JP2010154953A - 内視鏡湾曲部及び段付き節輪の製造方法 - Google Patents

内視鏡湾曲部及び段付き節輪の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】後端節輪及び前端節輪の製造時の精度が高い内視鏡湾曲部及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】湾曲部5では最も操作部3側の節輪である後端節輪11A及び最も先端部6側の節輪である前端節輪11Bの円環化を行う前の後端節輪準備体11Aa及び前端節輪準備体11Baの小径部準備部41aと大径部準備部42aとの間に切破り部52a及び切抜き部53aを設けている。このため、後端節輪準備体11Aa及び前端節輪準備体11Baの円環化を行う際、小径部41と大径部42の周長差によって生じる変形を防止することができる。これにより、後端節輪11A及び前端節輪11Bの製造時の精度を向上させることができる。
【選択図】図11

Description

本発明は、内視鏡の挿入部に設けられ、湾曲作動される内視鏡湾曲部及び段付き節輪の製造方法に関する。
一般に、内視鏡は体腔内に挿入される細長い挿入部を有する。挿入部は、細長く可撓性を有する可撓管と、この可撓管の先端側に接続され、湾曲作動される湾曲部と、この湾曲部の先端側に接続された先端部から構成されている。図37は、湾曲部を構成する湾曲管101の構造を示す図である。図37に示すように、湾曲部の湾曲管101は、円筒状の複数の節輪102を互いに回動可能に連結することで形成される。内視鏡湾曲部は基端部側で可撓管と、先端部側で先端部と連結している。したがって、最も操作部側の節輪である後端節輪102Aを可撓管と、最も先端部側の節輪である前端節輪102Bを先端部と結合させる必要がある。
図38は、湾曲部100の後端節輪102Aと可撓管110の先端部との連結部の構造を示す図である。図38に示すように、可撓管110は内層側から螺旋管111、網状管112、外皮113を積層させて形成される。湾曲部100の湾曲管101の外周面には外皮チューブ103が被覆されている。可撓管110と湾曲部100を連結する際、可撓管110の螺旋管111及び網状管112と後端節輪102Aとの間は接続管115を介して連結される。接続管115は、前端側に小径な第1の円筒部116が形成され、後端側に大径な第2の円筒部117が形成される。接続管115の第2の円筒部117は網状管112の外周面側に外嵌される状態で螺旋管111及び網状管112と嵌合し、後端節輪102Aは接続管115の第1の円筒部116の外周面側に外嵌される状態で接続管115と嵌合する。このため、後端節輪102Aの接続管115との嵌合部の径は網状管112の径より大きくなっている。後端節輪102Aの接続管115との嵌合部以外の部分の径は、節輪102との連結のため節輪102の径と同程度であり、これは網状管112の径と同程度である。したがって、後端節輪102Aの接続管115との嵌合部の径は後端節輪102Aの他の部分の径よりも大きくなっている。これにより、後端節輪102Aは小径部105と、小径部105より径が大きい大径部106とを有し、小径部105と大径部106の間には段差部107が設けられている。可撓管110の外皮113と湾曲部100の外皮チューブ103との連結部は、外皮113及び外皮チューブ103を糸巻きにより累縛した上から樹脂部114が被覆されている。
最も先端部側の節輪である前端節輪102Bも、後端節輪102Aと同様の構造をしていて、小径部105及び先端部との嵌合部である大径部106を有し、小径部105と大径部106の間には段差部107が設けられている。
後端節輪102A及び前端節輪102Bの製造方法として、図39乃至図41に示す方法がある。これは、まず、図39に示すような節輪を展開した平板状の節輪準備体120をプレス加工等により形成する。節輪準備体120は、後端節輪102Aにおいて小径部105を形成する小径部準備部105aと、後端節輪102Aにおいて大径部106を形成する大径部準備部106aと、を有する。
次に、図40(A)(B)に示すように、節輪準備体120の小径部準備部105aと大径部準備部106aとの間に段差部107を形成する。その後、図41に示すように、U字状に曲げるU字曲げ加工を行った後、節輪準備体120を円環化するO字曲げ加工を行うことにより、小径部105及び大径部106を形成して、節輪準備体120の円環化を行う方法である。
また、別の製造方法として図43(A)〜(D)に示す方法がある。これは、まず、図43(A)に示すような平板状の節輪準備体120をプレス加工等により形成する。そして、図43(B)に示すように、節輪準備体120をU字状に曲げるU字曲げ加工を行った後、節輪準備体120を円環化するO字曲げ加工を行う。円環化した後、節輪準備体120の両端を接合部121でYAGレーザー等により突合せ溶接で接合する。そして、図43(C)(D)に示すように、節輪準備体120に小径部105と大径部106とを形成する。同時に、小径部105と大径部106との間に段差部107を形成する方法がある。
特許文献1では薄板状の帯体をプレス加工によって円環化して節輪を形成し、複数の節輪を回動可能に連結した内視鏡湾曲部の構造が示されている。
実公昭61−21042号公報
上述のように、後端節輪102A及び前端節輪102Bの製造方法として、予め板状の節輪準備体120に段差部107をプレス加工によって形成した後に、節輪準備体120を円環化する方法、又は、節輪準備体120を円環化した後に段差部107をプレス加工で形成する方法がある。しかし、節輪準備体120に段差部107を形成した後に円環化場合は、段差部107が形成されていない平板の節輪準備体120を円環化する場合に比べ、曲げ加工時に大きな荷重が必要である。また、図42(A)(B)に示すように、曲げ加工の際、小径部105と大径部106の周長差によって段差部107に変形が生じやすい。
一方、円環化を行った後に段差部107を形成する場合は、図43(C)(D)に示すように、段差部107を形成する際に節輪準備体120の接合部121で破断や隙間が生じやすい。また、後端節輪102A及び前端節輪102Bの径が不均一になりやすい。
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、最も操作部側の節輪及び最も先端部側の節輪の製造時の精度が高い内視鏡湾曲部及びその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内視鏡の挿入部の軸方向に並設された複数の節輪がそれぞれ回動可能に連結された湾曲管と、湾曲管の外周を被覆する外皮と、からなる内視鏡湾曲部であって、複数の前記節輪の中で前端節輪及び後端節輪のうち少なくともいずれか一方は、同軸で互いに径の異なる2つの円筒部と、2つの前記円筒部のうち小径な第1の円筒部と前記第1の円筒部よりも大径な第2の円筒部との間に形成される段差部と、を備え、前記節輪を展開した平板状の節輪準備体を円環化した段付き節輪で形成され、前記段差部は、前記円筒部の周方向の一部に前記第1の円筒部と前記第2の円筒部が連続する段曲げ部を有し、前記段曲げ部以外の部分に前記第1の円筒部と前記第2の円筒部が不連続な不連続部、又は、前記不連続部で前記第1の円筒部と前記第2の円筒部とを接合させた接合部の少なくともいずれか一方を有することを特徴とする内視鏡湾曲部である。
請求項2の発明は、前記不連続部は、前記段付き節輪の軸方向について隙間が存在しない切破り部と、前記段付き節輪の軸方向について隙間が存在する切抜き部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡湾曲部である。
請求項9の発明は、同軸で互いに径の異なる2つの円筒部と、2つの前記円筒部のうち小径な第1の円筒部と前記第1の円筒部よりも大径な第2の円筒部の間に段差部が形成される段付き節輪の製造方法であって、前記段付き節輪の第1の円筒部を形成する第1の円筒部準備部と、前記段付き節輪の前記第2の円筒部を形成する第2の円筒部準備部と、を有する前記段付き節輪を平板状に展開させた節輪準備体を、金属板からプレス加工により形成する工程と、前記節輪準備体の前記第1の円筒部準備部と前記第2の円筒体準備部の間に段差部を形成する工程と、前記節輪準備体をU字曲げ加工及びO字曲げ加工によって円環化を行う工程と、円環化後に前記第1の円筒部及び前記第2の円筒部の両端を接合して前記段付き節輪を形成する工程と、を備え、前記段差部を形成する前記工程は、前記円筒部の周方向の一部に前記第1の円筒部準備部と前記第2の円筒部準備部が不連続な不連続部を形成する工程を行った後に、前記段差部の前記不連続部以外の部分に前記第1の円筒部準備部と前記第2の円筒部準備部とが連続する段曲げ部を形成する工程であることを特徴とする段付き節輪の製造方法である。
請求項10の発明は、前記不連続部を形成する前記工程は、前記第1の円筒部準備部と前記第2の円筒部準備部との間に隙間が存在しない切破り部を形成する工程と、前記第1の円筒部準備部と前記第2の円筒部準備部との間に隙間が存在する切抜き部を形成する工程であることを特徴とする請求項9に記載の段付き節輪の製造方法である。
そして、本請求項1及び本請求項2の発明の内視鏡湾曲部及び本請求項9及び本請求項10の段付き節輪の製造方法では、段付き節輪の円環化を行う前の節輪準備体の第1の円筒部準備部と第2の円筒部準備部との間に段差部の一部を形成する不連続部を設けることにより、節輪準備体の円環化を行う際、第1の円筒部と第2の円筒部の周長差によって生じる変形を防止することができる。これにより、段付き節輪の製造時の精度を向上させることができる。
請求項3の発明は、前記段差部での前記第1の円筒部と前記第2の円筒部の間の段差は前記段付き節輪の肉厚以下であり、前記切破り部は、前記第1の円筒部の端面と前記第2の円筒部の端面とが互いに突き当たっている突当たり部であることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡湾曲部である。
請求項11の発明は、前記段差部を形成する前記工程は、前記段差部での前記第1の円筒部準備部と前記第2の円筒部準備部の間の段差は前記段付き節輪の肉厚以下に形成する工程を含むとともに、前記節輪準備体の円環化を行う前記工程は、前記切破り部に前記第1の円筒部の端面と前記第2の円筒部の端面とが互いに突き当たっている突当たり部を形成する工程を含み、前記節輪準備体の円環化を行う前記工程の後に、前記突当たり部で前記第1の円筒部と前記第2の円筒部を接合して接合部を形成する工程を有することを特徴とする請求項10に記載の段付き節輪の製造方法である。
そして、本請求項3の発明の内視鏡湾曲部及び本請求項11の発明の段付き節輪の製造方法では、段付き節輪の第1の円筒部と第2の円筒部との段差が、段付き節輪の肉厚以下に形成されているため、不連続部では第1の円筒部と第2の円筒部が互いに突き当たった状態で、他の部材を設けることなく接合される。これにより、第1の円筒部と第2の円筒部とを接合して接合部を形成する工程を簡略化することができる。
請求項4の発明は、前記段付き節輪は、前記段曲げ部を2つに分けるとともに、前記段曲げ部から前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部のいずれか一方に向けて、前記段付き節輪の軸方向に沿って形成される第1の軸方向不連続部と、前記段曲げ部と前記不連続部の間から第1の軸方向不連続部と同じ方向に向けて、前記段付き節輪の軸方向に沿って形成される第2の軸方向不連続部と、前記第1の軸方向不連続部の前記段曲げ部と反対側の端部と前記第2の軸方向不連続部の前記段曲げ部と反対側の端部とを結び、前記段付き節輪の周方向に沿って形成される周方向不連続部と、前記周方向不連続部と前記段曲げ部との間に形成される凸部と、を備え、前記第1の軸方向不連続部、又は、周方向不連続部の少なくともいずれか一方は、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部とを接合させた凸部接合部であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡湾曲部である。
請求項12の発明は、前記段付き節輪については、前記節輪構成体の円環化を行う前記工程の前に、前記段曲げ部を2つに分けるとともに、前記段曲げ部から前記第1の円筒部準備部又は前記第2の円筒部準備部のいずれか一方に向けて、前記段付き節輪の軸方向に沿って形成される第1の軸方向不連続部を形成する工程と、前記段曲げ部と前記不連続部の間から第1の軸方向不連続部と同じ方向に向けて、前記段付き節輪の軸方向に沿って形成される第2の軸方向不連続部を形成する工程と、前記第1の軸方向不連続部の前記段曲げ部と反対側の端部と前記第2の軸方向不連続部の前記段曲げ部と反対側の端部とを結び、前記段付き節輪の周方向に沿って形成される周方向不連続部を形成する工程と、前記周方向不連続部と前記段曲げ部との間に形成される凸部を形成する工程と、を備え、前記節輪構成体の円環化を行う前記工程の後に、前記第1の軸方向不連続部、又は、周方向不連続部の少なくともいずれか一方で、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部と、を接合させて凸部接合部を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の段付き節輪の製造方法である。
請求項5の発明は、前記第1の軸方向不連続部は、前記段付き節輪の周方向について隙間が存在せず、かつ、前記凸部の端面と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部の端面とが互いに突き当たっている第1の凸部突当たり部であり、前記周方向不連続部は、前記段付き節輪の軸方向について隙間が存在せず、かつ、前記凸部の端面と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部の端面とが互いに突き当たっている第2の凸部突当たり部であることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡湾曲部である。
請求項13の発明は、前記第1の軸方向不連続部、前記第2の軸方向不連続部を形成する前記工程は、前記段付き節輪の周方向について前記凸部と、前記第1の円筒部準備部又は前記第2の円筒部準備部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部準備部と、の間に隙間が存在する第1の軸方向切抜き部、第2の軸方向切抜き部を形成する工程であるとともに、前記周方向不連続部を形成する工程は、前記段付き節輪の軸方向について前記凸部と、前記第1の円筒部準備部又は前記第2の円筒部準備部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部準備部と、の間に隙間が存在しない周方向切破り部を形成する工程であり、前記節輪構成体の円環化を行う前記工程は、前記第1の軸方向切抜き部、周方向切破り部に、前記凸部の端面と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向切破り部が形成されている側の前記円筒部の端面とが、互いに段差のない状態で突き当たっている第1の凸部突当たり部、第2の凸部突当たり部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の段付き節輪の製造方法である。
そして、本請求項5の発明の内視鏡湾曲部及び本請求項13の発明の段付き節輪の製造方法では、段付き節輪の節輪準備体に凸部を設けることで、節輪準備体の円環化を行った後、第1の軸方向切抜き部、周方向切破り部で、凸部と第1の円筒部又は第2の円筒部の中で周方向切破り部が形成されている側の円筒部とが、互いに段差なく突き当たっていて、第1の凸部突当たり部、第2の凸部突当たり部を形成している。このため、段差部での第1の円筒部と第2の円筒部の段差が段付き節輪の肉厚より大きい場合でも、凸部と第1の円筒部又は第2の円筒部の中で周方向切破り部が形成されている側の円筒部とが、第1の凸部突当たり部、第2の凸部突当たり部で互いに段差なく突き当たった状態で、他の部材を設けることなく接合される。これにより、第1の凸部突当たり部、第2の凸部突当たり部を接合する工程を簡略化するとともに、より強度な凸部接合部を形成することができる。
請求項6の発明は、前記段曲げ部は、前記第1の軸方向不連続部と前記第2の軸方向不連続部の間に形成される第1の段曲げ部と、前記段曲げ部の中で前記第1の段曲げ部以外の部分に形成される第2の段曲げ部と、を2つの前記段曲げ部の段差が同一でない状態で有するとともに、前記第1の軸方向不連続部、前記第2の軸方向不連続部及び前記周方向不連続部で、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部と、の間の段差が前記第1の円筒部、前記第2の円筒部及び前記凸部の肉厚と同一であり、前記第1の軸方向不連続部は、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部とが互いに重なりあっている重ね合わせ部であることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡湾曲部である。
請求項7の発明は、前記第1の段曲げ部には、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されていない側の前記円筒部と、の間の段差がなく、前記凸部は、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されていない側の前記円筒部と同一円筒面上に形成されることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡湾曲部である。
請求項14の発明は、前記第1の軸方向不連続部、前記第2の軸方向不連続部を形成する前記工程は、前記段付き節輪の周方向について前記凸部と、前記第1の円筒部準備部又は前記第2の円筒部準備部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部準備部と、の間に隙間が存在しない第1の軸方向切破り部、第2の軸方向切破り部を形成する工程であるとともに、前記周方向不連続部を形成する工程は、前記段付き節輪の軸方向について前記凸部と、前記第1の円筒部準備部又は前記第2の円筒部準備部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部準備部と、の間に隙間が存在しない周方向切破り部を形成する工程であり、前記段曲げ部を形成する前記工程は、前記第1の軸方向切破り部と前記第2の軸方向切破り部の間に第1の段曲げ部を、前記段曲げ部の中で前記第1の段曲げ部以外の部分に第2の段曲げ部を、2つの前記段曲げ部の段差が同一でない状態で形成する工程と、前記第1の軸方向切破り部、前記第2の軸方向切破り部及び前記周方向切破り部で、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向切破り部が形成されている側の前記円筒部と、の間の段差を前記第1の円筒部、前記第2の円筒部及び前記凸部の肉厚と同一に形成する工程と、を含み、前記節輪構成体の円環化を行う前記工程は、前記第1の軸方向切破り部に、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向切破り部が形成されている側の前記円筒部とが、重なり合っている重ね合わせ部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の段付き節輪の製造方法である。
請求項15の発明は、前記第1の段曲げ部を形成する前記工程は、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されていない側の前記円筒部と、の間の段差がない状態で、前記凸部を、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されていない側の前記円筒部と同一円筒面上に形成する工程であることを特徴とする請求項14に記載の段付き節輪の製造方法である。
そして、本請求項6及び本請求項7の発明の内視鏡湾曲部及び本請求項14及び本請求項15の発明の段付き節輪の製造方法では、段付き節輪の節輪準備体の凸部と、第1の円筒部又は第2の円筒部の中で周方向切破り部が設けられている側の円筒部と、の段差を第1の円筒部、第2の円筒部、凸部の肉厚と同一に形成している。円環化を行った後、凸部と第1の円筒部又は第2の円筒部の中で周方向切破り部が設けられている側の円筒部とが、第1の軸方向切破り部で互いに重なり合っていて、重ね合わせ部を形成する。このため、凸部と、第1の円筒部又は第2の円筒部の中で周方向切破り部が設けられている側の円筒部とが、重ね合わせ部で他の部材を設けることなく接合される。これにより、重ね合わせ部を接合する工程を簡略化するとともにより強度な凸部接合部を形成することができる。
請求項8の発明は、前記接合部、前記第1の凸部接合部及び前記第2の凸部接合部は溶接で接合されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の内視鏡湾曲部である。
請求項16の発明は、前記節輪構成体の両端を接合する前記工程、前記接合部を形成する前記工程及び前記凸部接合部を形成する前記工程は溶接によって行われる工程であることを特徴とする請求項9から請求項15のいずれかに記載の段付き節輪の製造方法である。
本発明によると、最も操作部側の節輪及び最も先端部側の節輪の製造時の精度が高い内視鏡湾曲部及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図16を参照して説明する。
図1は内視鏡1全体の構成を示す図である。内視鏡1は体腔内に挿入する細長い挿入部2と、この挿入部2の基端側に接続された操作部3とを有する。挿入部2は、細長く可撓性を有する可撓管4と、この可撓管4の先端側に接続された湾曲部5と、この湾曲部5の先端側に接続された先端部6から構成されている。操作部3には湾曲部5の湾曲操作を行う操作ノブ7等が設けられている。
図2は湾曲部5の内部構造を示す図である。湾曲部5は湾曲管10と湾曲管10の外周面に被覆されるゴム材等の柔軟性のある外皮チューブ12を有する。湾曲管10は、最も操作部3側に後端節輪11Aを、最も先端部6側に前端節輪11Bを配設し、後端節輪11Aと前端節輪11Bの間に複数の円環状の節輪11を挿入部2の長手方向に並設することで形成されている。前後の節輪11の間は回動可能に連結されている。
次に節輪11について説明する。節輪11は、図3Aに示すような平板状の節輪準備体11aから形成される。節輪準備体11aは金属平板の薄板をプレス加工等することにより形成される。図3Aに示すように、節輪準備体11aは本体部21を有する。図3Bに示すように、本体部21をU字状に曲げるU字曲げ加工を行う。その後、図4(A)(B)に示すように本体部21を円環化するO字曲げ加工を行うことで、節輪円環体11bが形成される。節輪円環体11bでは、軸方向に沿って不連続部31aが形成されている。不連続部31aで本体部21の両端を接合することにより、図5に示すような節輪11が形成される。節輪11は、不連続部31aで本体部21の両端を接合した接合部31を有する。
また、図3A乃至図5に示すように、本体部21の一端側には突出部舌片部22が突出した状態で配設されている。図5に示すように、円環化を行った後の節輪11を形成した状態では、突出部舌片部22は節輪11の周方向に180°離れた位置に配設されるようになっている。図6(A)は、突出部舌片部22の断面図(図5のVIA−VIA線断面図)である。図6(A)において、矢印Aの向きが節輪11の径方向内向きとなる。図6(A)に示すように、各突出部舌片部22の径方向の厚さtは本体部21の径方向の厚さtの半分となっており、各突出部舌片部22は本体部21の内周面側に配設される。各突出部舌片部22の外側面中央部には突出部23が外向きに突設されている。突出部23は、例えば、バーリング加工で形成される。各突出部23はリング状で、その高さtは本体部21の径方向の厚さtの半分となっている。
図3A乃至図5に示すように、本体部21の突出部舌片部22と反対側には一対の貫通孔舌片部26が突出した状態で配設されている。図5に示すように、円環化を行った後の状態では、貫通孔舌片部26は節輪11の周方向に180°離れた位置に配設されている。節輪11では、一対の貫通孔舌片部26は、一対の突出部舌片部22とは本体部21の周方向に互いに90°ずれて配設されている。図6(B)は貫通孔舌片部26の断面図(図5のVIB−VIB線断面図)である。図6(B)において、矢印Bの向きが節輪11の径方向内向きとなる。図6(B)に示すように、各貫通孔舌片部26の径方向の厚さtは本体部21の径方向の厚さtの半分となっており、各貫通孔舌片部26は本体部21の外周面側に配設されている。各貫通孔舌片部26の中央部には受け部としての貫通孔27が形成されている。
図5に示すように、本体部21には、湾曲部5を湾曲作動させるための操作ワイヤーが挿通される2つのワイヤー受け32が本体部21と一体的に形成されている。ワイヤー受け32は、本体部21の周壁において周方向に延びている2本のスリットを形成し、2本のスリットの間の帯状部分を径方向内向きにC字状に突出させることで形成される。ワイヤー受け32は節輪11の周方向に対して、貫通孔舌片部26が配置されている位置に対応して配置されている。
図7に示すように、湾曲管10の隣り合う両節輪11では、一方の節輪11の突出部舌片部22の突出部23と他方の節輪11の貫通孔舌片部26の貫通孔27とが互いに連結されて、連結部を形成している。両節輪11の連結部を中心に両節輪11は回動可能となる。また、隣り合う両節輪11において、一方の節輪11の一対のワイヤー受け32と他方の節輪11の一対のワイヤー受け32とは、湾曲管10の周方向に互いに90°ずれて配置されている。即ち、湾曲管10において、節輪11の周方向に対して90°ずれた4つの位置にワイヤー受け32が配置されている。各ワイヤー受け32に挿通される各操作ワイヤーにより、湾曲管10は4つの方向に湾曲操作されるようになっている。なお、本実施形態において湾曲管10は4つの方向に湾曲される構成となっているが、2つの方向に湾曲される構成であってもよい。
次に、最も操作部3側の節輪である後端節輪11Aについて説明する。後端節輪11Aは、図8に示すような平板状の後端節輪準備体11Aaから形成される。後端節輪準備体11Aaは、金属平板の薄板をプレス加工等することにより形成される。図8に示すように、後端節輪準備体11Aaは、小径部準備部41aと、大径部準備部42aと、を有する。大径部準備部42aの後端節輪11Aの周方向(図8乃至図16で矢印C方向。本実施形態において、以下同様とする。)についての長さは、小径部準備部41aより長くなっている。図15及び図16は後端節輪11Aの構成を示す図である。図15及び図16に示すように、後述する工程により後端節輪11Aを形成した状態では、小径部準備部41aは径が節輪11と同程度の小径部41となり、大径部準備部42aは径が小径部より大きい大径部42となる。
図8に示すように、小径部準備部41aの大径部準備部42aと反対側の端部には一対の突出部舌片部22が突出した状態で配設されている。突出部舌片部22にはバーリング加工により突出部23が形成されている。後端節輪11Aの突出部23は、節輪11に形成される突出部23(図6参照)と同一の構成となっている。後述する工程により後端節輪11Aを形成した状態では、突出部舌片部22が後端節輪11Aの周方向に180°離れた位置に配設される。後端節輪11Aは突出部舌片部22の突出部23で、隣り合う節輪11の貫通孔舌片部26の貫通孔27と連結する。なお、小径部41には、図15に示すように、節輪11と同様の一対のワイヤー受け32が突出部舌片部22とは後端節輪11Aの周方向に90°ずれて設けられている。
後端節輪11Aを形成する際、図9に示すように、後端節輪準備体11Aaの小径部準備部41aと大径部準備部42aの間の一部に、後端節輪11Aの周方向に沿って切破り部52a及び切抜き部53aを形成する。切破り部52aはシャーリングで裁断することで形成される。図10(A)は、図9の10A−10A線断面図である。図10(A)に示すように、切破り部52aでは、小径部準備部41aと大径部準備部42aの間は不連続だが、小径部準備部41aと大径部準備部42aが互いに突き当たっている。図10(B)は、図9の10B−10B線断面図である。図10(B)に示すように、切抜き部53aでは小径部準備部41aと大径部準備部42aとの間に隙間が存在する。
図11は、図9に示す後端節輪準備体11Aaに段差を形成した状態を示す図である。図11に示すように、後端節輪準備体11Aaの小径部準備部41aと大径部準備部42aの間の切破り部52a、切抜き部53a以外の部分に、後端節輪11Aの周方向に沿って段曲げ部51を形成する。本実施形態での段曲げ部51は、絞り加工で、後端節輪11Aの軸方向(図8乃至図16で矢印E方向。本実施形態において以下同様とする。)に材料の移動がない条件で形成されている。段曲げ部51を形成することによって、小径部準備部41aと大径部準備部42aの間に段曲げ部51、切破り部52a及び切抜き部53aによって、後端節輪11Aの周方向に沿って段差部50が形成される。図12(A)は、図11の12A−12A線断面図である。図12(A)に示すように、段差部50では、小径部準備部41aと大径部準備部42aの間に後端節輪11Aの径方向(図8乃至図16で矢印D方向。本実施形態において、以下同様とする。)に段差d有する。ここで、段差dは、小径部準備部41a及び大径部準備部42aの肉厚t以下に形成されている。図12(A)に示すように、段曲げ部51では小径部準備部41aと大径部準備部42aとが連続している。
図11に示すように、後端節輪11Aの周方向について段曲げ部51の両端側には切抜き部53aが形成される。切破り部52aは、切抜き部53aの後端節輪11Aの周方向について段曲げ部51と反対側に形成される。図12(B)は、図11の12B−12B線断面図である。図12(B)に示すように、切破り部52aでは小径部準備部41aと大径部準備部42aの間は不連続だが、後端節輪11Aの軸方向についての隙間はほとんど存在しない。したがって、切破り部52aでは小径部準備部41aと大径部準備部42aは間に段差dを有する状態で、互いに突き当たっている。図12(C)は、図11の12C−12C線断面図である。図12(C)に示すように、切抜き部53aでは、小径部準備部41aと大径部準備部42aとの間に後端節輪11Aの軸方向についての隙間が存在する。
そして、小径部準備部41a及び大径部準備部42aをU字状に曲げるU字曲げ加工を行い、その後、小径部準備部41a及び大径部準備部42aを円環化するO字曲げ加工を行うことで、図13に示すような後端節輪円環体11Abが形成される。円環化を行った後、小径部準備部41aによって径が節輪11と同程度の小径部41が形成され、大径部準備部42aによって径が小径部41より大きい大径部42が形成される。後端節輪準備体11Aaでは切破り部52a、及び切抜き部53aが設けられていることにより、円環化を行う際に、小径部41と大径部42の周長差によって生じる変形が防止される。
図13に示すように、後端節輪円環体11Abでは、小径部41に軸方向に沿って小径部不連続部45aが、大径部42に軸方向に沿って大径部不連続部46a形成されている。小径部不連続部45aで小径部準備部41aの両端を、大径部不連続部46aで大径部準備部42aの両端を、例えばレーザー溶接によって接合する。図15に示すように、小径部不連続部45aを接合することで後端節輪11Aの小径部接合部45が形成され、大径部不連続部46aを接合することで後端節輪11Aの大径部接合部46が形成される。
また、後端節輪円環体11Abは、後端節輪準備体11Aaの段曲げ部51によって形成される段曲げ部51と、切抜き部53aによって形成される段差不連続部53と、を有する。段曲げ部51では、円環化する前の状態と同様に、小径部41と大径部42とが段差dを有した状態で連続している。段差不連続部53では、円環化する前の切抜き部53aの状態と同様に、小径部41と大径部42との間に後端節輪11Aの軸方向についての隙間が存在する。
図14は、図13の14−14線断面図である。段差部50での小径部41と大径部42との段差dは、小径部41及び大径部42の肉厚t以下に形成されているため、図14に示すように、円環化を行った後、切破り部52aでは小径部41と大径部42の間に後端節輪11Aの径方向についての隙間は存在しない。また、切破り部52aでは小径部41と大径部42の間に後端節輪11Aの軸方向についての隙間も存在しない。したがって、円環化を行った後、切破り部52aでは小径部41と大径部42が互いに突き当たっている突当たり部52bが形成される。そして、図13に示すように、小径部41と大径部42が互いに突き当たっている突当たり部52bで、小径部41と大径部42とを、例えばレーザー溶接(丸スポットにより図示)により接合する。図15に示すように、突当たり部52bを接合することで後端節輪11Aの段差接合部52が形成される。以上の工程により後端節輪11Aが形成される。
なお、接合は必ずしもレーザー接合により行う必要はない。例えば、段差部50での小径部41と大径部42との段差が、小径部41及び大径部42の肉厚tより大きい場合は、円環化を行った後、切破り部52aでは小径部41と大径部42の間に後端節輪11Aの径方向についての隙間が存在するため、小径部41と大径部42が互いに突き当たっていない。この場合、例えば半田付け等により別部材を設けることによって、小径部41及び大径部42を接合する。また、円環化を行ったあと切破り部52aは必ずしも接合しなくてもよい。
次に、最も先端部6側の節輪である前端節輪11Bの構成について説明する。前端節輪11Bでは、後端節輪11Aで小径部41の一端側に突出した状態で配設されている突出部舌片部22の代わりに、貫通孔舌片部26が配設されている。前端節輪11Bは貫通孔舌片部26の貫通孔27で、隣り合う節輪11の突出部舌片部22の突出部23と連結する。なお、前端節輪11Bに貫通孔舌片部26ではなく突出部舌片部22が配設されてもよい。この場合、後端節輪11Aには突出部舌片部22ではなく、貫通孔舌片部26が配設される。
なお、前端節輪11Bのその他の構成及び製造方法は後端節輪11Aと同様であるため、前端節輪11Bについては後端節輪11Aと同一の参照符号を付してその説明を省略する。
次に、上記構成の湾曲部5の作用について説明する。
湾曲部5では、最も操作部3側の節輪である後端節輪11A及び最も先端部6側の節輪である前端節輪11Bが小径部41及び大径部42を有する。そして、円環化を行う前の後端節輪準備体11Aa及び前端節輪準備体11Baの小径部準備部41aと大径部準備部42aとの間には段差部50が設けられている。段差部50は切破り部52a及び切抜き部53aを有する。後端節輪準備体11Aa及び前端節輪準備体11Baの円環化を行う際、切破り部52a及び切抜き部53aが設けられていることにより、小径部41と大径部42の周長差によって生じる変形が防止される。
段差部50での小径部41と大径部42との段差dは、小径部41及び大径部42の肉厚t以下に形成されているため、円環化を行った後、切破り部52aでは小径部41と大径部42の間に後端節輪11Aの径方向についての隙間は存在しない。また、切破り部52aでは小径部41と大径部42の間に後端節輪11Aの軸方向についての隙間も存在しない。したがって、円環化を行った後、切破り部52aでは小径部41と大径部42が互いに突き当たった状態の突当たり部52bが形成される。これにより、突当たり部52bで、小径部41と大径部42が他の部材を設けることなく接合される。
そこで、上記構成の湾曲部5については以下の効果を奏する。すなわち、湾曲部5では最も操作部3側の節輪である後端節輪11A及び最も先端部6側の節輪である前端節輪11Bの円環化を行う前の後端節輪準備体11Aa及び前端節輪準備体11Baの小径部準備部41aと大径部準備部42aとの間に切破り部52a及び切抜き部53aを設けることにより、後端節輪準備体11Aa及び前端節輪準備体11Baの円環化を行う際、小径部41と大径部42の周長差によって生じる変形を防止することができる。これにより、後端節輪11A及び前端節輪11Bの製造時の精度を向上させることができる。
また、段差部50での小径部41と大径部42との段差dは、小径部41及び大径部42の肉厚t以下に形成されているため、円環化を行った後、切破り部52aでは小径部41と大径部42が互いに突き当たった状態の突当たり部52bが形成される。これにより、突当たり部52bで小径部41と大径部42が他の部材を設けることなく接合され、小径部41と大径部42を接合する工程を簡略化することができる。
次に本発明の第2の実施形態について図17乃至図25を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の湾曲部5の構成を次の通り変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
最も操作部3側の節輪である後端節輪60Aについて説明する。後端節輪60Aは、図17に示すような平板状の後端節輪準備体60Aaから形成される。後端節輪準備体60Aaは、金属平板の薄板をプレス加工等することにより形成される。図17に示すように、後端節輪準備体60Aaは、小径部準備部61aと、大径部準備部62aと、を有する。図25は後端節輪60Aの構成を示す図である。図25に示すように、後述する工程により後端節輪60Aを形成した状態では、小径部準備部61aは径が節輪11と同程度の小径部61となり、大径部準備部62aは径が小径部61より大きい大径部62となる。
図17に示すように、小径部準備部61aの大径部準備部62aと反対側には一対の突出部舌片部22が配設されている。突出部舌片部22にはバーリング加工により突出部23が形成されている。後述する工程により後端節輪60Aを形成した状態では、突出部舌片部22が後端節輪60Aの周方向に180°離れた位置に配設される。後端節輪60Aは突出部舌片部22の突出部23で、隣り合う節輪11の貫通孔舌片部26の貫通孔27と連結する。また、図25に示すように、小径部61には一対のワイヤー受け32が突出部舌片部22とは小径部61の周方向に互いに90°ずれて設けられている。
後端節輪60Aを形成する際、まず、図17に示すように、後端節輪準備体60Aaの大径部準備部62aに、第1の切破り部67a、第1の切抜き部66a(開口)及び第2の切抜き部68a(開口)を形成する。第1の切抜き部66a及び第2の切抜き部68aは後端節輪60Aの軸方向(図17乃至図25で矢印F方向。本実施形態において、以下同様とする。)に沿って、第1の切破り部67aは後端節輪60Aの周方向(図17乃至図25で矢印G方向。本実施形態において、以下同様とする。)に沿って形成されている。第1の切破り部67a、第1の切抜き部66a、第2の切抜き部68aを形成することで、第1の切破り部67aと小径部準備部61aとの間に凸部64が形成される。また、小径部準備部61aと大径部準備部62aの間には、後端節輪60Aの周方向に沿って第2の切破り部74aが形成されている。第1の切破り部67a及び第2の切破り部74aはシャーリングで裁断することで形成される。図18(A)は、図17の18A−18A線断面図である。図18(A)に示すように、第1の切破り部67aでは、大径部準備部62aと凸部64の間は不連続だが、大径部準備部62aと凸部64は互いに突き当たっている。図18(B)は、図17の18B−18B線断面図である。図18(B)に示すように、第2の切破り部74aでは、小径部準備部61aと大径部準備部62aの間は不連続だが、小径部準備部61aと大径部準備部62aが互いに突き当たっている。図19は、図17の19−19線断面図である。図19に示すように、第1の切抜き部66a及び第2の切抜き部68aでは大径部準備部62aと凸部64との間に隙間が存在する。
図20は、図17の後端節輪準備体60Aaに段差を形成した状態を示す図である。図20に示すように、小径部準備部61aと凸部64との間に第1の段曲げ部71を形成する。後端節輪準備体60Aaの小径部準備部61aと大径部準備部62aの間の第1の段曲げ部71、第2の切破り部74a以外の部分には、後端節輪60Aの周方向に沿って第2の段曲げ部72が形成される。本実施形態では、第1の段曲げ部71及び第2の段曲げ部72は共に、絞り加工で、後端節輪60Aの軸方向に材料の移動がない状態で形成されている。第1の段曲げ部71及び第2の段曲げ部72を形成することによって、第1の段曲げ部71、第2の段曲げ部72及び第2の切破り部74aによって、後端節輪60Aの周方向に沿って段差部70が形成される。段差部70の形成後、凸部64は大径部準備部62aと同一平面上に配置される。
図21(A)は、図20の21A−21A線断面図である。図21(A)に示すように、段差部70では、小径部準備部61aと大径部準備部62aの間に段差d有する。ここで、段差dは、小径部準備部61a及び大径部準備部62aの肉厚tより大きく形成されている。図21(A)に示すように、第2の段曲げ部72では小径部準備部61aと大径部準備部62aとが連続している。
図21(B)は、図20の21B−21B線断面図である。図21(B)に示すように、第1の段曲げ部71は小径部準備部61aと凸部64との間に形成され、第1の段曲げ部71で小径部準備部61aと凸部64は連続している。後端節輪60Aの周方向について、第1の段曲げ部71の第2の段曲げ部72と反対側には第2の切破り部74aが形成されている。図21(C)は、図20の21C−21C線断面図である。図21(C)に示すように、第2の切破り部74aでは小径部準備部61aと大径部準備部62aは不連続であるが、小径部準備部61aと大径部準備部62aとの間に後端節輪60Aの軸方向について隙間はほとんど存在しない。一方、段差部70での段差dが小径部準備部61a及び大径部準備部62aの肉厚tより大きく形成されているため、第2の切破り部74aでは後端節輪60Aの径方向(図17乃至図25で矢印H方向。本実施形態において、以下同様とする。)について隙間が存在する。
そして、小径部準備部61a及び大径部準備部62aをU字状に曲げるU字曲げ加工を行い、その後、小径部準備部61a及び大径部準備部62aを円環化するO字曲げ加工を行うことで、図22に示すような後端節輪円環体60Abが形成される。円環化を行った後、小径部準備部61aによって径が節輪11と同程度の小径部61が形成され、大径部準備部62aによって径が小径部61より大きい大径部62が形成される。後端節輪準備体60Aaでは第1の切破り部67a、第2の切破り部74a、第1の切抜き部66a及び第2の切抜き部68aが設けられていることにより、円環化を行う際に、小径部61と大径部62の周長差によって生じる変形が防止される。
図22に示すように、後端節輪円環体60Abでは、小径部61に軸方向に沿って小径部不連続部45aが、大径部62に軸方向に沿って大径部不連続部46a形成されている。小径部不連続部45aで小径部準備部61aの両端を、大径部不連続部46aで大径部準備部62aの両端を、例えばレーザー溶接によって接合する。図25に示すように、小径部不連続部45aを接合することで後端節輪60Aの小径部接合部45が形成され、大径部不連続部46aを接合することで後端節輪60Aの大径部接合部46が形成される。
また、後端節輪円環体60Abは、後端節輪準備体60Aaの第1の段曲げ部71によって形成される第1の段曲げ部71と、第2の段曲げ部72によって形成される第2の段曲げ部72と、第2の切破り部74aによって形成される段差不連続部74と、第2の切抜き部68aによって形成される凸部不連続部68と、を有する。第1の段曲げ部71では、円環化する前の状態と同様に、小径部61と凸部64とが段差dを有した状態で連続している。第2の段曲げ部72では、円環化する前の状態と同様に、小径部61と大径部62とが段差dを有した状態で連続している。凸部不連続部68では、円環化する前の第2の切抜き68aの状態と同様に、大径部62と凸部64との間に後端節輪60Aの周方向についての隙間が存在する。段差不連続部74では、円環化する前の第2の切破り部74aの状態と同様に、小径部61と大径部62との間に後端節輪60Aの軸方向についての隙間は存在しないが、後端節輪60Aの径方向について隙間が存在する。したがって、段差不連続部74では小径部61と大径部62が互いに突き当たっていない。なお、段差不連続部74を半田付けする等別部材を設けることにより接合してもよい。
図23は、図22の23−23線断面図である。図23に示すように、円環化を行った後、第1の切破り部67aでは大径部62と凸部64とが互いに突き当たっている第1の突当たり部67bが形成される。そして、図22に示すように、大径部62と凸部64とが互いに突き当たっている第1の突当たり部67bで、大径部62と凸部64とを、例えばレーザー溶接により接合する。図25に示すように、第1の突当たり部67bを接合することで後端節輪60Aの第1の凸部接合部67が形成される。
図24は、図22の24−24線断面図である。図24に示すように、後端節輪準備体60Aaの円環化を行った後、第1の切抜き部66aで大径部62と凸部64とが互いに突き当たっている第2の突当たり部66bを形成する。そして、図22に示すように、大径部62と凸部64が互いに突き当たっている第2の突当たり部66bで、大径部62と凸部64とを、例えばレーザー溶接により接合する。図25に示すように、第2の突当たり部66bを接合することで第2の凸部接合部66が形成される。以上の工程により、後端節輪60Aが形成される。
なお、本実施形態において、凸部64は第1の段曲げ部71から大径部62に向けて突出しているが、凸部64が第1の段曲げ部71から小径部61に向けて突出している構成にしてもよい。この場合、凸部64は小径部61と同一平面状に形成される。
次に、最も先端部6側の節輪である前端節輪60Bの構成について説明する。前端節輪60Bでは、後端節輪60Aで小径部61の一端側に突出した状態で配設されている突出部舌片部22の代わりに、貫通孔舌片部26が配設されている。なお、前端節輪60Bのその他の構成及び製造方法は後端節輪60Aと同様であるため、前端節輪60Bについては後端節輪60Aと同一の参照符号を付してその説明を省略する。
次に、上記構成の湾曲部の作用について説明する。
本実施形態の湾曲部では、最も操作部3側の節輪である後端節輪60A及び最も先端部6側の節輪である前端節輪60Bが小径部61、大径部62及び凸部64を有する。そして、円環化を行う前の後端節輪準備体60Aa及び前端節輪準備体60Baの小径部準備部61aと大径部準備部62aとの間には第2の切破り部74aが、大径部準備部62aと凸部64との間には第1の切抜き部66a、第1の切破り部67a及び第2の切抜き部68aが設けられている。後端節輪準備体60Aa及び前端節輪準備体60Baの円環化を行う際、第1の切破り部67a、第2の切破り部74a、第1の切抜き部66a及び第2の切抜き部68aが設けられていることにより、小径部61と大径部62の周長差によって生じる変形が防止される。
また、後端節輪60A及び前端節輪60Bでは、小径部61と大径部62の間に、大径部62と段差のない状態で凸部64を設けている。段差部70での小径部61と大径部62との段差dは、小径部61及び大径部62の肉厚tより大きいが、凸部64が設けられているため、円環化を行った後、第1の切抜き部66a及び第1の切破り部67aでは大径部62と凸部64の間に後端節輪60Aの径方向についての隙間は存在しない。また、円環化を行った後、第1の切抜き部66aでは後端節輪60Aの周方向について、第1の切破り部67aでは後端節輪60Aの軸方向について、大径部62と凸部64の間に隙間が存在しない。したがって、円環化を行った後、第1の切抜き部66a及び第1の切破り部67aでは大径部62と凸部64が互いに段差なく突き当たっていて、それぞれ第2の突当たり部66b、第1の突当たり部67bを形成する。第2の突当たり部66b、第1の突当たり部67bで、大径部62と凸部64は他の部材を設けることなく接合される。
そこで、上記構成の湾曲部については以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態の湾曲部では最も操作部3側の節輪である後端節輪60A及び最も先端部6側の節輪である前端節輪60Bの円環化を行う前の後端節輪準備体60Aa及び前端節輪準備体60Baの小径部準備部61aと大径部準備部62aとの間に第1の切破り部67a、第2の切破り部74a、第1の切抜き部66a及び第2の切抜き部68aを設けることにより、後端節輪準備体60Aa及び前端節輪準備体60Baの円環化を行う際、小径部61と大径部62の周長差によって生じる変形を防止することができる。これにより、後端節輪60A及び前端節輪60Bの製造時の精度を向上させることができる。
また、大径部62と同一平面上に凸部64を設けることで、円環化を行った後、第1の切抜き部66a及び第1の切破り部67aでは大径部62と凸部64が互いに段差なく突き当たっていることにより、段差部70での小径部61と大径部62の段差dが小径部61及び大径部62の肉厚tより大きい場合でも、第1の切抜き部66a及び第1の切破り部67aでは大径部62と凸部64が互いに段差なく突き当たっていて、それぞれ第2の突当たり部66b、第1の突当たり部67bを形成する。このため、第2の突当たり部66b及び第1の突当たり部67bで、大径部62と凸部64が他の部材を設けることなく接合される。これにより、接合する工程を簡略化するとともに、より高強度な第2の凸部接合部66及び第1の凸部接合部67を形成することができる。
次に本発明の第3の実施形態について図26乃至図34を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の湾曲部5の構成を次の通り変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
最も操作部3側の節輪である後端節輪80Aについて説明する。後端節輪80Aは、図26に示すような平板状の後端節輪準備体80Aaから形成される。後端節輪準備体80Aaは、金属平板である薄板をプレス加工等することにより形成される。図26に示すように、後端節輪準備体80Aaは、小径部準備部81aと、大径部準備部82aと、を有する。図34は、後端節輪80Aの構成を示す図である。図34に示すように、後述する工程により後端節輪80Aを形成した状態では、小径部準備部81aは径が節輪11と同程度の小径部81となり、大径部準備部82aは径が小径部81より大きい大径部82となる。
図26に示すように、小径部準備部81aの大径部準備部82aと反対側の端面には一対の突出部舌片部22が突出した状態で配設されている。突出部舌片部22にはバーリング加工により突出部23が形成されている。後述する工程により後端節輪80Aを形成した状態では、突出部舌片部22が後端節輪80Aの周方向に180°離れた位置に配設される。後端節輪80Aは突出部舌片部22の突出部23で、隣り合う節輪11の貫通孔舌片部26の貫通孔27と連結する。また、図34に示すように、小径部81には一対のワイヤー受け32が突出部舌片部22とは小径部81の周方向に互いに90°ずれて設けられている。
後端節輪80Aを形成する際、まず、図26に示すように、後端節輪準備体80Aaの大径部準備部82aに、第1の切破り部86a、第2の切破り部87a及び第3の切破り部88aを形成する。第1の切破り部86a及び第3の切破り部88aは後端節輪80Aの軸方向(図26乃至図36Bの矢印I方向。本実施形態において、以下同様とする。)に沿って、第2の切破り部87aは後端節輪80Aの周方向(図26乃至図36Bの矢印J方向。本実施形態において、以下同様とする。)に沿って形成されている。第1の切破り部86a、第2の切破り部87a、第3の切破り部88aを形成することで、第2の切破り部87aと小径部準備部81aとの間に凸部84が形成される。また、小径部準備部81aと大径部準備部82aの間には、後端節輪80Aの周方向に沿って段差切破り部92aが形成されている。第1の切破り部86a、第2の切破り部87a、第3の切破り部88a及び段差切破り部92aはシャーリングで裁断することで形成される。図27(A)は、図26の27A−27A線段面図である。図27(A)に示すように、第2の切破り部87aでは、大径部準備部82aと凸部84の間は不連続だが、大径部準備部82aと凸部84は互いに突き当たっている。図27(B)は、図26の27B−27B線断面図である。図27(B)に示すように、段差切破り部92aでは、小径部準備部81aと大径部準備部82aの間は不連続だが、小径部準備部81aと大径部準備部82aが互いに突き当たっている。図28は、図26の28−28線断面図である。図28に示すように、第1の切破り部86a及び第3の切破り部88aでは大径部準備部82aと凸部84との間は不連続だが、大径部準備部82aと凸部84は互いに突き当たっている。
図29は、図26の後端節輪準備体80Aaに段差を形成した状態を示す図である。図29に示すように、後端節輪準備体80Aaの小径部準備部81aと大径部準備部82aの間の凸部84、段差切破り部92a以外の部分に、後端節輪80Aの周方向に沿って段曲げ部91を形成する。本実施形態での段曲げ部91は、絞り加工で、後端節輪80Aの軸方向に材料の移動がない条件で形成されている。段曲げ部91を形成することによって、段曲げ部91及び段差切破り部92aによって、後端節輪80Aの周方向に沿って段差部90が形成される。なお、小径部準備部81aと凸部84との間には段差がなく、小径部準備部81aと凸部84は同一平面上に設けられている。
図30(A)は、図29の30A−30A線断面図である。図30(A)に示すように、段差部90では、小径部準備部81aと大径部準備部82aの間に段差d有する。ここで、段差dは、小径部準備部81a及び大径部準備部82aの肉厚tと同一に形成されている。図30(A)に示すように、段曲げ部91では小径部準備部81aと大径部準備部82aとが連続している。図30(B)は、図29の30B−30B線断面図である。図30(B)に示すように、段差切破り部92aでは小径部準備部81aと大径部準備部82aの間は不連続だが、後端節輪80Aの軸方向についての隙間はほとんど存在しない。また、段差切破り部92aでは、後端節輪80Aの径方向(図29乃至図36Bの矢印K方向。本実施形態において、以下同様とする。)について小径部準備部81aと大径部準備部82aは間に段差dを有する。
図30(C)は、図29の30C−30C線断面図である。図30(C)に示すように、第2の切破り部87aでは、大径部準備部82aと凸部84との間は不連続だが、後端節輪80Aの軸方向について隙間はほとんど存在しない。また、凸部84は小径部準備部81aと同一平面上に配置されるため、第2の切破り部87aでは、凸部84と小径部準備部81aは間に段差dを有する。
図31は、図29の31−31線断面図である。図31に示すように、第1の切破り部86a、第3の切破り部88aでは、大径部準備部82aと凸部84との間は不連続だが、後端節輪80Aの周方向について隙間はほとんど存在しない。また、凸部84は小径部準備部81aと同一平面上に配置されるため、第1の切破り部86a、第3の切破り部88aでは、凸部84と小径部準備部81aは間に段差dを有する。
そして、小径部準備部81a及び大径部準備部82aをU字状に曲げるU字曲げ加工を行い、その後、小径部準備部81a及び大径部準備部82aを円環化するO字曲げ加工を行うことで、図32に示すような後端節輪円環体80Abが形成される。円環化を行った後、小径部準備部81aによって径が節輪11と同程度の小径部81が形成され、大径部準備部82aによって径が小径部81より大きい大径部82が形成される。後端節輪準備体80Aaでは第1の切破り部86a、第2の切破り部87a、第3の切破り部88a及び段差切破り部92aが設けられていることにより、円環化を行う際に、小径部81と大径部82の周長差によって生じる変形が防止される。
図32に示すように、後端節輪円環体80Abでは、小径部81に軸方向に沿って小径部不連続部45aが、大径部82に軸方向に沿って大径部不連続部46aが形成されている。小径部不連続部45aで小径部準備部81aの両端を、大径部不連続部46aで大径部準備部82aの両端を、例えばレーザー溶接によって接合する。図34に示すように、小径部不連続部45aを接合することで後端節輪80Aの小径部接合部45が形成され、大径部不連続部46aを接合することで後端節輪80Aの大径部接合部46が形成される。
後端節輪円環体80Abは、後端節輪準備体80Aaの段曲げ部91によって形成される段曲げ部91と、段差切破り部92aによって形成される段差不連続部92と、第2の切破り部87aによって形成される第1の凸部不連続部87と、を有する。段曲げ部91では、円環化する前の状態と同様に、小径部81と大径部82とが段差dを有した状態で連続している。段差不連続部92では、円環化する前の段差切破り部92aの状態と同様に、小径部81と大径部82の間に後端節輪80Aの径方向についての隙間は存在しない。また、段差切破り部92aでは小径部81と大径部82の間に後端節輪80Aの軸方向については段差dを有する。第1の凸部不連続部87では、円環化する前の第2の切破り部87aの状態と同様に、大径部82と凸部84との間に、後端節輪80Aの軸方向について隙間が存在しない。また、凸部84は小径部81と同一平面上に配置されるため、第2の切破り部87aでは大径部82と凸部84との間に段差dを有する。なお、段差不連続部92で小径部81と大径部82を、第1の凸部不連続部87で大径部82と凸部84を、別部材を設ける等して接合してもよい。
図33は、図32の33−33線断面図である。図33に示すように、後端節輪準備体80Aaの円環化を行った後、第3の切破り部88aでは大径部82と凸部84との間に、後端節輪80Aの周方向について隙間が存在する。したがって、円環化を行った後、第3の切破り部88aでは、大径部82と凸部84とが互いに突き当たっておらず、第2の凸部不連続部88が形成される。
また、図33に示すように、大径部82と凸部84との間の段差dが大径部82及び凸部84の肉厚tと同一であるため、円環化を行った後、第1の切破り部86aで大径部82と凸部84とが互いに重なり合っていて、重ね合わせ部86bを形成する。そして、図32に示すように、大径部82と凸部84が互いに重なり合っている重ね合わせ部86bで、大径部82と凸部84とを、例えばレーザー溶接により接合する。重ね合わせ部86bを接合することで、図34に示すように凸部接合部86が形成される。以上の工程により後端節輪80Aが形成される。
なお、本実施形態において、凸部84は小径部81から大径部82に向けて突出しているが、凸部84が大径部82から小径部81に向けて突出している構成にしてもよい。この場合、凸部84は大径部82と同一平面上に配置される。
次に、最も先端部6側の節輪である前端節輪80Bの構成について説明する。前端節輪80Bでは、後端節輪80Aで小径部81の一端側に突出した状態で配設されている突出部舌片部22の代わりに、貫通孔舌片部26が配設されている。なお、前端節輪80Bのその他の構成及び製造方法は後端節輪80Aと同様であるため、前端節輪80Bについては後端節輪80Aと同一の参照符号を付してその説明を省略する。
次に、上記構成の湾曲部の作用について説明する。
本実施形態の湾曲部では、最も操作部3側の節輪である後端節輪80A及び最も先端部6側の節輪である前端節輪80Bが小径部81、大径部82及び凸部84を有する。そして、円環化を行う前の後端節輪準備体80Aa及び前端節輪準備体80Baの小径部準備部81aと大径部準備部82aとの間には段差切破り部92aが、大径部準備部82aと凸部84との間には第1の切破り部86a、第2の切破り部87a及び第3の切破り部88aが設けられている。後端節輪準備体80Aa及び前端節輪準備体80Baの円環化を行う際、第1の切破り部86a、第2の切破り部87a、第3の切破り部88a及び段差切破り部92aが設けられていることにより、小径部81と大径部82の周長差によって生じる変形が防止される。
また、後端節輪80A及び前端節輪80Bでは、小径部81と大径部82の間に、小径部81と段差のない状態で凸部84を設けている。段差部90での小径部81と大径部82との段差dは小径部81及び大径部82の肉厚tと同一であるため、小径部81と同一平面上の凸部84と大径部82との間の段差も肉厚tと同一のdである。このため、第1の切破り部86aでは大径部82と凸部84が重なり合っていて、重ね合わせ部86bが形成される。重ね合わせ部86bで、大径部82と凸部84が互いに重なり合った状態で、他の部材を設けることなく接合され、凸部接合部86が形成される。
そこで、上記構成の湾曲部については以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態の湾曲部では最も操作部3側の節輪である後端節輪80A及び最も先端部6側の節輪である前端節輪80Bの円環化を行う前の後端節輪準備体80Aa及び前端節輪準備体80Baの小径部準備部81aと大径部準備部82aとの間に第1の切破り部86a、第2の切破り部87a、第3の切破り部88a及び段差切破り部92aを設けることにより、後端節輪準備体80Aa及び前端節輪準備体80Baの円環化を行う際、小径部81と大径部82の周長差によって生じる変形を防止することができる。これにより、後端節輪80A及び前端節輪80Bの製造時の精度を向上させることができる。
また、大径部82と凸部84との間の段差dを大径部82及び凸部84の肉厚tと同一に形成することで、円環化を行った後、第1の切破り部86aでは大径部82と凸部84が互いに重なり合っている重ね合わせ部86bが形成される。このため、重ね合わせ部86bで、大径部82と凸部84が互いに重なり合った状態で他の部材を設けることなく接合される。これより、接合する工程を簡略化するとともにより高強度な凸部接合部86を形成することができる。
次に、本発明の第3の実施形態の第1の変形例について図35A及び図35Bを参照して説明する。第1の変形例は後端節輪80A及び前端節輪80Bの段差部90での小径部81と大径部82との段差dが小径部81及び大径部82の肉厚tより小さい場合についてである。なお、前端節輪80Bのその他の構成及び製造方法は後端節輪80Aと同様であるため、以下の説明では、前端節輪80Bについては後端節輪80Aと同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図35Aに示すように、第1の変形例の湾曲部の後端節輪80Aを形成する後端節輪準備体80Aaでは、小径部準備部81aと凸部84との間に第2の段曲げ部93が設けられている。
図35Bは、図35Aの35B−35B線断面図である。図35Bに示すように、第2の段曲げ部93では小径部準備部81aと凸部84との間に段差dを有する。凸部84は小径部81より段差dだけ後端節輪80Aの径方向について内側に配置されている。小径部準備部81aと凸部84との段差dを設けることで、大径部準備部82aと凸部84との間に小径部81及び大径部82の肉厚tと同一の段差dが形成される。
これにより、後端節輪準備体80Aaの円環化後の後端節輪円環体80Abでは、凸部84と大径部82との間の段差は凸部84及び大径部82の肉厚tと同一のdである。このため、第1の切破り部86aでは大径部82と凸部84が重なり合っていて、重ね合わせ部86bが形成される。重ね合わせ部86bで、大径部82と凸部84が互いに重なり合った状態で、他の部材を設けることなく接合され、凸部接合部86が形成される。
なお、本変形例では、小径部81と大径部82との段差dが小径部81及び大径部82の肉厚tより小さいため、円環化後の段差不連続部92では小径部81と大径部82が互いに突き当たっている。したがって、段差不連続部92で小径部81と大径部82とをレーザー溶接等により接合してもよい。
次に、本発明の第3の実施形態の第2の変形例について図36A及び図36Bを参照して説明する。第2の変形例は後端節輪80A及び前端節輪80Bの段差部90での小径部81と大径部82との段差dが小径部81及び大径部82の肉厚tより大きい場合についてである。なお、前端節輪80Bのその他の構成及び製造方法は後端節輪80Aと同様であるため、以下の説明では、前端節輪80Bについては後端節輪80Aと同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図36Aに示すように、第2の変形例の湾曲部の後端節輪80Aを形成する後端節輪準備体80Aaでは、小径部準備部81aと凸部84との間に第2の段曲げ部93が設けられている。
図36Bは、図36Aの36B−36B線断面図である。図36Bに示すように、第2の段曲げ部93では小径部準備部81aと凸部84との間に段差dを有する。凸部84は小径部81より段差dだけ後端節輪80Aの径方向について外側に配置されている。小径部準備部81aと凸部84との段差dを設けることで、大径部準備部82aと凸部84との間に小径部81及び大径部82の肉厚tと同一の段差dが形成される。
これにより、後端節輪準備体80Aaの円環化後の後端節輪円環体80Abでは、凸部84と大径部82との間の段差は凸部84及び大径部82の肉厚tと同一のdである。このため、第1の切破り部86aでは大径部82と凸部84が重なり合っていて、重ね合わせ部86bが形成される。重ね合わせ部86bで、大径部82と凸部84が互いに重なり合った状態で、他の部材を設けることなく接合され、凸部接合部86が形成される。
なお、本発明において、後端節輪及び前端節輪は段差部を有する段付き節輪であるが、後端節輪及び前端節輪のうち少なくともいずれか一方が段付き節輪であればよく、例えば後端節輪が内視鏡の湾曲部と一体に形成される構成であってもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る内視鏡の構成を示す斜視図。 図2は、第1の実施形態に係る内視鏡の湾曲部を示す断面図。 図3Aは、第1の実施形態に係る湾曲部の節輪を形成する節輪準備体を示す平面図。 図3Bは、第1の実施形態に係る節輪準備体をU字曲げ加工した状態を示す断面図。 図4は、第1の実施形態に係る節輪準備体を円環化した節輪円環体を示す、(A)は平面図、(B)は断面図。 図5は、第1の実施形態に係る湾曲部の節輪の構成する節輪を示す斜視図。 図6の、(A)は図5のVIA−VIA線断面図、(B)は図5のVIB−VIB線断面図。 図7は、第1の実施形態に係る湾曲部の節輪の連結状態を示す側面図。 図8は、第1の実施形態に係る湾曲部の後端節輪を形成する後端節輪準備体を示す平面図。 図9は、図8の後端節輪準備体に切破り部、切抜き部を形成した状態を示す平面図。 図10の、(A)は図9の10A−10A線断面図、(B)は図9の10B−10B線断面図。 図11は、図9の後端節輪準備体に段差部を形成した状態を示す平面図。 図12の、(A)は図11の12A−12A線断面図、(B)は図11の12B−12B線断面図、(C)は図11の12C−12C線断面図。 図13は、図11の後端節輪準備体を円環化した後端節輪円環体を示す平面図。 図14は、図13の14−14線断面図。 図15は、第1の実施形態に係る後端節輪を示す側面図。 図16は、第1の実施形態に係る後端節輪を示す断面図。 図17は、本発明の第2の実施形態に係る後端節輪を形成する後端節輪準備体に、切破り部、切抜き部を形成した状態を示す平面図。 図18の、(A)は図17の18A−18A線断面図、(B)は図17の18B−18B線断面図。 図19は、図17の19−19線断面図。 図20は、図17の節輪準備体に段差部を形成した状態を示す平面図。 図21の、(A)は図20の21A−21A線断面図、(B)は図20の21B−21B線断面図、(C)は図20の21C−21C線断面図。 図22は、図20の後端節輪準備体を円環化した後端節輪円環体を示す平面図。 図23は、図22の23−23線断面図。 図24は、図22の24−24線断面図。 図25は、第2の実施形態に係る後端節輪を示す側面図。 図26は、本発明の第3の実施形態に係る後端節輪を形成する後端節輪準備体に、切破り部を形成した状態を示す平面図。 図27の、(A)は図26の27A−27A線断面図、(B)は図26の27B−27B線断面図。 図28は、図26の28−28線断面図。 図29は、図26の節輪準備体に段差部を形成した状態を示す平面図。 図30の、(A)は図29の30A−30A線断面図、(B)は図29の30B−30B線断面図、(C)は図29の30C−30C線断面図。 図31は、図29の31−31線断面図。 図32は、図29の後端節輪準備体を円環化した後端節輪円環体を示す平面図。 図33は、図32の33−33線断面図。 図34は、第2の実施形態に係る後端節輪を示す側面図。 図35Aは、第3の実施形態の第1の変形例に係る湾曲部の後端節輪を形成する後端節輪準備体に切破り部を形成し、さらに、段差部を形成した状態を示す平面図。 図35Bは、図35Aの35B−35B線断面図。 図36Aは、第3の実施形態の第2の変形例に係る湾曲部の後端節輪を形成する後端節輪準備体に切破り部を形成し、さらに、段差部を形成した状態を示す平面図。 図36Bは、図36Aの36B−36B線断面図。 図37は、従来例に係る内視鏡の湾曲部の湾曲管の構成を示す側面図。 図38は、従来例に係る湾曲部と可撓管の接続部の内部構造を示す断面図。 図39は、従来例に係る湾曲部の節輪を形成する節輪準備体を示す平面図。 図40は、図39の節輪準備体に段差部を形成した状態を示し、(A)は平面図、(B)は(A)の40B−40B線断面図。 図41は、図40の節輪準備体にU字曲げ加工を行った状態を示す断面図。 図42の、(A)は図40の節輪準備体にU字曲げ加工を行った状態を示す平面図、(B)は(A)の42B−42B線断面図。 図43は、従来例に係る湾曲部の節輪を示し、(A)は節輪を形成する節輪準備体を示す平面図、(B)は(A)の節輪準備体を円環化した状態を示す平面図、(C)(D)は(B)の節輪準備体に段差部を形成した状態を示す平面図。
符号の説明
5…湾曲部、 10…湾曲管、 11…節輪 11A,60A,80A…後端節輪 11B,60B,80B…前端節輪、 12…外皮チューブ、 41,61,81…小径部、 42,62,82…大径部、 50,70,90…段差部、 51…段曲げ部、 52…段差接合部、 53…段差不連続部、 64,84…凸部、 11Aa…後端節輪準備体、 11Ba…前端節輪準備体、 11Ab…後端節輪円環体、 52a…切破り部、 53a…切抜き部、 52b…突き当たり部。

Claims (16)

  1. 内視鏡の挿入部の軸方向に並設された複数の節輪がそれぞれ回動可能に連結された湾曲管と、
    湾曲管の外周を被覆する外皮と、
    からなる内視鏡湾曲部であって、
    複数の前記節輪の中で前端節輪及び後端節輪のうち少なくともいずれか一方は、同軸で互いに径の異なる2つの円筒部と、2つの前記円筒部のうち小径な第1の円筒部と前記第1の円筒部よりも大径な第2の円筒部との間に形成される段差部と、を備え、前記節輪を展開した平板状の節輪準備体を円環化した段付き節輪で形成され、
    前記段差部は、前記円筒部の周方向の一部に前記第1の円筒部と前記第2の円筒部が連続する段曲げ部を有し、前記段曲げ部以外の部分に前記第1の円筒部と前記第2の円筒部が不連続な不連続部、又は、前記不連続部で前記第1の円筒部と前記第2の円筒部とを接合させた接合部の少なくともいずれか一方を有することを特徴とする内視鏡湾曲部。
  2. 前記不連続部は、前記段付き節輪の軸方向について隙間が存在しない切破り部と、前記段付き節輪の軸方向について隙間が存在する切抜き部と、を有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡湾曲部。
  3. 前記段差部での前記第1の円筒部と前記第2の円筒部の間の段差は前記段付き節輪の肉厚以下であり、
    前記切破り部は、前記第1の円筒部の端面と前記第2の円筒部の端面とが互いに突き当たっている突当たり部であることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡湾曲部。
  4. 前記段付き節輪は、
    前記段曲げ部を2つに分けるとともに、前記段曲げ部から前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部のいずれか一方に向けて、前記段付き節輪の軸方向に沿って形成される第1の軸方向不連続部と、
    前記段曲げ部と前記不連続部の間から第1の軸方向不連続部と同じ方向に向けて、前記段付き節輪の軸方向に沿って形成される第2の軸方向不連続部と、
    前記第1の軸方向不連続部の前記段曲げ部と反対側の端部と前記第2の軸方向不連続部の前記段曲げ部と反対側の端部とを結び、前記段付き節輪の周方向に沿って形成される周方向不連続部と、
    前記周方向不連続部と前記段曲げ部との間に形成される凸部と、
    を備え、
    前記第1の軸方向不連続部、又は、周方向不連続部の少なくともいずれか一方は、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部とを接合させた凸部接合部であることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡湾曲部。
  5. 前記第1の軸方向不連続部は、前記段付き節輪の周方向について隙間が存在せず、かつ、前記凸部の端面と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部の端面とが互いに突き当たっている第1の凸部突当たり部であり、
    前記周方向不連続部は、前記段付き節輪の軸方向について隙間が存在せず、かつ、前記凸部の端面と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部の端面とが互いに突き当たっている第2の凸部突当たり部であることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡湾曲部。
  6. 前記段曲げ部は、前記第1の軸方向不連続部と前記第2の軸方向不連続部の間に形成される第1の段曲げ部と、前記段曲げ部の中で前記第1の段曲げ部以外の部分に形成される第2の段曲げ部と、を2つの前記段曲げ部の段差が同一でない状態で有するとともに、
    前記第1の軸方向不連続部、前記第2の軸方向不連続部及び前記周方向不連続部で、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部と、の間の段差が前記第1の円筒部、前記第2の円筒部及び前記凸部の肉厚と同一であり、
    前記第1の軸方向不連続部は、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部とが互いに重なりあっている重ね合わせ部であることを特徴とする請求項4に記載の内視鏡湾曲部。
  7. 前記第1の段曲げ部には、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されていない側の前記円筒部と、の間の段差がなく、かつ、前記凸部は、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されていない側の前記円筒部と同一円筒面上に形成されることを特徴とする請求項6に記載の内視鏡湾曲部。
  8. 前記接合部および前記凸部接合部は溶接で接合されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の内視鏡湾曲部。
  9. 同軸で互いに径の異なる2つの円筒部と、2つの前記円筒部のうち小径な第1の円筒部と前記第1の円筒部よりも大径な第2の円筒部の間に段差部が形成される段付き節輪の製造方法であって、
    前記段付き節輪の第1の円筒部を形成する第1の円筒部準備部と、前記段付き節輪の前記第2の円筒部を形成する第2の円筒部準備部と、を有する前記段付き節輪を平板状に展開させた節輪準備体を、金属板からプレス加工により形成する工程と、
    前記節輪準備体の前記第1の円筒部準備部と前記第2の円筒体準備部の間に段差部を形成する工程と、
    前記節輪準備体をU字曲げ加工及びO字曲げ加工によって円環化を行う工程と、
    円環化後に前記第1の円筒部及び前記第2の円筒部の両端を接合して前記段付き節輪を形成する工程と、
    を備え、
    前記段差部を形成する前記工程は、前記円筒部の周方向の一部に前記第1の円筒部準備部と前記第2の円筒部準備部が不連続な不連続部を形成する工程を行った後に、前記段差部の前記不連続部以外の部分に前記第1の円筒部準備部と前記第2の円筒部準備部とが連続する段曲げ部を形成する工程であることを特徴とする段付き節輪の製造方法。
  10. 前記不連続部を形成する前記工程は、前記第1の円筒部準備部と前記第2の円筒部準備部との間に隙間が存在しない切破り部を形成する工程と、前記第1の円筒部準備部と前記第2の円筒部準備部との間に隙間が存在する切抜き部を形成する工程であることを特徴とする請求項9に記載の段付き節輪の製造方法。
  11. 前記段差部を形成する前記工程は、前記段差部での前記第1の円筒部準備部と前記第2の円筒部準備部の間の段差は前記段付き節輪の肉厚以下に形成する工程を含むとともに、
    前記節輪準備体の円環化を行う前記工程は、前記切破り部に前記第1の円筒部の端面と前記第2の円筒部の端面とが互いに突き当たっている突当たり部を形成する工程を含み、
    前記節輪準備体の円環化を行う前記工程の後に、前記突当たり部で前記第1の円筒部と前記第2の円筒部を接合して接合部を形成する工程を有することを特徴とする請求項10に記載の段付き節輪の製造方法。
  12. 前記節輪構成体の円環化を行う前記工程の前に、
    前記段曲げ部を2つに分けるとともに、前記段曲げ部から前記第1の円筒部準備部又は前記第2の円筒部準備部のいずれか一方に向けて、前記段付き節輪の軸方向に沿って形成される第1の軸方向不連続部を形成する工程と、
    前記段曲げ部と前記不連続部の間から第1の軸方向不連続部と同じ方向に向けて、前記段付き節輪の軸方向に沿って形成される第2の軸方向不連続部を形成する工程と、
    前記第1の軸方向不連続部の前記段曲げ部と反対側の端部と前記第2の軸方向不連続部の前記段曲げ部と反対側の端部とを結び、前記段付き節輪の周方向に沿って形成される周方向不連続部を形成する工程と、
    前記周方向不連続部と前記段曲げ部との間に形成される凸部を形成する工程と、
    を備え、
    前記節輪構成体の円環化を行う前記工程の後に、前記第1の軸方向不連続部、又は、周方向不連続部の少なくともいずれか一方で、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部と、を接合させて凸部接合部を形成する工程を有することを特徴とする請求項9に記載の段付き節輪の製造方法。
  13. 前記第1の軸方向不連続部、前記第2の軸方向不連続部を形成する前記工程は、前記段付き節輪の周方向について前記凸部と、前記第1の円筒部準備部又は前記第2の円筒部準備部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部準備部と、の間に隙間が存在する第1の軸方向切抜き部、第2の軸方向切抜き部を形成する工程であるとともに、
    前記周方向不連続部を形成する工程は、前記段付き節輪の軸方向について前記凸部と、前記第1の円筒部準備部又は前記第2の円筒部準備部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部準備部と、の間に隙間が存在しない周方向切破り部を形成する工程であり、
    前記節輪構成体の円環化を行う前記工程は、前記第1の軸方向切抜き部、周方向切破り部に、前記凸部の端面と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向切破り部が形成されている側の前記円筒部の端面とが、互いに段差のない状態で突き当たっている第1の凸部突当たり部、第2の凸部突当たり部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の段付き節輪の製造方法。
  14. 前記第1の軸方向不連続部、前記第2の軸方向不連続部を形成する前記工程は、前記段付き節輪の周方向について前記凸部と、前記第1の円筒部準備部又は前記第2の円筒部準備部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部準備部と、の間に隙間が存在しない第1の軸方向切破り部、第2の軸方向切破り部を形成する工程であるとともに、
    前記周方向不連続部を形成する工程は、前記段付き節輪の軸方向について前記凸部と、前記第1の円筒部準備部又は前記第2の円筒部準備部の中で前記周方向不連続部が形成されている側の前記円筒部準備部と、の間に隙間が存在しない周方向切破り部を形成する工程であり、
    前記段曲げ部を形成する前記工程は、
    前記第1の軸方向切破り部と前記第2の軸方向切破り部の間に第1の段曲げ部を、前記段曲げ部の中で前記第1の段曲げ部以外の部分に第2の段曲げ部を、2つの前記段曲げ部の段差が同一でない状態で形成する工程と、
    前記第1の軸方向切破り部、前記第2の軸方向切破り部及び前記周方向切破り部で、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向切破り部が形成されている側の前記円筒部と、の間の段差を前記第1の円筒部、前記第2の円筒部及び前記凸部の肉厚と同一に形成する工程と、
    を含み、
    前記節輪構成体の円環化を行う前記工程は、前記第1の軸方向切破り部に、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向切破り部が形成されている側の前記円筒部とが、重なり合っている重ね合わせ部を形成する工程を含むことを特徴とする請求項12に記載の段付き節輪の製造方法。
  15. 前記第1の段曲げ部を形成する前記工程は、前記凸部と、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されていない側の前記円筒部と、の間の段差がない状態で、前記凸部を、前記第1の円筒部又は前記第2の円筒部の中で前記周方向不連続部が形成されていない側の前記円筒部と同一円筒面上に形成する工程であることを特徴とする請求項14に記載の段付き節輪の製造方法。
  16. 前記節輪構成体の両端を接合する前記工程、前記接合部を形成する前記工程及び前記凸部接合部を形成する前記工程は溶接によって行われる工程であることを特徴とする請求項9から請求項15のいずれかに記載の段付き節輪の製造方法。
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