JP2006174870A - ゴルフクラブチューニング支援プログラム、プログラム格納媒体、ゴルフクラブチューニング支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ゴルファーが自己申告した情報に基づいて、そのゴルファーに最適なゴルフクラブのスペックを提示する。
【解決手段】ゴルフクラブの仕様情報を記憶するデータベースにアクセス可能なコンピュータに、ゴルファーの身体パラメータに基づいて標準ゴルフクラブのクラブ基本スペックを求めるステップと、ゴルファーの技術に関するパラメータに基づいて標準ゴルフクラブの打球特性スペックを求めるステップと、指定された使用ゴルフクラブの各種パラメータを使用クラブスペックとしてデータベースから取得するステップと、標準クラブスペックのクラブ長とクラブ総重量とを満足しつつ、クラブ長における所定の位置に撃心を設定したときのシャフト重量とシャフト重心位置とを撃心スペックとして求めるステップと、標準クラブスペックと前記撃心スペックとを適宜に出力するステップとを実行させるゴルフクラブチューニング支援プログラム。
【選択図】 図4

Description

この発明は、ゴルファーごとに適切なゴルフクラブを提供するのをコンピュータにより支援する技術に関し、とくに、コンピュータにインストールされてゴルフクラブのチューニングを支援するためのコンピュータプログラムに関する。
ゴルフは、ゴルファー自身の体格・体力・技量に従って道具を選ぶことが重要である。とくに一般のアマチュアゴルファーは、道具を適切に選ぶことで、スコアや飛距離のアップが期待できる。道具を選ぶ際、ゴルファーは、ゴルフクラブの各種スペックに注目する。例えば、身長に応じて適正な長さのクラブを選んだり、体重や体力に応じて適正な重量のクラブを選んだりする。
また現在では、練習場を備えた販売店があり、ゴルファーは複数のクラブを使って実際に試打し、気に入ったクラブを買うこともできる。いずれにしても、ゴルファーはクラブのスペックをクラブ選択の際の重要な指標としている。なお、クラブのスペックについては以下の被特許文献に詳しく説明されている。
"ゴルフは理論"、[online]、[平成16年12月15日検索]、インターネット<URL:http://www.mcx.co.jp/golf/theory/golf11.htm> "ゴルフは理論"、[online]、[平成16年12月15日検索]、インターネット<URL:http://www.mcx.co.jp/golf/theory/golf12.htm>
ゴルフクラブにおいて、特に重要なスペックとしてシャフトに関するスペックがある。例えば、硬度やキックポイント(KP)などである。ゴルファーが自身の体格や体力、技量に適したシャフトのスペックを正確に認知するためには、ヘッドスピードなど、シャフトのしなりに関連するデータを実際に測定する必要がある。試打施設を備えた店舗には、その試打時にスイングの速度を計測する装置や、高速度カメラで撮影してスイング中やインパクトの瞬間におけるシャフトのしなりやねじれ具合を見て正しく打球できているかなどが確認できる装置などを導入しているところがある。しかし、シャフトに関するスペックを計測により認知するためには、ゴルファーがその測定設備があるところにわざわざ赴いて計測してもらう必要がある。もちろん、店舗にとっても測定装置に多額の設置コストが掛かる。
また、装置による測定値は、試打時のゴルファーの体調や調子に大きく左右される。複数回試打して、その全ての試打時で平均して同じような測定値が得られる可能性は低い。特にアマチュアゴルファーであれば、その可能性はさらに低くなる。したがって、複数回の試打のうち、最も良好に打球できたときの測定値を採用することがほとんどである。これでは、試打したときのスイングや打球がまさしく本来の実力通りであるのか全く不明であり、測定値自体に再現性がなく、信頼性に欠ける。
一方、シャフトの特性とは別に、ゴルフクラブにはスイートスポット位置と呼ばれる特性がある。スイートスポットは、最もボールがよく飛ぶとされているヘッド面上の位置であり、ヘッド表面場で最も反発係数が高い場所を指して言うことが多い。しかしながら、従来のスイートスポットはヘッドの重心に基づいて位置を特定している。すなわちヘッド単体でスイートスポットを議論、あるいは測定している場合が多い。
ゴルフクラブは、同じヘッドでも、ゴルファーの体格・体力・技量に応じて取り付けらシャフトを選択することができる。したがって、シャフトとヘッドとを含めたクラブ全体における重心や重量は、同じヘッドでもゴルフクラブごとに異なることになり、クラブ総体としてのスイートスポットは、ある位置にスイートスポットがあるヘッドにシャフトを取り付けた時点で狂ってしまうことになる。換言すれば、スイートスポットの位置自体が極めて曖昧であると言わざるを得ない。
本発明者らは、各ゴルファーごとに最適なゴルフクラブの各種スペックを、ゴルファーの身体パラメータ(身長、体重など)や技術パラメータ(平均スコア、平均飛距離など)といった、計測を必要としない数値に基づいて導出することができれば、実際に試打をさせてスイングスピードなどを計測する必要がないと考えた。むしろ、計測値という不安定なパラメータに基づいて求めたスペックはゴルファーの体格や体力、技量と合致しない可能性があると考えた。
また本発明者らは、従来のスイートスポットがヘッド単体で義論されているため、シャフトを含めたゴルフクラブの重心が実はヘッドが占有する空間内に存在しない場合もある、という事実に鑑み、ゴルフクラブの一点に力を与えたときの慣性の中心(撃心)を所定の位置に設定するように「既存のヘッドに合わせてシャフトのスペックを調整する」という発想の転換を試みた。すなわち、総体としてのゴルフクラブのどこにあるかわからないスイートスポットの位置を定義せず、全てのゴルフクラブに対して同じ位置に撃心が存在するようにシャフトのスペックを適宜に調整することで、必ずヘッド表面のどこかに必ずスイートスポットと呼ばれる高反発部位を存在させるようにした。
本発明は上記考察に基づきなされたもので、その基本発明は、次の要件(1)〜(8)を備えている。
(1)ゴルフクラブの仕様に関する各種情報を蓄積管理するクラブデータベースにアクセス可能なコンピュータにインストールされ、ゴルファーが自己申告した自身の体格やゴルフ技術に関するパラメータに基づいて当該ゴルファーに推奨すべき標準ゴルフクラブの仕様を設定する処理を当該コンピュータに実行させるゴルフクラブチューニング支援プログラムであること。
(2)前記コンピュータに、ゴルファーの体格に関する各種身体パラメータの入力を受け付ける身体パラメータ入力ステップを実行させること。
(3)前記コンピュータに、ゴルフクラブについての静的な特性に関する各種パラメータをクラブ基本スペックとして、前記標準ゴルフクラブにおける静的特性を示すクラブ基本スペックを身体パラメータに基づいて求める標準基本スペック設定ステップを実行させること。
(4)前記コンピュータに、前記ゴルファーにおけるゴルフ技術に関する技術パラメータの入力を受け付ける技術パラメータ入力ステップを実行させること。
(5)前記コンピュータに、打球時のゴルフクラブの変形などの動的特性や打球方向に関する各種パラメータを打球特性スペックとして、前記技術パラメータに基づいて前記標準ゴルフクラブの打球特性スペックを求める標準打球特性スペック設定ステップを実行させること。
(6)前記コンピュータに、使用ゴルフクラブの指定入力を受け付け、当該使用ゴルフクラブについての前記クラブ基本スペックや前記打球特性スペックに含まれる各種パラメータを使用クラブスペックとして、当該使用クラブスペックを前記クラブデータベースに対する検索に基づいて取得する使用クラブスペック取得ステップを実行させること。
(7)前記コンピュータに、標準クラブスペックに含まれるクラブ長とクラブ総重量とを満足しつつ、当該クラブ長における所定の位置に撃心を設定したときのシャフト重量とシャフト重心位置とを撃心スペックとして求める撃心スペック設定ステップを実行させること。
(8)前記コンピュータに、前記標準クラブスペックと前記撃心スペックとを適宜に出力するスペック提示ステップを実行させること。
また本発明は、次の要件(11)〜(18)のいずれかを備えたゴルフクラブチューニング支援プログラムとすることもできる。
(11)上記基本発明において、前記撃心スペックにおけるシャフト重量を前記使用クラブスペックと前記標準クラブスペックとに基づいて特定するとともに、前記重心位置を前記クラブ長と前記シャフト重量と前記使用クラブスペックと標準クラブスペックとに基づいて特定されるシャフト長とを所定の計算式f1に代入することで求めること。
(12)上記基本発明または要件(11)を備えた発明において、前記身体パラメータ入力ステップでは、ゴルファーの身長と体重とを受け付け、前記標準基本スペック設定ステップは、身長に応じて標準ゴルフクラブの長さ設定するステップと、身長を所定の計算式f2に代入してライ角を求めるステップと、体重を所定の計算式f3に代入して標準ゴルフクラブの総重量を求めるステップとを含むこと。
(13)要件(12)を備えた発明において、前記技術パラメータ入力ステップは、平均スコアと2つの所定の番手のゴルフクラブの平均飛距離と多肢選択式で入力されるスイングリズムとを受け付け、
前記標準打球特性スペック設定ステップでは、当該スペックに含まれるパラメータとしてシャフト硬度とリアルロフトとトルクとシャフトのしなり具合の指標となるバンク値を設定し、当該標準打球特性スペック設定ステップは、
一方の番手のクラブの平均飛距離を所定の計算式f4に代入してヘッドスピードを求めるステップと、
前記2つの番手のクラブの平均飛距離に応じた欲求値を設定するステップと、
欲求値と平均スコアとを所定の計算式f5に代入して腕前値を求めるステップと、
腕前値に応じた係数を設定するステップと、
当該係数と前記ヘッドスピードを所定の計算式f6に代入してシャフト硬度を求めるステップと、
前記ヘッドスピードを所定の計算式f7に代入してリアルロフトを求めるステップと、
前記ヘッドスピードを所定の計算式f8に代入してトルクを求めるステップと、
前記バンク値を選択されたスイングリズムに応じて設定するステップと、
当該設定したバンク値に応じてシャフトのしなり状態を文字表現したキックポイントを設定するステップと、
を含むこと。
(14)上記基本発明、または上記要件(11)〜(13)のいずれかを備えた発明において、ゴルファー自身の弾道に関する各種パラメータを多肢選択式で入力させる弾道パラメータ入力ステップと、
弾道パラメータに基づいて、前記標準クラブスペックに含まれる所定のパラメータを補正し、当該補正後のパラメータを備えた最適ゴルフクラブのスペックを求める最適クラブスペック設定ステップと、
最適ゴルフクラブのスペックを適宜に出力する最適クラブスペック提示ステップと、
を実行させること。
(15)上記要件(13)を備えた発明において、ゴルファー自身の現状における弾道に関し、上下打ち出し角、打球の曲がり具合を示す現状球質、打球のスピン傾向、弾道安定性の有無をそれぞれ現状弾道パラメータとして、各現状弾道パラメータを多肢選択式で入力させる現状弾道パラメータ入力ステップと、
ゴルファーが希望する弾道に関し、希望弾道、希望球質、ラン希望の要否をそれぞれ理想弾道パラメータとして、各理想弾道パラメータを多肢選択式で入力させる理想弾道パラメータ入力ステップと、
現状および理想弾道パラメータに基づいて、前記標準クラブスペックに含まれる所定のパラメータを補正し、当該補正後のパラメータを備えた最適ゴルフクラブのスペックを求める最適クラブスペック設定ステップと、
前記最適ゴルフクラブのスペックを適宜に出力する最適クラブスペック提示ステップと
を実行させ、
前記最適クラブスペック設定ステップは、
使用クラブスペックと標準クラブスペックのそれぞれに含まれるシャフト硬度との関係が所定の条件をみたす場合、選択された前記現状球質に応じて、それぞれに異なる所定の計算式f9を適用し、当該f9に現状球質に応じた係数と、標準クラブスペックのシャフト硬度とを代入して補正したシャフト硬度を1次補正シャフト硬度として設定するステップと、
当該1次補正シャフト硬度と、前記選択された理想球質に応じた係数とを所定の計算式f10に代入して前記最適クラブスペックのシャフト硬度を求めるステップと、
前記理想弾道パラメータとしてランを必要とする旨が選択されると、使用クラブスペックにおけるリアルロフト値と、選択された前記スピン傾向に応じた係数とを所定の計算式f11に代入して補正したリアルロフトを最適クラブスペックのリアルロフトに設定するステップと、
選択された上下打ち出し角に応じた係数Auと希望弾道に応じた係数Biとの大小関係に応じて異なる所定の計算式f12に、標準クラブスペックのバンク値と当該AuとBuとを代入して補正したバンク値を最適クラブスペックのバンク値に設定するとともに、当該補正後のバンク値に応じてKPを設定するステップと、
前記平均スコアと前記腕前値に応じた係数とを所定の計算式f13に代入して得られた値に応じてゴルファーの技量を区分するステップと、
区分されたゴルファーの技量と弾道安定性の有無との組み合わせに応じた係数と、標準クラブスペックにおけるトルク値とを所定の計算式f14に代入して補正したトルク値を最適クラブスペックのトルク値に設定するステップと、
を含むこと。
(16)上記基本発明または上記要件(11)〜(15)のいずれかを備えた発明において、前記シャフト硬度は、シャフトのヤング率と軸中心の慣性モーメントの積であり、前記バンク値は、シャフトの2つの所定の位置に所定の加重を加えたときのしなり量を当該2つの位置間の距離で除算した値であること。
また本発明は、上記基本発明または上記要件(11)〜(16)のいずれかを備えた発明のゴルフクラブチューニング支援プログラムを記憶したプログラム格納媒体にも及んでいる。また、前記クラブデータベースにアクセス可能なコンピュータにより構成され、上記(1)〜(8)を備えた発明、または上記(11)〜(18)のいずれかを備えた発明に記載のゴルフクラブチューニング支援プログラムを実行するゴルフクラブチューニング支援装置も本発明の範囲としている。
本発明のゴルフクラブチューニング支援プログラムによれば、ゴルフスイングに関わる各種測定値を実測することなく、ゴルファーが自己申告できる程度のパラメータに基づいて、そのゴルファーに適したゴルフクラブのスペックを求めることができる。また、そのゴルフクラブのヘッド表面に必ずスイートスポットが存在するようなシャフトのスペックを求めることができる。
===実施形態===
本発明の実施形態として、本発明のゴルフクラブチューニング支援プログラム(以下、支援プログラム)がインストールされたコンピュータ(以下、支援装置)を挙げる。支援装置は、パーソナルコンピュータであってもよいし、支援プログラムがインストールされるとともに、インターネット上でASP(Application Service Provider)装置として稼働するWWWサーバー機能を備えたコンピュータであってもよい。支援装置は、市販ゴルフクラブに関する各種物理量や指標値からなるパラメータを蓄積・管理するクラブデータベースにアクセス可能な構成としている。
図1にクラブデータベースの概略を示した。メーカ、商品名、型番など、ゴルフクラブを特定するための情報にそのクラブの各種パラメータが対応付けされている。図2に重量以外の主な静的特性(長さ・角度)に関するパラメータの概略を示した。ゴルフクラブにおける各種パラメータにおいて、計測値とあるのは本実施例独自の計測方法に基づいて得られた実測値であり、他のデータはカタログ値である。
例えば、トルクについては、クラブヘッドの所定の位置に所定の力を加えたときのシャフトのねじれ角であり、シャフト硬度は、ヤング率と、シャフトを細長い円筒状としたときの円筒軸中心回りの慣性モーメントとを積算した値としている。バンクは、シャフトの所定の2点間に所定の荷重を加えたときのしなり量をその2点間の距離で除算した値としている。KPは、バンクの値に応じて5段階の文字表現(超元、元、中、先、超先)に変換される指標となっている。
また、多数の市販シャフトについても各種パラメータをシャフトデータベースとして外部記憶に蓄積・管理している。図3にシャフトデータベースの概略を示した。シャフトを特定するための情報(メーカ、商品名など)にシャフトに関わる各種パラメータが対応付けされて蓄積・管理されている。
なお、クラブデータベースやシャフトデータベースは、支援装置がアクセス可能であれば、支援装置自体に付帯している必要はない。例えば、インターネットなどのネットワーク上に別途クラブデータベースやシャフトデータベースを備えたコンピュータがあってもよい。そして、そのコンピュータが支援装置からのクエリーを受け付けて該当のデータを支援装置に返送するような構成であってもよい。
支援装置は、例えばパーソナルコンピュータを主体として構成されていれば、支援プログラムの実行により、GUI環境を提供するとともに、ユーザ入力された各種パラメータの値や選択指示、データベースへの検索に基づいて取得した各種データを処理し、ゴルファーの体格・体力・技量に合致した推奨すべきゴルフクラブが備える各種パラメータを提示する。また、支援装置がASP装置であれば、アクセスしてきたブラウザと通信し、Webページを介してユーザ入力と処理結果の表示出力とを行う。
===本発明の技術思想===
支援装置は、実際にゴルファーのスイングなどを測定したデータを一切使用せず、ゴルファーが自己申告した身長や体重などの身体パラメータや平均スコアや飛距離などの技術パラメータに基づいて、そのゴルファーに最も適切なゴルフクラブが備える仕様を提示する。すなわち、大がかりな装置を使って測定したとしても、その測定値が再現性に乏しく信頼性を欠いたものであれば、全く利用価値がない。そこで本発明は、身体パラメータや技術パラメータという、極めて安定した信頼性の高いデータを利用する。
しかしながら、支援プログラムに与えられるパラメータは実際のゴルフクラブが備えるスペックを規定する物理量とは全く異なる単位である。本発明は、単位が異なる物理量、あるいは単位のない数値からなる入力パラメータを具体的なクラブの特性を規定できる物理量に変換している。そのために、まず、実際のゴルフクラブが備える各種パラメータ(物理量や指標)を実際に測定したりカタログ値を参照したり規定したりして特定する。そして、特定したゴルフクラブの各種パラメータを出力パラメータとし、各出力パラメータのそれぞれについて、特定の入力パラメータとの対応付けや、当該対応付けに基づいて入力パラメータから出力パラメータの値を求めるための各種計算式や入力パラメータの値に応じた係数などを試行錯誤しながら見出した。本発明はその知見に基づきなされたものである。
さらに本発明は、ゴルファーごとに適切なゴルフクラブを提供するために、従来測定方法や定義方法が曖昧だったスイートスポットについても見直し、まず、ヘッド単体ではなく総体としてゴルフクラブによってスイートスポットを議論し、ゴルフクラブを剛体モデルとして扱うことで位置が計算可能な撃心をクラブの所定の位置に設定するようにシャフトの所定のパラメータを調整することにした。それによって、スイートスポットがヘッドの占有空間内のどこかに必ず存在するようにした。したがって本発明は、スイートスポット自体の位置設定や定義を破棄し、あらかじめ設定された位置が撃心となるようにシャフトのパラメータを調整する、という点にも特徴がある。
===クラブチューニング支援処理の概略===
図4に本実施例における支援プログラムによる処理の流れを概略的に示した。まず、ゴルフクラブをチューニングして欲しい支援対象ゴルファーについて、そのゴルファーの身長や体重などの身体パラメータの入力を受け付け(s1)、その身体パラメータに基づいて、長さ、角度、総重量など、ゴルフクラブの静的な特性に関するスペック(クラブ基本スペック)を求める(s2)
つぎに、スイングのリズム(早い、遅いなど)や所定の番手のクラブの飛距離などのゴルフの技量に関するパラメータ(技術パラメータ)のユーザ入力を受け付け(s3)、この技術パラメータに基づいて、シャフトのねじれや硬度などの動的特性やリアルロフトなど、打球という動作に関与する各種スペック(打球特性スペック)を設定する(s4)。そして、クラブ基本スペックと打球特性スペックを備えたゴルフクラブを支援対象ゴルファーの体格や技量に対して標準となるゴルフクラブ(標準ゴルフクラブ)とし、この標準ゴルフクラブにおける各種パラメータを標準クラブスペックとして管理する(s5)。
また本実施例では、ゴルファーが現在使用しているクラブのヘッドを流用しつつシャフトを交換する、というビジネスモデルに対応している。そこで、ゴルファーが現在使用しているクラブ(使用ゴルフクラブ)について、メーカや商品名、型番などの指定入力を受け付け、指定された使用ゴルフクラブの各種パラメータをクラブデータベースからの検索に基づいて取得する(s6,s7)。
さらに、現在の球質(例えば、フック、スライス)やシャフト交換後のクラブにおいて希望する球質(例えば、ドロー、フェード)などの症状・悩み・希望を弾道パラメータとして多肢択一方式で入力させ(s8)、上記標準クラブスペックが含む各種パラメータを弾道パラメータに基づいて補正する。そして、ゴルファーの体格や技量に整合しつつ、ゴルファーの理想とする球筋が期待できるゴルフクラブ(最適ゴルフクラブ)についてのスペック(最適クラブスペック)を設定する(s9)。また、最適ゴルフクラブについて、所定位置に撃心を設定するのに必要なシャフトの重量や重心などのパラメータを含んだスペック(撃心スペック)を設定する(s10)。
支援プログラムによる処理結果として、これまでに入力されたパラメータや、そのパラメータに基づいて設定された標準クラブスペックや最適クラブスペック、撃心スペックなどをゴルファーの個人識別情報に対応付けして記憶するとともに、各種パラメータやスペックを適宜に提示する(s13)。本実施例では、標準クラブスペックにおける各パラメータと、ゴルファーが現に使用している(使用ゴルフクラブ)における同じパラメータとの近似度を表示出力している。
またシャフトについて、標準クラブスペックに含まれるシャフトについてのパラメータや撃心スペックにおけるパラメータを備えたシャフト、あるいはこれらのパラメータに最も近似するパラメータを備えたシャフトをシャフトデータベース検索に基づいて取得し(s11,s12)、その取得したシャフトについての型番なども処理結果として表示出力する(s13)。もちろん、シャフトデータベース検索に基づいて取得したシャフトの各パラメータと、計算により求めた標準クラブスペックや最適クラブスペックの各パラメータとの近似度を提示するようにしてもよい。
===ビジネスモデル===
本発明は、上記処理により、使用ゴルフクラブのどのパラメータがどの程度標準ゴルフクラブに近似しているか、あるいは、かけ離れているのかをゴルファーに把握させ、ゴルフクラブを選択する上での指標を与えることが出来る。そして、計算により求められたシャフトのスペックに極めて近いシャフトを既存のクラブのシャフトと交換・販売するビジネスモデルに適用できる。
したがって、従来、主にクラブという最終商品形態に組み込まれた状態、あるいは破損時の交換などで販売されていたシャフトを、最終形態の商品として単体で販売することができ、シャフトメーカにおける拡販が期待できる。ゴルファーにとっても、新しいクラブに買い換えなくても、技量や体力の向上や低下に伴って現状に最も適合したゴルフクラブをチューニング(シャフトの交換や調整)により得ることができる。
もちろん本発明は、ヘッドも含めてゴルファーに最適なスペックを備えた市販のゴルフクラブを検索して販売したり、ヘッドとシャフトを個別に組み合わせて販売したりするビジネスモデルにも適用できる。
===クラブ基本スペックの設定===
以下に、支援プログラムによる具体的な処理内容を説明する。ここで、使用ゴルフクラブ、標準ゴルフクラブ、および最適ゴルフクラブのそれぞれについての各種パラメータを図中あるいは数式中で標記する際には、図1や図3に示したパラメータ記号の後に使用、標準、最適の各ゴルフクラブについて、それぞれ(u)(s)(b)を付記するものとする(例えば、使用ゴルフクラブのクラブ長:Lc(u))。
支援装置は、ユーザ入力により、ゴルフクラブをチューニングして欲しい支援対象ゴルファーの身体パラメータを受け付け、その身体パラメータに基づいてクラブ基本スペックを設定する。本実施例では、1番ウッド(1W)の標準クラブスペックを求めるものとしている。したがって、設定するクラブの番手が異なれば、標準クラブスペックを求めるための各種係数や計算式も異なるものとなる。
支援装置は、身体パラメータとして、ゴルファーの身長L(cm)、体重W(Kg)、シャフトに取り付けるグリップを設定するためにグローブのサイズSg(インチ)の入力を受け付け、図5に示した対応関係に基づいて身長Lからクラブ長Lc(s)を設定し、数1に基づいて体重Wからクラブ総重量Wc(s)を設定する。また、数2に基づいて身長からライ角Al(s)を設定する。また支援装置は、多数のグリップについて、メーカや商品名、各種パラメータ(素材、サイズ、重量、長さ、適合シャフト径など)に関する情報を記憶し、当該記憶情報に基づいてグリップを特定する。もちろん支援装置がアクセス可能な外部のデータベースにグリップに関する情報が蓄積・管理されていてもよい。
下限=250e(W/430)、上限=250e(W/250)、Wc(s)=(上限+下限)/2 …(数1)
Al(s)=7+180πasin[(0.43L/(2.54×40)] …(数2)
===打球特性スペック===
支援装置は、次に、ゴルファーの技術パラメータに基づいて、打球特性スペックを設定する。本実施例の技術パラメータとしては、平均スコアAvg(18ホール、par72換算)、1番ウッド(1W)の平均飛距離Dw(ヤード)と9番アイアン(9I)の平均飛距離Di(ヤード)があり、打球特性スペックには、シャフト硬度Ss(指標値)、リアルロフトAr(deg)、トルクT(deg)の各パラメータが含まれている。
打球特性スペックの具体的な求め方は、まず数3により、DwとDiとから欲求値yを求め、欲求値yの値に応じて係数Yを求める。図6にyとYの関係を示した。また、数4に従って、係数Yと平均スコアAvgとから腕前値xを計算する。また、腕前値xの値に応じて係数Xを求める。図7に腕前値xとXとの対応関係を示した。
y=Dw-2Di …(数3)
x=Avg+y …(数4)
一方、数5に従ってDiからヘッドスピードHsを求める。腕前値xは平均スコアAvgと飛距離Diの双方に関連し、同じ平均スコアであっても飛距離を加味することで、そのスコアがロングコースにおける長打力を反映したものなのか、パターやアプローチなどショートゲームを反映したものなのか、などの予測が可能となる。したがって、平均スコアAvgもシャフト硬度Ss(s)を求めるための重要なパラメータとなる。
Hs=12.5+Di/4 …数5
そして数6に従って、腕前値xに対応する係数XとヘッドスピードHsとに基づいてシャフト硬度Ss(s)を設定する。なお本実施例では、ヤング率とシャフトの軸中心回りの慣性モーメントとの積をシャフト硬度Ssとして定義している。この定義によって、中空構造のシャフトにおける硬度を的確に規定することができる。すなわち、シャフト硬度が荷重に対するシャフトのしなり具合の指標であり、荷重に対するシャフト全体のしなり量であるヤング率と、シャフトの肉厚を反映する軸回りの慣性モーメントとを積算することで、従来X、S、Rなどの指標により曖昧に定義されていたシャフト硬度を極めて現実的な物理量として規定することができる。
Ss(s)=X-0.1Hs …(数6)
またヘッドスピードHsは、当然シャフトのねじれに関連するトルクの値T(s)を反映したものであり、さらに、ヘッドスピードHsが飛距離(本実施例ではDi)から求められていることから、このヘッドスピードHsは適切なリアルロフトAr(s)を求めるための指標ともなる。本実施例では、数7によりヘッドスピードHsからリアルロフトAr(s)を求め、数8によりヘッドスピードHsからトルクT(s)を求めている。なお、リアルロフトAr(s)については、後にゴルファーの希望も加味できるように、標準のリアルロフトAr(s)に対して上限値Ar(su)と下限値Ar(sd)とを設けている。
Ar(s)=0.16×3000/Hs、Ar(sd)=0.95Ar、Ar(su)=1.05Ar …(数7)
T(s)=7200/Hs2 …(数8)
シャフトの特性を反映する他のパラメータとしては、KPがあり、本実施例では、シャフトのKPを数値化するためのバンクという概念を導入し、スイングのリズムに応じて段階的にバンクの値BK(s)を対応付け、そのバンク値BK(s)に従ってKP(s)を設定している。図8(A)(B)にそれぞれスイングリズムとバンク値BK(s)との対応関係、バンク値BK(s)とKP(s)との対応関係を示した。標準クラブスペックでは、図9に示した対応関係のように、スイングリズムが選択入力されると一意的にKP(s)が設定される。
===最適クラブスペックの設定(標準クラブスペックの補正)===
上記標準ゴルフクラブは、ゴルファー自身の体格、スコアや飛距離、スイングリズムなど、ゴルファー自身が数値や感覚として確実に把握できるパラメータを反映したものとなる。したがって、身体パラメータと技術パラメータが同じゴルファーには同じスペックの標準ゴルフクラブが提示されることになる。
しかし、同じゴルフクラブを使ったとしても、スイングの軌道ゴルファー毎に異なり、スライス/フック、高弾道/低弾道など、球筋が異なる。また、自分が理想とする球筋もある。例えば、スライスよりフェード、フックよりドロー、あるいは高い弾道で距離を確実に予測できる球筋、低い弾道でランがでる球筋など、である。本発明は、ゴルファーの現状の球筋を理想とする球筋に近づけるように、標準スペックをゴルファーの現状と理想を簡単な問診結果によって補正してゴルファーに最適なスペックのゴルフクラブを提供することもできる。支援装置は球筋に関する現状や理想などの指標を弾道パラメータとして受け付け、その弾道パラメータに応じて標準クラブスペックの所定のパラメータを所定の計算式や対応関係に従って補正する。
支援装置は、現状の弾道パラメータとして、上下打ち出し角Au、球質Qb、スピン傾向Sp、弾道安定性Bsについて、ゴルファー自身が確実に把握できるように複数の選択肢を提示する。そして、選択された選択肢に応じた係数が支援プログラムに与えられる。また、理想の弾道パラメータについても同様に希望弾道Bi、希望球質Qi、ランRiについて選択してもらうようになっている。支援装置は、数値入力や計測を必要とすることなく、ゴルファーの現状や理想などを選択された項目に応じて適宜に計算する。図10に、現状おける各種弾道パラメータの選択肢と各選択肢に対応する係数とを示した。図11に、理想における各種弾道パラメータの選択肢と各選択肢に対応する係数とを示した。
支援装置は、球質がフック、ドローである場合、数9、あるいは数10の不等式を満たせば、シャフト硬度の一次補正値Ss(b1)として標準クラブスペックのシャフト硬度Ss(s)を採用し、数9、数10のいずれも満たさなければ、数12により一次補正値Ss(b1)を設定する。
球質がストレートの場合には、数9を満たせば、シャフト硬度の一次補正値Ss(b1)として標準クラブスペックのシャフト硬度Ss(s)を採用し、それ以外では使用ゴルフクラブのシャフト硬度Ss(u)をSs(b1)とする。
球質がフェードかスライスである場合、数9、あるいは数11の不等式を満たさせば、シャフト硬度の一次補正値Ss(b1)として標準クラブスペックのシャフト硬度Ss(s)を採用し、数9、数11のいずれも満たさなければ、数12により一次補正値Ss(b1)を設定する。そして、一次補正値Ss(b1)と理想の球質に関わる弾道シミュレーション係数Qiとを数13に代入して最適クラブスペックにおけるシャフト硬度Ss(b)を得る。
[{Ss(u)-Ss(s)}2]0.5>2.5 …(数9)
Ss(u)-Ss(s)≧0 …(数10)
Ss(u)-Ss(s)≦0 …(数11)
Ss(b1)=Ss(u)-Qb×Ss(s)/40 …(数12)
Ss(b)=Ss(b1)(1+0.05Qi) …(数13)
リアルロフトの補正において、ランの要否に関わる係数Riはフラグであり、この値が1であれば、すなわちランを希望する場合には、使用ゴルフクラブのリアルロフトAr(u)とスピン傾向に関する係数Spを数14に代入して最適クラブスペックのリアルロフトAr(b)を求める。ランが不要であれば、標準クラブスペックのリアルロフトAr(s)を採用する。
Ar(b)=Ar(u)-Sp …(数14)
また支援装置は、上下打ち出し角と希望弾道とに基づいて標準クラブスペックのバンクBK(s)を補正する。数15の不等式を満たさせば、数16により最適クラブスペックのバンクBK(b)を求め、満たさなければ、数17によりBK(b)を求める。そして、図8(B)に示した対応関係に基づいてBK(b)から補正後のキックポイントKP(b)を設定する。
Au-Bi≦0 …(数15)
BK(b)=BK(s)+20(Bi-Au) …(数16)
BK(b)=BK(s)-20(Bi+Au) …(数17)
トルクを補正については、まず、数18に従って、平均スコアAvgと欲求値yに応じた係数Yとから技量値Ctを求め、その技量値Ctと弾道安定性に関する係数Bsの値に応じて標準クラブスペックのトルクT(s)を数補正する。なお本実施例では、Bsはフラグとして認識されるとともに、技量値Ctに応じてゴルファーを上級、中級、初級に区分している。図12に技量値Ctに応じた区分を示した。また、図13に各区分と係数Bsとの組み合わせ応じた補正係数Csを示した。そして、補正係数Csを数19に代入して最適クラブスペックのトルクT(b)を求める。図14に最終的に設定される最適クラブスペックの概略を示した。
Ct=Avg−Y …(数18)
T(b)=T(s)+Cs …(数19)
===撃心スペックの設定===
支援装置は、使用ゴルフクラブのヘッドを使いつつ、ゴルフクラブ総体では、最適クラブスペックにおける各パラメータを備えた最適ゴルフクラブとなるようにチューニングするのを支援する。さらに、撃心を所定の位置に設定するための撃心スペックを求める。本実施例では、グリップエンドからヘッドのヒールに至るクラブの長さLc(s)において、ヘッドのヒールからグリップ側に1インチの位置が撃心となるようにシャフトの重量Wsと重心Gsを、それぞれ数20と数21により設定する。なお重心Gsはシャフトの長さLsを100とした場合のグリップ側からの距離を百分率で示したものである。
本発明は、ゴルフクラブを剛体としてモデル化した場合に、数式によって確実に求められる物理的な位置「撃心」をゴルフクラブにおける所定の位置に設定することで、スイートスポットをヘッド表面のどこかに必ず存在させるようにしている点に特徴がある。なお撃心の位置は、例えば、クラブのグリップエンドを支点とした振り子の周期を測定することで求めることができる。数20および数21は、測定によりクラブ長Lcにおける下から1インチの撃心があるゴルフクラブにおけるシャフト重量Wsや重心の位置Gs、およびヘッドの重量Whとの対応関係を調査して得られたものである。また、ヘッド単体やシャフト単体の重量を得るために、先にゴルファーのグローブサイズSgに基づいて特定したグリップの重量Wgを取得し、クラブ総重量Lc(s)から使用ゴルフクラブのヘッド重量Wh(u)とこのグリップ重量Wgとを差し引いてシャフト単体の重量Wsを得ている。また、使用ゴルフクラブにおけるクラブ長Ls(u)からシャフト長Ls(u)を差し引いた値をヘッド有効長とし、標準ゴルフクラブのクラブ長Lc(s)からそのヘッド有効長を差し引いて最適ゴルフクラブに採用するシャフトの長さLs(b)を求めている。なお、撃心を他の位置に設定する場合には数20や数21に代わって他の数式を適用すればよい。
Ws=Wc(s)-Wg …(数20)
[4+{(Wh(u)+Ws/12)Lc(s)2-Wh(Lc(s)-0.5)(Lc(s)-4)}/{Ws(Lc(s)-0.5)}]/Lc(s)
…(数21)
===処理結果の提示===
支援装置は、撃心スペックと最適クラブスペックとを満たすゴルフクラブ(理想ゴルフクラブ)が備えるパラメータを処理結果として適宜に提示する。本実施例では、使用ゴルフクラブと理想ゴルフクラブにおけるスペック同士を比較し、その近似度(適合率)を表示出力する。適合率は、使用クラブのパラメータの値と理想ゴルフクラブのパラメータとの差を最適ゴルフクラブのパラメータ値で乗算した値を1から引いた値の百分率を適合率としている。図15に処理結果の表示例を示した。この例では、クラブ重量、シャフト重心、バンク、シャフト硬度、トルクの5つのパラメータ値と適合率とを表示するとともに、この5つのパラメータに関する適合率の平均をトータル適合率として表示している。
===推奨シャフトの抽出===
本実施例の支援プログラムは、理想ゴルフクラブのシャフトに関するパラメータを備えたシャフトをシャフトデータベースヘの検索に基づいて取得し、そのシャフトのパラメータを表示出力する機能も備えている。支援装置は、理想クラブスペックのシャフトに関するパラメータとシャフトデータベースに登録されている市販シャフトのパラメータとの適合率を使用ゴルフクラブとの適合率と同様に計算し、適合率の合計が最大となるシャフトを抽出して、そのシャフトの適宜なパラメータをシャフトのメーカや商品名とともに表示出力する。もちろん、各パラメータに重要度に応じた順位を設定しておき、重要なパラメータの適合率が高いシャフトを優先的に抽出するようにしてもよい。
本発明の実施例におけるゴルフクラブチューニング支援プログラムがインストールされた支援装置がアクセスするクラブデータベースが管理する情報の概略図である。 上記クラブデータベースに含まれるパラメータの説明図である。 上記支援装置がアクセスするシャフトデータベースが管理する情報の概略図である。 上記プログラムの処理の流れ図である。 上記プログラムが使用するゴルファーの身長とクラブの長さとの対応かん系図である。 上記プログラムが計算する欲求値yと係数Yとの対応関係図である。 上記プログラムが計算する腕前値xと係数Xとの対応関係図である。 上記プログラムに与えられるスイングリズムとバンク値との対応関係図(A)と、バンク値とKPとの対応関係図(B)である。 上記プログラムが設定する標準クラブスペックにおけるKPと上記スイングリズムとの対応関係図である。 上記プログラムに与えられる現状の弾道パラメータの説明図である。 上記プログラムに与えられる希望の弾道パラメータの説明図である。 上記プログラムが計算するCt値とゴルファーの技量区分との対応関係図である。 上記技量区分と現状の弾道パラメータにおける安定性の係数Bsとの組み合わせと、係数Csとの対応関係図である。 上記プログラムが設定する最適クラブスペックの概略図である。 上記プログラムの処理結果を支援装置が表示出力する際の概略図である。
符号の説明
Ar リアルロフト角
Al ライ角
Lc クラブ長
Ls シャフト長
G 重心位置

Claims (9)

  1. ゴルフクラブの仕様に関する各種情報を蓄積管理するクラブデータベースにアクセス可能なコンピュータにインストールされ、ゴルファーが自己申告した自身の体格やゴルフ技術に関するパラメータに基づいて当該ゴルファーに推奨すべき標準ゴルフクラブの仕様を設定する処理を当該コンピュータに実行させるゴルフクラブチューニング支援プログラムであって、前記コンピュータに、
    ゴルファーの体格に関する各種身体パラメータの入力を受け付ける身体パラメータ入力ステップと、
    ゴルフクラブについての静的な特性に関する各種パラメータをクラブ基本スペックとして、前記標準ゴルフクラブにおける静的特性を示すクラブ基本スペックを身体パラメータに基づいて求める標準基本スペック設定ステップと、
    前記ゴルファーにおけるゴルフ技術に関する技術パラメータの入力を受け付ける技術パラメータ入力ステップと、
    打球時のゴルフクラブの変形などの動的特性や打球方向に関する各種パラメータを打球特性スペックとして、前記技術パラメータに基づいて前記標準ゴルフクラブの打球特性スペックを求める標準打球特性スペック設定ステップと、
    使用ゴルフクラブの指定入力を受け付け、当該使用ゴルフクラブについての前記クラブ基本スペックや前記打球特性スペックに含まれる各種パラメータを使用クラブスペックとして、当該使用クラブスペックを前記クラブデータベースに対する検索に基づいて取得する使用クラブスペック取得ステップと、
    標準クラブスペックに含まれるクラブ長とクラブ総重量を満足しつつ、当該クラブ長における所定の位置に撃心を設定したときのシャフト重量とシャフト重心位置とを撃心スペックとして求める撃心スペック設定ステップと、
    前記標準クラブスペックと前記撃心スペックとを適宜に出力するスペック提示ステップと、
    を実行させることを特徴とするゴルフクラブチューニング支援プログラム。
  2. 請求項1において、前記撃心スペックにおけるシャフト重量を前記使用クラブスペックと前記標準クラブスペックとに基づいて特定するとともに、
    前記重心位置を前記クラブ長と前記シャフト重量と前記使用クラブスペックと標準クラブスペックとに基づいて特定されるシャフト長とを所定の計算式f1に代入することで求めることを特徴とするゴルフクラブチューニング支援プログラム。
  3. 請求項1または2において、前記身体パラメータ入力ステップでは、ゴルファーの身長と体重とを受け付け、前記標準基本スペック設定ステップは、身長に応じて標準ゴルフクラブの長さ設定するステップと、身長を所定の計算式f2に代入してライ角を求めるステップと、体重を所定の計算式f3に代入して標準ゴルフクラブの総重量を求めるステップとを含むことを特徴とするゴルフクラブチューニング支援プログラム。
  4. 請求項3において、前記技術パラメータ入力ステップは、平均スコアと2つの所定の番手のゴルフクラブの平均飛距離と多肢選択式で入力されるスイングリズムとを受け付け、
    前記標準打球特性スペック設定ステップでは、当該スペックに含まれるパラメータとしてシャフト硬度とリアルロフトとトルクとシャフトのしなり具合の指標となるバンク値を設定し、当該標準打球特性スペック設定ステップは、
    一方の番手のクラブの平均飛距離を所定の計算式f4に代入してヘッドスピードを求めるステップと、
    前記2つの番手のクラブの平均飛距離に応じた欲求値を設定するステップと、
    欲求値と平均スコアとを所定の計算式f5に代入して腕前値を求めるステップと、
    腕前値に応じた係数を設定するステップと、
    当該係数と前記ヘッドスピードを所定の計算式f6に代入してシャフト硬度を求めるステップと、
    前記ヘッドスピードを所定の計算式f7に代入してリアルロフトを求めるステップと、
    前記ヘッドスピードを所定の計算式f8に代入してトルクを求めるステップと、
    前記バンク値を選択されたスイングリズムに応じて設定するステップと、
    当該設定したバンク値に応じてシャフトのしなり状態を文字表現したキックポイントを設定するステップと、
    を含むことを特徴とするゴルフクラブチューニング支援プログラム。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、ゴルファー自身の弾道に関する各種パラメータを多肢選択式で入力させる弾道パラメータ入力ステップと、
    弾道パラメータに基づいて、前記標準クラブスペックに含まれる所定のパラメータを補正し、当該補正後のパラメータを備えた最適ゴルフクラブのスペックを求める最適クラブスペック設定ステップと、
    最適ゴルフクラブのスペックを適宜に出力する最適クラブスペック提示ステップと、
    を実行させることを特徴とするゴルフクラブチューニング支援プログラム。
  6. 請求項4において、ゴルファー自身の現状における弾道に関し、上下打ち出し角、打球の曲がり具合を示す現状球質、打球のスピン傾向、弾道安定性の有無をそれぞれ現状弾道パラメータとして、各現状弾道パラメータを多肢選択式で入力させる現状弾道パラメータ入力ステップと、
    ゴルファーが希望する弾道に関し、希望弾道、希望球質、ラン希望の要否をそれぞれ理想弾道パラメータとして、各理想弾道パラメータを多肢選択式で入力させる理想弾道パラメータ入力ステップと、
    現状および理想弾道パラメータに基づいて、前記標準クラブスペックに含まれる所定のパラメータを補正し、当該補正後のパラメータを備えた最適ゴルフクラブのスペックを求める最適クラブスペック設定ステップと、
    前記最適ゴルフクラブのスペックを適宜に出力する最適クラブスペック提示ステップと
    を実行させ、
    前記最適クラブスペック設定ステップは、
    使用クラブスペックと標準クラブスペックのそれぞれに含まれるシャフト硬度との関係が所定の条件をみたす場合、選択された前記現状球質に応じて、それぞれに異なる所定の計算式f9を適用し、当該f9に現状球質に応じた係数と、標準クラブスペックのシャフト硬度とを代入して補正したシャフト硬度を1次補正シャフト硬度として設定するステップと、
    当該1次補正シャフト硬度と、前記選択された理想球質に応じた係数とを所定の計算式f10に代入して前記最適クラブスペックのシャフト硬度を求めるステップと、
    前記理想弾道パラメータとしてランを必要とする旨が選択されると、使用クラブスペックにおけるリアルロフト値と、選択された前記スピン傾向に応じた係数とを所定の計算式f11に代入して補正したリアルロフトを最適クラブスペックのリアルロフトに設定するステップと、
    選択された上下打ち出し角に応じた係数Auと希望弾道に応じた係数Biとの大小関係に応じて異なる所定の計算式f12に、標準クラブスペックのバンク値と当該AuとBuとを代入して補正したバンク値を最適クラブスペックのバンク値に設定するとともに、当該補正後のバンク値に応じてKPを設定するステップと、
    前記平均スコアと前記腕前値に応じた係数とを所定の計算式f13に代入して得られた値に応じてゴルファーの技量を区分するステップと、
    区分されたゴルファーの技量と弾道安定性の有無との組み合わせに応じた係数と、標準クラブスペックにおけるトルク値とを所定の計算式f14に代入して補正したトルク値を最適クラブスペックのトルク値に設定するステップと、
    を含むことを特徴とするゴルフクラブチューニング支援プログラム。
  7. 請求項1〜6において、前記シャフト硬度は、シャフトのヤング率と軸中心の慣性モーメントの積であり、前記バンク値は、シャフトの2つの所定の位置に所定の加重を加えたときのしなり量を当該2つの位置間の距離で除算した値であることを特徴とするゴルフクラブチューニング支援プログラム。
  8. 請求項1〜7に記載のゴルフクラブチューニング支援プログラムを記憶したプログラム格納媒体。
  9. 前記クラブデータベースにアクセス可能なコンピュータにより構成され、請求項1〜7に記載のゴルフクラブチューニング支援プログラムを実行するゴルフクラブチューニング支援装置。

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