JP2003322135A - プロペラシャフト及びその製造方法 - Google Patents

プロペラシャフト及びその製造方法

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JP2003322135A
JP2003322135A JP2002126890A JP2002126890A JP2003322135A JP 2003322135 A JP2003322135 A JP 2003322135A JP 2002126890 A JP2002126890 A JP 2002126890A JP 2002126890 A JP2002126890 A JP 2002126890A JP 2003322135 A JP2003322135 A JP 2003322135A
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propeller shaft
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JP2002126890A
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Masaharu Tochigi
雅晴 栃木
Narihiro Kawada
斉礼 川田
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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  • Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 能率良く製作することができ、且つ、優れた
強度的信頼性を有するプロペラシャフト及びその製造方
法を提供すること。 【解決手段】 この発明のプロペラシャフトP1は、その
長さ方向の中間部で分割された2個の第1部材10及び第
2部材20から構成されている。両部材10、20の双方は、
いずれも、パイプ部11、21の一端に接続部材としてのヨ
ーク2、3が一体形成されたものである。第1部材10の
パイプ部11の他端部と第2部材20のパイプ部21の他端部
とが突き合わされた状態で、両パイプ部11、21の端部同
士が摩擦撹拌接合により接合されることにより、両部材
10、20が一体化されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車等の車両
に用いられるプロペラシャフト及びその製造方法に関
し、詳述すると、環状軸部の両端に他の部材に接続する
ための接続部材を有するプロペラシャフト及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば自動車の動力伝達に用いられるプ
ロペラシャフト(100)として、従来より、図16に示
すように、環状軸部(110)の両端に接続部材としての
断面略コ字状ヨーク(120)(130)を有するものが知ら
れている。このプロペラシャフト(100)では、軸部(1
10)はプロペラシャフト(100)の軽量化を図るため中
空になっている。また、各ヨーク(120)(130)は、ユ
ニバーサルジョイント等のジョイント部(図示せず)に
接続するためのものである。
【0003】このプロペラシャフト(100)は次のよう
に製作されたものである。すなわち、軸部(110)の一
端及び他端にそれぞれヨーク(120)(130)を取り付け
たのち、該各取付け部を所定の接合手段(例えばMIG
溶接)で接合して3個の部材(110)(120)(130)を
一体化することにより、プロペラシャフト(100)が製
作されている。同図において、(111)は接合部を示し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】而して、上記従来のプ
ロペラシャフト(100)は、上述したように3個の部材
(110)(120)(130)により組立製作されたものなの
で、これを製作するためには接合を2箇所行う必要があ
り、製作作業が面倒であった。そのため、プロペラシャ
フトの製造コストが高く付いてしまうという難点があっ
た。また、接合箇所が多い分、強度的信頼性に乏しいと
いう難点もあった。
【0005】この発明は、上述した難点を解消するため
になされたもので、その目的は、環状軸部の両端に接続
部材を有するプロペラシャフトにおいて、能率良く製作
することができ、且つ、優れた強度的信頼性を有するプ
ロペラシャフト及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、第1発明は、環状軸部の両端に接続部材を有するプ
ロペラシャフトにおいて、長さ方向の中間部で分割され
た第1部材及び第2部材の2部材で構成され、前記第1
部材及び前記第2部材のうち少なくとも一方は、前記軸
部の少なくとも一部を形成するパイプ部の一端に前記接
続部材が一体形成されており、前記第1部材と前記第2
部材とが、それらの対応部位同士が接合されることによ
り一体化されていることを特徴としている(請求項
1)。
【0007】この第1発明に係るプロペラシャフトは、
2個の部材で構成されたものなので、該プロペラシャフ
トを製作するには接合を1箇所だけ行えば良い。そのた
め、該プロペラシャフトを能率良く製作することができ
て、プロペラシャフトの製造コストを引き下げることが
できる。また、このプロペラシャフトでは、接合箇所は
1箇所だけなので、該プロペラシャフトは優れた強度的
信頼性を有するものとなる。
【0008】なお、このプロペラシャフトにおいて、2
個の部材としては、例えば金属製のものが用いられる
が、特にアルミニウム又はその合金製のものを用いるこ
とが、プロペラシャフトの軽量化を図ることができる点
等で望ましい。
【0009】また、このプロペラシャフトは、その長さ
方向の中間部のうち、軸部の長さ方向の中央位置(即
ち、軸部の全長の丁度半部の長さ位置)で分割されてい
ても良いし、軸部といずれか一方の接続部材との境目位
置で分割されていても良い。
【0010】また、このプロペラシャフトにおいて、接
続部材は他の部材に接続するためのものであり、例えば
ヨーク、接合用フランジ及び接続用嵌挿軸が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。
【0011】また、第1部材及び第2部材の対応部位同
士を接合する手段としては、特に限定されるものではな
く、様々な手段を用いることができ、例えばMIG溶
接、TIG溶接、レーザビーム溶接、摩擦圧接、摩擦撹
拌接合等の金属的接合手段を用いることができる。
【0012】上記プロペラシャフトにおいて、前記第1
部材及び前記第2部材は、前記軸部の長さ方向の中間部
で分割されることにより、いずれも、前記軸部の一部を
形成するパイプ部の一端に接続部材が一体形成されたも
のであり、前記第1部材と前記第2部材とが、それらの
パイプ部の他端部同士が接合されることにより一体化さ
れていることが望ましい(請求項2)。
【0013】この場合には、両パイプ部の他端部同士を
接合する際に、これら両パイプ部の他端部同士を合わせ
ると、その合わせ部の内側には中空部が形成されること
となり、この中空部によって過剰な接合熱の発生が防止
される。そのため、良好な接合部を確実に形成すること
ができる。
【0014】さらに、前記各パイプ部の他端部が、該パ
イプ部の他の部位よりも厚肉に形成されていることが望
ましい(請求項3)。この場合には、両パイプ部の他端
部同士を強固に接合することができる。
【0015】さらに、前記各パイプ部の他端部に半径方
向内側に膨出した膨出部が形成されることによって、前
記各パイプ部の他端部が、該パイプ部の他の部位よりも
厚肉に形成されていることが望ましい(請求項4)。
【0016】この場合には、各パイプ部の他端部を厚肉
にするための膨出部は、パイプ部の半径方向外側に膨出
したものではなく、半径方向内側に膨出したものである
ことから、プロペラシャフトの軸部の外周面には余分な
膨出部が形成されなくなる。そのため、プロペラシャフ
トを車体の所定場所に取り付ける際に、取付け場所に存
在している壁等の障害物にプロペラシャフトがぶつかる
不具合を防止することができる。
【0017】上記プロペラシャフトにおいて、摩擦撹拌
接合によって両パイプ部の他端部同士が接合されている
ことが望ましい(請求項5)。
【0018】その理由は次のとおりである。すなわち、
摩擦撹拌接合は、固相接合の範疇に入り、溶融接合
(例:MIG溶接、TIG溶接)と比較して接合時に発
生する熱が少ないという特徴を有している。そのため、
この摩擦撹拌接合によって両パイプ部の他端部同士を接
合することにより、接合に伴う熱歪みが極めて少ないプ
ロペラシャフトが得られる。
【0019】さらに、両パイプ部の他端部同士を接合し
た接合部の内側に、バックアップ用補強部材が装填配置
された状態で、前記接合部に前記補強部材が共接合され
ていることが望ましい(請求項6)。
【0020】この場合には、各パイプ部の他端部がその
内周面側から補強部材によって補強された状態で、摩擦
撹拌接合が行われることとなる。そのため、摩擦撹拌接
合時に各パイプ部の他端部が凹むという不具合を防止す
ることができ、もって寸法精度の高いプロペラシャフト
が得られる。
【0021】さらに、前記補強部材の外周面に凸部が形
成され、この凸部が両パイプ部の他端部間に介在された
状態で、前記接合部に前記補強部材が共接合されている
ことが望ましい(請求項7)。この場合には、補強部材
の位置決めを容易に行うことができて、プロペラシャフ
トをより一層能率良く製作することができる。
【0022】また、前記各パイプ部の他端部に、半径方
向内側に突出した凸部が形成されるとともに、前記補強
部材の外周面に凹部が形成されており、前記補強部材の
凹部内に前記両パイプ部の凸部が嵌め込まれた状態で、
前記接合部に前記補強部材が共接合されていることが望
ましい(請求項8)。
【0023】この場合には、補強部材の凹部内に両パイ
プ部の凸部が嵌め込まれることにより、第1部材と第2
部材とが補強部材を介して互いに強固に連結される。そ
のため、プロペラシャフトの強度的信頼性が更に向上す
る。また、摩擦撹拌接合時においては、補強部材は両パ
イプ部に固定されているので、接合時に補強部材が不本
意に動いてしまう不具合を防止することができ、そのた
め摩擦撹拌接合を容易に行うことができる。
【0024】さらに、前記補強部材は、中実のものであ
ることが望ましい(請求項9)。この場合には、各パイ
プ部の他端部を補強部材によって強固に補強することが
できる。
【0025】また、前記補強部材は、中空部を有するも
のであっても良い(請求項10)。この場合には、プロ
ペラシャフトの更なる軽量化を図ることができる。
【0026】また、前記第1部材及び前記第2部材のう
ち少なくとも一方において、そのパイプ部の他端部に、
該パイプ部の軸線方向外側に突出した受け部が形成され
るとともに、この受け部によって相手のパイプ部の他端
部の内周面が受けられた状態で、両パイプ部の他端部同
士が接合されていることが望ましい(請求項11)。
【0027】この場合には、受け部によって相手のパイ
プ部の他端部の内周面が受けられているので、摩擦撹拌
接合時に、摩擦熱にて軟化した相手のパイプ部の肉を受
け部によって受けることができて、肉の不足に伴う接合
強度の低下を防止することができる。
【0028】また、上記プロペラシャフトにおいて、前
記第1部材及び前記第2部材は、互いに同形のものであ
ることが望ましい(請求項12)。この場合には、第1
部材と第2部材とを一体化する際に、両者を取り違える
虞がない。その上、一種類の形状の部材でプロペラシャ
フトを製作することができるので、プロペラシャフトを
更に能率良く製作することができる。
【0029】上記目的を達成するため、第2発明は、環
状軸部の両端に第1接続部材及び第2接続部材を有する
プロペラシャフトの製造方法において、第1接続部材
と、該第1接続部材が一端に一体形成されるとともに他
端が開口し、且つ軸部の少なくとも一部を形成するパイ
プ部とを有する第1部材を、塑性加工又は鋳造によって
製作する、第1部材製作工程と、第2接続部材と、該第
2接続部材が一端に一体形成されるとともに他端が開口
し、且つ軸部の少なくとも一部を形成するパイプ部とを
有するか、あるいは前記パイプ部を有していない第2部
材を、塑性加工又は鋳造によって製作する、第2部材製
作工程と、前記第1部材と前記第2部材とを、それらの
対応部位同士を接合することにより一体化する、一体化
工程と、を備えていることを特徴としている(請求項1
3)。
【0030】このプロペラシャフトの製造方法によれ
ば、該プロペラシャフトを製作するには接合を1箇所だ
け行えば良いので、該プロペラシャフトを能率良く製作
することができて、その製造コストを引き下げることが
できる。また、接合箇所は1箇所だけなので、該プロペ
ラシャフトは優れた強度的信頼性を有するものとなる。
【0031】なお、第1部材製作工程において、第1部
材を製作するための塑性加工としては、特に限定される
ものではなく、様々な塑性加工を用いることができ、例
えば鍛造加工(例:熱間鍛造加工、冷間鍛造加工)が用
いられる。この鍛造加工のうち特に衝撃押出加工を用い
ることが望ましい。この衝撃押出加工によれば、第1部
材が接続部材とパイプ部とを有するものであっても、こ
れを確実に且つ容易に製作することができるからであ
る。また、第2部材製作工程においても同じく、塑性加
工として、例えば鍛造加工が用いられ、特に衝撃押出加
工を用いることが望ましい。もとより、第1部材や第2
部材は鋳造により製作しても良い。
【0032】さらに、前記第1部材及び前記第2部材の
双方が、いずれも、軸部の一部を形成するパイプ部を有
するものであり、前記第1部材製作工程及び前記第2部
材製作工程は、いずれも、パイプ部の他端部に半径方向
外側に膨出した膨出部を形成した後で、該他端部の外径
を縮小させる縮径加工工程を含んでいることが望ましい
(請求項14)。
【0033】この場合には、縮径加工を行うことによ
り、パイプ部の他端部に半径方向内側に膨出した膨出部
が形成されることとなる。そのため、プロペラシャフト
を車体の所定場所に取り付ける際に、取付け場所に存在
している壁等の障害物にプロペラシャフトがぶつかる不
具合を防止することができる。なお、縮径加工として
は、特に限定されるものではないが、例えばスエージン
グ加工が用いられる。
【0034】さらに、前記一体化工程において、両パイ
プ部の他端部同士を接合する手段として、摩擦撹拌接合
を用いることが望ましい(請求項15)。この場合に
は、接合に伴う熱歪みが極めて少ないプロペラシャフト
を得ることができる。
【0035】さらに、前記一体化工程において、両パイ
プ部の他端部同士を突き合わせた突合せ部の内側に、バ
ックアップ用補強部材を装填配置した状態で、摩擦撹拌
接合によって両パイプ部の端部同士を接合することが望
ましい(請求項16)。
【0036】この場合には、補強部材によって各パイプ
部の他端部が補強された状態で、摩擦撹拌接合が行われ
ることとなる。そのため、摩擦撹拌接合時に各パイプ部
の他端部が凹むという不具合を防止することができ、も
って寸法精度の高いプロペラシャフトが得られる。しか
も、補強部材によって各パイプ部の他端部が補強される
ことにより、プロペラシャフトの接合部における機械的
強度が向上する。
【0037】
【発明の実施の形態】次に、この発明の幾つかの好まし
い実施形態について図面を参照して説明する。
【0038】図1〜図5は、この発明の第1実施形態に
係るプロペラシャフト及びその製造方法を説明するため
の図である。
【0039】この第1実施形態に係るプロペラシャフト
(P1)は、例えばFR方式の自動車におけるトランスミ
ッションとディファレンシャルギアとの間に配設される
ものである。このプロペラシャフト(P1)は、例えば2
軸3継手方式のプロペラシャフトに備えられた2個のシ
ャフト部のうちいずれか一方のシャフト部として用いら
れるものであって、このプロペラシャフト(P1)の一端
には、ユニバーサルジョイント(例:十字ジョイント)
等のジョイント部(50)を介して、当該プロペラシャフ
ト(P1)と同一又は類似構成のものが1個連結される。
一方、このプロペラシャフト(P1)の他端には、ジョイ
ント部(51)を介してトランスミッション又はディファ
レンシャルギア(いずれも図示せず)が接続される。な
お、この発明に係るプロペラシャフトは、2軸3継手方
式のものに限定されるものではなく、図1に示したプロ
ペラシャフト(P1)の1個だけで構成されたものであっ
ても良いし、このプロペラシャフト(P1)が3個以上連
結されて構成されたものであっても良い。
【0040】このプロペラシャフト(P1)は、所定長さ
を有する横断面円形の環状軸部(1)の一端及び他端に
それぞれ接続部材としての断面略コ字状第1ヨーク
(2)及び第2ヨーク(3)が一体形成されたものであ
る。そして、このプロペラシャフト(P1)は、その長さ
方向の中間部のうち、軸部(1)の長さ方向の中央位置
(即ち、軸部(1)の全長の丁度半分の長さ位置)で分
割されており、これにより、当該プロペラシャフト(P
1)が第1部材(10)と第2部材(20)との2部材で構
成されている。
【0041】第1部材(10)は、アルミニウム又はその
合金製(材質:例えばA6061−T6)のものであっ
て、軸部(1)の半分の長さ領域(図1では、左半分の
長さ領域)を形成する第1パイプ部(11)と、該第1パ
イプ部(11)の一端(図1では左端)に一体形成された
前記第1ヨーク(2)とを有している。
【0042】第1ヨーク(2)は、ジョイント部(50)
に接続するためのものであって、互いに対向状に配置さ
れた2個の取付け部(18)(18)と、該両取付け部(1
8)(18)を連結した第1連結壁部(19)とを有してい
る。各取付け部(18)には軸受け孔(18a)が穿設され
ている。そして、第1パイプ部(11)の一端開口が第1
連結壁部(19)によって閉塞された状態で、第1ヨーク
(2)が第1パイプ部(11)の一端に一体形成されてい
る。なお、(15)は第1パイプ部(11)の中空部を示し
ている。
【0043】第2部材(20)は、アルミニウム又はその
合金製(材質:例えばA6061−T6)のものであっ
て、軸部(1)の残りの半分の長さ領域(図1では、右
半分の長さ領域)を形成する第2パイプ部(21)と、該
第2パイプ部(21)の一端(図1では右端)に一体形成
された前記第2ヨーク(3)とを有している。
【0044】第2ヨーク(3)は、ジョイント部(51)
に接続するためのものであって、上記第1ヨーク(2)
と同じ構成のものである。すなわち、この第2ヨーク
(3)は、互いに対向状に配置された2個の取付け部
(28)(28)と、該両取付け部(28)(28)を連結した
第2連結壁部(29)とを有している。各取付け部(28)
には軸受け孔(28a)が穿設されている。そして、第2
パイプ部(21)の一端開口が第2連結壁部(29)によっ
て閉塞された状態で、第2ヨーク(3)が第2パイプ部
(21)の一端に一体形成されている。なお、(25)は第
2パイプ部(21)の中空部を示している。
【0045】第1部材(10)において、図2に示すよう
に第1パイプ部(11)の他方の端部には、半径方向内側
に膨出した第1膨出部(12)が全周に亘って一体形成さ
れており、これにより、第1パイプ部(11)の端部が該
第1パイプ部(11)の他の部位よりも厚肉に形成されて
いる。さらに、この膨出部(12)の半径方向内側端部に
は、第1パイプ部(11)の軸線方向外側に突出した受け
部(13)が全周に亘って一体形成されている。また、こ
の第1パイプ部(11)の端部の外周面は、該第1パイプ
部(11)の他の部位の外周面と面一に連なっている。
【0046】一方、第2部材(20)において、図2に示
すように第2パイプ部(21)の他方の端部には、半径方
向内側に膨出した第2膨出部(22)が全周に亘って一体
形成されており、これにより、第2パイプ部(21)の端
部が該第2パイプ部(21)の他の部位よりも厚肉に形成
されている。また、この第2パイプ部(21)の端部の外
周面は、該第2パイプ部(21)の他の部位の外周面と面
一に連なっている。
【0047】そして、第1部材(10)の第1パイプ部
(11)の端部と、第2部材(20)の第2パイプ部(21)
の端部とが突き合わされている。図2において、(T)
は、両パイプ部(11)(21)の端部同士を突き合わせた
突合せ部を示している。この突合せ状態において、第1
パイプ部(11)の外周面と第2パイプ部(21)の外周面
とは面一に連なっており、更に、第1パイプ部(11)の
受け部(13)が第2パイプ部(21)の端部の内周面に当
接し、この受け部(13)によって第1パイプ部(21)の
端部の内周面が受けられている。そして、この突合せ状
態で、両パイプ部(11)(12)の端部同士が摩擦撹拌接
合によって全周に亘って接合され、これにより、第1部
材(10)と第2部材(20)とが一体化されている。図2
において、(J)は、両パイプ部(11)(21)の端部同
士を接合した接合部を示している。この接合部(J)
は、突合せ部(T)に沿って全周に亘って形成されてい
る。
【0048】次に、このプロペラシャフト(P1)の製造
方法について図3〜図5を参照して説明する。
【0049】まず、図3に示すように、第1部材(10)
を鍛造加工(つまり塑性加工)の一種である衝撃押出加
工によって製作する<第1部材製作工程>。この第1部
材(10)は、第1ヨーク(2)と、該第1ヨーク(2)
が一端に一体形成された第1パイプ部(11)とを有して
いる。更に、この第1パイプ部(11)の他端は開口して
いる。
【0050】この第1部材(10)の衝撃押出加工による
製作手順について簡単に記述すると、第1部材用の素材
(いわゆるブランク)を成形ダイス内に入れ、該素材を
ポンチによって加圧し、ダイスとポンチとの間から素材
を流出させて成形することにより、所望する第1部材を
製作する。
【0051】さらに、この衝撃押出加工によって第1パ
イプ部(11)の他方の端部に、半径方向外側に膨出した
膨出部(12')と該第1パイプ部(11)の軸線方向外側
に突出した受け部(13')とを一体形成する。
【0052】この衝撃押出加工は、公知の衝撃押出加工
機(図示せず)を用いることにより、容易にこれを遂行
することができる。なお、膨出部(12')及び受け部(1
3')は、必ずしも衝撃押出加工により形成することを要
せず、他の塑性加工によって形成しても良い。
【0053】次いで、図4に示すように、第1部材(1
0)の第1パイプ部(11)の端部開口内に受け部材(4
5)を挿入し、この状態で、第1パイプ部(11)の端部
に対して、縮径加工としてのスエージング加工を行い、
これにより、該第1パイプ部(11)の端部の外径を縮小
させる<縮径加工工程>。この加工により、第1パイプ
部(11)の端部には、半径方向内側に膨出した膨出部
(12)と該第1パイプ部(11)の軸線方向外側に突出し
た受け部(13)とが形成されることとなる。
【0054】このスエージング加工は、公知のスエージ
ング加工機(図示せず)を用いることにより、容易にこ
れを遂行することができる。
【0055】次いで、この第1部材(10)に対して人工
時効硬化処理を行うのが望ましい。この処理として、特
にT6処理を行うことが望ましい。
【0056】次いで、もし必要ならば、この第1部材
(10)の第1パイプ部(11)の端部の寸法精度を良くす
るために、寸法精度仕上げ処理を切削加工によって行
う。
【0057】次いで、この第1部材(10)の第1ヨーク
(2)の各取付け部(18)に軸受け孔(図1参照、18
a)を切削加工により穿設する。
【0058】一方、第2部材(20)についても、図示し
ていないが、上記第1部材(10)と同様に衝撃押出加工
によって製作する<第2部材製作工程>。この第2部材
(20)は、第2ヨーク(3)と、該第2ヨーク(3)が
一端に一体形成された第2パイプ部(12)とを有してい
る。更に、この第2パイプ部(21)の他端は開口してい
る。さらに、この衝撃押出加工によって第2パイプ部
(21)の他方の端部に、半径方向外側に膨出した膨出部
を一体形成する。
【0059】次いで、この第2部材(20)の第2パイプ
部(21)の端部に対して、上記第1部材(10)と同様に
スエージング加工を行い、これにより、該第2パイプ部
(21)の端部の外径を縮小させる<縮径加工工程>。こ
の加工により、第2パイプ部(21)の端部には、半径方
向内側に膨出した膨出部(22)が形成されることとな
る。
【0060】次いで、この第2部材(20)に対して人工
時効硬化処理を行い、更に、もし必要ならばこの第2部
材(20)の第2パイプ部(21)の端部の寸法精度を良く
するために、寸法精度仕上げ処理を切削加工によって行
う。次いで、この第2部材(20)の第2ヨーク(3)の
各取付け部(28)に軸受け孔(図1参照、28a)を切削
加工により穿設する。
【0061】以上の第1部材製作工程及び第2部材製作
工程で得られた第1部材(10)及び第2部材(20)を用
い、図5に示すように、第1部材(10)の第1パイプ部
(11)の端部と第2部材(20)の第2パイプ部(21)の
端部とを突き合わせる。この突合せ状態において、第2
部材(20)の第2パイプ部(21)の端部の内周面は第1
部材(10)の受け部(13)によって受けられている。さ
らに、第1パイプ部(11)の外周面と第2パイプ部(2
1)の外周面とは面一に連なっている。
【0062】次いで、この突合せ状態で、第1部材(1
0)及び第2部材(20)の双方のパイプ部(11)(21)
の端部同士を摩擦撹拌接合によって全周に亘って接合
し、これにより、第1部材(10)と第2部材(20)とを
一体化する<一体化工程>。
【0063】この摩擦撹拌接合の接合方法について図5
を参照して説明すると次のとおりである。(40)は摩擦
撹拌接合用の接合工具である。この接合工具(40)は、
径大の円柱状回転子(41)と、該回転子(41)の端面
(41a)の回転中心部に突設された径小のピン状プロー
ブ(42)とを有している。この接合工具(40)の回転子
(41)及びプローブ(42)を回転させる。そして、回転
しているプローブ(42)を突合せ部(T)に外周面側か
ら埋入した状態に配置する。更に、回転している回転子
(41)の端面(41a)を突合せ部(T)の外周面に押し
付けた状態に配置する。そして、この状態で、プローブ
(42)を突合せ部(T)に沿って移動させて両部材(1
0)(20)の周りを一周させるか、あるいは突合せ部
(T)が順次プローブ(42)を通過するように両部材
(10)(20)をその軸線を中心に一回転させる。
【0064】このプローブ(42)の突合せ部(T)に対
する相対移動に伴い、両パイプ部(11)(21)の端部同
士がプローブ埋入位置にて該プローブ(42)により順次
接合されていく。すなわち、プローブ(42)の回転に伴
い発生する摩擦熱と、回転子(41)の端面(41a)と突
合せ部(T)の外周面との摺動に伴い発生する摩擦熱と
によって、両パイプ部(11)(21)はプローブ埋入位置
近傍にて軟化する。そして、両パイプ部(11)(21)の
軟化部の肉がプローブ(42)の回転力を受けて撹拌混合
されるとともに、プローブ(42)の移動に伴ってプロー
ブの通過溝を埋めるように塑性流動したのち、摩擦熱を
失って冷却固化される。この現象がプローブ(42)の移
動に伴って順次繰り返されていき、両パイプ部(11)
(21)の端部同士がプローブ通過部分にて順次接合され
ていく。そして、プローブ(42)が突合せ部(T)を一
周したら、両パイプ部(11)(21)の端部同士は全周に
亘って摩擦撹拌接合されたことになるので、プローブ
(42)を抜出する。こうして第1部材(10)と第2部材
(20)とを一体化し、プロペラシャフト(P1)を製作す
る。
【0065】次いで、このプロペラシャフト(P1)の軸
線が曲がっていないかどうか調べ、もし曲がっていれ
ば、その曲がりを矯正する。また、必要に応じてプロペ
ラシャフト(P1)のバランスを修正する。
【0066】以上の工程により、所望するプロペラシャ
フト(P1)が得られる。
【0067】而して、このプロペラシャフト(P1)は、
第1部材(10)と第2部材(20)との2部材で構成され
たものなので、第1部材(10)及び第2部材(20)の双
方のパイプ部(11)(21)の端部同士を接合することに
より、該プロペラシャフト(P1)を得ることができる。
そのため、プロペラシャフト(P1)を簡単に製作するこ
とができ、もってプロペラシャフト(P1)の製造コスト
を引き下げることができる。しかも、このプロペラシャ
フト(P1)においては、接合箇所は1箇所だけなので、
強度的信頼性が高くなっている。さらに、プロペラシャ
フト(P1)は、アルミニウム又はその合金製のものなの
で、軽量になっている。さらに、両パイプ部(11)(2
1)の端部同士は摩擦撹拌接合によって接合されている
ので、接合に伴う熱歪みは殆ど発生しておらず、プロペ
ラシャフト(P1)の重心のバランスは良好である。
【0068】また、第1部材(10)及び第2部材(20)
は、いずれも、パイプ部(11)(21)の一端にヨーク
(2)(3)が一体形成されたものであることから、両
パイプ部(11)(21)の端部同士を接合する際に、これ
ら両パイプ部(11)(21)の端部同士を突き合わせる
と、その突合せ部(T)の内側には中空部が形成される
こととなり、そのため、この中空部によって過剰な接合
熱の発生を防止することができる。そのため、良好な接
合部(J)を確実に形成することができる。
【0069】さらに、各パイプ部(11)(21)の端部
は、該パイプ部の他の部位の肉厚よりも厚肉に形成され
ているので、両パイプ部(11)(21)の端部同士は強固
に接合されている。したがって、このプロペラシャフト
(P1)は極めて高い接合強度を有している。
【0070】さらに、各パイプ部(11)(21)の端部を
厚肉にするための膨出部(12)(22)は、半径方向内側
に膨出したものであり、このプロペラシャフト(P1)の
軸部(1)の外周面には余分な膨出部が形成されていな
い。そのため、このプロペラシャフト(P1)を車体の所
定場所に取り付ける際に、取付け場所に存在している壁
等の障害物に該プロペラシャフト(P1)がぶつかってこ
れを取り付けることができなくなるという不具合を回避
することができる。しかも、このプロペラシャフト(P
1)では、第1部材(10)の第1パイプ部(11)の外周
面と第2部材(20)の第2パイプ部(21)の外周面とが
面一に連なっているので、かかる不具合を確実に回避す
ることができる。
【0071】加えて、第2パイプ部(21)の端部の内周
面が受け部(13)によって受けられているので、摩擦撹
拌接合時に、摩擦熱にて軟化した第2パイプ部(21)の
肉をその内周面側から受けることができる。そのため、
肉の不足に伴う接合強度の低下を防止することができ
る。
【0072】また、このプロペラシャフト(P1)におい
ては、第1部材(10)及び第2部材(20)は、いずれ
も、衝撃押出加工によって製作されているので、各部材
(10)(20)を確実に且つ容易に製作することができ
る。
【0073】しかも、この第1実施形態に係るプロペラ
シャフト(P1)の製造方法では、第1部材(10)の第1
パイプ部(11)の端部に、予め半径方向外側に膨出した
膨出部(12')を形成しておき、この第1パイプ部(1
1)の端部に対して縮径加工としてのスエージング加工
を行うことにより、該第1パイプ部(11)の端部に半径
方向内側に膨出した膨出部(12)を形成したものである
から、半径方向内側に膨出した膨出部(12)を容易に形
成することができる。同じく、第2部材(20)の第2パ
イプ部(21)の膨出部(22)についても、これと同様に
形成されたものであるから、この膨出部(22)について
も容易に形成することができる。したがって、このプロ
ペラシャフト(P1)の製造方法によれば、各部材(10)
(20)を容易に製作することができ、もってプロペラシ
ャフト(P1)の製造コストを更に低く抑えることができ
る。
【0074】図6〜図15は、ぞれぞれ、第2〜第11
実施形態に係るプロペラシャフト(P2)〜(P11)を示
す縦断面図である。これらの同図には、上記第1実施形
態のプロペラシャフト(P1)と同じ要素に同一に符号が
付されており、以下、第2〜第11実施形態に係るプロ
ペラシャフト(P2)〜(P11)の構成について、上記第
1実施形態のプロペラシャフト(P1)との相異点を中心
に説明する。
【0075】図6に示した第2実施形態のプロペラシャ
フト(P2)は、上記第1実施形態のプロペラシャフト
(P1)と同じく、軸部(1)の長さ方向の中央位置(即
ち、軸部(1)の全長の丁度半分の長さ位置)で分割さ
れている。
【0076】第1部材(10)の第1パイプ部(11)の端
部には、半径方向内側に膨出した膨出部(12)が全周に
亘って一体形成され、これにより、該第1パイプ部(1
1)の端部は第1パイプ部(11)の他の部位よりも厚肉
に形成されている。また同じく、第2部材(20)の第2
パイプ部(21)の端部には、半径方向内側に膨出した膨
出部(22)が全周に亘って一体形成され、これにより、
該第2パイプ部(21)の端部は第2パイプ部(21)の他
の部位よりも厚肉に形成されている。また、第1部材
(10)の第1パイプ部(11)の端部の肉厚寸法は第2部
材(20)のそれと同寸である。なお、第1部材(10)の
第1パイプ部(11)の端部には、受け部(図2参照、1
3)は形成されていない。
【0077】さらに、このプロペラシャフト(P2)で
は、第1部材(10)と第2部材(20)とは、互いに同形
で且つ同寸に形成されている。
【0078】同図において、(30A)は金属製(例えば
アルミニウム又はその合金製)のバックアップ用補強部
材である。この補強部材(30A)は、円板状又は円柱状
のものであって、中実のものである。この補強部材(30
A)の外周面の軸線方向中間部には、半径方向外側に突
出した凸部(31)が全周に亘って一体形成されている。
この凸部(31)の突出長さは、第1部材(10)の第1パ
イプ部(11)の端部の肉厚寸法と同寸である。さらに、
この補強部材(30A)の両面の外周縁部には、該補強部
材(30A)の軸線方向両側に突出した第1受け部(30a)
及び第2受け部(30a)が全周に亘って一体形成されて
いる。
【0079】そして、この補強部材(30A)が、第1部
材(10)の第1パイプ部(11)の端部と第2部材(20)
の第2パイプ部(21)の端部とを突き合わせてなる突合
せ部(T)の内側に、第1パイプ部(11)と第2パイプ
部(21)とに跨って装填配置されている。さらに、この
補強部材(30A)の凸部(31)が第1パイプ部(11)の
端部と第2パイプ部(21)の端部との間に挟まれた状態
で、両パイプ部(11)(21)の端部間に介在されてい
る。さらに、こうして凸部(31)が介在されることによ
り、第1パイプ部(11)の端部と第2パイプ部(21)の
端部とは、互いに接触していない。また、第1パイプ部
(11)の端部の内周面が補強部材(30A)の第1受け部
(30a)によって受けられるとともに、第2パイプ部(2
1)の端部の内周面が補強部材(30A)の第2受け部(30
a)によって受けられている。さらに、この補強部材(3
0A)によって第1パイプ部(11)の中空部(15)と第2
パイプ部(21)の中空部(25)は横断状に仕切られてい
る。
【0080】そして、この突合せ状態で、両パイプ部
(11)(21)の端部同士が摩擦撹拌接合によって全周に
亘って接合されることにより、第1部材(10)と第2部
材(20)とが一体化されている。さらに、この摩擦撹拌
接合によって両パイプ部(11)(21)の端部同士を接合
した接合部(J)には、補強部材(30A)が共に接合さ
れており、その結果、これら三者(10)(20)(30A)
が接合部(J)において一体化されている。
【0081】このプロペラシャフト(P2)では、各パイ
プ部(11)(21)の端部は補強部材(30A)によって補
強されるとともに、この状態で、両パイプ部(11)(2
1)の端部同士が摩擦撹拌接合によって接合されている
ので、摩擦撹拌接合時に第1パイプ部(11)の端部及び
第2パイプ部(21)の端部が接合工具(40)のプローブ
(42)の挿入圧及び回転子(41)の端面(41a)の押付
け圧によって凹むという不具合が発生しない。したがっ
て、このプロペラシャフト(P2)は優れた寸法精度を有
している。
【0082】さらに、補強部材(30A)の外周面には凸
部(31)が形成されているので、この補強部材(30A)
を突合せ部(T)の内側に配置させる際に、該補強部材
(30A)の位置決めを容易に行うことができる。
【0083】もとより、補強部材(30A)は中実である
ので、各パイプ部(11)(21)の端部を強固に補強する
ことができる。
【0084】さらに、このプロペラシャフト(P2)で
は、第1部材(10)と第2部材(20)とは、互いに同形
であるから、第1部材(10)と第2部材(20)とを一体
化する際に、両者(10)(20)を取り違える虞はない
し、その上、一種類の形状の部材によってプロペラシャ
フト(P2)を製作することができるので、該プロペラシ
ャフト(P2)を更に能率良く製作することができる。し
かも、一種類の成形ダイスによって第1部材(10)と第
2部材(20)を形成することができるので、ダイスの製
作コストを引き下げることができ、ひいてはプロペラシ
ャフト(P2)の製造コストを更に引き下げることができ
る。
【0085】図7に示した第3実施形態のプロペラシャ
フト(P3)では、補強部材(30A)の凸部(31)の突出
長さは、第1部材(10)の第1パイプ部(11)の端部の
肉厚寸法及び第2部材(20)の第2パイプ部(21)の端
部の肉厚寸法よりも短く設定されている。一方、第1部
材(10)の第1パイプ部(11)の端部の端面の内周縁部
には、凹所が全周に亘って設けられている。また同じ
く、第2部材(20)の第2パイプ部(21)の端部の端面
の内周縁部にも、凹所が設けられている。そして、第1
パイプ部(11)の端部と第2パイプ部(21)の端部とが
突き合わされた状態で、補強部材(30A)の凸部(31)
が第1パイプ部(11)の前記凹所内と第2パイプ部(2
1)の前記凹所内とに収容されており、これにより、該
凸部(31)が両パイプ部(11)(21)の端部間に介在さ
れている。一方、両パイプ部(11)(21)の凹所内に補
強部材(30A)の凸部(31)が収容されていることか
ら、第1パイプ部(11)の端部と第2パイプ部(21)の
端部とは互いに接触している。
【0086】そして、この突合せ状態で、両パイプ部
(11)(21)の端部同士が摩擦撹拌接合によって全周に
亘って接合されることにより、第1部材(10)と第2部
材(20)とが一体化されている、さらに、この摩擦撹拌
接合によって両パイプ部(11)(21)の端部同士を接合
した接合部(J)には、補強部材(30A)が共に接合さ
れており、その結果、これら三者(10)(20)(30A)
が接合部(J)において一体化されている。
【0087】図8に示した第4実施形態に係るプロペラ
シャフト(P4)では、補強部材(30B)は円柱状のもの
であって、中実のものである。この補強部材(30B)の
外周面の軸線方向中間部には、断面略コ字状の凹部(3
2)が全周に亘って形成されている。一方、第1部材(1
0)の第1パイプ部(11)の端部には、半径方向内側に
膨出した膨出部(12)が一体形成されるとともに、更に
該膨出部(12)に半径方向内側に突出した凸部(14)が
一体形成されている。同じく、第2部材(20)の第2パ
イプ部(21)の端部には、半径方向内側に膨出した膨出
部(22)が一体形成されるとともに、更に該膨出部(2
2)に半径方向内側に突出した凸部(24)が一体形成さ
れている。
【0088】そして、第1部材(10)の第1パイプ部
(11)の端部と第2部材(20)の第2パイプ部(21)の
端部とが突き合わされた状態において、突合せ部(T)
の内側には補強部材(30B)が第1パイプ部(11)と第
2パイプ部(21)とに跨って装填配置されるとともに、
両パイプ部(11)(21)の凸部(14)(24)が補強部材
(30B)の凹部(32)内に嵌合されている。
【0089】なお、両パイプ部(11)(21)の凸部(1
4)(24)は、次の手順により凹部(32)内に嵌合され
たものである。すなわち、予め各パイプ部(11)(21)
の端部開口を若干拡大しておき、補強部材(30B)を突
合せ部(T)の内側に装填配置したあとで、両パイプ部
(11)(21)の端部の外径を縮小させることにより、両
パイプ部(11)(21)の凸部(14)(24)を補強部材
(30B)の凹部(32)内に嵌合したものである。なお、
この発明では、他の方法によって凸部(14)(24)を凹
部(32)内に嵌め込んでも良いことはもちろんである。
【0090】そして、この状態で、突合せ部(T)が摩
擦撹拌接合によって全周に亘って接合されることによ
り、第1部材(10)と第2部材(20)とが一体化されて
いる。さらに、この摩擦撹拌接合によって両パイプ部
(11)(21)の端部同士を接合した接合部(J)には、
補強部材(30B)が共に接合されており、その結果、こ
れら三者(10)(20)(30B)が接合部(J)において
一体化されている。
【0091】このプロペラシャフト(P4)においては、
両パイプ部(11)(21)の凸部(14)(24)が補強部材
(30B)の凹部(32)内に嵌合されているので、両部材
(10)(20)は補強部材(30B)を介して互いに強固に
連結されている。したがって、このプロペラシャフト
(P4)は極めて高い接合強度を有しており、より優れた
強度的信頼性を有している。さらには、摩擦撹拌接合時
においては、補強部材(30B)は両パイプ部(11)(2
1)に固定されているので、接合時に補強部材(30B)が
不本意に動いてしまう不具合を防止することができ、も
って摩擦撹拌接合を容易に行うことができるものとな
る。
【0092】図9に示した第5実施形態のプロペラシャ
フト(P5)では、第1部材(10)の第1パイプ部(11)
の端部には、半径方向外側に膨出した膨出部(16)が全
周に亘って一体形成されており、これにより、第1パイ
プ部(11)の端部が該第1パイプ部(11)の他の部位よ
りも厚肉に形成されている。また同じく、第2部材(2
0)の第2パイプ部(21)の端部にも、半径方向外側に
膨出した膨出部(26)が全周に亘って一体形成されてい
る。さらに、第1部材(10)と第2部材(20)は、互い
に同形で且つ同寸に形成されている。
【0093】そして、第1部材(10)の第1パイプ部
(11)の端部と第2部材(20)の第2パイプ部(21)の
端部とが突き合わされた状態で、両パイプ部(11)(2
1)の端部同士が摩擦撹拌接合によって全周に亘って接
合され、これにより、第1部材(10)と第2部材(20)
とが一体化されている。
【0094】図10に示した第6実施形態のプロペラシ
ャフト(P6)では、第1部材(10)の第1パイプ部(1
1)の端部には、半径方向外側に膨出した膨出部(16)
が全周に亘って一体形成されており、これにより、第1
パイプ部(11)の端部が該第1パイプ部(11)の他の部
位よりも厚肉に形成されている。さらに、この第1パイ
プ部(11)の端部には、半径方向内側に膨出した膨出部
(12)が全周に亘って一体形成されており、これによ
り、第1パイプ部(11)の端部が該第1パイプ部(11)
の他の部位よりも更に一層厚肉に形成されている。また
同じく、第2部材(20)の第2パイプ部(21)の端部に
は、半径方向外側に膨出した膨出部(26)が全周に亘っ
て一体形成されている。さらに、この第2部材(20)の
第2パイプ部(21)の端部には、半径方向内側に膨出し
た膨出部(22)が全周に亘って一体形成されている。ま
た、第1部材(10)と第2部材(20)は、互いに同形で
且つ同寸に形成されている。
【0095】そして、第1部材(10)の第1パイプ部
(11)の端部と第2部材(20)の第2パイプ部(21)の
端部とが突き合わされた状態で、両パイプ部(11)(2
1)の端部同士が摩擦撹拌接合によって全周に亘って接
合され、これにより、第1部材(10)と第2部材(20)
とが一体化されている。
【0096】図11に示した第7実施形態のプロペラシ
ャフト(P7)では、第1部材(10)の第1パイプ部(1
1)の端部には、半径方向外側に膨出した膨出部(16)
が全周に亘って一体形成され、これにより、該第1パイ
プ部(11)の端部が第1パイプ部(11)の他の部位より
も厚肉に形成されている。さらに、この膨出部(16)の
半径方向外側端部には、第1パイプ部(11)の軸線方向
外側に突出し、第2部材(20)の第2パイプ部(21)の
端部の外周面を覆う覆い部(16a)が全周に亘って一体
形成されている。一方、第2部材(20)の第2パイプ部
(21)の端部には、半径方向内側に膨出した膨出部(2
2)が形成され、これにより、第2パイプ部(21)の端
部が該第2パイプ部(21)の他の部位よりも厚肉に形成
されている。
【0097】そして、第1部材(10)の第1パイプ部
(11)の端部と第2部材(20)の第2パイプ部(21)の
端部とが突き合わされた状態において、第2部材(20)
の第2パイプ部(21)の端部の外周面が第1パイプ部
(11)の覆い部(16a)によって全周に亘って覆われて
いる。そして、この状態で、覆い部(16a)と第2部材
(20)の第2パイプ部(21)の端部とが摩擦撹拌接合に
よって全周に亘って接合されることにより、第1部材
(10)と第2部材(20)とが一体化されている。
【0098】図12に示した第8実施形態のプロペラシ
ャフト(P8)では、第1部材(10)の第1パイプ部(1
1)の端部には、半径方向外側に膨出した膨出部(16)
が全周に亘って一体形成され、これにより、第1パイプ
部(11)の端部が該第1パイプ部(11)の他の部位より
も厚肉に形成されている。さらに、第1パイプ部(11)
の端部には、半径方向内側に突出した凸部(14)が全周
に亘って一体形成されている。同じく、第2部材(20)
の第2パイプ部(21)の端部には、半径方向外側に膨出
した膨出部(26)が全周に亘って一体形成されている。
さらに、第2パイプ部(21)の端部には、半径方向内側
に突出した凸部(24)が全周に亘って一体形成されてい
る。また、第1部材(10)と第2部材(20)は、互いに
同形で且つ同寸に形成されている。
【0099】一方、補強部材(30B)の外周面の軸線方
向中間部には、断面略コ字状の凹部(32)が全周に亘っ
て形成されている。
【0100】そして、第1部材(10)の第1パイプ部
(11)の端部と第2部材(20)の第2パイプ部(21)の
端部とが突き合わされた状態において、突合せ部(T)
の内側には補強部材(30B)が第1パイプ部(11)と第
2パイプ部(21)とに跨って装填配置されている。さら
に、両パイプ部(11)(21)の凸部(14)(24)が補強
部材(30B)の凹部(32)内に嵌合されている。そし
て、この状態で、両パイプ部(11)(21)の端部同士が
摩擦撹拌接合によって全周に亘って接合されることによ
り、第1部材(10)と第2部材(20)が一体化されてい
る。さらに、この摩擦撹拌接合によって両パイプ部(1
1)(21)の端部同士を接合した接合部(J)には、補
強部材(30B)が共に接合されており、その結果、これ
ら三者(10)(20)(30B)が接合部(J)において一
体化されている。
【0101】図13に示した第9実施形態のプロペラシ
ャフト(P9)では、第1部材(10)の第1パイプ部(1
1)の端部には、半径方向外側に膨出した膨出部(16)
が全周に亘って一体形成され、これにより、第1パイプ
部(11)の端部が該第1パイプ部(11)の他の部位より
も厚肉に形成されている。同じく、第2部材(20)の第
2パイプ部(21)の端部には、半径方向外側に膨出した
膨出部(26)が全周に亘って一体に形されている。ま
た、第1部材(10)と第2部材(20)は、互いに同形で
且つ同寸に形成されている。
【0102】一方、補強部材(30C)は、その軸線方向
に延びた断面円形状の中空部(33)を有しており、その
ため、該補強部材(30C)は円環状に形成されている。
【0103】そして、第1部材(10)の第1パイプ部
(11)の端部と第2部材(20)の第2パイプ部(21)の
端部とが突き合わされた状態において、突合せ部(T)
の内側に補強部材(30C)が第1パイプ部(11)と第2
パイプ部(21)とに跨って圧入状態に装填配置されてい
る。そして、この状態で、両パイプ部(11)(21)の端
部同士が摩擦撹拌接合によって全周に亘って接合される
ことにより、第1部材(10)と第2部材(20)とが一体
化されている。さらに、この摩擦撹拌接合によって両パ
イプ部(11)(21)の端部同士を接合した接合部(J)
には、補強部材(30C)が共に接合されており、その結
果、これら三者(10)(20)(30C)が接合部(J)に
おいて一体化されている。
【0104】この第9実施形態のプロペラシャフト(P
9)では、補強部材(30C)は中空部(33)を有している
ことから、該プロペラシャフト(P9)の更なる軽量化が
図られている。
【0105】図14に示した第10実施形態のプロペラ
シャフト(P10)は、その長さ方向の中間部のうち、軸
部(1)の長さ方向の中央位置では分割されておらず、
該中央位置より若干第2ヨーク(3)側にずれた位置で
分割されている。そのため、第1部材(10)の第1パイ
プ部(11)の長さは、第2部材(20)の第2パイプ部
(21)の長さよりも長く形成されている。換言すれば、
第2部材(20)の第2パイプ部(21)の長さは、第1部
材(10)の第1パイプ部(11)の長さよりも短くなって
いる。
【0106】このプロペラシャフト(P10)の他の構成
及びその製造方法は、上記第1実施形態のプロペラシャ
フト(P1)と同じであり、重複する説明を省略する。
【0107】このプロペラシャフト(P10)では、第2
部材(20)の第2パイプ部(21)の長さは短いので、該
第2部材(20)を衝撃押出加工によって更に容易に形成
することができる。
【0108】図15に示した第11実施形態のプロペラ
シャフト(P11)は、その長さ方向の中間部のうち、軸
部(1)と第2ヨーク(3)との境目位置で分割されて
いる。そのため、第1部材(10)の第1パイプ部(11)
は、軸部(1)の全体(即ち全長さ領域)を形成するも
のとなされている。一方、第2部材(20)は、パイプ部
(図1参照、21)を有しておらず、つまり第2ヨーク
(3)だけを主に有するものとなされている。また、こ
の第2部材(20)において、第2ヨーク(3)の2個の
取付け部(28)(28)を連結した連結壁部(29)には、
嵌合凸部(29a)が取付け部(28)(28)の突出方向と
は反対の方向に突出して一体形成されている。そして、
第1部材(10)の第1パイプ部(11)の端部と第2部材
(20)の連結壁部(29)とが突き合わされた状態におい
て、第1パイプ部(11)の端部開口内に嵌合凸部(29
a)が嵌合されている。そして、この状態で、第1パイ
プ部(11)の端部と第2ヨーク(3)とが摩擦撹拌接合
によって全周に亘って接合されることにより、第1部材
(10)と第2部材(20)とが一体化されている。
【0109】このプロペラシャフト(P11)の他の構成
は、上記第1実施形態のプロペラシャフト(P1)と同じ
であり、重複する説明を省略する。
【0110】このプロペラシャフト(P11)では、第2
部材(20)はパイプ部を有していないので、該第2部材
(20)を衝撃押出加工やそれ以外の塑性加工(例えば、
鋳造や鍛造加工)によって極めて容易に形成することが
できる。
【0111】以上、この発明の幾つかの実施形態に係る
プロペラシャフトを説明したが、この発明は、上記実施
形態のプロペラシャフトに限定されるものではなく、様
々に組み合わせたり設定変更したりすることができる。
【0112】例えば、上記実施形態では、第1部材(1
0)と第2部材(20)とを接合する接合手段として、摩
擦撹拌接合が用いられているが、この発明では、この他
に、MIG溶接、TIG溶接、レーザビーム溶接、摩擦
圧接等を用いても良い。
【0113】また、上記実施形態では、縮径加工とし
て、スエージング加工が用いられているが、この発明で
は、他の縮径加工を用いても良い。
【0114】また、上記実施形態のプロペラシャフト
(P1〜P11)は、軸部(1)の両端に接続部材としてヨ
ーク(2)(3)を有するものであるが、この発明に係
るプロペラシャフトは、その他に、例えば、軸部の一端
及び他端にそれぞれヨーク及び接合用フランジを有する
ものであっても良いし、軸部の一端及び他端にそれぞれ
ヨーク及び接続用嵌挿軸を有するものであっても良い
し、軸部の一端及び他端にそれぞれ接合用フランジ及び
接続用嵌挿軸を有するものであっても良い。
【0115】また、第1部材(10)及び第2部材(20)
は、鋳造によって製作しても良い。この場合、鋳造の方
法については限定されるものではなく、様々な公知の鋳
造方法を適用可能である。
【0116】
【発明の効果】上述の次第で、第1発明に係るプロペラ
シャフトは、2個の部材で構成されたものなので、該プ
ロペラシャフトを製作するには接合を1箇所だけ行えば
良く、そのため、プロペラシャフトを能率良く製作する
ことができて、その製造コストを引き下げることができ
る。また、このプロペラシャフトでは、接合箇所は1箇
所だけなので、プロペラシャフトは優れた強度的信頼性
を有している。
【0117】また、第1部材及び第2部材は、軸部の長
さ方向の中間部で分割されることにより、いずれも、軸
部の一部を形成するパイプ部の一端に接続部材が一体形
成されたものであり、前1部材と第2部材とが、それら
のパイプ部の他端部同士が接合されることにより一体化
されている場合には(請求項2)、両パイプ部の他端部
同士を接合する際に、これら両パイプ部の他端部同士を
合わせると、その合わせ部の内側には中空部が形成され
ることとなるので、この中空部によって過剰な接合熱の
発生を防止することができる。そのため、良好な接合部
を確実に形成することができる。
【0118】さらに、各パイプ部の他端部が、該パイプ
部の他の部位よりも厚肉に形成されている場合には(請
求項3)。両パイプ部の他端部同士を強固に接合するこ
とができる。
【0119】さらに、各パイプ部の他端部に半径方向内
側に膨出した膨出部が形成されることによって、各パイ
プ部の他端部が、該パイプ部の他の部位よりも厚肉に形
成されている場合には(請求項4)、プロペラシャフト
を車体の所定場所に取り付ける際に、取付け場所に存在
している壁等の障害物にプロペラシャフトがぶつかる不
具合を防止することができる。
【0120】さらに、摩擦撹拌接合によって両パイプ部
の他端部同士が接合されている場合には(請求項5)、
接合に伴う熱歪みが極めて少ないプロペラシャフトを得
ることができる。
【0121】さらに、両パイプ部の他端部同士を接合し
た接合部の内側に、バックアップ用補強部材が装填配置
された状態で、接合部に補強部材が共接合されている場
合には(請求項6)、摩擦撹拌接合時に各パイプ部の他
端部が凹むという不具合を防止することができる。その
ため、寸法精度が高くなり、優れた重量バランスを有す
るプロペラシャフトを得ることができる。
【0122】さらに、補強部材の外周面に凸部が形成さ
れ、この凸部が両パイプ部の他端部間に介在された状態
で、接合部に補強部材が共接合されている場合には(請
求項7)、補強部材の位置決めを容易に行うことがで
き、そのため、プロペラシャフトをより一層能率良く製
作することができる。
【0123】また、各パイプ部の他端部に、半径方向内
側に突出した凸部が形成されるとともに、補強部材の外
周面に凹部が形成されており、補強部材の凹部内に両パ
イプ部の凸部が嵌め込まれた状態で、接合部に補強部材
が共接合されている場合には(請求項8)、第1部材と
第2部材とを強固に連結することができて、プロペラシ
ャフトの強度的信頼性を更に向上させることができる。
さらに、摩擦撹拌接合時において、補強部材は両パイプ
部に固定されているので、接合時に補強部材が不本意に
動いてしまう不具合を防止することができ、そのため摩
擦撹拌接合を容易に行うことができる。
【0124】さらに、補強部材が中実のものである場合
には(請求項9)、各パイプ部の他端部を補強部材によ
って強固に補強することができる。
【0125】また、補強部材が中空部を有するものであ
る場合には(請求項10)、プロペラシャフトの更なる
軽量化を図ることができる。
【0126】また、第1部材及び第2部材のうち少なく
とも一方において、そのパイプ部の他端部に、該パイプ
部の軸線方向外側に突出した受け部が形成されるととも
に、この受け部によって相手のパイプ部の他端部の内周
面が受けられた状態で、両パイプ部の他端部同士が接合
されている場合には(請求項11)、摩擦撹拌接合時
に、摩擦熱にて軟化した相手のパイプ部の肉を受け部に
よって受けることができて、肉の不足に伴う接合強度の
低下を防止することができる。
【0127】また、第1部材及び第2部材は互いに同形
のものである場合には(請求項12)、第1部材と第2
部材とを一体化する際に、両者を取り違える虞がない
し、その上、一種類の形状の部材でプロペラシャフトを
製作することができるので、プロペラシャフトを更に能
率良く製作することができる。
【0128】第2発明に係るプロペラシャフトの製造方
法によれば、上記第1発明に係るプロペラシャフトを能
率良く製作することができ、その製造コストを引き下げ
ることができる。
【0129】さらに、第1部材及び第2部材の双方が、
いずれも、軸部の一部を形成するパイプ部を有するもの
であり、第1部材製作工程及び第2部材製作工程は、い
ずれも、パイプ部の他端部に半径方向外側に膨出した膨
出部を形成した後で、該他端部の外径を縮小させる縮径
加工工程を含んでいる場合には(請求項14)、パイプ
部の他端部に半径方向内側に膨出した膨出部を容易に形
成することができる。そのため、プロペラシャフトをよ
り一層能率良く製作することができる。
【0130】さらに、一体化工程において、両パイプ部
の他端部同士を突き合わせた突合せ部の内側に、バック
アップ用補強部材を装填配置した状態で、摩擦撹拌接合
によって両パイプ部の他端部同士を接合する場合には
(請求項16)、摩擦撹拌接合時に各パイプ部の他端部
が凹むという不具合を防止することができる。そのた
め、寸法精度の高いプロペラシャフトを得ることができ
る。しかも、補強部材によって各パイプ部の他端部が補
強されるので、プロペラシャフトの接合部における機械
的強度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態に係るプロペラシャフ
トの縦断面図である。
【図2】図1中のX部分の拡大図である。
【図3】同プロペラシャフトの第1部材を製作途中の状
態で示す縦断面図である。
【図4】同プロペラシャフトの第1部材の他端部を外径
を縮小した状態を示す要部縦断面図である。
【図5】同プロペラシャフトの第1部材と第2部材を突
き合わせた状態で示す縦断面図である。
【図6】この発明の第2実施形態に係るプロペラシャフ
トの要部縦断面図である。
【図7】この発明の第3実施形態に係るプロペラシャフ
トの要部縦断面図である。
【図8】この発明の第4実施形態に係るプロペラシャフ
トの要部縦断面図である。
【図9】この発明の第5実施形態に係るプロペラシャフ
トの要部縦断面図である。
【図10】この発明の第6実施形態に係るプロペラシャ
フトの要部縦断面図である。
【図11】この発明の第7実施形態に係るプロペラシャ
フトの要部縦断面図である。
【図12】この発明の第8実施形態に係るプロペラシャ
フトの要部縦断面図である。
【図13】この発明の第9実施形態に係るプロペラシャ
フトの要部縦断面図である。
【図14】この発明の第10実施形態に係るプロペラシ
ャフトの縦断面図である。
【図15】この発明の第11実施形態に係るプロペラシ
ャフトの縦断面図である。
【図16】従来のプロペラシャフトを示す一部切欠き側
面図である。
【符号の説明】
P1〜P11…プロペラシャフト 1…軸部 2、3…ヨーク(接続部材) 10…第1部材 11…第1パイプ部 12…膨出部 13…受け部 15…中空部 20…第2部材 21…第2パイプ部 22…膨出部 25…中空部 30A、30B、30C…補強部材 T…突合せ部 J…接合部

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状軸部(1)の両端に接続部材(2、
    3)を有するプロペラシャフト(P1〜P11)において、 長さ方向の中間部で分割された第1部材(10)及び第2
    部材(20)の2部材で構成され、 前記第1部材(10)及び前記第2部材(20)のうち少な
    くとも一方は、前記軸部(1)の少なくとも一部を形成
    するパイプ部(11、21)の一端に前記接続部材(2、
    3)が一体形成されたものであり、 前記第1部材(10)と前記第2部材(20)とが、それら
    の対応部位同士が接合されることにより一体化されてい
    ることを特徴とするプロペラシャフト。
  2. 【請求項2】 前記第1部材(10)及び前記第2部材
    (20)は、前記軸部(1)の長さ方向の中間部で分割さ
    れることにより、いずれも、前記軸部(1)の一部を形
    成するパイプ部(11、21)の一端に前記接続部材(2、
    3)が一体形成されたものであり、 前記第1部材(10)と前記第2部材(20)とが、それら
    のパイプ部(11、21)の他端部同士が接合されることに
    より一体化されている請求項1記載のプロペラシャフ
    ト。
  3. 【請求項3】 前記各パイプ部(11、21)の他端部が、
    該パイプ部の他の部位よりも厚肉に形成されている請求
    項2記載のプロペラシャフト。
  4. 【請求項4】 前記各パイプ部(11、21)の他端部に半
    径方向内側に膨出した膨出部(12、22)が形成されるこ
    とによって、前記各パイプ部(11、21)の他端部が、該
    パイプ部の他の部位よりも厚肉に形成されている請求項
    3記載のプロペラシャフト。
  5. 【請求項5】 摩擦撹拌接合によって両パイプ部(11、
    21)の他端部同士が接合されている請求項2〜4のいず
    れか1項記載のプロペラシャフト。
  6. 【請求項6】 両パイプ部(11、21)の他端部同士を接
    合した接合部(J)の内側に、バックアップ用補強部材
    (30A、30B、30C)が装填配置された状態で、前記接合
    部(J)に前記補強部材(30A、30B、30C)が共接合さ
    れている請求項5記載のプロペラシャフト。
  7. 【請求項7】 前記補強部材(30A)の外周面に凸部(3
    1)が形成され、 この凸部(31)が両パイプ部(11、21)の他端部間に介
    在された状態で、前記接合部(J)に前記補強部材(30
    A)が共接合されている請求項6記載のプロペラシャフ
    ト。
  8. 【請求項8】 前記各パイプ部(11、21)の他端部に半
    径方向内側に突出した凸部(14、24)が形成されるとと
    もに、 前記補強部材(30B)の外周面に凹部(32)が形成され
    ており、 前記補強部材(30B)の凹部(32)内に前記両パイプ部
    (11、21)の凸部(14、24)が嵌め込まれた状態で、前
    記接合部(J)に前記補強部材(30B)が共接合されて
    いる請求項6記載のプロペラシャフト。
  9. 【請求項9】 前記補強部材(30A、30B)は中実のもの
    である請求項6〜8のいずれか1項記載のプロペラシャ
    フト。
  10. 【請求項10】 前記補強部材(30C)は中空部(33)
    を有するものである請求項6〜8のいずれか1項記載の
    プロペラシャフト。
  11. 【請求項11】 前記第1部材(10)及び前記第2部材
    (20)のうち少なくとも一方において、そのパイプ部
    (11)の他端部に、該パイプ部(11)の軸線方向外側に
    突出した受け部(13)が形成され、 この受け部(13)によって相手のパイプ部(21)の他端
    部の内周面が受けられた状態で、両パイプ部(11、21)
    の他端部同士が接合されている請求項5記載のプロペラ
    シャフト。
  12. 【請求項12】 前記第1部材(10)及び前記第2部材
    (20)は、互いに同形のものである請求項2〜11のい
    ずれか1項記載のプロペラシャフト。
  13. 【請求項13】 環状軸部(1)の両端に第1接続部材
    (2)及び第2接続部材(3)を有するプロペラシャフ
    ト(P1〜P11)の製造方法において、 第1接続部材(2)と、該第1接続部材(2)が一端に
    一体形成されるとともに他端が開口し、且つ軸部(1)
    の少なくとも一部を形成するパイプ部(11)とを有する
    第1部材(10)を、塑性加工又は鋳造によって製作す
    る、第1部材製作工程と、 第2接続部材(3)と、該第2接続部材(3)が一端に
    一体形成されるとともに他端が開口し、且つ軸部(1)
    の少なくとも一部を形成するパイプ部(21)とを有する
    か、あるいは前記パイプ部(21)を有していない第2部
    材(20)を、塑性加工又は鋳造によって製作する、第2
    部材製作工程と、 前記第1部材(10)と前記第2部材(20)とを、それら
    の対応部位同士を接合することにより一体化する、一体
    化工程と、を備えていることを特徴とするプロペラシャ
    フトの製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第1部材(10)及び前記第2部材
    (20)の双方は、いずれも、軸部(1)の一部を形成す
    るパイプ部(11、21)を有するものであり、 前記第1部材製作工程及び前記第2部材製作工程は、い
    ずれも、パイプ部(11、21)の他端部に半径方向外側に
    膨出した膨出部(12')を形成した後で、該他端部の外
    径を縮小させる縮径加工工程を含んでいる請求項13記
    載のプロペラシャフトの製造方法。
  15. 【請求項15】 前記一体化工程において、両パイプ部
    (11、21)の他端部同士を接合する手段として、摩擦撹
    拌接合を用いる請求項14記載のプロペラシャフトの製
    造方法。
  16. 【請求項16】 前記一体化工程において、両パイプ部
    (11、21)の他端部同士を突き合わせた突合せ部(T)
    の内側に、バックアップ用補強部材(30A、30B、30C)
    を装填配置した状態で、摩擦撹拌接合によって両パイプ
    部(11、21)の他端部同士を接合する請求項15記載の
    プロペラシャフトの製造方法。
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