記式(3)を用いて求める。メモリ118には、このような、ゴルフクラブシャフト14における、反射マーカ34aと反射マーカ34bとの間の長さLの情報が記憶されている。スイング特徴量算出部140は、メモリ118から、このような長さLの情報を読み出し、第1通過基準線117sおよび第2通過基準線119sを通過する際それぞれの、ゴルフクラブシャフト14の長さ方向と、地面と鉛直な方向とのなす角(αおよびα)を、それぞれ求める。
α=sin−1(F/L)・・・(2)
α=sin−1(F/L)・・・(3)
ゴルフクラブシャフト14の長さ方向と、地面と略垂直な通過基準線とのなす角(αやα)、およびこの角度の変化の態様(αとαの大きさの差など)は、ゴルフスイングにおけるハンドファーストの程度をよく表しており、このようなハンドファーストの程度は、インパクトの際の、ゴルフクラブヘッド12のフェース面20aのロフト角に影響するものであり、ゴルフスイングを特徴づけるものである。
なお、データ処理手段116のスイング特徴量算出部140では、移動速度算出部136で求めた移動速度VおよびVを用いて、ゴルフスイングでの、インパクト状態におけるヘッドスピードVおよびグリップ端速度Vを求めてもよく、また、移動速度VとVとの差または移動速度VとVとの比を求めてもよい。
図14は、ゴルフスイングでの、インパクト状態におけるヘッドスピードVおよびグリップ端速度Vと、ゴルフクラブシャフト14に設けられた反射マーカ34aのインパクト状態における移動速度Vと、反射マーカ34bのインパクト状態における移動速度Vとの関係について説明する図であり、ゴルフスイング中のインパクト状態における、ゴルフクラブ10の挙動を示す概略側面図である。
ゴルフスイングにおける、ゴルフクラブシャフト14上の任意の位置(グリップ位置14a、ヘッド位置12a、反射マーカ34aの貼付位置、反射マーカ34bの貼付位置など)の運動は、上述したように、一般的に、ゴルフクラブシャフトの中心軸の延長線上の特定位置(仮想回転中心位置)を中心とした、略円軌道の運動で近似することができる。そして、幾何学的な相似関係から、ゴルファが立つ地面と略平行方向の、ヘッドスピードベクトルVの大きさ(ヘッドスピードV)とグリップスピードベクトルVの大きさ(グリップスピードV)それぞれは、上述した、反射マーカ34aおよび反射マーカ34bそれぞれの移動速度VおよびV(図14に、速度ベクトルVおよび速度ベクトルVで示す)を用いて表すことができる。より詳しくは、ヘッドスピードVおよびグリップスピードVそれぞれは、ゴルフスイングの仮想回転中心位置とゴルフクラブのグリップ位置までの距離R、上記2箇所の測定位置(反射マーカ34aおよび34b)のうちの、よりグリップ側の測定位置(速度ベクトルVに対応する位置)から、上記設定したクリップ位置までの距離l、上記2箇所の測定位置(反射マーカ34aおよび34b)のゴルフクラブシャフトに沿った方向の間隔L、ゴルフクラブのグリップ位置からゴルフクラブヘッド部のヘッド位置までの距離H、および、速度ベクトルVの大きさ(移動速度V)、および速度ベクトルVの大きさ(移動速度V)で表すことができる。
具体的には、上記仮想回転中心位置とゴルフクラブのグリップ位置までの距離Rは、下記式(4)によって表すことができ、グリップスピードVおよびヘッドスピードVを、それぞれ下記式(5)および下記式(6)によって表すことができる。
R={(V−V)×l+L×V}/(V−V) ・・・(4)
=(V×R)/(R+l) ・・・(5)
={V×(R+H)}/(R+l) ・・・(6)
上記式(4)〜(6)より、ヘッドスピードVおよびグリップスピードVそれぞれは、式(7)および式(8)によって算出される。
={(L+l)×V−l×V}/L ・・・(7)
={(L+l−H)×V+(H−l)×V}/L ・・・(8)
データ処理手段116のスイング特徴量算出部140では、移動速度算出部136で算出した移動速度VおよびVを用い、インパクト時のヘッドスピードVやグリップスピードVを算出してもよく、更には、インパクト時のヘッドスピードVとグリップスピードVとの比V/V、インパクト時のヘッドスピードVとグリップスピードVと差をスイング特徴量として求めてもよい。
グリップスピードVは、この値が大きいほど、手元調子のゴルフクラブシャフトが好ましいとされている。
また、グリップスピードVは、この値が小さいほど、先調子のゴルフクラブシャフトが好ましいとされている。
さらには、比V/Vの値は、この値が大きいほど、インパクトの際にリストの返しがより強いリストターンタイプのスイングであると判定し、先調子のゴルフクラブシャフトを選択してもよい。
また、比V/Vの値がより小さいほど、インパクトの際にリストをあまり使わないボディターンタイプのスイングと判定して、手元調子のゴルフクラブシャフトを選択してもよい。
なお、筐体106に設けられたディスプレイ104に、求められた角αおよびα、グリップスピードV、ヘッドスピードV、および比V/V等の各種情報が表示される。
処理装置46は、ユニット100(スイング特徴量算出部140)によって算出された各種の値(α、α、α−α、各反射マーカ34a、34bの移動速度VとVとの差または移動速度VとVとの比、グリップスピードV、ヘッドスピードV、差V−V、比V/V)のうち、少なくとも1つをスイング特徴量として用いて、ゴルフクラブシャフトデータベース54bから、ゴルフクラブシャフトを選択する。
処理装置46では、例えば、角αと予め定められた閾値とを比較し、求めた角αが予め定められた閾値以上の場合、処理装置46においては、ゴルフクラブシャフトデータベース54bから、ハンドファーストの程度が大きいスイングをするゴルファ向きのゴルフクラブシャフトを選択する。
また、求めた角αが、予め定められた閾値よりも小さい場合には、処理装置46においては、ゴルフクラブシャフトデータベース54bから、ハンドファーストと逆傾向のスイングをするゴルファ向きのゴルフクラブシャフトを選択する。
さらには、処理装置46においては、比V/Vの値に応じて、リストターンタイプのスイングをするゴルファ向きのゴルフクラブシャフト、またはボディターンタイプのスイングをするゴルファ向きのゴルフクラブシャフトなど、ゴルフクラブシャフトデータベース54bから選択するようにしてもよい。
なお、タイミングを表すデジタル情報を受け取って角度を算出するデータ処理手段116が、スイング測定・データ処理ユニット100に備えられている。データ処理手段は、スイング測定・データ処理ユニットと接続されたコンピュータに備えられていてもよい。すなわち、スイング測定・データ処理ユニットが、タイミングを表すデジタル情報のみを取得して出力し、この情報を取得したコンピュータ(のCPU)がソフトウェアを実行することで角度を算出してもよい。
次に、ゴルフクラブヘッド12とゴルフクラブシャフト14とが分離自在なゴルフクラブを用いた本実施形態のゴルフクラブ10の選択方法について説明する。
図15は、本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法を工程順に示すフローチャートである。図16は、本発明の第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法のうち、ゴルフクラブシャフトの挙動情報の取得工程を詳細に示すフローチャートである。
本実施形態のゴルフクラブの選択方法においては、基準となるゴルフクラブ(以下、基準ゴルフクラブという)を予め用意する。
この基準ゴルフクラブは、例えば、ゴルファのヘッドスピード、性別、年齢、体力などに応じて、標準的に使用されるゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとを組み合せたものである。基準ゴルフクラブにおいては、ゴルフクラブヘッドにマーカ30a〜30cが設けられ、ゴルフクラブシャフト14に反射マーカ34a、34bが設けられている。
基準ゴルフクラブとしては、例えば、ゴルファ35が把持するゴルフクラブ10は、例えば、長さ1066〜1219mm(約42〜約48インチ)、振動数3.3〜5.0Hz(200〜300cpm)、質量280〜320gの範囲内にある、標準的仕様の所定のゴルフクラブが用いられる。
なお、本実施形態においては、ゴルファ35は、方向性が優れたゴルフクラブを要求していることを例にして説明する。この場合、ゴルフクラブシャフトの選択に利用するスイング特徴量としては、比V/V(リストターン比率)を用いる。
本実施形態のゴルフクラブの選択方法においては、ゴルファが、基準ゴルフクラブを用いて試打する(ステップS10)。
このとき、システム40の計測装置44によりゴルフクラブシャフトの挙動を計測し、ゴルフクラブシャフトの挙動情報を取得する(ステップS12)。
このステップS12においては、ゴルファ35が、反射マーカ34aおよび反射マーカ34bが設けられた基準ゴルフクラブを把持して、ゴルフスイングを行ったとき、計測装置44では、ゴルファ35が行うゴルフスイングについて、ユニット100を用いて、基準ゴルフクラブに設けられた反射マーカ34aおよび反射マーカ34bに対応する位置それぞれについて、第1通過基準線117sおよび第2通過基準線19aの通過タイミングをそれぞれ求める。
具体的には、図16に示すように、ステップS12においては、タイミング情報取得部130が、ラインセンサ110から出力される信号を受け取り、反射マーカ34aおよび34bの各々について、第1測定対象領域117の第1通過基準線117sを通過するタイミングをそれぞれ求める。同様に、反射マーカ34aおよび34bの各々について、第2測定対象領域119の第2通過基準線119sを通過するタイミングをそれぞれ求める(ステップS100)。
そして、タイミング差算出部132が、反射マーカ34aが第1通過基準線117sを通過するタイミングTa(P1)と、反射マーカ34bが第1通過基準線117sを通過するタイミングTb(P1)と、のタイミング差Td1を求める。また、同様に、反射マーカ34aが第2通過基準線119sを通過するタイミングTa(P2)と、反射マーカ34bが第2通過基準線119sを通過するタイミングTb(P2)と、のタイミング差Td2も併せて求め、メモリ118に記憶しておく(ステップS102)。
これとともに、移動所要時間算出部134が、反射マーカ34aが第1通過基準線117sを通過するタイミングTb(P1)と、反射マーカ34aが第2通過基準線119sを通過するタイミングTa(P2)と、のタイミング差Tpaを求める。また、同様に、反射マーカ34bが第1通過基準線117sを通過するタイミングTb(P1)と、反射マーカ34bが第2通過基準線119sを通過するタイミングTb(P2)と、のタイミング差Tpbも併せて求め、メモリ118に記憶しておく(ステップS104)。
そして、移動速度算出部136が、これらTpaおよびTpbの少なくともいずれか一方と、第1通過基準線117sと第2通過基準線119sとの、地面と水平方向の距離Wを用いて、インパクト状態におけるゴルフクラブシャフト14の移動速度Vmを求める(ステップS106)。移動速度Vmは、反射マーカ34aおよび反射マーカ34bのいずれか一方の、第1通過基準線117sと第2通過基準線119sとの間の移動速度である。上述のように、メモリ118には、第1通過基準線117sと第2通過基準線119sとの間の距離Wが記憶されている。移動速度算出部136は、移動所要時間算出部82が算出したタイミング差Tpaとタイミング差Tpb、およびこの距離Wを用い、ゴルフクラブシャフト14に設けられた反射マーカ34aのインパクト状態における移動速度V(=W/T)、または、反射マーカ34bのインパクト状態における移動速度V(=W/T)、を求める。
次に、スイング特徴量算出部140において、反射マーカ34aの移動速度Vおよび反射マーカ34bの移動速度Vから、スイング特徴量として、比V/Vを求める(ステップS108)。
次に、処理装置46により、比V/Vに基づいて、ゴルフクラブシャフトデータベース54bの中から適合シャフト群が選択される(ステップS14)。
この場合、適合シャフト群としては、例えば、ゴルフクラブシャフトの調子が選択される。
次に、更に、ゴルフクラブシャフトの調子の適合シャフト群の中から、ゴルフクラブシャフトデータベース54bに記憶されたゴルフクラブシャフトが1本、処理装置46により選択される(ステップS16)。そして、選択されたゴルフクラブシャフト14の実物を用意する。
この場合、比V/Vの値に基づいて、処理装置46により先調子、中調子、または元調子のものが選択される。
なお、ゴルフクラブシャフトの選択に際しては、例えば、方向性重視、飛距離重視など、ゴルファが要求する仕様を考慮してもよい。
このように、基準ゴルフクラブの試打により、ゴルフクラブシャフトの挙動を測定し、スイング特徴量(比V/V)を求め、このスイング特徴量に基づいて選択されたゴルフクラブシャフトを、次の試打用のゴルフクラブに用いる。
一方、基準ゴルフクラブを試打したとき、システム40の挙動計測装置42によりゴルフクラブヘッドの挙動を計測し、ゴルフクラブヘッドの挙動情報を取得する(ステップS20)。そして、例えば、図8に示すように、取得したゴルフクラブヘッドの挙動情報を表示する。
なお、ゴルフクラブヘッドの挙動情報とは、上述のように、ゴルフボールbの打点位置、打点位置でのヘッドスピード、ゴルフクラブヘッド12の上下方向および左右方向のそれぞれにおける進入角度、ライ角、ダイナミックロフト角、ゴルフクラブヘッド12のヒール−トウ方向における回転速度などである。
次に、処理装置46は、得られたゴルフボールbの打点位置、打点位置でのヘッドスピード、ゴルフクラブヘッド12の上下方向および左右方向のそれぞれにおける進入角度、ライ角、ダイナミックロフト角などのゴルフクラブヘッドの挙動情報に基づいて、ゴルフクラブヘッドデータベース54aの中から、本実施形態においては、方向性を重視した適合ヘッド群を選択する(ステップS22)。
なお、適合ヘッド群とは、ゴルフクラブヘッドの特性別に分類したグループのことである。例えば、距離G、ロフト角、慣性モーメント、重心後退量G等で分類される。
次に、更に、処理装置46によりゴルフクラブヘッドデータベース54aに記憶された適合ヘッド群の中から、方向性を重視したゴルフクラブヘッドが1つ選択される(ステップS24)。そして、選択されたゴルフクラブヘッド12の実物を用意する。このゴルフクラブヘッド12には、マーカ30a〜30cが設けられている。
なお、本実施形態のように方向性を重視する場合において、ゴルフクラブヘッドの選択に際しては、ゴルフクラブヘッドの距離G(図1(b)参照)または慣性モーメントを重視する。
一方、飛距離を重視する場合では、方向性とは重視する設計パラメータが異なり、ロフト角θ(図4参照)、または重心後退量G(図4参照)を重視する。
本実施形態において、ゴルフクラブヘッドの挙動計測の結果、例えば、インパクト時にフェース面20aが開いた状態で、ゴルフボールbを打撃することが分かった。この場合、処理装置46により、フェース面20aの開きを抑制することができる適合ヘッド群がゴルフクラブヘッドデータベース54aから選択される。このとき、処理装置46により、例えば、距離Gだけが異なるゴルフクラブヘッドを複数備えたヘッド群が選択される。このヘッド群の中から、フェース面20aの開きを抑制するために、基準ゴルフクラブよりも距離Gだけが短いものが処理装置46により選択される。
このように、基準ゴルフクラブを試打して、このときのインパクト時におけるゴルフクラブヘッドの挙動を測定し、この測定結果に基づいて選択されたゴルフクラブヘッドを、次の試打用のゴルフクラブに用いる。
次に、選択したゴルフクラブヘッドに、選択したゴルフクラブシャフトを、上述のようにホーゼル部28の開口部29に挿入し、固定ボルト32により、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとを固定する。これにより、新たな試打用のゴルフクラブを得る。
次に、この新たな試打用のゴルフクラブを用いて試打をする(ステップS30)。
この場合、ステップS20と同様にして、システム40の挙動計測装置42によりゴルフクラブヘッド12の挙動を計測し、ゴルフクラブヘッド12の挙動情報を取得する(ステップS32)。そして、例えば、図8に示すように、取得したゴルフクラブヘッドの挙動情報を表示する。
次に、ゴルフクラブヘッド12の挙動情報に基づいて、処理装置46により、ゴルフクラブヘッド12の選択の適否が判定される(ステップS34)。
ステップS34において、ゴルフクラブヘッドの選択の適否は、例えば、以下のように判定される。
フェース面の開きを抑えるために、選択した距離Gが短いものゴルフクラブヘッドを用いた試打ゴルフクラブによる試打で、前回の試打の結果と比較して、フェース面の開きが抑制されていれば、すなわち、フェース面の開きが小さくなっていれば、処理装置46において、ゴルフクラブヘッドの選択は適性であると判定される。これにより、最適なゴルフクラブヘッドと、ゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される(ステップS36)。そして、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトの組み合せが最適なゴルフクラブを、ゴルファが得ることができる。
一方、この選択したゴルフクラブヘッドを用いた試打ゴルフクラブによる試打で、フェース面の開きが改善されていない場合、すなわち、前回の試打の結果と比較して、フェース面の開きが小さくなっていない場合、処理装置46は、再度、適合ヘッド群からゴルフクラブヘッドを選択する(ステップS24)。
この場合、処理装置46により、距離Gが更に短いゴルフクラブヘッドが選択される。そして、再度、選択されたゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトと組み合せて、試打用のゴルフクラブを得て、試打を行う(ステップS30)。そして、ゴルフクラブヘッド12の挙動計測を行い、ゴルフクラブヘッド12の挙動情報を得て、ゴルフクラブヘッド12の選択の適否が処理装置46により判定される(ステップS34)。
このステップS34において、試打用のゴルフクラブによる試打で、フェース面20aの開きが改善されていれば、処理装置46により、ゴルフクラブヘッド12の選択は適性であると判定される。これにより、最適なゴルフクラブヘッドと、ゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される(ステップS36)。そして、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトの組み合せが最適なゴルフクラブを、ゴルファが得ることができる。
なお、この選択したゴルフクラブヘッド12を用いた試打用のゴルフクラブによる試打で、フェース面20aの開きが改善されていない場合、再度、処理装置46により、適合ヘッド群からゴルフクラブヘッド12が選択(ステップS24)され、ゴルフクラブシャフトと組み合せてゴルフクラブを得て、試打を行う(ステップS30)。そして、ゴルフクラブヘッド12の挙動計測を行ってゴルフクラブヘッドの挙動情報を取得して、ゴルフクラブヘッド12の選択の適否が処理装置46により判定される(ステップS34)ことを、ゴルフクラブヘッドの選択が処理装置46により適性であると判定され、最適なゴルフクラブヘッドと、ゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される(ステップS36)まで繰返し行う。
このようにして、本実施形態のゴルフクラブの選択方法においては、最適なゴルフクラブヘッドと、ゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される。
本実施形態においては、打撃時のゴルフクラブシャフト14およびゴルフクラブヘッド12の挙動に応じて、ゴルフクラブシャフト14およびゴルフクラブヘッド12を、それぞれ選択するものであり、例えば、ゴルファの方向性の要求に応じた適正なものを、ゴルファのフィーリングに依ることなく選択することができる。しかも、ゴルフクラブヘッドの挙動が把握できるため、効率良くゴルフクラブヘッドを選択することができる。
本実施形態において、選択されたゴルフクラブヘッドと、選択されたゴルフクラブシャフトとが組み合わされてなる最終的に得られるゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離可能なゴルフクラブであってもよく、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが一体的に構成された一般的なゴルフクラブであってもよい。
例えば、仕様が異なる複数のゴルフクラブヘッドに、それぞれ同一仕様のゴルフクラブシャフトが取り付けられてなるゴルフクラブの群の中から、ゴルフクラブを選択する場合において、ゴルフクラブの群では同一仕様のゴルフクラブシャフトが用いられていても、各ゴルフクラブシャフトは、必ずしも同じではなくゴルフクラブシャフトの個体差がある。このため、ゴルフボールを打撃した場合、ゴルフクラブヘッドの仕様の差ではなくゴルフクラブシャフトの個体差の影響が生じることがある。しかしながら、本実施形態においては、スイング特徴量に応じて選択したゴルフクラブシャフト14を固定した状態で、ゴルフクラブヘッドを選択するため、ゴルフクラブシャフトの個体差の影響を抑制できる。このように、ゴルフクラブヘッドが異なる以外にゴルフクラブの性能に影響を与える要因をなくしてゴルフクラブヘッドを選択できるため、ゴルフクラブヘッドの選択の精度を高めることができるとともに、本実施形態の選択方法を利用するゴルファ(顧客)の信用度も高めることができる。
さらには、本実施形態においては、打球方向および飛距離だけでは、ゴルファの打ち方などによっては、例えば、スイートスポットから外れて打球していても、所定の飛距離が得られたりすることもある。従来では、ゴルファの打ち方、ゴルフボールbの打点位置などが考慮されないため、適正なものを選択しているとは限らない。しかし、本実施形態においては、打撃前後のゴルフクラブヘッドの挙動を測定しているため、ゴルファの打ち方、ゴルフボールbの打点位置なども考慮することができ、これにより、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトについて最適なものを選択できる。
なお、ゴルフクラブヘッドを選択しただけでは、ゴルフクラブヘッドの選択が適性でないと判定される場合、本実施形態においては、要求される仕様(方向性、飛距離など)に基づいて、これまで選択していたものとは、特性が異なるゴルフクラブシャフトを選択する。
次に、本発明の第2の実施形態のゴルフクラブの選択方法について説明する。
図17は、本発明の第2の実施形態のゴルフクラブの選択方法を工程順に示すフローチャートである。
本実施形態のゴルフクラブの選択方法においては、第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法に比して、処理装置46によりゴルフクラブシャフトが選択された後、処理装置46によりゴルフクラブヘッドが選択される点が異なり、それ以外の工程は、第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法と同様の工程であるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のゴルフクラブの選択方法においても、ゴルファ35は、方向性が優れたゴルフクラブを要求していることを例にして説明し、ゴルフクラブシャフトの選択に利用するスイング特徴量としては、比V/Vを用いる。
本実施形態のゴルフクラブの選択方法においては、先ず、第1の実施形態と同様に、ゴルファが基準ゴルフクラブで試打をする(ステップS40)。
このとき、システム40の計測装置44によりゴルフクラブシャフトの挙動を計測し、ゴルフクラブシャフトの挙動情報を取得するとともに、挙動計測装置42によりゴルフクラブヘッドの挙動を計測し、ゴルフクラブヘッドの挙動情報を取得する(ステップS42)。
本実施形態において、システム40の計測装置44によるゴルフクラブシャフトの挙動の計測方法、および挙動計測装置42によるゴルフクラブヘッドの挙動の計測方法は、第1の実施形態と同様の計測方法であるため、その詳細な説明は省略する。
例えば、スイング特徴量として、スイング特徴量算出部140で比V/Vが求められ、この比V/Vに基づいて、ゴルフクラブシャフトデータベース54bの中から適合シャフト群を選択する(ステップS44)。この場合、適合シャフト群としては、例えば、ゴルフクラブシャフトの調子が選択される。
次に、更に、ゴルフクラブシャフトの調子の適合シャフト群の中から、ゴルフクラブシャフトデータベース54bに記憶されたゴルフクラブシャフトが1本、選択される(ステップS46)。そして、選択されたゴルフクラブシャフト14の実物を用意する。
この場合、比V/Vの値に基づいて、処理装置46により、先調子、中調子、または元調子のものが選択される。そして、選択されたゴルフクラブシャフトを用意する。
このゴルフクラブシャフトの選択に際しては、例えば、方向性重視、飛距離重視など、ゴルファが要求する仕様を考慮してもよい。
このように、基準ゴルフクラブの試打により、ゴルフクラブシャフトの挙動を測定し、スイング特徴量(比V/V)を求め、このスイング特徴量に基づいて選択されたゴルフクラブシャフトを、次の試打用のゴルフクラブに用いる。
なお、本実施形態のステップS44とステップS46は、第1の実施形態のステップS14およびステップS16と同様の工程であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、ステップS42で得られたゴルフクラブヘッドの挙動情報に基づいて、処理装置46によりゴルフクラブヘッドデータベース54aの中から適合ヘッド群が選択される(ステップS48)。
次に、ゴルフクラブヘッドデータベース54aに記憶された適合ヘッド群の中から、処理装置46により方向性を重視したゴルフクラブヘッドが1つ選択される(ステップS50)。そして、選択されたゴルフクラブヘッド12の実物を用意する。このゴルフクラブヘッド12には、マーカ30a〜30cが設けられている。
本実施形態のステップS48およびステップS50も、第1の実施形態のステップS22およびステップS24と同様の工程であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、選択したゴルフクラブシャフトを選択したゴルフクラブヘッドに、上述のようにホーゼル部28の開口部29に挿入し、固定ボルト32により、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとを固定する。これにより、新たな試打用のゴルフクラブを得る。
次に、この新たな試打用のゴルフクラブを用いて試打をする(ステップS52)。
この場合、システム40の挙動計測装置42によりゴルフクラブヘッド12の挙動を測定し、ゴルフクラブヘッドの挙動情報を取得する(ステップS54)。
なお、本実施形態のステップS52、ステップS54は、第1の実施形態のステップS30、ステップS32と同様の工程であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、ゴルフクラブヘッド12の挙動情報に基づいて、処理装置46により、ゴルフクラブヘッドの選択の適否が判定される(ステップS56)。
ステップS56において、ゴルフクラブヘッド12の選択の適否は、例えば、以下のように判定される。
例えば、フェース面20aの開きを抑えるために、選択した基準ゴルフクラブに比して距離Gだけが短いゴルフクラブヘッドを用いた試打ゴルフクラブによる試打で、フェース面20aの開きが抑制されていれば、処理装置46によりゴルフクラブヘッド12の選択は適性であると判定される。これにより、最適なゴルフクラブヘッドと、ゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される(ステップS58)。そして、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトの組み合せが最適なゴルフクラブを、ゴルファが得ることができる。
一方、この選択したゴルフクラブヘッドを用いた試打用のゴルフクラブによる試打で、フェース面20aの開きが改善されていない場合、再度、処理装置46により適合ヘッド群からゴルフクラブヘッドが選択される(ステップS50)。
この場合、第1の実施形態のステップS30〜S34と同様に、処理装置46により、距離Gが更に短いゴルフクラブヘッドが選択され、再度、ゴルフクラブシャフトと組み合せて、ゴルフクラブを得、試打を行う(ステップS52)。そして、ゴルフクラブヘッド12の挙動計測を行い、ゴルフクラブヘッド12の挙動情報を得て、処理装置46によりゴルフクラブヘッド12の選択の適否が判定される(ステップS56)。
このステップS56において、試打ゴルフクラブによる試打で、フェース面20aの開きが改善されていれば、ゴルフクラブヘッド12の選択は適性であると処理装置46により判定される。これにより、最適なゴルフクラブヘッドと、ゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される(ステップS58)。そして、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトの組み合せが最適なゴルフクラブを、ゴルファが得ることができる。
なお、この選択したゴルフクラブヘッドを用いた試打用のゴルフクラブによる試打で、フェース面の開きが改善されていない場合、再度、処理装置46により、適合ヘッド群からゴルフクラブヘッドが選択(ステップS50)され、ゴルフクラブシャフトと組み合せてゴルフクラブを得て、試打を行う(ステップS52)。そして、ゴルフクラブヘッドの挙動計測を行ってゴルフクラブヘッドの挙動情報を取得(ステップS54)して、ゴルフクラブヘッドの選択の適否が処理装置46により判定される(ステップS56)ことを、ゴルフクラブヘッドの選択が適性であると処理装置46により判定され、最適なゴルフクラブヘッドと、ゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される(ステップS58)まで、繰返し行う。
このようにして、本実施形態のゴルフクラブの選択方法においては、最適なゴルフクラブヘッドと、ゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される。
本実施形態は、第1の実施形態に比して、ゴルフクラブシャフトを選択した後、ゴルフクラブヘッドを選択する点が異なり、それ以外の工程は、第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法と同様の工程であるため、基本的には、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、ゴルフクラブヘッドを選択しただけでは、ゴルフクラブヘッドの選択が適性でないと判定される場合、本実施形態においても、要求される仕様(方向性、飛距離など)に基づいて、これまで選択していたものとは、特性が異なるゴルフクラブシャフトを選択する。
本実施形態においても、選択されたゴルフクラブヘッドと、選択されたゴルフクラブシャフトとが組み合わされてなる最終的に得られるゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離可能なゴルフクラブであってもよく、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが一体的に構成された一般的なゴルフクラブであってもよい。
また、本実施形態においては、アドレス時のゴルフクラブヘッドを測定することにより、設計されたライ角βと比較して、ゴルファが構えた状態におけるゴルフクラブヘッドの状態を測定することができる。このため、アドレス状態と、インパクト前後のゴルフクラブヘッドの挙動とから、例えば、構え方に癖があり、インパクト前後の挙動情報を用いてもゴルフクラブの調整が適正なものとならないようなケースでも、適正なゴルフクラブを選択することができる。
また、本実施形態においては、ゴルフクラブシャフトを固定し、ゴルフクラブヘッドを調整したが、これに限定されるものではなく、ゴルフクラブヘッドを固定し、ゴルフクラブシャフトを調整してもよい。
次に、本発明の第3の実施形態のゴルフクラブの選択方法について説明する。
図18は、本発明の第3の実施形態のゴルフクラブの選択方法を工程順に示すフローチャートである。
本実施形態のゴルフクラブの選択方法においては、第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法に比して、ゴルフクラブヘッドを選択した後、ゴルフクラブシャフトを選択する点が異なり、それ以外の工程は、第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法と同様の工程であるため、その詳細な説明する。
本実施形態のゴルフクラブの選択方法においても、ゴルファ35は、方向性が優れたゴルフクラブを要求していることを例にして説明し、ゴルフクラブシャフトの選択に利用するスイング特徴量としては、比V/V(リストターン比率)を用いる。
本実施形態のゴルフクラブの選択方法においては、先ず、第1の実施形態と同様に、ゴルファが基準ゴルフクラブで試打をする(ステップS110)。
このとき、システム40の計測装置44によりゴルフクラブシャフトの挙動を計測し、ゴルフクラブシャフトの挙動情報を取得するとともに、挙動計測装置42によりゴルフクラブヘッドの挙動を計測し、ゴルフクラブヘッドの挙動情報を取得する(ステップS112)。
本実施形態において、システム40の計測装置44によるゴルフクラブシャフトの挙動の計測方法、および挙動計測装置42によるゴルフクラブヘッドの挙動の計測方法は、第1の実施形態と同様の計測方法であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、ステップS112で得られたゴルフクラブヘッドの挙動情報に基づいて、処理装置46によりゴルフクラブヘッドデータベース54aの中から適合ヘッド群が選択される(ステップS114)。
次に、ゴルフクラブヘッドデータベース54aに記憶された適合ヘッド群の中から、処理装置46により、方向性を重視したゴルフクラブヘッドが1つ選択される(ステップS116)。そして、選択されたゴルフクラブヘッド12の実物を用意する。このゴルフクラブヘッド12には、マーカ30a〜30cが設けられている。
本実施形態のステップS114およびステップS116も、第1の実施形態のステップS22およびステップS24と同様の工程であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、選択したゴルフクラブヘッドに、基準ゴルフクラブと同じ仕様のゴルフクラブシャフトを、上述のようにホーゼル部28の開口部29に挿入し、固定ボルト32により、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとを固定する。これにより、新たな試打用のゴルフクラブを得る。
次に、この新たな試打用のゴルフクラブを用いて試打をする(ステップS118)。
この場合、システム40の挙動計測装置42によりゴルフクラブヘッド12の挙動を測定し、ゴルフクラブヘッドの挙動情報を取得する(ステップS120)。
なお、本実施形態のステップS118、ステップS120は、第1の実施形態のステップS30、ステップS32と同様の工程であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、ゴルフクラブヘッド12の挙動情報に基づいて、ゴルフクラブヘッド12の選択の適否が処理装置46により判定される(ステップS122)。
ステップS122において、ゴルフクラブヘッド12の選択の適否は、例えば、以下のように判定される。
例えば、フェース面20aの開きを抑えるために、基準ゴルフクラブのゴルフクラブヘッドに比して距離Gだけが短いゴルフクラブヘッドを選択し、この選択したゴルフクラブヘッドを用いた試打ゴルフクラブによる試打で、フェース面20aの開きが抑制されていれば、ゴルフクラブヘッド12の選択が適性であると処理装置46により判定される。
このように、ゴルフクラブヘッド12の選択が確定されると、次に、ゴルフクラブシャフトを選択する。
一方、選択したゴルフクラブヘッドを用いた試打用のゴルフクラブによる試打で、フェース面20aの開きが改善されていない場合、再度、処理装置46により、適合ヘッド群からゴルフクラブヘッドが選択される(ステップS116)。
この場合、第1の実施形態のステップS30〜S34と同様に、距離Gが更に短いゴルフクラブヘッドが処理装置46により選択され、再度、基準ゴルフクラブと同じ仕様のゴルフクラブシャフトと組み合せて、ゴルフクラブを得、試打を行う(ステップS118)。そして、ゴルフクラブヘッド12の挙動計測を行い、ゴルフクラブヘッド12の挙動情報を得て、ゴルフクラブヘッド12の選択の適否が処理装置46により判定される(ステップS122)。
このステップS122において、試打ゴルフクラブによる試打で、フェース面20aの開きが改善されていれば、ゴルフクラブヘッド12の選択は適性であると処理装置46により判定される。
次に、ゴルフクラブシャフトを選択する。本実施形態において、ゴルフクラブシャフトを選択するには、ステップS112で得られるゴルフクラブシャフトの挙動情報に基づいて、例えば、スイング特徴量として、比V/Vを求め、この比V/Vに基づいて、処理装置46により、ゴルフクラブシャフトデータベース54bの中から適合シャフト群が選択される(ステップS124)。この場合、適合シャフト群としては、例えば、ゴルフクラブシャフトの調子が選択される。
次に、更に、ゴルフクラブシャフトの調子の適合シャフト群の中から、処理装置46により、ゴルフクラブシャフトデータベース54bに記憶されたゴルフクラブシャフトが1本、選択される(ステップS126)。そして、選択されたゴルフクラブシャフト14の実物を用意する。
この場合、比V/Vの値に基づいて、処理装置46により、先調子、中調子、または元調子のものが選択される。そして、選択されたゴルフクラブシャフトを用意する。
このゴルフクラブシャフトの選択(選定)に際しては、例えば、方向性重視、飛距離重視など、ゴルファが要求する仕様を考慮してもよい。
このように、基準ゴルフクラブの試打により、ゴルフクラブシャフトの挙動を測定し、スイング特徴量(比V/V)を求め、このスイング特徴量に基づいて選択されたゴルフクラブシャフトを、次の試打用のゴルフクラブに用いる。
なお、本実施形態のステップS124とステップS126は、第1の実施形態のステップS14およびステップS16と同様の工程であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、確定しているゴルフクラブヘッドに選択したゴルフクラブシャフトを、上述のように固定ボルト32により固定する。これにより、新たな試打用のゴルフクラブを得る。
次に、この新たな試打用のゴルフクラブを用いて試打をする(ステップS128)。
この場合、システム40の挙動計測装置42によりゴルフクラブヘッド12の挙動を測定し、ゴルフクラブヘッドの挙動情報を取得する(ステップS130)。
なお、本実施形態のステップS128、ステップS130は、第1の実施形態のステップS30、ステップS32と同様の工程であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、ゴルフクラブヘッド12の挙動情報に基づいて、処理装置46によりゴルフクラブシャフトの選択の適否が判定される(ステップS132)。
ステップS132において、ゴルフクラブシャフト14の選択の適否は、例えば、以下のように判定される。
例えば、フェース面20aの開きを抑えるために、基準ゴルフクラブに比して、スイング特徴量(比V/V)に適合したゴルフクラブシャフトを用いた試打ゴルフクラブによる試打で、基準ゴルフクラブのゴルフクラブシャフトに比して、フェース面20aの開きが抑制されていれば、ゴルフクラブシャフト14の選択は適性であると処理装置46により判定される。
これにより、最適なゴルフクラブヘッドと、最適なゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される(ステップS134)。そして、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトの組み合せが最適なゴルフクラブを、ゴルファが得ることができる。
一方、選択したゴルフクラブシャフトを用いた試打用のゴルフクラブによる試打で、フェース面20aの開きが改善されていない場合、再度、処理装置46により適合シャフト群からゴルフクラブシャフトが選択される(ステップS126)。
この場合、スイング特徴量(比V/V)に適合したゴルフクラブシャフト群のうち、処理装置46により、例えば、トルクが大きいゴルフクラブシャフトが選択され、再度、確定しているゴルフクラブヘッドに、選択したトルクが大きいゴルフクラブシャフトを組み合せて、ゴルフクラブを得、試打を行う(ステップS128)。そして、ゴルフクラブヘッド12の挙動計測を行い(ステップS130)、ゴルフクラブヘッド12の挙動情報を得て、ゴルフクラブシャフト14の選択の適否が処理装置46により判定される(ステップS132)。
以上のステップS126〜ステップS132を、ゴルフクラブシャフトの選択が適性であると処理装置46により判定され、最適なゴルフクラブヘッドと、最適なゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される(ステップS134)まで、繰返し行う。
このようにして、本実施形態のゴルフクラブの選択方法においては、最適なゴルフクラブヘッドと、最適なゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される。
本実施形態は、第1の実施形態に比して、ゴルフクラブヘッドを選択した後、ゴルフクラブシャフトを選択する点が異なり、それ以外の工程は、第1の実施形態のゴルフクラブの選択方法と同様の工程であるため、基本的には、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施形態においても、選択されたゴルフクラブヘッドと、選択されたゴルフクラブシャフトとが組み合わされてなる最終的に得られるゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離可能なゴルフクラブであってもよく、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが一体的に構成された一般的なゴルフクラブであってもよい。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図19は、本発明の第4の実施形態に係るゴルフクラブの選択方法に用いられる挙動計測システムを示す模式図である。
図20は、本発明の第4の実施形態に係るゴルフクラブの選択方法に用いられる挙動計測システムを示す模式的ブロック図である。
図19に示す本実施形態の挙動計測システム150(以下、システム150という)は、第1の実施形態の挙動計測システム40に比して、ゴルファ35がゴルフクラブ10をスイングしてゴルフボールbを打撃する際、このゴルフボールbの打撃前後(インパクト前後)のゴルフクラブヘッド12の挙動および打撃後(インパクト後)のゴルフボールbの挙動を計測する点、スイング中のゴルフクラブ10の挙動を画像として取得する点、プロジェクタ49およびスクリーン56が設けられている点、ならびにゴルフクラブ10に反射マーカ34a、34bが設けられていない点が異なり、さらには、ゴルフクラブシャフト14の挙動を計測する計測装置44の構成が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態のシステム40と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のシステム150は、ゴルフクラブヘッド12の挙動を計測するゴルフクラブヘッド挙動計測装置152と、打撃されたゴルフボールbの挙動を計測するゴルフボール挙動計測装置154と、スイング中のゴルフクラブ10の挙動を画像として取得するカメラ156と、スイング計測を行うゴルフクラブシャフト挙動計測装置158とを有する。
本実施形態のシステム150においては、ゴルフボールbが載置されるティーtから打球方向aに対面してスクリーン56が設けられている。打球方向aと直交する方向において、このティーtに対向してゴルフボール挙動計測装置154が配置されている。このゴルフボール挙動計測装置154よりも打球方向aに対して後方にゴルフクラブヘッド計測装置154が設けられている。また、カメラ156が、アドレス状態においてゴルファ35がグリップ16を把持している手の真後ろの位置に配置されている。さらには、ゴルファ35の後方にゴルフクラブシャフト挙動計測装置158が配置されている。
本実施形態のシステム150においては、ゴルファ35がゴルフボールbを1球打撃するたびに、ゴルフクラブヘッド12の挙動と、ゴルフボールbの挙動と、ゴルフスイングにおけるグリップスピードV、ヘッドスピードV、および比V/V等とがまとめて計測されるとともに、ゴルフスイングの映像が記録される。
さらに、本実施形態のシステム150においては、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152、ゴルフボール挙動計測装置154、カメラ156およびゴルフクラブシャフト挙動計測装置158をそれぞれ制御するとともに、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152、ゴルフボール挙動計測装置154、カメラ156およびゴルフクラブシャフト挙動計測装置158のそれぞれで得られた画像データなどを画像処理するととともに、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152、ゴルフボール挙動計測装置154、カメラ156およびゴルフクラブシャフト挙動計測装置158で得られた測定データなどをモニタ48およびスクリーン56に表示させる機能を備える処理装置46aを有する。
本実施形態において、計測されるゴルフクラブヘッド12の挙動のパラメータとしては、例えば、フェーススピード(打点位置でのヘッドスピード)、上下方向の進入角、左右方向の進入角、ダイナミックロフト、フェース角、ライ角、上下方向の打点位置、左右方向の打点位置である。
また、本実施形態において、計測されるゴルフボールbの挙動のパラメータとしては、例えば、ヘッドスピード、ボールスピード、打出角、左右打出角、バックスピン、サイドスピン、キャリー、左右ズレ、トータルの距離である。
処理装置46aは、コンピュータにより構成されており、モニタ48、プロジェクタ49および操作手段52が接続されている。
モニタ48は、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152、ゴルフボール挙動計測装置154、およびゴルフクラブシャフト挙動計測装置158で得られた各種の挙動パラメータを表の形式で表示したり、図形とともに表示するものである。また、モニタ48は、カメラ156で撮影された画像、信号処理された画像、画像処理された画像、スイングの画像等を表示し、さらに、グリップスピードV、ヘッドスピードVおよび比V/V等の各種情報を表示する機能を有する。このモニタ48には、一般的にパーソナルコンピュータに利用されているものが種々利用可能である。
本実施形態のシステム150においては、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152、ゴルフボール挙動計測装置154、カメラ156およびゴルフクラブシャフト挙動計測装置158の4つの計測装置を有するため、計測装置の数に合わせて、モニタ48を4つ設けることが好ましい。
プロジェクタ49は、モニタ48に表示させるものと同じものをスクリーン56に表示させるものである。このプロジェクタ49は、特に限定されるものではなく、公知のプロジェクタを利用することができる。
スクリーン56は、ゴルフボールbの打球方向aに対面して設けられている。すなわち、ゴルフボールbを打つ正面にスクリーン56が設けられている。これにより、ゴルファ35は、スクリーン56に向かって打球する。
このスクリーン56を設けることにより、ゴルフクラブヘッド12の挙動、およびゴルフボールbの挙動等を、スイングしている位置から容易に知覚することができる。
なお、スクリーン56の手前には、スクリーン56の破損を防ぐためのネット(図示せず)などを設けることが好ましい。
操作手段52は、キーボード52aおよびマウス54bであって、パーソナルコンピュータに設けられるものと同様の一般的な機能を有し、ゴルフボールの挙動測定条件の設定、ゴルフクラブヘッドの挙動測定項目の条件の設定、カメラ156の撮影条件の設定、モニタ48、プロジェクタ49に表示する表示画面の設定等の各種入力設定に用いられる。
図20に示すように、処理装置46aは、第1処理ユニット160、第2処理ユニット162、第3処理ユニット164、第4処理ユニット166、制御部168、記憶部170、設定部172およびデータべース174を有する。
処理装置46aにおいて、第1処理ユニット160、第2処理ユニット162、第3処理ユニット164、第4処理ユニット166、記憶部170、設定部172およびデータべース174は、制御部168により制御される。
第1処理ユニット160は、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152に接続されている。この第1処理ユニット160については後に詳細に説明する。
第2処理ユニット162は、ゴルフボール挙動計測装置154に接続されている。この第2処理ユニット162については後に詳細に説明する。
第3処理ユニット164は、カメラ156に接続されている。この第3処理ユニット164については後に詳細に説明する。
第4処理ユニット166は、ゴルフクラブシャフト挙動計測装置158に接続されている。この第4処理ユニット166については後に詳細に説明する。
記憶部170は、第1処理ユニット160、第2処理ユニット162、第3処理ユニット164および第4処理ユニット166に接続されており、後述するように、第1処理ユニット160、第2処理ユニット162、第3処理ユニット164および第4処理ユニット166で得られた各種の計測値、および画像処理された画像データ等が記憶されるものである。
また、制御部168は、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152、ゴルフボール挙動計測装置154、カメラ156およびゴルフクラブシャフト挙動計測装置158のそれぞれで得られた挙動パラメータ、計測画像、計測結果などをモニタ48またはプロジェクタ38に表示させるものである。
制御部168は、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152、ゴルフボール挙動計測装置154、カメラ156、およびゴルフクラブシャフト挙動計測装置158のそれぞれで得られた挙動パラメータ、計測画像、計測結果などに基づいて、データベース174を参照してゴルフクラブヘッドまたはゴルフクラブシャフトを選択するものである。
設定部172は、操作手段52から指示入力に基づいて、ゴルフボールの挙動測定条件の設定、ゴルフクラブヘッドの挙動測定項目の条件の設定、カメラ156の撮影条件の設定、モニタ48、プロジェクタ49に表示する表示画面の設定等の各種入力設定を行うものである。
データベース174は、システム40のデータベース54と同様の構成であり、ゴルフクラブ10のゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14の選択に利用されるものである。
制御部168により、データベース174が参照されて、ゴルフクラブヘッドまたはゴルフクラブシャフトが選択される。
このデータベース174にも、第1の実施形態のデータベース54と同様に、実物が用意されているゴルフクラブヘッドについて特性が記録されたゴルフクラブヘッドデータベース174aと、実物が用意されているゴルフクラブシャフトの特性が記録されたゴルフクラブシャフトデータベース174bとを有する。ゴルフクラブヘッドデータベース174aおよびゴルフクラブシャフトデータベース174bは、第1の実施形態のデータベース54のゴルフクラブヘッドデータベース54aと、ゴルフクラブシャフトデータベース54bと同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態のゴルフクラブヘッド挙動計測装置152について説明する。
図21(a)に示すゴルフクラブヘッド挙動計測装置152は、第1の実施形態の挙動計測装置42(図6(a)参照)に比して、カメラ64が第1処理ユニット160に接続されている点が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態の挙動計測装置42と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
第1処理ユニット160は、第1の実施形態の処理ユニット50(図6(b)参照)に比して、CPU70が設けられておらず、データベース54に接続されていない点、制御部168に接続されて、この制御部168に各機能が制御される点、出力部76が記憶部170に接続されている点、モニタ48および操作手段52に接続されていない点が異なり、それ以外の構成は、第1の実施形態の処理ユニット50と同様の構成であるため、その詳細な説明は省略する。
次に、本実施形態の挙動計測装置152によるゴルフクラブヘッドの挙動計測方法について説明する。
まず、ゴルファ35が、ゴルフクラブ10を把持してゴルフスウィングをすると、このゴルフスウィング中のゴルフボールbの打ち出し前後のゴルフクラブヘッド12がカメラ64で撮影される。
カメラ64で撮影された画像は、信号処理部70で、所定の処理が行われ、デジタル画像データとして画像処理部72に供給される。
画像処理部72においては、抽出部72aで、一方向から撮影された各マーカ30a〜30cの像の第1の群と、他方向から撮影された各マーカ30a〜30cの像の第2の群とにおける各マーカ30a〜30cの像を対応付ける。
次に、マーカ30a〜30cの像のマーカ特徴点の位置がXYZ座標系における3次元位置座標として抽出される。
次に、ゴルフクラブヘッド12を再現した3次元形状モデル上の3つのマーカ30a〜30cの像のマーカ特徴点の配置位置に対応した3つの対応点の上記XYZ座標系における3次元位置座標が、いずれもマーカ特徴点の3次元位置座標に一致するように、3次元形状モデルの位置と向きの時系列データが算出される。この時系列データが、ゴルフクラブモデルの位置および向きの時系列データとされる。
算出された時系列データから、ゴルフクラブヘッド12のフェース面20a(打撃面)のゴルフボールの打点位置の特定、この打点位置でのヘッドスピード(フェーススピード)、上下方向の進入角、左右方向の進入角、ゴルフクラブヘッド12のフェース面20aの角度(ダイナミックロフト(ゴルフクラブヘッド12の実効ロフト角度)、ロフト角、フェース角)、ライ角、上下方向の打点位置、左右方向の打点位置が算出される。この場合、モニタ48に、マーカの移動の時間履歴を3次元形状モデルを用いて表したゴルフクラブヘッドの挙動で表示してもよい。
算出された時系列データから、ゴルフクラブヘッド12のフェース面20a(打撃面)上におけるゴルフボールbの打点位置の特定、この打点位置でのヘッドスピード(ゴルフクラブヘッドの移動速度)、打点位置でのゴルフクラブヘッド12のフェース面20a(打撃面)の向き、打撃直前のゴルフクラブヘッド12の上下方向および左右方向のそれぞれにおける進入角度(ゴルフクラブヘッド12の上下軌道、左右軌道)、ライ角、ダイナミックロフト角、およびゴルフクラブヘッド12の回転速度等の算出が行われる。
ゴルフクラブヘッド12の挙動を測定して得られた各種パラメータの値等は、制御部168により、例えば、上述の図8に示すように、モニタ48の画面90に表示される。
本実施形態においては、例えば、第1処理ユニット160で、得られた上下移動方向の情報(上下軌道)と左右移動方向の情報(左右軌道)とを、第1処理ユニット160により、予め作成されているチャートにプロットして、モニタ32の画面200に表示させるとともに、得られた上下移動方向の情報(上下軌道)と左右移動方向の情報(左右軌道)とを用いてゴルファのスウィングの分類を行う。
さらには、第1処理ユニット160によって分類されたスイングの分類情報が記憶部170に出力されて、この記憶部170に記憶された分類情報に基づき制御部168がデータベース174を参照し、制御部168により、分類されたタイプA〜タイプDに応じて予め設定されているゴルフクラブヘッドが選択(選定)される。
本実施形態においては、第1処理ユニット160により、ゴルファのスウィングの分類に、縦軸に進入角(上下)(上下軌道)をとり、横軸に進入角(左右)(左右軌道)をとって、図22に示すチャートのように、例えば、縦軸の進入角(上下)および横軸の進入角(左右)の値が0度の位置を基準として、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、Dタイプの4タイプに分類することができる。
ゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打撃する際、ゴルフクラブヘッドが、水平面に対して下から上方向に移動するゴルフスウィングをアッパーブローといい、その反対方向に移動するゴルフスウィングをダウンブローという。
また、ゴルフクラブヘッドが、ゴルフボールを飛球させようとする目標方向に対して、ゴルフクラブヘッドがゴルファから見て内側から外側に移動するゴルフスウィングをインサイドアウトといい、外側から内側に移動するゴルフスウィングをアウトサイドインという。
したがって、図22中、Aタイプ、Bタイプは、進入角(上下)が正であり、アッパーブローであることを表している。Cタイプ、Dタイプは、進入角(上下)が負であり、ダウンブローであることを表している。
一方、Aタイプ、Dタイプは、進入角(左右)が正であり、インサイドアウトであることを表している。Bタイプ、Cタイプは、進入角(左右)が負であり、アウトサイドインであることを表している。
したがって、タイプAでは、ゴルフボールは高めの弾道でドロー〜フックボールを打つ傾向にある。タイプBでは、ゴルフボールは高めの弾道でフェード〜スライスボールを打つ傾向にある。タイプCでは、ゴルフボールは低めの弾道でフェード〜スライスボールを打つ傾向にある。タイプDでは、ゴルフボールは低めの弾道でドロー〜フックボールを打つ傾向にある。
次に、本実施形態におけるゴルフクラブヘッド12の進入角(上下)について説明する。
図23(a)は、水平面B上にティーtにより設置されたゴルフボールbをY方向(横)から見た図であり、この図23(a)に示すように、ゴルフボールbを横から見た場合、打球時に、ゴルフクラブヘッド12がゴルフボールbに向かっていくときの移動軌跡を、このゴルフクラブヘッド12の移動軌跡Fとする。この移動軌跡Fは、算出されたゴルフクラブヘッド12のフェース面の中心位置の移動を表す位置座標の時系列データを用いて、ゴルフクラブヘッド12のフェース面の中心位置の移動軌跡として表されるものである。
本実施形態の進入角(上下)とは、設置されたゴルフボールbの中心bcから、X方向の反対向きに50mm離れた位置以内(以下、ゴルフボールbから50mm以内の位置という)における水平面Bと平行な面Bと移動軌跡Fとのなす角度γのことをいう。
図23(a)では、ゴルフボールbから丁度50mm離れた位置における角度γを示している。
なお、本実施形態においては、進入角(上下)については、水平面Bと平行な面Bよりも上側を正(プラス)の角度とし、水平面Bと平行な面Bよりも下側を負(マイナス)の角度とする。
次に、本実施形態におけるゴルフクラブヘッド12の進入角(左右)について説明する。図23(b)は、水平面B上にティーtにより設置されたゴルフボールbをZ方向の反対方向(上)から見た図であり、図23(b)においては、ゴルファ(図示せず)は、図の下側に立つものとする。
図23(b)に示すように、ゴルフボールbを上からみた場合、打球時に、ゴルフクラブヘッド12がゴルフボールbに向かっていくときの移動軌跡を、このゴルフクラブヘッド12の移動軌跡Fとする。この移動軌跡Fは、算出されたゴルフクラブヘッド12のフェース面の中心位置の移動を表す位置座標の時系列データを用いて、ゴルフクラブヘッド12のフェース面の中心位置の移動軌跡として表されるものである。
ここで、設置されたゴルフボールbの中心bcを通るとともに、X方向と平行であり、かつ水平面Bに対して垂直な面を面Xとする。
本実施形態の進入角(左右)とは、ゴルフボールbから50mm以内の位置における移動軌跡Fと面Xとのなす角度γのことをいう。
なお、本実施形態においては、進入角(左右)については、面Xよりもゴルファの反対側を正(プラス)の角度とし、面Xよりもゴルファ側を負(マイナス)の角度とする。
また、第1の実施形態の処理装置46で得られるゴルフクラブヘッド12の上下方向の進入角度と図22に示す進入角(上下)とは同じであり、第1の実施形態の処理装置46で得られるゴルフクラブヘッド12の左右方向の進入角度と図22に示す進入角(左右)とは同じである。
次に、ゴルフボール挙動計測装置154について説明する。
図24は、本発明の第4の実施形態のゴルフクラブの選択方法に用いられるゴルフボール挙動計測装置を示す模式図である。
図24に示すゴルフボール挙動計測装置154(以下、計測装置154という)は、挙動計測装置152と共に利用されるものであり、ゴルファ35が、ゴルフクラブ10によってゴルフボールbを打撃した際、打撃後のゴルフボールbの初期弾道パラメータを測定するものであって、ゴルフボールbの挙動パラメータとして、例えば、ボールスピード、打出角、左右打出角、バックスピン、サイドスピンを測定する機能を有し、更にはキャリー、左右ズレ、トータルの距離を算出する機能も備えるものである。
計測装置154は、ミラー212a、212bと、調整用ミラー212cと、ハーフミラー82dと、CCDカメラ214と、ストロボ(図示せず)とを有し、第2処理ユニット162に接続されている。CCDカメラ214は第2処理ユニット162のコントローラ226により制御される。CCDカメラ214は、このコントローラ226により、所定のタイミングで撮像するために電子シャッターを自動的に開閉する制御がなされる。
基板210の表面210aに、ミラー212a、212bと、調整用ミラー212cと、ハーフミラー212dと、CCDカメラ214とが後述するように配置されている。
基板210と、ミラー212a、212bと、調整用ミラー212cと、ハーフミラー212dと、CCDカメラ214は本体部216を構成し、本体部216は、例えば、ケース(図示せず)に収納され携帯可能となっている。これにより、計測装置154を、持ち運んで、室内、屋外を問わず、所定の環境で、打撃されたゴルフボールbの挙動を計測することができる。
計測装置154においては、ケースに収納される本体部216は、ゴルフボールbを試打するゴルファ35とゴルフボールbを挟んで対向する位置に配置される。
計測装置154は、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152によりもスクリーン56に近い側に設けられている。
本実施形態の計測装置154は、それぞれの配置を固定し、2個のミラー212a、212cに投影される2個の被写体の像の通過する面を透明体で覆った任意のケースに収納することによってポータブル化し、容易に移動して任意の場所に設置することができる。もちろん、この他にゴルフボールの撮像時にゴルフボールを照明するストロボ装置あるいは、場合によってはゴルフボールを照明するに十分な明るさの自然光または人工光の照明装置等が用いられる。
コントローラ226はCCDカメラ214と接続され、CCDカメラ214から出力される画像の画像データが第2処理ユニット162に供給されるように第2処理ユニット162と接続されている。
ミラー212a、212bは、ゴルフボールbを異なる2方向から見たゴルフボールbの像を反射するミラーで、ゴルフボールbの打ち出し方向の前後方向に配置している。
ゴルフボールbは、ゴルファ35の試打によって、打ち出し方向に打ち出されるが、打ち出された直後のゴルフボールbの像は、ミラー212bで反射されてハーフミラー212dに投影され、投影されたゴルフボールbの像はハーフミラー212dを透過してCCDカメラ214に至るように構成されている。
また、打ち出された直後のゴルフボールbの像は、ミラー212aで、この後、調整用ミラー212cで反射され、調整用ミラー212cで反射されたゴルフボールbの像はさらにハーフミラー212dで反射されてCCDカメラ214に至るように構成されている。
このような2つのゴルフボールbの像が、CCDカメラ214で撮影される場合、異なる方向から見たゴルフボールbの像が可能な限り重ならないように、ミラー212a、212b又は調整用ミラー212cの配置が調整されている。
また、本実施形態の調整用ミラー212cは、ミラー212aとハーフミラー212dとともに投影された像を反射するので、CCDカメラ214で撮像するゴルフボールbの像はゴルフボールbの鏡像となる。一方、ミラー212bで反射しハーフミラー212dで透過してCCDカメラ214に至るゴルフボールbの像も鏡像となる。このように調整用ミラー212cは、ミラー212aで反射されてCCDカメラ214に至るゴルフボールbの像を鏡像とするための調整用のミラーであり、ミラー212bで反射されてCCDカメラ214に至るゴルフボールbの像と同様に鏡像とする。
図25に示す平面画像230は、打ち出された直後のゴルフボールbを、一定の時間間隔で2回撮像して得られた4つのゴルフボールの像232a、232b、234a、234bが記録されている。
ここで、ゴルフボールの像232aは、ミラー212a、調整用ミラー212c、ハーフミラー212dで反射された最初(1回目)のストロボ発光によるゴルフボールbの像であり、ゴルフボールの像234aは、ミラー212bで反射されハーフミラー212dを透過した1回目のストロボ発光によるゴルフボールbの像である。
一方、ゴルフボールの像232bは、ミラー212a、調整用ミラー212c、ハーフミラー212dで反射された2回目のストロボ発光によるゴルフボールbの像であり、ゴルフボールの像234bは、ミラー212bで反射されハーフミラー212dを透過した2回目のストロボ発光によるゴルフボールbの像である。
ここで、平面画像230において、ゴルフボールの像232aが下側に、ゴルフボールの像234aが上側に撮像されるように、ミラー212a、212bまたは調整用ミラー212cの反射面の傾斜角等の配置の調整が成されている。
また、調整用ミラー212cを用いて、撮像されるゴルフボールbの像はともに鏡像となり、図25中、ゴルフボールbの像は同一方向に移動する。
なお、ゴルフボールbの表面には、白丸、黒丸および十字形のマーク236が特定点として付されており、図25に示されるように、白丸、黒丸および十字形のマーク236が鮮明に写っている。このマーク236は、後述するように、ゴルフボールbのバックスピン、サイドスピンを算出するために用いられる。
図24に示すように、第2処理ユニット162は、画像読取部220、位置測定部222、演算部224、コントローラ226を有する。
CCDカメラ214で撮像された平面画像230の画像データは、第2処理ユニット162に送られる。
画像読取部220は、CCDカメラ214で撮像された平面画像230の画像データを、デジタルデータとして取り込み、画像処理を行うことによって周囲の環境などの不要な画像を消去した後、ゴルフボールの外形の画像に画像処理を施して、ゴルフボールの像232a、232b、234a、234bの重心位置を算出し、続いて、ゴルフボールに形成されたマーク236の像の画像を画像処理して、マーク236の像の中心位置を算出して位置測定部222に出力する部位である。
位置測定部222は、このゴルフボールの像232a、232b、234a、234bの重心位置とマーク236の像の中心位置のデータが入力されると、ゴルフボールbの実際の移動経路における鉛直面および水平面の成分を算出する部位である。
すなわち、図24に示すように、2個のミラー212a、212bは任意の角度だけ傾斜しているので、これらのミラー212a、212bによって投影されて平面画像230として撮像された画像におけるゴルフボールの像232a、232b、234a、234bの重心位置の座標やマーク236の像の中心位置の座標は、ミラー212a、212bの傾斜角度に応じて鉛直面および水平面の成分が合成されたものとなっている。従って、ゴルフボールの像232a、232b、234a、234bの重心の位置の座標やマーク236の像の中心位置の座標の数値が鉛直面および水平面の成分となるようにミラー212a、212bの配置に応じて演算して分解する。そして、分解して得られた鉛直面および水平面の成分のそれぞれにおける最初のストロボ発光時点でのゴルフボールの重心位置の座標とこの重心位置に対するマーク236の中心位置の座標および2回目のストロボ発光時点でのゴルフボールの重心位置の座標とこの重心位置に対するマーク236の中心位置の座標を測定する。測定された各座標は演算部224に送られる。
演算部224は、打撃後のゴルフボールbの挙動を示す挙動パラメータを算出するものであって、最初および2回目のストロボ発光時点でのゴルフボールbの重心位置の座標とマーク236の中心位置の座標から、ゴルフボールbの重心位置の移動距離および移動方向を求めることでゴルフボールの初速度(ボールスピード)、上下方向および左右方向の打出角度を算出する。
また、演算部224は、マーク236の中心位置の移動距離および移動方向を求めることでゴルフボールbの回転角速度と回転方向を算出して、バックスピン、およびサイドスピンを算出する。
演算部224は、例えば、ゴルフボールの初速度、打ち出し角度および回転方向と回転角度に、試打時の風速等の環境条件を付加して演算することによって、ゴルフボールの飛距離を推測し、あるいはゴルフボールのキャリー、ラン、スライスまたはフックの曲がりを推測して最終的な飛距離(トータルの距離)や曲がり量(左右ズレ)を演算する。演算部244による演算結果は、モニタ48に表示される。ここで、これらの演算のためのデータの受け渡しや演算の指示は、コントローラ226によって制御される。
計測装置154においては、打ち出されたゴルフボールのバックスピンやサイドスピン等の回転角速度や回転方向を測定するために、ゴルフボールbには、目印として黒丸や十字形のマーク236を付して特定点とし、このマーク236の位置のゴルフボールbの表面上の移動距離と移動方向によってゴルフボールの回転角速度と回転方向を測定する。
次に、計測装置154におけるゴルフボールbの挙動パラメータの測定方法について説明する。
計測装置154においては、ゴルファ35によってゴルフクラブ10のスウィングが開始され、ゴルフクラブ10のゴルフクラブヘッドがインパクト直前の領域に設置された図示しないゴルフクラブヘッド検出装置の検出位置を通過すると、トリガー信号がゴルフクラブヘッド検出装置において生成される。そして、ゴルフクラブヘッド検出装置からコントローラ226に送られる。
コントローラ226では、トリガー信号の立ち上がりからT秒後にCCDカメラ214の電子シャッターが開くように、カメラ作動信号が生成されてCCDカメラ214に送られ、このカメラ作動信号によって、電子シャッターがT秒間開く。
同時に、コントローラ226から、ストロボ発光信号が図示しないストロボに送られ、電子シャッターが開くT秒の間に、T秒の時間間隔でストロボが2回発光して(ステップ106)、ゴルフボールbを照明する。こうしてT秒間隔の2回のストロボ発光によって、打ち出された直後のゴルフボールbの初期弾道が撮像され、T秒の時間経過前後におけるゴルフボールbの像が撮像された1つの平面画像230が得られる。
次に、得られたゴルフボールbの初期弾道を撮像した平面画像の画像データは、画像読取部220でデジタルデータとして読み取られ、周囲の環境などの不要な画像を消去した後、ゴルフボールの外径の画像を画像処理して、ゴルフボールの像232a、232b、234a、234bの重心位置を算出する。同時にゴルフボールbに形成されたマーク236の像の画像を画像処理して、マーク236の像の中心位置を算出する。
これらの位置を位置測定部222で測定して、上述のゴルフボールbの挙動を示す挙動パラメータを演算部224で算出し、この挙動パラメータのデータを記憶部170に保存する。
なお、挙動パラメータに、試打時の風速等の環境条件を付加して演算することによって、ゴルフボールの飛距離を推測し、ゴルフボールのキャリー、ラン、スライス、フックの曲がりを推測してキャリー、左右ズレ(曲がり量)および最終的な飛距離(トータルの距離)を演算する。この演算結果も挙動パラメータのデータとして記憶部170に記憶させる。
以上のように、本実施形態のシステム150においては、ゴルファ35により試打されると、1球ごとに、上述のようにゴルフボールbの挙動パラメータ(ボールスピード、打出角、左右打出角、バックスピン、サイドスピン、キャリー、左右ズレ、トータルの距離)およびゴルフクラブヘッド12の挙動パラメータ(フェーススピード、上下方向の進入角、左右方向の進入角、ダイナミックロフト、フェース角、ライ角、上下方向の打点位置、左右方向の打点位置)が計測されて、これらのデータが記憶部170に入力されて記憶される。
また、制御部168は、ゴルフボールbの挙動を測定して得られた挙動パラメータを、モニタ48に図26(a)に示す画面240に示すように表示させる。
画面240には、ゴルファ35が、例えば、ゴルフボールbを5球、打球した状態が示されており、第1の領域242に、打球の軌跡244がゴルフコースを模した図形246上に表示される。
さらには、制御部168は、打球毎に、ゴルフボールの挙動パラメータの欄248を設け、表248aの形式で,ゴルフボールの挙動パラメータの計測結果を表示させる。
また、制御部168は、ゴルフクラブヘッド12の挙動を測定して得られた挙動パラメータをモニタ48に、図26(b)に示す画面243のように表示させることもできる。この画面243には、ゴルファ35が打球したゴルフボールbの軌跡244aが、ゴルファ35側から、すなわち、ティー側からゴルフコースを模した図形246a上に表示される。
このように、本実施形態においては、ゴルファ35が打球したゴルフボールbの軌跡を図26(a)、(b)に示すように表示することができる。これにより、ゴルファ35は、自身の打球の軌跡を容易に知ることができる。なお、ゴルファ35が打球したゴルフボールbの軌跡の表示形態は、図26(a)、(b)に限定されるものでなく、打球方向の横方向から見た形態で表示するようにしてもよい。
次に、カメラ156について説明する。
図20に示すように、本実施形態のカメラ156は、第3処理ユニット164に接続されている。
カメラ156は、ゴルファ35が打球する際、アドレス状態においてゴルファ35がグリップ16を把持している手の真後ろから、このアドレス状態からスイング終了までの間、打球方向aの後方(ゴルフボールbが飛び出す方向の反対側)から撮影して、アドレス時、およびゴルフスイング中の画像を取得するものである。
このカメラ156は、レンズ等の受光部を有し、この受光部へ入射した像の撮像を行うものである。
図27に示すように、カメラ156は、打球方向a(ゴルフボールbが飛び出す方向)の反対側に配置されており、さらには、カメラ156は、高さを調整することができるスタンド(図示せず)に設けられており、垂直方向の高さを変えることができる。
これにより、カメラ156の視線軸がグリップ16の位置を通る線g(図26参照)と一致するように高さを調整でき、図29に示す画像190のように、アドレス状態においてゴルファ35がグリップ16を把持している手の真後ろから、ゴルファの身長などに依らず、撮影することができる。
カメラ156により、ゴルファ35が打球する際、アドレス状態からスイング終了までの間、打球方向aの後方(ゴルフボールbが飛び出す方向の反対側)から撮影して、アドレス時、およびゴルフスイング中の画像を取得する。なお、グリップ16の位置を通る線gは、地面(図示せず)と平行である。
カメラ156は、静止画および動画を撮影する機能を有するものであれば、特に限定されるものではない。カメラ156としては、例えば、ビデオカメラ(記録媒体が半導体メモリ、ハードディスクなどを含む)、および高速シャッタカメラを用いることができる。
図28に示す本実施形態の第3処理ユニット164は、カメラ156で撮影されたゴルフスイング中の画像を記録保持させておくとともに、カメラ156で撮影されたアドレス時の画像を表す画像データを用いてスイングの分類の基準となる領域を規定し、スイング中のゴルフクラブ10の画像を表す画像データを用いて、ゴルファ35のスイングのトップ状態からインパクト状態までの間におけるゴルフクラブ10のゴルフクラブヘッド12が通過する領域を判別し、ゴルフクラブヘッド20が通過する領域に応じた分類情報を得る。この分類情報は、制御部168によるゴルフクラブ10またはゴルフクラブシャフトの選択に利用される。
具体的には、第3処理ユニット164は、信号処理部180、画像処理部182および解析部184を有し、制御部168および記憶部170と接続されている。
信号処理部180、画像処理部182および解析部184は、プログラムを実効することで機能する部分であるが、本発明では、これらの部分は、回路等のハードウェアで構成されたものであってもよい。
なお、第3処理ユニット164により、カメラ156で撮影されたアドレス時からスイング終了までの画像、信号処理された画像、画像処理された画像、スイングの画像等がモニタ48に表示される。モニタ48での表示形態は、特に限定されるものではない。例えば、アドレス時からスイング終了までの映像を、複数のコマで、連続写真として、表示してもよい。
信号処理部180は、カメラ156で撮影された画像の画像データがアナログ信号であれば、デジタル信号に変換するとともに、さらに、画像データについて、所定の処理条件で画像データの明度補正、コントラスト補正等の信号処理を行う部分である。この信号処理部180で所定の信号処理がされた画像データに基づいて、モニタ48にカメラ156で取得された画像が静止画または動画として表示される。
画像処理部182は、モニタ48に表示された画像に、ユーザの操作手段52の指示入力に基づいて直線、曲線、図形などを描画するためのものであり、モニタ48に表示された画像に対して描画機能を備える。
本実施形態においては、操作手段52からの指示入力により、画像処理部182は、図29に示すように、例えば、アドレス状態を示す画像190に、ゴルフクラブ10のゴルフクラブシャフト14のシャフト軸Sを通る第1の直線192を描画させる。
さらに、操作手段52からの指示入力により、画像処理部182は、アドレス状態を示す画像190に、第1の直線192と交わり、かつ設置されるティー(図示せず)の根元とゴルファ35の首の付け根Nを通る第2の直線194を描画させる。
本実施形態においては、第1の直線192および第2の直線194により、画像190は、第1の直線192および第2の直線194で挟まれる第1の領域Apと、この第1の領域Apの外側の第2の領域Afと、第3の領域Asとに分割される。
なお、本実施形態においては、カメラ156は固定されているため、カメラ156で撮影される画像は画角が同じで被写体の大きさは同じとなるように撮影されている。これにより、第1の直線192および第2の直線194の位置は、スイング中の画像であっても同じである。このため、画像処理部182は、他の画像においても、ユーザの操作手段52の指示入力がなくても、アドレス状態の画像190と同じ位置(同じ座標)に第1の直線192および第2の直線194を描画させる。
また、画像処理部182は、ゴルフクラブ10のゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14を抽出する機能を有することが好ましい。このゴルフクラブ10のゴルフクラブヘッド12の抽出には、例えば、パターンマッチング法が用いられる。この機能により、スイング中のゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14を抽出することができる。
なお、スイング中のゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14の位置については、ユーザの操作手段52からの指示入力により特定されるものであってもよい。
解析部184は、画像処理部182で描画されたスイング中の第1の直線192および第2の直線194と、ゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14との位置情報を得て、第1の領域Ap、第2の領域Afおよび第3の領域Asと、スイングのトップ状態からインパクト状態までの間におけるゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14との位置関係を求めるものである。
さらに、スイングのトップ状態からインパクト状態までの間におけるゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14が、第1の領域Ap、第2の領域Afおよび第3の領域Asのいずれかの領域にあるかにより、解析部184により、スイングが分類される。この分類されたスイングの分類情報が記憶部170に出力されて、この記憶部170に記憶された分類情報に基づき制御部168がデータベース174を参照し、ゴルフクラブヘッドまたはゴルフクラブシャフトが選択される。
本発明においては、ゴルフクラブヘッド12が、スイング中、ゴルフクラブ10を振り下ろす際、ゴルフクラブシャフト14のシャフト軸Sが地面と平行になった以降、第1の領域Apにあれば、インサイドイン軌道のスイング(以下、第1のスイングという)と分類される。この第1のスイングは、フェードボールまたはドローボールを打つ傾向にある。
ここで、例えば、図30(a)に示すように、ダウンスイング時の画像190aで、ゴルフクラブ10が第1の領域Apにあり、(b)に示すように、インパクト前の画像190bでもゴルフクラブ10が第1の領域Apにある。このように、スイング中、ゴルフクラブ10が第1の領域Apにある場合、解析部184により、第1のスイングと分類される。
なお、第1の領域Apにあっても、この第1の領域Apを直線196で2等分割した場合、第2の領域Af側の領域Dであれば、解析部184により、スイングの軌道は、ドローボールを打つスイングと分類され、第3の領域As側の領域Dであれば、解析部184により、スイングの軌道は、フェードボールを打つスイングと分類される。
また、スイングが、第1のスイングであれば、ゴルフクラブヘッドとしては、重心角が中間的で、比較的重心距離の短いゴルフクラブヘッドが選択(選定)される。
さらに、スイングが、第1のスイングであれば、スイング時に測定されるグリップスピード、リストターン比率に基づいて、ゴルフクラブシャフトを選択した場合、ゴルファにとって適正なものを選択することができる。
一方、ゴルフクラブ10を振り下ろす際、ゴルフクラブシャフト14のシャフト軸Sが地面と平行になった以降、第2の領域Afにあれば、解析部184により、スイングの軌道は、インサイドアウト軌道のスイング(以下、第2のスイングという)と分類される。この第2のスイングは、フックボールを打つ傾向にある。
ここで、例えば、図31(a)に示すように、ダウンスイング時の画像190aで、ゴルフクラブヘッド12が第2の領域Afにあり、(b)に示すように、インパクト前の画像190bでもゴルフクラブヘッド12が第2の領域Afにある。このような場合、解析部184により、スイングの軌道は、インサイドアウトの軌道であり、第2のスイングと分類される。
このように、スイングが第2のスイングであれば、スイング時に測定されるグリップスピードに基づいて、ゴルフクラブシャフトを選択した場合、ゴルファにとって適正なものを選択することができる。
また、スイングが、第2のスイングである場合、ゴルフクラブヘッドとしては、フェース面がゴルファから見て閉じないように設定されたゴルフクラブが選択される。
また、ゴルフクラブ10を振り下ろす際、ゴルフクラブシャフト14のシャフト軸Sが地面と平行になった以降、第3の領域Asにあれば、解析部184により、スイングの軌道は、アウトサイドインの軌道のスイング(以下、第3のスイングという)と分類される。この第3のスイングは、スライスボールを打つ傾向にある。
ここで、例えば、図32(a)に示すように、ダウンスイング時の画像190aで、ゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14が第3の領域Asにあり、(b)に示すように、インパクト前の画像190bでもゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14が第3の領域Asにある。このような場合、解析部184により、スイングの軌道は、アウトサイドインの軌道であり、第3のスイングと分類される。
このように、スイングが第3のスイングであれば、ゴルフクラブシャフト14をあまりしならせないため、ゴルフクラブヘッドの特性の方がゴルフクラブシャフトの調子などの特性よりも大きく反映される。このため、スイング時に測定されるグリップスピードまたはリストターン比率に依らず、ゴルフクラブシャフトは、中調子のゴルフクラブシャフトが好ましい。
また、スイングが第3のスイングである場合、ゴルフクラブヘッドとしては、フェース面がゴルファから見て開かないように設定されたゴルフクラブが選択される。
本実施形態においては、第2のスイングまたは第3のスイングに分類されるゴルファに適用されるゴルフクラブヘッドは、例えば、ゴルフクラブヘッドの重心距離と重心角を調整することにより得られるものを用いる。すなわち、第2のスイングまたは第3のスイングに分類されるゴルファに最適なゴルフクラブヘッドは、重心距離および重心角の少なくともいずれか一方が異なって構成されている。
例えば、アウトサイドインの軌道に最適なゴルフクラブヘッドは、インサイドアウトの軌道に最適なゴルフクラブヘッドと、重心角が異なり、アウトサイドインの軌道に最適なゴルフクラブヘッドの重心角は、インサイドアウトの軌道に最適なゴルフクラブヘッドの重心角に比べて大きい。
なお、ゴルフクラブヘッドの重心距離とは、図4に示す距離Gのことである。重心角kとは、ゴルフクラブヘッドを、設定されるライ角通りに水平面上に載置し、ゴルフクラブヘッドの重心点Gからゴルフクラブシャフトのシャフト軸Sまたはシャフト軸Sの延長線に至る最短直線とゴルフクラブシャフトのシャフト軸Sまたはシャフト軸Sの延長線を、鉛直方向から水平面に向かって投影したとき、最短直線とゴルフクラブシャフトのシャフト軸Sまたはこのシャフト軸Sの延長線との間で成す角をいう。すなわち、重心角kは、最短直線の向きを表す角度である。
なお、本実施形態では、重心距離と重心角を調整して、分類されるスイングに最適なゴルフクラブヘッドを用意し選択する。しかしながら、重心距離の替わりに、重心点の、水平面からの高さを調整したものを用いることもできる。特に、アイアン系のゴルフクラブには、重心点の高さを調整したものを用いることが好ましい。なお、重心点の高さは、特開2005−211570号公報に記載されているFGHで定められる寸法をいう。
さらに、特開2006−247045号公報に記載されるように、ゴルフクラブヘッドにおけるグリップ角度を定めたとき、グリップ角度を、重心角の替わりに用いることもできる。分類されるスイングに応じてグリップ角度を正、負に変えることにより、分類されるスイングに適したものとすることができる。
ゴルファ35は、ゴルフクラブ10のグリップ16を把持するとき、グリップ16に表されている印または表示を基準にして把持するので、グリップ角度を変えることにより、アドレス状態で、ゴルフクラブヘッド12のフェース面22aの向く向き、さらにはゴルフボール打撃直前のフェース面22aの移動する向きは変化する。このため、分類されるスイングに応じて最適なゴルフクラブを提供することができる。例えば、第2のスイングでは、グリップ角度を正とし、第3のスイングでは、グリップ角度を負とする。
次に、ゴルフクラブシャフト挙動計測装置158について説明する。
図34は、本発明の第4の実施形態のゴルフクラブの選択システムに用いられるゴルフクラブシャフト挙動計測装置の構成を示す模式図である。
図34に示すように、ゴルフクラブシャフト挙動計測装置158は、3次元位置方向計測ユニット250を備え、第4処理ユニット166に接続されている。
3次元位置方向計測ユニット250は、トランスミッタ250aと、レシーバ(磁気センサ)250bと、コントローラ250cとを有する。
トランスミッタ250aは、図19に示すように、ゴルフスウィングするゴルファ35の後方に配置されたポール252aの上部に設けられている。このトランスミッタ250aは後述するコントローラ250cの駆動回路250dに接続線(図示せず)により接続されている。
レシーバ250bは、ゴルフクラブ10のグリップ16の端部に固定されている。このレシーバ250bは後述するコントローラ250cの検出回路250eに接続線251により接続されている。なお、スイングの邪魔にならないように、接続線251は、例えば、べストに取り付けられており、ゴルファ35は、このベストを着てスイングをしてもよい。
また、コントローラ250cは、ゴルファ35の後方に設けられたケース252b内に収納されている。
トランスミッタ250aは、所定の範囲内に、強さと方向が既知の分布を持つ磁場を形成するものである。
レシーバ250bは、トランスミッタ250aで形成された磁場の強さや方向に応じて3軸方向の出力電圧を発生するものであり、磁場を感知することにより、基準位置に対するグリップ位置の3次元位置と、このレシーバ250bが固定されたゴルフクラブ10の、このシャフト中心軸のオイラー角の情報を含んだ信号を出力する。
このレシーバ250bは、ゴルフクラブ10のシャフト中心軸を通る仮想線上の、ゴルフクラブ10のグリップ部に対応する位置(グリップ位置)に固定されている。
トランスミッタ250aとレシーバ250bとは、図34に示されるように、お互いに直交する3軸方向に各々ループ状に巻かれた3つのコイルによって構成される。
レシーバ250bは、図34に示されるように、お互いに直交する3軸方向に向いてコイルがループ状に巻かれているので、この3軸方向の向きの一つをゴルフクラブシャフト22の軸方向に合わせ、さらに、残りの2軸方向のうちの1つをゴルフクラブの打撃方向に合わせるように、レシーバ250bの方向を定めてゴルフクラブ10のグリップ位置に固定される。このようなゴルフクラブシャフト挙動計測装置158には、例えば、3SPACE FASTRAK(Polhemus社製)を用いることができる。
コントローラ250cは、レシーバ250bからの出力信号に基づいて、3次元空間におけるグリップ位置の時系列データと向きの時系列データとを生成するものである。例えば、トランスミッタ250aの位置を基準位置とし、お互いに直交する3軸X,Y,Zを基準とする3次元位置座標(以下、3次元位置(x,y,z)ともいう)の時系列データと、所定の基準方向、例えばトランスミッタ250aを中心とするY軸方向に対するレシーバ250bの向きを表す姿勢角度(以下、オイラー角(θ、θ、θ)ともいう)の時系列データを生成する。
コントローラ250cは、3種類の磁場を順次発生する駆動信号を生成する駆動回路250dと、レシーバ250bからの出力された信号を検出する検出回路250eと、駆動回路250dおよび検出回路250eの制御を行い、検出回路250eから送られる信号よりレシーバ250bの3次元位置とオイラー角を求める制御ユニット250fによって構成される。
さらに、コントローラ250cは、検出された信号よりデータ処理を行って、レシーバ250bが固定されたグリップ端の時系列データと、その向きの時系列データを算出するものである。
グリップ位置の時系列データは、トランスミッタ250aの位置を基準位置とし、お互いに直交する3軸X,Y,Zを基準とするレシーバ250bの3次元位置(x,y,z)の時系列データであり、向きの時系列データは、X,Y,Z座標軸方向に対するレシーバ250bの向きを表す姿勢角度、つまり、ヨー角、ピッチ角およびロール角で表されるオイラー角(θ、θ、θ)の時系列データである。
検出された信号よりデータ処理を行って、レシーバ250bの位置(x,y,z)と、その向き(θ、θ、θ)の時系列データを取得する方法について説明する。
駆動回路250dは、制御ユニット250fの指令信号に従って、周波数と位相が常時一定の同一信号を出力し、トランスミッタ250aの3軸方向に巻かれた3つのループ状コイルを順次励磁するものである。
各ループ状コイルは、励磁のたびに各々異なる磁場を発生し、この磁場に基づいてレシーバ250bの3軸方向に巻かれた3つのループ状コイルに各々独立な電圧を発生させる。この電圧は、トランスミッタ250aの3つのループ状コイルによって励磁される3つの磁場それぞれに応じて、レシーバ250bの3つのループ状コイルに発生する3つの独立した電圧であるため、合計9個(3×3個)の電圧が得られる。
一方、磁場を形成するトランスミッタ250aが、所定の位置に固定設置されているので、発生する磁場の強さと磁場の方向に関する分布は、トランスミッタ250aの設置された位置と方向を基準として算出される。
制御ユニット250fは、検出回路250eから送られてきた9つの電圧を用いて、3次元位置(x,y,z)とオイラー角(θ、θ、θ)のデータを求めるものである。
したがって、この形成された磁場に生じる9つの電圧を用いることによって、上記基準位置に対するレシーバ250bの3次元位置(x,y,z)と、上記基準方向に対するオイラー角(θ、θ、θ)とを求めることができる。すなわち、レシーバ250bが固定されたグリップ位置の3次元位置(x,y,z)と、オイラー角(θ、θ、θ)とを求めることができる。ゴルフクラブシャフト挙動計測装置158で得られた3次元位置(x,y,z)とオイラー角(θ、θ、θ)に関するデータは、第4処理ユニット166に送られる。
第4処理ユニット166は、各種演算処理を実行する演算部254を備える。この演算部254には、各種演算処理する処理プログラムが記憶されている。演算部254は、記憶部170に接続されており、この処理プログラムの演算処理結果、各種データ等は、記憶部170に出力されて記憶される。
第4処理ユニット166においては、ゴルフクラブシャフト挙動計測装置158によって測定された、グリップ端(グリップ位置)における3次元位置(x,y,z)の時系列データとオイラー角(θ、θ、θ)の時系列データを処理して、ゴルフクラブ10のシャフト中心軸上のゴルフクラブ10のグリップ端(グリップ位置)およびゴルフクラブ10のシャフト中心軸を通る仮想線上でグリップ端(グリップ位置)からシャフト中心軸に沿って所定の距離だけ離間したヘッド位置のそれぞれについて、ゴルフスウィングにおける時系列の移動速度履歴を算出する。
グリップ端の速度履歴は、レシーバ250bによって取得されたグリップ位置における3次元位置(x,y,z)の時系列データから直接算出される。
また、ヘッド位置は、上述のようにグリップ位置と、例えば、1143mmだけ離れた、ゴルフクラブ10のシャフト中心軸を通る仮想線上の点である。このため、ゴルフクラブヘッドの速度履歴は、グリップ端の測定点の3次元位置(x,y,z)の時系列データとオイラー角(θ、θ、θ)の時系列データとから算出される。
第4処理ユニット166においては、演算部254により、ゴルフクラブのグリップ位置に固定されたレシーバ250bによって得られた3次元位置(x,y,z)の時系列データおよびオイラー角(θ、θ、θ)の時系列データを基に、スウィング時間tn(n=1〜N、ただしNはゴルフスウィングにおける時系列データ数)における、ゴルフクラブのヘッド位置の3次元位置(x(tn),y(tn),z(tn))を求め、下記式(9)を用いてヘッドスピードVc(tn)を算出する。
上記式(9)を用いて算出されたゴルフクラブのヘッド位置の速度Vc(tn)について、縦軸にクラブ速度をとり、横軸にスウィング時間をとってプロットすることにより、ゴルフクラブヘッドの速度履歴を得ることができる。
このようにして、ゴルフクラブヘッドの速度履歴およびグリップ端の速度履歴を得ることができる。
さらに、演算部254においては、ゴルフスイングにおける、インパクト状態でのヘッドスピードV、グリップスピード(グリップ端速度)Vを算出し、ヘッドスピードVとグリップスピードVとの比率V/V(リストターン比率)の値を算出する。
第4処理ユニット166は、演算部254による、ゴルフクラブヘッドの速度履歴およびグリップ端の速度履歴、インパクト状態でのヘッドスピードV、グリップスピードV、比率V/V(リストターン比率)の演算処理結果を記憶部170に記憶させる。さらには、制御部168により、図35に示すように、ゴルフクラブヘッドの速度履歴およびグリップ端の速度履歴、インパクト状態でのヘッドスピードV、グリップスピードV、比率V/V(リストターン比率)が、モニタ48の画面260に表示される。
モニタ48の図35に示す画面260には、ヘッドスピードの値を示す表示領域152a、グリップスピードの値を示す表示領域262b、リストターン比率の値を示す表示領域262cを有する。
さらには、ゴルフクラブヘッドの速度履歴とグリップ端の速度履歴が同時に表示される表示領域264、およびスイング中のゴルフクラブの移動軌跡が表示される表示領域266を有する。
なお、ゴルフクラブシャフト挙動計測装置158においては、3次元情報を得ているため、表示領域266に表示されるゴルフクラブの移動軌跡については、種々の角度で表示することができる。このため、ゴルフクラブの移動軌跡を表示する角度を変えて、表示するようにしてもよい。
本実施形態では、ヘッド位置は、グリップ端からシャフト軸に沿って、例えば、1143mm(約45インチ)離間した位置である。この場合、ヘッド位置は、ゴルフクラブ10がシャフト長さ45インチのゴルフクラブヘッドの場合、ゴルフクラブ10のゴルフクラブヘッドに対応する部分に位置している。
グリップ位置およびヘッド位置の間隔は、既知であり、第4処理ユニット166の演算部254に記憶されている。
なお、本実施形態においてヘッド位置は、ゴルフクラブシャフト軸に沿って、グリップ端(グリップ位置)からゴルフクラブヘッド側に700mm以上離れた任意の位置に設定すればよく、より好ましくは863mm(約34インチ)以上離れた任意の位置に設定すればよい。
また、本実施形態においては、磁気センサを用いたゴルフクラブシャフト挙動計測装置158を用いたが、これに限定されるものではない。例えば、第1の実施形態のスイング測定・データ処理ユニット100を用いて、インパクト状態でのヘッドスピードV、グリップスピードV、比率V/V(リストターン比率)を得てもよい。
以上のように、本実施形態のシステム150においては、アドレス状態からスイング終了までの間のゴルフスイング中の画像を取得するカメラ156と、ゴルファ35のゴルフスイングのヘッドスピードVとグリップスピードVとの比率V/V(リストターン比率)の値を算出するゴルフクラブシャフト挙動計測装置158とに加えて、ゴルフクラブヘッド12の挙動を計測するゴルフクラブヘッド挙動計測装置152と、ゴルフボールbの挙動を計測するゴルフボール挙動計測装置154と、合計4つの計測装置を有する構成とすることにより、ゴルファ35が1球、打つ毎に、スイング動作、スイングスピード、ゴルフクラブヘッドの挙動および打球されたゴルフボールbの挙動を測定することができる。
特に、カメラ156は、各ゴルファ35について、手の真後ろから撮影することにより、常に、各ゴルファについて、ゴルフスイング時に、スイングのトップ状態からインパクト状態までの間におけるゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14が、第1の領域Ap、第2の領域Afおよび第3の領域Asのいずれかの領域にあるかを適正に判定できる。これにより、本実施形態のシステム150においては、スイングの分類を、ゴルファ毎に適正に分類することができる。
また、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152によるゴルフクラブヘッドの挙動に基づいて、制御部168により、ゴルフクラブヘッドが選択(選定)されて、ゴルフクラブシャフト挙動計測装置158によるヘッドスピードVと、比率V/V(リストターン比率)の値に基づいて、制御部168により、ゴルフクラブシャフトが選択(選定)される。
さらには、選択されたゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとを組み合わせたゴルフクラブにより、ゴルフボールを打球し、このときのゴルフクラブヘッドの挙動およびゴルフボールの挙動を測定することにより、選択されたゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが適正であるかが制御部168により判定される。
本実施形態においては、打球方向に対面して、計測結果が表示されるスクリーン56を設けることにより、ゴルファ35は、アドレスした位置から、容易にスイング動作、ゴルフクラブヘッドの挙動、打球の方向などを知ることができる。なお、スクリーン56への表示は、領域を分割して、多くの計測結果を一度に見ることができるようにしてもよい。
なお、プロジェクタ49およびスクリーン56は、必ずしも設ける必要はない。例えば、打球を、ティーグランドまたは打球方向が解放されたゲージ等で行う場合には、プロジェクタ49およびスクリーン56を設ける必要はない。
本実施形態のゴルフクラブの選択方法においては、第3の実施形態のゴルフクラブの選択方法に比して、ステップS116のゴルフクラブヘッドを選択する工程、ステップS122の判定の工程、ステップS126のゴルフクラブシャフトを選択する工程、およびステップS132の判定の工程が異なり、それ以外の工程は、第3の実施形態のゴルフクラブの選択方法と同様の工程であるため、その詳細な説明する。
また、本実施形態のゴルフクラブの選択方法においても、ゴルフクラブシャフトの選択に利用するスイング特徴量としては、比V/V(リストターン比率)を用いる。
本実施形態においては、ステップS112において、システム150のゴルフクラブヘッド挙動計測装置152により、ゴルフクラブヘッドの挙動情報を取得した後、ゴルファのゴルフクラブヘッドの挙動を、縦軸が進入角(上下)、横軸が進入角(左右)で表される図36に示すチャートのように、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、Dタイプの4タイプのうち、いずれかに分類する。制御部168により、分類されたタイプA〜タイプDに応じて、予め設定されているゴルフクラブヘッドが選択される。
タイプAでは、重心深度が浅め、重心距離が短め、重心角が小さく、フェースアングルが0°〜ややオープンなものが好適である。タイプAとしては、例えば、T3 501銀(商品名)が挙げられる。
タイプBでは、重心深度が浅め、重心距離が短め、重心角が大きく、フェースアングルがフックなものが好適である。タイプBとしては、例えば、TR−X505(商品名)が挙げられる。
タイプCでは、重心深度が深め、重心距離が長め、重心角が大きく、フェースアングルがフックなものが好適である。タイプCとしては、例えば、502銀(商品名)が挙げられる。
タイプDでは、重心深度が深め、重心距離が長め、重心角が小さく、ロフト角が大きめ、フェースアングルが0°〜オープンなものが好適である。タイプDとしては、例えば、TR500(商品名)が挙げられる。
ここで、重心深度とは、図4に示すように、フェース面20aの先端部から重心Gを通る直線Vまでの水平面Bと平行な方向における距離Gのことである。
第3の実施形態のステップS118と同様に、選択したゴルフクラブヘッドに、基準ゴルフクラブと同じ仕様のゴルフクラブシャフトを、上述のように固定ボルト32により固定する。これにより、新たな試打用のゴルフクラブを得る。
次に、第3の実施形態のステップS120と同様に、この新たな試打用のゴルフクラブを用いて試打をする。そして、システム150のゴルフクラブヘッド挙動計測装置152によりゴルフクラブヘッド12の挙動を測定し、ゴルフクラブヘッドの挙動情報を取得する。このゴルフクラブヘッドの挙動情報に基づいて、制御部168により、ゴルフクラブヘッドの選択の適否が判定される。
本実施形態においては、ゴルフクラブヘッドの選択の適否は、初めに基準ゴルフクラブで試打し、例えば、図36に示すチャートにおいて、○の位置のゴルファについては、矢印で示すように、チャートの中心側の結果が得られていれば、制御部168により、ゴルフクラブヘッドの選択は適性であると判定される。
また、図36に示すチャートにおいて、×の位置のゴルファについても、矢印で示すように、チャートの中心側の結果が得られていれば、制御部168により、ゴルフクラブヘッドの選択は適性であると判定される。
一方、選択したゴルフクラブヘッドを用いた試打用のゴルフクラブによる試打で、チャートの中心側の結果が得られていなければ、再度、制御部168により、適合ヘッド群からゴルフクラブヘッドが選択される。そして、チャートの中心側の結果が得られるまで、制御部168により、ゴルフクラブヘッドの選択がなされる。
次に、本実施形態においても、比V/Vに基づいて、ゴルフクラブシャフトデータベースから、制御部168により先調子、中調子、または元調子のものが選択される。そして、選択されたゴルフクラブシャフトを用意する。
次に、確定しているゴルフクラブヘッドに選択したゴルフクラブシャフトを、上述のように固定ボルト32により固定する。これにより、新たな試打用のゴルフクラブを得る。
次に、この新たな試打用のゴルフクラブを用いて試打し、システム150のゴルフクラブヘッド挙動計測装置152によりゴルフクラブヘッドの挙動を測定し、ゴルフクラブヘッドの挙動情報を取得する。
次に、ゴルフクラブヘッドの挙動情報に基づいて、ゴルフクラブシャフトの選択の適否が制御部168により、判定される。
この場合、ゴルフクラブシャフトの選択の適否は、例えば、以下のように判定される。
図36に示すチャートにおいて、基準ゴルフクラブに比して、チャートの中心側の結果が得られていれば、制御部168により、ゴルフクラブシャフトの選択は適性であると判定される。
これにより、制御部168により、最適なゴルフクラブヘッドと、最適なゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される。そして、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトの組み合せが最適なゴルフクラブを、ゴルファが得ることができる。
一方、選択したゴルフクラブシャフトを用いた試打用のゴルフクラブによる試打で、基準ゴルフクラブに比して、チャートの中心側の結果が得られない場合、再度、制御部168により、適合シャフト群からゴルフクラブシャフトが選択される。
この場合、スイング特徴量(比V/V)に適合したゴルフクラブシャフト群のうち、制御部168により、例えば、トルクが大きいゴルフクラブシャフトが選択され、再度、確定しているゴルフクラブヘッドに、選択したトルクが大きいゴルフクラブシャフトを組み合せて、ゴルフクラブを得、試打を行う。そして、ゴルフクラブヘッドの挙動計測を行い、ゴルフクラブヘッドの挙動情報を得て、ゴルフクラブシャフトの選択の適否が制御部168により判定される。
以上のように、ゴルフクラブシャフトの選択が適性であると制御部168で判定され、最適なゴルフクラブヘッドと、最適なゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定されるまで、繰返し行う。
このようにして、本実施形態のゴルフクラブの選択方法においては、最適なゴルフクラブヘッドと、最適なゴルフクラブシャフトとの組み合せが決定される。
本実施形態は、第3の実施形態のゴルフクラブの選択方法に比して、ステップS116のゴルフクラブヘッドを選択する工程、ステップS122の判定の工程、ステップS126のゴルフクラブシャフトを選択する工程、およびステップS132の判定の工程が異なり、それ以外の工程は、第3の実施形態のゴルフクラブの選択方法と同様の工程であるため、基本的には、第3の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本実施形態においても、選択されたゴルフクラブヘッドと、選択されたゴルフクラブシャフトとが組み合わされてなる最終的に得られるゴルフクラブは、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離可能なゴルフクラブであってもよく、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが一体的に構成された一般的なゴルフクラブであってもよい。
また、本実施形態においては、比V/V以外にも、スイングのトップ状態からインパクト状態までの間におけるゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14が、第1の領域Ap、第2の領域Afおよび第3の領域Asのいずれかの領域にあるかに基づいて、制御部168によりゴルフクラブシャフトを選択させてもよく、比V/Vとゴルフクラブヘッド12およびゴルフクラブシャフト14が、第1の領域Ap、第2の領域Afおよび第3の領域Asのいずれかの領域にあるかの両方に基づいて、ゴルフクラブシャフトを選択させることもできる。
なお、本実施形態においては、図37に示すように、ゴルフボール挙動計測装置154よりも、台278を用いて打球方向aの後方側にゴルフクラブヘッド挙動計測装置152が配置されている。このゴルフクラブヘッド挙動計測装置152における撮影領域270よりも打球方向aの後方側にセンサ272を配置する構成としてもよい。
このセンサ272は、撮影領域270に進入または撮影領域270から出ていくゴルフゴルフクラブヘッドを検知するものである。センサ272としては、例えば、2つのレーザ光274、276を、打球方向aに沿って所定の間隔をあけて射出するレーザセンサが用いられる。
センサ272は、レーザ光274を遮ると、その遮ったことが検知されて第1の検知信号を出力し、レーザ光276を遮ると、その遮ったことが検知されて第2の検知信号を出力するものである。センサ272からのレーザ光274、276を遮る順序、すなわち、第1の検知信号および第2の検知信号の出力順序により、ゴルフクラブヘッドが撮影領域270に進入するか、またはゴルフクラブヘッドが撮影領域270から出ていくかを判定することができる。
センサ272では、レーザ光274がレーザ光276よりも打球方向aの後方で射出されている。このため、第1の検知信号が第2の検知信号よりも先であれば、ゴルフクラブヘッドが進入すると判定される。すなわち、ダウンスイングであると判定される。一方、第1の検知信号が第2の検知信号よりも後であれば、ゴルフクラブヘッドが出ていくと判定される。すなわち、バックスイングであると判定される。
センサ272は、第1処理ユニット160に接続されており、第1の検知信号および第2の検知信号が第1処理ユニット160の信号処理部70(図21(b)参照)に出力される。
このような第1の検知信号および第2の検知信号の出力順序と、ダウンスイングとバックスイングとの関係を、例えば、第1処理ユニット160の信号処理部70に登録しておく。これにより、カメラ64で取得された画像が、第1の検知信号および第2の検知信号の出力順序により、信号処理部70においては、どの画像かを判定することができる。
本実施形態においては、アドレス状態からバックスイングした場合、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152のカメラ64で、撮影領域270を撮影し、背景画像(背景画像データ)を得る。
そして、ダウンスイングした場合、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152のカメラ64で、撮影領域270を多重露光による撮像を行い、ゴルフクラブヘッドのマーカの移動軌跡(マーカの移動軌跡画像データ)を得る。
信号処理部70において、マーカの移動軌跡画像データから背景画像データを減算し、撮影領域270における背景画像を取り除く。画像処理部72の抽出部72aで、このような減算処理がなされたマーカの移動軌跡画像データについて、各マーカ52a、52b、52cの像の各マーカ特徴点を特定して3次元座標系における位置を抽出する。
各マーカ特徴点の抽出以降は、上述のように、第1処理ユニット160の画像処理部72および解析部194により所定の処理がなされて、ゴルフクラブヘッドの挙動パラメータを得ることができる。
この場合、信号処理部70におけるコントラスト補正、諧調処理等の程度を少なくすることができ、信号処理部70における処理を簡素化することができる。
さらには、撮影領域270における背景画像を取り除くことができるため、抽出部72aにおけるマーカの抽出精度を高くすることができる。また、マーカの抽出精度を高くできるため、照射光源180の光量を小さくすることができる。これにより、照射光源180に光量の小さなものを用いることができる。また、背景画像を取り除くため、撮影中に、光量が変動しても、マーカを所定の精度で抽出することができる。
なお、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置152に利用したが、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、ゴルフボール挙動計測装置154に利用してもよい。この場合においては、第2処理ユニット162のコントローラ226に、第1の検知信号および第2の検知信号が入力される。これらの第1の検知信号および第2の検知信号の入力順により、バックスイングおよびダウンスイングが判定される。
コントローラ226においては、第1の検知信号および第2の検知信号の入力順により、CCDカメラ214によりバックスイング時に背景画像データを取得させるとともに、トリガー信号に基づく2回のストロボ発光によって、打ち出された直後のゴルフボールbの初期弾道を撮像させて、ゴルフボールbの初期弾道を撮像した平面画像の画像データを得る。
次に、画像読取部220においては、平面画像の画像データから背景画像データを減算処理した後、ゴルフボールの像232a、232b、234a、234bの重心位置を算出するとともに、マーク236の像の中心位置を算出する。
そして、上述のように、ゴルフボールbの挙動を示す挙動パラメータを演算部224で算出する。
このように、ゴルフボール挙動計測装置154においても、平面画像の画像データから背景画像データを減算処理することができるため、画像読取部220の画像処理を低減することができる。
さらには、背景画像を取り除くことができるため、画像読取部220におけるゴルフボールの像の重心位置の算出精度、およびマークの抽出精度を高くすることができる。また、マークの抽出精度を高くできるため、ストロボの光量を小さくすることができる。これにより、ストロボに光量の小さなものを用いることができる。また、背景画像を取り除くため、撮影中に、光量が変動しても、マークを所定の精度で抽出することができる。
第1の実施形態〜第4の実施形態においては、図2、図3に示すようなホーゼル部28の開口部29に円筒状接続部材16が差し込まれてゴルフクラブシャフト14がゴルフクラブヘッド12のホーゼル部28に装着されるゴルフクラブ10を用いたが、ゴルフクラブの構成は、これに限定されるものではない。本発明においては、例えば、図38、39に示すゴルフクラブ10aを用いることもできる。なお、図38、39に示すゴルフクラブ10aにおいては、図2、図3に示すゴルフクラブ10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
ゴルフクラブ10aにおいては、図2に示すゴルフクラブ10の円筒状接続部材16に比して、図38に示すように円筒状接続部材300の太径部16bに切欠部を形成することなく、円筒部16aに軸方向に伸びた第1の周り止め溝302が複数、周方向に沿って連続的に形成されている。第1の周り止め溝302は、第1の周り止め溝302の長手方向と直交する方向における断面形状が、例えば、三角形である。
更には、ゴルフクラブ10aにおいては、図3に示すホーゼル部28に比して、図39に示すようにホーゼル部28の開口部29に切欠部を形成することなく、開口部29に差し込まれる円筒状接続部材300に形成された第1の周り止め溝302と平行な方向に伸びた第2の周り止め溝304が、開口部29に複数、開口部29の内周方向に沿って連続的に形成されている。第2の周り止め溝304は、第1の周り止め溝302と係合するものであり、第2の周り止め溝304の長手方向と直交する方向における断面形状が、第1の周り止め溝302と同じく、例えば、三角形である。
ゴルフクラブ10aにおいては、円筒状接続部材300の円筒部16aがホーゼル部28の開口部29に差し込まれた場合、円筒部300の第1の周り止め溝302と、ホーゼル部28の開口部29の第2の周り止め溝304とが係合し、円筒状接続部材300がホーゼル部28に対して、その周方向への回転が抑制される。このような構成のゴルフクラブ10aを用いることもできる。
第1の実施形態〜第3の実施形態においては、方向性が良好なものを得るために距離Gを変えることを例にして説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、飛距離が優れたものを選択する場合には、例えば、インパクト前後のゴルフクラブヘッドの挙動から、ロフト角を変える。この場合、インパクト前後のゴルフクラブヘッドの挙動、打点位置、ダイナミックロフト角を計測しているため、インパクト時にロフト角が大きくなる場合、すなわち、フェース面が上を向く状態でも、逆に、インパクト時にロフト角が小さくなる場合、すなわち、フェース面が下を向く状態でも、適正なゴルフクラブヘッドを選択することができる。
飛距離が優れたものを選択する場合、打球の打ち出し角度、およびスピン量などを測定して、これらに基づいて飛距離をシミュレーションして、この飛距離に基づいてロフト角、重心後退量Gを変更するようにしてもよい。
なお、本発明においては、ゴルフクラブ10をスイングした際におけるゴルフボールbの打点位置、打点位置でのヘッドスピード、ゴルフクラブヘッド12の上下方向および左右方向のそれぞれにおける進入角度、ライ角、ダイナミックロフト角等をゴルフクラブヘッドの挙動情報として測定することができれば、計測装置の構成は、特に限定されるものではなく、例えば、磁気センサおよび加速度センサを用いてもよい。
ゴルフクラブヘッドの挙動情報を測定する計測装置に磁気センサを用いる場合、例えば、特開2001−314540号公報に記載されているゴルフクラブのヘッドスピード測定装置を用いることができる。
ゴルフクラブヘッドの挙動情報を測定する計測装置として、例えば、24GHzの周波数帯のレーダ波を照射し、このレーダ波の跳ね返り波の周波数変化から速度を計測するドップラーレーダを用いて計測してもよい。
このドップラーレーダを用いて上記ゴルフクラブヘッドの挙動情報を計測する場合、複数の方向からレーダ波をゴルフクラブヘッドに照射し、各レーダ波の跳ね返り波の周波数変化からゴルフクラブヘッドの移動方向、速度など、上記ゴルフクラブヘッドの挙動情報を計測することができる。すなわち、複数のドップラーレーダを用いることにより、上記ゴルフクラブヘッドの挙動情報を計測することができる。
また、ゴルフクラブヘッドの挙動情報を測定する計測装置として、例えば、ゴルフクラブヘッドに向けて24GHzの周波数帯のレーダ波を照射する照射手段を1つ備え、ゴルフクラブヘッドで反射したレーダ波の跳ね返り波を受信する受信手段を複数備えたドップラーレーダを用いることもできる。
このドップラーレーダを用いてゴルフクラブヘッドの挙動情報を計測する場合、1方向からレーダ波をゴルフクラブヘッドに照射し、ゴルフクラブヘッドからのレーダ波の跳ね返り波を複数の受信手段で受信し、各跳ね返り波の周波数変化および各受信手段の受信位置からゴルフクラブヘッドの移動方向、速度など、上記ゴルフクラブヘッドの挙動情報を計測することができる。このように、1方向からレーダ波を照射するドップラーレーダを用いても、上記ゴルフクラブヘッドの挙動情報を計測することができる。このような1方向からレーダ波を照射するドップラーレーダとしては、例えば、TrackMan(商標:TrackMan A/S社製)が挙げられる。
また、ゴルフクラブヘッドの挙動情報としては、ゴルフクラブヘッドの回転速度などでもよい。
また、ゴルフクラブシャフトについても、ゴルフクラブ10をスイングした際における角αおよびα、ゴルフクラブシャフトの移動速度Vm、グリップスピードV、ヘッドスピードV、グリップスピードVとヘッドスピードVとの差、および比V/V等をスイング特徴量(ゴルフクラブシャフトの挙動)として測定することができれば、計測装置の構成は、特に限定されるものではなく。例えば、磁気センサおよび加速度センサを用いるものであってもよい。このゴルフクラブシャフトの挙動の測定の際にも、ゴルフクラブヘッドの挙動計測と同様に、上述のようにドップラーレーダを用いて、複数の方向からレーダ波をゴルフクラブシャフトに照射して、各レーダ波の跳ね返り波の周波数変化からゴルフクラブシャフトの移動方向、速度など、上記ゴルフクラブシャフトの挙動情報を計測することができる。すなわち、複数のドップラーレーダを用いることにより、上記ゴルフクラブシャフトの挙動情報を計測することができる。
また、ゴルフクラブシャフトの挙動の測定に、1方向からレーダ波を照射するドップラーレーダを用いることもできる。
なお、スイング特徴量としては、ゴルフクラブシャフトのねじれ角、またはたわみ量であってもよい。
本発明は、基本的に以上のようなものである。以上、本発明のゴルフクラブの選択方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
10 ゴルフクラブ
12 ゴルフクラブヘッド
14 ゴルフクラブシャフト
20 フェース部
20a フェース面
22 ソール部
24 クラウン部
26 サイド部
30a、30b、30c マーカ
34a、34b 反射マーカ
35 ゴルファ
40 挙動計測装置
44 計測装置
70 信号処理部
72 画像処理部
74 解析部
100 測定装置
152 ゴルフクラブヘッド挙動計測装置
154 ゴルフボール挙動計測装置
156 カメラ
158 ゴルフクラブシャフト挙動計測装置
160 第1処理ユニット
162 第2処理ユニット
164 第3処理ユニット
166 第4処理ユニット
168 制御部
170 記憶部
172 設定部
距離

Claims (15)

  1. ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離自在なゴルフクラブの選択方法であって、
    ゴルフクラブを用いてゴルフボールを打撃し、計測装置により、この打撃前後のゴルフクラブヘッドの挙動を少なくとも測定する工程と、
    前記測定されたゴルフクラブヘッドの挙動に基づいて、処理装置により、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとの組み合せを選択する工程とを有することを特徴とするゴルフクラブの選択方法。
  2. ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとが分離自在なゴルフクラブを用いたゴルフクラブの選択方法であって、
    ゴルフクラブを用いてゴルフボールを打撃し、計測装置により、この打撃前後のゴルフクラブヘッドの挙動を少なくとも測定する工程と、
    前記測定されたゴルフクラブヘッドの挙動に基づいて、処理装置により、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとの組み合せを選択する工程とを有することを特徴とするゴルフクラブの選択方法。
  3. 前記ゴルフクラブヘッドの挙動を測定する工程は、ゴルフクラブヘッドの移動速度、ゴルフクラブヘッドの移動方向、ゴルフクラブヘッドの向き、およびゴルフクラブヘッドの回転速度の少なくとも1つを測定する請求項1または2に記載のゴルフクラブの選択方法。
  4. 前記ゴルフクラブヘッドの挙動を少なくとも測定する工程は、ゴルフクラブシャフトの挙動を測定する工程を含むものであり、
    前記ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとの組み合せを選択する工程は、
    前記測定されたゴルフクラブヘッドの挙動および前記ゴルフクラブシャフトの挙動に基づいて、ゴルフクラブヘッドとゴルフクラブシャフトとの組み合せを選択するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択方法。
  5. 前記ゴルフクラブシャフトの挙動を測定する工程は、ゴルフクラブシャフトの移動速度、ゴルフクラブシャフト上の複数の点の速度差もしくは速度比、ゴルフクラブシャフトのねじれ角、およびゴルフクラブシャフトのたわみ量の少なくとも1つを測定する請求項4に記載のゴルフクラブの選択方法。
  6. 前記ゴルフクラブヘッドの挙動の測定と、前記ゴルフクラブシャフトの挙動の測定とは同時になされる請求項4または5に記載のゴルフクラブの選択方法。
  7. 前記ゴルフクラブヘッドの挙動を測定するとき、
    前記ゴルフクラブヘッドに、再帰反射部材により構成された第1のマーカが少なくとも2つフェース面以外の部分に設けられており、前記各第1のマーカを測定することにより、前記ゴルフクラブヘッドの挙動を測定する請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択方法。
  8. 前記ゴルフクラブシャフトの挙動を測定する工程においては、
    前記ゴルフクラブシャフトに、再帰反射部材により構成された第2のマーカが少なくとも2つ所定の距離をあけて設けられており、前記各第2のマーカを測定することにより、前記ゴルフクラブシャフトの挙動を測定する請求項4〜7のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択方法。
  9. 前記処理装置により、前記測定されたゴルフクラブヘッドの挙動から、ゴルフボール打撃直前のゴルフクラブヘッドの水平面に対する上下方向の進入角の値と、前記水平面に平行な平面上における、ゴルフボール打撃直前のゴルフクラブヘッドの左右方向の進入角の値とを算出し、前記左右方向の進入角の値が0度の位置、および前記上下方向の進入角の値が0度の位置を基準として、得られた前記上下方向の進入角の値と、前記左右方向の進入角の値とに基づいて、ゴルフスウィングを4つタイプのうち、いずれかに分類する工程と、
    前記処理装置により、この分類結果に応じて、この分類に適したゴルフクラブヘッドが選定される工程とを有する請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択方法。
  10. 前記ゴルフクラブシャフト上の複数の点の速度比は、前記ゴルフボールの打撃時における、前記ゴルフクラブのヘッド部に対応するヘッド位置の移動速度と前記ゴルフクラブのグリップ部に対応するグリップ位置の移動速度との比であり、
    前記処理装置により、前記移動速度比に基づいて、ゴルフクラブシャフトが選択される請求項5〜9のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択方法。
  11. 前記ゴルフクラブを用いてゴルフボールを打撃するとき、画像取得部により、アドレス状態からスイング終了までの間、打球方向の後方から撮影して画像を取得する工程と、
    画像処理部により、前記画像取得部で取得された画像を表示部に表示させ、前記アドレス状態における前記ゴルフクラブのゴルフクラブシャフトのシャフト軸を通る第1の直線と、前記第1の直線と交わり、かつ設置されるティーの根元と前記ゴルファの首の付け根を通る第2の直線とにより、前記画像を少なくとも3つの領域に分割する工程と、
    解析部により、前記スイングのトップ状態からインパクト状態までの間における前記ゴルフクラブのゴルフクラブヘッドが通過する領域を判別する工程と、
    前記ゴルフクラブヘッドが通過する各領域に応じて、予め適したゴルフクラブシャフトが決定されており、前記処理装置により、前記解析部で得られた前記ゴルフクラブヘッドが通過する領域の情報に基づいて、各領域に適したゴルフクラブシャフトが選択される工程とを有する請求項1〜10のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択方法。
  12. 前記ゴルフクラブヘッドの挙動を測定する工程は、ゴルフクラブヘッドの移動速度、ゴルフクラブヘッドの移動方向、ゴルフクラブヘッドの向き、およびゴルフクラブヘッドの回転速度の少なくとも1つを磁気センサ、またはドップラーレーダを用いて測定する請求項3〜11のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択方法。
  13. 前記処理装置によるゴルフクラブを選定する工程においては、前記処理装置により、前記上下方向の進入角の値および前記左右方向の進入角の値がともに正の場合、ダイナミックロフト角が大きくならず、かつフェース面がゴルファから見て閉じないように設定されたゴルフクラブが選定され、前記上下方向の進入角の値が正であり、前記左右方向の進入角の値が負の場合、ダイナミックロフト角が大きくならず、かつフェース面がゴルファから見て開かないように設定されたゴルフクラブが選定され、前記上下方向の進入角の値および前記左右方向の進入角の値がともに負の場合、ダイナミックロフト角が大きくなり、かつ、フェース面がゴルファから見て開かないように設定されたゴルフクラブが選定され、前記上下方向の進入角の値が負であり、前記左右方向の進入角の値が正の場合、ダイナミックロフト角が大きくなり、かつ、フェース面がゴルファから見て閉じないように設定されたゴルフクラブが選定される請求項9〜12のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択方法。
  14. 前記処理装置による前記移動速度比に基づくゴルフクラブシャフトの選択は、前記移動速度比の値が大きいほど、より先調子のゴルフクラブシャフトを有するゴルフクラブが選定され、前記移動速度比の値が小さいほど、より元調子のゴルフクラブシャフトを有するゴルフクラブが選定される請求項10〜13のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択方法。
  15. 前記画像を取得する工程は、前記アドレス状態において前記ゴルファがグリップを把持している手の真後ろから前記画像を取得する請求項11〜14のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択方法。
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