JP5533473B2 - ゴルフクラブヘッドの挙動計測装置、ゴルフクラブヘッドの挙動計測方法およびゴルフクラブの選択システム - Google Patents

ゴルフクラブヘッドの挙動計測装置、ゴルフクラブヘッドの挙動計測方法およびゴルフクラブの選択システム Download PDF

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Description

本発明は、ゴルファがゴルフクラブをスイングした場合におけるゴルフクラブヘッドの挙動計測装置、ゴルフクラブヘッドの挙動計測方法および、このゴルフクラブヘッドの挙動計測装置を用いたゴルフクラブの選択システムに関し、特に、ゴルフクラブヘッドのインパクト直前のヘッドスピード、ゴルフクラブヘッドの上下方向の進入角および左右方向の進入角を計測するゴルフクラブヘッドの挙動計測装置、ゴルフクラブヘッドの挙動計測方法およびゴルフクラブヘッドの挙動に応じた最適なゴルフクラブを選定するゴルフクラブの選択システムに関するものである。
従来、ゴルファによるゴルフクラブのスイングにおいて、インパクト直前のゴルフクラブヘッドのヘッドスピード、上下角、左右角などを計測する計測装置がある。
このうち、ヘッドスピードの計測装置については、種々提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1には、所定間隔をおいて配置された複数のセンサコイルとを備え、クラブヘッドの所定位置に装着された磁石によって複数のセンサコイルに発生する誘導起電力に基づいて、スイングの際のクラブヘッドのスピ−ドを測定するゴルフクラブのヘッドスピ−ド測定装置が開示されている。
この特許文献1のゴルフクラブのヘッドスピード測定装置は、垂直方向に所定の間隔をおいて配置された少なくとも2個のセンサコイルからなる第1及び第2のセンサコイル群を水平方向に所定の間隔をおいて配置すると共に、センサコイルに発生する誘導起電力のそれぞれのレベルを検出するレベル検出手段と、このレベル検出手段の検出結果に基づいて、第1及び第2のセンサコイル群に対するクラブヘッドの通過位置を検出する通過位置検出手段と、この通過位置検出手段の検出結果に基づいて、水平面に対するクラブヘッドの通過軌跡の概略角度を検出する角度検出手段と、この角度検出手段の検出結果を表示する表示手段とを備えている。
特許文献2には、スイング軌道とほぼ平行に延びる側壁部に沿って配置され、その近傍を永久磁石が先端に取り付けられたクラブヘッドが通過する時その通過を検知する第1および第2センサコイルと、スイング時間、ヘッドスピードおよびトータル飛距離を第1および第2センサコイルが検知した信号に基づき算出する演算部と、上記各項目を表示する表示部と、スイング時間、ヘッドスピードおよびトータル飛距離の複数の打数分の測定データを保存するメモリ部と、メモリ部に保存された測定データをパーソナルコンピュータに送信する送信部とを具備するゴルフスイング測定装置が開示されている。この特許文献2のゴルフスイング測定装置においては、演算部において、第1および第2センサコイルが検知した信号に基づきヘッド軌道を求めてアウトサイドイン、ストレートまたはインサイドアウトに区分し、このヘッド軌道を表示部に表示させることが開示されている。
特開平5−232130号公報 特開2008−284133号公報
上述の特許文献1のゴルフクラブのヘッドスピード測定装置および特許文献2のゴルフスイング測定装置は、いずれも、磁石を取り付けたゴルフクラブヘッドを用いるものであって、簡易的にヘッドスピードなどを測定するものである。
特許文献1のゴルフクラブのヘッドスピード測定装置の角度検出手段は、下向きの角度表示、水平の角度表示、上向きの角度表示をするものであって、具体的な角度を検出するものではない。
また、特許文献2のゴルフスイング測定装置においても、アウトサイドイン、ストレートまたはインサイドアウトに区分し、このヘッド軌道を表示部に表示させることが記載されているものの、具体的にどのようにアウトサイドイン、ストレートまたはインサイドアウトに区分するかについては言及されていない。特許文献2は、ゴルフクラブヘッドの軌道を求めることが開示されているものの、具体的な角度を検出するものではない。
このように、特許文献1のゴルフクラブのヘッドスピード測定装置および特許文献2のゴルフスイング測定装置は、いずれも、インパクト直前のゴルフクラブヘッドの上下角、および水平角を求めることができないという問題点がある。
また、今日、ゴルファは、ゴルフをより楽しむために、自分のゴルフスイングを改善する他に、自分のゴルフスイングに適したゴルフクラブを選択することを望んでいる。このような状況の中、上記特許文献1、2に記載のヘッドスピード測定装置においては、ゴルフクラブヘッドのゴルフボールに対する入射角度を概略的に知ることはできるものの、ゴルフボールの高めの弾道、低めの弾道に加えて、ゴルフボールのフックおよびスライス等の球筋に影響を与える自分のゴルフスイングに合ったゴルフクラブを選択するための情報を得ることはできないという問題点がある。
本発明の目的は、前記従来技術に基づく問題点を解消し、ゴルフクラブヘッドのインパクト直前のヘッドスピード、ゴルフクラブヘッドの上下角および左右角を容易に計測できるゴルフクラブヘッドの挙動計測方法およびゴルフクラブヘッドの挙動計測装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、ゴルフクラブヘッドの挙動に応じた最適なゴルフクラブを選定するゴルフクラブの選択システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様は、磁石が設けられたゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブをゴルファがスイングしたときの前記ゴルフクラブヘッドの挙動計測するゴルフクラブヘッド挙動計測装置であって、同一平面内に、三角形の各頂点の位置に配置された3つのコイルセンサと、前記磁石により各コイルセンサに発生した誘導起電圧を、それぞれ、取得し前記誘導起電圧の信号波形を得るとともに、前記各誘導起電圧の発生時期を特定する信号処理部と、前記3つのコイルセンサのうち、1つのコイルセンサを共通にして、2つのコイルセンサからなる組を2つ作り、各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、各組の前記発生時期の差の差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と平行な面内における前記ゴルフクラブヘッドの第1の移動方向を求める演算処理部とを有することを特徴とするゴルフクラブヘッド挙動計測装置を提供するものである。
前記信号処理部は、前記各コイルセンサの前記信号波形から、それぞれの前記各信号波形の傾きを求めるものであり、前記演算処理部は、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と直交する面内における前記ゴルフクラブヘッドの第2の移動方向を求めることが好ましい。
本発明の第2の態様は、磁石が設けられたゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブをゴルファがスイングしたときの前記ゴルフクラブヘッドの挙動計測するゴルフクラブヘッド挙動計測装置であって、同一平面内に、三角形の各頂点の位置に配置され、かつ3つのうち、2つは水平線上にあるコイルセンサと、前記磁石により各コイルセンサに発生した誘導起電圧を、それぞれ、取得し前記誘導起電圧の信号波形を得て前記各誘導起電圧の発生時期を特定するとともに、前記各コイルセンサの前記信号波形から、それぞれの前記各信号波形の傾きを求める信号処理部と、前記水平線上に配置された2つのコイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、この2つのコイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差に基づいて、前記ゴルフクラブヘッドの移動速度を求め、さらに3つのコイルセンサのうち、1つのコイルセンサを共通にして、2つのコイルセンサからなる組を2つ作り、各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、各組の前記発生時期の差の差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と平行な面内における前記ゴルフクラブヘッドの第1の移動方向を求めるとともに、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と直交する面内における前記ゴルフクラブヘッドの第2の移動方向を求める演算処理部とを有することを特徴とするゴルフクラブヘッド挙動計測装置を提供するものである。
また、前記信号処理部においては、前記誘導起電圧に対して、高いレベルの閾値と低いレベルの閾値とが予め設定されており、前記信号処理部は前記高いレベルの閾値と前記低いレベルの閾値における発生時期を特定するものであり、前記演算処理部は、前記高いレベルの閾値における発生時期と前記低いレベルの閾値における発生時期とを用いて、前記各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求めることが好ましい。
また、前記信号処理部においては、前記誘導起電圧に対して、高いレベルの閾値と低いレベルの閾値とが予め設定されており、前記信号処理部は前記高いレベルの閾値と前記低いレベルの閾値における発生時期を特定するものであり、前記演算処理部は、前記高いレベルの閾値における発生時期と前記低いレベルの閾値における発生時期とを用いて、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きを求めることが好ましい。
また、前記3つのコイルセンサのうち、2つは、水平面と平行となるように離間して配置されていることが好ましい。
本発明の第3の態様は、同一平面内に、三角形の各頂点の位置にコイルセンサが配置されており、前記各コイルセンサが配置された面に対向する領域を磁石が設けられたゴルフクラブヘッドが通過するように、ゴルファがゴルフクラブをスイングしたときに、前記ゴルフクラブヘッドに設けられた記磁石により前記各コイルセンサに発生した誘導起電圧の発生時期を特定する工程と、前記三角形の頂点の位置に配置された3つのコイルセンサのうち、1つのコイルセンサを共通にして、2つのコイルセンサからなる組を2つ作り、各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求める工程と、各組の前記発生時期の差の差または比に基づいて、前記ゴルフクラブヘッドの第1の移動方向を求める工程とを有することを特徴とするゴルフクラブヘッド挙動計測方法を提供するものである。
さらに、前記各コイルセンサの前記信号波形から、それぞれの前記各信号波形の傾きを算出する工程と、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比を求める工程と、前記傾きの差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と直交する面内における前記ゴルフクラブヘッドの第2の移動方向を求める工程を有することが好ましい。
また、さらに、前記誘導起電圧に対して、高いレベルの閾値と低いレベルの閾値とを予め設定しておき、前記高いレベルの閾値と前記低いレベルの閾値における発生時期を特定する工程を有し、前記誘導起電圧の発生時期の差を求める工程は、前記高いレベルの閾値における発生時期と前記低いレベルの閾値における発生時期とを用いて、前記各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求めることが好ましい。
また、さらに、前記誘導起電圧に対して、高いレベルの閾値と低いレベルの閾値とを予め設定しておき、前記高いレベルの閾値と前記低いレベルの閾値における発生時期を特定する工程を有し、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比を求める工程は、前記高いレベルの閾値における発生時期と前記低いレベルの閾値における発生時期とを用いて、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きを求めることが好ましい。
本発明の第4の態様は、同一平面内に、2つの頂点が水平線上にある三角形の各頂点の位置にコイルセンサが配置されており、前記各コイルセンサが配置された面に対向する領域を磁石が設けられたゴルフクラブヘッドが通過するように、ゴルファがゴルフクラブをスイングしたときに、前記ゴルフクラブヘッドに設けられた記磁石により前記各コイルセンサに発生した誘導起電圧の発生時期を特定する工程と、前記水平線上に配置された2つのコイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、この2つのコイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差に基づいて、前記ゴルフクラブヘッドの移動速度を求める工程と、前記三角形の頂点の位置に配置された3つのコイルセンサのうち、1つのコイルセンサを共通にして、2つのコイルセンサからなる組を2つ作り、各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、前記各組の前記発生時期の差の差または比に基づいて、前記ゴルフクラブヘッドの第1の移動方向を求める工程と、前記各コイルセンサの前記信号波形から、それぞれの前記各信号波形の傾きを算出し、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比を求め、前記傾きの差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と直交する面内における前記ゴルフクラブヘッドの第2の移動方向を求める工程を有することを特徴とするゴルフクラブヘッドの挙動計測方法を提供するものである。
本発明の第5の態様は、磁石が設けられたゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブをゴルファがスイングしてゴルフクラブを選択する選択システムであって、同一平面内に、三角形の各頂点の位置に配置された3つのコイルセンサと、前記磁石により各コイルセンサに発生した誘導起電圧を、それぞれ、取得し前記誘導起電圧の信号波形を得るとともに、前記各誘導起電圧の発生時期を特定する信号処理部と、前記3つのコイルセンサのうち、1つのコイルセンサを共通にして、2つのコイルセンサからなる組を2つ作り、各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、各組の前記発生時期の差の差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と平行な面内における前記ゴルフクラブヘッドの第1の移動方向を求める演算処理部とを備え、さらに、前記信号処理部は、前記各コイルセンサの前記信号波形から、それぞれの前記各信号波形の傾きを求めるものであり、前記演算処理部は、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比に基づいて前記コイルセンサが配置された平面と直交する面内における前記ゴルフクラブヘッドの第2の移動方向を求めるゴルフクラブヘッド挙動計測装置と、前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置とともに、前記打撃されたゴルフボールの挙動を計測するゴルフボール挙動計測装置と、前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測されたゴルフクラブヘッドの挙動の情報、前記ゴルフボール挙動計測装置で計測された打撃後のゴルフボールの挙動の情報を表示する表示装置と、前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測された前記第1の移動方向の情報と前記第2の移動方向の情報とを用いて、ゴルフスイングを予め定められたタイプに分類する処理装置と、前記分類に適したゴルフクラブヘッドの特性データとともにゴルフクラブのデータが複数記憶されたデータベースとを有し、前記処理装置は、分類された結果に応じて、前記分類に適したゴルフクラブのデータを前記データベースから選択することを特徴とするゴルフクラブの選択システムを提供するものである。
本発明の第6の態様は、磁石が設けられたゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブをゴルファがスイングしてゴルフクラブを選択する選択システムであって、同一平面内に、三角形の各頂点の位置に配置され、かつ3つのうち、2つは水平線上にあるコイルセンサと、前記磁石により各コイルセンサに発生した誘導起電圧を、それぞれ、取得し前記誘導起電圧の信号波形を得て前記各誘導起電圧の発生時期を特定するとともに、前記各コイルセンサの前記信号波形から、それぞれの前記各信号波形の傾きを求める信号処理部と、前記水平線上に配置された2つのコイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、この2つのコイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差に基づいて、前記ゴルフクラブヘッドの移動速度を求め、さらに3つのコイルセンサのうち、1つのコイルセンサを共通にして、2つのコイルセンサからなる組を2つ作り、各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、各組の前記発生時期の差の差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と平行な面内における前記ゴルフクラブヘッドの第1の移動方向を求めるとともに、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と直交する面内における前記ゴルフクラブヘッドの第2の移動方向を求める演算処理部とを有するゴルフクラブヘッド挙動計測装置と、前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置とともに、前記打撃されたゴルフボールの挙動を計測するゴルフボール挙動計測装置と、前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測されたゴルフクラブヘッドの挙動の情報、前記ゴルフボール挙動計測装置で計測された打撃後のゴルフボールの挙動の情報を表示する表示装置と、前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測された前記第1の移動方向の情報と前記第2の移動方向の情報とを用いて、ゴルフスイングを予め定められたタイプに分類する処理装置と、前記分類に適したゴルフクラブヘッドの特性データとともにゴルフクラブのデータが複数記憶されたデータベースとを有し、前記処理装置は、分類された結果に応じて、前記分類に適したゴルフクラブのデータを前記データベースから選択することを特徴とするゴルフクラブの選択システムを提供するものである。
さらに、前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測されたゴルフクラブヘッドの挙動の情報、および前記ゴルフボール挙動計測装置で計測された打撃後のゴルフボールの挙動の情報をスクリーンに表示させるプロジェクタを有し、前記スクリーンは、打球方向に対面して設けられていることが好ましい。
また、前記処理装置は、前記第2の移動方向の値と前記第1の移動方向の値を座標軸とした2次元チャートに、得られた前記第2の移動方向の値と前記第1の移動方向の値をプロットし、前記表示装置に表示させることが好ましい。
また、前記データベースに記憶されるゴルフクラブのデータは、少なくとも2種類のゴルフクラブのデータによって構成され、前記少なくとも2種類のゴルフクラブのデータが表すゴルフクラブは、ゴルフクラブシャフトの中心軸またはこの中心軸の延長線とゴルフクラブの重心点とを結ぶ最短直線の距離である重心距離と、前記最短直線の向きを表す重心角の少なくともいずれか一方が異なっていることが好ましい。
本発明のゴルフクラブヘッドの挙動計測装置によれば、簡易な構成で、コイルセンサが配置された面と平行な面内におけるゴルフクラブヘッドの移動方向、およびコイルセンサが配置された面と直交する面内におけるゴルフクラブヘッドの移動方向を計測することができる。しかも、各コイルセンサにおける誘導起電圧の発生時期を求めることにより、ヘッドスピードも求めることができる。
また、本発明のゴルフクラブヘッドの挙動計測装置によれば、簡易な方法で、コイルセンサが配置された面と平行な面内におけるゴルフクラブヘッドの移動方向、およびコイルセンサが配置された面と直交する面内におけるゴルフクラブヘッドの移動方向を計測することができる。しかも、各コイルセンサにおける誘導起電圧の発生時期を求めることにより、ヘッドスピードも求めることができる。
さらには、本発明のゴルフクラブの選択システムによれば、簡易な構成で、ゴルフクラブヘッドの挙動およびゴルフボールの挙動に基づいて適正なゴルフクラブを選択することができる。
本発明の実施形態に係るゴルフクラブヘッド挙動計測装置を有するゴルフクラブの選択システムを示す模式図である。 本発明の実施形態に係るゴルフクラブヘッド挙動計測装置を有するゴルフクラブの選択システムを示す模式的ブロック図である。 (a)は、ウッド系のゴルフクラブヘッドに設けられる磁石の配置位置の一例を示す模式図であり、(b)は、アイアン系のゴルフクラブヘッドに設けられる磁石の配置位置の一例を示す模式図である。 (a)は、本発明の実施形態のゴルフクラブヘッド挙動計測装置の構成を示すブロック図であり、(b)は、本実施形態のゴルフクラブヘッド挙動計測装置の外観を示す模式的斜視図である。 (a)は、本実施形態のゴルフクラブヘッド挙動計測装置のコイルセンサで得られる信号波形の一例を示すグラフであり、(b)は、コイルセンサで得られる信号波形の他の例を示すグラフであり、(c)は、コイルセンサで得られる信号波形の他の例を示すグラフである。 本実施形態のゴルフクラブヘッド挙動計測装置のコイルセンサの配置を示す模式図である。 本実施形態のゴルフクラブヘッド挙動計測装置における信号処理方法の一例を示す模式図である。 基準ヘッドスピードと、底辺の2つのコイルセンサの誘導起電圧の発生時期の時間差との関係を示すグラフである。 (a)は、ゴルフクラブヘッドの基準上下方向の角度と、2組のコイルセンサの誘導起電圧の発生時期の差との関係を示すグラフであり、(b)は、ゴルフクラブヘッドの基準上下方向の角度と、2組のコイルセンサの誘導起電圧の発生時期の比との関係を示すグラフである。 本実施形態のゴルフクラブヘッド挙動計測装置における信号処理方法の一例を示す模式図である。 (a)は、ゴルフクラブヘッドの基準左右方向の角度と、底辺の2つのコイルセンサの誘導起電圧の比(信号強度比)との関係の一例を示すグラフであり、(b)は、ゴルフクラブヘッドの基準左右方向の角度と、底辺の2つのコイルセンサの誘導起電圧の比(信号強度比)との関係の他の例を示すグラフである。 本発明の実施形態に係るゴルフクラブヘッド挙動計測装置を有するゴルフクラブの選択システムに用いられるチャートを示す模式図である。 (a)は、ゴルフクラブヘッドの進入角(上下)を説明するための模式図であり、(b)は、ゴルフクラブヘッドの進入角(左右)を説明するための模式図である。 (a)は、コイルセンサが設けられた平面と平行な面におけるゴルフクラブヘッドの移動軌跡を示す模式図であり、(b)は、コイルセンサが設けられた平面と垂直な面におけるゴルフクラブヘッドの移動軌跡を示す模式図であり、(c)は、図14(a)、(b)で表されるゴルフクラブヘッドの移動軌跡により生じた各コイルセンサの信号波形を示すグラフである。 (a)は、コイルセンサが設けられた平面と平行な面におけるゴルフクラブヘッドの移動軌跡を示す模式図であり、(b)は、コイルセンサが設けられた平面と垂直な面におけるゴルフクラブヘッドの移動軌跡を示す模式図であり、(c)は、図15(a)、(b)で表されるゴルフクラブヘッドの移動軌跡により生じた各コイルセンサの信号波形を示すグラフである。 (a)は、コイルセンサが設けられた平面と平行な面におけるゴルフクラブヘッドの移動軌跡を示す模式図であり、(b)は、コイルセンサが設けられた平面と垂直な面におけるゴルフクラブヘッドの移動軌跡を示す模式図であり、(c)は、図16(a)、(b)で表されるゴルフクラブヘッドの移動軌跡により生じた各コイルセンサの信号波形を示すグラフである。 (a)は、コイルセンサが設けられた平面と平行な面におけるゴルフクラブヘッドの移動軌跡を示す模式図であり、(b)は、コイルセンサが設けられた平面と垂直な面におけるゴルフクラブヘッドの移動軌跡を示す模式図であり、(c)は、図17(a)、(b)で表されるゴルフクラブヘッドの移動軌跡により生じた各コイルセンサの信号波形を示すグラフである。 (a)は、コイルセンサが設けられた平面と平行な面におけるゴルフクラブヘッドの移動軌跡を示す模式図であり、(b)は、コイルセンサが設けられた平面と垂直な面におけるゴルフクラブヘッドの移動軌跡を示す模式図であり、(c)は、図18(a)、(b)で表されるゴルフクラブヘッドの移動軌跡により生じた各コイルセンサの信号波形を示すグラフである。 (a)は、コイルセンサが設けられた平面と平行な面におけるゴルフクラブヘッドの移動軌跡を示す模式図であり、(b)は、コイルセンサが設けられた平面と垂直な面におけるゴルフクラブヘッドの移動軌跡を示す模式図であり、(c)は、図19(a)、(b)で表されるゴルフクラブヘッドの移動軌跡により生じた各コイルセンサの信号波形を示すグラフである。 本発明の実施形態のゴルフクラブの選択システムに用いられるゴルフボール挙動計測装置を示す模式図である。 本発明の実施形態のゴルフクラブの選択システムに用いられるゴルフボール挙動計測装置で得られた画像の一例を示す模式図である。 (a)は、本発明の実施形態のゴルフボール挙動計測装置で得られるゴルフボールの挙動の計測結果の一例を示す模式図であり、(b)は、本発明の実施形態のゴルフボール挙動計測装置で得られるゴルフボールの挙動の計測結果の一例を示す模式図である。 ゴルフクラブヘッドの重心距離および重心角を説明するための模式図である。 (a)および(b)は、ゴルフクラブの重心距離の求め方を説明するための模式図である。
以下、添付の図面に示す実施形態に基づいて、本発明のゴルフクラブヘッドの挙動計測装置、ゴルフクラブヘッドの挙動計測方法およびゴルフクラブの選択システムを詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るゴルフクラブヘッド挙動計測装置を有するゴルフクラブの選択システムを示す模式図である。
図2は、本発明の実施形態に係るゴルフクラブヘッド挙動計測装置を有するゴルフクラブの選択システムを示す模式的ブロック図である。
図1に示すゴルフクラブの選択システム10(以下、システム10という)は、ゴルファGがゴルフクラブ20のグリップ26を把持して、スイングして打球方向(打撃方向)aに向かってゴルフボールbを打撃する際、このゴルフボールbの打撃前(インパクト前)のゴルフクラブヘッド22の挙動および打撃後(インパクト後)のゴルフボールbの挙動を計測するものである。
本実施形態のシステム10においては、図1に示すように、例えば、ゴルフクラブヘッド22と、ゴルフクラブシャフト24と、グリップ26とを有するゴルフクラブ20を用いる。
ゴルフクラブ20は、例えば、ゴルフクラブシャフト24の長さが1066〜1219mm(約42〜約48インチ)、振動数が3.3〜5.0Hz(200〜300cpm)、質量が280〜320gの範囲内にある標準的仕様の所定のゴルフクラブが用いられる。
また、ゴルフクラブシャフト24は、CFRP等の繊維強化複合材により構成されている。
本実施形態のシステム10は、ゴルフクラブヘッド22の挙動を計測するゴルフクラブヘッド挙動計測装置12と、打撃されたゴルフボールbの挙動を計測するゴルフボール挙動計測装置14と、処理装置16と、プロジェクタ33と、スクリーン38とを有する。
本実施形態のシステム10においては、ゴルフボールbが載置されるティーtから打球方向aに対面してスクリーン38が設けられている。打球方向aと直交する方向において、このティーtに対向してゴルフボール挙動計測装置14が配置されている。このゴルフボール挙動計測装置14よりも打球方向aに対して後方にゴルフクラブヘッド計測装置14が設けられている。
本実施形態のシステム10においては、ゴルファGがゴルフボールbを1球打撃するたびに、ゴルフクラブヘッド22の挙動とゴルフボールbの挙動とがまとめて計測される。
さらに、本実施形態のシステム10においては、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置12、ゴルフボール挙動計測装置14をそれぞれ制御するとともに、ゴルフボール挙動計測装置14で得られた画像データなどを画像処理し、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置12、ゴルフボール挙動計測装置14で得られた測定データなどをモニタ32およびスクリーン38に表示させる機能を備える処理装置16を有する。
本発明において、計測されるゴルフクラブヘッド22の挙動のパラメータとしては、例えば、ヘッドスピード、上下方向の進入角(第1の移動方向)、左右方向の進入角(第2の移動方向)である。
また、計測されるゴルフボールbの挙動のパラメータとしては、例えば、ヘッドスピード、ボールスピード、打出角、左右打出角、バックスピン、サイドスピン、キャリー、左右ズレ、トータルの距離である。
処理装置16は、コンピュータにより構成されており、モニタ(表示装置)32、プロジェクタ33および操作手段34が接続されている。
モニタ32は、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置12、およびゴルフボール挙動計測装置14で得られた各種の挙動パラメータを表の形式で表示したり、図形とともに表示するものである。また、モニタ32は、信号処理された画像、画像処理された画像等を表示する機能を有する。このモニタ32には、一般的にパーソナルコンピュータに利用されているものが種々利用可能である。
本実施形態のシステム10においては、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置12、およびゴルフボール挙動計測装置14の2つの計測装置を有するため、計測装置の数に合わせて、モニタ32を2つ設けることが好ましい。しかしながら、モニタ32は1つでもよい。
操作手段34は、パーソナルコンピュータ等で使用されている一般的な入力デバイスであり、例えば、マウスやキーボードである。この操作手段34は、モニタ32に表示された画像に描画するために利用されるとともに、モニタ32に表示する表示画面の設定等の各種入力設定等に用いられる。
プロジェクタ33は、モニタ32に表示させるものと同じものをスクリーン38に表示させるものである。このプロジェクタ33は、特に限定されるものではなく、公知のプロジェクタを利用することができる。
スクリーン38は、ゴルフボールbの打球方向aに対面して設けられている。すなわち、ゴルフボールbを打つ正面にスクリーン38が設けられている。これにより、ゴルファGは、スクリーン38に向かって打球する。
このスクリーン38を設けることにより、ゴルフクラブヘッド22の挙動、およびゴルフボールbの挙動等を、スイングしている位置から容易に知覚することができる。
なお、スクリーン38の手前には、スクリーン38の破損を防ぐためのネット(図示せず)などを設けることが好ましい。
操作手段34は、キーボード34aおよびマウス34bであって、パーソナルコンピュータに設けられるものと同様の一般的な機能を有し、ゴルフボールの挙動測定条件の設定、ゴルフクラブヘッドの挙動測定項目の条件の設定、モニタ32、プロジェクタ33に表示する表示画面の設定等の各種入力設定に用いられる。
図2に示すように、処理装置16は、第1処理ユニット160、第2処理ユニット162、制御部164、記憶部170、設定部172およびデータべース174を有する。
処理装置16において、第1処理ユニット160、第2処理ユニット162、記憶部170、設定部172およびデータべース174は、制御部164により制御される。
第1処理ユニット160は、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置12に接続されている。この第1処理ユニット160については後に詳細に説明する。
第2処理ユニット162は、ゴルフボール挙動計測装置14に接続されている。この第2処理ユニット162については後に詳細に説明する。
記憶部170は、第1処理ユニット160、および第2処理ユニット162に接続されており、後述するように、第1処理ユニット160、および第2処理ユニット162で得られた各種の計測値、および画像処理された画像データ等が記憶されるものである。
また、制御部164は、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置12、およびゴルフボール挙動計測装置14のそれぞれで得られた挙動パラメータなどをモニタ32またはプロジェクタ38に表示させるものである。
設定部172は、操作手段34から指示入力に基づいて、ゴルフボールの挙動測定条件の設定、ゴルフクラブヘッドの挙動測定項目の条件の設定、モニタ32、プロジェクタ33に表示する表示画面の設定等の各種入力設定を行うものである。
データベース174は、ゴルフクラブ20のゴルフクラブヘッド22の選択に利用されるものである。
本実施形態のシステム10においては、試打できるように、ゴルフクラブヘッドにゴルフクラブシャフトが装着されたゴルフクラブが複数用意されている。
このデータベース174には、実物が用意されている複数のゴルフクラブについて、それぞれゴルフクラブのデータが記憶されている。記憶されたゴルフクラブのデータは、後述するゴルフクラブヘッドの特性データとともに記憶されている。
さらには、例えば、実物が用意されている複数のゴルフクラブには、それぞれ識別番号が付されており、この識別番号とゴルフクラブのデータとが対応付けられている。
このため、後述するように処理装置16で、ゴルフクラブヘッドの特性データが選択されるとゴルフクラブのデータも選択されて、識別番号とともに選択されたゴルフクラブがモニタ32に表示される。これにより、処理装置16で選択されたゴルフクラブの実物を用意することができる。
ゴルフクラブヘッドの特性データとしては、計測されたゴルフクラブヘッドの挙動に対して後述するように分類される、Aタイプ、Bタイプ、Cタイプ、Dタイプの分類に応じて、各分類に適合するゴルフクラブヘッドを、例えば、重心距離、重心角で分類されて記憶されている。これ以外にも、インサイドイン軌道、インサイドアウト軌道、アウトサイドイン軌道のスイングの分類、ロフト角、重心距離、重心後退量または重心を通り水平面に直交する垂直な直線を回転軸とする回転軸回りの慣性モーメントの大きさ等で分類して記憶されていてもよい。
なお、ゴルフクラブヘッドの特性データにおける分類の方法は、特に限定されるものではない。
本実施形態のシステム10においては、ゴルファGがゴルフクラブ20をスイングしたとき、ゴルフクラブヘッド22の挙動を計測し、処理装置16において、ゴルフクラブヘッド22の挙動計測結果に基づいて、データベース174から、適合するゴルフクラブヘッドを備えるゴルフクラブのデータが制御部164により抽出され、更にはモニタ32に表示される。
次に、本実施形態で用いられるゴルフクラブについて説明する。
(a)は、ウッド系のゴルフクラブヘッドに設けられる磁石の配置位置の一例を示す模式図であり、(b)は、アイアン系のゴルフクラブヘッドに設けられる磁石の配置位置の一例を示す模式図である。
例えば、図3(a)に示すように、ゴルフクラブシャフト24と、ゴルフクラブヘッド22とを有するウッド系のゴルフクラブ20においては、このゴルフクラブヘッド22のトウ側のサイド部22cに磁石25が貼り付けられている。
また、図3(b)に示すように、ゴルフクラブシャフト24と、ゴルフクラブヘッド23とを有するアイアン系のゴルフクラブ20aにおいては、このゴルフクラブヘッド23の打撃面23aと接するゴルフクラブヘッド23のトウ側の端面部23cに磁石25が貼り付けられている。
本実施形態に用いられる磁石25は、例えば、表面がN極、裏面がS極と磁性が分かれている。
次に、本実施形態のゴルフクラブヘッド挙動計測装置12(以下、挙動計測装置12という)について説明する。
図4(a)に示す挙動計測装置12は、図4(b)に示すように、ゴルフボール挙動計測装置14よりも、ティーtに対して打球方向aの後方側に設けられている。
この挙動計測装置12は、処理装置16の第1処理ユニット160とともに、ゴルフクラブヘッド22に設けられた磁石25の接近、離間を、3つのコイルセンサ40a〜40cにより検知して、各コイルセンサ40a〜40cの検知タイミングにより、インパクト前のゴルフクラブヘッド22のヘッドスピード、各コイルセンサ40a〜40cが配置された平面12bと平行な面内におけるゴルフクラブヘッド22の上下移動方向(第1の移動方向)、すなわち、上下方向の進入角を測定するものである。さらには、挙動計測装置12は、各コイルセンサ40a〜40cが配置された平面12bと直交する面内におけるゴルフクラブヘッド22の左右移動方向(第2の移動方向)、すなわち、左右方向の進入角を測定するものである。
挙動計測装置12は、コイルセンサ40a〜40c、アンプ42a〜42c、信号処理部44a〜44c、A/D変換器46a〜46cを有し、これらは、筐体12a内に収納されている。
コイルセンサ40a〜40cは、それぞれ、磁石25が近付くと、誘導起電圧が発生するものであり、誘導起電圧の情報を得る。コイルセンサ40a〜40cには、公知のコイルセンサが利用可能である。
3つのコイルセンサ40a〜40cは、ゴルフクラブヘッド22がその前を通過する平面12bにおいて、下方が底辺となるように二等辺三角形の各頂点に位置するように、筐体12a内に配置されている。なお、平面12bは、水平面Hに対して垂直に設けられている。コイルセンサ40aとコイルセンサ40bとは、水平面Hに平行な辺の頂点に配置されている。すなわち、コイルセンサ40aとコイルセンサ40bとは、水平面Hに平行な線上、つまり、水平線上に配置されている。
アンプ42a〜42cは、それぞれ各コイルセンサ40a〜40cに接続されている。
このアンプ42a〜42cは、それぞれ、各コイルセンサ40a〜40cで発生した誘導起電圧を所定の倍率に増幅するものである。
信号処理部44a〜44cは、それぞれアンプ42a〜42cで、所定倍に増幅された誘導起電圧を、例えば、所定の時間取り込み、信号波形を得るとともに、各コイルセンサ40a〜40cにおける誘導起電圧の発生時期を特定するものである。
信号処理部44a〜44cは、この信号波形について、予め理論上のコイル中心(Cc)、すなわち、基準値に対して高レベル側の閾値(THh)、および低レベル側の閾値(THL)が設定されている。
この信号処理部44a〜44cにおいては、高レベル側の閾値(THh)、および低レベル側の閾値(THL)における時刻を求め、それぞれ得られた高レベル側の閾値の時刻のデータ、低レベル側の閾値の時刻のデータをA/D変換器46a〜46cに出力する。
A/D変換器46a〜46cは、信号処理部44a〜44cで各信号波形について得られた高レベル側の閾値の時刻のデータ、低レベル側の閾値の時刻のデータをデジタルデータに変換し、第1処理ユニット160に出力するものである。
挙動計測装置12においては、コイルセンサ40aで、図5(a)に示す信号波形50aが得られた場合、この信号波形50aに対して高レベル側の閾値(THh)の点Aにおける時刻のデータ、低レベル側の閾値(THL)の点Bにおける時刻のデータを求める。
なお、点Aから点Bまでの時間αは、後述する第1処理ユニット160で求める。この時間αは、信号波形50aの傾きγと関係があり、時間αが短いと傾きγが大きい。さらには、この傾きγが大きいと、信号波形50aの高さが高い。この信号波形50aの高さが、高い程、磁石25が近づいたことを表す。また、信号波形50aにおいて、時間αの半分における時刻が、理論上のコイル中心(Cc)を磁石25が取り付けられたゴルフクラブヘッド22が通過した時刻である。
また、コイルセンサ40bで図5(b)に示す信号波形50bが得られた場合、図5(b)に示す信号波形50bに対しても、高レベル側の閾値(THh)の点Aにおける時刻のデータ、低レベル側の閾値(THL)の点Bにおける時刻のデータについて求める。なお、点Aから点Bまでの時間αは、後述する第1処理ユニット160で求められる。
さらには、コイルセンサ40cで、図5(c)に示す信号波形50cが得られた場合、図5(c)に示す信号波形50cに対しても、高レベル側の閾値(THh)の点Aにおける時刻のデータ、低レベル側の閾値(THL)の点Bにおける時刻のデータについて求める。なお、点Aから点Bまでの時間αは、後述する第1処理ユニット160で求められる。
本実施形態においては、コイルセンサ40a〜40cを、同一平面12b内に二等辺三角形の各頂点の位置に配置したが、コイルセンサ40a〜40cの配置は、三角形の各頂点に配置するのであれば、特に、二等辺三角形に限定されるものではない。
図6に示すように、底辺の距離Lとし、高さをhとするとき、Lは100mm、hは70〜75mmが好ましい。また、コイルセンサ40cの位置はコイルセンサ40a、40b間の位置の25%〜75%の位置にあることが好ましい。
第1処理ユニット160(演算処理部)は、信号処理部44a〜44cで各信号波形について得られた高レベル側の閾値の時刻のデジタルデータ、低レベル側の閾値の時刻のデジタルデータを取り込み、ゴルフクラブヘッド22の挙動パラメータとして、例えば、ヘッドスピード、上下方向の進入角(以下、進入角(上下)ともいう)、左右方向の進入角(以下、進入角(左右)ともいう)を算出するものである。
第1処理ユニット160(演算処理部)は、プログラムを実効することで機能する部分であるが、本発明では回路等のハードウェアで構成されたものであってもよい。なお、第1処理ユニット160は、制御部164により各機能が制御されている。
以下、本実施形態における計測装置12および第1処理ユニット160による各コイルセンサ40a〜40cに対する磁石25が取り付けられたゴルフクラブヘッド22の移動時間、すなわち、誘導起電圧の発生時期の差の算出方法について図7に基づいて説明する。
挙動計測装置12の平面12bに対向する領域を、磁石25が取り付けられたゴルフクラブヘッド22が通過するようにスイングし、各コイルセンサ40a〜40cについて、図7に示すような信号波形52a〜52cが得られた場合を例にして説明する。なお、図7において、縦軸は電圧であり、横軸は時間である。
まず、各信号波形52a〜52cについて、理論上のコイル中心(Cc)、すなわち、基準値に対して設定された高レベル側の閾値(THh)の点1A〜3Aにおける時刻、低レベル側の閾値(THL)の点1B〜3Bにおける時刻を、信号処理部44a〜44cで求める。
次に、A/D変換器46a〜46cで、信号処理部44a〜44cで各信号波形について得られた高レベル側の閾値(THh)の点1A〜3Aにおける時刻のデータ、低レベル側の閾値(THL)の点1B〜3Bにおける時刻のデータをデジタルデータに変換し、第1処理ユニット160に出力する。
第1処理ユニット160において、コイルセンサ40aからコイルセンサ40cに磁石25が移動した移動時間を求める場合、点1Aと点3Aとの時間T13Aと、点1Bと点3Bとの時間T13Bとを求め、これらの時間T13Aと時間T13Bとの平均時間を求める。この平均時間がコイルセンサ40aの理論上の中心(点1C)とコイルセンサ40cの理論上の中心(点3C)との間の時間T13である。この時間T13は、時間T13=(T13A+T13B)/2により求めることができる。
なお、時間T13は、コイルセンサ40aとコイルセンサ40cとにおける誘導起電圧の発生時期の差を示すものである。
コイルセンサ40cからコイルセンサ40bへの磁石25が取り付けられたゴルフクラブヘッド22の移動時間を求める場合、点3Aと点2Aとの時間T32Aと、点3Bと点2Bとの時間T32Bとを求め、これらの時間T32Aと時間T32Bとの平均時間を求める。この平均時間がコイルセンサ40cの理論上の中心(点3C)とコイルセンサ40bの理論上の中心(点2C)との間の時間T32である。この時間T32は、時間T32=(T32A+T32B)/2により求めることができる。
なお、時間T32は、コイルセンサ40cとコイルセンサ40bとにおける誘導起電圧の発生時期の差を示すものである。
コイルセンサ40aからコイルセンサ40bへの磁石25が取り付けられたゴルフクラブヘッド22の移動時間を求める場合、点1Aと点2Aとの時間T12Aと、点1Bと点2Bとの時間T12Bとを求め、これらの時間T12Aと時間T12Bとの平均時間を求める。この平均時間がコイルセンサ40aの理論上の中心(点1C)とコイルセンサ40bの理論上の中心(点2C)との間の時間T12である。この時間T12は、時間T12=(T12A+T12B)/2により求めることができる。
なお、時間T12は、コイルセンサ40aとコイルセンサ40bとにおける誘導起電圧の発生時期の差を示すものである。
本実施形態においては、コイルセンサ40aとコイルセンサ40bとの距離Lは、例えば、100mmと既知であるため、時間T12を求めることにより、ヘッドスピードを求めることができる。
このように、水平面Hに平行な線上にコイルセンサ40aとコイルセンサ40bを配置することにより、ヘッドスピードを測定することができる。
なお、本実施形態においては、例えば、特開2005−253505号公報に記載の移動体計測装置によるヘッドスピードの計測値を基準値として、時間T12を校正することにより、ヘッドスピードを高い精度で求めることができる。
この場合、図8に示すように、基準値となる移動体計測装置で計測したヘッドスピートの値における時間T12を計測した後、回帰式を求める。この回帰式は、例えば、直線Rで表されるものである。このようにして時間T12について校正することができる。また、回帰式は1次形式であることが好ましい。
なお、直線Rで表される回帰式は、例えば、処理装置16の記憶部170に記憶される。ヘッドスピードを計測する際に、第1の処理ユニット160により、記憶部170から直線Rで表される回帰式が呼び出され、この回帰式と時間T12に基づいてヘッドスピードが求められる。
また、時間T13および時間T32に基づいて、ゴルフクラブヘッド22の上下方向の進入角を求めることができる。
本発明においては、3つのコイルセンサ40a〜40cを三角形の頂点に配置しているため、各斜辺を横切るタイミングにより、磁石25が取り付けられたゴルフクラブヘッド22の水平方向に対する移動角度を得ることができる。
本実施形態においては、時間T13と時間T32との差が、ゴルフクラブヘッドの上下方向の進入角と対応することを見出している。
また、本実施形態においては、時間T13と時間T32との比(時間T13/時間T32)が、ゴルフクラブヘッドの上下方向の進入角と対応することを見出している。
本実施形態においては、上下方向の進入角について、例えば、特開2005−253505号公報に記載の移動体計測装置による計測値を基準値として、時間T13と時間T32との差、および時間T13と時間T32との比について、校正することにより、上下方向の進入角について高い精度で求めることができる。
そこで、本実施形態においては、コイルセンサ40a〜40cのうち、例えば、コイルセンサ40cを共通にして、コイルセンサ40aとコイルセンサ40cとを組にし、コイルセンサ40bとコイルセンサ40cとを組にして、それぞれの組における時間差、すなわち、各組におけるコイルセンサの誘導起電圧の発生時期の差を示す時間T13、時間T32を求め、これら時間T13、時間T32の差または比を求めることにより、上下方向の進入角を求めることができる。
上述の時間T13と時間T32の差(時間T13−T32)については、具体的には、図9(a)に示すように、基準値となる移動体計測装置で計測した上下の進入角の値における時間T13と時間T32の差を求めた後、回帰式を求める。この回帰式は、例えば、直線Rで表されるものである。このようにして、時間T13と時間T32の差について校正することができる。また、回帰式は1次形式であることが好ましい。
なお、直線Rで表される回帰式は、例えば、処理装置16の記憶部170に記憶される。上下の進入角を計測する際に、第1の処理ユニット160により、記憶部170から直線Rで表される回帰式が呼び出され、この回帰式と時間T13と時間T32の差(時間T13−T32)に基づいて上下の進入角が求められる。
また、上述の時間T13と時間T32との比(時間T13/T32)については、具体的には、図9(b)に示すように、基準値となる移動体計測装置で計測した上下の進入角の値における時間T13と時間T32との比を求めた後、回帰式を求める。この回帰式は、例えば、直線Rで表されるものである。このようにして、時間T13と時間T32との比について校正することができる。また、回帰式は1次形式であることが好ましい。
なお、直線Rで表される回帰式は、例えば、処理装置16の記憶部170に記憶される。上下の進入角を計測する際に、第1の処理ユニット160により、記憶部170から直線Rで表される回帰式が呼び出され、この回帰式と時間T13と時間T32との比(時間T13/T32)に基づいて上下の進入角が求められる。
次に、本実施形態における計測装置12および第1処理ユニット160による各コイルセンサ40a〜40cの平面12b対する相対距離の算出方法について図10に基づいて説明する。
挙動計測装置12の平面12bに対向する領域を、磁石25が取り付けられたゴルフクラブヘッド22が通過するようにスイングし、各コイルセンサ40a〜40cについて、図10に示すような信号波形54a〜54cが得られた場合を例にして説明する。なお、図10において、縦軸は電圧であり、横軸は時間である。
まず、各信号波形54a〜54cについて、理論上のコイル中心(Cc)、すなわち、基準値に対して設定された高レベル側の閾値(THh)の点1A〜3Aにおける時刻、低レベル側の閾値(THL)の点1B〜3Bにおける時刻を、信号処理部44a〜44cで求める。
次に、A/D変換器46a〜46cで、信号処理部44a〜44cで各信号波形について得られた高レベル側の閾値(THh)の点1A〜3Aにおける時刻のデータ、低レベル側の閾値(THL)の点1B〜3Bにおける時刻のデータをデジタルデータに変換し、第1処理ユニット160に出力する。
第1処理ユニット160において、次に、コイルセンサ40aの信号波形54aにおける点1Aと点1Bとの時間αを求める。次に、コイルセンサ40bの信号波形54bにおける点2Aと点2Bとの時間αを求める。次に、コイルセンサ40cの信号波形54cにおける点3Aと点3Bとの時間αを求める。
上述のように、時間α、α、αは、それぞれ、信号波形54a〜54cの傾きγ、γ、γと対応している。これらの傾きγ、γ、γは、各信号波形54a〜54cの高さに対応している。このため、各信号波形54a〜54cの時間α、α、αの比率を求めることにより、各信号波形54a〜54cの高さを相対的に比較することができる。
本実施形態においては、コイルセンサ40aに対するコイルセンサ40bの傾きの度合いβ12を求める。このβ12は、β12=(α−α)/αにより求められる。
また、コイルセンサ40aに対するコイルセンサ40cの傾きの度合いβ13を求める。このβ13は、β13=(α−α)/αにより求められる。
本実施形態においては、コイルセンサ40aに対するコイルセンサ40bの傾きの度合いβ12、すなわち、底辺に配置されたコイルセンサ40aの誘導起電圧の信号波形とコイルセンサ40bの誘導起電圧の信号波形との信号強度比(信号高さ比)がゴルフクラブヘッドの左右方向の進入角と対応することを見出している。
本実施形態においては、左右方向の進入角について、例えば、特開2005−253505号公報に記載の移動体計測装置による計測値を基準値として、傾きの度合いβ12、すなわち、底辺に配置されたコイルセンサ40aの誘導起電圧の信号波形とコイルセンサ40bの誘導起電圧の信号波形との信号強度比(信号高さ比)について、校正することにより、左右方向の進入角について高い精度で求めることができる。
また、本実施形態においては、コイルセンサ40aの傾きとコイルセンサ40bの傾きの差、すなわち、底辺に配置されたコイルセンサ40aの誘導起電圧の信号波形とコイルセンサ40bの誘導起電圧の信号波形との信号強度の差(信号高さの差)がゴルフクラブヘッドの左右方向の進入角と対応することを見出している。
本実施形態においては、左右方向の進入角について、例えば、特開2005−253505号公報に記載の移動体計測装置による計測値を基準値として、傾きの差、すなわち、底辺に配置されたコイルセンサ40aの誘導起電圧の信号波形とコイルセンサ40bの誘導起電圧の信号波形との信号強度の差(信号高さの差)について、校正することにより、左右方向の進入角について高い精度で求めることができる。
そこで、本実施形態においては、底辺に配置されたコイルセンサ40aとコイルセンサ40bとの誘導起電圧の信号波形の信号強度比(信号高さ比)または底辺に配置されたコイルセンサ40aとコイルセンサ40bとの誘導起電圧の信号波形の信号強度の差(信号高さの差)を求めることにより、左右方向の進入角を求めることができる。
上述のコイルセンサ40aに対するコイルセンサ40bの傾きの度合いβ12については、図11(a)に示すように、基準値となる移動体計測装置で計測した左右の進入角の値における傾きの度合いβ12を求めた後、回帰式を求める。この回帰式は、例えば、直線Rで表されるものである。このようにして、傾きの度合いβ12について校正することができる。
直線Rで表される回帰式は、例えば、処理装置16の記憶部170に記憶される。左右の進入角を計測する際に、第1の処理ユニット160により、記憶部170から直線Rで表される回帰式が呼び出され、この回帰式と傾きの度合いβ12に基づいて左右の進入角が求められる。
なお、コイルセンサでは、磁力(傾きの大きさに相当)が距離の2乗に反比例するため、傾きの度合いβ12については、図11(b)に示す2次関数で表される曲線Rで表される2次式の近似の方が図11(a)に示す直線Rで表される回帰式よりも相関が高い。この場合においても、曲線Rで表される回帰式は、例えば、処理装置16の記憶部170に記憶される。左右の進入角を計測する際に、第1の処理ユニット160により、記憶部170から曲線Rで表される回帰式が呼び出され、この回帰式と傾きの度合いβ12に基づいて左右の進入角が求められる。
本実施形態の挙動計測装置12においては、コイルセンサを用いる簡単な装置構成でヘッドスピード、上下方向の進入角、左右方向の進入角を、比較的高い測定精度を測定することができる。
また、本実施形態においては、ゴルファGがスイングした際に測定して得られた上下方向の進入角および左右方向の進入角の結果を数値として、モニタ32に表示させることができる。
また、本実施形態の挙動計測装置12においては、演算処理部を処理装置16の第1処理ユニット160としたが、これに限定されるものではなく、挙動計測装置12に演算処理部を設けてもよい。
さらには、例えば、図12に示すように、縦軸に進入角(上下)をとり、横軸に進入角(左右)をとって、予めAタイプ、Bタイプ、Cタイプ、Dタイプの4タイプに分類したチャート60上に、ゴルファGがスイングした際に測定して得られた上下方向の進入角および左右方向の進入角の結果をプロットしてモニタ32に表示することもできる。
このように、モニタ32にチャート60上にプロットして表示させることにより、ゴルファGがスイングしたときのゴルフクラブヘッド22の挙動が、どのようなものであるかをゴルファGが容易に知覚できる。
ゴルフクラブヘッドがゴルフボールを打撃する際、ゴルフクラブヘッドが、水平面に対して下から上方向に移動するゴルフスイングをアッパーブローといい、その反対方向に移動するゴルフスイングをダウンブローという。
また、ゴルフクラブヘッドが、ゴルフボールを飛球させようとする目標方向に対して、ゴルフクラブヘッドがゴルファから見て内側から外側に移動するゴルフスイングをインサイドアウトといい、外側から内側に移動するゴルフスイングをアウトサイドインという。
したがって、図12中、Aタイプ、Bタイプは、進入角(上下)が正であり、アッパーブローであることを表している。Cタイプ、Dタイプは、進入角(上下)が負であり、ダウンブローであることを表している。
一方、Aタイプ、Dタイプは、進入角(左右)が正であり、インサイドアウトであることを表している。Bタイプ、Cタイプは、進入角(左右)が負であり、アウトサイドインであることを表している。
したがって、Aタイプでは、ゴルフボールは高めの弾道でドロー〜フックボールを打つ傾向にある。Bタイプでは、ゴルフボールは高めの弾道でフェード〜スライスボールを打つ傾向にある。Cタイプでは、ゴルフボールは低めの弾道でフェード〜スライスボールを打つ傾向にある。Dタイプでは、ゴルフボールは低めの弾道でドロー〜フックボールを打つ傾向にある。
次に、本実施形態におけるゴルフクラブヘッド22の進入角(上下)について説明する。
図13(a)は、水平面H上にティーtにより設置されたゴルフボールbを横から見た図であり、この図13(a)に示すように、ゴルフボールbを横から見た場合、打球時に、ゴルフクラブヘッド22がゴルフボールbに向かっていくときの移動軌跡を、このゴルフクラブヘッド22の移動軌跡Fとする。なお、水平面Hは、平面12bと直交する面である。
本実施形態の進入角(上下)とは、設置されたゴルフボールbから、打球方向aの反対向きに所定の距離内、離れた位置における水平面Hと平行な面Hと移動軌跡Fとのなす角度γのことをいう。
なお、本実施形態においては、進入角(上下)については、水平面Hと平行な面Hよりも上側を正(プラス)の角度とし、水平面Hと平行な面Hよりも下側を負(マイナス)の角度とする。
次に、本実施形態におけるゴルフクラブヘッド22の進入角(左右)について説明する。図13(b)は、水平面H上にティーtにより設置されたゴルフボールbを上の方向から見た図であり、図13(b)においては、ゴルファ(図示せず)は、図の下側に立つものとする。
図13(b)に示すように、ゴルフボールbを上からみた場合、打球時に、ゴルフクラブヘッド22がゴルフボールbに向かっていくときの移動軌跡を、このゴルフクラブヘッド22の移動軌跡Fとする。
ここで、設置されたゴルフボールbの中心bcを通るとともに、X方向と平行であり、かつ水平面Hに対して垂直な面を面Xとする。
本実施形態の進入角(左右)とは、ゴルフボールbから所定の距離内、離れた位置における移動軌跡Fと面Xとのなす角度γのことをいう。
なお、本実施形態においては、進入角(左右)については、面Xよりもゴルファの反対側を正(プラス)の角度とし、面Xよりもゴルファ側を負(マイナス)の角度とする。
次に、本実施形態の挙動計測装置12によるゴルフクラブヘッドの挙動計測方法について説明する。
まず、ゴルフクラブ20を把持したゴルファGが、挙動計測装置12の平面12bに対向する領域を、磁石25が取り付けられたゴルフクラブヘッド22が通過するようにスイングする。このとき、磁石25が通過する位置と、各コイルセンサ40a〜40cとの位置に応じて、各コイルセンサ40a〜40cには誘導起電圧が発生し、この誘導起電圧が、アンプ42a〜42cを介して信号処理部44a〜44cに取り込まれ、信号波形を得る。
各信号波形に対して、高レベル側の閾値(THh)の点1A〜3Aにおける時刻のデータ、低レベル側の閾値(THL)の点1B〜3Bにおける時刻のデータを求め、各時刻のデータをA/D変換器46a〜46cを介して、第1処理ユニット160に出力する。
第1処理ユニット160においては、点1A〜3Aにおける時刻のデータ、および点1B〜3Bにおける時刻のデータを用いて、上述の時間T13および時間T32を求める。これらの時間T13および時間T32の差または比を求める。そして、第1の処理ユニット160により、記憶部170から直線Rで表される回帰式または直線Rで表される回帰式が呼び出され、この呼び出された回帰式と時間T13と時間T32の差(時間T13−T32)、または時間T13と時間T32との比(時間T13/T32)に基づいて、上下方向の進入角が求められる。
また、第1処理ユニット160においては、コイルセンサ40aの信号波形の時間α、およびコイルセンサ40bの信号波形の点A〜点Bまでの時間αを求める。このコイルセンサ40aに対するコイルセンサ40bの傾きの度合いβ12を求める。そして、第1の処理ユニット160により、記憶部170から直線Rで表される回帰式または曲線Rで表される回帰式が呼び出され、この呼び出された回帰式と傾きの度合いβ12に基づいて、左右方向の進入角が求められる。
さらには、時間T12を求めて、例えば、第1の処理ユニット160により、記憶部170から直線Rで表される回帰式が呼び出され、直線Rで表される回帰式と時間T13とに基づいてヘッドスピードが求められる。なお、ヘッドスピードについては、底辺の距離Lがわかっているため、時間T12と底辺の距離Lとを用いてヘッドスピードを求めてもよい。
このようにして、挙動計測装置12においては、ゴルファGがスイングした際の上下方向の進入角、左右方向の進入角およびヘッドスピードを求めることができ、これら上下方向の進入角、左右方向の進入角およびヘッドスピードは記憶部170に記憶させてもよい。
また、ゴルファGがスイングした際に測定して得られた上下方向の進入角および左右方向の進入角の結果を数値または図12に示すチャート60として、モニタ32に表示させることもできる。
本実施形態の挙動計測装置12において、ゴルファGのスイングにより、例えば、図14(a)に示すように進入角(上下)の移動軌跡Fがレベルブロー、図14(b)に示すように進入角(左右)の移動軌跡Fがストレートでゴルフクラブヘッドが移動した場合、コイルセンサ40a、40b、40cには誘導起電圧が発生し、図14(c)に示す信号波形56a、56b、56cが得られる。この場合、コイルセンサ40a、40b、40cでは、誘導起電圧が等間隔に発生し、発生時期が異なる以外は同じ信号波形56a、56b、56cが得られる。
また、ゴルファGのスイングにより、例えば、図15(a)に示すように進入角(上下)の移動軌跡Fがアッパーブロー、図15(b)に示すように進入角(左右)の移動軌跡Fがストレートでゴルフクラブヘッドが移動した場合、コイルセンサ40a、40b、40cには誘導起電圧が発生し、図15(c)に示す信号波形56a、56b、56cが得られる。この場合、各信号波形56a、56b、56cの信号強度は同じであるが、レベルブロー(図14(a)、(c)参照)に比して、コイルセンサ40cの誘導起電力の発生時期がコイルセンサ40b側にシフトする。
また、ゴルファGのスイングにより、例えば、図16(a)に示すように進入角(上下)の移動軌跡Fがダウンブロー、図16(b)に示すように進入角(左右)の移動軌跡Fがストレートでゴルフクラブヘッドが移動した場合、コイルセンサ40a、40b、40cには誘導起電圧が発生し、図16(c)に示す信号波形56a、56b、56cが得られる。この場合、各信号波形56a、56b、56cの信号強度は同じであるが、レベルブロー(図14(a)、(c)参照)に比して、コイルセンサ40cの誘導起電力の発生時期がコイルセンサ40a側にシフトする。
また、ゴルファGのスイングにより、例えば、図17(a)に示すように進入角(上下)の移動軌跡Fがレベルブロー、図17(b)に示すように進入角(左右)の移動軌跡Fがインサイドアウトでゴルフクラブヘッドが移動した場合、コイルセンサ40a、40b、40cには誘導起電圧が発生し、図17(c)に示す信号波形56a、56b、56cが得られる。この場合、ゴルフクラブヘッドがコイルセンサ40a、40c、40bに近づいていく順、すなわち、信号波形56a、信号波形56c、信号波形56bの順で信号強度が大きくなる。
また、ゴルファGのスイングにより、例えば、図18(a)に示すように進入角(上下)の移動軌跡Fがレベルブロー、図18(b)に示すように進入角(左右)の移動軌跡Fがアウトサイドインでゴルフクラブヘッドが移動した場合、コイルセンサ40a、40b、40cには誘導起電圧が発生し、図18(c)に示す信号波形56a、56b、56cが得られる。この場合、ゴルフクラブヘッドがコイルセンサ40a、40c、40bから離れていく順、すなわち、信号波形56a、信号波形56c、信号波形56bの順で信号強度が小さくなる。
また、ゴルファGのスイングにより、例えば、図19(a)に示すように進入角(上下)の移動軌跡Fがアッパーブロー、図19(b)に示すように進入角(左右)の移動軌跡Fがインサイドアウトでゴルフクラブヘッドが移動した場合、コイルセンサ40a、40b、40cには誘導起電圧が発生し、図19(c)に示す信号波形56a、56b、56cが得られる。この場合、ゴルフクラブヘッドがコイルセンサ40a、40c、40bに近づいていく順、すなわち、信号波形56a、信号波形56c、信号波形56bの順で信号強度が大きくなる。さらには、レベルブロー(図14(a)、(c)参照)に比して、コイルセンサ40cの誘導起電力の発生時期がコイルセンサ40b側にシフトする。
次に、ゴルフボール挙動計測装置14について説明する。
図20は、本発明の実施形態に係るゴルフクラブの選択システムに用いられるゴルフボール挙動計測装置を示す模式図である。
図20に示すゴルフボール挙動計測装置14(以下、計測装置14という)は、挙動計測装置12と共に利用されるものであり、ゴルファGが、ゴルフクラブ20によってゴルフボールbを打撃した際、打撃後のゴルフボールbの初期弾道パラメータを測定するものであって、ゴルフボールbの挙動パラメータとして、例えば、ボールスピード、打出角、左右打出角、バックスピン、サイドスピンを測定する機能を有し、更にはキャリー、左右ズレ、トータルの距離を算出する機能も備えるものである。
計測装置14は、ミラー62a、62bと、調整用ミラー62cと、ハーフミラー62dと、CCDカメラ64と、ストロボ(図示せず)とを有し、第2処理ユニット162に接続されている。CCDカメラ64は第2処理ユニット162のコントローラ162dにより制御される。CCDカメラ64は、このコントローラ162dにより、所定のタイミングで撮像するために電子シャッターを自動的に開閉する制御がなされる。
基板60の表面60aに、ミラー62a、62bと、調整用ミラー62cと、ハーフミラー62dと、CCDカメラ64とが後述するように配置されている。
基板60と、ミラー62a、62bと、調整用ミラー62cと、ハーフミラー62dと、CCDカメラ64は本体部66を構成し、本体部66は、例えば、ケース(図示せず)に収納され携帯可能となっている。これにより、計測装置14を、持ち運んで、室内、屋外を問わず、所定の環境で、打撃されたゴルフボールbの挙動を計測することができる。
計測装置14においては、ケースに収納される本体部66は、ゴルフボールbを試打するゴルファGとゴルフボールbを挟んで対向する位置に配置される。
計測装置14は、ゴルフクラブヘッド挙動計測装置12によりもスクリーン38に近い側に設けられている。
本実施形態の計測装置14は、それぞれの配置を固定し、2個のミラー62a、62cに投影される2個の被写体の像の通過する面を透明体で覆った任意のケースに収納することによってポータブル化し、容易に移動して任意の場所に設置することができる。もちろん、この他にゴルフボールの撮像時にゴルフボールを照明するストロボ装置あるいは、場合によってはゴルフボールを照明するに十分な明るさの自然光または人工光の照明装置等が用いられる。
コントローラ162dはCCDカメラ64と接続され、CCDカメラ64から出力される画像の画像データが第2処理ユニット162に供給されるように第2処理ユニット162と接続されている。
ミラー62a、62bは、ゴルフボールbを異なる2方向から見たゴルフボールbの像を反射するミラーで、ゴルフボールbの打ち出し方向の前後方向に配置している。
ゴルフボールbは、ゴルファGの試打によって、打ち出し方向に打ち出されるが、打ち出された直後のゴルフボールbの像は、ミラー62bで反射されてハーフミラー62dに投影され、投影されたゴルフボールbの像はハーフミラー62dを透過してCCDカメラ64に至るように構成されている。
また、打ち出された直後のゴルフボールbの像は、ミラー62aで、この後、調整用ミラー62cで反射され、調整用ミラー62cで反射されたゴルフボールbの像はさらにハーフミラー62dで反射されてCCDカメラ64に至るように構成されている。
このような2つのゴルフボールbの像が、CCDカメラ64で撮影される場合、異なる方向から見たゴルフボールbの像が可能な限り重ならないように、ミラー62a、62b又は調整用ミラー62cの配置が調整されている。
また、本実施形態の調整用ミラー62cは、ミラー62aとハーフミラー62dとともに投影された像を反射するので、CCDカメラ64で撮像するゴルフボールbの像はゴルフボールbの鏡像となる。一方、ミラー62bで反射しハーフミラー62dで透過してCCDカメラ64に至るゴルフボールbの像も鏡像となる。このように調整用ミラー62cは、ミラー62aで反射されてCCDカメラ64に至るゴルフボールbの像を鏡像とするための調整用のミラーであり、ミラー62bで反射されてCCDカメラ64に至るゴルフボールbの像と同様に鏡像とする。
図21に示す平面画像70は、打ち出された直後のゴルフボールbを、一定の時間間隔で2回撮像して得られた4つのゴルフボールの像72a、72b、74a、74bが記録されている。
ここで、ゴルフボールの像72aは、ミラー62a、調整用ミラー62c、ハーフミラー62dで反射された最初(1回目)のストロボ発光によるゴルフボールbの像であり、ゴルフボールの像74aは、ミラー62bで反射されハーフミラー62dを透過した1回目のストロボ発光によるゴルフボールbの像である。
一方、ゴルフボールの像72bは、ミラー62a、調整用ミラー62c、ハーフミラー62dで反射された2回目のストロボ発光によるゴルフボールbの像であり、ゴルフボールの像74bは、ミラー62bで反射されハーフミラー62dを透過した2回目のストロボ発光によるゴルフボールbの像である。
ここで、平面画像70において、ゴルフボールの像72aが下側に、ゴルフボールの像74aが上側に撮像されるように、ミラー62a、62bまたは調整用ミラー62cの反射面の傾斜角等の配置の調整が成されている。
また、調整用ミラー62cを用いて、撮像されるゴルフボールbの像はともに鏡像となり、図21中、ゴルフボールbの像は同一方向に移動する。
なお、ゴルフボールbの表面には、白丸、黒丸および十字形のマーク76が特定点として付されており、図21に示されるように、白丸、黒丸および十字形のマーク76が鮮明に写っている。このマーク76は、後述するように、ゴルフボールbのバックスピン、サイドスピンを算出するために用いられる。
図20に示すように、第2処理ユニット162は、画像読取部162a、位置測定部162b、演算部162c、コントローラ162dを有する。
CCDカメラ64で撮像された平面画像70の画像データは、第2処理ユニット162に送られる。
画像読取部162aは、CCDカメラ64で撮像された平面画像70の画像データを、デジタルデータとして取り込み、画像処理を行うことによって周囲の環境などの不要な画像を消去した後、ゴルフボールの外形の画像に画像処理を施して、ゴルフボールの像72a、72b、74a、74bの重心位置を算出し、続いて、ゴルフボールに形成されたマーク76の像の画像を画像処理して、マーク76の像の中心位置を算出して位置測定部162bに出力する部位である。
位置測定部162bは、このゴルフボールの像72a、72b、74a、74bの重心位置とマーク76の像の中心位置のデータが入力されると、ゴルフボールbの実際の移動経路における鉛直面および水平面の成分を算出する部位である。
すなわち、図20に示すように、2個のミラー62a、62bは任意の角度だけ傾斜しているので、これらのミラー62a、62bによって投影されて平面画像70として撮像された画像におけるゴルフボールの像72a、72b、74a、74bの重心位置の座標やマーク76の像の中心位置の座標は、ミラー62a、62bの傾斜角度に応じて鉛直面および水平面の成分が合成されたものとなっている。従って、ゴルフボールの像72a、72b、74a、74bの重心の位置の座標やマーク76の像の中心位置の座標の数値が鉛直面および水平面の成分となるようにミラー62a、62bの配置に応じて演算して分解する。そして、分解して得られた鉛直面および水平面の成分のそれぞれにおける最初のストロボ発光時点でのゴルフボールの重心位置の座標とこの重心位置に対するマーク76の中心位置の座標および2回目のストロボ発光時点でのゴルフボールの重心位置の座標とこの重心位置に対するマーク76の中心位置の座標を測定する。測定された各座標は演算部162cに送られる。
演算部162cは、打撃後のゴルフボールbの挙動を示す挙動パラメータを算出するものであって、最初および2回目のストロボ発光時点でのゴルフボールbの重心位置の座標とマーク76の中心位置の座標から、ゴルフボールbの重心位置の移動距離および移動方向を求めることでゴルフボールの初速度(ボールスピード)、上下方向および左右方向の打出角度を算出する。
また、演算部162cは、マーク76の中心位置の移動距離および移動方向を求めることでゴルフボールbの回転角速度と回転方向を算出して、バックスピン、およびサイドスピンを算出する。
演算部162cは、例えば、ゴルフボールの初速度、打ち出し角度および回転方向と回転角度に、試打時の風速等の環境条件を付加して演算することによって、ゴルフボールの飛距離を推測し、あるいはゴルフボールのキャリー、ラン、スライスまたはフックの曲がりを推測して最終的な飛距離(トータルの距離)や曲がり量(左右ズレ)を演算する。演算部84による演算結果は、モニタ32に表示される。ここで、これらの演算のためのデータの受け渡しや演算の指示は、コントローラ162dによって制御される。
計測装置14においては、打ち出されたゴルフボールのバックスピンやサイドスピン等の回転角速度や回転方向を測定するために、ゴルフボールbには、目印として黒丸や十字形のマーク76を付して特定点とし、このマーク76の位置のゴルフボールbの表面上の移動距離と移動方向によってゴルフボールの回転角速度と回転方向を測定する。
次に、計測装置14におけるゴルフボールbの挙動パラメータの測定方法について説明する。
計測装置14においては、ゴルファGによってゴルフクラブ20のスイングが開始され、ゴルフクラブ20のゴルフクラブヘッドがインパクト直前の領域に設置された図示しないゴルフクラブヘッド検出装置の検出位置を通過すると、トリガー信号がゴルフクラブヘッド検出装置において生成される。そして、ゴルフクラブヘッド検出装置からコントローラ162dに送られる。
コントローラ162dでは、トリガー信号の立ち上がりからT秒後にCCDカメラ64の電子シャッターが開くように、カメラ作動信号が生成されてCCDカメラ64に送られ、このカメラ作動信号によって、電子シャッターがT秒間開く。
同時に、コントローラ162dから、ストロボ発光信号が図示しないストロボに送られ、電子シャッターが開くT秒の間に、T秒の時間間隔でストロボが2回発光して(ステップ106)、ゴルフボールbを照明する。こうしてT秒間隔の2回のストロボ発光によって、打ち出された直後のゴルフボールbの初期弾道が撮像され、T秒の時間経過前後におけるゴルフボールbの像が撮像された1つの平面画像70が得られる。
次に、得られたゴルフボールbの初期弾道を撮像した平面画像の画像データは、画像読取部162aでデジタルデータとして読み取られ、周囲の環境などの不要な画像を消去した後、ゴルフボールの外径の画像を画像処理して、ゴルフボールの像72a、72b、74a、74bの重心位置を算出する。同時にゴルフボールbに形成されたマーク76の像の画像を画像処理して、マーク76の像の中心位置を算出する。
これらの位置を位置測定部162bで測定して、上述のゴルフボールbの挙動を示す挙動パラメータを演算部162cで算出し、この挙動パラメータのデータを記憶部170に保存する。
なお、挙動パラメータに、試打時の風速等の環境条件を付加して演算することによって、ゴルフボールの飛距離を推測し、ゴルフボールのキャリー、ラン、スライス、フックの曲がりを推測してキャリー、左右ズレ(曲がり量)および最終的な飛距離(トータルの距離)を演算する。この演算結果も挙動パラメータのデータとして記憶部170に記憶させる。
以上のように、本実施形態のシステム10においては、ゴルファGにより試打されると、1球ごとに、上述のようにゴルフボールbの挙動パラメータ(ボールスピード、打出角、左右打出角、バックスピン、サイドスピン、キャリー、左右ズレ、トータルの距離)およびゴルフクラブヘッド22の挙動パラメータ(ヘッドスピード、上下方向の進入角、左右方向の進入角)が計測されて、これらのデータが記憶部170に入力されて記憶される。
また、制御部164は、ゴルフボールbの挙動を測定して得られた挙動パラメータを、モニタ32に図22(a)に示す画面80に示すように表示させる。
画面80には、ゴルファGが、例えば、ゴルフボールbを5球、打球した状態が示されており、第1の領域82に、打球の軌跡84がゴルフコースを模した図形86上に表示される。
さらには、打球毎に、ゴルフボールの挙動パラメータの欄88を設け、表88aの形式で,ゴルフボールの挙動パラメータの計測結果を表示する。
また、制御部164は、ゴルフクラブヘッド22の挙動を測定して得られた挙動パラメータをモニタ32に、図22(b)に示す画面83のように表示させることもできる。この画面83には、ゴルファGが打球したゴルフボールbの軌跡84aが、ゴルファG側から、すなわち、ティー側からゴルフコースを模した図形86a上に表示される。
このように、本実施形態においては、ゴルファGが打球したゴルフボールbの軌跡を図22(a)、(b)に示すように表示することができる。これにより、ゴルファGは、自身の打球の軌跡を容易に知ることができる。なお、ゴルファGが打球したゴルフボールbの軌跡の表示形態は、図22(a)、(b)に限定されるものでなく、打球方向の横方向から見た形態で表示するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態のシステム10においては、ゴルファGが打球する毎に、ゴルフクラブヘッド22のヘッドスピード、上下方向の進入角と左右方向の進入角とが測定され、更には打球したゴルフボールbのボールスピード、打出角、左右打出角、バックスピン、サイドスピン、キャリー、左右ズレ、トータルの距離も求められる。
また、ゴルフクラブヘッド22の上下方向の進入角と左右方向の進入角とは、図12に示すチャート60上にプロットされてモニタ32に表示される。これにより、ゴルファGは、スイングした結果について知覚することができる。このように、ゴルファGにゴルフクラブを選択させるために、上下方向の進入角と左右方向の進入角をモニタ32に表示される。
また、処理装置16のデータベース174には、上述のように、実物が用意されている複数のゴルフクラブについて、それぞれゴルフクラブヘッドの特性データとともにゴルフクラブのデータが予め記憶されている。しかも、実物が用意されている複数のゴルフクラブには、それぞれ識別番号が付されており、この識別番号とゴルフクラブのデータとが対応付けられている。さらには、分類されたAタイプ〜Dタイプごとに、このタイプ別に適したゴルフクラブヘッドの特性データが記憶されている。
処理装置16により、データベース174から、記憶されたゴルフクラブヘッドの特性データの中から、分類されたAタイプ〜Dタイプごとに、最適なゴルフクラブヘッドの特性データが選択される。そして、識別番号とともに選択されたゴルフクラブヘッドを備えるゴルフクラブがモニタ32に表示される。このようにして、ゴルファGは、スイングに応じたゴルフクラブの情報を得ることができる。
本実施形態において、選択されたゴルフクラブが適正であるか否かは、モニタ32に表示されたゴルフクラブの実物のゴルフクラブのゴルフクラブヘッドに磁石25を取り付け、ゴルファGに再度、打球してもらう。このときのゴルフクラブヘッド22の上下方向の進入角と左右方向の進入角と、ゴルフボールの軌跡とを計測する。
そして、上下方向の進入角と左右方向の進入角については、図12に示すチャート60にプロットして再度モニタ32に表示させる。この場合、プロットの位置が、ヘッドスピードや身体特性など、ゴルファの属性に基づいた目標値に近づいていれば、選択されたゴルフクラブが適正であると判定することができる。
また、ゴルフボールの挙動計測において、打球がスライスしていたのが、打球が真っ直ぐになった場合、または打球がフックしていたのが、打球が真っ直ぐになった場合にも、選択されたゴルフクラブは適正であると判定することができる。
このように、本実施形態のシステム10においては、ゴルフクラブヘッドの挙動計測およびゴルフボールの挙動計測し、この各計測結果に基づいて、特性データの中から、所定の特性を備えるゴルフクラブヘッドを有するゴルフクラブのゴルフクラブデータを選択することにより、スイングとしては、レベルスイングに近づけ、かつインサイドインに近づけることができる。さらには、打球を真直ぐに飛ばすことができるゴルフクラブのゴルフクラブデータを選択することができる。
上述のように、処理装置16においては、例えば、分類されたAタイプ〜Dタイプごとに、ゴルフクラブのゴルフクラブデータの中から、ゴルフクラブが選定される。
例えば、Aタイプには、ダイナミックロフト角が大きくならず、かつ、フェース面がゴルファから見て閉じないように設定されたゴルフクラブが選定される。
Bタイプには、ゴルフボールの打撃直前のフェースの向きが、ゴルフクラブヘッドの重心点に作用する遠心力によって上を向かない、すなわち、ダイナミックロフト角が大きくならず、かつ、フェース面がゴルファから見て開かないように設定されたゴルフクラブが選定される。
Cタイプには、ゴルフボールの打撃直前のフェースの向きが、ゴルフクラブヘッドの重心点に作用する遠心力によって上を向く、すなわち、ダイナミックロフト角が大きくなり、かつ、フェース面がゴルファから見て開かないように設定されたゴルフクラブが選定される。
Dタイプには、ダイナミックロフト角が大きくなり、かつ、フェース面がゴルファから見て閉じないように設定されたゴルフクラブが選定される。
これらのゴルフクラブとしては、好適には、ゴルフクラブヘッドの重心距離と重心角を調整することにより得られるものが用いられる。すなわち、Aタイプ〜Dタイプに最適なゴルフクラブヘッドは、重心距離および重心角の少なくともいずれか一方が異なって構成されている。例えばAタイプに最適なゴルフクラブヘッドは、Bタイプに最適なゴルフクラブヘッドと、重心角が異なり、Aタイプに最適なゴルフクラブヘッドの重心角は、Bタイプに最適なゴルフクラブヘッドの重心角に比べて小さい。また、Aタイプに最適なゴルフクラブヘッドは、Cタイプに最適なゴルフクラブヘッドと、重心距離が異なり、Aタイプに最適なゴルフクラブヘッドの重心距離は、Cタイプに最適なゴルフクラブヘッドの重心距離に比べて短い。
なお、図23に示すように、ゴルフクラブヘッドの重心距離mとは、ゴルフクラブヘッドの重心点Gから、ゴルフクラブシャフトの中心軸Sまたは中心軸の延長線に至る最短直線を定めたとき、この最短直線の距離をいう。重心角θとは、ゴルフクラブヘッドを、設定されるライ角通りに水平面上に載置し、最短直線とゴルフクラブシャフトの中心軸Sまたは中心軸の延長線を、鉛直方向から水平面に向かって投影したとき、最短直線とゴルフクラブシャフトの中心軸または中心軸の延長線との間で成す角をいう。すなわち、重心角θは、最短直線の向きを表す角度のことである。
なお、本実施形態では、重心距離mと重心角θを調整してAタイプ〜Dタイプに最適なウッド系ゴルフクラブヘッドを用意し選定するが、重心距離の替わりに、重心点の、水平面からの高さを調整したものを用いることもできる。特に、アイアン系のゴルフクラブには、重心点の高さを調整したものを用いることが好ましい。なお、重心点の高さは、特開2005−211570号公報に記載されているFGHで定められる寸法をいう。
なお、上述の重心距離mは、例えば以下のようにして求めることができる。
図24(a)に示すように、支点91を中心に矢印Uの方向に揺動可能なシーソー型の天秤計90によって測定される。天秤計90には、ゴルフクラブヘッドのホーゼル孔に対して隙間の無い嵌め合いを持つシャフトピン92を有し、ゴルフクラブヘッドを装着しない状態では、アーム93が水平になるように釣り合っている。ゴルフクラブヘッドの重心Gのゴルフクラブシャフト軸からの重心距離mの測定は、図24(b)に示すように、シャフトピン92に質量Wのゴルフクラブヘッドを装着し固定する。そして、アーム93が水平に釣り合うように所定の位置(L’)に精密秤を置き、天秤計90が吊り合うときの荷重を測る。そして、この荷重が最大になるように、シャフトピン92に装着されるゴルフクラブヘッドの向きを調整し、最大になるときの荷重W’を求める、この荷重W’に基づいて、釣り合いの式からL=(W’×L’)/Wを算出する。この算出値が重心距離mである。
また、本実施形態においては、モニタ32の数を、計測装置の数と同じにすることにより、計測装置毎に、その計測結果を表示することができる。これにより、多くの計測結果を一度に見ることができるとともに、計測結果の表示画面の切り替えの頻度を少なくすることができる。
さらには、打球方向に対面して、計測結果が表示されるスクリーン38を設けることにより、ゴルファGは、アドレスした位置から、容易にスイング動作、ゴルフクラブヘッドの挙動、打球の方向などを知ることができる。なお、スクリーン38への表示は、領域を分割して、多くの計測結果を一度に見ることができるようにしてもよい。
なお、プロジェクタ33およびスクリーン38は、必ずしも設ける必要はない。例えば、打球を、ティーグランドまたは打球方向が解放されたゲージ等で行う場合には、プロジェクタ33およびスクリーン38を設ける必要はない。
本発明は、基本的に以上のようなものである。以上、本発明のゴルフクラブヘッドの挙動計測装置、ゴルフクラブヘッドの挙動計測方法およびゴルフクラブの選択システムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
10 ゴルフクラブ選択システム(システム)
12 ゴルフクラブヘッド挙動計測装置
14 ゴルフボール挙動計測装置
16 処理装置
20 ゴルフクラブ
22 ゴルフクラブヘッド
24 ゴルフクラブシャフト
26 グリップ
32 モニタ
33 プロジェクタ
34 操作手段
38 スクリーン
160 第1処理ユニット
162 第2処理ユニット
164 制御部
170 記憶部
172 設定部
174 データベース
G ゴルファ

Claims (15)

  1. 磁石が設けられたゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブをゴルファがスイングしたときの前記ゴルフクラブヘッドの挙動計測するゴルフクラブヘッド挙動計測装置であって、
    同一平面内に、三角形の各頂点の位置に配置された3つのコイルセンサと、
    前記磁石により各コイルセンサに発生した誘導起電圧を、それぞれ、取得し前記誘導起電圧の信号波形を得るとともに、前記各誘導起電圧の発生時期を特定する信号処理部と、
    前記3つのコイルセンサのうち、1つのコイルセンサを共通にして、2つのコイルセンサからなる組を2つ作り、各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、各組の前記発生時期の差の差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と平行な面内における前記ゴルフクラブヘッドの第1の移動方向を求める演算処理部とを有することを特徴とするゴルフクラブヘッド挙動計測装置。
  2. 前記信号処理部は、前記各コイルセンサの前記信号波形から、それぞれの前記各信号波形の傾きを求めるものであり、
    前記演算処理部は、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と直交する面内における前記ゴルフクラブヘッドの第2の移動方向を求める請求項1に記載のゴルフクラブヘッドの挙動計測装置。
  3. 磁石が設けられたゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブをゴルファがスイングしたときの前記ゴルフクラブヘッドの挙動計測するゴルフクラブヘッド挙動計測装置であって、
    同一平面内に、三角形の各頂点の位置に配置され、かつ3つのうち、2つは水平線上にあるコイルセンサと、
    前記磁石により各コイルセンサに発生した誘導起電圧を、それぞれ、取得し前記誘導起電圧の信号波形を得て前記各誘導起電圧の発生時期を特定するとともに、前記各コイルセンサの前記信号波形から、それぞれの前記各信号波形の傾きを求める信号処理部と、
    前記水平線上に配置された2つのコイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、この2つのコイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差に基づいて、前記ゴルフクラブヘッドの移動速度を求め、
    さらに3つのコイルセンサのうち、1つのコイルセンサを共通にして、2つのコイルセンサからなる組を2つ作り、各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、各組の前記発生時期の差の差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と平行な面内における前記ゴルフクラブヘッドの第1の移動方向を求めるとともに、
    前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と直交する面内における前記ゴルフクラブヘッドの第2の移動方向を求める演算処理部とを有することを特徴とするゴルフクラブヘッド挙動計測装置。
  4. 前記信号処理部においては、前記誘導起電圧に対して、高いレベルの閾値と低いレベルの閾値とが予め設定されており、前記信号処理部は前記高いレベルの閾値と前記低いレベルの閾値における発生時期を特定するものであり、
    前記演算処理部は、前記高いレベルの閾値における発生時期と前記低いレベルの閾値における発生時期とを用いて、前記各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求める請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの挙動計測装置。
  5. 前記信号処理部においては、前記誘導起電圧に対して、高いレベルの閾値と低いレベルの閾値とが予め設定されており、前記信号処理部は前記高いレベルの閾値と前記低いレベルの閾値における発生時期を特定するものであり、
    前記演算処理部は、前記高いレベルの閾値における発生時期と前記低いレベルの閾値における発生時期とを用いて、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きを求める請求項2または3に記載のゴルフクラブヘッドの挙動計測装置。
  6. 同一平面内に、三角形の各頂点の位置にコイルセンサが配置されており、前記各コイルセンサが配置された面に対向する領域を磁石が設けられたゴルフクラブヘッドが通過するように、ゴルファがゴルフクラブをスイングしたときに、前記ゴルフクラブヘッドに設けられた記磁石により前記各コイルセンサに発生した誘導起電圧の発生時期を特定する工程と、
    前記三角形の頂点の位置に配置された3つのコイルセンサのうち、1つのコイルセンサを共通にして、2つのコイルセンサからなる組を2つ作り、各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求める工程と、
    各組の前記発生時期の差の差または比に基づいて、前記ゴルフクラブヘッドの第1の移動方向を求める工程とを有することを特徴とするゴルフクラブヘッド挙動計測方法。
  7. さらに、前記各コイルセンサの前記信号波形から、それぞれの前記各信号波形の傾きを算出する工程と、
    前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比を求める工程と、前記傾きの差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と直交する面内における前記ゴルフクラブヘッドの第2の移動方向を求める工程を有する請求項6に記載のゴルフクラブヘッドの挙動計測方法。
  8. 同一平面内に、2つの頂点が水平線上にある三角形の各頂点の位置にコイルセンサが配置されており、前記各コイルセンサが配置された面に対向する領域を磁石が設けられたゴルフクラブヘッドが通過するように、ゴルファがゴルフクラブをスイングしたときに、前記ゴルフクラブヘッドに設けられた記磁石により前記各コイルセンサに発生した誘導起電圧の発生時期を特定する工程と、
    前記水平線上に配置された2つのコイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、この2つのコイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差に基づいて、前記ゴルフクラブヘッドの移動速度を求める工程と、
    前記三角形の頂点の位置に配置された3つのコイルセンサのうち、1つのコイルセンサを共通にして、2つのコイルセンサからなる組を2つ作り、各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、前記各組の前記発生時期の差の差または比に基づいて、前記ゴルフクラブヘッドの第1の移動方向を求める工程と、
    前記各コイルセンサの前記信号波形から、それぞれの前記各信号波形の傾きを算出し、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比を求め、前記傾きの差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と直交する面内における前記ゴルフクラブヘッドの第2の移動方向を求める工程を有することを特徴とするゴルフクラブヘッドの挙動計測方法。
  9. さらに、前記誘導起電圧に対して、高いレベルの閾値と低いレベルの閾値とを予め設定しておき、前記高いレベルの閾値と前記低いレベルの閾値における発生時期を特定する工程を有し、
    前記誘導起電圧の発生時期の差を求める工程は、前記高いレベルの閾値における発生時期と前記低いレベルの閾値における発生時期とを用いて、前記各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求める請求項6〜8のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドの挙動計測方法。
  10. さらに、前記誘導起電圧に対して、高いレベルの閾値と低いレベルの閾値とを予め設定しておき、前記高いレベルの閾値と前記低いレベルの閾値における発生時期を特定する工程を有し、
    前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比を求める工程は、前記高いレベルの閾値における発生時期と前記低いレベルの閾値における発生時期とを用いて、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きを求める請求項7または8に記載のゴルフクラブヘッドの挙動計測方法。
  11. 磁石が設けられたゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブをゴルファがスイングしてゴルフクラブを選択する選択システムであって、
    同一平面内に、三角形の各頂点の位置に配置された3つのコイルセンサと、前記磁石により各コイルセンサに発生した誘導起電圧を、それぞれ、取得し前記誘導起電圧の信号波形を得るとともに、前記各誘導起電圧の発生時期を特定する信号処理部と、前記3つのコイルセンサのうち、1つのコイルセンサを共通にして、2つのコイルセンサからなる組を2つ作り、各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、各組の前記発生時期の差の差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と平行な面内における前記ゴルフクラブヘッドの第1の移動方向を求める演算処理部とを備え、さらに、前記信号処理部は、前記各コイルセンサの前記信号波形から、それぞれの前記各信号波形の傾きを求めるものであり、前記演算処理部は、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比に基づいて前記コイルセンサが配置された平面と直交する面内における前記ゴルフクラブヘッドの第2の移動方向を求めるゴルフクラブヘッド挙動計測装置と、
    前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置とともに、前記打撃されたゴルフボールの挙動を計測するゴルフボール挙動計測装置と、
    前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測されたゴルフクラブヘッドの挙動の情報、前記ゴルフボール挙動計測装置で計測された打撃後のゴルフボールの挙動の情報を表示する表示装置と、
    前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測された前記第1の移動方向の情報と前記第2の移動方向の情報とを用いて、ゴルフスイングを予め定められたタイプに分類する処理装置と、
    前記分類に適したゴルフクラブヘッドの特性データとともにゴルフクラブのデータが複数記憶されたデータベースとを有し、
    前記処理装置は、分類された結果に応じて、前記分類に適したゴルフクラブのデータを前記データベースから選択することを特徴とするゴルフクラブの選択システム。
  12. 磁石が設けられたゴルフクラブヘッドを備えたゴルフクラブをゴルファがスイングしてゴルフクラブを選択する選択システムであって、
    同一平面内に、三角形の各頂点の位置に配置され、かつ3つのうち、2つは水平線上にあるコイルセンサと、前記磁石により各コイルセンサに発生した誘導起電圧を、それぞれ、取得し前記誘導起電圧の信号波形を得て前記各誘導起電圧の発生時期を特定するとともに、前記各コイルセンサの前記信号波形から、それぞれの前記各信号波形の傾きを求める信号処理部と、前記水平線上に配置された2つのコイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、この2つのコイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差に基づいて、前記ゴルフクラブヘッドの移動速度を求め、さらに3つのコイルセンサのうち、1つのコイルセンサを共通にして、2つのコイルセンサからなる組を2つ作り、各組について各コイルセンサの前記誘導起電圧の発生時期の差を求め、各組の前記発生時期の差の差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と平行な面内における前記ゴルフクラブヘッドの第1の移動方向を求めるとともに、前記各コイルセンサの前記信号波形の傾きの差または比に基づいて、前記コイルセンサが配置された平面と直交する面内における前記ゴルフクラブヘッドの第2の移動方向を求める演算処理部とを有するゴルフクラブヘッド挙動計測装置と、
    前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置とともに、前記打撃されたゴルフボールの挙動を計測するゴルフボール挙動計測装置と、
    前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測されたゴルフクラブヘッドの挙動の情報、前記ゴルフボール挙動計測装置で計測された打撃後のゴルフボールの挙動の情報を表示する表示装置と、
    前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測された前記第1の移動方向の情報と前記第2の移動方向の情報とを用いて、ゴルフスイングを予め定められたタイプに分類する処理装置と、
    前記分類に適したゴルフクラブヘッドの特性データとともにゴルフクラブのデータが複数記憶されたデータベースとを有し、
    前記処理装置は、分類された結果に応じて、前記分類に適したゴルフクラブのデータを前記データベースから選択することを特徴とするゴルフクラブの選択システム。
  13. さらに、前記ゴルフクラブヘッド挙動計測装置で計測されたゴルフクラブヘッドの挙動の情報、および前記ゴルフボール挙動計測装置で計測された打撃後のゴルフボールの挙動の情報をスクリーンに表示させるプロジェクタを有し、
    前記スクリーンは、打球方向に対面して設けられている請求項11または12に記載のゴルフクラブの選択システム。
  14. 前記処理装置は、前記第2の移動方向の値と前記第1の移動方向の値を座標軸とした2次元チャートに、得られた前記第2の移動方向の値と前記第1の移動方向の値をプロットし、前記表示装置に表示させる請求項11〜13のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択システム。
  15. 前記データベースに記憶されるゴルフクラブのデータは、少なくとも2種類のゴルフクラブのデータによって構成され、
    前記少なくとも2種類のゴルフクラブのデータが表すゴルフクラブは、ゴルフクラブシャフトの中心軸またはこの中心軸の延長線とゴルフクラブの重心点とを結ぶ最短直線の距離である重心距離と、前記最短直線の向きを表す重心角の少なくともいずれか一方が異なっている請求項11〜14のいずれか1項に記載のゴルフクラブの選択システム。
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